JP2003213260A - 可塑性止水材 - Google Patents

可塑性止水材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い止水性、長期安定性、自己シール性を有
し、熱安定性に優れた止水材を提供する。また、粘土状
の可塑性を有し可逆的に成形できて施工性にも優れ、し
かも冠水時における水和膨潤の速度が抑えられることに
より、膨潤機能の保持性に優れ、膨潤後の形状安定性に
優れた可塑性止水材を提供する。 【解決手段】 水膨潤性粘土鉱物、水溶性高分子及び基
油成分を含有させてなる可塑性止水材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可塑性止水材に関
する。詳しくは、土木、建築等において用いられる、水
膨潤性粘土鉱物を含む可塑性止水材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、土木、建築等において、コンクリ
ートの打継部、施工上のジョイント部などにおける止水
目的で、アスファルト系、ゴム系、若しくは樹脂系のシ
ール材、又は、セメント系、若しくはスメクタイト系の
止水材などが用いられている。このうち、スメクタイト
系の止水材は、水膨潤性を有するベントナイトなどの粘
土鉱物を含むもので、止水性、長期安定性に優れ、吸水
により膨潤して自己シール性を有する。特にベントナイ
トを用いて、高い止水性などの特徴に加え、熱安定性に
優れ、かつ粘土状の可塑性を有し、可逆的に成形できて
施工性にも優れる止水材が提供されてきた。
【0003】例えば、特開平8−231956号には、
ベントナイトを用いた可塑性止水材の例が、また、特開
2001−32694号公報には、地下構造物における
前工程で施工したコンクリート壁と後工程で施工するコ
ンクリート壁との打継部に、ベントナイトを含む止水材
を用いることが記載されている。
【0004】しかしながら、上記のような従来の止水材
では、ベントナイトなどの水膨潤性粘土鉱物の水和膨潤
速度が速く、吸水力が非常に高いため、コンクリート等
に埋設される前に雨水や地下水と接触してしまう冠水時
において吸水し、不適切に膨潤することによって、コン
クリート等に埋設されるまで膨潤機能を保持できず、形
状の崩れが見られ、場合によっては、止水材自体が流失
してしまうといった問題点が存在した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記のような従来の止水材の問題点を克服し、高い止水
性、長期安定性、自己シール性を有し、熱安定性に優れ
た止水材を提供することを目的とする。また、粘土状の
可塑性を有し可逆的に成形できて施工性にも優れ、しか
も冠水時における水和膨潤の速度が抑えられることによ
り、膨潤機能の保持性に優れ、膨潤後の形状安定性(崩
れないで形状を保持する性質)に優れた可塑性止水材を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み鋭意研究した結果、水膨潤性粘土鉱物を含有してな
る可塑性止水材に水溶性高分子を含ませることにより、
粘土状の可塑性を有し可逆的に成形できて施工性に優
れ、驚くべきことに、水溶性の物質を添加するにもかか
わらず、水膨潤性粘土鉱物の膨潤速度を遅くすることが
できるため、冠水時においても、長時間、膨潤機能を保
持することができ、しかも膨潤時においても形状安定性
に優れることを見出し、この知見に基づき本発明をなす
にいたった。すなわち、本発明は(1)水膨潤性粘土鉱
物、水溶性高分子及び基油成分を含有させてなることを
特徴とする可塑性止水材、(2)水膨潤性粘土鉱物:水
溶性高分子が100:1〜1:2の質量比で存在するこ
とを特徴とする(1)項に記載の可塑性止水材、(3)
水溶性高分子がポリビニルアルコールであることを特徴
とする(1)又は(2)項のいずれか1項に記載の可塑
性止水材、及び(4)水膨潤性粘土鉱物がベントナイト
であることを特徴とする(1)〜(3)項のいずれか1
項に記載の可塑性止水材を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の可塑性止水材は水膨潤性
を有する粘土鉱物にさらに水溶性高分子を含むもので、
粘土状の可塑性を有し可逆的に成形でき施工性に優れる
ものである。さらに、冠水時においても形状安定性にも
