JP2004115646A - 止水剤 - Google Patents

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Tamiichiro Omote
面 民一郎
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Abstract

【課題】従来の(メタ)アクリル酸系の注入型止水剤を改良した上記「MS−6」型非ウレタン系溶液タイプの止水剤が有する課題を解決できる、すなわちゲルの不凍性を向上し、またその弾力性をさらに改善することが可能な止水剤を提供する。
【解決手段】ポリエチレングリコールモノメタクリレート55〜67質量%、ポリエチレングリコールジアクリレート25〜30質量%、水5〜15質量%からなる混合物100重量部に、防凍剤120〜200重量部、還元剤30〜60重量部、酸化剤5〜30重量部、水300〜450重量部を混合して調製した組成物を含有する。あるいは、上記混合物100重量部に、アクリル酸マグネシウム(30%水溶液)90〜120重量部、還元剤30〜60重量部、酸化剤5〜30重量部、水420〜650重量部を混合して調製した組成物を含有する。
【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室温で数分以内という短時間で、水に不溶な弾性ゲルに硬化し得る重合性物質からなる止水剤に係り、詳しくは、コンクリート構造物の壁面や洞道内に敷設されているケーブルの管路口など、さまざまな部位に発生する漏水箇所に適用されて漏水を防止する止水剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、止水材料としては、シート状、板状、液状、スラリー状など、さまざまなものが知られている。これらのうち、既設構造物のコンクリートクラックや打ち継ぎ不良などに起因する漏水部への止水剤としては、液状やスラリー状などの注入タイプが主流である。注入タイプは成分的に見ると、セメント系、エポキシ系、ポリウレタン系、(メタ)アクリル酸系などに分類される。このうち、セメント系、エポキシ系、ポリウレタン系の止水剤は、硬化後におけるコンクリート、木材、金属等からなる漏水部の材料との接着力が強く、漏水部の材料の温度や振動等の外的環境条件の変化に追随しきれず、接着部から新たな漏水のクラックが生じたり、また特にセメント系材料では、自己収縮によるクラック生成が頻繁に起こるという難点がある。
【0003】
他方、このような難点を考慮して、(メタ)アクリル酸系の注入型止水剤が開発され、使用されている。例えば、特開昭58−206680号公報には、一般式(a)
(a)…CH=C(R)−COO(CHCHO)
式中、R:水素原子またはメチル基、m:2以上の整数
で表される化合物の単独もしくは混合物100重量部に対して、一般式(b)
(b)…CH=C(R)−COO(CHCHO)C(O)−C(R)=CH式中、R,R:水素原子またはメチル基、n:2以上で50以下の整数
で表される化合物の単独もしくは混合物20〜150重量部の混合物に重合触媒を添加して水溶液系で用いるようにした止水剤が開示されている。重合触媒には、通常のレドックス触媒を使用している。
【0004】
この公報記載の技術をもとにして製品化したものとして、三井化学株式会社製の「MS−6(商品名)」型非ウレタン系溶液タイプの止水剤が知られている。その組成は、製品安全データシートによれば、ポリエチレングリコールモノメタクリレート63重量%、ポリエチレングリコールジアクリレート27重量%、水10重量%である。そのゲルは上記欠点の多くを解決するものである。すなわち、生成したゲルの難漿がなく、耐久性があり、その化学的安全性が高く、ゲル硬化物の掘削性および切削性も良好である。
【0005】
【特許文献1】
特開昭58−206680号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この止水剤にあっても、反応してゲル化したもの自体に、かなりの欠点があった。例えば、ゲルの弾力性が乏しく、いわゆる硬くてもろいため、温度サイクルや外部応力により割れや再漏水のおそれがあって、実用上の問題があった。すなわち、上記「MS−6」にあっては、第1に、生成したゲルは不凍性に劣り、低温環境下での止水効果を期待することはできなかった。硬化したゲルの不凍性は、冷凍庫を使用して−20℃程度で2週間保管する方法で、凍結が起こらず、また常温に戻したときに元のゲル性状が維持されるか否かで判断した。また第2に、硬化後のゲルの弾力性が、改善されたとはいえ十分であるとは言えず、コンクリート構造物等の躯体の伸縮などの変形に対し、依然として追随し難いという問題が残っていた。
