JP2007084652A - オーバーコート用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)(1)数平均分子量が500〜10,000であり、(2)骨格中に炭素数が8以上18以下のアルキレン基を有し、(3)両末端に水酸基を有する ポリカーボネートジオール、および(X)ポリウレタンポリイソシアネート を含むフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。前記(X)成分が、数平均分子量が1,000〜20,000で、1分子当たり2〜10個イソシアネート基を有するポリウレタンポリイソシアネート(Xa)であり、組成物中のポリウレタンポリイソシアネート(Xa)の量が、ポリカーボネートジオールの総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数の範囲にある。
【選択図】 なし
Description
例えば、特開2004−137370号公報(特許文献1)には、炭素数1−18のジオールを原料とするポリカーボネートジオールとジイソシアネート化合物とを反応させて得られた両末端ジイソシアネートポリウレタンとトリメリット酸とを反応させたポリアミドイミド樹脂が開示されている。
[1](A)(1)数平均分子量が500〜10,000であり、
(2)骨格中に炭素数が8以上18以下のアルキレン基を有し、
(3)両末端に水酸基を有する
ポリカーボネートジオール、および
(X)ポリウレタンポリイソシアネート
を含むフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
[2]前記(X)成分が、数平均分子量が1,000〜20,000で、1分子当たり2〜10個イソシアネート基を有するポリウレタンポリイソシアネート(Xa)であり、
組成物中のポリウレタンポリイソシアネート(Xa)の量が、ポリカーボネートジオールの総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数の範囲にある[1]のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
[3]前記組成物が、(A)および(Xa)とともに、さらに、
(B)数平均分子量が3,000〜30,000で、(A)成分を骨格の一部に含有するポリカーボネートジオールを含み、
(A)および(B)の質量比が、固形分換算で(A):(B)が40:60〜90:10の範囲にあり、
ポリウレタンポリイソシアネート(Xa)の量が、(A)および(B)の総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数の範囲にある[2]に記載のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
[4]前記組成物が、(A)、(B)および(Xa)とともに、さらに、
(C)数平均分子量が200〜600で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有するポリオールを含み、
(B)および(C)の質量比が、固形分換算で(B):(C)が90:10〜50:50の範囲にあり、
ポリウレタンポリイソシアネート(Xa)の量が、(A),(B)および(C)の総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数の範囲にある[3]のフレキシブル回路オー
バーコート用樹脂組成物。
[5]前記ポリカーボネートジオール(A)の骨格を構成するアルキレン基のうちの少なくとも一部が炭素数9のアルキレン基である[1]〜[4]のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
[6]前記炭素数9のアルキレン基が、−CH2−CH(CH3)−(CH2)6−および/または−(CH2)9−で表されるアルキレン基である[5]のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
[7][1]〜[6]のオーバーコート用樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
本発明に係るフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物は、(A)ポリカーボネートジオール、および(X)ポリウレタンポリイソシアネートを含む。
(A)ポリカーボネートジオール
本発明で使用されるポリカーボネートジオールは、
(1)数平均分量が500〜10,000であり、
(2)骨格中に炭素数が8以上18以下のアルキレン基を有し、
(3)両末端に水酸基を有する。
H2)6−および/または−(CH2)9−で表されるアルキレン基の場合により顕著となるの
で、本発明のより好適な態様としてはかかるこれらのアルキレン基を含むことが望ましい。
