JP2007084652A - オーバーコート用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、基材との密着性、低反り性、可撓性、耐めっき性、はんだ耐熱性、高温高湿時の長期信頼性に優れた硬化物を形成可能なポリカーボネートを含有する熱硬化性樹脂組成物、および該熱硬化性樹脂組成物を含有するフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】(A)(1)数平均分子量が500〜10,000であり、(2)骨格中に炭素数が8以上18以下のアルキレン基を有し、(3)両末端に水酸基を有する ポリカーボネートジオール、および(X)ポリウレタンポリイソシアネート を含むフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。前記(X)成分が、数平均分子量が1,000〜20,000で、1分子当たり2〜10個イソシアネート基を有するポリウレタンポリイソシアネート(Xa)であり、組成物中のポリウレタンポリイソシアネート(Xa)の量が、ポリカーボネートジオールの総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数の範囲にある。
【選択図】 なし

Description

本発明は、基材との密着性、低反り性、可撓性、耐めっき性、はんだ耐熱性、長期信頼性に優れた硬化物を与えるオーバーコート用樹脂組成物に関する。
従来、フレキシブル配線回路の表面保護膜は、カバーレイフィルムと呼ばれるポリイミドフィルムをパターンに合わせた金型をつくり打ち抜いたのち、接着剤を用いて張り付けるタイプや、可撓性を持たせた紫外線硬化型、または熱硬化型のオーバーコート剤をスクリーン印刷法により塗布するタイプのものであった。特に後者は作業性の点で有用であった。
これら硬化タイプのオーバーコート剤としては、主にエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、あるいはこれらの複合系よりなる樹脂組成物が知られている。これらは、特にブタジエン骨格、シロキサン骨格、ポリカーボネートジオール骨格、長鎖脂肪族骨格等の導入などの変成を行った樹脂を主成分とすることが多く、これにより、表面保護膜が本来備える耐熱性や、耐薬品性、電気絶縁性の低下をなるべく押さえながら、柔軟性の向上や、硬化収縮、熱収縮による反り発生の抑制を行ってきた。
しかしながら、近年、電子機器の軽量小型化に伴い、電子部品配線のファインピッチ化が進み、従来の製品では被膜の電気絶縁性の信頼性に欠けるという問題が生じている。
例えば、特開2004−137370号公報(特許文献1)には、炭素数1−18のジオールを原料とするポリカーボネートジオールとジイソシアネート化合物とを反応させて得られた両末端ジイソシアネートポリウレタンとトリメリット酸とを反応させたポリアミドイミド樹脂が開示されている。
また、特開2003−335944号公報(特許文献2)には、炭素数1−18のジオールを原料とするポリカーボネートジオールとジイソシアネート化合物とを反応させて得られた両末端ジイソシアネートポリウレタンとピロメリット酸とを反応させたポリイミド樹脂が開示されている。
これらのポリアミドイミド樹脂又はポリイミド樹脂は封止材との密着性、耐溶剤性、耐薬品性、耐湿性等の試験ではよい成績を示している。しかし、近年、電子部品配線のファインピッチ化が進み、特にフレキシブル基板のオーバーコート樹脂組成物に関しては、従来の製品では被膜の電気絶縁性の信頼性に欠けるという問題が生じている。
特開2004−137370号公報 特開2003−335944号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであり、基材との密着性、低反り性、可撓性、耐めっき性、はんだ耐熱性、電気絶縁性の長期信頼性に優れた硬化物を形成可能なポリカーボネートを含有する熱硬化性樹脂組成物、および該熱硬化性樹脂組成物を含有するフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物を提供することを目的とする。
また本発明は、基材との密着性、低反り性、可撓性、耐めっき性、はんだ耐熱性、電気絶縁性の長期信頼性に優れた硬化物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために検討した結果、ポリカーボネートジオールの原料であるジオールを構成する炭素数が、基材との密着性、可撓性、耐めっき性、はんだ耐熱性、高温高湿時の長期絶縁特性に大きく影響していることを見出した。そして、前記特許文献1および2では、実施例にヘキサンジオールを原料とするポリカーボネートジオールが使用されているが、このような炭素数の短いものでは、本発明の目的のものは得られないことが判明した。
そして、さらに検討を行ったところ、炭素数8以上18以下のジオールを原料とするポリカーボネートジオールを使用し、しかもポリウレタンポリイソシアネートを混合することにより、基材との密着性、可撓性、耐めっき性、はんだ耐熱性、高温高湿時の長期絶縁特性に優れる熱硬化性樹脂組成物、及び、フレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成がえられることを見出した。
