JP2002270530A - 加熱装置、熱処理装置及びランプ冷却方法 - Google Patents

加熱装置、熱処理装置及びランプ冷却方法

Info

Publication number
JP2002270530A
JP2002270530A JP2001071353A JP2001071353A JP2002270530A JP 2002270530 A JP2002270530 A JP 2002270530A JP 2001071353 A JP2001071353 A JP 2001071353A JP 2001071353 A JP2001071353 A JP 2001071353A JP 2002270530 A JP2002270530 A JP 2002270530A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lamp
cooling
unit
temperature
light emitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001071353A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4969732B2 (ja
Inventor
Masahiro Shimizu
正裕 清水
Minoru Yazawa
実 矢沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2001071353A priority Critical patent/JP4969732B2/ja
Publication of JP2002270530A publication Critical patent/JP2002270530A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4969732B2 publication Critical patent/JP4969732B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、加熱部の短命の防止する冷却を
可能にすると共に、かかる冷却の効率を上げ経済性に優
れた加熱装置、熱処理装置、及び冷却方法を提供する。 【解決手段】 本発明の例示的一態様としての加熱装置
は、ランプとランプハウスからなる加熱装置であって、
前記ランプハウスは、電力を供給される電極部と当該電
極部と電気的に接続され発光する発光部とを含む前記ラ
ンプを収納するランプ収納部と、前記ランプ収納部の近
傍に設けられ、前記発光部を冷却する冷却部とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶基板、ガラ
ス基板などの被処理体を加熱処理する加熱装置及び熱処
理装置に関する。本発明は、例えば、メモリやICなど
の半導体装置の製造に適した急速熱処理(RTP:Ra
pid Thermal Processing)装置に
好適である。ここで、RTPは、急速熱アニーリング
(RTA)、急速クリーニング(RTC)、急速熱化学
気相成長(RTCVD)、急速熱酸化(RTO)、及び
急速熱窒化(RTN)などを含む技術である。
【0003】
【従来の技術】一般に、半導体集積回路を製造するため
には、半導体ウェハ等のシリコン基板に対して成膜処
理、アニール処理、酸化拡散処理、スパッタ処理、エッ
チング処理、窒化処理等の各種の熱処理が複数回に亘っ
て繰り返される。
【0004】半導体製造処理の歩留まりと品質を向上さ
せるため等の目的から急速に被処理体の温度を上昇及び
下降させるRTP技術が注目されている。従来のRTP
装置は、典型的に、被処理体(例えば、半導体ウェハ、
フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、光
ディスク用基板)を載置するサポートリング(ガードリ
ングその他の名称で呼ばれる場合もある。)と、これら
を収納する枚葉式チャンバ(処理室)と、処理室に配置
されたウインドウと、ウインドウの外部上部又は上下部
に配置された加熱用ランプ(例えば、ハロゲンランプ)
と、ランプの被処理体とは反対側に配置されたリフレク
タ(反射板)とを有している。
【0005】リフレクタは、例えば、アルミニウム製
で、その反射部には、典型的に、金メッキが施されてい
る。リフレクタには、リフレクタのランプによる温度破
損(例えば、高温による金メッキ剥離)と冷却時にリフ
レクタが冷却を妨げないようにするための冷却機構(冷
却管など)が設けられている。RTP技術で要求される
急速昇温は、ランプのパワー密度とランプから被処理体
への光照射の指向性に依存する。
【0006】ウインドウは石英より形成(以下、石英ウ
インドウ)され、板状に構成されたり、被処理体を内部
に収納可能な管状に構成されたりする。処理室が真空ポ
ンプにより排気されて内部が減圧環境に維持される場合
には、石英ウインドウは数10mm(例えば、30乃至
40mm)の肉厚を有して減圧と大気との差圧を維持す
る。石英ウインドウは、温度が上昇することで発生する
各温度差による熱応力を防ぐために、肉薄で耐圧可能な
湾曲状に加工される場合もある。
【0007】ハロゲンランプは、被処理体を均一に加熱
するために複数個配列され、リフレクタによって、ハロ
ゲンランプからの赤外線を一様に被処理体に向かって放
射する。ハロゲンランプ及びリフレクタは一のランプ保
持部として一体的に構成される。処理室は、典型的に、
その側壁において被処理体を導出入するゲートバルブに
接続され、また、その側壁において熱処理に使用される
処理ガスを導入するガス供給ノズルと接続される。
【0008】被処理体の温度は処理の品質(例えば、成
膜処理における膜厚など)に影響を与えるために正確に
把握される必要があり、高速昇温及び高速冷却を達成す
るために被処理体の温度を測定する温度測定装置が処理
室に設けられる。温度測定装置は熱電対によって構成さ
れてもよいが、被処理体と接触させねばいけないことか
ら被処理体が熱電対を構成する金属によって汚染される
おそれがある。そこで、被処理体の裏面から放射される
赤外線強度を検出し、その放射強度を以下の数式1に示
す式に則って被処理体の放射率εを求めて温度換算する
ことによって被処理体の温度を算出するパイロメータが
温度測定装置として従来から提案されている。
【0009】
【数1】
【0010】ここで、EBB(T)は温度Tの黒体からの
放射強度、Em(T)は温度Tの被処理体から測定され
た放射強度、εは被処理体の放射率である。
【0011】動作においては、被処理体はゲートバルブ
から処理室に導入されて、中空のサポートリングにその
周辺が支持される。熱処理時には、ガス供給ノズルよ
り、窒素ガスや酸素ガス等の処理ガスが導入される。一
方、ハロゲンランプから照射される赤外線は被処理体に
吸収されて被処理体の温度は上昇する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】近年のRTPは被処理
体の高品質処理とスループットの向上から急速昇温の要
請がますます高まっている。例えば、温度上昇を現在の
90℃/secから250℃/secにするなどであ
る。かかる急速昇温を実現させるためには、ランプはよ
り大きなパワーで加熱されることが必要となる。しか
し、ランプを大きなパワーで加熱すると同時に、リフレ
クタは大きなパワーで加熱され熱変形等により劣化する
という原因を有していた。よって、リフレクタの短命の
原因となっていた。このような問題を解決するために、
従来では冷却機構をランプ近傍に設け、当該冷却機構に
よってリフレクタを冷却する方法が提案されている。
【0013】しかし、かかる冷却機構はリフレクタの熱
変形を防止する程度になされるもので、ランプの短命と
なる原因を考慮してなされているものではなかった。例
えば、ハロゲンランプにおいては、ランプは200℃以
下で黒化(タングステン−ハロゲン化合物がランプの内
壁に付着し黒くなる現象)を、900℃以上で失透(発
光部が白くなる現象)を起こす。また、ランプと電気的
に接合する封止部は、例えばモリブデンより形成されて
いる。ランプの加熱により、モリブデンは350℃を超
えると酸化膜を形成し、かかる酸化膜が封止部を破壊す
るといった問題を有していた。このような問題はランプ
の短命の原因となり、結果として起こり得るランプの交
換頻度の増加は経済的に好ましいことではい。
【0014】一方、ランプはランプハウス(ランプ保持
部)に収納されている。ランプ保持部にはランプを収納
する溝等が形成されており、かかる溝にランプを収納し
ていた。かかる溝はランプの加熱によるランプの熱膨張
を考慮して、かかる熱膨張時においてランプと溝が一致
するように形成されていた。従って、ランプが膨張して
いないときはランプと溝との間に隙間が形成されてお
り、上述した冷却機構の冷却効率を低下させるという問
題を有していた。冷却効率の低下は、ランプ及びリフレ
クタの冷却が不十分となるため好ましいことではない。
また、冷却に使用される電力の消費をロスするものであ
り、不経済である。
【0015】そこで、このような課題を解決する新規か
つ有用な加熱装置、熱処理装置、及び冷却方法を提供す
ることを本発明の概括的目的とする。
【0016】より特定的には、加熱部の短命の防止する
冷却を可能にすると共に、かかる冷却の効率を上げ経済
性に優れた加熱装置、熱処理装置、及び冷却方法を提供
することを本発明の例示的目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み、本発明
の例示的一態様としての加熱装置は、ランプとランプハ
ウスからなる加熱装置であって、前記ランプハウスは、
電力を供給される電極部と当該電極部と電気的に接続さ
れ発光する発光部とを含む前記ランプを収納するランプ
収納部と、前記ランプ収納部の近傍に設けられ、前記発
光部を冷却する冷却部とを有する。かかる加熱装置はラ
ンプの発光部を冷却することが可能であって、発光部の
黒化及び失透を防止することができる。かかる構成は、
ランプの短命を防止する上で効果的である。また、ラン
プの電極部を冷却する第2の冷却部を更に設ける構成も
可能である。かかる第2の冷却部は電極部に使用される
電極部の酸化速度を抑制し、電極部の酸化膜の形成に伴
う破損を防止する。よって、ランプの長寿命化に寄与す
る。なお、上述の冷却機構は、水冷及び空冷機構を適用
することができる。
【0018】また、本発明の例示的一態様としての冷却
方法は、電力を供給される電極部と当該電極部と電気的
に接続され発光する発光部とを含み被処理体を加熱する
ためのハロゲンランプと前記電極部及び前記発光部を冷
却可能な冷却機構とを有し当該被処理体に所定の熱処理
を行う熱処理装置のランプ冷却方法であって、前記発光
部の管壁温度を測定する工程と、前記発光部を冷却し当
該発光部を所定の温度に維持する工程とを有する。かか
る加熱装置はランプの発光部を冷却することが可能であ
って、発光部の黒化及び失透を防止することができる。
また、発光部は250乃至900℃で冷却することで、
ランプをハロゲンサイクル範囲内に維持しランプの長寿
命化に達成する。また、電極部を所定の温度範囲内に維
持するように冷却する工程を有してもよい。かかる構成
においては、電極部は250乃至350℃で冷却するこ
とで、ランプは電極部の酸化防止及びハロゲンサイクル
の範囲内の共通温度に維持され長寿命化を達成すること
ができる。
【0019】更に、本発明の別の例示的一態様としての
熱処理装置は、電力を供給される電極部と当該電極部と
電気的に接続し発光する発光部とを含み被処理体を加熱
するランプと、前記ランプを収納するランプ収納部と、
前記ランプ収納部の近傍に設けられ、前記発光部を冷却
する冷却部と、前記冷却部を制御する制御部とを有す
る。かかる熱処理装置は上述の加熱装置を有し同様の作
用を奏するとともに、上述の冷却方法を達成可能であっ
て、また同様の作用を奏する。
【0020】更に、本発明の別の側面としての加熱装置
は、ランプとランプハウスとからなる加熱装置であっ
て、前記ランプハウスは、前記ランプのランプ光を所定
方向に射出可能に前記ランプを収納するランプ収納部
と、前記ランプ収納部の近傍に設けられ、前記ランプを
冷却する冷却部とを有し、前記ランプ収納部は前記ラン
プが熱膨張した状態、又は熱膨張していない状態であっ
ても当該ランプの側面と常に接触した状態を維持可能で
ある。かかる加熱装置はランプ収納部においてランプと
常時接触した状態を維持可能であり、ランプとランプ収
納部は常に接触された状態を維持する。よって、ランプ
が熱膨張していないときであってもランプ収納部と接触
した部分を有する。
【0021】更に、本発明の別の側面としての熱処理装
置は、被処理体を加熱するランプと、前記ランプのラン
プ光を所定方向に射出可能に前記ランプを収納するラン
プ収納部と、前記ランプ収納部の近傍に設けられ、前記
ランプを冷却する冷却部と、前記冷却部を制御する制御
部とを有する熱処理装置であって、前記ランプ収納部は
前記ランプが熱膨張した状態、又は熱膨張していない状
態であっても当該ランプの側面と常に接触した状態を維
持可能である。かかる熱処理装置は上述の加熱装置を有
し同様の作用を奏すると共に、かかる接触面積において
効率よく冷却することが可能である。従って、ランプの
長寿命化が達成可能であり、経済的に好ましい。
【0022】本発明の他の目的及び更なる特徴は以下添
付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明
らかにされるであろう。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の例示的な熱処理装置100について説明する。な
お、各図において同一の参照符号は同一部材を表してい
る。また、同一の参照番号に大文字のアルファベットを
付したものはアルファベットのない参照番号の変形例で
あり、特に断らない限り、アルファベットのない参照番
号は大文字のアルファベットを付した参照番号を総括す
るものとする。ここで、図1は、本発明の例示的一態様
