JP2007106153A - 車両用乗員保護装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 乗員頭部Hよりも高い位置に収納されるとともに、作動時に乗員頭部Hと室内側壁3との間へ向けて展開する頭部保護用エアバッグ5を備えた車両1の乗員保護装置であって、頭部保護用エアバッグ5が展開する前に乗員Mの頭部Hを室内側壁3より遠ざけるような入力を乗員Mに加える入力手段6を備えているように構成する。
【選択図】 図2
Description
このように、特許文献3の技術では、乗員の頭部を確実に車両内側に移動させることができるとは限らないという課題及び、チューニングが難しく、開発工数が多くかかってしまうという課題がある。
また、該入力手段は、該乗員の腰部を室内中央側から該室内側壁に向けて押すように構成されているのが好ましい(請求項4)。
また、該入力手段は、該車両の車幅方向に配設されるとともに基端部が該車両に接続された伸縮可能なピストンシリンダ機構と、該ピストンシリンダ機構の先端部に接続され、該乗員に入力を加える入力部とをそなえるように構成するのが好ましい(請求項5)。
また、該車両の横滑りを検知する横滑り検知手段をそなえ、該横滑り検知手段により該車両の横滑りが検知されると、該入力手段が作動するとともに所定時間経過後該頭部保護用エアバッグが展開するのが好ましい(請求項7)。
まず、本発明の第1実施形態にかかる車両用乗員保護装置について説明すると、図1はその要部構成を示す模式的なブロック図、図2はその作用を説明するための図、図3は入力手段の構成の一例を示す模式図、図4及び図5はいずれも入力手段の構成の他の例を示す模式図である。
また、コントローラ10内には車両1のロールオーバ(横転)を予測又は推定するロールオーバ推定部(ロールオーバ推定手段)11が設けられている。ここで、このロールオーバ推定部11には車両1のホイールベース、トレッド、重心高、重量等の諸元が記憶されており、ロールオーバ推定部11では、上記の各種センサ7〜9等の情報に基づいて車両1に作用している力を演算するとともに、車両の諸元より車両がロールオーバするか否かを判定するようになっている。なお、このようなロールオーバの推定又は判定に関する手法は従来より公知の技術が適用されており、ここではその手法についての詳しい説明は省略する。
ピストンシリンダ機構14の詳細な構成に付いては図示しないが、シリンダ内部にはピストンを車両中央側に付勢するスプリングが設けられている。また、ピストン及びシリンダの一方には爪部が設けられ、ピストン及びシリンダの他方には前記爪部が係合可能な係合部が形成されている。そして、ピストンがシリンダ内に格納された待機状態〔図3(a)参照〕においては、上記爪部が係合部に係合することにより、ピストンが待機状態に保持されるようになっている。
また、ピストンの先端には入力部としてのドアトリムの一部4bが接続されている。なお、ドアトリムの一部4bは図示しないドアトリムに対して分離して設けられており待機状態時には意匠性を損なわないようにドアトリムとの段差が生じないように連続した面となるように形成されるのが好ましい。
次に、入力手段6の他の構成例(第1変形例)について説明する。図4(a),(b)に示すように、ドアインナパネル4aには、2本のアーム部材15,15が取り付けられている。これらのアーム部材15,15は同じ長さに設定され、所定間隔だけ離れて同一の回転軸上に回転可能に取り付けられている。また、これらのアーム部材15,15は互い平行となるように設定されている。
したがって、車両のロールオーバ判定時には、アクチュエータにより爪部の係合が解除されてバー16が回動することにより、ドアトリムの一部14を押して、このドアトリム14の一部が上辺を残して車室内側に突出し、乗員Mの肩Sを押すようになっている。
また、プレート17の他端側(先端側;車両前方側)は、図示するようにワイヤ18に接続されている。また、このワイヤ18はプレート17とドアインナパネル4aとの間を通って車両後方側に延びて配設されており、その端部は車両後方側でワイヤ18を引き込み可能な引き込み機構に接続されている。なお、この引き込み機構としては、例えばシートベルトのプリテンション機構と同等の機構が適用可能である。
本発明の第1実施形態に係る乗員保護装置は上述のように構成されているので、その作用を説明すると以下のようになる。まず、コントローラ10のロールオーバ推定部11において、各種センサ7〜9からの情報と車両の諸元とに基づいて車両1がロールオーバするか否かが推定又は判定される。
一方、ロールオーバが判定されると、作動信号出力部12から入力手段6のアクチュエータ6aに対して作動信号が出力され、図2(b)に示すように、乗員Mの肩Sが室内中央に向けて押される。乗員は、シートベルト着用状態で最も拘束が強い場所を回動中心として体が動くので、このように肩を押した場合には乗員は腰部を中心に回動する。これにより、図2(c)に示すように、乗員Mの頭部Hが室内側壁3から遠ざけられて、乗員Mと室内側壁3との間にカーテンエアバッグ5の展開に必要な空間が確保される。