ポリカーボネートジオール(A)としては、数平均分子量が500〜10,000で、骨格中に炭素数が8以上18以下のアルキレン基を有し、両末端に水酸基を有するものであればどのようなものでも良く、例えば、「クラレポリオールC−1065N」、「クラレポリオールC−1015N」「クラレポリオールC−2065N」「クラレポリオールC−2015N」(いずれも株式会社クラレ製)などの既存製品があげられるが、この限りではない。
(X)ポリウレタンポリイソシアネート
ポリウレタンポリイソシアネート(X)は、耐熱性や耐薬品性などのような高い架橋密度で得られる特性と、可撓性、低収縮性などのような低い架橋密度で得られる特性の両方をバランス良く付与させることができる。
ル、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンポリオール等の市販ポリオールの少なくとも1種類を多価アルコールのモル数に対し0.2〜2倍モル数反応させてポリウレタンポリイソシアネートとしたものやそのブロック体でもよい。ジイソシアネート類としては例えば、ジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、3,2′−又は3,3′−又は4,2′−又は4,3′−又は5,2′−又は5,3′−又は6,2′−又は6,3′−ジメチルジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、3,2′−又は3,3′−又は4,2′−又は4,3′−又は5,2′−又は5,3′−又は6,2′−又は6,3′−ジエチルジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、3,2′−又は3,3′−又は4,2′−又は4,3′−又は5,2′−又は5,3′−又は6,2′−又は6,3′−ジメトキシジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,3′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,4′−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4′−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート、4,4′−[2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン]ジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネートを使用することが好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式イソシアネートを用いてもよい。
本発明では、より塗膜の可撓性や硬化時の反りを小さくするためには、組成物中にポリカーボネートジオール(B)が含まれていてもよく、ポリカーボネートジオール(B)が含まれていると、架橋密度を低下させることが可能となり、可撓性向上や硬化時の低収縮性な
どの特性を大きくすることが可能となる。
ンポリイソシアネートの項で述べたジイソシアネート類のジイソシアネートを除いた残基を示す。)
ポリオール(C)
ポリオール(C)としては、数平均分子量が200〜600、好適には250〜500
で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有するポリオール(C)は架橋密度を高め、耐熱性や耐薬品性を向上させる役割を果たす。
において(B):(C)=90:10〜50:50、好ましくは(85:15)〜(50:50)の範囲で混合して用いるのが望ましい。この範囲よりもポリオール(C)が少ない場合は、架橋密度が低くなり、塗膜の耐熱性、耐薬品性などの特性が低下することがあり、ポリオール(C)が多い場合は、架橋密度が高くなり、塗膜の柔軟性が低下したり、硬化時の収縮が大きくなったりすることがある。
本発明に用いられる樹脂成分(ポリカーボネートジオール(B)、ポリウレタンポリイソシアネート(Xa))などを調製する反応は、有機溶媒、好ましくは非含窒素系極性溶媒の存在下に加熱縮合させることにより行うことができる。上記非含窒素系極性溶媒としてはエーテル系溶媒、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、含硫黄系溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン、エステル系溶媒、例えば、γ−ブチロラクトン、酢酸セロソルブ、ケトン系溶媒、例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、芳香族炭化水素系溶媒、例えば、トルエン、キシレン、イプゾール150(出光石油化学株式会社製、炭素数10の芳香族系溶媒)等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上組み合わせて使用することができ、生成する樹脂を溶解する溶剤を選択して使用するのが好ましく、合成後、そのままペーストの溶媒として好適なものを使用することが好ましい。高揮発性であって、低温硬化性を付与でき、かつ効率良く均一系で反応を行うためには、γ−ブチロラクトン、酢酸セロソルブ、及びイプゾール150が好ましい。