としての熱処理装置100の概略断面図である。図1に
示すように、熱処理装置100は、処理室(プロセスチ
ャンバー)110と、ウインドウ120と、加熱部14
0と、サポートリング150と、ベアリング160と、
永久磁石170と、ガス導入部180と、排気部190
と、放射温度計200と、制御部300とを有する。な
お、図1において、加熱部140及びランプ130の形
状は簡略化されていることに理解されたい。なお、かか
る構成は後述する図面及び本明細書において更に明らか
となるであろう。
【0024】処理室110は、例えば、ステンレススチ
ールやアルミニウム等により成形され、ウインドウ12
0と接続している。処理室110は、その円筒形の側壁
112とウインドウ120とにより被処理体Wに熱処理
を施すための処理空間を画定している。処理空間には、
半導体ウェハなどの被処理体Wを載置するサポートリン
グ150と、サポートリング150に接続された支持部
152が配置されている。これらの部材は被処理体Wの
回転機構において説明する。また、側壁112には、ガ
ス導入部180及び排気部190が接続されている。処
理空間は排気部190によって所定の減圧環境に維持さ
れる。被処理体Wを導入及び導出するためのゲートバル
ブは図1においては省略されている。
【0025】処理室110の底部114は冷却管116
a及び116b(以下、単に「116」という。)に接
続されており冷却プレートとして機能する。必要があれ
ば、冷却プレート114は温度制御機構を有してもよ
い。温度制御機構は、例えば、制御部300と、温度セ
ンサと、ヒータとを有し、水道などの水源から冷却水を
供給される。冷却水の代わりに他の種類の冷媒(アルコ
ール、ガルデン、フロン等)を使用してもよい。温度セ
ンサは、PTCサーミスタ、赤外線センサ、熱電対など
周知のセンサを使用することができる。ヒータは、例え
ば、冷却管116の周りに巻かれたヒータ線などとして
から構成される。ヒータ線に流れる電流の大きさを制御
することによって冷却管116を流れる水温を調節する
ことができる。
【0026】ウインドウ120は処理室110に気密的
に取り付けられて、処理室110内の減圧環境と大気と
の差圧を維持すると共に後述するランプ130からの光
を透過する。ウインドウ120は、半径約400mm、
厚さ約5乃至10mm、例えば5mmの円筒形のプレー
ト121であって、透光性セラミックスより形成され
る。本実施例において、プレート121に使用される透
光性セラミックスはAl 23より構成されるが、後述す
るようにこれに限定されるものではない。
【0027】セラミックスは原料粉末を焼結して得られ
る多結晶体で、その微細構造は一般に結晶粒、結晶粒界
のほかに析出物及び気孔(空孔)からなっている。基本
的にセラミックスは不透光性を示すが、焼結プロセス、
原料粉末、及び添加物をコントロールし、微細構造を変
化させることでセラミックスを透明化することが可能と
なる。なお、透光性を示すセラミックスを一般的に透光
性セラミックスと称する。透光性セラミックスの微構造
は気孔や析出物などがほとんど存在せず結晶粒界のみよ
り成る。これにより、透光性セラミックス中を通過する
光は物質によるエネルギーの損失がほとんど引き起こさ
れず、拡散光とならずに物体中を通過可能となり透光性
を示す。一方、物質中の電子遷移に基づく光エネルギー
の吸収現象も透光性を示す要因の一つであり、所望する
波長領域に吸収現象の要素を持っていない材料がセラミ
ックスの透明化の対象となる。なお、透光性セラミック
スは当業界のいかなる技術をも適用可能であり、本明細
書における詳細な説明は省略する。
【0028】透光性セラミックスは高温強度が大きく、
また焼結体の気孔率がほとんど0であることから、平滑
な表面が得られガス放出がないなどの特徴を有する。な
お、本発明において使用されるプレート121に好適な
透光性セラミックスは、更に以下のような性質を有す
る。第1に、透過率波長依存度が石英と同等以上であ
る。例えば、石英は0.3乃至2.5μmの波長を有す
る光を80乃至90%以上透過する。第2に、曲げ強度
が石英の最大曲げ応力σMAX=68MPaより優れてい
る。第3に、熱伝導率が石英の熱伝導率(1.4乃至
1.9W/m・K)より優れていること。第4に、製造
性が良いことが挙げられる。
【0029】プレート121は上述したようにAl23
より構成される透光性セラミックスであり、文献による
と厚さ5mmのプレート121では波長領域3.5乃至
6.0μmにおいて80%以上の透過率を示す。また、
Al23の最大曲げ応力σMA Xは500MPaであり、
石英より向上している。従って、プレート121は従来
のように処理室110から離れる方向に湾曲するドーム
型に形成される必要がなく、平面形状を有する。ドーム
型に形成される石英ウインドウは被処理体をランプから
離間する距離を大きくするのでランプの指向性を悪化さ
せるという問題があったが、本実施例はかかる問題を解
決している。
【0030】ウインドウ120と同条件である周囲固
定、等分布荷重pの円板(半径a、厚さt)において、
かかる円板に働く最大曲げ応力σMAXは次式で求められ
る。
【0031】
【数2】
【0032】周囲固定、等分布荷重の円板において半径
が同一である場合、最大曲げ応力は板圧の2乗に反比例
する。従って、石英の約7.4倍の最大曲げ応力を有す
る本発明のプレート121は、石英に対して板圧を約1
/2.7倍にすることが可能である。その結果、本発明
のプレート121は従来の石英の約1/3程度の厚さで
同様な強度を得ることができるため、ウインドウ120
の薄型化が可能となる。
【0033】本実施例のプレート121の厚さは5乃至
10mm以下、例えば約5mmであり、従来の石英ウイ
ンドウの厚さである30乃至40mmよりも小さい。こ
の結果、本実施例のウインドウ120は、従来の石英ウ
インドウよりも後述するランプ130からの光の吸収量
が小さい。よって、第1に、後述するランプ130から
の被処理体Wへの照射効率を従来よりも向上することが
できるので高速昇温を低消費電力で達成することができ
る。即ち、従来はランプ光が石英ウインドウに吸収され
て被処理体Wへの照射効率を低下させる問題があったが
本実施例はそれを解決している。第2に、プレート12
1の表裏面での温度差(即ち、熱応力差)を従来よりも
低く維持することができるために破壊しにくい。即ち、
従来は石英ウインドウのランプに対向する面とその反対
側の面で温度差が生じて、RTPのような急速昇温時に
は表裏面での熱応力差から石英ウインドウが破壊し易い
という問題があったが本実施例はそれを解決している。
第3に、ウインドウ120の温度上昇は従来の石英ウイ
ンドウよりも低いために成膜処理の場合にその表面に堆
積膜や反応副生成物が付着することを防止することがで
き、温度再現性を確保することができると共に処理室1
10のクリーニングの頻度を減少することができる。即
ち、従来は石英ウインドウの温度が上昇し、特に、成膜
処理の場合には、その表面に堆積膜や反応副生成物が付
着してしまい温度再現性を確保できないと共に処理室の
クリーニングの頻度が増加するという問題があったが、
本実施例はそれを解決している。
【0034】また、プレート121の熱伝導率は34W
/m・Kであり、従来の石英ウインドウの熱伝導率であ
る1.4乃至1.9W/m・Kより大きい。石英と比較
しても18乃至24倍高い値を示す。この結果、本実施
例のウインドウ120は、石英ウインドウよりも加熱時
のウインドウ120内の温度格差が小さい。よって、ラ
ンプ130からのエネルギーは被処理体Wへ均一に到達
し、被処理体Wを均一に加熱することが可能となる。従
って、被処理体Wへ均一な加熱をすることが可能であっ
て、従来と比べ高品質な被処理体Wを提供することが可
能となる。
【0035】更に、透光性セラミックスより構成される
プレート121は石英と比べて加工が容易であり、製造
性に優れる。後述するように、プレート121の内部に
冷却管を配置する構成も可能である。
【0036】本実施例において、プレート121はAl
23より構成されるが、上述した様に本発明はかかる部
材に限定されるものではない。プレート121は上述し
たような作用と効果を有するに足りるものであって、本
実施例に適用可能な透光性セラミックスは、例えば、A
lN、Sc23、MgO、Ca5(PO43OH、Si3
4、PLZT−8/65/35、Y23、ZrO2、T
hO2−5mol%Y 23、Y23−10mol%Th
2等が考えられる。
【0037】以下、図2乃至図3を参照して、本実施例
のウインドウ120の変形例としてのウインドウ120
Aを説明する。ここで、図2は図1に示すウインドウ1
20の変形例であるウインドウ120Aの底面図であ
る。図3は、図2に示すウインドウ120AのA−A断
面の一部拡大断面図である。本実施例のウインドウ12
0Aは、図2に示すプレート121の直下に断面矩形の
アルミニウム又はステンレススチール(SUS)製の補
強材(又は柱)124を有する。図2において、例示的
に、補強材124は直線的に複数形成されている。な
お、かかるウインドウ120Aを使用する場合、ランプ
130は直線的に配列されることが好ましく、補強材1
24はランプ130の真下を避ける(即ち、ランプ13
0のランプ光が補強材によって遮蔽されない)ように配
置される。但し、補強材124は曲げ等の形状を有して
もよく、本実施例の加熱部140のようにランプ130
が同心円状に配置される場合、ランプ130の真下を避
けるように曲げ加工を施せばよい。補強材124は熱伝
導率がよく、また、処理室と同様の材質であるので被処
理体Wに対する汚染源にはならない。補強材124によ
りウインドウ120Aのプレート121の厚さは5乃至
10mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましく
は、例えば、約3mmとなり、上述の長所を更に顕著に
有する。本実施例で、補強材124の断面寸法は、図3
において高さ約18mm、幅約12mmであり、水冷管
125の径は6mm程度であるがこれに限定されるもの
ではない。図3に矢印で示すように、ランプ130から
の光は補強材124の側面で反射されて下方に配置され
た図示しない被処理体Wに導入される。
【0038】かかる補強材124は、内部に冷却管(水
冷管)125を有し、ウインドウ120Aの強度を更に
高めている。本実施例の冷却管125は、補強材124
とプレート121の両方を冷却する機能を有する。冷却
管125はプレート121を冷却し、ランプ光による熱
変形を防止する効果を有する。また、補強材124がア
ルミニウム製であれば200乃至700℃で溶けたり変
形したりするので適当な温度制御が必要だからである。
冷却管125による温度制御は冷却管116と同様でも
よいし、当業界で既知のいかなる方法をも適用すること
ができる。
【0039】以下、図4を参照して、本実施例のウイン
ドウ120の別の変形例としてのウインドウ120Bを
説明する。ここで、図4は、図1に示すウインドウ12
0の変形例であるウインドウ120Bの一部拡大断面図
である。本実施例のウインドウ120Bは、透光性セラ
ミックスより形成された2枚の薄いプレート126及び
127より構成されるプレート121と、かかるプレー
ト126及び127の間に配置された冷却管125とを
有する。
【0040】プレート121は、図中の点線で示したプ
レート126と127を張り合わせる貼り合せ面128
に対しプレート126及び127が線対称に構成され
る。プレート126及び127には冷却管125に適合
する溝が形成され、かかる溝に冷却管128を配し両面
から張り合わされる。なお、溝はランプ130の各ラン
プの間であって、ランプの真下を避けるように配置され
る。透光性セラミックスは石英に比べて局部的な加工が
容易であるという長所を有し、かかる構成が可能とな
る。また、プレート126及び127を張り合わせたと
きのプレート121の厚さは、ウインドウ120のプレ
ート121と同一であることが好ましい。
【0041】冷却管125は断面形状が円もしくは楕円
より形成された冷却管であって、プレート126及び1
27の間に配される。冷却管125はプレート126及
び127の間に配されるため、ウインドウ120Aと比
べてプレート121の冷却効率を向上するという長所を
有する。なお、冷却管125は上述したウインドウ12
0Aと同様の効果を有するものであり、ここでの詳細な
説明は省略する。
【0042】以下、図5乃至図10を参照して、本発明
の加熱部140を説明する。ここで、図5は、図1に示
す加熱部140の概略底面図であり、図6は、図5に示
す加熱部140の一部を示す拡大断面図である。図7
は、図5に示すランプ加熱部140よりランプ130を
はずしたときの図6に対応する図である。図8は、図6
に示すランプ130aの概略断面図である。図9は、図
6に示すランプ130bの概略断面である。図10は、
図6に示すランプ130の概略底面図である。なお、図
5乃至図10におてい加熱部140及びランプ130は
多少誇張して描かれており、本発明を特徴的に表すもの
であることに理解されたい。加熱部140は2種類のラ
ンプ130a及びランプ130bと、ランプハウスとし
てのランプ保持部142とを有し、被処理体Wに所定の
熱処理を施す加熱装置として機能する。ここで、ランプ
130はランプ130a及びランプ130bを総括する
ものとする。本実施例において、加熱部140はランプ
130の照射面と被処理体Wまでの距離が約40mmと
なるように被処理体Wから離間されている。
【0043】ランプ130は、本実施例ではシングルエ
ンド型であるが、電熱線ヒータ等その他のエネルギー源
を使用してもよい。ここで、シングルエンド型とは、図
6に示すように、一の電極部132を有する種類のラン
プをいう。ランプ130は被処理体Wを加熱する機能を
有し本実施例ではハロゲンランプであるが、加熱部14
0に適用可能なランプがこれに限定されるものではな
い。また、ランプ130の出力はランプドライバ310
によって決定されるが、ランプドライバ310は後述す
るように制御部300により制御され、それに応じた電
