JP2007097594A - 香味劣化抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 食品等の本来の香味に影響を与えることなく、主として光、さらに熱や酸素等による香味劣化の抑制剤を提供することである。
【解決手段】 ザクロの溶媒抽出物を含有することを特徴とする香味劣化抑制剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、香味成分を含む食品又は口腔衛生剤に広く適用することができる特定の天然物由来の香味劣化抑制剤に関する。
食品や口腔内で使用される練り(液体)歯磨き剤、口臭防止剤のような口腔衛生剤(以下、食品等と略する)は口に入った瞬間にその味と匂いが感じられるので、食品等の香味は各種栄養成分と同様に重要な要素である。
こうした食品等の香味は製造、流通、保存等の各段階で徐々に劣化していくことはよく知られている。劣化に関係する要因として、主として熱、光、酸素、さらには水等が挙げられる。
そこで、従来、特に酸素による香味の劣化対策として、酸素透過性を低くした合成樹脂製の容器や袋の開発、また、脱酸素条件を組み入れた食品製造工程の導入、さらには酸化防止剤の添加等が施されていたが、他の劣化要因、特に光による劣化の対策はあまり考慮されていなかった。
しかし、最近、店頭ディスプレイ時の商品イメージアップのため透明ガラス容器入り食品、半透明プラスチック容器入り食品、透明袋入り食品等の製造・販売が増加しつつある。さらに、それらをコンビニエンスストア等で長時間、蛍光灯下に陳列する販売形態が一般的になってきた。従って、以前よりもさらに光の影響を受けやすくなり、香味劣化などの結果を招くことになった。
そこで、光による香味の劣化に対して特に大きな抑制効果をもち、さらに加熱殺菌工程や加熱保存時の熱による劣化抑制効果をも併せもつような手段を開発することが必要となってきた。
光による香味劣化は、香味成分が光照射によって分解され芳香・美味が消失し、また更に分解物が悪臭・異味成分に転化する要因となる。こうした光による劣化を主に抑制するために、ルチン、モリン又はケルセチンを添加して悪臭・異味物質の発生を防止し保存性の向上を図った乳含有酸性飲料(特許文献1参照)やコーヒー生豆抽出物由来のクロロゲン酸、カフェー酸、フェルラ酸と、ビタミンC、ルチン、ケルセチンとを併用して日光によるフレーバー劣化を防止する方法(特許文献2参照)、また、天然物由来の香料組成物にコーヒー豆由来のクロロゲン酸を添加して天然香料の劣化防止を図る方法(特許文献3参照)が提案されている。
しかし、従来技術における天然物由来の劣化抑制剤については、一般的に安全性が高く推奨できるが、その一方で、香味の劣化抑制効果を奏するためにはある程度多量に使用する必要があり、その結果、劣化抑制剤自体が有している味や匂いが食品そのものの味や香りに悪影響を与えるなど実用性に欠ける点があった。
なお、光透過性を抑えた容器や袋を用いる食品等の包装手段改良による劣化抑制方法も提案されているが、これもコストと香味劣化抑制効果の両面から考えると十分ではなかった。
従って、食品等に添加した場合に安全性が高く、食品等本来の香味に影響を与えることなく少量の使用で十分な効果を奏し、かつ経済性に優れた香味劣化の抑制手段として、新たな天然物由来の劣化抑制剤が要望されていた。
特公平4−21450号公報 特開平4−27374号公報 特開平4−345693号公報
本発明の目的は、従来技術における問題点を解決し、安全性が高く、しかも食品等本来の香味に影響を与えることない香味劣化抑制剤の提供、すなわち、食品等の製造、流通、保存等の各段階で主として光、さらに熱や酸素等の影響による香味の劣化を抑制する香味劣化抑制剤、当該抑制剤が所定量添加されて安定的な品質を有する食品等並びに当該抑制剤を所定量添加して香味の劣化を抑制し品質の安定を図る方法を提供することである。
本発明者らは、植物を中心とする多種多様の天然物由来の成分について香味劣化抑制活性を鋭意検討した結果、特定の植物又は天然物の溶媒抽出物を使用することにより長期間、光に対しては顕著に、さらに熱、酸素等による食品等の香味劣化を抑制できることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第一は、ユーカリ、丁字、ミロバラン、イチゴ、サンシュユ、ゲンノショウコ、ザクロ、ヒシ、五倍子及びアカメガシワからなる群より選ばれる少なくとも1種の天然物の溶媒抽出物を含有することを特徴とする香味劣化抑制剤である。さらに、天然物が、ユーカリ、ミロバラン、イチゴ及びザクロであることを特徴とし、また、溶媒が、水又は極性有機溶媒であることを特徴とする。
