JP2007092038A - 樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面硬度、剛性に優れた樹脂組成物およびそれからなる成形品の提供。
【解決手段】熱可塑性ポリエステル樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)、グリシジル基、酸無水物基、カルボキシル基から選択された少なくとも1種類以上の官能基を有する化合物である相溶化剤(C)を配合してなる樹脂組成物、およびそれらからなる成形品。また、アクリル系樹脂(B)が、メチルメタクリレートを51〜100重量%、メチルメタクリレートと共重合可能な不飽和結合を含む1種類以上のコモノマーを0〜49重量%含むメタクリルコポリマーであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)およびグリシジル基、酸無水物基、カルボキシル基から選択された少なくとも1種類以上の官能基を有する化合物である相溶化剤(C)を配合してなり、表面硬度、剛性に優れた樹脂組成物およびそれからなる成形品に関するものである。
陶器調光沢を有する樹脂成形品は、食器、洗面器具、植木鉢等の各種容器類、床材、壁材、洗面ボウル等の住宅機器類、及びテーブルトップ、額縁、人形等の装飾品類等の分野において広く利用されている。
従来、これらの資材には主にセラミックなどの無機質材料、塩化ビニルを主成分とする樹脂組成物、無機充填材を含有する熱硬化樹脂組成物などからなる人工大理石が利用されてきた。しかしながら、近年の環境問題などの点から、再生利用できる材料への期待が高まっている。そこで、リサイクル可能なポリエステルなどの熱可塑性樹脂を使用した樹脂組成物が提案されている。
特許文献1には、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート樹脂に(メタ)アクリル系樹脂、無機充填剤を配合することにより、金型表面の転写性に優れた樹脂組成物が提案されている。しかしながら、特許文献1に記載の樹脂組成物では、十分な表面硬度を示すことができなかった。
特開2002−47397号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果、達成されたものである。従って、本発明の目的は、表面硬度に優れ、好ましい態様においては剛性に優れた樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)、グリシジル基、酸無水物基、カルボキシル基から選択された少なくとも1種類以上の官能基を有する化合物である相溶化剤(C)を含む樹脂組成物が、上記の目的に合致した、優れた特性を発揮することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
(1)熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、アクリル系樹脂(B)1〜200重量部、グリシジル基、酸無水物基、カルボキシル基から選択された少なくとも1種類以上の官能基を有する化合物である相溶化剤(C)0.1〜100重量部を配合してなる樹脂組成物、
(2)熱可塑性ポリエステル樹脂(A)が、ポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする(1)に記載の樹脂組成物、
(3)アクリル系樹脂(B)が、メチルメタクリレートを51〜100重量%およびメチルメタクリレートと共重合可能な不飽和結合を含む1種類以上のコモノマーを0〜49重量%共重合してなるメタクリルコポリマーであることを特徴とする(1)または(2)の樹脂組成物、
(4)アクリル系樹脂(B)がポリメチルメタクリレートであることを特徴とする(1)〜(3)の樹脂組成物、
(5)相溶化剤(C)がグリシジル基を含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの樹脂組成物、
(6)(C)相溶化剤の190℃におけるメルトインデックスが0.5g/10分以上であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの樹脂組成物、
(7)さらに無機充填剤(D)を配合してなる(1)〜(6)のいずれかの樹脂組成物、
(8)無機充填剤(D)が繊維状無機充填材または硫酸バリウムであることを特徴とする(7)の樹脂組成物、
(9)表面の鉛筆硬度がHB以上であることを特徴とする、(1)〜(8)のいずれかに記載の樹脂組成物、および
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形品、
を提供するものである。
本発明の樹脂組成物は、表面硬度、剛性に優れている。また、この樹脂組成物から得られる成形品は、上記の特性を活かして、食器、便器、浴槽、洗面ボウル等の洗面器具、植木鉢等の各種容器類、床材、壁材等の住宅機器類など各種用途に利用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステル樹脂(A)は、(イ)ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体、(ロ)ヒドロキシカルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体、(ハ)ラクトンから選択された一種以上を重縮合してなる重合体または共重合体である。
上記ジカルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸単位およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
また、上記ジオールあるいはそのエステル形成性誘導体としては、炭素数2〜20の脂肪族グリコールすなわち、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ダイマージオールなど、あるいは分子量200〜100000の長鎖グリコール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど、芳香族ジオキシ化合物すなわち、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなど、及びこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
また、上記ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。上記ラクトンとしてはカプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどを挙げることができる。
