JP2007082272A - アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 剛性の高い材料で形成した可動部4の軸片部5Bを高剛性の樹脂製の軸部材5Aに貫通させて軸部5を形成し、この軸部5を、枠状の下部ケース1に設けた軸受部3で軸支し、下部ケース1に対して可動部4を回動可能に軸支する。可動部4には、駆動コイル6を設け、永久磁石11,12の静磁界と通電により発生する駆動コイル6の磁界との相互作用により可動部4に電磁力を作用させて可動部4を回動駆動する。軸部材5Aの周面には、板バネ8,8の端部を取付け、可動部4が回動したときに可動部4の回動方向と反対方向の復元力を軸部5に対して作用させる。
【選択図】 図1
Description
2次元走査を実現しようとした場合、シリコン等で外側回動部と内側回動部が一体成形されている場合は、それぞれの共振周波数を任意に設定することができない。2次元ラスタ走査では前述のように一方向の走査を高速に、他方向の走査を低速に、即ち、互いに直交する方向に対して駆動周波数比を高く設定する必要があるが、一体成形ではその実現が難しい。駆動周波数比を高くするために、特許文献3のようにどちらか一方をポリイミド等で形成すれば、前述のように光ビームの走査軌跡が揺らぐ虞れがあり走査安定性に問題が生じる。
かかる構成では、可動部に電磁力を作用させて駆動する電磁駆動タイプのアクチュエータを実現できる。
かかる構成では、内側可動部に反射ミラーを設ければ、光ビームを2次元に走査することができ、2次元光スキャンに適用できるようになる。そして、外側可動部を安定に低速動作させることが可能となるので、外側可動部を低速動作させることで安定したラスタ走査を実現できるようになる。
また、請求項6のように、前記復元力付与手段は、前記駆動コイルに通電する駆動電流を制御して前記可動部に対してその駆動方向と反対方向に作用させる電磁力を制御する構成としてもよい。
かかる構成では、機械式バネ部品が省略できるので、構造を簡素化できるようになる。
また、請求項7のように、前記復元力付与手段は、磁性流体の粘性を制御して前記軸受部に取付けた前記軸部に対してその回動方向と反対方向に作用させる抵抗力を制御する構成としてもよい。
請求項6又は請求項7の構成において、請求項8のように、前記可動部の回動量を規制するストッパを設ける構成とするとよい。
図1は、本発明に係るアクチュエータの第1実施形態を示す電磁駆動タイプの要部構成を示す斜視図、図2は、図1の平面図である。
図1及び図2において、本実施形態のアクチュエータは、例えば樹脂で形成した枠状の下部ケース1と上部ケース2(図3に図示)を有し、各ケース1,2に設けた軸受部(すべり軸受部)3,3に、平板状の可動部4の一対の軸部5,5を回動可能に軸支して可動部4が下部及び上部ケース1,2に対して回動可能な構成である。前記各軸部5,5は、例えばインサート成形等により、剛性の高い樹脂製で円柱形状の軸部材5A,5Aの中心部に、可動部4の両側辺中央部から張出した軸片部5B,5Bを貫通させて形成し、軸部材5A,5Aを軸受部3,3に取付ける。可動部4の上面周縁部には、可動部4を駆動するための駆動コイル6が絶縁膜で覆われて設けられる。駆動コイル6の端部は、各軸片部5B,5Bを介して軸部材5A,5Aの外側に引き出されて電極端子7,7に接続し、ワイヤーボンディングにより外部の図示しない駆動回路に電気的に接続する。
前記可動部4は、剛性の高い材料で形成し、例えばシリコン、非磁性金属、ガラス、樹脂等で形成することができる。
可動部4上の駆動コイル6に駆動電流を流すと磁界が発生する。この磁界と永久磁石11,12による静磁界との相互作用によりローレンツ力が発生し、軸部5,5の軸方向と平行な可動部対辺部に互いに逆方向の回転力が発生する。この回転力により可動部4が回動し、可動部4と一体の軸部5,5の回動により板バネ8,8が弾性変形し、そのばね力と前記回転力とが釣合う位置まで可動部4は回動する。駆動コイル6に交流電流を流せば可動部4が揺動するので、可動部4に反射ミラーを設ければ光ビームを偏向走査できる。発生する回転力は、駆動コイル6に流す駆動電流値に比例するので、駆動コイル6に供給する駆動電流値を制御することで、可動部4の振れ角(光スキャナに適用した場合の光ビームの走査角度)を制御できる。
