JP3733720B2 - 車両用エアバッグ制御装置 - Google Patents

車両用エアバッグ制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突時に、エアバッグを展開させて乗員を保護するように制御する車両用エアバッグ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平7−277123号公報に示されるように、エアバッグを展開させるインフレータで発生したガスを加熱してガス圧を高めるための加熱器を設け、シートベルトを着用しない状態で車両の衝突事故が発生したときに、上記加熱器を作動させてエアバッグの展開圧力を高めるように構成することにより、乗員がシートベルトを着用していたか否かに応じ、異なった圧力でエアバッグを展開させるようにした自動車の搭乗者拘束装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように乗員がシートベルトを着用していない状態における衝突事故の発生時に、エアバッグの展開圧力を一律に高めるように構成した場合には、乗員の状態に適合したエアバッグの展開制御を実行することができないことがあるという問題があった。すなわち、運転席に着座した乗員がステアリングホイールを操舵した状態で、エアバッグを展開させると、乗員の腕に大きな圧力が付与される場合があり、乗員によるステアリングホイールの操舵状態に適合したエアバッグの展開制御を実行することは不可能であった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑み、車両の衝突時等に、操舵状態に適合したエアバッグの展開制御を実行することにより、乗員を適正に保護することができる車両用エアバッグ制御装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項に係る発明は、車両のステアリングホイールに設置されたエアバッグを、車両の衝突時に展開させるように制御するエアバッグ制御手段を有する車両用エアバッグ制御装置において、上記ステアリングホイールの操舵角度を検出する操舵角度検出手段を備え、この操舵角度検出手段によって検出された操舵角度が、予め設定された基準角度よりも大きいことが確認された場合には、上記操舵角度が基準角度以下である場合に比べて上記エアバッグの展開圧力を低くするように構成したものである。
【0008】
上記構成によれば、車両の衝突時に、操舵角度検出手段の検出信号に応じてステアリングホイールの操舵角度が、上記基準角度よりも大きいことが確認された場合には、上記エアバッグ制御手段によりエアバッグの展開圧力が通常時よりも小さな値に設定されることにより、ステアリングホイールを操作している乗員の腕にエアバッグの大きな押圧力が作用することが防止されることになる。
【0009】
請求項に係る発明は、車両のステアリングホイールに設置されたエアバッグを、車両の衝突時に展開させるように制御するエアバッグ制御手段を有し、エアバッグを複数回に分けて展開できるように構成された車両用エアバッグ制御装置であって、上記ステアリングホイールの操舵角度を検出する操舵角度検出手段を備え、この操舵角度検出手段によって検出された操舵角度が、予め設定された基準角度よりも大きいことが確認された場合には、第1回目のエアバッグの展開時期と、第2回目以降のエアバッグの展開時期との間に一定の時間差を持たせるように構成したものである。
【0010】
上記構成によれば、車両の衝突時に、操舵角度検出手段の検出信号に応じてステアリングホイールの操舵角度が、上記基準角度よりも大きいことが確認された場合には、エアバッグの第1回目の展開後に、一定の時間差をもって第2回目以降の展開が行われるようにエアバッグの展開動作が制御されることにより、ステアリングホイールを操舵する乗員の腕にエアバッグの展開圧力が急激に作用することが防止されることになる。
【0011】
請求項に係る発明は、運転席に着座した乗員がシートベルトを着用しているか否かを検出する着用状態検出手段を備えた上記請求項1または2に記載の車両用エアバッグ制御装置において、上記着用状態検出手段の検出信号に応じて乗員がシートベルトを着用していることが確認された場合にのみ、上記操舵角度の検出値に対応したエアバッグの展開制御を実行するように構成したものである。
【0012】
上記構成によれば、車両の衝突時に、操舵角度検出手段の検出信号に応じてステアリングホイールの操舵角度が、上記基準角度よりも大きいことが確認され、かつ着用状態検出手段の検出信号に応じて上記乗員がシートベルトを着用していることが確認された場合には、ステアリングホイールを操作している乗員の腕にエアバッグの押圧力が作用することがないようにエアバッグの展開を規制する制御が実行され、かつ上記乗員がシートベルトを着用していないことが確認された場合には、エアバッグの展開が規制されることなく、エアバッグを迅速に展開させる制御が実行されることになる。
【0013】
