JP4380233B2 - 光偏向器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光などを2次元的に偏向できる光偏向器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の半導体プロセス技術と、最近のマイクロマシン技術とを利用して、シリコン基板を用いてマイクロミラーによる光偏向器が各種の機器に適用されている。この種の光偏向器は、レーザー光などを所望の方向に偏向できるため、レーザービームプリンタやバーコードリーダとか、光LANモジュールなど種々の用途に適用されている。
【0003】
上記した光偏向器は、レーザー光などを所望の方向に偏向する際に、マイクロミラーをX軸方向(又はY軸方向)のみ揺動させる1軸方向揺動型と、マイクロミラーをX軸方向及びY軸方向に2次元的に揺動させる2軸方向揺動型とに大別できるが、本発明に係る光偏向器は後述するように2軸方向揺動型に構成しているために、以下、2軸方向揺動型について説明する。
【0004】
ここで、2軸方向揺動型の光偏向器の従来例として、光偏向器のミラー体内に形成したミラー部を2次元的に揺動させることができるものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−180428号公報(第3頁、第1図)
【0006】
【特許文献2】
特開平8−32227号公報(第3頁、第1−2図)
【0007】
図15(a),(b)は従来例1の静電力駆動小型光スキャナを説明するために示した上面図,縦断面図、
図16(a),(b)は従来例2のプレーナ型電磁アクチュエータを説明するためにそれぞれ示した斜視図である。
【0008】
まず、図15(a),(b)に示した従来例1の静電力駆動小型光スキャナ(光偏向器)100は、特許文献1(特開平6−180428号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献1を参照して簡略に説明する。
【0009】
図15(a),(b)に示した如く、上記した従来例1の静電力駆動小型光スキャナ100では、シリコン基板を用いて矩形状のミラー体101内の各部がエッチング加工により薄肉に一体的に形成されている。即ち、ミラー体101は、外枠部101aの内側にY軸走査用の梁101bとY軸方向静電吸引部101cとが一体に形成され、且つ、Y軸方向静電吸引部101cの内側にX軸走査用の梁101dとミラー部101eとが一体に形成されている。また、ミラ−部101eの下部にX軸方向駆動電極102が配置され、且つ、Y軸方向静電吸引部101cの下部にY軸方向駆動電極103が配置されており、これらの各駆動電極102,103は電極基板104上に形成されて駆動電極配線部105に接続されている。この際、各駆動電極102,103上には絶縁膜106が膜付けされている。
【0010】
また、ミラー体101と電極基板104との間には、ミラー体101内に形成したミラ−部101eと各駆動電極102,103間のギャップをきめる支持スペ−サ部107が設けられている。
【0011】
ここで、上記のように構成された2軸方向走査可能な静電力駆動小型光スキャナ100の動作について説明する。
【0012】
まず、X軸方向駆動電極102に電圧を印加することにより、ミラー体101内に形成したミラ−部101eは静電力を受けて、X軸走査用の梁101dと支持スペ−サ部107を支点として傾動するので、レーザー光をX軸方向に走査する。
【0013】
次に、Y軸方向駆動電極103に電圧を印加すると、Y軸方向静電吸引部101cが静電力を受けて、Y軸走査用の梁101bと支持スペ−サ部107を支点として傾動するので、ミラ−部101eはY軸方向静電吸引部101cと一体となりレーザー光をY軸方向に走査する。
【0014】
従って、X軸,Y軸方向の各駆動電極102,103にそれぞれ電圧を印加して、ミラー体101内に形成したミラ−部101eを静電力により吸引させた時に、ミラ−部101eに照射したレ−ザー光が2軸方向走査可能となる。
【0015】
次に、図16(a),(b)に示した従来例2のプレーナ型電磁アクチュエータ(光偏向器)200は、特許文献2(特開平8−32227号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献2を参照して簡略に説明する。
【0016】
図16(a)に示した如く、上記した従来例2のプレーナ型電磁アクチュエータ(ガルバノミラー)200では、絶縁基板201上の中央部位に例えばシリコン基板を用いて可動部と軸支部とを一体形成したスキャナ本体210が略45°の角度を持って斜めに配置されていると共に、絶縁基板201の上面周囲に例えば磁性体である純鉄からなる枠状のヨーク202が設けられている。また、スキャナ本体210を挟んでヨーク202の互いに対面する2辺の内側には、静磁界発生手段として一対の永久磁石203,204が設けられている。更に、スキャナ本体210は、4本の導線205を介して4本のコネクタピン206に接続されている。
【0017】
また、図16(b)に拡大して示した如く、上記したスキャナ本体210は、シリコン基板211に、枠状の外側可動板212Aと平板状の内側可動板212Bとからなる可動部と、外側可動板212Aを軸支する第1トーションバー213A,213Aと外側可動板212Aに対して内側可動板212Bを軸支する第2トーションバー213B,213Bとを互いに直交させた軸支部とを、異方エッチングによって一体形成している。
【0018】
また、外側可動板212A上には、例えば銅薄膜の駆動コイルとしての平面コイル215Aが形成され、且つ、この平面コイル215Aは第1トーションバー213A,213Aの一方を介してシリコン基板211上の一対の外側電極端子214A,214Aに電気的に接続されている。
【0019】
また、内側可動板212B上にも平面コイル215Bが形成され、且つ、この平面コイル215Bも第2トーションバー213B,213Bの一方から外側可動板212A部分を通り第1トーションバー213A,213Aの他方側を介してシリコン基板211上の内側電極端子214B,214Bに電気的に接続されている。
【0020】
更に、内側可動板212Bの上面中央部には、例えばアルミニウム蒸着により全反射ミラー216が形成されている。
【0021】
ここで、上記のように構成された2軸方向走査可能な電磁アクチュエータの動作について説明すると、永久磁石203で発生した磁界は、絶縁基板201上のスキャナー本体210を横切って永久磁石204に向かう。この際、磁界はスキャナ本体210の平面内で互いに直交する横成分磁界と縦成分磁界とが存在し、横成分磁界は外側可動板212Aを軸支する第1トーションバー213A,213Aの軸方向と直角方向であり、縦成分磁界は内側可動板212Bを軸支する第2トーションバー213B,213Bの軸方向と直角方向となるので、外側可動板212A上の平面コイル215Aに電流を流すと、この電流と前記横成分磁界との作用により磁気力が発生して外側可動板212Aが駆動され、また、同様にして、内側可動板212B上の平面コイル215Bに電流を流すと、この電流と前記縦成分磁界との作用により磁気力が発生して内側可動板212Bが駆動されるので、内側可動板212B上に形成した反射ミラー216が2軸方向に揺動自在となっている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図15(a),(b)を用いて説明した従来例1の静電力駆動小型光スキャナ(光偏向器)100では、ミラー体101内に形成したミラー部101eの振れ角(光偏向角度)を大きくするためには、ミラー部101eとX軸,Y軸方向の各駆動電極102,103とのギャップ(間隔)を大きくする必要がある。この際、一般的に静電力はギャップの2乗に反比例するので、ギャップを大きくすると、ミラー体101内に形成したミラー部101eへの駆動力を得るのに大きな電圧を必要とするなどの問題がある。
【0023】
一方、図16(a),(b)を用いて説明した従来例2の静電力駆動小型光スキャナ(光偏向器)200において、平面コイル215A,215Bにそれぞれ電流を流した時にローレンツ力で発生させることの出来る力は、磁界の吸引力に比べて小さいので、ミラー体210内に形成した反射ミラー216を傾動させる際に大きな駆動力を得ることは難しい。また、ミラー体210内に形成した反射ミラー216が小さくなるとそこに巻く平面コイル215A,215Bの巻き数が少なくなってしまう。
【0024】
そこで、ミラー体内に形成したミラー部を少ない駆動電力で2次元的に大きく傾動させることができ、且つ、構造が簡単な2軸揺動型の光偏向器が望まれている。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、第1の空隙を有する枠部と、
前記第1の空隙に配置されたミラー部と、
前記枠部と前記ミラー部とを互いに異なる位置で連接する一対の梁部と、
前記枠部が固定されると共に、前記ミラー部とによって第2の空隙を形成する半球面状の凹面を有するミラー支持部と、
前記第2の空隙内で前記ミラー部及び前記凹面にそれぞれ接して配置された球状の磁性体と、
前記磁性体を磁気的に吸引して該磁性体を前記凹面に沿って移動させることで、前記ミラー部を傾動させる磁界発生部と、
を備えたことを特徴とする光偏向器である。
また、第2の発明は、外枠部内から一対の第1梁部を互いに対向してそれぞれ内側に延出させ、且つ、前記一対の第1梁部間に形成した内枠部を該一対の第1梁部を中心にして揺動可能に支持すると共に、前記一対の第1梁部に対して直交させた一対の第2梁部を前記内枠部内から互いに対向してそれぞれ内側に延出させ、且つ、前記一対の第2梁部間に形成したミラー部を該一対の第2梁部を中心にして揺動可能に支持したミラー体と、
前記ミラー体の外枠部の裏面を支持するための上面外周部と、この上面外周部の内側に開口して半径Rの半球状有底穴部とを形成したミラー体支持台と、
前記ミラー体支持台に形成した前記半球状有底穴部の半径Rに対してR/2の半径で球状に磁性材を用いて形成され、且つ、前記ミラー体を前記ミラー体支持台の上面外周部上に取り付けた状態で前記ミラー体内に形成した前記ミラー部の裏面中心部と、前記半球状有底穴部の内周面との間に挟まれながら両者にそれぞれ点接触する磁性球体と、
