JP5521781B2 - 油中水型乳化組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、油中水型乳化組成物に関するものであり、さらに詳しくは新規ポリアルキレングリコール誘導体を含む油中水型乳化組成物に関する。
油中水型乳化物(以下、単にW/Oエマルションと略記する場合がある)は、連続相である油に界面活性剤等の添加剤を用いて水を分散させたエマルション形態であり、産業上重要な役割を果たしている。例えば、化粧料においては、油溶性の有効成分を基質上に展開させやすく、効果の高い化粧品処方の構築に重要な形態である。また、エマルション燃料においては、窒素酸化物や粒子状物質の発生を抑え、内燃機関が発生するガスがもたらす環境負荷を低減する効果があり、また、インクジェット用インクにおいては、油性顔料インクが紙の裏まで浸透する、いわゆる「裏抜け」を抑制する効果がある。
一方で技術的には、W/Oエマルションは水中油型乳化物(以下、単にO/Wエマルションと略記する場合がある)に比べ安定化が難しいとされている。O/Wエマルションであれば、油滴の周囲に付着した界面活性剤の親水基の効率良い立体反発(例えば、非イオン性界面活性剤のポリエチレンオキシド鎖のエントロピー反発やイオン性界面活性剤の静電反発など)により合一を防止することができるが、W/Oエマルションは連続相が油であるためエントロピー反発や静電反発など立体反発を発現させることが難しい。そこで、W/Oエマルションにおいては、エマルションの粘度を高めて水滴を不動化し、粒子間の衝突頻度を低下させることに技術的な主眼が置かれていた。
しかしながら、化粧料においてはエマルションの粘度が高すぎると、皮膚上に塗布した際の感触に悪影響を及ぼし、重く、粘着性の感触を与えるため、乳化剤を用いて適度な粘度に制御できることが好ましい。また、エマルション燃料やインクジェット用インクにおいては、装置の特性上、高い流動性が必須条件として求められるため、油の粘度を高めたW/Oエマルションを使用することは困難となる。
このような課題を解決するために、特許文献1では親油基としてポリオキシブチレン基、親水基としてポリグリセリンを導入した界面活性剤の提案がなされている。しかしながら、この提案では親水基における水酸基が両端に分散して存在するため、水の保持能力が不十分であり、含水量が高い状態では高流動性を維持することが困難であった。また、特許文献2ではポリヒドロキシステアリン酸の部分架橋ポリグリセロールエステルをベースにする高流動性W/Oエマルション用乳化剤が提案されている。しかしながら、この提案では、エマルションの流動性は高められるものの、乳化剤の構造的な分布が広いため安定な粘度のエマルションを得ることが困難であった。さらに、エマルションに気泡を含むと、エマルションの不安定化等の最終製品に対する不具合が生じることから敬遠されるが、特許文献2の乳化剤は、エマルション形成時に発生した気泡が消えにくいという問題があった。
このように、エマルションの粘度制御が可能であり、高含水量でも流動性および水分保持能力に優れ、エマルション形成時の低泡性に優れるW/Oエマルションは未だ提供されていないのが実情であった。
特開2007−31554号公報 特開2005−41873号公報
本発明が解決しようとする課題は、エマルションの粘度制御が可能であり、高含水量でもエマルションの流動性および水分保持能力に優れ、エマルション形成時の低泡性に優れるW/Oエマルションを提供することである。
本発明者はかかる実情に鑑み鋭意検討した結果、キシリトールの1位の水酸基に対し、親油基としてポリオキシアルキレン基、特に、ポリオキシブチレン基を誘導した新規なポリアルキレングリコール誘導体と特定の非イオン界面活性剤とを組み合わせることで、エマルションの粘度制御が可能であり、高含水量でもエマルションの流動性および水分保持能力に優れ、エマルション形成時の低泡性に優れるW/Oエマルションを得ることができるとの知見を得、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下に示されるものである。
[1](I)下記一般式(1)により表されるポリアルキレングリコール誘導体 0.1〜20重量%;
(II)下記一般式(2)により表される非イオン性界面活性剤 0.9〜30重量%;
(III)油剤;及び、
(IV)水;
を含有する油中水型乳化組成物であって、
(III)成分と(IV)成分との含有量の和が50〜99重量%であり、(III)成分と(IV)成分との含有量の比[(III)/(IV)]が1/4〜9/1である、油中水型乳化組成物。
Figure 0005521781
(式中、EOはオキシエチレン基を示し;AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基を示し;a+bおよびmはそれぞれEOおよびAOの平均付加モル数を示し、a+bは0〜20、mは10〜80であり;EOとAOとの質量の合計に対するAOの質量の割合は70〜100質量%であり;Rは水素原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基を示す。)
Figure 0005521781