これらの重合体ないしは共重合体の具体例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリプロピレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ビスフェノールA(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレンナフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/ナフタレ−ト)、ポリプロピレンナフタレート、ポリプロピレン(テレフタレート/ナフタレート)、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリ(シクロヘキサンジメチレン/エチレン)テレフタレート、ポリ(シクロヘキサンジメチレン/エチレン)(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)/ビスフェノールA、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)/ビスフェノールAなどの芳香族ポリエステル や、ポリブチレン(テレフタレート/サクシネート)、ポリプロピレン(テレフタレート/サクシネート)、ポリエチレン(テレフタレート/サクシネート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリプロピレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/スルホイソフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/スルホイソフタレート/サクシネート)、ポリプロピレン(テレフタレート/スルホイソフタレート/サクシネート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバテート)、ポリプロピレン(テレフタレート/セバテート)、ポリエチレン(テレフタレート/セバテート)、ポリブチレンテレフタレート・ポリエチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート・ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート・ポリエチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリプロピレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリプロピレン(テレフタレート/イソフタレート)・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(プロピレンオキシド/エチレンオキシド)グリコール、ポリプロピレンテレフタレート・ポリ(プロピレンオキシド/エチレンオキシド)グリコール、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)・ポリ(プロピレンオキシド/エチレンオキシド)グリコール、ポリプロピレン(テレフタレート/イソフタレート)・ポリ(プロピレンオキシド/エチレンオキシド)グリコール、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリプロピレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレンテレフタレート・ポリ−ε−カプロラクトンなどポリエーテルあるいは脂肪族ポリエステルを芳香族ポリエステルに共重合した共重合体や、ポリエチレンオキサレート、ポリプロピレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリネオペンチルグリコールオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレン(サクシネート/アジペート)、ポリプロピレン(サクシネート/アジペート)、ポリエチレン(サクシネート/アジペート)、ポリヒドロキシ酪酸及びβ−ヒドロキシ酪酸とβ−ヒドロキシ吉草酸とのコポリマーなどのポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル、ポリブチレンサクシネート・カーボネートなどの脂肪族ポリエステルカーボネート、p−オキシ安息香酸/ポリエチレンテレフタレート、p−オキシ安息香酸/6−オキシ−2−ナフトエ酸などの共重合ポリエステルなどの液晶性ポリエステルが挙げられる。(“/”は共重合を示す。)
これらの中で、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体を主成分として重縮合してなる重合体が好ましく、具体的には、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(シクロヘキサンジメチレン/エチレン)テレフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリプロピレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレンテレフタレート・ポリエチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート・ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート・ポリエチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリプロピレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリエチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリプロピレン(テレフタレート/イソフタレート)・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリプロピレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/サクシネート)、ポリプロピレン(テレフタレート/サクシネート)、ポリエチレン(テレフタレート/サクシネート)を好ましく挙げることができる。上記芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体を主成分として重縮合してなる重合体中の全ジカルボン酸に対する芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体の割合が30モル%以上であることがさらに好ましく、40モル%以上であることがさらに好ましい。
また、これらの中では、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールから選ばれる脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体を主成分として重縮合してなる重合体がさらに好ましく、具体的には、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリプロピレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレンテレフタレート・ポリエチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート・ポリエチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート・ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリプロピレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリプロピレン(テレフタレート/イソフタレート)・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリエチレン(テレフタレート/サクシネート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリプロピレン(テレフタレート/サクシネート)、ポリプロピレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/サクシネート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフタレート)を挙げることできる。上記テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とブタンジオールまたはそのエステル形成性誘導体を主成分として重縮合してなる重合体中の全ジカルボン酸に対するテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体の割合が30モル%以上であることがさらに好ましく、40モル%以上であることがさらに好ましい。
