JP2007084144A - 木製パレット、及びその組み立てに用いる固定部材 - Google Patents

木製パレット、及びその組み立てに用いる固定部材 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、十分な強度を持ちながら、容易に素材ごとに分解することができる木製パレットを提供することにある。
【解決手段】木製パレット1は、複数の桁部材が平行に並設され、ここにデッキ部材が格子状に配列される。これらは固定部材により挟持されて固定される。例えば、デッキ部材4dと、桁部材3aは、固定部材2dでボルト25b等で挟持される。ワイヤWを掛け回してクレーンなどで搬送するときは、ワイヤWはデッキ部材4dに当接するがワイヤ食い込み防止部24により所定量以上ワイヤWがデッキ部材4dに食い込むことがなく、木製パレット1は容易に破損することがない。一方、ボルト25b等を外せば容易に分解することができる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、木製パレットに係り、詳しくは、十分な強度を持ちながら、容易に素材ごとに分解することができる木製パレット、及びその組み立てに用いる固定部材に関する。
資材等の搬送には、木製、金属製、樹脂製のパレット、スキッド等の搬送部材(以下、本願では「パレット」という。)が広く用いられているが、従来より比較的低コストな素材として木製パレットが広く利用されている。この場合大型の鉄板などのような重量物を運搬するには、パレット等に相応の強度が求められるため、特許文献1に記載されたような金属部品で補強しながら釘などを打ち付けて強固に組み立てをするものが提案されていた。なお、従来より木質の角材などを強固に接合する技術は建築の分野で広く用いられており、特許文献2に記載された発明のように種々の組み立て方法が提案されている。
また、強度を高めるため全体を金属や樹脂により製作したものも広く流通している。このような金属製パレットや樹脂製パレットでは十分な強度を達成することができた。
特開平10−35668号公報(木製強化パレット) 特開2002−327501号公報(車庫等の小型木造建造建築物)
しかしながら、金属製や樹脂製のパレット、特に一体に形成されたパレットでは、繰り返し使用できるが、貨物搬送後の使用後のパレット自体の保管、返却、回収や廃棄が煩雑であるという問題があった。
また、釘や芯材などの金属部材により補強を施した木製パレットでも高い強度は確保できるが、木製であっても容易に分解できず、仮に分解できたとしても分解自体が極めて煩雑な作業であるとともに、釘などで固定された木質部分が破壊されるため、木製パレットとして再利用することが困難であった。
なお、木製パレットの一部が壊れたときには修理が困難で廃棄することもあり、かつ廃棄するときも資源の再利用のために分別することも困難であるという問題もあった。
本発明は、十分な強度を持ちながら、容易に素材ごとに分解することができる木製パレットを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の木製パレットでは、複数の木質の部材からなる桁部材が概ね同一の仮想平面上に平行に並設されてなる桁部と、複数の木質の部材からなるデッキ部材が、前記桁部上に、前記桁部材とともに格子状をなすように直交して配列されたデッキ部と、前記デッキ部材と前記桁部材の交差部分において当該デッキ部材と桁部材とを固定する固定部材とを備え、当該固定部材は、デッキ部材挟持部で当該デッキ部材を挟持するとともに、桁部材挟持部で当該桁部材を挟持することで、前記デッキ部材と前記桁部材を着脱可能に接続することを要旨とする。
同構成によれば、固定部材を着脱可能にしたことで、木製パレットの組み立て分解が容易になり、使用時には必要数のみを組み立てて使用し、使用後には分解することで、木製パレットの保管、運搬等が極めて容易になる。
また、十分な強度を持ちながら、容易に木質のみを回収して分解することができる。
さらに、桁部材、デッキ部材の太さ、長さ、本数を任意に選択し使用することで、木製パレットの大きさを所望の大きさ、強度とすることができる。
そして、固定部材は、桁部材及びデッキ部材を挟持して固定するため、桁部材及びデッキ部材を釘などで傷付けることがなく、木製パレットの分解後、木製パレットとしての再利用するに当たっても、そのまま繰り返し桁部材及びデッキ部材を利用することができる。また、もし一部に傷がつけばその部分をカットして再利用することもできる。
加えて、桁部材、デッキ部材、固定部材の一部が破損した場合でも容易にその部分のみを交換することができる。
なお、廃棄時には木質の部分と固定部材を容易に分別できるので、廃棄処分やリサイクルを容易に行うことができ資源を活用することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の木製パレットにおいて、前記固定部材は、1枚の金属板から一面側に屈曲された一対の対面したデッキ部材挟持部、及び他面側に屈曲された一対の対面した桁部材挟持部がそれぞれ形成されたことを要旨とする。
同構成によれば、固定部材を容易に製造することができる。
請求項3に記載の木製パレットでは、請求項1又は請求項2に記載の木製パレットにおいて、前記デッキ部材挟持部及び前記桁部材挟持部は、当該固定部材に螺合されたボルトにより前記桁部材及び前記デッキ部材を締め付けて挟持することを要旨とする。
同構成によれば、ボルトによる挟持により汎用の工具で容易に任意の締め付け力で固定部材を桁部材及びデッキ部材に固定することができる。また、螺合量を変化させることで、桁部材及びデッキ部材に使用する木質の部材のサイズの違いに対応することができる。
