JP6074484B1 - 止水剤組成物及び漏水止水工法 - Google Patents

止水剤組成物及び漏水止水工法 Download PDF

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Abstract

【課題】既存のポリエチレングリコ−ルアクリレ−ト系止水剤の欠点を抜本的に改良し、耐久性、長期圧縮復元性、動水固結性、乾燥後の水浸漬再膨張性、気中放置中の寸法及び重量安定性及び耐衝撃性に優れた弾性止水剤組成物の提供。【解決手段】(A)PEGモノ(メタ)アクリレ−ト10〜40質量部、(B)PEGジ(メタ)アクリレ−ト20〜50質量部及び(C)末端(メタ)アクリロイル基含有多価金属塩(固形分換算)15〜50質量部を含み、各質量部の合計が100質量部であって、(B)成分を(A)成分と同じか、それよりも多量に含む止水剤組成物。好ましくは、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して(D)グリコ−ル類100〜300質量部を含有する止水剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、下水道処理施設のヒュ−ム管路継手部の漏水防止、コンクリ−ト構造物のクラックからの湧水、漏水の防止又は阻止等に使用される含水弾性ゲルを形成する止水剤組成物及びそれを用いた漏水止水工法に関するものである。
一般に、コンクリ−ト構造物からの湧水、漏水を止水するために、通常、湧水箇所のクラック幅が大きく、湧水量が多い場合は、ケイ酸ソーダ(水ガラス)またはケイ酸ソーダとセメントの混合物などを漏水箇所に注入して止水する方法が使用されている。また、湧水箇所または微量漏水箇所には微粒子セメントを注入する方法が用いられているが、前者は止水後ケイ酸ソーダのゲル化物が脆く、且つ、収縮率が大きく再漏水を招き易く、一方、後者の微粒子セメント懸濁液注入では、短時間での固結困難であること及び微小ヘヤ−クラックへの浸透深さが浅いこと等などの問題点があり、解決が望まれていた。
上記コンクリ−ト構造物からの湧水、漏水を止水するための止水剤としては、上記の注入タイプが主流であり、その種類としては、上記セメント系の他に、エポキシ系、ポリウレタン系、(メタ)アクリル酸系などが使用されている。
エポキシ系及びポリウレタン系の止水剤は、硬化後におけるコンクリ−ト、木材、金属等からなる漏水部の材料との接着力が強いが、漏水部の材料の温度や振動等の外的環境条件の変化に追随しきれず、接着部から新たな漏水のクラックが生じることがあり、またセメント系材料では、自己収縮によるクラック生成が頻繁に起こることの欠点がある。
ウレタン系止水剤としては、例えば、特許文献1(特開2001−329163号公報)、特許文献2(特開2002−3821号公報)に芳香族親水性ポリオ−ルを用いた耐久性に優れたウレタン系止水剤が提案されている。しかしながら、このようなポリウレタン系止水剤であっても、漏水止水後、経時的に乾燥収縮及び水膨張性がないための再漏水防止機能が十分でなく、恒久的に止水効果を持続することができない場合が多い。
他方、このような欠点を考慮して、(メタ)アクリル酸エステル系の注入型止水剤が開発され、使用されている。このような止水剤は、例えば、特許文献3(特公昭57−15631号公報)、特許文献4(特開2004−115646号公報)、特許文献5(特開2007−99911号公報)には、大量のポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、少量のポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト及びアクリル酸若しくはメタアクリル酸の金属塩とからなる三成分混合物に重合触媒を加えた止水剤が提案されている。いずれも、大量のポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−トに対して少量のポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−トの配合の止水剤であり、圧縮すると破壊し易く、復元性の機能が十分とは言えない。特許文献6(特開昭58−206680号公報)、特許文献7(特開昭61−231081号公報)は、ポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−トとポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−トの二成分混合物止水剤である。いずれも、ゲル化物(硬化物)は圧縮復元性に乏しく、ゲル化物(硬化物)は脆い。
一方、特許文献8(特開62−34977号公報)は、特許文献6〜7に記載の混合物に水硬性セメントを加えたものであるが、依然として上記圧縮復元性及び水膨張性がの問題は十分に解消されていない。また、特許文献9(特開2003−193032号公報)の止水剤組成物は、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−トとアクリル酸、メタアクリル酸、及びそれらの塩の構成に、さらに防凍剤を混合したものであるが、圧縮時におけるゲル化物の破壊、経時的乾燥収縮が大きく、また、水浸漬膨張性に乏しいことから、再漏水の問題が完全に解決されているとは言えない。