しかも、炭素数8以上18以下のジオールを原料とするポリカーボネートジオール、ポリウレタンポリイソシアネートとともに、炭素数8以上18以下のジオールを原料とするポリカーボネートジオール成分を骨格の一部に含有するポリカーボネートジオールを所定の比で混合することにより、さらには、2〜10個の水酸基を有するポリオールを所定の比で混合することにより、基材との密着性、可撓性、耐めっき性、はんだ耐熱性、高温高湿時の長期絶縁特性などの特性により優れた熱硬化性樹脂組成物、及び、フレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成がえられることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の態様は以下の[1]〜[7]の通りである。
[1](A)(1)数平均分子量が500〜10,000であり、
(2)骨格中に炭素数が8以上18以下のアルキレン基を有し、
(3)両末端に水酸基を有する
ポリカーボネートジオール、および
(X)ポリウレタンポリイソシアネート
を含むフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
[2]前記(X)成分が、数平均分子量が1,000〜20,000で、1分子当たり2〜10個イソシアネート基を有するポリウレタンポリイソシアネート(Xa)であり、
組成物中のポリウレタンポリイソシアネート(Xa)の量が、ポリカーボネートジオールの総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数の範囲にある[1]のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
[3]前記組成物が、(A)および(Xa)とともに、さらに、
(B)数平均分子量が3,000〜30,000で、(A)成分を骨格の一部に含有するポリカーボネートジオールを含み、
(A)および(B)の質量比が、固形分換算で(A):(B)が40:60〜90:10の範囲にあり、
ポリウレタンポリイソシアネート(Xa)の量が、(A)および(B)の総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数の範囲にある[2]に記載のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
[4]前記組成物が、(A)、(B)および(Xa)とともに、さらに、
(C)数平均分子量が200〜600で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有するポリオールを含み、
(B)および(C)の質量比が、固形分換算で(B):(C)が90:10〜50:50の範囲にあり、
ポリウレタンポリイソシアネート(Xa)の量が、(A),(B)および(C)の総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数の範囲にある[3]のフレキシブル回路オー
バーコート用樹脂組成物。
[5]前記ポリカーボネートジオール(A)の骨格を構成するアルキレン基のうちの少なくとも一部が炭素数9のアルキレン基である[1]〜[4]のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
[6]前記炭素数9のアルキレン基が、−CH2−CH(CH3)−(CH2)6−および/または−(CH2)9−で表されるアルキレン基である[5]のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
[7][1]〜[6]のオーバーコート用樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
本発明のオーバーコート用樹脂組成物は、基材との密着性、低反り性、可撓性、耐めっき性、はんだ耐熱性、電気絶縁性の長期信頼性に優れた硬化物、たとえば硬化膜の原料として好適である。また、本発明のオーバーコート用樹脂組成物を硬化してなる硬化物は、基材との密着性、低反り性、可撓性、耐めっき性、はんだ耐熱性、電気絶縁性の長期信頼性に優れている。このため、かかる硬化物は、フレキシブル回路のオーバーコート用に極めて有用である。
以下、本発明の組成物および硬化物について、詳細に説明する。
本発明に係るフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物は、(A)ポリカーボネートジオール、および(X)ポリウレタンポリイソシアネートを含む。
(A)ポリカーボネートジオール
本発明で使用されるポリカーボネートジオールは、
(1)数平均分量が500〜10,000であり、
(2)骨格中に炭素数が8以上18以下のアルキレン基を有し、
(3)両末端に水酸基を有する。
ポリカーボネートジオール(A)は、アルキレン基の疎水性から得られる耐薬品性やアルキレン基に本来備わっている可撓性、低収縮性と、カーボネート基の親水性による密着性などの特性をバランス良く付与させることができる。