前記磁性球体を磁気的に吸引して該磁性球体を前記ミラー体支持台に形成した前記半球状有底穴部の内周面に沿って移動させることで、前記ミラー体内に形成した前記一対の第1梁部及び前記内枠部並びに前記一対の第2梁部を介して前記ミラー部を2次元的に傾動させる磁界発生手段と、
を備えたことを特徴とする光偏向器である。
【0026】
また、第3の発明は、第1の空隙を有する枠部と、
前記第1の空隙に配置されたミラー部と、
前記枠部と前記ミラー部とを互いに異なる位置で連接する一対の梁部と、
前記枠部が固定されると共に、前記ミラー部とによって第2の空隙を形成する凹面を有するミラー支持部と、
前記ミラー部から前記凹面に向かって延出された永久磁石棒と、
前記永久磁石棒の長手方向の側面から所定距離隔てて配置され且つ、前記永久磁石棒が揺動していない状態において前記側面を挟んで互いに対向する一対の磁極面を有し、前記永久磁石棒と前記磁極面とによって形成される磁力で、前記一対の梁部を揺動中心にして前記永久磁石棒を揺動させて前記ミラー部を傾動させる磁界発生部と、
を備えたことを特徴とする光偏向器である。
また、第4の発明は、外枠部内から一対の第1梁部を互いに対向してそれぞれ内側に延出させ、且つ、前記一対の第1梁部間に形成した内枠部を該一対の第1梁部を中心にして揺動可能に支持すると共に、前記一対の第1梁部に対して直交させた一対の第2梁部を前記内枠部内から互いに対向してそれぞれ内側に延出させ、且つ、前記一対の第2梁部間に形成したミラー部を該一対の第2梁部を中心にして揺動可能に支持したミラー体と、
前記ミラー体内に形成した前記ミラー部の裏面中心部に一端部が固着され、且つ、前記一端部から他端部に向かって棒状に延出し、それぞれの端部にN極,S極の磁化方向が与えられた永久磁石棒と、
前記ミラー体の外枠部の裏面を支持するための上面外周部と、この上面外周部の内側に開口した有底穴部とを形成したミラー体支持台と、
前記ミラー体を前記ミラー体支持台の上面外周部上に取り付けて、前記ミラー体内に形成した前記ミラー部の裏面に固着した前記永久磁石棒を前記ミラー体支持台の有底穴部内に収納した状態で、前記永久磁石棒の長手方向の側面から所定距離隔てて配置され且つ、前記永久磁石棒が揺動していない状態において前記側面を挟んで互いに対向する一対の磁極面を有し、前記永久磁石棒の前記他端部と前記磁極面とで形成される磁界によって前記他端部を磁気的に吸引及び/又は反発させることで、前記ミラー体内に形成した前記一対の第1梁部及び前記内枠部並びに前記一対の第2梁部を介して前記ミラー部を2次元的に傾動させる磁界発生手段と、
を備えたことを特徴とする光偏向器である。
また、第5の発明は、第1の空隙を有する枠部と、
前記第1の空隙に配置され、鏡面を有するミラー部と、
前記枠部と前記ミラー部とを互いに異なる位置で連接する一対の梁部と、
前記枠部が固定されると共に、前記ミラー部とによって第2の空隙を形成する凹面を有するミラー支持部と、
前記ミラー部から前記凹面に向かって延出された永久磁石棒と、
前記永久磁石棒の長手方向の側面から所定距離隔てて配置され且つ、前記永久磁石棒が揺動していない状態において前記側面を向くと共に、前記永久磁石棒が揺動していない状態における前記鏡面に対して前記永久磁石棒における前記凹面側の端部の揺動軌跡に接近して直線状又は円弧状に傾斜した磁極面を有し、前記永久磁石棒と前記磁極面とによって形成される磁力で、前記一対の梁部を揺動中心にして前記永久磁石棒を揺動させて前記ミラー部を傾動させる磁界発生部と、
を備えたことを特徴とする光偏向器である。
また、第6の発明は、外枠部内から一対の第1梁部を互いに対向してそれぞれ内側に延出させ、且つ、前記一対の第1梁部間に形成した内枠部を該一対の第1梁部を中心にして揺動可能に支持すると共に、前記一対の第1梁部に対して直交させた一対の第2梁部を前記内枠部内から互いに対向してそれぞれ内側に延出させ、且つ、前記一対の第2梁部間に形成され鏡面を有するミラー部を該一対の第2梁部を中心にして揺動可能に支持したミラー体と、
前記ミラー体内に形成した前記ミラー部の前記鏡面とは異なる面の中心部に一端部が固着され、且つ、前記一端部から他端部に向かって棒状に延出し、それぞれの端部にN極,S極の磁化方向が与えられた永久磁石棒と、
前記ミラー体の外枠部の裏面を支持するための上面外周部と、この上面外周部の内側に開口した有底穴部とを形成したミラー体支持台と、
前記ミラー体を前記ミラー体支持台の上面外周部上に取り付けて、前記ミラー体内に形成した前記ミラー部の裏面に固着した前記永久磁石棒を前記ミラー体支持台の有底穴部内に収納した状態で、前記永久磁石棒の長手方向の側面から所定距離隔てて配置され且つ、前記永久磁石棒が揺動していない状態において前記側面を向くと共に、前記永久磁石棒が揺動していない状態における前記鏡面に対して前記永久磁石棒の前記他端部の揺動軌跡に接近して直線状又は円弧状に傾斜した磁極面を有し、前記永久磁石棒の前記他端部と前記磁極面とで形成される磁界によって前記他端部を磁気的に吸引及び/又は反発させることで、前記ミラー体内に形成した前記一対の第1梁部及び前記内枠部並びに前記一対の第2梁部を介して前記ミラー部を2次元的に傾動させる磁界発生手段と、
を備えたことを特徴とする光偏向器である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る光偏向器の一実施例を図1乃至図14を参照して、第1実施例,第2実施例の順に詳細に説明する。
【0028】
<第1実施例の光偏向器>
図1は本発明に係る第1実施例の光偏向器の構成を説明するための分解斜視図、図2は本発明に係る第1実施例の光偏向器の動作を説明するための縦断面図であり、(a)はミラー体の初期状態を示し、(b)はミラー体内に形成したミラー部を一対の第2梁部(X軸)を中心にして反時計方向に揺動した状態を示し、(c)はミラー体内に形成した内枠部及び一対の第2梁部並びにミラー部を一対の第1梁部(Y軸)を中心にして反時計方向に揺した状態を示した図である。
【0029】
図1に示した如く、本発明に係る第1実施例の光偏向器10Aでは、ミラー体11が薄い厚みのシリコン,ポリイミド,ステンレスなどの材料を用いて正方形状に形成され、且つ、このミラー体11を支持するミラー体支持台12の上面外周部12aも正方形状に形成されている。
【0030】
尚、以下の説明の都合上、ミラー体11の中心及びミラー体支持台12の上面外周部12aの中心を2軸座標系のX軸とY軸とで直交させて図示している。
【0031】
上記したミラー体11は、外枠部11aの内側に、一対の第1梁部11b,11bと、内枠部11cと、一対の第2梁部11d,11dと、ミラー部11eとが一体的に形成されている。
【0032】
より具体的に説明すると、ミラー体11は、外枠部11a内から一対の第1梁部11b,11bをY軸上で互いに対向してそれぞれ内側に延出させ、且つ、一対の第1梁部11b,11b間に形成したリング状の内枠部11cを一対の第1梁部11b,11b(Y軸)を中心にしてX軸方向に揺動可能に支持すると共に、一対の第1梁部11b,11bに対して直交させた一対の第2梁部11d,11dをX軸上でリング状の内枠部11c内から互いに対向してそれぞれ内側に延出させ、且つ、一対の第2梁部11d,11d間に形成した円盤状のミラー部11eを一対の第2梁部11d,11d(X軸)を中心にしてY軸方向に揺動可能に支持している。
【0033】
この際、ミラー体11内に形成した一対の第1梁部11b,11b及び一対の第2梁部11d,11dは、捩じりバネ性を備える材料特性、構造を有している。また、ミラー体11の外枠部11aと内枠部11cとの間で一対の第1梁部11b,11bが接続している部位を除いてエッチングなどの処理により貫通してくりぬかれていると共に、内枠部11cとミラー部11eとの間で一対の第2梁部11d,11dが接続している部位を除いてエッチングなどの処理により貫通してくりぬかれている。また、ミラー体11内に形成したミラー部11eは上面側が鏡面に形成されている。
【0034】
次に、ミラー体11を支持するためのミラー体支持台12は直方形状に形成されている。このミラー体支持台12は、ミラー体11の外枠部11aの裏面を取り付けるために上面外周部12aが平坦に正方形状に形成され、且つ、正方形状の上面外周部12aの内側にこの上面外周部12aの中心点を中心にして半径Rの半球状有底穴部12bが開口して形成されている。
【0035】
また、ミラー体支持台12に形成した半球状有底穴部12b内には、磁性球体13が回転可能に収納されている。この磁性球体13は磁性材を用いてミラー体支持台12の半球状有底穴部12bの半径Rに対してR/2の半径で球状に形成されている。
【0036】
そして、ミラー体11の外枠部11aの裏面をミラー体支持台12の上面外周部12a上に取り付けた時に、磁性球体13がミラー体11内に形成したミラー部11eの裏面中心部と、ミラー体支持台12に形成した半球状有底穴部12bの内周面との間に挟まれた状態で収納されるので、磁性球体13はミラー部11eの裏面中心部に対して一点で接触し、且つ、半球状有底穴部12bの内周面に対しても一点で接触している。
【0037】
また、直方形状のミラー体支持台12において、互いに対向する外側面12c,12eの外側にはX軸に沿って一対の電磁石14X,14Xがそれぞれ設置され、且つ、互いに対向する外側面12d,12fの外側にもY軸に沿って一対の電磁石14Y,14Yがそれぞれ設置されている。
【0038】
上記した一対の電磁石14X,14X及び一対の電磁石14Y,14Yは共に同じように構成されて磁性球体13に対する磁界発生手段となっており、各電磁石14X,14Yは鉄心15に沿ってコイル16が巻回され、且つ、コイル16にスイッチ17と可変抵抗器18と直流電源19とが直列で接続されている。
【0039】
ここで、上記構成による第1実施例の光偏向器10Aの動作を図2(a)〜(c)を用いて説明する。
【0040】