また、本発明の第二は、上記の香味劣化抑制剤が、0.01〜500ppm添加されてなる食品又は口腔衛生剤である。
また、本発明の第三は、ユーカリ、丁字、ミロバラン、イチゴ、サンシュユ、ゲンノショウコ、ザクロ、ヒシ、五倍子及びアカメガシワからなる群より選ばれる少なくとも1種の天然物の溶媒抽出物を食品又は口腔衛生剤に0.01〜500ppm添加して香味劣化を抑制する方法である。
本発明に係る香味劣化抑制剤を食品等に使用することにより、光、熱、酸素等の影響を受けやすいものについて香味劣化の抑制作用を有する。
特に光に対しては顕著な劣化抑制効果を示し、長期間安定的に香味を持続させることができるので、光照射の影響を受け易い透明ガラス容器、半透明プラスチック容器、或いは透明袋等に充填された食品等について適用すれば、優れた効果が発揮される。
また、劣化抑制剤自体の味・匂いが食品等本来の香味に影響を及ぼすことがないので幅広く適用することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(1) 原材料
本発明に使用する天然物は、下記に列挙した群から選ばれる少なくとも1種の植物又は五倍子のような植物関連物であり、これらは単独で又は併せて使用することができる。
ユーカリ(学名:Eucalyptus globulus Labill.)
丁字(チョウジ、学名:Eugenia caryophyllata Thunb.)
ミロバラン(学名:Terminalia chebula Retz.)
イチゴ(学名:Fragaria grandiflora Ehrh)
サンシュユ(学名:Cornus officinalis Sieb. et Zucc.)
ゲンノショウコ(学名:Geranium thunbergii Sieb. et Zucc.)
ザクロ(学名:Punica granatum L.)
ヒシ(学名:Trapa japonica Flerov.)
アカメガシワ(学名:Mallotus japonicus Muell. Arg.)
五倍子(ヌルデの若葉にヌルデノミミフシアブラムシの単性無翅雌虫が寄生して形成された虫こぶ)
上記の天然物は古くより医薬として用いられ安全性が確認されている。例えば、ザクロについては古来漢方薬として使用されており、また最近は抗炎症薬、抗アレルギー薬としても有効であると報告されているが(特開平5−310745号公報、特開昭62−142181号公報)、香味との関係についての報告はない。
上記のうち五倍子以外の植物については、根、茎(枝幹)、葉、果実を使用して後述の抽出処理に付される。
中でもユーカリとアカメガシワについては葉、ミロバラン、イチゴ、サンシュユとヒシについては果実、ゲンノショウコについては葉と茎、ザクロについては果皮と根皮、丁字についてはつぼみを使用することが好ましい。
また、上記の天然物の中でも、ユーカリ、ミロバラン、イチゴ及びザクロが好ましい。
なお、上記天然物の溶媒抽出物が香味の劣化抑制に優れた効果を奏するが、抽出物中の特にガロタンニン類、エラジタンニン類、デヒドロエラジタンニン類等の加水分解性タンニン類がその作用の中心的役割を果たしていると推測される。従って、上記以外の天然物であっても加水分解性タンニン類を比較的多量に含有する天然物であればその溶媒抽出物も同様の効果を期待できると考えられる。
(2) 抽出処理
1)溶媒
抽出処理に使用する溶媒は、水又は極性有機溶媒であり有機溶媒は含水物であってもよい。
極性有機溶媒としては、アルコール、アセトン、酢酸エチル等が挙げられる。
中でも人体への安全性と取扱性の観点から水又はエタノール、プロパノール、ブタノールのような炭素数2〜4の脂肪族アルコールが好ましい。特に水又はエタノール又はこれらの混合物が好ましい。
なお、抽出の前処理としてヘキサン等の非極性溶剤で予め脱脂処理をしておけば、後の抽出処理時に余分な脂質が大量に入り込むことを防止できるので好ましい。また、この脱脂処理で結果的に脱臭等の精製ができる場合がある。
2)抽出
抽出処理方法としては、前記各種天然物を粉砕したものを溶媒中に入れ、浸漬法又は加熱還流法で抽出する。なお、浸漬法による場合は加熱条件下、室温又は冷却条件下のいずれであってもよい。
次いで、溶媒に不溶な残渣を除去して抽出液を得るが、残渣除去方法としては遠心分離、濾過、圧搾等の各種の固液分離手段を用いることができる。
