JPH0770501A - インク組成物およびそれを用いた回路被膜 - Google Patents

インク組成物およびそれを用いた回路被膜

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JPH0770501A
JPH0770501A JP24203393A JP24203393A JPH0770501A JP H0770501 A JPH0770501 A JP H0770501A JP 24203393 A JP24203393 A JP 24203393A JP 24203393 A JP24203393 A JP 24203393A JP H0770501 A JPH0770501 A JP H0770501A
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JP
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polyisocyanate
component
ink composition
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JP24203393A
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Hitoshi Yano
仁志 矢野
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/22Secondary treatment of printed circuits
    • H05K3/28Applying non-metallic protective coatings

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  • Paints Or Removers (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高濃度でかつ貯蔵安定性に優れ、印刷性、可
撓性、耐熱性、密着性、電気絶縁性、耐薬品性およびフ
レキシブル回路基板等に使用した時の耐カール性に優れ
たインク組成物およびそれを用いた回路被膜を提供する
ことである。 【構成】 特定のブロック化ポリウレタンとブロック化
ポリイソシアネートとエポキシ樹脂および硬化触媒とを
主成分とし、これらの各成分をそれぞれ特定の比率で配
合することにより得られるインク組成物およびそれを用
いた回路被膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク組成物およびそ
れを用いた回路被膜に関し、特に、高濃度でかつ貯蔵安
定性に優れ、印刷性、可撓性、耐熱性、密着性、電気絶
縁性、耐薬品性およびフレキシブルプリント回路基板に
応用した時の耐カール性に優れたインク組成物およびそ
れを用いた回路被膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、回路基板の絶縁保護被膜とし
て、ポリイミドもしくはポリエステルのカバーフイルム
が用いられている。このようなカバーフィルムは、該フ
ィルムの片面に接着剤を塗布し、端子接続にあたる部分
のみをパンチング等の方法で穴を開け、手作業により、
該フィルムを被覆する回路基板の上に位置合わせしなが
ら重ねた後、熱板プレス等により高温、高圧下で接着し
て、回路基板をポリマー膜により被覆・保護する方法に
用いられている。
【0003】このような被覆材料は、可撓性に優れてい
ることより、回路保護の面からは有利な材料である。し
かし、反面、回路基板上の配線端子をリードする時、予
めカバーフイルムを打ち抜き、小穴を開ける必要がある
ため、用いる回路が複雑になると、該カバーフィルムと
基板上の配線との位置合わせが難しくなるという欠点を
有している。また、熱板プレス等の設備費が高く、接着
剤を使用しなくてはならないため、打ち抜き加工の時に
スミアが発生し易く、コスト高となる。さらに、プレス
時に接着剤のにじみ出しの発生する恐れがあるという欠
点も有している。
【0004】また、このような方法を用いて回路基板を
機能性の優れたカバーフィルムで被覆したとても、回路
基板とカバーフィルムとを接着剤を介して接着している
限り、用いる接着剤の性能の影響を受ける。そして、結
果として、被膜の耐熱性、電気絶縁性を低下させるのが
現状であった。
【0005】このような欠点に対し、印刷法により回路
基板上に絶縁保護被膜を形成させる方法(以下、カバー
レーインク法と言う。)が開発されている。もともと、
カバーレーインク法は、厚くて堅い回路基板に使用され
ているソルダーレジスト法を応用したものであるが、こ
の方法を用いて得られる被膜は、可撓性、耐熱性、電気
絶縁性、回路基板に対する密着性に乏しく、フレキシブ
ルプリント回路基板(以下、FPC基板と言う。)のよ
うな薄い回路基板に使用すると、回路基板と被膜との熱
膨張率の差や被膜の硬化収縮によりFPC基板が反り曲
がってしまう(以下、カールと言う。)という現象が発
生する。また、カバーレーインク法に用いる組成物(以
下、カバーレーインクと言う。)は、反応性が速いため
二液型とされているものも多く、取扱が煩雑であり、二
液を混合してからの可使時間が短く、貯蔵安定性に劣る
という問題があった。
【0006】カバーレーインクを用いる例として、特開
昭55−145717号公報には、エポキシアクリレー
ト樹脂とメラミン樹脂から成る組成物が開示されてい
る。しかし、これらより得られる被膜は、可撓性に乏し
いという欠点があった。また、特公昭50−4395号
公報や特公昭53−10636号公報には、スルホメチ
レンアクリレート、リン酸エチレンアクリレート等のア
クリル系樹脂組成物が開示されているが、これにより得
られる被膜は耐熱性が著しく劣るものであった。
【0007】特開昭63−221172号公報には、ポ
リアミノビスマレイミド、エポキシ樹脂を主成分とする
組成物が、特開平1−121364号公報には、ポリイ
ミドを主成分とする組成物が、特開平1−256515
号公報には、ポリパラバン酸、エポキシ樹脂を主成分と
する組成物が、それぞれ開示されているが、これらは何
れも硬化時の収縮率が大きいので、回路基板に対して、
硬化被膜の収縮率が著しく大きくなるため、このような
組成物を用いて、FPC基板にカバーレーインク被膜を
形成させたり、得られた成形物に高熱を与えたりした時
に、著しいカールが生じる。
【0008】特開平2−283762号公報には、ポリ
イミドと低弾性樹脂を主成分とするポリイミド系樹脂組
成物の開示があり、カールの生じ難いカバーレーインク
被膜の形成に成功している。しかし、該組成物は、分子
量の非常に大きいものなので、カバーレーインク法に使
用するには、多量の溶剤で希釈する必要がある。その結
果、該組成物の不揮発分濃度(樹脂濃度)は低くなり、
実用的な厚みのカバーレーインク被膜を得るためには、
多数回の上塗り印刷が必須となり、生産効率・作業効率
が悪化する。また、該組成物を硬化させるには、極めて
高い温度が必要となり、回路基板の導体箔が酸化した
り、あるいは特殊な硬化炉を必要とする等の技術的・コ
スト的な問題を有している。
【0009】一般的なコーティング材料として、ブロッ
ク化ポリイソシアネートとエポキシ樹脂を併用した樹脂
組成物に関する特許もある(特開平2−229872号
公報)。しかし、この組成物を用いた被膜は、可撓性に
乏しく、FPC基板にカバーレー皮膜を形成させるとカ
ールが生じるという欠点を有している。また、特開平4
−335074号公報には、ブロック化ポリウレタンと
ポリオールとから成る可撓性と耐候性に優れた組成物が
開示されている。しかし、この組成物は、硬化性、相溶
性に劣り、該組成物を用いた被膜は、耐熱性、耐薬品
性、電気絶縁性、表面平滑性等の回路基板用の被膜とし
て必要な各物性面で満足のゆくものではなかった。
【0010】
【発明を解決するための課題】本発明の目的は、上述の
問題点を解決することであり、高濃度でかつ貯蔵安定性
に優れ、印刷性、可撓性、耐熱性、密着性、電気絶縁
性、耐薬品性およびFPC基板等に使用した時の耐カー
ル性を向上させたインク組成物およびそれを用いた回路
被膜を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の問題
点を改善するため鋭意検討した結果、これらの性質は、
特定のブロック化ポリウレタンとブロック化ポリイソシ
アネートとエポキシ樹脂および硬化触媒とを、それぞれ
特定の比率で配合することにより、著しく改善されるこ
とを見出した。また、この組成物を、FPC基板のよう
な回路基板の被覆材料として使用することにより、従来
にない極めて優れた特性を有する回路基板保護被膜が得
られることを見出し、本発明を完成した。
【0012】本発明は、下記の構成を有する。 (1)ブロック化ポリウレタン(A)、ブロック化ポリ
イソシアネート(B)、エポキシ樹脂(C)および硬化
触媒(D)を主たる成分とする組成物において、成分
(A)は、ポリイソシアネートと平均分子量500〜
5,000のポリオールおよびブロック剤から構成され
ており、該ポリオールの有するヒドロキシル基当量
(イ)100に対し、ポリイソシアネートの有するイソ
シアネート基当量(ロ)が110〜400となり、か
つ、ブロック剤の有する活性水素当量(ハ)が、ポリイ
ソシアネートのイソシアネート基当量からポリオールの
ヒドロキシル基当量を差し引いた当量[(ロ)−
(イ)]に対し、1.0〜1.2倍の当量比となるよう
に、各々調整されて、合成されたものであり、ブロック
化ポリイソシアネート(B)は、ポリイソシアネートと
ブロック剤から構成されており、ブロック剤の有する活
性水素当量(ニ)が、ポリイソシアネートのイソシアネ
ート基当量(ホ)に対し、1.0〜1.2倍の当量比と
なるように、各々調整されて、合成されたものであり、
これら成分(A)、(B)、(C)、(D)の混合比率