数平均分子量がこの範囲よりも小さくなる場合は、硬化時の架橋密度が高くなるため、より固い硬化物となり、硬化塗膜の柔軟性や硬化時の低収縮性に関して十分な物性は得られないことがある。一方、分子量がこの範囲よりも大きくなる場合は、硬化時の架橋密度が低くなるため、より柔軟な硬化物となる反面、硬化塗膜の耐熱性や耐薬品性が著しく低下することがある。なお、数平均分子量の好ましい範囲は、600〜8000、さらには700〜6000の範囲にあることが望ましい。
骨格中に炭素数が前記範囲にあるものは、ポリウレタンポリイソシアネートと混合することにより、基材との密着性だけでなく、可撓性、耐めっき性、はんだ耐熱性、高温高湿時の長期絶縁特性に優れる熱硬化性樹脂組成物を提供できる。その理由は明確ではないものの、密着性に関わると思われるウレタン結合やカーボネート結合の親水性と、可撓性、耐メッキ性、及び、耐湿性に関わると思われるアルキル鎖の疎水性のバランスによるものであると考えられる。
前記ポリカーボネートジオール(A)の骨格を構成するアルキレン基のうちの少なくとも一部が炭素数9のアルキレン基であることが望ましい。炭素数9のものを含んでいると、特に高温高湿時の長期絶縁特性に優れる熱硬化性樹脂組成物を提供できるからである。
特にこのような作用効果は、炭素数9のアルキレン基が、−CH2−CH(CH3)−(C
2)6−および/または−(CH2)9−で表されるアルキレン基の場合により顕著となるの
で、本発明のより好適な態様としてはかかるこれらのアルキレン基を含むことが望ましい。
このような本発明で使用されるポリカーボネートジオールは、たとえば下記式(A)で表される。
Figure 2007084652
(式中、Rは炭素数8〜18のアルキレン基を示す。また、mは2〜50の整数である)
ポリカーボネートジオール(A)としては、数平均分子量が500〜10,000で、骨格中に炭素数が8以上18以下のアルキレン基を有し、両末端に水酸基を有するものであればどのようなものでも良く、例えば、「クラレポリオールC−1065N」、「クラレポリオールC−1015N」「クラレポリオールC−2065N」「クラレポリオールC−2015N」(いずれも株式会社クラレ製)などの既存製品があげられるが、この限りではない。
(X)ポリウレタンポリイソシアネート
ポリウレタンポリイソシアネート(X)は、耐熱性や耐薬品性などのような高い架橋密度で得られる特性と、可撓性、低収縮性などのような低い架橋密度で得られる特性の両方をバランス良く付与させることができる。
特に、数平均分子量が1,000〜20,000で、1分子当たり2〜10個のイソシアネート基を有するポリウレタンポリイソシアネート(Xa)は、耐熱性や耐薬品性などのような高い架橋密度で得られる特性と、可撓性、低収縮性などのような低い架橋密度で得られる特性の両方をバランス良く付与させることができるので、好適である。分子量がこの範囲よりも小さくなる場合や、1分子当たりのイソシアネート基の数がこの範囲よりも大きくなる場合は、硬化時の架橋密度が高くなるため、より固い硬化物となり、硬化塗膜の柔軟性や硬化時の低収縮性に関して十分な物性は得られないことがある。一方、分子量がこの範囲よりも大きくなる場合や、1分子当たりのイソシアネート基の数がこの範囲よりも小さくなる場合は、硬化時の架橋密度が低くなるため、より柔軟な硬化物となる反面、硬化塗膜の耐熱性や耐薬品性が著しく低下することがある。
ポリウレタンポリイソシアネート(X)としては、イソシアネート基の数を1分子当たり2〜10個持っているポリウレタンであれば何でもよい。ポリウレタンポリイソシアネート(Xa)としては、数平均分子量が1,000〜20,000で、イソシアネート基の数を1分子当たり2〜10個持っているポリウレタンであれば何でもよい。
具体的には、「TP−1001」、「TP1002」(いずれも日本曹達株式会社製)などの既製品のポリウレタン変成ポリイソシアネートやそのブロック体でもよい。また、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンポリオール等の市販ポリオールに、その水酸基等量数と同じ等量数のジイソシアネートを反応させた物やそのブロック体でもよい。さらに、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコールに、その水酸基当量数と同じ等量数のジイソシアネートを反応させポリイソシアネート化合物とし、さらにポリエーテルポリオール、アクリルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンポリオール等の市販ポリオールの少なくとも1種類を多価アルコールのモル数に対し0.2〜2倍モル数反応させてポリウレタンポリイソシアネートとしたものやそのブロック体でもよい。