),(C)および(X)、(Xa)の総量は、組成物の塗工性、ハンドリング性、塗膜の厚さ
に応じて適宜選択されるが、通常、組成物中、(20)〜100質量%、好ましくは(30)〜(90)質量%の範囲にあることが望ましい。
本発明の硬化物は、上記オーバーコート用樹脂組成物を硬化させてなる。
このような硬化物は、フレキシブル配線回路の表面保護膜として好適である。硬化物は、オーバーコート用樹脂組成物を、プリント基板などのカバーレイフィルム(ポリイミドフィルムなど)表面に塗布した後、加熱したり、赤外線を照射して硬化させればよい。加熱温度としては特に制限されるものではなく、通常(80)〜(200)℃の温度範囲で行われるがこの限りではない。
[実施例]
以下、本発明に用いられるポリオールとポリウレタンポリイソシアネートの製造例及び、本発明の実施例を比較例とともに以下に挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例、比較例に限定されるものではない。
<樹脂(Xa−1)の製造>
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットルの反応容器にγ−ブチロラ
クトン165g、トリメチロールプロパン33g、及びT−80(三井武田ケミカル株式会社製トリレンジイソシアネートの商品名、原料ジイソシアネートモル比:2,4−トリレンジイソシアネート:2,6−トリレンジイソシアネート=80:20))132gを仕込み、徐々に120℃まで昇温し、以後3時間その温度で反応を続けた。3時間後のGPC測定で溶媒を除いたT−80の面積百分率は約3%であった。
レポリオールC−1015N(株式会社クラレ製ポリカーボネートジオールの商品名、原料ジオールモル比:1,9−ノナンジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール=15:85、数平均分子量約1000)92.5gを、反応温度を80℃に保持しつつ1時間かけて滴下し、以後80℃で4時間付加反応を行った。更に80℃に保持しながら、メチルエチルケトオキシム(分子量87.12)63.2gを2時間かけて滴下し、更に1時間反応を続けこの時点でFT−IRより2,250cm-1のNCOピークの消失が確認され、樹脂(Xa−1)を得た。樹脂樹脂(Xa−1)の性状はMn=約3,200、固形分=57質量%であった。
<樹脂(Xa−2)の製造>
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットルの反応容器にγ−ブチロラクトン295g、トリメチロールプロパン33g、及びT−80(三井武田ケミカル株式会社製トリレンジイソシアネートの商品名、原料ジイソシアネートモル比:2,4−トリレンジイソシアネート:2,6−トリレンジイソシアネート=80:20))132gを仕込み、徐々に120℃まで昇温し、以後3時間その温度で反応を続けた。3時間後のGPC測定で溶媒をのぞいたT−80の面積百分率は約4%であった。
ラレポリオールC−2015N(株式会社クラレ製ポリカーボネートジオールの商品名、原料ジオールモル比:1,9−ノナンジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール=15:85、数平均分子量約2000)186gを、反応温度を80℃に保持しつつ1時間かけて滴下し、以後80℃で4時間付加反応を行った。更に80℃に保持しながら、メチルエチルケトオキシム(分子量87.12)63.2gを2時間かけて滴下し、更に1時間反応を続けこの時点でFT−IRより2,250cm-1のNCOピークの消失が確認され、樹脂(Xa−1)を得た。樹脂樹脂(Xa−2)の性状はMn=約4,800、固形分=50質量%であった。
<樹脂(Xa−C)の製造>
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットルの反応容器にγ−ブチロラクトン165g、トリメチロールプロパン33g、及びT−80(三井武田ケミカル株式会社製トリレンジイソシアネートの商品名、原料ジイソシアネートモル比:2,4−トリレンジイソシアネート:2,6−トリレンジイソシアネート=80:20))132gを仕込み、徐々に120℃まで昇温し、以後3時間その温度で反応を続けた。
<樹脂(B−1)の製造>