(式中、Zは3〜12個の水酸基を有する化合物から水酸基を除いた残基を示し;pは、Zに由来する水酸基数および水酸基から誘導された官能基の数の和を示し、3〜12であり;EOはオキシエチレン基を示し;nは水酸基1個あたりのEOの平均付加モル数を示し;nとpとの積[n×p]は0又は3〜60であり;Rは水素原子又は炭素数8〜22のアシル基を示し;(II)成分である非イオン性界面活性剤のエステル化率をY(%)とするとき、[Y−0.7n×p]が10〜40である。)
[2]mが10〜50である、前記[1]に記載の油中水型乳化組成物。
[3](III)成分の油剤が、合成または天然のエステル油、炭化水素油、あるいは、シリコーン油である、前記[1]又は[2]に記載の油中水型乳化組成物。
[4](I)成分の含有量が、0.5〜15重量%であり、(II)成分の含有量が、1.4〜20重量%であり、(III)成分と(IV)成分との含有量の和が、60〜98重量%である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
本発明の油中水型乳化組成物は、エマルションの粘度制御が可能であり、高含水量でもエマルションの流動性および水分保持能力に優れ、エマルション形成時の低泡性も良好である。このため、化粧料、エマルション燃料、インクジェット用インク等に好適に使用される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の油中水型乳化組成物は、(I)一般式(1)により表されるポリアルキレングリコール誘導体、(II)一般式(2)により表される非イオン性界面活性剤、(III)油剤及び(IV)水を含有する。
[(I)成分:ポリアルキレングリコール誘導体]
本発明の(I)成分であるポリアルキレングリコール誘導体は、下記一般式(1)により表され、キシリトール骨格を有することを特徴とする。
Figure 0005521781
(式中、EOはオキシエチレン基を示し;AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基を示し;a+bおよびmはそれぞれEOおよびAOの平均付加モル数を示し、a+bは0〜20、mは10〜80であり;EOとAOとの質量の合計に対するAOの質量の割合は70〜100質量%であり;Rは水素原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基を示す。)
上記式(1)により表されるポリアルキレングリコール誘導体において、EOはオキシエチレン基を示し、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基を示す。AOとしては、炭素数3では、オキシプロピレン基、炭素数4では、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシt−ブチレン基が挙げられるが、好ましくはオキシブチレン基である。AOは1種または2種以上であってもよく、2種以上の場合は、ランダム状付加でもブロック状付加でもよい。
EOとAOとの付加形態は、ブロック状であり、キシリトール骨格に対してEO−AO−EOの順に付加する。EOとAOとがランダム状に付加していると、所望の界面活性能が得られず好ましくない。
ここで、式(1)において、キシリトール骨格およびEO部分は親水基として作用し、AO部分は親油基として作用する。すなわち、式(1)で示されるポリアルキレングリコール誘導体は、非イオン性の親水基および親油基を有する非イオン性界面活性剤として使用することができる。
EOは、キシリトール骨格の親水性を補うために必要に応じて付加できる。a+bは、EOの平均付加モル数を示し、通常0〜20、好ましくは0〜10、より好ましくは0〜5であり、特に好ましくはaが0〜5かつb=0である。a+bが20より大きいと、親水基におけるキシリトール骨格由来の水酸基が占める割合が低下するため、高含水量での水分保持能力が得られず、好ましくない。
mは、AOの平均付加モル数を示し、又は、AOが2種以上の場合は、合計平均付加モル数を示し、通常10〜80、好ましくは10〜50である。本発明の油中水型乳化組成物において、前述の通りAO部位は親油基として作用するが、mが10より小さい場合は、親油基として十分な分子量ではなく、高含水量でのエマルションの流動性および水分保持能力において不十分である。mが80を超える場合は、(I)成分の分子量に対する親水基の存在比率が小さくなりすぎるため、高含水量での水分保持能力が低下する。
EOとAOとの質量の合計に対するAOの質量の割合は、通常70〜100質量%、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%である。かかる割合が70質量%より小さいと、高含水量での水分保持能力において不十分である。
は、水素原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基である。炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基である。炭素数1〜4のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基などが挙げられる。Rは、好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。Rが炭素数4を超えるアルキル基またはアシル基の場合、エマルション形成時の低泡性が不十分となる。
