JP2007099911A - 止水剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のポリエチレングリコールアクリレート系止水剤の欠点を根本的に改良し、耐久性、圧縮復元性、乾燥後の水浸漬再膨張性、気中放置中の寸法及び重量安定性及び耐衝撃性に優れた弾性ゲル体を形成する止水剤組成物及び漏水止水工法を提供すること。
【解決手段】(A)PEGモノ(メタ)アクリレート85〜98質量部及び(B)PEGジ(メタ)アクリレート2〜15質量部を含む止水剤組成物;(A)PEGモノ(メタ)アクリレート20〜45質量部、(B)PEGジ(メタ)アクリレート1〜3質量部及び(C)(メタ)アクリロイル基含有多価金属塩50〜80質量部を含む止水剤組成物及びそれを用いた漏水止水工法。止水剤組成物はさらに(D)グリコール類を含むことができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は,下水道処理施設のヒュ−ム管路継手部の漏水防止、コンクリ−ト構造物のクラックからの湧水、漏水の防止又は阻止等に使用される含水弾性ゲルを形成する止水剤組成物及びそれを用いた漏水止水工法に関するものである。
一般に、コンクリ−ト構造物からの湧水、漏水を止めるために、通常、液状やスラリー状の注入タイプの止水剤が使用されている。湧水箇所のクラック幅が大きく、漏水量が多い場合は、ケイ酸ソーダ(水ガラス)又はケイ酸ソーダとセメントとの混合物等を漏水箇所に注入して止水する方法が従来から使用されている。また、小さな湧水箇所又は微量漏水箇所には微粒子セメントを注入する方法が一般に用いられている。しかしながら、前者は止水後ケイ酸ソーダのゲル化物が脆く、且つ収縮率が大きいため、再漏水を招き易く、一方、後者の微粒子セメント懸濁液の注入では、短時間固結が困難であること及び微小ヘヤークラックへの浸透深さが浅いこと等の問題点があり、解決が望まれていた。
上記のコンクリ−ト構造物からの湧水、漏水を止水するための止水剤としては、上記の注入タイプが主流であり、その種類としては、上記のセメント系の他に、エポキシ系、ポリウレタン系、(メタ)アクリル酸系などが使用されている。
エポキシ系及びポリウレタン系の止水剤は、硬化後におけるコンクリート、木材、金属等からなる漏水部の材料との接着力が強いが、漏水部の材料の温度や振動等の外的環境条件の変化に追随しきれず、接着部から新たな漏水のクラックが生じることがあり、またセメント系材料では、自己収縮によるクラック生成が頻繁に起こるとの欠点がある。
ウレタン系止水剤としては、例えば、特許文献1(特開2001−329163号公報)、特許文献2(特開2002−3821号公報)に、芳香族ポリオールを用いた耐久性に優れたウレタン系止水剤が提案されている。しかしながら、このようなポリウレタン系止水剤であっても、漏水止水後、経時的に乾燥収縮及び水膨張性がないため再漏水防止機能が十分でなく、恒久的に止水効果を持続することができない場合が多い。
他方、このような欠点を考慮して、(メタ)アクリル酸エステル系の注入型止水剤が開発され、使用されている。このような止水剤は、例えば、特許文献3(特公昭57−15631号公報)、特許文献4(特開昭58−206680号公報)、特許文献5(特開昭61−231081号公報)、特許文献6(特開昭61−221281号公報)、特許文献7(特開昭62−34977号公報)、特許文献8(特開2004−115646号公報)に記載されている。特許文献3〜6には、大量のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートと少量のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートからなる混合物に重合触媒を加えた止水剤が提案されている。しかしながら、このような止水剤であっても、乾燥収縮後に水中浸漬して場合に水膨張性がほとんどなく、形成された弾性ゲル化物は圧縮すると破壊し易く、復元性の機能が十分とは言えない。
一方、特許文献7は、特許文献3〜6に記載の混合物に水硬性セメントを加えたものであるが、依然として上記圧縮復元性及び水膨張性の問題は十分に解消されていない。また特許文献8の止水剤組成物は、特許文献3〜6に記載の混合物と類似の構成を有し、さらに防凍剤を混合したものであるが、圧縮時におけるゲル化物の破壊、経時的乾燥収縮が大きく、また水浸漬膨張性も乏しいことから、再漏水の問題が完全に解決されているとは言えない。
特開2001−329163号公報 特開2002−3821号公報 特公昭57−15631号公報 特開昭58−206680号公報 特開昭61−231081号公報 特開昭61−221281号公報 特開昭62−34977号公報 特開2004−115646号公報
