JP7269814B2 - 乗員保護装置 - Google Patents
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Description
このエアバッグ装置は、一般に、衝撃センサと、インフレータと、エアバッグと、制御装置等、から構成されている。エアバッグ装置は、前面衝突などにより衝撃センサが衝撃を検知すると、検知信号を制御装置に出力し、制御装置が作動信号をインフレータに送出して、インフレータがガスを発生させてエアバッグに送出する。そして、エアバッグは、インフレータから送出されたガスにより瞬時に膨らみ、乗員の前方に展開する。これにより、エアバッグは、内部のガス圧によって衝撃により前方へ移動する乗員の身体を受け止めて、その運動エネルギーを吸収しながら収縮する。このようにして、自動車の前面衝突等における、衝突の衝撃による乗員の急激な前方移動がエアバッグにより緩和され、乗員の安全が確保される。
図1は、本発明の実施の形態における乗員保護装置を備えた車両の一部の概略を示す断面図である。また、図2は、本発明の実施の形態における乗員保護装置の概略ブロック図である。また、図3は、本実施の形態のサブエアバッグ装置を可動させるサブエアバッグ可動装置の概略を示す図である。また、図4は、本実施の形態の乗員保護装置が作動した際の、エアバッグ袋体の展開経過を示す側面図である。また、図5は、乗員保護装置の動作概要を示すフローチャートである。
図1に示すように、車両1の乗員室は、下部にアンダーフロア3、上部にルーフ4が設けられている。また、アンダーフロア3には、座席シート10が配備されている。さらに、車両1には、後述する乗員保護装置101が備えられている。
図2に示すように、乗員保護装置101は、車載カメラ31と、レーダー32と、メインエアバッグ装置50と、サブエアバッグ装置60と、サブエアバッグ可動装置70と、制御部110と、を備えている。なお、メインエアバッグ装置50は、ダッシュボード5に設けられている。また、サブエアバッグ装置60は、ルーフ4に設けられたサブエアバッグ可動装置70に設けられている。
車載カメラ31は、車両1の外部および内部を撮影することができるようになっている。例えば、車載カメラ31は、車両1の周辺環境、具体的には、車両1の前方、後方、および、側方を撮影する。また、車載カメラ31は、車内を撮影し、座席シート10に着座した乗員Pの着座状態、特に、乗員Pの腕や手の位置がわかるように撮影する。そして、撮影した画像情報が制御部110に入力され、制御部110のRAMに画像情報が記録されるとともに、画像情報が制御部110に解析される。これにより、制御部110は、車両1の周囲の状況(車外の状況)をリアルタイムおよび事後的に認識することができる。また、制御部110は、車内の状況、特に、乗員Pの状態をリアルタイムおよび事後的に認識することができる。なお、ここでいう、乗員Pの状態とは、特に、乗員Pの腕や手の位置を想定している。
レーダー32は、電波を発射して障害物等の物体を探知し、物体までの距離と方位を測定するものである。また、レーダー32は、車両1のフロントバンパやリヤバンパに取り付けられ、車両1の前方監視、側方監視、後方監視等ができるようになっている。そして、監視情報が制御部110に入力され、制御部110のRAMに監視情報が記録されるとともに、監視情報が制御部110に解析される。これにより、制御部110は、車両1の周囲の状況をリアルタイムおよび事後的に認識することができる。
メインエアバッグ装置50は、制御部110に制御され、衝突の衝撃から乗員Pを保護するものである。また、メインエアバッグ装置50は、メイン用インフレータ51と、メインエアバッグ袋体52と、を有している(図4参照)。
メイン用インフレータ51は、制御部110による車両1の衝突検知または衝突予測に基づく作動信号により、火薬に点火し、燃焼による化学反応でガスを発生させるものである。また、メイン用インフレータ51に発生されたガスは、メインエアバッグ袋体52に圧入される。なお、メイン用インフレータ51は、後述するサブ用インフレータよりも、制御部110による作動信号が遅れて入力される。