特許文献10(特開昭61−221281号公報)は、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−トとアクリル酸、メタアクリル酸、及びそれらの塩の構成からなる止水剤であるが、圧縮復元性及び水浸漬膨張性に乏しく応力負荷破壊の課題は解決されていない。
特許文献11(特開62−22882号公報)は、例えば、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−トとアクリル酸、メタアクリル酸、及びそれらの金属塩、並びにジメチルアミノエチルメタクリレ−ト、その塩およびその第4級化物の三成分混合物と重合触媒かなる止水剤は、破壊強度及び膨潤度に課題があり、解決されていない。
前記に示す通り、公知の止水剤組成物は汎用化されているが、耐久性、圧縮復元性、乾燥後の水浸漬再膨張性、耐衝撃性の止水剤組成物は未だ実用化されていない。
特開2001−329163号公報 特開2002−3821号公報 特公昭57−15631号公報 特開2004−115646号公報 特開2007−99911号公報 特開昭58−206680号公報 特開昭61−231081号公報 特開62−34977号公報 特開2003−193032号公報 特開昭61−221281号公報 特開62−22882号公報
前述のように、公知の止水剤組成物においては、圧縮復元性、乾燥後の水浸漬再膨潤性、耐衝撃性、さらには、耐久性が、まだ十分な性能に達していないために、さらなる改善がのぞまれている。
従って、本発明の目的は、前記の欠点を解消し、圧縮復元性、乾燥後の水浸漬再膨潤による再漏水防止性及び耐衝撃性に優れ、そして、耐久性に優れた止水剤組成物を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明者が鋭意検討を行った結果、ポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−トと、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−トと、末端(メタ)アクリロイル基含有多価金属塩とを所定割合で使用し、かつ、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−トを、ポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−トと同じか、それよりも多量に使用した(メタ)アクリル酸エステル系止水剤組成物は、架橋密度、重合反応速度の向上のみならず、驚くべきことに、反応速度を低下させることなく、圧縮復元性、乾燥後の水浸漬再膨潤による再漏水防止性、耐衝撃性、長期の耐久性、動水固結特性及び圧縮強度等が飛躍的に向上することが可能であることが明らかとなった。
従って、本発明は、
(A)一般式(a):
Figure 0006074484
(但し、Rが水素原子又はメチル基を表し、そしてnが2〜50の整数を表す。)
で表されるポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−トの単独(1種類のみ)又はこれらの混合物10〜40質量部:及び
(B)一般式(b)
Figure 0006074484
(但し、R、Rはそれぞれ水素原子又はメチル基でmが2〜50の整数を表す。)
で表されるポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−トの単独(1種類のみ)又はこれらの混合物20〜50質量部;及び
(C)(メタ)アクリロイル基を有する多価金属塩(固形分換算)15〜50質量部を含み、各質量の合計が100質量部であって、かつ、(B)成分の質量が(A)成分の質量と同じか、それよりも多量に含む止水剤組成物;
である。
本発明の止水剤組成物の好ましい実施態様を以下に列記する。
(1)前記(A)、(B)及び(C)の合計100質量部に対して、(D)グリコ−ル類を100〜300質量部を含んでいる。これにより、長期間空気中に放置しても、乾燥収縮がほとんどなく、重量、寸法安定性に優れた硬化物(ゲル化物)が得られやすい。
(2)さらに、水硬性セメントを含んでいる。強度が大きくなり、漏水箇所のクラック幅が大きい場合に有効である。
(3)さらに、酸化剤及び還元剤を含んでいる。両者で酸化還元触媒として機能し本発明では重合速度が向上する。
(4)RがR及びRがいずれもメチル基である。即ち、一般式(a)及び(b)で表される両方の化合物が共に、メタアクリレ−トである。これにより、圧縮復元性、乾燥後の水浸漬再膨潤による再漏水防止性、耐衝撃性等が大幅に向上する。
また本発明は、上記止水剤組成物を、各成分を予め混合し、あるいは各成分を混合しながら、400kgf/cm以下の吐出圧にて、注入ノズルの先端から注入ノズルの先端逆止弁を介してコンクリ−ト構造物の漏水箇所に注入することを特徴とする漏水止水工法にもある。
本発明によれば、従来のポリエチレングリコ−ル(PEG)モノ、ジ(メタ)アクリレ−ト系止水剤の課題となっていた、管路継手部の漏水防止、得られる弾性体(ゲル化物)の切削性、空気中の放置での重量変化安定性、水中浸漬時の膨張性、高圧縮変形後の復元性、耐衝撃性、動水固結性、長期安定性等の特性が大幅に改善されている。
さらに、特に前記(D)グリコ−ル類を特定の組成比で添加することにより、本発明の止水剤組成物の硬化弾性体を、長時間に空気中に放置しても乾燥収縮がなく、重量・寸法安定性において優れたものとすることができる。これにより再漏水の防止が可能となる。