請求項に係る発明は、車両のステアリングホイールに設置されたエアバッグを、車両の衝突時に展開させるように制御するエアバッグ制御手段を有する車両用エアバッグ制御装置において、上記ステアリングホイールの操舵角度を検出する操舵角度検出手段と、この操舵角度検出手段によって検出された操舵角度が、予め設定された基準角度よりも大きいことが確認された場合に、上記エアバッグの展開に先立ってステアリングホイールの近傍にある物体を排除する排除手段とを備えたものである。
【0014】
上記構成によれば、車両の衝突時に、操舵角度検出手段の検出信号に応じてステアリングホイールの操舵角度が、上記基準角度よりも大きいことが確認された場合には、まず排除手段が作動してステアリングホイールの近傍にある物体、例えば乗員の腕等が排除された後、上記エアバッグが展開状態となって乗員が保護されることになる。
【0015】
請求項に係る発明は、エアバッグを複数回に分けて展開できるように構成された請求項記載の車両用エアバッグ制御装置において、上記操舵角度検出手段によって検出された操舵角度が基準角度よりも大きいことが確認された場合には、第1回目のエアバッグの展開時期と、第2回目以降のエアバッグの展開時期との間に一定の時間差を持たせてエアバッグを展開させ、上記第1回目のエアバッグの展開によってステアリングホイールの近傍にある物体を排除するように構成したものである。
【0016】
上記構成によれば、車両の衝突時に、操舵角度検出手段の検出信号に応じてステアリングホイールの操舵角度が、上記基準角度よりも大きいことが確認された場合には、第1回目のエアバッグの展開が行われることにより、ステアリングホイールの近傍にある乗員の腕等が排除された後、一定の時間差をもって第2回目以降の展開が行われて展開したエアバッグにより乗員が保護されることになる。
【0017】
請求項に係る発明は、上記請求項記載の車両用エアバッグ制御装置において、ステアリングホイールの近傍にある物体を排除する排除手段の作動時期と、エアバッグの展開時期との時間差を、車両の衝突状態に応じて変化させるように構成したものである。
【0018】
上記構成によれば、車両の衝突時に、操舵角度検出手段の検出信号に応じてステアリングホイールの操舵角度が、上記基準角度よりも大きいことが確認された場合には、まず排除手段が作動してステアリングホイールの近傍にある物体、例えば乗員の腕等が排除された後、車両の衝突状態に応じて設定された一定時間が経過した時点でエアバッグが展開状態となって乗員が保護されることになる。
【0019】
請求項に係る発明は、上記請求項、請求項または請求項のいずれかに記載の車両用エアバッグ制御装置において、複数個所に分割されて配設された複数のガス発生剤と、各ガス発生剤をそれぞれ個別に燃焼させる複数のスクイブとを備え、この各スクイブを一定の時間差をもって作動させることにより、エアバッグを複数回に分けて展開させるように構成したものである。
【0020】
上記構成によれば、車両の衝突時に、操舵角度検出手段の検出信号に応じてステアリングホイールの操舵角度が、上記基準角度よりも大きいことが確認された場合には、一つのスクイブが作動状態となって第1回目のエアバッグの展開が行われた後に、一定の時間差をもって他のスクイブが作動状態となり、第2回目以降の展開が行われるように制御されることにより、ステアリングホイールを操舵する乗員の腕にエアバッグの展開圧力が急激に作用することが防止された状態で、エアバッグが展開状態となって乗員が保護されることになる。
【0021】
請求項に係る発明は、上記請求項1〜のいずれかに記載の車両用エアバッグ制御装置において、ステアリングの操舵角度の判別基準となる基準角度を、90度に設定したことを特徴とするものである。
【0022】
上記構成によれば、車両の衝突時に、操舵角度検出手段の検出信号に応じてステアリングホイールの操舵角度が、90度よりも大きいことが確認された場合には、操舵角度が90度以下である場合に比べてエアバッグをゆっくりと展開させ、あるいはステアリングホイールを操作している乗員の腕等が排除手段によって排除された後にエアバッグを展開させる制御が実行されることになる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、乗員を保持する方向にシートベルト1を駆動するプリテンショナー2を有する車両に搭載された本発明に係る車両用エアバッグ制御装置の実施形態を示している。このエアバッグ制御装置は、ステアリングホイール3に設置されたエアバッグ4と、このエアバッグ4を展開させるインフレータ5と、車体に作用する加減速度を検出する一対のGセンサ6,7からなる加減速度検出手段と、運転席に着座した乗員がシートベルト1を着用しているか否かを判別するベルトセンサ8からなる着用状態検出手段と、ステアリングホイール3の操舵角度を検出する舵角センサ31からなる操舵角度検出手段と、車両の衝突時に上記プリテンショナー2を作動させるとともに、エアバッグ4を所定のタイミングで展開させるように制御する制御ユニット9とを有している。
【0024】
