JP5132599B2 - トンネル構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、主に、トンネル工事の吹付け材料、吹付け工法、及びそれを用いたトンネル構造に関する。
地山を掘削して構築する鉄道トンネルや道路トンネル等は、NATM工法で建造するのが一般的である。NATM工法は、ロックボルトを介して地山に吹付け施工した1次覆工コンクリートと、トンネルの内周面となる2次覆工コンクリートとの間に、防水シート材を介在させて、1次覆工コンクリート側からの湧水等が2次覆工コンクリート側に漏れ出ることを防止している。また、防水シート材は、地山の動きや2次覆工コンクリートの地山への拘束等によるひび割れが防止できるという効果も付与する。
防水シート材は、シートの片面に不織布等の通水性並びに緩衝性を有する裏面緩衝材を接合したものが一般的である。裏面緩衝材に求められる通水性は湧水等をトンネルの両側部へ導いてトンネル底面から排水するために必要であり、緩衝性は、例えば、1次覆工コンクリート表面の凹凸やロックボルトなどの突起物から防水シートを保護するために必要になる。
しかし、湧水中には土砂が含まれていることが多いため、湧水を防水シート材の裏面緩衝材(不織布)に長期にわたって通した場合、不織布の繊維間に土砂が入り込んで通水経路を塞ぎ、裏面緩衝材の通水機能が損なわれ、湧水の滞留を招くという課題があった。
さらに、2次覆工コンクリート打設の際の圧力により裏面緩衝材が押しつぶされて不織布の繊維間の空間が失われるため、この場合も裏面緩衝材の通水機能が損なわれるという課題もあった。
近年のNATM工法において、2次覆工コンクリートの施工強度を高めるために、例えば、鋼繊維などの補強繊維を混入したコンクリートを吹き付ける施工が行われているが、この施工では1次覆工コンクリートの表面に補強繊維が露出してしまう。そして、この1次覆工コンクリートの表面を防水シート材で覆う際に、コンクリート表面から露出する補強繊維が防水シートの裏面緩衝材(不織布)の繊維間を抜けて防水シートにまで達し、防水シートに突き刺ささり、防水性が阻害されるこという課題もあった。
このような問題を解決する目的で、不規則に方向を変えた多数の連続線状体が、その交差点でうねり状凹凸を有するシート網状体を不透水性シートに積層した防水シート(特許文献1)や、防水シートの片面の少なくとも一部に、凹凸(1〜30mm)加工が施されたシートによる排水緩衝材を接合した防水シート材が提案されている。(特許文献2)。
しかしながら、特許文献1では、1次覆工コンクリートの表面に補強繊維が露出している場合、その補強繊維が線状体間を抜けて防水シートに刺さる問題は、依然として残されたままであり、さらに、コンクリート粗骨材の砂利石が防水シートに当たった場合のように、シート網状体の綱目に局所的な応力が作用した場合に、十分な緩衝効果を得ることができず、一次覆工コンクリートも防水性がないことから二次覆工コンクリート側へ水が侵入するといった問題である。また、特許文献2では、凹凸加工されているため防水性が失われるといった問題は低減すると考えられるが、凸部の点で地山の荷重を支えることになるので、地震等により大きな崩壊があった場合に十分に緩衝効果をえることができず、特許文献1と同様な課題が残る。予め成型された防水シート材を介在させる方法以外にも、不織布表面に常温加硫型ゴム系エマルジョン等を吹き付けて皮膜層を形成させる方法(特許文献3)や、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとブロックアミンを含有する湿気硬化型一液防水材を吹付けて被覆層を形成させる方法(特許文献4)が提案されている。これらは、有機系樹脂を吹き付けて被覆層を形成させるものであり、樹脂の飛散による皮膚のかぶれや、吸入による中毒といった健康障害の問題がある。
以上の方法は、トンネル構造体を構築するにあたって、作業工程が増え、費用もかかることになる。また、従来は、防水シート材を介在することが一般的であり、一次覆工コンクリートの防水性を向上する試みはなされていない。防水シート材があっても地山の変状などで一次覆工コンクリートにひび割れが発生した際、漏水によって本来の機能の寿命が短くなっているのが実情である。
