JP2007085603A - 建物空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 建物空間の冷暖房を省エネルギーで好適に実現できる建物空調システムを提供すること。
【解決手段】 屋根13、壁12及び基礎11が気密及び断熱構造に構成された家屋10に設けられて、建物空間を冷暖房する建物空調システム30であって、空気が流動する通気層32を備える屋根の南側屋根面13Aと、基礎に設置された床14により形成される床下空間15と南側屋根面の通気層32とを連通し、第1ファン37を備えた第1ダクト35と、1階空間17と床下空間とを連通し、第2ファン38を備えた第2ダクト36とを有し、南側屋根面の通気層32にて生成された暖気を、第1ダクト35を経て床下空間15へ導入可能とし、床下空間15にて生成された冷気を、第2ダクト36を経て1階空間17へ導入可能に構成されたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高気密高断熱構造の建物を換気し、季節に応じて冷暖房する建物空調システムに関する。
高気密高断熱構造の建物を換気し、冷暖房するものとして、特許文献1に記載の空調方法が提案されている。この空調方法は、外気を、地中に埋設された地下ダクトに導き、次に屋根裏空間に設置された熱交換器を経て床下空間へ導き、一方、室内の空気を上記熱交換器を経て大気中へ排出して換気するものであり、夏季に主に地熱を利用して室内を冷房する。また、屋根に設置された集熱パネルにより、太陽熱を利用して屋根裏空間の空気を暖め、主にこの暖気を、床下空間を経て室内へ導くことで冬季に室内を暖房する。
特開平7‐248130号公報
上述の背景技術では、床下空間に空気(冷気または暖気)を流動させることで当該床下空間の換気がなされ、地熱や太陽熱を利用することによって、室内の冷暖房の省エネルギー化が図られている。
ところが、これらの換気及び冷暖房の実施には、地下ダクト、集熱パネル及び熱交換器など大規模な設備が必要となり、多大なコストを要する。
また、地下ダクトが土に接する面積が小さいので、地下ダクトにより空気をある程度まで熱交換して冷却すると、それ以降は地下ダクト周囲の土の温度が上昇して、地下ダクト内の空気を良好に冷却できない場合がある。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、建物空間の冷暖房を省エネルギーで好適に実現できる建物空調システムを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、屋根、壁及び基礎が気密及び断熱構造に構成された建物に設けられて、建物空間を冷暖房する建物空調システムであって、上記建物の上部に設置され、空気が流動する通気層を備える集熱体と、上記基礎に設置された床により形成される床下空間と上記集熱体の上記通気層とを連通し、第1ファンを備えた第1ダクトと、上記床の上方の床上空間と上記床下空間とを連通し、第2ファンを備えた第2ダクトとを有し、上記集熱体の上記通気層にて生成された暖気を、上記第1ダクトを経て上記床下空間へ導入可能とし、上記床下空間にて生成された冷気を、上記第2ダクトを経て上記床上空間へ導入可能に構成されたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記集熱体は屋根であり、この屋根の南側屋根面の全面に通気層が形成されたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記集熱体は建物の屋上または壁に設置される集熱板であり、この集熱板の全面に通気層が形成されたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、上記集熱体は、冬至に子午線を通過する太陽の太陽光に対し略直交する角度を基準として設置されたことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、上記集熱体の通気層内に開口する第1ダクトのダクト流入口は、当該集熱体の上縁から所定距離だけ中央よりの位置に設定されたことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、上記集熱体の通気層を形成する通気層形成部材が、第1ダクトのダクト流入口へ向かう方向に配置されたことを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、上記集熱体の通気層を形成する通気層形成部材は、当該通気層内を空気が蛇行して流れるように配置されたことを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、上記第1ダクトには、第1ファンの下流側で床上空間内に開口するダクト中間排出口が、閉塞可能に設けられたことを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明において、上記建物の壁には、換気扇及び外気導入口がそれぞれ所定位置に設けられると共に、床に通気口が形成され、上記外気導入口から床上空間内に導入された外気が上記通気口を経て床下空間へ導かれ、他の通気口を経て上記換気扇により大気中へ排出されるよう構成されたことを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、上記換気扇が設けられた部屋の仕切り壁に通気排出口が形成され、この通気排出口が閉塞されることで、外気導入口から床上空間内に導入された外気を、床の通気口を経て床下空間へ導くよう構成されたことを特徴とするものである。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載の発明において、上記第1ダクト及び第2ダクトが断熱材により被覆されたことを特徴とするものである。