メインエアバッグ袋体52は、メイン用インフレータ51によってガスが圧入される袋体であって、非作動時は小さく折り畳まれている。また、メインエアバッグ袋体52は、メイン用インフレータ51からガスが圧入されると、ダッシュボード5から座席シート10の方向に膨張展開し、乗員Pの頭部および胸部等に対する、車両1の衝突の衝撃を緩和するものである。すなわち、メインエアバッグ袋体52は、制御部110により車両1の衝突が予測されると、車両1の前方から乗員Pに向かって展開するようになっている。
サブエアバッグ装置60は、制御部110に制御され、乗員Pの腕や手をメインエアバッグ袋体52の展開領域から展開領域外に移動させるものである。また、サブエアバッグ装置60は、サブエアバッグ可動装置70によって、所定の位置に移動される。また、サブエアバッグ装置60は、サブ用インフレータ(不図示)と、サブエアバッグ袋体62と、を有している。
なお、メインエアバッグ袋体52の展開領域とは、メインエアバッグ袋体52が展開した際に占める、ダッシュボード5と乗員Pの上体等との間の領域をいう。
サブ用インフレータは、制御部110による車両1の衝突検知または衝突予測に基づく作動信号により、火薬に点火し、燃焼による化学反応でガスを発生させるものである。また、サブ用インフレータに発生されたガスは、サブエアバッグ袋体62に圧入される。なお、サブ用インフレータは、前述のように、メイン用インフレータよりも、制御部110による作動信号が先に入力される。
サブエアバッグ袋体62は、サブ用インフレータによってガスが圧入される袋体であって、非作動時は小さく折り畳まれている。また、サブエアバッグ袋体62は、サブ用インフレータからガスが圧入されると、サブエアバッグ可動装置70によって移動された所定の位置から、下方に向かって膨張展開し、乗員Pの腕や手を、メインエアバッグ袋体52の展開領域外に移動させるものである。すなわち、サブエアバッグ袋体62は、乗員Pの上方から下方に向かって展開するようになっている。
サブエアバッグ可動装置70は、ルーフ4に取り付けられ、制御部110に制御されて、サブエアバッグ装置60を、車両1に対する前後左右方向に移動させるものである。したがって、サブエアバッグ可動装置70は、後述するように、サブエアバッグ袋体62の展開位置を可動させるようになっている。また、サブエアバッグ可動装置70は、前後レール71と、左右レール72と、移動台73と、を有している(図3参照)。
前後レール71は、ルーフ4の下部に、車両1の前後方向(以下、単に前後方向という)に延在して設けられている。また、前後レール71は、下部に左右レール72を前後方向に摺動可能に、保持している。そして、前後レール71は、制御部110の制御によって、左右レール72を前後レール71の延在方向に沿って前後に移動させるようになっている。
左右レール72は、上部が前後レール71に保持され、車両1の左右方向(以下、単に左右方向という)に延在して設けられている。また、左右レール72は、下部に移動台73を左右方向に摺動可能に、保持している。そして、左右レール72は、制御部110の制御によって、移動台73を左右レール72の延在方向に沿って左右に移動させるようになっている。
移動台73は、上部が左右レール72に保持され、下部にサブエアバッグ装置60が取り付けられている。したがって、移動台73は、サブエアバッグ装置60とともに、前後レール71に沿って前後方向に移動でき、左右レール72に沿って左右方向に移動できるようになっている。
すなわち、サブエアバッグ装置60は、制御部110の制御により、サブエアバッグ可動装置70によって車両1の前後左右に移動され、サブエアバッグ袋体62の展開位置が自在に変更されるようになっている。
制御部110は、乗員保護装置101の動作を制御するためものである。また、制御部110は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUにより実行される制御プログラム、データテーブル、各コマンドやデータ等の記憶を行うROM(Read Only Memory)、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)および入出力インターフェース回路を備え、乗員保護装置101の制御を統括するようになっている。
なお、制御部110は、車載カメラ31、レーダー32から入力された情報に限らず、加速度センサ(Gセンサ)、距離センサ、衝撃センサ(圧力センサ)等を用いて、これらの装置から入力された情報に基づいて、衝突予測や衝突判定を行うものであってもよい。
