JP2007096988A - 通信端末、移動体通信システム、および通信方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】通信端末1,2は、自局と他局の間で互いに無線通信すると共に、自局の受信状態に応じて求めた通信情報を基地局3に対し送信要求し、送信電力制御を行うことが可能で、自局の電池残量と送信電力設定から求めた中継依頼設定値を下回った場合に、他局へ中継依頼を行い、他局を経由して自局宛の通信情報を受信する。
【選択図】図1
Description
この無線通信システムは、複数の変調方式・拡散率等により下り通信速度と誤り耐性等のトレードオフを可能とし、通信端末の受信状態により高速な通信速度を提供することができる無線通信方式である。
一方、基地局は複数の通信端末からの下り通信速度の要求を受けて、それぞれの要求に対して、スケジューリングを行い、下り通信情報の送信先である通信端末を決定して通信を行う。
このスケジューリングは、複数加入者間の通信速度の公平性と基地局全体での合計スループットの最大化のバランスの取れた方式であるとされており、各通信端末に対し、過去の平均通信量R(移動平均あるいは対数窓平均を用い、一般的には過去1秒間程度の平均に相当する)を計算し、この平均通信量Rに対する下り通信速度の要求(DRC)の比DRC/Rが最大になる通信端末に下り通信情報をアサインするものである(たとえば、特許文献1参照)。
一方、基地局と通信端末が通信する無線通信システムにおいては、基地局の通信エリア内に存在する通信端末を中継局として使用することにより、基地局の通信エリア外に存在する通信端末と基地局との通信を可能にする通信方式が知られている(たとえば、特許文献2参照)。
この場合、基地局への上り信号を届けるために、数百mWの送信出力が通信端末側で必要となる。また基地局との通信手段でも、上りと下りでは上りの方がより多くの電力を必要とする。
よって、電池等限られた電力で動作する通信端末や装置では、電源容量の低下によって、やがては数百mWの送信出力で基地局との通信が行えなくなるといった不利益がある。
上記の場合についても、数十から数百mといった短距離や障害物等がない場所では、消費電力が少ない端末間の直接通信や、基地局からの下り受信だけは行える場合がある。
また、好適には、前記複数の通信端末から前記少なくとも1台の通信端末を選択する場合、前記複数の通信端末のうち、中継可能な通信端末をランダムに選択する。
図1は、基地局3と自局の移動通信端末(以下、通信端末と称する)1および他局の通信端末2の位置関係を示す図である。
ここでは、通信端末の受信状態により端末の送信パワーが制御される通信方式(たとえば、CDMA2000 1xEV−DO方式)を用いた移動体通信システムを例にして、以下の説明においては、自局の通信端末1は、電池残量が減少した状態にあり、他局の通信端末2は十分な電池残量を有する状態にあるものとして説明する。
なお、図1中で通信端末は2つのみ例示しているが、これに限定されず、3つ以上であっても構わない。
本実施形態の通信端末1,2は、基地局3との第1の通信と、他の端末との第2の通信が可能であって、電池残量を検出する検出機能を備え、電池残量に応じて、第1の通信から第2の通信に切り換える機能を備えている。
自局および他局は、通信端末が置かれている状態を示す論理的な名称であり、自局とは、相対的に電池残量が減少した状態にある通信端末のことであり、他局とは電池残量が十分な状態にある通信端末のことである。
原則として、自局は他局に対して、下り通信情報の中継を依頼する通信端末であり、他局は自局からの中継依頼を受けて、基地局3からの下り通信情報を中継して自局へ送信する通信端末である。
したがって、自局は少なくとも他局に対して中継を依頼する中継依頼手段を備えている必要があり、他局は少なくとも自局に対する下り通信情報の中継を行う中継実行手段を備えている必要がある。
受信状態とは、通信端末における基地局からの受信信号の品質(搬送波対干渉波比CIR)のことである。
電池残量とは通信端末に内蔵され、通信端末の動作を可能にせしめる電源であるところの電池の使用可能な残量であり、放電可能な電圧の下限電圧である終止電圧と電池電圧の相対値から所定のテーブル等により通信可能な残り時間等を推測可能としている。
通信情報とは、トラフィックデータのことである。送信要求とは、自局の識別情報(MACアドレス)と他局の通信速度を含み、基地局に対して、自局が他局を経由して、下りの通信情報の送信を要求するものである。