得られた抽出液はそのままでも食品等に添加して使用できるが、例えば水、エタノール等の食品用溶剤で適宜希釈して使用できる。また、さらに凍結乾燥や濃縮して粉末状、ペースト状の抽出エキスとして使用できる。
3)精製
上記方法で得られた抽出物はもちろんそのままで食品等に添加して使用できるが、かかる抽出物は着色状態や匂いを有している場合があるので、多孔性の、例えばスチレンージビニルベンゼン共重合体からなる合成樹脂吸着剤を用いて水又はエタノール水溶液溶出画分に分画して得られる精製物が脱色及び脱臭されているので好ましい。
精製用の合成樹脂吸着剤としては、例えば三菱化学株式会社製「ダイヤイオン(登録商標)HP-20」やオルガノ株式会社製「アンバーライト(登録商標)XAD−2」が市販されており入手可能である。
また、場合によっては、イオン交換樹脂或いは活性炭を使用して精製、即ち脱色、脱臭することも可能である。
ザクロの場合は精製によって活性が向上する利点がある。
(3) 用法
上記の抽出処理で得られる香味劣化抑制剤は食品等の加工段階で適宜添加することができる。添加量は、抑制剤の濃度或いは食品等に含有されている香味成分の種類や香味閾値によっても多少異なるが、一般的に食品等に対して0.01〜500ppmの添加量が適当である。食品等の本来の香味に影響を及ぼさない閾値の範囲内で添加する観点からは、1〜30ppmが好ましく、特に1〜10ppmが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
各天然物の抽出例を以下のとおり示す。
〔抽出例1−1〕
乾燥したユーカリの葉100gを1kgの70%アセトン水溶液中に入れ、1時間還流した。冷却後、遠心分離しセライト濾過して不溶物を除去した。濾液を減圧濃縮した後、凍結乾燥して粉末品35gを得た。
〔抽出例1−2〕
乾燥したユーカリの葉を50%エタノールで抽出処理して抽出物を得た。
図1に示すように抽出物の物性は以下のとおりであった。
a) 紫外線吸収スペクトル(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:50%エタノール)
λmax:299.8nm、272.0nm
測定機器は島津製作所製「分光光度計UV−2100」を使用した。
(以下の各抽出例も同様)。
b) 溶解性:水に可溶、50%エタノールに易溶、エタノールに可溶
〔抽出例2〕
凍結乾燥したイチゴ果実50g粉砕後、水500gを加え1日、室温下で静置抽出した。不溶物を濾過して除去した後、濾液減圧濃縮した。次いで、濃縮物を凍結乾燥してイチゴ粉末品32gを得た。
この粉末を水に溶解し、多孔性合成樹脂吸着剤(前掲「ダイヤイオンHP20」、比表面積511m2、水銀圧入法による細孔容積1.18ml/g、窒素吸着法による細孔容積1.30ml/g)を使用して水、50%エタノール水溶液、95%エタノール水溶液溶出画分に分画し精製した。収量は、それぞれ5.1g、17g、3.1gであった。
なお、図2に示すように50%エタノール抽出物の物性は以下のとおりであった。
a) 紫外線吸収スペクトル(測定濃度:8ppm、希釈溶剤:50%エタノール)
λmax:300.0nm、279.0nm
b) 溶解性:水に易溶、50%エタノールに易溶、エタノールに可溶
〔抽出例3−1〕
乾燥したザクロ果皮50gを粉砕し、50%エタノール水溶液1kg中に入れ、1時間加熱還流した。
不溶物を濾過して除去した後、濾液を減圧濃縮した。次いで、濃縮物を凍結乾燥しザクロ抽出物(粉末品)32g得た。
この粉末を水に溶解し、多孔性合成樹脂吸着剤(前掲「ダイヤイオンHP-20」)に充填後、水、20%エタノール水溶液、50%エタノール水溶液、70%アセトン水溶液溶出画分に分画し精製した。収量は、それぞれ5.8g、3.2g、18.6gであった。
なお、図3に示すように50%エタノール抽出物の物性は以下のとおりであった。
a) 紫外線吸収スペクトル(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:50%エタノール)
λmax:366.2nm、258.2nm
b) 溶解性:水に可溶、50%エタノールに易溶、エタノールに不溶
〔抽出例3−2〕
乾燥した100gのザクロ果皮に水1kgを加え、加熱還流して抽出した。セライト濾過により固形物を除去した後、この濾液の精製処理として活性炭を加え30分間撹拌して脱色、脱臭した。
精製処理後、凍結乾燥し淡褐色の粉末35gを得た。
