JP2007078890A - 感光性組成物、パターン形成材料、感光性積層体、並びにパターン形成装置及びパターン形成方法 - Google Patents

感光性組成物、パターン形成材料、感光性積層体、並びにパターン形成装置及びパターン形成方法 Download PDF

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政幸 岩崎
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Abstract

【課題】 青紫外光レーザに対し高感度であるとともに、黄色安全灯下での光安定性及び熱安定性に優れ、保存安定性が極めて高く、パターンを高精細に、かつ、効率よく形成可能な感光性組成物、該感光性組成物を積層したパターン形成材料及び感光性積層体、並びにパターン形成装置、及びパターン形成方法を提供する。
【解決手段】 バインダー、重合性化合物、及び光重合開始系化合物を少なくとも含み、前記光重合開始系化合物が、アクリジン誘導体と中性ラジカル発生剤とを含む感光性組成物、支持体と、該支持体上に前記感光性組成物からなる感光層を少なくとも有するパターン形成材料、前記感光性組成物からなる感光層を有する感光性積層体、前記感光性積層体を備えており、光照射手段と光変調手段とを少なくとも有するパターン形成装置、などである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、UV露光により画像形成可能なドライフィルムレジスト(DFR)、ソルダーレジスト及び液状ソルダーレジスト等に好適な感光性組成物に関する。特に、該感光性組成物を用いたパターン形成材料及び感光性積層体、並びに該感光性積層体を備えたパターン形成装置、高精細な配線パターン、永久パターン(保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストパターンなど)等のパターン形成方法に関する。
プリント配線基板の分野では、通常は、まず銅張積層板に対してDFRを用いて銅の配線パターンを形成する。更に半導体やコンデンサ、抵抗等の部品が形成された配線パターンの上に半田付けされる。この場合、例えば、IRリフロー等のソルダリング工程において、半田が、半田付けの不必要な部分に付着するのを防ぐため、保護膜、絶縁膜として、前記半田付けの不要部分に相当する永久パターンを形成する方法が採用されている。また、保護膜の永久パターンとしては、ソルダーレジスト等のパターン形成材料が用いられている。他方、プリント配線板のパターンを形成した後、保護膜として残さないドライフィルムレジストなどのパターン形成材料も用いられている。例えば、光重合開始剤として、i)ビスアシルホスフィンオキシド化合物を含有する感光性組成物(特許文献1参照)、ii)α−アミノアセトフェノン化合物を含有する感光性組成物(特許文献2参照)、iii)オキシムエーテル類を含有する光・熱硬化性組成物(特許文献3参照)、iv)チオキサントン類を含有する感光性組成物(特許文献4参照)、v)ビイミダゾール化合物を含有し、かつ増感剤としてアクリドンを含有するパターン形成材料(特許文献5参照)などが提案されている。
前記パターン形成材料への露光は、マスクを用いて露光を行うことが一般に行われてきたが、近年では、生産性、解像性等の観点からデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)等を用いたレーザ光によるマスクレス露光装置も盛んに研究されている。
前記永久パターンを高精細かつ効率的に得るため、近年、395nm〜415nmの青紫外光レーザを用い、低エネルギーで効率的に感光するような高感度な感光層が開発されている。しかし、前記パターン形成材料は、従来のパターン形成材料に比べて感光層の感度が高いため、セーフライトに対しても光反応を起こしやすく、長時間に渡って該セーフライト下でパターン形成材料などの感材を取り扱った場合には、後に395nm〜415nmの光を露光すると、感度や得られるレジスト線幅が上がってしまうという、いわゆる光カブリというトラブルが発生しやすいという問題がある。
一方、プリント基板製造用フォトレジストは、高感度、高解像度が得られやすい、取り扱い性がすぐれるなどの理由により、液状レジストからドライフィルムへの切り替えが進んでいるが、感光性ソルダーレジストについては、現在でも、液状レジストがほとんどであって、ドライフィルム化が遅れている。
その原因として、アルカリ現像処理のためにカルボン酸基含有樹脂が、得られるソルダーレジスト硬化膜の耐熱性、硬度、基板密着性などを実現するためにエポキシ樹脂が、それぞれ必須の成分であるが、両者は反応性が高いので、乾燥工程や保存時等における熱等により反応が進行し、現像性を低下させて、これがソルダーレジストフィルムの保存安定性を限られたものにしていることが挙げられる。
また、エポキシ化合物を含有しないパターン形成用ドライフィルムにも、保存中に初期の10%以上増感することが知られており、いっそうの安定化が望まれていた。
このように、マスクレス露光が可能な青紫色レーザ露光システムに適用するに当たり、高感度のパターン形成材料を実現するためには、セーフライト光に対する光安定性、及び熱安定性の向上が大きな課題の一つである。
したがって、青紫外光レーザに対し高感度であるとともに、黄色安全灯下での光安定性及び熱安定性に優れ、保存安定性が極めて高く、配線パターン及びソルダーレジストパターン等のパターンを高精細に、かつ、効率よく形成可能なパターン形成材料、並びに該パターン形成材料を備えたパターン形成装置、及び前記パターン形成材料を用いたパターン形成方法は未だ提供されておらず、更なる改良開発が望まれているのが現状である。
特開平11−316457号公報 特開2000−214584号公報 特開2001−302871号公報 特開2003−280193号公報 特開2005−107191号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、青紫外光レーザに対し高感度であるとともに、黄色安全灯下での光安定性及び熱安定性に優れ、保存安定性が極めて高く、配線パターン及び永久パターン(保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストパターンなど)等のパターンを高精細に、かつ、効率よく形成可能な感光性組成物、該感光性組成物を積層したパターン形成材料及び感光性積層体、並びにパターン形成装置、及びパターン形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> バインダー、重合性化合物、及び光重合開始系化合物を少なくとも含み、前記光重合開始系化合物が、下記一般式(I)で表されるアクリジン誘導体と中性ラジカル発生剤とを含むことを特徴とする感光性組成物である。
ただし、前記一般式(I)中、Aは、酸素原子、硫黄原子、及びNR10のいずれかを表し、R、R、R、R、R、R、R、R、R、及びR10は、それぞれ独立して、水素原子、及び一価の置換基のいずれかを表し、互いに隣り合う基は結合して環を形成していてもよい。前記一価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。
該<1>に記載の感光性組成物においては、青紫外光レーザに対し高感度であるとともに、黄色安全灯下での光安定性及び熱安定性に優れ、保存安定性が極めて高い。このような感光性組成物により形成された感光層を使用することにより、感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像すると、高精細なパターンが形成される。
<2> アクリジン誘導体が、下記一般式(I−a)で表されるアクリドン化合物である前記<1>に記載の感光性組成物である。
ただし、前記一般式(I−a)中、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素原子、及び一価の置換基のいずれかを表し、Rは、アルキル基を表す。互いに隣り合う基は結合して環を形成していてもよい。前記一価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。
<3> 中性ラジカル発生剤が、モノアシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、及びトリアシルホスフィンオキシド化合物の少なくともいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<4> アシルホスフィンオキシド化合物が下記一般式(II)で表される化合物である前記<3>に記載の感光性組成物である。
ただし、前記一般式(II)中、R11、及びR12は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜12のアルキル基、ベンジル基、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基により1〜4回置換されたフェニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基により1〜4回置換されたフェニル基、シクロヘキシル基、及び下記式(i)中のCOR13で表される基のいずれかであり、さらにR11は−OR14及び下記式(i)で表される基のいずれかであってもよい。R13は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜8のアルキルチオ基、ハロゲン原子により1〜4回置換されたフェニル基、及び下記式(ii)で表される基のいずれかであり、R14は炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、及びベンジル基のいずれかを表す。Yはフェニレン基、炭素原子数1〜12のアルキレン基、及びシクロヘキシレン基のいずれかを表し、Xは炭素原子数1〜18のアルキレン基及び下記式(iii)で表される基のいずれかである。
<5> 水素供与体化合物を含む前記<1>から<4>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<6> 水素供与体化合物が、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ブタン−1−オン、1−フェニル−2−メルカプト−1,3−ベンズイミダゾール、N−フェニルグリシン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ロイコクリスタルバイオレット、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン−O−アリルオキシム、及びテトラ(n−ブチル)アンモニウム−n−ブチルトリフェニルボラートの少なくともいずれかである前記<5>に記載の感光性組成物である。
<7> 熱架橋剤及び熱硬化促進剤を含み、バインダーが、アルカリ可溶性光架橋性樹脂を含む前記<1>から<6>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<8> 一般式(I)で表されるアクリジン誘導体の含有量が、感光性組成物全固形分100質量部に対して2.0〜15.0質量部である前記<7>に記載の感光性組成物である。
該<8>に記載の感光性組成物においては、一般式(I)で表されるアクリジン誘導体の含有量が、感光性組成物全固形分の2.0〜15.0質量部であるため、更なる感度の向上を図ることができる。
<9> バインダーが、共重合体を含み、該共重合体がスチレン及びスチレン誘導体の少なくともいずれかに由来する構造単位を有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<10> バインダーのガラス転移温度(Tg)が、80℃以上である前記<1>から<6>及び<9>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<11> 重合性化合物が、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種を含む前記<1>から<8>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<12> 重合性化合物が、ウレタン基及びアリール基の少なくともいずれかを有するモノマーを含む前記<1>から<6>及び<9>から<10>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<13> 熱架橋剤が、エポキシ樹脂及び多官能オキセタン化合物のいずれか1種から選択される少なくとも1種である前記<7>から<8>及び<11>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<14> 無機充填剤を含む前記<7>から<8>、<11>及び<13>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<15> 着色剤を含む前記<1>から<14>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<16> バインダー15〜70質量%と、重合性化合物5〜75質量%、熱架橋剤2〜50質量%、熱硬化促進剤0.01〜20質量%、無機充填剤5〜75質量%、着色剤0.1〜10質量%、及び溶剤を含む前記<7>から<8>、<11>及び<13>から<15>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<17> バインダーを10〜90質量%含有し、重合性化合物を5〜90質量%含有する前記<1>から<6>、<9>、<10>、<12>及び<15>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<18> 支持体と、該支持体上に前記<1>から<17>のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層とを少なくとも有することを特徴とするパターン形成材料である。
<19> 支持体上に、クッション層と感光層とをこの順に有する前記<18>に記載のパターン形成材料である。
<20> 支持体が、合成樹脂を含み、かつ透明である前記<18>から<19>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<21> 支持体が、長尺状である前記<18>から<20>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<22> 長尺状であり、ロール状に巻かれてなる前記<18>から<21>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<23> パターン形成材料における感光層上に保護フィルムを有する前記<18>から<22>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<24> 基体上に、前記<1>から<17>のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を有することを特徴とする感光性積層体である。
<25> 感光層が、前記<18>から<23>のいずれかに記載のパターン形成材料により形成された前記<24>に記載の感光性積層体である。
<26> 感光層の厚みが1〜100μmである前記<24>から<25>のいずれかに記載の感光性積層体である。
<27> 前記<24>から<26>のいずれかに記載の感光性積層体を備えており、
光を照射可能な光照射手段と、該光照射手段からの光を変調し、前記感光性積層体における感光層に対して露光を行う光変調手段とを少なくとも有することを特徴とするパターン形成装置である。該<27>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が、前記光変調手段に向けて光を照射する。前記光変調手段が、前記光照射手段から受けた光を変調する。前記光変調手段により変調した光が前記感光層に対して露光させる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、高精細なパターンが形成される。
<28> 光変調手段が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を更に有してなり、光照射手段から照射される光を該パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて変調させる前記<27>に記載のパターン形成装置である。該<28>に記載のパターン形成装置においては、前記光変調手段が前記パターン信号生成手段を有することにより、前記光照射手段から照射される光が該パターン信号生成手段により生成した制御信号に応じて変調される。
<29> 光変調手段が、n個の描素部を有してなり、該n個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の前記描素部を、形成するパターン情報に応じて制御可能である前記<27>から<28>のいずれかに記載のパターン形成装置である。該<29>に記載のパターン形成装置においては、前記光変調手段におけるn個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の描素部をパターン情報に応じて制御することにより、前記光照射手段からの光が高速で変調される。
<30> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<27>から<29>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
<31> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<30>に記載のパターン形成装置である。
<32> 描素部が、マイクロミラーである前記<29>から<31>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
<33> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<27>から<32>のいずれかに記載のパターン形成装置である。該<33>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が2以上の光を合成して照射可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光によって行われる。この結果、前記パターン形成材料への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<34> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する前記<27>から<33>のいずれかに記載のパターン形成装置である。該<34>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が、前記複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザ光が前記集合光学系により集光され、前記マルチモード光ファイバに結合可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記パターン形成材料への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<35> 前記<24>から<26>のいずれかに記載の感光性積層体における感光層に対し、露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とするパターン形成方法である。
<36> 前記<18>から<23>のいずれかに記載のパターン形成材料における感光層を、加熱及び加圧の少なくともいずれかの下において基材の表面に積層した後、該感光層に対して露光を行う前記<35>に記載のパターン形成方法である。
<37> 露光が、350〜415nmの波長のレーザ光を用いて行われる前記<35>から<36>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<38> 露光が、形成するパターン情報に基づいて像様に行われる前記<35>から<37>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<39> 感光層に対し、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、
前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて行われる前記<35>から<38>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<39>に記載のパターン形成方法においては、前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部が指定され、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部が制御される。前記露光ヘッドを、前記感光層に対し走査方向に相対的に移動させて露光が行われることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<40> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<39>に記載のパターン形成方法である。該<40>に記載のパターン形成方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<41> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<40>に記載のパターン形成方法である。該<41>に記載のパターン形成方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域以外に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<42> 設定傾斜角度θが、N重露光数のN、描素部の列方向の個数s、前記描素部の列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態において該露光ヘッドの走査方向と直交する方向に沿った描素部の列方向のピッチδに対し、次式、spsinθideal≧Nδを満たすθidealに対し、θ≧θidealの関係を満たすように設定される前記<39>から<41>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<43> N重露光のNが、3以上の自然数である前記<39>から<42>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<43>に記載のパターン形成方法においては、N重露光のNが、3以上の自然数であることにより、多重描画が行われる。この結果、埋め合わせの効果により、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが、より精密に均される。
<44> 使用描素部指定手段が、
描素部により生成されて被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点位置を、被露光面上において検出する光点位置検出手段と、
前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段と
を備える前記<39>から<43>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<45> 使用描素部指定手段が、N重露光を実現するために使用する使用描素部を、行単位で指定する前記<39>から<44>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<46> 光点位置検出手段が、検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす実傾斜角度θ´を特定し、描素部選択手段が、前記実傾斜角度θ´と設定傾斜角度θとの誤差を吸収するように使用描素部を選択する前記<44>から<45>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<47> 実傾斜角度θ´が、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度の平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかである前記<46>に記載のパターン形成方法である。
<48> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における1行目から前記T行目の前記描素部を、使用描素部として選択する前記<44>から<47>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<49> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における、(T+1)行目からm行目の前記描素部を、不使用描素部として特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する前記<44>から<47>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<50> 描素部選択手段が、複数の描素部列により形成される被露光面上の重複露光領域を少なくとも含む領域において、
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、使用描素部を選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、使用描素部を選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段、及び
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段
のいずれかである前記<44>から<49>に記載のパターン形成方法である。
<51> 描素部選択手段が、複数の露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、及び、
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
のいずれかである前記<44>から<50>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<52> 不使用描素部が、行単位で特定される前記<51>に記載のパターン形成方法である。
<53> 使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、(N−1)列毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光を行う前記<39>から<52>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<53>に記載のパターン形成方法においては、使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、(N−1)列毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光が行われ、略1重描画の単純なパターンが得られる。この結果、前記ヘッド間つなぎ領域における前記描素部が容易に指定される。
<54> 使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、1/N行毎の描素部行を構成する前記描素部のみを使用して参照露光を行う前記<39>から<53>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<54>に記載のパターン形成方法においては、使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、1/N行毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光が行われ、略1重描画の単純なパターンが得られる。この結果、前記ヘッド間つなぎ領域における前記描素部が容易に指定される。
<55> 使用描素部指定手段が、光点位置検出手段としてスリット及び光検出器、並びに描素部選択手段として前記光検出器と接続された演算装置を有する前記<39>から<54>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<56> N重露光のNが、3以上7以下の自然数である前記<39>から<55>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<57> パターン情報が表すパターンの所定部分の寸法が、指定された使用描素部により実現できる対応部分の寸法と一致するように前記パターン情報を変換する前記<39>から<56>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<58> 露光が行われた後、感光層の現像を行う前記<35>から<57>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<59> 現像が行われた後、感光層に対して硬化処理を行う前記<58>に記載のパターン形成方法である。
<60> 硬化処理が、全面露光処理及び120〜200℃で行われる全面加熱処理の少なくともいずれかである前記<59>に記載のパターン形成方法である。該<60>に記載のパターン形成方法においては、前記全面露光処理において、前記感光性組成物中の樹脂の硬化が促進される。また、前記温度条件で行われる全面加熱処理において、硬化膜の膜強度が高められる。
<61> 保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成する前記<60>に記載のパターン形成方法である。
<62> 現像が行われた後、エッチングパターンの形成を行う前記<60>に記載のパターン形成方法である。
<63> エッチングパターンが、配線パターンであり、該エッチングパターンの形成がエッチング処理及びメッキ処理の少なくともいずれかにより行われる前記<62>に記載のパターン形成方法である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、青紫外光レーザに対し高感度であるとともに、黄色安全灯下での光安定性及び熱安定性に優れ、保存安定性が極めて高く、配線パターン及び永久パターン(保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストパターンなど)等のパターンを高精細に、かつ、効率よく形成可能な感光性組成物、該感光性組成物を積層したパターン形成材料及び感光性積層体、並びにパターン形成装置、及びパターン形成方法を提供することができる。
本発明は、感光性組成物、該感光性組成物からなる感光層を積層してなるパターン形成材料及び感光性積層体、並びにパターン形成装置、及びパターン形成方法であり、以下順に説明する。
(感光性組成物)
本発明の感光性組成物は、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始系化合物を少なくとも含み、必要に応じて、適宜選択されたその他の成分を含む。
また、前記光重合開始系化合物が、増感色素としてアクリジン誘導体と中性ラジカル発生剤とを含む。
前記感光性組成物としては、保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストパターン等の永久パターンを形成する際に用いられるソルダーレジスト用感光性組成物、及び配線パターン等を形成する際に用いられるエッチングレジスト用の感光性組成物が含まれる。
<光重合開始系化合物>
前記光重合開始系化合物としては、下記一般式(I)で表されるアクリジン誘導体と中性ラジカル発生剤とを含み、さらに、水素供与体化合物を含むことが好ましい。
−アクリジン誘導体−
前記アクリジン誘導体は、下記一般式(I)で表される化合物である。
前記一般式(I)中、Aは、酸素原子、硫黄原子、及びNR10のいずれかを表す。
前記一般式(I)中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、及びR10は、それぞれ独立して、水素原子、及び一価の置換基のいずれかを表し、互いに隣り合う基は結合して環を形成していてもよい。前記一価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。
前記一般式(I)中、前記一価の置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヒドロキシエチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、スルホプロピル基、ジエチルアミノエチル基、シアノプロピル基、アダマンチル基、p−クロロフェネチル基、エトキシエチル基、エチルチオエチル基、フェノキシエチル基、カルバモイルエチル基、カルボキシエチル基、エトキシカルボニルメチル基、アセチルアミノエチル基等)、アルケニル基(例えば、アリル基、スチリル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−カルボキシフェニル基、3,5−ジカルボキシフェニル基、m−スルホフェニル基、p−アセトアミドフェニル基、3−カプリルアミドフェニル基、p−スルファモイルフェニル基、m−ヒドロキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、p−アニシル基、o−アニシル基、p−シアノフェニル基、p−N−メチルウレイドフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−トリル基、m−トリル基等)、ヘテロ環基(例えば、ピリジル基、5−メチル−2−ピリジル基、チエニル基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ニトロ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基等)、アリーロキシ基(例えば、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノシキ基、α−ナフトキシ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、カプロイルアミノ基等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、アミノ基(例えば、ジエチルアミノ基、ヒドロキシアミノ基等)、アルキルチオ基又はアリールチオ基(例えば、メチルチオ基、カルボキシエチル基、スルホブチルチオ基、フェニルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基)、アリーロキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)などが挙げられる。これらは、更に置換基を有していてもよい。
前記一般式(I)中、Rとしては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基が好ましく、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アシル基が特に好ましい。これらは、さらに置換基を有していてもよい。
前記一般式(I)中、R10としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシル基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基が特に好ましい。これらは、さらに置換基を有していてもよい。
前記アクリジン誘導体としては、下記一般式(I−a)で表されるアクリドン化合物であることが好ましい。
前記一般式(I−a)中、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素原子、及び一価の置換基のいずれかを表す。
前記一般式(I−a)中、Rは、アルキル基を表す。互いに隣り合う基は結合して環を形成していてもよい。前記一価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。
前記アクリドン化合物としては、具体的には、N−メチルアクリドン、1−クロル−N−メチルアクリドン、1−ブロム−N−メチルアクリドン、2−クロル−N−メチルアクリドン、3−クロル−N−メチルアクリドン、4−クロル−N−メチルアクリドン、2−クロル−N−(2−フェノキシエチル)アクリドン、3−クロル−N−(n−ブチル)アクリドン、2,3−ジクロル−N−メチルアクリドン、2,6−ジクロル−N−メチルアクリドン、2−クロル−6−ブロム−N−メチルアクリドン、2−クロル−N−エチルアクリドン、2−クロル−N−(n−ブチル)アクリドン、2,6−ジクロル−N−(n−ブチル)アクリドン、2,7−ジクロル−N−(n−ブチル)アクリドン、2,7−ジブロム−N−(n−ブチル)アクリドン、2−ブロム−N−オクチルアクリドン、2−クロル−N−アリルアクリドン、3−クロル−N−ベンジルアクリドン、2,3−ジエトキシ−N−(n−ブチル)アクリドン、2−フェニル−N−(n−ブチル)アクリドン、2−エトキシカルボニル−N−(n−ブチル)アクリドン、N−フェニルアクリドン、2−フェノキシカルボニル−N−(n−ブチル)アクリドン、2−シアノ−N−(n−ブチル)アクリドン、2−メチルスルホニル−N−(n−ブチル)アクリドン、2,7−ビス(エトキシカルボニル)−N−(n−ブチル)アクリドン、N−(n−ブチル)−1,2−ベンズアクリドン、N−(n−ブチル)−2,3−ベンズアクリドン、アクリドン、2−(N,N−ジエチルアミノ)−N’−エチルアクリドン、3,6−ビス(N,N−ジエチルアミノ)−N’−エチルアクリドン、2−フェノキシカルボニル−N−(2−メトキシエチル)アクリドン、2,4,5,7−テトラクロロ−N−メチルアクリドン、N−エトキシカルボニルメチルアクリドン、3−トリフルオロメチル−N−(n−ヘキシル)アクリドン、4,5−ジクロロアクリドン、N−(n−ブチル)−3,4−ベンズアクリドン、2−ベンゾイル−N−(n−ヘキシル)アクリドン、2−フェノキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)アクリドン、2−フェニルチオ−N−エチルアクリドン、2−クロロ−N−プロパルギルアクリドン、3−ヒドロキシカルボニル−N−(n−ブチル)アクリドン、2,3−ビス(フェノキシカルボニル)−N−(n−ブチル)アクリドン、2,4,5,7−テトラブロム−N−メチルアクリドン、N−メチルチオアクリドン、N−n−ブチルチオアクリドン、N−n−ブチル−2−メトキシチオアクリドン、N−n−ブチル−2−クロロチオアクリドン、N−n−ブチル−2,7−ジクロロチオアクリドン、N−エチル−3−ジエチルアミノチオアクリドン、N−n−ブチル−2−ベンゾイルチオアクリドン、N−(n−ブチル)−1,2−ベンゾチオアクリドン、N−(2−ジエチルアミノエチル)−2−ブロモチオアクリドン、N−メチル−2,3−ジエトキシチオアクリドン、10−n−ブチル−9,10−ジヒドロアクリジン−9−イリデン−エチルアミン、10−n−ヘキシル−9,10−ジヒドロアクリジン−9−イリデン−ベンジルアミン、10−(2−メトキシエチル)−9,10−ジヒドロアクリジン−9−イリデン−n−ブチルアミン、10−エチル−2−ベンゾイル−9,10−ジヒドロアクリジン−9−イリデン−エトキシアミン、10−n−ブチル−2−メチル−9,10−ジヒドロアクリジン−9−イリデン−アニリン、10−n−ヘキシル−3−クロロ−9,10−ジヒドロアクリジン−9−イリデン−プロパノイルアミド、10−エチル−9,10−ジヒドロアクリジン−9−イリデン−ベンゾイルオキシアミン、10−メチル−9,10−ジヒドロアクリジン−9−イリデン−p−トルエンスルホニルオキシアミン、10−エチル−2−フェノキシカルボニル−9,10−ジヒドロアクリジン−9−イリデン−フェニルカルバモイルオキシアミン、10−フェニル−9,10−ジヒドロアクリジン−9−イリデン−エトキシカルボニルオキシアミンなどが好適に挙げられ、これらの中でも、2−クロル−N−(n−ブチル)アクリドンやN−メチルアクリドンがより好適に挙げられる。
前記感光性組成物におけるアクリジン誘導体の含有量は、感光性組成物全固形分の0.05〜20.0質量%が好ましい。また、後述するソルダーレジスト用感光性組成物では、感度の更なる向上を図ることができる観点から、1.0〜15.0質量%がより好ましく、2.0〜10.0質量%が特に好ましい。前記ソルダーレジスト用感光性組成物全固形分の含有量を質量部で表した場合には、前記ソルダーレジスト用感光性組成物全固形分100質量部に対して2.0〜15.0質量部が特に好ましい。一方、ドライレジストフィルム用感光性組成物では、0.1〜15質量%がより好ましく、0.2〜10.0質量%が特に好ましい。
−中性ラジカル発生剤−
前記中性ラジカル発生剤は、中性であれば特に制限はなく、電子受容型ラジカル発生剤及び電子供与型活性ラジカル発生剤から適宜選択して用いることができるが、電子受容型活性ラジカル発生剤がより高感度を与えるので好ましい。
中性ラジカル発生剤とは、該活性ラジカル発生剤を、水又は水と混和性の溶剤の溶液に溶解したときに中性(pH=6.4〜7.4)を示すものを表す。
前記中性ラジカル発生剤は、分子中にアミノ基等の塩基性基、カルボン酸基、スルホン酸基などの酸性基を含有しないもの、及びそれらが存在しても、それぞれ分子内の酸性基や塩基性基との結合により、又は他の酸性分子や塩基性分子との結合により、中和しているものから適宜選択される。
このような、中性ラジカル発生剤としては、モノアシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、及びトリアシルホスフィンオキシド化合物の少なくともいずれかが好ましい。
これらのアシルホスフィンオキシド化合物としては、例えば、下記一般式(II)で表される化合物が好適に挙げられる。
ただし、前記一般式(II)中、R11、及びR12は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜12のアルキル基、ベンジル基、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基により1〜4回置換されたフェニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基により1〜4回置換されたフェニル基、シクロヘキシル基、及び下記式(i)中のCOR13で表される基のいずれかを表し、さらにR11は−OR14及び下記式(i)で表される基のいずれかであってもよい。R13は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜8のアルキルチオ基、ハロゲン原子により1〜4回置換されたフェニル基、及び下記式(ii)で表される基のいずれかを表し、R14は炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、及びベンジル基のいずれかを表す。Yはフェニレン基、炭素原子数1〜12のアルキレン基、及びシクロヘキシレン基のいずれかを表し、Xは炭素原子数1〜18のアルキレン基及び下記式(iii)で表される基のいずれかを表す。