また、基地局3は、図2に示すように、スケジューラ31、自他局識別送信部32、および通信量補正部33を有する。
また、無線LAN送受信部13は、他局の通信端末(ここでは、通信端末2)に対する無線LANによる送受信処理を制御部21の制御によって実行する回路であり、この無線LAN送受信部13にはアンテナ11が接続されている。
音声処理部14には送話器15と受話器16が接続されている。
具体的には、通信量補正部33は、中継を実施した他局の通信端末2の過去の通信量から上記通信量(中継を実施した通信量)を減算し、中継を依頼した自局の通信端末1の過去の通信量に対して上記通信量(他局が中継した通信量)を加算する処理を行う。
ここでは、自局の通信端末1が基地局3から下りトラフィックデータを受信する必要がある状態であり、他局の通信端末2は、基地局3の通信エリア内に存在しているが、通信端末2自身は下りトラフィックデータを受信する必要はない状態にあるものとして説明する。
また、通信端末2も基地局3からの下りパイロット信号を受信して、受信状態を測定し、受信可能な下り通信速度r2を算出するとともに電池残量を測定する(ステップS2)。
そして、通信端末1と通信端末2は原則として、相互に、受信可能な下り通信速度r1、r2、電池残量を含む中継可能情報を交換するが、ここでは、通信端末1は、中継可能な状態でないため、通信端末2に対して自局の中継可能情報を送信せず、通信端末2から他局の中継可能情報を受信するのみである(ステップS3)。
ここで、MACアドレスとは、EV−DO方式において基地局3と通信している各通信端末を識別するアドレス(コード)である。
通信端末2は、通信端末1からの中継依頼を受けた場合に、基地局3に対してMACアドレス(中継情報)を付加した下りトラフィック要求(送信要求)を送信する(ステップS5)。
基地局3は、通信端末2に対して、「通信端末1向けの下りトラフィックデータ」を送信する(ステップS6)。
これを受けて、通信端末2は、基地局3から受信した「通信端末1向けの下りトラフィックデータ」を無線LANにより中継して通信端末1へ送信する(ステップS7)。
図4は、通信端末1の動作を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、通信端末1が中継依頼手段と中継実行手段の両方を備えている場合の処理動作を示している。
次に、通信端末1は、無線LANにより直接通信可能な他局の通信端末2があるか否かを判定する(ステップS14)。
ステップS14において無線LANにより直接通信可能な他局の通信端末2がないと判定した場合は、自局である通信端末1の電池残量を測定し、また受信状態および基地局からの制御により決定される送信出力に応じた閾値の算出を行い、電池残量と閾値を比較して自局による送信が可能かどうかを判定する(ステップS21)。
ステップS21において自局による送信が不可能と判定した場合は、中継を依頼できる他局が存在しないため、それ以上基地局との通信ができず、ローバッテリ(Low Battery)処理(ステップS25)へ移行する。
ここでLow Battery処理とは基地局との通信の終了を含み、ユーザに対する通知や通信端末の自動電源オフ、あるいは電源オフせず非通信モード(通信端末機能のうち通信機能以外の電池残量が少ない状態でも動作可能な機能のみ使用可能とするモード)に移行すること等を指すが、周囲環境の変化により直接通信可能な移動局が出現することを期待して最初のステップS11に戻ってもよい。
ステップS21において自局による送信が可能と判定した場合は、基地局3へ自局の受信可能な下り通信速度情報を含めて送信し、下りトラフィックデータ(自局宛の通信情報)の送信を要求する(ステップS22)。
そして、下りトラフィックデータがアサインされた場合は、基地局3から下りトラフィックデータを受信し(ステップS23、S24)最初のステップS11に戻り、下りトラフィックデータがアサインされなかった場合も、最初のステップS11に戻る。
ステップS15において自局による送信が不可能と判定した場合は、中継可能な通信端末2があるか否かを判定し(ステップS16)する。中継可能な通信端末2があるかどうかの判定は無線LAN上でアドホックモードで通信可能な通信端末が存在するかどうかで行われる。
