JP2016108304A - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】保存安定性および肌への伸ばしやすさに優れ、肌のきしみ、油っぽさおよびべたつきを抑制しつつ、肌の滑らかさおよび保湿性を高めることができる水中油型乳化化粧料を提供する。【解決手段】以下の成分(A)〜(E):(A)アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン共重合体、(B)ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシメチルセルロースからなる群から選ばれる1種以上、(C)酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種以上、(D)油剤、および(E)水を含む水中油型乳化化粧料であって、前記水中油型乳化化粧料全体に対する前記成分(A)の含有量、前記水中油型乳化化粧料全体に対する前記成分(D)の含有量、および、前記水中油型乳化化粧料中の前記成分(B)に対する前記成分(A)の質量割合が、それぞれ特定の範囲にある、水中油型乳化化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、水中油型乳化化粧料に関する。
水中油型乳化化粧料に関して、特許文献1〜3に記載の技術がある。
特許文献1(特開2014−91735号公報)には、架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン共重合体、25℃で液状の油剤、疎水処理された粉体および水を特定の割合で含む水中油型乳化化粧料に関する技術が記載されている。また、同文献に記載の化粧料により、肌に塗布した際に、きしみ感を低減し、また、伸ばしやすく、肌に均一に塗布することができるので、違和感がなく、自然に見えるものであり、さらさらとした感触も持続するとされている。
特許文献2(特開2006−8796号公報)には、水相中に、特定の構造を有するアクリロイルジメチルタウリン塩とアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体を含み、油相中に、粉体を含む水中油型乳化組成物に関する技術が記載されている。また、同文献に記載の水中油型乳化組成物では、粘度が保持され、経時での乳化粒子の合一や、粉体の凝集・沈降を改善し得ると共に、良好な使用感が得られるとされている。
また、特許文献3(特開2005−272389号公報)には、酸化亜鉛、アクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の架橋コポリマー及び/又はアクリル酸・アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー、特定の界面活性剤、水およびシリコーン油を配合し、酸化亜鉛がシリコーン油を含む油系に分散されている水中油型乳化化粧料に関する技術が記載されている。また、同文献に記載の水中油型乳化化粧料は、肌に塗布したときに透明性の高い酸化亜鉛を安定に配合でき、また保存安定性に優れ、使用感が良好で、耐水性に優れているため、特に紫外線防御効果を目的とした日焼け止め料やメークアップ下地、日中美容液といった化粧料において有用であるとされている。
特開2014−91735号公報 特開2006−8796号公報 特開2005−272389号公報
ところが、上述した各特許文献に記載の技術を用いてもなお、化粧料の保存安定性に優れるとともに、化粧料を肌に伸ばしやすく、また、化粧料の適用後、肌のきしみ、油っぽさおよびべたつきを抑制しつつ、肌の滑らかさおよび保湿性を高めるという点で改善の余地があった。
そこで、本発明は、保存安定性および肌への伸ばしやすさに優れ、肌のきしみ、油っぽさおよびべたつきを抑制しつつ、肌の滑らかさおよび保湿性を高めることができる水中油型乳化化粧料を提供するものである。
本発明によれば、
以下の成分(A)〜(E):
(A)アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン共重合体、
(B)ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシメチルセルロースからなる群から選ばれる1種以上、
(C)酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種以上、
(D)油剤、および
(E)水
を含む水中油型乳化化粧料であって、
前記水中油型乳化化粧料全体に対する前記成分(A)の含有量が0.30〜1.2質量%であり、
前記水中油型乳化化粧料全体に対する前記成分(D)の含有量が15〜30質量%であり、
前記水中油型乳化化粧料中の前記成分(B)に対する前記成分(A)の質量割合(成分(A)/成分(B))が、1/1より大きく5/1以下である、水中油型乳化化粧料が提供される。
本発明によれば、保存安定性および肌への伸ばしやすさに優れ、肌のきしみ、油っぽさおよびべたつきを抑制しつつ、肌の滑らかさおよび保湿性を高めることができる水中油型乳化化粧料を得ることができる。
本実施形態における水中油(O/W)型乳化化粧料は、以下の成分(A)〜(E)を含む組成物である。
(A)アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン共重合体
(B)ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシメチルセルロースからなる群から選ばれる1種以上
(C)酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種以上
(D)油剤
(E)水
また、本実施形態において、水中油型乳化化粧料全体に対する成分(A)の含有量が0.30〜1.2質量%であり、水中油型乳化化粧料全体に対する成分(D)の含有量が15〜30質量%であり、水中油型乳化化粧料中の成分(B)に対する成分(A)の質量割合(成分(A)/成分(B))が、1/1より大きく5/1以下である。
以下、各成分について具体例を挙げて説明する。なお、各成分はいずれも単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本明細書中、「〜」は、断りがなければ、以上から以下を表す。