ジイソシアネート類としては例えば、ジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、3,2′−又は3,3′−又は4,2′−又は4,3′−又は5,2′−又は5,3′−又は6,2′−又は6,3′−ジメチルジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、3,2′−又は3,3′−又は4,2′−又は4,3′−又は5,2′−又は5,3′−又は6,2′−又は6,3′−ジエチルジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、3,2′−又は3,3′−又は4,2′−又は4,3′−又は5,2′−又は5,3′−又は6,2′−又は6,3′−ジメトキシジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,3′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,4′−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4′−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート、4,4′−[2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン]ジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネートを使用することが好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式イソシアネートを用いてもよい。
ポリウレタンポリイソシアネートには、経日変化を避けるために必要なブロック剤で安定化したものを使用してもよい。ブロック剤としては、イソシアネート基と反応しうる活性水素を1分子中に1個だけ有する化合物で、イソシアネート基と反応した後も170℃以下の温度で再び解離するものが好ましく、ε−カプロラクタム、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、フェノール、クレゾール1,2−ピラゾール、1,2,4−トリアゾール、ジイソプロピルアミン、3,5−ジメチルピラゾールなどを挙げることができる。ブロック剤は、ポリウレタンポリイソシアネートのイソシアネート基に対して、95〜105モル%、好適には98〜102モル%の量で添加されることが望ましい。
ポリカーボネートジオール(A)とポリウレタンポリイソシアネート(X)を硬化させる場合、耐薬品性および耐熱性と、可撓性および硬化時の低収縮性とのバランスが良好となる。とくに、ポリカーボネートジオール(A)とポリウレタンポリイソシアネート(Xa)、を硬化させる場合、耐薬品性および耐熱性と、可撓性および硬化時の低収縮性とのバランスがさらに良好となる。
組成物中のポリカーボネートジオール(A)とポリウレタンポリイソシアネート(X)、(Xa)の量比は、ポリカーボネートジオール(A)10質量部に対して、ポリウレタンポリイソシアネート(X)、(Xa)が、4〜50質量部、好ましくは5〜40質量部の範囲にあることが望ましい。この範囲にあれば、上記したバランスに優れた硬化物を得ることが可能となる。
ポリカーボネートジオール(B)
本発明では、より塗膜の可撓性や硬化時の反りを小さくするためには、組成物中にポリカーボネートジオール(B)が含まれていてもよく、ポリカーボネートジオール(B)が含まれていると、架橋密度を低下させることが可能となり、可撓性向上や硬化時の低収縮性な
どの特性を大きくすることが可能となる。
この場合、特性全体のバランスより、ポリカーボネートジオール(A)とポリカーボネートジオール(B)の質量比が固形分において、(A):(B)=40:60〜90:10、好ましくは(45:55)〜(85:15)の範囲とすることが望ましい。この比よりもポリカーボネートジオール(B)の割合が多くなると、架橋密度が下がりすぎるため塗膜の耐熱性、耐薬品性などの特性が著しく低下する。
本発明で使用されるポリカーボネートジオール(B)は、数平均分子量が3,000〜30,000、好ましくは(4、000)〜(26、000)で、(A)成分を骨格の一部に含有している。
ポリカーボネートジオール(B)としては、例えば、「クラレポリオールC−1065N」、「クラレポリオールC−1015N」「クラレポリオールC−2065N」「クラレポリオールC−2015N」(いずれも株式会社クラレ製)などのような分子量が1,000から2,000程度のポリカーボネートジオールを、単独で、又は、その他のポリオール、例えば「クラレポリオールC−1050」いずれも株式会社クラレ製)等と混合して、ジイソシアネートと反応させて分子量が3,000から30,000程度になるよう両末端水酸基化したものなどが含まれる。たとえば、下記式(B)で表される。
Figure 2007084652
(式中、Rおよびmは、式(A)と同様であり、nは1〜50の整数であり、Xはポリウレタ
ンポリイソシアネートの項で述べたジイソシアネート類のジイソシアネートを除いた残基を示す。)
ポリオール(C)
ポリオール(C)としては、数平均分子量が200〜600、好適には250〜500
で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有するポリオール(C)は架橋密度を高め、耐熱性や耐薬品性を向上させる役割を果たす。
ポリカーボネートジオール(A)、ポリカーボネートジオール(B)、ポリオール(C)およびポリウレタンポリイソシアネート(Xa)を含む組成物を硬化させる場合、特性全体のバランスより、ポリカーボネートジオール(B)とポリオール(C)の質量比が固形分