本発明の止水剤組成物は、ポリエチレングリコ−ル(PEG)モノ(メタ)アクリレ−ト及びポリエチレングリコ−ル(PEG)ジ(メタ)アクリレ−トを主成分として含む基本構成を有する。
本発明に使用される上記ポリエチレングリコ−ル(PEG)モノ(メタ)アクリレ−ト((A)成分)は、下記の一般式(a):
Figure 0006074484
(但し、Rが水素原子又はメチル基を表し、そしてnが2〜50の整数を表す)で表される。
本発明で使用される上記のポリエチレングリコ−ル(PEG)ジ(メタ)アクリレ−ト((B)成分)は、下記の一般式(b):
Figure 0006074484
(但し、R、Rが、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、そしてmが2〜50の整数を表す。)
で表される。
本発明は、(A)10〜40質量%、(B)20〜50質量%及び(C)(メタ)アクリロイル基を有する多価金属塩(固形分換算)15〜50質量%(各質量%の合計が100質量%である)を含んでおり、(B)の質量%が(A)の質量%と同じか、(A)の質量%よりも多い。また上記の本発明の止水剤組成物は、(メタ)アクリル系組成物100質量部(即ち、(A)+(B)+(C)の量)に対し、更に、(D)グリコ−ル類を100〜300質量部、好ましくは120〜280質量部を含むことが好ましい。
一般式(a)で表されるポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−トにおいては、Rがメチル基であることが好ましい。即ち、一般式(a)の化合物は、メタアクリレ−トである。これにより、圧縮復元性、乾燥後の水浸漬再膨潤による再漏水防止性、耐衝撃性などが大幅に向上する。また一般式(a)におけるnは、エチレンオキサイドの平均付加モル数を意味し、2〜50の範囲(好ましくは2〜18、特に好ましくは3〜12)である2未満の場合は、ゲル(硬化物)の強度が低下するとともに、蒸気圧が高くなり止水剤として安全性の面で好ましくない。平均付加モル数50を超えると、混合物の粘度が上昇し、ヘヤ−クラックと呼ばれる微小クラック(一般に、幅0.3mm以下)への浸透が低下し、かつ重合物の架橋密度が低下することから高い強度の弾性ゲルを得ることが困難になる。
PEGモノ(メタ)アクリレ−トとしては、例えばジエチレングリコ−ルモノアクリレ−ト、トリエチレングリコ−ルモノアクリレ−ト、ジエチレングリコ−ルモノメタアクリレ−ト、PEG#200(平均付加モル数4.5)モノメタクリレ−ト、PEG#200(平均付加モル数4.5)モノアクリレ−ト、PEG#350(平均付加モル数8)モノメタアクリレ−ト、PEG#400(平均付加モル数10)モノアクリレ−ト、PEG#600(平均付加モル数14)モノメタクリレ−ト、PEG#1000(平均付加モル数23)モノアクリレ−ト、PEG#2000(平均付加モル数46)モノメタアクリレ−ト、PEG#3000(平均付加モル数70)モノメタアクリレ−ト等が挙げられる。これらは単独(1種類)で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いても良い。特に、メタクリレ−トが好ましい。
水溶性を低下させない程度であれば、ポリプロピレングリコ−ルモノアクリレ−ト、メトキシポリエチレングリコ−ルモノアクリレ−ト、エチルジエチレングリコ−ルアクリレ−ト、メチルトリエチレングリコ−ルアクリレ−ト等を併用しても差し支えない。
また、本発明の止水剤組成物の必須成分の(A)、(B)及び(C)の合計量100質量%に対して(A)の添加率は10〜40質量%である。10質量%以下ではゲル化物の圧縮復元性が低下する。また、40質量%以上ではゲル化物は脆くなり過ぎるため、管内に露出したゲル化物を切断、除去する管路断面確保作業に際して、継手箇所のゲル化物の破壊を招き再漏水の原因となる。
本発明の止水剤組成物の必須成分の(B)のPEGジ(メタ)アクリレ−トとしては、R、Rが、共にメチル基であることが好ましい。即ち、一般式(b)の化合物は、メタクリレ−トである。これにより、圧縮復元性、乾燥後の水浸漬再膨潤による再漏水防止性、耐衝撃性等が大幅に向上する。また、一般式(b)中のmは、エチレンオキシドの平均付加モル数を意味し、2〜50の範囲(好ましくは4〜30、特に好ましくは6〜25)である。2未満の場合は、ゲル化物は脆く、乾燥収縮後水浸漬中での水膨張率が低下して好ましくない。50を超えると、混合物の粘度が上昇し、且つ重合物の架橋密度が低下し、ゲル化物の強度が低下し、耐水性も低下するので好ましくない。
一般式(b)で表されるポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト(PEGジ(メタ)アクリレ−ト)としては、例えばジエチレングリコ−ルジアクリレ−ト、ジエチレングリコ−ルジメタアクリレ−ト、トリエチレングリコ−ルジアクリレ−ト、トリエチレングリコ−ルジメタアクリレ−ト、テトラエチレングリコ−ルジアクリレ−ト、テトラエチレングリコ−ルジメタアクリレ−ト、PEG#150(平均付加モル数3)ジメタクリレ−ト、PEG#200(平均付加モル数4)ジメタクリレ−ト、PEG#200(平均付加モル数4)ジアクリレ−ト、PEG#400(平均付加モル数9)ジメタクリレ−ト、PEG#400(平均付加モル数9)ジアクリレ−ト、PEG#600(平均付加モル数14)ジメタクリレ−ト、PEG#1000(平均付加モル数23)ジメタクリレ−ト、PEG#2000(平均付加モル数46)ジメタクリレ−ト、PEG#3000(平均付加モル数70)ジメタクリレ−ト等が挙げることができる。これらは1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。特にメタクリレ−トを用いることが好ましい。
