JP2008308102A - エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 予知段階において、あらからじめエアバッグ装置の展開を可能にする駆動機構を動作させ、乗員の早期拘束を可能にするエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】 運転席1Dのシートバック3内に収容され、駆動モータにより、運転席1Dと助手席1Pとの間に突出、再収容可能なエアバッグ格納容器11を有するエアバッグ装置からなる。エアバッグ格納容器11は、制御部が測距センサ4から衝突前状態情報を受けた場合に、制御部からの動作指令により駆動モータの動作で運転席1Dと助手席1Pとの間に突出する。制御部が衝突前状態情報を受け、所定時間内に衝突センサ5等からの衝突情報を受けた場合に、エアバッグを膨張展開させる。一方、制御部が、衝突前状態情報を受け、所定時間内に衝突情報を受けない場合に、エアバッグ格納容器11を、駆動モータの動作でシートバック3内に再収容させて、通常運転状態に復帰させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 運転席1Dのシートバック3内に収容され、駆動モータにより、運転席1Dと助手席1Pとの間に突出、再収容可能なエアバッグ格納容器11を有するエアバッグ装置からなる。エアバッグ格納容器11は、制御部が測距センサ4から衝突前状態情報を受けた場合に、制御部からの動作指令により駆動モータの動作で運転席1Dと助手席1Pとの間に突出する。制御部が衝突前状態情報を受け、所定時間内に衝突センサ5等からの衝突情報を受けた場合に、エアバッグを膨張展開させる。一方、制御部が、衝突前状態情報を受け、所定時間内に衝突情報を受けない場合に、エアバッグ格納容器11を、駆動モータの動作でシートバック3内に再収容させて、通常運転状態に復帰させる。
【選択図】 図1
Description
本発明はエアバッグ装置に係り、特に自動車の各種衝突形態をその発生前に予知し、衝突形態に応じたエアバッグによる乗員拘束のための予備動作をとることができるエアバッグ格納容器を前席シートバックに組み込んだエアバッグ装置に関する。
車両の各所に搭載された複数個の測距センサ等の衝突予知センサの作動により事故発生を予知した場合(以下、予知時と記す。)などに、衝突の発生に先立って乗員の拘束準備状態をとることができる各種の乗員拘束装置が開発されている。この種の乗員拘束装置では、衝突が生じない場合には、エアバッグ等の拘束装置は作動せず、エアバッグ等を収容した拘束装置が準備状態となるのみで、その後、その拘束装置は再び収納状態等に復帰し、通常の運転が可能となる。
出願人は、通常の安全走行時には通常収容状態にあり、レーダーセンサを用いて側方衝突を予知した際に、衝突準備状態としてエアバッグをあらかじめ膨張展開させる乗員保護装置を提案している(特許文献1参照)。この乗員保護装置では、シートバック内に装着されたエアバッグを、通常収容状態と予知時の衝突準備状態との間で可逆的に動作可能とした。すなわち、レーダーセンサによって車両の側突を予知した場合には、エアバッグを予め衝突準備状態となるように展開膨張させ、その後に発生する衝突に備える。一方、衝突が予知された後に、衝突が発生しなかった場合には、エアバッグをシートバック側方部材内の通常収容状態へと復帰させて次回の衝突予知に備えることができる。
特許文献1に開示された発明は、側面衝突(側突)に対応した乗員保護を目的とし、車室窓側と乗員との間に展開する構成となっているため、運転席乗員(ドライバー)と助手席乗員との2次接触を防止することを意図していない。この点を考慮し、運転席乗員と助手席乗員との間にエアバッグを展開させるようにした車両用安全シートも提案されている(特許文献2)。この車両用安全シートでは、運転席と助手席との間に位置するコンソールボックスの一部にエアバッグ装置を収容しておき、側突発生時に運転席乗員と助手席乗員との間にエアバッグ装置を膨張展開させる構成となっている。
特開2006−176074号公報
特開2004−217109号公報
ところで、特許文献1に開示された保護装置は、シートバックの側部内に装備されたもので、予知時に空圧膨張し、シートバックの開裂部分から前方へ突出し、シートバック側方部材を前方に押し出し、乗員の側方にエアバッグが露出する。これにより、このエアバッグが乗員の側方に位置し、乗員の側方拘束を行う。しかし、この保護装置は、上述のように、移動する乗員が衝突発生時に車室側面との間に展開されたエアバッグに当接して乗員拘束が実現するものであり、左右に着座した着座した乗員間の2次衝突に対応するものでなく、また、正面衝突等における後席乗員の拘束等には何ら寄与しない。
