JP2007095789A - 輻射加熱装置 - Google Patents

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高正 坂井
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Abstract

【課題】
メンテナンスが容易であり、且つ輻射熱等を有効に利用できる熱効率の高い加熱装置を提供する。
【解決手段】
加熱ランプと、該加熱ランプより照射された加熱光を反射して被処理物を加熱させる反射ガラスと、該反射ガラスを保護する透光性の保護ガラスとを備え、前記反射ガラスと前記透光性の保護ガラスとは、空隙を隔てて配置されてあり、前記反射ガラスと前記透光性の保護ガラスとの空隙に空気の流入が抑制された空気断熱層が形成されてなる輻射加熱装置を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、輻射加熱装置に関し、特に、半導体の集積回路等に高速に加熱を行う輻射加熱装置に関する。
近年、半導体及び材料関連産業の急速な発展に伴い高度な熱処理が要求されるようになっている。これらの要求に応えるべく、強力な熱輻射からの輻射を直接加熱物に集中して加熱する輻射加熱装置が注目されている。
図4に従来の加熱装置の概略断面図を示す。
図4に示すように、該加熱装置は、加熱ランプ104及び加熱ランプ104からの加熱光を反射する反射体101から構成されている。
該加熱ランプ104は、ハロゲンランプ、キセノンランプ或いは水銀フラッシュランプ等であり、被加熱物103(例えば、半導体ウエハ等)に加熱光を出射するものである。
該反射体101としては、半球状の形状を有し、前記加熱ランプ104から出射された加熱光を反射するよう金属板の表面部分に反射効率を上げるための金属薄膜によるコーティングが施されたもの或いはガラス板の表面部分に反射効率を上げるための金属薄膜によるコーティングが施されたもの等が用いられていた。
前記反射体101として、金属板の表面部分に反射効率を上げるための金属薄膜によるコーティングが施されたものを用いた場合、金属板は熱伝導性が高いため、冷却(例えば、水冷部102)が必要となり、輻射熱の利用が低減され熱効率が低下するという問題を有している。
また、未使用時に冷却を続けると使用環境下によっては、コーティング部分に結露が生じて空気中の埃等を吸着し汚れるため、コーティング部分を常に清浄に保たなければ反射効率が低下するという問題も有している。
また、前記反射体101として、ガラス板の表面部分に反射効率を上げるための金属薄膜によるコーティングが施されたものを用いた場合、ガラス板は熱伝導性が低いため冷却が不要となる。
しかし、ガラス板表面が加熱されることで空気との間で対流が生じて、熱エネルギーが失われ熱効率が低下するという問題を有している。
更にガラス板の表面に金属薄膜がコーティングされているため、該金属薄膜のコーティングが剥がれやすくメンテナンスに最新の注意が必要であるという問題もある。
そのため、メンテナンスが容易であり、且つ輻射熱等を有効に利用できる熱効率の高い加熱装置が要望されている。
上記要望に鑑み、本発明は、メンテナンスが容易であり、且つ輻射熱等を有効に利用できる熱効率の高い加熱装置を提供することを課題とするものである。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討した結果、下記の発明により上記課題を解決できることを見いだし本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、加熱ランプと、該加熱ランプより照射された加熱光を反射して被処理物を加熱させる反射ガラスと、該反射ガラスを保護する透光性の保護ガラスとを備え、前記反射ガラスと前記透光性の保護ガラスとは、空隙を隔てて配置されてあり、前記反射ガラスと前記透光性の保護ガラスとの空隙に空気の流入が抑制された空気断熱層が形成されてなることを特徴とする輻射加熱装置を提供する。