が、成分(A)100重量部に対し、成分(B)は、1
0〜200重量部であり、成分(C)は、成分(A)お
よび成分(B)中のブロック剤によってマスクされたイ
ソシアネート基当量の和[(ロ)−(イ)+(ホ)]が
100に対し、成分(C)の有するエポキシ基当量が1
0〜100の範囲となる量であり、成分(D)は、成分
(A)と成分(B)と成分(C)の合計量100重量部
に対し、0.01〜3.0重量部であるインク組成物。 (2)成分(A)、(B)、(C)、(D)の混合比率
が、成分(A)100重量部に対し、成分(B)は、2
5〜100重量部であり、成分(C)は、成分(A)お
よび成分(B)中のブロック剤によってマスクされたイ
ソシアネート基当量の和[(ロ)−(イ)+(ホ)]が
100に対し、成分(C)の有するエポキシ基当量が2
0〜80の範囲となる量であり、成分(D)は、成分
(A)と成分(B)と成分(C)の合計量100重量部
に対し、0.05〜2.0重量部である前記第(1)項
記載のインク組成物。 (3)ブロック化ポリウレタン(A)を構成するポリオ
ールが、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポ
リオール、ポリエーテルポリオール、ポリシロキサンポ
リオール、脂肪族炭化水素ポリオール、ポリアミドポリ
オールおよびこれらの共重合体の中から選ばれた1つあ
るいは2以上の混合物である前記第(1)項および第
(2)項記載のインク組成物。 (4)ブロック化ポリウレタン(A)を構成するポリイ
ソシアネートが、芳香族ポリイソシアネートである前記
第(1)項および第(2)項記載のインク組成物。 (5)ブロック化ポリウレタン(A)およびブロック化
ポリイソシアネート(B)を構成するブロック剤が、ヒ
ドロキシル基、モノ置換アミド基、活性メチレン基およ
びイミダゾール基を有する化合物である前記第(1)項
および第(2)項記載のインク組成物。 (6)ブロック剤が、第2アルコールである前記第
(5)項記載のインク組成物。 (7)ブロック化ポリイソシアネート(B)を構成する
ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネートであ
る前記第(1)項および第(2)項記載のインク組成
物。 (8)硬化触媒(D)が、有機金属化合物、イミダゾー
ル類、3級アミンの中から選ばれた1つあるいは2以上
の混合物である前記第(1)項および第(2)項記載の
インク組成物。 (9)硬化触媒(D)が、ジ−n−ブチル錫ジカルボン
酸エステルである前記第(8)項記載のインク組成物。 (10)前記第(1)項および第(2)項記載のインク
組成物を用いた回路被膜。
【0013】本発明のインク組成物の必須成分であるブ
ロック化ポリウレタン(A)は、ポリオールに過剰のポ
リイソシアネートを反応させた化合物のイソシアネート
末端を、ブロック剤でマスクしたものである。そして、
ブロック化ポリウレタン(A)を構成するポリオールと
は、分子中に2個以上の水酸基を有し、平均分子量50
0〜5,000の化合物である。平均分子量が500未
満の場合には、皮膜の可撓性や皮膜を形成したFPC基
板のフラット性(以下、耐カール性と言う。)を損なう
恐れがある。また、平均分子量が5,000を越える
と、皮膜の硬化性や耐熱性、耐薬品性等を損なう恐れが
ある。
【0014】該ポリオール化合物には、ポリエステルポ
リオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテル
ポリオール、ポリシロキサンポリオール、脂肪族炭化水
素ポリオール、ポリアミドポリオールおよびこれらの構
成成分の共重合体等を挙げることができる。これらは単
独で用いても良く、2種類以上を組み合わせた混合物と
して用いても良い。
【0015】ポリエステルポリオールの具体例として
は、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、
マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等
のカルボン酸の1種または2種以上の混合物と、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ジグ
リセロール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロール
プロパン、ビスフェノールA等のポリオールの1種また
は2種以上の混合物との縮合重合反応により得られるポ
リエステルポリオールおよび、β−メチル−δ−バレロ
ラクトンやε−カプロラクトンをポリオールで開環重合
させて得られるようなポリラクトンポリオール等が挙げ
られる。
【0016】ポリカーボネートポリオールの具体例とし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセ
ロール、ジグリセロール、ネオペンチルグリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
トリメチロールプロパン、ビスフェノールA等のポリオ
ールの1種または2種以上の混合物を原料に、常法によ
り得られるものが挙げられる。
【0017】ポリエーテルポリオールの具体例として
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0018】ポリシロキサンポリオールの具体例として
は、分子鎖末端が水酸基であるジメチルポリシロキサン
等が挙げられる。
【0019】脂肪族炭化水素ポリオールの具体例として
は、分子鎖末端および/または分子鎖内に水酸基を有す
るポリブタジエンポリオールやその水素添加物等が挙げ
られる。
【0020】ポリアミドポリオールの具体例としては、
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレ
イン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカ
ルボン酸の1種または2種以上の混合物と、エチレンジ
アミン、1,12−ドデカンジアミン等をはじめとする
炭素数2〜12の範囲の直鎖状または分鎖状の脂肪族ポ
リアミン類、イソフォロンジアミン等の脂環式ポリアミ
ン類、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香
族ポリアミン類の1種または2種以上の混合物および、
アミノアルコール、アミノフェノール類との縮合重合反
応により得られるポリアミド等が挙げられる。
【0021】これら例示したポリオールの中でも、本発
明に係るポリオールとして最適なものは、ポリエステル
ポリオールであり、市販品として容易に入手できる。例
として、ダイセル製のPlaccel(商品名)、UC
C製のNIAX PCP(商品名)、住友バイエルウレ
タン製のデスモフェン(商品名)等を挙げることができ
る。
【0022】ブロック化ポリウレタン(A)を構成する
ポリイソシアネートとは、芳香族、脂環族、脂肪族等の
ポリイソシアネートに代表される化合物であり、これら
は単独で用いても良く、2種類以上を組み合わせた混合
物として用いても良い。
【0023】芳香族ポリイソシアネートの具体例として
は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリ
レンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシア
ネート等およびこれらの誘導体(イソシアヌレートやビ
ウレット構造を持つ多量体、トリメチロールプロパン付
加物等)が挙げられる。
【0024】脂環族ポリイソシアネートの具体例として
は、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソ
シアネートメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘ
キサンジイソシアネート等およびこれらの誘導体(イソ
シアヌレートやビウレット構造を持つ多量体、トリメチ
ロールプロパン付加物等)が挙げられる。
【0025】脂肪族ポリイソシアネートの具体例として
は、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,5
−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメ
チレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘ
キサメチレン−1,6−ジイソシアネート、リジンジイ
ソシアネート等およびこれらの誘導量体(イソシアヌレ
ートやビウレット構造を持つ多量体、トリメチロールプ
ロパン付加物等)が挙げられる。
【0026】これら例示したポリイソシアネートの中で
も、本発明に係るポリイソシアネートとしては、反応性
の良さから芳香族ポリイソシアネートが好適であり、具
体的には、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
トが好ましい。
【0027】ブロック化ポリウレタン(A)およびブロ
ック化ポリイソシアネート(B)を構成するブロック剤
とは、ヒドロキシル基やモノ置換アミド基、活性メチレ
ン基、イミダゾール基等の様なイソシアネート基と反応
性を有する化合物である。これらは単独で用いても良
く、あるいは2種類以上組み合わせた混合物として用い
ても良い。ブロック剤の分子量が200以下のものを用
いると、溶剤に希釈されているブロック化ポリウレタン
(A)およびブロック化ポリイソシアネート(B)の濃
度、すなわち不揮発分濃度を高くして使用できる。好ま
しくは分子量150以下、より好ましくは分子量100
以下が良い。
【0028】ヒドロキシル基を持つ化合物としては、ア
ルコール類、フェノール類、オキシム類等が挙げられ
る。アルコール類の具体例としては、メタノール、エタ
ノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブ
タノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、1−
メトキシ−2−エタノール、1−メトキシ−2−プロパ
ノール、t−アミルアルコール、ベンジルアルコール等
が挙げられる。フェノール類としてはフェノール、o−
/m−/p−クレゾール、o−/m−/p−メトキシフ
ェノール等が挙げられる。オキシム類としては、アセト
オキシム、アセトアルドキシム、エチルメチルケトオキ
シム、シクロヘキサノンオキシム等が挙げられる。
【0029】モノ置換アミド基を持つ化合物としては、
N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、2
−ピロリドン、ε−カプロラクタム等が挙げられる。
【0030】活性メチレン基を持つ化合物としては、ア
セチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチ
ル、マロン酸ジメチル等が挙げられる。
【0031】イミダゾール基を持つ化合物としては、イ
ミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等が
挙げられる。
【0032】これら例示したブロック剤の中でも、本発
明に係るブロック剤としては、反応性、安定性、硬化性
の優れている点より、第2アルコールが好ましく、具体
的には1−メトキシ−2−プロパノールが最適である。
【0033】本発明の必須成分であるブロック化ポリウ
レタン(A)の製造方法としては、溶液重合、乳化重合
等公知の方法を採用することができる。該ブロック化ポ
リウレタン(A)の製造において、用いるポリオール、
ポリイソシアネートおよびブロック剤は、ポリオールの
有するヒドロキシル基当量(イ)100に対し、ポリイ
ソシアネートの有するイソシアネート基当量(ロ)が1
10〜400、好ましくは130〜300、より好まし
くは150〜200となるように、また、ブロック剤の
有する活性水素当量(ハ)が、ポリイソシアネートのイ
ソシアネート基当量からポリオールのヒドロキシル基当
量を差し引いた当量[(ロ)−(イ)]に対し、1.0
〜1.2倍の当量比となるなるよう、各々の化合物の混
合比率を調整しながら配合しなければならない。
【0034】ポリオール中のヒドロキシル基当量(イ)
100に対し、ポリイソシアネートの有するイソシアネ
ート基当量(ロ)が400を越えると、得られるブロッ
ク化ポリウレタン(A)に取り込まれないイソシアネー
ト基が増加し、該イソシアネート基が反応することによ
って被膜の可撓性、耐カール性等を損なう。また、11
0当量未満であると、得られるブロック化ポリウレタン
(A)が高分子量化するため粘度が上昇するので、イン
ク組成物として、塗膜処理が可能となる適正な粘度とす
るために、多量の溶剤の添加が必要となる。そして、適
正粘度に調整できたとしても、ブロック化ポリウレタン
(A)の濃度が小さくなり、所期の効果が得られなくな
る。
【0035】ブロック剤の有する活性水素当量(ハ)
が、ポリイソシアネートのイソシアネート基当量からポ
リオールのヒドロキシル基当量を差し引いた当量
[(ロ)−(イ)]に対し、1.2倍を越える当量比で
は、余剰のブロック剤がインク組成物中に析出、分離を
起こしたり、ブロック剤の蒸発により、印刷中に増粘を
起こす恐れがある。また、1.0倍より小さい当量比で
は、ブロック剤によりマスクされないイソシアネート基
が残存することとなり、保存安定性が著しく劣化し、イ
ンク組成物粘度の増加、ゲル化が避けられなくなる。
【0036】本発明のインク組成物の必須成分であるブ
ロック化ポリイソシアネート(B)は、ポリイソシアネ
ート末端を、ブロック剤でマスクしたものである。そし
て、ブロック化ポリイソシアネート(B)に用いられる
ポリイソシアネートとしては、芳香族、脂環族、脂肪族
等のポリイソシアネート等が挙げられる。これらは単独
あるいは2種類以上組み合わせた混合物であっても良
い。
【0037】芳香族ポリイソシアネートの具体例として
は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリ
レンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシア
ネート等およびこれらの誘導体(イソシアヌレートやビ
ウレット構造を持つ多量体、トリメチロールプロパン付
加物等)が挙げられる。
【0038】脂環族ポリイソシアネートの具体例として
は、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソ
シアネートメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘ
キサンジイソシアネート等およびこれらの誘導体(イソ
シアヌレートやビウレット構造を持つ多量体、トリメチ
ロールプロパン付加物等)が挙げられる。
【0039】脂肪族ポリイソシアネートの具体例として
は、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,5
−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメ
チレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘ
キサメチレン−1,6−ジイソシアネート、リジンジイ
ソシアネート等およびこれらの誘導体(イソシアヌレー
トやビウレット構造を持つ多量体、トリメチロールプロ
パン付加物等)が挙げられる。
【0040】これら例示したポリイソシアネートの中で
も、本発明に係るブロック化ポリイソシアネート(B)
としては、脂肪族イソシアネートが好ましく、具体名を
挙げると、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートお
よびその誘導体が好ましい。
【0041】本発明の必須成分であるブロック化ポリイ
ソシアネート(B)の製造方法としては、溶液重合、乳
化重合等公知の方法を採用することができる。該ブロッ
ク化ポリイソシアネート(B)の製造において、用いる
ポリイソシアネートおよびブロック剤の混合比率は、ポ
リイソシアネートのイソシアネート基当量(ホ)に対
し、ブロック剤の有する活性水素当量(ニ)を1.0〜
1.2倍のg当量比となるように、各々調整されて、合
成されたものである。ブロック剤の有する活性水素当量
(ニ)が、1.2倍を越える当量比では、余剰のブロッ
ク剤がインク組成物中に析出、分離を起こしたり、ブロ
ック剤の蒸発により、印刷中に増粘を起こす恐れがあ
る。また、1.0倍より小さい当量比では、ブロック剤
によりマスクされないイソシアネート基がブロック化ポ
リイソシアネート(B)中に残存することになり、保存
安定性が著しく劣化し、インクの増粘、ゲル化が避けら
れなくなる。
【0042】本発明のインク組成物に用いられるエポキ
シ樹脂(C)とは、分子中にエポキシ基を2個以上有す
る化合物である。エポキシ樹脂(C)としては、グリシ
ジルエーテル(ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂等)、グリシジルエステル、グリシ
ジルアミン類等、エポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ
化ポリブタジエン等が挙げられる。また、難燃性付与を
目的とし、塩素、臭素等のハロゲンや燐等の原子を熱や
水によって分解されにくい結合状態でその構造中に導入
したものでも良い。これらの化合物は、単独でも良く、
2種類以上組み合わせた混合物としても良い。
【0043】エポキシ樹脂(C)の具体例としては、ダ
ウ・ケミカル製のDEN−438(商品名)、DER6
69(商品名)、DER542(商品名)、日本化薬製
のEOCN−1025(商品名)、BREN−105
(商品名)、東都化成製のYDPN−638(商品
名)、油化シェルエポキシ製のエピコート180H(商
品名)、エピコート828(商品名)、エピコート10
01(商品名)、エピコートYX−4000(商品
名)、東都化成製のYD−128(商品名)、YDF−
165(商品名)、YDB−400(商品名)、三菱瓦
斯化学製のTETRAD−X(商品名)、住友化学製の
ELM−100(商品名)、ELM−434(商品
名)、出光石油化学製のR−15EPI(商品名)、ダ
イセル製のプラクセルG102(商品名)、東レチオコ
ール製のFLEP−60等が挙げられる。
【0044】本発明のインク組成物に用いられる硬化触
媒(D)としては、有機金属化合物、イミダゾール類や
3級アミン等を挙げることができる。これらは単独で用
いても良く、2種類以上組み合わせた混合物として用い
ても良い。
【0045】有機金属化合物としては、有機酸金属塩、
1,3−ジケトン金属錯塩、金属アルコキシド等が挙げ
られる。具体名を例示すると、有機酸金属塩としては、
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、2−
エチルヘキサン酸亜鉛等が、1,3−ジケトン金属錯塩
としては、ニッケルアセチルアセトネート、亜鉛アセチ
ルアセトネート等が、金属アルコキシドとしては、チタ
ンテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、
アルミニウムブトキシド等が挙げられる。
【0046】イミダゾール類としては、具体名を例示す
ると、イミダゾール、2−エチル−4−メチル−イミダ
ゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール等が挙
げられる。
【0047】3級アミン類としては、具体名を例示する
と、トリブチルアミン、1,4−ジアザビシクロ〔2.
2.2〕オクタン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.