上記プリテンショナー2は、乗員の肩部を保持するショルダーベルトを巻き取るように構成されたものであり、例えば図2に示すように、シートベルト1のウェビングを所定のばね力で巻き取る巻取リール10と、この巻取リール10の駆動軸に連結されたピニオンギア11と、このピニオンギア11を回転駆動するラックギア12と、このラックギア12を駆動するガス発生器13とを有している。そして車両の衝突時に、上記制御ユニット9から出力される制御信号に応じてガス発生器13が作動し、上記ラックギア12を矢印に示すように下方の待機位置から上方の駆動位置に移動させるガス圧が発生して上記ピニオンギア11が回転駆動され、シートベルト1のウェビングが上記巻取リール10によって巻き取られるようになっている。
【0025】
上記エアバッグ4は、図3に示すように、ステアリングホイール3の中央部に設けられた収納ケース14内に折り畳み状態で収納され、車両の衝突時に、上記収納ケース14の表面を覆う保護パッド14aを破断して膨張することにより、上記ステアリングホイール3と、運転席に着座した乗員との間において展開するように構成されている(図1参照)。
【0026】
上記インフレータ5は、仕切壁15により左右に分割されて収容された一対のガス発生剤16,17と、このガス発生剤16,17をそれぞれ個別に燃焼させる一対のスクイブ18,19とを有している。そして、車両の衝突時に、上記制御ユニット9から出力される制御信号に応じ、上記両スクイブ18,19の一方のみを所定の作動タイミングT1で作動させることにより、図4の実線aに示す特性に基づいて展開させ、また上記両スクイブ18,19の両方を上記作動タイミングT1で同時に作動させることにより、図4の破線bに示す特性に基づいて展開させるようになっている。さらに、上記両スクイブ18,19の一方を上記作動タイミングT1で作動させた後、所定時間が経過した作動タイミングT2で上記両スクイブ18,19の他方が作動することにより、エアバッグ4が図4の仮想線cに示す特性に基づいて展開することになる。
【0027】
上記Gセンサ6,7は、例えば車体のバンパーフレームおよびカウル部のクロスメンバ等に設置され、車体に作用する前後方向の加減速度を検出してこの検出信号を上記制御ユニット9に出力するように構成されている。この制御ユニット9には、図5に示すように、上記Gセンサ6,7から出力される検出信号等に応じ、車両の衝突状態を判別する衝突状態判別手段20と、上記プリテンショナー2を作動させる制御信号を出力するプリテンショナー制御手段21と、上記インフレータ5を作動させる制御信号を出力してエアバッグ4を展開させるエアバッグ制御手段22とが設けられている。
【0028】
上記衝突状態判別手段20は、Gセンサ6,7によって検出された加減速度の平均値に基づき、車両が衝突状態となったか否かを判別するとともに、車両の衝突時に、上記プリテンショナー2およびインフレータ5を作動させるか否かの判定基準となるしきい値およびその作動時期を設定し、かつ衝突前の所定時期から衝突時までの間における乗員の頭部の移動速度および移動距離からなる衝突状態を演算によって求めるように構成されている。
【0029】
また、プリテンショナー制御手段21は、上記ベルトセンサ8および衝突状態判別手段20の出力信号に応じ、車両が所定の衝突状態にあり、かつ乗員がシートベルト1を着用していることが確認された場合に、所定のタイミングでプリテンショナー2を作動させる制御信号を出力するように構成されている。
【0030】
上記エアバッグ制御手段22は、上記Gセンサ6,7、ベルトセンサ8および衝突状態判別手段20の出力信号に応じ、シートベルト1の非着用時に、所定の減速状態が所定時間に亘って継続された状態で、車両の衝突事故が発生したことが確認された場合に、上記両スクイブ18,19の一方のみを作動させることにより、上記エアバッグ4を比較的ゆっくりと展開させ、かつ急減速状態で車両の衝突事故が発生したことが確認された場合に、エアバッグ4の展開を禁止するように構成されている。
【0031】
また、上記エアバッグ制御手段22は、上記Gセンサ6,7、ベルトセンサ8、衝突状態判別手段20および舵角センサ31の検出信号に応じ、シートベルト1の非着用時に、所定の減速状態または加速状態のいずれでもない状態で、車両の衝突事故が発生したことが確認された場合、あるいはシートベルト1の着用時に、ステアリングホイール3の操舵角度が、予め設定された基準角度よりも大きいことが確認された場合に、上記両スクイブ18,19を一定の時間差をもって作動させることにより、上記エアバッグ4を所定速度で展開させる制御を実行するように構成されている。
【0032】
さらに、上記エアバッグ制御手段22は、上記Gセンサ6,7、ベルトセンサ8、衝突状態判別手段20および舵角センサ31の出力信号に応じ、シートベルト1の非着用時に、車両の加速状態が所定時間に亘って継続された状態で、車両の衝突事故が発生したことが確認された場合、またはシートベルト1の着用時に、ステアリングホイール3の操舵角度が上記基準角度以下の状態で、車両の衝突事故が発生したことが確認された場合に、所定のタイミングでインフレータ5の両スクイブ18,19を同時に作動させることにより、エアバッグ4を迅速に展開させるように構成されている。
【0033】
