JP2007089487A - 組織培養によるリモニウム・シヌアータの大量増殖法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リモニウム・シヌアータの組織培養を用いた増殖において、「叢生症」といわれる奇形株が発生し問題となっている。また、培養期間の長期化および煩雑な移植作業・回数の増加により、生産コストが増大している。このリモニウム・シヌアータの組織培養を用いた増殖において奇形の発生が無く、増殖率が高く、簡便かつ低コストに増殖する手法を提供する。
【解決手段】リモニウム・シヌアータの花穂を培養し、新たな花穂を形成させ、形成された花穂頭部より多芽体を誘導し、誘導された多芽体を分割・移植して伸長させ、ついで伸長したシュートを発根させることにより、リモニウム・シヌアータの植物体を大量かつ低コストに再生することができる。
【選択図】 なし
【解決手段】リモニウム・シヌアータの花穂を培養し、新たな花穂を形成させ、形成された花穂頭部より多芽体を誘導し、誘導された多芽体を分割・移植して伸長させ、ついで伸長したシュートを発根させることにより、リモニウム・シヌアータの植物体を大量かつ低コストに再生することができる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、リモニウム・シヌアータ(Limonium sinuatum)の組織培養を利用した大量増殖法に関するものである。
従来、リモニウム・シヌアータの増殖は、播種、株分けなどによって行われてきた。ここで、種子による増殖法であれば、遺伝形質の純化が十分になされていないため、開花期などを始めとする各種の形質が均一にならない場合が多い。また、単なる株分けなどの栄養繁殖法であれば、増殖率が低く、しかも増殖率のバラツキが大きいことから、安定した技術として確立されていない。挿し芽技術も開発されているが、親株育成の手間、ウイルス感染の危険性、発根率が安定しないなどの理由で普及していない(特許文献1を参照)。
更に、組織培養による大量増殖法も実用化されているが、該法のみでは生産コストがかかり過ぎこと、「叢生症」といわれる奇形株が発生すること(非特許文献1を参照)が普及上のネックになっている。
特許登録第3325143号
「花専科 育種と栽培 スターチス」、藤田政良編著、誠文堂新光社)
新見芳二編 図解花のバイオ技術1992. p172-173 誠文堂新光社
板木利隆 施設園芸 装置と栽培技術1988. p408誠文堂新光社
移植前培地のBA濃度がスターチス・シヌアータのex-vitro rootingに及ぼす影響. 平田ら. 園学雑.67別2. 581
リモニウム・シヌアータの組織培養による増殖は、増殖率が低く、また増殖率を高めるために、培地中に添加する植物ホルモンであるサイトカイニン濃度をあげることにより、「叢生症」といわれる奇形株が発生し問題となっている。さらに、奇形株の発生を恐れるがために、使用する植物ホルモン濃度を低くするため、増殖率が低くなり、培養期間の長期化および煩雑な移植作業・回数の増加により、生産コストが増大している。
本発明者らは、従来のリモニウム・シヌアータの組織培養による増殖には前記した問題点のあることを認知した上で、従来法とは異なる培養法を行い、リモニウム・シヌアータの奇形のない苗を効率よく低コストに増殖できる方法について検討した。
本発明は、リモニウム・シヌアータの花穂を培養し、新たな花穂を形成させ、形成された花穂頭部より多芽体を誘導し、誘導された多芽体を分割・移植して伸長させ、次いで伸長したシュートを発根させることにより植物体を再生することを特徴とするリモニウム・シヌアータの組織培養による大量増殖法である。
本発明では、リモニウム・シヌアータの花穂から花穂を形成させることによって、維持・増殖を行い、花穂頭部から多芽体を誘導し、誘導された多芽体を分割・移植して伸長させ、次いで伸長したシュートを発根させることにより、植物体を再生することができる。本発明により、短期間に大量に奇形のないリモニウム・シヌアータの苗を低コストに生産することが可能となった。
本発明で対象とする植物はリモニウム・シヌアータである。本発明は以下の段階に分けられる。
(1)花穂による増殖。リモニウム・シヌアータの花穂頭部又は腋芽が培養され、花穂が形成される。必要に応じて花穂を培養し再び花穂を形成させることにより繰り返し増殖が可能である。
(2)増殖された花穂頭部を培養し、多芽体を形成させる。
