JP2007095604A - 透明導電膜の製造方法及び透明導電膜 - Google Patents

透明導電膜の製造方法及び透明導電膜 Download PDF

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Abstract

【課題】炭素を主たる構成元素とする透明導電膜を提供する。
【解決手段】少なくとも炭素を構成元素とする原料物質と水素ガスと窒素ガスとを含む雰囲気のプラズマにより、透明性且つ導電性を有する膜を形成する透明導電膜の製造方法。カーボンナノウォールやカーボンナノチューブなどのカーボンナノ構造体をプラズマCVDで製造する方法と同じであるが、窒素ガスのプラズマや窒素ラジカルのプラズマ中への注入により、炭素を構成元素とする透明導電膜を製造することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、少なくとも炭素を構成元素とする透明導電膜の製造方法及び透明導電膜である。
炭素を主体に構成されており所定の微細構造を有する構造体(カーボンナノ構造体)が知られている。そのようなカーボンナノ構造体にはフラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノウォール等がある。下記特許文献1には、カーボンナノウォール(carbon nanowalls)と呼ばれるカーボンナノ構造体が記載されている。この特許文献1では、例えばCH4 とH2 の混合物にマイクロ波を印加して、ニッケル鉄触媒をコートしたサファイア基板上にカーボンナノウォールを形成している。また、下記特許文献2には、カーボンナノウォールを高品質に形成する方法が開示されている。
米国特許出願公開第2003/0129305号明細書 PCT出願公開WO2005/021430A1
カーボンナノチューブやカーボンナノウォールなど、さらに、広くは、炭素を構成元素とする物質に関しては、燃料電池、フィールドエミッションなどの電子素子への応用が期待されている。しかしながら、これらのカーボンナノ構造体や炭素を構成元素とする物質に関する電気的特性や光学的特性においては、何ら知られていない。
本発明者は、少なくとも炭素を構成元素とする原料物質と、水素ガス、窒素ガスのプラズマにより成膜した少なくとも炭素を構成元素とする物質が光学的特性において透明であり、電気的特性において良導体であることを初めて発見した。
本発明は、この発見に基づいて成されたものであり、新規な透明導電膜を実現することである。本発明の従来技術は存在しない。
請求項1の発明は、少なくとも炭素を構成元素とする原料物質と水素ガスと窒素ガスとを含む雰囲気のプラズマにより、透明性且つ導電性を有する膜を形成することを特徴とする透明導電膜の製造方法。
請求項2の発明は、原料物質は少なくとも炭素と水素を構成元素とすることを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜の製造方法である。
請求項3の発明は、原料物質は少なくとも炭素とフッ素を構成元素とすることを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜の製造方法である。
請求項4の発明は、プラズマ中に、水素ラジカルを注入することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の透明導電膜の製造方法である。
請求項5の発明は、プラズマ中に、窒素ラジカルを注入することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の透明導電膜の製造方法である。
上記の発明は、カーボンナノウォールやカーボンナノチューブなどのカーボンナノ構造体をプラズマCVDで製造する方法と同じであるが、窒素ガスのプラズマを用いる点が異なる。窒素ガスのプラズマや窒素ラジカルのプラズマ中への注入により、炭素を主要構成元素とする透明導電膜を製造することができる。
請求項6の発明は、カーボンナノ構造体、その他の少なくとも炭素を構成元素とする透明導電膜である。
カーボンナノ構造体が可視光に対して透明であることは知られていない。カーボンナノ構造体から成る透明導電膜は新規物質である。また、少なくとも炭素を構成元素とする物質から成る透明導電膜は新規である。
請求項7の発明は、少なくとも炭素を構成元素とする原料物質と水素ガスと窒素ガスとを含む雰囲気のプラズマにより形成される物質と実質的に等価な原子配列構造を有する透明導電膜である。
