JP2007085031A - 既設管の補修構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】経済的な部材を用い、その組み立ての手間を省いて設置作業を簡便化し、かつ、作業完了後においても長期に亘って耐久性のある既設管の補修構造を提供すること。
【解決手段】既設管Pの内周面の管軸方向に沿って、周方向に所定の間隔をあけて配設した剛性直材2と、これら剛性直材2の内側に跨るように周方向に、剛性直材2の管軸方向に所定の間隔をあけて配設した既設管Pの中心側に所定の間隔をあけて形成した切欠き30を有する剛性リング3と、この剛性リング3の切欠き30に対応する突条10を有する帯状の合成樹脂製内面材1とからなり、合成樹脂製内面材1の突条10を剛性リング3の切欠き30に嵌着することにより、合成樹脂製内面材1を既設管Pの内周面の管軸方向に沿って、かつ、周方向に隙間なく順次配設し、既設管Pと合成樹脂製内面材1との間に生じる空隙4に硬化性充填材を充填する。
【選択図】図1
Description
このうち、特許文献1に記載のものは、組み立てることにより管状、角形又は馬蹄形の筒状体を構成するブロック体であって、内周面を構成する内面板と、該内面板の周縁に立設された外周板とをプラスチックによって一体に形成し、周方向寸法Lを幅方向寸法bよりも大きく(L>b)設定してなる流路施設修復用ブロック体を用いて施工される流路施設修復工法であって、流路施設内において、周方向に隣接する流路施設修復用ブロック体同士を、各流路施設修復用ブロック体の周方向両端面に挿通するボルトとこれに螺合するナットによって連結して短管体を形成し、該短管体を長さ方向に連結して流路施設内に流路内径よりも小さな外径の連続した筒状体を形成した後、該筒状体と流路施設との間に形成されるクリアランス空間にグラウト材を注入することを特徴とするものであり、また、特許文献2に記載のものは、既設管路内に、当該既設管路内面に略沿った中空骨組み状補強材が配置され、その補強材の内側に、既設管路の筒長方向並びに周方向にそれぞれ複数の内面部材が連続的に取り付けられて筒状に組み立てられているとともに、既設管路の筒長方向に隣接している内面部材同士は、互いの端面が当接した状態で、双方の内面部材に跨って配置された内面部材連結材により相互に連結されてなり、内面部材と既設管路内面との間に硬化性充填材が充填されてなるものである。
この既設管の補修構造は、補修対象の既設管Pの内周面の管軸方向に沿って、既設管Pの周方向に所定の間隔をあけて配設した剛性直材2と、これら剛性直材2の内側に跨るように既設管Pの周方向に、剛性直材2の管軸方向に所定の間隔をあけて配設した既設管Pの中心側に所定の間隔をあけて形成した切欠き30を有する剛性リング3と、この剛性リング3の切欠き30に対応する突条10を有する帯状の合成樹脂製内面材1とからなり、合成樹脂製内面材1の突条10を剛性リング3の切欠き30に嵌着することにより、合成樹脂製内面材1を既設管Pの内周面の管軸方向に沿って、かつ、既設管Pの周方向に隙間なく順次配設し、既設管Pと合成樹脂製内面材1との間に生じる空隙4に硬化性充填材を充填したものである。
ところで、合成樹脂製内面材1の裏面に形成された突条10は、剛性リング3の切欠き30に嵌着することにより、その後充填される硬化性充填材の重量や硬化性充填材の充填時の注入圧力によって合成樹脂製内面材1が剛性リング3から離脱することを防止するためのものであるが、この突条10の剛性リング3の切欠き30に嵌着される部分以外の箇所が硬化性充填材中に埋設されてアンカーとなり、合成樹脂製内面材1の付着性を向上する作用を併せて奏するものである。
そして、この合成樹脂製内面材1は、成形性等の点から熱可塑性樹脂を好適に使用でき、中でも、経済性、弾力性、可撓性、耐磨耗性等に優れたポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂やこれらの樹脂の共重合体、混合体を最適に使用できる。なお、このほか、接着性で優れた塩化ビニルや酢酸ビニル等のビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル等のオレフィン系樹脂とビニル系樹脂との共重合体、エラストマ−樹脂や変性ポリオレフィン樹脂とその混合物も好適に使用でき、また、天然、合成を問わずほとんどの公知のゴムも併用して使用することができる。