(成分(A))
成分(A)は、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン共重合体である。
成分(A)のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン共重合体は、さらに具体的には、International Cosmetic Ingredient Dictionaryに「SODIUM ACRYLATE/ACRYLOYLDIMETHYL TAURATE COPOLYMER」と記載される、アクリル酸ナトリウムとアクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムとの共重合体である。
成分(A)を含む市販品としては、たとえばスクワランやイソヘキサデカンなどの油剤と非イオン界面活性剤とともに、油中に分散された組成物として、SEPPIC社からSEPIGEL501、SEPIGEL305、SIMULGEL EGまたはSIMULGEL GL‐L NS(登録商標)として提供されているものを使用することができる。これらの中でも、水中油型乳化化粧料の保存安定性を向上させる観点、および、水中油型乳化化粧料の伸ばしやすさを向上させる観点から、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン共重合体を組成物として配合しているSIMULGEL EG(アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン共重合体の含有量:37.5質量%)が好ましい。
水中油型乳化化粧料中の成分(A)の含有量は、水中油型乳化化粧料の保存安定性を向上させる観点、および、水中油型乳化化粧料の伸ばしやすさを向上させる観点から、水中油型乳化化粧料全体に対して、0.30〜1.2質量%であり、好ましくは0.35〜1.0質量%であり、より好ましくは0.4〜0.8質量%である。
(成分(B))
成分(B)は、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシメチルセルロースからなる群から選ばれる1種以上である。
成分(B)のモル平均置換度は、肌のきしみおよびべたつきを抑制する観点、および肌のなめらかさを向上させる観点から、0.5〜2が好ましい。
また、成分(B)の重量平均分子量は、肌のきしみおよびべたつきを抑制する観点、および肌のなめらかさを向上させる観点から、100,000以上が好ましく、150,000以上がより好ましく、180,000以上がさらに好ましく、3,000,000以下が好ましく、1,000,000以下がより好ましく、500,000以下がさらに好ましい。
ここで、成分(B)のモル平均置換度は、核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)法により求められる。また、成分(B)の重量平均分子量は、標準物質をポリエチレンオキシドとしてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)−多角度レーザー光散乱検出装置(Multi Angle Laser Light Scattering:MALLS)システムを用いることにより測定される。
水中油型乳化化粧料中の成分(B)の含有量は、肌のきしみおよびべたつきを抑制する観点、および肌のなめらかさを向上させる観点から、水中油型乳化化粧料全体に対して、好ましくは0.04〜1質量%であり、より好ましくは0.08〜0.8質量%であり、さらに好ましくは0.15〜0.6質量%であり、さらにより好ましくは0.20〜0.5質量%である。
また、本実施形態において、水中油型乳化化粧料中の成分(B)に対する成分(A)の質量割合である(成分(A)/成分(B))は、肌のきしみを抑制する効果を高めつつ、なめらかさおよび保湿性を向上させる観点から、1/1より大きく5/1以下であり、好ましくは1.1〜4.5、より好ましくは1.2〜3.5であり、さらに好ましくは1.3〜2.5である。
(成分(C))
成分(C)は、酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種以上である。
酸化チタンおよび酸化亜鉛は、化粧料に通常用いられている酸化チタンおよび酸化亜鉛であってよい。好ましくはより分散性に優れたもの、たとえば必要に応じて公知の方法で表面を表面処理、具体的には疎水化処理したものを用いることができる。
表面処理の方法としては、メチルハイドロゲンポリシロキサン、メチルポリシロキサン等のシリコーン処理;パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルコール等によるフッ素処理;N−アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理;その他、レシチン処理;金属石鹸処理;脂肪酸処理;アルキルリン酸エステル処理等が挙げられる。なかでも、表面をシリコーン処理した酸化亜鉛が好ましく用いられる。
表面処理に用いられるシリコーンは制限されないが、たとえばメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロゲンポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体等の各種シリコーン油を挙げることができる。好ましくは、メチルハイドロゲンポリシロキサンやメチルポリシロキサンである。
成分(C)の酸化亜鉛としては、市販品を用いてもよく、具体例を示せば、FINEX−50−LPTM(ジメチコン処理、堺化学社製)、MZ−300(表面処理剤なし、テイカ社製)、MZ−504R3M(ハイドロゲンジメチコン処理、テイカ社製)、MZY−303S(ハイドロゲンジメチコン処理、テイカ社製)、MZ−306X(トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン処理、テイカ社製)、MZ−200(表面処理剤なし、テイカ社製)、MZY−203S(ハイドロゲンジメチコン処理、テイカ社製)、MZ−150(表面処理剤なし、テイカ社製)、MZY−153S(ハイドロゲンジメチコン処理、テイカ社製)、FINEX−25(表面処理剤なし、堺化学社製)、FINEX−25LP(ジメチコン処理、堺化学社製)等が挙げられる。ただし、これら例示に限定されるものでない。