次に、このような乗員保護装置101の動作について、説明する。
図4は、エアバッグ袋体(メインエアバッグ袋体52、サブエアバッグ袋体62)が展開した際の側面図である。また、図5は、乗員保護装置101の動作概要を示すフローチャートである。
制御部110は、制御処理において、まず、衝突予測処理を行う(ステップS101)。具体的には、制御部110は、車載カメラ31、および、レーダー32から入力された情報に基づいて、車両1の衝突予測を行う。また、制御部110は、この衝突予測に加え、車両1の衝突判定処理も行う。なお、制御部110は、車両1の衝突を検知した場合には、以下の衝突予測時の処理と同様の処理を行ってもよいが、衝突時の処理を行うことが望ましい。この衝突時の処理では、例えば、サブエアバッグ袋体62を展開させず、メインエアバッグ袋体52のみを展開させるようにする。
第2の実施の形態の乗員保護装置101は、サブエアバッグ可動装置70の構成が異なる以外は、第1の実施の形態の乗員保護装置101と同様である。以下の説明では、第1の実施の形態のものと対応する構成要素には、第1の実施の形態と同じ符号を付して説明を省略する。
なお、前後レール71は、ルーフ4において、座席シート10の左右方向の略中心の上部に、前後方向に延在して設けられている。これにより、座席シート10のシートクッション11に着座した乗員Pの略左右中心上部から、サブエアバッグ袋体62を展開させることができる。
左右回転部材74は、上部が前後レール71に保持されている。また、左右回転部材74は、下部に移動台73を保持し、左右方向に回転可能となっている。そして、左右回転部材74は、制御部110の制御によって、移動台73の下方を向く角度を、左右方向に回転させるようになっている。
すなわち、サブエアバッグ装置60は、制御部110の制御により、サブエアバッグ可動装置70によって車両1の前後方向に移動され、左右方向に回転されて、サブエアバッグ袋体62の展開位置および展開方向が自在に変更されるようになっている。
これにより、乗員保護装置101は、乗員Pの腕を外側に振り払い、メインエアバッグ袋体52を、良好に展開させることができる。また、乗員保護装置101は、左右に長く延在する左右レールを設けることなく、乗員保護を行うことができる。
第3の実施の形態の乗員保護装置101は、サブエアバッグ可動装置70の構成が異なる以外は、第1および第2の実施の形態の乗員保護装置101と同様である。以下の説明では、第2の実施の形態のものと対応する構成要素には、第2の実施の形態と同じ符号を付して説明を省略する。
前後回転部材75は、上部がルーフ4の下部に設けられている。なお、前後回転部材75は、ルーフ4において、座席シート10のシートクッション11の略中央の上部に、設けられている。また、前後回転部材75は、下部に左右回転部材74を保持し、前後方向に回転可能となっている。そして、前後回転部材75は、制御部110の制御によって、左右回転部材74を、前後方向に回転させるようになっている。
すなわち、サブエアバッグ装置60は、制御部110の制御により、サブエアバッグ可動装置70によって車両1の前後方向に回転されるとともに、左右方向に回転されて、サブエアバッグ袋体62の展開方向が自在に変更されるようになっている。
これにより、乗員保護装置101は、前後に長く延在する前後レールを設けることなく、乗員保護を行うことができる。このため、サンルーフ等を設けた車両にも、本実施の形態の乗員保護装置101を適用することができる。
次に、サブエアバッグ装置60およびサブエアバッグ可動装置70をルーフ4内に収納した乗員保護装置101の例について、説明する。
第4の実施の形態の乗員保護装置101は、サブエアバッグ装置60およびサブエアバッグ可動装置70の配置位置が異なるだけで、第1の実施の形態の乗員保護装置101と同様である。以下の説明では、第1の実施の形態のものと対応する構成要素には、第1の実施の形態と同じ符号を付して説明を省略する。なお、第2の実施の形態の乗員保護装置101においても、同様の配置とすることができる。
第5の実施の形態の乗員保護装置101は、サブエアバッグ装置60およびサブエアバッグ可動装置70の配置位置が異なるだけで、第3の実施の形態の乗員保護装置101と同様である。以下の説明では、第3の実施の形態のものと対応する構成要素には、第3の実施の形態と同じ符号を付して説明を省略する。