優れる。
【0008】本発明の止水材は、好ましくは、水膨潤性
粘土鉱物、水溶性高分子、及び、基油成分(例えばゲル
化基油)を配合されてなるものである。ここで基油成分
とは、常温で、液状・ペースト状・パテ状の非水系液体
を主成分とする物質で、水膨潤性粘土鉱物を水和させる
ことなく可塑性を与え、可逆的に成形できるようにする
ために用いられる。固さは特に制約は無いが、固すぎて
も、粘度が低すぎても可逆性が不足する傾向がある。ま
た、温度変化に対し、固さが安定的なものが好ましい。
水溶性高分子は水膨潤性粘土鉱物と基油成分とともに、
公知のいずれかの方法により混練して、容易に均一に分
散してパテ状の混合物とすることができる。混練された
パテ状の混合物は、その可塑性によりその後任意の形状
に可逆的に成形することができ、さらに形状を維持する
ことも容易で、施工性にも優れたものとなる。基油成分
としては、各種油やそれらのゲル化基油、改質アスファ
ルト、液状樹脂などがあげられるが、ゲル化基油が好ま
しい。止水材中には基油成分10〜60質量%と、水溶
性高分子を混合した水膨潤性粘土鉱物40〜90質量%
とを配合すると、高い止水性、長期安定性、自己シール
性、膨潤力抑制、形状安定性、さらに熱安定性を有する
止水材を得られ好ましい。
【0009】本発明で用いる水膨潤性粘土鉱物として
は、例えばベントナイト、サポナイト、ヘクトライト等
のスメクタイト系粘土鉱物、或いは膨潤性雲母を挙げら
れる。これらは、天然又は合成のいずれでも良い。ま
た、未変性のものでも、変性して親油性としたものでも
良い。さらに、1種を単独で用いても、2種以上を混合
して用いても良い。特に、ベントナイトは天然に産する
無機系の粘土であるため安全性に優れ、しかも、古くか
ら土木建築分野で用いられてきた実績があり、経済的に
も優れるので好ましい粘土鉱物である。ベントナイトは
モンモリロン石を主体とする粘土であれば、組成や産地
に係わらず使用することができ、ベントナイトとして市
販されている製品はいずれも使用することができる。
【0010】また、上記の各成分に加えて、本発明の可
塑性止水材には、非水系液体としては、例えば、鉱油、
芳香族炭化水素系油、脂肪族炭化水素系油などを用いる
ことができる。これらの非水系液体は、天然又は合成の
いずれでも良く、また、単独でも、2種以上混合しても
良い。非水系液体は、特に経済的な面から鉱油が好まし
く、例えば従来タービン油やマシン油として用いられて
いる鉱油を用いることができる。好ましくは、高芳香族
系の鉱油である。また、粘度の高い非水性液体を用いる
ことにより、基油成分の使用量を少量におさえることが
できる。
【0011】ゲル化基油を用いる場合のゲル化剤として
は、パラフィンロウ、脂肪族の金属塩、ケイ酸マグネシ
ウムなどの一般的に非水系液体のゲル化に用いられるゲ
ル化剤であればいずれも用いることができる。脂肪族の
金属塩は熱安定性が増し好ましい。金属は、カルシウム
などのアルカリ土類金属であることがさらに好ましい。
ゲル化基油を製造する際には、金属、好ましくはアルカ
リ土類金属の水酸化物又は酸化物を脂肪酸とともに非水
系溶液に添加して反応させることで、脂肪酸の金属塩の
ゲル化剤とすることができる。
【0012】上記のゲル化剤として用いられる金属の水
酸化物又は酸化物としては、例えば、水酸化カルシウ
ム、水酸化マグンシウム、水酸化アルミニウム、酸化カ
ルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等を挙
げることができる。好ましくは、水酸化カルシウム又は
水酸化アルミニウムであり、さらに好ましくは水酸化カ
ルシウムである。
【0013】上記の金属の水酸化物又は酸化物とともに
用いられる脂肪酸としては、公知の各種の脂肪酸を用い
ることができるが、好ましくは高級脂肪酸である。高級
脂肪酸は例えば、1分子中に約10〜40の炭素原子を
有する飽和若しくは不飽和脂肪酸のラウリン酸、ステア
リン酸、パルチミン酸、オレイン酸、リシノール酸等が
挙げられる。さらに、1分子中に約10〜30の炭素原
子を有する飽和脂肪酸がさらに好ましく、ラウリン酸、
ステアリン酸、又は、パルチミン酸が特に好ましい。
【0014】ゲル化基油を製造する反応は、例えば、鉱
油に脂肪酸を加え加熱しながら融解させてから、相当量
の消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))を加えて
