JP2007025398A - パターン形成方法 - Google Patents

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一誠 鈴木
Takayuki Uemura
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Abstract

【課題】パターン歪みによる露光量のばらつきの影響を均し、パターンの解像度のばらつきや濃度のむらを軽減することにより、前記パターンを高精細に形成可能であり、かつ、厚みが異なる所望のパターンを高精細に形成可能なパターン形成方法を提供する。
【解決手段】支持体上511に、感光層が少なくとも第一感光層512と、前記第一感光層よりも硬化させるための光エネルギー量が少ない第二感光層514とからなるパターン形成材料における前記感光層に対し、光変調手段を備え、走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、指定された前記描素部のみが露光に関与するように前記描素部の制御を行い、前記感光層に対し、走査方向に相対的に移動させて露光を行うことを含むことを特徴とするパターン形成方法である。
【選択図】図35

Description

本発明は、画像データに応じて変調された光を感光層上に結像させて、該感光層を露光するパターン形成方法に関する。
空間光変調素子等で変調された光を結像光学系に通し、この光による像を所定の感光層上に結像し、該感光層を露光する露光装置(パターン形成装置)が公知となっている。該パターン形成装置は、照射された光を各々制御信号に応じて変調する多数の描素部が2次元状に配列されてなる空間光変調素子と、該空間光変調素子に光を照射する光源と、該空間光変調素子により変調された光による像を感光層上に結像する結像光学系とを備えた露光ヘッドを備え、該露光ヘッドを前記感光層の被露光面上に対して相対移動させながら動作させることにより、所望の2次元パターンを前記感光層の被露光面上に形成することができる(非特許文献1及び特許文献1参照)。
前記パターン形成装置の前記露光ヘッドにおいて、空間光変調素子として、一般的に入手可能な大きさのデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を用いる場合等、光源アレイの構成等によっては、単一の露光ヘッドで十分な大きさの露光面積をカバーすることが困難である。そのため、複数の前記露光ヘッドを並列使用し、該露光ヘッドを走査方向に対して傾斜させて用いる形態のパターン形成装置が提案されている。
例えば、特許文献2には、マイクロミラーが矩形格子状に配されたDMDを有する複数の露光ヘッドが走査方向に対して傾斜させられ、傾斜しているDMDの両側部の三角形状の部分が、走査方向と直行する方向に隣接するDMD間で互いに補完し合うような設定で、各露光ヘッドが取り付けられたパターン形成装置が記載されている。
また、特許文献3には、矩形格子状のDMDを有する複数の露光ヘッドが走査方向に対して傾斜させられずに又は微小角だけ傾斜させられ、走査方向と直行する方向に隣接するDMDによる露光領域が所定幅だけ重なり合うような設定で、各露光ヘッドが取り付けられ、各DMDの露光領域間の重なり合い部分に相当する個所において、駆動すべきマイクロミラーの数を一定の割合で漸減又は漸増させ、各DMDによる露光領域を平行四辺形状としたパターン形成装置が記載されている。
しかしながら、前記露光ヘッドを複数用いて、走査方向に対して傾斜させて露光を行う場合、前記露光ヘッド間の相対位置や相対取付角度の微調整は一般に難しく、理想の相対位置及び相対取付角度からわずかにずれるという問題がある。
一方、解像度の向上等のため、前記露光ヘッドを、一の描素部からの光線の走査線が、別の描素部からの光線の走査線と一致するようにして用い、前記感光層の被露光面上の各点を実質的に複数回重ねて露光する多重露光形式のパターン形成装置が提案されている。
たとえば、特許文献4には、被露光面上に形成される2次元パターンの解像度を向上させ、滑らかな斜め線を含むパターンの表現を可能にするため、複数のマイクロミラー(描素部)が2次元状に配された矩形のDMDを、走査方向に対して傾斜させて用い、近接するマイクロミラーからの露光スポットが被露光面上で一部重なり合うようになしたパターン形成装置が記載されている。
また、特許文献5には、やはり矩形のDMDを走査方向に対して傾斜させて用いることによって、被露光面上で露光スポットを重ね合わせて合計の照明色度を変化させることによるカラーイメージの表現や、マイクロレンズの一部欠陥等の要因によるイメージングエラーの抑制を可能としたパターン形成装置が記載されている。
しかしながら、前記多重露光を行う場合においても、前記露光ヘッドの取付角度が理想の設定傾斜角度からずれることにより、露光される前記感光層の被露光面上の個所においては、露光スポットの密度や配列が、他の部分とは異なったものとなり、前記感光層上に結像させる像の解像度や濃度にむらが生じ、さらに、形成したパターンのエッジラフネスが大きくなるという問題がある。
さらに、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれのみならず、前記描素部と前記感光層の被露光面との間の光学系の各種収差や、前記描素部自体の歪み等によって生じるパターン歪みも、前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度や濃度にむらを生じさせる原因となる。
これらの問題に対し、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度の調整精度、及び光学系の調整精度等を向上させる方法が考えられるが、精度の向上を追求すると、製造コストが非常に高くなってしまうという問題がある。
他方、プリント配線板の製造分野においては、配線パターンを、支持体と、その支持体の上に形成された感光層とからなるパターン形成材料(ドライフィルムレジストとも言う)を用いたフォトリソ技術によって形成することが行われている。
例えば、スルーホールを有するプリント配線板の製造の場合、プリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)にスルーホールを形成し、スルーホール内側壁部に金属めっき層を形成した後、基板表面にパターン形成材料の感光層を重ね合わせて密着させ、配線パターン形成領域とスルーホール開口部を含む領域のそれぞれに光を所定のパターン状に照射して露光を行い、感光層を硬化させる。次いで、パターン形成材料の支持体を剥がし取り、配線パターン形成領域上の硬化領域及びスルーホール開口部領域上の硬化領域(テント膜と呼ばれている)以外の未硬化領域を現像液を利用して溶解除去した後、露出した金属層部分をエッチング処理し、その後に硬化領域を除去することにより、基板表面に配線パターンを生成させることが行われている。
上記のテント膜を用いて、スルーホールの金属めっき層を保護する方法は、一般にテンティング法と呼ばれている。また多層構成のプリント配線板においてはビアホールと呼ばれる層間接続用のホールが設けられる場合があり、この場合にも同様に、配線パターン形成時には、テント膜によりビアホール部を保護することが必要である。
近年、プリント配線板への高密度化の要求が高くなってきており、より高い解像度が可能なフォトレジストフィルム(パターン形成材料)が求められている。解像度を高くするためには、その感光層の膜厚を薄くすることが有効である。しかし前述のように、感光層が硬化してなる硬化層は、プリント配線板に形成されたスルーホール又はビアホールを保護する役割もあり、単純に感光層の膜厚を薄くしてしまうと、未硬化領域を溶解除去する工程や露出した金属層部分をエッチング処理する工程で、このテント膜が破れてしまうという問題が発生する。
そこで、厚みが異なる所望のパターンを容易に形成することでき、薄層化により高解像度化が可能であり、破れにくいテント膜を形成することができるパターン形成方法が求められているが、未だ満足なものは提供されていない。
よって、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれ、並びに前記描素部と前記感光層の被露光面との間の光学系の各種収差、及び前記描素部自体の歪み等に起因するパターン歪みによる露光量のばらつきの影響を均し、前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらを軽減することにより、前記パターンを高精細に形成可能であり、かつ、厚みが異なる所望のパターンを高精細に形成可能であり、スルーホールやビアホールなどのホール部を有するプリント配線板を効率よく形成可能なパターン形成方法は未だ提供されておらず、更なる改良開発が望まれているのが現状である。
特開2004−1244号公報 特開2004−9595号公報 特開2003−195512号公報 米国特許第6493867号明細書 特表2001−500628号公報 石川明人"マスクレス露光による開発短縮と量産適用化"、「エレクロトニクス実装技術」、株式会社技術調査会、Vol.18、No.6、2002年、p.74-79
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれ、並びに前記描素部と前記感光層の被露光面との間の光学系の各種収差、及び前記描素部自体の歪み等に起因するパターン歪みによる露光量のばらつきの影響を均し、前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらを軽減することにより、前記パターンを高精細に形成可能であり、かつ、厚みが異なる所望のパターンを高精細に形成可能であり、スルーホールやビアホールなどのホール部を有するプリント配線板を効率よく形成可能なパターン形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光層を2層以上有してなり、該感光層が少なくとも第一感光層と、前記第一感光層よりも硬化させるための光エネルギー量が少ない第二感光層とからなるパターン形成材料における前記感光層に対し、
光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、
前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光を行うことを含むことを特徴とするパターン形成方法である。該<1>に記載のパターン形成方法においては、前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部が指定され、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部が制御される。前記露光ヘッドを、前記感光層に対し走査方向に相対的に移動させて露光が行われることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。さらに、前記感光層が、硬化させるための光エネルギー量(光感度)が異なる複数の感光層が重層されてなるため、所望の領域毎に、所望の厚さ、所望の光透過性、又は所望の膜強度を示す硬化層を形成することができるため、例えば、プリント配線板の製造、特に、スルーホールやビアホールなどのホール部を有するプリント配線板を行う場合、高精細かつ高効率のテンティングを行うことができる。
<2> パターン形成材料における感光層が、支持体上に、第一感光層と、硬化させるための光エネルギー量が前記第一感光層よりも少ない第二感光層とがこの順に積層されてなる前記<1>に記載のパターン形成方法である。
<3> 第一感光層と第二感光層との間に、物質の移動を抑制可能なバリアー層を有する前記<2>に記載のパターン形成方法である。
<4> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<1>から<3>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<2>に記載のパターン形成方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<5> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<4>に記載のパターン形成方法である。該<3>に記載のパターン形成方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域以外に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<6> 設定傾斜角度θが、N重露光数のN、描素部の列方向の個数s、前記描素部の列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態において該露光ヘッドの走査方向と直交する方向に沿った描素部の列方向のピッチδに対し、次式、spsinθideal≧Nδを満たすθidealに対し、θ≧θidealの関係を満たすように設定される前記<1>から<5>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<7> N重露光のNが、3以上の自然数である前記<1>から<6>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<7>に記載のパターン形成方法においては、N重露光のNが、3以上の自然数であることにより、多重描画が行われる。この結果、埋め合わせの効果により、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが、より精密に均される。
<8> 使用描素部指定手段が、
描素部により生成され、被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点位置を、被露光面上において検出する光点位置検出手段と、
前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段と
を備える前記<1>から<7>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<9> 使用描素部指定手段が、N重露光を実現するために使用する使用描素部を、行単位で指定する前記<1>から<8>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<10> 光点位置検出手段が、検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす実傾斜角度θ´を特定し、描素部選択手段が、前記実傾斜角度θ´と設定傾斜角度θとの誤差を吸収するように使用描素部を選択する前記<8>から<9>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<11> 実傾斜角度θ´が、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度の平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかである前記<10>に記載のパターン形成方法である。
<12> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における1行目から前記T行目の前記描素部を、使用描素部として選択する前記<10>から<11>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<13> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における、(T+1)行目からm行目の前記描素部を、不使用描素部として特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する前記<10>から<11>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<14> 描素部選択手段が、複数の描素部列により形成される被露光面上の重複露光領域を少なくとも含む領域において、
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、使用描素部を選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、使用描素部を選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段、及び
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段
のいずれかである前記<8>から<13>に記載のパターン形成方法である。
<15> 描素部選択手段が、複数の露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、及び、
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
のいずれかである前記<8>から<14>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<16> 不使用描素部が、行単位で特定される前記<15>に記載のパターン形成方法である。
<17> 使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、(N−1)列毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光を行う前記<8>から<16>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<17>に記載のパターン形成方法においては、使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、(N−1)列毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光が行われ、略1重描画の単純なパターンが得られる。この結果、前記ヘッド間つなぎ領域における前記描素部が容易に指定される。
<18> 使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、1/N行毎の描素部行を構成する前記描素部のみを使用して参照露光を行う前記<8>から<16>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<18>に記載のパターン形成方法においては、使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、1/N行毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光が行われ、略1重描画の単純なパターンが得られる。この結果、前記ヘッド間つなぎ領域における前記描素部が容易に指定される。
<19> 使用描素部指定手段が、光点位置検出手段としてスリット及び光検出器、並びに描素部選択手段として前記光検出器と接続された演算装置を有する前記<1>から<18>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<20> N重露光のNが、3以上7以下の自然数である前記<1>から<19>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<21> バリアー層が、水又は炭素原子数1〜4の低級アルコールに対して親和性を示す樹脂を主成分として含む前記<3>から<21>に記載のパターン形成材料である。
<22> バリアー層が、水又は炭素原子数1〜4の低級アルコールに対して可溶性の樹脂を主成分として含む前記<3>から<21>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<23> バリアー層の厚みが、0.1〜5μmである前記<3>から<22>いずれかに記載のパターン形成方法である。
<24> 第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度が2〜200である前記<1>から<23>のうちのいずれかに記載のパターン形成方法である。