まず、図2(a)に示した如く、ミラー体11の外枠部11aの裏面をミラー体支持台12上に取り付けて、光偏向器10Aが初期状態の時に、ミラー体11内に形成した一対の第1梁部11b,11b(図1)及び一対の第2梁部11d,11dの捩じりバネ性による復元力により内枠部11c及びミラー部11eはミラー体支持台12上で略水平な姿勢を維持している。また、この初期状態の時に、ミラー体支持台12の外側面12d,12fの外側でY軸に沿って設けた一対の電磁石14Y,14YはOFF状態を維持しているので磁界が発生しない。勿論、ここでの図示を省略しているがミラー体支持台12の外側面12c,12eの外側でX軸に沿って設けた一対の電磁石14X,14XもOFF状態を維持している。従って、ミラー体11内に形成したミラー部11eの裏面中心部と、ミラー体支持台12に形成した半球状有底穴部12bの内周面との間に挟まれた磁性球体13は、この半径が半球状有底穴部12bの半径Rの半分(R/2)に形成されているので、ミラー部11eの裏面中心部と半球状有底穴部12bの内周面真下中央部とにそれぞれ点接触している。
【0041】
次に、図2(b)に示した如く、ミラー体11内に形成したミラー部11eのみを初期状態から一対の第2梁部11d,11d(X軸)を中心にして反時計方向に揺動させる場合には、ミラー体支持台12の外側面12fの外側に設けた電磁石14YだけをON状態にする。ここで、ミラー体支持台12の外側面12fの外側に設けた電磁石14Yは、スイッチ17をONした時に直流電源19から可変抵抗器18の抵抗値に応じた電流がコイル16を通して流れるので、鉄心15に電流値に応じた磁界が発生し、この磁界に応じた電磁力(吸引力)によって磁性球体13が半球状有底穴部12bの内周面に沿って矢印方向に吸引されて移動する。この際、上記した電磁石14Yによる電磁力は、磁性球体13を吸引するための吸引力が作用するようにコイル16の巻回方向と直流電源19の±極の接続方向とを予め設定している。そして、磁性球体13の矢印方向の移動に伴って、磁性球体13は、ミラー体11内に形成したミラー部11eの裏面中心部と、半球状有底穴部12bの内周面真下中央部からY軸上でRtanαだけ右斜め上方に変位した部位とにそれぞれ点接触するので、ミラー部11eのみが一対の第2梁部11d,11d(X軸)を中心にして角度αだけ反時計方向(矢印方向)に傾動する。この際、ミラー体11内に形成したミラー部11eの傾斜角度は可変抵抗器18の抵抗値を制御すれば良い。
【0042】
尚、ミラー体11内に形成したミラー部11eのみを初期状態から一対の第2梁部11d,11d(X軸)を中心にして時計方向に揺動させる場合には、上記した図2(b)の場合とは逆に、ミラー体支持台12の外側面12dの外側に設けた電磁石14Yを作動させれば良いものである。
【0043】
次に、図2(c)に示した如く、ミラー体11内に形成した内枠部11c及び一対の第2梁部11d,11d並びにミラー部11eを初期状態から一対の第1梁部11b,11b(Y軸)を中心にして反時計方向に揺動させる場合には、ミラー体支持台12の外側面12cの外側に設けた電磁石14XだけをON状態にする。ここでも、ミラー体支持台12の外側面12cの外側に設けた電磁石14Xは、スイッチ17をONした時に直流電源19から可変抵抗器18の抵抗値に応じた電流がコイル16を通して流れるので、鉄心15に電流値に応じた磁界が発生し、この磁界に応じた電磁力(吸引力)によって磁性球体13が半球状有底穴部12bの内周面に沿って矢印方向に吸引されて移動する。そして、磁性球体13の矢印方向の移動に伴って、磁性球体13は、ミラー体11内に形成したミラー部11eの裏面中心部と、半球状有底穴部12bの内周面真下中央部からX軸上でRtanβだけ右斜め上方に変位した部位とにそれぞれ点接触するので、内枠部11c及び一対の第2梁部11d,11d並びにミラー部11eが一体となって一対の第1梁部11b,11b(Y軸)を中心にして角度βだけ反時計方向(矢印方向)に傾動する。この際、ミラー体11内に形成した内枠部11c及び一対の第2梁部11d,11d並びにミラー部11eの傾斜角度は可変抵抗器18の抵抗値を制御すれば良い。
【0044】
尚、ミラー体11内に形成した内枠部11c及び一対の第2梁部11d,11d並びにミラー部11eを初期状態から一対の第1梁部11b,11b(Y軸)を中心にして時計方向に揺動させる場合には、上記した図2(c)の場合とは逆に、ミラー体支持台12の外側面12eの外側に設けた電磁石14Xを作動させれば良いものである。
【0045】
上記では、図2(b)の動作と、図2(c)の動作とをそれぞれ個別に説明したが、ミラー体支持台12の外側面12c,12eの外側に設けた一対の電磁石14X,14Xのいずれか一方と、ミラー体支持台12の外側面12d,12fの外側に設けた一対の電磁石14Y,14Yのいずれか一方とを選択的に組み合わせて動作させれば、両電磁石14X,14Yの組み合わせに応じて発生する合成磁界による吸引力の方向に磁性球体13が半球状有底穴部12bの内周面に沿って移動するので、ミラー体11内に形成した一対の第1梁部11b,11b及び内枠部11c並びに一対の第2梁部11d,11dを介してミラー部11eをXY平面内で2次元的に揺動させることができる。これにより、レーザー光をミラー体11内に形成したミラー部11eに照射すれば、レーザー光がミラー部11eの傾動方向に対応して2次元的に反射される。
【0046】
次に、本発明に係る第1実施例の光偏向器を一部変形させた変形例1について図3を用いて簡略に説明する。
【0047】
図3は本発明に係る第1実施例の光偏向器を一部変形させた変形例1を説明するための縦断面図である。
図3に示した如く、本発明に係る第1実施例の光偏向器を一部変形させた変形例1の光偏向器10Bでは、ミラー体11が先に説明した第1実施例の光偏向器10A(図1)と同様に形成されてミラー体支持台12上に取り付けられ、且つ、ミラー体支持台12の半球状有底穴部12b内に磁性球体13が回転可能に収納されている点は第1実施例と同じであるものの、磁性球体13への磁界発生手段となる不図示の電磁石14X,14Xと、電磁石14Y,14Yとがミラー体支持台12の底面12gに沿って設けられている点が第1実施例に対して異なっている。
【0048】
即ち、変形例1の光偏向器10Bにおいて、ミラー体支持台12の底面12gでX軸に沿って一対の電磁石14X,14X(図示せず)が配置され、且つ、Y軸に沿って一対の電磁石14Y,14Yが配置されており、両電磁石14X,14Yの組み合わせに応じた合成磁界による吸引力が磁性球体13に作用するようになっている。
【0049】
従って、例えば、ミラー体11内に形成したミラー部11eを一対の第2梁部11d,11d(X軸)を中心にして反時計方向に揺動させる場合には、先に説明した図2(b)の場合と同様に、ミラー体支持台12の底面12gで側面12f側に配置した電磁石14YをON状態にすれば、磁性球体13が半球状有底穴部12bの内周面に沿って矢印方向に吸引されて移動するので、ミラー部11eのみが一対の第2梁部11d,11d(X軸)を中心にして角度αだけ反時計方向(矢印方向)に傾動する。
【0050】
次に、本発明に係る第1実施例の光偏向器を一部変形させた変形例2について図4を用いて簡略に説明する。
【0051】
図4は本発明に係る第1実施例の光偏向器を一部変形させた変形例2を説明するための縦断面図である。
図4に示した如く、本発明に係る第1実施例の光偏向器を一部変形させた変形例2の光偏向器10Cでも、ミラー体11が先に説明した第1実施例の光偏向器10A(図1)と同様に形成されてミラー体支持台12上に取り付けられ、且つ、ミラー体支持台12の半球状有底穴部12b内に磁性球体13が回転可能に収納されている点は第1実施例と同じであるものの、磁性球体13への磁界発生手段となる永久磁石9がミラー体支持台12の底面12gに沿ってX軸方向及び/又はY軸方向に移動可能に設けられている点が第1実施例に対して異なっている。
【0052】
即ち、変形例2の光偏向器10Cにおいて、ミラー体支持台12の底面12gの下方にXYステージ5が底面12gに沿って移動自在に設けられている。このXYステージ5は、固定ベース6上にX軸方向に移動するXステージ7と、Y軸方向に移動するYステージ8とが積層されており、且つ、上層のYステージ8上に永久磁石9が固着されている。そして、XYステージ5上に固着させた永久磁石9をミラー体支持台12の底面12gに沿ってX軸方向及び/又はY軸方向に移動させて、永久磁石9の移動磁界に応じた吸引力が磁性球体13に作用するようになっている。従って、永久磁石9が静止した時に、その位置でミラー体11内に形成したミラー部11eの傾斜は保たれるので、電力を与えることなく永久磁石9によってミラー部11eの角度を保持する機能を備えることになる。
【0053】
尚、永久磁石9をミラー体支持台12の底面12gに沿って移動させる手段はXYステージ5に限られることなく、いかなる構成でも良い。
【0054】
従って、例えば、ミラー体11内に形成したミラー部11eを一対の第2梁部11d,11d(X軸)を中心にして反時計方向に揺動させる場合には、XYステージ5上に固着させた永久磁石9をY軸線上に沿って右方に移動すれば、磁性球体13が半球状有底穴部12bの内周面に沿って矢印方向に吸引されて移動するので、ミラー部11eのみが一対の第2梁部11d,11d(X軸)を中心にして角度αだけ反時計方向(矢印方向)に傾動する。
【0055】
上記した第1実施例の光偏向器10A及び第1実施例を一部変形させた変形例1,2の光偏向器10B,10Cによれば、ミラー体11内に形成したミラー部11eの裏面中心部と、ミラー体支持台12に形成した半球状有底穴部12bの内周面との間に挟まれた磁性球体13を、磁気的な吸引力でミラー体支持台12の半球状有底穴部12bの内周面に沿って移動させているので、ミラー部11eをXY平面内で2次元的に揺動させることができ、且つ、構造が非常に簡単であるので低価格が可能であると共に、大きな偏向角度に対してもミラー部11eを低電力で傾動させることができる。
【0056】
<第2実施例の光偏向器>
図5は本発明に係る第2実施例の光偏向器の構成を説明するための分解斜視図、図6は本発明に係る第2実施例の光偏向器の動作を説明するための縦断面図であり、(a)はミラー体の初期状態を示し、(b)はミラー体内に形成したミラー部を一対の第2梁部(X軸)を中心にして反時計方向に揺動した状態を示し、(c)はミラー体内に形成した内枠部及び一対の第2梁部並びにミラー部を一対の第1梁部(Y軸)を中心にして反時計方向に揺動した状態を示した図である。
