JP2007101708A - 着色粒子及びカラートナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スルホ基を有する成分を含有する樹脂及び染料からなる着色粒子であって、前記スルホ基の含有量が1×10−4〜20×10−4モル/gであり、前記染料の含有量が1〜50重量%である着色粒子。
【選択図】なし
Description
以下、本発明を詳述する。
このような樹脂で構成されることにより、樹脂と染料との結合力が高められ、染料を樹脂中に安定的に固定することができる。
上記活性水素を有する官能基を2個以上有するセグメントは、上記活性水素を有する官能基を1分子中に2個以上有するモノマーに由来するものであることが好ましい。
上記活性水素を有する官能基を1分子中に2個以上有するモノマーは、上記活性水素を有する官能基を1分子中に2個以上有するモノマー以外のモノマーと相溶するものであり、上記活性水素を有する官能基を1分子中に2個以上有するモノマー以外のモノマーと相溶することで、上記活性水素を有する官能基を効率的に樹脂内部に導入することができ、染料を着色粒子の中心部まで導入することができる。
そのため、上記活性水素を有する官能基を2個以上有するセグメントを含有することで、樹脂と染料との結合力が向上し、耐光性を更に向上させることが可能となる。
また、上記活性水素を有する官能基として、上記スルホ基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物としては特に限定されないが、スルホ基を有さないモノマーとの共重合反応を行う場合、重合性の面でスルホン化スチレン、アリルスルホコハク酸等が好ましい。スルホ基の導入に際して、スルホン酸系の乳化剤の使用が合成時に考えられるが、乳化効果という面では非常に大きな効果があるが、着色粒子内へのスルホ基の導入にあたっては効果が小さく、むしろ帯電性には悪影響を及ぼす可能性がある。
上記ビニルエーテル系単量体としては特に限定されず、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
上記ジオレフィン系単量体としては特に限定されず、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
上記原料モノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記染料を含有することにより、透明性、色再現性が向上し、小粒径化した場合にも、充分な耐光性を有する着色粒子とすることができる。
波長350nmでの光線透過率が35%を超えると、紫外線吸収効果が不充分となり、静電荷像現像用トナー等の用途に使用することができないことがある。好ましい上限は25%、より好ましい上限は15%である。また、波長400nmにおける光線透過率が80%未満であると、高波長域での吸収によって、着色粒子が着色してしまうことがある。好ましい下限は85%である。より好ましい下限は90%である。
また、上記着色粒子を製造する際の重合は、上記活性水素を有する官能基を1分子中に2個以上有するモノマーのほかに、上記重合性モノマーを添加して重合を行ってもよい。
本発明のカラートナーは、優れた透明性、色再現性及び耐光性を発現することができる。
本発明のカラートナーの用途としては特に限定されず、例えば、静電荷現像用トナー、液体トナー等、様々な用途に使用することができる。
(1)着色粒子分散液の作製
ビーカーにメタクリル酸メチル90重量部、無水マレイン酸10重量部、紫外線吸収剤A8重量部(JF−77、城北化学社製)、紫外線吸収剤B3重量部(RUVA−93、大塚化学社製)、イオン交換水756重量部、乳化剤としてn−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.62重量部(SC−F、第一工業製薬社製)、乳化助剤としてステアリルメタクリレート10重量部(ライトエステル−S、共栄社化学社製)、及び、重合開始剤として過硫酸アンモニウム5.4重量部を入れ、超音波ホモジナイザー(UH−600S、エスエムテー社製)を用いて分散乳化させた。得られた乳化液をセパラブルフラスコに入れ、更にp−スチレンスルホン酸ナトリウム溶液100重量部(12%水溶液)も投入し、分散させた後、窒素気流下で60℃、4時間反応させた。その後、冷却することで着色用粒子分散液を得た。得られた着色用粒子分散液において着色用粒子の平均粒子径を粒度分布計(NICOMP 380ZLS、Particle Sizing System社製)を用いて測定したところ、101nmであった。
次に、ビーカーに酢酸ソーダ水溶液(1%)14重量部、酢酸水溶液(10%)14重量部、イオン交換水1024重量部、ポリビニルアルコール水溶液(10%)10重量部を入れ、攪拌した。これに、上記着色用粒子分散液70重量部を投入し分散させた後に染料水溶液(0.5%、Blue.3GLH、保土谷化学工業社製)385重量部を投入し、常温で1時間染着して、着色粒子分散液を得た。