本発明の(I)成分は単独で使用しても良いが、AO鎖長が異なる2種以上の(I)成分を組み合わせて使用することで、油−水界面へのより密な配向が可能になり、相乗的に乳化安定性を高めることができる。
キシリトール骨格は、隣接する4つの水酸基を有し、親水基として作用する。キシリトール骨格以外の骨格を有する化合物、例えば、隣接する水酸基が2つであるグリセリンや、4つの水酸基を有するが、両端に分散して存在する、特許文献1(特開2007−31554号公報)もしくは2(特開2005−41873号公報)に例示されるトリグリセリン誘導体等を、本発明の(I)成分の代わりに用いる場合、得られるW/Oエマルションは水分保持能力の点で十分ではない。したがって、本願の課題を達成するためには、4つの水酸基が局在化しているキシリトール骨格を有する成分(I)が必須となる。
本発明の一般式(1)で表されるポリアルキレングリコール誘導体の製造方法は特に制限されず、本発明の目的を損なわない範囲で自体公知の製造方法を際限なく用いることができるが、例えば、予めキシリトール骨格の水酸基をジケタール化又はジアセタール化によって保護し、この状態で水酸基のオキシアルキレン化反応を行い、必要に応じてエーテル化/エステル化を行った後、脱ケタール化または脱アセタール化反応により脱保護するという一連の工程を含む製造方法等が挙げられる。かかる製造方法を用いることにより、式(1)に示すようなキシリトール骨格の水酸基の1つのみが修飾されたポリアルキレングリコール誘導体を得ることができる。本発明のポリアルキレングリコール誘導体は、キシリトール骨格の4つの水酸基を局在化させることで、水分の保持能力が大幅に改善され、高含水量でのエマルションの流動性および水分保持能力に重要な役割を果たす。
[(II)成分:非イオン性界面活性剤]
本発明の(II)成分である非イオン性界面活性剤は、下記一般式(2)により示される。
Figure 0005521781
(式中、Zは3〜12個の水酸基を有する化合物から水酸基を除いた残基を示し;pは、Zに由来する水酸基数および水酸基から誘導された官能基の数の和を示し、3〜12であり;EOはオキシエチレン基を示し;nは水酸基1個あたりのEOの平均付加モル数を示し;nとpとの積[n×p]は0又は3〜60であり;Rは水素原子又は炭素数8〜22のアシル基を示し;(II)成分である非イオン性界面活性剤のエステル化率をY(%)とするとき、[Y−0.7n×p]が10〜40である。)
式(2)において、Zは3〜12個の水酸基を有する化合物から水酸基を除いた残基を示す。pは、Zに由来する水酸基数および水酸基から誘導された官能基の数の和(以下、単に界面活性剤の官能基数と略記する場合がある)を示し、通常3〜12である。3〜12個の水酸基を有する化合物としては、例えば、3〜12価の多価アルコール(例、アルカンポリオール、糖類、糖アルコールに代表される糖誘導体、ポリアルカンポリオール)等が挙げられ、具体的には、p=3であれば、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等、p=4であれば、例えば、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、アルキルグリコシド、ジグリセリン等、p=5であれば、例えば、キシリトール、トリグリセリン等、p=6であれば、例えば、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、イノシトール、テトラグリセリン等、p=7であれば、例えば、ペンタグリセリン等、p=8であれば、例えば、ショ糖、トレハロース、ヘキサグリセリン等、p=9であれば、例えば、マルチトール、ヘプタグリセリン等、p=10であれば、例えば、オクタグリセリン等、p=11であれば、例えば、ノナグリセリン等、p=12であれば、例えば、デカグリセリン等が挙げられる。Zは1種または2種以上の混合物であっても良い。Zは好ましくは3〜9個の水酸基を有する化合物から水酸基を除いた残基を示し、pは好ましくは3〜9である。pが3未満では、高含水量での水分保持能力において不十分となり、pが12を超える場合は、高含水量でのエマルションの流動性において不十分となる。
EOはオキシエチレン基を示し、nは水酸基1個あたりのEOの平均付加モル数を示す。本発明の(II)成分である非イオン性界面活性剤は、EOを含まない多価アルコール脂肪酸エステル型と、EOを含むポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル型とに分類される。また、水酸基1個あたりのEOの平均付加モル数nとpとの積[n×p]は、(II)成分である非イオン性界面活性剤1分子全体のEOの平均付加モル数を意味し、(II)成分が多価アルコール脂肪酸エステル型の場合はn=0であるため0であり、(II)成分がポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル型の場合は3〜60であり、好ましくは10〜50である。[n×p]が60を超える場合は、高含水量での水分保持能力およびエマルション形成時の低泡性において不十分となる。