【0007】
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、従来の(メタ)アクリル酸系の注入型止水剤を改良した上記「MS−6」型非ウレタン系溶液タイプの止水剤が有する課題を解決できる、すなわちゲルの不凍性を向上し、またその弾力性をさらに改善することが可能な止水剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる止水剤は、ポリエチレングリコールモノメタクリレート55〜67質量%、ポリエチレングリコールジアクリレート25〜30質量%、水5〜15質量%からなる混合物100重量部に、防凍剤120〜200重量部、還元剤30〜60重量部、酸化剤5〜30重量部、水300〜450重量部を混合して調製した組成物を含有することを特徴とする。
【0009】
また、前記防凍剤に、アルカリ金属の亜硝酸塩を前記混合物100重量部に対して0.5〜4重量部添加したものであることを特徴とする。
【0010】
また、前記防凍剤には、予め還元剤を添加して調製しておくことを特徴とする。
【0011】
さらに、前記組成物に、アクリル酸マグネシウム(30%水溶液)90〜120重量部を添加したことを特徴とする。
【0012】
また、ポリエチレングリコールモノメタクリレート55〜67質量%、ポリエチレングリコールジアクリレート25〜30質量%、水5〜15質量%からなる混合物100重量部に、アクリル酸マグネシウム(30%水溶液)90〜120重量部、還元剤30〜60重量部、酸化剤5〜30重量部、水420〜650重量部を混合して調製した組成物を含有することを特徴とする。
【0013】
これにより、従来に比して、短時間にゲル化し、弾力性があって、また不凍性を発現する止水体を形成でき、現場作業性にも優れ、また低粘度の液体材料であることから微細なクラックにも十分に浸透させることができ、かつまた水膨潤性を有するので、躯体と良好に密着する性質も併せ持っていて、優れた止水効果を発揮することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる止水剤の好適な実施形態について、詳細に説明する。本発明者等は上記課題を解決するために、上記従来の三井化学株式会社製の「MS−6(商品名)」型非ウレタン系溶液タイプの止水剤をベースとして、鋭意研究を重ねた。すなわち、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートに対し、防凍剤やアクリル酸マグネシウムを混合し、これに重合触媒を添加することによって得られる数多くの止水剤を試作した。その結果、ベースとしては、従来知られているポリエチレングリコールモノメタクリレートとポリエチレングリコールジアクリレートからなる系のものが良く、それが有する欠点に対して、本発明者等は、エチレングリコールやプロピレングリコール、アルカリ金属の亜硝酸塩、そしてまたアクリル酸マグネシウムを添加することで補うことができるとの知見を得、そして特に、それらの好適な配合割合を見出すに至って、従来の止水剤の性能を遙かに凌ぐことができる、新たな止水剤を完成したものである。
【0015】
エチレングリコールやプロピレングリコール、アルカリ金属の亜硝酸塩による不凍性の発現、すなわち低温状態におけるゲルの安定性については、これらが他の用途、例えばコンクリート用化学混和剤の防凍剤として使用されていることから、ある程度の効果があることは理解される。特に本発明にあっては、ゲル自体の性状に悪影響を与えない適切な添加量の範囲、特にアルカリ金属の亜硝酸塩がラジカル反応の抑止剤であることも考慮して、当該添加量の適正な範囲を見出した。
【0016】
また、アクリル酸マグネシウムの添加によるゲルの弾力性の改良については、まだ十分に解明されてはいないが、次のように推定できる。一般に、アクリル酸塩系止水剤では、硬化したゲルの弾力性は大きいが、硬化時間の調整が難しく、また均一なゲルを生成することは至難である。本発明にあっては、ポリエチレングリコールモノメタクリレートおよびポリエチレングリコールジアクリレートに対するアクリル酸マグネシウム(30%水溶液)の添加量を90〜120重量部としたため、結果として硬化時間を適切にコントロールすることができるようになり、これにより弾力性の均一なゲルを得ることができたものと考えられる。
【0017】