請求項1または3に記載の発明によれば、冬季には、集熱体の通気層を空気が流動する間に太陽熱で暖められて生成された暖気が、第1ダクトを経て床下空間へ導入されて建物空間を暖房し、また夏季には、床下空間を流れる空気が地熱により冷却されて生成された冷気が、第2ダクトを経て床上空間へ導入されて建物空間を冷房する。このように、太陽熱及び地熱を利用することで、建物空間の冷暖房を省エネルギーで実現することができる。
また、床下空間は、建物全体の床と基礎により構成される空間であるため、基礎を介して接する大地の面積が広く、このため、この大地は、床下空間を流れる空気と熱交換してもその温度がほとんど変化しない。したがって、床下空間を流れる空気を常時良好に熱交換して冷却することができ、建物空間の冷房を好適に実現できる。
請求項2に記載の発明によれば、建物空間を冷暖房する建物空調システムが、通気層を備えた屋根、第1ダクト、第2ダクト、第1ファン及び第2ファン等を有して構成されたことから、建物空調システムの低コスト化を達成できる。
請求項4に記載の発明によれば、集熱体が、冬至に子午線を通過する太陽の太陽光に対し略直交する角度を基準として設置されたことから、集熱体(屋根、集熱板)の通気層を流動する空気を太陽熱により効率的に暖めて、暖気を生成することができる。
請求項5に記載の発明によれば、集熱体の通気層内に開口する第1ダクトのダクト流入口は、当該集熱体の上縁から所定距離だけ中央よりの位置に設定されたので、集熱体の通気層内で充分に暖められた空気を暖気として、上記ダクト流入口を経て第1ダクト内へ導入することができる。
請求項6に記載の発明によれば、集熱体の通気層を形成する通気層形成部材が、第1ダクトのダクト流入口へ向かう方向に配置されたことから、通気層内を流れる空気が通気層形成部材に沿って流動することで、この空気を滞ることなくスムーズに上記ダクト流入口へ導くことができる。
請求項7に記載の発明によれば、集熱体の通気層を形成する通気層形成部材は、当該通気層内を空気が蛇行して流れるように配置されたことから、当該通気層内を流れる空気を蛇行させることで、太陽熱により充分に暖めることができる。
請求項8に記載の発明によれば、第1ダクトには、第1ファンの下流側で床上空間内に開口するダクト中間排出口が設けられたことから、集熱体の通気層内を流れて、夏季の夜間に放射冷却された空気(冷気)を、上記ダクト中間排出口から床上空間へ導くことができるので、この床上空間を良好に冷房することができる。
請求項9または10に記載の発明によれば、外気導入口から床上空間内に導入された外気が床の通気口を経て床下空間へ導かれ、他の通気口を経て換気扇により大気中へ排出されるので、第1ダクトを経て床下空間へ暖気が流入する場合や、床下空間内の冷気を第2ダクトを経て床上空間へ導く場合と同様に、床下空間を除湿して乾燥させることができる。このため、床下空間に接した建材の腐食や劣化を防止でき、床下空間内でのカビやシロアリなどの発生を防止できるので、建物の耐久性を向上させることができる。
請求項11に記載の発明によれば、第1ダクト及び第2ダクトが断熱材により被覆されたので、これらのダクト内を流れる空気からの放熱を防止でき、建物空間の暖房、冷房を効率的に実施できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る建物空調システムの第1の実施の形態が適用された家屋を示す断面図である。図2は、図1の屋根を示す断面図である。図3は、図1の屋根において屋根仕上げ体を除いて示し、冬季昼間及び夏季夜間における空気の流れを示す平面図である。
図1に示す建物としての家屋10は、特に冬季の快適性を確保するために高気密高断熱構造に構成されている。つまり、家屋10の基礎11(本実施形態ではベタ基礎)には換気口が設けられておらず、その外部の側面には、押出法ポリスチレンフォーム等の断熱材が貼着され、また、外壁12及び屋根13には、外側に気密シート及び断熱材が配設されている(後に詳説する)。また、上記基礎11の断熱材は地中深くまで当該基礎11を覆って、この基礎11が地表面付近の熱の影響を受けないように配慮されている。
上記家屋10は、基礎11上に設けられた床14により、床下空間15と床上空間16とに区画され、更に床上空間16は、下階空間を構成する1階空間17と、上階空間を構成する2階空間18及び小屋裏空間19とに区画される。屋根13は、山形形状の切妻または寄せ棟形式に構成され、この屋根13の下方に、上記小屋裏空間19が設けられる。この小屋裏空間19は2階空間18に連通されている。また、1階空間17及び2階空間18は、仕切壁20によってそれぞれ複数の部屋R1、R2、R3、R4、R5、R6…に仕切られている。
上述のような高気密高断熱構造を有する家屋10にあっては、内部の汚染空気を排出し、且つ外気の新鮮な空気を取り込むために、換気設備21が装備されている。この換気設備21は、外壁12の特定箇所に設置された換気扇22と、外壁12の任意の箇所に形成された外気導入口23と、床14に設けられた複数の通気口24とを有して構成される。