は水素原子又は炭素数8〜22のアシル基を示し、好ましくは炭素数10〜20のアシル基、より好ましくは炭素数12〜18のアシル基を示す。炭素数が8未満であると、高含水量での水分保持能力において不十分となり、炭素数が22を超える場合、高含水量でのエマルションの流動性が低下する。かかるアシル基としては、例えば、脂肪酸から水酸基を除いた残基(例、飽和脂肪酸の残基、不飽和脂肪酸の残基、分岐脂肪酸の残基、およびヒドロキシル基置換脂肪酸の残基等)等が挙げられるが、高含水量でのエマルションの流動性および水分保持能力に優れる点で、不飽和脂肪酸の残基、分岐脂肪酸の残基が好ましい。具体的な脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソテトラデカン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸等が挙げられ、好ましくはオレイン酸、イソステアリン酸である。
式(2)において、p個の[O(EO)n−R]基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。例えば、p個の[O(EO)n−R]基のうちのいずれかが水酸基である場合、そのEO付加モル数は0、Rは水素原子となる。他の[O(EO)n−R]基のうちのいずれかがEOの付加していない炭素数8〜22のアシル基である場合、そのEO付加モル数は0、Rは炭素数8〜22のアシル基となる。また、p個の[O(EO)n−R]基がそれぞれ異なる場合、水酸基1個あたりのEOの平均付加モル数nは、非イオン性界面活性剤1分子全体のEOの平均付加モル数[n×p]を界面活性剤の官能基数pで除することにより算出し得る。
さらに、本発明の(II)成分である非イオン性界面活性剤は、そのエステル化率をY(%)とするとき、かかるエステル化率Y、水酸基1個あたりのEOの平均付加モル数n、および界面活性剤の官能基数pの関数[Y−0.7n×p]が、10〜40であることを必須条件とする。尚、エステル価率Yは、式(3)によって算出される。ここで式(3)における水酸基価はJIS K−1557 6.4記載の方法に準拠して測定し、また、エステル価はJIS K−0070 3.1及びJIS K−0070 4.1記載の方法に準拠して測定する。
[数1]
エステル化率Y(%)=[エステル価/(エステル価+水酸基価)]×100 式(3)
次に、エステル化率Y、水酸基1個あたりのEOの平均付加モル数n、および界面活性剤の官能基数pの関数[Y−0.7n×p]ついて説明する。本発明の(II)成分である界面活性剤が、(I)成分であるポリアルキレングリコール誘導体と相乗的に作用するためには、(II)成分である界面活性剤中における水酸基の存在割合が適切な範囲にあることが重要である。本発明のW/Oエマルションでは、(II)成分である界面活性剤中における水酸基の存在割合が少ない(即ち、Yが大きい)と、油−水界面に(II)成分である界面活性剤が吸着することができず、結果的にエマルションの不安定の原因となる。一方、(II)成分である界面活性剤中における水酸基の存在割合が大きい(即ち、Yが小さい)と、界面活性能が不十分であり、安定なエマルションを形成できない。また、EO基は(II)成分である界面活性剤の油−水界面吸着を促進する方向に作用する。つまり、(II)成分である界面活性剤の界面吸着に対する水酸基及びオキシエチレン基の寄与を勘案した関数が[Y−0.7n×p]である。本発明では、[Y−0.7n×p]が10〜40であることが、(II)成分である界面活性剤が(I)成分であるポリアルキレングリコール誘導体と相乗的に作用し、本発明の効果を発揮するための必須条件であることを見出した。
エステル化率Y、水酸基1個あたりのEOの平均付加モル数n、および界面活性剤の官能基数pの関数[Y−0.7n×p]は、10〜40であり、好ましくは12〜38、より好ましくは15〜36である。[Y−0.7n×p]が10未満の場合、(II)成分における水酸基の存在割合が高すぎる、またはEOの平均付加モル数が多すぎるため、高含水量でのエマルションの流動性およびエマルション形成時の低泡性において不十分となり、40を超える場合、(II)成分における水酸基の存在割合が低すぎて、高含水量での水分保持能力において不十分となる。なお、10〜40の範囲内において、[Y−0.7n×p]が大きくなるに従って粘度が低下し、流動性が向上する傾向にあり、一方、[Y−0.7n×p]が小さくなるに従って流動性を維持しながら粘度が上昇し、高含水量での水分保持能力が高まる傾向がある。
本発明の(II)成分である非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル型と多価アルコール脂肪酸エステル型とに分類される。かかる非イオン性界面活性剤における構成多価アルコールとしては、3〜12価、好ましくは3〜9価、の多価アルコール(例、アルカンポリオール、糖類、糖アルコールに代表される糖誘導体、ポリアルカンポリオール)等が挙げられ、具体的には、例えば、グリセリン、ポリグリセリン(例、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリン等)、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、アルキルグリコシド、キシリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、イノシトール、ショ糖、トレハロース、マルチトール等が挙げられる。