ステップS16において中継可能な通信端末2が無いと判定した場合はLow Battery処理(ステップS25)へ移行する。ステップS16において、中継可能な通信端末2があると判定した場合には、無線LAN上で中継可能な通信端末2から電池残量、受信可能な下り通信速度を含む中継可能フラグを受信し中継を依頼する通信端末を選択する(ステップS17)。ここで中継可能な通信端末が複数ある場合の選択方法については後述する。
ステップS17で選択した通信端末2に対し通信端末1は無線LAN上で中継を依頼する(ステップS18)。そして、無線LAN上に下りトラフィックデータがあるかどうかを判定し(ステップS19)ある場合には、無線LAN上で下りトラフィックデータを受信して(ステップS20、S21)最初のステップS11に戻り、下りトラフィックデータがアサインされなかった場合も、最初のステップS11に戻る。
ステップ26において中継不可能と判定した場合、すなわち自局が通信中の場合は基地局へ下りの通信情報の送信を要求するためにステップS22へ移行する。ステップS26において自局は中継可能と判定した場合は、無線LAN上で電池残量と受信可能な下り通信速度を含む中継可能フラグを他局の通信端末2に向けて送信する(ステップS27)。
そして、他局の通信端末n(自局に対し中継依頼を行っている他局)からの中継依頼があるか否かを判定し(ステップS28)、中継依頼がない場合は、ステップS22に移行する。
中継依頼がある場合には、中継依頼に含まれる通信端末nの識別情報であるMACアドレスを含む中継情報を付加して、自局の受信可能な下り通信速度を基地局3に送信する(ステップS29)。
そして、通信端末1は、下りトラフィックデータがアサインされたか否かを判定し(ステップS30)、下りトラフィックデータがアサインされた場合は、下りトラフィックデータを受信し(ステップS31)、受信した下りトラフィックデータを無線LAN上で通信端末nに送信する(ステップS32)。
また、ステップS30において、下りトラフィックデータがアサインされていないと判定した場合は、最初のステップS11に戻る。
ヘッダ情報としては中継を要求する通信端末1のMACアドレス(6bit)を含み、通信端末2から基地局3へは上りトラフィックデータチャネル上で、DRCサブチャネルにDRCシンボルの4bitを拡張して送信する。また、DRCサブチャネルの一部をパンクチャリングしてMACアドレス情報を載せる、パイロットサブチャネルの一部をパンクチャリングしてMACアドレス情報を載せる等の方法を用いることもできる。
選択は制御部21の通信端末選択部25で行われ、上記の例では複数の他局から得られるそれぞれの端末の電池残量を比較し、もっとも電池残量の大きい他局を中継を依頼する通信端末として選択する構成が説明されている。
本発明の別の実施形態では、電池残量を比較する代わりに複数の他局から得られるそれぞれの端末の受信状態あるいは当該局に中継を依頼した場合に得られるデータレートを比較し、もっとも良好な他局を、中継を依頼する通信端末として選択することもできる。この場合は中継を依頼した結果得られる中継端末を経由した基地局から自局宛の下り通信情報のスループットを高めることができる。
この図6では一定の負荷状態において、一定電圧が放電し安定している状態を想定している。
電池の電圧が動作停止電圧まで低下した状態が電池残量ゼロの状態であり、電池の電圧が満充電電圧に近いほど電池残量が多い状態では、電池残量の尺度としては電池電圧と動作停止電圧の差を用いることができる。
一方、通信端末の動作として待受け状態や通話状態、ユーザによる操作状態等さまざまな状態が存在するが、それぞれ消費電流が異なり、時間あたりの電圧減少の量も異なる。このため、それぞれの動作状態における電池電圧とその動作状態を継続できる時間、すなわち電池電圧が動作停止電圧まで低下する時間が異なる。
本実施形態で用いる電池残量が基地局との通信、特に上り通信情報の送信(下り通信情報の送信要求の送信も含む)を自局で行うか他局に中継依頼するかの判定基準であることから、上り通信情報の送信を行っている状態を継続できる時間を電池残量の尺度として用いることもできる。
自局を含む複数の通信端末が同一の動作停止電圧を有している場合は、電圧を尺度として各通信端末の電池残量を比較することが容易であるが、複数の通信端末の電池の特性や動作停止電圧が異なる場合は送信状態を継続できる時間を尺度として用いる方が電池残量の比較に適している。
図7では通信端末の負荷すなわち消費電流の変動によって、電圧がドロップする。このため送信電力の設定によって電池電圧が変化することになる。