換気扇22は、例えばトイレR3、R6に設けられたトイレ用換気扇であり、24時間連続運転される。また、外気導入口23は、例えば和室R1や寝室R2、食堂R4等、外壁12に接する部屋の全てまたはその一部に設けられて、これらの部屋に外気を導入する。更に、通気口24は、床14に接する1階空間17の部屋の全てに設けられて、これらの部屋内の空気と床下空間15内の空気とを流出入可能とする。2階空間18の部屋にあっては、仕切壁20の下部に、またはこの仕切壁に設けられたドアもしくは引き戸などの下部にそれぞれ通気通路25が設けられる。この通気通路25を通して、2階空間18の隣接する各部屋間で空気が流出入する。尚、外気導入口23、通気口24及び通気通路25には、開閉機構を有するがらり(図示せず)が設けられている。
家屋10が前述のように気密構造であるため、上記換気扇22の24時間の連続運転により、外気導入口23が設けられた部屋(例えば和室R1、食堂R4等)へ外気が導入される。この外気は、1階空間17にあっては、換気扇22が設けられたトイレR3の仕切壁20の通気排出口26が、蓋27により閉塞されたときに(図10)、外気の導入された部屋(例えば和室R1)から、この和室R1に連通した通気口24を経て床下空間15内へ流入し、この床下空間15内を流動して、換気扇22が設けられたトイレR3に連通した通気口24を経て上記トイレR3へ流入し、換気扇22により大気中へ排出される。また、外気は、2階空間18にあっては、外気が導入された部屋(例えば食堂R4)から、この食堂R4に連通した台所R5を流れ、通気通路25を経て、換気扇22が設けられたトイレR6へ流入し、この換気扇22により大気中へ排出される。
また、上記通気排出口26の開放時に、この通気排出口26が床14の通気口24よりも流路抵抗が小さいので、外気導入口23を経て1階空間17に導入された外気は、外気が導入された部屋(例えば和室R1)から、図示しない部屋間の隙間を通って隣室(例えば寝室R2)へ至り、トイレR3の仕切壁20における通気排出口26からこのトイレR3内へ流入し、換気扇22により大気中に排出される。つまり、通気排出口26の開放時には、床下空間15内へ外気が導入されず、この外気は1階空間17を流れる。このとき、この床下空間15内へは後述のように、第1ダクト35を経て暖気が流れ(図6)、或いは床下空間15の冷気が第2ダクト36を経て1階空間17へ流出することで冷気が流れる(図8、図9)。
このように、換気扇22の連続運転により家屋10内の換気が年間を通じて実施され、新鮮な外気が1階空間17及び2階空間18内へ外気導入口23を通して導入され、また、1階空間17及び2階空間18内の室内空気が換気扇22を経て大気中へ排出される。更に、1階空間17に導入された外気が床下空間15内を流れ、この床下空間15をダクト代わりに使用する場合や、床下空間15に暖気または冷気が流れる場合には、この床下空間15は1階空間17及び2階空間18と同様に換気され、床下に導入された空気が流動することで乾燥状態に保持されて、結露などの発生が防止される。
ところで、家屋10は、1階空間17、2階空間18及び床下空間15を換気する上述の換気設備21の他に、1階空間17及び2階空間18等の床上空間16を冷暖房するための冷暖房設備31を有する。これらの換気設備21及び冷暖房設備31が建物空調システム30を構成する。
上記冷暖房設備31は、家屋10の上部に設置されて、空気が流動する通気層32を備える集熱体としての屋根13(南側屋根面13A及び北側屋根面13B)と、この南側屋根面13Aの通気層32と床下空間15とを連通する第1ダクト35と、床下空間15と1階空間17の天井付近とを連通する第2ダクト36とを有して構成される。上記第1ダクト35に第1ファン37が、上記第2ダクト36に第2ファン38がそれぞれ配設されている。
上記第1ダクト35では、上流端のダクト流入口33が南側屋根面13Aの通気層32内に開口され、または下流端のダクト流出口34が床下空間15に開口される。更に、第1ダクト35には、第1ファン37の下流側にダクト中間排出口39が、2階空間18に開口して設けられる。このダクト中間排出口39は開閉可能に設けられ、後述の如くダクト中間排出口39から冷気を流出させるとき以外は閉塞される。また、第1ダクト35は、内部に後述の暖気または冷気が流れるので、空気からの放熱を防止するために断熱材で被覆されている。
従って、このように構成された第1ダクト35は、第1に、冬季昼間に太陽熱で、例えば40℃〜50℃に暖められた南側屋根面13Aの通気層32内の空気(暖気)を、第1ファン37の運転によりダクト流出口34から流出させて床下空間15へ導き(図6)、基礎11のコンクリートに熱を蓄熱すると共に、床14の通気口24から1階空間17へ暖気を吹き出させて、1階空間17及び2階空間18を暖房する。また第1ダクト35は、第2に、夏季夜間に放射冷却された南側屋根面13Aの通気層32内の空気を、第1ファン37の運転により、ほとんど全てをダクト中間排出口39から流出させて2階空間18を冷房すると共に(図9)、残りの冷却空気をダクト流出口34の経て床下空間15内へ流出させ、この床下空間15内を冷却する。ここで、上記第1ファン37の運転はタイマー、温度センサなどに基づいて運転制御され、或いは手動操作によって運転される。