0〕ウンデセ−7−エン等が挙げられる。
【0048】これら例示した硬化触媒(D)の中でも、
本発明のインク組成物に用いられるものとして好ましい
ものは、ジ−n−ブチル錫ジカルボン酸エステルであ
り、特に好ましいものとしては、ジ−n−ブチル錫マレ
エートである。
【0049】本発明のインク組成物は、ブロック化ポリ
ウレタン(A)、ブロック化ポリイソシアネート
(B)、エポキシ樹脂(C)および硬化触媒(D)を主
たる成分とする組成物である。そして、これらの混合比
率が、ブロック化ポリウレタン(A)100重量部に対
し、ブロック化ポリイソシアネート(B)は、10〜2
00重量部、好ましくは25〜100重量部であり、エ
ポキシ樹脂(C)は、ブロック化ポリウレタン(A)お
よびブロック化ポリイソシアネート(B)中のブロック
剤によってマスクされたイソシアネート基当量の和
[(ロ)−(イ)+(ホ)]が100に対し、エポキシ
樹脂(C)の有するエポキシ基当量が10〜100、好
ましくは20〜80当量の範囲になる量であり、硬化触
媒(D)は、ブロック化ポリウレタン(A)とブロック
化ポリイソシアネート(B)とエポキシ樹脂(C)の合
計量100重量部に対し、0.01〜3.0重量部、好
ましくは0.05〜2.0重量部配合されたものであ
る。
【0050】ブロック化ポリウレタン(A)100重量
部に対して、ブロック化ポリイソシアネート(B)の添
加量が200重量部を越えると、可撓性が不十分となっ
たり、カバーレー皮膜を形成したFPC基板にカールを
生じさせる恐れがある。一方、10重量部未満である
と、硬化性、耐熱性、耐薬品性等に支障をきたす恐れが
ある。ブロック化ポリウレタン(A)およびブロック化
ポリイソシアネート(B)中のブロック剤によってマス
クされたイソシアネート基当量の和[(ロ)−(イ)+
(ホ)]が100に対し、エポキシ樹脂(C)の有する
エポキシ基当量が100を越えると、インク組成物中に
エポキシ基が残存するため、耐熱性、耐溶剤性等に支障
をきたしたり、カバーレー皮膜を形成したFPC基板に
カールを生じさせる恐れがある。一方、10未満である
と、耐熱性、耐薬品性等に支障をきたす恐れがある。ブ
ロック化ポリウレタン(A)とブロック化ポリイソシア
ネート(B)とエポキシ樹脂(C)の合計量100重量
部に対して、硬化触媒(D)の添加量が3.0重量部を
越えると、硬化が速くなりすぎ、硬化中に発泡したり、
カバーレー皮膜を形成したFPC基板にカールを生じさ
せたり、また、電気絶縁性に悪影響を及ぼす恐れがあ
る。一方、0.01重量部未満であると、硬化性に支障
をきたす恐れがある。
【0051】本発明のインク組成物には、流動性の調整
のため、流動調整剤を添加することができる。流動調整
剤としては、例えば、無機および有機フィラー、ワック
ス、界面活性剤等が挙げられる。無機フィラーの具体例
としては、タルク、硫酸バリウム、シリカ、ベントナイ
ト等が挙げられる。有機フィラーの具体例としては、シ
リコン樹脂、シリコンゴム、弗素樹脂等が挙げられる。
ワックスの具体例としては、ポリアミドワックス、酸化
ポリエチレンワックス等が挙げられる。界面活性剤の具
体例としては、シリコンオイル、高級脂肪酸エステル、
アミド等が挙げられる。これらの添加量は、インク組成
物として必要な流動性を与えられるように適宜調節する
のがよい。
【0052】本発明のインク組成物には、印刷、塗工時
および硬化時に生じる泡を消すために消泡剤を添加する
ことができる。本発明に用いられる消泡剤としてはアク
リル系、シリコン系等の界面活性剤が挙げられる。アク
リル系消泡剤の具体例としては、共栄社油脂製のフロー
レン(AC300、AC326F等)(何れも商品名)
等が挙げられる。シリコン系消泡剤の具体例としては、
信越シリコーン製のKS−603(商品名)、ダウコー
ニング製のDB−100、OC−2、FS−1265
(何れも商品名)等が挙げられる。これらの添加量は、
インク組成物として必要な消泡性を与えられるように適
宜調節するのがよい。
【0053】本発明のインク組成物には、印刷、塗工時
に生じる皮膜表面の凹凸を失くすためにレベリング剤を
添加することができる。本発明に用いられるレベリング
剤としてはアクリル系、シリコン系等の界面活性剤が挙
げられる。アクリル系レベリング剤の具体例としては、
共栄社油脂製のポリフロー(No.3,No.90)
(何れも商品名)、モンサント製のモダフロー(商品
名)等が挙げられる。シリコン系レベリング剤の具体例
としては、日本ユニカー製FZ−2110、L−700
1(何れも商品名)、信越シリコーン製KS607A
(商品名)、ダウコーニング製ペインタッド(57,
Q,S等)(何れも商品名)等が挙げられる。これらの
添加量は、インク組成物として必要なレベリング性を与
えられるように適宜調節するのがよい。
【0054】本発明のインク組成物には、粘度調節のた
めに有機溶媒を添加することができる。具体例として、
エチルメチルケトン、イソホロン等のケトン系溶媒;ア
セト酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、酢酸ブチル等の
エステル系溶媒;ブタノール、ベンジルアルコール等の
アルコール系溶媒;セロソルブ系、カルビトール系およ
びそれらのエステル、エーテル誘導体の溶媒;N,N−
ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等
のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド;フェノール、
クレゾール等のフェノール系溶媒;ニトロ化合物系溶
媒;テトラリン、ペンチルベンゼン等の芳香族系溶媒;
デカリン、ジペンテン等の脂環族系溶媒等が挙げられ
る。これらは単独で用いても良く、2種類以上組合せた
混合物として用いても良い。
【0055】有機溶媒の使用量は、インク組成物の粘度
が500〜500,000センチポイズになるよう調節
するのが好ましい。有機溶媒の使用量は、ブロック化ポ
リウレタン(A)、ブロック化ポリイソシアネート
(B)、エポキシ樹脂(C)、硬化触媒(D)、流動調
整剤、消泡剤、レベリング剤等の有機溶媒以外の成分の
総混合量1に対して、0〜1.5重量倍、好ましくは0
〜1重量倍である。1.5重量倍を越えると固形分濃度
が低くなり、印刷用インクとして用いた場合一回の印刷
で十分な膜厚が得られず、多数回の印刷が必要になる恐
れがある。
【0056】本発明のインク組成物は、前記の各構成成
分を三本ロール、サンドミル等のインクミルを用いて、
常法によりインク化したものであり、保存安定性の良好
な一液型インク組成物である。本発明のインク組成物の
使用法は、まず、インク組成物をスクリーン印刷または
マスク印刷により回路基板に塗布し、次いで、塗布膜を
熱風乾燥炉で100〜140℃で5分〜60分間乾燥さ
せ、さらに、160〜200℃で5〜60分間加熱硬化
させるものである。
【0057】
【実施例】本発明に用いられるブロック化ポリウレタン
(A)とブロック化ポリイソシアネート(B)の製造例
および本発明の実施例と比較例とを挙げて、本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらの製造例および実施
例に限定されるものではない。なお、製造例、実施例、
比較例において「部」とあるのは特に断わらない限り、
重量部であることを示す。
【0058】 製造例1:ブロック化ポリウレタン(A−1)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器を50℃に加温し、窒素置
換を実施した後、該容器内にジフェニルメタンジイソシ
アネート(125g当量)10部と平均分子量1250
のポリカプロラクトンジオール(625g当量)25部