また、特許文献2では、上述した予知時での機構動作が考慮されていないため、衝突を検知した時点でコンソールボックス内のエアバッグ装置が膨張展開して乗員拘束を果たすのみとなっている。そこで、本発明の目的は、相手車両等の衝突対象物が自車に直近距離まで接近した場合や、横転の可能性を検知した場合に、運転席のシートバック内に収容されたエアバッグ格納容器を、運転席と助手席との間に突出させ、さらに、その直後にロールオーバーを含む衝突状態を検知したら、その衝突形態に応じたエアバッグを膨張展開して乗員を拘束し、一方、衝突等の事故回避が検知されたら、前記エアバッグ格納容器をシートバック内に再収納し、通常の運転状態に復帰できるようにしたエアバッグ装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、自車と衝突対象物との接近状態を検知し、衝突前状態情報を出力する測距センサと、前記衝突対象物との衝突を検知し、衝突検知情報を出力する衝突検知センサと、前席シートバック内に収容され、駆動機構により運転席と助手席との間に突出、再収容可能なエアバッグ格納容器と、該エアバッグ格納容器内に格納されたエアバッグと、該エアバッグを膨張展開させるインフレータと、前記駆動機構の動作と前記インフレータの動作とを制御する制御部とを備えたエアバッグ装置であって、前記エアバッグ格納容器は、前記制御部が前記測距センサから衝突前状態情報を受けた場合に、前記制御部からの動作指令により前記駆動機構の動作で運転席と助手席との間に突出し、前記制御部が衝突前状態情報を受け、所定時間内に前記衝突検知情報を受けた場合に、前記インフレータが、前記制御部から動作指令を受けてガス発生してエアバッグを膨張させ、前記制御部が、前記衝突前状態情報を受け、所定時間内に前記衝突検知情報を受けない場合に、前記エアバッグ格納容器は、前記制御部からの動作指令により前記駆動機構の動作で前記前席シートバック内に再収容されることを特徴とする。
前記エアバッグは、前方エアバッグと後方エアバッグとからなり、前方エアバッグと後方エアバッグとは、前記制御部で選択された動作信号により、それぞれ独立して前記インフレータからのガス供給を受けて膨張展開可能とすることが好ましい。これにより、前席での乗員同士の衝突の回避、後席乗員の拘束がともに可能となる。
前記エアバッグ格納容器は、前面に前記前方エアバッグの展開可能な開裂部が形成され、背面に前記後方エアバッグの展開可能な開裂部を形成することが好ましい。これにより運転席と助手席との間に位置した格納容器からエアバッグをスムースに展開させることができる。
前記前方エアバッグは、展開時に運転席と助手席との間を仕切るように展開することで、前席の乗員同士の衝突を阻止することができる。
前記後方エアバッグは、展開時に運転席と助手席のヘッドレストと車室天井との間を塞ぐように展開させることで、後席乗員の前席側への移動を阻止することができる。
本発明によれば、各種形態の衝突や横転時の予知時に、運転席と助手席との間にエアバッグ格納容器をあらかじめ突出させ、衝突準備状態をとることにより、その後の衝突時に衝突形態に応じて迅速にエアバッグを展開させることができ、一方、衝突が生じなかった場合には、エアバッグ格納容器をシートバック内に収容させて、通常の運転状態に容易に戻せるので、エアバッグ装置を動作させる以前における準備態勢を反復的にとることが可能になり、またファーサイド(衝突側と反対側の席)に着座した乗員および後席の乗員を、その衝突形態に対して適切に拘束できるという効果を奏する。
以下、本発明のエアバッグ装置の実施するための最良の形態として、以下の実施例について添付図面を参照して説明する。
以下、エアバッグ装置10のエアバッグ格納容器および主な検知センサと制御部の構成について、図1、図2を参照して説明する。図1は車室内の前席1,後席2からなる前後2列のシート配列例と、検知・制御系統を模式的に示した概略斜視図である。同図には、エアバッグ格納容器11の上面11aが、運転席1Dのシートバック3の側面3bに露出するように、収納された状態が示されている。また、車両に装備された主な検知センサとして、測距センサ4、衝突検知センサ5と、これらセンサ4,5からの検知信号を受信し、衝突状態に応じた所定の動作指令を出力する制御部6の配置と、配線例が線図で示されている。図2各図には、衝突が予知された際に、エアバッグ格納容器11が、それぞれ異なる駆動手段により、図4に示したように運転席1Dのシートバック側面3bから助手席1P側に突出した状態が示されている。