以下、具体的に説明する。まず、ポリエチレングリコールモノメタクリレート55〜67質量%、ポリエチレングリコールジアクリレート25〜30質量%、水5〜15質量%からなる混合物(A)100重量部に、アクリル酸マグネシウム(30%水溶液)90〜120重量部、還元剤30〜60重量部、酸化剤5〜30重量部、水420〜650重量部を混合して調製した組成物(B)によって得られたゲル(G1)では、その弾力性が著しく向上した。ゲルの弾力性は、上部直径30mm、下部直径20mm、高さ30mmの円錐台形状の容器中でゲル化させた後、試料として作成した当該ゲルを取り出し、株式会社山電製の「クリープメータ(RE2−33005S)」(商品名)を用いて、試料に対する荷重を徐々に増加させ、5Nを載荷したときの試料高さの減少割合、すなわち歪率をもって弾力性の代用特性とした。
【0018】
この方法で弾力性を検討したところ、添加するアクリル酸マグネシウム(30%水溶液)の量が混合物(A)100重量部に対して90重量部未満であると、高さの減少が「MS−6」型と同程度の10%未満で弾力性に乏しく、90重量部を超えると、その量とともに高さの減少が大きくなり、弾力性の向上が認められた。他方、120重量部を超えると、ゲルはチクソトロピー性を失い、離漿が見られ、実用上好ましくないので、アクリル酸マグネシウム(30%水溶液)は、混合物(A)100重量部に対し90〜120重量部が好ましいことが判った。
【0019】
次に、上記組成物(B)で得られたゲル(G1)の不凍性を調べるため、ゲルを冷凍庫に−20℃程度で1週間入れてから取り出して、その状態を調べた。このゲル(G1)は、「MS−6」型と同様に白濁凍結し、常温に戻すと元の状態には戻らずにボロボロになって、もはや止水効果は期待できない状態であった。この欠点を克服するために、不凍液や氷点降下剤としても使用されているエチレングリコールやプロピレングリコール、アルカリ金属の亜硝酸塩に注目し、それらの適正配合量について検討を行った。
【0020】
その結果、ポリエチレングリコールモノメタクリレート55〜67質量%と、ポリエチレングリコールジアクリレート25〜30質量%、水5〜15質量%からなる混合物(A)100重量部に、アクリル酸マグネシウム(30%水溶液)90〜120重量部、還元剤30〜60重量部、酸化剤5〜30重量部、水300〜450重量部を混合して調製した組成物(B1:上記組成物(B)とは水量を変えたもの)に対して、さらに、防凍剤としてエチレングリコール120〜200重量部を混合して調製した組成物(C)のゲル(G2)は、上記ゲル(G1)と同様の特性を示し、さらに不凍性試験でも、白濁・凍結せず、常温に戻すと元の弾力性のある性状を発現した。添加するエチレングリコールの量は、混合物(A)100重量部に対して120重量部未満であると、不凍性の効果は乏しく、実用に耐えられない。200重量部を超えると、凍結防止効果の向上は見られず、それ以上の添加はコスト面で不利となる。
【0021】
さらに、寒冷地では、止水剤に−40℃程度までの不凍性を要求されることがある。この場合には、エチレングリコールのみでは不凍性に限界があるため、エチレングリコール120〜200重量部に対してさらに、アルカリ金属の亜硝酸塩を混合物(A)100重量部に対し0.5〜4重量部添加するようにして、これらエチレングリコールとアルカリ金属の亜硝酸塩とを併用すると、より低温下での不凍性が得られることが見出された。
【0022】
すなわち、ポリエチレングリコールモノメタクリレート55〜67質量%と、ポリエチレングリコールジアクリレート25〜30質量%、水5〜15質量%からなる混合物(A)100重量部に、アクリル酸マグネシウム(30%水溶液)90〜120重量部、還元剤30〜60重量部、酸化剤5〜30重量部、エチレングリコール120〜200重量部、水300〜450重量部を混合して調製した組成物(C)に対して、さらに、アルカリ金属の亜硝酸塩0.5〜4重量部を添加して得られた組成物(D)のゲル(G3)は、上記ゲル(G1)と同様の特性を示し、さらに、−40℃程度とした冷凍庫に2週間入れた後取り出してその状態を見たところ、凍結は認められず、室温に戻すと元の弾力性のある性状が発現された。アルカリ金属の亜硝酸塩は、ラジカル反応の抑止剤であるので、7重量部を超えると、ゲルの生成反応自体に良くない影響を与えることから、実際の混合作業を考慮すると、上限として4重量部程度が適当である。
【0023】