かかる構成であれば、透光性の保護ガラスと反射ガラスとの間に空気の流入を抑制し、熱の拡散を防止する空気断熱層が形成されているため、輻射熱等を効率よく利用することができる。
また、本発明は、前記反射ガラスと前記透光性の保護ガラスとの端部空隙が、空気の流入を抑制する多孔質性材料で封止され一体化されてなることが好ましい。
かかる構成であれば、より一層熱の拡散を防止でき、輻射熱等を効率よく利用することができる。
また、本発明は、加熱ランプが収納される加熱ランプ収納部と被処理物が収納される被処理物収納部と内部が減圧状態に保たれてなる略球状のガラスチャンバーとからなり、前記ガラスチャンバーを介して対向するよう前記加熱ランプ収納部と前記被処理物収納部とが配されてなる照射加熱収納体と、前記照射加熱収納体との間に空隙ができるよう該照射加熱収納体を収納する反射ガラスとで構成されてなり、前記照射加熱収納体と前記反射ガラスとの空隙には、空気の流入が抑制された空気断熱層が形成されてなることを特徴とする輻射加熱装置を提供する。
かかる構成であれば、ガラスチャンバー内を減圧状態に保つことで形成される真空断熱層と、更に前記照射加熱収納体と反射ガラスとの間に空気の流入を抑制し、熱の拡散を防止する空気断熱層とが形成されているため、輻射熱等を効率よく利用することができる。
前記照射加熱収納体と前記反射ガラスとの端部空隙が、全周に亘り多孔質性材料で封止され一体化されてなることが好ましい。
かかる構成であれば、より一層空気の流入が抑制でき、熱の拡散を防止でき、より一層輻射熱等を効率よく利用することができる。
本発明の輻射加熱装置は、反射ガラス面が、外気(外部)に直接曝されていないため、該反射ガラスの表面に埃等の吸着が殆どなく、メンテナンスが容易である。
また、本発明の輻射加熱装置は、空気断熱層及び/又は真空断熱層を有しているため、輻射熱等を効率よく利用することができる熱効率が向上する。
以下、本発明の一実施例について図面を参酌しつつ説明する。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態に係る輻射加熱装置1の概略断面図である。
図1に示すように、第一実施形態に係る輻射加熱装置1は、加熱ランプ10と、該加熱ランプ10より照射される加熱光を反射して被処理物20を加熱させる反射ガラス30と、前記反射ガラス30を保護する透光性の保護ガラス40とを備えて構成される。
前記反射ガラス30の上面には、該反射ガラス30を保護すべく透光性の保護ガラス40が該反射ガラス30と空隙を隔てて配置されてなる。
前記反射ガラス30は、平板形状或いは凹面形状であってもよい。
前記反射ガラス30が凹面形状の場合、該凹面の形状は、適宜調整することができる。
前記反射ガラス30が凹面形状の場合、略中央部に向かって徐々に窪んで行くもの(例えば、略お椀形状等)が好ましい。
例えば、該凹面の形状を調整することで被処理物20にあたる前記加熱ランプ10からの加熱光を調整でき、前記被処理物20の温度等を調整できる。
また、被処理物20にフラットに加熱光を照射する場合もあるため、平面形状であってもよい。
前記保護ガラス40も前記反射ガラス30と同様に平板状或いは凹面状であってもよい。前記保護ガラス40は、前記反射ガラス30の上面に位置するように構成されているため、前記反射ガラス30と前記保護ガラス40との形状は、同様であることが好ましい。
例えば、前記反射ガラス30が凹面形状であれば、同様に前記保護ガラス40も該反射ガラス30と同様の凹面形状であることが好ましい。
同様の形状にすることで反射ガラス40の表面を保護することができる。
前記反射ガラス30の凹面形状としては、被処理物20の一点に光が集まるような焦点型の形状でもよく、或いは被処理物20の全体に光が当たるような非焦点型の形状であってもよい。