一次覆工コンクリートの防水性が向上すれば、防水シート材を介在する必要がなく、地山の動きや2次覆工コンクリートの地山への拘束等によるひび割れが防止できれば、通水機能の必要性は重要視されなくなる。防水性を向上させる方法として撥水剤や膨張材の使用が考えられるが、従来の吹付材料(特許文献5、6)や、特定の粉じん低減剤を用いる吹付け材料(特許文献7)、液体急結剤、膨張材、セメントコンクリートからなる吹付け材料(特許文献8)等には、防水性についての記載や示唆はない。
特開昭63−315799号公報 特開2001−214698号公報 特開2003−148095号公報 特開平9−112195号公報 特開2006−182617号公報 特開2007−99608号公報 特開2005−154240号公報 特開2005−60201号公報
本発明は、一次覆工コンクリートの防水機能を高め、トンネル構造体としての防水機能の延命化を図るとともに、防水シート材を介在しなくても十分な防水機能および二次覆工コンクリートのひび割れ防止機能を有する安価で新たなトンネル構造体を提供する。
本発明は、(1)一次覆工コンクリートとして地山の崩落を防止する目的で吹き付けた下記の)又は()の吹付け材料が硬化した後に、防水シート材を介在又は介在しないで、二次覆工コンクリートを打設するトンネル構造体、(A)セメント、急結剤、セメント100質量部に対して撥水剤0.3〜10質量部、及び骨材を含有する吹付け材料、(B)自己治癒物質を含有する(A)の吹付け材料、)一次覆工コンクリートを形成後、防水シート材を介在しない場合において、シラン系塗布剤、固形分濃度35%以上のポリマーエマルジョン、及びパラフィン系エマルジョンの中のいずれかを塗布し皮膜を形成後、二次覆工コンクリートを打設する()のトンネル構造体、()吹き付けて形成された一次覆工コンクリートと、防水シート材を介在しないで打設して形成された二次覆工コンクリートの界面の付着強度が0.5N/mm未満であり、通水性を有する()又は()のトンネル構造体、である。
本発明の吹付け材料、吹付け工法に依れば、防水性に優れた一次覆工コンクリートを構築することができ、防水シート材を介在した場合も、漏水が低減されることからトンネル全体の防水機能の延命化を図ることができる。また、防水シートを介在しない場合は、二次覆工コンクリートとの付着性がほとんどなく、コンクリートの特性である硬化収縮によって、小さな隙間ができることから地山の拘束による二次覆工コンクリートのひび割れも発生しにくく、通水性も有することから、本来の防水シートに求められる機能を維持することができる。さらに、防水シート材を無くすことができるので、トンネル建設を低コストで実現できる等の効果を奏する。
以下、本発明を詳しく説明する。
なお、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
本発明で使用するセメントは、普通、早強、中庸熱、低熱、耐硫酸塩性、及び白色等の各種ポルトランドセメント、高炉スラグや通常のフライアッシュをポルトランドセメントに混合した混合セメント、エコセメント、超早強セメントや急硬セメント等である。また、これらのセメントの複数を任意量混合したセメントも使用できる。
本発明で使用する急結剤は、一般に市販されているものいずれも使用可能である。例えば、カルシウムアルミネート系、カルシウムサルホアルミネート系、水溶性アルミニウム塩系、アルミン酸塩系、ケイ酸塩系等が挙げられる。急結剤の形態は、粉体状、液体状、スラリー状いずれも使用可能である。
本発明で使用する撥水剤とは、市販されているものであれば特に限定されない。水と接すると接触角を大きくし水を弾く性質を付与する物質である。例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、及びオレイン酸から選択される脂肪酸のアルミニウム、マグネシウム、カルシウム、又は亜鉛塩や、一般式RnSiX4-nで表される有機ケイ素化合物、ここで、Rはアルキル基、アリール基、アリル基を表し、Xは加水分解してシラノール基を生成する官能基である、アルコキシル基、アセトキシ基、ケトオキシム基、アミド基、アミノ基、ビニルエーテル基、ハロゲン原子を表す。nは1〜3の整数を表す。また、nが2以上の場合、Rは同じであっても異なっていても良い。また、Rはアルキル基、アリール基、アリル基に含まれる水素をフッ素に置換したものでも構わない。nが2以下の場合、Xは同じであっても異なっていても良い。有機ケイ素化合物の官能基(X)は、加水分解してシラノール基となり、ケイ酸カルシウム水和物などが有するシラノール基と化学結合してシロキサン結合を形成し、空気に触れる表面では親油性のRとなることで撥水性が発現する。好ましくは、ステアリン酸類や有機ケイ素化合物であり、有機ケイ素化合物の中で特に好ましく用いられるものは、アルキルアルコキシシラン類である。また、フッ素を含有する物質も使用できる。
