JPH07173997A - トンネル内壁覆工構造およびその工法 - Google Patents

トンネル内壁覆工構造およびその工法

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JPH07173997A
JPH07173997A JP5319890A JP31989093A JPH07173997A JP H07173997 A JPH07173997 A JP H07173997A JP 5319890 A JP5319890 A JP 5319890A JP 31989093 A JP31989093 A JP 31989093A JP H07173997 A JPH07173997 A JP H07173997A
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layer
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Juichi Nakazawa
重一 中澤
Michio Kondo
道男 近藤
Akio Kurano
章夫 蔵野
Kazuya Kamimura
和也 上村
Kazunobu Kisa
一伸 木佐
Hideo Motoki
英男 元木
Shigehiro Nagashitani
重博 流谷
Eiji Takahashi
英二 高橋
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Konoike Construction Co Ltd
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SK Kaken Co Ltd
Konoike Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】作業性に優れ、作業環境を悪化させず、二次覆
工コンクリート側への漏水を効果的に防止し、二次覆工
コンクリートのクラック発生をも効果的に防止し得るト
ンネル内壁覆工構造およびその工法を提供することを主
な目的とする。 【構成】トンネル内一次覆工コンクリート層と、圧縮強
度が1kgf/cm2 以上で且つ透水係数が5×10-4
cm/sec以上である透水層と、付着強度が0.1k
gf/cm2 以上で且つ透水性が10-6cm/sec以
下である水性系防水層と、二次覆工コンクリート層を積
層してなるトンネル内壁覆工構造。トンネル内一次覆工
コンクリート吹付け面に圧縮強度が1kgf/cm2
上で且つ透水係数が5×10-4cm/sec以上である
透水層を形成し得る透水性材料を吹付け施工し、次いで
付着強度が0.1kgf/cm2 以上で且つ透水性が1
-6cm/sec以下である水性系防水層を形成し得る
水性系防水材料を吹付け施工した後、さらに二次覆工コ
ンクリートを打設することを特徴とするトンネル内壁覆
工工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トンネル内壁覆工構造
およびその工法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】現在トンネル内壁の工法とし
ては、NATM工法が広く採用されている。このNAT
M工法は、掘削したトンネル内部において、地山にロッ
クボルトを打ち込み、さらに吹付けコンクリートを施工
して地山を押さえるとともに、二次覆工コンクリートを
打設して、トンネルを安定させるものである。通常、ト
ンネル周辺の地山は、地下水で満たされていることが多
いので、二次覆工コンクリートにクラックが発生する
と、それがトンネル内部への漏水に直結する可能性が高
い。この様な漏水は、覆工の老朽化を促進し、また寒冷
地ではつららを発生させたりして、トンネルの機能を損
ねることがある。しかるに、一次覆工コンクリートと二
次覆工コンクリートとの間では、体積減少に差異に起因
する収縮クラックが発生することは避けられので、両者
の間に緩衝絶縁材或いは防水材を介在させる工法が実施
されている。この様な工法の代表的なものとしては、下
記の様な工法が挙げられる。
【0003】(1)防水シート貼り付け工法 この工法においては、一次覆工コンクリートと二次覆工
コンクリートとの間にポリ塩化ビニル防水シートを介在
させることにより、2つのコンクリート層間の絶縁を図
るとともに、シートの不透水性により、浸透水を遮断す
る防水機能を付与する。防水シートの貼り付け作業に際
しては、鋼製架台に作業者が乗り、一次覆工コンクリー
ト面にシートを順次釘打ちして固定した後、隣接するシ
ート同士を熱融着などの手段により、接合してシート全
体を一体化する。次いで、二次覆工コンクリートを打設
する。
【0004】また、必要ならば、シートの裏側に不織布
を配置して、吹付けコンクリートの平面的な湿潤水を不
織布中を流下させて下方の排水管に導く排水機構を付設
することもある。
【0005】しかしながら、この工法においては、使用
するシートの材質については十分に留意されているが、
それでも、二次覆工コンクリート打設時の衝撃、背後に
存在する突起物などのために、シートが破れて覆工コン
クリートから漏水する場合がある。また、一次覆工コン
クリートの極端な不陸に対しては、背面処理を行なって
も、シートと一次覆工コンクリート面との間に大きな空
洞を生じやすく、且つその下地形状に適合させて貼り付
けることは困難である。従って、二次覆工コンクリート
打設中にコンクリートの圧力により、シートが背面に引