<25> 第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量BとのA/Bで表される比が、0.005〜0.5である前記<1>から<24>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<26> 第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量CとのC/Aで表される比が、1〜10の範囲になる前記<1>から<25>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<27> 第一感光層と第二感光層のそれぞれが増感剤を含む前記<1>から<26>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<28> 第二感光層に含有されている増感剤の量が第一感光層に含有されている増感剤の量よりも多い前記<27>に記載のパターン形成方法である。
<29> 第二感光層に含有されている光重合開始剤の量が第一感光層に含有されている光重合開始剤の量よりも多い前記<1>から<28>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<30> 第二感光層に含有されている重合性化合物の量が第一感光層に含有されている重合性化合物の量よりも多い前記<1>から<29>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<31> 第一感光層の厚みが、1〜100μmであり、かつ第二感光層の厚みよりも超える前記<1>から<30>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<32> 第二感光層の厚みが、0.1〜15μmである前記<1>から<31>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<33> 支持体が合成樹脂製で、かつ透明である前記<1>から<32>のうちのいずれかに記載のパターン形成方法である。
<34> 支持体が長尺支持体である前記<1>から<33>のうちのいずれかに記載のパターン形成方法である。
<35> パターン形成材料が、第二感光層の上に保護フィルムが配置されてなる前記<1>から<34>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<36> パターン形成材料が、長尺体であって、ロール状に巻かれている前記<1>から<35>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<37> パターン形成材料が、プリント配線板製造用である前記<1>から<36>のうちのいずれかに記載のパターン形成方法である。
<38> 光変調手段が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を更に有してなり、光照射手段から照射される光を該パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて変調させる前記<1>から<37>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<39> パターン情報が表すパターンの所定部分の寸法が、指定された使用描素部により実現できる対応部分の寸法と一致するように前記パターン情報を変換する変換手段を有する前記<1>から<38>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<40> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<1>から<39>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<41> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<40>に記載のパターン形成方法である。
<42> 描素部が、マイクロミラーである前記<1>から<41>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<43> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<1>から<42>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<43>に記載のパターン形成方法においては、前記光照射手段が2以上の光を合成して照射可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記感光層への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、極めて高精細なパターンが形成される。
<44> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する前記<1>から<43>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<44>に記載のパターン形成方法においては、前記光照射手段により、前記複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームが前記集合光学系により集光され、前記マルチモード光ファイバに結合可能とすることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記感光層への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、極めて高精細なパターンが形成される。
<45> 露光が行われた後、感光層の現像を行う前記<1>から<44>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<46> 現像が行われた後、永久パターンの形成を行う前記<45>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<47> 永久パターンが配線パターンであり、該永久パターンの形成がエッチング処理及びメッキ処理の少なくともいずれかにより行われる前記<46>に記載のパターン形成方法である。
<48> 基体がホール部を有し、該ホール部及びその周辺部上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギー量と、該ホール部及びその周辺部を除く領域の上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギー量とが異なる前記<1>から<47>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<48>に記載のパターン形成方法においては、前記ホール部及びその周辺部上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギー量が、前記ホール部及びその周辺部を除く領域の上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギーと異なるため、露光後に現像することにより、前記ホール部及びその周辺部上には、前記ホール部及びその周辺部を除く領域の上と異なる厚み等の硬化膜が形成される。
<49> 基体がホール部を有し、該ホール部及びその周辺部上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギー量をB、該ホール部及びその周辺部を除く領域の上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギー量をAとしたとき、B>Aである前記<48>に記載のパターン形成方法である。該<49>に記載のパターン形成方法においては、特にスルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板基板の場合、該ホール部及びその周辺部の上に位置する感光層に対して照射する光のエネルギー量を、該ホール部及びその周辺部を除く領域の上に位置する感光層(配線部の感光層)のそれより大きくすることによって、前記ホール部及びその周辺部上に形成されるテント膜の厚みを大きくすることができ、現像後の処理における該テント膜の耐久性を向上させることができる。
(パターン形成方法)
本発明のパターン形成方法は、前記支持体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光層を2層以上有してなり、該感光層が少なくとも第一感光層と、前記第一感光層よりも硬化させるための光エネルギー量が少ない第二感光層とからなる前記パターン形成材料における前記感光層に対し、露光を行う露光工程を少なくとも含み、適宜選択したその他の工程を含む。
前記パターン形成材料における感光層は、前記被処理基体上に積層されて露光されることが好ましい。
<露光工程>
前記露光工程は、前記感光層に、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、
前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光を行う工程である。
本発明において「N重露光」とは、前記感光層の被露光面上の露光領域の略すべての領域において、前記露光ヘッドの走査方向に平行な直線が、前記被露光面上に照射されたN本の光点列(画素列)と交わるような設定による露光を指す。ここで、「光点列(画素列)」とは、前記描素部により生成された描素単位としての光点(画素)の並びうち、前記露光ヘッドの走査方向となす角度がより小さい方向の並びを指すものとする。なお、前記描素部の配置は、必ずしも矩形格子状でなくてもよく、たとえば平行四辺形状の配置等であってもよい。 ここで、露光領域の「略すべての領域」と述べたのは、各描素部の両側縁部では、描素部列を傾斜させたことにより、前記露光ヘッドの走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数が減るため、かかる場合に複数の露光ヘッドをつなぎ合わせるように使用したとしても、該露光ヘッドの取付角度や配置等の誤差により、走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数がわずかに増減することがあるため、また、各使用描素部の描素部列間のつなぎの、解像度分以下のごくわずかな部分では、取付角度や描素部配置等の誤差により、走査方向と直交する方向に沿った描素部のピッチが他の部分の描素部のピッチと厳密に一致せず、走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数が±1の範囲で増減することがあるためである。なお、以下の説明では、Nが2以上の自然数であるN重露光を総称して「多重露光」という。さらに、以下の説明では、本発明のパターン形成装置又は露光方法を、描画装置又は描画方法として実施した形態について、「N重露光」及び「多重露光」に対応する用語として、「N重描画」及び「多重描画」という用語を用いるものとする。
前記N重露光のNとしては、2以上の自然数であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3以上の自然数が好ましく、3以上7以下の自然数がより好ましい。
<パターン形成装置>
本発明のパターン形成方法に係るパターン形成装置の一例について図面を参照しながら説明する。
前記パターン形成装置としては、いわゆるフラットベッドタイプのパターン形成装置とされており、図1に示すように、前記パターン形成材料における少なくとも前記感光層が積層されてなるシート状の積層体12(以下、「感光層12」ということがある)を表面に吸着して保持する平板状の移動ステージ14を備えている。4本の脚部16に支持された厚い板状の設置台18の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド20が設置されている。ステージ14は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド20によって往復移動可能に支持されている。なお、このパターン形成装置10には、ステージ14をガイド20に沿って駆動するステージ駆動装置(図示せず)が設けられている。
設置台18の中央部には、ステージ14の移動経路を跨ぐようにコの字状のゲート22が設けられている。コの字状のゲート22の端部の各々は、設置台18の両側面に固定されている。このゲート22を挟んで一方の側にはスキャナ24が設けられ、他方の側には積層体12の先端及び後端を検知する複数(たとえば2個)のセンサ26が設けられている。スキャナ24及びセンサ26はゲート22に各々取り付けられて、ステージ14の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ24及びセンサ26は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
ここで、説明のため、ステージ14の表面と平行な平面内に、図1に示すように、互いに直交するX軸及びY軸を規定する。
ステージ14の走査方向に沿って上流側(以下、単に「上流側」ということがある。)の端縁部には、X軸の方向に向かって開く「く」の字型に形成されたスリット28が、等間隔で10本形成されている。各スリット28は、上流側に位置するスリット28aと下流側に位置するスリット28bとからなっている。スリット28aとスリット28bとは互いに直交するとともに、X軸に対してスリット28aは−45度、スリット28bは+45度の角度を有している。
スリット28の位置は、前記露光ヘッド30の中心と略一致させられている。また、各スリット28の大きさは、対応する露光ヘッド30による露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。また、スリット28の位置としては、隣接する露光済み領域34間の重複部分の中心位置と略一致させてもよい。この場合、各スリット28の大きさは、露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさとする。
ステージ14内部の各スリット28の下方の位置には、それぞれ、後述する使用描素部指定処理において、描素単位としての光点を検出する光点位置検出手段としての単一セル型の光検出器(図示せず)が組み込まれている。また、各光検出器は、後述する使用描素部指定処理において、前記描素部の選択を行う描素部選択手段としての演算装置(図示せず)に接続されている。
露光時における前記パターン形成装置の動作形態はとしては、露光ヘッドを常に移動させながら連続的に露光を行う形態であってもよいし、露光ヘッドを段階的に移動させながら、各移動先の位置で露光ヘッドを静止させて露光動作を行う形態であってもよい。
<<露光ヘッド>>
各露光ヘッド30は、後述する内部のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)36の各描素部(マイクロミラー)列方向が、走査方向と所定の設定傾斜角度θをなすように、スキャナ24に取り付けられている。このため、各露光ヘッド30による露光エリア32は、走査方向に対して傾斜した矩形状のエリアとなる。ステージ14の移動に伴い、感光層12には露光ヘッド30ごとに帯状の露光済み領域34が形成される。図2及び図3Bに示す例では、2行5列の略マトリックス状に配列された10個の露光ヘッドが、スキャナ24に備えられている。
なお、以下において、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド30mnと表記し、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア32mnと表記する。
また、図3A及び図3Bに示すように、帯状の露光済み領域34のそれぞれが、隣接する露光済み領域34と部分的に重なるように、ライン状に配列された各行の露光ヘッド30の各々は、その配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本実施形態では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア3211と露光エリア3212との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア3221により露光することができる。
露光ヘッド30の各々は、図4及び図5に示すように、入射された光を画像データに応じて描素部ごとに変調する光変調手段(描素部ごとに変調する空間光変調素子)として、DMD36(米国テキサス・インスツルメンツ社製)を備えている。このDMD36は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた描素部制御手段としてのコントローラに接続されている。このコントローラのデータ処理部では、入力された画像データに基づいて、露光ヘッド30ごとに、DMD36上の使用領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。また、ミラー駆動制御部では、画像データ処理部で生成した制御信号に基づいて、露光ヘッド30ごとに、DMD36の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。
図4に示すように、DMD36の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア32の長辺方向と一致する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源38、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系40、このレンズ系40を透過したレーザ光をDMD36に向けて反射するミラー42がこの順に配置されている。なお図4では、レンズ系40を概略的に示してある。
上記レンズ系40は、図5に詳しく示すように、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を平行光化する1対の組合せレンズ44、平行光化されたレーザ光の光量分布が均一になるように補正する1対の組合せレンズ46、及び光量分布が補正されたレーザ光をDMD36上に集光する集光レンズ48で構成されている。
また、DMD36の光反射側には、DMD36で反射されたレーザ光を感光層12の被露光面上に結像するレンズ系50が配置されている。レンズ系50は、DMD36と感光層12の被露光面とが共役な関係となるように配置された、2枚のレンズ52及び54からなる。
本実施形態では、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光は、実質的に5倍に拡大された後、DMD36上の各マイクロミラーからの光線が上記のレンズ系50によって約5μmに絞られるように設定されている。
‐光変調手段‐
前記光変調手段としては、n個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された前記描素部を有し、前記パターン情報に応じて前記描素部を制御可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空間光変調素子が好ましい。
前記空間光変調素子としては、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Special Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが挙げられ、これらの中でもDMDが好適に挙げられる。
また、前記光変調手段は、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を有することが好ましい。この場合、前記光変調手段は、前記パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて光を変調させる。
前記制御信号としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル信号が好適に挙げられる。
以下、前記光変調手段の一例について図面を参照しながら説明する。