ここで、図1を参照して、車両に装備されている主な検知センサと制御部の構成について簡単に説明する。エアバッグ格納容器11が準備状態のために動作するための検知センサとしては、ミリ波レーダーや撮像装置等からなる測距センサ4が車両前方を向いて取り付けられている。この測距情報は制御部6に伝達され、衝突前状態(後述)の判断がなされる。また、側面衝突の衝突検知センサ5の一例として公知の加速度センサが車両側面位置に示されている。その他の図示しない公知の加速度センサ等も車体各所に搭載され、各種の衝突を検知し、その衝突検知情報は制御部6に送信され、衝突形態の判別が行われ、衝突形態に適した動作指令が各エアバッグ装置に出力される。さらに、同図には助手席1Pのシート座部7と、後席2のシート座部7に内蔵されたシートウエイトセンサ8が示されており、このシートウエイトセンサ8により、どのシートに乗員が着座しているかの判断がなされ、着座乗員の有無に応じてエアバッグを適切に展開することができる。
ここで、衝突予知時におけるエアバッグ格納容器11の構成と動作について、図2各図、図3(a)を参照して説明する。
図2(a)に示した本実施例のエアバッグ格納容器11は、運転席1Dのシートバック3内でその一部が回動可能にピン支持された、約200(横)×160(縦)×100(厚さ)(mm)の寸法の合成樹脂製の直方体箱からなり、内部には、図3(a)に示したように、2組のエアバッグ22,32とインフレータ23,33とが収納されている。そして、容器11の前面と背面とに破線で図示したように、容器の肉厚を線状に薄くしてなるテアライン(開裂弱部)12が内面側から形成されている。
図2(a)に示した本実施例のエアバッグ格納容器11は、運転席1Dのシートバック3内でその一部が回動可能にピン支持された、約200(横)×160(縦)×100(厚さ)(mm)の寸法の合成樹脂製の直方体箱からなり、内部には、図3(a)に示したように、2組のエアバッグ22,32とインフレータ23,33とが収納されている。そして、容器11の前面と背面とに破線で図示したように、容器の肉厚を線状に薄くしてなるテアライン(開裂弱部)12が内面側から形成されている。
図2(a)に示したエアバッグ格納容器11は、シートバック3内に位置する隅角部に駆動モータMが一体的に装着されており、この駆動モータMの回転軸13と、同軸に配置された支持ピン14を介してシートバック3内の構造フレーム(図示せず)に回動可能に支持されている。シートバック内収納時は、2点鎖線で示したように、全体が縦長となるように、上部片端が支持ピン14で支持された状態にある。また、制御部6の動作指令を受けて、駆動モータMが回転すると、支持ピン14と駆動モータMとの間に介装された減速ギア群15を介して、同図に示したように、エアバッグ格納容器11は約90°回動して、ほぼその全体がシートバック側面3bから突出する。このときの突出したエアバッグ格納容器11と、運転席1Dと、助手席1Pとの位置関係が図4に示されている。このように、エアバッグ格納容器11が図4に示したような位置で衝突準備状態になることにより、運転席1Dと助手席1Pとの間での前方エアバッグ22と、前席1の背面位置での後方エアバッグ32が同時に展開可能になる。
図2(b)はエアバッグ格納容器11の突出駆動機構の変形例を示した斜視図である。図2(b)に示したエアバッグ格納容器11は、下面にリニアガイド(図示せず)が装備されている。さらに格納容器11の奥側には駆動モータMがに固着されている。駆動モータMの回転軸13の軸端には、リニアガイドに並行して設けられたガイドレール16に沿って往復走行可能な走行ローラ15が取り付けられている。したがって駆動モータMの回転により走行ローラ15を駆動させることで、リニアガイドのスライダと一体となったエアバッグ格納容器11は、全体が図2(b)に示したように、シートバック3の側面3bから突出し、またシートバック3内に収容される往復動作をとることができる。
なお、エアバッグ格納容器11をシートバック3内から突出させる手段としては、バネ部材等の付勢力を利用することもでき、その場合にはシートバック3に再収容させるために、リンク機構、ワイヤリング機構を用いたり、モータ以外の油圧機器等、各種の駆動手段を併用することも可能である。また、以上の説明では、運転席1Dのシートバック3にエアバッグ格納容器11を収納することを前提にしたが、助手席1Pのシートバック内に収容させることも可能である。その場合には、シートバックのリクライニングの復帰機構を備えておき、適切なリクライニング角度でエアバッグ格納容器11がシートバック内から突出できるようにすることが好ましい。