とを仕込み、内容物を攪拌しながら50℃で4時間反応
を行った。この反応生成物に1−メトキシ−2−プロパ
ノール(90g当量)3.7部を反応温度50℃に保ち
つつ滴下し、攪拌を続けながら50℃で2時間反応させ
た。反応後、希釈溶媒としてスワゾール1800(出光
石油化学製、商品名)を11.3部添加し十分に均一に
なるまで攪拌した後、室温まで冷却させた。反応に用い
た上記化合物の内容および得られた反応生成物(A−
1)の不揮発分濃度を表1に示した。反応生成物(A−
1)は、1250g当量であった。
【0059】 製造例2:ブロック化ポリウレタン(A−2)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器を50℃に加温し、窒素置
換を実施した後、該容器内にジフェニルメタンジイソシ
アネート10部と平均分子量6000のポリカプロラク
トンジオール(3000g当量)121部とを仕込み、
内容物を攪拌しながら50℃で4時間反応を行った。こ
の反応生成物に1−メトキシ−2−プロパノール3.7
部を反応温度50℃に保ちつつ滴下し、攪拌を続けなが
ら50℃で2時間反応させた。反応後、希釈溶媒として
スワゾール1800(出光石油化学製、商品名)を12
7.3部添加し十分に均一になるまで攪拌した後、室温
まで冷却させた。反応に用いた上記化合物の内容および
得られた反応生成物(A−2)の不揮発分濃度を表1に
示した。反応生成物(A−2)は6501g当量であっ
た。
【0060】 製造例3:ブロック化ポリウレタン(A−3)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器を50℃に加温し、窒素置
換を実施した後、該容器内にジフェニルメタンジイソシ
アネート10部とテトラエチレングリコール(97g当
量)3.9部とを仕込み、内容物を攪拌しながら50℃
で4時間反応を行った。この反応生成物に1−メトキシ
−2−プロパノール3.7部を反応温度50℃に保ちつ
つ滴下し、攪拌を続けながら50℃で2時間反応させ
た。反応後、希釈溶媒としてスワゾール1800(出光
石油化学製、商品名)を2.3部添加し十分に均一にな
るまで攪拌した後、室温まで冷却させた。反応に用いた
上記化合物の内容および得られた反応生成物(A−3)
の不揮発分濃度を表1に示した。反応生成物(A−3)
は、496g当量であった。
【0061】 製造例4:ブロック化ポリウレタン(A−4)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器を50℃に加温し、窒素置
換を実施した後、該容器内にジフェニルメタンジイソシ
アネート25部と平均分子量1250のポリカプロラク
トンジオール25部とを仕込み、内容物を攪拌しながら
50℃で4時間反応を行った。この反応生成物に1−メ
トキシ−2−プロパノール14.5部を反応温度50℃
に保ちつつ滴下し、攪拌を続けながら50℃で2時間反
応させた。反応後、希釈溶媒としてスワゾール1800
(出光石油化学製、商品名)を6.9部添加し十分に均
一になるまで攪拌した後、室温まで冷却させた。反応に
用いた上記化合物の内容および得られた反応生成物(A
−4)の不揮発分濃度を表1に示した。反応生成物(A
−4)は、447g当量であった。
【0062】 製造例5:ブロック化ポリウレタン(A−5)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器を50℃に加温し、窒素置
換を実施した後、該容器内にジフェニルメタンジイソシ
アネート10部と平均分子量1250のポリカプロラク
トンジオール49.4部とを仕込み、内容物を攪拌しな
がら50℃で4時間反応を行った。この反応生成物に1
−メトキシ−2−プロパノール0.15部を反応温度5
0℃に保ちつつ滴下し、攪拌を続けながら50℃で2時
間反応させた。反応後、希釈溶媒としてスワゾール18
00(出光石油化学製、商品名)を197.9部添加し
十分に均一になるまで攪拌した後、室温まで冷却させ
た。反応に用いた上記化合物の内容および得られた反応
生成物(A−5)の不揮発分濃度を表1に示した。反応
生成物(A−5)は、226g当量であった。
【0063】 製造例6:ブロック化ポリウレタン(A−6)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器を50℃に加温し、窒素置
換を実施した後、該容器内にジフェニルメタンジイソシ
アネート10部と平均分子量1250のポリカプロラク
トンジオール25部とを仕込み、内容物を攪拌しながら
50℃で4時間反応を行った。この反応生成物に1−メ
トキシ−2−プロパノール5.5部を反応温度50℃に
保ちつつ滴下し、攪拌を続けながら50℃で2時間反応
させた。反応後、希釈溶媒としてスワゾール1800
(出光石油化学製、商品名)を9.5部添加し十分に均
一になるまで攪拌した後、室温まで冷却させた。反応に
用いた上記化合物の内容および得られた反応生成物(A
−6)の不揮発分濃度を表1に示した。反応生成物(A
−6)は、1250g当量であった。
【0064】 製造例7:ブロック化ポリウレタン(A−7)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器を50℃に加温し、窒素置
換を実施した後、該容器内にジフェニルメタンジイソシ
アネート10部と平均分子量1250のポリカプロラク
トンジオール25部とを仕込み、内容物を攪拌しながら
50℃で4時間反応を行った。この反応生成物に1−メ
トキシ−2−プロパノール3.4部を反応温度50℃に
保ちつつ滴下し、攪拌を続けながら50℃で2時間反応
させた。反応後、希釈溶媒としてスワゾール1800
(出光石油化学製、商品名)を11.6部添加し十分に
均一になるまで攪拌した後、室温まで冷却させた。反応
に用いた上記化合物の内容および得られた反応生成物
(A−7)の不揮発分濃度を表1に示した。反応生成物
(A−7)は、1250g当量であった。
【0065】製造例8:ブロック化ポリイソシアネート
(B−1)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器内部を窒素置換した後、ス
ミジュールN3500(ヘキサメチレンジイソシアネー
トのイソシアヌレート型三量体、194g当量、住友バ
イエルウレタン製、商品名)を10部仕込み、内容物を
攪拌しながら1−メトキシ−2−プロパノール4.7部
を反応温度を50℃以下に保ちつつ滴下し、攪拌を続け
ながら50℃で2時間反応させた。反応後、希釈溶媒と
してスワゾール1800(出光石油化学製、商品名)を
2部添加し十分に均一になるまで攪拌した後、室温まで
冷却させた。反応に用いた上記化合物の内容および得ら
れた反応生成物(B−1)の樹脂濃度を表1に示した。
反応生成物(B−1)は、323g当量であった。
【0066】製造例9:ブロック化ポリイソシアネート
(B−2)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器内部を窒素置換した後、ス
ミジュールN3500(商品名)を10部仕込み、内容
物を攪拌しながら1−メトキシ−2−プロパノール7.
0部を反応温度を50℃以下に保ちつつ滴下し、攪拌を
続けながら50℃で2時間反応させた。反応に用いた上
記化合物の内容および得られた反応生成物(B−2)の
樹脂濃度を表1に示した。反応生成物(B−2)は、3
29g当量であった。
【0067】製造例10:ブロック化ポリイソシアネー
ト(B−3)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器内部を窒素置換した後、ス
ミジュールN3500(商品名)を10部仕込み、内容
物を攪拌しながら1−メトキシ−2−プロパノール4.
