JP2007099787A - 放射線像変換パネルおよびその製造方法 - Google Patents

放射線像変換パネルおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放射線像変換パネルを好ましいX線損傷を有し、高感度かつ高画質なものとする。
【解決手段】ユーロピウム付活臭化セシウム系輝尽性蛍光体からなる層を、気相堆積法により基板上に形成する工程を含む放射線像変換パネルの製造方法において、真空中で基板上に輝尽性蛍光体の柱状結晶からなる気相堆積膜を形成した後、真空雰囲気中で熱処理する。
【選択図】図2

Description

本発明は、蓄積性蛍光体を利用する放射線画像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネルおよびその製造方法に関するものである。
X線などの放射線が照射されると、放射線エネルギーの一部を吸収蓄積し、そののち可視光線や赤外線などの電磁波(励起光)の照射を受けると、蓄積した放射線エネルギーに応じて発光を示す性質を有する蓄積性蛍光体(輝尽発光を示す輝尽性蛍光体等)を利用して、この蓄積性蛍光体を含有するシート状の放射線像変換パネルに、被検体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線を照射して被検体の放射線画像情報を一旦蓄積記録した後、パネルにレーザ光などの励起光を走査して順次発光光として放出させ、そしてこの発光光を光電的に読み取って画像信号を得る放射線画像記録再生方法が広く実用に共されている。読み取りを終えたパネルは、残存する放射線エネルギーの消去が行われた後、次の撮影のために備えられて繰り返し使用される。
放射線像変換パネルの感度および画質を高めることを目的として、蛍光体層を気相堆積法により形成する放射線像変換パネルの製造方法が提案されている。気相堆積法には蒸着法やスパッタ法などがあり、例えば蒸着法は、蛍光体またはその原料からなる蒸発源を抵抗加熱器や電子線の照射により加熱して蒸発源を蒸発、飛散させ、金属シートなどの基板表面にその蒸発物を堆積させることにより、蛍光体の柱状結晶からなる蛍光体層を形成するものである。
気相堆積法により形成された蛍光体層は、結合剤を含有せず、蛍光体のみからなり、蛍光体の柱状結晶と柱状結晶の間には空隙(クラック)が存在する。このため、励起光の進入効率や発光光の取出し効率を上げることができるので高感度であり、また励起光の平面方向への散乱を防ぐことができるので高鮮鋭度の画像を与えることができる。
例えば、特許文献1には、基板上に輝尽性蛍光体の柱状結晶からなる気相堆積膜を形成した後、この気相堆積膜を50℃以上300℃未満の温度で、不活性ガス雰囲気中もしくは少量の酸素ガス又は水素ガスを含む不活性ガス雰囲気中で、1乃至8時間熱処理することにより、蛍光体層から放出される輝尽発光量が飛躍的に増加することが可能な、ユーロピウム付活臭化セシウム系輝尽性蛍光体からなる層を形成する方法が記載されている。この特許文献1に記載されている方法により製造された放射線像変換パネルは従来の放射線像変換パネルに比べて、高感度であって高画質の放射線画像の得られる放射線像変換パネルである。
特開2003−279696号公報
放射線像変換パネルは繰り返し使用することができるので、資源保護、経済効率の面からも優れているが、長期間に亘って放射線像変換パネルに対しX線照射を繰り返し行った場合、放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体は損傷を受ける場合があることが知られている。いわゆるこのX線損傷は、輝尽性蛍光体の物質自体の損傷であるため輝尽発光強度に影響を与え感度を下げる一因とされている。よって、輝尽性蛍光体のX線損傷を改良することは放射線像変換パネルの使用期間を延ばすことに繋がる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、好ましいX線損傷を有し、高感度かつ高画質の放射線画像が得られる放射線像変換パネル及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の放射線像変換パネルは、ユーロピウム付活臭化セシウム系輝尽性蛍光体からなる層を有する放射線像変換パネルであって、前記輝尽性蛍光体の、Q−bandにおけるESRスペクトルのユーロピウム付活臭化セシウムにおけるg=1.88に対応する信号強度に対するg=1.90に対応する信号強度の比が0.7以上であることを特徴とするものである。