〔抽出例4〕
乾燥した丁子のつぼみを熱水で抽出処理した。
図4に示すように抽出物の物性は以下のとおりであった。
a) 紫外線吸収スペクトル(測定濃度:20ppm、希釈溶剤:水)
λmax:299.6nm、256.6nm
b) 溶解性:水に易溶、50%エタノールに易溶、エタノールに可溶
〔抽出例5〕
乾燥した五倍子を熱水で抽出処理した。
図5に示すように抽出物の物性は以下のとおりであった。
a) 紫外線吸収スペクトル(測定濃度:10ppm、希釈溶剤:水)
λmax:299.6nm、275.0nm
b) 溶解性:水に易溶、50%エタノールに易溶、エタノールに可溶
〔抽出例6〕
乾燥したミロバランの果実を50%エタノール水溶液で抽出処理した。
図6に示すように抽出物の物性は以下のとおりであった。
a) 紫外線吸収スペクトル(測定濃度:15ppm、希釈溶剤:50%エタノール)
λmax:363.6nm、299.8nm、274.6nm
b) 溶解性:水に易溶、50%エタノールに易溶、エタノールに不溶
〔抽出例7〕
乾燥したサンシュユの果実を熱水で抽出処理した。
図7に示すように抽出物の物性は以下のとおりであった。
a) 紫外線吸収スペクトル(測定濃度:100ppm、希釈溶剤:水)
λmax:299.8nm
b) 溶解性:水に易溶、50%エタノールに可溶、エタノールに不溶
〔抽出例8〕
乾燥したアカメガシワの葉を50%エタノール水溶液で抽出処理した。
図8に示すように抽出物の物性は以下のとおりであった。
a) 紫外線吸収スペクトル(測定濃度:15ppm、希釈溶剤:50%エタノール)
λmax:299.8nm、273.8nm
b) 溶解性:水に易溶、50%エタノールに易溶、エタノールに可溶
次に、得られた抽出物の香味劣化に対する抑制活性を評価した。
〔試験例1〕
砂糖35g、クエン酸0.35g及びオレンジやレモン等の柑橘類に特有の香味成分であるシトラール1gを含有する65%エタノール水溶液を準備した(全量1000ml)。
この溶液を透明ガラス容器に入れ、表1に示す各種のザクロ抽出物を添加して試料とし、光安定性試験器(東京理化器械株式会社製「LST−300型」)にて光照射を行った。
照射条件は温度10℃、白色蛍光ランプ40W×12及び360nm近紫外線ランプ40W×3で、4000ルクスに調整し、近紫外線強度0.3mW/cm(器内中央)で72時間である。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて光照射後のシトラール含量を測定した。なお、測定条件は次のとおりである。
(測定条件)
装 置:日立製作所製「HITACHI D−7000 HPLCシステム」
カラム:ナカライテスク社製「コスモシール 5C18−AR−11」(カラム温度40℃)
溶離液:A.アセトニトリル、B.水
グラジエント条件: 0分 → 25分
A.アセトニトリル 10% 100%
B.水 90% 0%
流 速:1ml/分間
検出波長:254nm
表1におけるシトラール残存量(%)は以下の式にしたがって計算した。
シトラール残存量(%) = A/B × 100
(A:光照射後の試料中のシトラール含量、
B:光照射前の試料中のシトラール含量)
Figure 2007097594
次に上記抽出で得られた香味劣化抑制剤を各種食品に添加して評価した。
実施例1(ヨーグルト飲料)
牛乳94g、脱脂粉乳6gを混合後、殺菌(90〜95℃、5分間)した。48℃に冷却した後、スターターを接種した。これをガラス容器に入れ、発酵(40℃、4時間、pH4.5)させた。冷却後、5℃にて保存し、これをヨーグルトベースとした。
一方、糖液は白糖20g、ペクチン1g、水79gを混合後、90〜95℃、5分間加熱し、ホットパック充填したものを使用した。
上記ヨーグルトベース60g、糖液40g、香料0.1gを混合し、これをホモミキサー処理およびホモゲナイザー処理した。
これに香味劣化抑制剤を添加しないものと香味劣化抑制剤を5ppm添加したものをそれぞれ半透明プラスティック容器に充填した。
それぞれ光安定性試験器に入れ、蛍光灯を照射した後(6000ルクス、10℃、5時間)、習熟した10名のパネルを選んで官能評価を行った。そして、この場合、香味の変化のない対照としては香味劣化抑制剤を添加していない蛍光灯の未照射のヨーグルト飲料を使用し、香味の変化(劣化)度合いを評価した。
その結果は表2のとおりである。
なお、表2中の評価の点数は、下記の基準で採点した各パネルの平均点である。