4部を反応温度を50℃以下に保ちつつ滴下し、攪拌を
続けながら50℃で2時間反応させた。反応後、希釈溶
媒としてスワゾール1800(出光石油化学製、商品
名)を2.3部添加し十分に均一になるまで攪拌した
後、室温まで冷却させた。反応に用いた上記化合物の内
容および得られたの反応生成物(B−3)の樹脂濃度を
表1に示した。反応生成物(B−3)は、323g当量
であった。
【0068】実施例1〜10、比較例1〜13 製造例1〜10で得られたブロック化ポリウレタン(A
−1〜7)、ブロック化ポリイソシアネート(B−1〜
3)およびエポキシ樹脂(C)(日本化薬製;商品名:
BREN−105、270g当量)、硬化触媒(D)、
流動調整剤(東芝シリコーン製;商品名:トスパー
ル)、消泡剤(ダウ・コーニング製;商品名:DB−1
00)、レベリング剤(ダウ・コーニング製;商品名:
ペインタッド57)を表1に示す配合比で混合し、3本
ロールミルで3回混練してペースト状の各種インク組成
物を得た。この際、ブロック化ポリウレタン(A−1〜
7)およびブロック化ポリイソシアネート(B−1〜
3)は、溶剤によって希釈されているものであるため、
表1には、溶液中に含まれている不揮発分換算量を示し
た。得られたインク組成物の特性評価として、不揮発分
濃度と貯蔵安定性を調べた。この内、貯蔵安定性とは、
インク組成物を室温で6ケ月保存したとき、重合による
増粘やゲル化または添加剤の分離等の変化がない場合を
良好し、変化が起こった場合を不良としたものである。
これらの評価結果を表2〜4に示す。次に、各種インク
組成物をスクリーン印刷法で、200メッシュのスクリ
ーンを用いて、フレキシブル銅張板(ポリイミドベース
厚み60μm)上に印刷を行った。その後、140℃で
5分間、次いで180℃で10分間熱処理を行った。そ
の時のインクの印刷性(ダレ性、パターン精度、表面平
滑性および作業性)、硬化性、インクを硬化して得られ
た被膜付きフレキシブル銅張板の特性(可撓性、耐熱
性、密着性、電気絶縁性、耐薬品性、被膜付きフレキシ
ブル銅張板の耐カール性、被膜厚)を測定し、その結果
を表5に示した。
【0069】印刷性とは、ダレ性、パターン精度、表面
平滑性および作業性に関する評価の良否を表わしたもの
であり、これら全ての項目において問題の起こらなかっ
たものを良好とし、1項目でも問題の発生したものを不
良とした。硬化性とは、被膜の硬化状態を評価したもの
であり、被膜の硬化状態において問題の無いものを○と
し、表面にタックの残るものを△、全く硬化しなかった
ものを×とした。可撓性とは、導体パターンの形成され
た被膜付きフレキシブル銅張板に対して、その耐折性が
どの程度向上するかを評価したものであり、MIT式屈
曲試験機を用い、屈曲速さ180回/分、張力4.9
N、曲率半径0.38mm、折り曲げ角度135゜(往
復で270゜)の条件で、回路の導通が破断した時の回
数を測定し、被膜付きフレキシブル銅張板の破断回数を
被膜なしフレキシブル銅張板の破断回数で割ったもので
ある。数値の大きいもの程、被膜によって可撓性が増し
たことを意味する。被膜なしフレキシブル銅張板(ポリ
イミドベース厚み60μm)の導体パターンは、エッチ
ングにより導体幅1.5mm、間隙1.0mmで1往復
の導体を形成したものを用い、被膜付きフレキシブル銅
張板の導体パターンは、被膜なしフレキシブル銅張板の
導体パターンの上にカバーコート被膜を形成したものを
用いた。
【0070】耐熱性とは、280℃の半田浴中に60秒
間フロートさせた時の被膜のハガレ、フクレ、変色を目
視により判定したものであり、試験前後の状態を比べ、
その変化が認められないものを良好とし、何らかの変化
が認められたものを不良とした。密着性とは、JIS
K5400に基づき、(財)日本塗装技術協会の判定基
準により、各種インク組成物を用いた被膜と基材との接
着の強さを評価したものである。測定方法は、1cm四方
の区画内を縦横1mm間隔の線で区切り、1mm四方の区画
が100個できるようにカッターナイフで皮膜のみを切
断し、基材が切れないように切込みを入れ、次に、切込
みを入れた被膜にセロハンテープを張り、90度の角度
に引っ張り上げ、その時に1mm四方の区画が何個剥がれ
るかを測定したものである。1個の剥離もなく、またそ
れぞれの区画に欠損のないものを、10点満点で評価と
した。電気絶縁性とは、JIS C6481に基づき電
気抵抗を測定したものである。測定方法は、抵抗線間
1.0mm、総延長80mmの平行パターンをエッチン
グにより形成したものについて、60℃、90%の条件
で96時間処理した後、DC100V印加後1分経過時
の線間絶縁抵抗を測定したものであり、該測定値が1×
1011(Ω)以上のものを良好とし、それ以下のものは
不良とした。
【0071】耐薬品性とは、薬品に対するインク組成物
の被膜の耐久性を評価したものである。測定方法は、被
膜付きフレキシブル銅張板を塩化メチレン、メチルエチ
ルケトン、10%HCl水溶液,10%NaOH水溶液
の各溶液中に5分間、室温で浸漬した後、全ての薬品に
ついて、該被膜の剥がれや発泡、溶解等を目視で観察
し、被膜の異常を判定した。異常の見られなかったもの
を良好とし、これらの溶液の1種類に対してでも何等か
の異常の見られるものを不良とした。被膜付きフレキシ
ブル銅張板の耐カール性とは、該銅張板に反りが起こら
ず、処理以前の銅張板の平板状態を維持しているかを評
価したものである。測定方法は、1辺が20cmの正方
形のフレキシブル銅張板の全面にインク組成物を印刷
し、硬化させ、得られた被膜付きフレキシブル銅張板の
カールの直径を測定したものと、該被膜付きフレキシブ
ル銅張板を280℃の半田浴中に60秒間フロートさせ
た後のカールの直径を測定したものの2種類である。こ
れらのカール直径が10cm以上のものを「良好」と
し、10cm未満を「不良」とした。また、表5におい
て「常態」とは硬化後の被膜付きフレキシブル銅張板で
あり、「半田処理後」とは、半田浴中にフロートさせた
後のフレキシブル銅張板を表したものである。
【0072】表2〜5より、実施例にかかるインク組成
物は、前記したいずれの物性に対しても優れた値を示す
ことが判る。これに対し、比較例1〜13は、以下に記
載する問題点を有している。比較例1は、ブロック化ポ
リウレタン(A)100重量部に対して、ブロック化ポ
リイソシアネート(B)を200重量部を越える割合で
添加したものであり、比較例7は、ブロック化ポリウレ
タン(A)に用いるポリオールが、平均分子量500未
満のものであり、比較例8は、ブロック化ポリウレタン
(A)の製造において、ポリオールの有するヒドロキシ
ル基100当量に対し、ポリイソシアネートの有するイ
ソシアネート基が400当量を越えるものである。これ
らの比較例は、何れもが架橋密度の高いインク組成物と
なり、得られた被膜の可撓性、耐カール性を悪化させ
た。
【0073】比較例2は、ブロック化ポリウレタン
(A)100重量部に対して、ブロック化ポリイソシア
ネート(B)を10重量部未満の割合で添加したもので
あり、比較例6は、ブロック化ポリウレタン(A)に用
いるポリオールが、平均分子量5000を越えるもので
ある。これらの比較例は、何れもが架橋密度の極めて低
いインク組成物となり、得られた被膜の硬化性、耐熱
性、電気絶縁性、耐薬品性を悪化させた。
【0074】比較例3は、ブロック化ポリウレタン
(A)とブロック化ポリイソシアネート(B)中のブロ
ック剤によってマスクされたイソシアネート基の当量の
和[(ロ)−(イ)+(ホ)]が100当量に対し、エ
ポキシ樹脂(C)の有するエポキシ基が100当量を越
える割合で添加しているため、インク組成物の硬化が充
分に行われず、得られる被膜の耐熱性、電気絶縁性、耐
薬品性および半田処理後の耐カール性を悪化させる。比
較例4は、ブロック化ポリウレタン(A)とブロック化
ポリイソシアネート(B)中のブロック剤によってマス
クされたイソシアネート基の当量の和[(ロ)−(イ)
+(ホ)]が100に対し、エポキシ樹脂(C)の有す
るエポキシ基が10当量未満の割合で添加しているた
め、架橋密度の極めて低いインク組成物と成り、得られ
る被膜の耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性を悪化させる。
比較例5は、硬化触媒(D)を添加していないため、イ
ンク組成物の硬化が充分に行われず、得られる被膜の耐
熱性、電気絶縁性、耐薬品性および半田処理後の耐カー
ル性を悪化させる。
【0075】比較例9は、ブロック化ポリウレタン
(A)の製造において、ポリオールの有するヒドロキシ
ル基100当量に対し、ポリイソシアネートが有するイ
ソシアネート基が110当量未満の割合で添加している
ため、ブロック化ポリウレタン(A)が高分子量化し、
インク組成物として、適正な粘度にまで希釈するために
多量の溶剤が必要となる。また、その結果、インク組成
物中のブロック化ポリウレタン(A)の含有量が減少す
ることとなり、一回の印刷工程では充分な膜厚が得られ
なくなる。比較例10は、ブロック化ポリウレタン
(A)に、ブロック剤の有する活性水素当量(ハ)が、
ポリイソシアネートのイソシアネート基当量からポリオ
ールのヒドロキシル基当量を差し引いた当量[(ロ)−
(イ)]に対し、1.2倍の当量比を越える割合で添加
されており、比較例12は、ブロック化ポリイソシアネ
ート(B)に、ブロック剤の有する活性水素当量(ニ)
が、ポリイソシアネートのイソシアネート基当量(ホ)
に対し、1.2倍の当量比を越える割合で添加されてい
るため、インク組成物中に必要以上のブロック剤が配合
されていることとなり、この過剰のブロック剤が印刷中
に揮発してインク組成物の粘度の変動が顕著に起こり、
安定した印刷ができなる。
【0076】比較例11は、ブロック化ポリウレタン
(A)に、ブロック剤の有する活性水素当量(ハ)が、
ポリイソシアネートのイソシアネート基当量からポリオ
ールのヒドロキシル基当量を差し引いた当量[(ロ)−
(イ)]に対し、1.0倍の当量比より少ない割合で添
加されており、比較例13は、ブロック化ポリイソシア
ネート(B)に、ブロック剤の有する活性水素当量
(ニ)が、ポリイソシアネートのイソシアネート基当量
(ホ)に対し、1.0倍の当量比より少ない割合で添加
されているため、インク組成物中に未反応のイソシアネ