前述のように、公知の止水剤組成物においては、圧縮復元性、乾燥後の水浸漬再膨張性、耐衝撃性、さらには耐久性が、まだ十分な性能に達していないため、さらなる改善が望まれている。
従って、本発明の目的は、前記の欠点を解消し、圧縮復元性、乾燥後の水浸漬再膨潤による再漏水防止性及び耐衝撃性に優れ、そして耐久性に優れた止水剤組成物を提供するものである。
上記特性の比較的優れた(メタ)アクリル酸エステル系の注入型止水剤としては、特にポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを主成分とし、少量のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを用いたものが提案されている。ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの大量使用は、架橋密度、重合反応速度を考慮して行われていたが、本発明者の検討によると、驚くべきことに、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートではなくモノ(メタ)アクリレートを主成分とし、且つ特定の範囲で使用することにより、反応速度を低下させることなく、圧縮復元性、乾燥後の水浸漬再膨潤による再漏水防止性、耐衝撃性等が飛躍的に向上することが可能であることが明らかとなった。
従って、本発明は、
(A)一般式(a):
Figure 2007099911
(但し、R1が水素原子又はメチル基を表し、そしてnが2〜50の整数を表す。)
で表されるポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート又はこれらの混合物85〜98質量部;及び
(B)一般式(b)
Figure 2007099911
(但し、R2及びR3が、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、そしてmが2〜50の整数を表す。)
で表されるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート又はこれらの混合物2〜15質量部を含み、各質量部の合計が100質量部である止水剤組成物;及び
(A)前記一般式(a)で表されるポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート又はこれらの混合物20〜45質量部;
(B)前記一般式(b)で表されるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート又はこれらの混合物1〜3質量部;及び
(C)(メタ)アクリロイル基を有する多価金属塩50〜80質量部
を含み、各質量%の合計が100質量部である止水剤組成物;
にある。
本発明の止水剤組成物の好ましい態様を以下に列記する。
(1)前記(A)及び(B)の合計100質量部、又は前記(A)、(B)及び(C)の合計100質量部に対して、(D)グリコール類を80〜300質量部含んでいる。これにより、長期間空気中に放置しても、乾燥収縮がほとんどなく、重量、寸法安定性に優れた硬化物(ゲル物)が得られやすい。
(2)さらに、水硬性セメントを含んでいる。強度が大きくなり、漏水箇所のクラック幅が大きい場合に有効である。
(3)さらに、有機過酸化物及び還元剤を含んでいる。両者で酸化還元触媒として機能し、本発明では重合速度が向上する。
(4)R1がR2及びR3が、いずれもメチル基である。即ち、一般式(a)及び(b)で表される両方の化合物が共に、メタアクリレートである。これにより、圧縮復元性、乾燥後の水浸漬再膨潤による再漏水防止性、耐衝撃性等が大幅に向上する。
また本発明は、上記止水剤組成物を、400kgf/cm2以下の吐出圧にて、注入ノズルの先端から注入ノズルの先端逆止弁を介してコンクリート構造物の漏水箇所に注入することを特徴とする漏水止水工法にもある。
本発明の止水剤組成物により、従来のポリエチレングリコール(PEG)ジ(メタ)アクリレートを主成分とする止水剤の課題となっていた管路継手部の漏水防止、得られる弾性体の切削性、空気中の放置での重量変化安定性、水中浸漬時の膨張性、高圧縮率変形後の復元性、耐衝撃性等の特性が大幅に改善されている。
さらに、特に前記(D)グリコール類を特定の組成比で添加することにより、本発明の止水剤組成物の硬化弾性体を、長期間に空気中に放置しても乾燥収縮がなく、重量・寸法安定性においても優れたものとすることができ、これにより再漏水の防止が可能となる。
本発明の止水剤組成物は、ポリエチレングリコール(PEG)モノ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコール(PEG)ジ(メタ)アクリレートを主成分として含む基本構成を有する。
本発明で使用される上記ポリエチレングリコール(PEG)モノ(メタ)アクリレート((A)成分)は、下記の一般式(a):