すなわち、上記のプラズマにより形成された物質の原子構造が特定されていないので、この新規物質の発明は、製造方法により特定されたものであり、その方法により製造された物質と実質的に等価な原子配列構造を持つ透明導電膜である。したがって、本発明の透明導電膜は、製法には限定されない。
請求項8の発明は、少なくとも炭素と水素を構成元素とする原料物質と水素ガスと窒素ガスとを含む雰囲気のプラズマにより形成される物質と実質的に等価な原子配列構造を有する透明導電膜である。
また、請求項9の発明は、少なくとも炭素とフッ素を構成元素とする原料物質と水素ガスと窒素ガスとを含む雰囲気のプラズマにより形成される物質と実質的に等価な原子配列構造を有する透明導電膜である。
また、請求項10の発明は、少なくとも炭素とフッ素と水素とを構成元素とする原料物質と水素ガスと窒素ガスとを含む雰囲気のプラズマにより形成される物質と実質的に等価な原子配列構造を有する透明導電膜である。
請求項8〜10の発明においても、請求項7の発明と同様に、上記のプラズマにより形成された物質の原子構造が特定されていない。したがって、これらの新規物質の発明は、製造方法により特定されたものであり、その方法により製造された物質と実質的に等価な原子配列構造を持つ透明導電膜である。したがって、本発明の透明導電膜は、製法には限定されない。
請求項11の発明は、透明導電膜はカーボンナノ構造体から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の透明導電膜である。
少なくとも炭素を構成元素とする原料物質と水素ガスと窒素ガスとを含む雰囲気のプラズマにより形成される膜が、透明性且つ導電性を有することを、本発明者らは、初めて発見した。そのことにより、本発明の製造方法は、透明導電膜の製法として有効である。また、本発明の物質は、新規な透明導電膜である。
これらは、半導体発光素子など、多くの半導体において有効に用いることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において特に言及している内容以外の技術的事項であって本発明の実施に必要な事項は、従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書によって開示されている技術内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明の透明導電膜の製造に用いる原料物質としては、少なくとも炭素を構成元素とする種々の物質を選択することができる。炭素とともに原料物質を構成し得る元素の例としては、水素、フッ素、塩素、臭素、窒素、酸素等から選択される一種または二種以上が挙げられる。好ましい原料物質としては、実質的に炭素と水素から構成される原料物質、実質的に炭素とフッ素から構成される原料物質、実質的に炭素と水素とフッ素から構成される原料物質が例示される。飽和または不飽和のハイドロカーボン(例えばCH4 )、フルオロカーボン(例えばC2 6 )、フルオロハイドロカーボン(例えばCHF3 )等を好ましく用いることができる。直鎖状、分岐状、環状のいずれの分子構造のものも使用可能である。通常は、常温常圧において気体状態を呈する原料物質(原料ガス)を用いることが好ましい。原料物質として一種類の物質のみを用いてもよく、二種以上の物質を任意の割合で用いてもよい。使用する原料物質の種類(組成)は、透明導電膜の製造段階(例えば成長過程)の全体を通じて一定としてもよく、製造段階に応じて異ならせてもよい。目的とする透明導電膜の性状(例えば壁の厚さ)および/または特性(例えば電気的特性)に応じて、使用する原料物質の種類(組成)や供給方法等を適宜選択することができる。透明導電膜を製造するには金属触媒を必要としないが、Co、Co−Tiなどの金属ナノ粒子を基板上に堆積させて形成しても良い。
プラズマ雰囲気中に注入するラジカルは、少なくとも水素ラジカル(すなわち水素原子。以下、「Hラジカル」ということもある。)を含むことが好ましい。少なくとも水素を構成元素とするラジカル源物質を分解してHラジカルを生成し、そのHラジカルをプラズマ雰囲気中に注入することが好ましい。このようなラジカル源物質として特に好ましいものは水素ガス(H2 )である。ラジカル源物質としては、少なくとも水素を構成元素とする物質を好ましく用いることができる。常温常圧において気体状態を呈するラジカル源物質(ラジカル源ガス)を用いることが好ましい。また、ハイドロカーボン(CH4 等)のように、分解によりHラジカルを生成し得る物質をラジカル源物質として用いることも可能である。ラジカル源物質として一種類の物質のみを用いてもよく、二種以上の物質を任意の割合で用いてもよい。
