JP2870119B2 - アルケニルポリグリセロールエーテルおよびアルケニルイソプロピリデンポリグリセロールエーテル - Google Patents

アルケニルポリグリセロールエーテルおよびアルケニルイソプロピリデンポリグリセロールエーテル

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリグリセリンの隣接する2個の炭素原子に
水酸基をもつアルケニルポリグリセロールエーテルに関
し、またこの化合物を得るための中間体であるアルケニ
ルイソプロピリデンポリグリセロールエーテルに関す
る。
[従来の技術] ポリグリセリンの部分アルケニルエーテルは他の単量
体との共重合反応に用いられ、またこのアルケニルエー
テルのポリオキシアルキレンエーテルも同様な目的に用
いられる。
これらのアルケニルエーテルはポリグリセリンの末端
の第一水酸基が多くエーテル化されており、隣接する炭
素原子に水酸基をもつものはほとんど含まれていない。
隣接する炭素原子に水酸基をもつポリグリセリンのア
ルケニルエーテルが得られれば、従来のポリグリセリン
のアルケニルエーテルとは異なった性質をもつことが予
測され、他の単量体と共重合したときに従来のアルケニ
ルポリグリセロールエーテルの共重合体よりも極性の大
きい共重合体が得られることが期待される。
[発明が解決しようとする課題] 本発明はポリグリセリンの隣接する2個の炭素原子に
水酸基をもつアルケニルポリグリセロールエーテルを目
的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、式(1)で示されるアルケニルポリグリセ
ロールエーテルであり、また式(2)で示されるアルケ
ニルイソプロピリデンポリグリセロールエーテルであ
る。
(Rは水素原子または炭素数3〜5のアルケニル基で、
アルケニル基は少なくとも1個は存在し、nは1〜8の
整数である。) (Rは水素原子または炭素数3〜5のアルケニル基で、
アルケニル基は少なくとも1個は存在し、nは1〜8の
整数である。) Rで示される炭素数3〜5のアルケニル基としては、
アリル基、メタリル基、3−メチル−3−ブテニル基な
どがある。
式(2)のアルケニルイソプロピリデンポリグリセロ
ールエーテルは、トリグリセリンからデカグリセリンま
でのポリグリセリンに、酸性触媒の存在下、アセトンを
反応させることによってイソプロピリデンエーテルを
得、ついで炭素数3〜5のハロゲン化アルケニルをアル
カリ触媒の存在下に反応させて得られる。このとき、炭
素数3〜5のアルケニル基は少なくとも1個は導入され
ることが必要である。式(1)のアルケニルポリグリセ
ロールエーテルは式(2)のアルケニルイソプロピリデ
ンポリグリセロールエーテルを酸性で加水分解すること
によって得られる。
[発明の効果] 本発明は新規な化合物である式(1)のアルケニルポ
リグリセロールエーテルであり、これを他の単量体と共
重合させることにより、高分子界面活性材などとして有
用な新しい性質をもつ共重合体が得られることが期待さ
れる。
[実施例] 本発明を実施例により説明する。なお、%は重量基準
であり、圧力kg/cm2はゲージ圧である。
実施例 1 トリグリセリン(坂本薬品(株)、純度95%以上)96
0g(4モル)、アセトン1160g(20モル)、パラトルエ
ンスルホン酸4gおよびトルエン1リットルを水分離器つ
きの冷却管を備えた5リットル容の四つ口フラスコにと
り、4時間加熱して還流させながら留出した水を反応系
外に除去した。
反応終了後、トルエンおよび過剰のアセトンを70℃、
100mmHg以下の減圧下に留去したのち、10%炭酸ナトリ
ウム水溶液で中和した。つぎに、100℃、100mmHg以下の
減圧下に水を留去し、生成した塩をろ別して下記式のジ
イソプロピリデントリグリセロール860gを得た。
得られたジイソプロピリデントリグリセロールの純度
をガスクロマトグラフイーで測定したところ98%であっ
た。
得られたジイソプロピリデントリグリセロール320g
(1モル)を3リットル容オートクレーブにとり、水酸
化ナトリウム80g(2モル)を加え、窒素ガス雰囲気
下、約20mmHgの減圧下で、110℃に加熱して脱水反応に
よりナトリウム化した。つぎに窒素ガスで1kg/cm2に加