請求項4に記載の木製パレットでは、請求項3に記載の木製パレットにおいて、木製パレットの前記デッキ部の水平方向の最も外側に配置されたデッキ部材を固定する固定部材において、当該固定部材が前記桁部材を挟持するための前記ボルトと螺合するために設けられた孔は、当該木製パレット内側の上端側に近接した第1のねじ孔と、外側下端側に近接した第2のねじ孔を備えることを要旨とする。
同構成によれば、木製パレットに載置物を載置してデッキ部材長手方向の最外部の桁部材の外側のデッキ部材にワイヤをかけて運搬するときに、桁部材長手方向の最外部にあるデッキ部材の外側に上向きの力が掛かるため、このデッキ部材とここに固定された固定部材に回転モーメントが生じ、桁部材の内側上角部を支点として固定部外側で固定部材を剥がすような力として働く。固定部材は桁部材を固定する場合に、支点に近接した位置で固定することが回転に起因する位置のずれを最も少なくできる。このため、内側の上端側に近接した第1のねじ孔で固定することで安定して固定できる。
一方、支点から最も離れた位置で固定することにより、ワイヤの吊り下げに起因する回転モーメントにより生じる応力に効果的に対応することができる。このため、第1のねじ孔と異なる第2のねじ孔が外側端部に近接した位置に配置される。
さらに、木質に対するボルトによる固定であるので、ボルトによる木質の破壊が生じて固定位置が変位する場合もある。この場合でも、変位方向が桁部材において上向きであるので桁部材の下端部に近接した第2のねじ孔でボルトで固定してあれば、固定位置が変位した場合でもマージンが確保できる。
請求項5に記載の木製パレットでは、請求項3又は請求項4に記載の木製パレットにおいて、木製パレットの前記桁部の水平方向の最も外側に配置された桁部材を固定する固定部材において、当該固定部材が前記デッキ部材を挟持するための前記ボルトと螺合するために設けられた孔は、前記木製パレット内側の下端側に近接した第3のねじ孔と、外側上端側に近接した第4のねじ孔を備えることを特徴とする。
同構成によれば、木製パレットに載置物を載置してデッキ部材長手方向の最外部の桁部材の外側のデッキ部材にワイヤをかけて運搬するときに、デッキ部材長手方向の最外部にあるデッキ部材の両端側に上向きの力が掛かるため、このデッキ部材は固定部材に対して回転モーメントが生じ、固定部材の内側下角部を支点として外側のデッキ部材を剥がすような力として働く。デッキ部材を固定部材に固定する場合に、支点に近接した位置で固定することが回転に起因する位置のずれを最も少なくできる。このため、内側の下端側に近接した第3のねじ孔で固定することで安定して固定できる。
一方、支点から最も離れた位置で固定することにより、ワイヤの吊り下げに起因する回転モーメントにより生じる応力に効果的に対応することができる。このため、第3のねじ孔と異なる第4のねじ孔が外側端部に近接した位置に配置される。
さらに、木質に対するボルトによる固定であるので、ボルトによる木質の破壊が生じて固定位置が変位する場合もある。この場合でも、変位方向がデッキ部材において下向きであるので桁部材の上端部に近接した第4のねじ孔でボルトで固定してあれば、固定位置が変位した場合でもマージンが確保できる。
請求項6に記載の木製パレットでは、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の木製パレットにおいて、前記固定部材は、ワイヤにより吊り下げて運搬する場合に当該ワイヤによる前記デッキ部材の損傷を抑制するためにワイヤに当接させるワイヤ食い込み防止部を設けたことを要旨とする。
同構成によれば、ワイヤにより吊り下げて運搬する場合にワイヤによりデッキ部材を損傷することを抑制できる。したがって、パレットとしての強度、信頼性を高めるとともに、デッキ部材の繰り返しの使用を可能とする。
請求項7に記載の木製パレットでは、請求項6に記載の木製パレットにおいて、前記ワイヤ食い込み防止部は、前記デッキ部材挟持部から延びるように延設されたことを要旨とする。
同構成によれば、食い込み防止部をデッキ部材挟持部とは別部材で設けることなく食い込み防止部を容易に形成できる。
請求項8に記載の木製パレットでは、請求項6又は請求項7に記載の木製パレットにおいて、前記ワイヤ食い込み防止部は、ワイヤが所定量デッキ部材に食い込んだときにワイヤと当接することを要旨とする。
同構成によれば、ワイヤが所定量デッキ部材に食い込んだときにワイヤ食い込み防止部がワイヤと当接するため、それ以上ワイヤがデッキ部材に食い込むのを防止するとともに、ワイヤ食い込み防止部にワイヤが当接しても、デッキ部材とともに当接するため応力が分散され、ワイヤがワイヤ食い込み防止部により破損することを有効に抑制できる。
請求項9に記載の木製パレットでは、請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の木製パレットにおいて、前記固定部材は、前記デッキ部材の下方に挿入されたパレット搬送用のフォークと、前記桁部材挟持部に螺合されたボルトとが干渉しないように、前記桁部材挟持部に設けられたボルト保護部材を備えたことを要旨とする。
同構成によれば、自走式フォークリフトやハンドリフトなどのパレット搬送用のフォークをデッキ部材の下方に挿入した場合でも、このフォークにより桁部材挟持部に螺合されたボルトを緩めたり変形させたりすることを防止できる。
請求項10に記載の木製パレットでは、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の木製パレットにおいて、前記デッキ部材間の前記桁部材上に配置され、デッキ部材上に載置される平坦な積載物と当該桁部材との間に形成される間隙を埋めるように、当該デッキ部材の上面と略同一平面上となる面を備えた支持部材を配置したことを要旨とする。