また、構成脂肪酸としては、炭素数8〜22、好ましくは炭素数10〜20、より好ましくは炭素数12〜18、の脂肪酸(例、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、分岐脂肪酸、ヒドロキシル基置換脂肪酸等)等が挙げられ、具体的には、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソテトラデカン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸等が挙げられ、好ましくはオレイン酸、イソステアリン酸である。いずれの型の非イオン性界面活性剤であっても、前述する通り、エステル化率Y、水酸基1個あたりのEOの平均付加モル数n、および界面活性剤の官能基数pの関数[Y−0.7n×p]は、10〜40、好ましくは12〜38、より好ましくは15〜36を満足する。
好適なポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル型としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。これらの1分子全体のオキシエチレン基の平均付加モル数(即ち、[n×p])は3〜60、好ましくは10〜50である。ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル型の具体例としては、例えば、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(40モル)ソルビット、テトライソステアリン酸ポリオキシエチレン(40モル)ソルビット、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(5モル)グリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(15モル)グリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)グリセリン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(5モル)グリセリン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)グリセリン、ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(50モル)硬化ヒマシ油等が挙げられ、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン、ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(40モル)ソルビット、テトライソステアリン酸ポリオキシエチレン(40モル)ソルビットが好ましい。なお、括弧内は、1分子全体のオキシエチレン基の平均付加モル数を示す。
一方、好適な多価アルコール脂肪酸エステル型としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸ペンタグリセリン、ジオレイン酸ヘキサグリセリン、トリオレイン酸デカグリセリン等が挙げられ、また、ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖ジオレイン酸エステル等が挙げられ、中でもモノオレイン酸ペンタグリセリン、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖ジオレイン酸エステルが好ましい。
[(III)成分:油剤]
本発明の(III)成分である油剤としては、特に限定されるものではないが、合成または天然のエステル油を好適に使用することができる。
合成のエステル油としては、例えばミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸ミリスチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシル、N−ラウロイルサルコシンイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
天然のエステル油としては、例えばアボガド油、亜麻仁油、大豆油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、ココナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、サフラワー油、パーム油、ナタネ油、綿実油、エノ油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、ホホバ油、胚芽油等が挙げられる。
また、本発明の(III)成分である油剤としては、上記エステル油の他、一般的な油剤を使用することが可能である。かかる一般的な油剤としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン、ドデカン、灯油、軽油、A重油等の炭化水素油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン等のシリコーン油等が挙げられる。