前記反射ガラス30と前記保護ガラス40との空隙は、加熱ランプ10が点灯照射されることで、該反射ガラス30面が加熱され高温になると生じる空気対流による外部(常温)空気の流入を抑制し、熱の拡散を防止するためのものである。
熱の拡散をより一層効果あらしめるものとするため、前記反射ガラス30と前記保護ガラス40との間の空隙と外部との通気開口が遮断されることが好ましい。
前記反射ガラス30と前記保護ガラス40との端部空隙は、全周に亘り多孔質性材料50で封止されて、前記反射ガラス30と前記保護ガラス40とが一体化している。
前記反射ガラス30と前記保護ガラス40との端部空隙が、全周に亘り多孔質性材料50で封止されることで、前記空隙が空気断熱層60として作用する
該空気断熱層60が設けられることで、外部(常温)空気が、前記反射ガラス30と保護ガラス40との空隙に流入することが抑制され熱の拡散が防止でき、輻射エネルギー等を効率よく利用できる。
前記反射ガラス30に使用できる材質としては、ガラス、セラミック等が挙げられる。
ガラス、セラミックス等は、高温に耐え且つ表面加工性がよいためである。
該反射ガラス30の厚み等は適宜調整することができる。
また、前記反射ガラス30には、前記保護ガラス40と対向する面に金属薄膜31が設けられている。該金属薄膜31を設けることで、前記加熱ランプ10より照射された加熱光及び輻射エネルギー等を効率よく反射し、被処理物20を効率よく加熱することができる。
前記金属薄膜31としては、金、白金、銅、アルミ等が挙げられ、これらの中でも金が好適に用いられる。
金が好適に用いられるのは、高温でも酸化されず、且つ反射率が高いためである。
前記金属薄膜の厚さは、30〜150nmであり、50〜100nmが好ましい。
前記反射ガラスの一面に金属薄膜を設ける方法としては、例えば、CVD蒸着法、有機金属化合物をコーティングした後、焼成焼き付けする(MOD)法等の従来公知の方法が用いられる。
前記透光性の保護ガラス40に使用できる材質としては、石英、パイレックス(R)等が挙げられる。石英、パイレックス(R)等は高温耐久性があり、且つ透明性にも優れている。
該透光性の保護ガラス40は、前記金属薄膜31が設けられた反射ガラス30の上面に位置するように配置されるものであるため、高い透明性が要求される。
前記透光性の保護ガラス40は、前記反射ガラス30の一面に設けられた金属薄膜31を保護するためのものでもある。前記反射ガラス30と前記保護ガラス40との空隙に設けられた空気断熱層60により、前記金属薄膜31の表面に埃等が付着することが防止される。
また、外部に接している保護ガラス面に埃等が付着した場合には、容易に取り除くことができるため、メンテナンスが容易となる。
前記多孔質性材料50としては、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩系、リン酸塩系、ケイ酸ソーダ系(水ガラス)、シリカゾル系、リン酸セメント、リサージセメント、石膏、ポルトランドセメント、アルミナセメント、マグネシウムセメント、鉄セメント、硫黄セメント、低融点ガラス、結晶性低融点ガラス、アルミナゾル系、粘土系充填剤などが挙げられる。
前記多孔質性材料50が使用される箇所は、高温(例えば、1,000℃以上)になるため、耐熱性のあるアルミナ繊維や石英繊維を線状或いは布状にした材料のものが好ましい。
前記多孔質性材料50には、微小な空洞があるため、前記空気断熱層60と外部とを完全に遮断するものではなく、例えば、空気断熱層60内の圧力が上昇した際には、外部との圧力差を緩和することができる。
尚、反射ガラス30等が高温になったときに生じる熱対流による空気断熱層60内への外部(常温)空気の流入を阻止することができ、熱効率の低下を防止できる。
前記加熱ランプ10としては、ハロゲンランプ、キセノンランプ或いは水銀フラッシュランプの何れかを用いることができる。
前記加熱ランプ10は、前記保護ガラス40と前記被処理物20との間に設けられている。