圧したのち、撹拌しながらアリルクロリド(昭和電工
(株)、純度97%以上)84g(1.1モル)を徐々に加え
た。反応開始5時間後、反応混合物のアルカリ度が減少
してほぼ一定の値になったので反応を止め、過剰のアリ
ルクロリドを80℃、50mmHg以下の減圧下で留去したの
ち、過剰の水酸化ナトリウムおよび生成した塩を水洗に
より除去した。つぎに100℃、20mmHg以下の減圧下で水
を留去し、析出した塩をろ別して下記式のアリルジイソ
プロピリデントリグリセロールエーテル340gを得た。
この化合物の水酸基価(KOHmg/g)は7.8(計算値
0)、不飽和度(meq/g)は2.75(計算値2.78)、粘度
(25℃)は19.0cSt、ガスクロマトグラフイーによる純
度は98.7%であった。
元素分析値 C 56.9%(計算値60.0%) H 8.7%(計算値 8.9%) この化合物の赤外線吸収スペクトル図を図2に示す。
アリルジイソプロピリデントリグリセロールエーテル
180g(0.5モル)に10%塩酸水溶液を20ml加え、60℃で
2時間撹拌してアセトンの離脱を行なった。つぎに50%
水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH6.0〜7.0に調整し、
100℃、100mmHg以下でアセトンおよび水を留去したの
ち、生成した塩をろ別して下記式のアリルトリグリセロ
ールエーテル130gを得た。
この化合物の水酸基価は789(計算値801)、不飽和度
は3.47(計算値3.57)、粘度(25℃)は3950cStであっ
た。
元素分析値 C 51.0%(計算値51.4%) H 8.4%(計算値 8.6%) この化合物の赤外線吸収スペクトル図を図1に示す。
実施例 2 実施例1で得られたジイソプロピリデントリグリセロ
ール320g(1モル)を3リットル容オートクレーブにと
り、水酸化カリウム112g(2モル)を加え、窒素ガス雰
囲気下、約20mmHgの減圧下で、110℃に加熱して脱水反
応によりカリウム化した。つぎに窒素ガスで1kg/cm2
加圧したのち、撹拌しながらメタリルクロリド(大日本
インキ化学工業(株)、純度98%以上)98g(1.08モ
ル)を徐々に加えた。
以下、実施例1と同様にして下記式のメタリルジイソ
プロピリデントリグリセロールエーテル350gを得た。
この化合物の水酸基価は9.5(計算値0)、不飽和度
は2.66(計算値2.67)、粘度(25℃)は21.2cStであっ
た。
元素分析値 C 60.5%(計算値61.0%) H 8.8%(計算値 9.1%) メタリルジイソプロピリデントリグリセロールエーテ
ル187g(0.5モル)に10%塩酸水溶液を20ml加え、60℃
で2時間撹拌してアセトンの離脱を行なった。つぎに50
%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH6.0〜7.0に調整
し、100℃、100mmHg以下でアセトンおよび水を留去した
のち、生成した塩をろ別して下記式のメタリルトリグリ
セロールエーテル133gを得た。
この化合物の水酸基価は753(計算値763)、不飽和度
3.31(計算値3.40)、粘度(25℃)は4170cStであっ
た。
元素分析値 C 52.9%(計算値53.1%) H 8.7%(計算値 8.8%)
【図面の簡単な説明】
図1はアリルトリグリセロールエーテルの赤外線吸収ス
ペクトル図、図2はアリルジイソプロピリデントリグリ
セロールエーテルの赤外線吸収スペクトル図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)で示されるアルケニルポリグリセ
    ロールエーテル。 (Rは水素原子または炭素数3〜5のアルケニル基で、
    アルケニル基は少なくとも1個は存在し、nは1〜8の
    整数である。)
  2. 【請求項2】式(2)で示されるアルケニルイソプロピ
    リデンポリグリセロールエーテル。 (Rは水素原子または炭素数3〜5のアルケニル基で、
    アルケニル基は少なくとも1個は存在し、nは1〜8の
    整数である。)
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