【0057】
図5に示した如く、本発明に係る第2実施例の光偏向器20Aでは、第1実施例と同様に、ミラー体21が薄い厚みのシリコン,ポリイミド,ステンレスなどの材料を用いて正方形状に形成され、且つ、このミラー体21を支持するミラー体支持台23の上面外周部23aも正方形状に形成されている。
【0058】
尚、以下の説明の都合上、ミラー体21の中心及びミラー体支持台23の上面外周部23aの中心を2軸座標系のX軸とY軸とで直交させて図示している。
【0059】
上記したミラー体21は、外枠部21aの内側に、一対の第1梁部21b,21bと、内枠部21cと、一対の第2梁部21d,21dと、ミラー部21eとが一体的に形成されている。
【0060】
より具体的に説明すると、ミラー体21は、外枠部21a内から一対の第1梁部21b,21bをY軸上で互いに対向してそれぞれ内側に延出させ、且つ、一対の第1梁部21b,21b間に形成したリング状の内枠部21cを一対の第1梁部21b,21b(Y軸)を中心にしてX軸方向に揺動可能に支持すると共に、一対の第1梁部21b,21bに対して直交させた一対の第2梁部21d,21dをX軸上でリング状の内枠部21c内から互いに対向してそれぞれ内側に延出させ、且つ、一対の第2梁部21d,21d間に形成した円盤状のミラー部21eを一対の第2梁部21d,21d(X軸)を中心にしてY軸方向に揺動可能に支持している。
【0061】
この際、ミラー体21内に形成した一対の第1梁部21b,21b及び一対の第2梁部21d,21dは、捩じりバネ性を備える材料特性、構造を有している。また、ミラー体21の外枠部21aと内枠部21cとの間で一対の第1梁部21b,21bが接続している部位を除いてエッチングなどの処理により貫通してくりぬかれていると共に、内枠部21cとミラー部12eとの間で一対の第2梁部21d,21dが接続している部位を除いてエッチングなどの処理により貫通してくりぬかれている。また、ミラー体21内に形成したミラー部21eは上面側が鏡面に形成されている。
【0062】
更に、ミラー体21内に形成したミラー部21eの裏面中心部には、永久磁石棒22の一端部が接着剤などを用いて固着され、且つ、この永久磁石棒22は一端部から他端部に向かって棒状に延出されて、各端部にN極,S極の磁化方向が与えられており、他端部側が自由端となっている。そして、ミラー体21内に形成したミラー部21eの裏面中心部に永久磁石棒22を固着した時に、ミラー部21eの裏面中心部に固着した一端部側が例えばS極(又はN極)に着磁され且つ自由端側がN極(又はS極)に着磁されて、永久磁石棒2がミラー部21eに対して垂直な姿勢を保った状態でミラー部21eと一体的になっている。
【0063】
次に、ミラー体21を支持するためのミラー体支持台23は直方形状に形成されている。このミラー体支持台23は、ミラー体21の外枠部21aの裏面を取り付けるために上面外周部23aが平坦に正方形状に形成され、且つ、正方形状の上面外周部23aの内側にこの上面外周部23aの中心点を中心にして正方形状有底穴部23bが開口して形成されている。
【0064】
そして、ミラー体21の外枠部21aの裏面をミラー体支持台23の上面外周部23a上に取り付けた時に、ミラー体21内に形成したミラー部21eの裏面中心部に固着した永久磁石棒22が、ミラー体支持台23の正方形状有底穴部23b内の中心部に納まっている。
【0065】
また、ミラー体21をミラー体支持台23上に取り付けた状態で、ミラー体支持台23の正方形状有底穴部23b内には、ミラー体21内に形成したミラー部21eの裏面中心部に固着した永久磁石棒22の周面から所定距離隔てて一対の電磁石24X,24X及び一対の電磁石24Y,24Yが載置されている。
【0066】
そして、一対の電磁石24X,24Xは、正方形状有底穴部23b内の互いに対向する内側面23c,23eの内側でX軸に沿ってそれぞれ設置され、且つ、一対の電磁石24Y,24Yは、互いに対向する内側面23d,23fの内側でY軸に沿ってそれぞれ設置されている。
【0067】
また、上記した一対の電磁石24X,24X及び一対の電磁石24Y,24Yは共に同じように構成されて、ミラー体21内に形成したミラー部21eの裏面中心部に固着した永久磁石棒22に対する磁界発生手段となっており、各電磁石24X,24Yは鉄心25に沿ってコイル26が巻回され、且つ、コイル26にスイッチ27と可変抵抗器28と直流電源29とが直列で接続されている。
【0068】
ここで、上記構成による第2実施例の光偏向器20Aの動作を図6(a)〜(c)を用いて説明する。
【0069】
まず、図6(a)に示した如く、ミラー体21の外枠部21aの裏面をミラー体支持台23上に取り付けて、光偏向器20Aが初期状態の時に、ミラー体21内に形成した一対の第1梁部21b,21b(図1)及び一対の第2梁部21d,21dの捩じりバネ性による復元力により内枠部21c及びミラー部21eはミラー体支持台23上で略水平な姿勢を維持していると共に、ミラー部21eの裏面中心部に固着した永久磁石棒22は、ミラー体支持台23の正方形状有底穴部23b内の中心部で下方に垂れ下がっている。この際、永久磁石棒22は、ミラー部21eの裏面中心部に固着した一端部が例えばS極に着磁され、且つ、一端部と反対側の自由端(他端部)がN極に着磁されているものとする。
【0070】
また、この初期状態の時に、ミラー体支持台23の内側面23d,23fの内側でY軸に沿って設けた一対の電磁石24Y,24YはOFF状態を維持しているので磁界が発生しない。勿論、ここでの図示を省略しているがミラー体支持台23の内側面23c,23eの内側でX軸に沿って設けた一対の電磁石24X,24XもOFF状態を維持している。
【0071】
次に、図6(b)に示した如く、ミラー体21内に形成したミラー部21eのみを初期状態から一対の第2梁部21d,21d(X軸)を中心にして反時計方向に揺動させる場合には、ミラー体支持台23の内側面23fの内側に設けた電磁石24YだけをON状態にする。ここで、ミラー体支持台23の内側面23fの外側に設けた電磁石24Yは、スイッチ27をONした時に直流電源29から可変抵抗器28の抵抗値に応じた電流がコイル26を通して流れるので、鉄心25中で永久磁石棒22と対向する面側に電流値に応じた磁界S極が発生し、この磁界S極と永久磁石棒22の自由端の磁界N極とに応じた電磁力(吸引力)によってミラー部21eの裏面中心部に固着した永久磁石棒22の自由端が矢印方向に吸引されて移動する。この際、上記した電磁石24Yによる電磁力は、永久磁石棒22の自由端のN極に対してこれと対向する鉄心25の先端にS極が発生して永久磁石棒22の自由端を吸引するための吸引力が作用するようにコイル26の巻回方向と直流電源29の±極の接続方向とを予め設定している。そして、永久磁石棒22の自由端が矢印方向に移動すると、この永久磁石棒22と一体となってミラー部21eが一対の第2梁部21d,21d(X軸)を中心にして反時計方向(矢印方向)に傾動する。この際、ミラー体21内に形成したミラー部21eの傾斜角度は可変抵抗器28の抵抗値を制御すれば良い。
【0072】
尚、ミラー体21内に形成したミラー部21eを初期状態から一対の第2梁部21d,21d(X軸)を中心にして時計方向に揺動させる場合には、上記した図6(b)の場合とは逆に、ミラー体支持台23の内側面23dの内側に設けた電磁石24Yを作動させれば良いものである。
【0073】
次に、図6(c)に示した如く、ミラー体21内に形成した内枠部21c及び一対の第2梁部21d,21d並びにミラー部21eを初期状態から一対の第1梁部21b,21b(Y軸)を中心にして反時計方向に揺動させる場合には、ミラー体支持台23の内側面23cの内側に設けた電磁石24XだけをON状態にする。ここでも、ミラー体支持台23の内側面23cの内側に設けた電磁石24Xは、スイッチ27をONした時に直流電源29から可変抵抗器28の抵抗値に応じた電流がコイル26を通して流れるので、鉄心25中で永久磁石棒22と対向する面側に電流値に応じた磁界S極が発生し、この磁界S極と永久磁石棒22の自由端の磁界N極とに応じた電磁力(吸引力)によってミラー部21eの裏面中心部に固着した永久磁石棒22の自由端が矢印方向に吸引されて移動する。そして、永久磁石棒22の自由端が矢印方向に移動すると、この永久磁石棒22と一体となって内枠部21c及び一対の第2梁部21d,21d並びにミラー部21eが一対の第1梁部21b,21b(Y軸)を中心にして反時計方向(矢印方向)に傾動する。
【0074】
尚、ミラー体21内に形成した内枠部21c及び一対の第2梁部21d,21d並びにミラー部21eを初期状態から一対の第1梁部21b,21b(Y軸)を中心にして時計方向に揺動させる場合には、上記した図6(c)の場合とは逆に、ミラー体支持台23の内側面23eの内側に設けた電磁石24Xを作動させれば良いものである。
【0075】
上記では、図6(b)の動作と、図6(c)の動作とをそれぞれ個別に説明したが、ミラー体支持台23の内側面23c,23eの内側に設けた一対の電磁石24X,24Xのいずれか一方と、ミラー体支持台23の内側面23d,23fの内側に設けた一対の電磁石24Y,24Yのいずれか一方とを選択的に組み合わせて動作させれば、両電磁石24X,24Yの組み合わせに応じて発生する合成磁界による吸引力の方向に永久磁石棒22の自由端が正方形状有底穴部23b内で移動するので、ミラー体21内に形成した一対の第1梁部21b,21b及び内枠部21c並びに一対の第2梁部21d,21dを介してミラー部21eをXY平面内で2次元的に揺動させることができる。これにより、レーザー光をミラー体21内に形成したミラー部21eに照射すれば、レーザ光がミラー部21eの傾動方向に対応して2次元的に反射される。
【0076】
次に、本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例1について図7を用いて簡略に説明する。
【0077】
図7は本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例1を説明するための縦断面図である。