上記制御ユニット9において実行される制御動作を図6および図7に示すフローチャートに基づいて説明する。上記制御動作がスタートすると、まず上記各センサの検出値を入力した後(ステップS1)、Gセンサ6,7によって検出された減速度Gが、予め設定された3g(gは重力加速度)程度の衝突判定値以上となった衝突状態にあるか否かを判定し(ステップS2)、NOと判定された場合には、上記プリテンショナー2の作動制御およびエアバッグ4の展開制御を実行する必要がないと判断してリターンする。
【0034】
また、上記ステップS2でYESと判定され、車体に3g以上の減速度Gが作用したこと、つまり車両の衝突事故が発生したことが確認された場合には、上記各センサの検出値等に基づき、エアバッグ4を展開させるか否かの判定基準となるしきい値V1,L1と、上記プリテンショナー2およびインフレータ5の作動タイミングT1とを設定する(ステップS3)。例えば、予め記憶手段に記憶されたマップのデータと、上記各センサの検出値とに基づき、乗員の頭部の移動速度に対応したしきい値V1および同移動距離に対応したしきい値L1と、上記作動タイミングT1とを読み出して設定する。
【0035】
次いで、上記減速度Gの検出値に基づき、乗員の頭部の移動速度Vと同移動距離Lとを演算する(ステップS4)。すなわち、車両が衝突状態となったことが確認された現時点よりも所定時間だけ前(例えば1秒前)から現時点までの時間内において上記減速度Gの値を積分することにより上記頭部の移動速度V{=∫Gdt,(t=−1〜0)}を求めるとともに、同時間内において上記移動速度Vの値を積分することにより上記頭部の移動距離L{=∫Vdt,(t=−1〜0)}を求める。
【0036】
その後、上記頭部の移動速度Vおよび移動距離Lの演算値が、ステップS4で設定された上記しきい値V1,L1以上であるか否かをそれぞれ判定し(ステップS5,S6)、この両ステップS5,S6のいずれかでNOと判定された場合には、乗員に作用する慣性力が小さいために、上記プリテンショナー2の作動制御およびエアバッグ4の展開制御を実行する必要がないと判断してリターンする。
【0037】
また、上記ステップS5,S6でそれぞれYESと判定された場合には、上記ベルトセンサ8の検出信号に応じて乗員がシートベルト1を着用しているか否かを判定し(ステップS7)、YESと判定された場合には、上記ステップS3で設定された作動タイミングT1に基づいて上記プリテンショナー2を作動させることにより(ステップS8)、乗員を保持する方向にシートベルト1を巻き取る。
【0038】
上記ステップS7でNOと判定され、乗員がシートベルト1を着用していないことが確認された場合には、上記Gセンサ6,7によって検出された減速度が予め設定された1g程度の第1基準減速度以上となった減速状態が、予め1秒程度に設定された第1基準時間t1だけ前の時点から現時点まで継続した状態で、車両が衝突状態となったか否かを判定する(ステップS9)。
【0039】
上記ステップS9でYESと判定され、上記第1基準減速度1g以上の減速状態が、上記第1基準時間t1以上に亘って継続された状態で、車両の衝突事故が発生したことが確認された場合には、乗員が運転席に適正状態で着座していないアウトオブポジションの状態にあると判断した後(ステップS10)、上記第1基準減速度1gよりも大きな値(例えば2g)に設定された第2基準減速度以上の減速状態が、上記第1基準時間t1以上に亘って継続されたか否かを判定する(ステップS11)。
【0040】
上記ステップS11でNOと判定され、車両の衝突時に上記第2基準減速度2g以上の減速状態が、上記第1基準時間t1以上に亘って継続されていないことが確認された場合には、上記第1基準減速度1g以上の減速状態が、上記第1基準時間t1よりも長い時間、例えば2秒程度に設定された第2基準減速時間t2以上に亘って継続されたか否かを判定する(ステップS12)。
【0041】
上記ステップS12でNOと判定され、車両の衝突時に上記第1基準減速度1g以上の減速状態が、上記第2基準時間t2以上に亘って継続されていないことが確認された場合には、上記ステップS3で設定された作動タイミングT1で、上記インフレータ5を構成する両スクイブ18,19の一方のみを作動させる制御信号を出力し、同他方を非作動状態に維持することにより(ステップS13)、エアバッグ4を比較的ゆっくりと展開させる。
【0042】
また、ステップS11でYESと判定され、上記第2基準減速度2g以上の減速状態が、上記第1基準時間t1以上に亘って継続された急減速状態で車両が衝突状態となったことが確認された場合、あるいはステップS12でYESと判定され、上記第1基準減速度1g以上の減速状態が、上記第2基準時間t2以上に亘って継続された急減速状態で車両が衝突状態となったことが確認された場合には、上記インフレータ5を作動させることなく、制御動作を終了することにより、エアバッグ4の展開を禁止する。
【0043】
上記ステップS9でNOと判定された場合には、上記Gセンサ6,7によって検出された減速度が、予め設定された−1g程度の基準減速度以下となった状態が、上記第1基準時間t1以上に亘って継続された加速状態で、車両の衝突事故が発生したか否かを判定する(ステップS14)。すなわち、車両の衝突時に、予め設定された基準加速度1g以上の加速状態が、上記第1基準時間t1以上に亘って継続されたか否かを判定する。
