JP2003302585A - プレーナ型電磁アクチュエータ及びその制御方法 - Google Patents

プレーナ型電磁アクチュエータ及びその制御方法

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JP2003302585A
JP2003302585A JP2002106692A JP2002106692A JP2003302585A JP 2003302585 A JP2003302585 A JP 2003302585A JP 2002106692 A JP2002106692 A JP 2002106692A JP 2002106692 A JP2002106692 A JP 2002106692A JP 2003302585 A JP2003302585 A JP 2003302585A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動板を所定位置に保持するために保持電流
を不要とすることにより、光通信等における光路切換用
光スイッチとして好適な消費電力を少なくできる簡易な
構成のプレーナ型電磁アクチュエータ及びその制御方法
を提供することである。 【解決手段】 固定部2にトーションバー3,3で揺動
可能に軸支した可動板4と、該可動板4を駆動するため
の駆動コイル5と、該駆動コイル5に静磁界を作用させ
る静磁界発生手段7A,7Bとを備え、上記駆動コイル
5に電流を流して上記トーションバー3,3の軸方向と
平行な可動板対辺部に互いに反対方向の電磁力を作用さ
せて上記可動板4を駆動する構成としたものであって、
可動板4の回動に伴って発生する上記トーションバー
3,3の弾性復元力と反対方向の抗力を上記可動板対辺
部に作用させる抗力手段8を備えて構成したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレーナ型電磁ア
クチュエータに関し、特に、光通信等における光路切換
用光スイッチとして好適な消費電力が少なくできる簡易
な構成のプレーナ型電磁アクチュエータ及びその制御方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のプレーナ型電磁アクチュエータ
は、例えば特許公報第2722314号に開示のものが
ある。このプレーナ型電磁アクチュエータは、シリコン
基板を異方性エッチングして可動板とトーションバーと
を一体的に形成し、シリコン基板の固定部に可動板をト
ーションバーで軸支し、さらに上記可動板の周縁部に沿
って良電導性の金属薄膜からなる駆動コイルを敷設し、
上記トーションバーの軸方向に平行な可動板対辺部の駆
動コイルに静磁界を作用させる、例えば永久磁石の静磁
界発生手段を設けて構成されている。
【0003】このように構成したプレーナ型電磁アクチ
ュエータの駆動コイルに通電すると、上記静磁界発生手
段による静磁界が、上記トーションバーの軸方向に平行
な可動板対辺部の駆動コイルの電流に作用してローレン
ツ力を発生し、フレミングの左手の法則に従ってトーシ
ョンバーを中心に可動板を回動させる。可動板が回動す
るとトーションバーが捩じられ、そのバネ反力によりト
ーションバーには弾性復元力が発生し、上記ローレンツ
力と上記トーションバーの弾性復元力とが釣り合った位
置で可動板の回動は停止する。
【0004】したがって、可動板に反射ミラーを設けれ
ば、プレーナ型電磁アクチュエータの回動機能を利用し
て、上記反射ミラーで反射する光ビームを偏向すること
ができ、例えば図5に示すような光ファイバーの光路切
換用光スイッチに適用することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のプレーナ型電磁アクチュエータにおいては、入射側
の光ファイバー11の出力光を出射側の光ファイバー1
2から13に切換えるためには、可動板の反射ミラー9
で反射された光ビームが、図5に示す光ファイバー13
の入射側の端面13aに正確に入射できるように、駆動
コイルに所定の電流を通電し可動板4を図中実線で示す
4aの状態から図中破線で示す4bの状態まで回動して
そこに停止させる必要がある。この場合、可動板4を回
動させるときのみならず可動板4を図中4bの位置に静
止させておくときも、駆動コイルには常時電流を流して
いる必要があり、消費電力が大きくなるという問題があ
った。なお、可動板4を図中4bの位置から4aの位置