力をランプ130に供給する。なお、本実施例におい
て、ランプ130bのパワー密度はランプ130aのパ
ワー密度より大きくなるように制御部300により電力
が制御される。より詳細には、ランプ130bはランプ
130aの2乃至3倍のパワー密度を有する。
【0044】図5に示すように、本実施例では、ランプ
130はほぼ円形の被処理体Wに対応させてほぼ同心円
状に配置されている(図5において、ランプ130はそ
の数が省略して描かれている)。また、ランプ130は
被処理体Wの中心近傍に対応する位置に大口径のランプ
130aが、サポートリング150及び被処理体Wの端
部近傍に対応する位置に小口径のランプ130bが配置
される。なお、ランプ130の配置についてはランプ保
持部142において述べるものとし、ここでの詳細な説
明は省略する。
【0045】典型的に、ランプ130は一の電極部13
2と、中間部134と、中間部134を介し電極部13
2に接続される発光部136とを含み、発光部136は
中間部134を介し電極部132に接続するフィラメン
ト137のコイル138部分と、リフレクタ139とを
有する。
【0046】本実施例において、ランプ130はランプ
保持部142の後述する溝143と内接する側面部分に
ねじ山(おねじ)131が形成される。ねじ山131
は、本実施例においては三角ねじであって、略三角形状
のねじ山が形成される。なお、ねじ山131の形状はか
かる形状に限定されるものではなく、四角ねじ又は台形
ねじ等であってもよい。但し、ねじ山131はランプ1
30の例示的な形態を示したものであり、ランプ130
が形状においてこれに限定するものではない。後述する
ようにねじ山131がないランプ130Bであってもよ
い。
【0047】本実施例では、例示的に、ランプ130a
の電極部132の高さは約25mm、中間部134の高
さは約45mm、発光部136の高さは約25mmであ
る。また、中間部134の直径は約10mm、発光部1
36の直径は約40mmである。一方、例示的に、ラン
プ130bの電極部132の高さは約25mm、中間部
124の高さは約55mm、発光部の高さ約10mmで
ある。また、中間部134の直径は約10mm、発光部
136の直径は20mmである。
【0048】電極部132は一対の電極133を有し、
ランプ保持部142を介しランプドライバ310と電気
的に接続する部分であって、かかる電極133がフィラ
メント137に電気的に接続されている。電極部132
へ供給される電力はランプドライバ310によって決定
され、ランプドライバ310は制御部300によって制
御される。電極部132とランプドライバ310との間
は後述する封止部143cによって接続されている。
【0049】中間部134は発光部136と一体、か
つ、気密的に形成され、かかる内部には窒素又はアルゴ
ン又はハロゲン気体が封入される。中間部134は電極
部132と発光部136の間に位置し所定の長さを有す
る円筒であって、電極部132と発光部136の間を離
間させる。中間部134は、かかる長さにおいて後述す
るランプ130の温度制御において好ましいという長所
を有する。なお、中間部134はかかる内部に位置する
フィラメント137も発光するため、当然発光部136
の一部である。しかし、本明細書では電極部132と発
光部136(最も強く発光する部分)が所定距離離間し
ているため、かかる領域を中間部134と定義したに過
ぎない事に理解されたい。本実施例において、中間部1
34はセラミックより形成される。なお、中間部134
はセラミックの他に金属材料、例えばアルミニウムやS
US(ステンレススチール)より形成されてもよい。
【0050】発光部136は本実施例において中間部1
34より大きな径の円筒形状であって、溝143に内接
する側面136aと、被処理体Wと対面しランプ光が射
出される射出面136bより構成される。発光部136
はフィラメント137のコイル138部分とリフレクタ
139とを内部に有する。本実施例において、発光部1
36の側面136aは中間部134と同一材料より中間
部134と一体的に成形される。一方、発光部136の
射出面136bは石英、又は透光性セラミックスなどの
ランプ光を透過しやすい材料より形成さる。
【0051】発光部136は、基本的に、側面136が
半球、半楕円球、及び円錐形状に形成されるが、ランプ
130の側面には後述するようなねじ山131が形成さ
れる。そこで、図6、図8及び図9に示すように、本実
施例では発光部136はかかるねじ山131を形成する
ために側面136bの形状が半球及び円錐形状とは異な
っており、例示的に変形されていることに理解された
い。また、後述するリフレクタ137の形状が側面13
6aと同一な形状ではなく半球形状を有するのは、側面
136aの形状が例示的に変形されているに過ぎないか
らである。
【0052】フィラメント137は、例えば、タングス
テン(W)から構成される。図8乃至図10によく示さ
れるように、フィラメント137は電極133に接続す
ると共に発光部136において光源と成り得るコイル1
38を構成する。かかるコイル138の軸心は被処理体
Wに対し平行するように形成される。フィラメント13
7から発せられた光はコイル138の法線方向(コイル
138の軸心方向と直交する方向)に照射される。従っ
て、少なくともコイル138の被処理体Wと対面する側
からの光は被処理体Wに直接(リフレクタ139を介さ
ずに)照射されることとなる。かかる光はリフレクタ1
39による反射損失が0であり、高エネルギーのまま被
処理体Wに照射される。一方、かかる光を除く光に関し
ては後述するリフレクタ139によって効率よく反射さ
れ被処理体Wへと照射される。
【0053】リフレクタ139はコイル138を覆い、
被処理体Wから遠ざかる方向に凸となるような半球形状
を有する。リフレクタ139は光を被処理体Wに向けて
反射する反射部であって、より詳細には、発光部136
の側面136aと同一形状に形成される。但し、図6、
図8及び図9では、発光部136がねじ山131を形成
するため、上述したように発光部136の形状が変更さ
れていることに理解されたい。また、リフレクタ139
の形状は半球形状に限定されず、発光部136の側面と
同一であるならばその他の形状を排除するものではな
い。例えば、リフレクタ139は半楕円球形状や円錐形
状であってもよい。また、リフレクタ139は図示しな
い貫通孔を有し、当該貫通孔よりフィラメント137が
電極133と接続することを許容し、コイル138を覆
っている。但し、当該貫通孔はリフレクタ139の反射
機能を妨げない程度の大きさに形成されることが好まし
い。更に、リフレクタ139のコイル138を覆ってい
る側の表面は可視光線及び赤外線を含む光を効率よく反
射する為のコーティング処理が施されている。かかるコ
ーティングの塗布材料としては金(Au)、金(Au)
及びロジウム(Rh)、金(Au)及びニッケル(N
i)を使用することが考えられる。
【0054】リフレクタ139はフィラメント137の
コイル138より発せられる光を被処理体Wに向けて反
射すると共に、ランプ130の指向性を高める機能を有
する。リフレクタ139は、上述した形状によりフィラ
メント137のコイル138部分より放射された光を効
率よく、好ましくは少なくとも一回以下の反射で被処理
体Wに照射するとともに、ランプ光を被処理体に対し略
垂直となる方向に集光する。図11及び図12を参照す
るに、ランプ130の光路について説明する。ここで、
図11は、図6に示すランプ130のフィラメント13
7より放出される光L(LはL1、L2、及びL3を総括
するものとする。)の光路を示した概略側面図である。
図12は、図6に示すランプ130のフィラメント13
7より放出される光Lの光路を示した別の概略側面図で
ある。コイル138の上面側(被処理体Wに対し対向す
る側)より放射された光L1は被処理体Wから遠ざかる
方向、即ちリフレクタ139に向かう。上述したよう
に、リフレクタ139は光を被処理体Wに向かうように
反射させる為、かかる光L1はリフレクタ139で一回
反射し被処理体Wへ向かう。なお、光L1の一部は再び
フィラメント137に到達し被処理体Wに照射されない
ものがある。しかし、かかる光のエネルギーはコイル1
38の加熱及び発光に寄与するため、相対的にエネルギ
ーのロスとは成り得ない。また、コイル138の側面側
より放射された光L2はリフレクタ139に入射し、大
部分は被処理体Wへ照射され、残りは再びフィラメント
137にもどり上述したようにコイル138の発光に寄
与する。最後に、コイル138の下面側(被処理体Wに
対面する側)より放射された光L3はリフレクタ139
を介さずに被処理体Wに直接照射される。
【0055】以上説明したように、本実施例のランプ1
30はフィラメント137のコイル138部分を平行に
配置することで、光は被処理体Wに対し垂直方向に射出
される。一の光は被処理体Wに直接照射され、一方その
他の光はリフレクタ139に向かう。また、上述したよ
うにリフレクタ139の形状は光を被処理体Wに向けて
反射するように形成されている。よって、ランプ130
より射出される光は、一回の反射のみで被処理体に照射
される。また、ランプ130より放射される光はリフレ
クタ139の開口部分の接線方向の範囲内に集中する。
即ち、本実施例のランプ130は、図26に示すような
従来のランプよりもリフレクタ139での反射回数が少
ないためエネルギー損失が少ないまま被処理体Wに伝達
され、指向性にも優れている。従来は光がリフレクタの
多重反射に伴う反射損失により、ランプ光のエネルギー
を低下させる問題があったが本実施例はそれを解決して
いる。よって、ランプ130は、被処理体Wへの照射効
率を従来よりも向上することができるので高速昇温を低
消費電力で達成することができる。なお、リフレクタ1
39が有する曲率、及び、開口はランプ130に求める
指向性により異なるものである。
【0056】また、本実施例ではランプ保持部142の
後述する溝143に適用可能なねじ山131がランプ1
30の側面に形成されるため、ランプ130の中間部1
34及び発光部136は強度、及び加工性を考慮して上
述の部材より構成される。しかし、本発明のランプ13
0はかかる部材に限定されず、ランプ130の中間部1
34及び発光部136の全体を石英、又は透光性セラミ
ックスより形成してもよい。但し、かかる構成にした場
合、ランプ130にカバー材を設け当該カバーにおいて
ランプ保持部142に対するランプ130の強度、及び
加工性を得るものとしなければならないことは言うまで
もない。更に、かかるカバー材は後述するランプ130
の冷却を妨げないよう、熱伝導率の高い部材より選択さ
れることが好ましい。一方、ランプ130は、典型的
に、発光部136の側面136bを上述したように半球
又は円錐形状に形成してもよい。更に、ランプ130は
発光部136と中間部134が同一径を有する円筒形状
に形成されてもよい。しかしながら、上述したランプ1
30の形状は後述する長所を数多く有するという利点が
ある。
【0057】以下、図13を参照して、本実施例のラン
プ130の変形例としてのランプ130Aを説明する。
ここで、図13は、図6に示すランプ130の変形例で
あるランプ130Aの概略底面図である。ランプ130
Aは複数のコイル138a乃至138cを構成するフィ
ラメント137Aを有する。コイル138a乃至138
cは、上述したフィラメント137と同様に、被処理体
Wに対して平行になるように配置される。コイル138
a乃至138cを並列に配列することで、図12よりラ
ンプ130Aを見たとき、ランプ130Aは発光部13
6を面光源と見なすことができる。即ち、ランプ130
Aはランプ130よりも照射エネルギーを増大させる。
よって、被処理体Wへの照射効率をランプ130よりも
向上することができるので高速昇温を達成することがで
きる。また、かかるランプ130Aにおいても、ランプ
130で述べたようなリフレクタ139の反射損失が少
なく、かつ指向性を持たせたランプであることはいうま
でもない。
【0058】なお、ランプ130Aにおいて、フィラメ
ント137Aを構成するコイル138a乃至138cの
数は例示的であり、所望する照射エネルギーにより適宜
変更可能である。また、フィラメント137Aの配置及
び形状は、ランプ130Aが被処理体Wに対して面光源
とみなせるに足りるものである。即ち、図14乃至図1
7に示すようなフィラメント137の配置であっても良
い。ここで、図14乃至図16は、図13に示すランプ
130Aの有するフィラメント137Aの変形例である
フィラメント137B乃至137Dを示す概略平面図で
ある。図17は、図16に示すフィラメント130Dを
示す概略側面図である。図14は複数のコイル138d
乃至139gが交差するように配置されたフィラメント
137Bである。図15は幅広に形成されたコイル13
8hを有するフィラメント137Cである。図16乃至
図17はコイル138iが被処理体Wに対し平行な面で
渦巻きを形成するフィラメント137Dである。上述し
た形状であっても、ランプ130Aを面光源と見なせる
ことができ、ランプの照射エネルギーを上げることが可
能である。
【0059】図5乃至図7、図18を参照するに、ラン
プハウスとして機能するランプ保持部142は略直方体
形状を有し、各ランプ130を収納する溝143と、隔
壁148とを有している。ここで、図18は、図6に示
すランプ保持部142のランプ130が熱膨張をしてい
ないときの一部拡大断面図である。
【0060】溝143はランプを収納するランプ収納部
としての機能を有し、ランプ130aを収納する溝14
3aと、ランプ130bを収納する溝143bより構成
される。なお、溝143は溝143a、溝143bを総
括するものとする。なお、溝143の詳細な形状につい
ては後述するものとし、以下溝143の配置について説
明する。
【0061】図5によく示されるように、溝143aは
ランプ保持部142の中心(図中、線Xと線Yの交差部
分)、即ち被処理体Wの中心に対応する部分から半径方
向に、サポートリング150の手前まで同心円を描くよ