本発明の放射線像変換パネルの製造方法は、ユーロピウム付活臭化セシウム系輝尽性蛍光体からなる層を、気相堆積法により基板上に形成する工程を含む放射線像変換パネルの製造方法において、真空中で基板上に該輝尽性蛍光体の柱状結晶からなる気相堆積膜を形成した後、前記真空雰囲気中で熱処理することを特徴とするものである。
前記熱処理は、50℃以上300℃未満の温度で、1〜8時間行うことが好ましい。
本発明の放射線像変換パネルは、ユーロピウム付活臭化セシウム系輝尽性蛍光体からなる層を有する放射線像変換パネルであって、前記輝尽性蛍光体の、Q−bandにおけるESRスペクトルのユーロピウム付活臭化セシウムにおけるg=1.88に対応する信号強度に対するg=1.90に対応する信号強度の比が0.7以上であるので、X線損傷の少ないものとすることができ、X線損傷後の感度(PSL)低下を抑制することが可能である。
本発明の放射線像変換パネルは、ユーロピウム付活臭化セシウム系輝尽性蛍光体からなる層を、気相堆積法により基板上に形成する工程を含む放射線像変換パネルの製造方法において、真空中で基板上に該輝尽性蛍光体の柱状結晶からなる気相堆積膜を形成した後、引き続き、そのまま真空雰囲気中で熱処理することにより製造することができる。
以下、蛍光体として基本組成式(I):
CsBr・aMIX・bMIIX’2・cMIIIX”3:zEu ‥‥(I)
[ただし、MIはLi、Na、K及びRbからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属;MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属;MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属;X、X’及びX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン;a、b、c及びzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0≦c<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値である。以下、この記載は省略する。]
で表されるユーロピウム付活臭化セシウム系輝尽性蛍光体を例にとって説明する。
本発明の放射線像変換パネルの製造方法において、蛍光体またはその原料混合物を含む蒸発源は、CsBr成分1モルに対してEu成分を1×10−4乃至1×10−2モルの範囲で含み、そしてユーロピウム付活剤成分を含む蒸発源は、EuX(ただし、mは2.0<m<3.0の範囲の数値を表す)および/またはEuOXからなることが好ましい。蒸着は抵抗加熱方式により行うことが好ましい。また、上記基本組成式(I)において、MはCsであり、XはBrであることが好ましい。
以下に、本発明の放射線像変換パネルの製造方法について、抵抗加熱方式による蒸着の場合を例にとって詳細に述べる。抵抗加熱方式は、中程度の真空度で蒸着を行うことができ、柱状結晶の良好な蒸着膜を容易に得られる利点がある。
蒸着膜形成のための基板は、通常は放射線像変換パネルの支持体を兼ねるものであり、従来の放射線像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができるが、特に好ましい基板は、石英ガラスシート、サファイアガラスシート;アルミニウム、鉄、スズ、クロムなどからなる金属シート;アラミドなどからなる樹脂シートである。公知の放射線像変換パネルにおいて、パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層などを設けることが知られている。本発明で用いられる基板についても、これらの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に選択することができる。さらに、蒸着膜の柱状結晶性を高める目的で、基板の蒸着膜が形成される側の表面(基板の表面に下塗層(接着性付与層)、光反射層あるいは光吸収層などの補助層が設けられている場合には、それらの補助層の表面であってもよい)には微小な凹凸が形成されていてもよい。