に切り換える場合も同様である。
【0006】また、可動板4について上記4aまたは4
bの状態を再現よく確保するためには正確な電流制御が
必要であり、回路構成が複雑になり高価になるという問
題があった。
【0007】そこで、本発明はこのような問題に鑑み、
可動板を所定位置に保持するために保持電流を不要とす
ることにより、光通信等における光路切換用光スイッチ
として好適な消費電力を少なくできる簡易な構成のプレ
ーナ型電磁アクチュエータ及びその制御方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1のプレーナ型電磁アクチュエータは、固定
部にトーションバーで揺動可能に軸支した可動板と、該
可動板を駆動するための駆動コイルと、該駆動コイルに
静磁界を作用させる静磁界発生手段とを備え、上記駆動
コイルに電流を流して上記トーションバーの軸方向と平
行な可動板対辺部に互いに反対方向の電磁力を作用させ
て上記可動板を駆動する構成としたものであって、可動
板の回動に伴って発生する上記トーションバーの弾性復
元力と反対方向の抗力を上記可動板対辺部に作用させる
抗力手段を備えて構成したものである。
【0009】このような構成により、抗力手段の抗力に
より可動板が回動し、可動板の回動により発生するトー
ションバーの弾性復元力と抗力が釣り合う位置で可動板
は停止するようになる。この状態で、抗力と反対方向の
電磁力が発生するように駆動コイルに電流を流すことに
より可動板を駆動させる。
【0010】本発明のプレーナ型電磁アクチュエータ
は、具体的には請求項2のように上記駆動コイルを可動
板側に設けると共に、上記静磁界発生手段を、上記固定
部側の上記トーションバー軸方向と平行な部位に上記可
動板を挟んで互いに対向して配置される一対の磁石で構
成するとよい。この場合、上記抗力手段は、請求項3の
ように上記一対の磁石と互いに反発するように上記可動
板に配置した反発用磁石を備える構成とされる。これに
より、固定部側のトーションバー軸方向と平行な部位に
可動板を挟んで互いに対向して配置した一対の磁石と可
動板に配置した反発用磁石とが反発してトーションバー
の弾性復元力に抗した抗力が発生する。
【0011】請求項3の構成においては、請求項4のよ
うに上記可動板の略全面に形成した薄膜磁石としてもよ
いし、また、請求項5のように上記可動板のトーション
バー軸方向と平行な対辺部にそれぞれ形成した一対の薄
膜磁石としてもよい。
【0012】また、請求項6の発明は、上記駆動コイル
部を上記固定部側に設けると共に、上記静磁界発生手段
を上記可動板の略全面に薄膜磁石を形成して構成し、上
記抗力手段が、上記固定部のトーションバー軸方向と平
行な部位に上記薄膜磁石と互いに反発し合うように配置
される一対の反発用磁石を備える構成としたものであ
る。これにより、可動板に形成した薄膜磁石の静磁界発
生手段と、固定部のトーションバー軸方向と平行な部位
に配置される一対の反発用磁石とが反発してトーション
バーの弾性復元力に抗した抗力が発生する。
【0013】また、請求項7のプレーナ型電磁アクチュ
エータの制御方法は、請求項1〜6のいずれか一つに記
載のプレーナ型電磁アクチュエータにおいて、上記静磁
界発生手段と上記抗力手段との抗力による上記可動板の
回動力と、上記トーションバーの弾性復元力との釣り合
いにより可動板が停止する二つの安定状態の一方から他
方に可動板を移行させるときにのみ上記駆動コイルに電
流を流し、上記抗力に抗した駆動力を上記可動板に与え
るようにしたものである。
【0014】この場合、請求項8のように上記可動板の
上記抗力に抗した回動力は、該可動板に設けた駆動コイ
ルを流れる電流に対して、上記静磁界発生手段の静磁界
が作用するローレンツ力としてもよく、請求項9のよう
に上前記固定部側に設けた駆動コイルによる電磁界と、
上記可動板に設けた静磁界発生手段による静磁界とが作
用して、上記可動板の上記トーションバー軸方向と平行
な対辺部に発生させる吸引及び反発力としてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るプ
レーナ型電磁アクチュエータの第1の実施形態の概略構
成を示す斜視図である。
【0016】図1において、本実施形態のプレーナ型電
磁アクチュエータ1は、シリコン基板の枠状の固定部2
と、トーションバー3,3と可動板4とをシリコン基板
の異方性エッチングにより一体的に形成したものであ