同構成によれば、デッキ部材上に載置された積載物の荷重が、桁部材においてデッキ部材下方に集中せず、支持部材下方にも分散され、応力集中が起こりにくくなる。このため桁部材のデッキ部材下方での折れを抑制し、積載量を大きくできる。
請求項11に記載の木製パレットでは、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の木製パレットにおいて、前記デッキ部材の上端面は一の仮想平面に沿って形成されるとともに、前記デッキ部材挟持部は、当該仮想平面上から突出しないように形成され、当該デッキ部上に平坦な板状の積載物にデッキ部の木質の部分のみを当接させて載置可能に構成されたことを要旨とする。
同構成によれば、たとえば金属板などを載置した場合でも、金属製の固定部材により傷を付けることを防止できる。
請求項12に記載の木製パレットでは、請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の木製パレットにおいて、前記桁部材挟持部は、前記桁部材が並設された前記仮想平面下に突出しないように形成され、当該木製パレットを他の平坦な板状の積載物に桁部の木質の部分のみを当接させて積層可能に構成されたことを要旨とする。
同構成によれば、たとえば金属板などの上にこの木製パレットを積層した場合でも、金属製の固定部材により金属板を傷を付けることを防止でき、積載物が載置された木製パレットを多数積層でき、密度の高い収容ができる。
請求項13に記載の固定部材では、請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の木製パレットの組み立てに用いることを要旨とする。
同構成によれば、規格品の角材など所定寸法の汎用の木質の部材さえあれば、新たな木製パレットを容易に組み立てることができる。
本発明によれば、本発明は、十分な強度を持ちながら、容易に素材ごとに分解することができる木製パレットを提供することにある。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した木製パレットの一実施形態を図1〜図7にしたがって説明する。
図1、図2に示すように、木製パレット1は、3本の角材からなる桁部材3(3a〜3c)が水平な載置面Lに沿って平行に並設されるとともに、4本の角材からなるデッキ部材4(4a〜4d)が、この桁部材3(3a〜3c)上において桁部材3とともに格子状になるように支持されている。また、これらの桁部材3とデッキ部材4は、12個の固定部材2(2a〜2l)により相互に着脱可能に固定されている。なお、本実施形態では、桁部材3a〜3cにより桁部が構成されるとともに、デッキ部材4a〜4dによりデッキ部が構成され、固定部材2a〜2lから固定部が形成されている。
図1のように、デッキ部材4の上端面は、桁部材3が並設される水平な載置面Lと平行な一の仮想平面であるベッド面Bに沿って形成される。また、後に詳述するように固定部材2のデッキ部材挟持部22は、ベッド面Bから上方に突出しないように形成され、デッキ部材4上に、例えば鉄板のような平坦な板状の積載物である貨物Cが、デッキ部材4の木質の部分のみに支持されて載置されるようになっている。
また、後述する固定部材2の桁部材挟持部23は、桁部材3が並設された載置面Lよりも下方に突出しないように形成されている。そのため、木製パレット1を、さらに鉄板などの平坦な貨物Cが載置された他の木製パレット1の上に載置したときに、貨物Cに桁部材3のみが当接して、固定部材2が貨物Cを傷つけないように積層することができるようになっている。必要に応じて貨物Cは、スチールベルトSBで桁部材3a、3cに荷崩れしないようにバンドルしてもよい。
木製パレット1に固定された貨物Cは、両端の桁部材3a,3cのそれぞれ外側のデッキ部材4a〜4dの下面に鉄製のワイヤWが掛け回され、図示しないクレーンやホイストなどで吊り下げられて搬送される。また、図2に示すように自走式のフォークリフトやハンドリフトのフォークFKを載置面Lとデッキ部材4の間に挿入して搬送することもできる。
次に、本発明の要部である固定部材2について詳細に説明する。固定部材2を構成する固定部材2a〜2lは、2種類の部材からなり、2a,2b,2k,2lの固定部材(左)2Lのタイプと、2c,2d,2e,2f,2g,2h,2i,2jの固定部材(右)2Rのタイプがある。固定部材(左)2Lと固定部材(右)2Rは、後述するように反転した形状となっている。ここでは、代表して固定部材(右)2Rである固定部材2dにより固定部材2を説明する。
図3に示すように固定部材2は、図示しないブランクからプレス機で概ね十字形に打ち抜いた鉄板を板金加工で屈曲させた部材で、木製パレット1に水平に装着される略正方形の平面部からなる基部21を備える。この基部21を挟んで上方に90度屈曲されて形成された一対の対面したデッキ部材挟持部(外)22a、デッキ部材挟持部(内)22bを備えるとともに、下方に90度屈曲されて形成された一対の対面した桁部材挟持部(外)23a、桁部材挟持部(内)23bとを備える。
この固定部材2は、デッキ部材挟持部22でデッキ部材4を挟持するとともに、桁部材挟持部23で桁部材3を挟持することで、デッキ部材4と桁部材3を着脱可能に接続する。
デッキ部材挟持部22にはボルト27a,27bが螺合されデッキ部材4が締め付けられて挟持され、桁部材挟持部23にはボルト25a,25bが螺合され桁部材3が締め付けられて挟持される。
なお、基部21とデッキ部材挟持部22との屈曲部、基部21と桁部材挟持部23との屈曲部には、それぞれリブ29a,29b,29c,29dが形成され、屈曲部が曲がらないように補強されている。
次に、このような構成の固定部材2により桁部材3、デッキ部材4を固定する構成を説明する。ここでは、木製パレット1に並設された複数のデッキ部材4のうち、水平方向の最も外側(図2参照)に配置されたデッキ部材4dを一番外側の桁部材3aに固定する固定部材2dを例に図3を参照して具体的に説明する。