Figure 2007099911
(但し、R1が水素原子又はメチル基を表し、そしてnが2〜50の整数を表す。)
で表される。本発明の止水性組成物の第1の態様では、上記一般式(a)のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート又はその混合物を85〜98質量部、好ましくは85〜96質量部(一般式(a)及び下記の一般式(b)の化合物の質量部の合計が100質量部)含んでいる。
本発明で使用される上記のポリエチレングリコール(PEG)ジ(メタ)アクリレート((B)成分)は、下記の一般式(b):
Figure 2007099911
(但し、R2及びR3が、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、そしてmが2〜50の整数を表す。)
で表される。本発明の止水性組成物の第1の態様では、上記一般式(b)のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート又はその混合物を2〜15質量部、好ましくは4〜15質量部(上記一般式(a)及び一般式(b)の化合物の質量部の合計が100質量部である)含んでいる。
さらに、本発明の止水剤組成物の第2の態様では、(A)20〜45質量部、(B)1〜3質量部(この(A)と(B)との量比も前記の第1の態様の関係を満足している)及び(C)(メタ)アクリロイル基を有する多価金属塩(固形分換算)50〜80質量部(各質量部の合計が100質量部である)を含んでいる。また上記の本発明の止水剤組成物は、組成物100質量部(即ち、(A)+(B)、又は(C)を用いている場合は(A)+(B)+(C)に対して)(D)グリコール類80〜300質量部、好ましくは100〜250質量部を含むことが好ましい。
本発明の(A)成分である一般式(a)で表されるポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートにおいては、R1がメチル基であることが好ましい。即ち、一般式(a)の化合物は、メタアクリレートである。これにより、圧縮復元性、乾燥後の水浸漬再膨潤による再漏水防止性、耐衝撃性等が大幅に向上する。また一般式(a)におけるnは、エチレンオキシドの平均付加モル数を意味し、2〜50の範囲(好ましくは3〜18、特に好ましくは3〜12)である。2未満の場合は、ゲル(硬化物)の強度が低下するとともに、蒸気圧が高くなり止水剤としての安全性の面で好ましくない。平均付加モル数50を超えると、混合物の粘度が上昇、ヘヤークラックへの浸透が低下し、かつ重合物の架橋密度が低下することから高い強度の弾性ゲルを得ることが困難になる。
一般式(a)で表されるポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートの例としては、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、PEG#200(平均付加モル数4.5)モノ(メタ)アクリレート,PEG#200(平均付加モル数4.5)モノアクリレート、PEG#350(平均付加モル数8)モノ(メタ)アクリレート、PEG#400(平均付加モル数10)モノ(メタ)アクリレート、PEG#600(平均付加モル数14)モノ(メタ)アタクリレート、PEG#1000(平均付加モル数23)モノ(メタ)アクリレート、PEG#2000(平均付加モル数46)モノ(メタ)アクリレート、PEG#3000(平均付加モル数70)モノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。好ましい例として、ジエチレングリコールモノアクリレート、トリエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、PEG#200(平均付加モル数4.5)モノメタクリレート、PEG#200(平均付加モル数4.5)モノアクリレート、PEG#350(平均付加モル数8)モノメタクリレート、PEG#400(平均付加モル数10)モノアクリレート、PEG#600(平均付加モル数14)モノメタクリレート、PEG#1000(平均付加モル数23)モノアクリレート、PEG#2000(平均付加モル数46)モノメタクリレート,PEG#3000(平均付加モル数70)モノメタアクリレートを挙げることができる。特にメタクリレートが好ましい。
水溶性を低下させない程度であれば、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、エチルジエチレングリコールアクリレート、メチルトリエチレングリコールアクリレート等を併用しても差し支えない。