り、上記固定部2にトーションバー3,3を介して可動
板4を揺動可能に軸支する。
【0017】可動板4は、その周縁部に該可動板4を駆
動するための駆動コイル5を敷設し、該駆動コイル5の
両終端部は固定部2上に設けた一対の電極端子部6A,
6Bにトーションバー3,3を介して接続する。また、
トーションバー3,3の軸方向と平行な固定部部位に
は、可動板4を挟んで互いに対向して静磁界発生手段と
しての一対の永久磁石7A,7Bが配置される。永久磁
石7A,7BはN極、S極が図示のように配置され、永
久磁石7AのN極から可動板4の表面に沿って永久磁石
7Bに向かう静磁界を形成する。さらに、上記駆動コイ
ル5の上面には図示省略の絶縁層を介して可動板4のほ
ぼ全面を覆って抗力手段としての薄膜の永久磁石8を設
け、N極、S極が図示のように配置され、上記永久磁石
7A、7Bと反発するようにされている。なお、該薄膜
磁石8は可動板4のトーションバー3,3軸方向と平行
な対辺部にそれぞれ個別に形成したものであってもよ
い。また、薄膜磁石8は駆動コイル5の下部に設けても
よい。これにより、可動板4の裏面全面にアルミニウム
や金等の薄膜からなる後述の反射ミラー9を設ければ、
光通信等における光路切換用の光スイッチとして適用す
ることができる。
【0018】次に、第1の実施形態の動作及び制御方法
を図2を参照して説明する。プレーナ型電磁アクチュエ
ータ1は、図1に示すように可動板4の上面に設けた薄
膜磁石8と、永久磁石7A,7Bとが互いに反発するよ
うに磁極を配置して形成しているため、薄膜磁石8と永
久磁石7A,7Bの反発力により可動板4がトーション
バー3,3を軸として時計方向または反時計方向に回動
され、トーションバー3,3を捩じって弾性復元力を発
生させる。そして、薄膜磁石8と、永久磁石7A,7B
の反発力とトーションバー3,3の弾性復元力とが釣り
合う位置で静止して安定する。この安定状態は、時計方
向に反発されたときと、反時計方向に反発されたときの
二箇所にあり、最初に可動板4は必ず一方の安定状態に
ある。
【0019】ここで、先ず、図2(a)に示すように、
薄膜磁石8と、永久磁石7A,7Bの反発力により、可
動板4が図中反時計方向に回動して右上がりに傾斜して
いる(第1の安定状態)ときを考える。このとき、入射
側の光ファイバー11から出力した光ビームは反射ミラ
ー9で反射されて出射側の光ファイバー12に入射す
る。この場合、可動板4は上述したように可動板4の上
面に設けた薄膜磁石8と永久磁石7A,7Bとの反発力
とトーションバー3,3の弾性復元力が釣り合う第1の
安定状態で静止しているので、この安定状態を保持する
ためには駆動コイル5に通電をする必要がない。
【0020】次に、出射側の光ファイバーを12から1
3に切換える場合は、図2(b)に示すように、可動板
4上に敷設した駆動コイル5に電流を流す。ここで、永
久磁石7A,7Bによって図中右から左方向の静磁界が
形成されているので、該静磁界中に置かれた駆動コイル
5に対して図1において反時計回りの電流を流すと、可
動板4の図2(b)中右側端部の駆動コイル部5aに紙
面の表面から裏面に向かう電流が、また左側端部の駆動
コイル部分5bに紙面の裏面から表面に向かう電流が流
れ、フレミングの左手の法則に従って駆動コイル5に時
計方向のローレンツ力が発生する。この場合、駆動電流
を調節して薄膜磁石8と永久磁石7A,7Bとの反発力
に抗して可動板4が回動するのに十分なローレンツ力を
発生させると、可動板4は図2(b)中時計方向に回動
する。そして、水平位置を過ぎると今度は薄膜磁石8と
永久磁石7A,7Bの反発力により上記ローレンツ力の
力を借りることなく可動板4は回動して、前述したよう
に薄膜磁石8と、永久磁石7A,7Bの反発力とトーシ
ョンバー3,3の捩じり弾性復元力の釣り合う他方の安
定位置で静止し、図2(c)に示す右下がりに傾斜して
安定する(第2の安定状態)。このとき、反射ミラー9
で反射される光ビームは光ファイバー13に入射するこ
とになる。ここで、図2(c)の状態は、上述したよう
に薄膜磁石8と、永久磁石7A,7Bの反発力とトーシ
ョンバー3,3の弾性復元力が釣り合っている第2の安
定状態であるので、この状態を維持するためには駆動コ
イル5に電流を供給する必要がない。
【0021】さらに、反射側の光ファイバーを光ファイ
バー13から光ファイバー12に切換えるためには、図
2(d)に示すように可動板4上に敷設した駆動コイル