本発明の(III)成分である油剤の性状は、特に制限されず、例えば、液状、半固体状(グリース状)、または固体状のいずれでもよいが、25℃で液状が好ましい。
[(IV)成分:水]
本発明の(IV)成分である水としては、一般にW/Oエマルションの水相として用いられるものであれば特に限定されず、例えば、蒸留水やイオン交換水等の精製水、生理食塩水、リン酸緩衝水溶液等を好ましく用いることができる。
本発明の油中水型乳化組成物における(I)成分の含有量は、組成物の総量に対して通常0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。(II)成分の含有量は、組成物の総量に対して通常0.9〜30重量%、好ましくは1.4〜20重量%、さらに好ましくは1.8〜4重量%である。(III)成分と(IV)成分との含有量の和が組成物中に占める割合は、通常50〜99重量%であり、好ましくは60〜98重量%であり、より好ましくは90〜97.2重量%である。また、(III)成分と(IV)成分との含有量の比[(III)/(IV)]は、通常1/4〜9/1であり、好ましくは1/3〜6/1、より好ましくは1/2〜2/1である。
また、本発明の油中水型乳化組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲において、通常使用される各種添加剤を含有してもよい。かかる添加剤としては、具体的には、例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン等の多価アルコール;セタノール、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール;(I)及び(II)成分以外の陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等の界面活性剤;高分子化合物、アルコール類、天然抽出物、アミノ酸、ペプチド、核酸、ビタミン、酵素、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、キレート剤、制汗剤、染料、顔料、pH調整剤等が挙げられる。
本発明の油中水型乳化組成物の製造方法は特に制限されず、本発明の目的を損なわない範囲で自体公知の製造方法を際限なく用いることができる。具体的な製造方法としては、例えば、初めに、油剤である(III)成分と界面活性剤である(II)成分とを70℃にて均一に撹拌して油相を得、次に、それら以外の成分を混合して得た水相を、同温度でゆっくりと油相に添加して予備溶解した後、これをホモミキサー(例、K.T.ROBOMICS、TOKUSHUKIKA社製等)にて撹拌(5000rpm×5分間)する方法等が挙げられる。
本発明の油中水型乳化組成物の用途は特に限定されるものではないが、例えば、化粧料、エマルション燃料、インクジェット用インク、潤滑油、洗浄剤等に用いることできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、以下文中で「部」及び「%」とあるのは、特記しない限り、それぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
後述する表4に用いる材料名の略号を下記に示す。
[(I)成分:ポリアルキレングリコール誘導体]
Ia:ポリオキシブチレン(40モル)キシリトール(化合物1)
Ib:ポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシブチレン(20モル)キシリトール(化合物2)
(Ia)成分及び(Ib)成分との比較のため、以下の(Ic)成分、(Id)成分及び(Ie)成分を検討した。
Ic:ポリオキシエチレン(30モル)ポリオキシブチレン(20モル)キシリトール(化合物3)
Id:ポリオキシブチレン(7モル)キシリトール(化合物4)
Ie:ポリオキシブチレン(40モル)トリグリセリルエーテル(化合物5)
[(II)成分:非イオン性界面活性剤]
Figure 0005521781
(IIa)成分、(IIb)成分及び(IIc)成分との比較のため、以下の(IId)成分、(IIe)成分及び(IIf)成分を検討した。
Figure 0005521781
なお、表1、2中、POEは、「ポリオキシエチレン」基の略を示し、括弧内は1分子全体のオキシエチレン基の平均付加モル数を示す。
[(III)成分:油剤]
IIIa:パルミチン酸2‐エチルヘキシル
IIIb:流動パラフィン(40秒)
IIIc:シクロペンタジメチルシロキサン
なお、流動パラフィンの括弧内は、粘度(37.8℃におけるセイボルトユニバーサル(saybolt universal)秒)を示す。
[(IV)成分:水]
IVa:イオン交換水
[添加剤]
Va:ピロリドンカルボン酸ナトリウム
Vb:グリセリン
上記化合物1〜5の合成は下記の通りに行った。
<化合物1:ポリオキシブチレン(40モル)キシリトールの合成例>
(1)ケタール化反応