っ張られて破断したり、二次覆工コンクリート側に破片
が入り込む危険性がある。また、シートの接合部に融着
接合が不十分である部分が存在する場合には、この部分
から漏水する危険性もある。箱抜き部などに対しては、
シートの一体化が困難であるため、この部分からの漏水
を生じやすい。さらに、一次覆工コンクリート面へのシ
ートの釘打ち仮止め作業、シート同士の熱融着作業など
は、殆ど手作業で行なわれているので、作業効率が低
い。また、可燃性シートを使用するので、作業時の火災
の危険性もある。
【0006】(2)多孔質材料の吹付け工法 この工法においては、地山または一次覆工コンクリート
面に無機質の多孔質材料を塗布し、多孔質層を形成す
る。そして、二次覆工コンクリート施工後の拘束力をこ
の多孔質低強度層の破断により緩和することができるの
で、地山または一次覆工コンクリート面からの拘束が原
因となって生じる二次覆工コンクリートの収縮クラック
が抑制され、地山からの湧水を防止することができる。
【0007】この方法では、機械により連続的に作業を
行ない得るので、作業性は著しく改善され、また使用す
る材料が不燃性であるため、火災の危険性もない。
【0008】しかしながら、この工法により、背後の一
次覆工コンクリートからの拘束に伴なう二次覆工コンク
リートの収縮クラックが抑制できたとしても、二次覆工
コンクリート自体に起因するクラックは、防止できな
い。即ち、二次覆工コンクリートにおいては、二次覆工
コンクリートへの添架物の取付け部分、二次覆工コンク
リート打継ぎ面、拡幅部、箱抜き部などの形状変化部位
などの脆弱部にクラック発生原因が多数存在し得る。し
かしながら、この工法で使用する多孔質材料は、それ自
身が透水性を有しているので、一次覆工コンクリートか
らの拘束以外の原因で二次覆工コンクリートにクラック
が発生した場合には、漏水を防止することができない。
【0009】(3)繊維質系材料の吹付け工法 この工法においては、上記(2)の多孔質材料に代えて
ロックウールなどの無機質繊維或いはパルプ繊維などの
有機繊維をバインダーとともに吹付ける。繊維質系材料
の機能は、無機質材料のそれとほぼ同様である。
【0010】この工法においても、上記(2)の工法に
おけると同様の理由で、一次覆工コンクリートからの拘
束以外の原因で二次覆工コンクリートにクラックが発生
した場合には、漏水を防止することができない。また、
この工法は、吹付け作業時に繊維を飛散させるので、作
業環境を著しく悪化させる。
【0011】(4)吹付け防水塗膜の現場施工法 この工法においては、アスルファルトエマルション、合
成ゴムラテックスなどと分解剤とによる反応、重合性モ
ノマー水溶液の現場重合被膜化反応などを利用して、一
次覆工コンクリート面に吹付け施工することにより、防
水膜を形成させる。この様にして形成された柔軟性のあ
る防水膜乃至非透水層は、防水機能と拘束解放機能とを
併せ持っている。
【0012】この方法においても、機械により連続的に
作業を行ない得るので、作業性は著しく改善される。ま
た、目地部のない連続一体化した弾性防水被膜が得ら
れ、凹凸の激しい一次覆工コンクリート面に対しても均
一な被膜が形成できるという利点がある。しかしなが
ら、形成された被膜が一次覆工コンクリート面に全面的
に付着するので、地山からの浸出水を遮断してしまい、
二次覆工コンクリートの背面水圧として負荷される危険
性が高い。二次覆工コンクリート打設後に浸出する水を
排除するためには、帯状のシート状透水材料を一定の間
隔で一次覆工コンクリート面に貼り付けることが必要と
なり、本来作業性および経済性に優れた筈の吹付け工法
の利点が十分に生かされていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、作
業性に優れ、作業環境を悪化させず、二次覆工コンクリ
ート側への漏水を効果的に防止し、二次覆工コンクリー
トのクラック発生をも効果的に防止し得るトンネル内壁
覆工構造およびその工法を提供することを主な目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
技術の現状に鑑みて、鋭意研究を進めた結果、一次覆工
コンクリート層と二次覆工コンクリート層との間に特定
の多孔質透水性層と防水性塗膜層とを形成させる場合に
は、従来技術の問題点が大幅に軽減されることを見出し
た。
【0015】即ち、本発明は、下記のトンネル内壁覆工
構造およびその工法を提供するものである; 1. (1)トンネル内一次覆工コンクリート層と、
(2)圧縮強度が1kg/cm2 以上で透水係数が5×
10-4cm/sec以上である透水層と、(3)透水層
に対する付着強度が0.1kg/cm2 以上で透水係数
が1×10-6cm/sec以下である水性系防水層と、
(4)二次覆工コンクリート層とを順次積層してなるト
ンネル内壁覆工構造。
【0016】2. 透水層が、(A)水硬性セメント、
(B)金属系発泡剤、(C)アルカリ金属の硫酸塩、二
価金属のオルトリン酸塩、二価金属の炭酸水素塩、アル
カリ土類金属の塩化物、アルカリ土類金属の硝酸塩、ア
ルカリ土類金属の水酸化物およびアルカリ土類金属の塩
基性炭酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の硬
化促進剤および(D)連通気孔を形成し得る起泡剤を必
須成分とする無機質常温発泡性組成物から得られる発泡
層であり、水性系防水層が、(a)重合性不飽和結合を