また、ルーフトリム4aには、サブエアバッグ可動装置70に取り付けられたサブエアバッグ装置60の直下に、開口部が設けられている。そして、この開口部を塞ぐように、サブエアバッグカバー76が設けられている。
なお、サブエアバッグカバー76は、制御部110の制御によって、開口するものであってもよい。例えば、サブエアバッグカバー76は、制御部110の制御によって、衝突予測時に回動されるようにしてもよいし、衝突予測時に後方部の係止が解除され、サブエアバッグ袋体62の膨張展開により開かれる、あるいは、サブエアバッグカバー76の自重で開くようにしてもよい。
次に、サブエアバッグ装置60を複数有した構成について、説明する。
第6の実施の形態の乗員保護装置101は、サブエアバッグ装置60およびサブエアバッグ可動装置70の構成以外は、第1の実施の形態の乗員保護装置101と同様である。以下の説明では、第1の実施の形態のものと対応する構成要素には、第1の実施の形態と同じ符号を付して説明を省略する。
左サブエアバッグ装置60Lは、不図示のサブ用インフレータと、サブエアバッグ袋体と、を有している。
(右サブエアバッグ装置60R)
右サブエアバッグ装置60Rは、不図示のサブ用インフレータと、サブエアバッグ袋体と、を有している。
左サブエアバッグ可動装置70Lは、左前後レール71Lと、左移動台73Lと、を有している。
左前後レール71Lは、ルーフ4の下部に、前後方向に延在して設けられている。また、左前後レール71Lは、座席シート10に着座した乗員Pの左腕の上方を通るように、ルーフ4の下部に設けられている。また、左前後レール71Lは、下部に左移動台73Lを前後方向に摺動可能に、保持している。そして、左前後レール71Lは、制御部110の制御によって、左移動台73Lを左前後レール71Lの延在方向に沿って前後に移動させるようになっている。
左移動台73Lは、上部が左前後レール71Lに保持され、下部に左サブエアバッグ装置60Lが取り付けられている。したがって、左移動台73Lは、左サブエアバッグ装置60Lとともに、左前後レール71Lに沿って前後方向に移動できるようになっている。
すなわち、左サブエアバッグ装置60Lは、制御部110の制御により、左サブエアバッグ可動装置70Lによって車両1の前後に移動され、サブエアバッグ袋体の展開位置が自在に変更されるようになっている。
右サブエアバッグ可動装置70Rは、左サブエアバッグ可動装置70Lと同様に、右前後レール71Rと、右移動台73Rと、を有している。
右前後レール71Rは、左前後レール71Lと同様に、ルーフ4の下部に、前後方向に延在して設けられている。また、右前後レール71Rは、座席シート10に着座した乗員Pの右腕の上方を通るように、ルーフ4の下部に設けられている。また、右前後レール71Rは、下部に右移動台73Rを前後方向に摺動可能に、保持している。そして、右前後レール71Rは、制御部110の制御によって、右移動台73Rを右前後レール71Rの延在方向に沿って前後に移動させるようになっている。
右移動台73Rは、左移動台73Lと同様に、上部が右前後レール71Rに保持され、下部に右サブエアバッグ装置60Rが取り付けられている。したがって、右移動台73Rは、右サブエアバッグ装置60Rとともに、右前後レール71Rに沿って前後方向に移動できるようになっている。
すなわち、右サブエアバッグ装置60Rは、制御部110の制御により、右サブエアバッグ可動装置70Rによって車両1の前後に移動され、サブエアバッグ袋体の展開位置が自在に変更されるようになっている。
なお、左サブエアバッグ装置60Lおよび右サブエアバッグ装置60Rが展開するサブエアバッグ袋体の左右方向の幅を広めに設けておくことにより、より確実に乗員Pの腕を払うことができる。また、本実施の形態では、左前後レール71Lまたは右前後レール71Rに沿った位置から下方にサブエアバッグ袋体を展開するようにしたが、これに限らず、左右レール72や左右回転部材74等を、左サブエアバッグ可動装置70Lおよび右サブエアバッグ可動装置70Rにそれぞれ設けて、乗員Pの腕を狙って、左右の移動や回転を行うようにしてもよい。この場合、左右レール72や左右回転部材74等を設けても、左右の移動や回転の範囲を限定的にすることができる。