ケン化作用を行わせ、その後冷却することによって鉱油
を加えながらかき混ぜ、その後冷却することによって行
わせることができる。反応温度には特に制限はないが、
好ましくは70℃以上、さらに好ましくは90℃以上で
ある。加熱時間は特に制限はなく、ゲル化が十分に進行
する時間行えばよい。これについては特開平8−231
956号に記載の内容をここに引用する。
【0015】ゲル化基油は、止水材中に10〜60質量
%、好ましくは20〜50質量%、さらに好ましくは2
5〜40質量%配合される。ゲル化基油中の非水系溶液
100質量部に対して、脂肪酸を通常10〜100質量
部、好ましくは25〜80質量部、さらに好ましくは4
5〜65質量部用いる。また、金属の水酸化物又は酸化
物は前記脂肪酸を金属塩とするのに十分な量が加えられ
る。通常、金属の水酸化物又は酸化物を脂肪酸との化学
量論量近辺の量用い、金属で換算した量を基準として脂
肪酸に対して、好ましくは0.5〜2当量、さらに好ま
しくは0.8〜1.5当量用いられる。また、非水系液
体で親油性が、脂肪酸の金属塩で可塑性を与えることが
できるので、本発明の止水材に好ましく用いられる。
【0016】本発明で用いられる水溶性高分子は、天
然、合成、及び半合成のいずれの水性高分子を用いるこ
とができる。例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、メ
チルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ヒ
ドキシプロピルメチルセルロースフタレート、グアガ
ム、ローカストビーンガム、ゼラチン、キサンタンガ
ム、寒天、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルアセタール、ジエチルアミノアセテート、メタクリル
酸/メタクリル酸メチル共重合体、アルギン酸ナトリウ
ム、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸ソーダ/メタク
リル酸ソーダ共重合体、アクリル酸ソーダ/マレイン酸
ソーダ共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸ソーダ共
重合体、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリエチレンオ
キサイド、ポリアクリルアミド系高分子等が挙げられ
る。好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルア
セタール、ポリN−ビニルアセトアミド、アルギン酸ナ
トリウム及びキサンタンガムで構成された群から選択さ
れたものである。さらに好ましくは、ポリビニルアルコ
ールである。これらの水溶性高分子は1種類、または、
2種類以上含有させることができる。これらの水溶性高
分子の分子量は特に制限はないが重量平均分子量、10
00〜1000万が好ましく、より好ましくは1万〜5
00万、特に好ましくは10万〜200万である。粒径
については特に制限はないが、0.2mm以下のものが
90%以上含有されることが好ましく、0.15mm以
下のものが90%以上含有されることがより好ましい。
【0017】本発明の可塑性止水材は、水膨潤性を有す
る鉱物を含んでなる可塑性止水材の全体に水溶性高分子
を含有させたことにより、その水溶性高分子が水に接触
すると溶解して皮膜を形成する。その形成された皮膜と
水溶性高分子が持つ接着力により、ベントナイトの吸水
速度を抑制することができ、コンクリート等に埋設され
る前に雨水や地下水と接触、吸水し、完全に膨潤するこ
とによる形状の崩れを解消する。また、水溶性高分子が
持つ接着力により、可塑性止水材と施工箇所の接着を強
固に接着することができる。
【0018】本発明の可塑性止水材に用いる水膨潤性粘
土鉱物と水溶性高分子との配合割合は、選択した成分や
所望する止水材の性能に応じて適宜決定される。水膨潤
性粘土鉱物:水溶性高分子の質量比は、好ましくは10
0:1〜1:2、より好ましくは20:1〜1:1、特
に好ましくは10:1〜4:3である。
【0019】本発明の可塑性止水材は、止水箇所の形状
や取り扱い、運搬の便宜などに応じて、所定の形状に成
形して用いられる。
【0020】
【実施例】次に、実施例及び比較例に基づいて本発明を