特に、Hラジカルのみを供給すると、透明導電膜を良好に生成することができる。また、適度にOHラジカルやOラジカルが存在しても良い。
また、窒素ラジカルは、プラズマ雰囲気とは別の部屋で生成し、水素ラジカルと同様にプラズマ中に注入するようにしても良い。また、プラズマを発生する反応室に窒素を含むガスを導入して、その反応室でプラズマに分解して窒素ラジカルを形成しても良い。しかし、外部で窒素ラジカルを発生させてから、プラズマ中に注入することで、成膜過程における窒素ラジカルの密度を正確に制御することが可能となり、高品質の透明導電膜を得ることができる。
反応室内における少なくとも一種類のラジカルの濃度(例えば、炭素ラジカル、水素ラジカル、フッ素ラジカル、窒素ラジカルのうち少なくとも一種類のラジカルの濃度)に基づいて、透明導電膜の製造条件の少なくとも一つを調整することが望ましい。かかるラジカル濃度に基づいて調整し得る製造条件の例としては、原料物質の供給量、原料物質のプラズマ化強度(プラズマ化条件の厳しさ)、ラジカル(典型的にはHラジカル)の注入量等が挙げられる。このような製造条件を、上記ラジカル濃度をフィードバックして制御することが好ましい。かかる製造方法によると、目的に応じた性状および/または特性を有する炭素を主要構成元素とする透明導電膜を、より効率よく製造することが可能である。
製造方法としては、原料物質がプラズマ化されたプラズマ雰囲気中にラジカルを注入することが望ましい。これにより原料物質のプラズマとラジカル(典型的にはHラジカル、Nラジカル)とを混在させる。すなわち、原料物質のプラズマ雰囲気中に高密度のラジカル(Hラジカル、Nラジカル)を形成することができる。その混在領域から基材上に堆積した炭素により透明導電膜が形成される(成長する)。表面に、透明導電膜を形成する物質は、絶縁性、半導体性、導電性など任意である。例えば、Si、SiO2 、Si3 4 、GaAs、Al23 、GaAsP,InP、InGaNなどのIII-V 族化合物半導体、II-VI 族化合物半導体などを用いることができる。上記製造方法では、ニッケル鉄等の触媒を特に使用することなく、上記基材の表面に直接、透明導電膜を作製することができる。また、Ni,Fe,Co,Co−Ti,Pd,Pt等の触媒(典型的には遷移金属触媒)を用いてもよい。例えば、上記基材の表面に上記触媒の薄膜(例えば厚さ1〜10nm程度の膜)を形成し、その触媒被膜の上に透明導電膜を形成してもよい。また、これらの触媒のナノ粒子を基板上に堆積させてから、透明導電膜を形成しても良い。
この出願に係る透明導電膜の製造装置の一構成例を図1に示す。この装置1は、反応室10と、その反応室10内でプラズマを生じさせるプラズマ放電手段20と、反応室10に接続されたラジカル供給手段40とを備える。プラズマ放電手段20は、平行平板型容量結合プラズマ(CCP)発生機構として構成されている。本実施例のプラズマ放電手段20を構成する第一電極22および第二電極24は、いずれも略円板状の形状を有する。これらの電極22,24は、互いにほぼ平行になるようにして反応室10内に配置されている。典型的には、第一電極22が上側に、第二電極24がその下側になるようにして配置する。
第一電極(カソード)22には、マッチング回路(matching network)26を介して電源28が接続されている。これらの電源28およびマッチング回路26により、RF波(例えば13.56MHz)、UHF波(例えば500MHz)、VHF波(例えば、27MHz,40MHz,60MHz,100MHz,150MHz)、またはマイクロ波(例えば2.45GHz)の少なくともいずれかを発生することができる。本実施例では、少なくともRF波を発生し得るように構成されている。
第二電極(アノード)24は、反応室10内で第一電極22から離して配置される。両電極22,24の間隔は、例えば0.5〜10cm程度とすることができる。本実施例では約5cmとした。第二電極24は接地されている。透明導電膜の製造時には、この第二電極24上に基板(基材)5を配置する。例えば、基材5のうち透明導電膜を製造しようとする面が露出する(第一電極22に対向する)ようにして、第二電極24の表面上に基板5を配置する。第二電極24には、基材温度調節手段としてのヒータ25(例えばカーボンヒータ)が内蔵されている。必要に応じてこのヒータ25を稼動させることによって基板5の温度を調節することができる。