うに形成される。より詳細には、溝143aはランプ保
持部142の中心、及び、当該中心部分から半径が第1
の距離づつ大きく形成された複数の同心円の円周上に、
溝143aの中心が位置するように複数の溝143aが
形成される。かかる第1の距離は、ランプ130aの放
射分布の半値幅(ランプ130aの光強度がピーク値と
比較して半分の値になったときの放射分布の幅)の約
0.5乃至1.5倍に設定される。本実施例において、ラ
ンプ130aは射出面136bからランプ光の放射方向
に約40mmの点(本実施例における、ランプ130か
ら被処理体Wまでの距離)において、半値幅約40mm
を示す。なお、かかる幅は使用するランプによって異な
る値であって、本発明を限定するものではない。また、
本実施例では、後述する冷却管148を発光部136側
に有する為、第1の距離はランプ130aの発光部13
6の直径より大きな値である50mm(半値幅40mm
ラ1.25)に設定される。なお、かかる同心円は後述
する溝143bと重ならない程度の位置まで広げられる
ものとする。また、一の円上に形成される各溝143a
の間隔は第1の距離ごとに形成されることが好ましい。
【0062】一方、溝143bはサポートリング150
と被処理体Wとが重なる部分、及び、その近傍に対応す
る位置に複数の同心円を描くように形成される。より詳
細には、溝143bは被処理体Wと後述するサポートリ
ング150の重なる領域であって、その略中心を示す第
一の円C1、当該円C1より半径が第2の距離だけ大きい
第2の円C2と、円C1より半径が第2の距離だけ小さい
第3の円C3のそれぞれの円周上に位置するように配置
される。なお、第2の距離は、ランプ130bの放射分
布の半値幅の約0.5乃至1.5倍に設定される。ランプ
130bは射出面136bからランプ光の放射方向に約
40mmの点(本実施例における、ランプ130から被
処理体Wまでの距離)において、半値幅約20mmを示
す。なお、かかる幅は使用するランプによって異なる値
であって、本発明を限定するものではない。溝143a
と同様に、冷却管を発光部136側に有する為、第2の
距離は25mm(半値幅20mmラ1.25)に設定さ
れる。また、一の円上に形成される溝143bの間隔は
第2の距離ごとに形成されることが好ましい。
【0063】本実施例では、溝143bは3つの円
1、C2、及びC3上に形成されるが、かかる円(C1
2、C3)の数は例示的である。溝143bは上述した
ように、サポートリング150及び被処理体Wの重なる
部分、及び、その近傍をランプ130bが照射可能なよ
うに形成される。例えば、被処理体Wの端部が円C2
り大きい場合は、円C2の外側に第2の距離だけ大きい
半径を有する図示しない円上に溝143bが更に形成さ
れる。同様に、サポートリング150が円C3より小さ
い場合は、円C3の内側に第2の距離だけ小さい半径を
有する図示しない円上に溝143bが更に形成される。
【0064】上述した構成において、ランプ保持部14
2は被処理体Wの中心近傍に対応する位置にランプ13
0aを、被処理体Wとサポートリングの重なる部分及び
当該部分の近傍にランプ130bを配置可能とする。図
21及び図22を参照するに、かかる状態においてラン
プ130を照射すると、被処理体Wの中心部ではランプ
130aにより大きな照射面積を得ることができる。一
方、被処理体Wの端部近傍ではランプ130bによりラ
ンプ130aの照射面積よりも小さな照射面積を得るこ
とができる。ここで、図21は、図1に示す加熱部14
0のランプ130aより被処理体Wに照射されるランプ
光を示した図である。図22は、図1に示す加熱部14
0のランプ130bより被処理体Wに照射されるランプ
光を示した図である。なお、図21及び図22はランプ
光を例示的に示したものであって、本実施例のランプ1
30の数とは一致していない。
【0065】本実施例では口径の小さなランプ130b
をランプ130aの周囲に配置することで、被処理体W
の端部及びサポートリング150が重なり合う部分、及
び当該部分の近傍である狭い領域を、効率よく照射する
ことが可能となる。また、上述したように、ランプ13
0bに投入されている電力はランプ130aに投入され
ている電力より大きい。一のランプより照射される単位
面積あたりのエネルギーはランプ130bの方が大き
い。従来の熱処理装置のランプ配置では一の種類のラン
プしか使用されておらず、被処理体Wの中心部と端部で
ランプの照射面積を制御することは不可能であった。被
処理体Wとサポートリング150が重なり合う部分15
0、及び、当該部分の近傍はサポートリング150と被
処理体Wの比熱が異なる。より詳細には、サポートリン
グ150の比熱は被処理体Wの比熱より小さい。よっ
て、かかる部分は中心部と比べて温度が上昇し難いとい
った問題を有していた。しかし、本実施例では、温度上
昇のしにくい被処理体Wの端部である狭い領域を小口径
のランプ130bで照射することでランプ光が漏れるこ
となく効率よく加熱することができる。更に、ランプ1
30bのパワー密度をあげることで中心部との加熱むら
を防止することができ、高品質な処理を行うことができ
る。また、比較的温度上昇のし易い中心付近に大口径の
ランプ130aを使用することは、一のランプ130a
で広い照射面積を得ることができる。よって、中心付近
のランプ130の数を従来より減らすことができ、消費
電力の低減を可能とする。本実施例では異なる口径のラ
ンプ130を使用し、かつ投入電力を変化させることで
かかる問題を解決している。
【0066】また、図23を参照するに、半径方向に最
外部にあるランプ130bをランプ光が隣接するランプ
130bと被処理体W上で重なるように、ランプ130
bを傾斜させることも考えられる。ここで、図23は、
図6に示すランプ130の配置の変形例を示した概略断
面図である。かかる構成は、被処理体Wの端部のランプ
の照射密度を高めるといった効果を有し、中心部との加
熱むらを防止する上で更に効果的である。
【0067】なお、溝143の配置は同心円状に配置さ
れることに限定されず、上述したような条件を満たして
いるのであればその他の配置状態でもよく、例えば、直
線状や、渦巻状に配置されてもよい。また、本実施例で
はランプ130のリフレクタ139の開口形状が円であ
るため、ランプ光の照射形状は円である。しかし、被処
理体Wの中心部に照射面積の広いランプ、端部に照射面
積が小さいランプを配置するといった概念から考える
と、ランプ130は照射形状において限定を有するもの
ではない。例えば、照射面積が三角形になるようにラン
プ130及び/又はリフレクタ139の形状を変化させ
ても良い。なお、ランプ光の形状は三角形に限定され
ず、正方形、6角形のその他の多角形であってもよい。
また、これと同様な作用を奏するいかなる照射方法をも
適用することができる。
【0068】以下、溝143の形状について説明する。
溝143はランプ130と同一な形状を有し、ランプ1
30の電極部132を収納する部分143cと、中間部
134を収納する部分143dと、発光部136を収納
する部分143eからなる。部分143cは電極部13
2と、図1には図示されて図6及び図7には図示されな
いランプドライバ310とを接続すると共に、両者の間
を封止する封止部143cとして機能する。溝143は
ランプ130が内接する部分にランプ130に対応する
ねじ山(めねじ)147が形成されている。本実施例に
おいて、ねじ山147はランプ130と適合するような
三角ねじであって、略三角のねじ山が形成される。な
お、ねじ山の形状はかかる形状に限定されるものではな
く、ランプ130のねじ山131が四角ねじ又は台形ね
じ等であるなら、溝143のねじ山147もそれに対応
して形成される。なお、溝143はランプ130が熱膨
張したときに、ランプ130と最適に一致するようにね
じ山147が形成される。即ち、ランプ130が通常の
形態(熱膨張していない状態)であるとき、溝143に
形成されたねじ山147の外径、内径、及びねじ山のピ
ッチは、ランプ130のねじ山の外径、内径、及びねじ
山のピッチより若干大きい寸法を有する。但し、かかる
寸法の差はランプ130の挿入及び溝134との係合を
妨げない程度のものであると理解されたい。
【0069】上述した構成において、溝143とランプ
130はナットとボルトの関係であって、ランプ保持部
142はランプ130を回転しながら溝143に挿入す
ることでねじ山が互いに係合し、ランプ130を保持す
る。図18に示すように、ランプ130が通常の形態
(熱膨張していない)であるとき、ランプ130と溝1
43の対応するねじ山は重力方向の面において接触して
いる。即ち、ランプ130と溝143はねじ山において
接触面積を確保している。かかる接触面積はランプ13
0を保持するために必要であると同時に、以下の欠点を
解決するものである。従来のランプ保持部の溝はランプ
と同様な円筒形を有しており、ランプの熱膨張を考慮し
てランプが膨張により最大となる時に溝とランプが一致
するように形成されていた。即ち、従来ではランプが完
全に膨張しきっていないときには、溝との接触面積が少
なくランプを冷却するためにランプ保持部に配置されて
いる冷却管の冷却効率を低下するという欠点を有した
が、本実施例ではそれを解決している。また、溝143
のねじ山147はランプ130のねじ山より若干大きく
形成されているため、溝143とランプ130には多少
の空間を形成する。ランプ130が加熱され熱膨張して
いるとき、溝143とランプ130は一致するように形
成されており、かかる空間によりランプ130の膨張を
可能とする。
【0070】更に、かかる形状のランプ130及び溝1
43の形状は次の示すような長所を有する。上述した構
成のように、一部のランプの出力を上げることは、かか
るランプの劣化を早めることとなる。また、リフレクタ
も大きなパワーで加熱することにより劣化する。従っ
て、高出力ランプは低出力ランプよりも短命になる。同
様に、高出力ランプ用リフレクタは低出力ランプ用リフ
レクタよりも短命になる。この結果、従来のランプ保持
部(ランプ保持部)は寿命切れとなったランプ保持部周
辺のランプとリフレクタを交換するために、未だ使用可
能なランプ保持部中央のランプとリフレクタをも含めた
ランプ保持部を一体的に交換しなければならなくなり、
不経済であった。しかし、本実施例のランプ保持部14
2の溝143とランプ130は、上述したようにナット
とボルトの関係であって、一のランプ130の取り外し
は容易である。従って、劣化したランプ130だけを取
り替えることで、未だ使用可能なランプ130を継続し
て使用することが可能である。従って、従来ではランプ
保持部を全体的に取り替えることでランプを全部取り替
える必要があり不経済であったが、本実施例ではかかる
課題を解決している。また、ランプ保持部全体を取り替
えることは作業が煩雑であるが、本実施例では劣化した
ランプだけを交換するだけであるのでメンテナンスの効
率を向上させるという更なる長所を有する。
【0071】以下、図19及び図20を参照し、ランプ
保持部142の溝143の変形例である溝143Aにつ
いて説明する。ここで、図19は、図5に示す加熱部1
40のランプ保持部142の構造を示す概略断面図であ
る。図20は、図5に示す加熱部のランプ保持部142
の構造を示す概略底面図である。なお、図20では、ラ
ンプ130は取り外されている。また、溝143Aに適
用可能なランプ130にはねじ山131は必要とされ
ず、ねじ山131が形成されていないランプ130Bを
使用する。
【0072】溝143Aはランプ130Bより多少大き
めな形状を有しランプ130Bを収納する。また、溝1
43Aは当該溝134Aに内接する複数の薄板144を
有し、かかる薄板144は板ばねの機能を有し、かつ、
ランプ130Bを保持する。
【0073】薄板144は、本実施例においては矩形に
形成され、アルミニウム又はステンレススチールより成
形される。薄板144は部材の長手方向の両端が略L字
形状になるような曲げ加工が施されている。更に、薄板
144は曲率を有し、かかる曲率はランプ130Bの側
面の曲率と同一に形成される。図17及び図18によく
示されるように、薄板144は溝143Aに内接され、
例えば溶接等の手段によって略L字形状の先端が溝14
3Aに接合される。薄板144は、かかる状態において
溝143Aと薄板144の間に空間145を形成する。
空間145は、上述した薄板144の曲げ加工により発
生するスペースであり、薄板144の曲げ開始位置によ
って所望の大きさに設定することが可能である。空間1
45は、後述するようにランプ130Bの熱膨張に対し
薄板144が伸縮可能なスペースであるように設定され
る。薄板144は隣り合う薄板144と所定のギャップ
146を保ちながら、溝143Aの円周に沿って8枚配
置される。かかる構成において、薄板144は溝143
A内で略八角形を形成する。なお、ギャップ146は薄
板144が半径方向に伸縮する際、隣接する薄板144
同士が接触しない程度に設定される。更に、薄板144
は溝143Aの側面に沿って3枚、同様に配置される。
即ち、本実施例において、溝143Aは計24枚(8ラ
3枚)の薄板144を有する。また、溝143Aは薄板
144を有する状態で、ランプ130Bと同一、又はし
まりばめとなるように構成される。
【0074】かかる構成において、溝143Aは薄板1
44を介し、ランプ130Bを保持する。より詳細に
は、薄板144が画定する空間にランプ130Bを強く
押し込むことで、ランプ130Bは溝143Aに挿入さ
れる。このとき、溝143Aはランプ130Bの挿入に
伴い弾性変形し、薄板144より構成される壁面に内接
する。従って、ランプ130Bは薄板144の復元力及
び摩擦力によって保持され、薄板144と全面において
接触している状態となる。また、ランプ130Bが熱膨
張した場合であっても、溝143Aは薄板144がラン
プ130Bに追従し伸縮することでランプ130Bを保
持する。即ち、従来ではランプが完全に膨張しきってい
ないときには、溝との接触面積が少なく後述する冷却管
の冷却効率が低下するという欠点を有したが、本実施例
ではそれを解決している。また、かかる構成でもランプ