図1に示す上記第2ダクト36では、下流端のダクト流入口40が床下空間15に開口され、上流端のダクト流出口41が1階空間17の天井付近に開口されている。これにより、第2ダクト36は、夏季昼間及び夜間に地熱により、例えば17℃〜18℃に冷却された床下空間15内の空気を、第2ファン38の運転によりダクト流入口40を経て導入してダクト流出口41から流出させ、1階空間17を冷房する(図8、図9)。このとき、床下空間15内には、1階空間17内の空気の一部が床14の通気口24を経て流入する。1階空間17の残りの空気は、通気排出口26を経て換気扇22から大気中へ排出される。ここで、第2ファン38はタイマー、温度センサなどに基づいて運転制御され、或いは手動操作によって運転される。尚、この第2ダクト36にも、内部を流れる空気からの放熱を防止するために断熱材で被覆されている。
ところで、前記屋根13は、図1〜図3に示すように、南側屋根面13Aの全面に通気層32が形成される。この屋根13は、梁42、43間に屋根垂木44が複数本掛け渡され、これらの屋根垂木44に構造用合板45が敷設され、この構造用合板45に気密シート46を介してプラスチック系の断熱材47が設置され、この断熱材47に通気層形成部材としての通気垂木48が複数本配置され、この通気垂木48に屋根仕上げ体49が敷設されて構成される。断熱材47と屋根仕上げ体49との間に、通気垂木48の存在によって通気層32が形成される。
上記屋根仕上げ体49は、構造用合板50上にルーフィング51を介して金属板52が設置されたものである。この金属板52は、熱伝導性の良好な銅板、ステンレス鋼板またはガルバニウム鋼板などが好ましく、いずれも黒色など暗い色に塗装されて吸熱性を高めたものがよい。尚、金属板52に代えてカラーベスト(登録商標)を用いてもよい。
第1ダクト35のダクト流入口33は、上記通気層32内に開口し、図3に示すように、南側屋根面13Aの左右方向中央位置で、且つ当該屋根面13Aの水上縁53から所定距離aだけ上下方向中央寄りの位置に設定される。この所定距離aは、南側屋根面13Aの水上縁53と水下縁54間の距離Lに対する比として設定され、約1/5<a/L<約1/2の範囲の値に設定されるのが好ましい。所定距離aの値が上記範囲に設定されることで、第1ダクト35のダクト流入口33内へは、通気層32を流れて太陽熱により暖められた空気が導入されることになる。
断熱材47と屋根仕上げ体49との間に通気層32を形成する通気垂木48は、第1ダクト35の上記ダクト流入口33へ向かう方向に、傾斜角αで斜めに配置され、互いに平行に複数本設けられる。この傾斜角αは、例えば45度である。また、図2に示すように、屋根13の軒下に軒下部材55が設けられ、この軒下部材55に空気流入口56が形成される。また、屋根13の棟に棟部材57が設置され、この棟部材57に空気流出入口58が形成される。
空気は、図1〜図3に示すように、冬季昼間及び夏季夜間には、第1ファン37の運転により、上記空気流入口56及び空気流出入口58から南側屋根面13Aの水下縁54、水上縁53を経て通気層32内へ流入し、この通気層32の複数本の通気垂木48に沿ってダクト流入口33へ向かって流動する間に、太陽熱で暖められまたは放射冷却されて、このダクト流入口33から第1ダクト35内へ導入される。
また空気は、図1、図2及び図4に示すように、夏季昼間には、南側屋根面13Aの通気層32で太陽熱により加熱された空気の上昇流によって、軒下部材55の空気流入口56から南側屋根面13Aの水下縁54を経て通気層32内へ流入し、複数本の通気垂木48に沿って流動し、ダクト流入口33へ流入することなく、南側屋根面13Aの水上縁53を経て棟部材57の空気流出入口58から大気中へ排出(排熱)される。この夏季昼間の南側屋根面13Aにおける通気層32内の空気の流れが、屋根13の断熱材47による断熱作用と相俟って、夏季の太陽熱を遮断し床上空間16の温度上昇を抑制する。
図1に示すように、冬至に子午線を通る太陽の太陽光59は、入射角θが約31度であり、上記屋根13の特に南側屋根面13Aは、このときの太陽光59(入射角θ=31度)に対し略直交する角度βを基準として、この角度βの基準線60に近い角度で設定される。この基準線60に近い角度で南側屋根面13Aが設定されることで、この南側屋根面13Aの通気層32を流れる空気は、冬季に太陽熱を効率的に取り込むことが可能となる。
尚、本実施の形態の屋根13は南側屋根面13Aと北側屋根面13Bとが接合されて構成され、この接合箇所に棟部材57が東西に延在する。北側屋根面13Bにも南側屋根面13Aと同様に、断熱材47と屋根仕上げ体49との間に通気垂木48を介在させて通気層32を形成してもよいが、第1ダクト35は南側屋根面13Aの通気層32にのみ連通し、この南側屋根面13Aの通気層32にて生成された太陽熱による暖気、放射冷却による冷気を床下空間15、2階空間18等へそれぞれ導く。
また、屋根13の構造では、プラスチック系の断熱材47に代えて繊維系の断熱材61(図5)が用いられてもよい。この場合には、屋根13の構造は、繊維系の断熱材61を複数本の屋根垂木44の間に配設し、これらの屋根垂木44に設置された構造用合板45に防水透湿シート62を貼着し、この防水透湿シート62上に通気垂木48を配置し、この通気垂木48に屋根仕上げ体49を敷設する。また、繊維系の断熱材61の下面に気密シート46を貼着する。防水透湿シート62を配設するのは、繊維系の断熱材61が吸湿性が高いので、この繊維系の断熱材61を防水すると共に、この断熱材61から排湿させるためである。
