JP4009462B2 - 可塑性止水材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可塑性止水材に関する。詳しくは、土木、建築等において用いられる、水膨潤性粘土鉱物を含む可塑性止水材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、土木、建築等において、コンクリートの打継部、施工上のジョイント部などにおける止水目的で、アスファルト系、ゴム系、若しくは樹脂系のシール材、又は、セメント系、若しくはスメクタイト系の止水材などが用いられている。このうち、スメクタイト系の止水材は、水膨潤性を有するベントナイトなどの粘土鉱物を含むもので、止水性、長期安定性に優れ、吸水により膨潤して自己シール性を有する。特にベントナイトを用いて、高い止水性などの特徴に加え、熱安定性に優れ、かつ粘土状の可塑性を有し、可逆的に成形できて施工性にも優れる止水材が提供されてきた。
【0003】
例えば、特開平8−231956号には、ベントナイトを用いた可塑性止水材の例が、また、特開2001−32694号公報には、地下構造物における前工程で施工したコンクリート壁と後工程で施工するコンクリート壁との打継部に、ベントナイトを含む止水材を用いることが記載されている。
【0004】
しかしながら、上記のような従来の止水材では、ベントナイトなどの水膨潤性粘土鉱物の水和膨潤速度が速く、吸水力が非常に高いため、コンクリート等に埋設される前に雨水や地下水と接触してしまう冠水時において吸水し、不適切に膨潤することによって、コンクリート等に埋設されるまで膨潤機能を保持できず、形状の崩れが見られ、場合によっては、止水材自体が流失してしまうといった問題点が存在した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記のような従来の止水材の問題点を克服し、高い止水性、長期安定性、自己シール性を有し、熱安定性に優れた止水材を提供することを目的とする。また、粘土状の可塑性を有し可逆的に成形できて施工性にも優れ、しかも冠水時における水和膨潤の速度が抑えられることにより、膨潤機能の保持性に優れ、膨潤後の形状安定性(崩れないで形状を保持する性質)に優れた可塑性止水材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意研究した結果、水膨潤性粘土鉱物を含有してなる可塑性止水材に水溶性高分子を含ませることにより、粘土状の可塑性を有し可逆的に成形できて施工性に優れ、驚くべきことに、水溶性の物質を添加するにもかかわらず、水膨潤性粘土鉱物の膨潤速度を遅くすることができるため、冠水時においても、長時間、膨潤機能を保持することができ、しかも膨潤時においても形状安定性に優れることを見出し、この知見に基づき本発明をなすにいたった。
すなわち、本発明は
(1)水膨潤性粘土鉱物、水溶性高分子及び非水系液体を主成分とする基油成分を混練してなる可塑性止水材であって、前記水溶性高分子を可塑性止水材全体に分散させてなることを特徴とする可塑性止水材、
(2)水膨潤性粘土鉱物:水溶性高分子が100:1〜1:2の質量比で存在することを特徴とする(1)項に記載の可塑性止水材、
(3)水溶性高分子がポリビニルアルコールであることを特徴とする(1)又は(2)項のいずれか1項に記載の可塑性止水材、
4)水膨潤性粘土鉱物がベントナイトであることを特徴とする(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の可塑性止水材、及び
(5)水溶性高分子が粒径0.2mm以下のものを90%以上含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の可塑性止水材
を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の可塑性止水材は水膨潤性を有する粘土鉱物にさらに水溶性高分子を含むもので、粘土状の可塑性を有し可逆的に成形でき施工性に優れるものである。さらに、冠水時においても形状安定性にも優れる。
【0008】
本発明の止水材は、水膨潤性粘土鉱物、水溶性高分子、及び、基油成分(例えばゲル化基油)を混練し、水溶性高分子を止水材全体に分散されてなるものである。ここで基油成分とは、常温で、液状・ペースト状・パテ状の非水系液体を主成分とする物質で、水膨潤性粘土鉱物を水和させることなく可塑性を与え、可逆的に成形できるようにするために用いられる。固さは特に制約は無いが、固すぎても、粘度が低すぎても可逆性が不足する傾向がある。また、温度変化に対し、固さが安定的なものが好ましい。水溶性高分子は水膨潤性粘土鉱物と基油成分とともに、公知のいずれかの方法により混練して、容易に均一に分散してパテ状の混合物とすることができる。混練されたパテ状の混合物は、その可塑性によりその後任意の形状に可逆的に成形することができ、さらに形状を維持することも容易で、施工性にも優れたものとなる。基油成分としては、各種油やそれらのゲル化基油、改質アスファルト、液状樹脂などがあげられるが、ゲル化基油が好ましい。止水材中には基油成分10〜60質量%と、水溶性高分子を混合した水膨潤性粘土鉱物40〜90質量%とを配合すると、高い止水性、長期安定性、自己シール性、膨潤力抑制、形状安定性、さらに熱安定性を有する止水材を得られ好ましい。
