JP5007648B2 - アクチュエータ、光スキャナおよび画像形成装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、反射ミラーと、反射ミラーを支持する固定枠部と、反射ミラーと固定枠部とを連結する1対のバネ部とを備えるアクチュエータが開示されている。このアクチュエータでは、各バネ部が、反射ミラーと間隔を隔てて設けられた連結体と、反射ミラーと連結体とを連結する第1のバネ部と、第1のバネ部と反対側で連結体と固定枠部とを連結する第2のバネ部を有している。
このようなアクチュエータは、例えば、雰囲気温度や、反射ミラーへ照出される光などによって昇温し、反射ミラーや、各バネ部が熱膨張してしまう。特許文献1のアクチュエータでは、バネ部が、固定枠部と反射ミラーとの間に設けられているため、第1のバネ部および第2のバネ部の、その長手方向への変位が阻害されてしまう。
特に、特許文献1のアクチュエータを光スキャナとして用いた場合などには、反射ミラーの回動中心軸がずれることにより、光源から反射ミラーまでの光路長が変化してしまい、反射ミラーで反射した反射光を対象物の所望の位置に走査させることができない。
本発明のアクチュエータは、可動板と、
前記可動板の平面視にて、前記可動板を介して互いに対向するよう設けられ、前記可動板を回動可能に支持する1対の支持部と、
前記各支持部と前記可動板とを連結する1対の連結部と、
前記可動板を回動させる駆動手段とを有し、
前記各連結部は、前記可動板の平面視にて、前記支持部から前記可動板と反対側へ向けて延出する軸部と、該軸部の先端から前記可動板側へ向けて折り返すよう形成され、前記軸部の先端と前記可動板の回動中心軸から離間した離間部とを連結する折り返し部とを有することを特徴とする。
これにより、環境温度に対する影響を緩和または防止し、所望の振動特性を発揮することができるアクチュエータを提供することができる。
これにより、可動板を回動中心軸に対して両側から支持することができ、よって、可動板の挙動(回動時の挙動)が安定する。
これにより、可動板を回動中心軸に対して対称的に回動させることができ、アクチュエータの回動特性が向上する。
本発明のアクチュエータでは、前記1対の離間部は、それぞれ、前記可動板の前記回動中心軸から遠位に位置していることが好ましい。
これにより、可動板をバランスよく支持するとともに、回動に伴う可動板の撓みや反りを抑制することができる。その結果、アクチュエータの回動特性が向上する。
これにより、アクチュエータの熱膨張をより効果的に緩和または防止することができる。その結果、アクチュエータは、環境温度によらず、所望の回動特性を発揮・維持することができる。
これにより、比較的に簡単な構成で、接続部を介して、軸部と1対の長尺部とを接続することができる。
これにより、1対の軸部を軸として、可動板を円滑に回動させることができ、優れた回動特性を発揮することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記駆動手段は、前記1対の折り返し部に沿って設けられたコイルと、前記可動板の平面視にて、前記回動中心軸に対して直交する向きの磁界を発生する磁界発生部とを備え、前記コイルに、周期的に変化する電圧を印加することにより、前記1対の軸部を捩り変形させつつ前記可動板を回動させるよう構成されていることが好ましい。
これにより、1対の永久磁石により発生する磁界とコイル内を流れる電流とが作用する領域を比較的大きくすることができ、よって、省電力化を図りつつ、大きな駆動力で可動板を回動させることができる。
これにより、極めて簡単に、コイルの周辺に磁界を発生させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記駆動手段は、前記可動板および前記折り返し部に対して対向配置された電極を有し、該電極への通電により前記電極と前記可動板との間に発生する静電引力を利用して、前記可動板を回動させるよう構成されていることが好ましい。
これにより、省電力化を図りつつ、可動板を大きい駆動力で回動させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記可動板の一方の板面には、光反射性を有する光反射部が設けられていることが好ましい。
これにより、アクチュエータを光スキャナとして用いることができる。
前記可動板の平面視にて、前記可動板を介して互いに対向するよう設けられ、前記可動板を回動可能に支持する1対の支持部と、
前記各支持部と前記可動板とを連結する1対の連結部と、
前記可動板を回動させる駆動手段とを有し、