木製パレット1の内側の桁部材挟持部23bには、桁部材3aを挟持するためのボルト25a,25bと螺合するためにねじ孔26b,26aが設けられる。実施形態では内側の上端側に近接した第1のねじ孔26bと、外側下端側に近接した第2のねじ孔26aとを備える。
図4〜図7に示すように木製パレット1に貨物Cを載置してワイヤWをデッキ部材4dに掛け回して運搬するとき、図4に示すようにデッキ部材4dの桁部材3aの外側部分に上向きの力が掛かる。このため、この力は、桁部材3aの内側上角部を支点F1としてデッキ部材4dとここに固定された固定部材2dに図4上に矢印で示した向きの回転モーメントとして働く。したがって、固定部材2dを桁部材3aに固定する場合に、支点F1に近接した位置で固定すれば、この固定部材2dと桁部材3aとの相対的な回転移動に起因する位置のずれを最も少なくできる。このため、第1のねじ孔26bの位置を桁部材挟持部23bの内側の上端側に近接した位置とすることで固定部材2dは桁部材3aに安定して固定される。なお、あまりに端部に近接すると木質が破壊されるおそれがあるので、第1のねじ孔26bの位置はマージンM1だけ上端部から離れた位置としている。
一方、回転中心である支点F1からワイヤWの吊り下げに起因する回転モーメントにより生じる応力に効果的に対応するには、支点と固定位置の離間距離R1を大きくすることが有利である。このため、離間距離R1を大きく取るため、第2のねじ孔26aは、第1のねじ孔26bと異なり、支点F1から最も離間した桁部材挟持部23bの外側端部に近接した位置に配置される。なお、この場合も、あまりに外側端部に近接すると木質が破壊されるおそれがあるため、第2のねじ孔26aはマージンM2だけ外側端部から離間した位置としている。
さらに、金属製のボルト25aにより木質に対して固定するものであるので、木製パレット1を長時間使用することによりボルト25aによる木質の破壊が生じて固定位置が変位する場合もある。この場合木質の破壊により固定位置が変位するが、その相対位置は、桁部材3aに対して桁部材挟持部23bのねじ孔26aの移動方向が上向きである。このため、第1のねじ孔26bより偏位G1だけ桁部材3aの下端部に近接した位置でボルト25aで固定すれば、マージンM3の距離だけ桁部材3aの端部から離間しているので木質の破壊による固定位置の変位が偏位G1の距離だけ許容できる、いわゆるフェイルセーフ構造とすることができる。このような理由から第2のねじ孔26aは、桁部材3aの上端部から離間した下端部に近接した位置に配置される。
以上の2つの理由から、第2のねじ孔26aは、桁部材挟持部(内)23bの外側下端部近傍に設けられる。
なお、この第1のねじ孔26b,第2のねじ孔26aは、桁部材挟持部(内)23bに設けられる。これは、図5、図6に示すように桁部材挟持部(外)23a側は、ワイヤWが掛け回されるため、ワイヤWとボルト25a,25bと互いに干渉して損傷しないようにするためである。
一方、固定部材2dが、デッキ部材4dを挟持するためのボルト27b,27aと螺合するために設けられたねじ孔は、内側の下端側に近接した第3のねじ孔28bと、外側上端側に近接した第4のねじ孔28aとを備える。これらの位置も、上述したねじ孔26a,26bと同様の理由から位置決めされる。
図5に示すように、木製パレット1に貨物Cを載置してワイヤWをかけて運搬するとき(図1参照)、デッキ部材4dには最外部に上向きの力が掛かる。固定部材2dの基部21と桁部材挟持部(内)23bとの角部を支点F2として、図5で矢印で示した向きのデッキ部材4dの外側を持ち上げるような回転モーメントが生じる。固定部材2dにデッキ部材4dを固定する場合に、支点F2に近接した位置で固定すれば、このデッキ部材4dのデッキ部材挟持部22bに対する相対的な回転移動に起因する位置のずれを最も少なくできる。このため、第3のねじ孔28bをデッキ部材挟持部22bの内側の下端側に近接した位置で固定すれば固定部材2dは、デッキ部材4dを安定して固定できる。なお、あまりに端部に近接すると木質が破壊されるおそれがあるので、第3のねじ孔28bの位置をマージンM4だけ下端部から離れた位置としている。
一方、回転中心である支点F2から最も離れた位置で固定することにより、ワイヤWの吊り下げに起因する回転モーメントにより生じる応力に効果的に対応することができる。このため、第4のねじ孔28aは、支点F2からの離間距離R2が大きく取れるようにデッキ部材挟持部22の外側端部に近接した位置に配置される。この場合も、木質のデッキ部材4dに対する金属製のボルト27aによる固定であるので、ボルト27aによる木質の破壊が生じて固定位置が変位する場合もある。この場合では固定部材2dにおいてデッキ部材4dの相対変位方向が上向きであるので、第4のねじ孔28aは、第3のねじ孔28bより偏位G2だけデッキ部材4dの上端部に近接し、固定部材2dの基部21からマージンM5だけ離れた位置とする。このようにすれば、デッキ部材4dにおいて木質の破壊が起こっても、固定位置はデッキ部材4dにおいて下向きに変位する。このため、偏位G2の距離だけ移動を許容できフェイルセーフ構造とすることができる。
なお、図5、図6に示すようにデッキ部材挟持部(外)22a側は木製パレット1を組み立てた場合の外縁部となるため、ここにねじ孔28a,28bを配置すると他のパレットや運搬機器と干渉するおそれがあるため、デッキ部材挟持部(外)22a側の表面をフラットにする必要がある。このため、ねじ孔28a,28bは、デッキ部材挟持部(内)22bに設けられる。