有するカルボン酸の水溶性塩、ヒドロキシアルキル基を
有する水溶性セルロース誘導体およびシリカ微粉末を含
むモノマー溶液中にレドックス重合触媒の酸化剤を含む
第1液と(b)重合性不飽和結合を有するカルボン酸の
水溶性塩、ヒドロキシアルキル基を有する水溶性セルロ
ース誘導体およびシリカ微粉末を含むモノマー溶液中に
レドックス重合触媒の還元剤を含む第2液とを混合反応
させて得られる高分子防水塗膜である上記項1に記載の
トンネル内壁覆工構造。
【0017】3. 透水層が、(A)水硬性セメント、
(E)セルロース系増粘剤および/またはポリビニルア
ルコールおよび(F)かさ密度0.6g/cm3 以下の
軽量骨材からなる無機質多孔性組成物から得られる多孔
性層であり、水性系防水層が、(a)重合性不飽和結合
を有するカルボン酸の水溶性塩、ヒドロキシアルキル基
を有する水溶性セルロース誘導体およびシリカ微粉末を
含むモノマー溶液中にレドックス重合触媒の酸化剤を含
む第1液と(b)重合性不飽和結合を有するカルボン酸
の水溶性塩、ヒドロキシアルキル基を有する水溶性セル
ロース誘導体およびシリカ微粉末を含むモノマー溶液中
にレドックス重合触媒の還元剤を含む第2液とを混合反
応させて得られる高分子防水塗膜である上記項1に記載
のトンネル内壁覆工構造。
【0018】4. トンネル内一次覆工コンクリート吹
付け面に圧縮強度が1kg/cm2 以上で透水係数が5
×10-4cm/sec以上である透水層を形成し得る透
水性材料を吹付け施工し、次いで透水層に対する付着強
度が0.1kg/cm2 以上で透水係数が1×10-6
m/sec以下である水性系防水層を形成し得る水性系
防水材料を吹付け施工した後、さらに二次覆工コンクリ
ートを打設することを特徴とするトンネル内壁覆工工
法。
【0019】5. 透水性材料が、(A)水硬性セメン
ト、(B)金属系発泡剤、(C)アルカリ金属の硫酸
塩、二価金属のオルトリン酸塩、二価金属の炭酸水素
塩、アルカリ土類金属の塩化物、アルカリ土類金属の硝
酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物およびアルカリ土類
金属の塩基性炭酸塩からなる群から選ばれた少なくとも
1種の硬化促進剤および(D)連通気孔を形成し得る起
泡剤を必須成分とする無機質常温発泡性組成物であり、
水性系防水材料が、(a)重合性不飽和結合を有するカ
ルボン酸の水溶性塩、ヒドロキシアルキル基を有する水
溶性セルロース誘導体およびシリカ微粉末を含むモノマ
ー溶液中にレドックス重合触媒の酸化剤を含む第1液と
(b)重合性不飽和結合を有するカルボン酸の水溶性
塩、ヒドロキシアルキル基を有する水溶性セルロース誘
導体およびシリカ微粉末を含むモノマー溶液中にレドッ
クス重合触媒の還元剤を含む第2液とからなる上記項4
に記載のトンネル内壁覆工工法。
【0020】6. 透水性材料が、(A)水硬性セメン
ト、(E)セルロース系増粘剤および/またはポリビニ
ルアルコールおよび(F)かさ密度0.6g/cm3
下の軽量骨材からなる無機質多孔性組成物であり、水性
系防水材料が、(a)重合性不飽和結合を有するカルボ
ン酸の水溶性塩、ヒドロキシアルキル基を有する水溶性
セルロース誘導体およびシリカ微粉末を含むモノマー溶
液中にレドックス重合触媒の酸化剤を含む第1液と
(b)重合性不飽和結合を有するカルボン酸の水溶性
塩、ヒドロキシアルキル基を有する水溶性セルロース誘
導体およびシリカ微粉末を含むモノマー溶液中にレドッ
クス重合触媒の還元剤を含む第2液とからなる上記項4
に記載のトンネル内壁覆工工法。
【0021】本発明におけるトンネル内一次覆工コンク
リート層は、従来技術のそれらと同様であって良く、常
法に従って形成することができる。例えば、コンクリー
ト1m3 当りセメント約300kg、砂約1100k
g、砕石約900kgおよび急結剤約10kgを空気で
圧送し、水/セメント比で45〜55%に相当する水を
この混合物に対し、圧送ホースまたは先端ノズル部で混
合しつつ、トンネル掘削面に吹き付ける。吹き付けられ
たコンクリートは、通常数十秒乃至数分間で凝結固化し
はじめ、一次覆工コンクリート層が形成される。
【0022】本発明における透水層は、圧縮強度が1k
g/cm2 以上で且つ透水係数5×10-4cm/sec
以上であることを必須とする。圧縮強度が1kg/cm
2 未満である場合には、二次覆工コンクリート打設時に
透水層にかかる圧力に抗することができず、破壊されて
しまう。また、透水係数が5×10-4cm/sec未満
である場合には、地山からの浸出水を排除することがで
きない。なお、本明細書において、圧縮強度は、JIS
R 5201に準拠して測定した値を示し、透水係数
は、土質工学会基準(JSF T 311−1990)
「土の透水試験方法」により測定した値を示す。
【0023】この様な透水層を形成するための多孔質材
料としては、無機質の材料が広く使用可能であるが、軽
量で且つ拘束力の緩和性に優れた透水層を形成し得る無
機質常温発泡性組成物(以下第1透水性組成物というこ
とがある)がより好ましい。この様な無機質常温発泡性
組成物の一例は、(A)水硬性セメント、(B)金属系
発泡剤、(C)アルカリ金属の硫酸塩、二価金属のオル
トリン酸塩、二価金属の炭酸水素塩、アルカリ土類金属
の塩化物、アルカリ土類金属の硝酸塩、アルカリ土類金
属の水酸化物およびアルカリ土類金属の塩基性炭酸塩か
らなる群から選ばれた少なくとも1種の硬化促進剤およ
び(D)連通気孔を形成し得る起泡剤を必須成分とする