撥水剤の使用量は、セメント100部に対して0.3〜10部であり、0.5〜7部がより好ましい。0.3部未満では、十分な撥水機能を付与することができない場合があり、10部を超えると強度発現性に支障をきたす場合がある。
本発明で使用する骨材とは、通常市販されているものであれば特に限定するものではない。例えば、川、海、山(陸)より産出する骨材や、フライアッシュバルーン、廃ガラスを焼成発泡したもの、シラスバルーン、黒曜石を焼成発泡したもの等の各種軽量骨材、密度が3g/cmを超えるような重量骨材、樹脂骨材等が使用できる。
本発明の効果を損なわない範囲で下記に示す各種混和剤を用いることができる。
減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤や、セルロースエーテル類、ポリエチレンオキサイド類、多糖類などの増粘剤、消泡剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、高分子エマルジョン、凝結促進剤、凝結遅延剤、高分子凝集剤、ベントナイトなどの粘土鉱物やハイドロタルサイトなどのアニオン交換体などの各種添加剤、高炉水砕スラグ微粉末や高炉徐冷スラグ微粉末や石灰石微粉末やフライアッシュやシリカフュームなどの混和材料などが挙げられる。
本発明の自己治癒物質とは、クラックが入り漏水した場合、3mm程度のひび割れ幅以下であれば膨張材や結晶成長作用を示す物質の水和によってひび割れ部に析出物が生じ止水性能を発揮するものである。
膨張材とは、コンクリートにケミカルプレストレスを導入することでひび割れ抵抗性を改善する目的で使用しているものである。結晶成長作用を示す物質とは、微細シリカ、水ガラス、及び珪弗化マグネシウム、又はマグネシア並びにシリカを含んだ珪弗化物の少なくとも1種からなる水溶性珪弗化物を含有したもの、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムを含有したもの、粘土鉱物を含有するもの、炭酸塩を含有するものなどが挙げられる。
自己治癒物質の使用量は、セメント100部に対して2〜15部が好ましく、5〜10質量部がより好ましい。2部未満では、自己治癒効果が充分発揮できない場合があり、15部を超えても効果が頭打ちとなる。
本発明は、防水機能を有する吹付けコンクリートを吹き付けて一次覆工コンクリートを構築後、防水シート材を介在又は介在しないで二次覆工コンクリートを打設しトンネル構造体を構築するものである。防水シート材としては、従来から使用されているものが使用できる。
防水シート材を介在しない場合は、シラン系塗布剤、固形分濃度35%以上のポリマーエマルジョン
パラフィン系エマルジョンのいずれかを一次覆工コンクリートを形成後、塗布してもよい。目的は、一次覆工コンクリートと二次覆工コンクリートの界面の接着性をより低減することにあり、スプレー、ローラー、刷毛など簡便な方法で施工する。
シラン系塗布剤としては、吹付け材料に混和する撥水剤の成分と同じものが使用できる。
固形分濃度35%以上のポリマーエマルジョンとしては、通常市販されているものが使用できる。例えば、JIS A 6203に示されるセメント混和用ポリマーディスパージョンが使用でき、成分としては、ブタジエン系ラテックス、酢酸ビニル系又はその共重合体系エマルジョン、アクリル酸エステル系又はその共重合体系エマルジョンなどが挙げられる。固形分は35%以上が好ましい。固形分濃度が低いと、コンクリートの接着性が向上し、通水性や二次覆工コンクリートに対する拘束性の軽減効果が低下する場合がある。
パラフィン系エマルジョンとしては、通常市販されているものが使用できる。