DMD36は図6に示すように、SRAMセル(メモリセル)56上に、各々描素(ピクセル)を構成する描素部として、多数のマイクロミラー58が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。本実施形態では、1024列×768行のマイクロミラー58が配されてなるDMD36を使用するが、このうちDMD36に接続されたコントローラにより駆動可能すなわち使用可能なマイクロミラー58は、1024列×256行のみであるとする。DMD36のデータ処理速度には限界があり、使用するマイクロミラー数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、このように一部のマイクロミラーのみを使用することにより1ライン当りの変調速度が速くなる。各マイクロミラー58は支柱に支えられており、その表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、本実施形態では、各マイクロミラー58の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向ともに13.7μmである。SRAMセル56は、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのものであり、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
DMD36のSRAMセル(メモリセル)56に、所望の2次元パターンを構成する各点の濃度を2値で表した画像信号が書き込まれると、支柱に支えられた各マイクロミラー58が、対角線を中心としてDMD36が配置された基板側に対して±α度(たとえば±10度)のいずれかに傾く。図7Aは、マイクロミラー58がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図7Bは、マイクロミラー58がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。このように、画像信号に応じて、DMD36の各ピクセルにおけるマイクロミラー58の傾きを、図6に示すように制御することによって、DMD36に入射したレーザ光Bはそれぞれのマイクロミラー58の傾き方向へ反射される。
図6には、DMD36の一部を拡大し、各マイクロミラー58が+α度又はα度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー58のオンオフ制御は、DMD36に接続された上記のコントローラによって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー58で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
‐光照射手段‐
前記光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、LED、半導体レーザ等の公知光源、又は2以上の光を合成して照射可能な手段が挙げられ、これらの中でも2以上の光を合成して照射可能な手段が好ましい。
前記光照射手段から照射される光としては、例えば、支持体を介して光照射を行う場合には、該支持体を透過し、かつ用いられる光重合開始剤や増感剤を活性化する電磁波、紫外から可視光線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられ、これらの中でもレーザ光が好ましく、2以上の光を合成したレーザ(以下、「合波レーザ」と称することがある)がより好ましい。また支持体を剥離してから光照射を行う場合でも、同様の光を用いることができる。
前記紫外から可視光線の波長としては、例えば、300〜1500nmが好ましく、320〜800nmがより好ましく、330nm〜650nmが特に好ましい。
前記レーザ光の波長としては、例えば、200〜1500nmが好ましく、300〜800nmがより好ましく、330nm〜500nmが更に好ましく、400nm〜450nmが特に好ましい。
前記合波レーザを照射可能な手段としては、例えば、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射したレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する手段が好ましい。
以下、前記合波レーザを照射可能な手段(ファイバアレイ光源)について図を参照しながら説明する。
ファイバアレイ光源38は、図8に示すように、複数(たとえば14個)のレーザモジュール60を備えており、各レーザモジュール60には、マルチモード光ファイバ62の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ62の他端には、マルチモード光ファイバ62より小さいクラッド径を有する光ファイバ64が結合されている。図9に詳しく示すように、光ファイバ64のマルチモード光ファイバ62と反対側の端部は走査方向と直交する方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部66が構成されている。
光ファイバ64の端部で構成されるレーザ出射部66は、図9に示すように、表面が平坦な2枚の支持板68に挟み込まれて固定されている。また、光ファイバ64の光出射端面には、その保護のために、ガラス等の透明な保護板が配置されるのが望ましい。光ファイバ64の光出射端面は、光密度が高いため集塵しやすく劣化しやすいが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
このような光ファイバは、例えば、図25に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ62のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ64を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ64の入射端面が、マルチモード光ファイバ62の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ64のコア64aの径は、マルチモード光ファイバ62のコア62aの径と同じ大きさである。
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ62の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ64を、マルチモード光ファイバ62の出射端部と称する場合がある。
マルチモード光ファイバ62及び光ファイバ64としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施の形態では、マルチモード光ファイバ62及び光ファイバ64は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ62は、クラッド径=125μm、コア径=50μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ64は、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2である。
一般に、赤外領域のレーザ光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザから出射された波長405nmのレーザ光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。従って、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
但し、光ファイバのクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバアレイ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ64のクラッド径は10μm以上が好ましい。
レーザモジュール60は、図26に示す合波レーザ光源(ファイバアレイ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック110上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1、LD2、LD3、LD4、LD5、LD6、及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズL1、L2、L3、L4、L5、L6及びL7と、1つの集光レンズ200と、1本のマルチモード光ファイバ62と、から構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザ光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、且つ光ファイバ本数をより減らすことができる。
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。
前記合波レーザ光源は、図27及び図28に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ400内に収納されている。パッケージ400は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋410を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ400の開口をパッケージ蓋410で閉じることにより、パッケージ400とパッケージ蓋410とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
パッケージ400の底面にはベース板420が固定されており、このベース板420の上面には、前記ヒートブロック110と、集光レンズ200を保持する集光レンズホルダー450と、マルチモード光ファイバ62の入射端部を保持するファイバホルダー460とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ62の出射端部は、パッケージ400の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
また、ヒートブロック110の側面にはコリメータレンズホルダー440が取り付けられており、コリメータレンズL1〜L7が保持されている。パッケージ400の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線470がパッケージ外に引き出されている。
なお、図28においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズL7にのみ番号を付している。
図29は、前記コリメータレンズL1〜L7の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズL1〜L7の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズL1〜L7は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図29の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザビームB1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
したがって、各発光点から発せられたレーザビームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズL1〜L7に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズL1〜L7の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザビームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズL1〜L7の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
集光レンズ200は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズL1〜L7の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ200は、焦点距離f=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ200も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
また、DMDを照明する光照射手段に、合波レーザ光源の光ファイバの出射端部をアレイ状に配列した高輝度のファイバアレイ光源を用いているので、高出力で且つ深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。更に、各ファイバアレイ光源の出力が大きくなることで、所望の出力を得るために必要なファイバアレイ光源数が少なくなり、パターン形成装置の低コスト化が図られる。
また、光ファイバの出射端のクラッド径を入射端のクラッド径よりも小さくしているので、発光部径がより小さくなり、ファイバアレイ光源の高輝度化が図られる。これにより、より深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。例えば、ビーム径1μm以下、解像度0.1μm以下の超高解像度露光の場合にも、深い焦点深度を得ることができ、高速且つ高精細な露光が可能となる。したがって、高解像度が必要とされる薄膜トランジスタ(TFT)の露光工程に好適である。
また、前記光照射手段としては、前記合波レーザ光源を複数備えたファイバアレイ光源に限定されず、例えば、1個の発光点を有する単一の半導体レーザから入射されたレーザ光を出射する1本の光ファイバを備えたファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を用いることができる。
また、複数の発光点を備えた光照射手段としては、例えば、図30に示すように、ヒートブロック110上に、複数(例えば、7個)のチップ状の半導体レーザLD1〜LD7を配列したレーザアレイを用いることができる。また、図31Aに示す、複数(例えば、5個)の発光点111aが所定方向に配列されたチップ状のマルチキャビティレーザ110が知られている。マルチキャビティレーザ111は、チップ状の半導体レーザを配列する場合と比べ、発光点を位置精度良く配列できるので、各発光点から出射されるレーザビームを合波し易い。但し、発光点が多くなるとレーザ製造時にマルチキャビティレーザ111に撓みが発生し易くなるため、発光点111aの個数は5個以下とするのが好ましい。
前記光照射手段としては、このマルチキャビティレーザ111や、図31Bに示すように、ヒートブロック110上に、複数のマルチキャビティレーザ111が各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に配列されたマルチキャビティレーザアレイを、レーザ光源として用いることができる。
また、合波レーザ光源は、複数のチップ状の半導体レーザから出射されたレーザ光を合波するものには限定されない。例えば、図32に示すように、複数(例えば、3個)の発光点111aを有するチップ状のマルチキャビティレーザ111を備えた合波レーザ光源を用いることができる。この合波レーザ光源は、マルチキャビティレーザ111と、1本のマルチモード光ファイバ62と、集光レンズ200と、を備えて構成されている。マルチキャビティレーザ111は、例えば、発振波長が405nmのGaN系レーザダイオードで構成することができる。
前記構成では、マルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、集光レンズ200によって集光され、マルチモード光ファイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
マルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aを、上記マルチモード光ファイバ62のコア径と略等しい幅内に並設すると共に、集光レンズ200として、マルチモード光ファイバ62のコア径と略等しい焦点距離の凸レンズや、マルチキャビティレーザ111からの出射ビームをその活性層に垂直な面内のみでコリメートするロッドレンズを用いることにより、レーザビームBのマルチモード光ファイバ62への結合効率を上げることができる。
また、図33に示すように、複数(例えば、3個)の発光点を備えたマルチキャビティレーザ111を用い、ヒートブロック110上に複数(例えば、9個)のマルチキャビティレーザ111が互いに等間隔で配列されたレーザアレイ140を備えた合波レーザ光源を用いることができる。複数のマルチキャビティレーザ111は、各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に配列されて固定されている。
この合波レーザ光源は、レーザアレイ140と、各マルチキャビティレーザ111に対応させて配置した複数のレンズアレイ114と、レーザアレイ140と複数のレンズアレイ114との間に配置された1本のロッドレンズ113と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。レンズアレイ114は、マルチキャビティレーザ110の発光点に対応した複数のマイクロレンズを備えている。
上記の構成では、複数のマルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、ロッドレンズ113により所定方向に集光された後、レンズアレイ114の各マイクロレンズにより平行光化される。平行光化されたレーザビームLは、集光レンズ200によって集光され、マルチモード光フアイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光フアイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
更に他の合波レーザ光源の例を示す。この合波レーザ光源は、図34A及び図34Bに示すように、略矩形状のヒートブロック180上に光軸方向の断面がL字状のヒートブロック182が搭載され、2つのヒートブロック間に収納空間が形成されている。L字状のヒートブロック182の上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ111が、各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に等間隔で配列されて固定されている。
略矩形状のヒートブロック180には凹部が形成されており、ヒートブロック180の空間側上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、その発光点がヒートブロック182の上面に配置されたレーザチップの発光点と同じ鉛直面上に位置するように配置されている。
マルチキャビティレーザ111のレーザ光出射側には、各チップの発光点111aに対応してコリメートレンズが配列されたコリメートレンズアレイ184が配置されている。コリメートレンズアレイ184は、各コリメートレンズの長さ方向とレーザビームの拡がり角が大きい方向(速軸方向)とが一致し、各コリメートレンズの幅方向が拡がり角が小さい方向(遅軸方向)と一致するように配置されている。このように、コリメートレンズをアレイ化して一体化することで、レーザ光の空間利用効率が向上し合波レーザ光源の高出力化が図られると共に、部品点数が減少し低コスト化することができる。
また、コリメートレンズアレイ184のレーザ光出射側には、1本のマルチモード光ファイバ62と、このマルチモード光ファイバ62の入射端にレーザビームを集光して結合する集光レンズ200と、が配置されている。
前記構成では、レーザブロック180、182上に配置された複数のマルチキヤビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、コリメートレンズアレイ184により平行光化され、集光レンズ200によって集光されて、マルチモード光フアイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光フアイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
前記合波レーザ光源は、上記の通り、マルチキャビティレーザの多段配置とコリメートレンズのアレイ化とにより、特に高出力化を図ることができる。この合波レーザ光源を用いることにより、より高輝度なファイバアレイ光源やバンドルファイバ光源を構成することができるので、本発明のパターン形成装置のレーザ光源を構成するファイバ光源として特に好適である。