また、成分(C)の酸化チタンとしては、市販品を用いてもよく、具体例を示せば、微粒子酸化チタンMT−100TV(アルミナイソステアリン酸処理、テイカ社製)、微粒子酸化チタンMTY−110M3S(Al、Si、シリコーン処理、テイカ社製)等が挙げられる。
本実施形態において、水中油型乳化化粧料中の成分(C)の含有量は、水中油型乳化化粧料の紫外線防御効果を向上させるとともに、肌のべたつきを抑制する観点から、水中油型乳化化粧料の全体に対して好ましくは3〜20質量%であり、より好ましくは3.5〜15質量%、さらに好ましくは3.8〜10質量%であり、さらにより好ましくは4〜8質量%である。
また、成分(C)が粒子状であるとき、その大きさについては、数平均粒子径がたとえば1nm以上であり、好ましくは5nm以上、より好ましくは8nm以上、さらに好ましくは10nm以上であり、また、たとえば500nm以下であり、好ましくは300nm以下、より好ましくは100nm以下、さらに好ましくは60nm以下である。
ここで、成分(C)の数平均粒子径は、たとえば透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)にて、50000倍率の条件にて、画像中の300個の粒子の最大短径を測定し、平均値を算出することにより得られる。ここで、最大短径とは、長径と直交する短径のうち、最大径を有する短径を意味する。たとえば、上記MZ−504R3Mについて、かかる方法により測定された数平均粒子径は、約30nmであり、微粒子酸化チタンMT−100TVについて、かかる方法により測定された数平均粒子径は、約15nmである。
(成分(D))
成分(D)は、油剤である。
成分(D)としては、固体脂および液体状油のいずれを用いることもできる。
また、成分(D)として、25℃において不揮発性の油剤を用いることが好ましく、成分(D)が25℃において不揮発性の油剤から構成されることがより好ましい。
本実施形態の水中油型乳化化粧料中の成分(D)の含有量は、肌のきしみを抑制するとともに肌のなめらかさおよび保湿性を向上させる観点から、15〜30質量%であり、16〜29質量%がより好ましく、18〜27質量%がさらに好ましく、20〜25質量%がさらにより好ましい。
また、成分(D)が、25℃で不揮発性の液体状油(D1)または25℃で不揮発性の固体脂(D2)を含むことがより好ましく、25℃で不揮発性の液体状油(D1)と25℃で不揮発性の固体脂(D2)とを含むことがさらに好ましく、成分(D)が、25℃で不揮発性の液体状油(D1)と、25℃で不揮発性の固体脂(D2)とから実質的に構成されることがさらにより好ましい。
すなわち、本実施形態の水中油型乳化化粧料において、特定の25℃で液体状の油と固体状の油を組み合わせて用いることが好ましい。このような組み合わせをとることにより、他の成分との相互作用により、本実施形態の水中油型乳化化粧料が、べたつきときしみの抑制、保湿および肌のなめらかさの持続性に優れるとともに、外観の白さを抑制することができると考えられる。
以下、成分(D1)および(D2)についてさらに具体的に説明する。
成分(D1)は、25℃において不揮発性の液体状油である。
成分(D1)として、油溶性紫外線吸収剤および他の液体状油のうち、25℃において不揮発性のものが挙げられる。
このうち、油溶性紫外線吸収剤としては、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン等のサリチル酸系紫外線吸収剤;
パラアミノ安息香酸、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、グリセリルパラアミノ安息香酸、オクチルジメチルパラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルへキシル等のパラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;
4−(2−β−グルコピラノシロキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(たとえば、ユビナールMC80;BASFジャパン社製)、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、2,5−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン(たとえば、ユビナールT150;BASFジャパン社製)、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;
2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン(たとえば、パラソール1789;DSMニュートリションジャパン社製)等のベンゾイルメタン系紫外線吸収剤;
オクトクリレン(たとえば、パラソール340;DSMニュートリションジャパン社製)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル(たとえば、ソフトシェードDH;味の素社製)、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、シノキサート、メチル−O−アミノベンゾエート、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、オクチルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル(たとえば、ユビナールAplus、ユビナールAplus GRANULAR;BASFジャパン社製)、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(たとえば、チノソーブS;BASFジャパン社製)、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(たとえば、チノソーブM;BASFジャパン社製)が挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
