JP2007090243A - 水処理用金属イオン吸着剤およびその製造方法、ならびにそれを用いた水処理方法 - Google Patents

水処理用金属イオン吸着剤およびその製造方法、ならびにそれを用いた水処理方法 Download PDF

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【課題】生利用可能な物理的、化学的安定性を有し、かつ高いイオン選択性とともに、水中での固液分離に適応した水処理用金属イオン吸着剤を提供すること。
【解決手段】ゼオライト表面に、実質的に水に不溶な有機高分子が被覆されてなる吸着剤であって、前記有機高分子の溶解度パラメータが14cal0.5cm−1.5以上であることを特徴とする水処理用金属イオン吸着剤、さらに好ましくは、粒径が0.05μm以上である前記水処理用金属イオン吸着剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、液状混合物の選択分離に有用な金属イオン吸着剤に関し、例えば、河川水から特定の金属イオン(例えばカルシウムイオン)を除去するに際し好適に用いることができる、ゼオライト表面に有機高分子層を形成し機能性を高めた金属イオン吸着剤に関する。
河川水中には金属イオンが多種含まれており、主にナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、アルミニウム、マンガンなどが例示される。これらの金属イオンは、水処理プロセスにおいてしばしばスケールやスライム発生の原因となり、またこれらの金属イオンいくつかは、過剰な摂取によって人体に対して有害であることが知られている。特に遷移金属イオン(銅、亜鉛、鉛、クロムなど)は、少量であっても食物連鎖による生物濃縮を経て人体内に摂取されれば、生理作用にいろいろな悪影響を及ぼす。
既存の河川水、地下水および廃水内の金属イオンの除去は化学的な沈殿方法、イオン交換樹脂、分離膜などを用いて行われている。しかし、化学的な沈殿方法を使用する場合は、処理後に発生する多量のスラッジが2次的な汚染源として作用することや、低濃度の重金属を十分取り除けないという問題点があり、一方、膜分離法では濃縮された固形の汚染物質を多量含有する汚染水の処理が煩雑で費用が高くかかるという問題点がある。
吸着剤は古くから様々な分野で活用されており、その種類も豊富であって、例えば、活性炭、活性炭素繊維、分子ふるい炭素等の炭素系吸着剤、シリカゲル、活性アルミナ、酸性白土、多孔質ガラス、珪酸マグネシウム等のシリカ・アルミナ系吸着剤、イオン交換樹脂、キレート樹脂、アミドキシム型樹脂、ポーラスポリマー等の高分子吸着剤、金属錯体系吸着樹脂などが知られている。このうちゼオライトは、結晶性アルミノ珪酸塩であり、SiO四面体とAlO四面体の配列によりA、X、Y型など種々の結晶構造に分類できる。ゼオライトは結晶構造に依存して均一な細孔径を有し、分子篩の機能を発現することから、吸着剤や触媒(担体)などに使われている。また、ゼオライトはイオン交換能を有することから、洗剤用ビルダーや廃水処理剤などに利用されている。
ゼオライトの性能は、その粒径に大きく依存する。例えばゼオライトの一次結晶の微粒化に従い、カチオン交換速度が向上することからこれまでに粒径の小さいゼオライトを製造する試みが行われてきた。
例えば、特許文献1では、高いカチオン交換速度を発現するとともに、水に分散させた場合に水の濁りの少ないゼオライト粉末を提供するために、均一次粒径が0.2μm以下、かつ平均凝集粒径が1μm以下のゼオライト粉末、ならびにアルコール溶媒中で分散剤とゼオライトとを混合する工程を含む、前記ゼオライト粉末の製造方法が開示されている。しかしながら、より好ましい形態とされる粒径が0.05μm以下では水中にコロイド状に懸濁し、吸着剤の固液分離操作が煩雑となり、水処理としてのコスト効率が悪くなる問題があった。
また、特許文献2では、合成ゼオライトの水中での安定化を目的として表面を半透性のゲルで覆った合成ゼオライトが開示されている。同様な目的で、特許文献3では、合成ゼオライトをpHが制御された水溶液に浸漬して、水中での自己崩壊現象を防止する旨開示されている。しかしながら、これらで用いられるゲルの化学的安定性は十分期待できないものであった。特許文献4に記述されるゼオライト担持担体も、加えて物理的安定性に問題があった。
一方、ゼオライトを含む有機高分子体として、特許文献5には、抗菌作用を有するゼオライト粒子を担持した有機高分子体およびその製造方法が開示されている。これによると、有機高分子はゼオライトの効果を損ねることなく担持するが、吸着性能に関してお互いに相乗的な効果を持つものではなかった。
特開2003−137536号公報 特開平3−164423号公報 特開平4−292412号公報 特許第3215349号公報 特開昭59−133235号公報
本発明は、再生利用可能な物理的、化学的安定性を有し、かつ高いイオン選択性とともに、水中での固液分離に適応した水処理用金属イオン吸着剤を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、液状混合物の選択分離に有用な金属イオン吸着剤に関し、たとえば河川水からカルシウムを除去するにあたって好適に用いることができる、ゼオライト上に有機高分子層を形成し機能性を高めた水処理用金属イオン吸着剤に関するもので、以下の構成をとる。
すなわち、
(1)ゼオライト表面に、実質的に水に不溶な有機高分子が被覆されてなる吸着剤であって、前記有機高分子の溶解度パラメータが14cal0.5cm−1.5以上であることを特徴とする水処理用金属イオン吸着剤。
(2)粒径が0.05μm以上であることを特徴とする、(1)に記載の水処理用金属イオン吸着剤。
(3)ゼオライトをプレポリマー溶液に含浸し、架橋剤との接触を施した後に、ゼオライト表面に、実質的に水に不溶でありかつ溶解度パラメータが14cal0.5cm−1.5以上の有機高分子を被覆することを特徴とする、水処理用金属イオン吸着剤の製造方法。
(4)ゼオライト表面に、実質的に水に不溶な有機高分子が被覆されてなる金属イオン吸着剤を用いて、被処理水を処理する水処理方法であって、前記金属イオン吸着剤に被覆された有機高分子の溶解度パラメータが14cal0.5cm−1.5以上であることを特徴とする水処理方法。
(5)前記金属イオン吸着剤を添加した被処理水を、分離膜を用いて固液分離することを特徴とする、(4)に記載の金属イオン吸着剤を用いた水処理方法。
(6)金属イオン吸着剤を添加する前の被処理水に、鉄、マンガン、鉛、クロム、銅、マグネシウム、カルシウム、亜鉛の少なくとも一種が含まれていることを特徴とする、(4)または(5)に記載の水処理方法。
本発明によれば、吸着剤の金属イオン吸着能が向上し、水中で安定かつ、より少ない量での除去が可能となるため、造水プロセスや膜分離の前処理用材料として好適に用いることが出来る。さらに繰り返し使用が可能な耐久性も併せ持つ。
本発明の水処理用金属イオン吸着剤は、ゼオライト粒子と、実質的に水に不溶な有機高分子からなり、前記有機高分子はゼオライト粒子の表面の一部または全部を被覆して存在する形態をとる。ここで、実質的に水に不溶とは、重量比10倍の熱水(95℃)と1時間接触させ、得られた水のTOC濃度の上昇が100mg/L以下であることをいう。
有機高分子の選択に当たっては、スクリーニングの結果、「合成膜の基礎(松浦剛著、喜多見書房)32p」に記載された指標である溶解度パラメータ(δsp)が14(cal/cm1/2以上の高分子を用いた場合に、金属イオンの吸着能を維持・向上することが見出されたのである。また、この値は20以下であることが好ましい。20を超えると吸水性が大きくなり、構造変化を起こしやすく水処理用材料として不適である。
本発明の水処理用金属イオン吸着剤の粒径は、0.05μm以上であることが好ましい。0.05μmより小さな粒径になると、吸着剤を水から分離する操作(固液分離)が煩雑になるためである。また、十分な金属イオン吸着能を発現するため50μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.1μm以上10μm以下である。
本発明の水処理用金属イオン吸着剤は、上記固液分離特性と優れた金属イオン吸着能を同時に実現している。ここで金属イオン吸着能とは、十分乾燥した水処理用金属イオン吸着剤1gが5分間でイオン交換するカルシウム量をいう。例えば、本発明の水処理用金属イオン吸着剤を河川水の前処理剤として用いた場合、スケール原因物質であるCaイオンを大量に捕捉するという観点から、金属イオン吸着能は好ましくは150mgCaCO/g以上、より好ましくは180mgCaCO/g以上、さらに好ましくは200mgCaCO/g以上である。
本発明の水処理用金属イオン吸着剤に用いるゼオライトの結晶形態は、公知の結晶系に分類されるものであり、A型、P型、X型、Y型などが例示される。かかる結晶形態は特に限定されるものではないが、優れたカチオン交換能の発現の観点から、A型、P型、X型が好ましく、A型がより好ましい。
本発明の水処理用金属イオン吸着剤におけるゼオライトの含有量としては、高い金属イオン交換能発現のために、好ましくは60〜99.9重量%である。より好ましくは70〜99重量%、さらに好ましくは85〜95重量%である。
実質的に水に不溶な有機高分子は、前述の通り溶解度パラメータ(δsp)が14(cal/cm1/2以上であれば特に限定するものではなく、例えば、芳香族ポリアミド、スルホン化ポリフラン、ポリベンツイミダゾロン、芳香族ポリイミド、ポリアラニン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、スルホン化ポリスルホン、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。また、混合物であってもよく、水溶性の有機物を架橋剤によって実質的に水に不溶としてもよい。
本発明の水処理用金属イオン吸着剤における有機高分子の含有量としては、本発明の所望の効果の発現の観点から、好ましくは0.5〜30重量%であり、より好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%である。
次に、本発明の水処理用金属イオン吸着剤の製造方法について説明する。
本発明において原料として使用するゼオライトは特に限定するものではなく、市販のゼオライトを用いても良く、また公知の方法に従って得られたゼオライトを用いても良い。
本発明の水処理用金属イオン吸着剤は、ゼオライト表面に有機高分子を被覆することによりなるが、その被覆の方法は、該有機高分子自体を含む溶液を含浸し溶媒を除去するか、ゼオライト表面上で該有機高分子をin situ合成する方法が簡便である。前者は実質的に水に不溶な高分子には有効であるものの、高分子溶液は一般に粘度が高くなり被覆量の調節が困難となる場合があるのに対して、後者は反応条件を適宜調節することで被覆量の制御が容易であり好ましい。
in situ合成は、有機高分子の前駆体となるモノマー、オリゴマー、プレポリマー、および/またはその混合物をゼオライト表面に塗布し、続けて架橋剤を加えて高分子量化する方法であるが、その前駆体はプレポリマーであることが好ましい。モノマーやオリゴマーを用いると、反応が不十分な場合に水に可溶な有機成分が残存することがあるためである。溶媒への溶解性と溶液の取り扱いやすさの観点から、プレポリマーの分子量は500以上50万以下であることが好ましく、さらに好ましくは1000以上10万以下である。また、プレポリマーの溶解度パラメータは14(cal/cm1/2であることが好ましい。例えば、芳香族ポリアミド、スルホン化ポリフラン、ポリベンツイミダゾロン、芳香族ポリイミド、ポリアラニン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、スルホン化ポリスルホン、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。
架橋剤はプレポリマーに反応活性点を与え、新たな化学結合を形成する化合物であれば特に限定されず、架橋剤の一部が有機高分子を形成してもよい。例えば、ラジカル発生剤や酸化剤、求電子試薬、求核試薬などである。例えば、プレポリマーに芳香族ポリアミドを用いる場合は、塩化チオニル、シュウ酸クロリド、トリメシン酸クロリド、フタル酸クロリドなどの酸クロリドや、N,N’−ジスクシンイミジルカーボネート、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシスクシンイミドなどの活性エステル、BOP試薬、1,1’−カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩などの縮合試薬等が挙げられる。プレポリマーにポリビニルアルコールを用いる場合は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキサール、グルタルアルデヒドなどのアルデヒドや、トリメシン酸クロリド、フタル酸クロリド、アジピン酸クロリドなどの酸クロリド等が挙げられる。
プレポリマーをゼオライト表面に塗布する方法は特に限定されないが、プレポリマー溶液にゼオライトを浸漬する方法や、溶液をスプレーする方法、プレポリマーを蒸着する方法などが挙げられる。取扱の簡便さから、プレポリマー溶液にゼオライトを浸漬する方法が好ましい。
プレポリマーを含浸したゼオライトに対して、プレポリマーを物理的、化学的に安定化するために架橋剤による処理を行う。具体的には架橋剤を含む溶液にプレポリマーを含浸したゼオライトを加える。これにより、プレポリマーの分子量を2倍以上1万倍以下、好ましくは3倍以上1000倍以下にすることができる。
また、本発明の水処理用金属イオン吸着剤は、活性炭素繊維、イオン交換樹脂、他の無機系吸着剤と併用してもよい。本吸着剤を樹脂や繊維、バインダーと混合し、円筒状に成形したものやハニカム状に成型したものも好適に用いられる。
そして、本発明の水処理用金属イオン吸着剤は、分離膜と併用することで効率の良い水処理が可能となる。具体的には、水処理用金属イオン吸着剤を含む被処理水を分離膜で固液分離するものである。ここで、分離膜の平均孔径よりも大きな粒径を持つ吸着剤を用いることが、吸着剤が分離膜の細孔を通過したり塞いだりすることがなく好ましい。
前記分離膜としては、分離成分に応じて種々の分離膜が使用でき、例えば、平均孔径が0.001〜0.1μm程度の限外濾過膜(UF膜)、平均孔径が0.1〜1μm程度の精密濾過膜(MF膜)、逆浸透膜(RO膜)などが例示できる。これらの分離膜は、均質膜、非対称膜、複合膜などのいずれであってもよい。また、分離膜の形状は、平膜、プリーツ膜、中空膜などのいずれであってもよく、中空膜にあっては、被処理水を中空部又は外面に流通させてもよい。好ましい分離膜には、処理効率の高い限外濾過膜(UF膜)又は精密濾過膜(MF膜)が含まれる。
本発明において、水処理用金属イオン吸着剤と分離膜を併せて用いる場合、吸着剤の粒子径は分離膜の平均孔径よりも大きければ、好ましくは分離膜の平均孔径の6倍以上であればよく、吸着剤の平均粒子径は分離膜の平均孔径に応じて、0.05μm〜5mm程度の範囲から適当に選択できる。吸着剤の粒径が小さくなるにつれて、金属イオン成分に対する吸着効率を改善でき、除去効率を向上できることから、好ましくは0.05〜50μm、さらに好ましくは0.1〜10μmである。
本発明の水処理用金属イオン吸着剤は、もっぱら被処理水中の金属イオンを除去する水処理剤として用いられる。除去対象となる金属イオンは、処理する水(すなわち、水処理用金属イオン吸着剤を添加する前の被処理水)に含まれる成分であれば特に限定されないが、水処理プロセスでスケールやスライム発生の原因物質と考えられる、鉄、マンガン、鉛、クロム、銅、マグネシウム、カルシウム、亜鉛の少なくとも一種を含むことが望ましい。遷移金属イオンにおいては、酸化数のより低い価数のイオンを含有することが好ましい。
本発明の水処理用金属イオン吸着剤は、カラムなどの充填塔や充填器に充填し、河川水などのかん水を通水し、種々の金属イオンを除去するために用いられる。また、処理する水に直接吸着材を添加して使用し、膜分離などの固液分離操作を加えてもよい。
本発明の水処理用金属イオン吸着剤を収容した吸着塔を用いて、河川水を処理するには、本発明の吸着剤と処理水との空間速度SVが10〜4000/hr程度となるように吸着剤と水量を調節するのがよい。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、用いた吸着剤、得られた吸着剤の評価については、以下の試験方法で行った。
[TOC溶出試験]
吸着剤10gを95℃に加熱した蒸留水100gに加え、1時間攪拌して得られた水溶液のTOC濃度を測定した。何も加えなかった蒸留水のTOC濃度との差により溶出量を算出した。
[カルシウムイオン吸着試験]
CaCl水溶液(CaCO換算で100ppm)100mLに試料粉末0.04gを添加し、20℃で5分間攪拌した。その後、0.2μmのディスポーザブルフィルターでろ過し、得られたろ液10mL中のCa濃度をIPC装置(高周波誘導結合プラズマ発光分析装置 日立製作所製 P−4010型)により測定した。ゼオライト(無水換算)1g当たりのカチオン交換されたCa重量(CaCO換算) を金属イオン吸着量(mgCaCO/g)とした。
[吸着剤の製造]
(吸着剤1)
4A型合成ゼオライト(平均粒径2〜5μm)(吸着剤5とした。)(和光純薬工業製、268−01522)50gを50mlのビーカーに入れ、ポリビニルアルコール(平均重合度約3100〜3900、部分けん化型、和光純薬工業製、163−16355)500mgを含む水溶液20mlを加え、2時間撹拌した。撹拌終了後真空乾燥し、ポリビニルアルコールを含むゼオライト混合物と1%グルタルアルデヒドを含む塩酸酸性(pH=2)溶液とを1分間接触させ、オーブンで150℃にて加熱乾燥した。得られた固形物を熱水(95℃)で洗浄し、調製して、これを吸着剤1とした。吸着剤1を用いてTOC溶出試験、カルシウムイオン吸着試験をした結果を、表1に示す。
(吸着剤2)
4A型合成ゼオライト(平均粒径2〜5μm、和光純薬工業製、268−01522)50gを50mlのビーカーに入れ、ポリビニルアルコール(平均重合度約900〜1100、完全けん化型、和光純薬工業製、162−16325)500mgを含むエタノール溶液20mlを加え、2時間撹拌した。撹拌終了後真空乾燥し、調製して、これを吸着剤2とした。吸着剤2を用いてTOC溶出試験、カルシウムイオン吸着試験をした結果を、表1に示す。
(吸着剤3,4)
吸着剤1を用いて、上記TOC溶出試験を行った後の吸着剤を吸着剤3、吸着剤2を用いて、上記TOC溶出試験を行った後の吸着剤を吸着剤4とした。吸着剤3,4を用いてTOC溶出試験、カルシウムイオン吸着試験をした結果を、表1に示す。
(吸着剤5,6)
上記吸着剤5(4A型合成ゼオライト(平均粒径2〜5μm)、和光純薬工業製、268−01522)を用いて、上記TOC溶出試験を行った後の吸着剤を吸着剤6とした。吸着剤5,6を用いてTOC溶出試験、カルシウムイオン吸着試験をした結果を、表1に示す。
(吸着剤7)
上記吸着剤5(4A型合成ゼオライト(平均粒径2〜5μm)、和光純薬工業製、268−01522)50gを50mlのビーカーに入れ、酢酸セルロース(和光純薬工業製、039−01695)500mgを含むジメチルホルムアミド溶液20mlを加え、2時間攪拌した。攪拌終了後真空乾燥し、吸着剤7を得た。吸着剤7を用いてTOC溶出試験、カルシウムイオン吸着試験をした結果を、表1に示す。
以上から、本発明の水処理用金属イオン吸着剤は熱水洗浄条件などでTOC成分の溶出がなく、高い金属イオン吸着能を安定して発現することが明らかとなった。
Figure 2007090243
本発明の水処理用金属イオン吸着剤は、金属イオン吸着能が向上し、より少ない量で除去が可能となるため、造水プロセスや膜分離の前処理用材料として好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. ゼオライト表面に、実質的に水に不溶な有機高分子が被覆されてなる吸着剤であって、前記有機高分子の溶解度パラメータが14cal0.5cm−1.5以上であることを特徴とする水処理用金属イオン吸着剤。
  2. 粒径が0.05μm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の水処理用金属イオン吸着剤。
  3. ゼオライトをプレポリマー溶液に含浸し、架橋剤との接触を施した後に、ゼオライト表面に、実質的に水に不溶でありかつ溶解度パラメータが14cal0.5cm−1.5以上の有機高分子を被覆することを特徴とする、水処理用金属イオン吸着剤の製造方法。
  4. ゼオライト表面に、実質的に水に不溶な有機高分子が被覆されてなる金属イオン吸着剤を用いて、被処理水を処理する水処理方法であって、前記金属イオン吸着剤に被覆された有機高分子の溶解度パラメータが14cal0.5cm−1.5以上であることを特徴とする水処理方法。
  5. 前記金属イオン吸着剤を添加した被処理水を、分離膜を用いて固液分離することを特徴とする、請求項4に記載の金属イオン吸着剤を用いた水処理方法。
  6. 金属イオン吸着剤を添加する前の被処理水に、鉄、マンガン、鉛、クロム、銅、マグネシウム、カルシウム、亜鉛の少なくとも一種が含まれていることを特徴とする、請求項4または5に記載の水処理方法。
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