第7の実施の形態の乗員保護装置101は、サブエアバッグ装置60およびサブエアバッグ可動装置70の構成以外は、第1の実施の形態の乗員保護装置101と同様である。以下の説明では、第1の実施の形態のものと対応する構成要素には、第1の実施の形態と同じ符号を付して説明を省略する。
第1サブエアバッグ装置60aは、不図示のサブ用インフレータと、サブエアバッグ袋体と、を有している。
(第2サブエアバッグ装置60b)
第2サブエアバッグ装置60bは、不図示のサブ用インフレータと、サブエアバッグ袋体と、を有している。
(第3サブエアバッグ装置60c)
第3サブエアバッグ装置60cは、不図示のサブ用インフレータと、サブエアバッグ袋体と、を有している。
第1サブエアバッグ可動装置70aは、第1左右レール72aと、第1移動台73aと、を有している。
第1左右レール72aは、ルーフ4の下部に、左右方向に延在して設けられている。また、第1左右レール72aは、座席シート10のやや前方の上方を通るように、ルーフ4の下部に設けられている。また、第1左右レール72aは、下部に第1移動台73aを左右方向に摺動可能に、保持している。そして、第1左右レール72aは、制御部110の制御によって、第1移動台73aを第1左右レール72aの延在方向に沿って左右に移動させるようになっている。
第1移動台73aは、上部が第1左右レール72aに保持され、下部に第1サブエアバッグ装置60aが取り付けられている。したがって、第1移動台73aは、第1サブエアバッグ装置60aとともに、第1左右レール72aに沿って左右方向に移動できるようになっている。
すなわち、第1サブエアバッグ装置60aは、制御部110の制御により、第1サブエアバッグ可動装置70aによって車両1の左右に移動され、サブエアバッグ袋体の展開位置が自在に変更されるようになっている。
第2サブエアバッグ可動装置70bは、第1サブエアバッグ可動装置70aと同様に、第2左右レール72bと、第2移動台73bと、を有している。
第2左右レール72bは、座席シート10の前後方向略中央の上方を通るように、ルーフ4の下部に、左右に延在して設けられている。
なお、第2サブエアバッグ可動装置70bの他の構成は、第1サブエアバッグ可動装置70aと同様であるので、説明を省略する。
第3サブエアバッグ可動装置70cは、第1サブエアバッグ可動装置70a、第2サブエアバッグ可動装置70bと同様に、第3左右レール72cと、第3移動台73cと、を有している。
第3左右レール72cは、座席シート10のやや後方の上方を通るように、ルーフ4の下部に、左右に延在して設けられている。
なお、第3サブエアバッグ可動装置70cの他の構成は、第1サブエアバッグ可動装置70a、第2サブエアバッグ可動装置70bと同様であるので、説明を省略する。
そして、制御部110は、対象の第1サブエアバッグ装置60a~第3サブエアバッグ装置60cが所定位置に移動したら、サブエアバッグ袋体を展開させる(ステップS106)。
なお、第1サブエアバッグ装置60a~第3サブエアバッグ装置60cが展開するサブエアバッグ袋体の前後方向の幅を広めに設けておくことにより、より確実に乗員Pの腕を払うことができる。また、本実施の形態では、第1左右レール72a~第3左右レール72cに沿った位置から下方にサブエアバッグ袋体を展開するようにしたが、これに限らず、前後レール71や前後に回転する前後回転部材等を、第1サブエアバッグ可動装置70a~第3サブエアバッグ可動装置70cにそれぞれ設けて、乗員Pの腕を狙って、前後の移動や回転を行うようにしてもよい。この場合、前後レール71や前後回転部材等を設けても、前後の移動や回転の範囲を限定的にすることができる。
第8の実施の形態の乗員保護装置101は、サブエアバッグ装置60の前後方向の長さを長くしたものである。なお、以下の説明では、第1の実施の形態のものと対応する構成要素には、第1の実施の形態と同じ符号を付して説明を省略する。
サブエアバッグ装置60は、不図示のサブ用インフレータと、サブエアバッグ袋体62と、を有している。また、サブエアバッグ装置60は、前後方向の長さが長くなっている。具体的には、サブエアバッグ装置60は、座席シート10の前後方向の長さと同程度の長さを有している。
サブエアバッグ可動装置70は、左右レール72と、移動台73と、を有している。