無機質常温発泡性組成物が例示される。第1透水性組成
物で使用する成分(A)乃至(D)の詳細は、以下の通
りである。
【0024】水硬性セメント(A)としては、ポルトラ
ンドセメント、アルミナセメント、石灰混合セメント、
高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメン
ト、メーソンリーセメント、高硫酸塩スラグセメントな
どが例示される。
【0025】金属系発泡剤(B)としては、アルミニウ
ム、マグネシウム、シリコン、亜鉛などの単体金属粉、
これら金属の合金粉およびこれら金属の金属間化合物粉
などが例示される。
【0026】硬化促進剤(C)としては、硫酸カリウ
ム、硫酸ナトリウムなどのアルカリ金属の硫酸塩;オル
トリン酸亜鉛、オルトリン酸マグネシウムなどの二価金
属のオルトリン酸塩;炭酸水素カリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カルシウムなどの炭酸水素塩;塩化マ
グネシウム、塩化カルシウムなどのアルカリ土類金属の
塩化物;硝酸マグネシウム、硝酸カルシウムなどのアル
カリ土類金属の硝酸塩;水酸化ストロンチウム、水酸化
マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;およ
び塩基性炭酸マグネシウム、塩基性炭酸ベリリウムなど
のアルカリ土類金属の塩基性炭酸塩からなる群から選ば
れた少なくとも1種を使用する。
【0027】起泡剤(D)としては、透水層中に連通気
泡を形成させて、透水層の透水係数を所定値以上とし得
る界面活性剤、動物性蛋白などを使用することができ
る。界面活性剤中には、独立気泡を形成させるものがあ
るが、この様な場合には、透水層の透水係数が極めて低
くなるので、本発明では使用し得ない。本発明で使用す
る起泡剤としては、JIS K 3362の「6.5
起泡力と泡の安定度」に示された試験方法に基いて、ロ
スマイルス起泡力測定器を用いて測定した泡の高さが、
落下直後も5分後も100mm以上である様な起泡剤で
あれば、特に限定されない。この様な起泡剤としては、
下記の様なものが例示される。
【0028】−アニオン系界面活性剤…アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ア
ルキルスルホン酸塩などのスルホン酸塩型界面活性剤;
アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルア
リールエーテル硫酸塩などの硫酸エステル塩型界面活性
剤など。
【0029】−ノニオン系界面活性剤…ポリエチレング
リコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグ
リセリンエステルなどのエステル型界面活性剤など。
【0030】−両性界面活性剤…アミノカルボン酸塩型
界面活性剤など。
【0031】より具体的には、下記の様なものが例示さ
れる。なお、括弧内は市販品の例を示す。
【0032】−アニオン系界面活性剤;ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル硫酸塩(商標“エマール
NCX301”、カオウアトラス(株))、アルキルナ
フタレンスルホン酸ナトリウム(商標“ペレテックスN
B−L”、カオウアトラス(株))など。
【0033】−ノニオン系界面活性剤;ポリオキシエチ
レングリコールオレエート(商標“ノニオライトO−2
0”、共栄社)、ポリオキシエチレングリコールオレエ
ート(商標“ノニオライトO−30”、共栄社)、ポリ
オキシエチレングリコールオレエート(商標“ノニオラ
イトO−40”、共栄社)、ポリオキシエチレングリコ
ールラウレート(商標“ノニオライトL−40”、共栄
社)など。
【0034】−両性界面活性剤;N−アルキル−β−ア
ミノプロピオン酸塩(商標“デリファット151W”、
日本ゼネラル(株)) 上記の第1透水性組成物における各成分の配合比は、
(A)水硬性セメント100重量部に対し、通常(B)
金属系発泡剤0.1〜10重量部程度、(C)硬化促進
剤2〜30重量部および(D)起泡剤0.1〜5重量部
程度である。使用に際しては、これら(A)、(B)、
(C)および(D)成分の合計100重量部に対し、水
40〜90重量部程度を加え、ペースト乃至スラリーを
形成して、予め形成されているトンネル内一次覆工コン
クリート層上に塗布する。塗布手段は、特に限定され
ず、公知の吹付け機による吹付け、こて塗りなどによ
り、行なうことができる。かくして、トンネル内一次覆
工コンクリート層上に、圧縮強度が1kg/cm2 以上
で且つ透水係数が5×10-4cm/sec以上である発
泡多孔性透水層が形成される。
【0035】或いは、本発明における透水層は、(A)
水硬性セメント、(E)セルロース系増粘剤および/ま
たはポリビニルアルコールおよび(F)かさ密度0.6
g/cm3 以下の軽量骨材からなる無機質多孔性組成物
(以下第2透水性組成物ということがある)により形成
しても良い。第2透水性組成物で使用する各成分の詳細
は、以下の通りである。
【0036】(A)水硬性セメントは、第1透水性組成
物と同様である。
【0037】(E)セルロース系増粘剤としては、メチ
ルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロー
ス、メチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、メチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒド
ロキシエチルセルロースなどが挙げられる。
【0038】(F)かさ密度0.6g/cm3 以下の軽
量骨材としては、膨脹パーライト、膨脹頁岩、膨脹バー
ミキュライト、軽石、シリカゲル発泡体、粘土の造粒発
泡体などが挙げられる。軽量骨材の粒径は、特に限定さ
れるものではないが、通常1〜10mm程度である。
【0039】上記の第2透水性組成物における各成分の
配合比は、(A)水硬性セメント100重量部に対し、
通常(E)セルロース系増粘剤0.1〜10重量部程
度、(F)軽量骨材0.3〜1.5m3 程度である。使
用に際しては、これら(A)、(E)および(F)成分
の合計100重量部に対し、水40〜90重量部程度を
加え、ペースト乃至スラリーを形成して、第1透水性組
成物の場合と同様にして、予め形成されているトンネル
内一次覆工コンクリート層上に塗布する。
【0040】本発明における防水層形成材料は、水性系
であって、上記の透水層に密着し得るものであれば、特
に限定されない。その代表的な一例として、(a)重合
性不飽和結合を有するカルボン酸の水溶性塩、ヒドロキ
シアルキル基を有する水溶性セルロース誘導体およびシ
リカ微粉末を含むモノマー溶液中にレドックス重合触媒
の酸化剤を含む第1液と(b)重合性不飽和結合を有す
るカルボン酸の水溶性塩、ヒドロキシアルキル基を有す
る水溶性セルロース誘導体およびシリカ微粉末を含むモ
ノマー溶液中にレドックス重合触媒の還元剤を含む第2
液とからなる水性防水性材料が挙げられる。
【0041】水性防水性材料中の第1液(以下単に第1
液という)においては、重合性不飽和結合を有するカル
ボン酸を水溶性塩の形態で使用する。カルボン酸として
は、アクリル酸およびメタクリル酸が例示され、必要に
応じて、さらにエタクリル酸、クロトン酸、イソクロト
ン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン
酸、メサコン酸などを併用することもできる。水溶性塩
としては、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウ
ム、バリウム、ストロンチウムなど)の塩、亜鉛、アル
ミニウム、ニッケル、ジルコニウムなどの遷移金属の塩
などが例示される。カルボン酸の水溶性塩としては、ア
クリル酸および/またはメタクリル酸のマグネシウム塩
がより好ましい。
【0042】第1液において使用するヒドロキシアルキ
ル基を有する水溶性セルロース誘導体としては、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースなどが例示される。これらの
セルロース誘導体は、主に第1液の増粘剤としての作用
を発揮して、吹付け操作時のミスト発生、塗膜のたれ発
生などを防止する。従って、2重量%の水溶液として、
20℃で4000〜100000cps 程度(ブルックフ
ィールド粘度計による;以下同じ)、より好ましくは1
0000〜100000cps 程度の粘度を有しているこ
とが、好都合である。
【0043】第1液において使用するシリカ微粉末は、
含水非晶質シリカ、無水シリカなどの任意のもので良
い。この様なシリカは、強度、耐水性などの塗膜物性を
改善する作用を発揮する。この様な作用を発揮するため
には、シリカ微粉末は、一次粒子の粒径として、100
μm以下であることが好ましく、50μm以下であるこ
とがより好ましい。
【0044】第1液は、重合性不飽和結合を有するカル
ボン酸の水溶性塩を5〜90重量%程度(より好ましく
は15〜35重量%程度)、ヒドロキシアルキル基を有
する水溶性セルロース誘導体を0.1〜2.0重量%程
度(より好ましくは0.2〜1.0重量%程度)および
シリカ微粉末を2〜20重量%程度(より好ましくは6
〜12重量%程度)ならびにレドックス重合触媒の酸化
剤を含んでいる。
【0045】レドックス重合触媒の酸化剤としては、公
知のものが使用可能であり、特に制限されないが、具体
的には、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化カリウ
ム、過酸化カルシウム、過酸化バリウム、過酸化アンモ
ニウムなどの過酸化物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリ
ウムなどの過硫酸塩などが例示され、これらの1種また
は2種以上が使用される。第1液中の酸化剤の配合量
は、カルボン酸の水溶性塩の種類および濃度、要求され
る塗膜の硬化速度および強度などに応じて、決定される
が、通常30〜150g/l程度の範囲内にある。
【0046】第1液の粘度は、通常20℃で3000〜
50000cps 程度であり、5000〜200000cp
s 程度であることがより好ましい。
【0047】水性防水性材料中の第2液(以下単に第2
液という)における重合性不飽和結合を有するカルボン
酸の水溶性塩、ヒドロキシアルキル基を有する水溶性セ
ルロース誘導体およびシリカ微粉末の種類、濃度など
は、第1液におけると同様で良い。
【0048】第2液に含まれるレドックス重合触媒の還
元剤としては、公知のものが使用可能であり、特に制限
されないが、具体的には、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、ジ
メチルアミノプロピオニトリルアミン、ジメチルアミノ