前記一般式(II)で表される具体的な化合物としては、例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−n−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−t−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキシルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)オクチルホスフィンオキシド、ビス(2−メトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2−メトキシベンゾイル)(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジエトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジエトキシベンゾイル)(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジブトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2,4−ジペントキシフェニル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルエチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)一2一フェニルエチルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルベンジルブチルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルベンジルオクチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジイソプロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2−メチルフェニルホスフィンオキシドビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−4−メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジエチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,3,5,6−テトラメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジ−n−ブトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)イソブチルホスフィンオキシド、2,6−ジメチトキシベンゾイル−2,4,6−トリメチルベンゾイル−n一ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジブトキシフェニルホスフィンオキシド、1,10−ビス[ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド]デカン、トリ(2−メチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、などが挙げられる。これらの中でも特に、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジ−n−ブトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドが好ましい。
前記感光性組成物における中性ラジカル発生剤の含有量としては、感光性組成物全固形分の0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、1.0〜10質量%が特に好ましい。
−水素供与体化合物−
前記光重合開始系化合物としては、水素供与体化合物を含むことが好ましい。
前記水素供与体化合物としては、活性エネルギー線により励起状態となり、前記アクリジン誘導体及び前記中性ラジカル発生剤と相互作用することにより、水素(電子)を供与することが可能な化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α−ジアルキルアミノアセトフェノン化合物、三級アミノ炭化水素化合物、ジアルキルアニリン化合物、アミノ安息香酸エステル化合物、メルカプト化合物、リン化合物、活性水素含有炭化水素化合物、オキシムエーテル化合物、ボレート化合物、などが挙げられる。
前記α−ジアルキルアミノアセトフェノン化合物としては、例えば、下記一般式(III−1)〜(III−4)で表される化合物が挙げられる。
ただし、前記一般式(III−1)〜(III−4)中、Arは下記式(iv)〜(vii)で表される芳香族基を表す。
は、下記式(viii)、−NR31−、−N(R31)−R32−N(R31)−で表される基のいずれかである。
は、炭素原子数1〜6のアルキレン基、キシリレン基、シクロヘキシレン基、及び直接結合のいずれかを表し、Yはキシリレン基、炭素原子数4〜8のアルケンジイル基、炭素数6〜10のアルカンジエンジイル基、ジペンテンジイル基、及びジヒドロキシリレン基のいずれかを表す。
Uは、−O−、−S−、及び−N(R37)−のいずれかを表し、Vは−O−、−S−、 −N(R37)−、−CO−、−CH−、−CHCH−、炭素原子数2〜6のアルキリデン基、及び直接結合のいずれかを表わし、Wは直鎖、枝分れ鎖、炭素原子数1〜7のアルキレン基、及び炭素原子数2〜6のアルキリデン基を表す。
21は、下記式(ix)で表される基、下記式(x)で表される基、下記式(xi)で表される基、及びR32と結合して下記式(xii)又は(xiii)で表される基のいずれかを表す。
ただし、前記式(ix)中pは0又は1を表し、式(xi)中qは0〜3のいずれかを表す。Arは水素原子、ハロゲン原子、OH基、炭素原子数1〜12のアルキル基、−N(R11、炭素原子数1〜12のアルコキン基、−COO(炭素原子数1〜18のアルキル)基.−CO(OCHCH)nOCH(nは1〜20を表す。)、又は−OCO(炭素原子数1〜4)アルキル基によって置換された炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜18の−COOアルキル基.−CO(OCHCH)nOCH(nは1〜20を表す。)、又は−OCO(炭素原子数1〜4)アルキル基によって置換された炭素原子数1〜12のアルコキシ基、−COO(炭素原子数1〜18のアルキル)基、−CO(OCHCH)nOCH(nは1〜20を表す。)によって置換された炭素原子数1〜4のアルコキシ基、−(OCHCH)nOH、−(OCHCH)nOCH(nは1〜20を表す。)、炭素原子数1〜8のアルキルチオ基、フェノキシ基、−COO(炭素原子数1〜18のアルキル)基、−CO(OCHCH)nOCH(nは1〜20を表す。)、フェニル基、又はベンジル基によって置換されたフェニル基,ナフチル基,フリル基,チエニル基、及びピリジル基のいずれかを表す。
前記式(xiii)中mは1又は2を表す。
前記R22は、R21で記載した基、炭素原子数5又は6のシクロアルキル基、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子又はフェニル基によって置換された炭素原子数1〜12のアルキル基、及び水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基によって置換されたフェニル基のいずれかを表す。
前記R23は、水素原子又は炭素原子数1〜12のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数1〜4の−CNアルキル基又は−COOアルキル基によって置換された炭素原子数2〜4のアルキル基、炭素原子数3〜5のアルケニル基、炭素原子数5〜12のシクロアルキル基、及び炭素原子数7〜9のフェニルアルキル基のいずれかを表わす。
前記R24は、炭素原子数1〜12のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、−CN(炭素原子数1〜4のアルキル)基又は−COO(炭素原子数1〜4のアルキル)基によって置換された炭素原子数2〜4のアルキル基、炭素原子数3〜5のアルケニル基、炭素原子数5〜12のシクロアルキル基、炭素原子数7〜9のフェニルアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は−COO(炭素原子数1〜4のアルキル)基により置換されたフェニル基、R22と結合した炭素原子数1〜7のアルキレン基、炭素原子数7〜10のフェニルアルキレン基、o−キシリレン基、2−ブテニレン基、炭素原子数2〜3のオキサ基、炭素原子数2〜3のアザアルキレン基を表す。
23及びR24は、−O−,−S−,−CO−もしくは−N(R37)−を介して結合していてもよいし、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、及び−COO(炭素原子数1〜4のアルキル)基により置換することができる炭素原子数3〜7のアルキレン基のいずれかであってもよい。
25、R26、R27、R28、及びR29は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数5〜6のシクロアルキル基、フェニル基、ベンジル基、ベンゾイル基、−OR38、−SR39、−SO−R39、−SO39、N(R40)(R41)、−NH−SO−R42、及び下記式(xiv)で表される基のいずれかである。
ただし、前記式(xiv)中、Zは−O−、−S−、−N(R31)、−N(R31)−R32−N(R31)、及び前記式(viii)のいずれかを表す。なお、前記式(xiv)において、R21がアリル基を表わし、R22がメチル基を表わすときは、R25は−OCHを表わさず、かつ、R21がベンジル基を表わし、R22がメチル基及びベンジル碁を表わすときは、R25は−OCH,−SCH、及び−SO−CHを表わさない。
前記R30は、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数2〜8のアルカノイル基を表す。
前記R31は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数3〜5のアルケニル基、炭素原子数7〜9のフェニルアルキル基、炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキル基、及びフェニル基のいずれかを表わす。
前記R32は1以上の−O−、−S−、又は−N(R11)−を介していてもよい、直鎖状の炭素原子数2〜16のアルキレン基、及び枝分れ鎖を有する炭素原子数2〜16のアルキレン基を表す。
前記R33は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、及びフェニル基のいずれかを表す。
前記R34、R35及びR36は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基を表すか、R34及びR35が結合して炭素原子数3〜7のアルキレン基を表す。
37は水素原子、1以上の−O−,炭素原子数3〜5のアルケニル基、炭素原子数7〜9のフェニルアルキル基、炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキル基、−CHCHCN(炭素原子数1ないし4のアルキル)基、−CHCHCOO(炭素原子数1ないし4のアルキル)基、炭素原子数2〜8のアルカノイル基、及びベンゾイル基を介していてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基を表す。
38は、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、−CN、−OH、又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数3〜6のアルケノキシ基、−OCHCHCN,−OCHCHCOO(炭素原子数1ないし4のアルキル)基、−COOH(炭素原子数1〜4のアルキル)基又は−COO(炭素原子数1ないし4のアルキル)基によって置換された炭素原子数1〜6のアルキル基、−(CHCHO)nH(nは2〜20を表わす。)、炭素原子数2〜8のアルカノイル基、炭素原子数3〜12のアルケニル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシシクロヘキシル基、フェニル基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基により置換されたフェニル基、及び炭素原子数7〜9のフェニルアルキル基又は−Si(炭素原子数1〜8のアルキル)γ(フェニル)3−γ基(γは1〜3を表わす。)を表す。
前記R39は、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数3〜12のアルケニル基、シクロヘキシル基、−SH(炭素原子数1〜4のアルキル)、−OH(炭素原子数1〜4のアルキル)、−CN(炭素原子数1〜4のアルキル)、−COO(炭素原子数1〜4のアルキル)基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、−OCHCHCN又は−OCHCHCOO(炭素原子数1〜4のアルキル)基によって置換された炭素原子数1〜6のアルキル基、フェニル基、ハログン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基により置換されたフェニル基、炭素原子数7〜9のフェニルアルキル基を表す。
前記R40及びR41は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数2〜4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素原子数3〜5のアルケニル基、炭素原子数5〜12のシクロアルキル基、炭素原子数7〜9のフェニルアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基により置換されたフェニル基、炭素原子数2〜3のアルカノイル基又はベンゾイル基を表わすか、R40及びR41は、結合して−O−、−S−又は−N(R37)−を介すか、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は−COO(炭素原子数1〜4のアルキル)基により置換できる炭素原子数2〜8のアルキレン基を表わす。
前記R42は、炭素原子数1〜18のアルキル基、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基によって置換されたフェニル基、またはナフチル基を表す。
前記一般式(III−1)で表される化合物としては、例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−エチル−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)プロパン−1−オン、4−モルホリノ−4−(4−モルホリノベンジル)ヘプタ−1,6−ジエン、2−エチル−2−モルホリノ−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(ジメチルアミノ)−フェニル〕−ブタン−1−オン、4−ジメチルアミノ−4−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−ヘプタ−1,6−ジエン,4−(ジメチルアミノ)−4−(4−モルホリノベンゾイル)−ヘプタ−1,6−ジエン、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−エチル−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−1−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕−2−(ジメチルアミノ)3−フェニル−プロバン−1−オン、2−エチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、4−〔4−(メチルチオ)ベンゾイル〕−4−モルホリノヘプタ−1,6−ジエン、4−(ジメチルアミノ)−4−(4−メトキシベンゾイル)ヘプタ−1,6−ジエン、4−(4−メトキシベンゾイル)−4−モルホリノ−ヘプタ−1,6−ジエン、1−(4−メトキシフェニル)−2−モルホリノ−2−フェニル−4−ペンテン−1−オン、2−エチル−1−(4−メトキシフェニル)−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−エチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−4−ペンテン−1−オン、4−(ジメチルアミノ−4−〔4−(メチルチオ)ベンゾイル〕−1,6−ヘプタジエン、2−(ジメチルアミノ)−3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)−フェニル〕−プロパン−1−オン、3−(4−クロロフェニル)−2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−プロパン−1−オン、3−(2−クロロフェニル)−2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)−フェニル〕−プロパン−1−オン、3−(4−ブロモフェニル)−2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−プロパン−1−オン、2−エチル−4−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−エチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−4−ヘキセン−1−オン、2−ベンジル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−アリル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−ヘキサン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−メチル−3−(4−メチル−フェニル)−プロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1,3−ビス〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−プロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−メチル−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロパン−1−オン、1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−メチル−4−ペンテン−1−オン、1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−2−フェニル−4−ペンテン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−フェニル−4−ペンテン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2,3−ジフェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−モルホリノ−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、2−エチル−2−モルホリノ−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、1−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−3−フェニル−プロパン−1−オン、4−〔4−(ジメチルアミノ)−ベンゾイル〕−4−モルホリノ−ヘプタ−1,6−ジエン、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕−2−メチル−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、1−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕−2−エチル−4−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、1−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕−2−エチル−2−モルホリノ−ヘキセン−1−オン、2−エチル−2−モルホリノ−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ヘキセン−1−オン2−エチル−4−メチル−2−モルホリノ−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、1−〔4−(ビス−(2−メトキシエチル)アミノ)フェニル〕−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、1−〔4−(ジブチルアミノ)フェニル〕−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)フェニル〕−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)−ブタン−1−オン、1−〔4−(ジエチルアミノ)フェニル〕−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ−1−〔4−(ピロリジン−1−イル)フェニル〕−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ピペリジノフェニル)−ブタン−1−オン、2−エチル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ピペラジノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−1−〔4−(ジエチルアミノ)フェニル〕−2−エチル−ブタン−1−オン、1−〔4−(ジエチルアミノ)フェニル〕−2−エチル−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(2−ヒドロキシエチルチオフェニル)−ブタン−1−オン、2−エチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、1−〔4−(ジアリルアミノ)フェニル〕−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、3−(4−ベンゾイルフェニル)−2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−プロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕プロパン−1−オン、3−(4−ベンゾイルフェニル)−2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)ブタン−1−オン、4−(ジメチルアミノ)−4−(4−フルオロベンゾイル)−ヘプタ−1,6−ジエン、
2−エチル−2−モルホリノ−1−〔4−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニル〕−4−ペンテン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−エチル−1−〔4−(メチルスルホニル)フェニル〕−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(メチルフェニルスルホニル)フェニル〕ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(メチルスルホニル)フェニル〕ブタン−1−オン、1−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、4−(4−フルオロベンゾイル)−4−モルホリノヘプタ−1,6−ジエン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)−3−フェニルプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−エチル−1−(4−フルオロフェニル)−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−1−(4−フルオロフェニル)−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−エチル−1−(4−フルオロフェニル)−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン−1−オン、2−ベンジル−1−〔4−(エトキシカルボニルメトキシ)フェニル〕−2−(ジメチルアミノ)ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(2−ヒドロキシエチルオキシ)フェニル〕ブタン−1−オン、2−ベンジル−1−(4−クロロフェニル)−2−(ジメチルアミノ)ブタン−1−オン、2−ベンジル−1−(4−ブロモフェニル)−2−(ジメチルアミノ)ブタン−1−オン、1−(4−ブロモフェニル)−2−エチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−エチル−1−(4−メトキシフェニル)−2−モルホリノ−3−ペンテン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−エチル−1−(4−メトキシフェニル)−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−1−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕プロパン−1−オン、2−メチル−2−(モルホリノ)−1−フェニル−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−モルホリノ−1−フェニル−4−ペンテン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−フェニル−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニル−プロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4−(ジメチルアミノ)−ヘプタ−1,6−ジエン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1,3−ジフェニル−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニル−4−ペンテン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−エチル−1−フェニル−4−ペンテン−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニル−ブタン−1−オン、1,2−ジフェニル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、3−(4−クロロフェニル)−2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−フェニルプロパン−オン、3−(4−ブロモフェニル)−2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、3−(2−クロロフェニル)−2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、3−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−3−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−エチル−1−(4−フルオロフェニル)−4−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−エチル−1−(4−フルオロフェニル)−5−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−(ベンジルメチルアミノ)−2−エチル−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、2−(アリルメチルアミノ)−2−エチル−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ベンジルメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−(ブチルメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ブタン−1−オン、2−(ブチルメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、1−(4−アセチルアミノフェニル)−2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ペンタン−1−オン、2−アリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ペンタン−1−オン、2−モルホリノ−1−〔4−(2−メトキシエチルオキシ)フェニル〕−2−メチル−4−ペンテン−オン、4−モルホリノ−4−〔4−(2−ヒドロキシエチルチオ)ベンゾイル〕−5−メチル−1−ヘキセン、1−(4−ブロモフェニル)−2−モルホリノ−2−メチル−4−ペンテン−1−オン、4−(4−ブロモベンゾイル)−4−モルホリノ−5−メチル−1−ヘキセン、1−(4−〔2−ヒドロキシエチルチオ〕フェニル)−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、1−(4−〔2−(アリルオキシ)−エトキシ〕フェニル)−2−エチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、1−(4−〔2−(アリルオキシ)−エトキシ〕フェニル)−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、1−(4−〔2−(メトキシ)−エトキシ〕フェニル)−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−〔4−(2−メトキシエチルアミノ)フェニル〕−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−メチルアミノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−〔4−(N−アセチルメチルアミノ)フェニル〕−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジエチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジエチルアミノ−2−エチル−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(3,5−ジメチル−4−メトキシ−フェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(ジメチルアミノ)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−エチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−2−(ジメチルアミノ)−ブタン−1−オン、1−(3−クロロ−4−モルホリノフェニル)−2−(ジメチルアミノ)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−1−(3−クロロ−4−モルホリノフェニル)−2−(ジメチルアミノ)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−ジメチルアミノ−3−エチルフェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−ブタン−1−オン、9−ブチル−3,6−ジ(2−ベンジル−2−ジメチルアミノブチリル)カルバゾ−ル、9−ブチル−3,6−ジ(2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン−1−イル)−カルバゾ−ル、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン−トリフルオロアセテ−ト、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン−p−トルエンスルホネ−ト、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン−カンファ−スルホネ−ト、4−(ジメチルアミノ)−4−〔4−(フェノキシ)−ベンゾイル〕−ヘプタ−1,6−ジエン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−イソプロピルオキシフェニル)−4−ペンテン−1−オン、1−(4−ブチルオキシフェニル)−2−エチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、1−(4−アリルオキシフェニル)−2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−ブタン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ−1−〔4−(トリメチルシリルオキシ)フェニル〕−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−((1,1,2−トリメチルプロピルジメチル)シリルオキシ)フェニル〕ブタン−2−オン、2−エチル−1−〔4−(エチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−1−〔4−(ブチルチオ)フェニル〕−2−(ジメチルアミノ)−3−フェニル−プロパン−1−オン、1−〔4−(イソプロピルチオ)フェニル〕−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、
1−〔4−(アリルチオ)フェニル〕−2−エチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、1−〔4−(ベンジルチオ)フェニル〕−2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メルカプトフェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−1−〔4−(シクロヘキシルチオ)フェニル〕−2−(ジメチルアミノ)−3−フェニル−プロパン−1−オン、2−エチル−1−〔4−(4−メチルフェニルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(オクチルチオ)フェニル〕−ブタン−1−オン、2−ベンジル−1−〔4−(クロロフェニルチオ)フェニル〕−2−(ジメチルアミノ)−4−ペンテン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(2−メトキシカルボニルエチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、1−〔4−(ブチルスルフィニル)フェニル〕−2−(ジメチルアミノ)−2−エチル−4−ペンテン−1−オン、1−〔4−(ベンゼンスルホニル)−フェニル〕−2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(メチルスルフィニル)フェニル〕−ブタン−1−オン、2−エチル−1−〔4−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニル〕−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−エチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(ジメチルアミノ)ブタン−1−オン、4−(3,4−ジメトキシベンゾイル)−4−(ジメチルアミノ)ヘプタ−1,6−ジエン、1−(1,3−ベンゾジオキソ−ル−5−イル)−2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−ブタン−1−オン、1−(1,3−ベンゾジオキソ−ル−5−イル)−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ブタン−1−オン、1−(ジベンゾフラン−3−イル)−2−エチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、1−(4−ベンゾイルフェニル)−2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)プロパン−1−オン、2−〔2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)ブタノイル〕−フルオレノン、2−(2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテノイル)−キサントン、2−〔2−アリル−2−(ジメチルアミノ)−4−ペンテノイル〕−アクリダノン、2−〔2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)ブタノイル〕−ジベンゾスベロン、1−(N−ブチルカルバゾ−ル−3−イル)−2−エチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−1−(N−ブチルカルバゾ−ル−3−イル)−2−(ジメチルアミノ)−ブタン−1−オン、2−アリル−2−(ジメチルアミノ)−1−(N−メチルフェノチアジン−2−イル)−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−1−(N−ブチル−フェノオキサジン−2−イル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(キサンテン−2−イル)−ブタン−1−オン、1−(クロマン−6−イル)−2−エチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(N−メチルインドリン−5−イル)−プロパン−1−オン、1−(N−ブチルインドリン−5−イル)−2−エチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、1−(5,10−ジブチル−5,10−ジヒドロフェナジン−6−イル)−2−(ジメチルアミノ)−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−1−(1,4−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン−6−イル)−2−(ジメチルアミノ)ブタン−1−オン、1−(1,4−ジブチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン−6−イル)−2−エチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−1−(2,3−ジヒドロ−2,3−ジメチルベンゾチアゾ−ル−5−イル)−2−(ジメチルアミノ)ブタン−1−オン、1−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−1−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)−2−(ジメチルアミノ)−ブタン−2−オン、1−(4−アミノフェニル)−2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−ブタン−2−オン、1−〔4−(ブチルアミノ)フェニル〕−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−ブチル−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(イソプロピルアミノ)−フェニル〕−ブタン−1−オン、2−エチル−1−(4−メトキシフェニル)−2−ピペリジノ−4−ペンテン−1−オン、2−メチル−2−(N−メチルピペラジノ)−1−〔4−(N−メチルピペラジノ)フェニル〕−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−〔ジ(2−メトキシエチル)−アミノ〕−1−〔4−(チオメチル)フェニル〕−ブタン−1−オン、2−(ジブチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−4−ペンテン−1−オン、1−〔4−(ジメチルアミノ)−フェニル〕−2−エチル−2−(メチルフェニルアミノ)−4−ペンテン−1−オン、2−メチル−1−(メトキシフェニル)−2−オキサゾリジノ−4−ペンテン−1−オン、2−エチル−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ピペラジノ−4−ペンテン−1−オン、2−メチル−2−ピペリシノ−1−(4−ピペリジノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、2−エチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−ピペリジノ−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジブチルアミノ)−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−ブタン−1−オン、2−(ジブチルアミノ)−2−メチル−1−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジブチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(ジメチルアミノ)−フェニル〕−2−〔(1−クロロヘキセニル)−メチル〕−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−(2−クロロペンテニル)−1−(4−モルホリノフェニル)−プロパン−1−オン、2−エチル−2−(4−モルホリノベンゾイル)−N−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕−2,4,5−トリメチル−4−ヘキセン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕−2−(2−ピネン−10−イル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)フェニル〕−ブタン−1−オン、2−エチル−2−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)−1−〔4−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)フェニル〕−4−ペンテン−1−オン、1−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕−2−エチル−2−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)−4−ペンテン−1−オン、1−〔4−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)フェニル〕−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−エチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、1−〔4−(2−メトキシエチルオキシ)フェニル〕−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、