【0044】
上記ステップS14でNOと判定された場合には、車両が所定の減速状態または加速状態のいずれでもないために、乗員が運転席に適正状態で着座していないアウトオブポジションの状態にあるか否かの判定が不能であると判断した後(ステップS15)、上記ステップS3で設定された作動タイミングT1で、インフレータ5を構成する両スクイブ18,19の一方を作動させた後(ステップS16)、上記作動タイミングT1から予め設定された所定時間だけ経過した作動タイミングT2で、上記両スクイブ18,19の他方を作動させることにより(ステップS17)、エアバッグ4を中程度の速度で展開させる。
【0045】
また、上記ステップS14でYESと判定され、車両の衝突時に、上記基準加速度1g以上の加速状態が上記第1基準時間t1以上に亘って継続されたことが確認された場合、または上記ステップS8でプリテンショナー2が作動状態となった場合には、乗員がアウトオブポジションになく、運転席に適正状態で着座していると判断した後(ステップS18)、上記ベルトセンサ8の検出信号に応じて乗員がシートベルト1を着用しているか否かを判定する(ステップS19)。
【0046】
上記ステップS19でYESと判定された場合には、上記舵角センサ31によって検出されたステアリングホイール3の操舵角度θが、予め90°程度に設定された基準舵角よりも大きいか否かを判定し(ステップS20)、YESと判定された場合には、上記ステップS16,S17に移行して上記スクイブ18,19を所定の時間差をもって作動させ、エアバッグ4を二回に分けて展開させることにより、その展開速度を中程度に設定する。
【0047】
また、上記ステップS20でNOと判定され、ステアリングホイール3の操舵角度θが上記基準舵角90°以下であることが確認された場合には、上記ステップS3で設定された作動タイミングT1で、上記インフレータ5を構成する両スクイブ18,19の両方を同時に作動させることにより(ステップS21)、エアバッグ4を迅速に展開させる。なお、上記ステップS19でNOと判定され、乗員がシートベルト1を着用していないことが確認された場合には、上記操舵角度θの判定を行うことなく、直接上記ステップS21に移行してエアバッグ4を迅速に展開させるように制御する。
【0048】
上記のように車両の衝突時に、上記舵角センサ31からなる操舵角度検出手段によって検出されたステアリングホイール3の操舵角度θが、予め設定された基準舵角よりも大きいことが確認された場合に、上記両スクイブ18,19を所定の時間差をもって作動させることにより、両スクイブ18,19を同時に作動させる場合に比べてエアバッグ4の展開を規制するように構成したため、乗員の腕に大きな押圧力が作用するのを防止しつつ、上記エアバッグ4によって乗員を適正に保護することができる。
【0049】
すなわち、運転席に着座した乗員が上記ステアリングホイール3を大きく操作した車両の旋回時には、乗員の腕がステアリングホイール3を覆った状態にあると考えられ、この状態でエアバッグ4を急激に展開させると、乗員に腕に大きな押圧力が与えられて乗員が違和感が受けるため、上記エアバッグ4の展開速度を規制することにより、乗員が違和感を受けるのを防止するようにしている。そして、上記ステアリングホイール3の操舵角度θが基準舵角以下であることが確認された場合に、上記両スクイブ18,19を同時に作動させてエアバッグ4を迅速に展開させることにより、このエアバッグ4によって乗員を効果的に保護することができる。
【0050】
特に、上記実施形態に示すように、複数個所に分割されて配設された一対のガス発生剤16,17と、各ガス発生剤16,17をそれぞれ個別に燃焼させる一対のスクイブ18,19とによってインフレータ5を構成し、上記各スクイブ18,19を一定の時間差をもって作動させ、エアバッグ4を二回に分けて展開させることにより、その展開速度を規制するようにした構成によると、このエアバッグ4の第1回目における展開時に、ステアリングホイール3を覆うような状態となった乗員の腕をステアリングホイール3から離脱させ、あるいはステアリング3の適正位置に乗員の手を移動させるように促すことができる。
【0051】
すなわち、上記第1回目にエアバッグ4を展開させる手段により、ステアリングホイール3の近傍にある物体を排除する排除手段が構成され、車両の衝突時に、操舵角度検出手段の検出信号に応じてステアリングホイール3の操舵角度が、上記基準角度よりも大きいことが確認された場合に、上記エアバッグ4の展開に先立ってまず上記排除手段が作動してステアリングホイール3の近傍にある物体、例えば乗員の腕等がステアリングホイール3から離間するように排除されることになる。したがって、車両の衝突時に、上記排除手段を作動させて乗員の腕等をステアリングホイール3の近傍から排除した後、エアバッグ4を展開状態とすることにより、簡単な構成で乗員の腕等にエアバッグ4の大きな押圧力が作用するのを効果的に防止した状態で、上記エアバッグ4によって乗員を効果的に保護することができる。