次に、ワイヤ食い込み防止部24について説明する。図3に示すように、デッキ部材挟持部(外)22aの桁部材挟持部(外)23a側には、デッキ部材挟持部(外)22aから延びるようにワイヤ食い込み防止部24が延設されている。ワイヤWは、図1に示すように最外部の桁部材3a、3cの外側に掛け回されクレーン等で吊り下げられる。このときワイヤWは、図7に示すようにワイヤ食い込み防止部24の部分に当接するようになっている。なお、図7では、貨物Cの図示を省略しているが、貨物Cは、デッキ部材4dより外側に飛び出してもよく、この場合は、ワイヤWにより貨物Cが保持されて貨物の安定性が良好となる。その場合は、ワイヤWと貨物Cとが当接する角部に適当な当て部材(不図示)を用いて貨物Cを保護する。
詳しくは、図4に示すように、ワイヤWにより吊り下げて運搬する場合、ワイヤW自体がその堅さのため、所定の曲率半径より小さな曲率半径では曲げられない。そのため、デッキ部材4dの下面に沿ったワイヤWは、デッキ部材4dの外側下角部に接触して上方に曲げられるが、ワイヤWはワイヤ食い込み防止部24には接触しない。さらに、この状態から木製パレット1の質量により金属製のワイヤWが木質のデッキ部材4dの外側下角部に押しつけられ、ここが押し潰されていく。さらに、デッキ部材4dの外側下角部が押し潰されるとワイヤWと、デッキ部材4dとの接触面積が大きくなり単位当たりの荷重が小さくなる。そして、さらにデッキ部材4d外側下角部が押し潰されると、ワイヤWがワイヤ食い込み防止部24のエッジ部24aに接触する。この段階では、荷重はデッキ部材4dに分散してかかっているため、ワイヤWの荷重がワイヤ食い込み防止部24のエッジ部24aに集中することがなく、ワイヤWの損傷を抑制できる。このため、ワイヤWの切れを効果的に防止する。また、このワイヤ食い込み防止部24によりデッキ部材4dもこれ以上押し潰されることがなく、長期の使用によっても木質からなるデッキ部材4dを使用不能に破壊することがない。実施形態においては製造の容易のためエッジ部24aには打ち抜いたままの形状でエッジ部が形成されているが、上述のようにワイヤWを痛めることも少ない。但し、ワイヤWの種類や貨物Cの質量によってはこの部分に必要に応じて面取りしたりやアールを付けたりすることも好ましい。
以上、本発明の要部である固定部材2について、固定部材(右)2Rのタイプである固定部材2dを例に説明したが、固定部材2Lは、図1、図2の固定部材2lに示すように固定部材2Rが反転した形状となっている。つまり、木製パレット1の外側に面する固定部材2において、デッキ部材挟持部(外)22aに延設されたワイヤ食い込み防止部24は逆方向に延設されている。また、桁部材挟持部23において、ねじ止め用のねじ孔は、ワイヤ食い込み防止部24が設けられた側と反対側の桁部材挟持部(内)23bに設けられている。
このように、2つのタイプの固定部材(右)2R、固定部材(左)2Lを図1、図2に示すように場所により使い分けることで、固定用のボルト25がワイヤWと干渉することなく、また、ワイヤWがデッキ部材4の角部と当接する位置にはワイヤ食い込み防止部24が配設でき、かつ木製パレット1の外周部にボルト27を露出させることもない。
上記実施形態の木製パレット1によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、十分な強度を持ちながら、容易に素材ごとに分解することができるという効果がある。
(2)固定部材2を着脱可能にしたことで、木製パレット1の組み立て分解が容易になり、使用時には必要数のみを組み立てて使用し、使用後には分解することで、木製パレットの保管、運搬等が極めて容易になる。
(3)また、金属部品である固定部材2と角材からなる桁部材3、デッキ部材4を分別して収容、運搬、廃棄ができるため、運送効率やスペース効率を高めることができる。
(4)また、固定部材2、桁部材3、デッキ部材4の部品により構成されるため、運搬する貨物Cの大きさや重量により、大きさを変化させるばかりか、使用する角材の本数、固定箇所を増やして密度を上げて強度を高めることも容易にできる。
(5)固定部材2は、桁部材3及びデッキ部材4を挟持して固定するため、桁部材3及びデッキ部材4を釘などで傷付けることがなく、繰り返し桁部材3及びデッキ部材4を利用することができる。
(6)もし、桁部材3、デッキ部材4、固定部材2の一部が破損した場合でも容易に破損した部分のみを交換することができる。また、本実施形態では、桁部材3、デッキ部材4は、同じ太さの角材を使っているので、傷ついた部分をカットして短くしても、他の場所に転用して再利用することも可能である。
なお、廃棄時には木質の部分と固定部材を容易に分別できるので、廃棄処分やリサイクルを容易に行うことができ資源を活用することができる。
(7)固定部材2は、鉄板を打ち抜き、板金作業で折り曲げて作成できるので、製造が容易でコストも低く抑えることができる。また、ワイヤ食い込み防止部24も一体に形成できる。
(8)ボルト25,27により挟持するため、スパナ1つで容易に組み立てができる。また、締め付け量を変化させるだけで、太さの異なる角材を使用することもでき、長期の使用、繰り返しの使用でもボルトを増し締めするだけで挟持する力を確保できる。
特に、第1のねじ孔26b、第2のねじ孔26a、第3のねじ孔28b、第4のねじ孔28aの位置を力学的な作用を考慮し、配置しているため固定力が大きいばかりか、経時的な物理変化に対して対応しやすい、いわゆるフェイルセーフ構造となっている。
(9)ワイヤ食い込み防止部24を設けたため、ワイヤWにより吊り下げて運搬する場合にワイヤWによりデッキ部材4に大きく食い込むことでデッキ部材4を使用不能に損傷するようなことがない。
(10)さらに、ワイヤ食い込み防止部24に接触する前に、柔らかい木質のデッキ部材4の角部に当たり荷重を適度に分散するため、ワイヤW自体も固定部材2で破損されることを防止できる。
(11)デッキ部材4の上端面は同一平面に沿って形成されるとともに、固定部材2は突出しないので、鉄板などの平坦な貨物Cを木質の角材のみで支えることができ、金属部品で傷を付けるようなことがない。