これら塗布剤の使用量は、特に限定するものではないが、50〜500g/mが好ましい。50g/m未満であると、より優れた通水性や二次覆工コンクリートに対する拘束性の軽減効果を付与することができない場合があり、500g/mを越えると、コスト高となり効果も頭打ちとなる。
吹き付けて形成された一次覆工コンクリートと、防水シート材を介在しないで打設して形成された二次覆工コンクリートの界面の付着強度は、通水性や二次覆工コンクリートに対する拘束性の軽減効果を付与するために0.5N/mm未満であるのがよい。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明するが、これらに限られるものではない。
「実施例1」
各材料の単位量をセメント400kg/m、細骨材1058kg/m、粗骨材710kg/m、水200kg/m、及び高性能減水剤4kg/mとして、表1に示す量の撥水剤をセメント100部に対し加え、吹付けコンクリートを調製した。この吹付けコンクリートを吹付け圧力0.4MPa、吹付け速度10m/hの条件下で、コンクリート圧送機「MKW−25SMT」によりポンプ圧送した。急結剤を合流するY字管から3m後方の位置で圧縮空気を導入してコンクリートを空気搬送した。Y字管の一方より、急結剤を空気圧送しセメントコンクリートに合流混合させて吹き付けた。急結剤の添加率は10%になるように調整した。この急結性吹付けコンクリートについてコンクリート圧縮強度、透水性、付着性、通水性を評価した。結果を表1に示す。
(使用材料)
セメント:電気化学工業(株)社製 普通ポルトランドセメント、密度3.16g/cm
細骨材:新潟県姫川産川砂、5mm以下、密度2.62g/cm
粗骨材:新潟県姫川産川砂、Gmax10、密度2.66g/cm
高性能減水剤:ポリカルボン酸系、市販品
撥水剤A:アルキルアルコキシシラン系撥水剤、市販品
撥水剤B:ステアリン酸カルシウム、市販品
急結剤:カルシウムサルホアルミネート系急結剤、市販品
(試験方法)
圧縮強度:コンクリート圧縮強度:材齢24時間の圧縮強度は、幅25cm×長さ25cmのプルアウト型枠に設置したピンを、プルアウト型枠表面から急結性吹付けコンクリートで被覆し、型枠の裏側よりピンを引き抜き、その時の引き抜き強度を求め、(圧縮強度)=(引き抜き強度)×4/(供試体接触面積)の式から圧縮強度を算出した。材齢28日の圧縮強度は、幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmの型枠に急結性吹付けコンクリートを吹付け、採取した直径5cm×長さ10cmの供試体を20トン耐圧機で測定し、圧縮強度を求めた。
透水性:材齢28日後の吹付けコンクリートブロックの吹付け面に直径10cm×高さ30cmの円筒状の容器(下面は直接吹付けコンクリート表面に接する)をシリコンシールで固定し、赤色顔料で染色した水を満タンになるまで注ぎ、24時間放置し透水させた。その後、コアドリルで透水箇所をコアリングし、耐圧機で割裂し、表面からの透水深さ(染色された領域の深さ)を測定した。割裂した幅を5分割し透水深さを求め、平均値で示した。
付着強度:実施例1の急結剤を添加しないコンクリートを厚さ20cm×縦40cm×横40cm型枠に打設し、材齢28日気中養生した。そのコンクリート表面に厚さ10cm程度となるように1次覆工コンクリートを吹付け、材齢28日間気中養生後、建研式付着力試験器で付着強度を測定した。引き抜き径は10cmとした。
通水性:吹き付けた一次覆工コンクリートと打設した二次覆工コンクリートの界面が中心となるように10×10×10cmとなるように切り出した。切り出す前のブロックサイズは付着強度試験と同じ。
打ち継ぎ界面を上下とし他の4側面はエポキシ樹脂でシールし、上面に10×10×10cmとなるように枠を貼り付けシリコンシールを行った。枠内に水を注水し24時間後に下面から水が染み出しているかどうかを観察した。
Figure 0005132599
「実施例2」
撥水剤Aの量をセメント100部に対して2.0部とし、表2に示す量の自己治癒物質をセメント100部に対して加えたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
(使用材料)
自己治癒物質A:カルシウムサルホアルミネート系防水型膨張材、市販品
自己治癒物質B:ケイ酸塩系防水材、市販品
(試験方法)