通信端末の消費電力は電源ONされているが送信も受信も行っていない状態がもっとも低く、受信を行っている状態の消費電力、受信に加え無線LANを有効にしている状態の消費電力と続き、受信、無線LAN有効に加え基地局への上り通信情報の送信を行っている状態がもっとも消費電力が大きい。
また基地局への上り通信情報の送信に必要な消費電力は送信出力によっても左右され、送信出力が大きい時ほど消費電力も大きくなる。
図9から送信電力が大きいほど消費電力も大きくなることが分かる。
前述の通り送信出力が大きくなることにより消費電力が大きくなり、電池から出力される電流も増大することにより電池の電圧も降下する。
この降下は電流が大きい間、すなわち大送信電力で送信している期間継続し、送信を終了すると電流による電圧降下は解消され送信前の元の電圧に戻る(送信により消費された電力による電圧の降下はある)。この作用は図7に示すとおりである。
一方で送信状態を継続できる時間を尺度とする場合は、図9の送信出力に応じた消費電流が継続時間に与える影響が尺度に反映される必要があり、具体的には電池残量決定時点での送信出力に応じた消費電力を継続できる時間を電池残量とする。
各通信端末は基地局3から受信した下りトラフィックデータを通信端末に無線LAN等を用いて送出し、通信端末は無線LAN上で下りトラフィックデータを受信することができる。
この場合、基地局3はスケジューリングを行うが、スケジューリングは以下に説明するプロポーショナルフェアーアルゴリズムに基づいて行われる。
Ri(n)=(1−1/tc)×Ri(n−1)+1/tc×ri(n−1)
ここで、Ri(n)は通信端末iに対するスロットnにおける平均データ通信速度を示す、ri(n)は通信端末iに対するスロットnにおける伝送データ通信速度を示し、通信端末iに対する下りトラフィックがアサインされない場合は0である。また、tc(i)は時定数を示している。
Fi(n)=DRCi(n)/Ri(n)
ここで、DRCi(n):通信端末iのスロットnにおける要求データ通信速度を、通信端末が求め基地局に送信する受信可能な下り通信速度を示している。
Ri(n)=(1−1/tc)×Ri(n−1)+1/tc×rj(n−1)、
Rj(n)=(1−1/tc)×Rj(n−1)+1/tc×rj(n−1)、
n−1の時点で通信端末iが通信端末jを中継局として基地局と通信し、基地局3から下りトラフィックが通信端末jにアサインされたとき、次の関係とする。
Ri(n)=(1−1/tc)×Ri(n−1)+1/tc×rj(n−1)×(1+c)、
Rj(n)=(1−1/tc)×Rj(n−1)+1/tc×rj(n−1)×(−c)、
ただし、cは補正係数を示し、その値は0.1〜0.5程度とする。
また、下り通信情報(トラフィックデータ)の中継を実行する通信端末(図1においては、他局の通信端末2)は、周囲の通信端末に対して、下り通信情報(トラフィックデータ)の中継を依頼するする中継依頼手段を必ずしも備えていなくてもよい。
特に、自動車電話のように、送信電力および電源の容量が十分に大きい場合は、周囲の通信端末に対して、下り通信情報(トラフィックデータ)を中継しても消費電力の点で問題が少ないため、自動車電話を移動可能な中継局と見なして利用すれば、新たな基地局を設けることなく高品質の情報通信を実現することが可能となる。
図1との大きな相違点は、図1では自局である通信端末が他局である通信端末に中継依頼した場合、他局は自局と基地局間の上り通信情報および下り通信情報の両方の中継を行う構成であったが、図11では他局は上り通信情報のみの中継を行い、下り通信情報は他局を経由することなく基地局から自局へ直接送受信される。
図11に示す通信端末1Aおよび基地局3の構成は図2のとおりであり、詳細な説明を省略する。
また、通信端末2Aも基地局3からの下りパイロット信号を受信して、受信状態を測定し、受信可能な下り通信速度r2を算出するとともに電池残量を測定する(ステップS102)。
そして、通信端末1Aと通信端末2Aは原則として、相互に、受信可能な下り通信速度r1、r2、電池残量を含む中継可能情報を交換するが、ここでは、通信端末1Aは、中継可能な状態でないため、通信端末2Aに対して自局の中継可能情報を送信せず、通信端末2から他局の中継可能情報を受信するのみである(ステップS103)。