(12)また、桁部材3の下方にも固定部材2は突出しないので、別の木製パレット1に鉄板などを載置したものに、さらに木製パレット1を積層することもできる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した木製パレットの第2の実施形態を図9にしたがって説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の固定部材2にボルト保護部材であるプロテクタPを付加したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
ここで、図9は、フォークFKによるボルト425a、425bとの干渉を防止するプロテクタPを備えた実施形態を示す。フォークリフト(図示を省略)の一対の平行な搬送用のフォークFKは、図2に示すように、デッキ部材4a〜4cの下方であって、桁部材3a,3cの内側に桁部材3a,3cの長手方向に沿って挿し込まれる。このときフォークFKは、左右(図2において上下方向)にずれる場合がある。
このような場合、図3に示す第1の実施形態では、挿し込まれたフォークFKの側面等とボルト25a,25bとが干渉し、その結果ボルト25a,25bが不用意に回動し、固定部材2Rと桁部材3との固定が緩む可能性もある。あるいはボルト25a,25bが変形して回動不能になる可能性もある。
そこで、図9に示す固定部材401では、フォークFKと対面する桁部材挟持部423bの一方の端部(ここでは正面側端部)から90度折り曲げてフォークFKと対面する方向に水平に延設し、垂直な板状のプロテクタPを形成している。このプロテクタPの先端面は、桁部材挟持部423bから、ここで桁部材3を挟持しているボルト425a,425bの頭部よりもフォークFK側(内部側)に突出するように形成される。
本実施形態では、このようにプロテクタPを形成することで、フォークFKの挿入位置がずれたときでも、フォークFKは、プロテクタPの先端面のみに当接してボルト425a,425bと干渉することがなく、固定部材401と桁部材3(不図示)との固定が緩んだり、ボルト425a,425bが変形したりすることを防止できる。
上記実施形態に開示された技術的思想を以下に付記する。
・ 固定部材は、デッキ部材の下方に挿入されたパレット搬送用のフォークと、桁部材挟持部に螺合されたボルトとが干渉しないように、桁部材挟持部に設けられたボルト保護部材(プロテクタ)を備え、当該ボルト保護部材は、当該固定部材と一体に形成されたことを特徴とするボルト保護部材及びボルト保護部材を備えた固定部材。
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した木製パレットの第3の実施形態を図9〜図11にしたがって説明する。なお、第3の実施形態は、第1,2の実施形態の桁部材3に支持部材SP及びその固定金具5を付加したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
図10は、支持部材SPの固定金具5を示す。固定金具5は、1枚の金属板を折り曲げ加工して形成された部材で、ここでは固定部材2と同じ厚みの鉄板から形成されている。固定金具5は、水平に形成され、桁部材3に沿うような方向を長手方向とする長方形の平面を構成する基部51を備える。基部51の長手方向両端部の幅方向両端部には、基部51から鉛直上方に連続する、対向する垂直な壁状の支持部材保持部52,52を備える。また、基部51の長手方向中央部の幅方向両端部は、基部51から鉛直下方に連続する、対向する垂直な壁状の桁部材保持部53,53を備える。
図11に示すように、このように形成された固定金具5は、例えば、基部51を桁部材3に載置するとともに、桁部材3を桁部材保持部53,53で挟むように配置する。また、支持部材保持部52,52の間に支持部材SPを保持する。支持部材SPは、デッキ部材4や桁部材3と同じ角材から構成され、基部51の長手方向と略同じ長さになっている。なお、固定金具5によって支持部材SPを安定して保持できれば、固定金具5と支持部材SPの長さは、いずれが長くてもよい。
図12に示すように、固定金具5aと支持部材SPは、桁部材3a上において、デッキ部材4aとデッキ部材4bの略中央に配置される。同様に、デッキ部材4bとデッキ部材4c、デッキ部材4cとデッキ部材4dの中央にも固定金具5b、5cが配置される。また、同様に桁部材3b、3cにおいても固定金具5が配置される。それぞれの固定金具5の支持部材保持部52,52には、支持部材SPが保持される。このように配置されたこれらの支持部材SPの上面は、デッキ部材4a〜4dの上面と同一平面上に配置される。したがって、ここに載置される平坦な貨物Cは、デッキ部材4a〜4dと、これらの支持部材SPに均一に支持される。
次に、このように構成された固定金具5と支持部材SPの作用を説明する。第1の実施形態に示す木製パレット1は、板状の貨物Cを積載したとき、デッキ部材4a〜4dの上面に載置されるため、デッキ部材4a〜4dの水平方向の間隙においては、貨物Cと桁部材3a〜3cとの間は垂直方向に間隙ができる。そのため、デッキ部材4a〜4dに貨物Cが載置された場合、荷重がデッキ部材4a〜4dを支える桁部材3a〜3cの固定部分に集中する。特に、通常は中央側のデッキ部材4b、4cに集中する。この状態から、ワイヤWにより図1のような状態で吊り下げると、デッキ部材4a〜4dを支える桁部材3a〜3cの固定部分に応力集中が生じ、特に、通常は中央側のデッキ部材4b、4cの固定部分で、桁部材3a〜3cが曲げられる。その結果、桁部材3a〜3cのデッキ部材4b、4cの固定部分での強度が限界となり、積載可能な貨物Cの質量が制限される。