なお、合成樹脂製内面材1を湾曲して配設した剛性リング3に沿って配設するために、図2(a−2)及び(b−2)に示すように、合成樹脂製内面材1の裏面に形成する突条10を、少なくとも合成樹脂製内面材1の縁部に沿った位置に形成することが好ましく、剛性リング3のこれに適合する位置に切欠き30を形成するようにする。
このうち、図3(a)は剛性リング3に帯形鋼を、図3(b)は剛性リング3に山形鋼(L形鋼)を、図3(c)は剛性リング3に溝形鋼(コ形鋼)を、それぞれ使用したものである。
一方、剛性直材2には、同様の断面形状のほか、矩形、丸形等、種々の断面形状のものを使用することができ、また、剛性直材2と剛性リング3との接合手段には、ボルト・ナットやビスによる締め付け、相互の打ち込み、針金による縛り付け、溶接、溶着、接着等の公知の手段を採用することができる。
この嵌着構造は、合成樹脂製内面材1の突条10を、二分割し、その間に空隙部10cを形成したもので、図4(a)は空隙部10cを挟んで二分割した突条10aと突条10bを略平行に、図4(b)は二分割した突条10aと突条10bの先端を閉じた形状に、それぞれ形成したものである。
これに対応する、剛性リング3の切欠き30は、図5(a)及び図5(b)に示すように、合成樹脂製内面材1の突条10の係止爪10dが係合する縁部30aを備えている。
さらに、図5(b)に示すものにおいては、切欠き30の底部の中心位置に、合成樹脂製内面材1の二分割した突条10aと突条10bが当接する規制部30bを形成することにより、突条10を切欠き30に押し込むだけで、合成樹脂製内面材1の突条10が有する弾力性及び可撓性により、強固に嵌着することができるようにしている。
これにより、図6に示すように、合成樹脂製内面材1の突条10を剛性リング3の切欠き30に強固に嵌着することができる。
この場合、合成樹脂製内面材1の突条10(二分割した突条10aと突条10b)が有する弾力性及び可撓性により、合成樹脂製内面材1の突条10を剛性リング3の切欠き30に容易に押し込むことができ、押し込んだ後は、突条10の動きは規制部30bで規制され、突条10の係止爪10dと切欠き30の縁部30aとの係合性能が著しく高まり、その後充填される硬化性充填材の重量や硬化性充填材の充填時の注入圧力によって合成樹脂製内面材1が剛性リング3から離脱することを防止することができる。
図7(a)〜図7(d)に、採用することができる合成樹脂製内面材1の突条10の各種断面形状を示すが、突条10の断面形状は、特にこれらに限定されるものではない。
より具体的には、図8(a−1)及び(a−2)に示すように、合成樹脂製内面材1の既設管Pの管軸方向の端部に、互いに嵌合し面一で係合する係合端部11a、11bをそれぞれ形成するようにしたり、図8(b)に示すように、合成樹脂製内面材1の既設管Pの管軸方向の端部に、連結材13を介して係合される係合端部12a、12bをそれぞれ形成するようにしたり、図8(c−1)及び(c−2)に示すように、合成樹脂製内面材1の周方向の端部に、互いに嵌合し面一で係合する係合端部14a、14bをそれぞれ形成するようにしたり、図8(d)に示すように、合成樹脂製内面材1の周方向の端部に、連結材16を介して係合される係合端部15a、15bをそれぞれ形成するようにすることができる。
なお、この場合、合成樹脂製内面材1の管軸方向及び/又は周方向の端部での係合については、その係合状態においては内面が面一であることと、十分な係合力とが必要となるが、係合部の構造、形状等は、特に本実施例のものに限定されるものではない。
また、止水材又はシーリング材を配設するための凹溝を、合成樹脂製内面材の管軸方向及び/又は周方向の端面に形成することができ、これにより、止水材又はシーリング材の配設する際の作業性を向上することができる。