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた2リットルの反応容器にγ−ブチロラクトン591g、クラレポリオールC−1015N(株式会社クラレ製ポリカーボネートジオールの商品名、原料ジオールモル比:1,9−ノナンジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール=15:85、数平均分子量約1000)667gを投入混合し均一に溶解させた。均一になったところで140℃に昇温し、更に撹拌しながら、T−80(三井武田ケミカル株式会社製トリレンジイソシアネートの商品名、原料ジイソシアネートモル比:2,4−トリレンジイソシアネート:2,6−トリレンジイソシアネート=80:20))97.8gを2時間かけて滴下し、更に3時間保持しこの時点でFT−IRより2,250cm-1のNCOピークの消失が確認され、樹脂(B−1)を得た。樹脂(B−1)の性状:Mn=約8,000、固形分=57質量%であった。
<樹脂(B−2)の製造>
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた2リットルの反応容器にγ−ブチロラクトン766g、クラレポリオールC−2015N(株式会社クラレ製ポリカーボネートジオールの商品名、原料ジオールモル比:1,9−ノナンジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール=15:85、数平均分子量約2000)667gを投入混合し均一に溶解させた。
<樹脂(B−C)の製造>
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた2リットルの反応容器にγ−ブチロラクトン766g、クラレポリオールC−2090(株式会社クラレ製ポリカーボネートジオールの商品名、原料ジオールモル比:3−メチル−1,5−ペンタンジオール:1,6−ヘキサンジオール=90:10、数平均分子量約2000)667gを投入混合し均一に溶解させた。均一になったところで140℃に昇温し、更に撹拌しながら、T−80(三井武田ケミカル株式会社製トリレンジイソシアネートの商品名、原料ジイソシアネートモル比:2,4−トリレンジイソシアネート:2,6−トリレンジイソシアネート=80:20))49gを2時間かけて滴下し、更に3時間保持しこの時点でFT−IRより2,250cm-1のNCOピークの消失が確認され、樹脂(B−C)を得た。樹脂(B−C)の性状:Mn=約12,000、固形分=48質量%であった。
<ポリカーボネートジオール(A)>
・「クラレポリオールC−1015N」(株式会社クラレ製、Mn=約1,000、固形分100質量%)
<ポリカーボネートジオール(A’)>
・「クラレポリオールC−2015N」(株式会社クラレ製、Mn=2,000、固形分100質量%)
<ポリカーボネートジオール(A”)>
・「クラレポリオールC−2090」(株式会社クラレ製、Mn=2,000、固形分100質量%)
<ポリオール(C)>
・「プラクセル303」(ダイセル化学工業株式会社製、分子量300、固形分100質量%)
実施例1〜6
<硬化性樹脂組成物の調製>
前記のポリカーボネートジオール(A)、(A')、樹脂(B−1)、(B−2)、お
よび樹脂(C)、並びに、ポリイソシアネート(Xa−1)、(Xa−2)を適宜配合し、更にその他の成分として、ダレ防止剤として「アエロジルR974」(日本アエロジル株式会社製シリカ微粒子の商品名、1次粒子平均径12nm、表面積170m2/g)、
消泡剤としてBYK−051(ビックケミー・ジャパン株式会社製)、3本ロールを用いて混練りして、試料A1〜A6を調製した。
比較例1〜3
<硬化性樹脂組成物の調製>
前記のポリカーボネートジオール(A”)、樹脂(B−C)、および樹脂(C)、並びに、ポリイソシアネート(Xa−C)を適宜配合し、更にその他の成分として、ダレ防止剤として「アエロジルR974」(日本アエロジル株式会社製シリカ微粒子の商品名、1次粒子平均径12nm、表面積170m2/g)、消泡剤としてBYK−051(ビック
ケミー・ジャパン株式会社製)、そして粘度調整溶剤としてγ−ブチロラクトンを配合ごとに適量加えて混合し、3本ロールを用いて混練りして、試料B1〜B3を調製した。
<硬化物の評価>
硬化物は、密着性、反り性、可撓性、耐めっき性、ハンダ耐熱性及び長期信頼性について、以下のようにして評価を行った。
〔密着性〕
試料を、#100メッシュポリエステル版で、75μm厚ポリイミドフィルム〔カプトン(登録商標)300H、東レ・デュポン(株)製〕にスクリーン印刷により塗布した。印刷後のフィルムを150℃で1時間熱硬化した。熱硬化後のフィルムについてJISK5600に従ってクロスカット試験を行った。
試料を、#100メッシュポリエステル版で、25μm厚ポリイミドフィルム〔カプトン(登録商標)300H、東レ・デュポン(株)製〕にスクリーン印刷により塗布した。印刷後のフィルムを150℃で1時間熱硬化した。熱硬化後のフィルムを直径50mmの円形に切り出し、印刷面を上にして置いて以下の基準で評価した。
×:最大の反り高さが5mm以上
〔可撓性〕
試料を、#100メッシュポリエステル版で、基板にスクリーン印刷により塗布し、150℃で1時間熱硬化した。基板は25μm厚ポリイミドフィルム〔カプトン(登録商標)100H、東レ・デュポン(株)製〕を用いた。ソルダーレジストインキを塗布・熱硬化したポリイミドフィルムを、塗布面を外側に180°に折り曲げて硬化膜の白化の有無を調べた。以下の基準で可撓性を評価した。