なお、前記各合波レーザ光源をケーシング内に収納し、マルチモード光ファイバ62の出射端部をそのケーシングから引き出したレーザモジュールを構成することができる。
また、合波レーザ光源のマルチモード光ファイバの出射端に、コア径がマルチモード光ファイバと同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバより小さい他の光ファイバを結合してファイバアレイ光源の高輝度化を図る例について説明したが、例えば、クラッド径が125μm、80μm、60μm等のマルチモード光ファイバを、出射端に他の光ファイバを結合せずに使用してもよい。
<<使用描素部指定手段>>
前記使用描素部指定手段としては、描素単位としての光点の位置を被露光面上において検出する光点位置検出手段と、前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段とを少なくとも備えることが好ましい。
以下、前記使用描素部指定手段による、N重露光に使用する描素部の指定方法の例について説明する。
(1)単一露光ヘッド内における使用描素部の指定方法
本実施形態(1)では、パターン形成装置10により、積層体12に対して2重露光を行う場合であって、各露光ヘッド30の取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
露光ヘッド30の走査方向に対する描素部(マイクロミラー58)の列方向の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも、若干大きい角度を採用するものとする。
この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の列方向の個数s、使用可能なマイクロミラー58の列方向の間隔p、及び露光ヘッド30を傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1、
spsinθideal≧Nδ(式1)
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、上記のとおり、縦横の配置間隔が等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
pcosθideal=δ(式2)
であり、上記式1は、
stanθideal=N(式3)
となる。本実施形態(1)では、上記のとおりs=256、N=2であるので、前記式3より、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。パターン形成装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
図10は、上記のように初期調整されたパターン形成装置10において、1つの露光ヘッド30の取付角度誤差、及びパターン歪みの影響により、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。以下の図面及び説明においては、各描素部(マイクロミラー)により生成され、被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点について、第m行目の光点をr(m)、第n列目の光点をc(n)、第m行第n列の光点をP(m,n)とそれぞれ表記するものとする。
図10の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で積層体12の被露光面上に投影される、使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示し、下段部分は、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を示したものである。
なお、図10では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンを分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図10の例では、設定傾斜角度θを上記の角度θidealよりも若干大きい角度を採用した結果として、また露光ヘッド30の取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度と上記の設定傾斜角度θとが誤差を有する結果として、被露光面上のいずれの領域においても濃度むらが生じている。具体的には、奇数列のマイクロミラーによる露光パターン及び偶数列のマイクロミラーによる露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となり、描画が冗長となる領域が生じ、濃度むらが生じている。
さらに、図10の例では、被露光面上に現れるパターン歪みの一例であって、被露光面上に投影された各画素列の傾斜角度が均一ではなくなる「角度歪み」が生じている。このような角度歪みが生じる原因としては、DMD36と被露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれ、及びDMD36自体の歪みやマイクロミラーの配置誤差等が挙げられる。
図10の例に現れている角度歪みは、走査方向に対する傾斜角度が、図の左方の列ほど小さく、図の右方の列ほど大きくなっている形態の歪みである。この角度歪みの結果として、露光過多となっている領域は、図の左方に示した被露光面上ほど小さく、図の右方に示した被露光面上ほど大きくなっている。
上記したような、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域における濃度むらを軽減するために、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド30ごとに実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として前記光検出器に接続された前記演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
実傾斜角度θ´は、光点位置検出手段が検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす角度により特定される。
以下、図11及び12を用いて、前記実傾斜角度θ´の特定、及び使用画素選択処理について説明する。
−実傾斜角度θ´の特定−
図11は、1つのDMD36による露光エリア32と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。
本実施形態(1)の例では、露光エリア32の略中心に位置する第512列目の光点列と露光ヘッド30の走査方向とがなす角度を、上記の実傾斜角度θ´として測定する。具体的には、DMD36上の第1行目第512列目のマイクロミラー58、及び第256行目第512列目のマイクロミラー58をオン状態とし、それぞれに対応する被露光面上の光点P(1,512)及びP(256,512)の位置を検出し、それらを結ぶ直線と露光ヘッドの走査方向とがなす角度を実傾斜角度θ´として特定する。
図12は、光点P(256,512)の位置の検出手法を説明した上面図である。
まず、第256行目第512列目のマイクロミラー58を点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,512)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図12における右方に相対移動させる。そして、図12において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y1)を、光点P(256,512)の位置として記録する。
次いで、ステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図12における左方に相対移動させる。そして、図12において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y2)を光点P(256,512)の位置として記録する。
以上の測定結果から、光点P(256,512)の被露光面上における位置を示す座標(X,Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。同様の測定により、P(1,512)の位置を示す座標も決定し、それぞれの座標を結ぶ直線と、露光ヘッド30の走査方向とがなす傾斜角度を導出し、これを実傾斜角度θ´として特定する。
‐使用描素部の選択‐
このようにして特定された実傾斜角度θ´を用い、前記光検出器に接続された前記演算装置は、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを導出し、DMD36上の1行目からT行目のマイクロミラーを、本露光時に実際に使用するマイクロミラーとして選択する処理を行う。これにより、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域と、露光不足となる領域との面積合計が最小となるようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
ここで、上記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の面積が最小になり、かつ露光不足となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
図13は、上記のようにして実際に使用するマイクロミラーとして選択されたマイクロミラーが生成した光点のみを用いて行った露光において、図10に示した被露光面上のむらがどのように改善されるかを示した説明図である。
この例では、上記の自然数TとしてT=253が導出され、第1行目から第253行目のマイクロミラーが選択されたものとする。選択されなかった第254行目から第256行目のマイクロミラーに対しては、前記描素部制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。図13に示すとおり、第512列目付近の露光領域では、露光過多及び露光不足は、ほぼ完全に解消され、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光が実現される。
一方、図13の左方の領域(図中のc(1)付近)では、前記角度歪みにより、被露光面上における光点列の傾斜角度が中央付近(図中のc(512)付近)の領域における光線列の傾斜角度よりも小さくなっている。したがって、c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ´に基づいて選択されたマイクロミラーのみによる露光では、偶数列による露光パターン及び奇数列による露光パターンのそれぞれにおいて、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域がわずかに生じてしまう。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光量不足となる領域が互いに補完され、前記角度歪みによる露光むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
また、図13の右方の領域(図中のc(1024)付近)では、前記角度歪みにより、被露光面上における光線列の傾斜角度が、中央付近(図中のc(512)付近)の領域における光線列の傾斜角度よりも大きくなっている。したがって、c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ´に基づいて選択されたマイクロミラーによる露光では、図に示すように、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域がわずかに生じてしまう。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光過多となる領域が互いに補完され、前記角度歪による濃度むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
本実施形態(1)では、上述のとおり、第512列目の光線列の実傾斜角度θ´が測定され、該実傾斜角度θ´を用い、前記式(4)により導出されたTに基づいて使用するマイクロミラー58を選択したが、前記実傾斜角度θ´の特定方法としては、複数の描素部の列方向(光点列)と、前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度をそれぞれ測定し、それらの平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかを実傾斜角度θ´として特定し、前記式4等によって実際の露光時に実際に使用するマイクロミラーを選択する形態としてもよい。
前記平均値又は前記中央値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域と露光不足となる領域とのバランスがよい露光を実現することができる。例えば、露光過多となる領域と、露光量不足となる領域との合計面積が最小に抑えられ、かつ、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるような露光を実現することが可能である。
また、前記最大値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光不足となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光過多となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
さらに、前記最小値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光不足となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光過多となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光不足となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
一方、前記実傾斜角度θ´の特定は、同一の描素部の列(光点列)中の少なくとも2つの光点の位置に基づく方法に限定されない。例えば、同一描素部列c(n)中の1つ又は複数の光点の位置と、該c(n)近傍の列中の1つ又は複数の光点の位置とから求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
具体的には、c(n)中の1つの光点位置と、露光ヘッドの走査方向に沿って直線上かつ近傍の光点列に含まれる1つ又は複数の光点位置とを検出し、これらの位置情報から、実傾斜角度θ´を求めることができる。さらに、c(n)列近傍の光点列中の少なくとも2つの光点(たとえば、c(n)を跨ぐように配置された2つの光点)の位置に基づいて求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(1)の使用描素部の指定方法によれば、各露光ヘッドの取付角度誤差やパターン歪みの影響による解像度のばらつきや濃度のむらを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
(2)複数露光ヘッド間における使用描素部の指定方法<1>
本実施形態(2)では、パターン形成装置10により、積層体12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部マイクロミラー58を使用してちょうど2重露光となる角度θidealを採用するものとする。
この角度θidealは、上記の実施形態(1)と同様にして前記式1〜3から求められる。本実施形態(2)において、パターン形成装置10は、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの角度θidealとなるように、初期調整されているものとする。
図14は、上記のように初期調整されたパターン形成装置10において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれの影響により、被露光面上のパターンに生じる濃度むらの例を示した説明図である。各露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれは、露光ヘッド間の相対位置の微調整が困難であるために生じ得るものである。
図14の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で積層体12の被露光面上に投影される、露光ヘッド3012と3021が有するDMD36の使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示した図である。図14の下段部分は、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を、露光エリア3212と3221について示したものである。
なお、図14では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図14の例では、上記したX軸方向に関する露光ヘッド3012と3021との間の相対位置の、理想的な状態からのずれの結果として、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとの双方で、露光エリア3212と3221の前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光量過多な部分が生じてしまっている。
上記したような、複数の前記露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域に現れる濃度むらを軽減するために、本実施形態(2)では、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021からの光点群のうち、被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を構成する光点のいくつかについて、その位置(座標)を検出する。該位置(座標)に基づいて、前記描素部選択手段として前記光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
−位置(座標)の検出−
図15は、図14と同様の露光エリア3212及び3221と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光ヘッド3012と3021による露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさ、すなわち、露光ヘッド3012と3021により被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を十分覆う大きさとされている。
図16は、一例として露光エリア3221の光点P(256,1024)の位置を検出する際の検出手法を説明した上面図である。
まず、第256行目第1024列目のマイクロミラーを点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,1024)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図16における右方に相対移動させる。そして、図16において二点鎖線で示すように、光点P(256,1024)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y1)を、光点P(256,1024)の位置として記録する。
次いで、ステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図16における左方に相対移動させる。そして、図16において二点鎖線で示すように、光点P(256,1024)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y2)を、光点P(256,1024)として記録する。
以上の測定結果から、光点P(256,1024)の被露光面における位置を示す座標(X,Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。
−不使用描素部の特定−