水溶性を低下させない程度であれば、ポリプロピレングリコ−ルモノアクリレ−ト、メトキシポリエチレングリコ−ルモノアクリレ−ト、エチルジエチレングリコ−ルアクリレ−ト、メチルトリエチレングリコ−ルアクリレ−ト等を併用しても差し支えない。
また、本発明の止水剤組成物の必須成分の(A)、(B)及び(C)の合計量100質量%に対して(B)の添加率は20〜50質量%とし、かつ、(B)の添加率を(A)の添加率以上にする。(B)の添加率が低すぎると、三次元分子構造が減少するためゲル化物の強度は低下し、耐久性が劣る。また、(B)の添加率が多すぎると、圧縮復元性が低下し、圧縮応力付加によりクラックが発生し再漏水するため好ましくない。より好ましくは、(B)の添加率(質量部)を(A)の添加率(質量部)よりも多くする。
さらに、本発明の止水剤組成物においては、必須成分の(A)、(B)及び(C)の合計量100質量%に対して(C)の量は15〜50質量%である。15質量%未満では、ゲル化物は脆くなり、繰り返し圧縮変形への追従性が乏しい。また、50質量%を超えると、圧縮強度が低下し、漏水圧力が大きい場合は、圧縮変形して止水機能が低下し易くなる。
本発明に用いられる上記一般式(a)のPEGモノ(メタ)アクリレ−ト(A)及び上記一般式(b)のPEGジ(メタ)アクリレ−ト(B)は、PEGモノアクリレ−ト及びPEGモノメタクリレ−ト、及びPEGジアクリレ−ト及びPEGジメタクリレ−トのいずれも使用可能であるが、上述のようにPEGモノメタクリレ−トとPEGジメタクリレ−トの組合せ、即ち両者ともメタクリレ−トを使用することが好ましい。その優位性は前述の効果に加えて、アクリレ−トタイプに比べて得られる組成物の皮膚刺激性が低く、また組成物の長期保存安定性において優れていることが挙げられる。
本発明の止水剤組成物で使用される上記一般式(a)のPEGモノ(メタ)アクリレ−トは、例えば(メタ)アクリル酸又はその低級アルコ−ルエステルとアルキレングリコ−ル鎖含有アルコ−ルとのエステル(例えは特開2002−293918号公報に記載)であり、酸とアルコ−ルを用いて脱水することにより行う直接エステル化法またはアルコ−ルとエステルを用いて脱アルコ−ルを行うエステル交換法により得られる。
上記アルキレングリコ−ル鎖含有アルコ−ルとしては、本発明ではエチレングリコ−ル鎖を有するものであれば何ら限定はない。例えば、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、テトラエチレングリコ−ル、前述の種々のポリエチレングリコ−ルを挙げることができる。その他、2次成分として、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ブチレングリコ−ル、ドデシレングリコ−ル、オクタデシレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ルなどの2価のアルコ−ル、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロ−ルプロパン等の3価のアルコ−ルも使用して良い。
本発明において、止水剤組成物の必須成分の一つである(B)上記一般式(b)のPEGジ(メタ)アクリレ−トは、(メタ)クリル酸クロライドと前記記載のアルキレングリコ−ル鎖含有アルコ−ルを塩基の存在下でエステル化反応させることにより得ることができる。(例えば特開2001−354731号公報に記載)エステル化反応に用いる塩基としては、第三級アミン及び無機塩基が挙げることができる。これらの例としては、トリエチルアミン、ピリジン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げることかできる。これらの中では、反応性の高いトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンが好ましい。
エステル化反応は通常有機溶媒中で行われる。その溶媒の例としては、塩化メチレン、クロロホルムのようなハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンのような芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒等が挙げることができる。
エステル化反応の温度は、一般に−10〜80℃、好ましくは0〜60℃である。必要に応じて重合禁止剤が用いられる。重合禁止剤の例としてはハイドロキノン、メチルハイドロキノンなどのハイドロキノン類、ベンゾキノン、メチル−P−ベンゾキノンなどのベンゾキノン類、t−ブチルカテコ−ルなどのカテコ−ル類等を挙げることができる。