5に通電する。ここで、永久磁石7A,7Bによって図
中右から左方向の静磁界が形成されているので、該静磁
界中に置かれた駆動コイル5に対して図1において時計
回りの電流を流すと、可動板4の図2(d)中右側端部
の駆動コイル部5aに紙面の裏面から表面に向かう電流
が、また左側端部の駆動コイル部分5bに紙面の表面か
ら裏面に向かう電流が流れ、フレミングの左手の法則に
従って駆動コイル5に反時計方向のローレンツ力が発生
する。この場合、駆動電流を調節して薄膜磁石8と永久
磁石7A,7Bとの反発力に抗して可動板4が回動する
のに十分なローレンツ力を発生させると、可動板4は図
2(d)中反時計方向に回動する。そして、水平位置を
過ぎると今度は薄膜磁石8と永久磁石7A,7Bの反発
力によりローレンツ力の力を借りることなく可動板4は
回動して、前述したように薄膜磁石8と永久磁石7A,
7Bの反発力とトーションバー3,3の弾性復元力の釣
り合う図2(a)の第1の安定状態で静止する。こうし
て、反射ミラー9で反射される光ビームは光ファイバー
12に入射することになる。
【0022】このように、第1の実施形態は、可動板4
の上面に設けた薄膜磁石8と対向して備えた永久磁石7
A,7Bとの反発力により可動板4を回動させ、該反発
力と可動板4を軸支するトーションバー3,3の弾性復
元力とが釣り合う二箇所の安定状態のいずれか一方の安
定状態に位置させるものである。そして、上記可動板4
の裏面に備えた反射ミラー9による光ビームの反射方向
を切換えるためには、上記可動板4の上面の周縁部に沿
って敷設した駆動コイル5に通電することによって、薄
膜磁石8と永久磁石7A,7Bの反発力に抗するローレ
ンツ力を発生させて可動板4を水平状態を越えて回動さ
せ、上記一方の安定状態から他方の安定状態に移行させ
るようにするものである。従って、駆動コイル5には光
ビームの方向を切換えるときにのみ電流を流すので消費
電力が少ない。また、上記二箇所の安定状態は、薄膜磁
石8と永久磁石7A,7Bの反発力とトーションバー
3,3の弾性復元力とが釣り合う位置であるので、この
安定状態を維持するのに特別な制御を必要とせず簡易な
構成とすることができる。
【0023】また、上記薄膜磁石8と永久磁石7A,7
Bの磁界強度を適宜選択することによる両者の反発力の
調整、トーションバー3,3の太さまたは長さ等を変更
して弾性復元力の調整を行うことにより、上記二箇所の
安定状態における可動板の傾き角度を調節することがで
きる。
【0024】次に、本発明によりプレーナ型電磁アクチ
ュエータの第2の実施形態を図3及び図4を参照して説
明する。なお、第1の実施形態と同一要素については同
一の符号を付し説明を省略する。図3は本発明によるプ
レーナ型電磁アクチュエータ20の第2の実施形態の概
略構成を示す斜視図である。
【0025】図3において、本実施形態のプレーナ型電
磁アクチュエータ20は、可動板4に静磁界発生手段と
しての薄膜の永久磁石21を可動板4の上面のほぼ全面
を覆って形成し、可動板4の下方に平板状の固定部22
を設け、該固定部22の可動板4に対応した位置には開
放した窓部23を設け、該窓部23の周縁部に駆動コイ
ル5を敷設している。そして、平板状の固定部22は、
トーションバー3,3を介して可動板4を軸支する固定
部2を載置した状態において、上記トーションバー3,
3の軸方向と平行な固定部部位には、対向して抗力手段
としての永久磁石24A,24Bを備え、図示のように
上記薄膜磁石21と反発するようにN極及びS極を配置
している。
【0026】次に、第2の実施形態の動作及び制御方法
を、図4を参照して説明する。なお、ここでは図2に示
す光ファイバー及び光ビームを省略しているが、図2と
同様に考えることができる。
【0027】先ず、図4(a)に示すように、可動板4
が磁石の反発力により反時計方向に回動して右上がりに
傾斜した第1の安定状態にある場合を考える。この場
合、可動板4は上述したように可動板4の上面に設けた
薄膜磁石23と永久磁石24A,24Bとの反発力とト
ーションバー3,3の弾性復元力が釣り合う位置で安定
しているので、この安定状態を保持するためには駆動コ
イル5に電流を流す必要がない。
【0028】次に、光ビームの反射方向を切換える場合
には、図4(b)に示すように、平板状の固定部21に
敷設した駆動コイル5に通電がされる。この場合、図3
において時計方向の電流を駆動コイル5に流して、図4
(b)のように下向きの磁界を発生させると、可動板4