次に、図6〜図10を用いて、建物空調システム30の空調運転を説明する。この建物空調システム30において、換気設備21の換気扇22は、常時連続して運転されている。
図6に示す冬季昼間には、換気設備21の通気排出口26が開放され、外気導入口23から1階空間17及び2階空間18内へ新鮮な外気が導入され、この外気は、1階空間17及び2階空間18等の床上空間16の各部屋へ供給される。これらの床上空間16の各部屋の空気は、1階空間17の通気排出口26、2階空間18の通気通路25を通り、換気扇22から大気中へ排出される。このようにして、1階空間17及び2階空間18等の床上空間16の換気が実施される。
また、この冬季昼間には、冷暖房設備31において第1ファン37が例えばタイマー制御によって運転される。これにより、南側屋根面13Aの通気層32内へ、軒下部材55の空気流入口56及び棟部材57の空気流出入口58から空気が流入し、この空気は太陽熱により暖められて暖気となり、ダクト流入口33から第1ダクト35へ導入されて床下空間15へ導かれる。この床下空間15へ導かれた暖気は、床14の通気口24から1階空間17内へ吹き出されて、この1階空間17及び2階空間18等の床上空間16を暖房する。
図7に示す冬季夜間において、換気設備21は、冬季昼間(図6)と同様に運転されて床上空間16を換気するが、冷暖房設備31の第1ファン37は、例えばタイマー制御によって停止される。冬季昼間に床下空間15へ供給された暖気の熱は基礎11のコンクリートに蓄熱されるので、冬季夜間には、この蓄熱された熱が床14を経て1階空間17へ放出され、この輻射熱により1階空間17等の床上空間16内が暖房される。
図8に示す夏季昼間にも、換気設備21の通気排出口26が開放され、外気導入口23から1階空間17及び2階空間18内へ導入された新鮮な外気は、1階空間17、2階空間18等の床上空間16の各部屋へ供給される。これらの各部屋の室内空気は、1階空間17の通気排出口26、2階空間18の通気通路25を通り換気扇22から大気中へ排出されて、床上空間16の換気が実施される。
この夏季昼間に冷暖房設備31では、例えばタイマー制御によって第1ファン37が停止され、第2ファン38が運転される。このとき、南側屋根面13Aの通気層32内では太陽熱による空気の上昇中が発生し、軒下部材55の空気流入口56から当該通気層32内へ空気が流入し、棟部材57の空気流出入口58から通気層32内の加熱空気が排出される。この南側屋根面13Aの通気層32を流れる空気と、南側屋根面13A及び北側屋根面13Bの断熱材47、61との断熱作用によって、太陽熱の床上空間16内への侵入が遮断される。
更に、上記第2ファン38の運転により、地熱により冷却された床下空間15内の冷気が第2ダクト36を経て1階空間17内へ導入され、床下空間15からの熱伝導による冷気と相俟って、この1階空間17が冷房される。尚、1階空間17内の空気は、床14の通気口24を経て床下空間15内へ導入されて冷却される。また、この夏季昼間において、2階空間18は冷房装置63により冷房される場合もある。
図9に示す夏季夜間において、換気設備21は、夏季昼間(図8)と同様に運転されて床上空間16内を換気するが、冷暖房設備31の第1ファン37は第2ファン38と共に、例えばタイマー制御によって運転され、更に第1ダクト35のダクト中間排出口39が開放される。夏季夜間には、南側屋根面13Aの通気層32内の空気が放射冷却されるので、第1ファン37の運転により、この放射冷却された南側屋根面13Aの通気層32内の空気(冷気)を、第1ダクト35を経てダクト中間排出口39から2階空間18へ流出させ、この2階空間18を冷房する。また、1階空間17の冷房は、第2ファン38の運転により、夏季昼間と同様に地熱により実施される。
図10に示す中間期(春季、秋季)には、冷暖房設備31の第1ファン37及び第2ファン38が停止されて、この冷暖房設備31による冷暖房がなされず、換気設備21の通気排出口26が蓋27により閉塞される。これにより、1階空間17において、外気導入口23から導入された外気は、床14の通気口24から床下空間15内へ至り、この床下空間15内を流動して、例えばトイレR3の通気口24からこのトイレR3へ至り、換気扇22により大気中へ排出される。これにより、床下空間15内が除湿されて乾燥される。また、2階空間18においては、外気導入口23から導入された外気は、この2階空間18の各部屋へ供給され、この各部屋の室内空気は例えばトイレR6へ至って、換気扇22から大気中へ排出される。
以上のように構成されたことから、上記実施の形態によれば、次の効果(1)〜(9)を奏する。
(1)図1に示すように、冬季には、南側屋根面13Aの通気層32を空気が流動する間に太陽熱で暖められて生成された暖気が、第1ダクト35を経て床下空間15へ導入されて1階空間17及び2階空間18等の床上空間16を暖房し、または夏季には、床下空間15内を流れる空気が地熱により冷却されて生成された冷気が、第2ダクト36を経て床上空間16へ導入されて1階空間17等を冷房する。このように、太陽熱及び地熱を利用することで、1階空間17及び2階空間18等の床上空間16の冷暖房を省エネルギーで実現することができる。