本発明の止水剤組成物においては、必須成分として(C)(メタ)アクリロイル基を末端に含む多価金属塩が採用される。(メタ)アクリロイル基を含む多価金属塩の金属としは、例えばアルカリ土類金属塩などの二価以上の多価金属塩であることが好ましい。多価金属塩の例としては、(メタ)アクリル酸マグネシウム、(メタ)アクリル酸カルシウム、(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸バリウム、(メタ)アクリル酸ストロンチウム、(メタ)アクリル酸鉛、(メタ)アクリル酸ニッケルおよび(メタ)アクリル酸アルミニウム、(メタ)アクリル酸クロム等が挙げることができる。これらの中で、前記組成物の硬化体が高圧縮率でも復元性機能を発揮し再漏水を防止するためには、アクリル酸マグネシウム、アクリル酸アルミニウム及びアクリル酸ストロンチウムを使用することが好ましい。
上記(メタ)アクリロイル基を含む多価金属塩は、単独でも、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記(メタ)アクリロイル基含有多価金属塩類モノマ−の製造方法は、(メタ)アクリル酸とアルカリ土類金属を、公知の製造法である常温よりやや高めの温度で反応させて中和する方法、又は、(メタ)アクリル酸エステルをアルカリ土類金属で鹸化する方法が代表的である。
本発明の止水剤組成物は、さらにグリコ−ル類を含むことができる。グリコール類は止水剤組成物の凍結防止剤として機能するたけではなく、室温環境下で長期保存した場合のクラックの発生を防止し、かつ、圧縮応力を負荷したときの耐クラック性も向上させる。グリコ−ル類の例としては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、1、3ブチレングリコ−ル、ヘキシレングリコ−ル、グリセリンなどを挙げることができる。これらの中で、特にエチレングリコ−ル及びプロピレングリコ−ルが好ましい。これらは単独使用又は併用してもよい。これらのグリコ−ル類は止水剤組成物の弾性硬化ゲルは空気中に放置後における寸法及び重量安定性を向上させるため、グリコ−ルの蒸気圧が25℃で0.1mmHg以下のものが好ましい。前記グリコ−ル類は収縮安定機能の他に凝固点降下機能を有するため、冬期止水剤硬化物の凍結を防止する。
前述のように、本発明において、止水剤組成物の構成成分の(A)、(B)及び(C)の合計量100質量部に対して、(D)グリコ−ル類の添加率は80〜350質量部、好ましくは100〜300質量部、より好ましくは120〜280質量部の範囲で使用することが好ましい。
100質量部未満ではゲル化物の空気中での長期放置による減量変化率が大きく、300質量部を超えるとゲル化物の圧縮負荷変形率が大きくなるため、好ましくない。
本発明に用いる重合触媒としては、通常レドックス触媒が使用される。酸化剤としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、過塩素酸のアルカリ金属塩等の無機酸化剤の他、有機過酸化物を使用することができる。止水剤組成物の希釈剤として水を使用する場合は、有機過酸化物よりも無機酸化剤が好ましく、それらの中でも過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、特に過硫酸アンモニウムが好ましい。酸化剤の使用量は、(A)、(B)及び(C)の合計量100質量部に対して、一般に0.5〜10質量部である。ただし、酸化剤の量は用途によって適宜変更可能であり、止水剤組成物が多量の水等で希釈されるような場合、(A)、(B)及び(C)の合計100質量部に対し、酸化剤を1.5〜30質量部、好ましくは5〜20質量部用いることができる。
還元剤としては、例えば亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、チオ硫酸ソ−ダ、硫酸第一鉄、トリエチルアミン、トリエタノ−ルアミン、N−メチルモルフォリン、ニトリロトリスプロピオンアミド、或はナトリウム又はカリウムのメタ重亜硫酸塩等を使用することができる。その使用量は、(A)、(B)及び(C)の合計量100質量部に対して、一般に0.5〜5質量部である。ただし、還元剤の量も用途によって適宜変更可能であり、止水剤組成物が多量の水等で希釈されるような場合、(A)、(B)及び(C)の合計100質量部に対し、還元剤を1.5〜30質量部、好ましくは5〜20質量部用いることができる。
本発明の止水剤組成物は水硬性セメントをさらに含むことができる。本発明の止水剤組成物に用いられる水硬性セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント、超早強セメント、微粒子高炉スラグセメント、エコセメント(普通エコセメント、速硬エコセメントを含む)等を挙げることができる。これらのセメントは1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
上記水硬性セメントの使用量は、止水剤組成物の止水性、硬化特性、圧縮特性、作業性に応じて決定されるが、一般にその使用量は(A)、(B)及び(C)の合計量100質量部に対して10〜200質量部の範囲である。
本発明の止水剤組成物は、止水性、硬化特性、圧縮特性、耐久性等の特性を阻害しない程度にベントナイト、タルク、クレ−、炭酸カルシウムなどのフィラー、顔料、染料等の着色剤など多様な添加剤を使用することができる。