<第二実施形態>
図2は、本発明の第二実施形態に係る輻射加熱装置1の概略断面図である。
図2に示すように第二実施形態に係る輻射加熱装置1の構成は、前記第一実施形態の構成と同様であるが、加熱ランプ10が収納されている加熱ランプ収納部11が、反射ガラス30及び保護ガラス40と一体化している点が相違する。
図2に示すように、第二実施形態に係る輻射加熱装置1は、加熱ランプ10が収納された加熱ランプ収納部11が、反射ガラス30及び保護ガラス40の凹部中央部を貫き、立設されて設けられている。
即ち、前記加熱ランプ収納部11を取り囲むように前記反射ガラス30と前記保護ガラス40とが配置されている。
加熱ランプ収納部11は、前記保護ガラス40の上面に突き出るように立設されている。
該突き出るように立設されている先端部分には、前記加熱ランプ10が収納されている。
前記加熱ランプ収納部11と前記反射ガラス30とは、直接固着されていてもよく或いは前記多孔質性材料50を介して固着されていてもよい。
また、加熱ランプ収納部11と前記保護ガラス40とは、直接固着されていてもよく或いは前記多孔質性材料50を介して固着されていてもよい。
尚、図2では、反射ガラス30は多孔質性材料50を介して加熱ランプ収納部11と固着され、保護ガラス40は直接加熱ランプ収納部11と固着している実施形態を示してある。
前記加熱ランプ収納部11は、一端側が閉じられており、該一端側が被処理物20に向かうよう前記保護ガラス40の上面に立設されている。
前記加熱ランプ収納部11は、石英、パイレックス(R)、結晶性アルミナ等の高温耐久性があり、且つ透明性の高い材質で構成されている。該加熱ランプ収納部11は、前記反射ガラス30及び/又は前記保護ガラス40と直接固着されるため、前記反射ガラス30及び/又は前記保護ガラス40と同様の材質で構成されていることが好ましい。
また、前記加熱ランプ収納部11には、前記加熱ランプ10を冷却するための冷却部12(水冷装置或いは空冷装置)が設けられていてもよい。
該冷却部12を設けることで加熱ランプ10の過熱が防止でき、ランプ寿命を延ばすことができる。
<第三実施形態>
図3は、本発明の第三実施形態に係る輻射加熱装置1の概略断面図である。
図3に示すように、第三実施形態に係る輻射加熱装置1は、加熱ランプ10が収納される加熱ランプ収納部11と被処理物20が収納される被処理物収納部21と内部が減圧状態に保たれてなる略球状のガラスチャンバー70とからなり、前記ガラスチャンバー70を介して対向する前記加熱ランプ収納部11と前記被処理物収納部21とが配されてなる照射加熱収納体80と、該照射加熱収納体80との間に空隙ができるよう該照射加熱収納体80を収納する反射ガラス90とを備えて構成される。
前記加熱ランプ収納部11と前記被処理物収納部21とは、内部が減圧状態に保たれてなる略球状のガラスチャンバー70を介して対向して配されており、これで前記照射加熱収納体80を構成している。
加熱ランプ収納部11と前記ガラスチャンバー70とは、加熱ランプ収納部11の先端部が前記ガラスチャンバー70の表面部分で固着されていてもよく或いは前記加熱ランプ収納部11の先端部分がガラスチャンバー70に貫入した状態で固着されていてもよい。
また、被処理物収納部21とガラスチャンバー70も、上記と同様に固着されていてもよい。
上記のように固着されることで、前記ガラスチャンバー70を介して前記加熱ランプ収納部11と前記被処理物収納部21とが、略直線状に設けられている。
前記第一及び第二実施形態においては、反射ガラスは、平板形状或いは凹面形状であったが、第三実施形態では、反射ガラス90は、前記照射加熱収納体80を該反射ガラス90の内部に収納でき、かつ前記照射加熱収納体80と前記反射ガラス90との間に空隙ができる略筒状である。
該反射ガラスの形状を略筒状にすることで、加熱ランプ10から照射された加熱光を外部に逃がすことなく有効に利用できる。