図14の例では、まず、露光エリア3212の光点P(256,1)の位置を、上記の光点位置検出手段としてスリット28と光検出器の組により検出する。続いて、露光エリア3221の第256行目の光点行r(256)上の各光点の位置を、P(256,1024)、P(256,1023)・・・と順番に検出していき、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示す露光エリア3221の光点P(256,n)が検出されたところで、検出動作を終了する。そして、露光エリア3221の光点光点列c(n+1)からc(1024)を構成する光点に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラー(不使用描素部)として特定する。
例えば、図14において、露光エリア3221の光点P(256,1020)が、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示し、その露光エリア3221の光点P(256,1020)が検出されたところで検出動作が終了したとすると、図17において斜線で覆われた部分70に相当する露光エリア3221の第1021行から第1024行を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
次に、N重露光の数Nに対して、露光エリア3212の光点P(256,N)の位置が検出される。本実施形態(2)では、N=2であるので、光点P(256,2)の位置が検出される。
続いて、露光エリア3221の光点列のうち、上記で本露光時に使用しないマイクロミラーに対応する光点列として特定されたものを除き、最も右側の第1020列を構成する光点の位置を、P(1,1020)から順番にP(1,1020)、P(2,1020)・・・と検出していき、露光エリア3212の光点P(256,2)よりも大きいX座標を示す光点P(m,1020)が検出されたところで、検出動作を終了する。
その後、前記光検出器に接続された演算装置において、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,1020)及びP(m−1,1020)のX座標とが比較され、露光エリア3221の光点P(m,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーが本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
また、露光エリア3221の光点P(m−1,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。
さらに、露光エリア3212の光点P(256,N−1)すなわち光点P(256,1)の位置と、露光エリア3221の次列である第1019列を構成する各光点の位置についても、同様の検出処理及び使用しないマイクロミラーの特定が行われる。
その結果、たとえば、図17において網掛けで覆われた領域72を構成する光点に対応するマイクロミラーが、実際の露光時に使用しないマイクロミラーとして追加される。これらのマイクロミラーには、常時、そのマイクロミラーの角度をオフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に使用されない。
このように、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定し、該使用しないマイクロミラーを除いたものを、実際の露光時に使用するマイクロミラーとして選択することにより、露光エリア3212と3221の前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができ、図17の下段に示すように、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光を実現することができる。
なお、上記の例においては、図17において網掛けで覆われた領域72を構成する光点の特定に際し、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,1020)及びP(m−1,1020)のX座標との比較を行わずに、ただちに、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域の面積が最小になり、かつ露光不足となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
さらに、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重描画に対して露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、実際に使用するマイクロミラーを選択することとしてもよい。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(2)の使用描素部の指定方法によれば、複数の露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
(3)複数露光ヘッド間における使用描素部の指定方法<2>
本実施形態(3)では、パターン形成装置10により、積層体12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の理想的な状態からのずれ、並びに各露光ヘッドの取付角度誤差、及び2つの露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度としては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部(マイクロミラー58)を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも若干大きい角度を採用するものとする。
この角度θidealは、前記式1〜3を用いて上記(1)の実施形態と同様にして求められる値であり、本実施形態では、上記のとおりs=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。パターン形成装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
図18は、上記のように各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度が初期調整されたパターン形成装置10において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)の取付角度誤差、並びに各露光ヘッド3012と3021間の相対取付角度誤差及び相対位置のずれの影響により、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。
図18の例では、図14の例と同様の、X軸方向に関する露光ヘッド3012と3021の相対位置のずれの結果として、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、露光エリア3212と3221の被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光量過多な領域74が生じ、これが濃度むらを引き起こしている。
さらに、図18の例では、各露光ヘッドの設定傾斜角度θを前記式(1)を満たす角度θidealよりも若干大きくしたことによる結果、及び各露光ヘッドの取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度が上記の設定傾斜角度θからずれてしまったことの結果として、被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域以外の領域でも、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域である描素部列間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多となる領域76が生じ、これがさらなる濃度むらを引き起こしている。
本実施形態(3)では、まず、各露光ヘッド3012と3021の取付角度誤差及び相対取付角度のずれの影響による濃度むらを軽減するための使用画素選択処理を行う。
具体的には、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて、実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
−実傾斜角度θ´の特定−
実傾斜角度θ´の特定は、露光ヘッド3012ついては露光エリア3212内の光点P(1,1)とP(256,1)の位置を、露光ヘッド3021については露光エリア3221内の光点P(1,1024)とP(256,1024)の位置を、それぞれ上述した実施形態(2)で用いたスリット28と光検出器の組により検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定することにより行われる。
−不使用描素部の特定−
そのようにして特定された実傾斜角度θ´を用いて、光検出器に接続された演算装置は、上述した実施形態(1)における演算装置と同様、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて導出し、DMD36上の第(T+1)行目から第256行目のマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定する処理を行う。
例えば、露光ヘッド3012についてはT=254、露光ヘッド3021についてはT=255が導出されたとすると、図19において斜線で覆われた部分78及び80を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。これにより、露光エリア3212と3221のうちヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができる。
ここで、上記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光量過多となる面積が最小になり、かつ露光量不足となる面積が生じないようになすことができる。
あるいは、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようになすことができる。
複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、本露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
その後、図19において斜線で覆われた領域78及び80を構成する光点以外の光点に対応するマイクロミラーに関して、図14から17を用いて説明した本実施形態(3)と同様の処理がなされ、図19において斜線で覆われた領域82及び網掛けで覆われた領域84を構成する光点に対応するマイクロミラーが特定され、本露光時に使用しないマイクロミラーとして追加される。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(3)の使用描素部の指定方法によれば、複数の露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれ、並びに各露光ヘッドの取付角度誤差、及び露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
以上、パターン形成装置10による使用描素部指定方法ついて詳細に説明したが、上記実施形態(1)〜(3)は一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。
また、上記の実施形態(1)〜(3)では、被露光面上の光点の位置を検出するための手段として、スリット28と単一セル型の光検出器の組を用いたが、これに限られずいかなる形態のものを用いてもよく、たとえば2次元検出器等を用いてもよい。
さらに、上記の実施形態(1)〜(3)では、スリット28と光検出器の組による被露光面上の光点の位置検出結果から実傾斜角度θ´を求め、その実傾斜角度θ´に基づいて使用するマイクロミラーを選択したが、実傾斜角度θ´の導出を介さずに使用可能なマイクロミラーを選択する形態としてもよい。さらには、たとえばすべての使用可能なマイクロミラーを用いた参照露光を行い、参照露光結果の目視による解像度や濃度のむらの確認等により、操作者が使用するマイクロミラーを手動で指定する形態も、本発明の範囲に含まれるものである。
なお、被露光面上に生じ得るパターン歪みには、上記の例で説明した角度歪みの他にも、種々の形態が存在する。
一例としては、図20Aに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる倍率で露光面上の露光エリア32に到達してしまう倍率歪みの形態がある。
また、別の例として、図20Bに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なるビーム径で被露光面上の露光エリア32に到達してしまうビーム径歪みの形態もある。これらの倍率歪み及びビーム径歪みは、主として、DMD36と被露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれに起因して生じる。
さらに別の例として、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる光量で被露光面上の露光エリア32に到達してしまう光量歪みの形態もある。この光量歪みは、各種収差やアラインメントずれのほか、DMD36と被露光面間の光学要素(たとえば1枚レンズである図5のレンズ52及び54)の透過率の位置依存性や、DMD36自体による光量むらに起因して生じる。これらの形態のパターン歪みも、被露光面上に形成されるパターンに解像度や濃度のむらを生じさせる。
上記の実施形態(1)〜(3)によれば、本露光に実際に使用するマイクロミラーを選択した後の、これらの形態のパターン歪みの残留要素も、上記の角度歪みの残留要素と同様、多重露光による埋め合わせの効果で均すことができ、解像度や濃度のむらを、各露光ヘッドの露光領域全体にわたって軽減することができる。
<<参照露光>>
上記の実施形態(1)〜(3)の変更例として、使用可能なマイクロミラーのうち、(N−1)列おきのマイクロミラー列、又は全光点行のうち1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行い、均一な露光を実現できるように、前記参照露光に使用されたマイクロミラー中、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
前記参照露光手段による参照露光の結果をサンプル出力し、該出力された参照露光結果に対し、解像度のばらつきや濃度のむらを確認し、実傾斜角度を推定するなどの分析を行う。前記参照露光の結果の分析は、操作者の目視による分析であってもよい。
図21は、単一露光ヘッドを用い、(N−1)列おきのマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図21Aに実線で示した奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図21Bに斜線で覆って示す光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点列を構成するマイクロミラー中、本露光において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列の光点列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図22は、複数の露光ヘッドを用い、(N−1)列おきのマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図22に実線で示した、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)の奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図22に斜線で覆って示す領域86及び網掛けで示す領域88内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点を構成するマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列目の画素列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に実際に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図23は、単一露光ヘッドを用い、全光点行数の1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図23Aに実線で示した1行目から128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図23Bに斜線で覆って示す光点群に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定され得る。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、全体のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図24は、複数の露光ヘッドを用い、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)について、それぞれ全光点行数の1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図24に実線で示した第1行目から第128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを最小限に抑えた本露光が実現できるように、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図24に斜線で覆って示す領域90及び網掛けで示す領域92内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
以上の実施形態(1)〜(3)及び変更例においては、いずれも本露光を2重露光とする場合について説明したが、これに限定されず、2重露光以上のいかなる多重露光としてもよい。特に3重露光から7重露光程度とすることにより、高解像度を確保し、解像度のばらつき及び濃度むらが軽減された露光を実現することができる。
また、上記の実施形態及び変更例に係るパターン形成装置には、さらに、画像データが表す2次元パターンの所定部分の寸法が、選択された使用画素により実現できる対応部分の寸法と一致するように、画像データを変換する機構が設けられていることが好ましい。そのように画像データを変換することによって、所望の2次元パターンどおりの高精細なパターンを被露光面上に形成することができる。
[積層体]
前記露光工程における露光の対象としては、前記支持体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む前記感光層を2層以上有してなり、該感光層が少なくとも第一感光層と、前記第一感光層よりも硬化させるための光エネルギー量が少ない第二感光層とからなるパターン形成材料における前記感光層である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記パターン形成材料における感光層を被処理基体上に積層してなる積層体の前記感光層に対して露光が行われることが好ましい。
<パターン形成材料>
前記パターン形成材料としては、前記支持体上に、少なくとも前記感光層を有し、適宜選択したバリアー層、及びクッション層等のその他の層を含む。
−感光層−
前記感光層としては、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含み、適宜選択したその他の成分を含むものが好ましい。
前記感光層を二層有する前記パターン形成材料の一例を図35〜38に示す。