本発明の止水剤組成物(1)においては、必須成分の(A)及び(B)の合計量100質量部に対して(A)の量は85〜98質量部である。85質量%未満では、管路継手部漏水箇所の止水後,管内に露出したゲル化物を切断、除去し、管路断面確保作業に際して、ゲル化物が脆くなり過ぎて、切断時に継手箇所のゲル化物の破壊を招き再漏水し易い。98質量部を超えるとゲル化物は圧縮により大変形するため、漏水圧力が大きいと止水剤充填箇所のゲル化物と該ゲル化物の接触コンクリート表面との間に空隙が生じ再漏水の原因となる。
また、本発明の止水剤組成物(2)においては、必須成分の(A)、(B)及び(C)の合計量100質量部に対して(A)の量は20〜45質量部である。20質量未満ではゲル化物の圧縮復元性が低下し、45質量%を超えるとゲル化物は脆くなり過ぎる。
本発明の(B)成分である一般式(b)で表されるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートにおいては、R2及びR3が共にメチル基であることが好ましい。即ち、一般式(b)の化合物は、メタアクリレートである。これにより、圧縮復元性、乾燥後の水浸漬再膨潤による再漏水防止性、耐衝撃性等が大幅に向上する。また一般式(b)におけるmは、エチレンオキシドの平均付加モル数を意味し、2〜50の範囲(好ましくは4〜30、特に好ましくは6〜25)である。2未満の場合は、ゲル物(硬化物)は脆く、乾燥収縮後水浸漬中での水膨張率が低下して好ましくない。また50を超えると、混合物の粘度が上昇し、且つ重合物の架橋密度が低下するため、ゲル化物の強度が低下し、耐水性も低下するので好ましくない。
一般式(b)で表されるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、PEG#150(平均付加モル数3)ジ(メタ)アクリレート、PEG#200(平均付加モル数4)ジ(メタ)アクリレート、PEG#200(平均付加モル数4)ジ(メタ)アクリレート、PEG#400(平均付加モル数9)ジ(メタ)アクリレート、PEG#400(平均付加モル数9)ジ(メタ)アクリレート、PEG#600(平均付加モル数14)ジ(メタ)アクリレート、PEG#1000(平均付加モル数23)ジ(メタ)アクリレート、PEG#2000(平均付加モル数46)ジ(メタ)アクリレート、PEG#3000(平均付加モル数70)ジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。好ましい例として、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタアクリレート、PEG#150(平均付加モル数3)ジメタクリレート、PEG#200(平均付加モル数4)ジメタクリレート、PEG#200(平均付加モル数4)ジアクリレート,PEG#400(平均付加モル数9)ジメタクリレート、PEG#400(平均付加モル数9)ジアクリレート、PEG#600(平均付加モル数14)ジメタクリレート、PEG#1000(平均付加モル数23)ジメタクリレート、PEG#2000(平均付加モル数46)ジメタクリレート、PEG#3000(平均付加モル数70)ジメタクリレート等を挙げることができる。特にメタクリレートが好ましい。
水溶性を低下させない程度であれば,ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート等を併用しても差し支えない。
また、本発明の止水剤組成物(2)においては、必須成分の(A)、(B)及び(C)の合計量100質量部に対して(B)の量は1〜3質量部である。1質量未満では三次元分子構造が減少するため、ゲル化物の強度が低下し、耐久性も不十分となる。3質量部を超えると、圧縮復元性が低下し、圧縮応力付加によりクラックが発生して再漏水し易くなるため好ましくない。
さらに、本発明の止水剤組成物(2)においては、必須成分の(A)、(B)及び(C)の合計量100質量部に対して(C)の量は50〜80質量部である。50質量部未満ではゲル化物は脆くなり、繰り返し圧縮変形への追従性が乏しい。また、80質量部を超えると、圧縮強度が低下し、漏水圧力が大きい場合は、圧縮変形して止水機能が低下し易い。
本発明の組成物に用いられる上記一般式(a)のPEGモノ(メタ)アクリレート(A)及び上記一般式(b)のPEGジ(メタ)アクリレート(B)は、PEGモノアクリレート及びPEGモノメタクリレート、及びPEGジアクリレート及びPEGジメタクリレートのいずれも使用可能であるが、上述のようにPEGモノメタクリレートとPEGジメタクリレートの組合せ、即ち両者ともメタクリレートを使用することが好ましい。その優位性は前述の効果に加えて、アクリレートタイプに比べて得られる組成物の皮膚刺激性が低く、また組成物の長期保存安定性においても優れていることが挙げられる。