図4は、コイルスプリングの巻き方向が中間を境に互いに逆方向であるようなダブルコイルスプリングを用いた例である。
図4において、この場合、軸部5,5の軸片部5B,5Bの先端部を、図示のようにL字状に折曲形成して軸部材5A,5Aの周面側に突出させる。そして、板バネ8,8に代えて復元力付与手段としてのダブルコイルスプリング21を、その一端を軸部材5A,5Aの端面中心部に固定し、他端を下部ケース1と上部ケース2との間に固定して取付ける。尚、駆動コイル6が接続する電極端子7,7は、例えば下部ケース1側に形成した電極端子13,13とワイヤーボンディングで接続し、下部ケース1と上部ケース2との間の電気配線(図示せず)を介して外部の駆動回路に接続する。
弾性ワイヤー22の場合もダブルコイルスプリング21と同様で、可動部4の回動により弾性ワイヤー22が捩れることによりバネ力が発生して、可動部4に対して駆動力と反対方向の復元力が作用する。尚、弾性ワイヤー22は、捩れ弾性を持つ材料であれば、金属材料に限らず樹脂等どのような材料でもよい。
図6において、軸受部30は、ケース31に例えばボールベアリング等の軸受32が取付けられ、軸部材5A,5Aを軸支する。前記ケース31内には、Oリング等のシール部材33でシールされて磁性流体34が封入されている。また、ケース31の外端面部には、通電により磁界を発生して磁性流体34の粘性を制御するためのコイル35が嵌め込まれている。軸部材5A,5Aには、周面に複数の羽部材36を設けてある。
このように、磁性流体を利用すれば、機械式バネを省略できる。この場合、可動部の回動量を規制するためのストッパを設けることが望ましい。
図7及び図8は、ピボット軸受構造の例であり、図7は平面図、図8は側面図を示す。
図において、この場合、軸部材5Aの先端部を円錐形状に形成し、軸片部5Bは図4及び図5と同様で軸部材5Aの周面に突出させる。下部ケース1と上部ケース2にそれぞれピボット軸受部40の半周部分を形成し、下部ケース1と上部ケース2を重ねてピボット軸受40が形成される。
かかるピボット軸受構造によれば、第1実施形態のすべり軸受構造と比較して軸部材5A,5Aと軸受部間の摩擦力を小さくできる利点がある。
図において、この場合、第1実施形態と同様に、軸部5は円柱形状の軸部材5Aの中心部に軸片部5B,5Bを貫通させて形成される。一方、下部ケース1と上部ケース2との間にボールベアリング50を固定し、このボールベアリング50で軸部材5A,5Aを軸支する。この構造も、軸部材5A,5Aと軸受部間の摩擦力を小さくできる利点がある。
図11において、図示しない駆動回路に接続する外部電気配線60を、軸部材5Aを貫通させ、可動部4上で、駆動コイル6と電極端子7を介して接続する。軸部材5Aの外端近傍の外部電気配線60部分を、図4に示すダブルコイルスプリング21と同様の形態に形成して外部電気配線60にコイルスプリング機能を持たせる構成とする。尚、外部電気配線60は、導電部を絶縁材で被覆してある。
かかる構造では、可動部4に対する外部電気配線70の復元力の作用は、図4のダブルコイルスプリング21の場合と同様であり説明は省略する。
図13は、本発明の第2実施形態の2次元タイプアクチュエータの構成例を示す概略平面図である。
図13において、本実施形態の2次元タイプのアクチュエータは、図1〜図3に示す第1実施形態の可動部4の中央部に図14に示すような段付き形状の窓部4aを形成し、枠状の固定部101、可動部102及び固定部101に可動部102を回動可能に軸支する一対のトーションバー103,103を一体に形成した半導体基板100を、軸部5,5とトーションバー103,103の互いの軸方向が直交するように、且つ、可動部4上面と半導体基板100上面が面一となるように、前記窓部4aに固定して構成した。従って、可動部4が外側可動部に相当し、可動部102が内側可動部に相当する。