において(B):(C)=90:10〜50:50、好ましくは(85:15)〜(50:50)の範囲で混合して用いるのが望ましい。この範囲よりもポリオール(C)が少ない場合は、架橋密度が低くなり、塗膜の耐熱性、耐薬品性などの特性が低下することがあり、ポリオール(C)が多い場合は、架橋密度が高くなり、塗膜の柔軟性が低下したり、硬化時の収縮が大きくなったりすることがある。
ポリオール(C)としては数平均分子量が200〜600で、水酸基の数が1分子当たり2〜10個持つものであるならば、樹脂の構造はどのようなものでも良く、例えば、EO変成ペンタエリスリトール「PE555」(東邦化学(株)社製)、EO変成トリメチロールプロパン「TP880」(東邦化学(株)社製)、ポリカプロラクトントリオール「プラクセル303」、「プラクセル305」(いずれもダイセル化学工業(株)社製)、などを挙げることができる。
なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値である。
本発明に用いられる樹脂成分(ポリカーボネートジオール(B)、ポリウレタンポリイソシアネート(Xa))などを調製する反応は、有機溶媒、好ましくは非含窒素系極性溶媒の存在下に加熱縮合させることにより行うことができる。上記非含窒素系極性溶媒としてはエーテル系溶媒、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、含硫黄系溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン、エステル系溶媒、例えば、γ−ブチロラクトン、酢酸セロソルブ、ケトン系溶媒、例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、芳香族炭化水素系溶媒、例えば、トルエン、キシレン、イプゾール150(出光石油化学株式会社製、炭素数10の芳香族系溶媒)等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上組み合わせて使用することができ、生成する樹脂を溶解する溶剤を選択して使用するのが好ましく、合成後、そのままペーストの溶媒として好適なものを使用することが好ましい。高揮発性であって、低温硬化性を付与でき、かつ効率良く均一系で反応を行うためには、γ−ブチロラクトン、酢酸セロソルブ、及びイプゾール150が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上記した(A),(B),(C)および(X)、(Xa)を混合することで調製される。その調製方法としては特に制限されるものではないが、ミキサー、ローラー、特に三本ロールなどの公知の混合装置を用いて調製される。組成物中の(A),(B
),(C)および(X)、(Xa)の総量は、組成物の塗工性、ハンドリング性、塗膜の厚さ
に応じて適宜選択されるが、通常、組成物中、(20)〜100質量%、好ましくは(30)〜(90)質量%の範囲にあることが望ましい。
なお、組成物には、塗工時の作業性及び被膜形成前後の膜特性を向上させるため、必要に応じて、粘度調整溶媒、有機又は無機のフィラー類、消泡剤、レベリング剤等の界面活性剤類、染料又は顔料等の着色剤類、硬化促進剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、滑剤を添加してもよい。
硬化物
本発明の硬化物は、上記オーバーコート用樹脂組成物を硬化させてなる。
このような硬化物は、フレキシブル配線回路の表面保護膜として好適である。硬化物は、オーバーコート用樹脂組成物を、プリント基板などのカバーレイフィルム(ポリイミドフィルムなど)表面に塗布した後、加熱したり、赤外線を照射して硬化させればよい。加熱温度としては特に制限されるものではなく、通常(80)〜(200)℃の温度範囲で行われるがこの限りではない。
塗布方法としては特に制限されるものではなく、スクリーン印刷、ドクターブレード法など公知の方法を特に制限なく使用できる。形成する膜厚は、特に制限されるものではなく、用途に応じて適宜選択される。
こうして形成された硬化物は、基材との密着性、低反り性、可撓性、耐めっき性、はんだ耐熱性、電気絶縁性の長期信頼性に優れ、フレキシブル回路のオーバーコート用に極めて有用である。
[実施例]
以下、本発明に用いられるポリオールとポリウレタンポリイソシアネートの製造例及び、本発明の実施例を比較例とともに以下に挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例、比較例に限定されるものではない。
<樹脂(Xa−1)の製造>
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットルの反応容器にγ−ブチロラ
クトン165g、トリメチロールプロパン33g、及びT−80(三井武田ケミカル株式会社製トリレンジイソシアネートの商品名、原料ジイソシアネートモル比:2,4−トリレンジイソシアネート:2,6−トリレンジイソシアネート=80:20))132gを仕込み、徐々に120℃まで昇温し、以後3時間その温度で反応を続けた。3時間後のGPC測定で溶媒を除いたT−80の面積百分率は約3%であった。