×:硬化膜が白化、もしくは亀裂が生じる。
〔耐めっき性〕
銅箔(厚さ35μm)片面積層ポリイミドフィルム(厚さ50μm)からなるプリント基板〔ユピセル(登録商標)N、宇部興産(株)製〕を酸性脱脂剤AC−401で洗浄し、水洗後、70℃で3分間乾燥したものに、試料を#100メッシュポリエステル版でスクリーン印刷により塗布した。これを、150℃で1時間熱硬化し、水洗した後、23℃の酸脱脂剤ICPクリーン91に1分間浸漬し、水洗して23℃の10%硫酸水溶液に1分
間浸漬した後水洗した。洗浄後の基板を70℃の錫めっき液(TINPOSIT LT−34、ロームアンドハース社製)に3分間浸漬し、水洗した後70℃の温水に3分間浸漬した。めっき後の基板を120℃で2時間熱処理した後、硬化膜を目視で観察し、以下の基準で耐めっき性を評価した。
△:メッキ潜り込みはあるが、硬化膜の変色ばなし
×:硬化膜の変色またはめっきもぐりこみあり
JIS・C−6481の試験法に準じて、試料を#100メッシュポリエステル版でスクリーン印刷により塗布し、150℃で1時間熱硬化した。基板は銅箔(厚さ35μm)片面積層ポリイミドフィルム(厚さ50μm)からなるプリント基板〔ユピセル(登録商標)N、宇部興産(株)製〕を1%硫酸水溶液で洗浄し、水洗後、空気流で乾燥したものを使用した。試料を塗布・熱硬化した基板を260℃のハンダ浴に10秒間フロートさせ、硬化膜を目視で観察し、以下の基準でハンダ耐熱性を評価した。
×:硬化膜のフクレまたはハンダもぐりこみあり
〔長期信頼性〕
市販の基板(IPC規格)のIPC−C(櫛型パターン)上に、試料を#100メッシュポリエステル版でスクリーン印刷により塗布し、150℃で1時間熱硬化した。その基板を85℃、相対湿度85%の雰囲気下において100Vのバイアス電圧を印加して1000時間放置し、以下の基準で電気絶縁性を評価した。
△:500〜1000時間でマイグレーションまたは絶縁抵抗値の低下あり
×:500時間以下でマイグレーションまたは絶縁抵抗値の低下あり
Claims (7)
- (A)(1)数平均分子量が500〜10,000であり、
(2)骨格中に炭素数が8以上18以下のアルキレン基を有し、
(3)両末端に水酸基を有する
ポリカーボネートジオール、および
(X)ポリウレタンポリイソシアネート
を含むフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。 - 前記(X)成分が、数平均分子量が1,000〜20,000で、1分子当たり2〜10個イソシアネート基を有するポリウレタンポリイソシアネート(Xa)であり、
組成物中のポリウレタンポリイソシアネート(Xa)の量が、ポリカーボネートジオールの総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。 - 前記組成物が、(A)および(Xa)とともに、さらに、
(B)数平均分子量が3,000〜30,000で、(A)成分を骨格の一部に含有するポリカーボネートジオールを含み、
(A)および(B)の質量比が、固形分換算で(A):(B)が40:60〜90:10の範囲にあり、
ポリウレタンポリイソシアネート(Xa)の量が、(A)および(B)の総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数の範囲にあることを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。 - 前記組成物が、(A)、(B)および(Xa)とともに、さらに、
(C)数平均分子量が200〜600で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有するポリオールを含み、
(B)および(C)の質量比が、固形分換算で(B):(C)が90:10〜50:50の範囲にあり、
ポリウレタンポリイソシアネート(Xa)の量が、(A),(B)および(C)の総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。 - 前記ポリカーボネートジオール(A)の骨格を構成するアルキレン基のうちの少なくとも一部が炭素数9のアルキレン基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
- 前記炭素数9のアルキレン基が、−CH2−CH(CH3)−(CH2)6−および/または−(CH2)9−で表されるアルキレン基であることを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のオーバーコート用樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
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