図7に示した如く、本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例1の光偏向器20Bでは、ミラー体21が先に説明した第2実施例の光偏向器20A(図5)と同様に形成され、且つ、ミラー体21のミラー部21eの裏面中央に固着させた永久磁石棒22の固着側(一端部側)をS極,自由端側(他端部側)をN極に着磁した状態で、ミラー体21がミラー体支持台23上に取り付けられている点は第2実施例と同じであるものの、ミラー体21内に形成したミラー部21eの裏面中心部に固着させた永久磁石棒22を、磁界発生手段による反発力を用いて傾動させている点が第2実施例に対して異なっている。
【0078】
即ち、変形例1の光偏向器20Bにおいて、ミラー体支持台23の内側面23dの内側でY軸に沿って設けた電磁石24Yのスイッチ27をONした時に直流電源29から可変抵抗器28の抵抗値に応じた電流がコイル26を通して流れるので、鉄心25中で永久磁石棒22と対向する面側に電流値に応じた磁界N極が発生し、この磁界N極と永久磁石棒22の自由端の磁界N極とに応じた電磁力(反発力)によってミラー部21eの裏面中心部に固着した永久磁石棒22の自由端が矢印方向に反発されて移動する。これに伴って、永久磁石棒22と一体となってミラー部21eが一対の第2梁部21d,21d(X軸)を中心にして反時計方向(矢印方向)に傾動する。
【0079】
次に、本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例2について図8を用いて簡略に説明する。
【0080】
図8は本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例2を説明するための縦断面図である。
図8に示した如く、本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例2の光偏向器20Cでは、ミラー体21が先に説明した第2実施例の光偏向器20A(図5)と同様に形成され、且つ、ミラー体21がミラー体支持台23上に取り付けられている点は第2実施例と同じであるものの、ここではミラー体21内に形成したミラー部21eの裏面中心部に固着させた永久磁石棒22の一端部が例えばN極に着磁され、且つ、一端部と反対側の自由端(他端部)がS極に着磁され、且つ、永久磁石棒22を磁界発生手段による吸引力と反発力とを併用して傾動させている点が第2実施例に対して異なっている。
【0081】
即ち、変形例2の光偏向器20Cにおいて、ミラー体支持台23の内側面23d,23fの内側に設けた左右一対の電磁石24Y,24Yの鉄心25,25に巻回させたコイル26,26の一端同士を結線すると共に、コイル26,26の他端間にスイッチ27A及び直流電源29Aと、スイッチ27B及び直流電源29Aに対して極性を反転させた直流電源29Bとを並列に接続し、更に、可変抵抗器28を直列に接続している。そして、スイッチ27AをONすると、ミラー部21eの裏面中心部に固着させた永久磁石棒22の自由端に着磁したS極に対して、左側の電磁石24YではS極による反発力が発生し、且つ、右側の電磁石24YではN極による吸引力が発生するので、永久磁石棒22の自由端に反発力だけ又は吸引力だけの場合よりも2倍の力が加わるために、永久磁石棒22と一体となってミラー部21eが一対の第2梁部21d,21d(X軸)を中心にして反時計方向に大きく傾動する。
【0082】
次に、本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例3について図9(a),(b)を用いて簡略に説明する。
【0083】
図9(a),(b)は本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例3を説明するための斜視図,縦断面図である。
図9(a),(b)に示した如く、本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例3の光偏向器20Dでも、ミラー体21が先に説明した第2実施例の光偏向器20A(図5)と同様に形成され、且つ、ミラー体21のミラー部21eの裏面中央に固着させた永久磁石棒22の固着側(一端部側)をS極,自由端側(他端部側)をN極に着磁した状態で、ミラー体21がミラー体支持台23上に取り付けられている点は第2実施例と同じであるものの、ミラー体支持台23の正方形状有底穴部23b内でX軸,Y軸に沿って設置した磁界発生手段となる電磁石30X,30Yの形状が先に説明した第2実施例の光偏向器20A(図5)内でX軸,Y軸に沿って設置した一対の電磁石24X,24X,一対の電磁石24Y,24Yの場合と異なっている。
【0084】
即ち、変形例3の光偏向器20Dにおいて、ミラー体支持台23の正方形状有底穴部23b内でX軸に沿って設置した電磁石30Xは、リング状コア31の中間部位に形成した連結部31cに沿ってコイル33が巻回され、且つ、コイル33にスイッチ34と可変抵抗器35と直流電源36とが直列で接続されている。
【0085】
上記したリング状コア31は、リング状に巻回した矩形内でX軸に沿った長辺の中央をミラー体21側に向かって開口して幅広のギャップが形成され、且つ、ギャップ内の左右両端に一対の矩形面31a,31bが互いに対向して形成されている。そして、リング状コア31の一対の矩形面31a,31b間に形成したギャップ内にミラー体21のミラー部21eの裏面中央に固着させた永久磁石棒22の自由端側が揺動可能に進入している。
【0086】
一方、ミラー体支持台23の正方形状有底穴部23b内でY軸に沿って設置した電磁石30Yは、リング状コア32の中間部位に形成した連結部32cに沿ってコイル33が巻回され、且つ、コイル33にスイッチ34と可変抵抗器35と直流電源36とが直列で接続されている。
【0087】
上記したリング状コア32も、リング状コア31と略同様に、リング状に巻回した矩形内でY軸に沿った長辺の中央をミラー体21側に向かって開口して幅広のギャップが形成され、且つ、ギャップ内の前後両端に一対の矩形面32a,32bが互いに対向してリング状コア31の一対の矩形面31a,31bと同じ高さ位置に形成されており、これら一対の矩形面32a,32b間に形成したギャップ内にミラー体21のミラー部21eの裏面中央に固着させた永久磁石棒22の自由端側が揺動可能に進入している。
【0088】
そして、リング状コア3はミラー体21に対して垂設され、一方、リング状コア3はミラー体21と略平行に横設されている。
【0089】
上記構成による第2実施例における変形例3の光偏向器20Dの動作について図9(b)を用いて説明すると、例えば、ミラー体21内に形成したミラー部21eを一対の第2梁部21d,21d(X軸)を中心にして反時計方向に揺動させる場合には、Y軸に沿って設けた電磁石30YをON状態にする。ここで、電磁石30Y中のスイッチ34をONした時に直流電源36から可変抵抗器35の抵抗値に応じた電流がコイル33を通して流れるので、リング状コア32に形成した一対の矩形面32a,32bに電流値に応じた磁界N極,S極がそれぞれ発生し、これらの磁界N極,S極と永久磁石棒22の自由端の磁界N極とに応じた電磁力(矩形面32aからの反発力,矩形面32bからの吸引力)によって、ミラー部21eの裏面中心部に固着した永久磁石棒22の自由端が矢印方向に移動する。
【0090】
そして、永久磁石棒22の自由端が矢印方向に移動すると、この永久磁石棒22と一体となってミラー体21内に形成したミラー部21eが一対の第2梁部21d,21d(X軸)を中心にして反時計方向(矢印方向)に傾動する。
【0091】
次に、本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例4について図10〜図14を用いて説明する。
【0092】
図10は本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例4を説明するために初期状態を示した斜視図、
図11(a),(b)は本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例4を説明するために初期状態をそれぞれ示したY軸方向縦断面図,X軸方向縦断面図、
図12(a),(b)は本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例4において、ミラー体内に形成したミラー部をX軸を中心に反時計方向,時計方向に揺動させる状態をそれぞれ示したY軸方向縦断面図,Y軸方向縦断面図、
図13(a),(b)は本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例4において、ミラー体内に形成した内枠部及び一対の第2梁部d並びにミラー部をY軸を中心に反時計方向,時計方向に揺動させる状態をそれぞれ示したX軸方向縦断面図,X軸方向縦断面図、
図14は本発明に係る第2実施例の光偏向器と、第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例4の光偏向器とを比較する際に、ミラー体内に形成したミラー部の電流に対する偏向角特性を示した図である。
【0093】
図10に示した如く、本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例4の光偏向器20Eでも、ミラー体21が先に説明した第2実施例の光偏向器20A(図5)と同様に形成され、且つ、ミラー体21のミラー部21eの裏面中央に固着させた永久磁石棒22の固着側(一端部側)をS極,自由端側(他端部側)をN極に着磁した状態で、ミラー体21がミラー体支持台23上に取り付けられている点は第2実施例と同じであるものの、ミラー体支持台23の正方形状有底穴部23b内でX軸,Y軸に沿って設置した磁界発生手段となる電磁石40X,40Yの形状が先に説明した第2実施例の光偏向器20A(図5)内でX軸,Y軸に沿って設置した一対の電磁石24X,24X,一対の電磁石24Y,24Yの場合と異なっている。
【0094】
即ち、変形例4の光偏向器20Eにおいて、ミラー体支持台23の正方形状有底穴部23b内でX軸に沿って設置した電磁石40Xは、コ字状コア41の中間部位に形成した連結部41cに沿ってコイル43が巻回され、且つ、コイル43にスイッチ44と可変抵抗器45と直流電源46とが直列で接続されている。