これらのうち、べたつきの抑制、保湿および肌のなめらかさの持続性および紫外線吸収効果を向上させる観点から、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(たとえば、ユビナールMC80;BASFジャパン社製)、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン(たとえば、ユビナールT150;BASFジャパン社製)、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン(たとえば、パラソール1789;DSMニュートリションジャパン社製)、オクトクリレン(たとえば、パラソール340;DSMニュートリションジャパン社製)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル(たとえば、ソフトシェードDH;味の素社製)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル(たとえば、ユビナールAplus;BASFジャパン社製)、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(たとえば、チノソーブS;BASFジャパン社製)、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(たとえば、チノソーブM;BASFジャパン社製)から選ばれる1種または2種以上が好ましく、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(たとえば、ユビナールMC80;BASFジャパン社製)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル(たとえば、ユビナールAplus、ユビナールAplus GRANULAR;BASFジャパン社製)、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(たとえば、チノソーブS;BASFジャパン社製)から選ばれる1種または2種以上がより好ましく、これらを2種以上を組み合わせることがさらに好ましい。
本実施形態において、油溶性紫外線吸収剤の含有量は、べたつきの抑制、油っぽさの抑制および水中油型乳化化粧料の紫外線防御効果の向上の観点から、水中油型乳化化粧料全体に対して0.6〜30質量%とすることが好ましく、2〜25質量%がより好ましく、5〜18質量%がさらに好ましく、8〜16質量%がさらにより好ましい。
また、他の液体状油としては、炭化水素油、合成エステル油、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル等のうち、25℃で不揮発性の液体状のものが挙げられる。
25℃で不揮発性の液体状の炭化水素油としては、流動パラフィン、流動イソパラフィン、流動オゾケライト、スクワラン、プリスタン、スクワレン、イソヘキサデカン等が挙げられる。
25℃で不揮発性の液体状の合成エステル油としては、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、パルミチン酸エチルヘキシル、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、安息香酸アルキル、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロバンジオール、ジイソステアリン酸プロパンジオール、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
25℃で不揮発性の液体状の高級脂肪酸としては、たとえば、炭素数12〜22の25℃で不揮発性の液体状の脂肪酸が挙げられ、さらに具体的には、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸が挙げられる。
25℃で不揮発性の液体状の高級アルコールとしては、たとえば、炭素数12〜22の25℃で不揮発性の液体状のアルコールが挙げられ、さらに具体的には、オレイルアルコール、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、ドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノールが挙げられる。
25℃で不揮発性の液体状のシリコーン油としては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサンなどの環状ポリシロキサンが挙げられる。
また、成分(D1)は、オリーブ油等の天然由来のものであってもよい。
さらに、25℃で不揮発性の液体状油の中でも、べたつきの抑制、保湿および肌のなめらかさの持続性、および、伸びのよさを向上する観点から、その粘度が25℃で300mPas以下のものが好ましく、より好ましくは150mPas以下、さらに好ましくは100mPas以下であり、たとえば、エステル油のイソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、パルミチン酸エチルヘキシル、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、安息香酸アルキルや炭化水素油としての流動パラフィン、流動イソパラフィン、または低粘度のジメチルポリシロキサンが好ましい。
なお、成分(D1)の粘度は、B型粘度計TVB−10(東機産業社製)を用いて、ロータNo.2、25℃、30rpm、1分間の条件で測定される。
本実施形態において、成分(D1)の含有量は、べたつきの抑制、保湿および肌のなめらかさの持続性、および、伸びのよさを向上する観点から、水中油型乳化化粧料全体に対して10.5〜29.4質量%とすることが好ましく、15〜28質量%がより好ましく、17〜26質量%がさらに好ましく、19〜23質量%がさらにより好ましい。
次に、成分(D2)は、25℃において不揮発性の固体脂である。
成分(D2)の具体例として、炭素数12〜22のアルコール、炭素数12〜22の脂肪酸、炭素数14〜22のモノアルキルグリセリルエーテル、ロウ、エステル油、ステロール類、炭化水素油、セラミド類、25℃で固体状のシリコーン油等のうち、25℃で不揮発性で固体状である油が挙げられる。