自己治癒能力試験:10×10×40cmの型枠にかぶりが2cmとなるようにD13の鉄筋を固定した。その型枠にコンクリートを吹付けて試験体を採取した。材齢7日後、かぶり2cm側が下面となるように曲げ試験を行い、ひび割れを発生させた。その試験体を水中に浸漬させひび割れが塞がるかどうかを観察した。1ヶ月後に水中から取り出し、実施例1では2次覆工コンクリートを模擬したコンクリートと吹付けコンクリートの界面での通水性を評価しているが、ここでは、曲げ試験によって発生した吹付けコンクリート自体のひび割れが塞がるかどうかを実施例1の通水性試験と同じ方法で観察した。
Figure 0005132599
「実施例3」
実験No.1-5と2-3の配合の吹付けコンクリートを縦40cm×横40cm×高さ10cmになるように吹き付けた。それぞれの吹付けコンクリート面に対して、表3に示す塗布剤を200g/mとなるように塗布し皮膜を形成させた。次に、急結剤を添加しない各コンクリートを10cm打設し、28日間気中養生した。評価試験は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
(使用材料)
シラン系塗布剤(S):恒和化学社製、コンフィックスSM−9
ポリマーエマルジョン(SBR):電気化学工業社製、RIS211S 固形分濃度45%
パラフィン系エマルジョン(P):BASF・ポゾリス物産社製、マスターキュアー106
Figure 0005132599
「実施例4」
実際のトンネルで実験No.1-1、1-5、2-3の吹付けコンクリートで一次覆工を行った。約1年間そのままの状態で観察したところ、実験No.1-1は幅0.4mm程度のクラックが発生し漏水が認められた。実験No.1-5は幅0.5mm程度のクラックが発生したが漏水は認められなかった。さらに、実験No.2-3はクラックが発生しなかった。ただし、2年後観察した結果、幅0.4mm程度のクラックが発生し漏水の跡が認められた。しかし、漏水箇所は塞がった状態であった。
「実施例5」
実際のトンネルで実験No.1-5、2-3の吹付けコンクリートで一次覆工を行った。約1ヶ月後、二次覆工コンクリートを打設し、約1年後にφ10cmでコアリングした。その結果、抜いたコアを取り出すとき、既に一次覆工と二次覆工コンクリートの界面で剥がれている状態であった。
「実施例6」
実際のトンネルで実験No.1-5、2-3の吹付けコンクリートで一次覆工を行った。約1ヶ月後、二次覆工コンクリートを打設し、約1年後にφ10cmでコアリングした。コアリングした箇所に水を注水し、1m地面側に離れた箇所をコアリングし、コアを取り出したところ、一次覆工と二次覆工の界面で剥がれ、界面は明らかに濡れた状態を示していた。従って、注水した箇所から水が地面側への通水したことが分かった。
本発明の吹付け材料、吹付け工法は、トンネル建設における防水性の高い一次覆工コンクリートとして利用でき、防水シート材を介在しないで二次覆工コンクリートと複合された構造としたときも、通水性も阻害せず、地山の拘束によるひび割れの発生も抑制できるので従来のトンネル構造としての機能を損なわず低コストなトンネル構造の構築に利用できる。

Claims (3)

  1. 一次覆工コンクリートとして地山の崩落を防止する目的で吹き付けた下記の(A)又は(B)の吹付け材料が硬化した後に、防水シート材を介在又は介在しないで、二次覆工コンクリートを打設することを特徴とするトンネル構造体。
    (A)セメント、急結剤、セメント100質量部に対して撥水剤0.3〜10質量部、及び骨材を含有する吹付け材料
    (B)自己治癒物質を含有する(A)の吹付け材料
  2. 一次覆工コンクリートを形成後、防水シート材を介在しない場合において、シラン系塗布剤、固形分濃度35%以上のポリマーエマルジョン、及びパラフィン系エマルジョンの中のいずれかを塗布し皮膜を形成後、二次覆工コンクリートを打設することを特徴とする請求項記載のトンネル構造体。
  3. 吹き付けて形成された一次覆工コンクリートと、防水シート材を介在しないで打設して形成された二次覆工コンクリートの界面の付着強度が0.5N/mm未満であり、通水性を有することを特徴とする請求項又は記載のトンネル構造体。
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