より具体的には、図9(a)に示すように、合成樹脂製内面材1の既設管Pの管軸方向の端部(周方向の端部)に、互いに嵌合し面一で係合する係合端部11a、11bをそれぞれ形成するとともに、係合部に止水性能に優れた水分膨張性樹脂製止水材5や水分硬化性のシーリング材6を配設するようにしたり、図9(b)に示すように、合成樹脂製内面材1の既設管Pの管軸方向の端部(周方向の端部)に、連結材13を介して係合される係合端部12a、12bをそれぞれ形成するするとともに、係合部に止水性能に優れた水分膨張性樹脂製止水材5や水分硬化性のシーリング材6、さらには、ゴム製パッキンからなる止水材7を配設するようにすることができる。
この場合、図9(b)に示すように、合成樹脂製内面材1の既設管Pの管軸方向の端面(周方向の端面)に、止水材又はシーリング材を配設するための凹溝17を形成することができる。
この場合、合成樹脂製内面材1の大きさは、まず、マンホールを通して既設管P内への引き込みが可能なこと、既設管P内を流れる水量や既設管Pの構造や強度、既設管P内での剛性直材2、剛性リング3等各部材のサイズやその組み立て手間を前もって考慮すること、突条10や切欠き30等を最適な形状や大きさを設計しておくこと、そして、これら各部材がそれぞれ互いに係合、一体化して、既設管Pの内面が平坦な曲面や平面を形成するようになることが重要となることから、各部材の選定に当たっては、上記の点に配慮する必要がある。
1 内面材
10 突条
10a 突条
10b 突条
10c 空隙部
10d 係止爪
11a 係合端部
11b 係合端部
12a 係合端部
12b 係合端部
13 連結材
14a 係合端部
14b 係合端部
15a 係合端部
15b 係合端部
16 連結材
17 凹溝
2 剛性直材
3 剛性リング
30 切欠き
30a 縁部
30b 規制部
4 空隙
5 水分膨張性樹脂製止水材
6 分硬化性のシーリング材
7 ゴム製パッキンからなる止水材
Claims (8)
- 既設管の内周面の管軸方向に沿って、周方向に所定の間隔をあけて配設した剛性直材と、これら剛性直材の内側に跨るように周方向に、剛性直材の管軸方向に所定の間隔をあけて配設した既設管の中心側に所定の間隔をあけて形成した切欠きを有する剛性リングと、該剛性リングの切欠きに対応する突条を有する帯状の合成樹脂製内面材とからなり、前記合成樹脂製内面材の突条を剛性リングの切欠きに嵌着することにより、合成樹脂製内面材を既設管の内周面の管軸方向に沿って、かつ、周方向に隙間なく順次配設し、既設管と合成樹脂製内面材との間に生じる空隙に硬化性充填材を充填したことを特徴とする既設管の補修構造。
- 合成樹脂製内面材の突条を、二分割し、その間に空隙部を形成したことを特徴とする請求項1記載の既設管の補修構造。
- 剛性リングの切欠きの底部の中心位置に、合成樹脂製内面材の突条が当接する規制部を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の既設管の補修構造。
- 剛性リングを、形鋼製としたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の既設管の補修構造。
- 合成樹脂製内面材の管軸方向及び/又は周方向の端部に、互いに嵌合し面一で係合する係合端部をそれぞれ形成したことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の既設管の補修構造。
- 合成樹脂製内面材の管軸方向及び/又は周方向の端部に、連結材を介して係合される係合端部をそれぞれ形成したことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の既設管の補修構造。
- 合成樹脂製内面材の管軸方向及び/又は周方向の端部に、止水材又はシーリング材を配設したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の既設管の補修構造。
- 合成樹脂製内面材の管軸方向及び/又は周方向の端面に、止水材又はシーリング材を配設するための凹溝を形成したことを特徴とする請求項7記載の既設管の補修構造。
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