エタノール、ジメチルアミノプロパノール、ピペラジ
ン、モルホリンなどのアミン類;硫酸第1鉄、塩化第1
鉄、臭化第1鉄などの第1鉄塩;亜硫酸ナトリウム、亜
硫酸カリウム、亜硫酸リチウムなどの亜硫酸塩;チオ硫
酸鉄、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウムなどのチ
オ硫酸塩;チオ尿素、エリソルビン酸ナトリウム、ジメ
チルアニリンなどが例示され、これらの1種または2種
以上が使用される。第2液中の還元剤の配合量は、カル
ボン酸の水溶性塩の種類および濃度、要求される塗膜の
硬化速度および強度などに応じて、決定されるが、通常
1〜50g/l程度の範囲内にある。
【0049】第2液の粘度は、通常20℃で3000〜
50000cps 程度であり、5000〜200000cp
s 程度であることがより好ましい。
【0050】本発明で使用する水性系防水材料は、上記
の第1液と第2液とからなる。使用に際しては、前記の
透水層の表面に第1液と第2液とを同時に吹き付けて、
防水層を形成させる。第1液と第2液とは、等量である
必要はなく、状況に応じて必要な割合で使用すれば良
い。吹付け方法は、特に限定されず、吹付け機などの公
知の装置を使用して行なえば良い。かくして、防水層に
対する付着強度が0.1kg/cm2 以上で透水係数が
1×10-6cm/sec以下である水性系防水層が形成
される。なお、本願明細書においては、防水層に対する
付着強度は、JIS K 5400に準拠して測定した
値を示す。
【0051】次いで、上記で形成された防水層上に二次
覆工コンクリートを打設することにより、本発明による
トンネル内壁覆工構造が形成される。二次覆工コンクリ
ート層は、常法に従って行なえば良く、例えば、先ず覆
工用の型枠を設置する。型枠としては、木製、鋼製など
の材料枠を用いて、組立て式或いは移動式型枠を据え付
けた後、通常は圧送ポンプを使用する機械により、コン
クリート打ち込みを行なう。このコンクリートを約1日
養生硬化させた後、型枠を脱型して、二次覆工コンクリ
ート層を形成させる。
【0052】なお、本発明で使用する第1および第2透
水性組成物ならびに水性系防水材料には、それぞれの性
状を阻害しない範囲で、必要に応じて、種々の公知の添
加物を配合することを妨げない。第1透水性組成物に配
合する代表的な添加物としては、有機および無機の繊
維、軽量骨材、増粘剤、増量材(粉体、骨材等)、水性
エマルジョンなどが挙げられる。また、第2透水性組成
物に配合する添加物も、軽量骨材を除いて、第1透水性
組成物に対する添加材と同様である。また、水性系防水
材料に配合する代表的な添加物としては、増粘剤、凍結
防止剤、消泡剤、レベリング剤などが挙げられる。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、以下の様な顕著な効果
が達成される。
【0054】本発明のトンネル内壁覆工構造において
は、多孔性の透水層は、防水層の下地処理層としての効
果をも発揮して、一次覆工コンクリート面の凹凸を平滑
化し、防水層の密着性および均一性を高め、経済性を向
上させる。
【0055】また、最初に形成された多孔質の透水層表
面に水性系防水材料が吹付けられて防水層が形成される
ので、透水層中に防水層が入り込んだ構造となってお
り、両層は界面近傍においては、いわば一体連続化され
ている。
【0056】この様な本発明によるトンネル内壁覆工構
造によれば、地山からの浸出水を良好にシールすること
ができるので、二次覆工コンクリート側への漏水を効果
的に防止するとともに、一次覆工コンクリートと二次覆
工コンクリートとの体積減少の差異により生じる二次覆
工コンクリートのクラック発生を防止することができ
る。
【0057】作業の機械化が容易なので、作業効率が著
しく改善される。
【0058】可燃性材料を使用しないので、火災の危険
性がない。
【0059】吹き付け作業時に材料の飛散が少なく、作
業環境の劣化が防止される。
【0060】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。
【0061】なお、以下の実施例および比較例における
試験は、図1、2および3に断面図として示す手順で試
料を作成して行なった。
【0062】即ち、上面を開放した箱状(1m×1m×
0.2m)の型枠1の底部にパイプ2(内径15mm×
長さ200mm;型枠内の長さ50mm)を取り付けた
後、パイプ2の上端まで一次覆工コンクリート3として
硬練りのコンクリートを凹凸を設けて打設した。コンク
リート3が硬化した後、所定の透水層および/または防
水層4をその表面に施工した。次いで、透水層および/
または防水層4の上に二次覆工コンクリート5を打設し
た。二次覆工コンクリート5としては、防水層の効果を
確認するために、水を比較的透過させ易い軽量コンクリ
ートを使用した。 二次覆工コンクリート5が硬化した
後、型枠を取り外し、得られた正方形の硬化体7(断面
図として示す図4参照)の1辺を下にして直立させ、パ
イプ2に水容器6を取り付け、透水層および/または防
水層4に水圧を加えて、その透水状況を観察した。
【0063】実施例1一次覆工コンクリートの形成 型枠1内に常法に従って一次覆工コンクリート3を形成
させた。
【0064】透水層の形成 ポルトランドセメント20kg、金属アルミニウム粉末
200g、硫酸カルシウム400g、膨脹パーライト2
kgおよび起泡剤として両性界面活性剤(商標“デリフ