ここで、エアバッグ格納容器11内に収容されているエアバッグ装置の構成と、その動作パターンについて、図3各図を参照して説明する。本発明のエアバッグ格納容器11内には、図3(a)にその平断面図を示したように、前面及び背面にそれぞれ形成されたテアライン12で区画された蓋面11b,11cを押し広げて展開可能な、2組のエアバッグ装置20,30が中央の仕切板17を挟んで対称に配置されている。以下、2組のエアバッグ装置20,30の構成と展開動作について説明する。
前方エアバッグ装置20では、制御部6(図1)からの動作指令により、内蔵されたインフレータ23が動作し、図3(b)、図5に示したように、エアバッグ22が格納容器11の前面のテアライン12で区画された蓋面11bを押し広げて、運転席1Dと助手席1Pとの間に位置するコンソールボックス9からシートバック3の上部にわたる所定の幅(本実施例では200mm程度)のバッグ形状をなして運転席1Dと助手席1Pとを仕切るように展開する。
後方エアバッグ装置30では、制御部6(図1)からの動作指令により、内蔵されたインフレータ33が動作し、図3(c)、図6に示したように、エアバッグ32が格納容器11の背面のテアライン12で区画された蓋面11cを押し広げて、横長の筒状(本実施例では、直径180mm程度、長さ1.2m程度)をなし、運転席1Dと助手席1Pのヘッドレスト1hの後方において、ヘッドレスト1hと車室天井(図示せず)との間の空間を塞ぐように展開する。
たとえばロールオーバー等の衝突(事故)形態を検知した場合は、エアバッグ格納容器11内の2組のエアバッグ装置20,30が同時に動作する。すなわち、前方エアバッグ装置20と後方エアバッグ装置30とは、制御部6(図1)からの動作指令により、内蔵されたインフレータ23,33が同時に動作し、図3(d),図7に示したように、エアバッグ22,32が同時に格納容器11の前面および背面から突出し、エアバッグ22は運転席1Dと助手席1Pとの間に位置するコンソールボックス9からシートバック3の上部までを仕切るように展開し、エアバッグ32は運転席1Dと助手席1Pのヘッドレスト1hと車室天井との間の空間を塞ぐように展開する。このとき、図示しない他のエアバッグ装置も、制御部6からの動作指令で同時に展開し、乗員の適切な拘束が図られる。
[エアバッグ格納容器、エアバッグ膨張展開の動作]
以下、エアバッグ格納容器11の突出、収納の動作、エアバッグ格納容器11内のエアバッグ22,32の展開動作を制御する制御系統の構成について、簡単に説明する。
本実施例では、図1に示したように、衝突前の対象物の接近状態を検知する非接触の測距検知センサとしてのミリ波レーダー、CCDカメラ等の測距センサ4が車両の前部、側部に取り付けられ、車両前方、斜方向、側方の所定範囲内での測距が可能となっている。さらにその近くに衝突検知センサ5としての公知の加速度センサが取り付けられている。これら検知センサからの状態信号は運転席1Dの前部に配置された制御部6としてのECU(電子制御ユニット)に出力される。一般に、ECUでは、入力された他の衝突検知センサからの状態信号も並行して判断し、起こりうる衝突の発生を予知し、また衝突(事故)形態を特定し、乗員拘束のために最適なエアバッグ装置を膨張展開させることができる。これら各種の検知センサ、ECUでの一連の動作は、運転前にイグニションキー(図示せず)がONに操作された状態から作動する。
以下、エアバッグ格納容器11の突出、収納の動作、エアバッグ格納容器11内のエアバッグ22,32の展開動作を制御する制御系統の構成について、簡単に説明する。
本実施例では、図1に示したように、衝突前の対象物の接近状態を検知する非接触の測距検知センサとしてのミリ波レーダー、CCDカメラ等の測距センサ4が車両の前部、側部に取り付けられ、車両前方、斜方向、側方の所定範囲内での測距が可能となっている。さらにその近くに衝突検知センサ5としての公知の加速度センサが取り付けられている。これら検知センサからの状態信号は運転席1Dの前部に配置された制御部6としてのECU(電子制御ユニット)に出力される。一般に、ECUでは、入力された他の衝突検知センサからの状態信号も並行して判断し、起こりうる衝突の発生を予知し、また衝突(事故)形態を特定し、乗員拘束のために最適なエアバッグ装置を膨張展開させることができる。これら各種の検知センサ、ECUでの一連の動作は、運転前にイグニションキー(図示せず)がONに操作された状態から作動する。