本発明における上記熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の具体例のさらなる好ましい例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/サクシネート)、ポリブチレン(テレフタレート/サクシネート)、ポリエステルエラストマー、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリブチレンサクシネートを挙げることができ、中でも特に好ましい例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)から選択される少なくとも1種を挙げることができ、最も好ましくはポリブチレンテレフタレートである。
また、本発明において、(A)成分として2種類以上の熱可塑性ポリエステル樹脂を用いることは表面外観性、光沢度、剛性の点から有用である。例えば、2種類の熱可塑性ポリエステル樹脂を(A)成分として用いる場合、結晶化速度の早い樹脂を熱可塑性ポリエステル樹脂(1)とし、結晶化速度の遅い樹脂を熱可塑性ポリエステル樹脂(2)とすると、これらの配合比は熱可塑性ポリエステル樹脂(1)20〜90重量%、熱可塑性ポリエステル樹脂(2)10〜80重量%であることが好ましく、(1)30〜80重量%、(2)20〜70重量%であることがさらに好ましい。熱可塑性ポリエステル樹脂(1)および熱可塑性ポリエステル樹脂(2)の具体的な組合せとしてはポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリプロピレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートなどの組合せを挙げることができる。
また、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)は共重合体でもよく、具体例としてはポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレン(テレフタレート/ナフタレート)などが挙げられ、単独で用いても2種以上混合して用いても良い。
本発明で用いる熱可塑性ポリエステル(A)の粘度は溶融混練が可能であれば特に制限はないが、通常、o−クロロフェノール溶液を25℃で測定したときの固有粘度は0.36〜1.60dl/gであることが好ましい。特に0.42〜1.25dl/gの範囲にあるものが成形性の点から好適である。
本発明で用いる熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の融点は、特に制限されるものではないが、耐熱性の点から120℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがさらに好ましく、180℃以上であることがより好ましく、特に220℃以上であることが好ましい。上限は350℃である。なお、本発明において、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の融点は、示差走査熱量計(DSC)により昇温速度20℃/分で測定した値である。
本発明で用いる熱可塑性ポリエステル樹脂(A)は、m−クレゾール溶液をアルカリ溶液で電位差滴定して求めたCOOH末端基量が1〜50eq/t(ポリマー1トン当りの末端基量)の範囲にあるものが耐久性の点から好ましく使用できる。特に、COOH末端基が30eq/t以下であるものが、耐加水分解性の点で好ましく、15eq/t以下であるものが特に好ましい。
本発明のアクリル系樹脂(B)の具体例としてはメタクリル酸、アクリル酸、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、クロロメチルメタクリレート、クロロメチルアクリレート、2−クロロエチルメタクリレート、2−クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシルメタクリレート、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシルアクリレート、2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチルメタクリレート、または2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチルアクリレートなどのモノマーの重合体、または上記モノマーの共重合体(コポリマー)が挙げられる。
これらの中で、本発明のアクリル樹脂(B)としては、メチルメタクリレートを51〜100重量%、並びにメチルメタクリレートと共重合可能な不飽和結合を含む1種類以上のコモノマーを0〜49重量%共重合したメタクリルコポリマーであることが好ましい。これらアクリル共重合体のモノマー組成比は、メチルメタクリレート51〜100重量%、メチルメタクリレートと共重合可能な不飽和結合を含む1種以上のコモノマー0〜49重量%であることが好ましく、より好ましくはメチルメタクリレート100重量%またはメチルメタクリレート80〜99重量%、コモノマー1〜20重量%である。
上記具体例として、ポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸)、ポリ(メチルメタクリレート/アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリレート/エチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/エチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/n−プロピルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/n−プロピルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/t−ブチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/t−ブチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/n−ヘキシルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/n−ヘキシルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/シクロヘキシルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/クロロメチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/クロロメチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/2−クロロエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/2−クロロエチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/ポリ3−ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/ポリ3−ヒドロキシプロピルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリルアミド)、ポリ(メチルメタクリレート/アクリルアミド)、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリロニトリル)、ポリ(メチルメタクリレート/アクリロニトリル)、ポリ(メチルメタクリレート/スチレン)、ポリ(メチルメタクリレート/α−メチルスチレン)、ポリ(メチルメタクリレート/モノクロロスチレン)などが挙げられる。中でも好ましくは、メチルメタクリレートの重合体であるポリメチルメタクリレート、主鎖中に環構造を含む共重合体であるポリ(メチルメタクリレート/無水マレイン酸)、ポリ(メチルメタクリレート/マレイミド)、グルタル酸無水物単位を含むアクリル系樹脂(ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸)の分子内環化反応物)であり、より好ましくはポリメチルメタクリレートである。
これらのアクリル系樹脂は単独ないし2種以上を用いることができる。また、表面硬度の観点から230℃におけるメルトインデックスが3g/10分未満であることが好ましく、2g/10分以下であることがさらに好ましい。下限は0.5g/10分である。
また、本発明で用いられるアクリル系樹脂は、ガラス転移温度が80〜150℃、好ましくは110℃〜150℃であるものが、表面硬度の点から好ましく使用できる。なお、本発明において、アクリル系樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)により昇温速度20℃/分で測定した値である。
アクリル系樹脂(B)の配合量は、成形性と表面硬度の点から、(A)成分100重量部に対して1〜200重量部であることが必須であり、好ましくは10〜150重量部、より好ましくは10〜100重量部、更に好ましくは20〜70重量部である。
本発明で用いられるグリシジル基、酸無水物基、カルボキシル基から選択された少なくとも1種類以上の基を有する化合物である相溶化剤(C)は、本発明のポリエステル系樹脂組成物の表面硬度を向上させるために必要な成分である。
このような相溶化剤(C)としては、例えば、分子内の主鎖中または側鎖にグリシジル基、酸無水物基、カルボキシル基から選択された少なくとも1種類以上の官能基を導入した変性アクリル系重合体、ビニル系重合体またはアクリル系重合体とビニル系重合体のグラフト共重合体を挙げることができる。このとき、グリシジル基、酸無水物、カルボキシル基のいずれか1種類以上を含んでいれば、他の官能基を含んでいてもよい。他の官能基の具体例としては、オキサゾリン基、酸ハイドライド基、酸アミド基、カルボン酸エステル基、酸アジド基、スルフォン基、ニトリル基、シアノ基、イソシアン酸エステル基、アミノ基、イミド基、水酸基、チオール基、カルボジイミド基等が挙げられる。
相溶化剤(C)の好ましい例として、グリシジル基含有相溶化剤では、ポリ(エチレン/グリシジルメタクリレート)−g−ポリメチルメタクリレート、グリシジル基含有アクリルポリマー、グリシジル基含有アクリル/スチレンポリマー、酸無水物基含有相溶化剤では、ポリ(エチレン/エチルアクリレート/無水マレイン酸)−g−ポリメチルメタクリレート、ポリ(エチレン/エチルアクリレート/無水マレイン酸)−g−ポリ(アクリロニトリル/スチレン)、ポリ(メチルメタクリレート/無水マレイン酸)、カルボキシル基含有相溶化剤では、ポリ(エチレン/メタクリル酸)、ポリ(エチレン/メタクリル酸)の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー樹脂などが挙げられる。なかでも、(A)成分中への(B)成分の分散形態、表面硬度の点からグリシジル基含有相溶化剤または酸無水物基含有相溶化剤であることが好ましく、より好ましくはグリシジル基含有相溶化剤である。また、グリシジル基含有相溶化剤においては、グリシジル基含有アクリルポリマーまたはグリシジル基含有アクリル/スチレンポリマーが特に好ましく使用される。本発明で用いる、相溶化剤(C)のグリシジル基含有量は、特に限定されないが、表面硬度、強度、耐加水分解性、外観性の点で、エポキシ価として、1〜10meq/gが好ましく、2〜7meq/gであることがより好ましく、3〜5meq/gであることがさらに好ましい。ここでいうエポキシ価は、塩酸−ジオキサン法で測定した値である。
本発明で用いる、相溶化剤(C)の溶融粘度は190℃におけるメルトインデックスが0.5g/10分以上300g/10分以下であることが好ましく、表面硬度、剛性の点から5g/10分以上であることがさらに好ましく、100g/10分以上であることがさらに好ましい。ここでいうメルトインデックスの値とは温度190℃、荷重2.16kgfにおける10分当たりに溶出した樹脂量のことを指す。
また相溶化剤(C)の配合量は、相溶性と表面硬度の点から、(A)成分100重量部に対して(C)成分0.1〜100重量部であることが必須であり、好ましくは0.5〜70重量部、より好ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは1〜30重量部である。
本発明の樹脂組成物には、さらに無機充填材(D)を加えることができる。本発明で使用する無機充填材(D)としては、通常熱可塑性樹脂に用いられる繊維状、板状、粒状、粉末状のものを用いることができる。具体的には、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、マグネシウム系ウイスカー、珪素系ウイスカー、ワラステナイト、セピオライト、アスベスト、スラグ繊維、ゾノライト、エレスタダイト、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化硅素繊維及びホウ素繊維などの繊維状無機充填材、ガラスフレーク、非膨潤性雲母、グラファイト、金属箔、セラミックビーズ、タルク、クレー、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、ドロマイト、カオリン、微粉珪酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪酸アルミニウム、酸化珪素、石膏、ノバキュライト、ドーソナイト及び白土などの板状や粒状の無機充填材が挙げられ、単独ないし、2種類以上混合しても良い。これらの中で、剛性の点から、好ましくは繊維状無機充填材または硫酸バリウムであり、特に好ましくはガラス繊維、ワラステナイト、マイカ、カオリン、硫酸バリウムであり、さらに好ましくはワラステナイトである。また、配合に供する無機充填剤(D)の平均粒径は1〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがさらに好ましく、0.1〜6μmであることがさらに好ましい。平均粒径が10μmを越えると、曲げ弾性率など力学的特性が低くなりやすい。ここでいう平均粒径とは、レーザー回折散乱式装置により測定した値である。