通信端末1Aにおいて電池残量が閾値より減っていると判定した場合は、通信端末1Aから通信端末2Aに対して、通信端末1AのMACアドレス(識別情報)および受信可能な下り通信速度r2を含む中継依頼を行う(ステップS104)。
通信端末2Aは、通信端末1Aからの中継依頼を受けた場合に、基地局3に対してr2を含む自局の下り通信情報要求と併せて通信端末1Aからの中継依頼に含まれる通信端末1AのMACアドレスおよびr1を付加した下り通信情報要求を送信する(ステップS105)。
基地局3は、スケジューラ31により下り通信情報を送信する通信端末を決定し、通信端末1Aを選択した時は通信端末1A宛の下り通信情報を下り通信速度r1で通信端末1Aに送信する(ステップS106)。この時もしも基地局3が通信端末2Aを選択した場合は通信端末2A宛の下り通信情報を下り通信速度r2で通信端末2Aに送信することになる。
図13は、通信端末1Aの動作を示すフローチャートである。図13に示すフローチャートは、通信端末1が中継依頼手段と中継実行手段の両方を備えている場合の処理動作を示している。
次に、通信端末1Aは、無線LANにより直接通信可能な他局の通信端末2Aがあるか否かを判定する(ステップS114)。
ステップS114において無線LANにより直接通信可能な他局の通信端末2Aがないと判定した場合は、自局である通信端末1Aの電池残量を測定し、また受信状態および基地局からの制御により決定される送信出力に応じた閾値の算出を行い、電池残量と閾値を比較して自局による送信が可能かどうかを判定する(ステップS121)。
ステップS121において自局による送信が不可能と判定した場合は、中継を依頼できる他局が存在しないため、それ以上基地局との通信が出来ず、Low Battery処理(ステップS125)へ移行する。
ステップS121において自局による送信が可能と判定した場合は、基地局3へ自局の受信可能な下り通信速度情報を含めて送信し、下りトラフィックデータ(自局宛の通信情報)の送信を要求する(ステップS122)。
そして、下りトラフィックデータがアサインされた場合は、基地局3から下りトラフィックデータを受信し(ステップS123、S124)最初のステップS111に戻り、下りトラフィックデータがアサインされなかった場合も、最初のステップS111に戻る。
ステップS115において自局による送信が不可能と判定した場合は、中継可能な通信端末2があるか否かを判定する(ステップS116)。
中継可能な通信端末が複数存在する場合は、中継可能フラグに含まれる電池残量で中継を依頼する通信端末を選択してもよいし、ランダムに選択しても良い。ステップS116において中継可能な通信端末2Aが無いと判定した場合はLow Battery処理(ステップS125)へ移行する。
ステップS116において、中継可能な通信端末2Aがあると判定した場合には、無線LAN上で中継可能な通信端末2A対し通信端末1Aは無線LAN上で自局のMACアドレスおよび受信可能な通信速度r1を含む中継依頼を行い(ステップS118)、ステップS123に移行する。
中継依頼がある場合には、基地局3へ自局の受信可能な下り通信速度情報を含めて送信し、下りトラフィックデータ(自局宛の通信情報)の送信を要求するとともに中継依頼に含まれる通信端末nの識別情報であるMACアドレスおよび受信可能な通信速度rnを含む中継情報を付加し通信端末n宛の下り通信情報の送信要求を基地局3に送信し(ステップS129)、ステップS123に移行する。
通信端末1Aが他の通信端末nの中継依頼を受けた場合、通信端末は自局の下り通信情報送信要求と併せて通信端末nの下り通信情報送信要求を基地局3に送信する必要があるが、下り通信情報送信要求は図5に示すような高々10bit程度の情報を基地局に送出すればよく、通信端末1Aから基地局3へは上りトラフィックデータチャネルやアクセスチャネル上で送出してもよいし、複数の他局の通信端末の下り通信情報送信要求を同時に基地局3に送出することもでき、かつ自局のみの下り通信情報送信要求を基地局に送出する場合と比較しても消費電力の増加はほとんど生じない。
図5に対し追加された中継フラグのビットが0の時は自局で直接基地局3から自局宛の下り通信情報を受信することを意味し、1の場合は中継を依頼する他局に下り通信情報の中継も依頼する事を意味する。また、この場合に中継可能な通信端末が送出する中継可能フラグに、下り通信情報の中継可否の情報、受信可能な通信速度等の情報を含む。