反応温度を80℃に下げて、続いてこれに、γ-ブチロラクトン80gに溶解したクラ
レポリオールC−1015N(株式会社クラレ製ポリカーボネートジオールの商品名、原料ジオールモル比:1,9−ノナンジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール=15:85、数平均分子量約1000)92.5gを、反応温度を80℃に保持しつつ1時間かけて滴下し、以後80℃で4時間付加反応を行った。更に80℃に保持しながら、メチルエチルケトオキシム(分子量87.12)63.2gを2時間かけて滴下し、更に1時間反応を続けこの時点でFT−IRより2,250cm-1のNCOピークの消失が確認され、樹脂(Xa−1)を得た。樹脂樹脂(Xa−1)の性状はMn=約3,200、固形分=57質量%であった。
<樹脂(Xa−2)の製造>
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットルの反応容器にγ−ブチロラクトン295g、トリメチロールプロパン33g、及びT−80(三井武田ケミカル株式会社製トリレンジイソシアネートの商品名、原料ジイソシアネートモル比:2,4−トリレンジイソシアネート:2,6−トリレンジイソシアネート=80:20))132gを仕込み、徐々に120℃まで昇温し、以後3時間その温度で反応を続けた。3時間後のGPC測定で溶媒をのぞいたT−80の面積百分率は約4%であった。
反応温度を80℃に下げて、続いてこれに、γ-ブチロラクトン244gに溶解したク
ラレポリオールC−2015N(株式会社クラレ製ポリカーボネートジオールの商品名、原料ジオールモル比:1,9−ノナンジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール=15:85、数平均分子量約2000)186gを、反応温度を80℃に保持しつつ1時間かけて滴下し、以後80℃で4時間付加反応を行った。更に80℃に保持しながら、メチルエチルケトオキシム(分子量87.12)63.2gを2時間かけて滴下し、更に1時間反応を続けこの時点でFT−IRより2,250cm-1のNCOピークの消失が確認され、樹脂(Xa−1)を得た。樹脂樹脂(Xa−2)の性状はMn=約4,800、固形分=50質量%であった。
<樹脂(Xa−C)の製造>
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットルの反応容器にγ−ブチロラクトン165g、トリメチロールプロパン33g、及びT−80(三井武田ケミカル株式会社製トリレンジイソシアネートの商品名、原料ジイソシアネートモル比:2,4−トリレンジイソシアネート:2,6−トリレンジイソシアネート=80:20))132gを仕込み、徐々に120℃まで昇温し、以後3時間その温度で反応を続けた。
3時間後のGPC測定で溶媒を除いたT−80の面積百分率は約3%であった。反応温度を80℃に下げて、続いてこれに、γ―ブチロラクトン244gに溶解したクラレポリオールC−2090(株式会社クラレ製ポリカーボネートジオールの商品名、原料ジオールモル比:3−メチル−1,5−ペンタンジオール:1,6−ヘキサンジオール=90:10、数平均分子量約2000)186gを、反応温度を80℃に保持しつつ1時間かけて滴下し、以後80℃で4時間付加反応を行った。更に80℃に保持しながら、メチルエチルケトオキシム(分子量87.12)63.2gを2時間かけて滴下し、更に1時間反応を続けこの時点でFT−IRより2,250cm-1のNCOピークの消失が確認され、樹脂(Xa−C)を得た。樹脂樹脂(Xa−C)の性状はMn=約7,800、固形分=50質量%であった。
<樹脂(B−1)の製造>
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた2リットルの反応容器にγ−ブチロラクトン591g、クラレポリオールC−1015N(株式会社クラレ製ポリカーボネートジオールの商品名、原料ジオールモル比:1,9−ノナンジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール=15:85、数平均分子量約1000)667gを投入混合し均一に溶解させた。均一になったところで140℃に昇温し、更に撹拌しながら、T−80(三井武田ケミカル株式会社製トリレンジイソシアネートの商品名、原料ジイソシアネートモル比:2,4−トリレンジイソシアネート:2,6−トリレンジイソシアネート=80:20))97.8gを2時間かけて滴下し、更に3時間保持しこの時点でFT−IRより2,250cm-1のNCOピークの消失が確認され、樹脂(B−1)を得た。樹脂(B−1)の性状:Mn=約8,000、固形分=57質量%であった。
<樹脂(B−2)の製造>
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた2リットルの反応容器にγ−ブチロラクトン766g、クラレポリオールC−2015N(株式会社クラレ製ポリカーボネートジオールの商品名、原料ジオールモル比:1,9−ノナンジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール=15:85、数平均分子量約2000)667gを投入混合し均一に溶解させた。