1−〔4−(2−ヒドロキシエチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−2−プロピル−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(2−メトキシエチルチオ)フェニル〕−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−イソプロピル−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−1−(3,5−ジクロロフェニル)−2−(ジメチルアミノ)−ブタン−1−オン、1−(3,5−ジクロロ−4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−(ジアリルアミノ)−2−エチル−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、1−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕−2−メチル−2−(ピロリジン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メチルフェニル)ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−エチル−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルフェニル)−2−モルホリノ−4−ペンテン−1−オン、2−エチル−2−モルホリノ−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ペンテン−1−オンのドデシルベンゼンスルホン酸塩、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンのドデシルベンゼンスルホン酸塩、2−ジメチルアミノ−2−(4−ドデシルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−エチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−イソプロピルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−(4−メチルベンジル)ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−ヒドロキシメチルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−〔4−(アセトキシエチル)ベンジル)〕−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−〔2−(2−メトキシエトキシ)エチルオキシ〕ベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−〔2−(2−〔2−メトキシエトキシ〕エトキシカルボニル)エチル〕ベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−〔2−ブロモエチル〕ベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−〔2−ジエチルアミノエチル〕ベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−ドデシルベンジル)ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−イソプロピルベンジル)ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(3,4−ジメチルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−〔4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシカルボニル)ベンジル〕−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−ブチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−イソブチルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−〔3−メトキシプロピルアミノ〕フェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−〔N−アセチル−3−メトキシプロピルアミノ〕フェニル)−2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジ〔2−メトキシエチル〕アミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−エチル−2−(ジ〔2−メトキシエチル〕アミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−4−ペンテン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ヘキサン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ヘプタン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)オクタン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4,5,5−トリメチル−1−(4−モルホリノフェニル)ヘキサン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−メトキシベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−ブトキシベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−〔2−ヒドロキシエトキシ〕ベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−〔2−メトキシエトキシ〕ベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−イソプロピルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−ドデシルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)オクタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−(2−イソプロピルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ペンタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−(4−(ジメチルアミノ)フェニル−2−(4−〔2−メトキシ〕ベンジル)ヘプタン−1−オン、2−(ブチルメチルアミノ)−2−(4−イソプロピルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−イソブチルベンジル)−2−(ブチルメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ペンタン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジオクチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ヘキサン−1−オン、2−(4−ブトキシベンジル)−2−(ブチルメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ペンタン−1−オン、2−(4−ブチルベンジル)−2−(ブチルメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ヘキサン−1−オン、などが挙げられる。
前記三級アミノ炭化水素化合物としては、例えば下記一般式(IV−1)で表される三級アミン化合物、及び下記一般式(IV−2)で表される脂肪族アミノ酸エステル化合物などが挙げられる。
ただし、前記一般式(IV−1)中、R51及びR52は、それぞれ独立してヒドロキシル−又はアルコキシ−置換された低級アルキル基、ヒドロキシル−又はアルコキシ−置換されたシクロアルキル基、アルキル−又はアルコキシ−置換されたフェニル基、ヒドロキシル基、及び低級アルコキシ基を表わすか、R51とR52は環式結合してアルキレン基を表わす。
53は、R51又はR52で記載した基、水素原子、飽和もしくは不飽和アシルオキシ基、又はアルキル−、アルコキシ−、ハロゲン−及び/又はジアルキルアミノ−置換されたべンゾイルオキシ基を表す。
54及びR55は、それぞれ独立してヒドロキシ−置換された低級アルキル基、ヒドロキシ−置換されたシクロアルキル基、及びアルキル−又はアルコキシ−置換されたフェニル基のいずれかを表わすか、RとRは互いに環式結合してアルキレン基及びアルキレンオキシアルキレン基のいずれかを表す。
また、前記一般式(IV−2)中、Xは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリール基、アラルキル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、及びカルボキシル基のいずれかを表し、nは1〜5の整数である。また、R56及びR58は、互いに独立して水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数3〜6のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、R57は、水素原子、ヒドロキシ基、メチルチオ基、−COOR基で置換されてもよい炭素原子数1〜4ケのアルキル、ベンジル基を表し、また、R56とR57はN原子及び隣接炭素原子とともに6員環を形成していてもよい。
前記一般式(IV−1)で表される三級アミン化合物としては、例えば、1−ジメチルアミノ−2−フェニル−2−メチルプロパン、1−ジメチルアミノ−3−メトキシ−2,2−ジメチルブロバン、1−ジメチルアミノ−3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロパン、1−ジエチルアミノ−3−イソプロピルオキシ−2,2−ジメチルブロパン、3−N,N−ペンタメチレン−2,2−ジメチルブロパノール−1、1−ジメチルアミノ−3−アクリロイルオキシ−2,2−ジメチルブロバン、1−ジメチルアミノ−3−メタクリロイルオキシ−2,2−ジメチルプロパン、1−ジメチルアミノ−3−ベンゾイルオキシ−2,2−ジメチルプロパン、1−ジメチルアミノ−3−p−ジメチルアミノベンゾイル−2,2−ジメチルプロパン、などが挙げられる。これらの中でも、3−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ−2,2−ジメチルブロパノール−1、3−ビス−(2−ヒドロキシブロピルノアミノ−2,2−ジメチルブロパノール−1が好ましく、3−ジメチルアミノ−2,2−ジメチルブロパノール−1がより好ましい。
前記一般式(IV−2)で表される脂肪族アミノ酸エステル化合物としては、特に制限はないが、例えば、N−フェニルグリシン、N−(p−アセチルフェニル)グリシン、N−(m−トリフルオロメチルフェニル)グリシン、N−(m−アセチルフェニル)グリシン、N−(p−トリフルオロメチルフェニル)グリシン、N−フェニルアラニン、N−フェニルセリン、N−フェニルスレオニン、N−フェニルシステイン、N−フェニルプロリン、N−フェニルグルタミン酸、N−フェニルグリシン、ベンジルエステル、などが挙げられる。なお、グリシン誘導体としては、アミノカチオンと、カルボン酸アニオンを構造中に含む双極イオン化合物であってもよい。これらの中でも、N−フェニルグリシンが特に好ましい。
前記ジアルキルアニリン化合物としては、例えば、下記一般式(IV−3)で表される化合物などが挙げられる。
ただし、前記一般式(IV−3)中、R59及びR60は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、前記炭素原子は1〜4個であることが好ましい。nは、1〜5の整数であり、Xは、ハメツト(σ)(パラ)定数が−0.9〜0.7の置換基である。
前記一般式(IV−3)で表される化合物としては、例えば、4−シアノ−N,N−ジメチルアニリン、4−アセチル−N,N−ジメチルアニリン、4−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート、3−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、4−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、3−エトキシ−N、N−ジメチルアニリン、4−フルオロ−N,N−ジメチルアニリン、4−メチル−N,N−ジメチルアニリン、4−エトキシ−N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルチオアニシジン、4−アミノ−N,N−ジメチルアニリン、3−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノベンゼン、4−アセトアミド−N,N−ジメチルアニリン、などが挙げられる。
前記アミノ安息香酸エステル化合物としては、例えば、下記一般式(IV−4)で表されるジメチルアミノ安息香酸エステル化合物、下記一般式(IV−5)で表されるジアルキルアミノベンゾフェノン類などが挙げられる。
ただし、前記一般式(IV−4)中、R61は、1〜12の炭素原子を有するアルキル基、6〜14の炭素原子を有するアリール基、5〜40の炭素原子を有するシクロアルキル基、及び7〜20の炭素原子を有するアラルキル基のいずれかを表す。
また、前記一般式(IV−5)中、R62及びR63はそれぞれ独立して炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基またはNR6263基を表す。
前記一般式(IV−4)で表されるジメチルアミノ安息香酸エステル化合物としては、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノ安息香酸n−ヘキシル、p−ジメチルアミノ安息香酸n−ヘプチル、p−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、p−ジメチルアミノ安息香酸2−ドデシル、p−ジメチルアミノ安息香酸シクロヘキシル、p−ジメチルアミノ安息香酸ベンジル、などが挙げられる。これらの中でも、p−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルが最も好ましい。
前記一般式(IV−5)で表される化合物としては、例えは、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−ジ−n−プロピルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)ベンゾフェノン、などが挙げられる。これらの中でも、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが最も好ましい。
前記メルカプト化合物としては、例えば、下記一般式(V−1a)、(V−1b)で表されるメルカプト化合物、下記一般式(V−2)で表されるチオエーテル化合物、下記一般式(V−3)で表される化合物、下記一般式(V−4)で表される化合物などが挙げられる。
前記R64は、アルキル基及びアリール基のいずれかを表し、R65は水素原子及びアルキル基のいずれかを表す。
前記R64、R65のアルキル基としては、炭素原子数1〜4のものが好ましい。また、R64のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等の炭素原子数6〜10のものが好ましく、置換アリール基としては、上記のようなアリール基に塩素原子等のハロゲン原子、メチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基で置換されたものが含まれる。R64とR66とは結合して炭素原子又は窒素原子とともに縮合環を有していてもよい複素環を完成するのに必要な原子群であってもよい。前記縮合環としてはベンゼン環等が挙げられる。
ただし、前記一般式(V−2)中、R66はアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、及びアルケニル基のいずれかを表し、R67及びR68はR66と同じ意、又はハメットσ値が正である基を表す。
前記一般式(V−3)中、R69は、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アルケニル基及びY−CS−S−のいずれかを表し、Yは、−OR70又は−NR7172を表し、R70、R71、及びR72はアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アルケニル基、及び置換アルケニル基のいずれかを表し、R71とR72は結合して環を形成していてもよい。
前記(V−4)中、ZはR75−SO−、R75−O−SO−を表し、R75は前記R70、R71、及びR72と同じ意を表し、R73及びR74はR66、R75、及びZと同じ意を表すか、水素原子、ハメットσ値が正である基、−OR66、及び−SR66のいずれかを表す。R66は前記のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、及びアルケニル基のいずれかを表す。
前記一般式(V−1a)、(V−1b)で表される化合物としては、例えば、チオホルムアミド、チオアセトアミド、N−メチルチオホルムアミド、N−メチルチオアセトアミド、N−フェニルチオプロピオン酸アミド、N−フェニルチオカプロン酸アミド、N−o−クロロ−フェニルチオアセトアミド、N−o−クロロフェニルチオカプロン酸アミド、N−p−トリルチオカプロン酸アミド、N−m−メトキシフェニルチオアセトアミド、N−m−メチトキシフェニルチオプロピオン酸アミド、N−p−エトキシフェニルチオアセトアミド、N−p−エトキシフェニルチオプロピオン酸アミド、N−o−メトキシフェニルチオカプロン酸アミド、2−メルカプト−4,5−ジヒドロ−2−チアゾール、2−メルカプト−4−メチル−4,5−ジヒドロ−2−チアゾール、2−メルカプト−5−メチル−4,5−ジヒドロ−2−チアゾール、2−メルカプト−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−2−チアゾール、2−メルカプト−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−2−チアゾール、2−メルカプト−4,5−ジヒドロ−2−オキサゾール、2−メルカプト−4−メチル−4,5−ジヒドロ−2−オキサゾール、2−メルカプト−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−2−オキサゾール、1−メチル−2−メルカプト−1,3−イミダゾール、2−メルカプト−4,5−ジヒドロ−1,3−チアジン、2−メルカプト−6−メチル−4,5−ジヒドロ−1,3−チアジン、2−メルカプト−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサジン、2−メルカプト−テトラヒドロ−1−ピリジン、1−[p−(n−ヘキシルアミノカルボニル)フェニル}−2−メルカプトイミダゾール、1−(p−トリル)−2−メルカプト−4,5,6,7−テトラヒドロ−1,3−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−オキサジアゾール、2−メルカプト−3,4,5,6−テトラヒドロ−1−アゼピン、2−メルカプト−1,3−ベンズオキサゾール、3−メルカプト−5−クロロ−1,2−ベンズイソオキサゾール、2−メルカプト−1,3−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メトキシ−1,3−ベンズイミダゾール、1−メチル−2−メルカプト−1,3−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチル−1,3−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−5,6−ジメチル−1,3−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メトキシ−1,3−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−5−カプロイルアミノ−1,3−ベンズイミダゾール、1−(n−プロピル)−2−メルカプト−1,3−ベンズイミダゾール、1−イソプロピル−2−メルカプト−1,3−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−クロロ−1,3−ベンズイミダゾール、1−(n−ヘプチル)−2−メルカプト−1,3−ベンズイミダゾール、1−(n−ヘキシル)−2−メルカプト−5−クロル−1,3−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−クロロ−1,3−ベンズイミダゾール、1−(n−オクチル)−2−メルカプト−5−メトキシ−1,3−ベンズイミダゾール、1−(n−ヘキシル)−2−メルカプト−5−エトキシカルボニル−1,3−ベンズイミダゾール、1−(2−メトキシエチル)−2−メルカプト−1,3−ベンズイミダゾール、3−メルカプト−6−メチル−1,2−ベンゾチアゾール、1−フェニル−2−メルカプト−1,3−ベンズイミダゾール、1−フェニル−2−メルカプト−5−メチルスルホニル−1,3−ベンズイミダゾール、1−(p−スルホナトメチルフェニル)−2−メルカプト−1,3−ベンズイミダゾール・ナトリウム塩、3−メルカプト−1,2−ベンゾチアゾール、3−メルカプト−6−カプロイルアミノ−1,2−ベンゾチアゾール、3−メルカプト−6−クロロ−1,2−ベンゾチアゾール、3−メルカプト−6−メチル−1,2−ベンゾチアゾール、2−メルカプト−ナフト[2,1]−1,3−イミダゾール、1−(n−ブチル)−2−メルカプト−ナフト[2,1]−1,3−イミダゾール、1−(n−オクチル)−2−メルカプト−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、1−(n−オクチル)−2−メルカプト−イミダゾ[4,5−b]ピラジン、1−(n−ブチル)−2−メルカプト−1,3−イミダゾ[4,5−b]キノキサリン、1−(n−ヘキシル)−2−メルカプト−6−クロル−1,3−イミダゾ[4,5−b]キノキサリン、1,5−ジエチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−(n−ヘキシル)−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−フェニル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−フェニル−3−メルカプト−5−メチルチオ−1,2,4−トリアゾール、1−(n−ヘキシル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(n−オクチル)−5−メルカプトテトラゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−(n−ヘキシル)−3−メルカプト−1,2,4−オキサジアジン、2−フェニル−3−メルカプト−5−メチル−1,2,4−チアジアジン、3−フェニル−4−メルカプト−6−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロ−1,3,5−チアジアジンなどが挙げられる。これらの中でも1−フェニル−2−メルカプト−1,3−ベンズイミダゾールが好ましい。
前記一般式(V−2)で表されるチオエーテル化合物としては、例えば、ジ−n−ブチルスルフィド、ジ−n−オクチルスルフィド、トリフェニルチオメタン、ジフェニルチオメタン、フェニルメチルスルフィド、p−メチルチオ安息香酸、p−メチルチオベンズアルデヒド、p−メチルチオベンゾニトリル、1−フェニルチオエチルメチルケトン、1−フェニルチオプロピオニトリル、1−クロロメチルフェニルスルフィド、1,3,5−トリチアン、2−メチル−4−メトキシフェニルメチルスルフィド、チオクロマン、4−オキソチオクロマンなどが挙げられる。
前記一般式(V−3)で表される化合物としては、例えば、ジチオ炭酸O−イソブチルS−n−ブチル、ジチオ炭酸O−イソブチルS−ベンジル、ジエチルジチオカルバミン酸n−ブチル、ジエチルジチオカルバミン酸ベンジル、N,N,N’,N’−テトラエチルチウラムジスルフィド、N,N−ジエチル−N’,N’−ジ−n−ブチルチウラムジスルフィド、1,2,3−トリ(ジエチルジチオカルバモイルチオ)プロパン、などが挙げられる。
前記一般式(V−4)で表される化合物としては、例えば、ジ−n−ブチルスルホン、エチルp−トリルスルホン、p−トリルメチルチオメチルスルホン、アセチルメチルp−トリルスルホン、ビス(p−トルエンスルホニル)メタン、シアノメチルp−トリルスルホン、p−トルエンスルホン酸n−ブチル、メタンスルホン酸エチル、アセチルメタンスルホン酸フェニル、メタンジスルホン酸ジフェニル、シアノメタンスルホン酸フェニルスルホラン3−スルホレン、などが挙げられる。
前記リン化合物としては、例えば、下記一般式(VI−1)で表されるホスホン酸ジエステル、下記一般式(VI−2)で表される亜リン酸トリエステルなどが挙げられる。
ただし、前記一般式(VI−1)中、R76は、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、及びアルケニル基のいずれかを表し、R77はR76と同じ意を表すか、ハメットσ値が正である基を表す。
また、前記一般式(VI−2)中、R78はアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、及びアルケニル基のいずれかを表し、R79及びR80はR78と同じ意を表すか、ハメットσ値が正である基を表す。
前記一般式(VI−1)で表されるホスホン酸ジエステルとしては、例えば、ホスホン酸ジメチル、ホスホン酸ジエチル、ホスホン酸ジ(n−ブチル)、ホスホン酸ジ(2−エチルヘキシル)、ホスホン酸エチルメチル、ホスホン酸ジフェニル、ホスホン酸エチルフェニル、ホスホン酸ジ(p−ジメチルアミノフェニル)、ホスホン酸ジ(p−シアノフェニル)、ホスホン酸ジ(p−アセチルフェニル)、ホスホン酸ジ(p−メトキシフェニル)、ホスホン酸ジ(p−トリル)、ホスホン酸ジ(o−メトキシフェニル)、ホスホン酸ジ(o−クロロフェニル)、ホスホン酸ジ(m−ブロモフェニル)、ホスホン酸(o−クロロフェニル)(p−メトキシフェニル)、ホスホン酸メチルフェニル、ホスホン酸β−ナフチルフェニル、ホスホン酸エチレン、ホスホン酸プロピレンジ、ホスホン酸トリメチレン、ホスホン酸オキシジエチレン、などが挙げられる。
前記一般式(VI−2)で表される亜リン酸トリエステルとしては、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジ−n−ブチル、亜リン酸ジ(2−エチルヘキシル)、亜リン酸エチルメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリ(p−ジメチルアミノフェニル)、亜リン酸トリ(p−シアノフェニル)、亜リン酸ジ(p−シアノフェニル)、亜リン酸トリ(p−メトキシフェニル)、亜リン酸ジ(p−メトキシフェニル)、亜リン酸トリ(o−クロロフェニル)、亜リン酸ジ(o−クロロフェニル)、亜リン酸トリ(m−ブロモフェニル)、亜リン酸フェニルジメチル、亜リン酸ジフェニルメチル、亜リン酸フェニルメチル、亜リン酸ジメチル(α−ナフチル)、亜リン酸エチレンメチル、亜リン酸エチレンフェニル、亜リン酸オルト蟻酸エチレン、亜リン酸トリエチレン、などが挙げられる。
前記活性水素含有炭化水素化合物としては、下記一般式(VII−1)で表される環状β−ジカルボニル化合物、下記一般式(VII−2)で表されるロイコトリフェニルメタン色素などが挙げられる。
ただし、前記一般式(VII−1)中、R81は、置換又は非置換のアルキル基、及びアラルキル基のいずれかを表し、Gは二価の有機基であって、基の鎖中にヘテロ原子を含有していてもよく、炭素及びヘテロ原子の少なくともいずれかに置換基を有してもよい。
また、前記一般式(VII−2)中、R82は、1〜6の炭素原子を有するアルキル基、R83は、1〜6の炭素原子を有するアルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、Xは、フェニル基、p−アミノフェニル基、p−モノアルキルアミノフェニル基、p−ジアルキルアミノフェニル基、及びヘテロ環のいずれかを表す。
前記一般式(VII−1)で表される環状β−ジカルボニル化合物としては、例えば、2,4−ジエチル−1,3−シクロブタンジオン、2−メチル−1,3−シクロヘプタンジオン、5−メチル−2−チオバルビツル酸、3−エチルテトロン酸、2,4−ジメチル−3−オキソ−5−ヒドロキシ−5−メトキシペンテン酸δ−ラクトン、1,3,5−トリメチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−エチルバルビツル酸、2−メチル−1,3−シクロペンタンジオン、5−メチルバルビツール酸、1,5−ジメチルバルビツル酸、2−メチルジメドン、2−メチル−1,3−インダンジオン、1,3−ジメチル−5−ベンジルバルビツル酸。ビス−[5−(1,3−ジメチルバルビツリル))−メタン、1,5−ジフェニル−3−[2−(フェニルチオ)エチル]−2,4−ピロリジンジオン、1−フェニル−3,5−ジケト−4−n−ブチル−テトラヒドロピラゾール、などが挙げられる。
前記一般式(VII−2)で表されるロイコトリフェニルメタン色素としては、例えば、トリス(4−N,N−ジエチルアミノ−o−トリル)メタントリ塩酸塩、ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−o−トリル)チエニルメタン、ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−o−トリル)メチレンジルチオフエニルメタン、ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−o−トリル)ベンジルチオフエニルメタン、ロイコマラカイトグリーン(C.I.ベーシックグリーン4)、ロイコクリスタルバイオレット(C.I.べ一シンクバイオレット3)、ロイコブリリアントグリーン(C.I.ベーシックグリーン1)、ロイコビクトリアグリーン3B(C.I.ベーシックグリーン4)、ロイコアシッドグリーンGG(C.I.アシッドグリーン3)、ロイコメチルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット1)、ロイコローズアニリン(C.I.ベーシックバイオレット14)、などが挙げられる。
前記オキシムエーテル化合物としては、例えば、下記一般式(VIII)で表される化合物などが挙げられる。
ただし、前記一般式(VIII)中、R84及びR85は、同一であっても異なっていてもよく、置換基を有していてもよい不飽和結合を含む炭化水素基、及びヘテロ環基のいずれかを表す。
前記R86及びR87は同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は置換基を有していてもよい不飽和結合を含む炭化水素基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、及び置換チオ基のいずれかを表す。R88及びR89は水素原子又は置換基を有していてもよい不飽和結合を含む炭化水素基、及び置換カルボニル基のいずれかを表す。
前記R88及びR89は、水素原子又は置換基を有していてもよい不飽和結合を含む炭化水素基、及び置換カルボニル基のいずれかを表す。
前記一般式(VIII)で表される化合物としては、特に制限はないが、例えば、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン−O−アリルオキシム、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン−O−アリルオキシム、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン−O−ベンジルオキシム、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン−O−n−ブチルオキシム、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−モルホリノフェニル)プロパン−1−オン−O−アリルオキシム、2−メチル−1−(4−メトキシフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン−O−n−ドデシルオキシム、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン−O−2−(2−メトキシエトキシ)エチルオキシム、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン−O−4−メトキシカルボニルベンジルオキシム、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン−O−メトキシカルボニルメチルオキシム、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン−O−エトキシカルボニルメチルオキシム、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン−O−(4−メトキシカルボニル)ブチルオキシム、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン−O−(2−メトキシカルボニル)エチルオキシム、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン−O−3−メトキシカルボニル−2−プロペニルオキシム
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン O−ベンジルオキシカルボニルメチルオキシム、などが挙げられる。
前記ボレート化合物としては、例えば、下記一般式(IX)で表される有機ホウ素化合物などが挙げられる。
ただし、前記一般式(IX)中、Ra、Ra、及びRaは、それぞれ独立して、脂肪族基、芳香族基、複素環基、及び−SiRaRaRaのいずれかを表す。Ra、Ra及びRaは、それぞれ独立して、脂肪族基及び芳香族基のいずれかを表す。Raは、脂肪族基を表す。Yは陽イオンを形成する基を表す。
前記一般式(IX)で表される有機ホウ素化合物としては、例えば、テトラ(n−ブチル)アンモニウム−n−ブチルトリフェニルボラート、テトラエチルアンモニウム ジフェニルメチルシリルトリフェニルボラート、テトラメチルアンモニウム−ジフェニルメチルシリルトリフェニルボラート、テトラ(n−ヘキシル)アンモニウム−n−ヘキシルトリフェニルボラート、テトラ(n−ブチル)アンモニウム−n−ブチルジ(p−フルオロフェニル)フェニルボラート、テトラ(n−ブチル)アンモニウム−n−ブチルトリ(p−フルオロフェニル)ボラート、テトラ(n−ブチル)アンモニウム−n−ヘキシルトリ(p−クロロフェニル)ボラート、テトラ(n−ブチル)アンモニウム−n−ヘキシルジ(p−クロロフェニル)フェニルボラート、テトラ(n−ブチル)アンモニウム−ジ(n−ヘキシル)ジ(m−フルオロフェニル)ボラート、テトラ(n−ブチル)アンモニウム−n−ヘキシルトリ(2−メチル−5−フルオロフェニル)ボラート、テトラ(n−ブチル)アンモニウム−メチルジメシチルフェニルボラート、などが挙げられる。
これらの水素供与体の中でも、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ブタン−1−オン、1−フェニル−2−メルカプト−1,3−ベンズイミダゾール、N−フェニルグリシン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ロイコクリスタルバイオレット、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン−O−アリルオキシム、テトラ(n−ブチル)アンモニウム−n−ブチルトリフェニルボラートが特に好ましい。
前記光重合開始系化合物における前記水素供与体化合物の配合量は、0.01〜15.0質量%が好ましく、0.05〜10.0質量%がより好ましく、0.1〜5.0質量%が特に好ましい。
〔ソルダーレジスト用感光性組成物〕
前記ソルダーレジスト用感光性組成物としては、バインダー、重合性化合物、前記光重合開始系化合物、熱架橋剤、熱硬化促進剤、及び好ましくは前記水素供与体を含み、更に必要に応じて、着色剤、無機充填剤、その他の成分を含む。
<バインダー>
前記ソルダーレジスト用感光性組成物における前記バインダーとしては、例えば、アルカリ性水溶液に対して膨潤性であるのが好ましく、アルカリ性水溶液に対して可溶性であるのがより好ましい。また、光架橋性を有することが好ましい。
前記アルカリ可溶性とは、それを含むソルダーレジスト用感光性組成物がアルカリ性現像液によって溶解する性質をいい、具体的には、目的とする現像処理が遂行される程度に溶解性を有していればよい。アルカリ性現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物や、ヒドロキシエチルアミン、トリエチルアミンのようなアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのような4級アンモニウムヒドロキシド類の水溶液やそれらと混和性の有機溶剤との混合物が用いられる。pHは、8〜14であり、これらアルカリ剤の0.01〜10質量%水溶液が好ましい。これらのアルカリ性現像液のうち、プリント配線板業界では、一般的に、0.2〜2質量%の炭酸ナトリウム水溶液が用いられ、1質量%炭酸ナトリウム水溶液が最も一般的である。
現像方法の一例を示すと、表面を整面し、乾燥した銅張積層板の表面に、パターン形成材料の保護フィルムを剥がしながら、感光層を、ラミネーターを用いて圧着して、銅張り積層板、感光層、そして支持体フィルムからなる積層体を作製する。圧着条件は、積層板温度70℃、圧着ロール温度105℃、圧着ロール圧力3kg/cmそして圧着速度1.2m/分とする。
積層体から支持体フィルムを剥がし取り、銅張り積層板上の感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.1MPaの圧力にてスプレーする。少なくとも60秒間のスプレーの後で銅張り積層板上の感光層が除去された場合、現像されことになる。
このようなアルカリ可溶性を示す樹脂としては、例えば、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液中に1質量%以上の溶解度を示すものから、好適に選ぶことができる。
前記光架橋性とは、光化学反応により、線状のポリマー分子を網状の三次元構造となる分子に変わる性質をいい、具体的には、光重合開始剤の光分解により、発生する遊離ラジカルの作用により、重合反応をして網状化しうるポリマーをいう。
このようなアルカリ可溶性を示す樹脂としては、例えば、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液中に1質量%以上の溶解度を示すものから、好適に選ぶことができる。
前記光架橋性とは、光化学反応により、線状のポリマー分子を網状の三次元構造となる分子に変わる性質をいい、具体的には、光重合開始剤の光分解により、発生する遊離ラジカルの作用により、重合反応をして網状化しうるポリマーをいう。
前記バインダー(以下、アルカリ可溶性光架橋性樹脂ともいう。)は、分子中にアルカリ可溶基と光重合に関与する架橋性基を含有する1%炭酸ソーダ水溶液(pH=10)に可溶性の樹脂である。
前記アルカリ可溶性光架橋性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニルポリマー型光架橋性樹脂、エポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂などが挙げられる。
−ビニルポリマー型光架橋性樹脂−
前記ビニルポリマー型光架橋性樹脂としては、下記タイプ(A−1)、(A−2)及び(A−3)に分類され、少なくともいずれかのタイプから選ばれる。
タイプ(A−1):(a)カルボキシル基含有共重合樹脂と、(b)エポキシ基含有不飽和化合物との反応により製造される。
タイプ(A−2):(c)エポキシ基含有共重合樹脂と、(d)カルボキシル基含有不飽和化合物を付加反応し更に得られる生成物のヒドロキシル基への(e)多塩基酸無水物の付加反応により製造される。
タイプ(A−3):(f)酸無水物基含有共重合樹脂と、(g)分子中に1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の付加反応により製造される。
なお、本明細書中において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタアクリレート及びそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
−タイプ(A−1)−
前記タイプ(A−1)のビニルポリマー型光架橋性樹脂の製造に用いられる、(a)カルボキシル基含有共重合樹脂は、1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸エステル及びスチレン類の少なくともいずれかとを共重合させて得られる。
前記(a)カルボキシル基含有共重合樹脂を構成単位とする1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物とは、(メタ)アクリル酸、更にはマレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基を分子中に2個以上含むものが挙げられる。また、マレイン酸、イタコン酸のモノエステル、又はモノアミドも含まれる。また、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物が挙げられる。これら半エステル化合物は、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物とを等モル比で反応させることで得られる。
前記半エステル化合物の合成に用いられるヒドロキシル基含有アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンダエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ジベンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記半エステル化合物の合成に用いられる飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルナドラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸等が挙げられる。これらの中で、(メタ)アクリル酸が好ましい。
これら1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記(a)カルボキシル基含有共重合樹脂の構成単位となる(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、β−フェノキシエトキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、前記(a)カルボキシル基含有共重合樹脂の構成単位となるスチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えば、t−Boc等)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
前記(a)カルボキシル基含有共重合樹脂は、これら1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基、又は、酸無水物基を有する化合物と(メタ)アクリル酸エステルモノマーとスチレン類の少なくともいずれかとの通常の共重合法、例えば、溶液重合法により共重合して得られる。
また、前記(a)カルボキシル基含有共重合樹脂に包含される、マレイン酸モノエステル/スチレン類共重合体、マレイン酸モノアミド/スチレン類共重合体、イタコン酸モノエステル/スチレン類共重合体やイタコン酸モノアミド/スチレン類共重合体の場合は、それぞれ無水マレイン酸/スチレン類共重合体や無水イタコン酸/スチレン類共重合体のアルコール類又は一級又は二級アミン類との高分子反応により得ることができる。
前記マレイン酸無水物との高分子反応に使用する前記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノールなどを好適に挙げることができる。
また、前記一級アミン類としては、例えば、ベンジルアミン、フェネチルアミン、3−フェニル−1−プロピルアミン、4−フェニル−1−ブチルアミン、5−フェニル−1−ペンチルアミン、6−フェニル−1−ヘキシルアミン、α−メチルベンジルアミン、2−メチルベンジルアミン、3−メチルベンジルアミン、4−メチルベンジルアミン、2−(p−トリル)エチルアミン、β―メチルフェネチルアミン、1−メチル−3−フェニルプロピルアミン、2−クロロベンジルアミン、3−クロロベンジルアミン、4−クロロベンジルアミン、2−フロロベンジルアミン、3−フロロベンジルアミン、4−フロロベンジルアミン、4−ブロモフェネチルアミン、2−(2−クロロフェニル)エチルアミン、2−(3−クロロフェニル)エチルアミン、2−(4−クロロフェニル)エチルアミン、2−(2−フロロフェニル)エチルアミン、2−(3−フロロフェニル)エチルアミン、2−(4−フロロフェニル)エチルアミン、4−フロロ−α,α−ジメチルフェネチルアミン、2−メトキシベンジルアミン、3−メトキシベンジルアミン、4−メトキシベンジルアミン、2−エトキシベンジルアミン、2−メトキシフェネチルアミン、3−メトキシフェネチルアミン、4−メトキシフェネチルアミン、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、フェニルアミン、1−ナフチルアミン、メトキシメチルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、2−ブトキシエチルアミン、2−シクロへキシルオキシエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミンなどが好適に挙げられる。