【0095】
上記したコ字状コア41は、ミラー体21側に向かって上向きコ字状に形成された状態でX軸に沿って垂設されている。また、コ字状コア41は、X軸に沿って上方に向かってコ字状に突出した左右上端部の各内側に一対の傾斜面41a,41bが互いに対称に対向して形成されている。また、コ字状コア41の一対の傾斜面41a,41b間に幅広のギャップが形成されている。そして、コ字状コア41の一対の傾斜面41a,41b間に形成したギャップ内にミラー体21のミラー部21eの裏面中央に固着させた永久磁石棒22の自由端側が揺動可能に進入している。
【0096】
この際、コ字状コア41に形成した一対の傾斜面41a,41bは、永久磁石棒22の自由端側がギャップ内に進入した時に永久磁石棒22の自由端に衝突しないように、ミラー体21のミラー部21eの裏面中央を中心にして揺動する永久磁石棒22の自由端の揺動軌跡に接近して直線状又は円弧状に傾斜して形成されている。
【0097】
一方、ミラー体支持台23の正方形状有底穴部23b内でY軸に沿って設置した電磁石40Yは、コ字状コア42の中間部位に形成した連結部42cに沿ってコイル43が巻回され、且つ、コイル43にスイッチ44と可変抵抗器45と直流電源46とが直列で接続されている。
【0098】
上記したコ字状コア42は、ミラー体21側に向かって上向きコ字状に形成された状態で、コ字状コア41に形成した一対の傾斜面41a,41b間に上方から進入してY軸に沿って垂設されている。また、コ字状コア42は、コ字状コア41と略同様に、Y軸に沿って上方に向かってコ字状に突出した前後上端部の各内側に一対の傾斜面42a,42bが互いに対称に対向し、且つ、コ字状コア41の一対の傾斜面41a,41bと同じ高さ位置に形成されている。また、コ字状コア42の一対の傾斜面42a,42b間に幅広のギャップが形成されている。そして、コ字状コア42の一対の傾斜面42a,42b間に形成したギャップ内にミラー体21のミラー部21eの裏面中央に固着させた永久磁石棒22の自由端側が揺動可能に進入している。
【0099】
この際、コ字状コア42に形成した一対の傾斜面42a,42bは、永久磁石棒22の自由端側がギャップ内に進入した時に永久磁石棒22の自由端に衝突しないように、ミラー体21のミラー部21eの裏面中央を中心にして揺動する永久磁石棒22の自由端の揺動軌跡に接近して直線状又は円弧状に傾斜して形成されている。
【0100】
上記構成による第2実施例における変形例4の光偏向器20Eの動作について図11〜図13を用いて順に説明する、
まず、光偏向器20Eが初期状態の時には、ミラー体21内に形成した一対の第1梁部21b,21b及び一対の第2梁部21d,21dの捩じりバネ性による復元力により内枠部21c及びミラー部21eはミラー体支持台23上で略水平な姿勢を維持していると共に、ミラー体21のミラー部21eの裏面中央に固着させた永久磁石棒22の自由端側が、図11(a)に示したようにコ字状コア42の一対の傾斜面42a,42b間に形成したギャップの中心部位に進入していると共に、図11(b)に示したようにコ字状コア41の一対の傾斜面41a,41b間に形成したギャップの中心部位に進入している。この時、電磁石40Y,40XはそれぞれOFF状態を維持しているので磁界が発生しない。
【0101】
次に、図12(a)に示した如く、ミラー体21内に形成したミラー部21eのみを初期状態から一対の第2梁部21d,21d(X軸)を中心にして反時計方向に揺動させる場合には、ミラー体支持台23の内側面23d,23fの内側でY軸に沿って設けた電磁石40YだけをON状態にする。ここで、図12(a)に示した如く、電磁石40Y中のスイッチ44をONした時に直流電源46から可変抵抗器45の抵抗値に応じた電流Iaがコイル43を通して流れるので、コ字状コア42に形成した一対の傾斜面42a,42bに電流値に応じた磁界N極,S極がそれぞれ発生し、これらの磁界N極,S極と永久磁石棒22の自由端の磁界N極とに応じた電磁力(傾斜面42aからの反発力,傾斜面42bからの吸引力)によって、ミラー部21eの裏面中心部に固着した永久磁石棒22の自由端が傾斜面42b側に向かって移動する。
【0102】
そして、永久磁石棒22の自由端が傾斜面42b側に向かって移動すると、この永久磁石棒22と一体となってミラー体21内に形成したミラー部21eが一対の第2梁部21d,21d(X軸)を中心にして反時計方向(矢印方向)に傾動する。
【0103】
この際、ミラー体21内に形成したミラー部21eの傾斜角度は可変抵抗器45の抵抗値を制御すれば良い。ここで、より少ない電流でミラー体21内に形成したミラー部21eを傾動させるためには、コ字状コア42に形成した一対の傾斜面42a,42bからの発生磁界をより有効に永久磁石棒22の自由端に作用させる必要がある。
【0104】
そのためには、永久磁石棒22の自由端と、コ字状コア42に形成した一対の傾斜面42a,42bとの間の距離ができるだけ近い方が望ましく、一対の傾斜面42a,42bは永久磁石棒22の自由端の揺動軌跡に接近して直線状又は円弧状に傾斜しているために、ミラー体21内に形成したミラー部21eが傾動しても一対の傾斜面42a,42bの傾斜で永久磁石棒22の自由端の衝突を防ぎながら永久磁石棒22の自由端側を傾斜面42b側に近づけることが可能になる。
【0105】
尚、図12(b)に示した如く、ミラー体21内に形成したミラー部21eを初期状態から一対の第2梁部21d,21d(X軸)を中心にして時計方向に揺動させる場合には、上記した図12(a)の場合に対して逆方向の電流Ibが流れるように直流電源46の極性を反転させた直流電源46’を用いれば良く、この場合にはコ字状コア42に形成した一対の傾斜面42a,42bにそれぞれ発生する磁界S極,N極が上記した図12(a)の場合とは逆向きになるので、これらの磁界S極,N極と永久磁石棒22の自由端の磁界N極とに応じた電磁力(傾斜面42aからの吸引力,傾斜面42bからの反発力)によって、ミラー部21eの裏面中心部に固着した永久磁石棒22の自由端が傾斜面42a側に向かって移動する。
【0106】
そして、永久磁石棒22の自由端が傾斜面42a側に向かって移動すると、この永久磁石棒22と一体となってミラー体21内に形成したミラー部21eが一対の第2梁部21d,21d(X軸)を中心にして時計方向(矢印方向)に傾動する。
【0107】
従って、電磁石40Y中で直流電源46と直流電源46’とを切り換え可能に一体的に備えた直流電源を用いれば、ミラー体21内に形成したミラー部21eをX軸を中心にして反時計方向,時計方向に揺動できる。
【0108】
次に、図13(a)に示した如く、ミラー体21内に形成した内枠部21c及び一対の第2梁部21d,21d並びにミラー部21eを初期状態から一対の第1梁部21b,21b(Y軸)を中心にして反時計方向に揺動させる場合には、ミラー体支持台23の内側面23c,23eの内側でX軸に沿って設けた電磁石40XだけをON状態にする。ここでも、図13(a)に示した如く、電磁石40X中のスイッチ44をONした時に直流電源46から可変抵抗器45の抵抗値に応じた電流Icがコイル43を通して流れるので、コ字状コア41に形成した一対の傾斜面41a,41bに電流値に応じた磁界N極,S極がそれぞれ発生し、これらの磁界N極,S極と永久磁石棒22の自由端の磁界N極とに応じた電磁力(傾斜面41aからの反発力,傾斜面41bからの吸引力)によって、ミラー部21eの裏面中心部に固着した永久磁石棒22の自由端が傾斜面41b側に向かって移動する。
【0109】
そして、永久磁石棒22の自由端が傾斜面41b側に向かって移動すると、この永久磁石棒22と一体となってミラー体21内に形成した内枠部21c及び一対の第2梁部21d,21d並びにミラー部21eが一対の第1梁部21b,21b(Y軸)を中心にして反時計方向(矢印方向)に傾動する。
【0110】
この際、ミラー体21内に形成した内枠部21c及び一対の第2梁部21d,21d並びにミラー部21eの傾斜角度は可変抵抗器45の抵抗値を制御すれば良い。ここで、より少ない電流でミラー体21内に形成した内枠部21c及び一対の第2梁部21d,21d並びにミラー部21eを傾動させるためには、コ字状コア41に形成した一対の傾斜面41a,41bからの発生磁界をより有効に永久磁石棒22の自由端に作用させる必要がある。
【0111】
そのためには、永久磁石棒22の自由端と、コ字状コア41に形成した一対の傾斜面41a,41bとの間の距離ができるだけ近い方が望ましく、一対の傾斜面41a,41bは永久磁石棒22の自由端の揺動軌跡に接近して直線状又は円弧状に傾斜しているため、ミラー体21内に形成した内枠部21c及び一対の第2梁部21d,21d並びにミラー部21eが傾動しても一対の傾斜面41a,41bの傾斜で永久磁石棒22の自由端の衝突を防ぎながら永久磁石棒22の自由端側を傾斜面41b側に近づけることが可能になる。
【0112】
尚、図13(b)に示した如く、ミラー体21内に形成した内枠部21c及び一対の第2梁部21d,21d並びにミラー部21eを初期状態から一対の第1梁部21b,21b(Y軸)を中心にして時計方向に揺動させる場合には、上記した図13(a)の場合に対して逆方向の電流Idが流れるように直流電源46の極性を反転させた直流電源46’を用いれば良く、この場合にはコ字状コア41に形成した一対の傾斜面41a,41bにそれぞれ発生する磁界S極,N極が上記した図13(a)の場合とは逆向きになるので、これらの磁界S極,N極と永久磁石棒22の自由端の磁界N極とに応じた電磁力(傾斜面41aからの吸引力,傾斜面41bからの反発力)によって、ミラー部21eの裏面中心部に固着した永久磁石棒22の自由端が傾斜面41a側に向かって移動する。
【0113】
そして、永久磁石棒22の自由端が傾斜面41a側に向かって移動すると、この永久磁石棒22と一体となってミラー体21内に形成した内枠部21c及び一対の第2梁部21d,21d並びにミラー部21eが一対の第2梁部21d,21d(X軸)を中心にして時計方向(矢印方向)に傾動する。
【0114】