ート基が残存することとなり、インク組成物の保存中
に、反応性の高いイソシアネート基が水分等と反応し、
インク組成物を増粘およびゲル化させ、保存安定性を著
しく悪化させる。
【0077】以上の説明からも明かなように、本発明の
インク組成物は、一液型インク組成物として、貯蔵安定
性、印刷性、硬化性、可撓性、耐熱性、密着性、電気絶
縁性、耐薬品性に極めてバランス良く優れたものであ
り、このインク組成物をFPC基板上にスクリーン印刷
等の方法で塗布することにより、容易に信頼性の高い被
膜を形成することができる。このため、カバーフィルム
の貼り合わせのような複雑な作業が不要となるため生産
効率が向上し、また、印刷して熱乾燥するだけの手法の
ため、ロールプレスのような高価な機械は不要となる。
加えて、本発明のインク組成物は、従来のポリイミドワ
ニスベースの印刷用インク組成物では、到底成し得ない
高濃度化および低温での硬化も可能である。このため、
基板への印刷回数が一回でも必要十分な被膜厚を得るこ
とが出来る。適切な印刷条件を選択することにより、希
望する厚膜印刷を実施する事も極めて容易である。硬化
に用いる炉も、従来のソルダーレジストを硬化させるの
に用いられてきた一般的な炉で十分である。さらに、ブ
ロック化ポリウレタン(A)、ブロック化ポリイソシア
ネート(B)、エポキシ樹脂(C)の組成比をコントロ
ールすることにより、得られる被膜付きFPC基板にカ
ールを生じさせず、しかも硬化後の被膜に高熱を与えて
も、耐カール性の劣化を引き起こさないために、フロー
トソルダリング等の基板全体に熱のかかるような苛酷な
半田付け方法にも十分耐え得ることが実証された。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】 製造例1:ブロック化ポリウレタン(A−1)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器を50℃に加温し、窒素置
換を実施した後、該容器内にジフェニルメタンジイソシ
アネート(1当量125g)10部と平均分子量125
0のポリカプロラクトンジオール(1当量625g)2
5部とを仕込み、内容物を攪拌しながら50℃で4時間
反応を行った。この反応生成物に1−メトキシ−2−プ
ロパノール(1当量90g)3.7部を反応温度50℃
に保ちつつ滴下し、攪拌を続けながら50℃で2時間反
応させた。反応後、希釈溶媒としてスワゾール1800
(出光石油化学製、商品名)を11.3部添加し十分に
均一になるまで攪拌した後、室温まで冷却させた。反応
に用いた上記化合物の内容および得られた反応生成物
(A−1)の不揮発分濃度を表1に示した。反応生成物
(A−1)は、1当量1250gであった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】 製造例2:ブロック化ポリウレタン(A−2)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器を50℃に加温し、窒素置
換を実施した後、該容器内にジフェニルメタンジイソシ
アネート10部と平均分子量6000のポリカプロラク
トンジオール(1当量3000g)121部とを仕込
み、内容物を攪拌しながら50℃で4時間反応を行っ
た。この反応生成物に1−メトキシ−2−プロパノール
3.7部を反応温度50℃に保ちつつ滴下し、攪拌を続
けながら50℃で2時間反応させた。反応後、希釈溶媒
としてスワゾール1800(出光石油化学製、商品名)
を127.3部添加し十分に均一になるまで攪拌した
後、室温まで冷却させた。反応に用いた上記化合物の内
容および得られた反応生成物(A−2)の不揮発分濃度
を表1に示した。反応生成物(A−2)は、1当量65
01gであった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】 製造例3:ブロック化ポリウレタン(A−3)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器を50℃に加温し、窒素置
換を実施した後、該容器内にジフェニルメタンジイソシ
アネート10部とテトラエチレングリコール(1当量9
7g)3.9部とを仕込み、内容物を攪拌しながら50
℃で4時間反応を行った。この反応生成物に1−メトキ
シ−2−プロパノール3.7部を反応温度50℃に保ち
つつ滴下し、攪拌を続けながら50℃で2時間反応させ
た。反応後、希釈溶媒としてスワゾール1800(出光
石油化学製、商品名)を2.3部添加し十分に均一にな
るまで攪拌した後、室温まで冷却させた。反応に用いた
上記化合物の内容および得られた反応生成物(A−3)
の不揮発分濃度を表1に示した。反応生成物(A−3)
は、1当量496gであった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】 製造例4:ブロック化ポリウレタン(A−4)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器を50℃に加温し、窒素置
換を実施した後、該容器内にジフェニルメタンジイソシ
アネート25部と平均分子量1250のポリカプロラク
トンジオール25部とを仕込み、内容物を攪拌しながら
50℃で4時間反応を行った。この反応生成物に1−メ
トキシ−2−プロパノール14.5部を反応温度50℃
に保ちつつ滴下し、攪拌を続けながら50℃で2時間反
応させた。反応後、希釈溶媒としてスワゾール1800
(出光石油化学製、商品名)を6.9部添加し十分に均
一になるまで攪拌した後、室温まで冷却させた。反応に
用いた上記化合物の内容および得られた反応生成物(A
−4)の不揮発分濃度を表1に示した。反応生成物(A
−4)は、1当量447gであった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】 製造例5:ブロック化ポリウレタン(A−5)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器を50℃に加温し、窒素置
換を実施した後、該容器内にジフェニルメタンジイソシ
アネート10部と平均分子量1250のポリカプロラク
トンジオール49.4部とを仕込み、内容物を攪拌しな
がら50℃で4時間反応を行った。この反応生成物に1
−メトキシ−2−プロパノール0.15部を反応温度5
0℃に保ちつつ滴下し、攪拌を続けながら50℃で2時
間反応させた。反応後、希釈溶媒としてスワゾール18
00(出光石油化学製、商品名)を197.9部添加し
十分に均一になるまで攪拌した後、室温まで冷却させ
た。反応に用いた上記化合物の内容および得られた反応
生成物(A−5)の不揮発分濃度を表1に示した。反応
生成物(A−5)は、1当量226gであった。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】 製造例6:ブロック化ポリウレタン(A−6)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器を50℃に加温し、窒素置
換を実施した後、該容器内にジフェニルメタンジイソシ
アネート10部と平均分子量1250のポリカプロラク
トンジオール25部とを仕込み、内容物を攪拌しながら
50℃で4時間反応を行った。この反応生成物に1−メ
トキシ−2−プロパノール5.5部を反応温度50℃に
保ちつつ滴下し、攪拌を続けながら50℃で2時間反応
させた。反応後、希釈溶媒としてスワゾール1800
(出光石油化学製、商品名)を9.5部添加し十分に均
一になるまで攪拌した後、室温まで冷却させた。反応に
用いた上記化合物の内容および得られた反応生成物(A
−6)の不揮発分濃度を表1に示した。反応生成物(A
−6)は、1当量1250gであった。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正内容】
【0064】 製造例7:ブロック化ポリウレタン(A−7)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器を50℃に加温し、窒素置
換を実施した後、該容器内にジフェニルメタンジイソシ
アネート10部と平均分子量1250のポリカプロラク
トンジオール25部とを仕込み、内容物を攪拌しながら
50℃で4時間反応を行った。この反応生成物に1−メ
トキシ−2−プロパノール3.4部を反応温度50℃に
保ちつつ滴下し、攪拌を続けながら50℃で2時間反応
させた。反応後、希釈溶媒としてスワゾール1800
(出光石油化学製、商品名)を11.6部添加し十分に
均一になるまで攪拌した後、室温まで冷却させた。反応
に用いた上記化合物の内容および得られた反応生成物
(A−7)の不揮発分濃度を表1に示した。反応生成物
(A−7)は、1当量1250gであった。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】製造例8:ブロック化ポリイソシアネート
(B−1)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器内部を窒素置換した後、ス
ミジュールN3500(ヘキサメチレンジイソシアネー
トのイソシアヌレート型三量体、1当量194g、住友
バイエルウレタン製、商品名)を10部仕込み、内容物
を攪拌しながら1−メトキシ−2−プロパノール4.7
部を反応温度を50℃以下に保ちつつ滴下し、攪拌を続
けながら50℃で2時間反応させた。反応後、希釈溶媒
としてスワゾール1800(出光石油化学製、商品名)
を2部添加し十分に均一になるまで攪拌した後、室温ま
で冷却させた。反応に用いた上記化合物の内容および得
られた反応生成物(B−1)の樹脂濃度を表1に示し
た。反応生成物(B−1)は、1当量323gであっ
た。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正内容】
【0066】製造例9:ブロック化ポリイソシアネート
(B−2)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器内部を窒素置換した後、ス
ミジュールN3500(商品名)を10部仕込み、内容
物を攪拌しながら1−メトキシ−2−プロパノール7.