更に、前記二級アミン類としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、ジエチルアミン、エチルプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N,N−メチルベンジルアミンなどを好適に挙げることができる。
−(b)エポキシ基含有不飽和化合物−
前記タイプ(A−1)のビニルポリマー型光架橋性樹脂の製造に用いられる(b)エポキシ基含有不飽和化合物としては、1分子中に1個のラジカル重合性の不飽和基とエポキシ基とを有する化合物であればよく、例えば、下記一般式(1−1)〜(1−14)で示される化合物などが挙げられる。


ただし、一般式(1−1)〜(1−14)において、R14は水素原子又はメチル基、R15は炭素数1〜10のアルキレン基、R16は炭素数1〜10の炭化水素基、pは0又は1〜10の整数を表す。
これら(b)エポキシ基含有不飽和化合物は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが好ましい。
−タイプ(A−2)−
前記タイプ(A−2)のビニルポリマー型光架橋性樹脂の製造に用いられるエポキシ基含有共重合樹脂(c)は、エポキシ基含有モノマーとそれ以外のエポキシ基と非反応性の(メタ)アクリルエステル及び/又はスチレン類との共重合により得られる。
エポキシ基含有モノマーとしては、前記タイプ(A−1)のビニルポリマー型光架橋性樹脂の説明において既述の化合物が好適に用いられる。
エポキシ基と非反応性の(メタ)アクリル酸エステル及びスチレン類の少なくともいずれかは、前記タイプ(A−1)の光架橋性樹脂において既述のもののうち、カルボキシル基、アルコール性ヒドロキシル基、フェノール性ヒドロキシル基、アミノ基などを含まないものが好適に用いられる。
製造法としては、エポキシ基含有モノマーとそれ以外のエポキシ基と非反応性の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン類を常法、例えば溶液重合法等により共重合して得られる。
ここでエポキシ基含有モノマーとそれ以外のエポキシ基と非反応性の(メタ)アクリルエステル及びはスチレン類の少なくともいずれかとのモル比は60:40〜20:80が好適である。なお、エポキシ基含有モノマーの配合量が少な過ぎてこのモル比が20:80より大きいと、次の不飽和カルボン酸、更に多塩基酸無水物の前記共重合体への付加量が少なくなる結果、紫外線硬化性及び希アルカリ水溶液による現像性が悪くなり、また逆にエポキシ基含有モノマーの配合量が多過ぎて前記モル比が60:40より小さいと、軟化点が低くなり過ぎる傾向がある。
また、カルボキシル基含有不飽和化合物(d)は、タイプ(A−1)のビニルポリマー型光架橋性樹脂の説明中で1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物として既述の各化合物が好適に使用できる。
また、多塩基酸無水物(e)としては、マレイン酸無水物、コハク酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、3−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、3−エチルヘキサヒドロフタル酸無水物、4−エチルヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、3−メチルテトラヒドロフタル酸無水物、4−メチルテトラヒドロフタル酸無水物、3−エチルテトラヒドロフタル酸無水物、4−エチルテトラヒドロフタル酸無水物、フタル酸無水物などの、分子中に1ヶの酸無水物基を有する飽和又は不飽和の脂肪族、脂環族又は芳香族化合物が好ましい。これらの中でも、テトラヒドロフタル酸無水物が特に好ましい。
前記エポキシ基含有共重合体とカルボキシル基含有不飽和化合物と引き続く多塩基酸無水物との反応は次のように実施するのが好ましい。前記エポキシ基含有モノマーの共重合体に対し、この共重合体の1エポキシ基当量当り0.8〜1.2モルの不飽和カルボン酸を付加反応した後、更に得られる生成物のヒドロキシル基に多塩基酸無水物を付加反応する。
−タイプ(A−3)−
前記タイプ(A−3)のビニルポリマー型光架橋性樹脂の製造に用いられる酸無水物基含有樹脂(f)は、マレイン酸無水物とスチレン類の共重合又はイタコン酸無水物とスチレン類の共重合により得られる。
共重合成分であるスチレン類は、前記タイプ(A−1)の光架橋性樹脂の説明中で既述のものが好適に用いられる。マレイン酸無水物又はイタコン酸無水物とスチレン類の共重合組成比は90:10〜10:90が好ましく、80:20〜20:80が更に好ましく、70:30〜30:70が特に好ましい。90:10以上では硬化部の耐現像性が劣り、10:90以下では現像性が劣る。
前記無水マレイン酸1モルに対してスチレンを1モルから3モルの割合で共重合させて得られる質量平均分子量が、1,000から5,000程度の共重合体が好ましく、例えば、ARCO Chemical社製SMAレンジ1000、2000、3000などが挙げられる。
分子中に1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(g)としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ペンダエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート、グリセロールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記酸無水物共重合体と、分子中に1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーの開環付加反応は、活性水素を含まない有機溶剤中で行うという公知の方法で製造できる。溶剤として好ましいものは、酢酸エチル、メトキシプロピルアセテート、メチルエチルケトン等が好ましい。その際の前記モノマー中ヒドロキシル基/前記共重合体中酸無水物基のモル比は0.8〜1.2が好ましい。
上記開環付加反応は通常50℃から200℃で行なうがジエステルの生成及びゲル化を防止するために80℃から150℃程度が好ましい。なお、反応促進剤としてトリエチルアミン、トリエタノールアミン、モリホリン、ペンダメチルジエチレントリアミンなどの第三級アミン類又は第四級アンモニウム塩などを使用することができる。一方反応中に重合物が生成するのを防止するためにヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルヒドロキノン、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、フェノチアジンなどの公知の重合禁止剤を添加使用することもできる。
以上のように、得られた前記タイプ(A−1)、(A−2)及び(A−3)の少なくともいずれかからなるビニルポリマー型光架橋性樹脂は、その酸価が、50〜250mgKOH/gの範囲にあることが必要である。
前記酸価は、70〜200mgKOH/gがより好ましく、90〜180mgKOH/gが特に好ましい。前記酸価が、50mgKOH/g未満であると、弱アルカリ水溶液である現像液での未露光部の除去が難しく、一方、250mgKOH/gを超えると、硬化被膜の耐水性、電気特性が劣るなどの弊害がある。また、ビニルポリマー型光架橋性ポリマー(A)は、質量平均分子量が5,000〜200,000の範囲にあるものが好ましい。また、質量平均分子量は10,000〜100,000がより好ましく、30,000〜80,000が特に好ましい。質量平均分子量が5,000未満であると、指触乾燥性が著しく劣り、支持体との剥離性が劣る。一方、質量平均分子量が200,000を超えると、アルカリ現像液による未露光部の除去性、貯蔵安定性が著しく悪くなる等の問題を生じるので好ましくない。
感光性ソルダーレジスト層の全固形分中のアルカリ可溶性光架橋性樹脂の固形分含有量は15〜70質量%が好ましい。15質量%未満であると、硬化膜の強靱性が劣り、70質量%を越えると信頼性の低下など、性能バランスが劣化する。
特に前記タイプ(A−1)〜(A−3)からの1種と後述のエポキシ樹脂エステル型光架橋性オリゴマーからの1種の混合物はバランスのとれた性能を付与することができるので好ましい。その場合の混合比は質量で10/90〜90/10である。20/80〜80/20がより好ましく、30/70〜70/30が殊に好ましい。
−エポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂−
前記エポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(h)エポキシ樹脂と(i)1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物とのエステル化反応生成物に、更に(j)多塩基酸無水物を反応することにより生成する。
前記エポキシ樹脂(h)としては、東都化成(株)製YDCN−701,YDCN−704;大日本インキ化学工業(株)製N−665,N−680,N−695;日本化薬(株)製EOCN−102,EOCN−104;旭化成工業(株)製ECN−265,ECN−293,ECN−285,ECN−299などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂や、東都化成(株)製YDPN−638,YDPN−602;ダウ・ケミカル日本(株)製 DEN−431,DEN−438,DEN−439;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 EPN−1138,EPN−1235,EPN−1299;大日本インキ化学工業(株)製 N−730,N−770などのフェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。また、ノボラック型エポキシ樹脂の一部を、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂も有利に使用できる。
次に、1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物(i)は、前記タイプ(A−1)のビニルポリマー型光架橋性樹脂の説明中で既述の各化合物が好適に使用できる。
また、前記多塩基酸無水物(j)は同様にタイプ前記(A−2)のビニルポリマー型光架橋性樹脂の説明中で成分(e)として既述の化合物を使用することができる。
−−エポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂の製造方法−−
前記エポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、製造の際のエポキシ樹脂(h)と1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物(i)との反応において、エポキシ樹脂(h)のエポキシ基1当量に対して、1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物(i)が0.8〜1.05当量となる比率で反応させることが好ましく、0.9〜1.0当量がより好ましい。
前記エポキシ樹脂(h)と1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物(i)は有機溶剤に溶かして反応させられ、有機溶剤としては、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などが挙げられる。
更に、反応を促進させるために触媒を用いるのが好ましい。用いられる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライト、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライト、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルメチルアンモニウムアイオタイド、トリフェニルホスフィンなどが挙げられる。触媒の使用量は、エポキシ樹脂とビニル基含有モノカルボン酸(b)の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
また、反応中の重合を防止する日的で、重合防止剤を使用するのが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等が挙げられ、その使用量は、エポキシ樹脂(a)とビニル基含有モノカルボン酸(b)の合計100質量部に対して、0.01〜1質量部が好ましい。反応温度は、60〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。
前記のエポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂は、こうして得られた反応生成物に多塩基酸無水物(j)を反応させて得られる。前記反応生成物と多塩基酸無水物(c)との反応温度は、60〜120℃が好ましい。
前記反応生成物中のヒドロキシル基1当量に対して、多塩基酸無水物(j)を0.1〜1.0当量反応させることで、前記エポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂の酸価を調整できる。前記エポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂の酸価は30〜150mgKOH/gであることが好ましく、50〜120mgKOH/gであることがより好ましい。酸価が30mgKOH/g未満であると、光硬化性樹脂組成物の希アルカリ溶液への溶解性が低下し、150mgKOH/gを超えると硬化膜の電気特性が低下する傾向がある。
前記エポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂の質量平均分子量は500〜5,000が好ましく、1,000〜4,000がより好ましく、1,500〜3,500が特に好ましい。500以下であると、粘着性が高すぎ保護フィルムの剥離が困難になり、5,000を越えると該樹脂の製造が困難になる。
<重合性化合物>
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、分子中に少なくとも1個の付加重合可能な基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、例えば、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
前記(メタ)アクリル基を有するモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンやグリセリン、ビスフェノールなどの多官能アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加反応した後で(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報、特開昭51−37193号公報などの各公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報などの各公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類などの多官能アクリレートやメタクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
前記重合性化合物の前記ソルダーレジスト用感光性組成物固形分中の固形分含有量は、5〜75質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。該固形分含有量が5質量%未満であると、現像性の悪化、露光感度の低下などの問題を生ずることがあり、75質量%を超えると、感光性ソルダーレジスト層の粘着性が強くなりすぎることがあり、好ましくない。
<熱架橋剤>
前記熱架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシ樹脂及び多官能オキセタン化合物などが好適に挙げられる。
前記エポキシ樹脂及び多官能オキセタン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ソルダーレジスト用感光性組成物を用いて形成される感光性ソルダーレジスト層の硬化後の膜強度を改良するために、現像性などに悪影響を与えない範囲で、1分子内に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ樹脂化合物、1分子内に少なくとも2つのオキセタニル基を有するオキセタン化合物などを用いることができる。
前記エポキシ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビキシレノール型若しくはビフェノール型エポキシ樹脂(「YX4000;ジャパンエポキシレジン社製」など)又はこれらの混合物、イソシアヌレート骨格などを有する複素環式エポキシ樹脂(「TEPIC;日産化学工業社製」、「アラルダイトPT810;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製」など)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、グリシジルフタレート樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、ナフタレン基含有エポキシ樹脂(「ESN−190,ESN−360;新日鉄化学社製」、「HP−4032,EXA−4750,EXA−4700;大日本インキ化学工業社製」など)、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂(「HP−7200,HP−7200H;大日本インキ化学工業社製」など)、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂(「CP−50S,CP−50M;日本油脂社製」など)、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートとの共重合エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多官能オキセタン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート又はこれらのオリゴマーあるいは共重合体などの多官能オキセタン類の他、オキセタン基と、ノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、シルセスキオキサンなどの水酸基を有する樹脂など、とのエーテル化合物が挙げられ、この他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
前記エポキシ樹脂又は多官能オキセタン化合物の前記ソルダーレジスト用感光性組成物溶液の固形分中の固形分含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。該固形分含有量が2質量%未満であると、硬化膜の吸湿性が高くなり、絶縁性の劣化を生ずる、あるいは、半田耐熱性や耐無電解メッキ性などが低下することがあり、50質量%を超えると、現像性の悪化や露光感度の低下が生ずることがあり、好ましくない。
−その他の熱架橋剤―
前記その他の熱架橋剤は、前記エポキシ樹脂や多官能オキセタン化合物とは別に添加することができる。前記熱架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開平5−9407号公報記載のポリイソシアネート化合物を用いることができ、該ポリイソシアネート化合物としては、少なくとも2つのイソシアネート基を含む脂肪族、環式脂肪族又は芳香族基置換脂肪族化合物から誘導されていてもよい。
具体的には、1,3−フェニレンジイソシアネートと1,4−フェニレンジイソシアネートとの混合物、2,4−及び2,6−トルエンジイソシアネート、1,3−及び1,4−キシリレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネート−フェニル)メタン、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの2官能イソシアネート;該2官能イソシアネートと、トリメチロールプロパン、ペンタリスルトール、グリセリンなどとの多官能アルコール;該多官能アルコールのアルキレンオキサイド付加体と、前記2官能イソシアネートとの付加体;ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート及びその誘導体などの環式三量体などが挙げられる。
更に、前記ソルダーレジスト用感光性組成物、あるいは、感光層(以下、感光性ソルダーレジストフィルムともいう。)の保存性を向上させることを目的として、前記ポリイソシアネート及びその誘導体のイソシアネート基にブロック剤を反応させて得られる化合物を用いてもよい。
前記イソシアネート基ブロック剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプロパノール、tert.−ブタノールなどのアルコール類;ε−カプロラクタムなどのラクタム類;フェノール、クレゾール、p−tert.−ブチルフェノール、p−sec.−ブチルフェノール、p−sec.−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノールなどのフェノール類;3−ヒドロキシピリジン、8−ヒドロキシキノリンなどの複素環式ヒドロキシル化合物;ジアルキルマロネート、メチルエチルケトキシム、アセチルアセトン、アルキルアセトアセテートオキシム、アセトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどの活性メチレン化合物;などが挙げられる。これらの他に、特開平6−295060号公報記載の分子内に少なくとも1つの重合可能な二重結合及び少なくとも1つのブロックイソシアネート基のいずれかを有する化合物などを用いることができる。
また、アルデヒド縮合生成物、樹脂前駆体などを用いることができる。具体的には、N,N’−ジメチロール尿素、N,N’−ジメチロールマロンアミド、N,N’−ジメチロールスクシンイミド、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、1,3−N,N’−ジメチロールテレフタルアミド、2,4,6−トリメチロールフェノール、2,6−ジメチロール−4−メチロアニソール、1,3−ジメチロール−4,6−ジイソプロピルベンゼンなどが挙げられる。なお、これらのメチロール化合物の代わりに、対応するエチル若しくはブチルエーテル、又は酢酸あるいはプロピオン酸のエステルを使用してもよい。また、メラミンと尿素とのホルムアルデヒド縮合生成物とからなるヘキサメチル化メチロールメラミンや、メラミンとホルムアルデヒド縮合生成物のブチルエーテルなどを使用してもよい。
<熱硬化促進剤>
前記熱硬化促進剤は、前記エポキシ樹脂化合物や前記多官能オキセタン化合物の熱硬化を促進する機能があり、前記感光性樹脂に好適に添加される。
前記熱硬化促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミンなどのアミン化合物;トリエチルベンジルアンモニウムクロリドなどの4級アンモニウム塩化合物;ジメチルアミンなどのブロックイソシアネート化合物;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩;トリフェニルホスフィンなどのリン化合物;メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどのグアナミン化合物;2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物などのS−トリアジン誘導体、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、有機ヒドラジド累、無水フタル酸、無水トリメリット酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などの芳香族酸無水物、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸などの脂肪族酸無水物類、ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラックなどのポリフェノール類などなどを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、前記エポキシ樹脂化合物や前記多官能オキセタン化合物の硬化触媒、あるいは、これらとカルボキシル基の反応を促進することができるものであれば、特に制限はなく、上記以外の熱硬化を促進可能な化合物を用いてもよい。
前記エポキシ樹脂、前記多官能オキセタン化合物、及びこれらとカルボン酸との熱硬化を促進可能な化合物の前記ソルダーレジスト用感光性組成物溶液の固形分中の固形分含有量は、通常0.01〜20質量%である。
<無機充填剤>
前記無機充填剤は、永久パターンの表面硬度を向上でき、線膨張係数を低く抑えることができ、硬化層自体の誘電率や誘電正接を低く抑えることができる機能があるので、本発明のソルダーレジスト用感光性組成物に好適に用いることができる。
前記無機充填剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カオリン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、気相法シリカ、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカなどが挙げられる。
前記無機充填剤の平均粒径は、3μm未満が好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。該平均粒径が3μm以上であると、光錯乱により解像度が劣化することがある。
前記無機充填剤の添加量は、5〜75質量%が好ましく、8〜70質量%がより好ましく、10〜65質量%が特に好ましい。該添加量が5質量%未満であると、十分に線膨張係数を低下させることができないことがあり、90質量%を超えると、感光性ソルダーレジスト層表面に硬化膜を形成した場合に、該硬化膜の膜質が脆くなり、永久パターンを用いて配線を形成する場合において、配線の保護膜としての機能が損なわれることがある。
更に必要に応じて有機微粒子を添加することも可能である。好適な有機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂などが挙げられる。また、平均粒径0.1〜2μm、吸油量100〜200m/g程度のシリカ、架橋樹脂からなる球状多孔質微粒子などを用いることができる。
前記無機充填剤に、平均粒径が0.1〜2μmの粒子を含有していることから、永久パターンをプリント配線基板の薄型化にともなって、厚み5〜20μmに薄層化したとしても、無機充填剤粒子が永久パターンの表裏両面を架橋することはなく、その結果、高加速度試験(HAST)においてもイオンマイグレーションの発生がなく、耐熱性、耐湿性に優れた永久パターンとすることができる。
<着色剤>
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の染料の中から、適宜選択した着色顔料などの染料を使用することができる。
−着色顔料−
前記着色顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメント・エロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、カーボン、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色顔料の前記ソルダーレジスト用感光性組成物溶液の固形分中の固形分含有量は、永久パターン形成の際の感光性ソルダーレジスト層の露光感度、解像性などを考慮して決めることができ、前記着色顔料の種類により異なるが、一般的には0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶剤、密着促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤及びその他の添加剤などが挙げられ、更に基材表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよい。これらの成分を適宜含有させることにより、目的とするソルダーレジスト用感光性組成物あるいは感光性ソルダーレジストフィルムの安定性、写真性、膜物性などの性質を調整することができる。
−溶剤−
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、公知の界面活性剤を添加してもよい。
−密着促進剤−
前記密着促進剤は、各層間の密着性、又は感光性ソルダーレジスト層と基材との密着性、電食性を向上させる機能がある。
前記密着促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアテミン、メラミン−フェノールホルマリン樹脂、エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジンなどのトリアジン化合物が挙げられる。市販されているトリアジン化合物としては、下記構造式(E)〜(G)に示す四国化成工業社製;2MZ−AZINE(構造式(E)),2E4MZ−AZINE(構造式(F)),CllZ−AZINE(構造式(G))などが挙げられる。
これらの化合物は、銅回路との密着性を高め、耐PCT性を向上させ、電食性にも効果がある。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。密着促進剤の含有量は、ソルダーレジスト用感光性組成物固形分に対して0.1〜40質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましい。
−熱重合禁止剤−
前記熱重合禁止剤は、前記重合性化合物の熱的な重合又は経時的な重合を防止し、保存安定性を向上させるために添加することが好ましい。
前記熱重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、アルキル又はアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、4−トルイジン、メチレンブルー、銅と有機キレート剤反応物、サリチル酸メチル、及びフェノチアジン、ニトロソ化合物、ニトロソ化合物とAlとのキレートなどが挙げられる。
前記熱重合禁止剤の含有量としては、前記重合性化合物に対して0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜2質量%がより好ましく、0.01〜1質量%が特に好ましい。該含有量が、0.001質量%未満であると、保存時の安定性が低下することがあり、5質量%を超えると、活性エネルギー線に対する感度が低下することがある。
−その他の添加剤−
前記その他の添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベントン、モンモリロナイト、エアロゾル、アミドワックスなどのチキソ性付与剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤、レベリング剤のような添加剤類を用いることができる。
〔エッチングレジスト用感光性組成物〕
前記エッチングレジスト用感光性組成物としては、バインダー、重合性化合物、及び前記光重合開始系化合物を少なくとも含み、目的に応じて適宜選択されるその他の成分からなる。
<バインダー>
前記エッチングレジスト用感光性組成物における前記バインダーとしては、例えば、アルカリ性液に対して膨潤性であることが好ましく、アルカリ性液に対して可溶性であることがより好ましい。
アルカリ性液に対して膨潤性又は溶解性を示すバインダーとしては、例えば、酸性基を有するものが好適に挙げられる。
前記酸性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられ、これらの中でもカルボキシル基が好ましい。
カルボキシル基を有するバインダーとしては、例えば、カルボキシル基を有するビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂、変性エポキシ樹脂などが挙げられ、これらの中でも、塗布溶媒への溶解性、アルカリ現像液への溶解性、合成適性、膜物性の調整の容易さ等の観点からカルボキシル基を有するビニル共重合体が好ましい。また、現像性の観点から、スチレン及びスチレン誘導体の少なくともいずれかの共重合体も好ましい。
前記カルボキシル基を有するビニル共重合体は、少なくとも(1)カルボキシル基を有するビニルモノマー、及び(2)これらと共重合可能なモノマーとの共重合により得ることができる。
前記カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、水酸基を有する単量体(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)と環状無水物(例えば、無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物)との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の無水物を有するモノマーを用いてもよい。
前記その他の共重合可能なモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類(例えば、スチレン、スチレン誘導体等)、(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(例えば、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール等)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸モノ(2―アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2―アクリロイルオキシエチルエステル)、官能基(例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基)を有するビニルモノマーなどが挙げられ、これらの中でも配線パターンなどの永久パターンを高精細に形成することができる点、及び前記テント性を向上させることができる点で、前記スチレン類(スチレン及びスチレン誘導体)が好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、β−フェノキシエトキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記クロトン酸エステル類としては、例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
前記マレイン酸ジエステル類としては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記フマル酸ジエステル類としては、例えば、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。
前記イタコン酸ジエステル類としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
前記スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えば、t-Boc等)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
前記ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
前記官能基を有するビニルモノマーの合成方法としては、例えば、イソシアナート基と水酸基又はアミノ基の付加反応が挙げられ、具体的には、イソシアナート基を有するモノマーと、水酸基を1個含有する化合物又は1級若しくは2級アミノ基を1個有する化合物との付加反応、水酸基を有するモノマー又は1級若しくは2級アミノ基を有するモノマーと、モノイソシアネートとの付加反応が挙げられる。
前記イソシアナート基を有するモノマーとしては、例えば、下記構造式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。
但し、前記構造式(1)〜(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
前記モノイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、トルイルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、フェニルイソシアネート等が挙げられる。
前記水酸基を有するモノマーとしては、例えば、下記構造式(4)〜(12)で表される化合物が挙げられる。
但し、前記構造式(4)〜(12)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、nは1以上の整数を表す。
前記水酸基を1個含有する化合物としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i―プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−オクタデカノール、シクロペンタノール、シクロへキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等)、フェノール類(例えば、フェノール、クレゾール、ナフトール等)、更に置換基を含むものとして、フロロエタノール、トリフロロエタノール、メトキシエタノール、フェノキシエタノール、クロロフェノール、ジクロロフェノール、メトキシフェノール、アセトキシフェノール等が挙げられる。
前記1級又は2級アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、ビニルベンジルアミンなどが挙げられる。
前記1級又は2級アミノ基を1個含有する化合物としては、例えば、アルキルアミン(メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i―プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン)、環状アルキルアミン(シクロペンチルアミン、シクロへキシルアミン等)、アラルキルアミン(ベンジルアミン、フェネチルアミン等)、アリールアミン(アニリン、トルイルアミン、キシリルアミン、ナフチルアミン等)、更にこれらの組合せ(N−メチル−N−ベンジルアミン等)、更に置換基を含むアミン(トリフロロエチルアミン、ヘキサフロロイソプロピルアミン、メトキシアニリン、メトキシプロピルアミン等)などが挙げられる。
また、上記以外の前記その他の共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、ヒドロキシスチレンなどが好適に挙げられる。
前記その他の共重合可能なモノマーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル共重合体は、それぞれ相当するモノマーを公知の方法により常法に従って共重合させることで調製することができる。例えば、前記モノマーを適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用することにより調製することができる。また、水性媒体中に前記モノマーを分散させた状態でいわゆる乳化重合等で重合を利用することにより調製することができる。
前記溶液重合法で用いられる適当な溶媒としては、特に制限はなく、使用するモノマー、及び生成する共重合体の溶解性等に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンなどが挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩などが挙げられる。
前記ビニル共重合体におけるカルボキシル基を有する重合性化合物の含有率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましく、15〜35モル%が特に好ましい。
前記含有率が、5モル%未満であると、アルカリ水への現像性が不足することがあり、50モル%を超えると、硬化部(画像部)の現像液耐性が不足することがある。
前記カルボキシル基を有するバインダーの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、質量平均分子量として、2,000〜300,000が好ましく、4,000〜150,000がより好ましい。
前記質量平均分子量が、2,000未満であると、膜の強度が不足しやすく、また安定な製造が困難になることがあり、300,000を超えると、現像性が低下することがある。
前記カルボキシル基を有するバインダーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記バインダーを2種以上併用する場合としては、例えば、異なる共重合成分からなる2種以上のバインダー、異なる質量平均分子量の2種以上のバインダー、異なる分散度の2種以上のバインダー、などの組合せが挙げられる。
前記カルボキシル基を有するバインダーは、そのカルボキシル基の一部又は全部が塩基性物質で中和されていてもよい。また、前記バインダーは、さらにポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ゼラチン等の構造の異なる樹脂を併用してもよい。
また、前記バインダーとしては、特許2873889号等に記載のアルカリ性液に可溶な樹脂などを用いることができる。
前記感光性組成物における前記バインダーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、40〜80質量%が特に好ましい。
前記含有量が10質量%未満であると、アルカリ現像性やプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)との密着性が低下することがあり、90質量%を超えると、現像時間に対する安定性や、硬化膜(テント膜)の強度が低下することがある。なお、前記含有量は、前記バインダーと必要に応じて併用される高分子結合剤との合計の含有量であってもよい。
前記バインダーがガラス転移温度(Tg)を有する物質である場合、該ガラス転移温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記感光性組成物を用いて形成した感光層のタック及びエッジフュージョンの抑制、並びに前記パターン形成材料における前記支持体の剥離性向上の少なくともいずれかの観点から、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、120℃以上が特に好ましい。
前記ガラス転移温度が、80℃未満であると、前記感光性組成物を用いて形成した感光層のタックやエッジフュージョンが増加したり、前記支持体の剥離性が悪化したりすることがある。
前記バインダーの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、70〜250mgKOH/gが好ましく、90〜200mgKOH/gがより好ましく、100〜180mgKOH/gが特に好ましい。
前記酸価が、70mgKOH/g未満であると、現像性が不足したり、解像性が劣り、配線パターン等を高精細に得ることができないことがあり、250mgKOH/gを超えると、パターンの耐現像液性及び密着性の少なくともいずれかが悪化し、配線パターン等を高精細に得ることができないことがある。
<重合性化合物>
前記エッチングレジスト用感光性組成物における前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレタン基及びアリール基の少なくともいずれかを有するモノマー又はオリゴマーが好適に挙げられる。また、これらは、重合性基を2種以上有することが好ましい。
前記重合性基としては、例えば、エチレン性不飽和結合(例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基、ビニルエステルやビニルエーテル等のビニル基、アリルエーテルやアリルエステル等のアリル基など)、重合可能な環状エーテル基(例えば、エポキシ基、オキセタン基等)などが挙げられ、これらの中でもエチレン性不飽和結合が好ましい。