以上において、重合触媒としては、通常のレドックス触媒を使用すればよい。酸化剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、過酸化水素、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸のアルカリ金属塩、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどのいずれも使用することができる。還元剤としては、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ロンガリット、硫酸第一鉄、トリエタノールアミン、テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルヒドロキシエチルアミン、N−メチルジプロパノールアミン、アスコルビン酸などのいずれも使用することができる。水は、通常の上水道水、工業用水、地下水でよい。本発明では、水は、混合物(A)100重量部に対して、300〜450重量部配合しているが、実験によれば寒冷状態でも0℃以下にならない条件下では1000重量部まで、止水工事に使用し得ることが確認された(上記組成物(B)参照)。
【0024】
【実施例】
表1に示すように、混合物(A)は、三井化学株式会社製工業品グレードのポリエチレングリコールモノメタクリレート(PEGMMA)、同社製工業品グレードのポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)に水を加え、これらを混合して作成した。そして、この混合物(A)に対して、浅田化学工業株式会社製工業品グレードのアクリル酸マグネシウム(30%水溶液)(MgAA)と水を加えてこれらを混合することにより、A液を作成する。A液にはさらに還元剤として、三井化学株式会社製工業品グレードのトリエタノールアミン(80%水溶液)(TEA)を添加する。
【0025】
他方、三菱化学株式会社製工業品グレードのエチレングリコール(EG)に水を加えて混合することにより、B液を作成する。B液にはさらに、酸化剤として過塩素酸ソーダや三菱ガス化学株式会社製工業品グレードの過硫酸アンモニウム(粉末)(APS)を添加する。また、日産化学株式会社製工業品グレードの亜硝酸リチウム(40%水溶液)を追加して添加する場合がある。
【0026】
【表1】
Figure 2004115646
【0027】
【表2】
Figure 2004115646
【0028】
・実施例1
A液については、PEGMMA55g、PEGDA30g、水道水15gを秤量し混合して混合物(A)を作成し、これにMgAA90g、水道水152gを加え、混合して容器に保存して準備した。B液については、EG120g、水道水230gを秤量して混合し、容器に保存して準備した。B液との混合直前に、A液に還元剤であるTEA30gを混合して、A−1液(372g;345ミリリットル)を得た。A−1液との混合直前に、B液に酸化剤であるAPS15gを混合して、B−1液(364g;345ミリリットル)を得た。A−1液およびB−1液をそれぞれ200ミリリットルずつ採取し、スパーテルで混合してゲル状物質を得、ゲル化時間、弾力性、不凍性の測定を行った。結果を表2に示す。
【0029】
ゲル化時間は、20℃でA−1液とB−1液をスパーテルで撹拌混合し、低粘度の液体状態からゲル化するまで計測したところ、105秒であり、実際の作業に好適なゲル化時間であった。弾力性は、ゲル化してから15分経過後に、上述した円錐台形状の容器から取り出し、上記「クリープメータ」を用いて5Nを載荷して評価した。5mmの高さの減少が認められ、歪率は17%であって、弾力性が認められた。また、指でゲルを弾いても、弾性の感触が認められた。不凍性の試験は、ゲル化したものを−20℃および−40℃の冷凍庫に2週間保管した後に取り出して行い、評価は目視によった。−20℃では白濁や凍結は認められず、常温に戻すと元の性状を維持しており、不凍性があると判断された。しかし、−40℃では凍結して白濁していた。
【0030】
・実施例2〜4
A液およびB液のいずれについても、表1に示した配合で、実施例1と同様な方法により、A−2液〜A−4液、B−2液〜B−4液を作成した。各実施例について実施例1と同様にして、ゲル化時間、弾力性、不凍性の測定を行った。結果を表2に示す。実施例2〜4のゲル化時間によれば、漏水部分に注入後、数分以内での迅速な止水効果が期待でき、ゲルの弾力性も従来のものより、かなり改良されている。また不凍性に関しては、実施例1と同様に、−20℃では凍結は認められないが、−40℃では凍結しており、冬季や寒冷地の場合には、止水箇所の温度条件に配慮する必要があると判断される。
【0031】
・実施例5,6
A液およびB液のいずれについても、表1に示した配合で、実施例1と同様な方法により、A−5液、A−6液、並びにB−5液、B−6液を作成した。特に、B液には、防凍剤として、EG120重量部と、亜硝酸リチウム0.5,4重量部とを併用した。各実施例について実施例1と同様にして、ゲル化時間、弾力性、不凍性の測定を行った。結果を表2に示す。実施例5,6のゲル化時間を検討すると、亜硝酸リチウムの影響が見られるものの(実施例6参照)、この程度であれば数分以内での迅速な止水効果が期待でき、ゲルの弾力性も従来のものより、かなり改良されている。また不凍性に関しては、−40℃でも凍結は認められず、冬季でも国内の殆どすべての場所で使用可能であると判断される。