【0052】
なお、上記ガス発生剤16,17およびスクイブ18,19の個数は2個に限られず3個以上であってもよい。また、上記第1回目にエアバッグ4を展開させる手段からる排除手段に代え、ステアリングホイール3の近傍にある腕等の物体を排除する別体のアクチュエータ等を設けた構造としてもよい。さらに、上記排除手段の作動時期と、エアバッグ4の最終的展開時期との時間差を車両の衝突時に応じて変化させるようにしもよく、この場合には上記アクチュエータからなる排除手段によってステアリングホイール3の近傍にある腕等の物体を確実に排除した後、適正タイミングでエアバッグ4を展開状態に移行させて乗員を効果的に保護することができる。
【0053】
また、車両の衝突時に、上記両スクイブ18,19を所定の時間差をもって作動させることにより、エアバッグ4の展開を規制するようにした上記実施形態に代え、例えば、エアバッグ4を低圧展開させるインフレータと、高圧展開させるインフレータとからなる複数のインフレータを設け、上記舵角センサ31によって検出されたステアリングホイール3の操舵角度θが、予め設定された基準舵角よりも大きいことが確認された場合に、上記低圧展開用のインフレータを選択して作動させることにより、エアバッグ4の展開を規制し、あるいは開口面積を調節可能な排気バルブを上記エアバッグに設け、この排気バルブの開度を調節することにより、このエアバッグ4の展開速度を変化させてその展開を規制するように構成してもよい。
【0054】
上記実施形態では、エアバッグ4の展開を規制するか否かの判断基準となる基準角度を90度に設定しているが、この基準角度は、90度に限定されることなく、乗員の腕がステアリングホイール3を大きく覆っていると考えられる範囲内で、種々の角度に変更可能である。
【0055】
また、上記実施形態では、上記ベルトセンサ8からなる着用状態検出手段の検出信号に応じて乗員がシートベルト1を着用していることが確認された場合にのみ、上記エアバッグ4の展開を規制する制御を実行し、シートベルト1の非着用時に両スクイブ18,19を同時に作動させることにより、エアバッグ4の展開を規制することなく、迅速に展開させるように構成したため、乗員の着座状態が不安定になり易いシートベルト1の非着用時に、上記エアバッグ4によって乗員を適正に保護することができる。
【0056】
さらに、上記実施形態では、ベルトセンサ8からなる着用状態検出手段の検出信号に応じ、乗員がシートベルト1を着用していないことが確認され、かつ上記Gセンサ6,7の検出信号に応じ、予め設定された第1基準減速度1g以上の減速状態が、予め設定された第1基準時間t1以上に亘って継続された状態で、車両の衝突事故が発生したことが確認された場合に、上記両スクイブ18,19の一方のみを作動させるようにように構成したため、車両の衝突時等に、上記エアバッグ4を適正速度で展開させて乗員を効果的に保護することができる。
【0057】
すなわち、乗員がシートベルト1を着用していない場合において、上記減速状態で衝突事故が発生すると、この衝突時に作用する慣性力に応じて乗員の体が車体の前方側に移動したアウトオブポジションの状態にあると考えられるため、上記インフレータ5を構成する両スクイブ18,19の一方のみを作動させてエアバッグ4を比較的ゆっくりと展開させることにより、このエアバッグ4から乗員に過大な押圧力が与えるのを防止した状態で、上記エアバッグ4によって乗員を適正に保護することができる。
【0058】
また、上記実施形態に示すように、Gセンサ6,7からなる加減速度検出手段の検出信号に応じ、上記第1基準減速度1gよりも大きな値に設定された第2減速度2g以上の減速状態が、上記第1基準時間t1以上に亘って継続された状態で、車両の衝突事故が発生したことが確認された場合に、上記エアバッグ4の展開を禁止するようにした構成によると、乗員に作用する大きな慣性力に応じて乗員の体が車室の前端部に近い位置まで移動していると考えられる急減速状態で、エアバッグ4が展開するのを防止できるため、エアバッグ4の押圧力が上記乗員に作用するのを確実に防ぐことができる。この場合には、車両が衝突状態となるまでに車速がかなりの減速しており、エアバッグ4を展開させなくとも、乗員に与えられる影響は少ない状態にあると考えられる。
【0059】
さらに、上記実施形態では、Gセンサ6,7からなる加減速度検出手段の検出信号に応じ、上記第1基準減速度1g以上の減速状態が、上記第1基準時間t1よりも長い時間に設定された第2基準時間t2以上に亘って継続された状態で、車両の衝突事故が発生したことが確認された場合に、上記エアバッグ4の展開を禁止するように構成したため、車両の衝突時に作用する慣性力に応じて乗員の体が車室の前端部に近い位置まで移動し、かつ車速が十分に減速していると考えられる急減速状態で、上記エアバッグ4が展開するのを防止してその押圧力が乗員に作用するのを確実に防ぐことができる。
【0060】