反応室10には、図示しない供給源から原料物質(原料ガス)を供給可能な原料導入口12が設けられている。好ましい一つの態様では、第一電極(上部電極)22と第二電極(下部電極)24との間に原料ガスを供給し得るように導入口12を配置する。また、反応室10には、後述するラジカル供給手段40からラジカルを導入可能なラジカル導入口14が設けられている。好ましい一つの態様では、第一電極22と第二電極24との間にラジカルを導入し得るように導入口14を配置する。さらに、反応室10には排気口16が設けられている。この排気口16は、反応室10内の圧力を調節する圧力調節手段(減圧手段)としての図示しない真空ポンプ等に接続されている。好ましい一つの態様では、この排気口16は第二電極24の下方に配置されている。
ラジカル供給手段40は、反応室10の上方にプラズマ生成室46を有する。プラズマ生成室46と反応室10とは、基板5の透明導電膜形成面に対向して設けられた隔壁44によって仕切られている。この隔壁44には、マッチング回路26を介して電源28が接続されている。すなわち、本実施例における隔壁44は、第一電極22としての機能をも果たすものである。また、この装置2は、プラズマ生成室46の壁面と隔壁44との間にRF波、VHF波またUHF波を印加する高周波印加手段60を有する。これによりラジカル源ガス36からプラズマ33を生成することができる。なお、図1に示す高周波印加手段60において、符号62は交流電源を、符号63はバイアス電源を、符号64はフィルタをそれぞれ示している。
このプラズマ33から生じたイオンは、隔壁44で消滅し、中性化してラジカル38となる。このとき、適宜隔壁44に電界を印加して中性化率を高めることができる。また、中性化ラジカルにエネルギーを与えることもできる。隔壁44には多数の貫通孔が分散して設けられている。これらの貫通孔が多数のラジカル導入口14となって、反応室10にラジカル38が導入され、そのまま拡散してプラズマ雰囲気34中に注入される。図示するように、これらの導入口14は基板5の上面(第一電極22に対向する面、すなわち透明導電膜形成面)の面方向に広がって配置されている。このような構成を有する装置2によると、反応室10内のより広い範囲に、より均一にラジカル38を導入することができる。このことによって、基板5のより広い範囲(面積)に効率よく透明導電膜を形成することができる。また、面方向の各部で構造(性状、特性等)がより均一化された透明導電膜を形成することができる。本実施例によると、これらの効果のうち一または二以上の効果を実現し得る。
隔壁44とプラズマ雰囲気34との間に電界を印加する(典型的には、隔壁44に負のバイアスを印加する)。透明導電膜を形成するプロセスにおいて、プラズマ生成室46から注入されるラジカル(典型的にはHラジカルやNラジカル)38、プラズマ雰囲気34において発生する少なくとも炭素を含むラジカル、窒素ラジカルおよび/またはイオンから透明導電膜を形成することができる。
次に、上述した装置1を用いて透明導電膜を作製した。
基板には0.5mmのガラス基板5を用いた。この基板5の上に、透明導電膜を成長させた。本実験例では、原料ガス32としてC2 6 を使用した。ラジカル源ガス36としては水素ガス(H2 )と窒素ガス(N2 )を使用した。なお、透明導電膜を堆積させる基板5の表面には、触媒(金属触媒等)を実質的に存在しない。
第二電極24上にガラス基板5の主面が第一電極22側に向くようにしてセットした。原料導入口12から反応室10にC26 (原料ガス)32を供給するとともに、ラジカル源導入口42から水素ガスと窒素ガス(ラジカル源ガス)36を供給した。また、反応室10内のガスを排気口16から排気した。そして、反応室10内の全圧が0.8Torrとなるように、原料ガス32およびラジカル源ガス36の供給量(流量)ならびに排気条件を調節した。C26 は50sccm、H2 は100sccm、N2 は7sccmとした。
この条件で原料ガス32を供給しながら、電源28から第一電極22に13.56MHz、100WのRF電力を入力し、反応室10内の原料ガス(C26 )32にRF波を照射した。これにより原料ガス32をプラズマ化し、第一電極22と第二電極24との間にプラズマ雰囲気34を形成した。また、上記条件でラジカル源ガス36(H2 ガスと、N2 ガス)を供給しながら、電源58からコイル52に13.56MHz、50WのRF電力を入力し、ラジカル発生室40内のラジカル源ガス(H2 とN2 )36にRF波を照射した。これにより生成したHラジカル、Nラジカルを、ラジカル導入口14から反応室10内に導入した。このようにして、ガラス基板5の主面に透明導電膜を成長(堆積)させた。本実験例では透明導電膜の成長時間を60分とした。その間、必要に応じてヒータ25および図示しない冷却装置を用いることにより、基板5の温度を約700℃に保持した。この透明導電膜のシート抵抗は200Ω/□である。この値は、ITO のシート抵抗250Ω/□に比較して、小さい値である。