ァット151W”、日本ゼネラルミル(株)製)100
gおよび水15kgからなるペーストを上記の一次覆工
コンクリート3の表面に吹き付け、発泡させて、本発明
による透水層(約10mm)を形成させた。
【0065】この透水層の圧縮強度は3.3kgf/c
2 であり、透水係数は5×10-3cm/secであっ
た。
【0066】防水層の形成 35%アクリル酸マグネシウム水溶液1000g、ヒド
ロキシエチルセルロース4g、炭酸カルシウム75gお
よび二酸化ケイ素85gからなる水溶液を調製し、その
466gに30%過流酸ナトリウム水溶液140gを配
合してA液とし、534gに10%エリソルビン酸ナト
リウム56gを配合してB液とした。
【0067】次いで、上記の発泡透水層の上にA液およ
びB液からなる防水材料を吹き付けたところ、数秒で防
水層(約2mm)が形成された。この防水層の透水層に
対する付着強度は0.4kgf/cm2 であり、透水係
数は10-12 cm/sec以下であった。
【0068】二次覆工コンクリートの形成 上記防水層の上に常法に従って軽量コンクリートを打設
して二次覆工コンクリート5を形成させた。
【0069】透水状況 次いで、図4に示す様に、直立させた硬化体7のパイプ
2に水の容器6(容量30リットル)を取り付けて、放
置したところ、硬化体7の下端から水が滲み出してき
た。これに対し、二次覆工コンクリート5の表面から
は、水の滲み出しは認められなかった。
【0070】実施例2 ポルトランドセメント10kg、膨脹パーライト5k
g、増粘剤としてのエチルセルロース100gおよび水
9kgからなる軽量パーライトモルタルにより透水層を
形成する以外は実施例1と同様にして硬化体7を調製し
た。
【0071】得られた透水層の圧縮強度は、8.2kg
f/cm2 であり、透水係数は、7×10-2cm/se
cであった。
【0072】この様にして得られた硬化体も、実施例1
のそれと同様の優れた透水性を発揮した。
【0073】比較例1 防水層を形成しない以外は実施例1と同様にして硬化体
を得た。但し、透水層の形成2日後に二次覆工コンクリ
ートを打設した。
【0074】得られた硬化体を使用して実施例1と同様
の試験を行なったところ、下端からだけではなく、二次
覆工コンクリートの表面からも水が滲み出してきた。
【0075】比較例2 ポルトランドセメント20kg、金属アルミニウム粉末
5g、膨脹パーライト1kg、メチルセルロース100
gおよび水10kgからなるペーストを一次覆工コンク
リート3の表面に吹き付け、発泡させて、透水層(約1
2mm)を形成させた。
【0076】透水層の圧縮強度は53kgf/cm2
あり、透水係数は4×10-6cm/secであった。透
水層の形成2日後に二次覆工コンクリートを打設した。
【0077】得られた硬化体を使用して実施例1と同様
の試験を行なったところ、12時間後には透水層からの
水の滲み出しは認められず、二次覆工コンクリートの表
面からも、水の滲み出しは認められなかった。
【0078】比較例3 透水層を形成することなく、厚さ約2mmの防水層を形
成する以外は実施例1と同様にして硬化体を得た。但
し、防水層の形成2日後に二次覆工コンクリートを打設
した。
【0079】得られた硬化体を使用して実施例1と同様
の試験を行なったところ、水容器6における水位の低下
は殆ど認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における型枠への一次覆工コンクリート
の打設過程を示す断面図である。
【図2】実施例における型枠内での透水層および防水層
の形成過程を示す断面図である。
【図3】実施例における型枠内での二次覆工コンクリー
トの打設過程を示す断面図である。
【図4】実施例で得られた硬化体の透水性試験方法を示
す断面図である。
【符号の説明】
1…型枠 2…パイプ 3…一次覆工コンクリート 4…透水層および防水層 5…二次覆工コンクリート 6…水容器 7…硬化体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 22:14 A 14:18 24:00) (72)発明者 蔵野 章夫 大阪府大阪市此花区伝法4丁目3番55号株 式会社鴻池組技術研究所内 (72)発明者 上村 和也 大阪府大阪市此花区伝法4丁目3番55号株 式会社鴻池組技術研究所内 (72)発明者 木佐 一伸 大阪府大阪市此花区伝法4丁目3番55号株 式会社鴻池組技術研究所内 (72)発明者 元木 英男 大阪府茨木市清水町1丁目25番10号エスケ ー化研株式会社内 (72)発明者 流谷 重博 大阪府茨木市清水町1丁目25番10号エスケ ー化研株式会社研究所内 (72)発明者 高橋 英二 大阪府茨木市清水町1丁目25番10号エスケ ー化研株式会社研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)トンネル内一次覆工コンクリート層
    と、(2)圧縮強度が1kg/cm2以上で透水係数が
    5×10-4cm/sec以上である透水層と、(3)透
    水層に対する付着強度が0.1kg/cm2 以上で透水
    係数が1×10-6cm/sec以下である水性系防水層
    と、(4)二次覆工コンクリート層とを順次積層してな
    るトンネル内壁覆工構造。
  2. 【請求項2】透水層が、(A)ポルトランドセメント、
    (B)金属系発泡剤、(C)アルカリ金属の硫酸塩、二
    価金属のオルトリン酸塩、二価金属の炭酸水素塩、アル