前記各連結部は、前記可動板の平面視にて、前記支持部から前記可動板と反対側へ向けて延出する軸部と、該軸部の先端から前記可動板へ向けて折り返すよう形成され、前記軸部の先端と前記可動板の回動中心軸から離間した離間部とを連結する折り返し部とを有することを特徴とする。
これにより、環境温度に対する影響を緩和または防止し、所望の振動特性を発揮することができる光スキャナを提供することができる。
前記可動板の平面視にて、前記可動板を介して互いに対向するよう設けられ、前記可動板を回動可能に支持する1対の支持部と、
前記各支持部と前記可動板とを連結する1対の連結部と、
前記可動板を回動させる駆動手段とを有し、
前記各連結部は、前記可動板の平面視にて、前記支持部から前記可動板と反対側へ向けて延出する軸部と、該軸部の先端から前記可動板へ向けて折り返すよう形成され、前記軸部の先端と前記可動板の回動中心軸から離間した離間部とを連結する折り返し部とを有する光スキャナを備えることを特徴とする。
これにより、優れた描画特性を発揮する画像形成装置を提供することができる。
<第1実施形態>
まず、本発明のアクチュエータの第1実施形態を説明する。
図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1に示すアクチュエータが備えるコイルに印加する電圧の波形の一例を示す図、図4は、図1に示すアクチュエータの部分省略平面図、図5は、図1に示すアクチュエータの駆動を示す図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図2、図3中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。また、図1に示すように、互いに直交する3軸をそれぞれ、x軸、y軸およびz軸とする。また、x軸に平行な方向を「x軸方向」、y軸に平行な方向を「y軸方向」、z軸に平行な方向を「z軸方向」とも言う(図2、図4、図7〜図10、図12についても同様)。
図1に示すように、基体2は、可動板21と、可動板21を回動可能に支持する1対の支持部22、23と、各支持部22、23と可動板21とを連結する1対の連結部24、25とを備えている。
なお、可動板21の形状としては、特に限定されず、例えば、x−y平面にて、円状をなしていてもよい。
このような支持部22、23は、それぞれ、可動板21および連結部24、25の厚さ(すなわち、Z軸方向の長さ)よりも厚くなっており、その下面が可動板21の下面よりも図2中下側に位置している。このような支持部22、23の下面は、それぞれ、対向基板3の上面と接合している。
図1に示すように、連結部24、25は、それぞれ、x−y平面にて、略「E」字状をなしている。このような連結部24は、可動板21よりも左側に位置し、可動板21と支持部22とを連結している。同様に、連結部25は、可動板21よりも右側に位置し、可動板21と支持部23とを連結している。
軸部241、251は、それぞれ、長手形状をなしていてx軸方向に延在している。また、軸部241、251は、それぞれ、弾性変形可能である。このような軸部241、251は、互いに同軸的に設けられており、この軸(回動中心軸X)を中心として、可動板21が回動するよう構成されている。軸部241、251を同軸的に設けることにより、可動板21をその軸、すなわち、回動中心軸Xまわりに円滑に回動させることができ、優れた回動特性を発揮することができる。
また、図1に示すように、連結部24は、軸部241の先端(すなわち、図1中左側の端)から可動板21側へ折り返すように形成され、軸部241の先端と可動板21とを連結する折り返し部242を有している。
1対の長尺部242a、242bは、それぞれ、x軸方向に沿って設けられている。したがって、1対の長尺部242a、242bは、それぞれ、軸部241の延在方向と同じ方向に延在している。
このような1対の離間部21a、22bは、x−y平面にて、回動中心軸Xに対して対称的に位置している。これにより、可動板21を回動中心軸Xに対して対称的に回動させることができ、可動板21の挙動が安定する。その結果、アクチュエータ1の回動特性が向上する。
このような長尺部242a、242bは、それぞれ、弾性変形可能であってもよいし、実質的に弾性変形しないものであってもよい。特に、長尺部242a、242bが実質的に弾性変形しないものである場合には、長尺部242a、242bが、可動板21の回動時に撓むことがないため、可動板21の挙動が極めて安定する。
本実施形態では、長尺部242a、242bは、互いに同一形状かつ同一寸法をなしている。なお、長尺部242a、242bは、互いにことなる形状(平面視形状や断面形状を含む)であってもよい。