130の部分的な交換は可能であり、劣化したランプ1
30だけを取り替えることで、未だ使用可能なランプ1
30を継続して使用することが可能である。また、ラン
プ保持部全体を取り替えることは作業が煩雑であるが、
本実施例では劣化したランプだけを交換するだけである
のでメンテナンスの効率を向上させるという更なる長所
を有する。
【0075】なお、本実施例において明細書中に記載し
た薄板144の枚数及び形状は例示的であり、上述した
記載に限定されない。例えば、薄板144が形成する画
定する空間は多角形であっても良い。しかし、ランプ1
30との接触面積を増やすためにも多角形は略円と見な
せることが好ましい。
【0076】以上、ランプ130を保持する溝143の
好ましい形態について説明したが本発明はこれに限定さ
れず、上述の作用及び効果を達成可能であればその他の
形態を排除するものではない。また、溝143の形態は
ランプ130に限定されず、当該周知のいかなるランプ
にも適用可能である。
【0077】隔壁148は図6及び図7に示すように、
同心円上に整列する複数の隣接する溝143の間に配置
されている。本実施例において、隔壁148は溝143
aの部分143c間では約50mm、部分143e間で
は約10mmである。また、溝143bの部分143c
間では約15mm、部分143eの間では約5mmであ
る。隔壁148には、隔壁148に沿って一対の冷却管
(水冷管)148a及び148bが内接されている(な
お、冷却管148は冷却管148a及び冷却管148b
を総括するものとする)。より詳細には、冷却管148
aはランプ130の電極部132に対応する場所に位置
し、冷却管148bはランプ130の発光部136に対
応する場所に位置する。
【0078】冷却管148は図示しない温度制御機構に
接続される。温度制御機構は、例えば、制御部300
と、温度センサ又は温度計と、ヒータとを有し、水道な
どの水源から冷却水を供給される。冷却水の代わりに他
の種類の冷媒(アルコール、ガルデン、フロン等)を使
用してもよい。温度センサは、例えば、PTCサーミス
タ、赤外線センサ、熱電対など周知のセンサを使用する
ことができ、温度センサ又は温度計はランプ130の電
極部132及び発光部136の壁面温度を測定する。ヒ
ータは、例えば、冷却管116の周りに巻かれたヒータ
線などとしてから構成される。ヒータ線に流れる電流の
大きさを制御することによって冷却管148を流れる水
温を調節することができる。
【0079】冷却管148aは、電極133がモリブデ
ンから構成される場合は、モリブデンの酸化による電極
部133及び封止部143cの破壊を防止するために封
止部143cの温度を350℃以下に維持する。また、
冷却管148bは、中間部134及び発光部136がハ
ロゲンサイクルを維持するように発光部134の温度を
250乃至900℃に維持する。ここで、ハロゲンサイ
クルとは、フィラメント137を構成するタングステン
が蒸発しハロゲンガスと反応し、タングステン−ハロゲ
ン化合物が生成され、ランプ130内を浮遊する。ラン
プ130が250乃至900℃に維持された場合、タン
グステン−ハロゲン化合物はその状態を維持する。ま
た、対流によって、タングステン−ハロゲン化合物がフ
ィラメント137付近に運ばれると、高温のためにタン
グステンとハロゲンガスに分解される。その後、タング
ステンはフィラメント137に沈殿し、ハロゲンガスは
再び同じ反応を繰り返すことである。なお、ランプ13
0は、一般に、900℃を超えると失透(発光部134
が白くなる現象)が発生し、250℃を下回ると黒化
(タングステン−ハロゲン化合物がランプ130の内壁
に付着し黒くなる現象)が発生する。
【0080】本実施例では、冷却管149aをハロゲン
サイクルの範囲温度及びモリブデンの酸化防止の共通温
度、好ましくは250乃至350℃、冷却管149bを
ハロゲンサイクルの範囲温度、好ましくは800乃至9
00℃に維持する。ここで、発光部136の冷却温度は
250乃至900℃の範囲で可能であるが、冷却効率を
考えた上で冷却温度をハロゲンサイクルの上限に設定し
たほうが少ない電力で冷却可能となるからである。冷却
管149aはハロゲンサイクル並びにモリブデンの酸化
防止のための共通温度であり、また冷却管149bによ
り発光部136はハロゲンサイクル温度内に維持され
る。また、冷却管149a及び149bによりランプ1
30にはランプ130の中間部134の長さのため温度
勾配が生じ、かかる温度勾配(250乃至950℃)は
ランプ130全体をハロゲンサイクル温度内に維持す
る。即ち、発光部136と封止部143cが近いと発光
部136の温度(800乃至950℃)が封止部143
cの温度(250乃至350℃)に影響する恐れがある
が、本実施例ではランプ130に中間部134を設ける
ことでそれを防止している。
【0081】本実施例では、ランプ130は失透及び黒
化の発生を抑えることができる。また、電極133のモ
リブデンの酸化により電極部132及び封止部143c
が破損することを防止する。更に、ランプ130はハロ
ゲンサイクルの範囲内にあるように冷却される。従来の
ランプ130の冷却機構は単に封止部143cを冷却す
るだけであって、上述のようにハロゲンサイクルを考慮
したランプ130の冷却は行われていなかった。従っ
て、かかる冷却管148はランプ130の寿命を長くす
るといった長所を有し、経済的に優れている。なお、溝
143とランプ130との接触面積は上述したように従
来より大きく、冷却効率を十分に得ることが可能であ
る。
【0082】なお、例示的に、ランプ130の発光部1
36に相当する部分の隔壁148を設けずに、かかる部
分を空間とし発光部136を空冷にするとした冷却方法
も考えられる。なお、封止部143cは上述する冷却管
149aにより冷却するものとする。発光部136は8
00乃至900℃と冷却温度が比較的高いため、かかる
部分は空冷であっても冷却可能であり、上述した構成と
同様な作用及び効果を得ることができる。当該周知の空
冷機構、例えばブロアによって強制的に発光部136を
冷却するような方法を使用しても良い。更に、例示的
に、隔壁148に封止部143c及び発光部136を冷
却可能な共通の冷却管を設けた冷却方法も考えられる。
かかる構成においては、冷却管はモリブデンの酸化防
止、並びにハロゲンサイクル範囲に共通である温度、例
えば250乃至350℃になるように冷却される。この
ような構成であっても、上述した冷却管149と同様な
効果を得ることができる。
【0083】次に、放射温度計200を説明する。放射
温度計200は被処理体Wに関してランプ130と反対
側に設けられている。本発明は放射温度計200がラン
プ130と同一の側に設けられる構造を排除するもので
はないが、ランプ130の光が放射温度計200に入射
することを防止することが好ましい。
【0084】放射温度計200は処理室110の底部1
14に取り付けられている。底部114の処理室110
内部を向く面は金メッキなどが施されて反射板(高反射
率面)として機能する。これは、かかる面を黒色などの
低反射率面とすると被処理体Wの熱を吸収してランプ1
30の照射出力を不経済にも上げなければならなくなる
ためである。底部114は円筒形状の貫通孔を有する。
放射温度計200は当該周知のいかなる技術も適用可能
であり、本明細書での詳細な説明は省略する。放射温度
計200は制御部300に接続され、かかる制御部30
0は被処理体Wの温度Tを算出する。なお、この演算は
放射温度計200内の図示しない演算部が行ってもよ
い。いずれにしろ制御部300は被処理体Wの温度Tを
得ることができる。
【0085】制御部300は内部にCPU及びメモリを
備え、被処理体Wの温度Tを認識してランプドライバ3
10を制御することによってランプ130の出力をフィ
ードバック制御する。本実施例において、制御部300
はランプ130の電力が一度投入されたら、ランプドラ
イバ310を制御しランプ130の温度をハロゲンサイ
クル範囲内に維持し続ける。即ち、熱処理装置100を
含む図示しないクラスターツールのメイン電源がオンと
なり、その後、熱処理に伴いランプドライバ310が駆
動された時点から熱処理装置100を含むクラスターツ
ールのメイン電源がオフとなるまでランプドライバ31
0には電力が投入され続ける。このとき、同時にランプ
ドライバ310を介しランプ130にも電力が投入され
続ける。なお、上述したように、ランプ130はハロゲ
ンサイクルの範囲内で制御される。従って、ランプ13
0は加熱時には約900℃まで上昇し、冷却時であって
も250℃を維持される。かかる温度範囲内で、被処理
体Wの熱処理を行う。なお、かかるランプ130の温度
制御は冷却管149bに接続された温度制御機構の温度
センサ又は温度計を使用し、かかる温度によって投入電
力を変化させるフィードバック制御でもよい。また、ラ
ンプ130の温度と投入電力の関数を予め実験より算出
し、かかる関数を使用しランプ130の温度を予想して
電力を投入しても良い。
【0086】従来の熱処理装置100は、熱処理動作以
外ではランプドライバ310及びランプ130には電源
は投入されておらず、加熱時に再びランプドライバ31
0を駆動しランプ130に所望の電力を供給するように
制御されていた。しかし、ランプ130のフィラメント
137は室温において抵抗が非常に小さく、電圧印加の
瞬間は回路短絡に近い状態となる。かかる状態において
は、外部回路抵抗がある場合であっても定格電流値の7
乃至10倍、外部回路抵抗がない場合においては13乃
至17倍の電流が流れるラッシュ電流現象が発生する。
被処理体Wの温度の昇降に応じてランプ130の点消灯
を急激に行う熱処理装置において、その都度ラッシュ電
流現象を派生させることは、ランプ及びランプドライバ
310の劣化の原因となっていた。
【0087】本実施例では、ランプ130に電源が投入
されるのは熱処理装置100を含むクラスターツールの
起動に伴う必要最低限のものであり、被処理体Wの温度
の昇降に対応して電源をオン/オフするものではない。
即ち、本実施例は上述した課題を解決しており、ランプ
130及びランプドライバ310の長寿命化を達成可能
とする。また、ランプ130はハロゲンサイクルの範囲
内で制御されている為、かかる理由からもランプ130
の長寿命化に効果的である。
【0088】なお、ランプ130の冷却用に冷却管14
9が配置されているが、ランプドライバ310と合せて
制御することで、ランプ130をハロゲンサイクルの範
囲で維持することを更に容易にする。また、本実施例
は、冷却管149を使用しランプ130の温度を制御す
る方法、又は、ランプドライバ310でランプ130の
温度を制御する方法のどちらか一方のみを使用する冷却
方法を排除するものではない。
【0089】また、制御部300は、後述するように、
モータドライバ320に所定のタイミングで駆動信号を
送って被処理体Wの回転速度を制御する。更に、制御部
300は、温度制御機構と共同しランプ130の温度を
認識してヒータを制御することによってランプ130の
温度をフィードバック制御する。
【0090】ガス導入部180は、例えば、図示しない
ガス源、流量調節バルブ、マスフローコントローラ、ガ
ス供給ノズル及びこれらを接続するガス供給路を含み、
熱処理に使用されるガスを処理室110に導入する。な
お、本実施例ではガス導入部180は処理室110の側
壁112に設けられて処理室110の側部から導入され
ているが、その位置は限定されず、例えば、シャワーヘ
ッドとして構成されて処理室110の上部から処理ガス
を導入してもよい。
【0091】アニールであればガス源はN2、Arな
ど、酸化処理であればO2、H2、H2O、NO2、窒化処
理であればN2、NH3など、成膜処理であればNH3
SiH2Cl2やSiH4などを使用するが、処理ガスは
これらに限定されないことはいうまでもない。マスフロ
ーコントローラはガスの流量を制御し、例えば、ブリッ
ジ回路、増幅回路、コンパレータ制御回路、流量調節バ
ルブ等を有し、ガスの流れに伴う上流から下流への熱移
動を検出することによって流量測定して流量調節バルブ
を制御する。ガス供給路は、例えば、シームレスパイプ
を使用したり、接続部に食い込み継ぎ手やメタルガスケ
ット継ぎ手を使用したりして供給ガスへの配管からの不
純物の混入が防止している。また、配管内部の汚れや腐
食に起因するダストパーティクルを防止するために配管
は耐食性材料から構成されるか、配管内部がPTFE
(テフロン(登録商標))、PFA、ポリイミド、PB
Iその他の絶縁材料により絶縁加工されたり、電解研磨
処理がなされたり、更には、ダストパーティクル捕捉フ
ィルタを備えたりしている。
【0092】排気部190は、本実施例ではガス導入部
180と略水平に設けられているが、その位置及び数は
限定されない。排気部190には所望の排気ポンプ(タ
ーボ分子ポンプ、スパッターイオンポンプ、ゲッターポ
ンプ、ソープションポンプ、クライオポンプなど)が圧
力調整バルブと共に接続される。なお、本実施例では処
理室110は減圧環境に維持されるが、本発明は減圧環
境を必ずしも必須の構成要素とするものではなく、例え
ば、133Pa乃至大気圧の範囲で適用可能である。
【0093】以下、被処理体Wの回転機構について図1
を参照して説明する。集積回路の各素子の電気的特性や
製品の歩留まり等を高く維持するためには被処理体Wの
表面全体に亘ってより均一に熱処理が行われることが要
求される。被処理体W上の温度分布が不均一であれば、
例えば、成膜処理における膜厚が不均一になったり、熱
応力によりシリコン結晶中に滑りを発生したりするな
ど、RTP装置100は高品質の熱処理を提供すること
ができない。被処理体W上の不均一な温度分布はランプ
130の不均一な照度分布に起因する場合もあるし、ガ
ス導入部180付近において導入される処理ガスが被処
理体Wの表面から熱を奪うことに起因する場合もある。
回転機構はウェハを回転させて被処理体Wがランプ13
0により均一に加熱されることを可能にする。
【0094】被処理体Wの回転機構は、サポートリング
150と、リング状の永久磁石170と、リング状のS