    カリ土類金属の塩化物、アルカリ土類金属の硝酸塩、ア
    ルカリ土類金属の水酸化物およびアルカリ土類金属の塩
    基性炭酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の硬
    化促進剤および(D)連通気孔を形成し得る起泡剤を必
    須成分とする無機質常温発泡性組成物から得られる発泡
    層であり、水性系防水層が、(a)重合性不飽和結合を
    有するカルボン酸の水溶性塩、ヒドロキシアルキル基を
    有する水溶性セルロース誘導体およびシリカ微粉末を含
    むモノマー溶液中にレドックス重合触媒の酸化剤を含む
    第1液と(b)重合性不飽和結合を有するカルボン酸の
    水溶性塩、ヒドロキシアルキル基を有する水溶性セルロ
    ース誘導体およびシリカ微粉末を含むモノマー溶液中に
    レドックス重合触媒の還元剤を含む第2液とを混合反応
    させて得られる高分子防水塗膜である請求項1に記載の
    トンネル内壁覆工構造。
  3. 【請求項3】透水層が、(A)ポルトランドセメント、
    (E)セルロース系増粘剤および/またはポリビニルア
    ルコールおよび(F)かさ密度0.6g/cm3 以下の
    軽量骨材からなる無機質多孔性組成物から得られる多孔
    性層であり、水性系防水層が、(a)重合性不飽和結合
    を有するカルボン酸の水溶性塩、ヒドロキシアルキル基
    を有する水溶性セルロース誘導体およびシリカ微粉末を
    含むモノマー溶液中にレドックス重合触媒の酸化剤を含
    む第1液と(b)重合性不飽和結合を有するカルボン酸
    の水溶性塩、ヒドロキシアルキル基を有する水溶性セル
    ロース誘導体およびシリカ微粉末を含むモノマー溶液中
    にレドックス重合触媒の還元剤を含む第2液とを混合反
    応させて得られる高分子防水塗膜である請求項1に記載
    のトンネル内壁覆工構造。
  4. 【請求項4】トンネル内一次覆工コンクリート吹付け面
    に圧縮強度が1kg/cm2 以上で透水係数が5×10
    -4cm/sec以上である透水層を形成し得る透水性材
    料を吹付け施工し、次いで透水層に対する付着強度が
    0.1kg/cm2 以上で透水係数が1×10-6cm/
    sec以下である水性系防水層を形成し得る水性系防水
    材料を吹付け施工した後、さらに二次覆工コンクリート
    を打設することを特徴とするトンネル内壁覆工工法。
  5. 【請求項5】透水性材料が、(A)ポルトランドセメン
    ト、(B)金属系発泡剤、(C)アルカリ金属の硫酸
    塩、二価金属のオルトリン酸塩、二価金属の炭酸水素
    塩、アルカリ土類金属の塩化物、アルカリ土類金属の硝
    酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物およびアルカリ土類
    金属の塩基性炭酸塩からなる群から選ばれた少なくとも
    1種の硬化促進剤および(D)連通気孔を形成し得る起
    泡剤を必須成分とする無機質常温発泡性組成物であり、
    水性系防水材料が、(a)重合性不飽和結合を有するカ
    ルボン酸の水溶性塩、ヒドロキシアルキル基を有する水
    溶性セルロース誘導体およびシリカ微粉末を含むモノマ
    ー溶液中にレドックス重合触媒の酸化剤を含む第1液と
    (b)重合性不飽和結合を有するカルボン酸の水溶性
    塩、ヒドロキシアルキル基を有する水溶性セルロース誘
    導体およびシリカ微粉末を含むモノマー溶液中にレドッ
    クス重合触媒の還元剤を含む第2液とからなる請求項4
    に記載のトンネル内壁覆工工法。
  6. 【請求項6】透水性材料が、(A)ポルトランドセメン
    ト、(E)セルロース系増粘剤および/またはポリビニ
    ルアルコールおよび(F)かさ密度0.6g/cm3
    下の軽量骨材からなる無機質多孔性組成物であり、水性
    系防水材料が、(a)重合性不飽和結合を有するカルボ
    ン酸の水溶性塩、ヒドロキシアルキル基を有する水溶性
    セルロース誘導体およびシリカ微粉末を含むモノマー溶
    液中にレドックス重合触媒の酸化剤を含む第1液と
    (b)重合性不飽和結合を有するカルボン酸の水溶性
    塩、ヒドロキシアルキル基を有する水溶性セルロース誘
    導体およびシリカ微粉末を含むモノマー溶液中にレドッ
    クス重合触媒の還元剤を含む第2液とからなる請求項4
    に記載のトンネル内壁覆工工法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI579325B (zh) * 2013-11-18 2017-04-21 積水化成品工業股份有限公司 複合粒子、複合粒子的製造方法及其用途
WO2018029051A1 (de) * 2016-08-10 2018-02-15 Interbran Systems Ag Drainageputz
US10876010B2 (en) 2013-11-13 2020-12-29 Sekisui Kasei Co., Ltd. Composite particles, method for producing composite particles, and use thereof

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