25℃で不揮発性の固体状の炭素数12〜22のアルコールとしては、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。これらのうち、直鎖アルキル基を有するものが好ましく、より好ましくは飽和アルコールが好ましく、さらに好ましくは炭素数16〜18のアルコールから選ばれる1種または2種以上であり、セタノールまたはステアリルアルコールから選ばれる1種または2種以上がさらにより好ましい。
25℃で不揮発性の固体状の炭素数12〜22の脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、べへン酸等が挙げられる。これらのうち、直鎖アルキル基を有するものが好ましく、より好ましくは飽和脂肪酸が好ましく、さらに好ましくは炭素数14〜22の脂肪酸から選ばれる1種または2種以上であり、さらにより好ましくは炭素数16〜22の脂肪酸から選ばれる1種または2種以上である。
また、25℃で不揮発性の固体状の炭素数14〜22のモノアルキルグリセリルエーテルとしては、モノミリスチルグリセリルエーテル、モノセチルグリセリルエーテル、モノステアリルグリセリルエーテル、モノベヘニルグリセリルエーテル等が挙げられる。
25℃で不揮発性の固体状のロウとしては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、ジョジョバロウ、ラノリン、セラックロウ、鯨ロウ、モクロウが挙げられる。
25℃で不揮発性の固体状のエステル油としては、炭素数14〜22のモノ脂肪酸グリセリンエステル、炭素数14〜22のモノ脂肪酸ソルビタンエステル、ミリスチン酸ミリスチル、イソステアリン酸コレステリル、ベヘニル酸ベヘニル、トリミリスチン酸グリセリン、デキストリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
25℃で不揮発性の固体状のエステル油のうち、炭素数14〜22のモノ脂肪酸グリセリンエステルとしては、グリセリンモノミリスチン酸エステル、グリセリンモノパルミチン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノベヘン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル、グリセリンモノイソステアリン酸エステル等が挙げられる。これらのうち、グリセリンモノベヘン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステルまたはグリセリンモノパルミチン酸エステルから選ばれる1種または2種以上が好ましく、グリセリンモノステアリン酸エステルがさらに好ましい。
25℃で不揮発性の固体状のエステル油のうち、炭素数14〜22のモノ脂肪酸ソルビタンエステルとしては、モノミリスチン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノベヘン酸ソルビタン等が挙げられる。
25℃で不揮発性の固体状のエステル油のうち、デキストリン脂肪酸エステルとしては、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、べヘニン酸デキストリン等が挙げられ、べたつきの抑制、保湿および肌のなめらかさの持続性、および、伸びの良さを向上する観点から、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリンから選ばれる少なくとも1種以上が好ましく、パルミチン酸デキストリンがより好ましい。
25℃で不揮発性の固体状のステロール類としては、コレステロール、フィトステロール類等が挙げられる。
25℃で不揮発性の固体状の炭化水素油としては、ワセリン、セレシン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、キャンデリラワックス等が挙げられる。
また、25℃で不揮発性の固体状のセラミド類としては、天然型セラミドおよび疑似型セラミドから選ばれる1種または2種以上を用いることができ、具体的には、特開2013−53146号公報記載のセラミド類が使用できる。
天然型セラミドの具体的な例示として、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシンまたはスフィンガジエニンがアミド化されたセラミドType1〜7(たとえば、J. Lipid Res., 24:759(1983)の図2、および、J. Lipid. Res.,35:2069(1994)の図4に記載のブタおよびヒトのセラミド)が挙げられる。
さらにこれらのN−アルキル体(たとえばN−メチル体)も含まれる。
これらのセラミドは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、さらに天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでもよく、また、これらの混合物によるものでもよい。中でも、CERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)および次式で表わされるものが好ましい。
Figure 2016108304
これらは天然からの抽出物および合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。このような天然型セラミドの市販のものとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社製)、Ceramide TIC-001(高砂香料社製)、CERAMIDE II(Quest International社製)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社製)、CERAMIDE2(セダーマ社製)が挙げられる。
Figure 2016108304
また、疑似型セラミドとして、下記一般式(5)に示すものが挙げられる。
Figure 2016108304