第3の実施形態では、固定金具5と支持部材SPによりこのような荷重が分散され、応力集中が生じないため、それぞれの部分で、強度の限界を生じるまでの積載量の質量を大きくすることができる。
そのため、本実施形態では、簡単に木製パレットに装着でき、桁部材3に同じ太さの角材を用いた場合に比較して、より大きな質量の貨物Cを積載できるという効果がある。
次に、上記実施形態に開示された他の技術的思想を付記する。
・ 前記デッキ部材間の前記桁部材上に配置され、デッキ部材上に載置される平坦な積載物と当該桁部材との間に形成される間隙を埋めるように、当該デッキ部材の上面と略同一平面上となる面を備えた支持部材において、当該支持部材を当該桁部材に固定するための取付金具を備えたことを特徴とする木製パレット。
・ 前記取付金具は、前記固定部材と同じ厚みの金属板から折り曲げ形成され、前記支持部材は、前記デッキ部材の同じ太さの部材を用いたことを特徴とする木製パレット。
・ 前記支持部材を取り付けるための取付金具。
これらの構成では、取付部材を用いることでデッキ部材と同じ角材などを用いて容易に木製パレットの積載能力を高めることができる。
・ なお、本実施形態では、固定金具5は、固定部材2と同一の厚みの鉄板により形成されているが、固定金具5は、固定部材2と異なる厚みの鉄板でもよく、材質も鉄に限らず他の金属や樹脂により形成されてもよい。
・ また、本実施形態では、支持部材SPは、デッキ部材4や桁部材3と同じ太さの角材から形成しているが、異なった太さの角材でもよく、材質も木材によらず樹脂や金属により形成されてもよい。
なお、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく以下のように変更してもよい。
○ 実施形態の固定部材(右)2Rは、図3〜図7に示すように、正面から見てデッキ部材挟持部(外)22aの右手方向にワイヤ食い込み防止部24が形成され、固定部材(左)2Lは図1、図2に示すように正面から見て左手方向にワイヤ食い込み防止部24が形成される。しかしながら、図8(b)に示す固定部材102のように、正面から見て両側にワイヤ食い込み防止部124,124を設けたようなものでもよい。このように形成することで1種類の固定部材ですべての位置でデッキ部材4と桁部材3を固定するとともに、デッキ部材4をワイヤWによる破損を防止することができる。
○ さらに、図8(c)に示す固定部材202のように、さらに前後のデッキ部材挟持部の両方に4箇所のワイヤ食い込み防止部材224を設けることで、装着位置、装着方向を考慮しないで固定でき、装着方向を誤ることがない。
○ なお、ワイヤやロープの掛け方は、実施形態に示す方法でも可能であり、ワイヤ食い込み防止部はその方法に適した方法で装着できることは言うまでもない。
○ さらに、本発明ではワイヤ食い込み防止部は必ずしも必須の構成ではなく、図8(a)に示す固定部材302のように、ワイヤ食い込み防止部を備えない固定部材302とすることもできる。主にフォークリフトやハンドリフトによる搬送でワイヤを使用しない場合はこのような構成が好ましい。
○ 桁部材3及びデッキ部材4は、実施形態では断面正方形の木質の角材から形成されているが、これに限らず断面長方形の板状のものやさらに円形の丸棒状の部材を含む。また、長さ、太さの異なる部材を使用することも妨げない。
○ 桁部材3とデッキ部材4はそれぞれ2本以上あればよく、その長さや本数は、運搬する積載物の形状、寸法、重量等により任意に決定できることは言うまでもない。
○ 本実施形態では、桁部材3の上にデッキ部材4を固定しているが、桁部材3の下方にさらにデッキ部材4と同様の下部デッキ部材(不図示)を付加して固定するように構成することもできる。このように構成することで、木製パレットとして強度を高めることもできる。
○ 固定部材2の材質は実施形態では、鉄板を用いているが、SUS材、真鍮等の他の金属を用いてもよい。また、成型後熱処理などで硬度を高めて変形を防止することも望ましい。
○ また、塗装や防錆のために表面処理することも望ましい。
○ なお、固定部材2は、強度さえ確保できれば金属に限らずエンジニアリングプラスチック、カーボン材料、セラミックスを用い、また一体成型により製造することができることはいうまでもない。
○ 固定部材2のデッキ部材挟持部22や桁部材挟持部23の幅や深さについては、使用を予定する角材に合わせて適宜変更できることは言うまでもない。
○ 実施形態ではボルト25,27の先端は、平坦な面に形成されているが、材質等に応じて先端が尖鋭なものとしてもよい。また、ボルト25,27により円板状や長方形の板状などのあて板を介してデッキ部材4や桁部材3を挟持するような構成でもよい。また、このあて板に爪などを設けて、位置ずれや回転を防止するものも好ましい。
○ 実施形態では、デッキ部材4、桁部材3のいずれも2本のボルトにより固定しているが、当業者によりねじの本数(例えば1本又は3本以上)やその配置は任意に決定できる。
○ また、実施形態では、ボルト25,27と螺合する固定部材2のデッキ部材挟持部22及び桁部材挟持部23には、直接螺合する雌ねじが刻設されていているが、これに代えてボルトの雄ねじに対して径の大きな孔(いわゆるバカ穴)と、この孔と同心に溶接等で固定されたナットから構成されるようなものでもよい。
○ さらに、十分な固定さえできれば、固定部材による挟持はボルトによる挟持に限定されるものではない。
○ その他、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で当業者により構成が付加され省略され、あるいは変更されて実施できることは言うまでもない。