ここで、上述したエアバッグ装置10の運転時における動作形態について、図1,図8を参照して説明する。図8は、車両走行中における、通常の運転状態(安全な停車時を含む)、衝突前状態、衝突時におけるエアバッグ装置10のエアバッグ格納容器11の突出、前方エアバッグ、後方エアバッグの展開状態を、衝突形態に応じて分類して示した模式フローチャートである。
まず、自車を運転する際、周囲の安全を確認してイグニションキー(図示せず)をONにする。この状態で、車両の各部に装備されたエアバッグ等の動作を制御する制御部6としてのECU、および各部の検知センサがON状態となる。ここで、走行中に衝突事故の発生のおそれが生じた場合(衝突前状態)について説明する。まず、走行中には車両に取り付けられた測距センサ4により、自車に接近する対象物(走行車両、停止車両、固定構造物等)の接近情報としての測距情報が検知、収集される。そして対象物が許容接近距離内に達したことが確認されたら、さらに接近加速度の検知をすることで、対象物が自車にさらに接近しているかを確認できる。そして、衝突前状態となっているかを確認し、衝突方向に接近し、衝突前状態であれば、制御部6に同情報を出力する。なお、測距センサ4で接近加速度を求めず、側方許容接近距離内に対象物が進入した段階で、衝突前状態と認識するようにしてもよい。
制御部6は衝突前状態情報を受けてエアバッグ格納容器11の突出動作指令信号を出力する。この信号により図2各図に示したように、駆動モータMの動作により、エアバッグ格納容器11が運転席1Dのシートバック内3から助手席1P側との間に突出する(図4,図8(a)→(b))。ここで、エアバッグ格納容器11の突出した状態(衝突前状態)になってから、所定計測時間経過の間に衝突が回避された場合は、制御部6は、駆動モータMに逆回転動作指令信号を出力する。その場合には、運転席1Dと助手席1Pとの間に突出していたエアバッグ格納容器11は、運転席1Dのシートバック3内に再度、収容される(図1,図8(b)→(a))。この間、ドライバーは格納容器11の突出動作、再収納動作に一切、影響を受けずに運転を続けることができる。
一方、衝突前状態から実際の衝突が検知された場合、その衝突形態に応じたエアバッグの展開がなされる。以下、衝突形態と乗員の着座状態に応じたエアバッグの展開態様について、制御部6で行われる場合分けについて、図8を参照して説明する。
(1)前席(運転席、助手席)にのみ乗員が着座した場合
シートウエイトセンサ8(図1)からの検知情報により、後席2に乗員が着座していないとされた場合には、エアバッグ格納容器11の後方エアバッグ32は展開不要であると判断され、その後は、衝突検知センサ5によって得られた信号に対して、制御部6で衝突形態を判定し、所定のエアバッグ装置の展開要否の判断がなされる。
(1−1)正面衝突時
正面衝突の場合には、ドライバーと助手席乗員との接触等の2次衝突の回避を要しないので、エアバッグ格納容器11内の前方エアバッグ22は展開させないでよい。このとき他のエアバッグ装置による乗員拘束としては、ドライバー用エアバッグは展開し、助手席エアバッグは、助手席のシートウエイトセンサ8からの助手席乗員の着座情報に応じて展開が制御される。
(1−2)斜突、側突、ロールオーバー時
ドライバー側側面での斜突、側突を検知した場合には、ドライバー側のサイドエアバッグ(図示せず)が展開する。また、前方エアバッグ22もドライバーの2次衝突回避のために展開させる(図8(c))。また、助手席側側面での斜突、側突の場合においても、ドライバーを拘束するため、エアバッグ格納容器11の前方エアバッグを展開させることが好ましい(図8(c))。また、ロールオーバーの場合、助手席乗員の着座の有無にかかわらず、ドライバー側サイドエアバッグとエアバッグ格納容器11の前方エアバッグ22とを展開させる。
シートウエイトセンサ8(図1)からの検知情報により、後席2に乗員が着座していないとされた場合には、エアバッグ格納容器11の後方エアバッグ32は展開不要であると判断され、その後は、衝突検知センサ5によって得られた信号に対して、制御部6で衝突形態を判定し、所定のエアバッグ装置の展開要否の判断がなされる。
(1−1)正面衝突時
正面衝突の場合には、ドライバーと助手席乗員との接触等の2次衝突の回避を要しないので、エアバッグ格納容器11内の前方エアバッグ22は展開させないでよい。このとき他のエアバッグ装置による乗員拘束としては、ドライバー用エアバッグは展開し、助手席エアバッグは、助手席のシートウエイトセンサ8からの助手席乗員の着座情報に応じて展開が制御される。
(1−2)斜突、側突、ロールオーバー時