本発明の止水剤組成物は、用途に応じて希釈剤で希釈することが可能である。希釈剤としては、有機溶媒、水、有機溶媒と水の混合物等多様なものを使用可能であるが、取扱い性を考慮すると、通常水を用いる。ただし、水希釈率が大きすぎると乾燥収縮率が増大し、乾燥後水浸漬での止水剤組成物ゲル化物の水膨張復元速度が遅くなる。従って、乾燥収縮率を抑える場合には、本発明の止水剤組成物に、水の一部を有機溶媒(エチレングリコ−ル等)に換えて添加することにより、水のみを添加した場合と比較して、乾燥収縮を大幅に低減することができる。すなわち、本発明に適した希釈剤は、水を主成分(50質量%以上)とし、必要に応じて有機溶媒を含有する。
なお、従来の組成物、すなわち、本発明の止水剤組成物の(A)、(B)及び(C)の組成比の範囲外にある組成物では、上記乾燥収縮以外でも優れた特性を維持するためには水希釈倍率が低くする必要があり、このため、止水対象のクラックから大量の漏水が発生するような状況では、水希釈倍率がさらに大きくなり、そのような過剰な水により希釈された止水剤組成物では止水効果を満足させることが困難である。驚くべきことに、本発明の止水性組成物を用いると、大量の水で希釈されるような場合であっても、止水性、硬化性などの特性を維持することが可能である。
次に、本発明の止水剤組成物を用いた止水工法の具体例について説明する。
本発明の漏水止水工法は、上記本発明の止水剤組成物を用いて、トンネルや下水管路継手部、クラックなどにおける湧水、漏水を止水するため使用され、例えば以下のように行うことができる。本発明の止水剤組成物は、(A)〜(C)成分及び他の添加剤を予め混合した混合物を用いるか、使用直前に混合する、あるいは混合しながら使用する。好ましくは、少なくとも還元剤を含む成分と少なくとも酸化剤を含む成分とを、止水剤組成物の使用開始直前に混合するか、混合しながら使用(注入、塗布など)する。
より具体的には、(メタ)アクリレ−ト成分(A、B及びC成分)、還元剤等を含む主剤と、酸化剤、グリコ−ル類等の硬化剤からなり、これらを使用時に混合する。従って、本発明の止水剤組成物は一般に2液混合方式として使用される。漏水量が多くない場合、前記主剤と硬化剤のいずれか一方又は両方に、水などの希釈剤を最大30質量%添加することができる。注入に用いる装置は特に限定されないが、例えば、主剤と硬化剤を別々に収容する調整容器と、耐圧ホースを介して各調整容器に接続された先端混合室と、先端混合室に接続されたノズルとを有する。主剤及び硬化剤は、それぞれ調整容器から送液ポンプにより耐圧ホ−スを経由して送液される。これら主剤及び硬化剤を先端混合室に400kgf/cm以下の圧力で噴射し、均一に混合する。コンクリ−ト構造物の漏水箇所にクラック及びクラックの延長線に沿って構造物の表面から複数削孔した後、これらの削孔箇所にノズルを挿入し、先端混合室で均一に混合された混合液をノズルから注入する。ノズルの先端は、スプリングとボ−ルを装着した逆止弁により均一混合液が逆流しない機能を備えている。この逆止弁は、セラミツクボ−ル及び耐酸ウレタン保護塗膜で保護されていることが、耐久性の点から好ましい。
ノズルから均一混合液を吐出する際の吐出圧は、先端混合室における混合と同様に400kgf/cm以下であるが、ヘヤ−クラック幅を対象とした漏水を止水する場合は、200kgf/cm以上であることが好ましい。なお、注入ノズルは、注入の際には急結セメントで固定し、注入ノズルの抜去後、削孔空間には無収縮セメントモルタルを充填し、封鎖するのが一般的である。また、止水後、クラツクは無収縮セメントモルタルで幅約20mmで塗り付けることにより処理することが一般的である。
本発明の止水剤組成物の使用方法は上記に限定されない。本発明は土質安定剤として広く使用することが可能であり、例えば、本発明の止水組成物は、人工建造物の他、岩盤等に注入して土質安定剤として使用することもできるし、土壌成分(砂、小石、泥、土等)と混合して該土壌成分を固めることもできる。上述したセメントを添加した本発明の止水性組成物は、いわゆるポリマーセメントとして、通常のセメント材料と同様の使用方法、例えば、塗布、流し込み、充填又は注入して使用することもできる。また、セメントを添加した本発明の止水性組成物としては、砂、砂利、砕砂、砕石、スラグ骨材、その他これらに類似の細骨材を1種以上添加し、いわゆるモルタルとして使用することもできる。
[実施例]
次に、本発明の実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の「部」は特に断らない限り「質量部」である。
‐PEG#350モノメタアクリレ−ト(エチレンオキサイド付加モル数8)(A)
‐PEG#400ジメタアクリ−ト(エチレンオキサイド付加モル数9)(B)
‐アクリル酸マグネシウム(固形分換算)(C)
‐酸化剤・過硫酸アンモニウム
‐還元剤・トリエタノ−ルアミン(50%濃度水溶液)及び
‐水
を表1の配合比(実施例1−1、1−2、比較例1−3、1−4)で混合して止水剤組成物を得た。
その特性(環境条件別重量変化率、50%圧縮時復元性、ゲルタイム、50%圧縮変形時負荷応力)を下記のようにして測定し。評価した。表1に測定結果を示す。
[評価方法]
1)環境条件別重量変化率;
200mlポリエチレン容器(直径×高さ=70mm×80mm)に、得られた止水剤組成物を100mlの容量を充填、硬化させた(硬化条件;温度20℃、相対湿度50%)。2時間後脱型し、下記環境条件中に7日間放置し、重量変化率を測定した。
重量変化率(%)=([W/(W−W)]×100)
[但し、W;初期重量(g)、W;7日放置後の重量(g)]
水中:25℃恒温水槽水中浸漬