本発明で用いる無機充填材(D)は、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆または集束処理されていてもよく、アミノシランやエポキシシランなどのカップリング剤などで処理されていてもよく、強度、剛性、耐加水分解性、外観性および表面光沢性の点で、エポキシシラン処理されていることが好ましい。
また、本発明で用いる無機充填材(D)の配合量は、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.1〜200重量部が好ましく、0.5〜150重量部がさらに好ましい。配合量が200重量部以上であると表面光沢性が低下し、0.1重量部未満であると剛性が低下するため好ましくない。
また、本発明ではさらに加水分解防止剤を添加することにより、耐加水分解性、耐久性などを向上させることができる。このような加水分解防止剤としては、本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂(A)のカルボキシル末端基を封鎖することのできる化合物であれば特に制限はなく、ポリマーのカルボキシル末端の封鎖剤として用いられているものを用いることができる。このようなカルボキシル基反応性末端封鎖剤としては、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、カルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物を使用することが好ましい。
本発明にカルボキシル基反応性末端封鎖剤として用いることのできるエポキシ化合物としては、グリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物、グリシジルアミン化合物、グリシジルイミド化合物、脂環式エポキシ化合物を好ましく使用することができる。
グリシジルエーテル化合物の例としては、ブチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、o−フェニルフェニルグリシジルエーテル、エチレンオキシドラウリルアルコールグリシジルエーテル、エチレンオキシドフェノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォンなどのビスフェノール類とエピクロルヒドリンとの縮合反応から得られるビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などを挙げることができる。なかでも、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。
グリシジルエステル化合物の例としては、安息香酸グリシジルエステル、p−トルイル酸グリシジルエステル、シクロヘキサンカルボン酸グリシジルエステル、ステアリン酸グリシジルエステル、ラウリン酸グリシジルエステル、パルミチン酸グリシジルエステル、バーサティック酸グリシジルエステル、オレイン酸グリシジルエステル、リノール酸グリシジルエステル、リノレン酸グリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、安息香酸ジグリシジルエステル、メチルテレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、ドデカンジオン酸ジグリシジルエステル、オクタデカンジカルボン酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ピロメリット酸テトラグリシジルエステルなどを挙げることができる。なかでも、安息香酸グリシジルエステルやバーサティック酸グリシジルエステルが好ましい。
グリシジルアミン化合物の例としては、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、ジグリシジルトリブロモアニリン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、トリグリシジルシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
グリシジルイミド化合物の例としては、N−グリシジルフタルイミド、N−グリシジル−4−メチルフタルイミド、N−グリシジル−4,5−ジメチルフタルイミド、N−グリシジル−3−メチルフタルイミド、N−グリシジル−3,6−ジメチルフタルイミド、N−グリシジル−4−エトキシフタルイミド、N−グリシジル−4−クロルフタルイミド、N−グリシジル−4,5−ジクロルフタルイミド、N−グリシジル−3,4,5,6−テトラブロムフタルイミド、N−グリシジル−4−n−ブチル−5−ブロムフタルイミド、N−グリシジルサクシンイミド、N−グリシジルヘキサヒドロフタルイミド、N−グリシジル−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド、N−グリシジルマレインイミド、N−グリシジル−α,β−ジメチルサクシンイミド、N−グリシジル−α−エチルサクシンイミド、N−グリシジル−α−プロピルサクシンイミド、N−グリシジルベンズアミド、N−グリシジル−p−メチルベンズアミド、N−グリシジルナフトアミド、N−グリシジルステラミドなどを挙げることができる。なかでも、N−グリシジルフタルイミドが好ましい。
脂環式エポキシ化合物の例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、N−メチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−エチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−フェニル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−ナフチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−トリル−3−メチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミドなどを挙げることができる。
また、その他のエポキシ化合物として、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化鯨油などのエポキシ変性脂肪酸グリセリド、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノゾラック型エポキシ樹脂などを用いることができる。