本発明の止水剤組成物で使用される上記一般式(a)のPEGモノ(メタ)アクリレートは、例えば(メタ)アクリル酸又はその低級アルコールエステルとアルキレングリコール鎖含有アルコールとのエステル(例えば特開2002−293918号公報に記載)であり、酸とアルコールを用いて脱水することにより行う直接エステル化法、或いはアルコールとエステルとを用いて脱アルコールを行うエステル交換法により得られる。
上記アルキレングリコール鎖含有アルコールとしては、本発明ではエチレングリコール鎖を有するものであれば何ら限定はない。例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、前述の種々のポリエチレングリコールを挙げることができる。そのほか、2次成分として、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ドデシレングリコール、オクタデシレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価のアルコール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロ−ルプロパン等の3価のアルコールも使用しても良い。
本発明において,止水剤組成物の必須成分の一つである(B)上記一般式(b)のPEGジ(メタ)アクリレートは、(メタ)クリル酸クロライドと前記記載のアルキレングリコール鎖含有アルコールとを塩基の存在下でエステル化反応させることにより得ることができる(例えば特開2001−354731号公報に記載)。エステル化反応に用いる塩基としては、第三級アミン及び無機塩基を挙げることができる。これらの例としては、トリエチルアミン、ピリジン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を挙げることができる。これらの中では,反応性の高いトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンが好ましい。
エステル化反応は、通常有機溶媒中で行われる。その溶媒の例としては、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒等を挙げることができる。
エステル化反応の温度は、一般に−10〜80℃、好ましくは0〜60℃の範囲である。必要に応じて重合禁止剤が用いられる。重合禁止剤の例としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン等のハイドロキノン類、ベンゾキノン、メチル−P−ベンゾキノン等のベンゾキノン類、t−ブチルカテコール等のカテコール類を挙げることができる。
本発明の止水剤組成物(2)においては、必須成分として(C)(メタ)アクリロイル基を含む多価金属塩が使用される。(メタ)アクリロイル基を含む多価金属塩の金属としては、例えばアルカリ土類金属塩等の二価以上の多価金属であることが好ましい。多価金属塩の例としては、(メタ)アクリル酸マグネシウム、(メタ)アクリル酸カルシウム、(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸バリウム、(メタ)アクリル酸ストロンチウム、(メタ)アクリル酸鉛、(メタ)アクリル酸ニッケル、(メタ)アクリル酸アルミニウム、及び(メタ)アクリル酸クロム等を挙げることができる。これらの中で、前記組成物の硬化体が高圧縮率でも復元性機能を発揮し再漏水を防止するためには、アクリル酸マグネシウム,アクリル酸アルミニウム及びアクリル酸ストロンチウムを使用することが好ましい。
上記(メタ)アクリロイル基含有多価金属塩は、単独でも、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記(メタ)アクリロイル基を含む多価金属塩類モノマ−の製造方法は、(メタ)アクリル酸とアルカリ土類金属を,公知の製造法である常温ないし、常温よりやや高めの温度で反応させて中和する方法、又は,(メタ)アクリル酸エステルをアルカリ土類金属で鹸化する方法が代表的である。
本発明の止水剤組成物は、さらにグリコール類を含むことができる。グリコール類の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等を挙げることができる。これらの中で、特にエチレングリコール及びプロピレングリコールが好ましい。これらは単独使用又は併用してもよい。これらのグリコール類は止水剤組成物の弾性硬化ゲルは空気中に放置後における寸法及び重量安定性を向上させるため、グリコールの蒸気圧が25℃で0.1mmHg以下のものが好ましい。前記グリコール類は収縮安定機能の他に凝固点降下機能を有するため、冬期止水剤硬化物の凍結を防止する。
前述のように、本発明においては、止水剤組成物の構成成分の(A)及び(B)合計量100質量部、或いは(C)を用いる場合は、(A)、(B)及び(C)の合計量100質量部に対して、(D)グリコール類の量は80〜300質量部(好ましくは100〜250質量部)の範囲で使用することが好ましい。