【0009】
本発明で用いる水膨潤性粘土鉱物としては、例えばベントナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト系粘土鉱物、或いは膨潤性雲母を挙げられる。これらは、天然又は合成のいずれでも良い。また、未変性のものでも、変性して親油性としたものでも良い。さらに、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。特に、ベントナイトは天然に産する無機系の粘土であるため安全性に優れ、しかも、古くから土木建築分野で用いられてきた実績があり、経済的にも優れるので好ましい粘土鉱物である。ベントナイトはモンモリロン石を主体とする粘土であれば、組成や産地に係わらず使用することができ、ベントナイトとして市販されている製品はいずれも使用することができる。
【0010】
た、本発明の可塑性止水材には、非水系液体としては、例えば、鉱油、芳香族炭化水素系油、脂肪族炭化水素系油などを用いることができる。これらの非水系液体は、天然又は合成のいずれでも良く、また、単独でも、2種以上混合しても良い。非水系液体は、特に経済的な面から鉱油が好ましく、例えば従来タービン油やマシン油として用いられている鉱油を用いることができる。好ましくは、高芳香族系の鉱油である。また、粘度の高い非水性液体を用いることにより、基油成分の使用量を少量におさえることができる。
【0011】
ゲル化基油を用いる場合のゲル化剤としては、パラフィンロウ、脂肪族の金属塩、ケイ酸マグネシウムなどの一般的に非水系液体のゲル化に用いられるゲル化剤であればいずれも用いることができる。脂肪族の金属塩は熱安定性が増し好ましい。金属は、カルシウムなどのアルカリ土類金属であることがさらに好ましい。ゲル化基油を製造する際には、金属、好ましくはアルカリ土類金属の水酸化物又は酸化物を脂肪酸とともに非水系溶液に添加して反応させることで、脂肪酸の金属塩のゲル化剤とすることができる。
【0012】
上記のゲル化剤として用いられる金属の水酸化物又は酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグンシウム、水酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等を挙げることができる。好ましくは、水酸化カルシウム又は水酸化アルミニウムであり、さらに好ましくは水酸化カルシウムである。
【0013】
上記の金属の水酸化物又は酸化物とともに用いられる脂肪酸としては、公知の各種の脂肪酸を用いることができるが、好ましくは高級脂肪酸である。高級脂肪酸は例えば、1分子中に約10〜40の炭素原子を有する飽和若しくは不飽和脂肪酸のラウリン酸、ステアリン酸、パルチミン酸、オレイン酸、リシノール酸等が挙げられる。さらに、1分子中に約10〜30の炭素原子を有する飽和脂肪酸がさらに好ましく、ラウリン酸、ステアリン酸、又は、パルチミン酸が特に好ましい。
【0014】
ゲル化基油を製造する反応は、例えば、鉱油に脂肪酸を加え加熱しながら融解させてから、相当量の消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))を加えてケン化作用を行わせ、その後冷却することによって鉱油を加えながらかき混ぜ、その後冷却することによって行わせることができる。反応温度には特に制限はないが、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは90℃以上である。加熱時間は特に制限はなく、ゲル化が十分に進行する時間行えばよい。これについては特開平8−231956号に記載の内容をここに引用する。
【0015】
ゲル化基油は、止水材中に10〜60質量%、好ましくは20〜50質量%、さらに好ましくは25〜40質量%配合される。ゲル化基油中の非水系溶液100質量部に対して、脂肪酸を通常10〜100質量部、好ましくは25〜80質量部、さらに好ましくは45〜65質量部用いる。また、金属の水酸化物又は酸化物は前記脂肪酸を金属塩とするのに十分な量が加えられる。通常、金属の水酸化物又は酸化物を脂肪酸との化学量論量近辺の量用い、金属で換算した量を基準として脂肪酸に対して、好ましくは0.5〜2当量、さらに好ましくは0.8〜1.5当量用いられる。また、非水系液体で親油性が、脂肪酸の金属塩で可塑性を与えることができるので、本発明の止水材に好ましく用いられる。
【0016】