(3)形成された多芽体を分割移植し、培養し伸長させ培養シュートを得る。
(4)得られた培養シュートを支持材に挿し芽し、発根せしめ植物体とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)花穂による増殖。リモニウム・シヌアータの花穂頭部又は腋芽が培養され、花穂が形成される。必要に応じて花穂を培養し再び花穂を形成させることにより繰り返し増殖が可能である。
(2)増殖された花穂頭部を培養し、多芽体を形成させる。
(3)形成された多芽体を分割移植し、培養し伸長させ培養シュートを得る。
(4)得られた培養シュートを支持材に挿し芽し、発根せしめ植物体とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
(発明に用いられる培地)
本発明で使用される培地は、無機成分および炭素源を必須成分とし、これに植物ホルモン類、ビタミン類を添加し、更に必要に応じてアミノ酸類を添加した培地を用いるのが好ましい。前記培地に用いられる無機成分としては、窒素、リン、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、イオウ、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、モリブデン、塩素、ヨウ素、コバルトなどの元素を含む無機塩をあげることができ、具体的には、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、リン酸1水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウム、三酸化モリブデン、ヨウ化カリウム、硫酸亜鉛、ホウ酸、塩化コバルトなどの化合物を例示できる。炭素源としては、炭水化物、例えばショ糖、トレハロース、グルコース、マルトース、デンプンが用いられる。また、ココナッツウォータ、酵母エキスを用いることもできる。植物成長調節物質としては、例えばオーキシン、サイトカイニン、ジベレリンが用いられる。オーキシンとしては、例えば3−インドール酢酸(IAA)、3−インドール酪酸(IBA)、α−ナフタレン酢酸(NAA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、4−クロロ−2−メチルフェノキシ酢酸、p−クロロフェノキシ酢酸、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸等が挙げられ、サイトカイニンとしては、例えばベンジルアミノプリン(BAP)、カイネチン、ゼアチン、6−(γ,γ−ジメチルアラミノ)プリン(2iP)、N−(2−クロロ−4−ピリド)−N’−フェニルウレア(CPPU)、1−フェニル−3−(1,2,3−ティアディアゾール−5−YL)ウレア(チディアズロン)、ジベレリンとしてはGA3等が挙げられる。ビタミンとしては、例えばチアミン、ピリドキシン、ニコチン酸等が挙げられる。アミノ酸としては、例えばアデニン、グリシン、グルタミン酸、リジン等が挙げられる。
本発明で使用される培地は、無機成分および炭素源を必須成分とし、これに植物ホルモン類、ビタミン類を添加し、更に必要に応じてアミノ酸類を添加した培地を用いるのが好ましい。前記培地に用いられる無機成分としては、窒素、リン、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、イオウ、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、モリブデン、塩素、ヨウ素、コバルトなどの元素を含む無機塩をあげることができ、具体的には、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、リン酸1水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウム、三酸化モリブデン、ヨウ化カリウム、硫酸亜鉛、ホウ酸、塩化コバルトなどの化合物を例示できる。炭素源としては、炭水化物、例えばショ糖、トレハロース、グルコース、マルトース、デンプンが用いられる。また、ココナッツウォータ、酵母エキスを用いることもできる。植物成長調節物質としては、例えばオーキシン、サイトカイニン、ジベレリンが用いられる。