図35では、パターン形成材料510が、支持体511と、第一感光層512と、第二感光層514との順で積層されている。前記第一感光層512及び前記第二感光層514は、前記バインダーと、前記重合性化合物と、前記光重合開始剤とを含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射により硬化する。該パターン形成材料は、前記第二感光層514が、前記第一感光層512よりも硬化させるための光エネルギー量が少ない、すなわち、相対的に光感度が高い点に特徴がある。ここで、前記光感度とは、それぞれの感光層が硬化するのに必要な光エネルギー量に相当し、前記光感度が高いとは、前記第二感光層514の硬化が、前記第一感光層512よりも少ない光の照射量で開始すること、または、前記第二感光層514の硬化が、前記第一感光層512よりも少ない光の照射量で完了することを意味する。
前記パターン形成材料は、前記第一感光層と、前記第二感光層との間にバリアー層を配置することが好ましい。図36は、前記第一感光層512と、前記第二感光層514との間に、前記バリアー層513を有するパターン形成材料の断面図の一例を表す。
図37及び図38は、図35及び図36の前記パターン形成材料に、保護フィルム515が積層されたパターン形成材料である。
前記第一感光層、前記バリアー層、及び前記第二感光層の厚みはそれぞれ、目的に応じて選択することができ、例えば、1〜100μmが好ましく、5〜80μmがより好ましく、10〜50μmが特に好ましい。
前記第一感光層の厚みが、1μm未満であると、膜強度を強くするには好ましくない場合があり、100μmを超えると、現像残渣が残りやすくなるなどの問題が発生することがある。前記第一感光層の厚みは、前記第二感光層の厚みよりも大きいほうが好ましい。
前記バリアー層の厚みは、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜5μmが好ましく、0.5〜4μmより好ましく、1〜3μmが特に好ましい。
前記バリアー層の厚みが、0.1μm未満であると、充分なバリアー性が得られない場合があり、5μmを超えると、現像に長時間を要するようになる。
前記第二感光層の厚みは、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜15μmが好ましく、1〜12μmがより好ましく、3〜10μmが特に好ましい。
前記第二感光層の厚みが、0.1μm未満であると、塗布の際の厚みのムラがでやすくなり、15μmを超えると、解像性が低下するなどの問題が発生する。
前記パターン形成材料の層構成は、図35〜図38で図示した層構成に限定されるものではなく、図35〜図38で示したもの以外の層を有してもよい。例えば、支持体511と第一感光層512との間、及び保護フィルム515と第二感光層514との間とに、前記支持体又は基板との剥離性や密着力を調整する層、ハレーション防止層、及び前記バリアー層などを設けてもよい。この場合のバリアー層は、前記感光層、前記支持体、及び前記保護フィルムに含まれる物質の移行防止や移行の抑制、酸素や湿度などの外的影響を防止したり、抑制したりする役割等を有する。
次に、前記パターン形成材料及び前記積層体における、前記光の照射量と前記感光層の硬化量との関係を、図39を参照しながら説明する。
図39は、前記感光層に光を照射したときの前記光の照射量(露光)と、現像処理により生成する前記硬化層の厚みとの関係を示すグラフ(感度曲線)である。
具体的には、図35に示したパターン形成材料、又は図37に示した前記パターン形成材料から前記保護フィルムを剥離した前記パターン形成材料を、前記基板上に転写して、積層体を形成させる。次に、前記基板とは反対の側から、前記支持体を有している場合には、前記支持体を通して、又は必要に応じて前記支持体を剥離して、前記感光層に光を照射したときの前記光の照射量(露光)と、前記現像処理により生成する前記硬化層の厚みとの関係を示すグラフ(感度曲線)である。
図39では、横軸は、光の照射量を表し、縦軸は、光の照射により硬化させ、現像処理を行った後に得られた前記硬化層の厚みを表す。前記縦軸のDは、前記第二感光層から形成される硬化層の厚みを、Eは、前記第一感光層から形成される前記硬化層の厚みと、前記第二感光層から形成される前記硬化層の厚みとを合計した厚みを表す。
図39に示すように、前記支持体側から照射した光は、前記支持体を有する場合は、前記支持体と、前記第一感光層と、前記第二感光層との順に進み、前記第二感光層の硬化は、前記第一感光層よりも先に、少ない光エネルギー量で始まる。前記第二感光層の全体が硬化した後、前記光エネルギー量を増加すると、前記第一感光層の硬化が始まり、さらに前記光エネルギー量を多くすると、前記第一感光層の全体が硬化する。
前記第一感光層の感度と、第二感光層の感度との関係については、前記第一感光層の光感度を1とした場合において、前記第二感光層の光感度が、2〜200が好ましく、2.5〜100がより好ましく、3〜50が特に好ましい。
前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量Cは、前記第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと同量であってもよいが、前記光エネルギー量Aよりも大きい方が好ましい。
図36及び図38に示すパターン形成材料のように、前記第一感光層と、前記第二感光層との間に前記バリアー層を有する場合でも、図39と同様の光の照射量と硬化層の厚みの関係が得られる。この場合の前記Eは、前記第一感光層から形成された硬化層の厚みと、前記第二感光層から形成された硬化層の厚みと、前記バリアー層の厚みとの合計を表す。
前記パターン形成材料は、三層以上の感光層を有してもよい。
前記感光層が、三層の場合の断面図を図40に示す。また、各感光層の間に前記バリアー層553を有する場合を図41に、図40の感光層の上に保護フィルム556を有する場合を図42に、図41の感光層の上に前記保護フィルム556を有する場合を図43に示す。
図40〜図43に示すパターン形成材料550において、前記支持体は551で表わされ、前記支持体551の上に、前記第一感光層552と、前記第二感光層554と、前記第三感光層55とが、順次積層されている。図41に示すパターン形成材料550では、前記第一感光層552と、前記第二感光層554との間と、前記第二感光層554と、前記第三感光層555との間に、前記バリアー層553が設けられている。図42は、図6に示す前記パターン形成材料に前記保護フィルム556が設けられており、図43は、図41に示すパターン形成材料に前記保護層556が設けられている。
前述の三層の感光層を有する場合では、各感光層は、前記支持体に近い側の感光層の感度に比べて、前記支持体から離れた側の感光層の感度が相対的に高くなる。すなわち、前記感光層の感度は、前記第三感光層が最も高く、次いで前記第二感光層が高く、前記第一感光層の感度が最も低い。
図40〜43に示した構成のパターン形成材料を用い、前記パターン形成に用いる光エネルギー量を必要な領域に応じて、前記第三感光層のみを硬化させる光エネルギー量Xと、前記第三感光層と、前記第二感光層とを硬化させる光エネルギー量Yと、前記第三感光層と、前記第二感光層と、前記第一感光層とを硬化させる光エネルギー量Zと、前記光照射量とを変化させる。図44に示したように、基板557の上に、前記第三感光層555のみを、硬化させた厚みを有する領域と、前記第三感光層555と、前記第二感光層554とを硬化させた厚みを有する領域と、前記第三感光層555と、前記第二感光層554と、前記第一感光層552とを硬化させた厚みを有する領域とを含む三段階の異なる厚みを有するパターンを、一種類のパターン形成材料で形成することが可能になる。
前記感光層が、N層(感光層の数がN)で、前記支持体に近い側の感光層の感度に比べて、前記支持体から離れた側の感光層の感度が、相対的に高いパターン形成材料を用いれば、N段階の異なる厚みを有する硬化層パターンを、一種類のパターン形成材料で形成することが可能になる。
前記パターン形成材料は、前記露光量に応じて、前記露光及び現像処理により得られる硬化層の厚みを、所望の厚みとすることが可能であり、前記露光量のパターンを必要に応じて変更することにより、前記基板に最も近い感光層のみを硬化させる領域から、順次、厚みを変えて全ての感光層を硬化させる領域まで、作り分けることが可能である。すなわち、画像の内部で厚みが異なる三次元造形をする、所望の領域の膜の強度を高くする、所望の領域のみの画像濃度を高める等の特性を付与した硬化樹脂画像を作製するなどを、一種類のパターン形成材料で形成することが可能となる。
前記パターン形成材料を、プリント配線板の製造、特に、前記スルーホール又は前記ビアホール(以下、これらをホール部と称することがある。)を有するプリント配線板の製造などに用いると、前記配線パターン形成領域には相対的に厚みが薄く、高解像の硬化層を形成し、前記スルーホール又は前記ビアホールには相対的に厚みの高い、高強度の硬化層を形成することができる。すなわち、前記パターン形成材料を用いることにより、前記テンティング法として、充分な前記テント膜強度を有し、かつ高解像度の硬化樹脂パターンを容易に形成することができる。
前記感度曲線を有するパターン形成材料は、各感光層の感度を、前記支持体に近い側から前記支持体から離れた側に向かうに従って、順次相対的に高くすることで実現できる。前記感光層を二層以上とし、前記感光層の感度を、順次相対的に高くする方法としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高感度の開始剤を用いる、増感剤を用いる、光重合開始剤及又は増感剤の含有量を増量する、前記感光層中の前記重合性化合物の含有率を多くする、重合抑制剤又は重合禁止剤の割合を少なくするなどの手法によって得ることができる。
特に、前記感光層が二層の場合であれば、前記高感度の開始剤を用いる、前記第二感光層に前記増感剤を添加する、前記第二感光層中の前記光重合開始剤又は前記増感剤の含有量を、前記第一感光層より多くする、前記第二感光層中の重合性化合物の含有率を前記第一感光層より多くするなどの手法により得ることができる。
前記支持体上に、前記バインダー、前記重合性化合物、前記光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる前記第一感光層と、前記バインダー、前記重合性化合物、及び前記光重合開始剤を含む前記感光性樹脂組成物で形成され、前記第一感光層の光感度よりも高い光感度を示す第二感光層とが、この順に積層されてなるパターン形成材料、又は前記第一感光層と、前記第二感光層との間に前記バリアー層が配置されているパターン形成材料を用いて、画像パターン(硬化樹脂パターン)を形成する場合において、前記第二感光層の硬化が始まる光エネルギー量Sとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.05〜10mJ/cmが好ましく、0.1〜5mJ/cm2がより好ましく、0.15〜2.5mJ/cm2が特に好ましい。
また、第二感光層を硬化させるために必要な、前記光エネルギー量Aとしては、0.1〜20mJ/cm2が好ましく、0.2〜15mJ/cm2より好ましく、0.4〜10mJ/cm2が特に好ましい。
前記第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと、第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bとの比(A/B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.005〜0.5が好ましく、0.01〜0.4がより好ましく、0.02〜0.35が特に好ましい。
前記第二感光層を硬化させるために必要な、前記光エネルギー量Aと、前記第一感光層の硬化が始まるまで必要な、前記光エネルギー量Cとの比(C/A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することでき、例えば、1〜10が好ましく、さらに1.1〜9が好ましく、特に1.3〜8が好ましい。
前記光エネルギー量Cとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜200mJ/cm2が好ましく、1〜100mJ/cm2がより好ましく、2〜50mJ/cm2が特に好ましい。
<<バインダー>>
前記バインダーとしては、例えば、アルカリ性水溶液に対して膨潤性であることが好ましく、アルカリ性水溶液に対して可溶性であることがより好ましい。
アルカリ性水溶液に対して膨潤性又は溶解性を示すバインダーとしては、例えば、酸性基を有するものが好適に挙げられる。
前記酸性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられ、これらの中でもカルボキシル基が好ましい。
カルボキシル基を有するバインダーとしては、例えば、カルボキシル基を有するビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂、変性エポキシ樹脂などが挙げられ、これらの中でも、塗布溶媒への溶解性、アルカリ現像液への溶解性、合成適性、膜物性の調整の容易さ等の観点からカルボキシル基を有するビニル共重合体が好ましい。また、現像性の観点から、スチレン及びスチレン誘導体の少なくともいずれかの共重合体も好ましい。
前記カルボキシル基を有するビニル共重合体は、少なくとも(1)カルボキシル基を有するビニルモノマー、及び(2)これらと共重合可能なモノマーとの共重合により得ることができる。
前記カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、水酸基を有する単量体(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)と環状無水物(例えば、無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物)との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の無水物を有するモノマーを用いてもよい。
前記その他の共重合可能なモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類(例えば、スチレン、スチレン誘導体等)、(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(例えば、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール等)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸モノ(2―アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2―アクリロイルオキシエチルエステル)、官能基(例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基)を有するビニルモノマーなどが挙げられ、これらの中でも配線パターンなどの永久パターンを高精細に形成することができる点、及び前記パターンのテント性を向上させることができる点で、前記スチレン類(スチレン及びスチレン誘導体)が好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、β−フェノキシエトキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記クロトン酸エステル類としては、例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
前記マレイン酸ジエステル類としては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記フマル酸ジエステル類としては、例えば、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。
前記イタコン酸ジエステル類としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
前記スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えば、t−Boc等)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
前記ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
前記官能基を有するビニルモノマーの合成方法としては、例えば、イソシアナート基と水酸基又はアミノ基の付加反応が挙げられ、具体的には、イソシアナート基を有するモノマーと、水酸基を1個含有する化合物又は1級若しくは2級アミノ基を1個有する化合物との付加反応、水酸基を有するモノマー又は1級若しくは2級アミノ基を有するモノマーと、モノイソシアネートとの付加反応が挙げられる。
前記イソシアナート基を有するモノマーとしては、例えば、下記構造式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。
但し、前記構造式(1)〜(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
前記モノイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、トルイルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、フェニルイソシアネート等が挙げられる。
前記水酸基を有するモノマーとしては、例えば、下記構造式(4)〜(12)で表される化合物が挙げられる。
但し、前記構造式(4)〜(12)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、nは1以上の整数を表す。
前記水酸基を1個含有する化合物としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i―プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−オクタデカノール、シクロペンタノール、シクロへキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等)、フェノール類(例えば、フェノール、クレゾール、ナフトール等)、更に置換基を含むものとして、フロロエタノール、トリフロロエタノール、メトキシエタノール、フェノキシエタノール、クロロフェノール、ジクロロフェノール、メトキシフェノール、アセトキシフェノール等が挙げられる。
前記1級又は2級アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、ビニルベンジルアミンなどが挙げられる。
前記1級又は2級アミノ基を1個含有する化合物としては、例えば、アルキルアミン(メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i―プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン)、環状アルキルアミン(シクロペンチルアミン、シクロへキシルアミン等)、アラルキルアミン(ベンジルアミン、フェネチルアミン等)、アリールアミン(アニリン、トルイルアミン、キシリルアミン、ナフチルアミン等)、更にこれらの組合せ(N−メチル−N−ベンジルアミン等)、更に置換基を含むアミン(トリフロロエチルアミン、ヘキサフロロイソプロピルアミン、メトキシアニリン、メトキシプロピルアミン等)などが挙げられる。
また、上記以外の前記その他の共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、ヒドロキシスチレンなどが好適に挙げられる。
前記その他の共重合可能なモノマーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル共重合体は、それぞれ相当するモノマーを公知の方法により常法に従って共重合させることで調製することができる。例えば、前記モノマーを適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用することにより調製することができる。また、水性媒体中に前記モノマーを分散させた状態でいわゆる乳化重合等で重合を利用することにより調製することができる。
前記溶液重合法で用いられる適当な溶媒としては、特に制限はなく、使用するモノマー、及び生成する共重合体の溶解性等に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンなどが挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2′−アゾビス−(2,4′−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩などが挙げられる。
前記ビニル共重合体におけるカルボキシル基を有する重合性化合物の含有率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましく、15〜35モル%が特に好ましい。
前記含有率が、5モル%未満であると、アルカリ水への現像性が不足することがあり、50モル%を超えると、硬化部(画像部)の現像液耐性が不足することがある。
前記カルボキシル基を有するバインダーの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、質量平均分子量として、2,000〜300,000が好ましく、4,000〜150,000がより好ましい。
前記質量平均分子量が、2,000未満であると、膜の強度が不足しやすく、また安定な製造が困難になることがあり、300,000を超えると、現像性が低下することがある。
前記カルボキシル基を有するバインダーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記バインダーを2種以上併用する場合としては、例えば、異なる共重合成分からなる2種以上のバインダー、異なる質量平均分子量の2種以上のバインダー、及び異なる分散度の2種以上のバインダーなどの組合せが挙げられる。
前記カルボキシル基を有するバインダーは、そのカルボキシル基の一部又は全部が塩基性物質で中和されていてもよい。また、前記バインダーは、さらにポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ゼラチン等の構造の異なる樹脂を併用してもよい。
また、前記バインダーとしては、特許2873889号等に記載のアルカリ水溶液に可溶な樹脂などを用いることができる。
前記感光層における前記バインダーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、40〜80質量%が特に好ましい。
前記含有量が10質量%未満であると、アルカリ現像性やプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)との密着性が低下することがあり、90質量%を超えると、現像時間に対する安定性や、硬化膜(テント膜)の強度が低下することがある。なお、前記含有量は、前記バインダーと必要に応じて併用される高分子結合剤との合計の含有量であってもよい。
前記バインダーがガラス転移温度(Tg)を有する物質である場合、該ガラス転移温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記パターン形成材料のタック及びエッジフュージョンの抑制、並びに前記支持体の剥離性向上の、少なくともいずれかの観点から、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、120℃以上が特に好ましい。
前記ガラス転移温度が、80℃未満であると、前記パターン形成材料のタックやエッジフュージョンが増加したり、前記支持体の剥離性が悪化したりすることがある。
前記バインダーの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、70〜250(mgKOH/g)が好ましく、90〜200(mgKOH/g)がより好ましく、100〜180(mgKOH/g)が特に好ましい。
前記酸価が、70(mgKOH/g)未満であると、現像性が不足したり、解像性が劣り、配線パターン等の永久パターンを高精細に得ることができないことがあり、250(mgKOH/g)を超えると、パターンの耐現像液性及び密着性の少なくともいずれかが悪化し、配線パターン等の永久パターンを高精細に得ることができないことがある。
<<重合性化合物>>
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレタン基及びアリール基の少なくともいずれかを有するモノマー又はオリゴマーが好適に挙げられる。また、これらは、重合性基を2種以上有することが好ましい。
前記重合性基としては、例えば、エチレン性不飽和結合(例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基、ビニルエステルやビニルエーテル等のビニル基、アリルエーテルやアリルエステル等のアリル基など)、重合可能な環状エーテル基(例えば、エポキシ基、オキセタン基等)などが挙げられ、これらの中でもエチレン性不飽和結合が好ましい。
−ウレタン基を有するモノマー−
前記ウレタン基を有するモノマーとしては、ウレタン基を有する限り、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、特公昭48−41708、特開昭51−37193、特公平5−50737、特公平7−7208、特開2001−154346、特開2001−356476号公報等に記載されている化合物などが挙げられ、例えば、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と分子中に水酸基を有するビニルモノマーとの付加物などが挙げられる。
前記分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′ジメチル−4,4′−ジフェニルジイソシアネート等のジイソシアネート;該ジイソシアネートを更に2官能アルコールとの重付加物(この場合も両末端はイソシアネート基);該ジイソシアネートのビュレット体やイソシアヌレート等の3量体;該ジイソシアネート若しくはジイソシアネート類と、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、グリセリン等の多官能アルコール、又はこれらのエチレンオキシド付加物等の得られる他官能アルコールとの付加体などが挙げられる。
前記分子中に水酸基を有するビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体(ランダム、ブロック等)などの異なるアルキレンオキシド部を有するジオール体の片末端(メタ)アクリレート体などが挙げられる。
また、前記ウレタン基を有するモノマーとしては、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等のイソシアヌレート環を有する化合物が挙げられる。これらの中でも、下記構造式式(13)、又は構造式(14)で表される化合物が好ましく、テント性の観点から、前記構造式(14)で示される化合物を少なくとも含むことが特に好ましい。また、これらの化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記構造式(13)及び(14)中、R〜Rは、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。X〜Xは、アルキレンオキサイドを表し、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アルキレンオキサイド基としては、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基、これらを組み合わせた基(ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい)などが好適に挙げられ、これらの中でも、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、又はこれらの組み合わせた基が好ましく、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基がより好ましい。
前記構造式(13)及び(14)中、m1〜m3は、1〜60の整数を表し、2〜30が好ましく、4〜15がより好ましい。
前記構造式(13)及び(14)中、Y及びYは、炭素原子数2〜30の2価の有機基を表し、例えば、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基(−CO−)、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、スルホニル基(−SO−)又はこれらを組み合わせた基などが好適に挙げられ、これらの中でも、アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基が好ましい。
前記アルキレン基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、トリメチルヘキシレン基、シクロへキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2−エチルヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、オクタデシレン基、又は下記に示すいずれかの基などが好適に挙げられる。
前記アリーレン基としては、炭化水素基で置換されていてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ジフェニレン基、ナフチレン基、又は下記に示す基などが好適に挙げられる。
前記これらを組み合わせた基としては、例えば、キシリレン基などが挙げられる。
前記アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基としては、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記構造式(13)及び(14)中、nは3〜6の整数を表し、重合性モノマーを合成するための原料供給性などの観点から、3、4又は6が好ましい。
前記構造式(13)及び(14)中、Zはn価(3価〜6価)の連結基を表し、例えば、下記に示すいずれかの基などが挙げられる。
但し、Xはアルキレンオキサイドを表す。m4は、1〜20の整数を表す。nは、3〜6の整数を表す。Aは、n価(3価〜6価)の有機基を表す。
前記Aとしては、例えば、n価の脂肪族基、n価の芳香族基、又はこれらとアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、又はスルホニル基とを組み合わせた基が好ましく、n価の脂肪族基、n価の芳香族基、又はこれらとアルキレン基、アリーレン基、酸素原子とを組み合わせた基がより好ましく、n価の脂肪族基、n価の脂肪族基とアルキレン基、酸素原子とを組み合わせた基が特に好ましい。
前記Aの炭素原子数としては、例えば、1〜100の整数が好ましく、1〜50の整数がより好ましく、3〜30の整数が特に好ましい。
前記n価の脂肪族基としては、分岐構造又は環状構造を有していてもよい。
前記脂肪族基の炭素原子数としては、例えば、1〜30の整数が好ましく、1〜20の整数がより好ましく、3〜10の整数が特に好ましい。
前記芳香族基の炭素原子数としては、6〜100の整数が好ましく、6〜50の整数がより好ましく、6〜30の整数が特に好ましい。
前記n価の脂肪族基、又は芳香族基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記アルキレン基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよい。
前記アルキレン基の炭素原子数としては、例えば、1〜18の整数が好ましく、1〜10の整数がより好ましい。
前記アリーレン基は、炭化水素基で更に置換されていてもよい。
前記アリーレン基の炭素原子数としては、6〜18の整数が好ましく、6〜10の整数がより好ましい。
前記置換イミノ基の1価の炭化水素基の炭素原子数としては、1〜18の整数が好ましく、1〜10の整数がより好ましい。
前記Aの好ましい例は以下の通りである。
前記構造式(13)及び(14)で表される化合物としては、例えば下記構造式(15)〜(34)で表される化合物などが挙げられる。
但し、前記構造式(15)〜(34)中、n、n1、n2及びmは、1〜60を意味し、lは、1〜20を意味し、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
−−アリール基を有するモノマー−−
前記アリール基を有するモノマーとしては、アリール基を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アリール基を有する多価アルコール化合物、多価アミン化合物及び多価アミノアルコール化合物の少なくともいずれかと不飽和カルボン酸とのエステル又はアミドなどが挙げられる。
前記アリール基を有する多価アルコール化合物、多価アミン化合物又は多価アミノアルコール化合物としては、例えば、ポリスチレンオキサイド、キシリレンジオール、ジ−(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、2、2−ジフェニル−1,3−プロパンジオール、ヒドロキシベンジルアルコール、ヒドロキシエチルレゾルシノール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、2,3,5,6−テトラメチル−p−キシレン−α,α′−ジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−1,4−ブタンジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオール、1,1′−ビ−2−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、1,1′−メチレン−ジ−2−ナフトール、1,2,4−ベンゼントリオール、ビフェノール、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、カテコール、4−クロルレゾルシノール、ハイドロキノン、ヒドロキシベンジルアルコール、メチルハイドロキノン、メチレン−2,4,6−トリヒドロキシベンゾエート、フロログリシノール、ピロガロール、レゾルシノール、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、3−アミノ−4−ヒドロキシフェニルスルホンなどが挙げられる。また、この他、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、ノボラック型エポキシ樹脂やビスフェノールAジグリシジルエーテル等のグリシジル化合物にα、β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、フタル酸やトリメリット酸などと分子中に水酸基を含有するビニルモノマーから得られるエステル化物、フタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ベンゼンジスルホン酸ジアリル、重合性モノマーとしてカチオン重合性のジビニルエーテル類(例えば、ビスフェノールAジビニルエーテル)、エポキシ化合物(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、ビニルエステル類(例えば、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレート、ジビニルベンゼン−1,3−ジスルホネート等)、スチレン化合物(例えば、ジビニルベンゼン、p−アリルスチレン、p−イソプロペンスチレン等)が挙げられる。これらの中でも下記構造式(35)で表される化合物が好ましい。
前記構造式(35)中、R4、Rは、水素原子又はアルキル基を表す。
前記構造式(35)中、X及びXは、アルキレンオキサイド基を表し、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。該アルキレンオキサイド基としては、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基、これらを組み合わせた基(ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい)、などが好適に挙げられ、これらの中でも、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、又はこれらを組み合わせた基が好ましく、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基がより好ましい。
前記構造式(35)中、m5、m6は、1〜60の整数が好ましく、2〜30の整数がより好ましく、4〜15の整数が特に好ましい。
前記構造式(35)中、Tは、2価の連結基を表し、例えば、メチレン、エチレン、MeCMe、CFCCF、CO、SOなどが挙げられる。
前記構造式(35)中、Ar、Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表し、例えば、フェニレン、ナフチレンなどが挙げられる。前記置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、又はこれらの組合せなどが挙げられる。
前記アリール基を有するモノマーの具体例としては、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換したエトキシ基の数が2から20である2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン等)、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換させたエトキシ基の数が2から20である2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン等)、又はこれらの化合物のポリエーテル部位として同一分子中にポリエチレンオキシド骨格とポリプロピレンオキシド骨格の両方を含む化合物(例えば、WO01/98832号公報に記載の化合物等、又は、市販品として、新中村化学工業社製、BPE−200、BPE−500、BPE−1000)、ビスフェノール骨格とウレタン基とを有する重合性化合物などが挙げられる。なお、これらは、ビスフェノールA骨格に由来する部分をビスフェノールF又はビスフェノールS等に変更した化合物であってもよい。
前記ビスフェノール骨格とウレタン基とを有する重合性化合物としては、例えば、ビスフェノールとエチレンオキシド又はプロピレンオキシド等の付加物、重付加物として得られる末端に水酸基を有する化合物にイソシアネート基と重合性基とを有する化合物(例えば、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、α、α−ジメチル−ビニルベンジルイソシアネート等)などが挙げられる。
−その他の重合性モノマー−
本発明のパターン形成方法には、前記パターン形成材料としての特性を悪化させない範囲で、前記ウレタン基を含有するモノマー、アリール基を有するモノマー以外の重合性モノマーを併用してもよい。
前記ウレタン基を含有するモノマー、芳香環を含有するモノマー以外の重合性モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミドなどが挙げられる。
前記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルのモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜18であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2から18であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,5−ベンタンジオール(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート(例えば、WO01/98832号公報に記載の化合物等)、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの少なくともいずれかを付加したトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、キシレノールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル類の中でも、その入手の容易さ等の観点から、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加したトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステルなどが好ましい。