(2)床下空間15は、家屋10全体の床14と基礎11により構成される空間であるため、基礎11を介して接する大地の面積が広く、このため、この大地は、床下空間15内を流れる空気と熱交換してもその温度がほとんど変化しない。従って、床下空間15内を流れる空気を常時良好に熱交換して冷却することができ、1階空間17等の床上空間16の冷房を好適に実施できる。
(3)家屋10の床上空間16を換気し、冷暖房する建物空調システム30が、通気層32を備えた南側屋根面13A、第1ダクト35、第2ダクト36、第1ファン37、第2ファン38、換気扇22、外気導入口23及び通気口24等を有して構成されたことから、建物空調システム30のイニシャルコストを低減できる。また、屋根13にガラス製の集熱パネルが存在しないためメンテナンスも容易であり、ランニングコストも低減できる。更に、換気扇22は通常のトイレ用換気扇であるため交換が容易であり、この点からもランニングコストを低減できる。
(4)南側屋根面13Aが、冬至に子午線を通過する太陽の太陽光59に対し略直交する角度の基準線60を基準として設置されたことから、南側屋根面13Aの通気層32を流動する空気を太陽熱により効率的に暖めて暖気を生成することができる。
(5)南側屋根面13Aの通気層32内に開口する第1ダクト35のダクト流入口33は、当該南側屋根面13Aの水上縁53から所定距離aだけ中央寄りの位置に設定されたので、南側屋根面13Aの通気層32内で充分に暖められた空気を暖気として、ダクト流入口33を経て第1ダクト35内へ導入することができる。
(6)南側屋根面13Aの通気層32を形成する通気垂木48が、第1ダクト35のダクト流入口33へ向かう方向に傾斜角αで斜めに配置されたことから、通気層32内を流れる空気が通気垂木48に沿って流動することで、この空気を滞ることなくスムーズにダクト流入口33へ導くことができる。
(7)第1ダクト35には、第1ファン37の下流側で2階空間18内に開口するダクト中間排出口39が設けられたことから、南側屋根面13Aの通気層32内を流れて、夏季夜間に放射冷却された空気(冷気)を、上記ダクト中間排出口39から2階空間18へ導くことができるので、この2階空間18を良好に冷房することができる。
(8)外気導入口23から1階空間17及び2階空間18内に導入された外気が、床14の通気口24を経て床下空間15内へ導かれ、他の通気口24を経て換気扇22により大気中へ排出されるので、第1ダクト35を経て床下空間15内へ暖気が流入する場合や、床下空間15内の冷気を第2ダクト36を経て1階空間17内へ導く場合と同様に、床下空間15を除湿して乾燥させることができる。このため、床下空間15に接した建材の腐食や劣化を防止でき、床下空間15内でのカビやシロアリなどの発生を防止できるので、家屋10の耐久性を向上させることができる。
(9)第1ダクト35及び第2ダクト36が断熱材により被覆されたので、これらのダクト35、36内を流れる空気からの放熱を防止でき、家屋10の床上空間16の暖房、冷房を効率的に実施できる。
[B]第2の実施の形態(図11)
図11は、本発明に係る建物空調システムの第2の実施の形態が適用された家屋の屋根において屋根仕上げ体を除いて示し、冬季昼間及び夏季夜間における空気の流れを示す平面図である。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
この第2の実施の形態では、南側屋根面65の全面に通気層66が設けられ、この通気層66を形成する通気層形成部材としての通気垂木67が、南側屋根面65の水上縁53及び水下縁54に対して直交して、互いに平行して複数本配置される。これらの複数本の通気垂木67には、第1ダクト35のダクト流入口33を通り水上縁53に平行な直線上の位置に切欠き部68が形成される。通気層66内で通気垂木67に沿って流れる空気が切欠き部68を通ってダクト流入口33へ向かうように、当該切欠き部68が設けられる。
また、南側屋根面65の水下縁54には、ダクト流入口33に対応する位置に堰板69が設置され、この堰板69とダクト流入口33近傍の通気垂木67との間に通気隙間64が形成される。堰板69近傍の水下縁54に流入した空気は、上記通気隙間64を通って通気層66内へ流入し、ダクト流入口63近傍の通気垂木67に沿って流動して、ダクト流入口63へ導入される。これにより、ダクト流入口33近傍の通気垂木67へ向かって流れる空気の流動時間が増加して、この空気を充分に暖めることが可能となる。
このように配置された通気垂木67を有する南側屋根面65においても、通気層66内の空気は、冬季昼間及び夏季夜間に実線矢印のようにし水上縁53及び水水下縁54からダクト流入口33へ向かって流動し、また夏季昼間には、破線矢印のように水下縁54から水上縁53へ向かって流動する。従って、この第2の実施の形態においても、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(9)と同様な効果を奏する。
[C]第3の実施の形態(図12〜図14)
図12は、本発明に係る建物空調システムの第3の実施の形態が適用された家屋の屋根において屋根仕上げ体を除いて示し、冬季昼間及び夏季夜間における空気の流れを示す平面図である。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