オーキシンとしては、例えば3−インドール酢酸(IAA)、3−インドール酪酸(IBA)、α−ナフタレン酢酸(NAA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、4−クロロ−2−メチルフェノキシ酢酸、p−クロロフェノキシ酢酸、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸等が挙げられ、サイトカイニンとしては、例えばベンジルアミノプリン(BAP)、カイネチン、ゼアチン、6−(γ,γ−ジメチルアラミノ)プリン(2iP)、N−(2−クロロ−4−ピリド)−N’−フェニルウレア(CPPU)、1−フェニル−3−(1,2,3−ティアディアゾール−5−YL)ウレア(チディアズロン)、ジベレリンとしてはGA3等が挙げられる。ビタミンとしては、例えばチアミン、ピリドキシン、ニコチン酸等が挙げられる。アミノ酸としては、例えばアデニン、グリシン、グルタミン酸、リジン等が挙げられる。
前記培地として具体的には、従来から知られている植物の組織培養に用いられている培地、例えば、ムラシゲ・スクーグ(1962)[Murashige & Skoog]の培地(以下、MS培地)、ホワイト(1963)[White]の培地、ガンボルグ[Gamborg]のB-5培地、ニッチ・ニッチの培地[Nitch & Nitch]等に必要に応じて糖類などの炭素源、植物ホルモン、ビタミン類、アミノ酸類を添加して調整された培地を例示でき(非特許文献2を参照)、あるいは水耕栽培に用いる園試処方等の水耕液を例示できる(非特許文献3を参照)が特に限定はされない。また、培地固化剤としては、ゲルライト、寒天等が挙げられ、培地支持体としては、フロリアライト、バーミキュライト、パーライト、赤球土等が挙げられる。本発明では、花穂を培養し花穂を形成させる培地、花穂から多芽体を形成させる培地、及び多芽体を伸長させ培養シュートを形成させる培地は、MS培地及びその改変培地が好ましい。本発明で改変培地とは、培地中の各種成分量を、WP培地中の成分量未満から約20%の量に減少させた培地を指し、例えば各種成分量を1/3、1/2、2/3等に減少させた培地が挙げられる。
(至適条件)
花穂を培養し、花穂の形成を促進するためには、BAPおよびアンシミドールを含有するMS個体培地あるいはその改変培地で培養するのが好ましい。特に、BAPを0.02〜2.2mg/l、好ましくは0.06〜0.67mg/l、アンシミドールを0.01〜10.0mg/l、好ましくは0.1〜1.0mg/l、ショ糖を20〜80g/l、好ましくは40〜60g/l含有するMS個体培地あるいはその改変培地を用いることが好ましい。花穂の培養は15〜25℃で、500〜3,000luxで2〜4週間ごとに移植することが望ましい。この培地で移植を続けることで、増殖をすることが可能である。また、貯蔵は、培養器ごと2〜10℃で6ヶ月以上移植なしに保存することが可能である。
花穂を培養し、花穂の形成を促進するためには、BAPおよびアンシミドールを含有するMS個体培地あるいはその改変培地で培養するのが好ましい。特に、BAPを0.02〜2.2mg/l、好ましくは0.06〜0.67mg/l、アンシミドールを0.01〜10.0mg/l、好ましくは0.1〜1.0mg/l、ショ糖を20〜80g/l、好ましくは40〜60g/l含有するMS個体培地あるいはその改変培地を用いることが好ましい。花穂の培養は15〜25℃で、500〜3,000luxで2〜4週間ごとに移植することが望ましい。この培地で移植を続けることで、増殖をすることが可能である。また、貯蔵は、培養器ごと2〜10℃で6ヶ月以上移植なしに保存することが可能である。
次いで、形成された花穂頭部を分割・移植し、多芽体形成を促進するためにはBAPおよびアンシミドールを含有するMS個体培地あるいはその改変培地で培養するのが好ましい。特に、BAPを0.02〜6.7mg/l、好ましくは0.7〜2.2mg/l、アンシミドールを0.01〜10.0mg/l、好ましくは0.1〜1.0mg/l、ショ糖を5〜40g/l、好ましくは10〜20g/l含有するMS個体培地あるいはその改変培地を用いることが好ましい。花穂の培養は20〜30℃で、500〜2,000luxで2〜4週間ごとに移植することが望ましい。
このようにして形成された多芽体を分割・移植し、培養シュートを形成させることができる。培地はBAPを0〜0.2mg/l、ショ糖を5〜20g/l含有するMS個体培地あるいはその改変培地で培養するのが好ましい。長さ3cm以上に伸長した培養シュートは、容易に発根せしめ植物体とすることができる(非特許文献4を参照)。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