内側可動部102の動作原理は、前述した可動部4と同様で、駆動コイル104に駆動電流を流したときに発生する磁界と永久磁石105,106による静磁界との相互作用によりローレンツ力が発生し、トーションバー103,103の軸方向と平行な可動部対辺部に互いに逆方向の回転力が発生し、この回転力とトーションバー103,103のばね力とが釣合う位置まで可動部102が固定部101に対して回動する。そして、駆動コイル6に電流を流せば外側可動部4と一体に半導体基板100が回動する。従って、例えば、内側可動部102中央部に反射ミラーを設け、駆動コイル6,104にそれぞれ交流電流を流して外側可動部4と内側可動部102を揺動駆動すれば、光ビームを2次元走査できる。
(A)は、同心状に2つの導電層60a,60bを設け、導電層60aと導電層60bを絶縁層60cにより互いに絶縁し、導電層60bの外側を絶縁層60dで被覆する構造である。(B)は、2つの導電層60a,60bを絶縁層60cの周囲に配置し、絶縁層60dで被覆する構造である。そして、導電層60a,60bの一方を駆動コイル6側に接続し、他方を駆動コイル104側に接続すればよい。
3 軸受部(すべり軸受部)
4 可動部(外側可動部)
5 軸部
5A 軸部材
5B 軸片部
6,104 駆動コイル
8 板バネ
10,11,105,106 永久磁石
21 ダブルコイルスプリング
22 弾性ワイヤー
34 磁性流体
40 ピボット軸受部
50 ボールベアリング
60 外部電気配線
100 半導体基板
102 可動部(内側可動部)
103 トーションバー
Claims (8)
- 枠状の固定部に設けた軸受部と、
軸部を有し、前記軸部を介して前記固定部の軸受部に回動可能に軸支される可動部と、
該可動部に駆動力を作用して当該可動部を駆動する駆動手段と、
該駆動手段で駆動される前記可動部に対してその駆動方向と反対方向の復元力を与える復元力付与手段と、
を備えて構成したことを特徴とするアクチュエータ。 - 前記駆動手段は、前記可動部に敷設され通電により磁界を発生する駆動コイルと、前記軸部の軸方向と平行な可動部対辺部に位置する駆動コイル部分に静磁界を作用する静磁界発生部とを備え、前記駆動コイルの発生する磁界と前記静磁界との相互作用により可動部対辺部に電磁力を作用させる構成である請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記可動部が、前記固定部の軸受部に軸支される外側可動部と、前記軸部と軸方向が直交するトーションバーを介して前記外側可動部に対して回動可能な内側可動部とからなり、前記駆動手段が、前記軸部回りに外側可動部を回動駆動し、前記トーションバー回りに内側可動部を回動駆動する構成である請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
- 半導体基板に、前記内側可動部及び前記半導体基板に対して内側可動部を軸支する前記トーションバーを一体形成し、前記半導体基板を前記トーションバーと前記外側可動部の軸部を互いの軸方向が直交するように前記外側可動部に固定する構成とした請求項3に記載のアクチュエータ。
- 前記復元力付与手段は、前記可動部の回動量に応じて機械式バネのバネ力が変化する構成である請求項1〜4のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
- 前記復元力付与手段は、前記駆動コイルに通電する駆動電流を制御して前記可動部に対してその駆動方向と反対方向に作用させる電磁力を制御する構成である請求項2〜4のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
- 前記復元力付与手段は、磁性流体の粘性を制御して前記軸受部に取付けた前記軸部に対してその回動方向と反対方向に作用させる抵抗力を制御する構成である請求項1〜4のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
- 前記可動部の回動量を規制するストッパを設ける構成とした請求項6又は7に記載のアクチュエータ。
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