この第3の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、図13及び図14に示すように、瓦71を有する屋根仕上げ体70の構造である。この屋根仕上げ体70では、斜めに配置された通気垂木48上に、水上縁53及び水下縁54と平行な複数本の瓦桟72が設置され、この瓦桟72に瓦71が配置されたものである。これらの瓦71及び瓦桟72が屋根仕上げ体70を構成する。
この第3の実施の形態では、屋根仕上げ体70以外の屋根構造は第1の実施の形態と同一であるので、通気層32内の空気も第1の実施の形態と同様に流れる。図12の矢印は冬季昼間及び夏季夜間の場合を示す。夏季昼間の場合には、図4の矢印方向に通気層32内を空気が流れる。従って、この第3の実施の形態においても、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(9)と同様な効果を奏する。
[D]第4の実施の形態(図15〜図18)
図15は、本発明に係る建物空調システムの第4の実施の形態が適用されたビルディングを示す斜視図である。図16は、図15の建物空調システムが適用された他のビルディングを示す斜視図である。この第4の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
この第4の実施の形態では、建物としてのビルディング80に集熱体としての第1集熱板81(図15)、第2集熱板82(図16)、第3集熱板83を配置したものであり、第1集熱板81はビルディング80の屋上84に水平に配置される。第2集熱板82は、ビルディング80の屋上84に取付ステー85を用いて傾斜して設置され、第3集熱板83は、ビルディング80の南または東側の壁86に設置される。取付ステー85は、冬至に子午線を通る太陽の太陽光59に対し略直交する基準線60と平行になるように、第2集熱板82を取り付ける。
第1集熱板81は、第1の実施の形態の南側屋根面13Aに通気垂木48を用いて形成された通気層32、または第2の実施の形態の南側屋根面65に通気垂木67を用いて形成された通気層66と同様な通気層、及び通気垂木を有する。また、この場合、第1ダクト35のダクト流入口33は、第1集熱板81の中央に対応する位置に設置されるのが好ましい。上記第1ダクト35は、この第1集熱板81にて生成された暖気(冬季昼間)または冷気(夏季夜間)を地下空間へ導いてもよく、また、直接居室へ導くのにも好適である。
第2集熱板82及び第3集熱板83は、図17及び図18に示すように、全面に通気層87が形成される。この第2集熱板82及び第3集熱板83は、底板88と天板89との間に、通気層形成部材としての仕切板90が、水上縁91及び水下縁92に平行に複数枚配置されて構成される。通気層87は、底板88と天板89間の空間に複数枚の仕切板90に仕切られて形成される。
第2集熱板82及び第3集熱板83では、水上縁91側に断熱材93が配置され、この水上縁91の両側で当該水上縁91に直交する両辺のそれぞれに断熱材94、95が設置される。隣り合う複数枚の仕切板90と断熱材93とは、ひとつ置きに断熱材94または95に接触し、非接触の断熱材94または95との間に通気隙間96が形成される。また、第1ダクト31のダクト流入口33は、水上縁91から所定距離aの位置に設置される。
冬季昼間または夏季夜間に、空気は、図17の矢印に示すように、第2集熱板82または第3集熱板83の水下縁92側及び水上縁91側の通気隙間96から通気層87内に流入する。この空気は通気層87内で、通気隙間96を通過して仕切板90に沿って移動し、通気層87内を蛇行して流動する。この間に空気は太陽熱により暖められ、または放射冷却されてダクト流入口33に至り、第1ダクト35へ導かれる。この場合も、第1ダクト35へ導かれた暖気または冷気は、地下空間または直接居室へ導かれる。また、夏季昼間に、空気は、第1集熱板82または第3集熱板83の水下縁92側の通気隙間96から通気層87内へ流入し、この通気層87内を蛇行して流動し、太陽熱により加熱されて水上縁91側の通気隙間96から排出される。
したがって、この第4の実施の形態においては、前記第1の実施の形態の効果(1)、(3)〜(7)及び(9)と同様な効果を奏する他、次の効果(10)を奏する。
(10)第2集熱板82または第3集熱板83の通気層87を形成する仕切板90は、当該通気層87内を空気が蛇行して流れるように配置されたことから、当該通気層87内を蛇行して流れる空気を太陽熱により充分に暖めることができる。
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では、建物が2階建て以上の場合を述べたが、平屋の家屋10に対して本発明を適用してもよい。