木製パレットの正面図。 木製パレットの平面図。 固定部材の斜視図。 固定部材の左側面図。 固定部材の正面図。 固定部材の平面図。 木製パレットの一部を拡大した斜視図。 (a)〜(c)固定部材の別例等を示す図。(a)は、他の実施形態を示す平面図。(b)は、別の実施形態を示す平面図。(c)は、さらに別の実施形態を示す平面図。 本発明の他の実施形態のプロテクタを示す図。 本発明の他の実施形態の固定金具を示す図。 固定金具に保持された支持部材を示す図。 木製パレットに配置された固定金具及び支持部材を示す図。
符号の説明
1…木製パレット、2(2R,2L,2a〜2l),102,202,302、401…固定部材、21…基部、22(22a,22b)…デッキ部材挟持部、23(23a,23b)…桁部材挟持部、24,124…ワイヤ食い込み防止部、26b…第1のねじ孔、26a…第2のねじ孔、28b…第3のねじ孔、28a…第4のねじ孔、25(25a,25b),27(27a,27b)…ボルト、3(3a〜3c)…桁部材、4(4a〜4d)…デッキ部材、5…固定金具、C…貨物、M1〜M5…マージン、F1,F2…支点、FK…フォーク、G1,G2…偏位、P…プロテクタ(ボルト保護部材)、SP…支持部材、W…ワイヤ。

Claims (13)

  1. 複数の木質の部材からなる桁部材が概ね同一の仮想平面上に沿って平行に並設されてなる桁部と、
    複数の木質の部材からなるデッキ部材が、前記桁部上に、前記桁部材とともに格子状をなすように直交して配列されたデッキ部と、
    前記デッキ部材と前記桁部材の交差部分において当該デッキ部材と桁部材とを固定する固定部材とを備え、
    当該固定部材は、デッキ部材挟持部で当該デッキ部材を挟持するとともに、桁部材挟持部で当該桁部材を挟持することで、前記デッキ部材と前記桁部材を着脱可能に接続することを特徴とする木製パレット。
  2. 前記固定部材は、1枚の金属板から一面側に屈曲された一対の対面したデッキ部材挟持部、及び他面側に屈曲された一対の対面した桁部材挟持部がそれぞれ形成されたことを特徴とする請求項1に記載の木製パレット。
  3. 前記デッキ部材挟持部及び前記桁部材挟持部は、当該固定部材に螺合されたボルトにより前記桁部材及び前記デッキ部材を締め付けて挟持することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の木製パレット。
  4. 木製パレットの前記デッキ部の水平方向の最も外側に配置されたデッキ部材を固定する固定部材において、当該固定部材が前記桁部材を挟持するための前記ボルトと螺合するために設けられた孔は、前記木製パレット内側の上端側に近接した第1のねじ孔と、外側下端側に近接した第2のねじ孔を備えることを特徴とする請求項3に記載の木製パレット。
  5. 木製パレットの前記桁部の水平方向の最も外側に配置された桁部材を固定する固定部材において、当該固定部材が前記デッキ部材を挟持するための前記ボルトと螺合するために設けられた孔は、前記木製パレット内側の下端側に近接した第3のねじ孔と、外側上端側に近接した第4のねじ孔を備えることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の木製パレット。
  6. 前記固定部材は、ワイヤにより吊り下げて運搬する場合に当該ワイヤによる前記デッキ部材の損傷を抑制するためにワイヤに当接させるワイヤ食い込み防止部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の木製パレット。
  7. 前記ワイヤ食い込み防止部は、前記デッキ部材挟持部から延びるように延設されたことを特徴とする請求項6に記載の木製パレット。
  8. 前記ワイヤ食い込み防止部は、ワイヤが所定量デッキ部材に食い込んだときにワイヤと当接することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の木製パレット。
  9. 前記固定部材は、前記デッキ部材の下方に挿入されたパレット搬送用のフォークと、前記桁部材挟持部に螺合されたボルトとが干渉しないように、前記桁部材挟持部に設けられたボルト保護部材を備えたことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の木製パレット。
  10. 前記デッキ部材間の前記桁部材上に配置され、デッキ部材上に載置される平坦な積載物と当該桁部材との間に形成される間隙を埋めるように、当該デッキ部材の上面と略同一平面上となる面を備えた支持部材を配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の木製パレット。
  11. 前記デッキ部材の上端面は一の仮想平面に沿って形成されるとともに、前記デッキ部材挟持部は、当該仮想平面上から突出しないように形成され、当該デッキ部上に平坦な板状の積載物にデッキ部の木質の部分のみを当接させて載置可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の木製パレット。
  12. 前記桁部材挟持部は、前記桁部材が並設された前記仮想平面下に突出しないように形成され、当該木製パレットを他の平坦な板状の積載物に桁部の木質の部分のみを当接させて積層可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の木製パレット。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の木製パレットの組み立てに用いる固定部材。
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JP2010274921A (ja) * 2009-05-26 2010-12-09 Okuzawa Sangyo Co Ltd 運搬用スキッド

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