JP5521781B2 - 油中水型乳化組成物 - Google Patents
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すなわち、本発明は以下に示されるものである。
(II)下記一般式(2)により表される非イオン性界面活性剤 0.9〜30重量%;
(III)油剤;及び、
(IV)水;
を含有する油中水型乳化組成物であって、
(III)成分と(IV)成分との含有量の和が50〜99重量%であり、(III)成分と(IV)成分との含有量の比[(III)/(IV)]が1/4〜9/1である、油中水型乳化組成物。
[2]mが10〜50である、前記[1]に記載の油中水型乳化組成物。
[3](III)成分の油剤が、合成または天然のエステル油、炭化水素油、あるいは、シリコーン油である、前記[1]又は[2]に記載の油中水型乳化組成物。
[4](I)成分の含有量が、0.5〜15重量%であり、(II)成分の含有量が、1.4〜20重量%であり、(III)成分と(IV)成分との含有量の和が、60〜98重量%である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
本発明の油中水型乳化組成物は、(I)一般式(1)により表されるポリアルキレングリコール誘導体、(II)一般式(2)により表される非イオン性界面活性剤、(III)油剤及び(IV)水を含有する。
本発明の(I)成分であるポリアルキレングリコール誘導体は、下記一般式(1)により表され、キシリトール骨格を有することを特徴とする。
本発明の(II)成分である非イオン性界面活性剤は、下記一般式(2)により示される。
エステル化率Y(%)=[エステル価/(エステル価+水酸基価)]×100 式(3)
好適なポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル型としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。これらの1分子全体のオキシエチレン基の平均付加モル数(即ち、[n×p])は3〜60、好ましくは10〜50である。ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル型の具体例としては、例えば、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(40モル)ソルビット、テトライソステアリン酸ポリオキシエチレン(40モル)ソルビット、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(5モル)グリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(15モル)グリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)グリセリン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(5モル)グリセリン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)グリセリン、ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(50モル)硬化ヒマシ油等が挙げられ、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン、ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(40モル)ソルビット、テトライソステアリン酸ポリオキシエチレン(40モル)ソルビットが好ましい。なお、括弧内は、1分子全体のオキシエチレン基の平均付加モル数を示す。
一方、好適な多価アルコール脂肪酸エステル型としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸ペンタグリセリン、ジオレイン酸ヘキサグリセリン、トリオレイン酸デカグリセリン等が挙げられ、また、ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖ジオレイン酸エステル等が挙げられ、中でもモノオレイン酸ペンタグリセリン、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖ジオレイン酸エステルが好ましい。
本発明の(III)成分である油剤としては、特に限定されるものではないが、合成または天然のエステル油を好適に使用することができる。
合成のエステル油としては、例えばミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸ミリスチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシル、N−ラウロイルサルコシンイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
天然のエステル油としては、例えばアボガド油、亜麻仁油、大豆油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、ココナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、サフラワー油、パーム油、ナタネ油、綿実油、エノ油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、ホホバ油、胚芽油等が挙げられる。
本発明の(IV)成分である水としては、一般にW/Oエマルションの水相として用いられるものであれば特に限定されず、例えば、蒸留水やイオン交換水等の精製水、生理食塩水、リン酸緩衝水溶液等を好ましく用いることができる。
Ia:ポリオキシブチレン(40モル)キシリトール(化合物1)
Ib:ポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシブチレン(20モル)キシリトール(化合物2)
(Ia)成分及び(Ib)成分との比較のため、以下の(Ic)成分、(Id)成分及び(Ie)成分を検討した。
Ic:ポリオキシエチレン(30モル)ポリオキシブチレン(20モル)キシリトール(化合物3)
Id:ポリオキシブチレン(7モル)キシリトール(化合物4)
Ie:ポリオキシブチレン(40モル)トリグリセリルエーテル(化合物5)
IIIa:パルミチン酸2‐エチルヘキシル
IIIb:流動パラフィン(40秒)
IIIc:シクロペンタジメチルシロキサン
なお、流動パラフィンの括弧内は、粘度(37.8℃におけるセイボルトユニバーサル(saybolt universal)秒)を示す。
IVa:イオン交換水
Va:ピロリドンカルボン酸ナトリウム
Vb:グリセリン
<化合物1:ポリオキシブチレン(40モル)キシリトールの合成例>
(1)ケタール化反応
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対、冷却管及び油水分離管を取り付けた3リットルの四つ口フラスコに、キシリトール700g、2,2−ジメトキシプロパン1291g、パラトルエンスルホン酸一水和物27mgを仕込み、反応系内を60〜90℃に保持し、2時間反応させた。反応終了後、副生したメタノール及び過剰分の2,2−ジメトキシプロパンを系外に留去し、1014gのジイソプロピリデンキシリトール(化合物1a)を得た。