均一になったところで140℃に昇温し、更に撹拌しながら、T−80(三井武田ケミカル株式会社製トリレンジイソシアネートの商品名、原料ジイソシアネートモル比:2,4−トリレンジイソシアネート:2,6−トリレンジイソシアネート=80:20))49gを2時間かけて滴下し、更に3時間保持しこの時点でFT−IRより2,250cm-1のNCOピークの消失が確認され、樹脂(B−2)を得た。樹脂(B−2)の性状:Mn=約12,000、固形分=48質量%であった。
<樹脂(B−C)の製造>
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた2リットルの反応容器にγ−ブチロラクトン766g、クラレポリオールC−2090(株式会社クラレ製ポリカーボネートジオールの商品名、原料ジオールモル比:3−メチル−1,5−ペンタンジオール:1,6−ヘキサンジオール=90:10、数平均分子量約2000)667gを投入混合し均一に溶解させた。均一になったところで140℃に昇温し、更に撹拌しながら、T−80(三井武田ケミカル株式会社製トリレンジイソシアネートの商品名、原料ジイソシアネートモル比:2,4−トリレンジイソシアネート:2,6−トリレンジイソシアネート=80:20))49gを2時間かけて滴下し、更に3時間保持しこの時点でFT−IRより2,250cm-1のNCOピークの消失が確認され、樹脂(B−C)を得た。樹脂(B−C)の性状:Mn=約12,000、固形分=48質量%であった。
以後、実施例及び比較例に用いた各成分を以下に示す。
<ポリカーボネートジオール(A)>
・「クラレポリオールC−1015N」(株式会社クラレ製、Mn=約1,000、固形分100質量%)
<ポリカーボネートジオール(A’)>
・「クラレポリオールC−2015N」(株式会社クラレ製、Mn=2,000、固形分100質量%)
<ポリカーボネートジオール(A”)>
・「クラレポリオールC−2090」(株式会社クラレ製、Mn=2,000、固形分100質量%)
<ポリオール(C)>
・「プラクセル303」(ダイセル化学工業株式会社製、分子量300、固形分100質量%)
実施例1〜6
<硬化性樹脂組成物の調製>
前記のポリカーボネートジオール(A)、(A')、樹脂(B−1)、(B−2)、お
よび樹脂(C)、並びに、ポリイソシアネート(Xa−1)、(Xa−2)を適宜配合し、更にその他の成分として、ダレ防止剤として「アエロジルR974」(日本アエロジル株式会社製シリカ微粒子の商品名、1次粒子平均径12nm、表面積170m2/g)、
消泡剤としてBYK−051(ビックケミー・ジャパン株式会社製)、3本ロールを用いて混練りして、試料A1〜A6を調製した。
各実施例の組成物の組成及び評価結果を、あわせて表1に示す。
比較例1〜3
<硬化性樹脂組成物の調製>
前記のポリカーボネートジオール(A”)、樹脂(B−C)、および樹脂(C)、並びに、ポリイソシアネート(Xa−C)を適宜配合し、更にその他の成分として、ダレ防止剤として「アエロジルR974」(日本アエロジル株式会社製シリカ微粒子の商品名、1次粒子平均径12nm、表面積170m2/g)、消泡剤としてBYK−051(ビック
ケミー・ジャパン株式会社製)、そして粘度調整溶剤としてγ−ブチロラクトンを配合ごとに適量加えて混合し、3本ロールを用いて混練りして、試料B1〜B3を調製した。
各比較例の組成物の組成及び評価結果を、あわせて表2に示す。
<硬化物の評価>
硬化物は、密着性、反り性、可撓性、耐めっき性、ハンダ耐熱性及び長期信頼性について、以下のようにして評価を行った。
〔密着性〕
試料を、#100メッシュポリエステル版で、75μm厚ポリイミドフィルム〔カプトン(登録商標)300H、東レ・デュポン(株)製〕にスクリーン印刷により塗布した。印刷後のフィルムを150℃で1時間熱硬化した。熱硬化後のフィルムについてJISK5600に従ってクロスカット試験を行った。
〔反り性〕
試料を、#100メッシュポリエステル版で、25μm厚ポリイミドフィルム〔カプトン(登録商標)300H、東レ・デュポン(株)製〕にスクリーン印刷により塗布した。印刷後のフィルムを150℃で1時間熱硬化した。熱硬化後のフィルムを直径50mmの円形に切り出し、印刷面を上にして置いて以下の基準で評価した。
○:最大の反り高さが5mm未満
×:最大の反り高さが5mm以上
〔可撓性〕
試料を、#100メッシュポリエステル版で、基板にスクリーン印刷により塗布し、150℃で1時間熱硬化した。基板は25μm厚ポリイミドフィルム〔カプトン(登録商標)100H、東レ・デュポン(株)製〕を用いた。ソルダーレジストインキを塗布・熱硬化したポリイミドフィルムを、塗布面を外側に180°に折り曲げて硬化膜の白化の有無を調べた。以下の基準で可撓性を評価した。
○:硬化膜の白化なし
×:硬化膜が白化、もしくは亀裂が生じる。
〔耐めっき性〕
銅箔(厚さ35μm)片面積層ポリイミドフィルム(厚さ50μm)からなるプリント基板〔ユピセル(登録商標)N、宇部興産(株)製〕を酸性脱脂剤AC−401で洗浄し、水洗後、70℃で3分間乾燥したものに、試料を#100メッシュポリエステル版でスクリーン印刷により塗布した。これを、150℃で1時間熱硬化し、水洗した後、23℃の酸脱脂剤ICPクリーン91に1分間浸漬し、水洗して23℃の10%硫酸水溶液に1分