USなどの磁性体172と、モータドライバ320と、
モータ330とを有する。
【0095】サポートリング150は、耐熱性に優れた
セラミックス、例えば、SiCなどから構成された円形
リング形状を有する。サポートリング150は被処理体
Wの載置台として機能し、中空円部において断面L字状
に周方向に沿ってリング状の切り欠きを有する。かかる
切り欠き半径は被処理体Wの半径よりも小さく設計され
ているのでサポートリング150は切り欠きにおいて被
処理体W(の裏面周縁部)を保持することができる。必
要があれば、サポートリング150は被処理体Wを固定
する静電チャックやクランプ機構などを有してもよい。
サポートリング150は、被処理体Wの端部からの放熱
による均熱の悪化を防止する。
【0096】サポートリング150は、その端部におい
て支持部152に接続されている。必要があれば、サポ
ートリング150と支持部152との間には石英ガラス
などの断熱部材が挿入されて、後述する磁性体172な
どを熱的に保護する。本実施例の支持部152は中空円
筒形状の不透明な石英リング部材として構成されてい
る。ベアリング160は支持部152及び処理室110
の内壁112に固定されており、処理室110内の減圧
環境を維持したまま支持部152の回転を可能にする。
支持部152の先端には磁性体172が設けられてい
る。
【0097】同心円的に配置されたリング状の永久磁石
170と磁性体172は磁気結合されており、永久磁石
170はモータ330により回転駆動される。モータ3
30はモータドライバ320により駆動され、モータド
ライバ320は制御部300によって制御される。
【0098】この結果、永久磁石170が回転すると磁
気結合された磁性体172が支持部152と共に回転
し、サポートリング150と被処理体Wが回転する。回
転速度は、本実施例では例示的に90RPMであるが、
実際には、被処理体Wに均一な温度分布をもたらすよう
に、かつ、処理室110内でのガスの乱流や被処理体W
周辺の風切り効果をもたらさないように、被処理体Wの
材質や大きさ、処理ガスの種類や温度などに応じて決定
されることになるであろう。磁石170と磁性体172
は磁気結合されていれば逆でもよいし両方とも磁石でも
よい。
【0099】次に、RTP装置100の動作について説
明する。動作に伴い熱処理装置100を含むクラスター
ツールの電源がオンされる。クラスターツールなどの搬
送アームが被処理体Wを図示しないゲートバルブを介し
て処理室110に搬入する。被処理体Wを支持した搬送
アームがサポートリング150の上部に到着すると、図
示しないリフタピン昇降系がサポートリング150から
(例えば、3本の)図示しないリフタピンを突出させて
被処理体Wを支持する。この結果、被処理体Wの支持
は、搬送アームからリフタピンに移行するので、搬送ア
ームはゲートバルブより帰還させる。その後、ゲートバ
ルブは閉口される。搬送アームはその後図示しないホー
ムポジションに移動してもよい。
【0100】一方、リフタピン昇降系は、その後、図示
しないリフタピンをサポートリング150の中に戻し、
これによって被処理体Wをサポートリング150の所定
の位置に配置する。リフタピン昇降系は図示しないベロ
ーズを使用することができ、これにより昇降動作中に処
理室110の減圧環境を維持すると共に処理室102内
の雰囲気が外部に流出するのを防止する。
【0101】その後、熱処理装置100は加熱処理を行
う。図24を参照するに、制御部300は、第1に、ラ
ンプドライバ310を駆動し、ランプ130に電力を供
給する(ステップ1000乃至1005)。ここで、図
24は、本発明のランプ130の駆動を示した制御フロ
ーチャートである。これに応答して、制御部300は、
更にランプドライバ310を介しランプ130の電力供
給量を上げる(ステップ1010)。次に、制御部30
0は、ランプ130の温度(例えば、発光部136の温
度)がハロゲンサイクルの上限値である900℃になっ
たら、制御部300はランプドライバ310を介しラン
プ130の電力の供給量をかかる値で維持する(ステッ
プ1015及び1025)。そして、制御部300は被
処理体Wを、所定の温度(例えば、約800℃)になる
まで加熱する(ステップ1030)。なお、ランプ13
0が900℃になる前に、被処理体Wの温度が所定の温
度に達した場合(ステップ1020)は、その時点で後
述する所定の熱処理を行う(ステップ1032)。
【0102】ランプ130から放射された熱線はウイン
ドウ120を介して処理空間にある被処理体Wの上面に
照射されて被処理体Wを、例えば、800℃へ高速昇温
する。一般に被処理体Wの周辺部はその中心側と比較し
て放熱量が多くなる傾向があるが、本実施例のランプ1
30は同心円状に配置したランプ130a及びランプ1
30bにより高い指向性と温度制御能力を提供する。
【0103】更に、制御部300は温度制御機構を制御
し、ランプ130を冷却する。制御部300は図示しな
い温度計の情報によりフィードバック制御を行い、封止
部143cが250乃至350℃、例えば300℃にな
るように冷却管149aの温度を制御する。より詳細に
は、図25を参照し、制御部300は封止部143cの
温度を測定し、350℃以下であるか確認する(ステッ
プ1500乃至1505)。ここで、図25は、本発明
のランプ130の冷却を示した制御フローチャートであ
る。封止部143cの温度が350℃以上であるなら冷
却管149aを使用し、封止部143cの冷却を開始す
る(ステップ1510)。制御部300は再び、封止部
143cの温度を測定し、封止部143cの温度が25
0℃以下であるか確認する(ステップ1515乃至15
20)。封止部143cの温度が250℃以下であるな
ら冷却を停止し(ステップ1525)、そうでなければ
250℃になるまで冷却は続けられる。上述した工程を
繰り返すことで、封止部143cは250乃至350℃
の範囲に維持される。
【0104】更に、発熱部136も同様にフィードバッ
ク制御を行い(ステップ1530乃至1555)、発熱
部136が800乃至900℃、例えば850℃になる
ように冷却管149bの温度を制御する。かかる制御
は、ランプ130の電極部132の電極133を構成す
るモリブデンの酸化を防止する。また、ランプ130の
発光部136をハロゲンサイクル内で制御する。この結
果、ランプ130は破損の原因となりうる要素が減少さ
れ、ランプ130の長寿命化を達成できる。
【0105】同時に、制御部300はモータドライバ3
20を制御し、モータ330を駆動するように命令す
る。これに応答して、モータドライバ320はモータ3
30を駆動し、モータ330はリング状磁石170を回
転させる。この結果、支持部152(又は152A)が
回転し、被処理体Wがサポートリング150と共に回転
する。被処理体Wが回転するのでその面内の温度は熱処
理期間中に均一に維持される。
【0106】加熱中は、ウインドウ120はプレート1
21の厚さが比較的薄く、かつ熱伝導率が高いので幾つ
かの長所を有する。これらの長所は、(1)ランプ13
0からの光を均一に透過するので、被処理体Wに熱斑が
発生しにくい、(2)ランプ130からの光をあまり吸
収しないので被処理体Wへの照射効率を低下しない、
(3)プレート121の表裏面で温度差が小さいので熱
応力破壊が発生しにくい、(4)成膜処理の場合でもプ
レート121の温度上昇が少ないためにその表面に堆積
膜や反応副生成物が付着しにくい、(5)透光性セラミ
ックスは曲げ強度が強くウインドウ120の強度を高め
ているのでプレート120が薄くても処理室110内の
減圧環境と大気圧との差圧を維持することができる、を
含む。
【0107】被処理体Wの温度は放射温度計200によ
り測定されて、制御部300はその測定結果に基づいて
ランプドライバ310をフィードバック制御する。被処
理体Wは回転しているためにその表面の温度分布は均一
であることが期待されるが、必要があれば、放射温度計
200は、被処理体Wの温度を複数箇所(例えば、その
中央と端部)測定することができ、放射温度計200が
被処理体W上の温度分布が不均一であると測定すれば、
制御部300は被処理体W上の特定の領域のランプ13
0の出力を変更するようにランプドライバ310に命令
することもできる。
【0108】次いで、図示しないガス導入部から流量制
御された処理ガスが処理室110に導入される。所定の
熱処理(例えば、10秒間)が終了すると(ステップ1
032)、制御部300はランプドライバ310を介し
ランプ130の電力供給量を下げる(ステップ103
5)。これに応答して、ランプドライバ310はランプ
130が250℃になったかをチェックする(ステップ
1040)。もし、ランプ130の温度が250℃にな
ったら、制御部300は電力の供給量をかかる値で維持
する(ステップ1045)。そうでないならば、電力の
供給量を更に下げ、ランプ130の温度を250℃まで
下げる。
【0109】熱処理後に被処理体Wは上述したのと逆の
手順によりゲートバルブから処理室110の外へクラス
ターツールの搬送アームにより導出される。次いで、必
要があれば、搬送アームは被処理体Wを次段の装置(成
膜装置など)に搬送する。更に、制御部300は次の熱
処理命令を受けた場合は上述の工程を繰り返し、熱処理
を行う。このとき、ランプ130の制御はステップ10
10より繰り返される(ステップ1050)。熱処理命
令がなければランプ130への電力供給は停止され、ラ
ンプドライバ310の駆動も停止される(ステップ10
55乃至1060)。
【0110】上述した一連の熱処理方法は、ランプ13
0及びランプドラバ310に電源が投入されるのは熱処
理動作開始の1回のみの必要最低限のものであり、被処
理体Wの温度の昇降に対応して電源をオン/オフするも
のではない。即ち、かかる熱処理方法はラッシュ電流減
少を少なくとも一回に抑え、ランプ130及びランプド
ライバ310の長寿命化を達成可能とする。また、ラン
プ130はハロゲンサイクルの範囲内で制御されている
為、かかる理由からもランプ130の長寿命化に効果的
である。
【0111】以上、本発明の好ましい実施例を説明した
が、本発明はその要旨の範囲内で種々の変形及び変更が
可能である。
【0112】
【発明の効果】本発明の例示的一態様である加熱装置及
び熱処理装置によれば、第1の冷却管及び第2の冷却管
によって加熱部を冷却することがでる。なお、第1の冷
却管は250乃至350℃の範囲で冷却を行い、モリブ
デンの酸化膜形成による封止部の破壊を防止する。ま
た、第2の冷却管は250乃至900℃の範囲で冷却を
行い、ランプの環境をハロゲンサイクル内に維持する。
従って、ランプの劣化を防止し、長寿命化が達成可能と
なる。
【0113】また、ランプと溝との接触状態を常に維持
するためランプの冷却効率を落とすことがない。従っ
て、ランプの長寿命化に寄与すると共に、冷却に要する
電力消費の低減を達成することができる。
【0114】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の例示的一態様としての熱処理装置の
概略断面図である。
【図2】 図1に示すウインドウの変形例であるウイン
ドウの底面図である。
【図3】 図2に示すウインドウのA−A断面の一部拡
大断面図である。
【図4】 図1に示すウインドウの変形例であるウイン
ドウの一部拡大断面図である。
【図5】 図1に示す加熱部の概略底面図である。
【図6】 図5に示す加熱部の一部を示す拡大断面図で
ある。
【図7】 図5に示すランプ加熱部よりランプをはずし
たときの図6に対応する図である。
【図8】 図6に示すランプの概略断面図である。
【図9】 図6に示すランプの概略断面である。
【図10】 図6に示すランプの概略底面図である。
【図11】 図6に示すランプのフィラメントより放出
される輻射光の光路を示した概略側面図である。
【図12】 図6に示すランプのフィラメントより放出
される輻射光の光路を示した別の概略側面図である。
【図13】 図6に示すランプの変形例であるランプの
概略底面図である。
【図14】 図13に示すランプの有するフィラメント
の変形例であるフィラメントを示す概略平面図である。
【図15】 図13に示すランプの有するフィラメント
の変形例であるフィラメントを示す概略平面図である。
【図16】 図13に示すランプを示すランプの有する
フィラメントの変形例であるフィラメントを示す概略平
面図である。
【図17】 図16に示すフィラメントを示す概略側面
図である。
【図18】 図6に示すランプ保持部のランプが熱膨張
をしていないときの拡大断面図である。
【図19】 図5に示す加熱部のランプ保持部のより詳
細な構造を示す概略断面図である。
【図20】 図5に示す加熱部のランプ保持部のより詳
細な構造を示す概略底面図である。
【図21】 図1に示す加熱部のランプより被処理体W
に照射されるランプ光を示した図である。
【図22】 図1に示す加熱部のランプより被処理体W
に照射されるランプ光を示した図である。
【図23】 図6に示すランプの配置の変形例を示した
概略断面図である。
【図24】 本発明のランプの駆動を示した制御フロー
チャートである。
【図25】 本発明のランプの冷却を示した制御フロー
チャートである。
【図26】 従来のランプ形状を示す概略断面図であ
る。
【符号の説明】
100 熱処理装置 110 処理室 120 ウインドウ 121 プレート 124 補強材 125 冷却管 130 ランプ 131 ねじ山 132 電極部 134 中間部 136 発光部 140 加熱部 142 ランプ保持部 143 溝 147 ねじ山 150 サポートリング 160 ベアリング 170 永久磁石 180 ガス導入部 190 排気部 200 放射温度計 210 ロッド 220 光ファイバ 230 フォトディテクタ 300 制御部 310 ランプドライバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K058 AA45 CA62 CA69 CA70 CA91 EA23 5F045 EC03 EJ03 EJ09 EK12 EM10 GB05 GB15