(上記一般式(5)中、R25は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基または水素原子を示し;X19は水素原子、アセチル基またはグリセリル基を示し;R26はヒドロキシル基またはアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖もしくは環状の飽和または不飽和の炭化水素基であるか、または該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;R27は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基またはアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基を示す。)
上記一般式(5)に示す化合物の具体例として、下記式に示すものが挙げられる。
Figure 2016108304
25℃で不揮発性の固体状のシリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ステアリルジメチコン等のアルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン油のうち、25℃で固体状のものが挙げられる。
これらのうち、成分(D2)として、25℃で不揮発性の固体脂であって、炭素数12〜22のアルコールおよび炭素数14〜22のモノ脂肪酸グリセリンエステルからなる群から選択される1種または2種以上を用いることが好ましく、セチルアルコール、ステアリルアルコール、グリセリンモノパルミチン酸エステルおよびグリセリンモノステアリン酸エステルからなる群から選択される1種または2種以上を用いることがさらに好ましい。また、なめらかさを向上させる観点および水中油型乳化化粧料の保存安定性を向上させる観点からは、25℃で不揮発性の固体脂として、炭素数12〜22のアルコールおよび炭素数14〜22のモノ脂肪酸グリセリンエステルを併用することが好ましく、セチルアルコールおよびステアリルアルコールからなる群から選択される1種または2種と、モノパルミチン酸エステルおよびグリセリンモノステアリン酸エステルからなる群から選択される1種または2種以上とを組み合わせて用いることがより好ましい。
また、べたつきの抑制、保湿および肌のなめらかさの持続性、伸びの良さを向上する観点および油っぽさを低減する観点から、成分(D2)の具体例として、融点が30〜100℃のものが好ましく、40〜90℃のものがより好ましく、40〜80℃のものがさらに好ましい。融点が40〜80℃の固体状の油として、ワセリン(40〜75℃)、ビスアルキル(C30−45)ジメチコン(60〜70℃)、パルミチン酸デキストリン(70〜85℃)、サラシミツロウ(62〜67℃)、ステアリルアルコール(54.5〜59.5℃)、ベヘニルアルコール(67.0〜73.0℃)、キャンデリラワックス(68〜72℃)等が挙げられる。
また、本実施形態において、水中油型乳化化粧料中の成分(D2)の含有量は、水中油型乳化化粧料の安定性を向上させる観点、および、塗布時のべたつきの抑制を向上させる観点から、好ましくは0.6〜4.5質量%であり、より好ましくは1〜4質量%である。
また、水中油型乳化化粧料中における前記成分(D)中の、前記成分(D2)の含有量は、水中油型乳化化粧料の保存安定性および肌への伸ばしやすさの向上、ならびに、肌のきしみ、油っぽさおよびべたつきを抑制する効果のバランスの観点から、好ましくは4〜15質量%であり、より好ましくは5〜13質量%、さらに好ましくは6〜10質量%である。
成分(D)として25℃で固体状の成分(D2)を用いる場合は、水中油型乳化化粧料の安定性を向上させる観点から、25℃で液体状の油に溶解させて用いるのが好ましく、25℃で液体状の成分(D1)に溶解させて用いてもよい。
また、成分(D1)および(D2)以外の成分(D)として、揮発性のジメチルシクロポリシロキサン等の、揮発性のシリコーン油等が挙げられる。
(成分(E))
成分(E)は、水である。本実施形態において、水中油型乳化化粧料中の成分(E)の含有量は、たとえば水中油型乳化化粧料中の成分(E)以外の成分を除いた残部とすることができる。
また、水中油型乳化化粧料中の成分(E)の含有量は、水中油型乳化化粧料の保存安定性を向上させる観点から、たとえば水中油型乳化化粧料全体に対して、好ましくは53〜80質量%であり、より好ましくは55〜70質量%である。
本実施形態における水中油型乳化化粧料は、通常の方法に従って製造することができる。
具体的には、以下の手順により本実施形態における水中油型乳化化粧料が得られる。すなわち、25℃程度の所定の温度において、成分(A)、(B)および成分(E)を混合して水相を調製する。一方、成分(C)および(D)を、必要に応じて加熱して成分(D)を溶解させ、混合して均一な油相を調製する。得られた水相と油相を25〜100℃程度の所定の温度下で、混合して均一にし、室温(25℃)程度まで冷却し、必要に応じて香料等を添加し混合することにより、水中油型乳化化粧料を得る。
本実施形態においては、特定の成分(A)〜(E)を特定の割合で組み合わせて用いることにより、保存安定性および肌への伸ばしやすさに優れ、肌のきしみ、油っぽさおよびべたつきを抑制しつつ、肌の滑らかさおよび保湿性を高めることができる水中油型乳化化粧料を得ることができる。さらに具体的には、成分(D)の油剤の水中油型乳化化粧料中の割合を高めつつ、保湿感および肌の滑らかさをさらに向上させることができる。また、本実施形態により、たとえば紫外線防御効果に優れる水中油型乳化化粧料を得ることも可能となる。
また、本実施形態により得られる水中油型乳化化粧料としては、化粧下地、乳化ファンデーション、アイシャドウ等のメイクアップ水中油型乳化化粧料;サンスクリーンクリーム等の日焼け止め水中油型乳化化粧料等が挙げられる。また、剤型としては、たとえば乳液類、クリーム類等とすることができる。
本実施形態の水中油型乳化化粧料は、皮膚、中でも頭髪を除く皮膚、好ましくは顔、身体、手足等のいずれかに塗布することにより、使用することができる。
また、本実施形態において、水中油型乳化化粧料には、前述した成分以外の成分、たとえば、水溶性高分子の増粘剤;界面活性剤;香料;ジプロピレングリコール等の多価アルコールまたはその他の保湿剤;美容成分;薬効成分;油ゲル化剤;殺菌剤;pH調整剤;酸化防止剤;フェノキシエタノール等の防腐剤;炭素数1〜5のアルコール類;エデト酸二ナトリウム等のキレート剤およびその他の通常の化粧料に用いられる成分のうち、成分(A)〜(E)として前述したもの以外のものを含有させることもできる。なお、これらの各剤は、各剤としての用途に限られず、目的に応じて他の用途、たとえば、界面活性剤を殺菌剤として使用したりすることができる。