また、接続部242cは、長手方向の略中央にて、軸部241の先端と接続している。これにより、軸部241と1対の長尺部242a、242bとが、接続部242cを介して接続することとなる。特に、本実施形態では、接続部242cがY軸方向に延在するよう形成されているため、比較的簡単な構成で、接続部242cを介して、軸部241と1対の長尺部242a、242bとを接続することができる。
以上のような基体2は、例えば、シリコンを主材料として構成されていて、可動板21と、支持部22、23と、連結部24、25とが一体的に形成されている。このように、シリコンを主材料とすることにより、優れた回動特性を実現できるとともに、優れた耐久性を発揮することができる。また、微細な処理が可能であり、アクチュエータ1の小型化を図ることができる。
以上のような基体2の下面側には、対向基板3が設けられていて、支持部22、23の下面と対向基板3の上面とが接合している。対向基板3と支持部22、23との接合方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤などを介して接合してもよいし、陽極接合などの各種接合方法を用いてもよい。
このような対向基板3は、例えば、ガラス、各種セラミックス、シリコン、またはSiO2を主材料として構成されている。
図2に示すように、駆動手段4は、前述した1対の永久磁石41、42と、基体2に設けられたコイル43と、コイル43に電圧を印加する電源回路44とを有している。
コイル43は、基体2の下面に設けられている。すなわち、コイル43は、光反射部211が設けられた面と反対側の面に設けられている。そのため、光反射部211での光走査がコイル43によって阻害されてしまうことを確実に防止することができる。
以上のようなコイル43には、電源回路44が電気的に接続されていて、電源回路44によって、コイル43に所望の電圧を印加できるようになっている。
このような永久磁石41、42は、それぞれ、x軸方向に沿って延在するよう設けられており、永久磁石41と永久磁石42とで形成される空間内に、基体2の全域が含まれている。また、永久磁石41、42は、対向する面側同士が、互いに反対の極性となっていて、1対の永久磁石41、42間にy軸方向の磁界Hが発生している。このように、1対の永久磁石41、42を用いることにより、極めて簡単に、コイル43に作用させる磁界Hを発生させることができる。
永久磁石41、42のx軸方向の長さは、それぞれ、基体2のx軸方向の長さよりも若干長くなっている。これにより、コイル43のx軸方向延在部431、432の全域に磁界Hを作用させ、可動板21を効率的に回動させることができる。
以上のような構成のアクチュエータ1は、次のようにして駆動する。なお、図4は、アクチュエータ1の平面図であるが、説明の便宜上、基体2の図示を省略している。
例えば、電源回路44により、図3に示すような交番電圧をコイル43に印加する。すると、図4に示すように、コイル43に時計回りの電流I1が流れる第1の状態と、反時計回りの電流I2が流れる第2の状態とが交互に切り換わる。
特に、本実施形態では、x軸方向延在部431、432を流れる電流I1、I2の向きと、磁界Hの向きとを直交させることができ、より効率的に前述の電磁力を発生させることができる。これにより、可動板21を円滑かつ効率的に回動させることができる。
また、電源回路44によりコイル43に印加する電圧としては、交番電圧に限定されず、例えば、直流電圧を間欠的に印加するものであってもよい。
このようなアクチュエータ1では、基体2の下側に設けられたコイル43に通電することにより駆動するよう構成されているが、このコイル43への通電により、コイル43が発熱し、この熱により、アクチュエータ1が昇温する。また、例えば、アクチュエータ1を光スキャナとして用いた場合には、光反射部211で反射しきれなかった光が熱に変換され、この熱により、アクチュエータ1が昇温する。また、雰囲気温度の変化などによっても、アクチュエータ1が昇温する。
これらのような熱の影響でアクチュエータ1が昇温すると、基体2が熱膨張を起こしてしまう場合があるが、本発明のアクチュエータにあっては、このような基体の熱膨張を許容することができ、熱膨張が起こったとしても、所望の振動特性を発揮、維持することができる。
基体2が熱膨張を起こすと、x軸方向に延在している軸部241、242、長尺部242a、242b、252a、252bが、それぞれ、x軸方向(すなわち長手方向)に伸張する。
軸部241は、その基端部が支持部22に支持されているため、前記伸張により、軸部241の先端部(接続部242c側の端部)が、可動板21と反対側(すなわち図1中左側)に向けて変位する。
長尺部242a、252aについて言えば、長尺部242aが可動板21側へ伸張しようとする力と、長尺部252aが可動板21側へ伸張しようとする力とが反発し、その結果、前記伸張により、長尺部242aの接続部242c側の端が図1中左側に向けて変位するとともに、長尺部252aの接続部252c側の端が図1中右側に向けて変位する。