リモニウム・シヌアータ品種‘ティンズブルー’の培養器内で維持している花穂を用いた。花穂を形成させる培地として、窒素分を1/2としたMS改変培地に固化剤としてゲルライト3.0g/l、ショ糖40g/l、コーンスターチ5g/l、NAAを0.002mg/l及びBAPを0〜2.2mg/l、アンシミドールを0〜10 mg/l添加し、塩化カリウムでpHを5.7に調整後、オートクレーブ(121℃、1.2atm、20分の条件)で殺菌して用いた。培養は22±2℃、16時間日長(2,000lux)で行った。各区5切片を植え込み、2週間後の平均花穂形成数の結果を表1に示した。
リモニウム・シヌアータ品種‘ティンズブルー’の培養器内で維持している花穂を用いた。花穂を形成させる培地として、窒素分を1/2としたMS改変培地に固化剤としてゲルライト3.0g/l、ショ糖40g/l、コーンスターチ5g/l、NAAを0.002mg/l及びBAPを0〜2.2mg/l、アンシミドールを0〜10 mg/l添加し、塩化カリウムでpHを5.7に調整後、オートクレーブ(121℃、1.2atm、20分の条件)で殺菌して用いた。培養は22±2℃、16時間日長(2,000lux)で行った。各区5切片を植え込み、2週間後の平均花穂形成数の結果を表1に示した。
BAPの濃度が0.06乃至0.67mg/lにおいて、花穂より再び花穂を形成させることができたが、それ以下の濃度では、花穂は開花に至り、それ以上の濃度では萌芽し、葉を展開し、花穂の維持・増殖は困難だった。また、BAPの濃度が適当なとき、アンシミドールの添加により花穂の再形成は促進され、0.1mg/lの濃度で添加したときが最も効果的だった。
(実施例2)
リモニウム・スターチス品種‘ティンズブルー’の培養器内で維持している花穂を用いた。多芽体を形成させる培地として、窒素分を1/2としたMS改変培地に固化剤としてゲルライト3.0g/l、ショ糖20g/l、コーンスターチ5g/l、NAAを0.002mg/l及びBAPを0〜2.2mg/l、アンシミドールを0〜1 mg/l添加し、塩化カリウムでpHを5.7に調整後、オートクレーブ(121℃、1.2atm、20分の条件)で殺菌して用いた。培養は22±2℃、16時間日長(2,000lux)で行った。各区10切片を植え込み、4週間後に多芽体を形成した切片の数(多芽体形成数)および形成したものについて1つの多芽体から得られた平均シュート数の結果を表2に示した。
リモニウム・スターチス品種‘ティンズブルー’の培養器内で維持している花穂を用いた。多芽体を形成させる培地として、窒素分を1/2としたMS改変培地に固化剤としてゲルライト3.0g/l、ショ糖20g/l、コーンスターチ5g/l、NAAを0.002mg/l及びBAPを0〜2.2mg/l、アンシミドールを0〜1 mg/l添加し、塩化カリウムでpHを5.7に調整後、オートクレーブ(121℃、1.2atm、20分の条件)で殺菌して用いた。培養は22±2℃、16時間日長(2,000lux)で行った。各区10切片を植え込み、4週間後に多芽体を形成した切片の数(多芽体形成数)および形成したものについて1つの多芽体から得られた平均シュート数の結果を表2に示した。
(比較例1)
リモニウム・スターチス品種‘ティンズブルー’のハウスで栽培している株から形成された花穂を用いた。花穂頭部を70%エタノール中で30秒、2%次亜塩素酸ナトリウム中で7分間表面殺菌を行い、滅菌水で数回洗浄後、滅菌濾紙上で風乾した。風乾後、培地に植え付けた。培地組成ならびに培養条件は実施例1と同様とした。各区10切片を植え込み、4週間後に多芽体を形成した切片の数(多芽体形成数)および形成したものについて1つの多芽体から得られた平均シュート数の結果を表2に示した。
リモニウム・スターチス品種‘ティンズブルー’のハウスで栽培している株から形成された花穂を用いた。花穂頭部を70%エタノール中で30秒、2%次亜塩素酸ナトリウム中で7分間表面殺菌を行い、滅菌水で数回洗浄後、滅菌濾紙上で風乾した。風乾後、培地に植え付けた。培地組成ならびに培養条件は実施例1と同様とした。各区10切片を植え込み、4週間後に多芽体を形成した切片の数(多芽体形成数)および形成したものについて1つの多芽体から得られた平均シュート数の結果を表2に示した。
また、表2および表3の結果から明らかなように、花穂からの多芽体形成には、培養で増殖・形成された花穂が適当で、栽培により形成された花穂を材料とした場合、多芽体は形成されなかった。