−−ウレタン基を有するモノマー−−
前記ウレタン基を有するモノマーとしては、ウレタン基を有する限り、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、特公昭48−41708、特開昭51−37193、特公平5−50737、特公平7−7208、特開2001−154346、特開2001−356476号公報等に記載されている化合物などが挙げられ、例えば、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と分子中に水酸基を有するビニルモノマーとの付加物などが挙げられる。
前記分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’ジメチル−4,4’−ジフェニルジイソシアネート等のジイソシアネート;該ジイソシアネートを更に2官能アルコールとの重付加物(この場合も両末端はイソシアネート基);該ジイソシアネートのビュレット体やイソシアヌレート等の3量体;該ジイソシアネート若しくはジイソシアネート類と、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、グリセリン等の多官能アルコール、又はこれらのエチレンオキシド付加物等の得られる他官能アルコールとの付加体などが挙げられる。
前記分子中に水酸基を有するビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体(ランダム、ブロック等)などの異なるアルキレンオキシド部を有するジオール体の片末端(メタ)アクリレート体などが挙げられる。
また、前記ウレタン基を有するモノマーとしては、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等のイソシアヌレート環を有する化合物が挙げられる。これらの中でも、下記構造式(13)、又は構造式(14)で表される化合物が好ましく、テント性の観点から、前記構造式(14)で示される化合物を少なくとも含むことが特に好ましい。また、これらの化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記構造式(13)及び(14)中、R〜Rは、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。X〜Xは、アルキレンオキサイドを表し、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アルキレンオキサイド基としては、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基、これらを組み合わせた基(ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい)などが好適に挙げられ、これらの中でも、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、又はこれらの組み合わせた基が好ましく、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基がより好ましい。
前記構造式(13)及び(14)中、m1〜m3は、1〜60の整数を表し、2〜30が好ましく、4〜15がより好ましい。
前記構造式(13)及び(14)中、Y及びYは、炭素原子数2〜30の2価の有機基を表し、例えば、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基(−CO−)、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、スルホニル基(−SO−)又はこれらを組み合わせた基などが好適に挙げられ、これらの中でも、アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基が好ましい。
前記アルキレン基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、トリメチルヘキシレン基、シクロへキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2−エチルヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、オクタデシレン基、又は下記に示すいずれかの基などが好適に挙げられる。
前記アリーレン基としては、炭化水素基で置換されていてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ジフェニレン基、ナフチレン基、又は下記に示す基などが好適に挙げられる。
前記これらを組み合わせた基としては、例えば、キシリレン基などが挙げられる。
前記アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基としては、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記構造式(13)及び(14)中、nは3〜6の整数を表し、重合性モノマーを合成するための原料供給性などの観点から、3、4又は6が好ましい。
前記構造式(13)及び(14)中、Zはn価(3価〜6価)の連結基を表し、例えば、下記に示すいずれかの基などが挙げられる。
但し、Xはアルキレンオキサイドを表す。m4は、1〜20の整数を表す。nは、3〜6の整数を表す。Aは、n価(3価〜6価)の有機基を表す。
前記Aとしては、例えば、n価の脂肪族基、n価の芳香族基、又はこれらとアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、又はスルホニル基とを組み合わせた基が好ましく、n価の脂肪族基、n価の芳香族基、又はこれらとアルキレン基、アリーレン基、酸素原子とを組み合わせた基がより好ましく、n価の脂肪族基、n価の脂肪族基とアルキレン基、酸素原子とを組み合わせた基が特に好ましい。
前記Aの炭素原子数としては、例えば、1〜100の整数が好ましく、1〜50の整数がより好ましく、3〜30の整数が特に好ましい。
前記n価の脂肪族基としては、分岐構造又は環状構造を有していてもよい。
前記脂肪族基の炭素原子数としては、例えば、1〜30の整数が好ましく、1〜20の整数がより好ましく、3〜10の整数が特に好ましい。
前記芳香族基の炭素原子数としては、6〜100の整数が好ましく、6〜50の整数がより好ましく、6〜30の整数が特に好ましい。
前記n価の脂肪族基、又は芳香族基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記アルキレン基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよい。
前記アルキレン基の炭素原子数としては、例えば、1〜18の整数が好ましく、1〜10の整数がより好ましい。
前記アリーレン基は、炭化水素基で更に置換されていてもよい。
前記アリーレン基の炭素原子数としては、6〜18の整数が好ましく、6〜10の整数がより好ましい。
前記置換イミノ基の1価の炭化水素基の炭素原子数としては、1〜18の整数が好ましく、1〜10の整数がより好ましい。
以下に、前記Aの好ましい例は以下の通りである。
前記構造式(13)及び(14)で表される化合物としては、例えば下記構造式(15)〜(34)で表される化合物などが挙げられる。
但し、前記構造式(15)〜(34)中、n、n1、n2及びmは、1〜60を意味し、lは、1〜20を意味し、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
−−アリール基を有するモノマー−−
前記アリール基を有するモノマーとしては、アリール基を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アリール基を有する多価アルコール化合物、多価アミン化合物及び多価アミノアルコール化合物の少なくともいずれかと不飽和カルボン酸とのエステル又はアミドなどが挙げられる。
前記アリール基を有する多価アルコール化合物、多価アミン化合物又は多価アミノアルコール化合物としては、例えば、ポリスチレンオキサイド、キシリレンジオール、ジ−(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、2、2−ジフェニル−1,3−プロパンジオール、ヒドロキシベンジルアルコール、ヒドロキシエチルレゾルシノール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、2,3,5,6−テトラメチル−p−キシレン−α,α’−ジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−1,4−ブタンジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオール、1,1’−ビ−2−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、1,1’−メチレン−ジ−2−ナフトール、1,2,4−ベンゼントリオール、ビフェノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、カテコール、4−クロルレゾルシノール、ハイドロキノン、ヒドロキシベンジルアルコール、メチルハイドロキノン、メチレン−2,4,6−トリヒドロキシベンゾエート、フロログリシノール、ピロガロール、レゾルシノール、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、3−アミノ−4−ヒドロキシフェニルスルホンなどが挙げられる。また、この他、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、ノボラック型エポキシ樹脂やビスフェノールAジグリシジルエーテル等のグリシジル化合物にα、β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、フタル酸やトリメリット酸などと分子中に水酸基を含有するビニルモノマーから得られるエステル化物、フタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ベンゼンジスルホン酸ジアリル、重合性モノマーとしてカチオン重合性のジビニルエーテル類(例えば、ビスフェノールAジビニルエーテル)、エポキシ化合物(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、ビニルエステル類(例えば、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレート、ジビニルベンゼン−1,3−ジスルホネート等)、スチレン化合物(例えば、ジビニルベンゼン、p−アリルスチレン、p−イソプロペンスチレン等)が挙げられる。これらの中でも下記構造式(35)で表される化合物が好ましい。
前記構造式(35)中、R4、Rは、水素原子又はアルキル基を表す。
前記構造式(35)中、X及びXは、アルキレンオキサイド基を表し、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。該アルキレンオキサイド基としては、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基、これらを組み合わせた基(ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい)、などが好適に挙げられ、これらの中でも、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、又はこれらを組み合わせた基が好ましく、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基がより好ましい。
前記構造式(35)中、m5、m6は、1〜60の整数が好ましく、2〜30の整数がより好ましく、4〜15の整数が特に好ましい。
前記構造式(35)中、Tは、2価の連結基を表し、例えば、メチレン、エチレン、MeCMe、CFCCF、CO、SOなどが挙げられる。
前記構造式(35)中、Ar、Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表し、例えば、フェニレン、ナフチレンなどが挙げられる。前記置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、又はこれらの組合せなどが挙げられる。
前記アリール基を有するモノマーの具体例としては、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換しさせたエトキシ基の数が2から20である2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン等)、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換させたエトキシ基の数が2から20である2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン等)、又はこれらの化合物のポリエーテル部位として同一分子中にポリエチレンオキシド骨格とポリプロピレンオキシド骨格の両方を含む化合物(例えば、WO01/98832号公報に記載の化合物等、又は、市販品として、新中村化学工業社製、BPE−200、BPE−500、BPE−1000)、ビスフェノール骨格とウレタン基とを有する重合性化合物などが挙げられる。なお、これらは、ビスフェノールA骨格に由来する部分をビスフェノールF又はビスフェノールS等に変更した化合物であってもよい。
前記ビスフェノール骨格とウレタン基とを有する重合性化合物としては、例えば、ビスフェノールとエチレンオキシド又はプロピレンオキシド等の付加物、重付加物として得られる末端に水酸基を有する化合物にイソシアネート基と重合性基とを有する化合物(例えば、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、α、α−ジメチル−ビニルベンジルイソシアネート等)などが挙げられる。
−−その他の重合性モノマー−−
本発明のパターン形成方法には、前記パターン形成材料としての特性を悪化させない範囲で、前記ウレタン基を含有するモノマー、アリール基を有するモノマー以外の重合性モノマーを併用してもよい。
前記ウレタン基を含有するモノマー、芳香環を含有するモノマー以外の重合性モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミドなどが挙げられる。
前記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルのモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜18であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2から18であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,5−ベンタンジオール(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート(例えば、WO01/98832号公報に記載の化合物等)、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの少なくともいずれかを付加したトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、キシレノールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル類の中でも、その入手の容易さ等の観点から、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加したトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステルなどが好ましい。
前記イタコン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イタコン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4ーブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリトリトールジイタコネート、及びソルビトールテトライタコネートなどが挙げられる。
前記クロトン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(クロトン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリトリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネートなどが挙げられる。
前記イソクロトン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イソクロトン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリトリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネートなどが挙げられる。
前記マレイン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(マレイン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリトリトールジマレート、ソルビトールテトラマレートなどが挙げられる。
前記多価アミン化合物と前記不飽和カルボン酸類から誘導されるアミドとしては、例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、オクタメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミンビス(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。
また、上記以外にも、前記重合性モノマーとして、例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等のグリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレートやポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー類、エポキシ化合物(例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなど)と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレート、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に記載の光硬化性モノマー及びオリゴマー、アリルエステル(例えば、フタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マロン酸ジアリル、ジアリルアミド(例えば、ジアリルアセトアミド等)、カチオン重合性のジビニルエーテル類(例えば、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリトリトールテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル等)、エポキシ化合物(例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等)、オキセタン類(例えば、1,4−ビス〔(3−エチルー3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン等)、エポキシ化合物、オキセタン類(例えば、WO01/22165号公報に記載の化合物)、N−β−ヒドロキシエチル−β−(メタクリルアミド)エチルアクリレート、N,N−ビス(β−メタクリロキシエチル)アクリルアミド、アリルメタクリレート等の異なったエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物などが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ジビニルサクシネート、ジビニルアジペートなどが挙げられる。
これらの多官能モノマー又はオリゴマーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記重合性モノマーは、必要に応じて、分子内に重合性基を1個含有する重合性化合物(単官能モノマー)を併用してもよい。
前記単官能モノマーとしては、例えば、前記バインダーの原料として例示した化合物、特開平6−236031号公報に記載されている2塩基のモノ((メタ)アクリロイルオキシアルキルエステル)モノ(ハロヒドロキシアルキルエステル)等の単官能モノマー(例えば、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート等)、特許2744643号公報、WO00/52529号パンフレット、特許2548016号公報等に記載の化合物が挙げられる。
前記感光性組成物における重合性化合物の含有量は、例えば、5〜90質量%が好ましく、15〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%が特に好ましい。
前記含有量が、5質量%未満となると、テント膜の強度が低下することがあり、90質量%を超えると、前記パターン形成材料の保存時のエッジフュージョン(ロール端部からのしみだし故障)が悪化することがある。
また、重合性化合物中に前記重合性基を2個以上有する多官能モノマーの含有量は、5〜100質量%が好ましく、20〜100質量%がより好ましく、40〜100質量%が特に好ましい。
<その他の成分>
前記エッチングレジスト用感光性組成物におけるその他の成分としては、例えば、公知の熱重合禁止剤、界面活性剤、可塑剤、発色剤、着色剤などが挙げられ、更に基体表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、顔料、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、表面張力調整剤、連鎖移動剤等)を併用してもよい。
また、これらの成分を適宜含有させることにより、目的とする前記感光層(前記パターン形成材料)の安定性、写真性、焼きだし性、膜物性等の性質を調整することもできる。
これらの成分は、前記ソルダーレジスト用感光性組成物に含まれるものと同じものとしてもよく、これらを適宜含有させることにより、目的とする感光層の安定性、写真性、膜物性などの性質を調整することができる。
−可塑剤−
前記可塑剤は、前記感光性組成物からなる感光層の膜物性(可撓性)をコントロールするために添加してもよい。
前記可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジフェニルフタレート、ジアリルフタレート、オクチルカプリールフタレート等のフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;4−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミド等のアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
前記可塑剤の含有量は、前記感光性組成物の全成分に対して0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜40質量%がより好ましく、1〜30質量%が特に好ましい。
−発色剤−
前記発色剤は、露光後の前記感光層に可視像を与える(焼きだし機能)ために添加してもよい。
前記発色剤としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン(ロイコクリスタルバイオレット)、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ジブチルアミノフェニル)−〔4−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル〕メタン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2−キノリルメタン、トリス(4−ジプロピルアミノフェニル)メタン等のアミノトリアリールメタン類;3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フェニルキサンチン、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチル−9−(2−クロロフェニル)キサンチン等のアミノキサンチン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2−エトキシカルボニルフェニル)チオキサンテン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンテン等のアミノチオキサンテン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−フェニルアクリジン、3,6−ビス(ベンジルアミノ)−9,10−ジビドロ−9−メチルアクリジン等のアミノ−9,10−ジヒドロアクリジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン等のアミノフェノキサジン類;3,7−ビス(エチルアミノ)フェノチアゾン等のアミノフェノチアジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)−5−ヘキシル−5,10−ジヒドロフェナジン等のアミノジヒドロフェナジン類;ビス(4−ジメチルアミノフェニル)アニリノメタン等のアミノフェニルメタン類;4−アミノ−4’−ジメチルアミノジフェニルアミン、4−アミノ−α、β−ジシアノヒドロケイ皮酸メチルエステル等のアミノヒドロケイ皮酸類;1−(2−ナフチル)−2−フェニルヒドラジン等のヒドラジン類;1,4−ビス(エチルアミノ)−2,3−ジヒドロアントラキノン類のアミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン類;N,N−ジエチル−4−フェネチルアニリン等のフェネチルアニリン類;10−アセチル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等の塩基性NHを含むロイコ色素のアシル誘導体;トリス(4−ジエチルアミノ−2−トリル)エトキシカルボニルメンタン等の酸化しうる水素をもっていないが、発色化合物に酸化しうるロイコ様化合物;ロイコインジゴイド色素;米国特許3,042,515号及び同第3,042,517号に記載されているような発色形に酸化しうるような有機アミン類(例、4,4’−エチレンジアミン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4,4’−メチレンジアミントリフェニルアミン、N−ビニルカルバゾール)が挙げられ、これらの中でも、ロイコクリスタルバイオレット等のトリアリールメタン系化合物が好ましい。
更に、前記発色剤は、前記ロイコ体を発色させるためなどの目的で、ハロゲン化合物と組み合わせることが一般に知られている。
前記ハロゲン化合物としては、例えば、ハロゲン化炭化水素(例えば、四臭化炭素、ヨードホルム、臭化エチレン、臭化メチレン、臭化アミル、臭化イソアミル、ヨウ化アミル、臭化イソブチレン、ヨウ化ブチル、臭化ジフェニルメチル、ヘキサクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、1,2−ジブロモ−1,1,2−トリクロロエタン、1,2,3トリブロモプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、テトラクロロシクロプロペン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、ジブロモシキロヘキサン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(4−クロロフェニル)エタンなど);ハロゲン化アルコール化合物(例えば、2,2,2−トリクロロエタノール、トリブロモエタノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−2−プロパノール、ジ(ヨードヘキサメチレン)アミノイソプロパノール、トリブロモ−t−ブチルアルコール、2,2,3−トリクロロブタン−1,4−ジオールなど);ハロゲン化カルボニル化合物(例えば1,1−ジクロロアセトン、1,3−ジクロロアセトン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサブロモアセトン、1,1,3,3−テトラクロロアセトン、1,1,1−トリクロロアセトン、3,4−ジブロモ−2−ブタノン、1,4−ジクロロ−2−ブタノン−ジブロモシクロヘキサノン等);ハロゲン化エーテル化合物(例えば2−ブロモエチルメチルエーテル、2−ブロモエチルエチルエーテル、ジ(2−ブロモエチル)エーテル、1,2−ジクロロエチルエチルエーテル等);ハロゲン化エステル化合物(例えば、酢酸ブロモエチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸トリクロロエチル、2,3−ジブロモプロピルアクリレートのホモポリマー及び共重合体、ジブロモプロピオン酸トリクロロエチル、α,β−ジグロロアクリル酸エチル等);ハロゲン化アミド化合物(例えば、クロロアセトアミド、ブロモアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリブロモアセトアミド、トリクロロエチルトリクロロアセトアミド、2−ブロモイソプロピオンアミド、2,2,2−トリクロロプロピオンアミド、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドなど);硫黄やリンを有する化合物(例えば、トリブロモメチルフェニルスルホン、4−ニトロフェニルトリブロモメチルスルホン、4−クロルフェニルトリブロモメチルスルホン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート等)、2,4−ビス(トリクロロメチル)6−フェニルトリアゾールなどが挙げられる。有機ハロゲン化合物では、同一炭素原子に結合した2個以上のハロゲン原子を持つハロゲン化合物が好ましく、1個の炭素原子に3個のハロゲン原子を持つハロゲン化合物がより好ましい。前記有機ハロゲン化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−フェニルトリアゾールが好ましい。
前記発色剤の含有量は、前記感光性組成物の全成分に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。また、前記ハロゲン化合物の含有量は、前記感光性組成物の全成分に対し0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜1質量%がより好ましい。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、例えば、赤色、緑色、青色、黄色、紫色、マゼンタ色、シアン色、黒色等の公知の顔料又は染料が挙げられ、具体的には、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメントエロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)、ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)、モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、カーボンブラックが挙げられる。
また、カラーフィルターの作製に好適な前記着色剤として、例えば、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントバイオレット23、特開2002−162752号公報の(0138)〜(0141)に記載のもの等が挙げられる。前記着色剤の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。また、カラーフィルタを作製する場合は、前記平均粒子径として、0.5μm以下が好ましい。
−染料−
前記感光性組成物には、取り扱い性の向上のため、又は保存安定性を付与する目的として、染料を用いることができる。
前記染料としては、ブリリアントグリーン(例えば、その硫酸塩)、エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニル−イエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチロカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチル−レッド、ナイルブルーA、フェナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、パラフクシン、オイルブルー#603(オリエント化学工業社製)、ローダミンB、ローダミン6G、ビクトリアピュアブルーBOHなどを挙げることができ、これらの中でもカチオン染料(例えば、マラカイトグリーンシュウ酸塩、マラカイトグリーン硫酸塩等)が好ましい。該カチオン染料の対アニオンとしては、有機酸又は無機酸の残基であればよく、例えば、臭素酸、ヨウ素酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の残基(アニオン)などが挙げられる。
前記染料の含有量としては、前記感光性組成物の全成分に対して0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.1〜2質量%が特に好ましい。
−密着促進剤−
前記感光性組成物には、該感光性組成物を用いて形成する感光層の密着性(前記パターン形成材料としたときの他の層との密着性、又は基体との密着性)を向上させるために、各層に公知のいわゆる密着促進剤を用いることができる。
前記密着促進剤としては、例えば、特開平5−11439号公報、特開平5−341532号公報、及び特開平6−43638号公報等に記載の密着促進剤が好適挙げられる。具体的には、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、及び2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール、シランカップリング剤などが挙げられる。
前記密着促進剤の含有量としては、前記感光性組成物の全成分に対して0.001質量%〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜5質量%が特に好ましい。
また、前記感光性組成物は、例えば、J.コーサー著「ライトセンシテイブシステムズ」第5章に記載されているような有機硫黄化合物、過酸化物、レドックス系化合物、アゾ又はジアゾ化合物、光還元性色素、有機ハロゲン化合物などを含んでいてもよい。
前記有機硫黄化合物としては、例えば、ジ−n−ブチルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、チオフェノール、エチルトリクロロメタンスルフェネート、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
前記過酸化物としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイドを挙げることができる。
前記レドックス化合物は、過酸化物と還元剤の組合せからなるものであり、第一鉄イオンと過硫酸イオン、第二鉄イオンと過酸化物などを挙げることができる。
前記アゾ及びジアゾ化合物としては、例えば、α,α’−アゾビスイリブチロニトリル、2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4−アミノジフェニルアミンのジアゾニウム類が挙げられる。
前記光還元性色素としては、例えば、ローズベンガル、エリスロシン、エオシン、アクリフラビン、リポフラビン、チオニンが挙げられる。
−界面活性剤−
前記感光性組成物は、本発明のパターン形成材料を製造する際に発生する面状ムラを改善させるために、公知の界面活性剤を添加することができる。
前記界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素含有界面活性剤などから適宜選択できる。
前記界面活性剤の含有量は、パターン形成材料用感光性組成物の固形分に対し、0.001〜10質量%が好ましい。
前記含有量が、0.001質量%未満になると、面状改良の効果が得られなくことがあり、10質量%を超えると、密着性が低下することがある。
前記界面活性剤としては、上述の界面活性剤の他、フッ素系の界面活性剤として、炭素鎖3〜20でフッ素原子を40質量%以上含み、かつ、非結合末端から数えて少なくとも3個の炭素原子に結合した水素原子がフッ素置換されているフルオロ脂肪族基を有するアクリレート又はメタクリレートを共重合成分として有する高分子界面活性剤も好適に挙げられる。
(パターン形成材料)
前記パターン形成材料は、支持体と、該支持体上に本発明の前記感光性組成物からなる感光層を少なくとも有し、目的に応じて、クッション層等の適宜選択されるその他の層を積層してなる。
前記感光性組成物としては、エッチングレジスト用感光性組成物及びソルダーレジスト用感光性組成物のいずれかが含まれる。
<支持体>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるのが好ましく、更に表面の平滑性が良好であるのがより好ましい。
前記支持体の材料としては、合成樹脂製で、かつ透明であるものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記支持体としては、例えば、特開平4−208940号公報、特開平5−80503号公報、特開平5−173320号公報、特開平5−72724号公報などに記載の支持体を用いることもできる。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4〜300μmが好ましく、5〜175μmがより好ましい。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されるのが好ましい。前記長尺状のパターン形成材料の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10m〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100m〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られるのが好ましい。また、前記ロール状のパターン形成材料をシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置するのが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いるのが好ましい。
<感光層>
前記感光層は、前記感光性組成物により形成される。前記感光層の前記パターン形成材料において設けられる箇所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常、前記支持体上に積層される。
前記感光層としては、単層であってもよく、複数層であってもよい。
<その他の層>
前記パターン形成材料におけるその他の層としては、例えば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クッション層、酸素遮断層(PC層)、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などの層を有してもよい。これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有していてもよい。また、前記感光層上に保護フィルムを有していてもよい。
−クッション層−
前記クッション層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、アルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性であってもよく、不溶性であってもよい。
前記クッション層がアルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性である場合には、前記熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体などが挙げられる。
この場合の熱可塑性樹脂の軟化点(Vicat)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、80℃以下が好ましい。
前記軟化点が80℃以下の熱可塑性樹脂としては、上述した熱可塑性樹脂の他、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による軟化点が約80℃以下の有機高分子の内、アルカリ性液に可溶なものが挙げられる。また、軟化点が80℃以上の有機高分子物質においても、該有機高分子物質中に該有機高分子物質と相溶性のある各種の可塑剤を添加して実質的な軟化点を80℃以下に下げることも可能である。
また、前記クッション層がアルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性である場合には、前記パターン形成材料の層間接着力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、各層の層間接着力の中で、前記支持体と前記クッション層との間の層間接着力が、最も小さいことが好ましい。このような層間接着力とすることにより、前記積層体から前記支持体のみを剥離し、前記クッション層を介して前記感光層を露光した後、アルカリ性の現像液を用いて該感光層を現像することができる。また、前記支持体を残したまま、前記感光層を露光した後、前記積層体から前記支持体のみを剥離し、アルカリ性の現像液を用いて該感光層を現像することもできる。
前記層間接着力の調整方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記熱可塑性樹脂中に公知のポリマー、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離型剤などを添加する方法が挙げられる。
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート等のアルコール類やエステル類;トルエンスルホンアミド等のアミド類、などが挙げられる。
前記クッション層がアルカリ性液に対して不溶性である場合には、前記熱可塑性樹脂としては、例えば、主成分がエチレンを必須の共重合成分とする共重合体が挙げられる。
前記エチレンを必須の共重合成分とする共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などが挙げられる。
前記クッション層がアルカリ性液に対して不溶性である場合には、前記パターン形成材料の層間接着力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、各層の層間接着力の中で、前記感光層と前記クッション層との接着力が、最も小さいことが好ましい。このような層間接着力とすることにより、前記積層体から前記支持体及びクッション層を剥離し、前記感光層を露光した後、アルカリ性の現像液を用いて該感光層を現像することができる。また、前記支持体を残したまま、前記感光層を露光した後、前記積層体から前記支持体と前記クッション層を剥離し、アルカリ性の現像液を用いて該感光層を現像することもできる。
前記層間接着力の調整方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記熱可塑性樹脂中に各種のポリマー、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離型剤などを添加する方法、以下に説明するエチレン共重合比を調整する方法などが挙げられる。
前記エチレンを必須の共重合成分とする共重合体におけるエチレン共重合比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、60〜90質量%が好ましく、60〜80質量%がより好ましく、65〜80質量%が特に好ましい。