各通信端末の構成は図2、動作は図11、図12の通りである。各通信端末は無線LAN等の直接通信手段でローカルなネットワークを構成し、ネットワーク内に存在する複数の通信端末のリストを共有し、特定の1台の通信端末がホストとなって中継を行う1台または少数の通信端末を決定し、中継を行う通信端末以外の通信端末が中継を行う通信端末に下り通信情報送信要求を中継依頼する。
中継を行う通信端末を決定する方法としては、電池残量を比較してもっとも電池残量の多い1台、ないし中継を依頼する端末の台数に応じて上位数台を選択する。また電池残量を比較するのではなく中継可能な複数の通信端末の中で順次中継を行う通信端末を割り当てても良いし、中継可能な複数の通信端末からランダムに中継を行う通信端末を選択してもよい。
このような構成とすることにより、互いに通信可能な範囲に存在する複数の通信端末全体の電池消費を低減することができる。
これにより、互いに通信可能な範囲に存在する複数の通信端末の中で、他局の通信端末を中継局とすることにより、中継可能な他局からの送信で基地局3から自局宛の通信情報を受信できる。これにより、ユーザの利便性を高めることができるとともに、電池残量減による当該自局の通信時間の減少などを改善することができる。
これにより、通信端末は、自局の識別情報に基づき、基地局から自局宛の通信情報を取得することができる。
これにより、通信端末は、他局に中継依頼するだけでなく、他局のために中継を実行することができる。
これにより、互いに通信可能な範囲に存在する複数の中継可能な通信端末の中で電池残量がもっとも多い通信端末を中継局とすることにより、中継時間がもっとも長い中継局で基地局から自局宛の通信情報を受信できる。
これにより、中継を行う通信端末がスケジューリング上不利な扱いを受けることがないため、ユーザは通信端末を使用しないときであっても積極的に通信端末の電源を入れておくようになり、基地局から見た全体の合計スループットを改善し、無線設備の利用効率を高めることができる。
これにより、中継した通信端末に対し送信した通信情報についてこれに応じた通信量を、中継した通信端末の過去の通信量から減算するようにしたため、中継を行う通信端末は、中継を行うほど自己のスケジューリング上の取り扱いを有利にすることができ、ユーザは通信端末を使用しないときであっても積極的に通信端末の電源を入れておくようになり、基地局から見た全体の合計スループットを改善し、無線設備の利用効率を高めることができる。
3 基地局
10、11 アンテナ
12 基地局向け送受信部
13 無線LAN送受信部
14 音声処理部
15 送話器
16 受話器
17 画面表示部
18 操作キー
19 電池残量測定部
20 記憶部
21 制御部
22 受信品質測定・通信速度算出部
23 閾値設定処理部
24 端末間情報交換部
25 通信端末選択部
31 スケジューラ
32 自他局識別送信部
33 通信量補正部
Claims (15)
- 基地局との第1の通信と、他の端末との第2の通信が可能な通信端末であって、
電池残量を検出する検出手段と、
前記電池残量に応じて、前記第1の通信から前記第2の通信に切り換え可能な制御部と
を備えたことを特徴する通信端末。 - 自局と他局の間で互いに無線通信すると共に、当該他局を経由して当該自局宛の通信情報を受信することが可能な通信端末であって、
前記自局が基地局と通信を行う場合に、前記他局が送信した中継可能情報を受信し、かつ前記自局の電池残量が所定の閾値を下回ったときに、当該自局が前記他局に対し、当該自局と前記基地局との間の通信を中継依頼する中継依頼手段を備えた
ことを特徴とする通信端末。 - 自局又は他局の何れであるかを前記基地局が識別するための識別情報を、前記他局を経由して前記基地局に送信し、前記基地局が当該自局の識別情報に基づいて送信する前記自局宛の通信情報を、前記他局を経由して受信する手段を有する
ことを特徴とする請求項2記載の通信端末。 - 前記自局宛の通信情報を有していない場合、当該自局の電池残量が所定の閾値を上回ったときに、当該自局が中継可能フラグを当該他局に送信し、当該他局が中継を必要とした場合に、前記基地局が当該他局の識別情報に基づいて送信する当該他局宛の通信情報を、中継して当該他局に送信する手段を有する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の通信端末。 - 自局と他局の間で互いに無線通信すると共に、当該他局を経由して当該自局宛の下りの通信情報の送信要求を送信することが可能な通信端末であって、