まず蒸発源として、上記輝尽性蛍光体を含むものと付活剤Eu成分を含むものからなる少なくとも二個の蒸発源を用意する。輝尽性蛍光体を含む蒸発源は、輝尽性蛍光体それ自体であってもよいし、あるいはその原料混合物であってもよい。例えば、蛍光体の母体CsBr成分および付活剤Eu成分、更には添加物成分の混合物であってもよいし、あるいは蛍光体と付活剤Eu成分との混合物であってもよい。母体CsBr成分は、CsBr化合物それ自体であってもよいし、あるいは反応してCsBr化合物となりうる二以上の原料の混合物であってもよい。付活剤Eu成分は、一般にはEuを含む化合物であり、例えばEuのハロゲン化物や酸化物が用いられる。Eu成分は、CsBr成分1モルに対して1×10−4乃至1×10−2モルの範囲で含まれることが好ましい。
付活剤Eu成分を含む蒸発源は、上記と同様に一般にはEu化合物であり、例えばEuのハロゲン化物や酸化物が用いられる。好ましくは、EuX”’、EuOX”’、またはそれらの混合物が用いられる。ただし、mは2.0<m<3.0の範囲の数値を表し、X”’はF、Cl、Br及び/又はIを表す。ハロゲンX”’は、上記母体MX成分のXと同一であることが好ましく、特に好ましくはBrである。
EuX”’は、Eu2+のモル比が70%以上であることが好ましい。一般に、Eu化合物にはEu2+とEu3+が混合して含まれているが、所望とする輝尽発光(あるいは瞬時発光であっても)はEu2+を付活剤とする蛍光体から発せられるからである。すなわち、mは2.0<m<2.3の範囲内の数値であることが好ましい。mは2.0であることが望ましいが、2.0に近づけようとすると酸素が混入しやすくなる。よって、実際にはmは2.2付近でハロゲンX”’の比率が比較的高い状態が安定している。
なお、蒸発源は二個に限定されるものではなく、例えば別に添加物成分などからなる蒸発源を加えて三個以上としてもよい。
各蒸発源は、その含水量が0.5重量%以下であることが好ましい。蛍光体の母体成分が、例えばCsBrのように吸湿性である場合には水分を含みやすい。蒸発源の含水量をこのような低い値に抑えることは突沸防止などの点から重要である。蒸発源の脱水は、上記の蛍光体成分を減圧下で100〜300℃の温度範囲で加熱処理することにより行うことが好ましい。あるいは、蛍光体成分を窒素ガス雰囲気などの水分を含まない雰囲気中で、該成分の融点以上の温度で数十分乃至数時間加熱溶融してもよい。
また、蒸発源、特に蛍光体を含む蒸発源は、アルカリ金属不純物(蛍光体の構成元素以外アルカリ金属)の含有量が10ppm以下であり、そしてアルカリ土類金属不純物(蛍光体の構成元素以外アルカリ土類金属)の含有量が5ppm(重量)以下であることが望ましい。このような蒸発源は、アルカリ金属やアルカリ土類金属など不純物の含有量の少ない原料を使用することにより調整することができる。
上記複数の蒸発源および基板を蒸着装置内に配置し、装置内を排気して0.05〜10Pa程度の中真空度とする。あるいは、装置内を排気して1×10−5〜1×10−2Pa程度の高真空度とした後、Arガス、Neガス、Nガスなどの不活性ガスを導入して上記中真空度としてもよい。
良好な柱状結晶性を得るためには、基板を裏面からヒータなどを用いて50℃乃至300℃の温度に加熱することが好ましく、特には100℃乃至290℃の温度に加熱することが好ましい。
次に、各抵抗加熱器に電流を流すことにより蒸発源を加熱する。蒸発源である輝尽性蛍光体や付活剤成分等は加熱されて蒸発、飛散し、そして反応を生じて蛍光体を形成するとともに基板表面に堆積する。このとき、基板のサイズ等によっても異なるが、各蒸発源と基板との距離は一般に10乃至1000mmの範囲にあり、また各蒸発源間の距離は一般に10乃至1000mmの範囲にある。各々の蒸発源の蒸着速度は、抵抗加熱器の抵抗電流などを調整することにより制御することができる。また、蒸着中、付活剤成分を含む蒸発源の蒸着速度を変化させたり、途中で蒸着を停止することも可能である。蛍光体の堆積する速度、すなわち蒸着速度は、一般には0.1乃至1000μm/分の範囲にあり、好ましくは1乃至100μm/分の範囲にある。
なお、抵抗加熱器による加熱を複数回に分けて行って二層以上の蛍光体層を形成することもできる。