このうち、水溶性高分子として、カラギーナン、デキストリン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、カルボキシビニルポリマー、(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))コポリマー、キサンタンガム、カルボキシメチルキチン、キトサン等が挙げられる。
中でも、水中油型乳化化粧料がキサンタンガムを含むことが好ましい。
成分(A)、(B)およびキサンタンガムを組み合わせて用いることにより、水中油型乳化化粧料の保存安定性および肌への伸ばしやすさ、ならびに、肌のきしみ、油っぽさおよびべたつきの抑制、肌の滑らかさおよび保湿性の向上の各効果のバランスをさらに安定的に向上させることができる。
水中油型乳化化粧料中のキサンタンガムの含有量は、好ましくは0.01〜1質量%であり、より好ましくは0.02〜0.8質量%、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
また、界面活性剤としては、公知のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を使用できるが、乳化の安定性を向上させ、水中油型乳化化粧料のべたつきの抑制を向上させる観点から、ノニオン性界面活性剤を含有することが好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、たとえば、エチレングリコールモノステアリン酸エステル等のエチレングリコール脂肪酸エステル;
ポリエチレングリコール(2)モノステアリン酸エステル等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;
ポリエチレングリコール(5)デシルペンタデシルエーテル等のポリアルキレングリコールアルキルエーテル;
ポリエチレングリコール(5)硬化ヒマシ油モノイソラウレート等のポリエチレングリコール硬化ヒマシ油;
プロピレングリコール脂肪酸エステル;
グリセリンモノイソステアリン酸エステル等のモノグリセリンモノ脂肪酸エステル;
グリセリンジステアリン酸エステル、グリセリンジラウリン酸エステル等のモノグリセリンジ脂肪酸エステル;
グリセリンモノイソステアリルエーテル等のグリセリンアルキルエーテル;
ソルビタンモノステアリン酸エステル(モノステアリン酸ソルビタン)等のソルビタン脂肪酸エステル;
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート80)等のソルビタン脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテル;
脂肪酸アルカノールアミド;
ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸ジアルカノールアミド、ステアリル酸グリセリル等のモノ脂肪酸グリセリルエステル、ステアリルグリセリルエーテル等のモノ脂肪酸グリセリルエーテルなどが挙げられる。
界面活性剤の水中油型乳化化粧料中の含有量は、水中油型乳化化粧料の乳化の安定性を向上させ、べたつきの抑制を向上させる観点から、水中油型乳化化粧料全体に対して0.1〜4質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下の例では、原料中に含まれる成分量に応じて、得られる組成物中の各成分の含有量が各表に記載のものになるように、各原料を配合し、水中油型乳化化粧料の組成物を得た。たとえば、表1〜表3中、アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体、イソヘキサデカンおよびポリソルベート80については、これらの各成分の水中油型乳化化粧料中の含有量が各表に記載のものとなるように、SIMULGEL EGを配合した(後述の*1)。
(実施例1〜14および比較例1〜4)
表1および2に示す組成の水中油型乳化化粧料(日焼け止め化粧料)を後述する方法にて製造し、後述する方法で、伸びの良さ、油っぽさのなさ、きしみのなさ、べたつきのなさ、肌のなめらかさ、保湿性の高さおよび水中油型乳化化粧料の保存安定性の良さを評価した。結果を表1および表2に併せて示す。
(水中油型乳化化粧料の製造方法)
25℃の温度下で、成分(E)に、成分(A)、(B)および全任意成分を添加し、混合して、水相を調製した。一方、90℃の温度下で、成分(D1)に、成分(D2)を添加して成分(D2)を溶解させ、さらに(C)を添加してディスパーで混合し分散させて、油相を調製した。その後、得られた該水相を30〜40℃に加熱撹拌しながら、油相を添加し乳化をおこなった。その後室温(25℃)まで撹拌冷却し、各表に記載の水中油型乳化化粧料を得た。なお、揮発性油を用いる場合は、成分(D2)と同様に(D1)に添加されるが、その際の温度および油相と水相との混合温度は60℃に調整し、それ以外は、上記に準じて製造した。
(評価方法)
(官能評価)
専門パネラー2名により、前腕内側に直径3cm円に水中油型乳化化粧料を0.02mL塗布した。
水中油型乳化化粧料塗布後、25℃、57%RH下にて30分経過後、塗布部を指で触れることにより官能評価をおこなった。
伸びの良さ、油っぽさのなさ、きしみのなさ、べたつきのなさ、肌のなめらかさ、保湿性の高さの各項目について、基準を4段階に分け、好ましい効果の高さがベストな場合を4とし、ワーストを1として、2点以上を合格と判断して評価した。2名のパネラーの平均値を算出して少数第1位を四捨五入した。
(化粧料の安定性)
100mLのガラス瓶に、50mLの水中油型乳化化粧料を入れ、密閉して、50℃で1か月間保存した後、化粧料中の油相の分離の有無を、専門パネラー1名により、目視により確認し、下記基準で示した。
基準を4段階に分け、分離が全くないものをベストの4とし、油が完全分離したものをワーストの1として、2点以上を合格と判断して評価した。
Figure 2016108304
Figure 2016108304
表1および表2において用いた成分の詳細を以下に示す。