また、上記と同一の製造条件において、N2 ガスの供給速度のみを変化させて、各種の透明導電膜を製造した。その結果を図2に示す。N2 ガスの流速が7〜15sccmの時に、シート抵抗200Ω/□が得られている。また、N2 ガスの流速が30sccmの時に、シート抵抗3kΩ/□が得られている。N2 ガスを用いない場合には、シート抵抗8kΩ/□が得られ、N2 ガスの流速が60sccmの時に、シート抵抗40kΩ/□が得られた。
したがって、最も望ましいN2 ガスの流速の範囲は7〜15sccmであり、望ましくは、7〜30sccmである。
また、N2 ガスの流速を15,30,60sccmとした時の透明導電膜の断面のSEM像を図3、4、5に示す。
また、これらの透明導電膜の光透過率を測定した。波長350〜800nmの範囲において、透過率78%以上が得られた。
次に、N2 ガスの流速と成長温度だけを変化させて、成膜時間を30分として、各種の透明導電膜を製造した。その他の製造条件は上記の場合と同一である。試料Aは、N2 ガスの流速が20sccm、成長温度700℃、試料Bは、N2 ガスの流速が20sccm、成長温度730℃、試料Cは、N2 ガスの流速が40sccm、成長温度680℃、試料Dは、N2 ガスの流速が40sccm、成長温度680℃である。この時の波長透過率特性を測定した。その結果を図6に示す。N2 ガスの流速が小さい方が、光透過率は高くなるという結果が得れた。また、成膜温度は、低い方が光透過率は高くなると思われる。
本発明は、新規な透明導電膜及びその製造方法である。半導体発光素子やその他の半導体に用いることができる。
本発明の透明導電膜を製造する製造装置を示す模式図である。 本発明の透明導電膜の抵抗とN2 ガスの流速との関係を示した測定図。 2 ガスを15sccmで製造した本発明の透明導電膜のSEM像。 2 ガスを30sccmで製造した本発明の透明導電膜のSEM像。 2 ガスを60sccmで製造した本発明の透明導電膜のSEM像。 本発明の透明導電膜の波長透過率特性を示した測定図。
符号の説明
2…透明導電膜製造装置
5…ガラス基板
10…反応室
14…ラジカル導入口
20…プラズマ放電手段

Claims (11)

  1. 少なくとも炭素を構成元素とする原料物質と水素ガスと窒素ガスとを含む雰囲気のプラズマにより、透明性且つ導電性を有する膜を形成することを特徴とする透明導電膜の製造方法。
  2. 前記原料物質は少なくとも炭素と水素を構成元素とすることを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜の製造方法。
  3. 前記原料物質は少なくとも炭素とフッ素を構成元素とすることを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜の製造方法。
  4. 前記プラズマ中に、水素ラジカルを注入することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の透明導電膜の製造方法。
  5. 前記プラズマ中に、窒素ラジカルを注入することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の透明導電膜の製造方法。
  6. カーボンナノ構造体、その他の少なくとも炭素を構成元素とする透明導電膜。
  7. 少なくとも炭素を構成元素とする原料物質と水素ガスと窒素ガスとを含む雰囲気のプラズマにより形成される物質と実質的に等価な原子配列構造を有する透明導電膜。
  8. 少なくとも炭素と水素を構成元素とする原料物質と水素ガスと窒素ガスとを含む雰囲気のプラズマにより形成される物質と実質的に等価な原子配列構造を有する透明導電膜。
  9. 少なくとも炭素とフッ素を構成元素とする原料物質と水素ガスと窒素ガスとを含む雰囲気のプラズマにより形成される物質と実質的に等価な原子配列構造を有する透明導電膜。
  10. 少なくとも炭素とフッ素と水素とを構成元素とする原料物質と水素ガスと窒素ガスとを含む雰囲気のプラズマにより形成される物質と実質的に等価な原子配列構造を有する透明導電膜。
  11. 前記透明導電膜はカーボンナノ構造体から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の透明導電膜。

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