さらに詳細に説明する。なお、以下の実施例及び比較例
において各成分の混合はバッチニーダー型混練機を用い
て行った。
【0021】比較例 鉱油100質量部、ラウリン酸50質量部、及び、消石
灰9.2質量部(Ca(OH)換算でラウリン酸と当
量)を混合し、90℃に加熱してゲル化基油を得た。こ
のゲル化基油35質量部と、ベントナイト65質量部と
を混合してパテ状の可塑性止水材を得た。この可塑性止
水材の透水係数は1.18×10−10であった。
【0022】実施例1 鉱油100質量部、ラウリン酸50質量部、及び、消石
灰9.2質量部(Ca(OH)換算でラウリン酸と当
量)を混合し、90℃に加熱してゲル化基油を得た。こ
のゲル化基油35質量部と、ベントナイト60質量部
と、ポリビニルアルコール(重量平均分子量 26万)
5質量部とを混合してパテ状の可塑性止水材を得た。こ
の可塑性止水材の透水係数は2.16×10−10であ
った。
【0023】実施例2 鉱油100質量部、ラウリン酸50質量部、及び、消石
灰9.2質量部(Ca(OH)換算でラウリン酸と当
量)を混合し、90℃に加熱してゲル化基油を得た。こ
のゲル化基油35質量部と、ベントナイト55質量部
と、ポリビニルアルコール(重量平均分子量 26万)
10質量部とを混合してパテ状の可塑性止水材を得た。
この可塑性止水材の透水係数は3.89×10−10
あった。
【0024】実施例3 鉱油100質量部、ラウリン酸50質量部、及び、消石
灰9.2質量部(Ca(OH)換算でラウリン酸と当
量)を混合し、90℃に加熱してゲル化基油を得た。こ
のゲル化基油35質量部と、ベントナイト45質量部
と、ポリビニルアルコール(重量平均分子量 26万)
20質量部とを混合してパテ状の可塑性止水材を得た。
この可塑性止水材の透水係数は5.66×10−10
あった。
【0025】実施例4 鉱油100質量部、ラウリン酸50質量部、及び、消石
灰9.2質量部(Ca(OH)換算でラウリン酸と当
量)を混合し、90℃に加熱してゲル化基油を得た。こ
のゲル化基油35質量部と、ベントナイト35質量部
と、ポリビニルアルコール(重量平均分子量 26万)
30質量部とを混合してパテ状の可塑性止水材を得た。
この可塑性止水材の透水係数は8.47×10−10
あった。
【0026】実施例5 鉱油100質量部、ラウリン酸50質量部、及び、消石
灰9.2質量部(Ca(OH)換算でラウリン酸と当
量)を混合し、90℃に加熱してゲル化基油を得た。こ
のゲル化基油35質量部と、ベントナイト60質量部
と、ポリN−ビニルアセトアミド(重量平均分子量 4
00万)5質量部とを混合してパテ状の可塑性止水材を
得た。
【0027】実施例6 鉱油100質量部、ラウリン酸50質量部、及び、消石
灰9.2質量部(Ca(OH)換算でラウリン酸と当
量)を混合し、90℃に加熱してゲル化基油を得た。こ
のゲル化基油35質量部と、ベントナイト60質量部
と、キサンタンガム(重量平均分子量 200万)5質
量部とを混合してパテ状の可塑性止水材を得た。
【0028】試験例1 比較例及び実施例1〜5で得られた可塑性止水材の試料
を約10cm×2cm×1cmの直方体の形状に成形し、バッ
ト中に置き、完全に浸るまで水道水を入れた。5日後、
それぞれの止水材は膨潤したが、実施例の止水材は直方
体の形状を留めていたが、比較例の止水材は、割れ目、
切れ目が発生して膨潤し、崩壊し、直方体の形状は完全
に失われていた。
【0029】試験例2 実施例及び比較例の可塑性止水材を厚さ1cmに圧延
し、セル内部底面にセットし、水道水をセル上部から1
cmのところまで入れ、体積未膨潤率及び体積膨潤率を
測定する膨潤試験を実施した。その結果を図1〜3に示
す。図1は異なる水性高分子を5質量%含む実施例1,
5及び6、並びに、水性高分子を含まない比較例の可塑
性止水材の結果を示すものである。体積未膨潤率は15
日前ではいずれの実施例も比較例より高く、例えば5日
経過の時点では、比較例の体積未膨潤率は約20%であ
るのに対し、実施例ではいずれも約30%であった。図
2及び3は、比較例及び異なる量のポリビニルアルコー
ルを含有させた実施例1〜5までの長期にわたる膨潤試
験の結果を示すものである。含有するポリビニルアルコ
ールの量が多くなるほど、膨潤速度が遅くなるものであ
った。
【0030】試験例3 モールドに一般建築用配合の生コンクリートを打設し、