前記エチレンの共重合比が、60質量%未満になると、前記クッション層と前記感光層との層間接着力が高くなり、該クッション層と該感光層との界面で剥離することが困難となることがあり、90質量%を超えると、前記クッション層と前記感光層との層間接着力が小さくなりすぎるため、該クッション層と該感光層との間で非常に剥離しやすく、前記クッション層を含むパターン形成材料の製造が困難となることがある。
前記クッション層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜50μmが好ましく、10〜50μmがより好ましく、15〜40μmが特に好ましい。
前記厚みが、5μm未満になると、基体の表面における凹凸や、気泡等への凹凸追従性が低下し、高精細な永久パターンを形成できないことがあり、50μmを超えると、製造上の乾燥負荷増大等の不具合が生じることがある。
−酸素遮断層(PC層)−
前記酸素遮断層は、通常ポリビニルアルコールを主成分として形成されることが好ましく、厚みが0.5〜5μm程度の被膜であることが好ましい。
−保護フィルム−
前記保護フィルムは、前記感光層の汚れや損傷を防止し、保護する機能を有する。
前記保護フィルムの前記パターン形成材料において設けられる箇所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常、前記感光層上に設けられる。
前記保護フィルムとしては、例えば、前記支持体に使用されるもの、シリコーン紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、ポリオレフィン又はポリテトラフルオルエチレンシート、などが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜30μmがより好ましい。
前記保護フィルムを用いる場合、前記感光層及び前記支持体の接着力Aと、前記感光層及び保護フィルムの接着力Bとが、接着力A>接着力Bの関係であることが好ましい。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。また、支持体及び保護フィルムの少なくともいずれかを表面処理することにより、上述のような接着力の関係を満たすことができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
また、前記支持体と前記保護フィルムとの静摩擦係数としては、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記保護フィルムは、前記保護フィルムと前記感光層との接着性を調整するために表面処理してもよい。前記表面処理は、例えば、前記保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を形成させる。該下塗層の形成は、前記ポリマーの塗布液を前記保護フィルムの表面に塗布した後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥させることにより形成させることができる。
〔パターン形成材料の製造方法〕
前記パターン形成材料は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、前記感光性組成物に含まれる材料を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて、パターン形成材料用の感光性組成物溶液を調製する。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、公知の界面活性剤を添加してもよい。
次に、前記基体上又は前記支持体上に前記感光性組成物溶液を塗布し、乾燥させて感光層を形成し、パターン形成材料を製造することができる。
前記感光性組成物溶液の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリットコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ナイフコート法等の各種の塗布方法が挙げられる。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
(感光性積層体)
前記感光性積層体は、前記基体上に、本発明の感光性組成物からなる感光層、及び目的に応じて適宜選択されるその他の層を積層してなる。
前記感光性組成物にはエッチングレジスト用感光性組成物及びソルダーレジスト用感光性組成物が含まれる。
<基体>
前記基体は、感光層が形成される被処理基体、又は本発明のパターン形成材料の少なくとも感光層が転写される被転写体となるもので、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を持つものまで任意に選択できる。板状の基体が好ましく、いわゆる基板が使用される。具体的には、公知のプリント配線板製造用の基板、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
〔感光性積層体の製造方法〕
前記感光性積層体の製造方法として、第1の態様として、前記感光性組成物を前記基体の表面に塗布し乾燥する方法が挙げられ、第2の態様として、本発明のパターン形成材料における少なくとも感光層を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら転写して積層する方法が挙げられる。
前記第1の態様の感光性積層体の製造方法は、前記基体上に、前記感光性組成物を塗布及び乾燥して感光層を形成する。
前記塗布及び乾燥の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基体の表面に、前記感光性組成物を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて感光性組成物溶液を調製し、該溶液を直接塗布し、乾燥させることにより積層する方法が挙げられる。
前記感光性組成物溶液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記パターン形成材料に用いたものと同じ溶剤が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、公知の界面活性剤を添加してもよい。
前記塗布方法及び乾燥条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記パターン形成材料に用いたものと同じ方法及び条件で行う。
前記第2の態様の感光性積層体の製造方法は、前記基体の表面に本発明のパターン形成材料を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層する。なお、前記パターン形成材料が前記保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離し、前記基体に前記感光層が重なるようにして積層するのが好ましい。
前記加熱温度及び加圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、15〜180℃が好ましく、60〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜1.0MPaが好ましく、0.2〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター(例えば、大成ラミネータ社製、VP−II)などが好適に挙げられる。
(パターン形成装置及びパターン形成方法)
本発明のパターン形成装置は、本発明の前記感光性積層体を備えており、光照射手段と光変調手段とを少なくとも有する。
本発明のパターン形成方法は、露光工程を少なくとも含み、適宜選択した現像工程等のその他の工程を含む。
なお、本発明の前記パターン形成装置は、本発明の前記パターン形成方法の説明を通じて明らかにする。
[露光工程]
前記露光工程は、本発明の感光性積層体における前記感光層に対し、露光を行う工程である。本発明の感光性積層体における前記感光層としては、本発明の前記感光性組成物により形成されてなる感光層、及び前記パターン形成材料から転写されてなる感光層が挙げられる。
前記露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、デジタル露光、アナログ露光等が挙げられるが、これらの中でもデジタル露光が好ましい。
前記デジタル露光の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、光を照射する光照射手段、形成するパターン情報に基づいて該光照射手段から照射される光を変調させる光変調手段などが挙げられる。
前記デジタル露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、形成するパターン形成情報に基づいて制御信号を生成し、該制御信号に応じて変調させた光を用いて行うことが好ましく、例えば、前記感光層に対し、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて行う方法が好ましい。
本発明において「N重露光」とは、前記感光層の被露光面上の露光領域の略すべての領域において、前記露光ヘッドの走査方向に平行な直線が、前記被露光面上に照射されたN本の光点列(画素列)と交わるような設定による露光を指す。ここで、「光点列(画素列)」とは、前記描素部により生成された描素単位としての光点(画素)の並びうち、前記露光ヘッドの走査方向となす角度がより小さい方向の並びを指すものとする。なお、前記描素部の配置は、必ずしも矩形格子状でなくてもよく、たとえば平行四辺形状の配置等であってもよい。 ここで、露光領域の「略すべての領域」と述べたのは、各描素部の両側縁部では、描素部列を傾斜させたことにより、前記露光ヘッドの走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数が減るため、かかる場合に複数の露光ヘッドをつなぎ合わせるように使用したとしても、該露光ヘッドの取付角度や配置等の誤差により、走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数がわずかに増減することがあるため、また、各使用描素部の描素部列間のつなぎの、解像度分以下のごくわずかな部分では、取付角度や描素部配置等の誤差により、走査方向と直交する方向に沿った描素部のピッチが他の部分の描素部のピッチと厳密に一致せず、走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数が±1の範囲で増減することがあるためである。なお、以下の説明では、Nが2以上の自然数であるN重露光を総称して「多重露光」という。さらに、以下の説明では、本発明の露光装置又は露光方法を、描画装置又は描画方法として実施した形態について、「N重露光」及び「多重露光」に対応する用語として、「N重描画」及び「多重描画」という用語を用いるものとする。
前記N重露光のNとしては、2以上の自然数であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3以上の自然数が好ましく、3以上7以下の自然数がより好ましい。
<パターン形成装置>
本発明のパターン形成方法に係るパターン形成装置の一例について図面を参照しながら説明する。
前記パターン形成装置としては、いわゆるフラットベッドタイプの露光装置とされており、図1に示すように、前記パターン形成材料における少なくとも前記感光層が積層されてなるシート状の感光材料12(以下、「感光層12」ということがある)を表面に吸着して保持する平板状の移動ステージ14を備えている。4本の脚部16に支持された厚い板状の設置台18の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド20が設置されている。ステージ14は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド20によって往復移動可能に支持されている。なお、このパターン形成装置10には、ステージ14をガイド20に沿って駆動するステージ駆動装置(図示せず)が設けられている。
設置台18の中央部には、ステージ14の移動経路を跨ぐようにコの字状のゲート22が設けられている。コの字状のゲート22の端部の各々は、設置台18の両側面に固定されている。このゲート22を挟んで一方の側にはスキャナ24が設けられ、他方の側には感光材料12の先端及び後端を検知する複数(たとえば2個)のセンサ26が設けられている。スキャナ24及びセンサ26はゲート22に各々取り付けられて、ステージ14の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ24及びセンサ26は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
ここで、説明のため、ステージ14の表面と平行な平面内に、図1に示すように、互いに直交するX軸及びY軸を規定する。
ステージ14の走査方向に沿って上流側(以下、単に「上流側」ということがある。)の端縁部には、X軸の方向に向かって開く「く」の字型に形成されたスリット28が、等間隔で10本形成されている。各スリット28は、上流側に位置するスリット28aと下流側に位置するスリット28bとからなっている。スリット28aとスリット28bとは互いに直交するとともに、X軸に対してスリット28aは−45度、スリット28bは+45度の角度を有している。
スリット28の位置は、前記露光ヘッド30の中心と略一致させられている。また、各スリット28の大きさは、対応する露光ヘッド30による露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。また、スリット28の位置としては、隣接する露光済み領域34間の重複部分の中心位置と略一致させてもよい。この場合、各スリット28の大きさは、露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさとする。
ステージ14内部の各スリット28の下方の位置には、それぞれ、後述する使用描素部指定処理において、描素単位としての光点を検出する光点位置検出手段としての単一セル型の光検出器(図示せず)が組み込まれている。また、各光検出器は、後述する使用描素部指定処理において、前記描素部の選択を行う描素部選択手段としての演算装置(図示せず)に接続されている。
露光時における前記パターン形成装置の動作形態はとしては、露光ヘッドを常に移動させながら連続的に露光を行う形態であってもよいし、露光ヘッドを段階的に移動させながら、各移動先の位置で露光ヘッドを静止させて露光動作を行う形態であってもよい。
<<露光ヘッド>>
各露光ヘッド30は、後述する内部のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)36の各描素部(マイクロミラー)列方向が、走査方向と所定の設定傾斜角度θをなすように、スキャナ24に取り付けられている。このため、各露光ヘッド30による露光エリア32は、走査方向に対して傾斜した矩形状のエリアとなる。ステージ14の移動に伴い、感光層12には露光ヘッド30ごとに帯状の露光済み領域34が形成される。図2及び図3Bに示す例では、2行5列の略マトリックス状に配列された10個の露光ヘッドが、スキャナ24に備えられている。
なお、以下において、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド30mnと表記し、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア32mnと表記する。
また、図3A及び図3Bに示すように、帯状の露光済み領域34のそれぞれが、隣接する露光済み領域34と部分的に重なるように、ライン状に配列された各行の露光ヘッド30の各々は、その配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本実施形態では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア3211と露光エリア3212との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア3221により露光することができる。
露光ヘッド30の各々は、図4及び図5に示すように、入射された光を画像データに応じて描素部ごとに変調する光変調手段(描素部ごとに変調する空間光変調素子)として、DMD36(米国テキサス・インスツルメンツ社製)を備えている。このDMD36は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた描素部制御手段としてのコントローラに接続されている。このコントローラのデータ処理部では、入力された画像データに基づいて、露光ヘッド30ごとに、DMD36上の使用領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。また、ミラー駆動制御部では、画像データ処理部で生成した制御信号に基づいて、露光ヘッド30ごとに、DMD36の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。
図4に示すように、DMD36の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア32の長辺方向と一致する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源38、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系40、このレンズ系40を透過したレーザ光をDMD36に向けて反射するミラー42がこの順に配置されている。なお図4では、レンズ系40を概略的に示してある。
上記レンズ系40は、図5に詳しく示すように、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を平行光化する1対の組合せレンズ44、平行光化されたレーザ光の光量分布が均一になるように補正する1対の組合せレンズ46、及び光量分布が補正されたレーザ光をDMD36上に集光する集光レンズ48で構成されている。
また、DMD36の光反射側には、DMD36で反射されたレーザ光を感光層12の被露光面上に結像するレンズ系50が配置されている。レンズ系50は、DMD36と感光層12の被露光面とが共役な関係となるように配置された、2枚のレンズ52及び54からなる。
本実施形態では、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光は、実質的に5倍に拡大された後、DMD36上の各マイクロミラーからの光線が上記のレンズ系50によって約5μmに絞られるように設定されている。
‐光変調手段‐
前記光変調手段としては、n個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された前記描素部を有し、前記パターン情報に応じて前記描素部を制御可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空間光変調素子が好ましい。
前記空間光変調素子としては、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Special Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが挙げられ、これらの中でもDMDが好適に挙げられる。
また、前記光変調手段は、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を有することが好ましい。この場合、前記光変調手段は、前記パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて光を変調させる。
前記制御信号としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル信号が好適に挙げられる。
以下、前記光変調手段の一例について図面を参照しながら説明する。
DMD36は図6に示すように、SRAMセル(メモリセル)56上に、各々描素(ピクセル)を構成する描素部として、多数のマイクロミラー58が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。本実施形態では、1024列×768行のマイクロミラー58が配されてなるDMD36を使用するが、このうちDMD36に接続されたコントローラにより駆動可能すなわち使用可能なマイクロミラー58は、1024列×256行のみであるとする。DMD36のデータ処理速度には限界があり、使用するマイクロミラー数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、このように一部のマイクロミラーのみを使用することにより1ライン当りの変調速度が速くなる。各マイクロミラー58は支柱に支えられており、その表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、本実施形態では、各マイクロミラー58の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向ともに13.7μmである。SRAMセル56は、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのものであり、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
DMD36のSRAMセル(メモリセル)56に、所望の2次元パターンを構成する各点の濃度を2値で表した画像信号が書き込まれると、支柱に支えられた各マイクロミラー58が、対角線を中心としてDMD36が配置された基板側に対して±α度(たとえば±10度)のいずれかに傾く。図7Aは、マイクロミラー58がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図7Bは、マイクロミラー58がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。このように、画像信号に応じて、DMD36の各ピクセルにおけるマイクロミラー58の傾きを、図6に示すように制御することによって、DMD36に入射したレーザ光Bはそれぞれのマイクロミラー58の傾き方向へ反射される。
図6には、DMD36の一部を拡大し、各マイクロミラー58が+α度又はα度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー58のオンオフ制御は、DMD36に接続された上記のコントローラによって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー58で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
‐光照射手段‐
前記光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、LED、半導体レーザ等の公知光源、又は2以上の光を合成して照射可能な手段が挙げられ、これらの中でも2以上の光を合成して照射可能な手段が好ましい。
前記光照射手段から照射される光としては、例えば、支持体を介して光照射を行う場合には、該支持体を透過し、かつ用いられる光重合開始系化合物や増感剤を活性化する電磁波、紫外から可視光線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられ、これらの中でもレーザ光が好ましく、2以上の光を合成したレーザ(以下、「合波レーザ」と称することがある)がより好ましい。また支持体を剥離してから光照射を行う場合でも、同様の光を用いることができる。
前記紫外から可視光線の波長としては、例えば、300〜1500nmが好ましく、320〜800nmがより好ましく、330nm〜650nmが特に好ましい。
前記レーザ光の波長としては、例えば、200〜1500nmが好ましく、300〜800nmがより好ましく、330nm〜500nmが更に好ましく、400nm〜450nmが特に好ましい。
前記合波レーザを照射可能な手段としては、例えば、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射したレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する手段が好ましい。
以下、前記合波レーザを照射可能な手段(ファイバアレイ光源)について図を参照しながら説明する。
ファイバアレイ光源38は、図8に示すように、複数(たとえば14個)のレーザモジュール60を備えており、各レーザモジュール60には、マルチモード光ファイバ62の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ62の他端には、マルチモード光ファイバ62より小さいクラッド径を有する光ファイバ64が結合されている。図9に詳しく示すように、光ファイバ64のマルチモード光ファイバ62と反対側の端部は走査方向と直交する方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部66が構成されている。
光ファイバ64の端部で構成されるレーザ出射部66は、図9に示すように、表面が平坦な2枚の支持板68に挟み込まれて固定されている。また、光ファイバ64の光出射端面には、その保護のために、ガラス等の透明な保護板が配置されるのが望ましい。光ファイバ64の光出射端面は、光密度が高いため集塵しやすく劣化しやすいが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
このような光ファイバは、例えば、図25に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ62のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ64を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ64の入射端面が、マルチモード光ファイバ62の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ64のコア64aの径は、マルチモード光ファイバ62のコア62aの径と同じ大きさである。
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ62の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ64を、マルチモード光ファイバ62の出射端部と称する場合がある。
マルチモード光ファイバ62及び光ファイバ64としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施の形態では、マルチモード光ファイバ62及び光ファイバ64は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ62は、クラッド径=125μm、コア径=50μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ64は、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2である。
一般に、赤外領域のレーザ光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザから出射された波長405nmのレーザ光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。従って、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
但し、光ファイバのクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバアレイ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ64のクラッド径は10μm以上が好ましい。
レーザモジュール60は、図26に示す合波レーザ光源(ファイバアレイ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック110上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1、LD2、LD3、LD4、LD5、LD6、及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズL1、L2、L3、L4、L5、L6及びL7と、1つの集光レンズ200と、1本のマルチモード光ファイバ62と、から構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザ光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、且つ光ファイバ本数をより減らすことができる。
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。
前記合波レーザ光源は、図27及び図28に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ400内に収納されている。パッケージ400は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋410を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ400の開口をパッケージ蓋410で閉じることにより、パッケージ400とパッケージ蓋410とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
パッケージ400の底面にはベース板420が固定されており、このベース板420の上面には、前記ヒートブロック110と、集光レンズ200を保持する集光レンズホルダー450と、マルチモード光ファイバ62の入射端部を保持するファイバホルダー460とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ62の出射端部は、パッケージ400の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
また、ヒートブロック110の側面にはコリメータレンズホルダー440が取り付けられており、コリメータレンズL1〜L7が保持されている。パッケージ400の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線470がパッケージ外に引き出されている。
なお、図28においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズL7にのみ番号を付している。
図29は、前記コリメータレンズL1〜L7の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズL1〜L7の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズL1〜L7は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図29の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザビームB1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
したがって、各発光点から発せられたレーザビームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズL1〜L7に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズL1〜L7の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザビームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズL1〜L7の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
集光レンズ200は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズL1〜L7の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ200は、焦点距離f=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ200も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
また、DMDを照明する光照射手段に、合波レーザ光源の光ファイバの出射端部をアレイ状に配列した高輝度のファイバアレイ光源を用いているので、高出力で且つ深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。更に、各ファイバアレイ光源の出力が大きくなることで、所望の出力を得るために必要なファイバアレイ光源数が少なくなり、パターン形成装置の低コスト化が図られる。
また、光ファイバの出射端のクラッド径を入射端のクラッド径よりも小さくしているので、発光部径がより小さくなり、ファイバアレイ光源の高輝度化が図られる。これにより、より深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。例えば、ビーム径1μm以下、解像度0.1μm以下の超高解像度露光の場合にも、深い焦点深度を得ることができ、高速且つ高精細な露光が可能となる。したがって、高解像度が必要とされる薄膜トランジスタ(TFT)の露光工程に好適である。
また、前記光照射手段としては、前記合波レーザ光源を複数備えたファイバアレイ光源に限定されず、例えば、1個の発光点を有する単一の半導体レーザから入射されたレーザ光を出射する1本の光ファイバを備えたファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を用いることができる。
また、複数の発光点を備えた光照射手段としては、例えば、図30に示すように、ヒートブロック110上に、複数(例えば、7個)のチップ状の半導体レーザLD1〜LD7を配列したレーザアレイを用いることができる。また、図31Aに示す、複数(例えば、5個)の発光点111aが所定方向に配列されたチップ状のマルチキャビティレーザ110が知られている。マルチキャビティレーザ111は、チップ状の半導体レーザを配列する場合と比べ、発光点を位置精度良く配列できるので、各発光点から出射されるレーザビームを合波し易い。但し、発光点が多くなるとレーザ製造時にマルチキャビティレーザ111に撓みが発生し易くなるため、発光点111aの個数は5個以下とするのが好ましい。
前記光照射手段としては、このマルチキャビティレーザ111や、図31Bに示すように、ヒートブロック110上に、複数のマルチキャビティレーザ111が各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に配列されたマルチキャビティレーザアレイを、レーザ光源として用いることができる。
また、合波レーザ光源は、複数のチップ状の半導体レーザから出射されたレーザ光を合波するものには限定されない。例えば、図32に示すように、複数(例えば、3個)の発光点111aを有するチップ状のマルチキャビティレーザ111を備えた合波レーザ光源を用いることができる。この合波レーザ光源は、マルチキャビティレーザ111と、1本のマルチモード光ファイバ62と、集光レンズ200と、を備えて構成されている。マルチキャビティレーザ111は、例えば、発振波長が405nmのGaN系レーザダイオードで構成することができる。
前記構成では、マルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、集光レンズ200によって集光され、マルチモード光ファイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
マルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aを、上記マルチモード光ファイバ62のコア径と略等しい幅内に並設すると共に、集光レンズ200として、マルチモード光ファイバ62のコア径と略等しい焦点距離の凸レンズや、マルチキャビティレーザ111からの出射ビームをその活性層に垂直な面内のみでコリメートするロッドレンズを用いることにより、レーザビームBのマルチモード光ファイバ62への結合効率を上げることができる。
また、図33に示すように、複数(例えば、3個)の発光点を備えたマルチキャビティレーザ111を用い、ヒートブロック110上に複数(例えば、9個)のマルチキャビティレーザ111が互いに等間隔で配列されたレーザアレイ140を備えた合波レーザ光源を用いることができる。複数のマルチキャビティレーザ111は、各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に配列されて固定されている。
この合波レーザ光源は、レーザアレイ140と、各マルチキャビティレーザ111に対応させて配置した複数のレンズアレイ114と、レーザアレイ140と複数のレンズアレイ114との間に配置された1本のロッドレンズ113と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。レンズアレイ114は、マルチキャビティレーザ110の発光点に対応した複数のマイクロレンズを備えている。
上記の構成では、複数のマルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、ロッドレンズ113により所定方向に集光された後、レンズアレイ114の各マイクロレンズにより平行光化される。平行光化されたレーザビームLは、集光レンズ200によって集光され、マルチモード光ファイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
更に他の合波レーザ光源の例を示す。この合波レーザ光源は、図34A及び図34Bに示すように、略矩形状のヒートブロック180上に光軸方向の断面がL字状のヒートブロック182が搭載され、2つのヒートブロック間に収納空間が形成されている。L字状のヒートブロック182の上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ111が、各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に等間隔で配列されて固定されている。
略矩形状のヒートブロック180には凹部が形成されており、ヒートブロック180の空間側上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、その発光点がヒートブロック182の上面に配置されたレーザチップの発光点と同じ鉛直面上に位置するように配置されている。
マルチキャビティレーザ111のレーザ光出射側には、各チップの発光点111aに対応してコリメートレンズが配列されたコリメートレンズアレイ184が配置されている。コリメートレンズアレイ184は、各コリメートレンズの長さ方向とレーザビームの拡がり角が大きい方向(速軸方向)とが一致し、各コリメートレンズの幅方向が拡がり角が小さい方向(遅軸方向)と一致するように配置されている。このように、コリメートレンズをアレイ化して一体化することで、レーザ光の空間利用効率が向上し合波レーザ光源の高出力化が図られると共に、部品点数が減少し低コスト化することができる。
また、コリメートレンズアレイ184のレーザ光出射側には、1本のマルチモード光ファイバ62と、このマルチモード光ファイバ62の入射端にレーザビームを集光して結合する集光レンズ200と、が配置されている。
前記構成では、レーザブロック180、182上に配置された複数のマルチキヤビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、コリメートレンズアレイ184により平行光化され、集光レンズ200によって集光されて、マルチモード光フアイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光フアイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
前記合波レーザ光源は、上記の通り、マルチキャビティレーザの多段配置とコリメートレンズのアレイ化とにより、特に高出力化を図ることができる。この合波レーザ光源を用いることにより、より高輝度なファイバアレイ光源やバンドルファイバ光源を構成することができるので、本発明のパターン形成装置のレーザ光源を構成するファイバ光源として特に好適である。
なお、前記各合波レーザ光源をケーシング内に収納し、マルチモード光ファイバ62の出射端部をそのケーシングから引き出したレーザモジュールを構成することができる。
また、合波レーザ光源のマルチモード光ファイバの出射端に、コア径がマルチモード光ファイバと同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバより小さい他の光ファイバを結合してファイバアレイ光源の高輝度化を図る例について説明したが、例えば、クラッド径が125μm、80μm、60μm等のマルチモード光ファイバを、出射端に他の光ファイバを結合せずに使用してもよい。
<<使用描素部指定手段>>
前記使用描素部指定手段としては、描素単位としての光点の位置を被露光面上において検出する光点位置検出手段と、前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段とを少なくとも備えることが好ましい。
以下、前記使用描素部指定手段による、N重露光に使用する描素部の指定方法の例について説明する。
(1)単一露光ヘッド内における使用描素部の指定方法
本実施形態(1)では、パターン形成装置10により、感光材料12に対して2重露光を行う場合であって、各露光ヘッド30の取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
露光ヘッド30の走査方向に対する描素部(マイクロミラー58)の列方向の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも、若干大きい角度を採用するものとする。
この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の列方向の個数s、使用可能なマイクロミラー58の列方向の間隔p、及び露光ヘッド30を傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1、
spsinθideal≧Nδ(式1)
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、上記のとおり、縦横の配置間隔が等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
pcosθideal=δ(式2)
であり、上記式1は、
stanθideal=N(式3)
となる。本実施形態(1)では、上記のとおりs=256、N=2であるので、前記式3より、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。パターン形成装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
図10は、上記のように初期調整されたパターン形成装置10において、1つの露光ヘッド30の取付角度誤差、及びパターン歪みの影響により、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。以下の図面及び説明においては、各描素部(マイクロミラー)により生成され、被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点について、第m行目の光点をr(m)、第n列目の光点をc(n)、第m行第n列の光点をP(m,n)とそれぞれ表記するものとする。
図10の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で感光材料12の被露光面上に投影される、使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示し、下段部分は、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を示したものである。
なお、図10では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンを分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図10の例では、設定傾斜角度θを上記の角度θidealよりも若干大きい角度を採用した結果として、また露光ヘッド30の取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度と上記の設定傾斜角度θとが誤差を有する結果として、被露光面上のいずれの領域においても濃度むらが生じている。具体的には、奇数列のマイクロミラーによる露光パターン及び偶数列のマイクロミラーによる露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となり、描画が冗長となる領域が生じ、濃度むらが生じている。