従って、電磁石40X中で直流電源46と直流電源46’を切り換え可能に一体的に備えた直流電源を用いれば、ミラー体21内に形成した内枠部21c及び一対の第2梁部21d,21d並びにミラー部21eをX軸を中心にして反時計方向,時計方向に揺動できる。
【0115】
本構造の場合、ミラー体21内に形成したミラー部21eの最大傾斜角度、又は、ミラー体21内に形成した内枠部21c及び一対の第2梁部21d,21d並びにミラー部21eの最大傾斜角度は、永久磁石棒22の長さ,一対の傾斜面41a,41b間に形成したギャップ幅,永久磁石棒22の自由端と一対の傾斜面41a,41bとの間の距離,永久磁石棒22の自由端の先端形状などで決定される。たとえば、永久磁石棒22の長さを短くすれば、その他のパラメータが同じでもより大きな角度に傾斜が可能である。
【0116】
上記では、図13(a),(b)の動作と、図14(a),(b)の動作とをそれぞれ個別に説明したが、ミラー体支持台23の正方形状有底穴部23b内に設けた電磁石40Xと電磁石40Yとを選択的に組み合わせて動作させれば、両電磁石40X,40Yの組み合わせに応じて発生する合成磁界による(吸引力+反発力)の方向に永久磁石棒22の自由端が正方形状有底穴部23b内で移動するので、ミラー体21内に形成した一対の第1梁部21b,21b及び内枠部21c並びに一対の第2梁部21d,21dを介してミラー部21eをXY平面内で2次元的に揺動させることができる。これにより、レーザー光をミラー体21内に形成したミラー部21eに照射すれば、レーザ光がミラー部21eの傾動方向に対応して2次元的に反射される。
【0117】
次に、図14に示した如く、先に説明した第2実施例の光偏向器20Aと、第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例4の光偏向器20Eとを比較するにあたって、ミラー体21内に形成したミラー部21eの電流に対する偏向角特性を測定した。この際、光偏向器20A,20E内の各ミラー体21は各ミラー部21eを大きく傾動させるためにポリイミド材を用いて同一形状に作製し、且つ、各ミラー部21e上に鏡面加工を施すか、又は、ミラーを貼着したものを用いて、各ミラー部21eをX軸を中心に揺動させた場合について測定した。
【0118】
ここでは、光偏向器20A内に設けた一対の磁気コア24Y,24Y(図5,図6)の外形形状と、光偏向器20E内に設けた電磁石40Yのコ字状コア42(図10〜図12)の外形形状とが異なっており、コイル巻数などは両者同一に設定した。
【0119】
尚、光偏向器20Aではミラー体21のミラー部21eの裏面に固着させた永久磁石棒22の自由端が一対の電磁石24Y,24Yの互いに対向する端部に衝突する可能性があるために、永久磁石棒22の太さを500μm(角)に設定した。一方、光偏向器20Eではミラー体21のミラー部21eの裏面に固着させた永久磁石棒22の自由端がコ字状コア42に形成した一対の傾斜面42a,42bに衝突しないので、永久磁石棒22の太さを上記よりも太く1mm(角)に設定でき、これにより永久磁石棒22の磁束量か大きくなった。
【0120】
この結果、図14からもわかるとおり、光偏向器20Aに対して光偏向器20Eの方が電流効率が良い。より具体的には、電流値を例えば−100mA〜+100mAの範囲内で振った場合に、光偏向器20E内に設けたミラー体21のミラー部21eの方が光偏向器20A内に設けたミラー体21のミラー部21eよりも−側で約4倍傾けることができ、+側で約11倍と大きく傾けることができるので、光偏向器20E内に設けた電磁石40Yの方が光偏向器20A内に設けた一対の磁気コア24Y,24Yよりも電流効率が良い。同様に、光偏向器20E内に設けた電磁石40Xの方が光偏向器20A内に設けた一対の磁気コア24X,24Xよりも電流効率が良い。
【0121】
尚、光偏向器20A,光偏向器20E内で永久磁石棒22の太さを同じにした場合でも、光偏向器20Eの場合の方が光偏向器20Aの場合よりも電流効率が良いことも確認した。
【0122】
上記した第2実施例の光偏向器20A及び第2実施例を一部変形させた変形例1〜4の光偏向器20B〜20Eによれば、ミラー体21内に形成したミラー部21eの裏面中心部に一端部を固着させた永久磁石棒22の自由端を磁気的な吸引力及び/又は反発力でミラー体支持台23の正方形状有底穴部23b内で移動させているので、ミラー部21eをXY平面内で2次元的に揺動させることができ、且つ、構造が非常に簡単であるので低価格が可能であると共に、大きな偏向角度に対してもミラー部21eを低電力で傾動させることができる。
【0123】
【発明の効果】
以上詳述した本発明に係る光偏向器において、請求項1記載によると、枠部が固定されると共に、ミラー部とによって形成されるミラー支持部の半球面状の凹面内に球状の磁性体をミラー部及び凹面にそれぞれ接して配置し、この磁性体を磁界発生部により磁気的に吸引して磁性体を凹面に沿って移動させているので、ミラー部を傾動させることができ、且つ、構造が非常に簡単であるので低価格が可能であると共に、大きな偏向角度に対してもミラー部を低電力で傾動させることができる。
また、請求項2記載によると、ミラー体内に形成したミラー部の裏面中心部と、ミラー体支持台に形成した半球状有底穴部の内周面との間に挟まれた磁性球体を、磁気的な吸引力でミラー体支持台の半球状有底穴部の周面に沿って移動させているので、ミラー部をXY平面内で2次元的に傾動させることができ、且つ、構造が非常に簡単であるので低価格が可能であると共に、大きな偏向角度に対してもミラー部を低電力で傾動させることができる。
【0124】
また、請求項3記載によると、枠部が固定されると共に、ミラー部とによって形成されるミラー支持部の凹面内でミラー部から凹面に向かって永久磁石棒を延出させ、且つ、永久磁石棒の長手方向の側面を永久磁石棒が揺動していない状態において側面を挟んで互いに対向する磁界発生部の磁極面で磁気的に吸引して永久磁石棒を揺動させているので、永久磁石棒と磁極面とで形成される磁界の磁力が横方向に強く働くため、少ない電力でミラー部を傾動させることができ、且つ、構造が非常に簡単であるので低価格が可能である。
また、請求項4記載によると、ミラー体内に形成したミラー部の裏面中心部に一端部を固着させた永久磁石棒をミラー体支持台の有底穴部内に収納した状態で、永久磁石棒の長手方向の側面を永久磁石棒が揺動していない状態において側面を挟んで互いに対向する磁界発生部の磁極面で磁気的に吸引して永久磁石棒の他端部を磁気的な吸引力及び/又は反発力でミラー体支持台の有底穴部内で移動させているので、永久磁石棒の他端部と磁極面とで形成される磁界の磁力が横方向に強く働くため、少ない電力でミラー部をXY平面内で2次元的に傾動させることができ、且つ、構造が非常に簡単であるので低価格が可能である。
また、請求項5記載によると、枠部が固定されると共に、鏡面を有するミラー部とによって形成されるミラー支持部の凹面内でミラー部から凹面に向かって永久磁石棒を延出させ、且つ、永久磁石棒の凹面側の端部を永久磁石棒が揺動していない状態における鏡面に対して傾斜した磁界発生部の磁極面で磁気的に吸引して永久磁石棒を揺動させているので、永久磁石棒と傾斜した磁極面とで形成される磁界の磁力が横方向に強く働くため、少ない電力でミラー部を傾動させることができると共に、ミラー部が傾動しているときにも、永久磁石棒と傾斜した磁極面との距離が短く保たれているため、傾動しているミラー部を更に傾動させる際にも少ない電力でミラー部を傾動させることができる。
また、請求項6記載によると、ミラー体内に形成したミラー部の鏡面とは異なる面の中心部に一端部を固着させた永久磁石棒をミラー体支持台の有底穴部内に収納した状態で、永久磁石棒の他端部を永久磁石棒が揺動していない状態における鏡面に対して傾斜した磁界発生部の磁極面で磁気的に吸引して永久磁石棒の他端部を磁気的な吸引力及び/又は反発力でミラー体支持台の有底穴部内で移動させているので、永久磁石棒の他端部と傾斜した磁極面とで形成される磁界の磁力が横方向に強く働くため、少ない電力でミラー部をXY平面内で2次元的に傾動させることができると共に、ミラー部が傾動しているときにも、永久磁石棒と傾斜した磁極面との距離が短く保たれているため、傾動しているミラー部を更に傾動させる際にも少ない電力でミラー部を傾動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の光偏向器の構成を説明するための分解斜視図である。
【図2】本発明に係る第1実施例の光偏向器の動作を説明するための縦断面図であり、(a)はミラー体の初期状態を示し、(b)はミラー体内に形成したミラー部を一対の第2梁部(X軸)を中心にして反時計方向に揺動した状態を示し、(c)はミラー体内に形成した内枠部及び一対の第2梁部並びにミラー部を一対の第1梁部(Y軸)を中心にして反時計方向に揺動した状態を示した図である。
【図3】本発明に係る第1実施例の光偏向器を一部変形させた変形例1を説明するための縦断面図である。
【図4】本発明に係る第1実施例の光偏向器を一部変形させた変形例2を説明するための縦断面図である。
【図5】本発明に係る第2実施例の光偏向器の構成を説明するための分解斜視図である。
【図6】本発明に係る第2実施例の光偏向器の動作を説明するための縦断面図であり、(a)はミラー体の初期状態を示し、(b)はミラー体内に形成したミラー部を一対の第2梁部(X軸)を中心にして反時計方向に揺動した状態を示し、(c)はミラー体内に形成した内枠部及び一対の第2梁部並びにミラー部を一対の第1梁部(Y軸)を中心にして反時計方向に揺動した状態を示した図である。
【図7】本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例1を説明するための縦断面図である。
【図8】本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例2を説明するための縦断面図である。
【図9】(a),(b)は本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例3を説明するための斜視図,縦断面図である。
【図10】本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例4を説明するために初期状態を示した斜視図である。