本発明で用いられる水溶性高分子は、天然、合成、及び半合成のいずれの水性高分子を用いることができる。例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、メチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ヒドキシプロピルメチルセルロースフタレート、グアガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、キサンタンガム、寒天、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ジエチルアミノアセテート、メタクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸ソーダ/メタクリル酸ソーダ共重合体、アクリル酸ソーダ/マレイン酸ソーダ共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸ソーダ共重合体、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド系高分子等が挙げられる。好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリN−ビニルアセトアミド、アルギン酸ナトリウム及びキサンタンガムで構成された群から選択されたものである。さらに好ましくは、ポリビニルアルコールである。これらの水溶性高分子は1種類、または、2種類以上含有させることができる。
これらの水溶性高分子の分子量は特に制限はないが重量平均分子量、1000〜1000万が好ましく、より好ましくは1万〜500万、特に好ましくは10万〜200万である。粒径については特に制限はないが、0.2mm以下のものが90%以上含有されることが好ましく、0.15mm以下のものが90%以上含有されることがより好ましい。
【0017】
本発明の可塑性止水材は、水膨潤性を有する鉱物を含んでなる可塑性止水材の全体に水溶性高分子を含有させたことにより、その水溶性高分子が水に接触すると溶解して皮膜を形成する。その形成された皮膜と水溶性高分子が持つ接着力により、ベントナイトの吸水速度を抑制することができ、コンクリート等に埋設される前に雨水や地下水と接触、吸水し、完全に膨潤することによる形状の崩れを解消する。また、水溶性高分子が持つ接着力により、可塑性止水材と施工箇所の接着を強固に接着することができる。
【0018】
本発明の可塑性止水材に用いる水膨潤性粘土鉱物と水溶性高分子との配合割合は、選択した成分や所望する止水材の性能に応じて適宜決定される。水膨潤性粘土鉱物:水溶性高分子の質量比は、好ましくは100:1〜1:2、より好ましくは20:1〜1:1、特に好ましくは10:1〜4:3である。
【0019】
本発明の可塑性止水材は、止水箇所の形状や取り扱い、運搬の便宜などに応じて、所定の形状に成形して用いられる。
【0020】
【実施例】
次に、実施例及び比較例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例及び比較例において各成分の混合はバッチニーダー型混練機を用いて行った。
【0021】
比較例
鉱油100質量部、ラウリン酸50質量部、及び、消石灰9.2質量部(Ca(OH)換算でラウリン酸と当量)を混合し、90℃に加熱してゲル化基油を得た。このゲル化基油35質量部と、ベントナイト65質量部とを混合してパテ状の可塑性止水材を得た。この可塑性止水材の透水係数は1.18×10−10であった。
【0022】
実施例1
鉱油100質量部、ラウリン酸50質量部、及び、消石灰9.2質量部(Ca(OH)換算でラウリン酸と当量)を混合し、90℃に加熱してゲル化基油を得た。このゲル化基油35質量部と、ベントナイト60質量部と、ポリビニルアルコール(重量平均分子量 26万)5質量部とを混合してパテ状の可塑性止水材を得た。この可塑性止水材の透水係数は2.16×10−10であった。
【0023】
実施例2
鉱油100質量部、ラウリン酸50質量部、及び、消石灰9.2質量部(Ca(OH)換算でラウリン酸と当量)を混合し、90℃に加熱してゲル化基油を得た。このゲル化基油35質量部と、ベントナイト55質量部と、ポリビニルアルコール(重量平均分子量 26万)10質量部とを混合してパテ状の可塑性止水材を得た。この可塑性止水材の透水係数は3.89×10−10であった。
【0024】
実施例3
鉱油100質量部、ラウリン酸50質量部、及び、消石灰9.2質量部(Ca(OH)換算でラウリン酸と当量)を混合し、90℃に加熱してゲル化基油を得た。このゲル化基油35質量部と、ベントナイト45質量部と、ポリビニルアルコール(重量平均分子量 26万)20質量部とを混合してパテ状の可塑性止水材を得た。この可塑性止水材の透水係数は5.66×10−10であった。
【0025】
実施例4
鉱油100質量部、ラウリン酸50質量部、及び、消石灰9.2質量部(Ca(OH)換算でラウリン酸と当量)を混合し、90℃に加熱してゲル化基油を得た。このゲル化基油35質量部と、ベントナイト35質量部と、ポリビニルアルコール(重量平均分子量 26万)30質量部とを混合してパテ状の可塑性止水材を得た。この可塑性止水材の透水係数は8.47×10−10であった。
【0026】
実施例5
鉱油100質量部、ラウリン酸50質量部、及び、消石灰9.2質量部(Ca(OH)換算でラウリン酸と当量)を混合し、90℃に加熱してゲル化基油を得た。このゲル化基油35質量部と、ベントナイト60質量部と、ポリN−ビニルアセトアミド(重量平均分子量 400万)5質量部とを混合してパテ状の可塑性止水材を得た。
【0027】
実施例6
鉱油100質量部、ラウリン酸50質量部、及び、消石灰9.2質量部(Ca(OH)換算でラウリン酸と当量)を混合し、90℃に加熱してゲル化基油を得た。このゲル化基油35質量部と、ベントナイト60質量部と、キサンタンガム(重量平均分子量 200万)5質量部とを混合してパテ状の可塑性止水材を得た。