ドライバー側側面での斜突、側突を検知した場合には、ドライバー側のサイドエアバッグ(図示せず)が展開する。また、前方エアバッグ22もドライバーの2次衝突回避のために展開させる(図8(c))。また、助手席側側面での斜突、側突の場合においても、ドライバーを拘束するため、エアバッグ格納容器11の前方エアバッグを展開させることが好ましい(図8(c))。また、ロールオーバーの場合、助手席乗員の着座の有無にかかわらず、ドライバー側サイドエアバッグとエアバッグ格納容器11の前方エアバッグ22とを展開させる。
(2)後席に乗員が着座している場合
シートウエイトセンサ8からの検知情報により、後席に乗員が着座しているとされた場合には、エアバッグ格納容器11の後方エアバッグ32の展開は、他のエアバッグ装置とあわせて、衝突形態の判定により展開要否の判断がなされる。
(2−1)正面衝突時
正面衝突の場合には、後席乗員の前席側への飛び出し防止のために、エアバッグ格納容器11の後方エアバッグ32を展開させる(図8(d))。このとき、前席1では(a−1)での判定に基づき、前方エアバッグ22は展開されない。
(2−2)斜突、側突、追突検知時
側突時には、後席乗員の前席への飛び出しを考慮せず、エアバッグ格納容器11の後方エアバッグ32は展開させない。斜突の場合には、後方からの斜突、追突の場合には、同様に後方エアバッグ32は展開させないが、前方からの斜突の場合には、前方エアバッグおよび後方エアバッグ32を展開させることで、前席乗員を拘束するとともに、後席乗員の前席側への飛び出しを阻止することが好ましい(図8(e))。
(2−3)ロールオーバー時
後席乗員が着座している状態で車両のロールオーバーが検知された場合には、ドライバー側サイドエアバッグとエアバッグ格納容器11の前方エアバッグ22と後方エアバッグ32をすべて展開させ、他の展開したエアバッグ(図示せず)とともに乗員を多方向から拘束する(図8(e))。
シートウエイトセンサ8からの検知情報により、後席に乗員が着座しているとされた場合には、エアバッグ格納容器11の後方エアバッグ32の展開は、他のエアバッグ装置とあわせて、衝突形態の判定により展開要否の判断がなされる。
(2−1)正面衝突時
正面衝突の場合には、後席乗員の前席側への飛び出し防止のために、エアバッグ格納容器11の後方エアバッグ32を展開させる(図8(d))。このとき、前席1では(a−1)での判定に基づき、前方エアバッグ22は展開されない。
(2−2)斜突、側突、追突検知時
側突時には、後席乗員の前席への飛び出しを考慮せず、エアバッグ格納容器11の後方エアバッグ32は展開させない。斜突の場合には、後方からの斜突、追突の場合には、同様に後方エアバッグ32は展開させないが、前方からの斜突の場合には、前方エアバッグおよび後方エアバッグ32を展開させることで、前席乗員を拘束するとともに、後席乗員の前席側への飛び出しを阻止することが好ましい(図8(e))。
(2−3)ロールオーバー時
後席乗員が着座している状態で車両のロールオーバーが検知された場合には、ドライバー側サイドエアバッグとエアバッグ格納容器11の前方エアバッグ22と後方エアバッグ32をすべて展開させ、他の展開したエアバッグ(図示せず)とともに乗員を多方向から拘束する(図8(e))。
以上の説明では、エアバッグ格納容器11内に、それぞれ独立したインフレータ23,33を有する2組のエアバッグ装置20,30を収容したが、流路切り替え機構を備えた1本のインフレータを用いて、衝突形態に応じてインフレータのガス噴出口から噴出したガスを前方エアバッグと後方エアバッグの個々あるいは両方に切り替えてガス供給できるようにすることも可能である。流路切り替え機構としては、インフレータを収容する多重ケーシングに複数の流路孔を設け、多重ケーシングのそれぞれのケーシングに形成された流路孔の位置を、ケーシングを回転させて流路となるように揃え、対象となるエアバッグにガス供給を行う構成で実現することができる。
さらに、他に装備されたエアバッグ装置によって、上述の前方エアバッグあるいは後方エアバッグの作用効果を達成可能であれば、エアバッグ格納容器内には、必要とされているエアバッグ装置20,30のいずれか一方のみを収容することも可能である。
1 前席
1D 運転席
1P 助手席
2 後席
3 シートバック
4 測距センサ
5 衝突検知センサ
6 制御部
8 シートウエイトセンサ
10 エアバッグ装置
11 エアバッグ格納容器
12 テアライン(開裂部)
20 前方エアバッグ装置
22 前方エアバッグ
23,33 インフレータ
30 後方エアバッグ装置