ビーカーにWAX分散液(ポリプロピレンエマルション、平均分子量:3000、数平均一次粒子径:120nm、固形分濃度30.0%)16.7重量部と、乳化剤としてn−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SC−F、第一工業製薬社製)2.7重量部を混合し、スチレン168重量部、メタクリル酸メチル36重量部、アクリル酸ブチル36重量部、分子量調整剤として1−オクタンチオール5.8重量部、イオン交換水960重量部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム6重量部、及び、重合開始剤として過硫酸アンモニウム4.8重量部を入れ、超音波ホモジナイザー(UH−600S、エスエムテー社製)を用いて分散乳化させた。得られた乳化液をセパラブルフラスコに入れた後、窒素気流下で、60℃、4時間反応させた。その後、冷却することでトナー樹脂粒子ラテックスを得た。得られたトナー樹脂粒子ラテックスの平均粒子径を粒度分布計(NICOMP 380ZLS、Particle Sizing System社製)を用いて測定したところ、108nmであった。
n−ドデシル硫酸ナトリウム5.0重量部をイオン交換水100重量部に攪拌溶解しながら、サリチル酸系錯体(TN−105、保土谷化学工業社製)2重量部を徐々に添加し、次いで、攪拌装置(クリアミックス、エム・テクニック社製)を用いて分散させ、荷電制御分散液を得た。得られた荷電制御分散液の粒径を、電気泳動光散乱光度計(ELS−800、大塚電子工業社製)を用いて測定した結果、重量平均粒径は220nmであった。
得られたトナー樹脂粒子ラテックス150重量部、イオン交換水1350重量部及び得られた着色粒子分散液1500重量部を反応容器に入れ、窒素気流下、30℃で5N−水酸化ナトリウム水溶液でpHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物56重量部をイオン交換水72重量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃で5分かけて添加した。その後、5分間放置して、昇温を開始し、5分間で85℃まで昇温した。この状態でコールターカウンター(TA−II、コールター社製)を用いて分散径を測定し、体積平均分散径が4μmになった時点で得られた荷電制御剤分散液50重量部を加え、更に塩析、融着を継続し、体積平均粒径が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム110重量部をイオン交換水800重量部に溶解した水溶液を添加して、粒径成長を停止させ、更に継続して液温度90±2℃にて、8時間加熱攪拌し、塩析、融着させた。その後、5℃/分の条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加して、pHを2.0に調整し、攪拌を停止した。
生成した着色樹脂粒子を濾過、洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥して、カラートナー用樹脂粒子を得た。得られたカラートナー用樹脂粒子100重量部に対して、外添剤としてシリカ(R972、日本アエロジル社製)を2重量部添加し、ヘンシェルミキサーにて混合し、カラートナーを得た。
ビーカーにメタクリル酸メチル90重量部、紫外線吸収剤(JF−77、城北化学社製)8重量部、反応性紫外線吸収剤(RUVA−93、大塚化学社製)3重量部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム12重量部、染料(SOT Blue−2、保土谷化学工業社製)40重量部、無水マレイン酸10重量部、イオン交換水756重量部、乳化剤としてn−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.6重量部、乳化助剤としてステアリルメタクリレート(ライトエステル−S、共栄社化学社製)10重量部、及び、重合開始剤として過硫酸アンモニウム5.4重量部を入れ、超音波ホモジナイザー(UH−600S、エスエムテー社製)を用いて分散乳化させた。得られた乳化液をセパラブルフラスコに入れ、窒素気流下で60℃、4時間反応させた。その後、冷却することで着色粒子分散液を得た。得られた着色粒子分散液において着色粒子の平均粒子径を粒度分布計(NICOMP 380ZLS、Particle Sizing System社製)を用いて測定したところ、103nmであった。
実施例1(2)で得られたトナー樹脂粒子ラテックス363重量部、イオン交換水2500重量部及び得られた着色粒子分散液100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして着色樹脂粒子及びカラートナー用樹脂粒子を作製し、カラートナーを得た。
実施例1(1)で得られた着色粒子分散液、及び、実施例1(2)で得られたトナー樹脂粒子ラテックスを噴霧乾燥し、着色粒子粉及びトナー樹脂粉を得た。上記トナー樹脂粉100重量部に対して、着色粒子粉31重量部、荷電制御剤であるサリチル酸系錯体(TN−105、保土谷化学工業社製)2.6重量部を配合し、コンテイニアスニーダー(栗本鐵工所社製)によって溶融混合し、冷却後、コーヒーミル(CARIOCA−MILL、松下電器産業社製)で粗粉砕し、更にジェットミル(ラボジェット、日本ニューマチック工業社製)で微粉砕し、分級機(MDS−2、日本ニューマチック工業社製)で50%平均粒度が9.0μmであるカラートナー用樹脂粒子を得た。