上記輝尽性蛍光体からなる蒸着膜を形成するに先立って、蛍光体の母体(MX)のみからなる蒸着膜を形成してもよい。これによって、形状の良好な母体柱状結晶の上に蛍光体の柱状結晶を一対一で対応させて成長させることができるので、より一層柱状結晶性の良好な蒸着膜を得ることができる。なお、蛍光体からなる蒸着膜中の付活剤など添加物は、特に蒸着時の基板加熱および/または蒸着後の熱処理によって、蛍光体母体からなる蒸着膜中に拡散するために、両者の境界は必ずしも明確ではない。
蒸着終了後、得られた蒸着膜をそのまま、すなわち0.05〜10Pa程度の中真空度に維持された蒸着機内において熱処理する。熱処理は、50℃以上300℃未満の温度で、1〜8時間行うこと好ましい。
このようにして、輝尽性蛍光体の柱状結晶がほぼ厚み方向に成長した蛍光体層が得られる。蛍光体層は、結合剤を含有せず、輝尽性蛍光体のみからなり、蛍光体の柱状結晶と柱状結晶の間には空隙が存在する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線像変換パネルの特性そして蒸着法の実施手段や条件などによっても異なるが、通常は50μm〜1mmの範囲にあり、好ましくは200μm〜700μmの範囲にある。
本発明に用いられる蒸着法は、抵抗加熱方式に限定されるものではなく、電子線照射方式であってもよい。電子線照射方式による場合には、蒸着装置内を排気して1×10−5〜1×10−2Pa程度の真空度とし、加速電圧を1.5kV以上で5.0kV以下に設定して複数の電子銃から電子線をそれぞれ発生させて各蒸発源に照射することにより、蒸着を実施することができる。
基板は必ずしも放射線像変換パネルの支持体を兼ねる必要はなく、蛍光体層形成後、蛍光体層を基板から引き剥がし、別に用意した支持体上に接着剤を用いるなどして接合して、支持体上に蛍光体層を設ける方法を利用してもよい。あるいは、蛍光体層に支持体(基板)が付設されていなくてもよい。
蛍光体層の表面には、放射線像変換パネルの搬送および取扱い上の便宜や特性変化の回避のために、保護層を設けることが望ましい。保護層は、励起光の入射や発光光の出射に殆ど影響を与えないように、透明であることが望ましく、また外部から与えられる物理的衝撃や化学的影響から放射線像変換パネルを充分に保護することができるように、化学的に安定で防湿性が高く、かつ高い物理的強度を持つことが望ましい。
保護層としては、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、有機溶媒可溶性フッ素系樹脂などのような透明な有機高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明なガラス板などの保護層形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるいは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものなどが用いられる。また、保護層中には酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、アルミナ等の光散乱性微粒子、パーフルオロオレフィン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末等の滑り剤、およびポリイソシアネート等の架橋剤など各種の添加剤が分散含有されていてもよい。保護層の層厚は一般に、高分子物質からなる場合には約0.1〜20μmの範囲にあり、ガラス等の無機化合物からなる場合には100〜1000μmの範囲にある。
保護層の表面にはさらに、保護層の耐汚染性を高めるためにフッ素樹脂塗布層を設けてもよい。フッ素樹脂塗布層は、フッ素樹脂を有機溶媒に溶解(または分散)させて調製したフッ素樹脂溶液を保護層の表面に塗布し、乾燥することにより形成することができる。フッ素樹脂は単独で使用してもよいが、通常はフッ素樹脂と膜形成性の高い樹脂との混合物として使用する。また、ポリシロキサン骨格を持つオリゴマーあるいはパーフルオロアルキル基を持つオリゴマーを併用することもできる。フッ素樹脂塗布層には、干渉むらを低減させて更に放射線画像の画質を向上させるために、微粒子フィラーを充填することもできる。フッ素樹脂塗布層の層厚は通常は0.5μm乃至20μmの範囲にある。フッ素樹脂塗布層の形成に際しては、架橋剤、硬膜剤、黄変防止剤などのような添加成分を用いることができる。特に架橋剤の添加は、フッ素樹脂塗布層の耐久性の向上に有利である。