間浸漬した後水洗した。洗浄後の基板を70℃の錫めっき液(TINPOSIT LT−34、ロームアンドハース社製)に3分間浸漬し、水洗した後70℃の温水に3分間浸漬した。めっき後の基板を120℃で2時間熱処理した後、硬化膜を目視で観察し、以下の基準で耐めっき性を評価した。
○:硬化膜の変色、めっきもぐりこみともになし
△:メッキ潜り込みはあるが、硬化膜の変色ばなし
×:硬化膜の変色またはめっきもぐりこみあり
〔ハンダ耐熱性〕
JIS・C−6481の試験法に準じて、試料を#100メッシュポリエステル版でスクリーン印刷により塗布し、150℃で1時間熱硬化した。基板は銅箔(厚さ35μm)片面積層ポリイミドフィルム(厚さ50μm)からなるプリント基板〔ユピセル(登録商標)N、宇部興産(株)製〕を1%硫酸水溶液で洗浄し、水洗後、空気流で乾燥したものを使用した。試料を塗布・熱硬化した基板を260℃のハンダ浴に10秒間フロートさせ、硬化膜を目視で観察し、以下の基準でハンダ耐熱性を評価した。
○:硬化膜のフクレ、ハンダもぐりこみともになし
×:硬化膜のフクレまたはハンダもぐりこみあり
〔長期信頼性〕
市販の基板(IPC規格)のIPC−C(櫛型パターン)上に、試料を#100メッシュポリエステル版でスクリーン印刷により塗布し、150℃で1時間熱硬化した。その基板を85℃、相対湿度85%の雰囲気下において100Vのバイアス電圧を印加して1000時間放置し、以下の基準で電気絶縁性を評価した。
○:マイグレーション、絶縁抵抗値の低下ともになし
△:500〜1000時間でマイグレーションまたは絶縁抵抗値の低下あり
×:500時間以下でマイグレーションまたは絶縁抵抗値の低下あり
Figure 2007084652
Figure 2007084652
以上のように、本発明によれば、基材との密着性、低反り性、可撓性、耐めっき性、はんだ耐熱性、高温高湿時の長期信頼性に優れた硬化物を形成可能なポリカーボネートを含有する熱硬化性樹脂組成物、および該熱硬化性樹脂組成物を含有するフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物を提供できる。

Claims (7)

  1. (A)(1)数平均分子量が500〜10,000であり、
    (2)骨格中に炭素数が8以上18以下のアルキレン基を有し、
    (3)両末端に水酸基を有する
    ポリカーボネートジオール、および
    (X)ポリウレタンポリイソシアネート
    を含むフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
  2. 前記(X)成分が、数平均分子量が1,000〜20,000で、1分子当たり2〜10個イソシアネート基を有するポリウレタンポリイソシアネート(Xa)であり、
    組成物中のポリウレタンポリイソシアネート(Xa)の量が、ポリカーボネートジオールの総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
  3. 前記組成物が、(A)および(Xa)とともに、さらに、
    (B)数平均分子量が3,000〜30,000で、(A)成分を骨格の一部に含有するポリカーボネートジオールを含み、
    (A)および(B)の質量比が、固形分換算で(A):(B)が40:60〜90:10の範囲にあり、
    ポリウレタンポリイソシアネート(Xa)の量が、(A)および(B)の総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数の範囲にあることを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
  4. 前記組成物が、(A)、(B)および(Xa)とともに、さらに、
    (C)数平均分子量が200〜600で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有するポリオールを含み、
    (B)および(C)の質量比が、固形分換算で(B):(C)が90:10〜50:50の範囲にあり、
    ポリウレタンポリイソシアネート(Xa)の量が、(A),(B)および(C)の総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
  5. 前記ポリカーボネートジオール(A)の骨格を構成するアルキレン基のうちの少なくとも一部が炭素数9のアルキレン基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
  6. 前記炭素数9のアルキレン基が、−CH2−CH(CH3)−(CH2)6−および/または−(CH2)9−で表されるアルキレン基であることを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のオーバーコート用樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
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