前記自局が基地局と通信する場合に、当該自局の電池残量によって、ある特定の閾値を下回った場合に、前記自局の中継依頼によって、中継可能な前記他局が前記自局宛の下り通信情報の送信要求を中継する中継依頼手段を備えた
ことを特徴とする通信端末。 - 自局と他局の間で互いに無線通信すると共に、当該他局を経由して当該自局宛の下り通信情報の送信要求を送信すること、および当該他局を経由して当該自局宛の通信情報を受信することが可能な通信端末であって、
前記自局と前記他局の受信状態と、当該自局の電池残量がある特定の閾値を下回ったかどうかにより、前記自局の中継依頼によって、中継可能な前記他局が当該自局宛の下り通信情報、当該自局宛の下り通信情報の送信要求のいずれか一方または両方を中継する中継手段を備えた
ことを特徴とする通信端末。 - 自局と他局との間で互いに無線通信する複数の通信端末と、該通信端末の受信状態に応じて下りの通信情報が送信要求される基地局とを備えた移動体通信システムであって、
前記通信端末は、他局が求めた中継設定情報と電池残量を受信し、当該他局の電池残量が多い場合、自局または他局の何れであるかを前記基地局が識別するための識別情報を当該他局に送信することにより、前記他局に対し、前記自局宛の通信情報の中継を依頼する他局中継依頼手段を備え、
前記基地局は、前記自局の識別情報に基づいて、当該自局の通信情報を前記他局の前記通信端末を経由して当該自局の前記通信端末に送信する自他局識別送信手段を備えた
ことを特徴とする移動体通信システム。 - 前記基地局は、前記通信端末に対する通信情報の送信順序および送信量を、前記通信端末の過去の通信量に対する前記通信速度に基づいて決定するスケジューリング手段と、前記通信端末の過去の通信量を算出する際に、中継した前記通信端末に対し送信した前記通信情報について、中継を依頼した前記通信端末に対し送信したものとして取扱う通信量補正手段とを備えた
ことを特徴とする請求項7に記載の移動体通信システム。 - 前記通信量補正手段は、中継した前記通信端末に対し送信した前記通信情報についてこれに応じた通信量を、中継した前記通信端末の過去の通信量から減算し、中継を依頼した前記通信端末の過去の通信量に加算する
ことを特徴とする請求項7または8に記載の移動体通信システム。 - 前記通信端末は、自局と他局の間で互いに無線通信すると共に、当該他局を経由して当該自局宛の下りの通信情報の送信要求を送信すること、および当該他局の当該他局宛の下りの通信情報の送信要求を中継することが可能であって、
前記無線通信可能な複数の通信端末のうちの少なくとも1台の通信端末が当該複数の通信端末宛の下り通信情報の送信要求を中継して基地局に送信する
ことを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の移動体通信システム。 - 前記複数の通信端末から前記少なくとも1台の通信端末を選択する場合、前記複数の通信端末のうち電池残量がもっとも多い端末を選択する
ことすることを特徴とする請求項10に記載の移動体通信システム。 - 前記複数の通信端末から前記少なくとも1台の通信端末を選択する場合、前記複数の通信端末のうち、中継可能な通信端末をランダムに選択する
ことを特徴とする請求項10に記載の移動体通信システム。 - 基地局との第1の通信と、他の端末との第2の通信が可能な通信方法であって、
電池残量を検出し、
前記電池残量に応じて、前記第1の通信から前記第2の通信に切り換える
ことを特徴とする通信方法。 - 自局と他局の間で互いに無線通信すると共に、当該他局を経由して当該自局宛の通信情報を受信することが可能な通信方法であって、
前記自局が基地局と通信を行う場合に、前記他局が送信した中継可能情報を受信し、かつ前記自局の電池残量が所定の閾値を下回ったときに、当該自局が前記他局に対し、当該自局と前記基地局との間の通信を中継依頼する
ことを特徴とする通信方法。 - 自局と他局の間で互いに無線通信すると共に、当該他局を経由して当該自局宛の下りの通信情報の送信要求を送信することが可能な通信方法であって、
前記自局が基地局と通信する場合に、当該自局の電池残量によって、ある特定の閾値を下回った場合に、前記自局の中継依頼によって、中継可能な前記他局が前記自局宛の下り通信情報の送信要求を中継する
ことを特徴とする通信方法。
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