本発明で用いるカルボキシル基反応性末端封鎖剤として用いることのできるオキサゾリン化合物の例としては、2−メトキシ−2−オキサゾリン、2−エトキシ−2−オキサゾリン、2−プロポキシ−2−オキサゾリン、2−ブトキシ−2−オキサゾリン、2−ペンチルオキシ−2−オキサゾリン、2−ヘキシルオキシ−2−オキサゾリン、2−ヘプチルオキシ−2−オキサゾリン、2−オクチルオキシ−2−オキサゾリン、2−ノニルオキシ−2−オキサゾリン、2−デシルオキシ−2−オキサゾリン、2−シクロペンチルオキシ−2−オキサゾリン、2−シクロヘキシルオキシ−2−オキサゾリン、2−アリルオキシ−2−オキサゾリン、2−メタアリルオキシ−2−オキサゾリン、2−クロチルオキシ−2−オキサゾリン、2−フェノキシ−2−オキサゾリン、2−クレジル−2−オキサゾリン、2−o−エチルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−o−プロピルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−o−フェニルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−m−エチルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−m−プロピルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−p−フェニルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−プロピル−2−オキサゾリン、2−ブチル−2−オキサゾリン、2−ペンチル−2−オキサゾリン、2−ヘキシル−2−オキサゾリン、2−ヘプチル−2−オキサゾリン、2−オクチル−2−オキサゾリン、2−ノニル−2−オキサゾリン、2−デシル−2−オキサゾリン、2−シクロペンチル−2−オキサゾリン、2−シクロヘキシル−2−オキサゾリン、2−アリル−2−オキサゾリン、2−メタアリル−2−オキサゾリン、2−クロチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2−o−エチルフェニル−2−オキサゾリン、2−o−プロピルフェニル−2−オキサゾリン、2−o−フェニルフェニル−2−オキサゾリン、2−m−エチルフェニル−2−オキサゾリン、2−m−プロピルフェニル−2−オキサゾリン、2−p−フェニルフェニル−2−オキサゾリン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4,4’−ジエチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−プロピル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−ヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−シクロヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−ベンジル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−デカメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−9,9’−ジフェノキシエタンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−シクロヘキシレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)などが挙げられる。さらには、上記した化合物をモノマー単位として含むポリオキサゾリン化合物なども挙げることができる。
本発明で用いることのできるカルボキシル基反応性末端封鎖剤としてのオキサジン化合物の例としては、2−メトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−エトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−プロポキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ブトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ペンチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ヘキシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ヘプチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−オクチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ノニルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−デシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−シクロペンチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−シクロヘキシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−アリルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−メタアリルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−クロチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジンなどが挙げられ、さらには、2,2’−ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−メチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−エチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−プロピレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−ブチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−p−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−m−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−ナフチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−P,P’−ジフェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)などが挙げられる。さらには、上記した化合物をモノマー単位として含むポリオキサジン化合物などが挙げられる。
上記オキサゾリン合物やオキサジン化合物の中では、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)が好ましい。
本発明でカルボキシル基反応性末端封鎖剤として使用することのできるカルボジイミド化合物とは、分子内に少なくともひとつの(−N=C=N−)で表されるカルボジイミド基を有する化合物であり、例えば適当な触媒の存在下に、有機イソシアネートを加熱し、脱炭酸反応で製造できる。