左右レール72は、ルーフ4の下部に、左右方向に延在して設けられている。また、左右レール72は、座席シート10の前後方向略中央の上方を通るように、ルーフ4の下部に設けられている。また、左右レール72は、下部に移動台73を左右方向に摺動可能に、保持している。そして、左右レール72は、制御部110の制御によって、移動台73を左右レール72の延在方向に沿って左右に移動させるようになっている。
移動台73は、上部が左右レール72に保持され、下部にサブエアバッグ装置60が取り付けられている。また、移動台73は、サブエアバッグ装置60の長さに合わせて、前後方向に長くなっている。したがって、移動台73は、サブエアバッグ装置60とともに、左右レール72に沿って左右方向に移動できるようになっている。
すなわち、サブエアバッグ装置60は、制御部110の制御により、サブエアバッグ可動装置70によって車両1の左右に移動され、サブエアバッグ袋体の展開位置が自在に変更されるようになっている。
そして、制御部110は、サブエアバッグ装置60が所定位置に移動したら、サブエアバッグ袋体を展開させる(ステップS106)。
なお、本実施の形態では、サブエアバッグ装置60の前後方向の長さを、座席シート10の前後方向の長さと程同じものとしたが、これに限らず、これより長くても、また、乗員Pの前後方向の移動に対応できる程度の長さがあれば、短くてもよい。
さらに、本実施の形態において、制御部110は、本願の衝突予測手段、展開制御手段を構成する。
さらに、本実施の形態において、右サブエアバッグ装置60Rのエアバッグ袋体は、本願の右腕用サブエアバッグを構成する。また、本実施の形態において、左サブエアバッグ装置60Lのエアバッグ袋体は、本願の左腕用サブエアバッグを構成する。
Claims (3)
- 車両の衝突を予測する衝突予測手段と、
前記衝突予測手段により車両の衝突が予測されると、車両の前方から乗員に向かって展開するメインエアバッグと、
乗員の状態を検知する乗員状態検知装置と、
乗員の上方から下方に向かって展開するサブエアバッグと、
前記サブエアバッグの展開位置を可動させる展開位置可動装置と、
前記衝突予測手段により車両の衝突が予測された際に、前記乗員状態検知装置により検知された乗員の状態に基づいて、前記展開位置可動装置に前記サブエアバッグの展開位置を可動させ、前記サブエアバッグを展開させてから、前記メインエアバッグを展開させる展開制御手段と、
を備え、
前記乗員状態検知装置は、乗員の腕の位置を検知し、
前記展開制御手段は、前記展開位置可動装置に対して、前記乗員状態検知装置により検知された乗員の腕の位置の上方に前記サブエアバッグを可動させ、前記サブエアバッグを展開させ、
前記サブエアバッグは、右腕用サブエアバッグと、左腕用サブエアバッグと、を有し、
前記展開位置可動装置は、前記右腕用サブエアバッグの展開位置、および、前記左腕用サブエアバッグの展開位置を、それぞれ独立して可動可能であり、
前記展開制御手段は、前記乗員状態検知装置により検知された乗員の腕の位置に応じて、前記展開位置可動装置の可動、および、前記サブエアバッグの展開を制御させる、
ことを特徴とする車両の乗員保護装置。 - 車両の衝突を予測する衝突予測手段と、
前記衝突予測手段により車両の衝突が予測されると、車両の前方から乗員に向かって展開するメインエアバッグと、
乗員の状態を検知する乗員状態検知装置と、
乗員の上方から下方に向かって展開するサブエアバッグと、
前記サブエアバッグの展開位置を可動させる展開位置可動装置と、
前記衝突予測手段により車両の衝突が予測された際に、前記乗員状態検知装置により検知された乗員の状態に基づいて、前記展開位置可動装置に前記サブエアバッグの展開位置を可動させ、前記サブエアバッグを展開させてから、前記メインエアバッグを展開させる展開制御手段と、
を備え、
前記乗員状態検知装置は、乗員の腕の位置を検知し、
前記展開制御手段は、前記展開位置可動装置に対して、前記乗員状態検知装置により検知された乗員の腕の位置に向かって前記サブエアバッグが展開するように展開方向を可動させる、
ことを特徴とする車両の乗員保護装置。 - 前記展開制御手段は、前記乗員状態検知装置により検知された乗員の腕の位置が、前記メインエアバッグと、乗員の上体と、の間にある場合に限って、前記サブエアバッグを展開させる、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の乗員保護装置。
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