以上より、連結部24について言えば、軸部241、長尺部242aおよび長尺部242bのそれぞれの図1中左側の端が、接続部242cとともに、図1中左側へ向けて変位する。アクチュエータ1は、接続部242cの図1中左側に、前記変位を阻害する部材等を一切設けられておらず、熱膨張による前記変位を確実に許容する。
以上のように、連結部24、25の熱膨張が許容されることにより、軸部241、242、長尺部242a、242b、252a、252bが、z軸方向に撓んだり、座屈したりすることを緩和または防止することができる。その結果、可動板21のz軸方向への不本意な変位を緩和または防止することができ、環境温度によらず回動中心軸Xをほぼ一定に保つことができる。その結果、アクチュエータ1は、環境温度によらず、所望の回動特性を発揮・維持することができる。
図6は、アクチュエータ1の製造方法を示す図(図1中A−A線断面図に対応する図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
[A1]まず、図6(a)に示すように、基体2を形成するためのSOI基板7を用意する。このようなSOI基板7は、Si層71と、SiO2層72と、Si層73とが積層した積層構造をなしている。
次いで、レジストマスクM1を介して、Si層71をエッチングする。その後、レジストマスクM1を除去する。これにより、図6(c)に示すように、可動板21と、支持部22、23の一部と、連結部24、25とが一体的に形成されたSi層71が得られる。なお、このとき、SiO2層72は、エッチングのストップ層として機能する。このようなエッチング方法としては、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、以下の各工程におけるエッチングにおいても、同様の方法を用いることができる。
次いで、支持部22、23の平面視形状に対応する部分を除いて、SiO2層72を除去することで、図6(e)に示すように、支持部22、23の中央部分が形成されたSiO2層72を得ることができる。
また、基体2の下面に、折り返し部242、252に沿ってコイル43を設ける。コイル43は、例えば、導電性を有する線材を巻回して形成する。コイル43と基体2との接合方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤を介して接合してもよい。
次に、本発明のアクチュエータの第2実施形態について説明する。
図7は、本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す平面図である。なお、説明の便宜上、図7中の左側を「左」、右側を「右」と言う。
以下、第2実施形態のアクチュエータについて、前述した実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
なお、連結部24、25は、互いに同様の構成であるため、連結部24について代表して説明し、連結部25については、その説明を省略する。
このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
次に、本発明のアクチュエータの第3実施形態について説明する。
図8は、本発明のアクチュエータの第3実施形態を示す平面図である。なお、説明の便宜上、図8中の左側を「左」、右側を「右」と言う。
以下、第3実施形態のアクチュエータについて、前述した実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
なお、連結部24、25は、互いに同様の構成であるため、連結部24について代表して説明し、連結部25については、その説明を省略する。
このような第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
次に、本発明のアクチュエータの第4実施形態について説明する。
図9は、本発明のアクチュエータの第4実施形態を示す平面図である。
以下、第4実施形態のアクチュエータについて、前述した実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
なお、連結部24、25は、互いに同様の構成であるため、連結部24について代表して説明し、連結部25については、その説明を省略する。
このような第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
次に、本発明のアクチュエータの第5実施形態について説明する。