以上詳述したように、本発明の第1実施形態に係る乗員保護装置によれば、カーテンエアバッグ5が展開する前に乗員の頭部を室内側壁より遠ざけることができるので、カーテンエアバッグ5の展開に必要な空間が確保でき、カーテンエアバッグ5を確実に展開させることができる利点がある。また、このようにカーテンエアバッグ5を確実に展開させることにより、車両の安全性をさらに高めることができるという利点がある。
なお、上述では、入力手段6の作動後所定時間経過するとカーテンエアバッグ5が作動するように構成した場合について説明したが、入力手段6とカーテンエアバッグ5との作動を独立させてもよい。つまり、入力手段6についてはロールオーバの推定時に作動させ、カーテンエアバッグ5については実際の側突検知やロールオーバを検知したときに展開させるようにしてもよい。このように構成しても、カーテンエアバッグ5が展開する前に確実に入力手段6が作動するので、カーテンエアバッグ5が展開する前に乗員の頭部を室内側壁より遠ざけることができる。
さて、第1実施形態においても上述したように、乗員に横から速い速度で力を加えると、拘束部位を回転中心としたモーメントが作用する。そこで、本第2実施形態では、図7に示すように、ロールオーバ判定時には、胸部Cよりも下方の腰部Wを室内中央側から室内側壁3に向けて押すように構成されている。この場合は、乗員は胸部Cを中心に回動するようになり、これにより、頭部Hを室内中央側に向けることができる。
これに対して、ロールオーバが判定されると、入力手段6が作動して図6(b)に示すように、乗員Mの腰部Wが室内側壁3に向けて押される。これにより、図7に示すような反応が生じ、乗員Mの頭部Hが室内側壁から遠ざけられて、乗員Mと室内側壁3との間にカーテンエアバッグ5の展開に必要な空間が確保される〔図6(c)〕。
したがって、本第2実施形態においても、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
したがって、車両に横滑り防止装置をすでに備えた車両であれば、制御プログラムをきわめて簡素化することができる利点もある。
また、本発明は、車両の前席への適用に限定されるものではなく、後席に適用しても良い。また3列以上座席がある車両であれば、いずれの座席にも適用することができる。
2 ルーフ
3 室内側壁
4 ドアトリムの一部(入力手段)
5 カーテンエアバッグ(頭部保護用エアバッグ)
6 入力手段
7 車速センサ
8 操舵角センサ
9 横Gセンサ
10 コントローラ
11 ロールオーバ推定部(ロールオーバ推定手段)
14 ピストンシリンダ機構
H 頭部
M 乗員
S 肩
Claims (7)
- 乗員頭部よりも高い位置に収納されるとともに、作動時に乗員頭部と室内側壁との間へ向けて展開する頭部保護用エアバッグを備えた車両の乗員保護装置であって、
該頭部保護用エアバッグが展開する前に該乗員の頭部を室内側壁より遠ざけるような入力を該乗員に加える入力手段を有する
ことを特徴とする、車両用乗員保護装置。 - 該入力手段は、該乗員に対して入力が行われた際に最も拘束が強い箇所を回動中心として、車両進行方向に対して右側に位置する乗員に対しては該車両進行方向から見て時計回りのモーメントを作用させ、該車両進行方向に対して左側に位置する乗員に対しては該車両進行方向から見て反時計回りのモーメントを作用させるような入力を該乗員に加える
ことを特徴とする、請求項1記載の車両用乗員保護装置。 - 該入力手段は、該乗員の肩を該室内側壁から室内中央に向けて押すように構成されている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の車両用乗員保護装置。 - 該入力手段は、該乗員の腰部を室内中央側から該室内側壁に向けて押すように構成されている
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用乗員保護装置。 - 該入力手段は、
該車両の車幅方向に配設されるとともに基端部が該車両に接続された伸縮可能なピストンシリンダ機構と、
該ピストンシリンダ機構の先端部に接続され、該乗員に入力を加える入力部とをそなえる
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の車両用乗員保護装置。 - 該車両のロールオーバを推定するロールオーバ推定手段をそなえ、該ロールオーバ推定手段により該車両のロールオーバが推定されると、該入力手段が作動するとともに所定時間経過後該頭部保護用エアバッグが展開する
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の車両用乗員保護装置。 - 該車両の横滑りを検知する横滑り検知手段をそなえ、該横滑り検知手段により該車両の横滑りが検知されると、該入力手段が作動するとともに所定時間経過後該頭部保護用エアバッグが展開する
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の車両用乗員保護装置。
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