本発明に係る建物空調システムの第1の実施の形態が適用された家屋を示す断面図である。 図1の屋根を示す断面図である。 図1の屋根において屋根仕上げ体を除いて示し、冬季昼間及び夏季夜間における空気の流れを示す平面図である。 図3の屋根を示し、夏季昼間の空気の流れを示す平面図である。 図2の屋根の変形例を示す断面図である。 図1の家屋において冬季昼間の空気の流れを示す断面図である。 図1の家屋において冬季夜間の空気の流れを示す断面図である。 図1の家屋において夏季昼間の空気の流れを示す断面図である。 図1の家屋において夏季夜間の空気の流れを示す断面図である。 図1の家屋において中間期(春季、秋季)の空気の流れを示す断面図である。 本発明に係る建物空調システムの第2の実施の形態が適用された家屋の屋根において屋根仕上げ体を除いて示し、冬季昼間及び夏季夜間における空気の流れを示す平面図である。 本発明に係る建物空調システムの第3の実施の形態が適用された家屋の屋根において屋根仕上げ体を除いて示し、冬季昼間及び夏季夜間における空気の流れを示す平面図である。 図12の屋根を示す断面図である。 図12の屋根の変形例を示す断面図である。 本発明に係る建物空調システムの第4の実施の形態が適用されたビルディングを示す斜視図である。 図15の建物空調システムが適用された他のビルディングを示す斜視図である。 図15及び図16の集熱板において天板を除いて示し、冬季昼間及び夏季夜間における空気の流れを示す平面図である。 図17の集熱板を、一部を省略して示す斜視図である。
符号の説明
10 家屋(建物)
11 基礎
12 外壁
13 屋根
13A 南側屋根面(集熱体)
14 床
15 床下空間
16 床上空間
17 1階空間
18 2階空間
19 小屋裏空間
20 仕切壁
21 換気設備
22 換気扇
23 外気導入口
24 通気口
26 通気排出口
30 建物空調システム
31 冷暖房設備
32 通気層
35 第1ダクト
36 第2ダクト
37 第1ファン
38 第2ファン
33 ダクト流入口
39 ダクト中間排出口
48 通気垂木(通気層形成部材)
53 水上縁
54 水下縁
59 太陽光
60 基準線
65 南側屋根面(集熱体)
66 通気層
67 通気垂木(通気層形成部材)
80 ビルディング(建物)
81 第1集熱板(集熱体)
82 第2集熱板(集熱体)
83 第3集熱板(集熱体)
87 通気層
a 所定距離
α 傾斜角
θ 入射角
β 角度

Claims (11)

  1. 屋根、壁及び基礎が気密及び断熱構造に構成された建物に設けられて、建物空間を冷暖房する建物空調システムであって、
    上記建物の上部に設置され、空気が流動する通気層を備える集熱体と、
    上記基礎に設置された床により形成される床下空間と上記集熱体の上記通気層とを連通し、第1ファンを備えた第1ダクトと、
    上記床の上方の床上空間と上記床下空間とを連通し、第2ファンを備えた第2ダクトとを有し、
    上記集熱体の上記通気層にて生成された暖気を、上記第1ダクトを経て上記床下空間へ導入可能とし、上記床下空間にて生成された冷気を、上記第2ダクトを経て上記床上空間へ導入可能に構成されたことを特徴とする建物空調システム。
  2. 上記集熱体は屋根であり、この屋根の南側屋根面の全面に通気層が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の建物空調システム。
  3. 上記集熱体は建物の屋上または壁に設置される集熱板であり、この集熱板の全面に通気層が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の建物空調システム。
  4. 上記集熱体は、冬至に子午線を通過する太陽の太陽光に対し略直交する角度を基準として設置されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の建物空調システム。
  5. 上記集熱体の通気層内に開口する第1ダクトのダクト流入口は、当該集熱体の上縁から所定距離だけ中央よりの位置に設定されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の建物空調システム。
  6. 上記集熱体の通気層を形成する通気層形成部材が、第1ダクトのダクト流入口へ向かう方向に配置されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の建物空調システム。
  7. 上記集熱体の通気層を形成する通気層形成部材は、当該通気層内を空気が蛇行して流れるように配置されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の建物空調システム。
  8. 上記第1ダクトには、第1ファンの下流側で床上空間内に開口するダクト中間排出口が、閉塞可能に設けられたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の建物空調システム。
  9. 上記建物の壁には、換気扇及び外気導入口がそれぞれ所定位置に設けられると共に、床に通気口が形成され、上記外気導入口から床上空間内に導入された外気が上記通気口を経て床下空間へ導かれ、他の通気口を経て上記換気扇により大気中へ排出されるよう構成されたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の建物空調システム。
  10. 上記換気扇が設けられた部屋の仕切り壁に通気排出口が形成され、この通気排出口が閉塞されることで、外気導入口から床上空間内に導入された外気を、床の通気口を経て床下空間へ導びくよう構成されたことを特徴とする請求項9に記載の建物空調システム。
  11. 上記第1ダクト及び第2ダクトが断熱材により被覆されたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の建物空調システム。
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