3日間の養生して、下部コンクリートブロックを作成し
た。下部コンクリートブロックの中心部には径5mmの
排水口を設け、上部コンクリート打設前に比較例の可塑
性止水材を設置し、上部コンクリートを打設して、更に
3日間の養生後、脱型し、乾燥した。上部コンクリート
と下部コンクリートを切り離し、再び重ね合わせること
で、人為的に間隙を設けたコンクリートの試験片を作成
した。試験片をアクリル水槽の内部フランジに固定し、
水槽を外部フランジにより密閉した。水槽内に水道水を
注入し試験片を水没させ排水口から流出する漏水量を測
定した。24時間の静置後、水槽内を0.5kg/cm
で10分間加圧、続いて、3.0kg/cmで1時
間加圧後、排水口から流出する漏水量を測定した。その
後3.0kg/cm で加圧を続け、6日経過後排水口
から流出する漏水量を測定した。次に、アクリル水槽か
ら試験片をはずし、試験片内の可塑性止水材を全量取り
出し、同体積の実施例3の可塑性止水材を詰め込み、上
記と同様に試験片を作成し、上記と同様に止水性能を調
査する試験を行った。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例3の可塑性止水材は、加圧直後の1
日後の測定では多少の漏水が測定されたが、7日後には
比較例と同様に漏水は測定されなかった。
【0033】試験例1〜3の結果、ポリビニルアルコー
ルを含む本発明の可塑性止水材は、大きく止水性能を失
わせることなく、ベントナイトの吸水速度を抑制するこ
とによる形状安定性を向上させたことから、可塑性止水
材の冠水時における流出を防ぐことができることがわか
った。
【0034】
【発明の効果】本発明の可塑性止水材は、高い止水性、
長期安定性、自己シール性、膨潤速度抑制、形状安定
性、さらに熱安定性を有する。さらに、パテ状になって
所望の形に可逆的に成形できて容易に形状に維持するこ
とができ、施工性にも優れたものである。
【0035】また、本発明の可塑性止水材は、コンクリ
ート打継部施工時に伴う、雨水などによる水漏れに強い
止水材で、流出などの従来の可塑性止水材が持つ欠点を
克服するものである。さらに、水溶性高分子が持つ接着
力により、形状安定性が特に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例の膨潤試験結果を示
すグラフである。
【図2】本発明の実施例及び比較例の別の膨潤試験結果
を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例及び比較例のさらに別の膨潤試
験結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/10 C09K 3/10 R Z 17/08 17/08 P 17/14 17/14 P 17/20 17/20 P E21D 11/38 E21D 11/38 Z // C09K 103:00 C09K 103:00 Fターム(参考) 2D055 GC09 KB11 KB14 LA02 4H017 AA04 AA27 AA31 AB10 AC06 AD05 AE03 4H026 CA06 CB08 CC04 4J002 AB021 AB031 AB041 AB051 AD011 AE002 BE021 BE061 BG011 BG121 BG131 BH001 DJ036 GL00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水膨潤性粘土鉱物、水溶性高分子及び基
    油成分を含有させてなることを特徴とする可塑性止水
    材。
  2. 【請求項2】 水膨潤性粘土鉱物:水溶性高分子が10
    0:1〜1:2の質量比で存在することを特徴とする請
    求項1に記載の可塑性止水材。
  3. 【請求項3】 水溶性高分子がポリビニルアルコールで
    あることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に
    記載の可塑性止水材。
  4. 【請求項4】 水膨潤性粘土鉱物がベントナイトである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    可塑性止水材。
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