該照射加熱収納体80と該反射ガラス90との間にある空隙は、前記第一実施形態及び前記第二実施形態における空気断熱層60に相当するものである。
前記反射ガラス90と前記照射加熱収納体80との両端部は、前記空気断熱層60を形成するために、多孔質性材料50で封止されている。
該空気断熱層60は、前記第一及び第二実施形態で記載したのと同様に、外部(常温)空気が、前記反射ガラス90とガラスチャンバー70との空隙に流入することが抑制され熱の拡散が防止でき、輻射エネルギー等を効率よく利用できる。
尚、前記多孔質性材料50には、微小な空洞があり外部と連通しているため、前記空気断熱層60と外部とを完全に遮断するものではなく、例えば、空気断熱層60内の圧力が上昇した際には、外部との圧力差を緩和することができる。
前記多孔質性材料50も前記実施形態で用いたものと同様のものを用いることができる。
前記ガラスチャンバー70は、略球状をしており、該ガラスチャンバー70の内部は、減圧状態に保たれている。
該ガラスチャンバー70の内部を減圧状態に保つことで所謂、真空断熱層100を形成し、加熱ランプ10で該ガラスチャンバー70が加熱されても、熱対流が防止でき熱効率を向上できる。
該ガラスチャンバー70に使用できる材質としては、石英、パイレックス(R)、結晶性アルミナ等が挙げられる。
該ガラスチャンバー70は、加熱ランプ10から照射された光を被処理物にまでロスなく届けるため、透明性が高い材料で形成されていることが好ましい。
前記加熱ランプ収納部11及び前記被処理物収納部21は、一端側が閉じられており、該両者の該一端側が前記ガラスチャンバー70を介して向かい合うように設けられている。
該被処理物収納部21に使用できる材質としては、石英、パイレックス(R)、結晶性アルミナ等が挙げられる。
該加熱ランプ収納部11に使用できる材質としては、前記第二実施形態に記載したのと同様の材質を用いることができる。
該被処理物収納部21には、被処理物を入れて加熱処理を行う。
尚、前記加熱ランプ収納部11、前記被処理物収納部21及び前記ガラスチャンバー70は、同一の材質で構成されていることが好ましい。
該加熱ランプ収納部11に収納する加熱ランプ10も前記実施形態と同様のものを用いることができ、また、該加熱ランプ10に冷却装置を付けることもできる。
前記反射ガラス90は、略筒状体であり、前記照射加熱収納体80と対向する一面に金属薄膜31が設けられている。該金属薄膜31を設けることで、前記加熱ランプ10より照射された輻射エネルギー等を効率よく反射し、被処理物20を効率よく加熱することができる。
該反射ガラス90としては、前記照射加熱収納体80と同様の形状で且つ該照射加熱収納体80を内部に収納できる形状であることが好ましい。
同様の形状にすることで、反射ガラス90と前記部材との間に形成される空隙が、ほぼ一定の間隔になり、効果的な空気遮断層となる。
また、反射ガラス90の形状を調整することで、被処理物に光が集中ようにすることもできる。
該反射ガラス90に使用できる材質としては、前記第一実施形態に記載したのと同様の材質を用いることができる。また、該反射ガラスの表面に金属薄膜を設ける際の、金属材料及び金属薄膜を設ける方法も、前記実施形態と同様である。
本発明の第三実施形態に係る輻射加熱装置1は、以下の方法で製造することができる。 まず、両端側に開口部と側面側に減圧用の開口部とを有する楕円球状のガラスチャンバー70の両端側一方開口部に、加熱ランプ収納部11の閉じられた一端を挿入して固着し、両端側他方開口部に、被処理物収納部21の閉じられた一端を挿入して固着させる。
次に、側面側減圧用開口部からガラスチャンバー70内部を減圧にし、該側面側減圧用開口部を溶着して閉じる。
略筒状の反射ガラスを半分にした略筒状の第1反射ガラスと略筒状の第2反射ガラスとを用いる。
前記加熱ランプ収納部11の開口している他端側から、第1反射ガラスを挿入し、加熱ランプ収納部11と第1反射ガラスとの両端部で空隙部分を多孔質性材料で封止する。