*1 アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体:SIMULGEL EG、SEPPIC社製の有効成分
*2 ヒドロキシエチルセルロース:HECダイセル SE400、ダイセルファインケム社製
*3 シリコーン被覆酸化亜鉛(ハイドロゲンジメチコン処理酸化亜鉛):MICRO ZINC OXIDE MZ−504R3M、テイカ社製
*4 パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(粘度:78mPa・s):ユビナール MC80、BASFジャパン社製
*5 ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(粘度:24mPa・s):エステモール N−01、日清オイリオグループ社製
*6 ジメチルポリシロキサン(粘度:13mPa・s):シリコーン KF−96A−6CS、信越化学工業社製
*7 ジイソステアリン酸ポリグリセリル(粘度:913mPa・s):コスモール42V、日清オイリオグループ社製
*8 ジメチルシクロポリシロキサン(揮発性):シリコーン TSF405A、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製
*9 ワセリン(融点:40〜75℃):スーパーホワイトプロトペット、SONNEBORN製
*10 ステアリルアルコール(融点:54.5〜59.5℃):ステアリルアルコール、高級アルコール工業社製
*11 ビスアルキル(C30−45)ジメチコン(融点:60〜70℃):シリコーン SF1642K、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製
*12 パルミチン酸デキストリン(融点:70〜85℃):レオパールKL2、千葉製粉社製
*13 ステアリルジメチコン(融点:32℃):DOW CORNING 2503 COSMETIC WAX、ダウ・ケミカル・カンパニー製
*14 キサンタンガム:ケルデント、DSP五協フード&ケミカル社製
*15 モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン:レオドール TW−S120V、花王社製
*16 モノステアリン酸ソルビタン:レオドール SP−S10V、花王社製
*17 エデト酸二ナトリウム:クレワット N、ナガセケムテックス社製
*18 ジプロピレングリコール:DPG−RF、ADEKA社製
*19 エタノール:95度合成アルコール、日本合成アルコール社製
表1および表2より、各実施例に記載の水中油型乳化化粧料は、成分(A)〜(E)を特定の割合で組み合わせて用いているため、伸びの良さ、油っぽさのなさ、きしみのなさ、べたつきのなさ、肌のなめらかさ、保湿性の高さおよび水中油型乳化化粧料の保存安定性の良さの評価結果がいずれも2点以上と良好であり、各効果のバランスに優れていた。このことから、各実施例に記載の水中油型乳化化粧料は、日焼け止め化粧料としても有用な化粧料であることがわかる。
(処方例1〜4)
表3に示す処方の水中油型乳化化粧料を製造した。本例の水中油型乳化化粧料についても、前述した実施例における水中油型乳化化粧料の製造方法に準じて製造した。
Figure 2016108304
表3において用いた成分の詳細を以下に示す。
*20 スクワラン(粘度:37mPa・s):スクワラン、岸本特殊肝油工業所社製
*21 安息香酸アルキル(C12〜15)(粘度:21mPa・s):フィンソルブ TN、Innospec Active Chemicals LLC製
*22 流動イソパラフィン(粘度:22mPa・s):パールリームEX、日油社製
*23 オリーブ油(粘度:77mPa・s):クロピュアOL、クローダジャパン社製
*24 流動パラフィン(粘度:26mPa・s):ハイコールK−23、カネダ社製
*25 サラシミツロウ(融点:62〜67℃):ゴールデンブランド、三木化学工業社製
*26 フェノキシエタノール:ハイソルブ EPH、東邦化学工業社製
表3より、各処方例に記載の水中油型乳化化粧料では、伸びの良さ、油っぽさのなさ、きしみのなさ、べたつきのなさ、肌のなめらかさ、保湿性の高さおよび水中油型乳化化粧料の保存安定性の良さの評価結果がいずれも良好であった。このことから、各処方例に記載の水中油型乳化化粧料は、日焼け止め化粧料としても有用な化粧料であることがわかる。

Claims (5)

  1. 以下の成分(A)〜(E):
    (A)アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン共重合体、
    (B)ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシメチルセルロースからなる群から選ばれる1種以上、
    (C)酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種以上、
    (D)油剤、および
    (E)水
    を含む水中油型乳化化粧料であって、
    前記水中油型乳化化粧料全体に対する前記成分(A)の含有量が0.30〜1.2質量%であり、
    前記水中油型乳化化粧料全体に対する前記成分(D)の含有量が15〜30質量%であり、
    前記水中油型乳化化粧料中の前記成分(B)に対する前記成分(A)の質量割合(成分(A)/成分(B))が、1/1より大きく5/1以下である、水中油型乳化化粧料。
  2. 前記成分(D)が、25℃で不揮発性の液体状油(D1)を含む、請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
  3. 前記成分(D)が、25℃で不揮発性の固体脂(D2)を含む、請求項1または2記載の水中油型乳化化粧料。
  4. 前記水中油型乳化化粧料中における前記成分(D)中の、前記成分(D2)の含有量が、4〜15質量%である、請求項3に記載の水中油型乳化化粧料。
  5. キサンタンガムをさらに含む、請求項1〜4いずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料。
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