の薄膜磁石21の図中右端21aはN極であるため駆動
コイル5に引き寄せられ、左端21bはS極であるため
駆動コイル5から反発される。その結果、可動板4は、
図4に示すトーションバー3,3を軸として図4(b)
中時計方向に回動する。この場合、薄膜磁石21と永久
磁石24A,24Bとの反発力に抗して可動板4が回動
するのに十分な電流を駆動コイル5に供給すると、可動
板4は図4(a)の状態から時計方向に回動し、前述し
たように薄膜磁石21と永久磁石24A,24Bとの反
発力とトーションバー3,3の弾性復元力の釣り合う他
方の安定位置(第2の安定状態)で静止し、図4(c)
に示すように右下がりに傾斜する。これにより、可動板
4の下面に備えた反射ミラー9で反射される光ビームの
方向を偏向することができる。ここで、図4(c)の第
2の安定状態は、上述したように薄膜磁石21と永久磁
石24A,24Bの反発力とトーションバー3,3の捩
れの弾性復元力の釣り合っている状態であるので、この
状態を維持するためには駆動コイル5に電流を流す必要
がない。
【0029】さらに、可動板4の位置を図4(a)の第
1の安定状態に戻すためには、図4(d)に示すように
駆動コイル5に通電がされる。ここで、図3において反
時計回りの電流を駆動コイル5に流すと、図4(d)に
示すように駆動コイル5には上方に向かう磁界が発生す
る。可動板4の上面の薄膜磁石21の図中右端21aは
N極であるため駆動コイル5から反発され、左端21b
はS極であるため駆動コイル5に引き寄せられる。その
結果、可動板4は、図3に示すトーションバー3,3を
軸として図4(d)中反時計方向に回動する。この場
合、薄膜磁石21と永久磁石24A,24Bとの反発力
に抗して可動板4が回動するのに十分な電流を駆動コイ
ル5に流すと、可動板4は図4(d)の状態から反時計
方向に回動し、前述したように薄膜磁石21と永久磁石
24A,24Bの反発力とトーションバー3,3の弾性
復元力の釣り合う位置で静止し、図4(a)に示す右上
がりに傾斜した第1の安定状態に戻る。
【0030】このように、第2の実施形態は、可動板4
の上面に設けた薄膜磁石21と対向して備えた永久磁石
24A,24Bとの反発力により可動板4を回動させ、
該反発力と可動板4を軸支するトーションバー3,3の
捩れの弾性復元力とが釣り合う第1の安定状態に静止さ
せるものである。そして、上記可動板4の下部に備えた
固定部22の駆動コイル5に通電することによって、可
動板4を薄膜磁石21と永久磁石24A,24Bの反発
力に抗して回動させ得るだけの電磁力を発生させて、反
対側の第2の安定状態に移行させるものである。従っ
て、駆動コイル5には光ビームの反射方向を切換えると
きにのみ電流を流すので消費電力が少ない。また、第1
の実施形態と同様に、上記第1及び第2の安定状態は薄
膜磁石21と永久磁石24A,24Bの反発力とトーシ
ョンバー3,3の捩れの弾性復元力とが釣り合う位置で
あるので、この安定状態を維持するために特別な制御を
必要とせず簡易な構成とすることができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明のプレーナ型
電磁アクチュエータによれば、抗力手段で可動板の回動
に伴って発生する上記トーションバーの弾性復元力と反
対方向の抗力を上記可動板対辺部に作用させているの
で、可動板は上記トーションバーの弾性復元力と上記抗
力手段による抗力とが釣り合う位置に安定に静止させる
ことができる。従って、この安定状態を維持するために
電流を流す必要がなく消費電力を少なくできる。また、
上記安定状態を維持するのに特別な制御を必要とせず簡
易な構成とすることができる。さらに、上記安定状態
は、上記トーションバーの弾性復元力と上記抗力手段に
よる抗力とが釣り合う二箇所の位置にあり、駆動コイル
に電流を流すことによって可動板を一方の安定状態から
他方の安定状態に移行させることができ、光通信等の光
路切換用光スイッチに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータ
の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】 上記プレーナ型電磁アクチュエータの動作を
示す説明図である。
【図3】 本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータ
の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図4】 上記プレーナ型電磁アクチュエータの動作を
示す説明図である。
【図5】 従来技術のプレーナ型電磁アクチュエータを
光路切換用光スイッチに適用した場合の動作を示す説明
図である。
【符号の説明】
1,20…プレーナ型電磁アクチュエータ 2,22…固定部 3…トーションバー 4…可動板 5…駆動コイル 7A,7B,24A,24B…永久磁石 8,21…薄膜磁石 23…窓部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H041 AA12 AB14 AC05 AZ02 AZ05 AZ08 2H045 AB03 AB16 AB62 AB73

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定部にトーションバーで揺動可能に軸支
    した可動板と、該可動板を駆動するための駆動コイル
    と、該駆動コイルに静磁界を作用させる静磁界発生手段
    とを備え、前記駆動コイルに電流を流して前記トーショ
    ンバーの軸方向と平行な可動板対辺部に互いに反対方向
    の電磁力を作用させて前記可動板を駆動する構成のプレ
    ーナ型電磁アクチュエータにおいて、 可動板の回動に伴って発生する前記トーションバーの弾
    性復元力と反対方向の抗力を前記可動板対辺部に作用さ
    せる抗力手段を備えたことを特徴とするプレーナ型電磁
    アクチュエータ。
  2. 【請求項2】前記駆動コイルを可動板側に設けると共
    に、前記静磁界発生手段を、前記固定部側の前記トーシ
    ョンバー軸方向と平行な部位に前記可動板を挟んで互い
    に対向して配置される一対の磁石で構成した請求項1に
    記載のプレーナ型電磁アクチュエータ。
  3. 【請求項3】前記抗力手段は、前記一対の磁石と互いに
    反発するように前記可動板に配置した反発用磁石を備え
    る構成である請求項2に記載のプレーナ型電磁アクチュ
    エータ。
  4. 【請求項4】前記反発用磁石は、前記可動板の略全面に
    形成した薄膜磁石である請求項3に記載のプレーナ型電
    磁アクチュエータ。
  5. 【請求項5】前記反発磁石は、前記可動板のトーション
    バー軸方向と平行な対辺部にそれぞれ形成した一対の薄
    膜磁石である請求項3に記載のプレーナ型電磁アクチュ
    エータ。
  6. 【請求項6】前記駆動コイル部を前記固定部側に設ける
    と共に、前記静磁界発生手段を前記可動板の略全面に薄
    膜磁石を形成して構成し、前記抗力手段が、前記固定部
    のトーションバー軸方向と平行な部位に前記薄膜磁石と
    互いに反発し合うように配置される一対の反発用磁石を
    備える構成である請求項1に記載のプレーナ型電磁アク
    チュエータ。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか一つに記載のプレ
    ーナ型電磁アクチュエータの制御方法であって、 前記抗力手段の抗力による前記可動板の回動力と、前記
    トーションバーの弾性復元力との釣り合いにより可動板
    が停止する二つの安定状態の一方から他方に可動板を移
    行させるときにのみ前記駆動コイルに電流を流し、前記
    抗力に抗した駆動力を前記可動板に与えるようにしたこ
    とを特徴とするプレーナ型電磁アクチュエータの制御方
    法。
  8. 【請求項8】前記可動板の前記抗力に抗した回動力は、
    該可動板に設けた駆動コイルを流れる電流に対して、前
    記静磁界発生手段の静磁界が作用するローレンツ力であ
    ることを特徴とする請求項7に記載のプレーナ型電磁ア
    クチュエータの制御方法。
  9. 【請求項9】前記可動板の前記抗力に抗した回動力は、
    前記固定部側に設けた駆動コイルによる電磁界と、前記
    可動板に設けた静磁界発生手段による静磁界とが互いに
    作用して、前記可動板の前記トーションバー軸方向と平
    行な対辺部に発生させる吸引及び反発力であることを特
    徴とする請求項7に記載のプレーナ型電磁アクチュエー
    タの制御方法。
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