80質量部未満ではゲル化物の空気中での長期放置による減量変化率が大きく、300質量部を超えるとゲル化物の圧縮負荷変形率が大きくなるため、好ましくない。
本発明に用いる重合触媒としては、通常レドックス触媒が使用される。酸化剤としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、過塩素酸のアルカリ金属塩等を使用することができる。その使用量は、(A)及び(B)合計量100質量部、或いは(C)を用いる場合は、(A)、(B)及び(C)の合計量100質量部に対して、一般に0.5〜10質量部である。
還元剤としては、例えば亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、チオ硫酸ソ−ダ、硫酸第一鉄、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルモルフォリン、ニトリロトリスプロピオンアミド、或いはナトリウム又はカリウムのメタ重亜硫酸塩等を使用することができる。その使用量は、(A)及び(B)合計量100質量部、或いは(C)を用いる場合は、(A)、(B)及び(C)の合計量100質量部に対して、一般に0.5〜5質量部である。
本発明の止水剤組成物に用いられる水硬性セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント、超早強セメント、微粒子高炉スラグセメント等を挙げることができる。
さらに,上記水硬性セメントの使用量は、止水剤組成物の止水性、硬化特性、圧縮特性、作業性に応じて決定されるが、一般にその使用量は、(A)及び(B)合計量100質量部、或いは(C)を用いる場合は、(A)、(B)及び(C)の合計量100質量部に対して10〜200質量部の範囲である。
本発明の止水剤組成物は、止水性、硬化特性、圧縮特性、耐久性等の特性を阻害しない程度にベントナイト、タルク、クレー、炭酸カルシウム等を使用することができる。
本発明の止水剤組成物は、希釈剤として通常、水を用いるが、水希釈率が大きくなると乾燥収縮率が増大し、乾燥後水浸漬での止水剤組成物ゲル化物の水膨張復元速度が遅くなる。本発明の止水剤組成物に、水の一部をエチレングリコールに換えて添加することにより、乾燥収縮を水添加に比べて大幅に低減させることができる。
本発明の止水剤組成物の(A)及び(B)、或いは(C)を用いる場合は、(A)、(B)及び(C)の組成比の範囲外では、本発明のような優れた特性を維持するためには水希釈倍率を低くする必要があり、このため、クラックから大量の漏水が発生する状況の場合は、水希釈倍率がさらに大きくなり、そのような過剰に水により希釈された止水剤組成物では止水効果を満足に発揮させることは困難である。
本発明の漏水止水工法は、上記本発明の止水剤組成物を用いて、例えば以下のように行うことができる。本発明の止水剤組成物は、一般に(メタ)アクリレート、還元剤等を含む主剤と、酸化剤、グリコール類等の硬化剤からなり、これらは使用時に混合される。従って、本発明の止水剤組成物は一般に2液混合方式として使用される。漏水量が多くない場合、前記主剤及び硬化剤それぞれに、水を最大30質量%添加することができる。主剤及び硬化剤は、それぞれ調製容器から送液ポンプにより耐圧ホースを経由して送液し、先端混合室にこれら主剤及び硬化剤を400kgf/cm2以下で噴射して均一に混合する。コンクリート構造物の漏水箇所のクラック及びクラックの延長線に沿って構造物の表面から複数削孔した後、これらの削孔箇所にノズルを挿入し、先端混合室の均一混合液をノズルに注入する。注入ノズルの先端は、スプリングとボールを装着した逆止弁により均一混合液が逆流しない機能を備えている。この逆止弁は、セラミックボール及び耐酸ウレタン保護塗膜で保護されていることが、耐久性に点から好ましい。
注入ノズルから均一混合液を吐出する際の吐出圧は、先端混合室におけると同様に400kgf/cm2以下であるが、ヘアークラック幅を対象とした漏水を止水する場合は、200kgf/cm2以上であることが好ましい。なお、注入ノズルは、注入の際には急結セメントで固定し、注入ノズルの抜去後、削孔空間には無収縮セメントモルタルを充填し、封鎖するのが一般的である。また止水後、クラックは無収縮セメントモルタルで、幅約20mmで塗りつけることにより処理することが一般的である。
[実施例]
次に、本発明の実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の「部」は特に断らない限り「質量部」である。
PEG#200モノメタクリレート(エチレンオキサイド付加モル数4.5)(A)、
PEG#400ジメタクリレート(エチレンオキサイド付加モル数9)(B)、
酸化剤・過硫酸アンモニウム、及び