カルボジイミド化合物の例としては、ジフェニルカルボジイミド、ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジオクチルデシルカルボジイミド、ジ−o−トルイルカルボジイミド、ジ−p−トルイルカルボジイミド、ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、ジ−p−クロルフェニルカルボジイミド、ジ−o−クロルフェニルカルボジイミド、ジ−3,4−ジクロルフェニルカルボジイミド、ジ−2,5−ジクロルフェニルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−o−トルイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−p−クロルフェニルカルボジイミド、2,6,2’,6’−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミド、ヘキサメチレン−ビス−シクロヘキシルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジフェニルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−トリイルカルボジイミド、N,N’−ジフェニルカルボジイミド、N,N’−ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N’−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジ−t−ブチルフェニルカルボジイミド、N−トルイル−N’−フェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−トルイルカルボジイミド、N,N’−ベンジルカルボジイミド、N−オクタデシル−N’−フェニルカルボジイミド、N−ベンジル−N’−フェニルカルボジイミド、N−オクタデシル−N’−トリルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−トリルカルボジイミド、N−フェニル−N’−トリルカルボジイミド、N−ベンジル−N’−トリルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−エチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−エチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2−エチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2−イソブチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミドなどのモノ又はジカルボジイミド化合物、ポリ(1,6−ヘキサメチレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(1,3−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)などのポリカルボジイミドなどが挙げられる。なかでもN,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、2,6,2’,6’−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミドが好ましく、また、ポリカルボジイミドが好ましい。
上記カルボキシル基反応性末端封鎖剤は1種または2種以上の化合物を任意に選択して用することができる。これら加水分解防止剤の添加量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、また0.2〜3重量部がより好ましい。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲で、結晶核剤、可塑剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、安定剤、離型剤、顔料および染料を含む着色剤、滑剤、帯電防止剤を一種以上添加することができる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、本発明で規定する要件を満たす限り特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)およびグリシジル基、酸無水物基、カルボキシル基から選択された少なくとも1種類以上の基を有する化合物である相溶化剤(C)、必要に応じてその他の無機充填剤(D)を予めブレンドした後、融点以上において、単軸またはニ軸押出機で、均一に溶融混練する方法や、溶液中で混合した後に溶媒を除く方法などが好ましく用いられる。
本発明の樹脂組成物を製造する際の、溶融混練温度は、110〜360℃が好ましく、210℃〜280℃がさらに好ましく、240〜270℃が特に好ましい。
本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂(A)中のアクリル系樹脂(B)が分散相を形成する場合の好ましい分散状態については、表面硬度の観点から、アクリル系樹脂の分散径が20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがさらに好ましく、1μm以下であることがさらに好ましく、0.5μm以下であることがさらに好ましい。
本発明中の樹脂組成物の表面硬度とは、特定の鉛筆硬度を有する鉛筆で樹脂を擦過した場合に擦過しても擦過痕が残らない硬さのことであり、塗膜の表面硬度試験に用いられる鉛筆硬度(JISK−5600)を指標とする。鉛筆の硬度としては、下記の濃度記号順のとおりであり、最も硬いものが9H、最も軟らかいものが6Bであり、全17種で表される。
9H、8H、7H、6H、5H、4H、3H、2H、H、F、HB、2B、3B、4B、5B、6B(硬い方を上位とする)
本発明の樹脂組成物の表面硬度は成形品として使用するために、HB以上であることが好ましく、より好ましくはH以上である。
本発明の樹脂組成物は、独特の特性を持つ組成物であり、各種成形法により、成形品とすることができる。成形法としては、例えば、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形などが好ましく、なかでも射出成形がより好ましい。これらの成形品は、各種トレイ、食器、キッチンシステム、便器、浴槽、洗面ボウル等の洗面器具、植木鉢等の各種容器類、テーブルトップ、床材、壁材等の住宅資材、家具、室内装飾材、表示用資材など各種用途に利用することができる。
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
なお、実施例などで使用する主要原料の略号およびその内容を以下にまとめて示す。
(A)熱可塑性ポリエステル
A−1:ポリブチレンテレフタレート(東レ製トレコン1100S)固有粘度0.82dl/g
A−2:ポリエチレンテレフタレート固有粘度0.70dl/g
A−3:ポリプロピレンテレフタレート固有粘度0.90dl/g
(B)アクリル系樹脂
B−1:ポリメチルメタクリレート(アトフィナ・ジャパン製HT121)MI=2g/10分(JIS K7210 230℃/3.8kgf)、ガラス転移温度=118℃
B−2:ポリメチルメタクリレート(住友化学工業製スミペックスLG35)MI=36g/10分(JIS K7210 230℃/3.8kgf)、ガラス転移温度=95℃
(C)相溶化剤
C−1:グリシジル基含有アクリル/スチレン系ポリマー(東亜合成製UG4040)MI=255g/10分(JIS K7210 190℃/0.325kgf)、エポキシ価2.1meq/g
C−2:グリシジル基含有アクリル系ポリマー(日本油脂製CP−50M)MI=265g/10分(JIS K7210 190℃/0.325kgf)、エポキシ価2.9meq/g
C−3:ポリ(エチレン/グリシジルメタクリレート)−g−ポリメチルメタクリレート(日本油脂製モディパーA4200)MI=0.6g/10分(JIS K7210 190℃/2.16kgf)
C−4:ポリ(エチレン/エチルアクリレート/無水マレイン酸)−g−ポリメチルメタクリレート(日本油脂製モディパーA8200)MI=1.3g/10分(JIS K7210 190℃/2.16kgf)
C−5:グリシジル基含有アクリル/スチレン系ポリマー(ジョンソンポリマー製ADR−4368)MI=270g/10分(JIS K7210 190℃/0.325kgf)、エポキシ価3.5meq/g
(D)無機充填剤
D−1:ワラステナイト(関西マテック製KAP350)平均粒径5.01μm
D−2:ワラステナイト(NYCO製NYGLOS8)平均粒径12μmD−3:ワラステナイト(NYCO製NYGLOS8エポキシシラン処理品)平均粒径12μm
D−4:硫酸バリウム(堺化学工業製B−55)平均粒径0.66μm
D−5:ガラス繊維(日東紡製3J948)繊維径13μm
(E)カルボキシル基反応性末端封鎖剤
E−1:エポキシ化合物(ジャパンエポキシレジン製“カージュラ”E10P)
E−2:エポキシ化合物(ジャパンエポキシレジン製“エピコート”819)
また、実施例などで使用する評価方法を以下にまとめて示す。
(鉛筆硬度)
80×80×3mm角板を用いて、JIS K−5600に従って鉛筆硬度測定を行った。また、鉛筆は規格JIS S−6006のものを使用した。
(曲げ弾性率)
127×12.7×3.2mm(短冊形の試験片)を用いて、ASTM D−790に従って試験機テンシロンRTAIT(ボールドウィン製)により、曲げ試験を行い、曲げ弾性率(GPa)を求めた。
(引張強度)
ASTM1号ダンベル試験片(厚み3mm)を用いて、ASTM D−638に従い、引張強度を求めた。
(耐加水分解性)
ASTM1号ダンベル試験片をプレッシャークッカー試験装置中に温度121℃、相対湿度100%の条件で40時間放置した。その後、装置から取り出し、その引張強度を上記の引張強度測定の方法と同様に測定し、引張強度保持率=(加水分解処理後の強度/加水分解処理前の強度)×100(%)を求めた。ここで、引張強度保持率が大きな値を示すほど耐加水分解性に優れるといえる。
(実施例1〜8、比較例1〜3)
熱可塑性ポリエステル樹脂として、ポリブチレンテレフタレートを用い、アクリル系樹脂をそれぞれ表1に示した割合で混合し、30mm径の2軸押出機により、シリンダー温度260℃、回転数150rpmの条件で溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を110℃で6時間乾燥した後、シリンダー温度260℃、金型温度80℃で射出成形を行い、127×12.7×3.2mm短冊形の試験片および、80×80×3mm角板の試験片を作成した。結果を表1に示す。
Figure 2007092038
表1の実施例と比較例の結果から以下のことが明らかである。実施例1〜8と比較例1〜3との比較から本発明の樹脂組成物およびそれからなる成形品は表面硬度に優れることがわかる。また、実施例6〜8と比較例1〜2との比較から本発明の樹脂組成物およびそれからなる成形品は剛性にも優れることがわかる。
(実施例9〜23、比較例4)
表2に示した割合で原料を混合し、30mm径の2軸押出機により、シリンダー温度260℃、回転数150rpmの条件で溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を110℃で6時間乾燥した後、シリンダー温度260℃、金型温度80℃で射出成形を行い、127×12.7×3.2mm短冊形の試験片、80×80×3mm角板の試験片および厚み3mmのASTM1号ダンベルを作成した。結果を表2に示す。
Figure 2007092038
表2の実施例と比較例の結果から以下のことが明らかである。実施例9〜23と比較例4との比較から、本発明の樹脂組成物およびそれからなる成形品は、表面硬度および剛性に優れることがわかる。また、好ましい態様においては、耐加水分解性にも優れることがわかる。
(実施例24〜32、比較例5〜6)
表3に示した割合で原料を混合し、30mm径の2軸押出機により、シリンダー温度260℃、回転数150rpmの条件で溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を110℃で6時間乾燥した後、シリンダー温度260℃、金型温度80℃で射出成形を行い、127×12.7×3.2mm短冊形の試験片、80×80×3mm角板の試験片および厚み3mmのASTM1号ダンベルを作成した。結果を表3に示す。
Figure 2007092038
表3の実施例と比較例の結果から以下のことが明らかである。実施例24〜32と比較例5〜6との比較から、本発明の樹脂組成物およびそれからなる成形品は、表面硬度および剛性に優れることがわかる。また、好ましい態様においては、耐加水分解性にも優れることがわかる。

Claims (10)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、アクリル系樹脂(B)1〜200重量部、グリシジル基、酸無水物基、カルボキシル基から選択された少なくとも1種類以上の官能基を有する化合物である相溶化剤(C)0.1〜100重量部を配合してなる樹脂組成物。
  2. 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)が、ポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. アクリル系樹脂(B)が、メチルメタクリレートを51〜100重量%およびメチルメタクリレートと共重合可能な不飽和結合を含む1種類以上のコモノマーを0〜49重量%共重合してなるメタクリルコポリマーであることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. アクリル系樹脂(B)がポリメチルメタクリレートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 相溶化剤(C)がグリシジル基を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 相溶化剤(C)の190℃におけるメルトインデックスが0.5g/10分以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. さらに無機充填剤(D)を配合してなる請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 無機充填剤(D)が繊維状無機充填材または硫酸バリウムであることを特徴とする請求項7記載の樹脂組成物
  9. 表面の鉛筆硬度がHB以上であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形品。
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