【図11】(a),(b)は本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例4を説明するために初期状態をそれぞれ示したY軸方向縦断面図,X軸方向縦断面図である。
【図12】(a),(b)は本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例4において、ミラー体内に形成したミラー部をX軸を中心に反時計方向,時計方向に揺動させる状態をそれぞれ示したY軸方向縦断面図,Y軸方向縦断面図である。
【図13】(a),(b)は本発明に係る第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例4において、ミラー体内に形成した内枠部及び一対の第2梁部d並びにミラー部をY軸を中心に反時計方向,時計方向に揺動させる状態をそれぞれ示したX軸方向縦断面図,X軸方向縦断面図である。
【図14】本発明に係る第2実施例の光偏向器と、第2実施例の光偏向器を一部変形させた変形例4の光偏向器とを比較する際に、ミラー体内に形成したミラー部の電流に対する偏向角特性を示した図である。
【図15】(a),(b)は従来例1の静電力駆動小型光スキャナを説明するために示した上面図,縦断面図である。
【図16】(a),(b)は従来例2のプレーナ型電磁アクチュエータを説明するためにそれぞれ示した斜視図である。
【符号の説明】
5…XYステージ、9…永久磁石、
10A…第1実施例の光偏向器、
10B…第1実施例を一部変形させた変形例1の光偏向器、
10C…第1実施例を一部変形させた変形例2の光偏向器、
11…ミラー体、11a…外枠部、11b,11b…一対の第1梁部、
11c…内枠部、11d,11d…一対の第2梁部、11e…ミラー部、
12…ミラー体支持台、12a…上面外周部、12b…半球状有底穴部、
12c〜12f…外側面、
13…磁性球体、
14X,14Y…電磁石、15…鉄心、16…コイル、17…スイッチ、
18…可変抵抗器、19…直流電源、
20A…第2実施例の光偏向器、
20B…第2実施例を一部変形させた変形例1の光偏向器、
20C…第2実施例を一部変形させた変形例2の光偏向器、
20D…第2実施例を一部変形させた変形例3の光偏向器、
20E…第2実施例を一部変形させた変形例4の光偏向器、
21…ミラー体、21a…外枠部、21b,21b…一対の第1梁部、
21c…内枠部、21d,21d…一対の第2梁部、21e…ミラー部、
22…永久磁石棒、
23…ミラー体支持台、23a…上面外周部、23b…正方形状有底穴部、
23c〜23f…内側面、
24X,24Y…電磁石、25…鉄心、26…コイル、27…スイッチ、
28…可変抵抗器、29,29A,29B…直流電源、
30X,30Y…電磁石、
31…リング状コア、31a,31b…一対の矩形面、
32…リング状コア、32a,32b…一対の矩形面、
33…コイル、34…スイッチ、35…可変抵抗器、36…直流電源。
40X,40Y…電磁石、
41…コ字状コア、41a,41b…一対の傾斜面、
42…コ字状コア、42a,42b…一対の傾斜面、
43…コイル、44…スイッチ、45…可変抵抗器、46…直流電源。

Claims (6)

  1. 第1の空隙を有する枠部と、
    前記第1の空隙に配置されたミラー部と、
    前記枠部と前記ミラー部とを互いに異なる位置で連接する一対の梁部と、
    前記枠部が固定されると共に、前記ミラー部とによって第2の空隙を形成する半球面状の凹面を有するミラー支持部と、
    前記第2の空隙内で前記ミラー部及び前記凹面にそれぞれ接して配置された球状の磁性体と、
    前記磁性体を磁気的に吸引して該磁性体を前記凹面に沿って移動させることで、前記ミラー部を傾動させる磁界発生部と、
    を備えたことを特徴とする光偏向器。
  2. 外枠部内から一対の第1梁部を互いに対向してそれぞれ内側に延出させ、且つ、前記一対の第1梁部間に形成した内枠部を該一対の第1梁部を中心にして揺動可能に支持すると共に、前記一対の第1梁部に対して直交させた一対の第2梁部を前記内枠部内から互いに対向してそれぞれ内側に延出させ、且つ、前記一対の第2梁部間に形成したミラー部を該一対の第2梁部を中心にして揺動可能に支持したミラー体と、
    前記ミラー体の外枠部の裏面を支持するための上面外周部と、この上面外周部の内側に開口して半径Rの半球状有底穴部とを形成したミラー体支持台と、
    前記ミラー体支持台に形成した前記半球状有底穴部の半径Rに対してR/2の半径で球状に磁性材を用いて形成され、且つ、前記ミラー体を前記ミラー体支持台の上面外周部上に取り付けた状態で前記ミラー体内に形成した前記ミラー部の裏面中心部と、前記半球状有底穴部の内周面との間に挟まれながら両者にそれぞれ点接触する磁性球体と、
    前記磁性球体を磁気的に吸引して該磁性球体を前記ミラー体支持台に形成した前記半球状有底穴部の内周面に沿って移動させることで、前記ミラー体内に形成した前記一対の第1梁部及び前記内枠部並びに前記一対の第2梁部を介して前記ミラー部を2次元的に傾動させる磁界発生手段と、
    を備えたことを特徴とする光偏向器。
  3. 第1の空隙を有する枠部と、
    前記第1の空隙に配置されたミラー部と、
    前記枠部と前記ミラー部とを互いに異なる位置で連接する一対の梁部と、
    前記枠部が固定されると共に、前記ミラー部とによって第2の空隙を形成する凹面を有するミラー支持部と、
    前記ミラー部から前記凹面に向かって延出された永久磁石棒と、
    前記永久磁石棒の長手方向の側面から所定距離隔てて配置され且つ、前記永久磁石棒が揺動していない状態において前記側面を挟んで互いに対向する一対の磁極面を有し、前記永久磁石棒と前記磁極面とによって形成される磁力で、前記一対の梁部を揺動中心にして前記永久磁石棒を揺動させて前記ミラー部を傾動させる磁界発生部と、
    を備えたことを特徴とする光偏向器。
  4. 外枠部内から一対の第1梁部を互いに対向してそれぞれ内側に延出させ、且つ、前記一対の第1梁部間に形成した内枠部を該一対の第1梁部を中心にして揺動可能に支持すると共に、前記一対の第1梁部に対して直交させた一対の第2梁部を前記内枠部内から互いに対向してそれぞれ内側に延出させ、且つ、前記一対の第2梁部間に形成したミラー部を該一対の第2梁部を中心にして揺動可能に支持したミラー体と、
    前記ミラー体内に形成した前記ミラー部の裏面中心部に一端部が固着され、且つ、前記一端部から他端部に向かって棒状に延出し、それぞれの端部にN極,S極の磁化方向が与えられた永久磁石棒と、
    前記ミラー体の外枠部の裏面を支持するための上面外周部と、この上面外周部の内側に開口した有底穴部とを形成したミラー体支持台と、
    前記ミラー体を前記ミラー体支持台の上面外周部上に取り付けて、前記ミラー体内に形成した前記ミラー部の裏面に固着した前記永久磁石棒を前記ミラー体支持台の有底穴部内に収納した状態で、前記永久磁石棒の長手方向の側面から所定距離隔てて配置され且つ、前記永久磁石棒が揺動していない状態において前記側面を挟んで互いに対向する一対の磁極面を有し、前記永久磁石棒の前記他端部と前記磁極面とで形成される磁界によって前記他端部を磁気的に吸引及び/又は反発させることで、前記ミラー体内に形成した前記一対の第1梁部及び前記内枠部並びに前記一対の第2梁部を介して前記ミラー部を2次元的に傾動させる磁界発生手段と、
    を備えたことを特徴とする光偏向器。
  5. 第1の空隙を有する枠部と、
    前記第1の空隙に配置され、鏡面を有するミラー部と、
    前記枠部と前記ミラー部とを互いに異なる位置で連接する一対の梁部と、
    前記枠部が固定されると共に、前記ミラー部とによって第2の空隙を形成する凹面を有するミラー支持部と、
    前記ミラー部から前記凹面に向かって延出された永久磁石棒と、
    前記永久磁石棒の長手方向の側面から所定距離隔てて配置され且つ、前記永久磁石棒が揺動していない状態において前記側面を向くと共に、前記永久磁石棒が揺動していない状態における前記鏡面に対して前記永久磁石棒における前記凹面側の端部の揺動軌跡に接近して直線状又は円弧状に傾斜した磁極面を有し、前記永久磁石棒と前記磁極面とによって形成される磁力で、前記一対の梁部を揺動中心にして前記永久磁石棒を揺動させて前記ミラー部を傾動させる磁界発生部と、
    を備えたことを特徴とする光偏向器。
  6. 外枠部内から一対の第1梁部を互いに対向してそれぞれ内側に延出させ、且つ、前記一対の第1梁部間に形成した内枠部を該一対の第1梁部を中心にして揺動可能に支持すると共に、前記一対の第1梁部に対して直交させた一対の第2梁部を前記内枠部内から互いに対向してそれぞれ内側に延出させ、且つ、前記一対の第2梁部間に形成され鏡面を有するミラー部を該一対の第2梁部を中心にして揺動可能に支持したミラー体と、
    前記ミラー体内に形成した前記ミラー部の前記鏡面とは異なる面の中心部に一端部が固着され、且つ、前記一端部から他端部に向かって棒状に延出し、それぞれの端部にN極,S極の磁化方向が与えられた永久磁石棒と、
    前記ミラー体の外枠部の裏面を支持するための上面外周部と、この上面外周部の内側に開口した有底穴部とを形成したミラー体支持台と、
    前記ミラー体を前記ミラー体支持台の上面外周部上に取り付けて、前記ミラー体内に形成した前記ミラー部の裏面に固着した前記永久磁石棒を前記ミラー体支持台の有底穴部内に収納した状態で、前記永久磁石棒の長手方向の側面から所定距離隔てて配置され且つ、前記永久磁石棒が揺動していない状態において前記側面を向くと共に、前記永久磁石棒が揺動していない状態における前記鏡面に対して前記永久磁石棒の前記他端部の揺動軌跡に接近して直線状又は円弧状に傾斜した磁極面を有し、前記永久磁石棒の前記他端部と前記磁極面とで形成される磁界によって前記他端部を磁気的に吸引及び/又は反発させることで、前記ミラー体内に形成した前記一対の第1梁部及び前記内枠部並びに前記一対の第2梁部を介して前記ミラー部を2次元的に傾動させる磁界発生手段と、
    を備えたことを特徴とする光偏向器。
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