還元剤・トリエタノ−ルアミン(50%濃度水溶液)
を表1に示した配合比(実施例1−1、1−2;比較例1−3、1−4)で、相互に混合して止水剤組成物を得た。
その特性を下記のようにして評価した。
[評価方法]
1)弾性体破壊圧縮率:
内面に離型用ポリエステルフィルム((株)東レ製マイラーフィルム、厚み100μm)を巻いた底部密閉二つ割り鋼製モ−ルド(内径×高さ=35mm×50mm、モ−ルド厚み5mm)に、上記配合物を充填、硬化させた(硬化条件;温度20℃、相対湿度50%)。2時間後、脱型して供試体とし、圧縮試験機により圧縮速度5mm/分で圧縮応力を負荷して、供試体が破壊した時の高さより圧縮率を測定した。
供試体が破壊した圧縮率(%)=[Ht/(Ht−H0)]×100)
[但し,H0;初期高さ,Ht;供試体破壊時高さ]
またその破壊状態を観察した。
その測定結果を表1に示す。
Figure 2007099911
PEG#350モノメタアクリレート(エチレンオキサイド付加モル数8)(A)、
PEG#400ジメタアクリ−ト(エチレンオキサイド付加モル数9)(B)、
アクリル酸マグネシウム(固形分換算)(C)、
酸化剤・過硫酸アンモニウム、
還元剤・トリエタノ−ルアミン(50%濃度水溶液)及び

を表2の配合比(実施例2−1、2−2;比較例2−3、2−4)で、相互に混合して止水剤組成物を得た。
その特性(環境条件別重量変化率、50%圧縮時復元性、ゲルタイム、50%圧縮変形時負荷応力)を下記のようにして測定し、評価した。
[評価方法]
1)環境条件別重量変化率:
200mlポリエチレン容器(直径×高さ=70mm×80mm)に、得られた止水剤組成物を100mlの容量に充填、硬化させた(硬化条件;温度20℃、相対湿度50%)。2時間後脱型し、下記環境条件中に7日間放置し、重量変化率を測定した。
重量変化率(%)=([Wt/(Wt−W0)]×100)
[但し、W0;初期重量(g)、Wt;7日放置後の重量(g)]
水中:25℃恒温水槽水中浸漬
気中(空気中):恒温恒高湿(温度25℃、湿度50%)放置
気中→水中:気中恒温恒湿(温度25℃、湿度50%)7日放置後、25℃恒温水槽中に7日放置後、測定。
2)50%圧縮率後復元性:
実施例2の供試体を実施例1と同一圧縮条件で50%変形後、圧縮負荷を開放し、初期寸法回復時間を測定した。
3)耐衝撃性・落錘時クラック発生有無:
JIS−K−5400(塗料一般試験方法)記載の耐衝撃性のデュポン式試験に準拠して実施した。供試体サイズは、φ35mm×高さ50mmの円盤状である。鋼球重量は300g、落下高さは300mmとし、供試体の破壊、クラックの有無を観察した。
4)ゲルタイム:
試験管(直径φ20mm,高さ150mm)に20ml容量の配合物を充填し、25℃の環境温度で流動性が消失するまでの時間をゲルタイムとした。
5)50%圧縮率時負荷応力:
実施例1の供試体サイズで、実施例1と同一条件で50%圧縮率変形まで負荷した時の負荷応力を測定した。
その測定結果を、表2に示す。
Figure 2007099911
PEG#350モノメタアクリレート(エチレンオキサイド付加モル数8)(A)、
PEG#600ジメタアクリレート(エチレンオキサイド付加モル数14)(B)、
アクリル酸マグネシウム(固形分換算)(C)、
グリコール類(エチレングリコール)(D)、
酸化剤・過硫酸アンモニウム、及び
トリエタノ−ルアミン(50%濃度水溶液)
を表3の配合比(実施例3−1、3−2;比較例3−3、3−4)で相互に混合して止水剤組成物を得た。
得られた止水剤組成物について、浸漬条件別の経時重量変化率を測定した。なお、環境条件別の重量変化率の評価方法は実施例2記載の通り行った。
測定結果を表3に示す。
Figure 2007099911
PEG#350モノメタアクリレート(エチレンオキサイド付加モル数8)(A)、
PEG#400ジメタアクリレート(エチレンオキサイド付加モル数9)(B)、
アクリル酸アルミニウム(固形分換算)(C)
グリコール類(エチレングリコール,プロピレングリコール)(D)、
酸化剤・過硫酸アンモニウム、及び
還元剤・トリエタノ−ルアミン(50%濃度水溶液)
を表4の配合(実施例4−1、4−2、4−3;比較例4−4、4−5、4−6、4−7)で相互に混合して止水剤組成物を得た。
得られた止水剤組成物について、実施例2に記載と同じ評価方法で50%圧縮率後復元性、耐衝撃性・落錘時クラック発生有無、ゲルタイムを測定した。
その測定結果を表4に示す。
Figure 2007099911
PEG#350モノメタアクリレート(エチレンオキサイド付加モル数8)(A)、
PEG#1000ジメタアクリレート(エチレンオキサイド付加モル数23)(B)、
アクリル酸マグネシウム(固形分換算)(C)、
グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール)(D)、