気中(大気中):恒温恒高湿(温度25℃、湿度50%)放置
気中→水中:気中恒温恒湿(温度25℃、湿度50%)7日放置後、25℃恒温水
槽中に7日放置後、測定。
2)50%圧縮率後復元性:
内面に離型用ポリエステルフィルム(東レ製マイラ−フィルム、厚み100μm)を巻いた底部密閉二つ割り鋼製モ−ルド(内径×高さ=35mm×50mm、モ−ルド厚み5mm)に各実施例の止水剤組成物を充填し、硬化させた(硬化条件;温度20℃、相対湿度50%)。2時間後脱型して供試体とし、圧縮試験機により圧縮速度5mm/分で圧縮応力を負荷して50%変形後、圧縮負荷を開放し、初期寸法回復時間を測定した。
3)耐衝撃性・落錘時クラック発生有無:
JIS−K−5400(塗料一般試験方法)記載の耐衝撃性のデュポン式試験に準拠して実施した。供試体サイズは、φ35mm×高さ50mmの円盤状である。鋼球重量は300g、落下高さは300mmとし、供試体の破壊、クラックの有無を観察した。
4)ゲルタイム:
試験管(直径φ20mm、高さ150mm)に20ml容量の配合物を充填し、25℃の環境温度で流動性が消失までの時間、すなわち、直径5mm、長さ200mmのガラス棒の先端を配合物の表面から5mmの深さに挿入してから、2秒間に1回表面に引き上げ、次いで前記の所定の深さに挿入を繰り返し、ガラス棒の先端から配合物の糸引きが無くなった時間をゲルタイムとした。
5)50%圧縮率時負荷応力:
実施例1の供試体サイズで、実施例1と同一条件で50%圧縮率変形まで負荷した時の負荷応力を測定した。
その測定結果を、表1に示す。
Figure 0006074484
なお、50%圧縮率時負荷応力の欄中「‐」は、50%圧縮応力負荷がかかる前にゲル化物が破壊されたことを示す。
‐PEG#350モノメタアクリレ−ト(エチレンオキサイド付加モル数8)(A)
‐PEG#600ジメタアクリレ−ト(エチレンオキサイド付加モル数14)(B)
‐アクリル酸マグネシウム(固形分換算)(C)
‐グリコ−ル類(エチレングリコ−ル)(D)
‐酸化剤・過硫酸アンモニウム
‐トリエタノ−ルアミン(50%濃度水溶液)及び
‐水
を、表2の配合比(実施例2−1、2−2、比較例2−3、2−4)で混合して止水剤組成物を得た。
得られた止水剤組成物について、浸漬条件別経時重量変化率を測定した。なお、環境条件別重量変化率の評価方法は、水中又は気中に放置する時間を下記表3のように変えた以外は実施例1記載の通り行った。
測定結果を表3に示す。
Figure 0006074484
Figure 0006074484
上記表中の「気中‐水中」は、供試体作成後室温(20℃)、湿度55%の気中に7日間放置してから,水中に表3の浸漬時間の放置後の重量変化率である。
‐PEG#350モノメタアクリレ−ト(エチレンオキサイド付加モル数8)(A)
‐PEG#400ジメタアクリレ−ト(エチレンオキサイド付加モル数9)(B)
‐アクリル酸アルミニウム(固形分換算)(C)
‐グリコ−ル類(エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル)(D)
‐酸化剤・過硫酸アンモニウム
‐還元剤・トリエタノ−ルアミン(50%濃度水溶液)及び
‐水
を表4の配合(実施例3−1、3−2、3−3、比較例3−4、3−5、3−6、3−7)で混合して止水剤組成物を得た。
得られた止水剤組成物について、実施例1記載と同じ評価方法で50%圧縮率後復元性、耐衝撃性・落錘時クラック発生有無、ゲルタイムを測定した。
測定結果を表4に示す。
Figure 0006074484
‐PEG#350モノメタアクリレ−ト(エチレンオキサイド付加モル数8)(A)
‐PEG#1000ジメタアクリレ−ト(エチレンオキサイド付加モル数23)(B)
‐アクリル酸マグネシウム(固形分換算)(C)
‐グリコ−ル類(エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル)(D)
‐水硬化性セメント(普通ポルトランドセメント)
‐酸化剤・過硫酸アンモニウム
‐還元剤・トリエタノ−ルアミン(50%濃度水溶液)及び
‐水
を表5の配合比(実施例4−1、4−2、4−3、4−4、比較例4−5、4−6)で、混合して止水剤組成物を得た。
得られた止水剤組成物について、破壊時圧縮強度、ゲルタイムを測定した。ゲルタイムは実施例1に記載の測定方法と同じである。
[評価方法]
1)破壊時圧縮強度;
二つ割り鋼性モ−ルド(内径×高さ=50mm×100mm)に表5の止水剤組成物を充填、硬化させた。(硬化条件;温度20℃、相対湿度50%)。24時間後に脱型し供試体とした。圧縮試験機で圧縮速度5mm/分で圧縮応力を負荷して、破壊時圧縮強度を測定した。
その測定結果を表5に示す。
Figure 0006074484
[評価方法]
尚、上記実施例で使用した樹脂濃度(%)は、水硬性セメントを除外した濃度であって、その算出方法は下記の通りである:
樹脂濃度(%)=〔[(A)+(B)+(C)]/[(A)+(B)+(C)÷0.35(0.1)+酸化剤+還元剤+水]〕×100
また、表中の、アクリル酸マグネシウムは35%濃度水溶液、アクリル酸アルミニウムは10%濃度水溶液である。そのため、アクリル酸マグネシウムを使用した場合は(C)成分に0.3を乗じ、アクリル酸アルミニウムを使用した場合は(C)成分に0.1を乗じて樹脂濃度を算出した。
‐PEG#350モノメタアクリレ−ト(エチレンオキサイド付加モル数8)(A)