32 後方エアバッグ
1D 運転席
1P 助手席
2 後席
3 シートバック
4 測距センサ
5 衝突検知センサ
6 制御部
8 シートウエイトセンサ
10 エアバッグ装置
11 エアバッグ格納容器
12 テアライン(開裂部)
20 前方エアバッグ装置
22 前方エアバッグ
23,33 インフレータ
30 後方エアバッグ装置
32 後方エアバッグ
Claims (5)
- 自車と衝突対象物との接近状態を検知し、衝突前状態情報を出力する測距センサと、
前記衝突対象物との衝突を検知し、衝突検知情報を出力する衝突検知センサと、
前席シートバック内に収容され、駆動機構により運転席と助手席との間に突出、再収容可能なエアバッグ格納容器と、
該エアバッグ格納容器内に格納されたエアバッグと、該エアバッグを膨張展開させるインフレータと、
前記駆動機構の動作と前記インフレータの動作とを制御する制御部と、
を備えたエアバッグ装置であって、
前記エアバッグ格納容器は、前記制御部が前記測距センサから衝突前状態情報を受けた場合に、前記制御部からの動作指令により前記駆動機構の動作で運転席と助手席との間に突出し、
前記制御部が衝突前状態情報を受け、所定時間内に前記衝突検知情報を受けた場合に、前記インフレータが、前記制御部から動作指令を受けてガス発生してエアバッグを膨張させ、
前記制御部が、前記衝突前状態情報を受け、所定時間内に前記衝突検知情報を受けない場合に、前記エアバッグ格納容器は、前記制御部からの動作指令により前記駆動機構の動作で前記前席シートバック内に再収容されることを特徴とするエアバッグ装置。 - 前記エアバッグは、前方エアバッグと後方エアバッグとからなり、前方エアバッグと後方エアバッグとは、前記制御部で選択された動作信号により、それぞれ独立して前記インフレータからのガス供給を受けて膨張展開可能なことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
- 前記エアバッグ格納容器は、前面に前記前方エアバッグの展開可能な開裂部が形成され、背面に前記後方エアバッグの展開可能な開裂部が形成されたことを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ装置。
- 前記前方エアバッグは、展開時に運転席と助手席との間を仕切るように展開し、前席の乗員同士の衝突を阻止することを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ装置。
- 前記後方エアバッグは、展開時に運転席と助手席のヘッドレストと車室天井との間を塞ぐように展開し、後席乗員の前席側への移動を阻止することを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ装置。
Priority Applications (1)
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JP2007159612A JP2008308102A (ja) | 2007-06-18 | 2007-06-18 | エアバッグ装置 |
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JP2007159612A JP2008308102A (ja) | 2007-06-18 | 2007-06-18 | エアバッグ装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20150197209A1 (en) * | 2014-01-14 | 2015-07-16 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Occupant protection system for vehicle |
JP2017094767A (ja) * | 2015-11-18 | 2017-06-01 | トヨタ自動車株式会社 | 乗員保護装置 |
CN113291212A (zh) * | 2020-02-24 | 2021-08-24 | 现代自动车株式会社 | 车辆的具有多种旋转角度的扶手装置及其操作控制方法 |
-
2007
- 2007-06-18 JP JP2007159612A patent/JP2008308102A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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