さらに、図10の例では、被露光面上に現れるパターン歪みの一例であって、被露光面上に投影された各画素列の傾斜角度が均一ではなくなる「角度歪み」が生じている。このような角度歪みが生じる原因としては、DMD36と被露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれ、及びDMD36自体の歪みやマイクロミラーの配置誤差等が挙げられる。
図10の例に現れている角度歪みは、走査方向に対する傾斜角度が、図の左方の列ほど小さく、図の右方の列ほど大きくなっている形態の歪みである。この角度歪みの結果として、露光過多となっている領域は、図の左方に示した被露光面上ほど小さく、図の右方に示した被露光面上ほど大きくなっている。
上記したような、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域における濃度むらを軽減するために、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド30ごとに実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として前記光検出器に接続された前記演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
実傾斜角度θ´は、光点位置検出手段が検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす角度により特定される。
以下、図11及び12を用いて、前記実傾斜角度θ´の特定、及び使用画素選択処理について説明する。
−実傾斜角度θ´の特定−
図11は、1つのDMD36による露光エリア32と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。
本実施形態(1)の例では、露光エリア32の略中心に位置する第512列目の光点列と露光ヘッド30の走査方向とがなす角度を、上記の実傾斜角度θ´として測定する。具体的には、DMD36上の第1行目第512列目のマイクロミラー58、及び第256行目第512列目のマイクロミラー58をオン状態とし、それぞれに対応する被露光面上の光点P(1,512)及びP(256,512)の位置を検出し、それらを結ぶ直線と露光ヘッドの走査方向とがなす角度を実傾斜角度θ´として特定する。
図12は、光点P(256,512)の位置の検出手法を説明した上面図である。
まず、第256行目第512列目のマイクロミラー58を点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,512)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図12における右方に相対移動させる。そして、図12において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y1)を、光点P(256,512)の位置として記録する。
次いで、ステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図12における左方に相対移動させる。そして、図12において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y2)を光点P(256,512)の位置として記録する。
以上の測定結果から、光点P(256,512)の被露光面上における位置を示す座標(X,Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。同様の測定により、P(1,512)の位置を示す座標も決定し、それぞれの座標を結ぶ直線と、露光ヘッド30の走査方向とがなす傾斜角度を導出し、これを実傾斜角度θ´として特定する。
‐使用描素部の選択‐
このようにして特定された実傾斜角度θ´を用い、前記光検出器に接続された前記演算装置は、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを導出し、DMD36上の1行目からT行目のマイクロミラーを、本露光時に実際に使用するマイクロミラーとして選択する処理を行う。これにより、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域と、露光不足となる領域との面積合計が最小となるようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
ここで、上記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の面積が最小になり、かつ露光不足となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
図13は、上記のようにして実際に使用するマイクロミラーとして選択されたマイクロミラーが生成した光点のみを用いて行った露光において、図10に示した被露光面上のむらがどのように改善されるかを示した説明図である。
この例では、上記の自然数TとしてT=253が導出され、第1行目から第253行目のマイクロミラーが選択されたものとする。選択されなかった第254行目から第256行目のマイクロミラーに対しては、前記描素部制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。図13に示すとおり、第512列目付近の露光領域では、露光過多及び露光不足は、ほぼ完全に解消され、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光が実現される。
一方、図13の左方の領域(図中のc(1)付近)では、前記角度歪みにより、被露光面上における光点列の傾斜角度が中央付近(図中のc(512)付近)の領域における光線列の傾斜角度よりも小さくなっている。したがって、c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ´に基づいて選択されたマイクロミラーのみによる露光では、偶数列による露光パターン及び奇数列による露光パターンのそれぞれにおいて、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域がわずかに生じてしまう。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光量不足となる領域が互いに補完され、前記角度歪みによる露光むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
また、図13の右方の領域(図中のc(1024)付近)では、前記角度歪みにより、被露光面上における光線列の傾斜角度が、中央付近(図中のc(512)付近)の領域における光線列の傾斜角度よりも大きくなっている。したがって、c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ´に基づいて選択されたマイクロミラーによる露光では、図に示すように、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域がわずかに生じてしまう。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光過多となる領域が互いに補完され、前記角度歪による濃度むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
本実施形態(1)では、上述のとおり、第512列目の光線列の実傾斜角度θ´が測定され、該実傾斜角度θ´を用い、前記式(4)により導出されたTに基づいて使用するマイクロミラー58を選択したが、前記実傾斜角度θ´の特定方法としては、複数の描素部の列方向(光点列)と、前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度をそれぞれ測定し、それらの平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかを実傾斜角度θ´として特定し、前記式4等によって実際の露光時に実際に使用するマイクロミラーを選択する形態としてもよい。
前記平均値又は前記中央値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域と露光不足となる領域とのバランスがよい露光を実現することができる。例えば、露光過多となる領域と、露光量不足となる領域との合計面積が最小に抑えられ、かつ、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるような露光を実現することが可能である。
また、前記最大値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光不足となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光過多となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
さらに、前記最小値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光不足となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光過多となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光不足となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
一方、前記実傾斜角度θ´の特定は、同一の描素部の列(光点列)中の少なくとも2つの光点の位置に基づく方法に限定されない。例えば、同一描素部列c(n)中の1つ又は複数の光点の位置と、該c(n)近傍の列中の1つ又は複数の光点の位置とから求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
具体的には、c(n)中の1つの光点位置と、露光ヘッドの走査方向に沿って直線上かつ近傍の光点列に含まれる1つ又は複数の光点位置とを検出し、これらの位置情報から、実傾斜角度θ´を求めることができる。さらに、c(n)列近傍の光点列中の少なくとも2つの光点(たとえば、c(n)を跨ぐように配置された2つの光点)の位置に基づいて求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(1)の使用描素部の指定方法によれば、各露光ヘッドの取付角度誤差やパターン歪みの影響による解像度のばらつきや濃度のむらを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
(2)複数露光ヘッド間における使用描素部の指定方法<1>
本実施形態(2)では、パターン形成装置10により、感光材料12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部マイクロミラー58を使用してちょうど2重露光となる角度θidealを採用するものとする。
この角度θidealは、上記の実施形態(1)と同様にして前記式1〜3から求められる。本実施形態(2)において、パターン形成装置10は、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの角度θidealとなるように、初期調整されているものとする。
図14は、上記のように初期調整されたパターン形成装置10において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれの影響により、被露光面上のパターンに生じる濃度むらの例を示した説明図である。各露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれは、露光ヘッド間の相対位置の微調整が困難であるために生じ得るものである。
図14の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で感光材料12の被露光面上に投影される、露光ヘッド3012と3021が有するDMD36の使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示した図である。図14の下段部分は、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を、露光エリア3212と3221について示したものである。
なお、図14では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図14の例では、上記したX軸方向に関する露光ヘッド3012と3021との間の相対位置の、理想的な状態からのずれの結果として、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとの双方で、露光エリア3212と3221の前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光量過多な部分が生じてしまっている。
上記したような、複数の前記露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域に現れる濃度むらを軽減するために、本実施形態(2)では、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021からの光点群のうち、被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を構成する光点のいくつかについて、その位置(座標)を検出する。該位置(座標)に基づいて、前記描素部選択手段として前記光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
−位置(座標)の検出−
図15は、図14と同様の露光エリア3212及び3221と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光ヘッド3012と3021による露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさ、すなわち、露光ヘッド3012と3021により被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を十分覆う大きさとされている。
図16は、一例として露光エリア3221の光点P(256,1024)の位置を検出する際の検出手法を説明した上面図である。
まず、第256行目第1024列目のマイクロミラーを点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,1024)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図16における右方に相対移動させる。そして、図16において二点鎖線で示すように、光点P(256,1024)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y1)を、光点P(256,1024)の位置として記録する。
次いで、ステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図16における左方に相対移動させる。そして、図16において二点鎖線で示すように、光点P(256,1024)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y2)を、光点P(256,1024)として記録する。
以上の測定結果から、光点P(256,1024)の被露光面における位置を示す座標(X,Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。
−不使用描素部の特定−
図14の例では、まず、露光エリア3212の光点P(256,1)の位置を、上記の光点位置検出手段としてスリット28と光検出器の組により検出する。続いて、露光エリア3221の第256行目の光点行r(256)上の各光点の位置を、P(256,1024)、P(256,1023)・・・と順番に検出していき、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示す露光エリア3221の光点P(256,n)が検出されたところで、検出動作を終了する。そして、露光エリア3221の光点列c(n+1)からc(1024)を構成する光点に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラー(不使用描素部)として特定する。
例えば、図14において、露光エリア3221の光点P(256,1020)が、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示し、その露光エリア3221の光点P(256,1020)が検出されたところで検出動作が終了したとすると、図17において斜線で覆われた部分70に相当する露光エリア3221の第1021行から第1024行を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
次に、N重露光の数Nに対して、露光エリア3212の光点P(256,N)の位置が検出される。本実施形態(2)では、N=2であるので、光点P(256,2)の位置が検出される。
続いて、露光エリア3221の光点列のうち、上記で本露光時に使用しないマイクロミラーに対応する光点列として特定されたものを除き、最も右側の第1020列を構成する光点の位置を、P(1,1020)から順番にP(1,1020)、P(2,1020)・・・と検出していき、露光エリア3212の光点P(256,2)よりも大きいX座標を示す光点P(m,1020)が検出されたところで、検出動作を終了する。
その後、前記光検出器に接続された演算装置において、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,1020)及びP(m−1,1020)のX座標とが比較され、露光エリア3221の光点P(m,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーが本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
また、露光エリア3221の光点P(m−1,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。
さらに、露光エリア3212の光点P(256,N−1)すなわち光点P(256,1)の位置と、露光エリア3221の次列である第1019列を構成する各光点の位置についても、同様の検出処理及び使用しないマイクロミラーの特定が行われる。
その結果、たとえば、図17において網掛けで覆われた領域72を構成する光点に対応するマイクロミラーが、実際の露光時に使用しないマイクロミラーとして追加される。これらのマイクロミラーには、常時、そのマイクロミラーの角度をオフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に使用されない。
このように、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定し、該使用しないマイクロミラーを除いたものを、実際の露光時に使用するマイクロミラーとして選択することにより、露光エリア3212と3221の前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができ、図17の下段に示すように、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光を実現することができる。
なお、上記の例においては、図17において網掛けで覆われた領域72を構成する光点の特定に際し、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,1020)及びP(m−1,1020)のX座標との比較を行わずに、ただちに、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域の面積が最小になり、かつ露光不足となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
さらに、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重描画に対して露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、実際に使用するマイクロミラーを選択することとしてもよい。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(2)の使用描素部の指定方法によれば、複数の露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
(3)複数露光ヘッド間における使用描素部の指定方法<2>
本実施形態(3)では、パターン形成装置10により、感光材料12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の理想的な状態からのずれ、並びに各露光ヘッドの取付角度誤差、及び2つの露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度としては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部(マイクロミラー58)を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも若干大きい角度を採用するものとする。
この角度θidealは、前記式1〜3を用いて上記(1)の実施形態と同様にして求められる値であり、本実施形態では、上記のとおりs=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。パターン形成装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
図18は、上記のように各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度が初期調整されたパターン形成装置10において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)の取付角度誤差、並びに各露光ヘッド3012と3021間の相対取付角度誤差及び相対位置のずれの影響により、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。
図18の例では、図14の例と同様の、X軸方向に関する露光ヘッド3012と3021の相対位置のずれの結果として、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、露光エリア3212と3221の被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光量過多な領域74が生じ、これが濃度むらを引き起こしている。
さらに、図18の例では、各露光ヘッドの設定傾斜角度θを前記式(1)を満たす角度θidealよりも若干大きくしたことによる結果、及び各露光ヘッドの取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度が上記の設定傾斜角度θからずれてしまったことの結果として、被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域以外の領域でも、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域である描素部列間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多となる領域76が生じ、これがさらなる濃度むらを引き起こしている。
本実施形態(3)では、まず、各露光ヘッド3012と3021の取付角度誤差及び相対取付角度のずれの影響による濃度むらを軽減するための使用画素選択処理を行う。
具体的には、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて、実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
−実傾斜角度θ´の特定−
実傾斜角度θ´の特定は、露光ヘッド3012ついては露光エリア3212内の光点P(1,1)とP(256,1)の位置を、露光ヘッド3021については露光エリア3221内の光点P(1,1024)とP(256,1024)の位置を、それぞれ上述した実施形態(2)で用いたスリット28と光検出器の組により検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定することにより行われる。
−不使用描素部の特定−
そのようにして特定された実傾斜角度θ´を用いて、光検出器に接続された演算装置は、上述した実施形態(1)における演算装置と同様、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて導出し、DMD36上の第(T+1)行目から第256行目のマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定する処理を行う。
例えば、露光ヘッド3012についてはT=254、露光ヘッド3021についてはT=255が導出されたとすると、図19において斜線で覆われた部分78及び80を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。これにより、露光エリア3212と3221のうちヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができる。
ここで、上記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光量過多となる面積が最小になり、かつ露光量不足となる面積が生じないようになすことができる。
あるいは、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようになすことができる。
複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、本露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
その後、図19において斜線で覆われた領域78及び80を構成する光点以外の光点に対応するマイクロミラーに関して、図14から17を用いて説明した本実施形態(3)と同様の処理がなされ、図19において斜線で覆われた領域82及び網掛けで覆われた領域84を構成する光点に対応するマイクロミラーが特定され、本露光時に使用しないマイクロミラーとして追加される。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(3)の使用描素部の指定方法によれば、複数の露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれ、並びに各露光ヘッドの取付角度誤差、及び露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
以上、パターン形成装置10による使用描素部指定方法ついて詳細に説明したが、上記実施形態(1)〜(3)は一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。
また、上記の実施形態(1)〜(3)では、被露光面上の光点の位置を検出するための手段として、スリット28と単一セル型の光検出器の組を用いたが、これに限られずいかなる形態のものを用いてもよく、たとえば2次元検出器等を用いてもよい。
さらに、上記の実施形態(1)〜(3)では、スリット28と光検出器の組による被露光面上の光点の位置検出結果から実傾斜角度θ´を求め、その実傾斜角度θ´に基づいて使用するマイクロミラーを選択したが、実傾斜角度θ´の導出を介さずに使用可能なマイクロミラーを選択する形態としてもよい。さらには、たとえばすべての使用可能なマイクロミラーを用いた参照露光を行い、参照露光結果の目視による解像度や濃度のむらの確認等により、操作者が使用するマイクロミラーを手動で指定する形態も、本発明の範囲に含まれるものである。
なお、被露光面上に生じ得るパターン歪みには、上記の例で説明した角度歪みの他にも、種々の形態が存在する。
一例としては、図20Aに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる倍率で露光面上の露光エリア32に到達してしまう倍率歪みの形態がある。
また、別の例として、図20Bに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なるビーム径で被露光面上の露光エリア32に到達してしまうビーム径歪みの形態もある。これらの倍率歪み及びビーム径歪みは、主として、DMD36と被露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれに起因して生じる。
さらに別の例として、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる光量で被露光面上の露光エリア32に到達してしまう光量歪みの形態もある。この光量歪みは、各種収差やアラインメントずれのほか、DMD36と被露光面間の光学要素(たとえば1枚レンズである図5のレンズ52及び54)の透過率の位置依存性や、DMD36自体による光量むらに起因して生じる。これらの形態のパターン歪みも、被露光面上に形成されるパターンに解像度や濃度のむらを生じさせる。
上記の実施形態(1)〜(3)によれば、本露光に実際に使用するマイクロミラーを選択した後の、これらの形態のパターン歪みの残留要素も、上記の角度歪みの残留要素と同様、多重露光による埋め合わせの効果で均すことができ、解像度や濃度のむらを、各露光ヘッドの露光領域全体にわたって軽減することができる。
<<参照露光>>
上記の実施形態(1)〜(3)の変更例として、使用可能なマイクロミラーのうち、(N−1)列おきのマイクロミラー列、又は全光点行のうち1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行い、均一な露光を実現できるように、前記参照露光に使用されたマイクロミラー中、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
前記参照露光手段による参照露光の結果をサンプル出力し、該出力された参照露光結果に対し、解像度のばらつきや濃度のむらを確認し、実傾斜角度を推定するなどの分析を行う。前記参照露光の結果の分析は、操作者の目視による分析であってもよい。
図21は、単一露光ヘッドを用い、(N−1)列おきのマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図21Aに実線で示した奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図21Bに斜線で覆って示す光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点列を構成するマイクロミラー中、本露光において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列の光点列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図22は、複数の露光ヘッドを用い、(N−1)列おきのマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図22に実線で示した、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)の奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図22に斜線で覆って示す領域86及び網掛けで示す領域88内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点を構成するマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列目の画素列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に実際に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図23は、単一露光ヘッドを用い、全光点行数の1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図23Aに実線で示した1行目から128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図23Bに斜線で覆って示す光点群に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定され得る。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、全体のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図24は、複数の露光ヘッドを用い、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)について、それぞれ全光点行数の1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図24に実線で示した第1行目から第128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを最小限に抑えた本露光が実現できるように、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図24に斜線で覆って示す領域90及び網掛けで示す領域92内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
以上の実施形態(1)〜(3)及び変更例においては、いずれも本露光を2重露光とする場合について説明したが、これに限定されず、2重露光以上のいかなる多重露光としてもよい。特に3重露光から7重露光程度とすることにより、高解像度を確保し、解像度のばらつき及び濃度むらが軽減された露光を実現することができる。
また、上記の実施形態及び変更例に係る露光装置には、さらに、画像データが表す2次元パターンの所定部分の寸法が、選択された使用画素により実現できる対応部分の寸法と一致するように、画像データを変換する機構が設けられていることが好ましい。そのように画像データを変換することによって、所望の2次元パターンどおりの高精細なパターンを被露光面上に形成することができる。
[その他の工程]
前記その他の工程としては、特に制限はなく、公知のパターン形成における工程の中から適宜選択することが挙げられるが、例えば、現像工程、エッチング工程、メッキ工程、及び硬化処理工程などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記現像工程は、前記露光工程により前記パターン形成材料における感光層を露光し、該感光層の露光した領域を硬化させた後、未硬化領域を除去することにより現像し、パターンを形成する工程である。
−現像工程−
前記現像工程は、例えば、現像手段により好適に実施することができる。
前記現像手段としては、現像液を用いて現像することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記現像液を噴霧する手段、前記現像液を塗布する手段、前記現像液に浸漬させる手段などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記現像手段は、前記現像液を交換する現像液交換手段、前記現像液を供給する現像液供給手段などを有していてもよい。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ性液、水系現像液、有機溶剤などが挙げられ、これらの中でも、弱アルカリ性の水溶液が好ましい。該弱アルカリ性液の塩基成分としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。
前記弱アルカリ性の水溶液のpHとしては、例えば、約8〜12が好ましく、約9〜11がより好ましい。前記弱アルカリ性の水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸カリウム水溶液などが挙げられる。
前記現像液の温度としては、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができ、例えば、約25℃〜40℃が好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類等)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
−エッチング工程−
前記エッチング工程としては、公知のエッチング処理方法の中から適宜選択した方法により行うことができる。
前記エッチング処理に用いられるエッチング液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記金属層が銅で形成されている場合には、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などが挙げられ、これらの中でも、エッチングファクターの点から塩化第二鉄溶液が好ましい。
前記エッチング工程によりエッチング処理した後に前記パターンを除去することにより、前記基体の表面にエッチングパターンを形成することができる。
前記エッチングパターンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、配線パターンなどが好適に挙げられる。
−メッキ工程−
前記メッキ工程としては、公知のメッキ処理の中から適宜選択した適宜選択した方法により行うことができる。
前記メッキ処理としては、例えば、硫酸銅メッキ、ピロリン酸銅メッキ等の銅メッキ、ハイスローはんだメッキ等のはんだメッキ、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)メッキ、スルファミン酸ニッケル等のニッケルメッキ、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキなど処理が挙げられる。
前記メッキ工程によりメッキ処理した後に前記パターンを除去することにより、また更に必要に応じて不要部をエッチング処理等で除去することにより、前記基体の表面にエッチングパターンを形成することができる。
−硬化処理工程−
前記硬化処理工程は、前記ソルダーレジスト用感光性組成物からなる前記感光層に対し、前記現像工程が行われた後、形成されたパターンに対して硬化処理を行う工程である。
前記硬化処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光処理の方法としては、例えば、前記現像工程の後に、前記永久パターンが形成された前記感光性積層体上の全面を露光する方法が挙げられる。該全面露光により、前記感光層を形成する感光性組成物中の樹脂の硬化が促進され、前記永久パターンの表面が硬化される。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
前記全面加熱処理の方法としては、前記現像工程の後に、前記永久パターンが形成された前記感光性積層体上の全面を加熱する方法が挙げられる。該全面加熱により、前記永久パターンの表面の膜強度が高められる。
前記全面加熱における加熱温度としては、120〜250℃が好ましく、120〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃未満であると、加熱処理による膜強度の向上が得られないことがあり、250℃を超えると、前記感光性組成物中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることがある。
前記全面加熱における加熱時間としては、10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
〔プリント配線板の製造方法〕
本発明の前記パターン形成方法は、プリント配線板の製造、特にスルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造に好適に使用することができる。以下、本発明のパターン形成方法を利用したプリント配線板の製造方法の一例について説明する。
スルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造方法としては、(1)前記基体としてホール部を有するプリント配線板形成用基板上に、前記パターン形成材料を、その感光層が前記基体側となる位置関係にて積層して感光性積層体を形成し、(2)前記感光性積層体の前記基体とは反対の側から、所望の領域に光照射行い感光層を硬化させ、(3)前記感光性積層体から前記パターン形成材料における支持体を除去し、(4)前記感光性積層体における感光層を現像して、該感光性積層体中の未硬化部分を除去することによりパターンを形成することができる。
なお、前記(3)における前記支持体の除去は、前記(2)と前記(4)との間で行う代わりに、前記(1)と前記(2)との間で行ってもよい。
その後、プリント配線板を得るには、前記形成したパターンを用いて、前記プリント配線板形成用基板をエッチング処理又はメッキ処理する方法(例えば、公知のサブトラクティブ法又はアディティブ法(例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法))により処理すればよい。これらの中でも、工業的に有利なテンティングでプリント配線板を形成するためには、前記サブトラクティブ法が好ましい。前記処理後プリント配線板形成用基板に残存する硬化樹脂は剥離させ、また、前記セミアディティブ法の場合は、剥離後さらに銅薄膜部をエッチングすることにより、所望のプリント配線板を製造することができる。また、多層プリント配線板も、前記プリント配線板の製造法と同様に製造が可能である。
次に、前記パターン形成材料を用いたスルーホールを有するプリント配線板の製造方法について、更に説明する。
まずスルーホールを有し、表面が金属メッキ層で覆われたプリント配線板形成用基板を用意する。前記プリント配線板形成用基板としては、例えば、銅張積層基板及びガラス−エポキシなどの絶縁基体に銅メッキ層を形成した基板又はこれらの基板に層間絶縁膜を積層し、銅メッキ層を形成した基板(積層基板)を用いることができる。
次に、前記パターン形成材料上に保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離して、前記パターン形成材料における感光層が前記プリント配線板形成用基板の表面に接するようにして加圧ローラを用いて圧着する(積層工程)。これにより、前記プリント配線板形成用基板と前記感光性積層体とをこの順に有する感光性積層体が得られる。
前記パターン形成材料の積層温度としては、特に制限はなく、例えば、室温(15〜30℃)又は加熱下(30〜180℃)が挙げられ、これらの中でも、加温下(60〜140℃)が好ましい。
前記圧着ロールのロール圧としては、特に制限はなく、例えば、0.1〜1MPaが好ましい。
前記圧着の速度としては、特に制限はなく、1〜3m/分が好ましい。また、前記プリント配線板形成用基板を予備加熱しておいてもよく、また、減圧下で積層してもよい。
前記感光性積層体の形成は、前記プリント配線板形成用基板上に前記パターン形成材料を積層してもよく、また、前記パターン形成材料製造用の感光性組成物溶液などを前記プリント配線板形成用基板の表面に直接塗布し、乾燥させることにより前記プリント配線板形成用基板上に感光層及び支持体を積層してもよい。
次に、前記感光性積層体の基体とは反対側の面から、光を照射して感光層を硬化させる。なお、この際、必要に応じて(例えば、支持体の光透過性が不十分な場合など)前記支持体を剥離してから露光を行ってもよい。
この時点で、前記支持体を未だ剥離していない場合には、前記感光性積層体から前記支持体を剥離する(剥離工程)。
次に、前記プリント配線板形成用基板上の感光層の未硬化領域を、適当な現像液にて溶解除去して、配線パターン形成用の硬化層とスルーホールの金属層保護用硬化層のパターンを形成し、前記プリント配線板形成用基板の表面に金属層を露出させる(現像工程)。
また、現像後に必要に応じて後加熱処理や後露光処理によって、硬化部の硬化反応を更に促進させる処理をおこなってもよい。現像は上記のようなウエット現像法であってもよく、ドライ現像法であってもよい。