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ランプとランプハウスからなる加熱装置
    であって、 前記ランプハウスは、 電力を供給される電極部と当該電極部と電気的に接続さ
    れ発光する発光部とを含む前記ランプを収納するランプ
    収納部と、 前記ランプ収納部の近傍に設けられ、前記発光部を冷却
    する冷却部とを有する加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記ランプはハロゲンランプである請求
    項1記載の加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記冷却部は第1の冷却部であって、前
    記ランプハウスは前記電極部を冷却する第2の冷却部を
    更に有する請求項1記載の加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の冷却部及び前記第2の冷却部
    は水冷機構を有する請求項3記載の加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の冷却部は空冷機構を有する請
    求項3記載の加熱装置。
  6. 【請求項6】 電力を供給される電極部と当該電極部と
    電気的に接続され発光する発光部とを含み被処理体を加
    熱するためのハロゲンランプと前記電極部及び前記発光
    部を冷却可能な冷却機構とを有し当該被処理体に所定の
    熱処理を行う熱処理装置のランプ冷却方法であって、 前記発光部の管壁温度を測定する工程と、 前記発光部を冷却し当該発光部を所定の温度に維持する
    工程とを有する冷却方法。
  7. 【請求項7】 前記発光部の前記管壁の温度は250乃
    至900℃である請求項6記載の冷却方法。
  8. 【請求項8】 前記冷却方法は、 前記電極部の封止部温度を測定する工程と、 前記電極部を冷却し前記封止部を所定の温度に維持する
    工程とを更に有する請求項6記載の冷却方法。
  9. 【請求項9】 前記電極部の前記封止部の温度は250
    乃至350℃である請求項8記載の冷却方法。
  10. 【請求項10】 電力を供給される電極部と当該電極部
    と電気的に接続し発光する発光部とを含み被処理体を加
    熱するランプと、 前記ランプを収納するランプ収納部と、 前記ランプ収納部の近傍に設けられ、前記発光部を冷却
    する冷却部と、 前記冷却部を制御する制御部とを有する熱処理装置。
  11. 【請求項11】 前記熱処理装置は前記発光部の管壁温
    度を測定する温度計を有し、 前記制御部は前記温度計によって測定された前記管壁温
    度によって前記発光部を所定の温度に維持するよう前記
    冷却部を制御する請求項10記載の熱処理装置。
  12. 【請求項12】 ランプとランプハウスとからなる加熱
    装置であって、 前記ランプハウスは、 前記ランプのランプ光を所定方向に射出可能に前記ラン
    プを収納するランプ収納部と、 前記ランプ収納部の近傍に設けられ、前記ランプを冷却
    する冷却部とを有し、 前記ランプ収納部は前記ランプが熱膨張した状態、又は
    熱膨張していない状態であっても当該ランプの側面と常
    に接触した状態を維持可能である加熱装置。
  13. 【請求項13】 前記ランプは当該ランプの外周部にね
    じ山を有し、 前記ランプ収納部は前記ランプのねじ山と適合するねじ
    山を有する請求項12記載の加熱装置。
  14. 【請求項14】 前記ランプ収納部は当該ランプ収納部
    に内接する複数の薄板を有し、 前記薄板を弾性変形させることで前記ランプを保持する
    請求項12記載の加熱装置。
  15. 【請求項15】 被処理体を加熱するランプと、 前記ランプのランプ光を所定方向に射出可能に前記ラン
    プを収納するランプ収納部と、 前記ランプ収納部の近傍に設けられ、前記ランプを冷却
    する冷却部と、 前記冷却部を制御する制御部とを有する熱処理装置であ
    って、 前記ランプ収納部は前記ランプが熱膨張した状態、又は
    熱膨張していない状態であっても当該ランプの側面と常
    に接触した状態を維持可能である熱処理装置。
JP2001071353A 2001-03-14 2001-03-14 加熱装置、熱処理装置及びランプ冷却方法 Expired - Fee Related JP4969732B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001071353A JP4969732B2 (ja) 2001-03-14 2001-03-14 加熱装置、熱処理装置及びランプ冷却方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001071353A JP4969732B2 (ja) 2001-03-14 2001-03-14 加熱装置、熱処理装置及びランプ冷却方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002270530A true JP2002270530A (ja) 2002-09-20
JP4969732B2 JP4969732B2 (ja) 2012-07-04