上述のようにして本発明の放射線像変換パネルが得られるが、本発明のパネルの構成は、公知の各種のバリエーションを含むものであってもよい。例えば、得られる画像の鮮鋭度を向上させることを目的として、上記の少なくともいずれかの層を、励起光を吸収し輝尽発光光は吸収しないような着色剤によって着色してもよい。
ユーロピウム付活臭化セシウムの輝尽性蛍光体のQ−bandにおけるESRスペクトルのg=1.88とg=1.90の信号は、蛍光体層中のEu2+周囲の対称性(ゼロ磁場分裂定数)が異なる2種の構造にそれぞれ由来している。別途XAFS法から、この構造間の差異はEu2+近傍酸素量の差であり、g=1.90の信号が由来する構造の方が近傍酸素量は少ないことが推察されている。X線損傷過程はEu2+がEu3+となる酸化反応であるため、近傍酸素量の少ないg=1.90の構造がより損傷しにくいと考えられる。よってg=1.90に対応する構造のEu2+を多く含有する輝尽蛍光体ほどX線損傷度が好ましいと考えられる。蛍光体層中に他の化合物が混合することにより新たな信号が出現したり、磁場がシフト場合はそれを補正して、上記構造の強度比を求める。
以下に、本発明の放射線像変換パネルの製造を実施例により説明する。
(実施例1)
蒸着用基板として1mm厚アルミニウム基板を準備し、蒸着前に1Pa,300W−600secの条件で基板をプラズマ洗浄して基板表面の有機成分を除去した後、チャンバ内のホルダにセットした。CsBr(500g)およびEuBr2(10g)を装置内のそれぞれの抵抗加熱用るつぼ容器に充填した。基板と各蒸発源との距離は100mmとした。るつぼと基板の間にシャッターをセットし真空チャンバーを閉じた。真空排気手段を駆動して真空チャンバー内が8×10-4Paとなった時点で排気を継続しつつArガスを導入し、チャンバー内圧力を0.75Paに調整した。次いで、基板の蒸着面とは反対側に位置したシーズヒータで、石英基板を200℃に加熱した。抵抗加熱用の電源を駆動してすべてのるつぼに通電して成膜材料を加熱し、60分後、シャッターを開いて基板の直線搬送を開始し蛍光体層形成を開始した。蒸着速度は10μm/minに制御した。また輝尽蛍光体におけるEu/Csモル比が0.001/1になるように制御した。
蒸着終了後、シャッターを閉じた状態で蒸着装置内で0.75Paの真空度を維持して、200℃の温度で1時間アルミニウム基板上に形成した蒸着膜を熱処理した。抵抗加熱の電源を切り、Arガスの導入を停止し、乾燥空気をチャンバー内に導入してチャンバー内を大気圧とした。ついでチャンバー内からアルミ基板を取り出した。
アルミニウム基板上には、蛍光体の柱状結晶がほぼ垂直方向に密に林立した構造の蒸着膜(膜厚:約600μm、面積19cm×19cm)が形成されていた。蒸着膜を走査型電子顕微鏡(JSM−5400型、日本電子(株)製)で観察、測定した結果、柱状結晶の平均直径約3μm、平均高さ約600μm、および平均アスペクト比約200であった。
(実施例2)
実施例1において、次いでこのアルミニウム基板をガス導入可能な真空加熱装置に入れ、ロータリーポンプを用いて約1Paまで真空に引いて蒸着膜に吸着している水分等を除去した後、窒素ガス雰囲気中、200℃の温度で1時間蒸着膜を熱処理し、取り出した。
(比較例1)
実施例1において、蒸着終了後、シャッターを閉じた後に抵抗加熱の電源を切り、Arガスの導入を停止し、乾燥空気をチャンバー内に導入してチャンバー内を大気圧とした。ついでチャンバー内からアルミ基板を取り出した。次いでこのアルミニウム基板をガス導入可能な真空加熱装置に入れ、ロータリーポンプを用いて約1Paまで真空に引いて蒸着膜に吸着している水分等を除去した後、窒素ガス雰囲気中、200℃の温度で1時間蒸着膜を熱処理し、取り出した。蒸着膜を走査型電子顕微鏡(JSM−5400型、日本電子(株)製)で観察、測定した結果、柱状結晶の平均直径約3μm、平均高さ約600μm、および平均アスペクト比約200であった。
(X線損傷の評価)