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対、冷却管及び油水分離管を取り付けた3リットルの四つ口フラスコに、キシリトール700g、2,2−ジメトキシプロパン1291g、パラトルエンスルホン酸一水和物27mgを仕込み、反応系内を60〜90℃に保持し、2時間反応させた。反応終了後、副生したメタノール及び過剰分の2,2−ジメトキシプロパンを系外に留去し、1014gのジイソプロピリデンキシリトール(化合物1a)を得た。
Figure 0005521781
(2)オキシブチレン化反応
化合物1aを235g、触媒として水酸化カリウム15.5gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりブチレンオキシド2900gを滴下させ、2時間撹拌した。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有する水分を除去するため、100℃、1時間、減圧処理を行い、最後に濾過をして塩を除去して、2850gのポリオキシブチレン(40モル)ジイソプロピリデンキシリトール(化合物1b)を得た。
Figure 0005521781
(3)脱ケタール化反応
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対、冷却管を取り付けた1リットルの四つ口フラスコに、化合物1bを700g、水70g、36%塩酸10gを仕込み、密閉状態で80℃、2時間脱ケタール化反応を行った後、窒素バブリングで水及びアセトンを系外に留去した。続いて10%水酸化カリウム水溶液でpH6〜7に合わせ、含有する水分を除去するために、100℃、1時間、減圧処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、650gのポリオキシブチレン(40モル)キシリトール(化合物1)を得た。
Figure 0005521781
<化合物2:ポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシブチレン(20モル)キシリトールの合成例>
(1)オキシエチレン化およびオキシブチレン化反応
上記化合物1の合成にて得られた化合物1aを235g、触媒として水酸化カリウム5.5gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置により、エチレンオキシド135gを滴下させ、2時間撹拌した。引き続き、ブチレンオキシド1500gを滴下させ、2時間撹拌した。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有する水分を除去するため、100℃、1時間、減圧処理を行い、最後に濾過をして塩を除去して、1788gのポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシブチレン(20モル)ジイソプロピリデンキシリトール(化合物2b)を得た。
Figure 0005521781
(2)ケタール化反応
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対、冷却管を取り付けた1リットルの四つ口フラスコに、化合物2bを700g、水70g、36%塩酸10gを仕込み、密閉状態で80℃、2時間脱ケタール化反応を行った後、窒素バブリングで水及びアセトンを系外に留去した。続いて10%水酸化カリウム水溶液でpH6〜7に合わせ、含有する水分を除去するために、100℃、1時間、減圧処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、650gのポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシブチレン(20モル)キシリトール(化合物2)を得た。
Figure 0005521781
<化合物3:ポリオキシエチレン(30モル)ポリオキシブチレン(20モル)キシリトール及び化合物4:ポリオキシブチレン(7モル)キシリトールの合成>
上記化合物1、2の合成例に準じて、下記表1に示す構造のポリアルキレングリコール誘導体(化合物3、4)を調製した。
Figure 0005521781
<化合物5:ポリオキシブチレン(40モル)トリグリセリルエーテルの合成>
上記化合物1、2の合成例に準じて、親水性部がトリグリセリンであるポリオキシブチレン(40モル)トリグリセリルエーテルを合成した。
Figure 0005521781
<乳化組成物の調製>
(実施例1)
下記表4に示す処方で、配合スケール100gで乳化組成物を調製した。具体的な調製操作は下記の通りである。初めに、油剤である(III)成分と界面活性剤である(II)成分とを200mLビーカーに秤量し、70℃にて均一に撹拌して、油相を得た。次に、それら以外の成分を混合して得た水相を、同温度でゆっくりと油相に添加して予備溶解した。これをホモミキサー(K.T.ROBOMICS、TOKUSHUKIKA社製)にて撹拌(5000rpm×5分間)して、乳化組成物を得た。
(実施例2〜4)
下記表4に示す処方で、実施例1と同様の操作により実施例2〜4の乳化組成物をそれぞれ調製した。
(比較例1〜6)
下記表4に示す処方で、実施例1と同様の操作により比較例1〜6の乳化組成物をそれぞれ調製した。
<評価>
これらの乳化組成物の性能について、「流動性」、「水分保持能力」、および「エマルション形成時の低泡性」の3項目で評価した。
(流動性)