(実施例3)
実施例2により得られたリモニウム・シヌアータ品種‘ティンズブルー’の多芽体を用いた。多芽体を伸長させる培地として、窒素分を1/2としたMS改変培地に固化剤としてゲルライト3.0g/l、ショ糖10g/l、コーンスターチ5g/l添加し、塩化カリウムでpHを5.7に調整後、オートクレーブ(121℃、1.2atm、20分の条件)で殺菌して用いた。培養は22±2℃、16時間日長(3,000lux)で行った。4週間後に伸長した培養シュートを1本ずつ切り分け、1000ppmのIBAを含浸させたロックウールに挿し芽を行い、発根を誘導し植物体を得た。無作為に100本の苗を選び、苗の形状を調査した。葉序の配向の乱れているものを奇形株とした。結果を表4に示した。
実施例2により得られたリモニウム・シヌアータ品種‘ティンズブルー’の多芽体を用いた。多芽体を伸長させる培地として、窒素分を1/2としたMS改変培地に固化剤としてゲルライト3.0g/l、ショ糖10g/l、コーンスターチ5g/l添加し、塩化カリウムでpHを5.7に調整後、オートクレーブ(121℃、1.2atm、20分の条件)で殺菌して用いた。培養は22±2℃、16時間日長(3,000lux)で行った。4週間後に伸長した培養シュートを1本ずつ切り分け、1000ppmのIBAを含浸させたロックウールに挿し芽を行い、発根を誘導し植物体を得た。無作為に100本の苗を選び、苗の形状を調査した。葉序の配向の乱れているものを奇形株とした。結果を表4に示した。
(比較例2)
培養で維持しているリモニウム・シヌアータ品種‘ティンズブルー’の培養シュートを用いた。シュートを増殖させる培地として、窒素分を1/2としたMS改変培地に固化剤としてゲルライト3.0g/l、ショ糖20g/l、コーンスターチ5g/l、NAAを0.002mg/l及びBAPを2.2mg/l添加し、塩化カリウムでpHを5.7に調整後、オートクレーブ(121℃、1.2atm、20分の条件)で殺菌して用いた。培養は22±2℃、16時間日長(2,000lux)で行った。培養は4週間ごとに移植を5回繰り返した。得られた増殖シュートは実施例3と同様にシュートを伸長させた後、苗として形状を調査した。結果を表4に示した。
培養で維持しているリモニウム・シヌアータ品種‘ティンズブルー’の培養シュートを用いた。シュートを増殖させる培地として、窒素分を1/2としたMS改変培地に固化剤としてゲルライト3.0g/l、ショ糖20g/l、コーンスターチ5g/l、NAAを0.002mg/l及びBAPを2.2mg/l添加し、塩化カリウムでpHを5.7に調整後、オートクレーブ(121℃、1.2atm、20分の条件)で殺菌して用いた。培養は22±2℃、16時間日長(2,000lux)で行った。培養は4週間ごとに移植を5回繰り返した。得られた増殖シュートは実施例3と同様にシュートを伸長させた後、苗として形状を調査した。結果を表4に示した。
表4に示したように、本発明による実施例3の手法で得られた苗からは奇形株が発生しなかったのに対し、従来法である比較例2の手法で得られた苗は100株中32株が異常な形態を示した。
Claims (3)
- リモニウム・シヌアータの花穂を培養し、新たな花穂を形成させ、得られた花穂頭部より多芽体を誘導し、得られた多芽体を分割・移植して伸長させ、次いで伸長したシュートを発根させることにより植物体を再生することを特徴とするリモニウム・シヌアータの組織培養による大量増殖法。
- リモニウム・シヌアータの花穂を、ベンジルアミノプリン(BAP)、アンシミドールを含有する培地で培養し、再び花穂を形成させることを特徴とする請求項1記載の大量増殖法。
- 培養により形成されたリモニウム・シヌアータの花穂頭部を、ベンジルアミノプリン(BAP)、アンシミドールを含有する培地で培養し、多芽体を形成させることを特徴とする請求項1、または請求項2記載の大量増殖法。
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DE112008000836T5 (de) | 2007-03-29 | 2010-02-04 | Sumitomo Heavy Industries, Ltd. | Formklemm- bzw. Formschließvorrichtung |
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