なお、上記実施形態では、図7に示す制御動作のステップS11,S12のいずれかでYESと判定され、上記第2基準減速度2g以上の減速状態が、上記第1基準時間t1以上に亘って継続された状態で車両が衝突状態となったことが確認された場合、あるいは上記第1基準減速度1g以上の減速状態が、上記第2基準時間t2以上に亘って継続された状態で車両が衝突状態となったことが確認された場合に、エアバッグ4の展開を禁止するように構成した例について説明したが、この構成に代え、上記第2減速度2g以上の減速状態が、上記第2基準時間t2以上に亘って継続された状態で、車両の衝突事故が発生したことが確認された場合に、上記エアバッグ4の展開を禁止するように構成してもよい。
【0061】
すなわち、図8に示すように、ステップS9でYESと判定されて上記第1基準減速度1g以上の減速状態が、上記第1基準時間t1以上に亘って継続された状態で車両の衝突事故が発生したことが確認された場合に、上記第1基準減速度1gよりも大きな値に設定された第2減速度2g以上の減速状態が、上記第1基準時間t1よりも長い時間に設定された第2基準時間t2以上に亘って継続されたか否かを判定するようにしてもよい(ステップS31)。そして、このステップS31でYESと判定された場合に、そのままリターンして上記エアバッグ4の展開を禁止し、かつ上記ステップS31でNOと判定された場合に、ステップS13に移行してエアバッグ4を通常時よりも低い圧力で展開させるように構成してもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、上記ベルトセンサ8からなる着用状態検出手段の検出信号に応じ、ステップS7,S19において乗員がシートベルトを着用していないことが確認され、かつ上記Gセンサ6,7からなる加減速度検出手段の検出信号に応じ、ステップS14において予め設定された基準加速度1g以上の加速状態が、基準時間t1以上に亘って継続された状態で、車両の衝突事故が発生したことが確認された場合に、上記両スクイブ18,19を同時に作動させることにより、エアバッグ4の展開速度を、両スクイブ18,19を所定の時間差をもって展開させる場合よりも早くしたため、車両の衝突時に、上記エアバッグ4を迅速に展開させて乗員を効果的に保護することができる。
【0063】
すなわち、上記加速状態で衝突事故が発生すると、乗員がシートベルト1を着用していない場合においても、慣性力に応じて乗員の体が車体の後方側に移動し、乗員が運転席に適正状態で着座してエアバッグ4による押圧力を受けにくい状態にあると考えられるため、上記インフレータ5を構成する両スクイブ18,19の両方を同時に作動させてエアバッグ4の展開速度を速くすることにより、上記エアバッグ4を迅速に展開させて乗員を適正に保護することができる。
【0064】
そして、上記ステップS7,S9,S14においてそれぞれNOと判定され、乗員がシートベルトを着用していない状態で、上記第1基準減速度1G以上の減速状態、または上記基準加速度1g以上の加速状態が、上記基準時間t1以上に亘って継続されていない状態で、車両の衝突事故が発生し、乗員が運転席に適正状態で着座しているか否かが不明であると判断された場合には、上記ステップS16に移行して両スクイブ18,19を所定の時間差をもって作動させるように構成したため、車両の衝突時に、乗員に過度の押圧力が与えられるのを防止しつつ、上記エアバッグ4を適正速度で展開させて乗員を保護することができる。
【0065】
さらに上記実施形態に示すように、車両に3g以上の減速度が作用するとともに、乗員の頭部の移動速度Vおよび移動距離Lがそれぞれ所定のしきい値V1,L1よりも大きくなって車両が衝突したことが確認された場合に、上記プリテンショナー2を作動させてシートベルト1を巻き取るようにした構成によると、衝突時の慣性力等に応じて車体の前方側に移動した乗員の体を、シートベルト1により後方に引き戻して運転席に適正に着座させることができるため、上記プリテンショナー2を作動させることによる乗員の保護効果と、上記エアバッグ4を展開させることによる乗員の保護効果との相乗効果によって乗員を適正に保護することができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、車両のステアリングホイールに設置されたエアバッグを、車両の衝突時に展開させるように制御するエアバッグ制御手段を有する車両用エアバッグ制御装置において、上記ステアリングホイールの操舵角度を検出する操舵角度検出手段を備え、この操舵角度検出手段によって検出された操舵角度が、予め設定された基準角度よりも大きいことが確認された場合には、上記操舵角度が基準角度以下である場合に比べて上記エアバッグの展開圧力を低くするように構成したため、ステアリングホイールが大きく操作された状態で、車両の衝突事故が発生した場合に、乗員の腕に大きな押圧力が作用するのを防止しつつ、上記エアバッグによって乗員を適正に保護できるという利点がある。
【0067】