【0028】
試験例1
比較例及び実施例1〜5で得られた可塑性止水材の試料を約10cm×2cm×1cmの直方体の形状に成形し、バット中に置き、完全に浸るまで水道水を入れた。5日後、それぞれの止水材は膨潤したが、実施例の止水材は直方体の形状を留めていたが、比較例の止水材は、割れ目、切れ目が発生して膨潤し、崩壊し、直方体の形状は完全に失われていた。
【0029】
試験例2
実施例及び比較例の可塑性止水材を厚さ1cmに圧延し、セル内部底面にセットし、水道水をセル上部から1cmのところまで入れ、体積未膨潤率及び体積膨潤率を測定する膨潤試験を実施した。その結果を図1〜3に示す。図1は異なる水性高分子を5質量%含む実施例1,5及び6、並びに、水性高分子を含まない比較例の可塑性止水材の結果を示すものである。体積未膨潤率は15日前ではいずれの実施例も比較例より高く、例えば5日経過の時点では、比較例の体積未膨潤率は約20%であるのに対し、実施例ではいずれも約30%であった。図2及び3は、比較例及び異なる量のポリビニルアルコールを含有させた実施例1〜5までの長期にわたる膨潤試験の結果を示すものである。含有するポリビニルアルコールの量が多くなるほど、膨潤速度が遅くなるものであった。
【0030】
試験例3
モールドに一般建築用配合の生コンクリートを打設し、3日間の養生して、下部コンクリートブロックを作成した。下部コンクリートブロックの中心部には径5mmの排水口を設け、上部コンクリート打設前に比較例の可塑性止水材を設置し、上部コンクリートを打設して、更に3日間の養生後、脱型し、乾燥した。上部コンクリートと下部コンクリートを切り離し、再び重ね合わせることで、人為的に間隙を設けたコンクリートの試験片を作成した。試験片をアクリル水槽の内部フランジに固定し、水槽を外部フランジにより密閉した。水槽内に水道水を注入し試験片を水没させ排水口から流出する漏水量を測定した。24時間の静置後、水槽内を0.5kg/cmで10分間加圧、続いて、3.0kg/cmで1時間加圧後、排水口から流出する漏水量を測定した。その後3.0kg/cmで加圧を続け、6日経過後排水口から流出する漏水量を測定した。次に、アクリル水槽から試験片をはずし、試験片内の可塑性止水材を全量取り出し、同体積の実施例3の可塑性止水材を詰め込み、上記と同様に試験片を作成し、上記と同様に止水性能を調査する試験を行った。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0004009462
【0032】
実施例3の可塑性止水材は、加圧直後の1日後の測定では多少の漏水が測定されたが、7日後には比較例と同様に漏水は測定されなかった。
【0033】
試験例1〜3の結果、ポリビニルアルコールを含む本発明の可塑性止水材は、大きく止水性能を失わせることなく、ベントナイトの吸水速度を抑制することによる形状安定性を向上させたことから、可塑性止水材の冠水時における流出を防ぐことができることがわかった。
【0034】
【発明の効果】
本発明の可塑性止水材は、高い止水性、長期安定性、自己シール性、膨潤速度抑制、形状安定性、さらに熱安定性を有する。さらに、パテ状になって所望の形に可逆的に成形できて容易に形状に維持することができ、施工性にも優れたものである。
【0035】
また、本発明の可塑性止水材は、コンクリート打継部施工時に伴う、雨水などによる水漏れに強い止水材で、流出などの従来の可塑性止水材が持つ欠点を克服するものである。さらに、水溶性高分子が持つ接着力により、形状安定性が特に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例の膨潤試験結果を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例及び比較例の別の膨潤試験結果を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例及び比較例のさらに別の膨潤試験結果を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 水膨潤性粘土鉱物、水溶性高分子及び非水系液体を主成分とする基油成分を混練してなる可塑性止水材であって、前記水溶性高分子を可塑性止水材全体に分散させてなることを特徴とする可塑性止水材。
  2. 水膨潤性粘土鉱物:水溶性高分子が100:1〜1:2の質量比で存在することを特徴とする請求項1に記載の可塑性止水材。
  3. 水溶性高分子がポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の可塑性止水材。
  4. 水膨潤性粘土鉱物がベントナイトであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の可塑性止水材。
  5. 水溶性高分子が粒径0.2mm以下のものを90%以上含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の可塑性止水材。
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