図10は、本発明のアクチュエータの第5実施形態を示す平面図、図11は、図10に示すアクチュエータの駆動を示す図である。
以下、第5実施形態のアクチュエータについて、前述した実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
駆動手段4Dは、可動板21の下面に設けられた永久磁石41Dと、永久磁石41Dと対向するように対向基板3の上面に設けられたコイル43Dと、コイル43Dに電圧を印加する電源回路44とを有している。
例えば、電源回路44によりコイル43Dに図3に示すような交番電圧を印加すると、z軸方向の磁界が発生し、かつ、その磁界の向きが周期的に切り換わる。すなわち、コイル43Dの上側付近がN極、下側付近がS極となる第1の状態と、コイル43Dの上側付近がS極、下側付近がN極となる第2の状態とが交互に切り換わる。
前記第1の状態では、図11(a)に示すように、永久磁石41Dの左側が、コイル43Dへの通電により発生する磁界との反発力により上側へ変位するとともに、永久磁石41Dの右側が、前記磁界との吸引力により下側へ変位する。これにより、可動板21が時計回りに傾斜する。
このような第1の状態と第2の状態とを交互に繰り返すことにより、可動板21が回動中心軸Xまわりに回動する。
このような第5実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
次に、本発明のアクチュエータの第6実施形態について説明する。
図12は、本発明のアクチュエータの第6実施形態を示す斜視図、図13は、図12に示すアクチュエータが備える固定電極に印加する電圧の波形の一例を示す図である。
以下、第6実施形態のアクチュエータについて、前述した実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
アクチュエータ1Eの駆動手段4Eは、対向基板3の上面に設けられた1対の固定電極451E、452Eと、固定電極451E、452Eに電圧を印加する電源回路44とを有している。
同様に、固定電極452Eは、基体2よりもx軸方向の長さが長く、長尺部242b、252bと、可動板21の回動中心軸Xより長尺部242b、252b側の部位とに対向するよう形成されている。
このような構成のアクチュエータ1Eは、例えば、次のようにして駆動する。
例えば、基体2をアースしておき、固定電極451Eに、図13(a)に示すような波形の電圧を印加し、固定電極452Eに、図13(b)に示すような波形の電圧を印加する。
特に、本実施形態では、前述したように、可動板21のみならず長尺部242a、252aも固定電極451Eと対向しているため、固定電極451Eと基体2とが対向する領域を比較的大きくすることができる。これにより、基体2と固定電極451Eとの間に生じる静電引力を大きくすることができ、省電力化を図りつつ、可動板21を大きい駆動力で回動させることができる。このことは、固定電極452Eについても同様である。
このような第1の状態と第2の状態とを交互に繰り返すことにより、可動板21が回動中心軸Xまわりに回動する。
このような第6実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
光源装置91は、赤色光を照出する赤色光源装置911と、青色光を照出する青色光源装置912と、緑色光を照出する緑色光源装置913とを備えている。
このようなプロジェクタ9は、図示しないホストコンピュータからの画像情報に基づいて、光源装置91(赤色光源装置911、青色光源装置912、緑色光源装置913)から照出された光をダイクロイックミラー92で合成し、この合成された光がアクチュエータ1、1によって2次元的に走査され、スクリーンS上でカラー画像を形成するように構成されている。
また、前述した実施形態では、折り返し部が分岐し、可動板と2箇所で接続しているものについて説明したが、これに限定されず、例えは、折り返し部が分岐しておらず、可動板と1箇所で接続しているもの、すなわち、折り返し部が1つの長尺部を有するものであってもよい。
Claims (12)
- 可動板と、
前記可動板の平面視にて、前記可動板を介して互いに対向して設けられ、前記可動板を回動可能に支持する1対の支持部と、
前記各支持部と前記可動板とを連結する1対の連結部と、
前記可動板を回動させる駆動手段とを有し、
前記各連結部は、前記可動板の平面視にて、前記支持部から前記可動板と反対側へ向けて延出する軸部と、前記支持部と反対側に位置する該軸部の端部から前記可動板側へ向けて折り返して形成され、前記軸部の端部と前記可動板の回動中心軸から離間した離間部とを連結する折り返し部とを有し、