また、本発明は、車両のステアリングホイールに設置されたエアバッグを、車両の衝突時に展開させるように制御するエアバッグ制御手段を有する車両用エアバッグ制御装置において、上記ステアリングホイールの操舵角度を検出する操舵角度検出手段と、この操舵角度検出手段によって検出された操舵角度が、予め設定された基準角度よりも大きいことが確認された場合に、上記エアバッグの展開に先立ってステアリングホイールの近傍にある物体を排除する排除手段とを設けたため、この排除手段によって乗員の腕等からなる物体をステアリングホイールから離間させるように排除することにより、この物体にエアバッグの大きな押圧力が作用するのを効果的に防止した状態で、上記エアバッグを展開させることによって乗員を効果的に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用エアバッグ制御装置の実施形態を示す説明図である。
【図2】プリテンショナーの具体的構成を示す断面図である。
【図3】エアバッグの具体的構成を示す断面図である。
【図4】エアバッグの展開特性を示すタイムチャートである。
【図5】エアバッグ制御装置の具体的構成を示すブロック図である。
【図6】エアバッグ展開制御動作の第1行程を示すフローチャートである。
【図7】エアバッグ展開制御動作の第2行程を示すフローチャートである。
【図8】エアバッグ展開制御動作の第2行程の別の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 シートベルト
3 ステアリングホイール
4 エアバッグ
8 ベルトセンサ(着用状態検出手段)
16,17 ガス発生装置
18,19 スクイブ
22 エアバッグ制御手段
31 舵角センサ(操舵角度検出手段)

Claims (8)

  1. 車両のステアリングホイールに設置されたエアバッグを、車両の衝突時に展開させるように制御するエアバッグ制御手段を有する車両用エアバッグ制御装置において、上記ステアリングホイールの操舵角度を検出する操舵角度検出手段を備え、この操舵角度検出手段によって検出された操舵角度が、予め設定された基準角度よりも大きいことが確認された場合には、上記操舵角度が基準角度以下である場合に比べて上記エアバッグの展開圧力を低くするように構成したことを特徴とする車両用エアバッグ制御装置。
  2. 車両のステアリングホイールに設置されたエアバッグを、車両の衝突時に展開させるように制御するエアバッグ制御手段を有し、上記エアバッグを複数回に分けて展開できるように構成された車両用エアバッグ制御装置であって、上記ステアリングホイールの操舵角度を検出する操舵角度検出手段を備え、この操舵角度検出手段によって検出された操舵角度が、予め設定された基準角度よりも大きいことが確認された場合には、第1回目のエアバッグの展開時期と、第2回目以降のエアバッグの展開時期との間に一定の時間差を持たせるように構成したことを特徴とする車両用エアバッグ制御装置。
  3. 運転席に着座した乗員がシートベルトを着用しているか否かを検出する着用状態検出手段を備えた上記請求項1または2に記載の車両用エアバッグ制御装置において、上記着用状態検出手段の検出信号に応じて乗員がシートベルトを着用していることが確認された場合にのみ、上記操舵角度の検出値に対応したエアバッグの展開制御を実行するように構成したことを特徴とする車両用エアバッグ制御装置。
  4. 車両のステアリングホイールに設置されたエアバッグを、車両の衝突時に展開させるように制御するエアバッグ制御手段を有する車両用エアバッグ制御装置において、上記ステアリングホイールの操舵角度を検出する操舵角度検出手段と、この操舵角度検出手段によって検出された操舵角度が、予め設定された基準角度よりも大きいことが確認された場合に、上記エアバッグの展開に先立ってステアリングホイールの近傍にある物体を排除する排除手段とを備えたことを特徴とする車両用エアバッグ制御装置。
  5. エアバッグを複数回に分けて展開できるように構成された請求項4記載の車両用エアバッグ制御装置において、上記操舵角度検出手段によって検出された操舵角度が基準角度よりも大きいことが確認された場合には、第1回目のエアバッグの展開時期と、第2回目以降のエアバッグの展開時期との間に一定の時間差を持たせてエアバッグを展開させ、上記第1回目のエアバッグの展開によってステアリングホイールの近傍にある物体を排除するように構成したことを特徴とする車両用エアバッグ制御装置。
  6. ステアリングホイールの近傍にある物体を排除する排除手段の作動時期と、エアバッグの展開時期との時間差を、車両の衝突状態に応じて変化させるように構成したことを特徴とする請求項5記載の車両用エアバッグ制御装置。
  7. 複数個所に分割されて配設された複数のガス発生剤と、各ガス発生剤をそれぞれ個別に燃焼させる複数のスクイブとを備え、この各スクイブを一定の時間差をもって作動させることにより、エアバッグを複数回に分けて展開させるように構成したことを特徴とする請求項2、請求項5または請求項6のいずれかに記載の車両用エアバッグ制御装置。
  8. ステアリングの操舵角度の判別基準となる基準角度を、90度に設定したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の車両用エアバッグ制御装置。
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