‐PEG#1000ジメタアクリレ−ト(エチレンオキサイド付加モル数14)(B)
‐アクリル酸マグネシウム(固形分換算)(C)
‐グリコ−ル類(エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル)(D)
‐酸化剤・過硫酸アンモニウム
‐還元剤・トリエタノ−ルアミン(50%濃度水溶液)及び
‐水
を表6の配合比(実施例5−1、5−2、5−3、比較例5−4、5−5)で混合して止水剤組成物を得た。
100ml鋼製型枠(直径×高さ=35mm×100mm)に、得られ止水剤組成物を50mlの容量を充填、硬化させた。(硬化条件:温度20℃、相対湿度50%)。2時間後脱型し、25℃恒温水槽水中に7日間及び365日間の放置し、実施例4と同じ条件で破壊時圧縮強度を測定し、実施例1と同じ条件で50%圧縮率後の初期圧縮寸法回復時間を測定した。測定結果を表6に示す。
Figure 0006074484
‐PEG#350モノメタアクリレ−ト(エチレンオキサイド付加モル数8)(A)
‐PEG#1000ジメタアクリレ−ト(エチレンオキサイド付加モル数14)(B)
‐アクリル酸マグネシウム(固形分換算)(C)
‐グリコ−ル類(エチレングリコ−ル)(D)
‐酸化剤・過硫酸アンモニウム
‐還元剤・トリエタノ−ルアミン(50%濃度水溶液)及び
‐水
を表7の配合比(実施例6−1、6−2、比較例6−3、6−4)で混合して止水剤組成物を得た。
鋼製2つ割りモ−ルド(直径×高さ=100mm×500mm)の垂直方向に、上端から100mm、上端から下端に向けて400mmの各箇所に金網と多孔板の二層構成体を設置し、上記二層構成体の間の長さ300mmに川砂(60%径1.80mm、30%径1.0mm、10%径0.65mm、均等係数2.77、比重2.67)を充填し、これに一定水頭、すなわち一定水圧(水頭差)の水を送り、モ−ルド下部の流量調節コックを操作して上部から下部への一定流速の動水状態を作り出し、その中に止水剤組成物150ml、注入圧力0.01〜0.02MPa、注入時間1分で注入管(内径5mm、外径7mmの注入管を上端から150mmの位置を先端開口にして注入した。
主剤液と硬化剤液を等量比で二液一工程方式で注入した。実施例6−1〜6−2は川砂層間流速が2cm/秒でも有効固結率100%を維持したが、比較例6−3〜6−4では流速が0.5cm/秒で有効固結率50%以下の動水固結特性の測定結果であった。
測定結果を表7に示す。
Figure 0006074484
[評価方法]
尚、上記実施例で使用された有効固結率は、静水状態での止水剤組成物注入後の固結率を100%として、動水状態での注入後の固結容積を測定し、前者対比で有効固結率を測定した。
以上の結果より、本発明の止水剤組成物は、そのゲル化生成物の、水中、空気中、及び空気中放置後の水中における重量変化率が良好であり、圧縮復元性及び長期圧縮復元性、動水固結性、耐衝撃性にも優れている。またこのような良好な特性が、ポリエチレングリコ−ル(PEG)モノ(メタ)アクリレ−ト及びポリエチレングリコ−ル(PEG)ジ(メタ)アクリレ−ト並びに末端(メタ)アクリロイル基含有多価金属塩を本発明の特定範囲の臨界的意義も明らかである。さらに、表5から水硬性セメントなどのセメントとの使用にも支障がないことも分かる。

Claims (6)

  1. (A)一般式(a)
    Figure 0006074484
    ポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト
    (式中、Rは水素原子又はメチル基でnは2以上で50以下の整数)
    で表される化合物の単独もしくは混合物からなる成分10質量部〜40質量部と、
    (B)一般式(b)
    Figure 0006074484
    ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト
    (式中、R、Rはそれぞれ水素原子又はメチル基でmが2以上で50以下の整数)で表される化合物の単独もしくは混合物からなる成分20質量部〜50質量部と、
    (C)末端(メタ)アクリロイル基含有多価金属塩からなる成分15〜50質量部と、を含有し、
    (A)、(B)及び(C)成分の合計が100質量部であり、かつ、
    (B)成分の質量が、(A)成分の質量と同じかそれよりも多い止水剤組成物。
  2. (A)〜(C)成分の合計100質量部に対し、(D)グリコ−ル類100〜300質量部を更に含む請求項1に記載の止水剤組成物。
  3. 更に、水硬性セメントを含有する請求項1又は2に記載の止水剤組成物。
  4. 更に、酸化剤及び還元剤を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の止水剤組成物。
  5. 1、及びRがいずれもメチル基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の止水剤組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の止水剤組成物を最大400kgf/cm以下の吐出圧にて、注入ノズルの先端から注入ノズルの先端逆止弁を介してコンクリ−ト構造物の漏水箇所に注入することを特徴とする漏水止水工法。
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