次いで、前記プリント配線板形成用基板の表面に露出した金属層をエッチング液で溶解除去する(エッチング工程)。スルーホールの開口部は、硬化樹脂組成物(テント膜)で覆われているので、エッチング液がスルーホール内に入り込んでスルーホール内の金属メッキを腐食することなく、スルーホールの金属メッキは所定の形状で残ることになる。これより、前記プリント配線板形成用基板に配線パターンが形成される。
前記エッチング液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記金属層が銅で形成されている場合には、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などが挙げられ、これらの中でも、エッチングファクターの点から塩化第二鉄溶液が好ましい。
次に、強アルカリ水溶液などにて前記硬化層を剥離片として、前記プリント配線板形成用基板から除去する(硬化物除去工程)。
前記強アルカリ水溶液における塩基成分としては、特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記強アルカリ水溶液のpHとしては、例えば、約12〜14が好ましく、約13〜14がより好ましい。
前記強アルカリ水溶液としては、特に制限はなく、例えば、1〜10質量%の水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液などが挙げられる。
また、プリント配線板は、多層構成のプリント配線板であってもよい。なお、前記パターン形成材料は上記のエッチングプロセスのみでなく、メッキプロセスに使用してもよい。前記メッキ法としては、例えば、硫酸銅メッキ、ピロリン酸銅メッキ等の銅メッキ、ハイフローはんだメッキ等のはんだメッキ、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)メッキ、スルファミン酸ニッケル等のニッケルメッキ、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキなどが挙げられる。
なお、前記基体が多層配線基板などのプリント配線板である場合は、該プリント配線板上に前記ソルダーレジスト用感光性組成物からなる感光層を形成し、更に、以下のように半田付けを行うことができる。
即ち、前記現像工程により、前記永久パターンである硬化層が形成され、前記プリント配線板の表面に金属層が露出される。該プリント配線板の表面に露出した金属層の部位に対して金メッキを行った後、半田付けを行う。そして、半田付けを行った部位に、半導体や部品などを実装する。このとき、前記硬化層による永久パターンが、保護膜あるいは絶縁膜(層間絶縁膜)としての機能を発揮し、外部からの衝撃や隣同士の電極の導通が防止される。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
ソルダーレジスト用感光性組成物に含まれるバインダーとしてのアルカリ可溶性光架橋性樹脂(P1)〜(P2)(合成例1〜2)、顔料と無機充填剤分散液の調製(合成例13)を以下のように合成した。
(合成例1)
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエピクロンN−695(大日本インキ化学工業製、エポキシ当量=220)220質量部を撹件機及び還流冷却器の付いた四つ口フラスコに入れ、カルビトールアセテート214質量部を加え、加熱溶解した。次に、重合禁止剤としてハイドロキノン0.1質量部と、反応触媒としてジメチルベンジルアミン2.0質量部を加えた。この混合物を95〜105℃に加熱し、アクリル酸72質量部を滴下して、16時間反応させた。この反応物を、80〜90℃まで冷却し、テトラヒドロフタル酸無水物106質量部を加え、8時間反応させ、冷却後、カルビトールアセテート52質量部を添加して、固形分濃度60質量%のアルカリ可溶性光架橋性樹脂(P1)を得た。P1の固形物の酸価は100mgKOH/g、臭素価は39gBr/100g、質量平均分子量は4,020であった。
(合成例2)
撹件装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計、ガス導入管を備えたフラスコにメトキシプロピルアセテート145質量部を取り、窒素置換しながら撹件し120℃に昇温した。次にスチレン10.4質量部、グリシジルメタクリレート71質量部およびジシクロペンテニルアクリレート(日立化成(株)製FA−511A)82質量部からなるモノマー混合物にt−ブチルヒドロパーオキサイド(日本油脂(株)製パーブチルO)を7.6質量部添加した。この混合溶液を滴下ロートから2時間かけてフラスコ中に滴下し、更に120℃で2時間撹件し続けた。次に、フラスコ内を空気置換に替え、アクリル酸34.2質量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.9質量部およびハイドロキノン0.145質量部を、上記フラスコ中に投入し、120℃で6時間反応を続け固形分酸価=0.8となったところで反応を終了し、更に引き続きテトラヒドロフタル酸無水物60.8質量部(生成した水酸基の84.2モル%)、トリエチルアミン0.8質量部を加え120℃で3.5時間反応させ、メトキシプロピルアセテートで固形分濃度が60質量%になるように希釈し、アルカリ可溶性光架橋性ポリマー(P2)を得た。P2の固形分酸価は84mgKOH/g、臭素価は29gBr/100g、質量平均分子量は12,000であった。
(合成例3)
ピグメントブルー15:3を0.80質量部、とピグメントイエロー180を0.7質量部と、P1とP2との質量比1:1混合物の60質量%メトキシプロピルアセテート溶液15質量部を秤量し、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、緑色顔料分散液を得た。
引き続き、無機充填剤である硫酸バリウム18質量部を前記緑色顔料分散液中に混合撹拌し、緑色顔料との共分散液81.4質量部(固形分濃度35質量%)を得た。
(実施例1)
<ソルダーレジスト用感光性組成物塗布液の調製>
下記の各成分を混合し、ソルダーレジスト用感光性組成物塗布液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
合成例1で合成したアルカリ可溶性光架橋性オリゴマー(P1)60質量%溶液・・・31.8質量部
合成例2で合成したアルカリ可溶性光架橋性ポリマー(P2)60質量%溶液・・・31.8質量部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート1004)・・・14.3質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製DPHA)・・・18.9質量部
N−n−ブチル−2−クロロアクリドン(アクリジン誘導体)・・・2.2質量部
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバスペシャルティケミカルス社製、Irgacure819)(中性ラジカル発生剤)・・・5.6質量部
顔料分散液(合成例3)・・・81.4質量部
ジシアンジアミド・・・0.7質量部
イミダゾール誘導体(2,4−ジアミノ−6−{2’−メチルイミダゾール−(1’)}−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物)・・・0.53質量部
界面活性剤(大日本インキ(株)製、F780Fの30質量%メチルエチルケトン溶液)・・・0.07質量部
ハイドロキノンモノメチルエーテル・・・0.07質量部
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−感光性ソルダーレジストフィルム及びソルダーレジストの作製−
前記ソルダーレジスト用感光組成物溶液を、バーコーターにより、30μmの乾燥後厚さになるように25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、ルミラー16QS52)支持体上に塗布し、80℃、30分間熱風循環式乾燥機中で乾燥させて、感光層を形成し、パターン形成材料としての感光性ソルダーレジストフィルムを作製した。得られた感光性ソルダーレジストフィルムを、ラミネータで銅張積層板に積層させ、図35に示すように、銅張積層板3と、感光層2と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)1とがこの順に積層された前記感光性積層体を調製した。圧着条件は、圧着ロール温度105℃、圧着ロール圧力0.3MPa、ラミネート速度1m/分とした。
次いで、所定のパターンを有する青紫色レーザ照射装置を用いて、40mJ/cmで露光した。その後、30℃で1質量%炭酸ナトリウム水溶液により60秒間、1.8MPa(1.8kgf/cm)の圧力でスプレー現像し、未露光部を溶解現像した。得られた画像を用いて、以下に示す方法により、感度、解像度、保存安定性、及びレジストパターンの線幅を評価した。結果を表2に示す。
次に、櫛型電極基板上に同様にして形成した永久パターンとしてのソルダーレジストパターンを150℃で1時間加熱し試験板を作製した。前記試験板について、鉛筆硬度、密着性、耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性、はんだ耐熱性、絶縁抵抗、耐金メッキ性、耐熱衝撃性を評価した。結果を表3に示す。
<最短現像時間>
前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取り、銅張積層板上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーし、炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から銅張積層板上の感光層が溶解除去されるまでに要した時間を測定し、これを最短現像時間(t)とした。
この結果、前記最短現像時間(t)は、20秒であった。
<感度>
前記積層体におけるパターン形成材料の感光層に対し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)側から、前記光照射手段としての405nmのレーザ光源を有するパターン形成装置を用いて、0.1mJ/cmから21/2倍間隔で100mJ/cmまでの光エネルギー量の異なる光を照射して露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。室温にて10分間静置した後、前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、炭酸ナトリウム水溶液(30℃、1質量%)をスプレー圧0.15MPaにて前記最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の領域を溶解除去して、現像により除去された部分以外の部分(硬化領域)の厚みを測定した。次いで、光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得る。こうして得た感度曲線から硬化領域の厚さが30μmとなった時の光エネルギー量を、感光層を硬化させるために必要な最小の光エネルギー量(感度)とした。なお、前記パターン形成装置は、前記DMDからなる光変調手段を有し、前記パターン形成材料を備えている。
<解像度>
前記積層体を室温(23℃、55%RH)にて10分間静置し、該積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上から、前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース=1/1でライン幅5μm〜20μmまで1μm刻みで各線幅の露光を行い、ライン幅20μm〜50μmまで5μm刻みで各線幅の露光を行った。この際の露光量は、前記感度の測定で得られた、パターン形成材料の感光層を硬化させるために必要な最小の光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取った。銅張積層板上の感光層の全面に、前記現像液として炭酸ナトリウム水溶液(30℃、1質量%)をスプレー圧0.15MPaにて前記最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化領域を溶解除去した。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。
<保存安定性(現像性変化)>
得られた感光性ソルダーレジストフィルム(パターン形成材料)を、黒ビニールとアルミ箔との積層構造の遮光性防湿袋(東海アルミ箔株式会社製、BF3X)に入れ、40℃のドライオーブン中で3日間保存した。その後、該フィルムを取り出し、基板に積層してから前述の最短現像時間試験をおこない、その最短現像時間(t)を測定した。
前記最短現像時間(t)を、上述した感光性ソルダーレジストフィルム作成当日の最短現像時間(t)と、t/t比の値で比較した。
この値に基づき、保存安定性を下記のように評価した。
○:1.0〜1.3
△:1.3〜1.8
×:1.8以上
<鉛筆硬度>
前記ソルダーレジストパターン(永久パターン)形成済みの試験板に対して、常法に従い金メッキを行った後、水溶性フラックス処理を行った。次いで、260℃に設定された半田槽に5秒間にわたって、3回浸漬し、フラックスを水洗で除去した。そして、該フラックス除去後の永久パターンについて、JIS K−5400に基づいて、鉛筆硬度を測定した。
その結果、鉛筆硬度は5Hであった。
<密着性>
JIS K−5400に基づいて、硬化後の試験片に1mm×1mmのごばん目を100個作製して、セロハンテープにより剥離試験を行った。ごばん目の剥離状態を観察し、以下の基準で評価した。
○:90/100以上で剥離無し
△:50/100以上〜90/100未満で剥離無し
×:0/100〜50/100未満で剥離無し
<耐溶剤性>
硬化後の試験片をイソプロピルアルコールに室温で30分間浸漬し、外観に異常がないかを確認後、セロハンテープにより剥離試験を行った。その際の塗膜外観を観察し、以下の基準で評価した。
○:塗膜外観に異常がなく、剥離のないもの
×:塗膜外観に異常があるか、あるいは剥離するもの
<耐酸性>
硬化後試験片を10質量%塩酸水溶液に室温で30分間浸漬し、外観に異常がないかを確認後、セロハンテープにより剥離試験を行った。その際の塗膜外観を観察し、以下の基準で評価した。
○:塗膜外観に異常がなく、剥離のないもの
×:塗膜外観に異常があるか、あるいは剥離するもの
<耐アルカリ性>
硬化後の試験片を5質量%水酸化ナトリウム水溶液に室温で30分間浸漬し、外観に異常がないかを確認後、セロハンテープにより剥離試験を行った。その際の塗膜外観を観察し、以下の基準で評価した。
○:塗膜外観に異常が無く、剥離の無いもの
×:塗膜外観に異常が有るか、あるいは剥離するもの
<はんだ耐熱性>
試験片に水溶性フラックスを塗布し、260℃のはんだ槽に10秒間浸漬した。これを1サイクルとして、6サイクル繰り返した後、塗膜外観を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:塗膜外観に異常(剥離、フクレ)が無く、かつ、はんだによる凹みの無いもの
△:まれに異常(剥離、フクレ)が発生するもの
×:塗膜外観に異常(剥離、フクレ)が有るか、あるいははんだによる凹みの有るもの
<絶縁抵抗>
IPC−B−25の櫛型テストパターンBを用い、パターンB用のフォトマスクをかけて、前記青紫色レーザ照射装置により40mJ/cmで全面露光し、30℃60秒間、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像、水洗、乾燥し、150℃1時間での後加熱処理により試験基板を作成した。得られた試験基板について、IPC−SM−840Bの試験方法に従って、25℃、50%RHでの絶縁抵抗を測定し、以下の判定基準により評価した。
[判定基準]
○:絶縁抵抗値が5×10Ω以上
×:絶縁抵抗値が5×10Ω未満
<耐金メッキ性>
ソルダーレジストパターンを形成した試験基板を、30℃の酸性脱脂液(日本マクダーミット製、Metex L−5Bの20体積%水溶液)に3分間浸漬した後、水洗した。
次いで、14.4体積%過硫酸アンモニウム水溶液に室温で3分間浸漬した後、水洗し、更に、10体積%硫酸水溶液に室温で試験基板を1分間浸漬した後、水洗した。
次に、この基板を30℃の触媒液(メルテックス製、メタルプレートアクチベーター350の10体積%水溶液)に7分間浸漬後、水洗し、85℃のニッケルメッキ液(メルテックス製、メルプレートNi−8後、10体積%硫酸水溶液に室温で1分間浸漬後、水洗した。
次いで、試験基板を95℃の金メッキ液(メルテックス製、オウロレクトロレスUP15体積%とシアン化金カリウム3体積%の水溶液、pH6)に10分間浸漬し、無電解金メッキを行った後、水洗して、更に、60℃の温水で3分間浸漬してから、水洗後、乾燥した。得られた無電解金メッキ評価基板を観察し、以下の基準で評価した。
○:全く異常が無いもの
×:メッキ付着不良又はメッキによる凹みが観られたもの
<耐熱衝撃性>
信頼性試験項目として、温度サイクル試験(TCT)によりクラックを以下の基準で評価した。
ここで、TCTは、気相冷熱試験機(エスペック社製、EHS−211MD)を用い、前記試験板を温度が−55℃及び125℃の気相中に各30分間放置し、これを1サイクルとして、1,000サイクルの条件で行った。
○:クラック発生無し
△:浅いクラック発生有り
×:深いクラック発生有り
(実施例2〜7及び比較例1〜6)
実施例1において、アクリジン誘導体及びラジカル発生剤の化合物、含有量のそれぞれを、表1に示すように代えた以外は、実施例1と同様にして、それぞれの例の感光性ソルダーレジストフィルム、感光性積層体、及び基板上にソルダーレジストパターンを加熱した試験板を形成して、前記感光性ソルダーレジストフィルムについて、感度、解像度、及び保存安定性を評価した。結果を表2に示す。
また、前記試験板について、鉛筆硬度、密着性、耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性、はんだ耐熱性、絶縁抵抗、耐金メッキ性、耐熱衝撃性を評価した。結果を表3に示す。
なお、比較例1では、画像を得ることができず、評価することができなかった。
(実施例8)
実施例1において、水素供与体化合物としてN−フェ二ルグリシン0.15質量部を加えた以外は、実施例1と同様にして、感光性ソルダーレジストフィルム、感光性積層体、及び基板上にソルダーレジストパターンを加熱した試験板を形成して、前記感光性ソルダーレジストフィルムについて、感度、解像度、及び保存安定性を評価した。結果を表2に示す。
また、前記試験板について、鉛筆硬度、密着性、耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性、はんだ耐熱性、絶縁抵抗、耐金メッキ性、耐熱衝撃性を評価した。結果を表3に示す。
表1中の各化合物の略称は、以下のように対応している。
SD−1:2−クロル−N−(n−ブチル)アクリドン
SD−2:N−メチルアクリドン
SD−3:N−エチルアクリドン
SD−4:アクリドン
AP−1:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(中性ラジカル発生剤)
AP−2:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジブトキシフェニルホスフィンオキシド(中性ラジカル発生剤)
AP−3:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(中性ラジカル発生剤)
AP−4:ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド(中性ラジカル発生剤)
AP−5:2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(中性でないラジカル発生剤)
AP−6:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン(中性でないラジカル発生剤)
H−1:N−フェニルグリシン
なお、表1中「含有量(質量部)」は、感光層全固形分中の含有量を意味する。
表2及び3の結果から、実施例1〜8の感光性ソルダーレジストフィルムでは、保存安定性が高く、本発明の感光性組成物からなる感光層は、青紫外光レーザに対し高感度であるとともに、黄色安全灯下での光安定性及び熱安定性に優れ、鉛筆硬度、密着性、耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性、はんだ耐熱性、絶縁抵抗、耐金メッキ性、及び耐熱衝撃性いずれもが良好なパターンを形成可能であることが判った。
(実施例9)
−パターン形成材料の製造−
支持体としての16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、16QS52)上に下記の組成からなるドライフィルムレジスト用感光性組成物溶液を塗布し乾燥させて、前記支持体上に15μm厚の感光層を形成し、パターン形成材料を製造した。
[感光性組成物溶液の組成]
フェノチアジン・・・0.0122質量部
メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合体組成(質量比):29/19/52、質量平均分子量:60,000、酸価189、Tg:131℃)・・・50.2質量部
下記構造式(36)で表される重合性モノマー・・・15.7質量部
ヘキサメチレンジイソシアネートとテトラエチレンオキシドモノメタクリレートの1/2モル比付加物・・・14.1質量部
ドデカプロピレングリコールジアクリレート(東亜合成化学社製、M−270)・・・1.57質量部
トリコサエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製、23G)・・・10.5質量部
10−n−ブチル−2−クロロアクリドン(アクリジン誘導体)・・・0.36質量部
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバスペシャルティケミカルス社製、Irgacure819)(中性ラジカル発生剤)・・・4.3質量部
マラカイトグリーンシュウ酸塩・・・0.068質量部
ロイコクリスタルバイオレット・・・0.41質量部
メチルエチルケトン・・・160質量部
1−メトキシ−2−プロパノール・・・80質量部
フッ素系界面活性剤(大日本インキ社製、F780F)・・・0.087質量部
但し、構造式(36)中、m+nは、10を表す。
前記パターン形成材料の感光層の上に、前記保護フィルムとして12μm厚のポリプロピレンフィルム(王子製紙株式会社製、アルファンE−501)を積層し、パターン形成用ドライフィルム材料を得た。
次に、前記基体として、表面を研磨、水洗、乾燥した銅張積層板(スルーホールなし、銅厚み12μm)の表面に、前記パターン形成材料の保護フィルムを剥がしながら、ラミネーター(MODEL8B−720−PH、大成ラミネーター(株)製)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された前記感光性積層体を調製した。
圧着条件は、圧着ロール温度105℃、圧着ロール圧力0.3MPa、ラミネート速度1m/分とした。
前記感光層の感度及び解像度の評価を実施例1と同様にして行うと共に、レジストパターンの線幅を以下に示す方法により評価した。また、前記パターン形成材料について保存安定性を以下に示す方法により評価した。結果を表5に示す。
<保存安定性(感度変化)>
前記パターン形成材料を、黒ビニールとアルミ箔との積層構造の遮光性防湿袋(東海アルミ箔株式会社製、BF3X)に投入し、温度50℃の環境下にて3日間静置し、その後上記と同様の方法により感度(S)を測定し、初期の感度(S)との比より、下記式により感度変動率を算出し、の値を算出し、この値により、下記の評価基準に基づき、保存安定性を評価した。
〔式〕
感度変動率=(S−S)/S×100(%)
〔評価基準〕
○:感度変動率 ±10%未満
×:感度変動率 ±10%以上
<レジストパターンの線幅>
(1)レジスト線幅の測定
前記積層体を室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた積層体のポリエチレンテレフタレート(支持体)上から、前記パターン形成装置を用いて、底部に幅50μm×長さ300μmの穴部が形成されるパターンが、20個形成されるように照射して露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。この際の露光量は、前記感度の測定で得られた、パターン形成材料の感光層を硬化させるために必要な最小の光エネルギー量である。
これを前述の様に現像処理を行い、未硬化の領域を溶解除去した。得られたパターンを光学顕微鏡で観察し、形成されたパターン底部の幅を測定し、この幅の平均値を求め、これをレジストパターンの線幅とした。
(2)レジストパターンの線幅の変動量測定
セーフライト(黄色蛍光灯)(日立社製、FLR40S−Y/M−B)により、500lxの照度(ミノルタ社製、T−1Mにて測定)の光を6時間照射する前の積層体、及び前記照射後の積層体について、(1)の測定方法により、レジストパターンの線幅を測定し、その差の絶対値を、レジストパターンの線幅の変動量として測定した。結果を表5に示す。
(実施例10〜13及び比較例7、8)
実施例9において、アクリジン誘導体及びラジカル発生剤の化合物及び含有量の少なくともいずれかを、表4に示すように代えた以外は、実施例9と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造し、前記感光層の感度、解像度、及びレジストパターンの線幅変動量の評価を行い、前記パターン形成材料について保存安定性を評価した。結果を表5に示す。
(実施例14)
実施例9において、水素供与体化合物としてN−フェ二ルグリシン1.0質量部を加えた以外は、実施例9と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造し、前記感光層の感度、解像度、及びレジストパターンの線幅変動量の評価を行い、前記パターン形成材料について保存安定性を評価した。結果を表5に示す。
(実施例15)
実施例9において、下記に説明するパターン形成装置を用いて下記の方法により露光を行った以外は、実施例9と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造し、前記感光層の感度、解像度、及びレジストパターンの線幅の評価を行い、前記パターン形成材料について保存安定性を評価した。結果を表5に示す。
<パターン形成装置及び露光方法>
前記光照射手段として図8〜9及び図25〜29に示した合波レーザ光源と、前記光変調手段として図6に概略図を示した主走査方向にマイクロミラー58が1024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列された内、1024個×256列のみを駆動するように制御したDMD36と、図5に示した光を前記パターン形成材料に結像する光学系とを有する露光ヘッド30を備えたパターン形成装置10を用いた。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度としては、使用可能な1024列×256行のマイクロミラー58を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも若干大きい角度を採用した。この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の列方向の個数s、使用可能なマイクロミラー58の列方向の間隔p、及び露光ヘッド30を傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1、
spsinθideal≧Nδ(式1)
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、上記のとおり、縦横の配置間隔が等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
pcosθideal=δ(式2)
であり、上記式1は、
stanθideal=N(式3)
であり、s=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度を採用した。
まず、2重露光における解像度のばらつきと露光むらを補正するため、被露光面の露光パターンの状態を調べた。結果を図18に示した。図18においては、ステージ14を静止させた状態でパターン形成材料12の被露光面上に投影される、露光ヘッド3012と3021が有するDMD36の使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示した。また、下段部分に、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を、露光エリア3212と3221について示した。なお、図18では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示したが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図18に示したとおり、露光ヘッド3012と3021の間の相対位置の、理想的な状態からのずれの結果として、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとの双方で、露光エリア3212と3221の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多な領域が生じていることが判る。
前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012ついては露光エリア3212内の光点P(1,1)とP(256,1)の位置を、露光ヘッド3021については露光エリア3221内の光点P(1,1024)とP(256,1024)の位置を検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定した。
実傾斜角度θ´を用いて、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて導出した。露光ヘッド3012についてはT=254、露光ヘッド3021についてはT=255がそれぞれ導出された。その結果、図19において斜線で覆われた部分78及び80を構成するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定された。
その後、図19において斜線で覆われた領域78及び80を構成する光点以外の光点に対応するマイクロミラーに関して、同様にして図19において斜線で覆われた領域82及び網掛けで覆われた領域84を構成する光点に対応するマイクロミラーが特定され、本露光時に使用しないマイクロミラーとして追加された。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しないように制御した。
これにより、露光エリア3212と3221のうち、複数の前記露光ヘッドで形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができる。
なお、表4中の各化合物の略称及び含有量は、表1におけるものと同じ意を表す。
表5の結果から、実施例9〜15の本発明の感光性組成物を用いて感光層を形成してなるパターン形成材料は保存安定性が高く、本発明の感光性組成物からなる感光層は、青紫外光レーザに対し高感度であるとともに、黄色安全灯下での光安定性及び熱安定性に優れ、パターンを高精細に効率よく形成可能であることがわかった。さらに、実施例15の露光方法により形成されたパターンは、線幅の変動量が極めて小さく、高精細であることがわかった。
本発明の感光性組成物、該感光性組成物により形成された感光層を有する前記パターン形成材料及び前記感光性積層体は、青紫外光レーザに対し高感度であるとともに、黄色安全灯下での光安定性及び熱安定性に優れ、保存安定性が極めて高く、パターンを高精細に、かつ、効率よく形成可能であるため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造などに好適に用いることができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。
本発明のパターン形成装置及びパターン形成方法は、本発明の前記感光性積層体を備えているため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造などに好適に用いることができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。
図1は、パターン形成装置の一例の外観を示す斜視図である。 図2は、パターン形成装置のスキャナの構成の一例を示す斜視図である。 図3Aは、感光層の被露光面上に形成される露光済み領域を示す平面図である。 図3Bは、各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す平面図である。 図4は、露光ヘッドの概略構成の一例を示す斜視図である。 図5Aは、露光ヘッドの詳細な構成の一例を示す上面図である。 図5Bは、露光ヘッドの詳細な構成の一例を示す側面図である。 図6は、図1のパターン形成装置のDMDの一例を示す部分拡大図である。 図7Aは、DMDの動作を説明するための斜視図である。 図7Bは、DMDの動作を説明するための斜視図である。 図8は、ファイバアレイ光源の構成の一例を示す斜視図である。 図9は、ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列の一例を示す正面図である。 図10は、露光ヘッドの取付角度誤差及びパターン歪みがある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図11は、1つのDMDによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した上面図である。 図12は、被露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための上面図である。 図13は、選択されたマイクロミラーのみが露光に使用された結果、被露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図である。 図14は、隣接する露光ヘッド間に相対位置のずれがある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図15は、隣接する2つの露光ヘッドによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した上面図である。 図16は、被露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための上面図である。 図17は、図14の例において選択された使用画素のみが実動され、被露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図である。 図18は、隣接する露光ヘッド間に相対位置のずれ及び取付角度誤差がある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図19は、図18の例において選択された使用描素部のみを用いた露光を示す説明図である。 図20Aは、倍率歪みの例を示した説明図である。 図20Bは、ビーム径歪みの例を示した説明図である。 図21Aは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図21Bは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図22は、複数露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図23Aは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図23Bは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図24は、複数露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図25は、マルチモード光ファイバの構成を示す図の一例である。 図26は、合波レーザ光源の構成を示す平面図の一例である。 図27は、レーザモジュールの構成を示す平面図の一例である。 図28は、図27に示すレーザモジュールの構成を示す側面図の一例である。 図29は、図27に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。 図30は、レーザアレイの構成を示す斜視図の一例である。 図31Aは、マルチキャビティレーザの構成を示す斜視図の一例である。 図31Bは、図31Aに示すマルチキャビティレーザをアレイ状に配列したマルチキャビティレーザアレイの斜視図の一例である。 図32は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図33は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図34Aは、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図34Bは、図34Aの光軸に沿った断面図の一例である。 図35は、感光性ソルダーレジストフィルムの層構成を示す説明図である。
符号の説明
1 支持体
2、12 感光層(感光材料)
3 銅張積層板
B1〜B7 レーザビーム
L1〜L7 コリメータレンズ
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
10 パターン形成装置
14 移動ステージ
18 設置台
20 ガイド
22 ゲート
24 スキャナ
26 センサ
28 スリット
30 露光ヘッド
32 露光エリア
36 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
38 ファイバアレイ光源
58 マイクロミラー(描素部)
60 レーザモジュール
62 マルチモード光ファイバ
64 光ファイバ
66 レーザ出射部
110 ヒートブロック
111 マルチキャビティレーザ
113 ロッドレンズ
114 レンズアレイ
140 レーザアレイ
200 集光レンズ

Claims (19)

  1. バインダー、重合性化合物、及び光重合開始系化合物を少なくとも含み、前記光重合開始系化合物が、下記一般式(I)で表されるアクリジン誘導体と中性ラジカル発生剤とを含むことを特徴とする感光性組成物。
    ただし、前記一般式(I)中、Aは、酸素原子、硫黄原子、及びNR10のいずれかを表し、R、R、R、R、R、R、R、R、R、及びR10は、それぞれ独立して、水素原子、及び一価の置換基のいずれかを表し、互いに隣り合う基は結合して環を形成していてもよい。前記一価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。
  2. アクリジン誘導体が、下記一般式(I−a)で表されるアクリドン化合物である請求項1に記載の感光性組成物。
    ただし、前記一般式(I−a)中、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素原子、及び一価の置換基のいずれかを表し、Rは、アルキル基を表す。互いに隣り合う基は結合して環を形成していてもよい。前記一価の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。
  3. 中性ラジカル発生剤が、モノアシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、及びトリアシルホスフィンオキシド化合物の少なくともいずれかである請求項1から2のいずれかに記載の感光性組成物。
  4. アシルホスフィンオキシド化合物が下記一般式(II)で表される化合物である請求項3に記載の感光性組成物。
    ただし、前記一般式(II)中、R11、及びR12は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜12のアルキル基、ベンジル基、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基により1〜4回置換されたフェニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基により1〜4回置換されたフェニル基、シクロヘキシル基、及び下記式(i)中のCOR13で表される基のいずれかであり、さらにR11は−OR14及び下記式(i)で表される基のいずれかであってもよい。R13は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜8のアルキルチオ基、ハロゲン原子により1〜4回置換されたフェニル基、及び下記式(ii)で表される基のいずれかであり、R14は炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、及びベンジル基のいずれかを表す。Yはフェニレン基、炭素原子数1〜12のアルキレン基、及びシクロヘキシレン基のいずれかを表し、Xは炭素原子数1〜18のアルキレン基及び下記式(iii)で表される基のいずれかである。
  5. 水素供与体化合物を含む請求項1から4のいずれかに記載の感光性組成物。
  6. 水素供与体化合物が、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ブタン−1−オン、1−フェニル−2−メルカプト−1,3−ベンズイミダゾール、N−フェニルグリシン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ロイコクリスタルバイオレット、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン−O−アリルオキシム、及びテトラ(n−ブチル)アンモニウム−n−ブチルトリフェニルボラートの少なくともいずれかである請求項5に記載の感光性組成物。
  7. 熱架橋剤及び熱硬化促進剤を含み、バインダーが、アルカリ可溶性光架橋性樹脂を含む請求項1から6のいずれかに記載の感光性組成物。
  8. 一般式(I)で表されるアクリジン誘導体の含有量が、感光性組成物全固形分100質量部に対して2.0〜15.0質量部である請求項7に記載の感光性組成物。
  9. バインダーが、共重合体を含み、該共重合体がスチレン及びスチレン誘導体の少なくともいずれかに由来する構造単位を有する請求項1から6のいずれかに記載の感光性組成物。
  10. 重合性化合物が、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種を含む請求項1から8のいずれかに記載の感光性組成物。
  11. 重合性化合物が、ウレタン基及びアリール基の少なくともいずれかを有するモノマーを含む請求項1から6及び9のいずれかに記載の感光性組成物。
  12. 熱架橋剤が、エポキシ樹脂及び多官能オキセタン化合物のいずれか1種から選択される少なくとも1種である請求項7から8及び10のいずれかに記載の感光性組成物。
  13. 支持体と、該支持体上に請求項1から12のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層とを少なくとも有することを特徴とするパターン形成材料。
  14. 支持体上に、クッション層と感光層とをこの順に有する請求項13に記載のパターン形成材料。
  15. 基体上に、請求項1から12のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を有することを特徴とする感光性積層体。
  16. 請求項15に記載の感光性積層体を備えており、
    光を照射可能な光照射手段と、該光照射手段からの光を変調し、前記感光性積層体における感光層に対して露光を行う光変調手段とを少なくとも有することを特徴とするパターン形成装置。
  17. 請求項15に記載の感光性積層体における感光層に対し、露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とするパターン形成方法。
  18. 露光が、350〜415nmの波長のレーザ光を用いて行われる請求項17に記載のパターン形成方法。
  19. 感光層に対し、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
    前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
    前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、
    前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて行われる請求項17から18のいずれかに記載のパターン形成方法。

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