得られたカラートナー用樹脂粒子100重量部に外添剤としてシリカ(R972、日本アエロジル社製)2重量部を添加し、ヘンシェルミキサーにて混合し、カラートナーを得た。
p−スチレンスルホン酸ナトリウムを用いなかった以外は、実施例1と同様にして着色用粒子分散液、着色粒子分散液、カラートナーを得た。得られた着色用粒子分散液において着色用粒子の平均粒子径を粒度分布計(NICOMP 380ZLS、Particle Sizing System社製)を用いて測定したところ、121nmであった。
カラートナーの作製において、実施例(1)で得られた着色粒子分散液1500重量部の代わりに、顔料ペースト(SF670 ブルー、大日本インキ化学工業社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてカラートナーを得た。
顔料ペースト中の顔料粒子の平均粒子径を粒度分布計(NICOMP 380ZLS、Particle Sizing System社製)を用いて測定したところ、98nmであった。
実施例1〜3及び比較例1、2で得られた着色粒子分散液及びカラートナーについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1−1)平均粒子径及びCV値の測定
粒度分布計(NICOMP 380ZLS、Particle Sizing System社製)を用いて平均粒子径、CV値を測定した。
得られた着色粒子分散液をセルロース半透膜で透析を行った後、一旦乾燥させてから少量のテトラヒドロフランに完全に溶解させ、再度純水で希釈して2.5重量%の水/テトラヒドロフラン(50/50(W/W))溶液を作製した。この溶液を電位差自動滴定装置(AT−510、京都電子工業社製)を用いて、1/20N−水酸化ナトリウム水溶液にて中和滴定し、滴定量からスルホ基含有量の測定を行った。
得られた着色粒子分散液を乾燥させた後、クロロホルムに溶解させることにより、0.1重量%クロロホルム溶液を作製した。得られた溶液について、分光光度計(U−3000、日立製作所社製)を用い、スキャン速度120nm/分にて測定波長350nm、400nmにおける光線透過率を測定した。
(2−1)染料含有量の測定
得られたカラートナーをクロロホルムに溶解し、紫外線スペクトルにより測定した。
(2−2)平均粒子径の測定
粒度分布測定装置(LA910、堀場製作所社製)を用いて測定した。
得られたカラートナー、カラープリンター(LBP2260、キヤノン社製)及びAdobe Illustrator 8.0Jを用い、シアン100%の画像(その他の色設定は0%)を上質紙に印刷し、評価用印刷物を得た。
得られた評価用印刷物について、JIS L 0842に準拠した方法で、紫外線フェードメーター(U48AUB(ランプ:カーボンアーク)、スガ試験機社製)を用いて、80時間照射し、色差計(TC−1800MKII、TOKYO DENSHOKU社製)にて試験前との色差(ΔE)を測定し、以下の基準で等級を評価した。
○:3−4級以上
△:3級
×:3級未満
得られたカラートナーを用いて、熱プレスによりカラートナーフィルム(厚さ:30μm)を作製し、更に2枚のガラス板(厚さ:1.31mm)で挟み、カラートナーフィルムを両面から積層した。
得られたサンプルについて、JIS K 7150に準拠した方法で、ヘイズ値を測定した。
○:40未満
△:40以上50未満
×:50以上
Claims (8)
- スルホ基を有する成分を含有する樹脂及び染料からなる着色粒子であって、
前記スルホ基の含有量が1×10−4〜20×10−4モル/gであり、
前記染料の含有量が1〜50重量%である
ことを特徴とする着色粒子。 - スルホ基を有する成分は、重合性スルホン酸系モノマーに由来するものであることを特徴とする請求項1記載の着色粒子。
- スルホ基を有する成分を含有する樹脂は、更に、活性水素を有する官能基を2個以上有するセグメントを0.5〜80重量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載の着色粒子。
- 染料は、イオン性化合物であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の着色粒子。
- 染料は、水溶性であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の着色粒子。
- クロロホルムに溶解して0.1重量%溶液とした場合の波長350nmにおける光線透過率が35%以下、波長400nmにおける光線透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の着色粒子。
- 平均粒子径が20〜500nmであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の着色粒子。
- 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の着色粒子を着色剤として用いてなることを特徴とするカラートナー。
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