水硬化性セメント(普通ポルトランドセメント)、
酸化剤・過硫酸アンモニウム、及び
還元剤・トリエタノールアミン(50%濃度水溶液)
を表5の配合比(実施例5−1、5−2、5−3、5−4;比較例5−5、5−6)で、相互に混合して止水剤組成物を得た。
得られた止水剤組成物について、破壊時圧縮強度、ゲルタイムを測定した。ゲルタイムは実施例2に記載の評価方法と同じである。
[評価方法]
1)破壊時圧縮強度:
二つ割り鋼性モ−ルド(内径×高さ=50mm×100mm)に表5の止水剤組成物を、充填、硬化させた(硬化条件;温度20℃、相対湿度50%)。24時間後に脱型し供試体とした。圧縮試験機で圧縮速度5mm/分にて圧縮応力を負荷して、破壊時圧縮強度を測定した。
その測定結果を表5に示す。
Figure 2007099911
尚、上記実施例で使用された樹脂濃度(%)の算出方法は下記の通りである:
樹脂濃度(%)=〔[(A)+(B)+(C)]/[(A)+(B)+(C)÷
0.35(0.1)+ 酸化剤 + 還元剤]〕×100
また、表中の、アクリル酸マグネシウムは35%濃度水溶液、アクリル酸アルミニウムは10%濃度水溶液である。
以上の結果より、本発明の止水剤組成物は、そのゲル化生成物の、水中、空気中、及び空気中放置後の水中における重量変化率が良好であり、圧縮復元性、耐衝撃性にも優れている。またこのような良好な特性が、ポリエチレングリコール(PEG)モノ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコール(PEG)ジ(メタ)アクリレートを本発明の特定の割合で使用した場合にのみ現れることも示されており、本発明の特定の範囲の臨界的意義も明らかである。さらに表5から水硬性セメントの使用にも支障がないことも分かる。

Claims (8)

  1. (A)一般式(a):
    Figure 2007099911
    (但し、R1が水素原子又はメチル基を表し、そしてnが2〜50の整数を表す。)
    で表されるポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート又はこれらの混合物85〜98質量部;及び
    (B)一般式(b)
    Figure 2007099911
    (但し、R2及びR3が、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、そしてmが2〜50の整数を表す。)
    で表されるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート又はこれらの混合物2〜15質量部を含み、各質量%の合計が100質量部である止水剤組成物。
  2. (A)一般式(a):
    Figure 2007099911
    (但し、R1が水素原子又はメチル基を表し、そしてnが2〜50の整数を表す。)
    で表されるポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート又はこれらの混合物20〜45質量部;
    (B)一般式(b)
    Figure 2007099911
    (但し、R2及びR3が、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、そしてmが2〜50の整数を表す。)
    で表されるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート又はこれらの混合物1〜3質量部;及び
    (C)(メタ)アクリロイル基を有する多価金属塩50〜80質量部
    を含み、各質量部の合計が100質量部である止水剤組成物。
  3. さらに(D)グリコール類を、前記(A)及び(B)の合計100質量部に対して80〜300質量部を含んでいる請求項1に記載の止水剤組成物。
  4. さらに(D)グリコール類を、前記(A)、(B)及び(C)の合計100質量部に対して80〜300質量部を含んでいる請求項2に記載の止水剤組成物。
  5. さらに水硬性セメントを含んでいる請求項1〜4のいずれか1項に記載の止水剤組成物。
  6. さらに有機過酸化物及び還元剤を含んでいる請求項1〜5のいずれか1項に記載の止水剤組成物。
  7. 1、R2及びR3が、いずれもメチル基である請求項1〜6のいずれか1項に記載の止水剤組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の止水剤組成物を、400kgf/cm2以下の吐出圧にて、注入ノズルの先端から注入ノズルの先端逆止弁を介してコンクリート構造物の漏水箇所に注入することを特徴とする漏水止水工法。
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