次に、前記被処理物収納部21の開口している他端側から、第2反射ガラスを挿入し、被処理物収納部21と第2反射ガラスとの両端部で空隙部分を多孔質性材料で封止する。
そして、第1反射ガラスと第2反射ガラスとの端面を付き合わせて溶融接合し、反射ガラス90を形成する。
これにより、前記第三実施形態に係る輻射加熱装置1が得られる。
前記第三実施形態に係る輻射加熱装置においては、内部が減圧状態のガラスチャンバー70及び前記照射加熱収納体80と反射ガラス90との間に形成された空気断熱層60により熱対流の発生が抑制され、熱効率が向上する。また、長時間加熱を続けると加熱ランプ部等の輻射加熱装置が耐久温度以上に加熱されることになるが、その際でも、内部が減圧状態のガラスチャンバー70及び前記照射加熱収納体80と反射ガラス90との間に形成された空気断熱層60により熱対流の発生が抑制されることで過度の加熱が防止できる。
また、前記第三実施形態に係る輻射加熱装置1においては、前記反射ガラス90を、加熱ランプから照射された加熱光が被処理物に集中するような焦点集光ミラー形状にすることも可能である。更に、前記反射ガラス90を、加熱ランプから照射された光が、反射ガラス30の金属薄膜面で何度も反射を繰り返し徐々に被処理物に集まるような非焦点集光ミラー形状にすることも可能である。
本発明の輻射加熱装置は、金属薄膜が形成されている反射ガラス面が、外部に直接曝されていないため、該金属薄膜表面に埃等の吸着が殆どなく、メンテナンスが容易である。 また、本発明の輻射加熱装置は、空気断熱層及び/又は真空断熱層を有しているため、輻射エネルギー等を効率よく利用することができる熱効率が向上し、更に空気断熱層及び/又は真空断熱層を有しているため、熱対流が抑制され過度に該輻射加熱装置が加熱されることが防止でき長時間の使用が可能となる。
図1は、第一実施形態に係る輻射加熱装置の概略断面図である。 図2は、第二実施形態に係る輻射加熱装置の概略断面図である。 図3は、第三実施形態に係る輻射加熱装置の概略断面図である。 図4は、従来の射加熱装置の概略断面図である。
符号の説明
1…輻射加熱装置
10…加熱ランプ
11…加熱ランプ収納部
12…加熱ランプ冷却部
20…被処理物
21…被処理物収納部
30、90…反射ガラス
31…金属薄膜
40…保護ガラス
50…多孔質性材料
60…空気断熱層
70…ガラスチャンバー
80…照射加熱収納体
100…真空断熱層

Claims (4)

  1. 加熱ランプと、該加熱ランプより照射された加熱光を反射して被処理物を加熱させる反射ガラスと、該反射ガラスを保護する透光性の保護ガラスとを備え、
    前記反射ガラスと前記透光性の保護ガラスとは、空隙を隔てて配置されてあり、
    前記反射ガラスと前記透光性の保護ガラスとの空隙に空気の流入が抑制された空気断熱層が形成されてなることを特徴とする輻射加熱装置。
  2. 前記反射ガラスと前記透光性の保護ガラスとの端部空隙が、空気の流入を抑制する多孔質性材料で封止され一体化されてなることを特徴とする請求項1に記載の輻射加熱装置。
  3. 加熱ランプが収納される加熱ランプ収納部と被処理物が収納される被処理物収納部と内部が減圧状態に保たれてなる略球状のガラスチャンバーとからなり、前記ガラスチャンバーを介して対向するよう前記加熱ランプ収納部と前記被処理物収納部とが配されてなる照射加熱収納体と、
    前記照射加熱収納体との間に空隙ができるよう該照射加熱収納体を収納する反射ガラスとで構成されてなり、
    前記照射加熱収納体と前記反射ガラスとの空隙には、空気の流入が抑制された空気断熱層が形成されてなることを特徴とする輻射加熱装置。
  4. 前記照射加熱収納体と前記反射ガラスとの端部空隙が、全周に亘り多孔質性材料で封止され一体化されてなることを特徴とする請求項3に記載の輻射加熱装置。
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