(採点基準)
異味、異臭が強い :4点
香味が非常に変化した :3点
香味が変化した :2点
香味がやや変化した :1点
香味が変化していない :0点
Figure 2007097594
表2に示されるように無添加のものに比べ、抑制剤を添加したものは香味劣化抑制効果が高いことがわかった。
実施例2(レモン飲料A)
グラニュー糖10g、クエン酸0.1g、レモン香料0.1gおよび水にて全量100gに調製した。これに香味劣化抑制剤を添加しないものと各種の香味劣化抑制剤を2ppm添加したものをそれぞれガラス容器に充填し殺菌した。それらを光安定性試験器にて光照射を行った後(15000ルクス、10℃、3日間)、習熟した10名のパネルを選んで官能評価を行った。そして、この場合、対照としては香味劣化抑制剤を添加していない蛍光灯の未照射のレモン飲料を使用し、香味の変化(劣化)度合いを評価した。その結果は表3のとおりである。
なお、表3中の評価の点数は、実施例1と同様の基準で採点した各パネルの平均点である。
Figure 2007097594
表3に示されるように無添加のものに比べ、抑制剤を添加したものは香味劣化抑制効果が高いことがわかった。
実施例3(レモン飲料B)
ザクロ抽出物を3ppm添加したものについて評価した。その他の条件は実施例2と同様である。その結果は表4のとおりである。
なお、表4中の評価の点数は、実施例1と同様の基準で採点した各パネルの平均点である。
Figure 2007097594
表4に示されるように無添加のものに比べ、抑制剤を添加したものは香味劣化抑制効果が高いことがわかった。
実施例4(乳酸菌飲料)
乳酸菌飲料100gに香味劣化抑制剤を添加しないものと香味劣化抑制剤を10ppm添加したものをそれぞれガラス容器に充填し殺菌した。
それらを光安定性試験器にて光照射を行った後(15000ルクス、10℃、12時間)、習熟した10名のパネルを選んで官能評価を行った。そして、この場合、対照としては香味劣化抑制剤を添加してしない蛍光灯の未照射の乳酸菌飲料を使用し、香味の変化(劣化)度合いを評価した。その結果は表5のとおりである。
なお、表5中の評価の点数は、実施例1と同様の基準で採点した各パネルの平均点である。
Figure 2007097594
表5に示されるように無添加のものに比べ、抑制剤を添加したものは香味劣化抑制効果が高いことがわかった。
ユーカリ葉の抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。 イチゴ果実の抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。 ザクロ果皮抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。 丁子つぼみの抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。 五倍子の抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。 ミロバラン果実の抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。 サンシュユ果実の抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。 アカメガシワ葉の抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。

Claims (7)

  1. ザクロの溶媒抽出物を含有することを特徴とする香味劣化抑制剤。
  2. ザクロの溶媒抽出物を含有することを特徴とする光照射による香味劣化抑制剤。
  3. 溶媒が、水又は極性有機溶媒である請求項1又は2記載の香味劣化抑制剤。
  4. 請求項1乃至3のいずれかの項に記載の香味劣化抑制剤が、0.01〜500ppm添加されてなる食品又は口腔衛生剤。
  5. 請求項1乃至3のいずれかの項に記載の香味劣化抑制剤が、1〜10ppm添加されてなる食品又は口腔衛生剤。
  6. 請求項1乃至3のいずれかの項に記載の香味劣化抑制剤が、0.01〜500ppm添加されてなるレモン飲料、ヨーグルト飲料又は乳酸菌飲料。
  7. ザクロの溶媒抽出物を食品又は口腔衛生剤に0.01〜500ppm添加して香味劣化を抑制する方法。
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