0部を反応温度を50℃以下に保ちつつ滴下し、攪拌を
続けながら50℃で2時間反応させた。反応に用いた上
記化合物の内容および得られた反応生成物(B−2)の
樹脂濃度を表1に示した。反応生成物(B−2)は、1
当量329gであった。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】製造例10:ブロック化ポリイソシアネー
ト(B−3)の製造 攪拌棒、凝縮器、滴下装置、窒素吹込管、温度計を備え
た反応容器を用い、反応容器内部を窒素置換した後、ス
ミジュールN3500(商品名)を10部仕込み、内容
物を攪拌しながら1−メトキシ−2−プロパノール4.
4部を反応温度を50℃以下に保ちつつ滴下し、攪拌を
続けながら50℃で2時間反応させた。反応後、希釈溶
媒としてスワゾール1800(出光石油化学製、商品
名)を2.3部添加し十分に均一になるまで攪拌した
後、室温まで冷却させた。反応に用いた上記化合物の内
容および得られたの反応生成物(B−3)の樹脂濃度を
表1に示した。反応生成物(B−3)は、1当量323
gであった。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】実施例1〜10、比較例1〜13 製造例1〜10で得られたブロック化ポリウレタン(A
−1〜7)、ブロック化ポリイソシアネート(B−1〜
3)およびエポキシ樹脂(C)(日本化薬製;商品名:
BREN−105、1当量270g)、硬化触媒
(D)、流動調整剤(東芝シリコーン製;商品名:トス
パール)、消泡剤(ダウ・コーニング製;商品名:DB
−100)、レベリング剤(ダウ・コーニング製;商品
名:ペインタッド57)を表1に示す配合比で混合し、
3本ロールミルで3回混練してペースト状の各種インク
組成物を得た。この際、ブロック化ポリウレタン(A−
1〜7)およびブロック化ポリイソシアネート(B−1
〜3)は、溶剤によって希釈されているものであるた
め、表1には、溶液中に含まれている不揮発分換算量を
示した。得られたインク組成物の特性評価として、不揮
発分濃度と貯蔵安定性を調べた。この内、貯蔵安定性と
は、インク組成物を室温で6ケ月保存したとき、重合に
よる増粘やゲル化または添加剤の分離等の変化がない場
合を良好し、変化が起こった場合を不良としたものであ
る。これらの評価結果を表2〜4に示す。次に、各種イ
ンク組成物をスクリーン印刷法で、200メッシュのス
クリーンを用いて、フレキシブル銅張板(ポリイミドベ
ース厚み60μm)上に印刷を行った。その後、140
℃で5分間、次いで180℃で10分間熱処理を行っ
た。その時のインクの印刷性(ダレ性、パターン精度、
表面平滑性および作業性)、硬化性、インクを硬化して
得られた被膜付きフレキシブル銅張板の特性(可撓性、
耐熱性、密着性、電気絶縁性、耐薬品性、被膜付きフレ
キシブル銅張板の耐カール性、被膜厚)を測定し、その
結果を表5に示した。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブロック化ポリウレタン(A)、ブロック
    化ポリイソシアネート(B)、エポキシ樹脂(C)およ
    び硬化触媒(D)を主たる成分とする組成物において、 成分(A)は、ポリイソシアネートと平均分子量500
    〜5,000のポリオールおよびブロック剤から構成さ
    れており、該ポリオールの有するヒドロキシル基当量
    (イ)100に対し、ポリイソシアネートの有するイソ
    シアネート基当量(ロ)が110〜400となり、か
    つ、ブロック剤の有する活性水素当量(ハ)が、ポリイ
    ソシアネートのイソシアネート基当量からポリオールの
    ヒドロキシル基当量を差し引いた当量[(ロ)−
    (イ)]に対し、1.0〜1.2倍の当量比となるよう
    に、各々調整されて、合成されたものであり、 ブロック化ポリイソシアネート(B)は、ポリイソシア
    ネートとブロック剤から構成されており、ブロック剤の
    有する活性水素当量(ニ)が、ポリイソシアネートのイ
    ソシアネート基当量(ホ)に対し、1.0〜1.2倍の
    当量比となるように、各々調整されて、合成されたもの
    であり、 これら成分(A)、(B)、(C)、(D)の混合比率
    が、成分(A)100重量部に対し、成分(B)は、1
    0〜200重量部であり、成分(C)は、成分(A)お
    よび成分(B)中のブロック剤によってマスクされたイ
    ソシアネート基の当量の和[(ロ)−(イ)+(ホ)]
    が100に対し、成分(C)の有するエポキシ基当量が
    10〜100の範囲となる量であり、成分(D)は、成
    分(A)と成分(B)と成分(C)の合計量100重量
    部に対し、0.01〜3.0重量部であることを特徴と
    するインク組成物。
  2. 【請求項2】成分(A)、(B)、(C)、(D)の混
    合比率が、成分(A)100重量部に対し、成分(B)
    は、25〜100重量部であり、成分(C)は、成分
    (A)および成分(B)中のブロック剤によってマスク
    されたイソシアネート基の当量の和[(ロ)−(イ)+
    (ホ)]が100に対し、成分(C)の有するエポキシ
    基当量が20〜80の範囲となる量であり、成分(D)
    は、成分(A)と成分(B)と成分(C)の合計量10
    0重量部に対し、0.05〜2.0重量部であることを
    特徴とする請求項1記載のインク組成物。
  3. 【請求項3】ブロック化ポリウレタン(A)を構成する
    ポリオールが、ポリエステルポリオール、ポリカーボネ
    ートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリシロキ
    サンポリオール、脂肪族炭化水素ポリオール、ポリアミ
    ドポリオールおよびこれらの共重合体の中から選ばれた
    1つあるいは2以上の混合物であることを特徴とする請
    求項1および2に記載のインク組成物。
  4. 【請求項4】ブロック化ポリウレタン(A)を構成する
    ポリイソシアネートが、芳香族ポリイソシアネートであ
    ることを特徴とする請求項1および2に記載のインク組
    成物。
  5. 【請求項5】ブロック化ポリウレタン(A)およびブロ
    ック化ポリイソシアネート(B)を構成するブロック剤
    が、ヒドロキシル基、モノ置換アミド基、活性メチレン
    基およびイミダゾール基を有する化合物であることを特
    徴とする請求項1および2に記載のインク組成物。
  6. 【請求項6】ブロック剤が、第2アルコールであること
    を特徴とする請求項5記載のインク組成物。
  7. 【請求項7】ブロック化ポリイソシアネート(B)を構
    成するポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネー
    トであることを特徴とする請求項1および2に記載のイ
    ンク組成物。
  8. 【請求項8】硬化触媒(D)が、有機金属化合物、イミ
    ダゾール類、3級アミンの中から選ばれた1つあるいは
    2以上の混合物であることを特徴とする請求項1および
    2に記載のインク組成物。
  9. 【請求項9】硬化触媒(D)が、ジ−n−ブチル錫ジカ
    ルボン酸エステルであることを特徴とする請求項8記載
    のインク組成物。
  10. 【請求項10】請求項1および2に記載のインク組成物
    を用いた回路被膜。
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