化合物1aを235g、触媒として水酸化カリウム15.5gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりブチレンオキシド2900gを滴下させ、2時間撹拌した。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有する水分を除去するため、100℃、1時間、減圧処理を行い、最後に濾過をして塩を除去して、2850gのポリオキシブチレン(40モル)ジイソプロピリデンキシリトール(化合物1b)を得た。
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対、冷却管を取り付けた1リットルの四つ口フラスコに、化合物1bを700g、水70g、36%塩酸10gを仕込み、密閉状態で80℃、2時間脱ケタール化反応を行った後、窒素バブリングで水及びアセトンを系外に留去した。続いて10%水酸化カリウム水溶液でpH6〜7に合わせ、含有する水分を除去するために、100℃、1時間、減圧処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、650gのポリオキシブチレン(40モル)キシリトール(化合物1)を得た。
(1)オキシエチレン化およびオキシブチレン化反応
上記化合物1の合成にて得られた化合物1aを235g、触媒として水酸化カリウム5.5gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置により、エチレンオキシド135gを滴下させ、2時間撹拌した。引き続き、ブチレンオキシド1500gを滴下させ、2時間撹拌した。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有する水分を除去するため、100℃、1時間、減圧処理を行い、最後に濾過をして塩を除去して、1788gのポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシブチレン(20モル)ジイソプロピリデンキシリトール(化合物2b)を得た。
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対、冷却管を取り付けた1リットルの四つ口フラスコに、化合物2bを700g、水70g、36%塩酸10gを仕込み、密閉状態で80℃、2時間脱ケタール化反応を行った後、窒素バブリングで水及びアセトンを系外に留去した。続いて10%水酸化カリウム水溶液でpH6〜7に合わせ、含有する水分を除去するために、100℃、1時間、減圧処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、650gのポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシブチレン(20モル)キシリトール(化合物2)を得た。
上記化合物1、2の合成例に準じて、下記表1に示す構造のポリアルキレングリコール誘導体(化合物3、4)を調製した。
上記化合物1、2の合成例に準じて、親水性部がトリグリセリンであるポリオキシブチレン(40モル)トリグリセリルエーテルを合成した。
(実施例1)
下記表4に示す処方で、配合スケール100gで乳化組成物を調製した。具体的な調製操作は下記の通りである。初めに、油剤である(III)成分と界面活性剤である(II)成分とを200mLビーカーに秤量し、70℃にて均一に撹拌して、油相を得た。次に、それら以外の成分を混合して得た水相を、同温度でゆっくりと油相に添加して予備溶解した。これをホモミキサー(K.T.ROBOMICS、TOKUSHUKIKA社製)にて撹拌(5000rpm×5分間)して、乳化組成物を得た。
下記表4に示す処方で、実施例1と同様の操作により実施例2〜4の乳化組成物をそれぞれ調製した。
下記表4に示す処方で、実施例1と同様の操作により比較例1〜6の乳化組成物をそれぞれ調製した。
これらの乳化組成物の性能について、「流動性」、「水分保持能力」、および「エマルション形成時の低泡性」の3項目で評価した。
調製直後の乳化組成物の動粘度を25℃にて測定した。なお、かかる動粘度は、JIS K2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」に基づき測定したものである。下記の基準にて評価し、AおよびAAを合格とした。
AA:動粘度が500mm2/s未満
A :動粘度が500mm2/s以上〜1000mm2/s未満
B :動粘度が1000mm2/s以上〜4000mm2/s未満
C :動粘度が4000mm2/s以上、または流動性なし
乳化組成物50gをスクリュー管に充填し、密閉した後、40℃の恒温槽で1ヶ月間保存した。かかる保存後の試料の外観を確認した。判定は下記の基準で行い、AAおよびAを合格とした。
AA:水相の重量分率が60重量%超える場合でも、外観に変化が確認されない
A :水相の重量分率が60重量未満の場合において、外観に変化が確認されない
B :スクリュー管の底部に、油−水分離がわずかに確認される
C :はっきりと油−水分離が確認される
上記乳化組成物の調製において、ホモミキサーにて攪拌した直後の気泡の高さを測定した。判定は下記の基準で行い、AAおよびAを合格とした。
AA:気泡がほとんど確認されない
A :気泡の高さが3mm未満
B :気泡の高さが3mm以上〜10mm未満
C :気泡の高さが10mm以上
Claims (4)
- (I)下記一般式(1)により表されるポリアルキレングリコール誘導体 0.1〜20重量%;
(II)下記一般式(2)により表される非イオン性界面活性剤 0.9〜30重量%;
(III)油剤;及び、
(IV)水;
を含有する油中水型乳化組成物であって、
(III)成分と(IV)成分との含有量の和が50〜99重量%であり、(III)成分と(IV)成分との含有量の比[(III)/(IV)]が1/4〜9/1である、油中水型乳化組成物。
(式中、EOはオキシエチレン基を示し;AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基を示し;a+bおよびmはそれぞれEOおよびAOの平均付加モル数を示し、a+bは0〜20、mは10〜80であり;EOとAOとの質量の合計に対するAOの質量の割合は70〜100質量%であり;R1は水素原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基を示す。)
(式中、Zは3〜12個の水酸基を有する化合物から水酸基を除いた残基を示し;pは、Zに由来する水酸基数および水酸基から誘導された官能基の数の和を示し、3〜12であり;EOはオキシエチレン基を示し;nは水酸基1個あたりのEOの平均付加モル数を示し;nとpとの積[n×p]は0又は3〜60であり;R2は水素原子又は炭素数8〜22のアシル基を示し;(II)成分である非イオン性界面活性剤のエステル化率をY(%)とするとき、[Y−0.7n×p]が10〜40である。) - mが10〜50である、請求項1に記載の油中水型乳化組成物。
- (III)成分の油剤が、合成または天然のエステル油、炭化水素油、あるいは、シリコーン油である、請求項1又は2に記載の油中水型乳化組成物。
- (I)成分の含有量が、0.5〜15重量%であり、(II)成分の含有量が、1.4〜20重量%であり、(III)成分と(IV)成分との含有量の和が、60〜98重量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
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