【0032】
・実施例7〜10
還元剤としてトリエタノールアミンを選択した場合、このトリエタノールアミンはエチレングリコールの酸化防止にも役立ち、また亜硝酸リチウムとも反応しないので、これらに水を加えてB液とするようにした例である。すなわち、防凍剤に、予め還元剤を添加して調製しておくようにしたものである。これに伴い、酸化剤であるAPSはB液と混合する直前にA液に混合するようにした。ゲル化時間の調整は、酸化剤であるAPSの添加量でしか行えず、モル比の上限内でその添加量を増やせばゲル化時間を速めることができる。また、この配合では、混合物(A)とMgAAとを混合したモノマー混合物に水を加えて調製したA液の前駆液に対して、B液との混合直前に、APSのみ加えてA液とする、すなわち現場では一回の調合だけで済むこととなり、現場での操作性が良くなるとともに作業ミスを防ぐことができて、現場作業性を改善することができる。この場合の配合の実施例7〜10を表3に、またそのゲルの特性値を表4に示す。
【0033】
【表3】
Figure 2004115646
【0034】
【表4】
Figure 2004115646
【0035】
・実施例11
A液、B液ともに、表5に示した配合で上記実施例と同様な方法により、A−11液およびB−11液として作成した。特にこの実施例11では、水量を増やしてゲルが硬くならないようにした。実施例11について上記実施例1と同様にして、ゲル化時間、弾力性、不凍性の測定を行った。結果を表6に示す。不凍剤を用いない例であることから、冬季や寒冷地への適用には難があるが、適当なゲル化時間を示しているとともに、十分な弾力性が得られており、コンクリート構造物等の躯体の伸縮などの変形に対する追随性を保証できることが認められる。
【0036】
【表5】
Figure 2004115646
【0037】
【表6】
Figure 2004115646
【0038】
以上、各実施例について説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0039】
【発明の効果】
以上要するに、本発明にかかる止水剤にあっては、従来に比して、短時間にゲル化し、弾力性があって、また不凍性を発現する止水体を形成でき、現場作業性にも優れ、また低粘度の液体材料であることから微細なクラックにも十分に浸透させることができ、かつまた水膨潤性を有するので、躯体と良好に密着する性質も併せ持っていて、優れた止水効果を発揮することができる。

Claims (5)

  1. ポリエチレングリコールモノメタクリレート55〜67質量%、ポリエチレングリコールジアクリレート25〜30質量%、水5〜15質量%からなる混合物100重量部に、
    防凍剤120〜200重量部、還元剤30〜60重量部、酸化剤5〜30重量部、水300〜450重量部を混合して調製した組成物を含有することを特徴とする止水剤。
  2. 前記防凍剤に、アルカリ金属の亜硝酸塩を前記混合物100重量部に対して0.5〜4重量部添加したものであることを特徴とする請求項1に記載の止水剤。
  3. 前記防凍剤には、予め還元剤を添加して調製しておくことを特徴とする請求項1または2に記載の止水剤。
  4. 前記組成物に、アクリル酸マグネシウム(30%水溶液)90〜120重量部を添加したことを特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載の止水剤。
  5. ポリエチレングリコールモノメタクリレート55〜67質量%、ポリエチレングリコールジアクリレート25〜30質量%、水5〜15質量%からなる混合物100重量部に、
    アクリル酸マグネシウム(30%水溶液)90〜120重量部、還元剤30〜60重量部、酸化剤5〜30重量部、水420〜650重量部を混合して調製した組成物を含有することを特徴とする止水剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007099911A (ja) * 2005-10-05 2007-04-19 Yoshika Kk 止水剤組成物
JP2015205981A (ja) * 2014-04-18 2015-11-19 ライト工業株式会社 止水用組成物及び止水工法
JP6074484B1 (ja) * 2015-11-26 2017-02-01 株式会社コーケン 止水剤組成物及び漏水止水工法

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