前記折り返し部は、前記可動板の平面視にて、前記軸部の端部から前記可動板の回転中心軸に対して互いに反対方向に向けて2つに分岐し、該分岐した先端のそれぞれが、前記可動板へ向けて折り返されて形成され、前記軸部の先端と前記可動板の回動中心軸から互いに反対方向へ離間した1対の前記離間部のそれぞれとを連結することを特徴とするアクチュエータ。 - 前記1対の離間部は、前記可動板の平面視にて、前記回動中心軸に対して対称的に位置している請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記1対の離間部は、それぞれ、前記可動板の前記回動中心軸から遠位に位置している請求項1または2に記載のアクチュエータ。
- 前記折り返し部は、前記回動中心軸を介して対向するよう設けられた1対の長尺部を有し、該1対の長尺部は、それぞれ、前記回動中心軸と略平行な方向に沿って設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記折り返し部は、前記1対の長尺部の前記可動板と反対側の端部同士を連結する接続部を有し、該接続部は、前記可動板の平面視にて、前記回動中心軸と直交する方向に延在している請求項4に記載のアクチュエータ。
- 前記各連結部の前記軸部は、互いに同軸的に設けられている請求項1ないし5のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記駆動手段は、前記1対の折り返し部に沿って設けられたコイルと、前記可動板の平面視にて、前記回動中心軸に対して直交する向きの磁界を発生する磁界発生部とを備え、前記コイルに、周期的に変化する電圧を印加することにより、前記1対の軸部を捩り変形させつつ前記可動板を回動させるよう構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記磁界発生部は、前記可動板の平面視にて、前記回動中心軸に直交する方向に前記可動板を介して対向配置された1対の永久磁石を有し、前記1対の永久磁石は、対向する面側同士が互いに異なる極性となっている請求項7に記載のアクチュエータ。
- 前記駆動手段は、前記可動板および前記折り返し部に対して対向配置された電極を有し、該電極への通電により前記電極と前記可動板との間に発生する静電引力を利用して、前記可動板を回動させるよう構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記可動板の一方の板面には、光反射性を有する光反射部が設けられている請求項1ないし10のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 光反射性を有する光反射部を備える可動板と、
前記可動板の平面視にて、前記可動板を介して互いに対向して設けられ、前記可動板を回動可能に支持する1対の支持部と、
前記各支持部と前記可動板とを連結する1対の連結部と、
前記可動板を回動させる駆動手段とを有し、
前記各連結部は、前記可動板の平面視にて、前記支持部から前記可動板と反対側へ向けて延出する軸部と、前記支持部と反対側に位置する該軸部の端部から前記可動板へ向けて折り返して形成され、前記軸部の端部と前記可動板の回動中心軸から離間した離間部とを連結する折り返し部とを有し、
前記折り返し部は、前記可動板の平面視にて、前記軸部の端部から前記可動板の回転中心軸に対して互いに反対方向に向けて2つに分岐し、該分岐した先端のそれぞれが、前記可動板へ向けて折り返されて形成され、前記軸部の先端と前記可動板の回動中心軸から互いに反対方向へ離間した1対の前記離間部のそれぞれとを連結することを特徴とする光スキャナ。 - 光反射性を有する光反射部を備える可動板と、
前記可動板の平面視にて、前記可動板を介して互いに対向して設けられ、前記可動板を回動可能に支持する1対の支持部と、
前記各支持部と前記可動板とを連結する1対の連結部と、
前記可動板を回動させる駆動手段とを有し、
前記各連結部は、前記可動板の平面視にて、前記支持部から前記可動板と反対側へ向けて延出する軸部と、前記支持部と反対側に位置する該軸部の端部から前記可動板へ向けて折り返して形成され、前記軸部の端部と前記可動板の回動中心軸から離間した離間部とを連結する折り返し部とを有し、
前記折り返し部は、前記可動板の平面視にて、前記軸部の端部から前記可動板の回転中心軸に対して互いに反対方向に向けて2つに分岐し、該分岐した先端のそれぞれが、前記可動板へ向けて折り返されて形成され、前記軸部の先端と前記可動板の回動中心軸から互いに反対方向へ離間した1対の前記離間部のそれぞれとを連結する光スキャナを備えることを特徴とする画像形成装置。
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