調製直後の乳化組成物の動粘度を25℃にて測定した。なお、かかる動粘度は、JIS K2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」に基づき測定したものである。下記の基準にて評価し、AおよびAAを合格とした。
AA:動粘度が500mm/s未満
A :動粘度が500mm/s以上〜1000mm/s未満
B :動粘度が1000mm/s以上〜4000mm/s未満
C :動粘度が4000mm/s以上、または流動性なし
(水分保持能力)
乳化組成物50gをスクリュー管に充填し、密閉した後、40℃の恒温槽で1ヶ月間保存した。かかる保存後の試料の外観を確認した。判定は下記の基準で行い、AAおよびAを合格とした。
AA:水相の重量分率が60重量%超える場合でも、外観に変化が確認されない
A :水相の重量分率が60重量未満の場合において、外観に変化が確認されない
B :スクリュー管の底部に、油−水分離がわずかに確認される
C :はっきりと油−水分離が確認される
(エマルション形成時の低泡性)
上記乳化組成物の調製において、ホモミキサーにて攪拌した直後の気泡の高さを測定した。判定は下記の基準で行い、AAおよびAを合格とした。
AA:気泡がほとんど確認されない
A :気泡の高さが3mm未満
B :気泡の高さが3mm以上〜10mm未満
C :気泡の高さが10mm以上
実施例1〜4及び比較例1〜6の評価結果を表5に示す。
Figure 0005521781
Figure 0005521781
表5の結果から明らかなとおり、本発明の乳化組成物(実施例1〜4)は良好な性能を示した。一方、比較例1〜6は十分な性能を発揮しなかった。比較例1では、(I)成分であるポリアルキレングリコール誘導体の親水部がトリグリセリンであるため、水分保持能力およびエマルション形成時の低泡性が不十分であった。比較例2では、(I)成分であるポリアルキレングリコール誘導体のAOの平均付加モル数mが10未満であるため、流動性、水分保持能力およびエマルション形成時の低泡性が不十分であった。比較例3では、(I)成分であるポリアルキレングリコール誘導体のEOとAOとの質量の合計に対するAOの質量の割合が70重量%未満であるため、流動性、水分保持能力およびエマルション形成時の低泡性が不十分であった。比較例4では、(II)成分である非イオン性界面活性剤の官能基数pが3未満であり、また、[Y−0.7n×p]が10未満であるため、流動性、水分保持能力およびエマルション形成時の低泡性が不十分であった。比較例5では、(II)成分である非イオン性界面活性剤の[n×p]が60を超過し、また、[Y−0.7n×p]が10未満であるため、流動性、水分保持能力およびエマルション形成時の低泡性が不十分であった。比較例6では、(II)成分である非イオン性界面活性剤の[Y−0.7n×p]が40を超過するため、流動性および水分保持能力が不十分であった。

Claims (4)

  1. (I)下記一般式(1)により表されるポリアルキレングリコール誘導体 0.1〜20重量%;
    (II)下記一般式(2)により表される非イオン性界面活性剤 0.9〜30重量%;
    (III)油剤;及び、
    (IV)水;
    を含有する油中水型乳化組成物であって、
    (III)成分と(IV)成分との含有量の和が50〜99重量%であり、(III)成分と(IV)成分との含有量の比[(III)/(IV)]が1/4〜9/1である、油中水型乳化組成物。
    Figure 0005521781

    (式中、EOはオキシエチレン基を示し;AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基を示し;a+bおよびmはそれぞれEOおよびAOの平均付加モル数を示し、a+bは0〜20、mは10〜80であり;EOとAOとの質量の合計に対するAOの質量の割合は70〜100質量%であり;Rは水素原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基を示す。)
    Figure 0005521781

    (式中、Zは3〜12個の水酸基を有する化合物から水酸基を除いた残基を示し;pは、Zに由来する水酸基数および水酸基から誘導された官能基の数の和を示し、3〜12であり;EOはオキシエチレン基を示し;nは水酸基1個あたりのEOの平均付加モル数を示し;nとpとの積[n×p]は0又は3〜60であり;Rは水素原子又は炭素数8〜22のアシル基を示し;(II)成分である非イオン性界面活性剤のエステル化率をY(%)とするとき、[Y−0.7n×p]が10〜40である。)
  2. mが10〜50である、請求項1に記載の油中水型乳化組成物。
  3. (III)成分の油剤が、合成または天然のエステル油、炭化水素油、あるいは、シリコーン油である、請求項1又は2に記載の油中水型乳化組成物。
  4. (I)成分の含有量が、0.5〜15重量%であり、(II)成分の含有量が、1.4〜20重量%であり、(III)成分と(IV)成分との含有量の和が、60〜98重量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
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