Family

ID=18929088

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001071353A Expired - Fee Related JP4969732B2 (ja) 2001-03-14 2001-03-14 加熱装置、熱処理装置及びランプ冷却方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4969732B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007523466A (ja) * 2003-10-27 2007-08-16 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 合わせられた温度の均一性
CN105453248A (zh) * 2013-08-15 2016-03-30 应用材料公司 用于热处理腔室的支撑圆柱
CN110832258A (zh) * 2017-04-28 2020-02-21 图特科有限公司 带有用于超温保护的光学传感器的加热器

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001332507A (ja) * 2000-03-24 2001-11-30 Hitachi Kokusai Electric Inc 基板処理装置、基板の加熱方法および半導体装置の製造方法
JP2002198321A (ja) * 2000-12-27 2002-07-12 Ushio Inc 光照射式加熱装置の光照射部の構造及び光照射式加熱装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001332507A (ja) * 2000-03-24 2001-11-30 Hitachi Kokusai Electric Inc 基板処理装置、基板の加熱方法および半導体装置の製造方法
JP2002198321A (ja) * 2000-12-27 2002-07-12 Ushio Inc 光照射式加熱装置の光照射部の構造及び光照射式加熱装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007523466A (ja) * 2003-10-27 2007-08-16 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 合わせられた温度の均一性
CN105453248A (zh) * 2013-08-15 2016-03-30 应用材料公司 用于热处理腔室的支撑圆柱
JP2016534558A (ja) * 2013-08-15 2016-11-04 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated 熱処理チャンバのための支持シリンダー
CN107342253A (zh) * 2013-08-15 2017-11-10 应用材料公司 用于热处理腔室的支撑圆柱
CN107731718A (zh) * 2013-08-15 2018-02-23 应用材料公司 用于热处理腔室的支撑圆柱
US10128144B2 (en) 2013-08-15 2018-11-13 Applied Materials, Inc. Support cylinder for thermal processing chamber
JP2019071439A (ja) * 2013-08-15 2019-05-09 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated 熱処理チャンバのための支持シリンダー
CN107342253B (zh) * 2013-08-15 2021-12-28 应用材料公司 用于热处理腔室的支撑圆柱
CN107731718B (zh) * 2013-08-15 2022-05-17 应用材料公司 用于热处理腔室的支撑圆柱
CN110832258A (zh) * 2017-04-28 2020-02-21 图特科有限公司 带有用于超温保护的光学传感器的加热器

Also Published As

Publication number Publication date
JP4969732B2 (ja) 2012-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7323661B2 (en) Heat treatment apparatus using a lamp for rapidly and uniformly heating a wafer
JP4948701B2 (ja) 加熱装置、当該加熱装置を有する熱処理装置、及び、熱処理制御方法
JP4540796B2 (ja) 石英ウインドウ、リフレクタ及び熱処理装置
JP2001308023A (ja) 熱処理装置及び方法
JP2002202192A (ja) 温度測定方法、熱処理装置及び方法、コンピュータプログラム、並びに、放射温度計
US20020030047A1 (en) Heat treatment apparatus having a thin light-transmitting window
CN105453248B (zh) 用于热处理腔室的支撑圆柱
US20140008352A1 (en) Heat treatment apparatus
JP2007251126A (ja) 半導体バッチ加熱組立体
US6825615B2 (en) Lamp having a high-reflectance film for improving directivity of light and heat treatment apparatus having such a lamp
JP4828031B2 (ja) ランプ、ランプを用いた熱処理装置
JP4969732B2 (ja) 加熱装置、熱処理装置及びランプ冷却方法
JP4942880B2 (ja) 熱処理装置
JP2002270533A (ja) 熱処理装置及びランプ出力制御方法
JP2002270532A (ja) 加熱装置及び熱処理装置
JP2002270531A (ja) リフレクタ付きランプ並びに熱処理装置
JP2531874B2 (ja) セラミックスヒ―タ―
JP4346208B2 (ja) 温度測定方法、熱処理装置及び方法、並びに、コンピュータ可読媒体
JP2604944B2 (ja) 半導体ウエハー加熱装置
JP4905907B2 (ja) ランプ、及び熱処理装置
JP2002357481A (ja) 温度測定方法及び装置、熱処理装置及び熱処理方法
JP5730521B2 (ja) 熱処理装置
JP2002261038A (ja) 熱処理装置
JP2008243950A (ja) 熱処理装置
JP4666427B2 (ja) 石英ウインドウ及び熱処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110926

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120305

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120313

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120403

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120404

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150413

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees