JP2017018848A - ゼオライト膜を用いたエチレンアミンの脱水濃縮方法 - Google Patents

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【課題】 エチレンアミンの脱水濃縮方法に関するものであって、大量の熱量投入を必要としない経済的な脱水濃縮方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも一方の表面が親水性ゼオライト膜で被覆された多孔質支持体からなる分離膜の2つの表面のうち一方の表面に含水エチレンアミンを接触させ、さらに含水エチレンアミンを接触させた表面側が接触させていない側に比べて高圧になるように圧力差を掛けることを特徴とする含水エチレンアミンの脱水濃縮方法を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゼオライト膜を用いた含水エチレンアミンの脱水濃縮方法に関する。
エチレンアミンの工業的製法として、水を溶媒として1,2−ジクロロエタンにアンモニアを反応させる製法が一般的に知られており、エチレンジアミン(1,2−ジアミノエタン)、ジエチレントリアミン(3−アザペンタンー1,5−ジアミン)、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンポリアミン等の混合生成物が得られる。エチレンアミンは通常、反応生成物から不要物や水分を除去し、各成分に分離精製して製品化される。従来、エチレンアミンの分離除去工程には蒸留が用いられていたが、エチレンアミン(特にエチレンジアミン)と水分の沸点が近いため、蒸留での脱水には大量の熱量投入を要する。よって、エネルギー原単位の低減などの経済性の観点や地球温暖化防止の観点からも、より低エネルギー、より低コストの脱水濃縮方法が望まれていた。
蒸留以外の一般的な脱水濃縮方法としては、固体吸着剤、例えばゼオライトモレキュラーシーブやカーボンモレキュラーシーブ、高分子膜、例えば平膜状高分子膜や中空糸状高分子膜を用いる吸着分離方法が知られている。しかし、これらの従来法では、吸着剤の再生や蒸留のために多くのエネルギーを必要としたり、高分子膜では耐熱性や耐薬品性に難点があるなど適用範囲が限定されるという課題がある。
近年、無機多孔質支持体表面に形成させたゼオライト膜を用いた連続式脱水方法が報告されている。ゼオライトとしては、分子程度の大きさの細孔を有する結晶性アルミノケイ酸塩であり、A型(LTA)、Y型(FAU)、モルデナイト(MOR)、ベータ型(BEA)、ZSM−5(MFI)など種々の構造が存在する。尚、括弧内の表記は国際ゼオライト学会が規定した構造コードである。ゼオライトからなる膜は、分子のサイズや形状の違いにより選択的に分子を通過させる性質を有するため、分子ふるいとして広く利用されている。例えば、A型ゼオライトを用い、アルコール水溶液から水を選択的に透過させてアルコールを回収する方法(例えば、特許文献1参照)や、FER型ゼオライトを用いて有機酸を濃縮する方法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
また、ゼオライトは一般にアルカリ性の合成溶液を用いるため、アルカリ性溶液に接するとゼオライト中のシリコンが脱離し溶解するためアルカリ溶液に対する耐久性が低いという問題があった。
特開平7−18527号公報 特開2000−237561公報
本発明は、エチレンアミンの脱水濃縮方法に関するものであって、大量の熱量投入を必要としない経済的でアルカリ溶液に対する耐久性の良い脱水濃縮方法を提供するものである。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、少なくとも一方の表面がMOR型ゼオライト膜で被覆された多孔質支持体からなる分離膜の2つの表面のうち一方の表面に含水エチレンアミンを接触させ、さらに含水エチレンアミンを接触させた表面側が接触させていない側に比べて高圧になるように圧力差を掛けることによって、系外から大量の熱エネルギーを加えることなく、含水エチレンアミン中の水分を高選択的に耐久性良く透過分離することを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本願発明について詳細に説明する。
本願発明は、少なくとも一方の表面が親水性であるゼオライト(本願では「親水性ゼオライト」と定義する)膜で被覆された多孔質支持体からなる分離膜の2つの表面のうち一方の表面に含水エチレンアミンを接触させ、さらに含水エチレンアミンを接触させた表面側が接触させていない側に比べて高圧になるように圧力差を掛けることを特徴とする、含水エチレンアミンの脱水濃縮方法である。親水性ゼオライトとしては、MOR型、LTA型、CHA型、FAU型、又はSOD型ゼオライトなどが挙げられる。ここでアルファベット3文字で示される構造コードは、国際ゼオライト学会(International Zeolite Association)で定められている。本願発明については、これら親水性ゼオライトでも同様の効果が期待される。親水性ゼオライトとは、ゼオライト中のシリコン/アルミニウム比が概ね50以下のゼオライトを言う。
なお、これらのうち、エチレンアミンの脱水性に優れる点で、MOR型がより好ましい。
本発明の含水エチレンアミンの脱水方法には、少なくとも一方の表面が親水性ゼオライト膜で被覆された多孔質支持体からなる分離膜を用いる。当該分離膜とは、多孔質支持体の表面層(内側、外側、片側、両側を問わない)が全面的に親水性ゼオライトによって被覆されたものを言う。
多孔質支持体としては、圧力差に耐える強度や、脱水濃縮時の温度で変形などの起こさない耐熱性を有するものであれば特に限定するものではないが、例えば、無機系多孔質支持体、有機系多孔質支持体、又は無機有機ハイブリッド多孔質支持体等が挙げられる。
無機系多孔質支持体としては、特に限定するものではないが、表面層に親水性ゼオライトを膜状に結晶化できる耐熱性があり、多孔質であれば特に制限されるものではなく、例えば、シリカ、アルミナ、ムライト、ジルコニア、窒化珪素、もしくは炭化珪素などのセラミックス焼結体、鉄、もしくはステンレスなどの焼結金属、ガラス、カーボン成形体等が用いられる。
有機系多孔質支持体としては、特に限定するものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル等のビニル重合体、ポリエステル、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等の縮合重合体、または天然系高分子化合物等が挙げられる。
無機有機ハイブリッド多孔質支持体としては、特に限定するものではないが、例えば、前記無機系多孔質支持体と前記有機系多孔質支持体を混合又は積層させたものが挙げられる。
多孔質支持体表面層の細孔径は制御されていることが好ましく、0.05〜1.5μm、さらに好ましくは0.1〜1.2μmの範囲である。支持体の細孔径の評価は、バルブポイント法や水銀圧入法などで行うことができる。尚、多孔質支持体表面層とは、親水性ゼオライトを結晶化する支持体表面部分を指す。また、ゼオライトを結晶化する支持体表面層以外の部分の細孔径は特に制限されないが、その部分の気孔率は気体や液体を分離する際の強度及び透過流量を左右するため、20〜60%程度の気孔率を有するものが好ましい。
多孔質支持体表面に結晶化されたゼオライト膜が親水性ゼオライトであるかどうかは、X線回折法などにより確認することができる。
多孔質支持体の形状は、気体混合物や液体混合物を有効に分離できるものであれば制限されるものではなく、例えば、平板状、波板状、管状、円柱状、円錐状、円錐台状、円筒状、角柱状、角筒状、角錐状、角錐台状、又は円柱状、若しくは角柱状の孔が多数存在するハニカム状などが挙げられる。波板状、管状、円柱状、円錐状、円錐台状、円筒状、角柱状、角筒状、角錐状、角錐台状、又は円柱状の多孔質支持体については、中心がくり抜かれた筒状のものが好ましく、筒は貫通しているものでもよいし、試験管状の貫通していないものであってもよい。
次に、多孔質支持体上に親水性ゼオライト膜を有する分離膜の製造方法について説明する。
本発明の親水性ゼオライト膜は、種晶となる親水性ゼオライト粉末を、多孔質支持体に塗布した多孔質支持体を、親水性ゼオライトを得るための反応により得られるアルミノシリケート合成溶液中に投入し、熱処理を行うことにより製造することができる。
種晶となる親水性ゼオライト粉末は、乾式ボールミル、ジェットミルなどの乾式法や湿式ボールミル、遊星ボールミル、ビーズミルなどの湿式法の粉砕方法によって製造することができ、多孔質支持体への塗布方法に応じて適切なものを選択することができる。
種晶となる親水性ゼオライト粉末については、欠陥の少ない親水性ゼオライト膜を調製するという点において、前述の方法で粉砕したものについて更に沈降分離して得られる微結晶親水性ゼオライトを用いることが好ましい。
種晶の多孔質支持体への塗布方法であるが、種晶を多孔質支持体表面に保持できればいずれの方法でも良く、例えば、粉砕した粉末を多孔質支持体へ直接こすり付けて塗布する方法や粉砕した粉末のスラリーを多孔質支持体へディップコーティングする方法を例示することができる。
アルミノシリケート合成溶液はシリカ源、アルミナ源、アルカリ金属塩を所定の量比となるように混合し、さらに必要であれば種結晶を添加し、一定時間熟成させることで得ることができる。前記アルカリ金属塩は対イオン源として利用されるものであり、対イオンとなるものであれば、他の金属塩、例えばアルカリ土金属塩や遷移金属塩なども用いることができる。
前記シリカ源としては、コロイダルシリカやシリカ微粉末などの固体シリカ、ケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウムなどの無機ケイ酸化合物、テトラメトキシシランやテトラエトキシシランなどの有機シラン化合物等を例示することができる。また、前記アルミナ源としては、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、もしくは塩化アルミニウムなどの無機アルミニウム化合物、酢酸アルミニウムやシュウ酸アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物等を例示することができる。また、アルカリ金属塩としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、フッ化ナトリウムなどを例示することができる。また、種結晶は親水性ゼオライト構造を持つものであれば特に制限されないが、東ソー(株)製HSZ−620HOAなどを例示することができる。
シリカ源、アルミナ源、及びアルカリ金属塩の量比としては、Al/SiOモル比が0.5〜0.004、AO/SiOモル比が0.1〜1.0(但し、Aはアルカリ金属を示す)であることが必要である。また、添加する種結晶の量比は親水性ゼオライト結晶が得られる量比であれば特に制限されないが、種結晶/SiOモル比が0.01〜10であることが好ましい。このようにAl比を高めることで脱シリコンを抑制できアルカリ溶液への耐久性を高められると考えられる。
次に、アルミノシリケート合成溶液に種晶を塗布した多孔質支持体を浸漬し、熱処理することにより、親水性ゼオライト膜を製造する。熱処理方法は、親水性ゼオライト膜が得られれば特に制限されないが、水熱処理が好ましい。水熱処理温度としては、130〜200℃の範囲が好ましく、4時間以上処理することが好ましい。
次いで、含水エチレンアミンの脱水濃縮方法について説明する。
含水エチレンアミンの脱水濃縮方法は、少なくとも一方の表面が親水性ゼオライト膜で被覆された多孔質支持体からなる分離膜2つの表面のうち一方の表面に含水エチレンアミンを接触させ、さらに含水エチレンアミンを接触させた表面側が接触させていない側に比べて高圧になるように圧力差を掛けることによって行われる。
エチレンアミンとしては、特に限定するものではないが、例えば、エチレンジアミン(1,2−ジアミノエタン)、ジエチレントリアミン(3−アザペンタンー1,5−ジアミン)、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンポリアミン等が挙げられる。これらのうち、本発明の脱水処理が最も有効であるという点で、沸点が水に最も近い1,2−ジアミノエタンが好ましい。
含水エチレンアミンは、前記エチレンアミンと水を含むものを示す。含水エチレンアミンについては、前記以外にも別途、塩や添加物等の第三成分を含んでいてもよい。
また、当該含水エチレンアミンについては、液状態であっても気体状態であってもよい。
本願発明の含水エチレンアミンの脱水濃縮方法は、上述の製造方法で得られた分離膜の一方の膜面に含水エチレンアミンを接触させ、他方の膜面との圧力差を利用して水を選択的に透過させて行われるものである。
圧力差については、特に限定するものではないが、0.0001MPa〜1MPa程度が好ましく、0.0001MPa〜0.5MPa程度がより好ましく、0.0001MPa〜0.1MPa程度がさらに好ましい。
分離膜の2つの膜面を境にして圧力差を掛ける方法としては、特に限定するものではないが、含水エチレンアミンを接触させる側を加圧する方法、含水エチエレンアミンを接触させない側(脱水水分を取り出す側)を減圧する方法、及び含水エチレンアミンを接触させる側を加圧し且つ含水エチエレンアミンを接触させない側(脱水水分を取り出す側)を減圧する方法が挙げられる。
加圧方法、及び減圧方法については、従来公知の方法であればどのようなものを採用しても良い。
本発明の脱水方法は、室温で行うこともでき、また加熱によりさらに脱水分離を促進することもできる。
本願発明の脱水方法は、圧力差のみで含水エチレンアミンの脱水濃縮を耐久性良く行うことができるものであり、従来の蒸留方法に比べて極めてエネルギー効率が良いため、省エネルギー製造プロセスを提供することができる。
本発明のアミン化合物分離用ゼオライト分離膜を用いた浸透気化法によるアミン化合物の分離性能評価装置の模式図である。 実施例1から実施例4に示す方法で作成したエチレンアミン分離用ゼオライト分離膜の分離性能を示す図である。 実施例2に示す方法で作成したエチレンアミン分離用ゼオライト分離膜の耐久性を示す図である
11 分離膜
12 ブラインドナット
13 スターラー棒
14 マグネティックスターラー
15 コールドトラップ
16 コールドトラップ
17 真空ポンプ
18 EDA混合溶液
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。
実施例1
種晶として東ソー(株)製HSZ−620HOA 10.858 gを45.396 mlのエタノールに分散させ、遊星ボールミルで50分間かけて粉砕した。得られたスラリーに200 mlのエタノールを加えて超音波バスにて分散させた。分散させたスラリーをデカンテーションにより粗粒を除去し種晶スラリーとした。得られた種晶スラリーを平均細孔径0.2 μmを有する岩尾磁器製円筒型多孔質支持体(材質:αアルミナ)の外表面にディップコーティングにより種晶を塗布した。
ついで、100 mLのポリプロピレンビーカーに、水酸化ナトリウム(関東化学製特級)3.93 g、蒸留水 60.0 g、アルミン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製) 0.132 gを加え、50 ℃で0.25hマグネティックスターラーで撹拌混合した。そこへ30 wt%のコロイダルシリカ溶液(日産化学製商品名[スノーテックスS]) 34.5 gを加え、さらに4h撹拌した。組成比は、モル比でSiO:Al:NaO:HO=36:0.15:10:960である。得られた混合溶液と種晶を塗布した多孔質支持体をPTFE製内容器を供えたステンレス製耐圧容器内(容量50mL)に投入し、オートクレーブにて水蒸気処理を行い結晶化させた。水蒸気処理の条件は180℃で6時間とした。次いで、該支持体を取り出し、10minの煮沸処理を3回繰り返してエチレンアミン分離用ゼオライト分離膜を得た。得られたゼオライト分離膜をX線回折装置(理学電機製、商品名「RINT UltimaIII」)によって構成相の同定を行い、MOR型ゼオライトであることを確認した。
水に対してエチレンジアミン(EDA) 17.5 モル%の混合液を用いて、前記エチレンアミン分離用ゼオライト分離膜を図1に示す分離性能評価装置に設置し、浸透気化法にて分離性能を評価した。混合液の温度を25℃とし、試験開始1h後から2hかけてサンプリングをしたところ、水のフラックス量が0.019 kg/m/hであったが、EDAは得られず、水のみ透過することがわかった。分離係数は形式上無限大であった。
次いで、前記分離膜を蒸留水で洗浄、乾燥を実施した。このエチレンアミン分離用ゼオライト分離膜を図1に示す分離性能評価装置に設置し、水に対してEDA 24.7 モル%の混合液を用いて、浸透気化法にて分離性能を評価した。混合液の温度を50℃とし、試験開始1h後から2hかけてサンプリングをしたところ、水のフラックス量が0.027 kg/m/hであったが、EDAは得られず、水のみ透過することがわかった。分離係数は形式上無限大であった。
実施例2
多孔質支持体として、0.15 μmの細孔径を有するノリタケカンパニーリミテド製の円筒型支持体(材質:αアルミナ)を用いた以外は実施例1と同様の方法でエチレンアミン分離用ゼオライト分離膜を作製した。
水に対してEDA 37.2 モル%の混合液を用いて、前記エチレンアミン分離用ゼオライト分離膜を図1に示す分離性能評価装置に設置し、浸透気化法にて分離性能を評価した。混合液の温度を90℃とし、試験開始1h後から2hかけてサンプリングをしたところ、水のフラックス量が0.007 kg/m/h、エチレンジアミンのフラックス量は0.00013 kg/m/hであった。分離係数は141であった。
実施例3
実施例2と同様の方法でエチレンアミン分離用ゼオライト分離膜を作製した。
水に対してEDA 60.5 モル%の混合液を用いて、得られたアミン化合物分離用ゼオライト分離膜を図1に示す分離性能評価装置に設置し、浸透気化法にて分離性能を評価した。混合液の温度を25 ℃とし、試験開始1h後から2hかけてサンプリングをしたところ、水のフラックス量が0.0009 kg/m/h、EDAのフラックス量は0.000047 kg/m/hであった。分離係数は423であった。
実施例4
実施例2と同様の方法でエチレンアミン分離用ゼオライト分離膜を作製した。 水に対してEDA 47.5 モル%の混合液を用いて、前記エチレンアミン分離用ゼオライト分離膜を図1に示す分離性能評価装置に設置し、浸透気化法にて分離性能を評価した。混合液の温度を90 ℃と、試験開始1h後から2hかけてサンプリングをしたところ、水のフラックス量が0.023 kg/m/h、EDAのフラックス量は0.00035 kg/m/hであった。分離係数は192であった。
以上、図2に示すように実施例1〜4のエチレンアミン分離用ゼオライト膜は、EDAの濃度やその温度に依存することなく高い分離性能を備えていることがわかる。
実施例5
実施例2と同様の方法でエチレンアミン分離用ゼオライト分離膜を作製した。
水に対してEDA 50.5 モル%の混合液を用いて、前記エチレンアミン分離用ゼオライト分離膜を図1に示す分離性能評価装置に設置し、浸透気化法にて分離性能を評価した。混合液の温度を90℃とし、試験開始1h後から2.5hかけてサンプリングする試験を3回繰り返した。図3に示すように1回目の試験では、水のフラックス量が0.027 kg/m/h、2回目の試験では水のフラックス量が0.016 kg/m/h、3回目の試験では水のフラックス量が0.0071 kg/m/hであったが、いずれもEDAは透過しなかった。分離係数はいずれも形式上無限大であった。さらに当該エチレンアミン分離用ゼオライト分離膜をイソプロピルアルコール 50 重量%の水溶液を用いて図1に示す分離性能評価装置に設置し、3hの浸透気化法の試験を行った後、水に対してEDA 50.5モル%の混合液を用いて、混合液の温度を90℃として浸透気化法にて分離性能を評価した。試験開始1h後から2.5hかけてサンプリングする試験を行ったところ、水のフラックス量が0.058 kg/m/hとなり、連続試験において水のフラックス量がむしろ増加する結果が得られ、耐久性に問題ないことが確認された。また、EDAは得られなかったことから分離係数は形式上無限大であった。

Claims (6)

  1. 少なくとも一方の表面が親水性ゼオライト膜で被覆された多孔質支持体からなる分離膜の2つの表面のうち一方の表面に含水エチレンアミンを接触させ、さらに含水エチレンアミンを接触させた表面側が接触させていない側に比べて高圧になるように圧力差を掛けることを特徴とする含水エチレンアミンの脱水濃縮方法。
  2. 多孔質支持体が無機系多孔質支持体であることを特徴とする、請求項1に記載の含水エチレンアミンの脱水濃縮方法。
  3. 親水性ゼオライト膜が、親水性ゼオライトを粉砕し更に沈降分離して得られる微結晶親水性型ゼオライトを種結晶として多孔質支持体上に担持し、該多孔質支持体を親水性型ゼオライトを得るための反応により得られるアルミノシリケート合成溶液に浸したのち熱処理により形成されたものである、請求項1又は2に記載の含水エチレンアミンの脱水濃縮方法。
  4. エチレンアミンが1,2−ジアミノエタンである、請求項1乃至3の何れか一項に記載の脱水濃縮方法。
  5. 親水性ゼオライトが、MOR型、LTA型、CHA型、FAU型、又はSOD型ゼオライトであることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか一項に記載の脱水濃縮方法。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の脱水濃縮方法を用いることを特徴とするエチレンアミンの製造方法。
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