放射線像変換パネルを室内光を遮蔽可能なカセッテに収納し、これに管電圧80kVpの10mRのX線を照射した。次いで、パネルをカセッテから取り出し、パネル表面にレーザ光(波長:633nm)を照射してパネルから放出された輝尽発光光をフォトマルチプライヤで検出し、初期輝尽発光量(PSL)を測定した。
X線損傷は、上記のPSL測定方法と同じ方法で測定した輝尽発光量(PSL)を初期PSLとし、その蛍光体に80kVpのX線50mRの照射と白色蛍光灯による消去を5万回繰り返した後の輝尽発光量すなわち照射後PSLの比(照射後PSL/初期PSL)(%)で評価した。
(ESRの測定)
大気中でESR用合成石英チューブに入れて封かんした実施例1,2および比較例1のそれぞれの輝尽蛍光体試料を、10KにてESR測定を行った。ESR の測定条件は次のとおりである。
測定装置:BRUKER製 電子スピン共鳴装置(EMX)
電磁波帯:Qバンド(34,000MHz)
磁場走査域: 10000±5000 G
磁場変調幅: 4 G
磁場変調周波数: 100 kHz
積算回数:4回
マイクロ波出力:0.25 mW
測定したESRスペクトルをに、12000Gから14000Gの範囲を拡大したスペクトルを図2に示す。なお、図2に示すスペクトルは図1に示すスペクトルから凝集体由来のブロードな信号(g≒2.005、ΔHpp=700G)をBRUKER社製線形解析ソフト「SimFonia」を用いて差し引くことにより求めたものである。そして、このスペクトルの磁場13400Gにベースラインをとり、これをゼロ点として、そこから下側に信号強度(縦軸の太線部分)を読みとり、g=1.90/g=1.88の信号比を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2007099787
QバンドESRスペクトルのg=1.88とg=1.90の信号は、Eu2+周囲の対称性(ゼロ磁場分裂定数)が異なる2種の構造にそれぞれ由来している。別途XAFS法から、この構造間の差異はEu2+近傍酸素量の差であり、g=1.90の信号が由来する構造の方が近傍酸素量は少ないことが推察されている。X線損傷過程はEu2+からEu3+への酸化反応であるため、近傍酸素量の少ないg=1.90の構造がより損傷しにくいと考えられる。よってg=1.90に対応する構造のEu2+を多く含有する輝尽蛍光体ほどX線損傷度が好ましいと考えられる。
表1に示すように、Q−bandにおけるESRスペクトルのg=1.88に対するg=1.90の信号比が0.7以上である実施例1および実施例2の放射線像変換パネルでは、信号比が0.7未満である比較例1の放射線像変換パネルに比べて、X線損傷が少なく、従ってPSL低下の少ない放射線像変換パネルとすることができた。なお、実施例2は真空熱処理後に通常の熱処理をしたものであるが、この場合には、初期感度を向上させることができた。
以上のように、ユーロピウム付活臭化セシウム系輝尽性蛍光体からなる層を有する放射線像変換パネルであって、前記輝尽性蛍光体の、Q−bandにおけるESRスペクトルのユーロピウム付活臭化セシウムにおけるg=1.88に対応する信号強度に対するg=1.90に対応する信号強度の比が0.7以上であるので、X線損傷の少ないものとすることができ、X線損傷後の感度(PSL)低下を抑制することが可能である。
実施例1,2および比較例1の輝尽性蛍光体のESRスペクトル 図1のESRスペクトルの部分拡大図

Claims (3)

  1. ユーロピウム付活臭化セシウム系輝尽性蛍光体からなる層を有する放射線像変換パネルであって、前記輝尽性蛍光体の、Q−bandにおけるESRスペクトルのユーロピウム付活臭化セシウムにおけるg=1.88に対応する信号強度に対するg=1.90に対応する信号強度の比が0.7以上であることを特徴とする放射線像変換パネル。
  2. ユーロピウム付活臭化セシウム系輝尽性蛍光体からなる層を、気相堆積法により基板上に形成する工程を含む放射線像変換パネルの製造方法において、真空中で基板上に該輝尽性蛍光体の柱状結晶からなる気相堆積膜を形成した後、前記真空雰囲気中で熱処理することを特徴とする放射線像変換パネルの製造方法。
  3. 前記熱処理を、50℃以上300℃未満の温度で、1〜8時間行うことを特徴とする請求項2記載の放射線像変換パネルの製造方法。
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