前記イタコン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イタコン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4ーブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリトリトールジイタコネート、及びソルビトールテトライタコネートなどが挙げられる。
前記クロトン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(クロトン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリトリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネートなどが挙げられる。
前記イソクロトン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イソクロトン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリトリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネートなどが挙げられる。
前記マレイン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(マレイン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリトリトールジマレート、ソルビトールテトラマレートなどが挙げられる。
前記多価アミン化合物と前記不飽和カルボン酸類から誘導されるアミドとしては、例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、オクタメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミンビス(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。
また、上記以外にも、前記重合性モノマーとして、例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等のグリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレートやポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー類、エポキシ化合物(例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなど)と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレート、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に記載の光硬化性モノマー及びオリゴマー、アリルエステル(例えば、フタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マロン酸ジアリル、ジアリルアミド(例えば、ジアリルアセトアミド等)、カチオン重合性のジビニルエーテル類(例えば、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリトリトールテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル等)、エポキシ化合物(例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等)、オキセタン類(例えば、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン等)、エポキシ化合物、オキセタン類(例えば、WO01/22165号公報に記載の化合物)、N−β−ヒドロキシエチル−β−(メタクリルアミド)エチルアクリレート、N,N−ビス(β−メタクリロキシエチル)アクリルアミド、アリルメタクリレート等の異なったエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物などが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ジビニルサクシネート、ジビニルアジペートなどが挙げられる。
これらの多官能モノマー又はオリゴマーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記重合性モノマーは、必要に応じて、分子内に重合性基を1個含有する重合性化合物(単官能モノマー)を併用してもよい。
前記単官能モノマーとしては、例えば、前記バインダーの原料として例示した化合物、特開平6−236031号公報に記載されている2塩基のモノ((メタ)アクリロイルオキシアルキルエステル)モノ(ハロヒドロキシアルキルエステル)等の単官能モノマー(例えば、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート等)、特許2744643号公報、WO00/52529号公報、特許2548016号公報等に記載の化合物が挙げられる。
前記感光層における重合性化合物の含有量としては、例えば、5〜90質量%が好ましく、15〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%が特に好ましい。
前記含有量が、5質量%となると、テント膜の強度が低下することがあり、90質量%を超えると、保存時のエッジフュージョン(ロール端部からのしみだし故障)が悪化することがある。
また、重合性化合物中に前記重合性基を2個以上有する多官能モノマーの含有量としては、5〜100質量%が好ましく、20〜100質量%がより好ましく、40〜100質量%が特に好ましい。
<<光重合開始剤>>
前記光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができるが、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、約300〜800nm(より好ましくは330〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの等)、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、メタロセン類などが挙げられる。これらの中でも、感光層の感度、保存性、及び感光層とプリント配線板形成用基板との密着性等の観点から、トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素、オキシム誘導体、ケトン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が好ましい。
前記ヘキサアリールビイミダゾールとしては、例えば、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−フロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(4−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(4−メトキシフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−トリフルオロメチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、WO00/52529号公報に記載の化合物などが挙げられる。
前記ビイミダゾール類は、例えば、Bull.Chem.Soc.Japan,33,565(1960)、及びJ.Org.Chem,36(16)2262(1971)に開示されている方法により容易に合成することができる。
トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物、F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物、特開平5−34920号公報記載化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物が挙げられる。
前記若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物としては、例えば、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記英国特許1388492号明細書記載の化合物としては、例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開昭53−133428号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記独国特許3337024号明細書記載の化合物としては、例えば、2−(4−スチリルフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシスチリル)フェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチルビニレンフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−クロロスチリルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−3−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−フラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−ベンゾフラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物としては、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリ(ブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロロメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開昭62−58241号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−フェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ナフチル−1−エチニルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−トリルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシフェニル)エチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−イソプロピルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−エチルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開平5−281728号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開平5−34920号公報記載化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−1,3,5−トリアジン、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、更に2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
前記米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物としては、例えば、オキサジアゾール骨格を有する化合物(例えば、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール等)などが挙げられる。
本発明で好適に用いられるオキシム誘導体としては、例えば、下記構造式(36)〜(69)で表される化合物が挙げられる。
前記ケトン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾルフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4,4′−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロル−チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシー2−メチル−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドンなどが挙げられる。
前記メタロセン類としては、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフロロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフロロホスフェート(1−)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、及び米国特許第3615455号明細書に記載された化合物などが挙げられる。
また、上記以外の光重合開始剤として、アクリジン誘導体(例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9、9′−アクリジニル)ヘプタン等)、N−フェニルグリシン等、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3′−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3′−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン、また、特開平5-19475号、特開平7-271028号、特開2002-363206号、特開2002-363207号、特開2002-363208号、特開2002-363209号公報等に記載のクマリン化合物など)、アミン類(例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸フェネチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−フタルイミドエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−メタクリロイルオキシエチル、ペンタメチレンビス(4−ジメチルアミノベンゾエート)、3−ジメチルアミノ安息香酸のフェネチル、ペンタメチレンエステル、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、2−クロル−4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンジルアルコール、エチル(4−ジメチルアミノベンゾイル)アセテート、4−ピペリジノアセトフェノン、4−ジメチルアミノベンゾイン、N,N−ジメチル−4−トルイジン、N,N−ジエチル−3−フェネチジン、トリベンジルアミン、ジベンジルフェニルアミン、N−メチル−N−フェニルベンジルアミン、4−ブロム−N,N−ジメチルアニリン、トリドデシルアミン、アミノフルオラン類(ODB,ODBII等)、クリスタルバイオレットラクトン、ロイコクリスタルバイオレット等)、アシルホスフィンオキシド類(例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキシド、LucirinTPOなど)などが挙げられる。
更に、米国特許第2367660号明細書に記載されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、特開2002−229194号公報に記載の有機ホウ素化合物、ラジカル発生剤、トリアリールスルホニウム塩(例えば、ヘキサフロロアンチモンやヘキサフロロホスフェートとの塩)、ホスホニウム塩化合物(例えば、(フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウム塩等)(カチオン重合開始剤として有効)、WO01/71428号公報記載のオニウム塩化合物などが挙げられる。
前記光重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上の組合せとしては、例えば、米国特許第3549367号明細書に記載のヘキサアリールビイミダゾールと4−アミノケトン類との組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物の組合せ、また、芳香族ケトン化合物(例えば、チオキサントン等)と水素供与体(例えば、ジアルキルアミノ含有化合物、フェノール化合物等)の組合せ、ヘキサアリールビイミダゾールとチタノセンとの組合せ、クマリン類とチタノセンとフェニルグリシン類との組合せなどが挙げられる。
前記感光層における光重合開始剤の含有量としては、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、0.5〜15質量%が特に好ましい。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、例えば、増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、発色剤、着色剤などが挙げられ、更に基体表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、顔料、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、表面張力調整剤、連鎖移動剤等)を併用してもよい。これらの成分を適宜含有させることにより、目的とするパターン形成材料の安定性、写真性、焼きだし性、膜物性等の性質を調整することができる。
−増感剤−
前記増感剤は、後述する光照射手段として可視光線や紫外光・可視光レーザなどにより適宜選択することができる。
前記増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤等)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、ラジカルや酸等の有用基を発生することが可能である。
前記増感剤としては、特に制限はなく、公知の増感剤の中から適宜選択することができるが、例えば、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3′−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3′−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン等があげられ、他に特開平5−19475号、特開平7−271028号、特開2002−363206号、特開2002−363207号、特開2002−363208号、特開2002−363209号等の各公報に記載のクマリン化合物など)が挙げられる。
前記光重合開始剤と前記増感剤との組合せとしては、例えば、特開2001−305734号公報に記載の電子移動型開始系[(1)電子供与型開始剤及び増感色素、(2)電子受容型開始剤及び増感色素、(3)電子供与型開始剤、増感色素及び電子受容型開始剤(三元開始系)]などの組合せが挙げられる。
前記増感剤の含有量としては、感光性樹脂組成物の全成分に対し、0.05〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.2〜10質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.05質量%未満となると、活性エネルギー線への感度が低下し、露光プロセスに時間がかかり、生産性が低下することがあり、30質量%を超えると、前記感光層から保存時に析出することがある。
−熱重合禁止剤−
前記熱重合禁止剤は、前記感光層における前記重合性化合物の熱的な重合又は経時的な重合を防止するために添加してもよい。
前記熱重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキルまたはアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、4−トルイジン、メチレンブルー、銅と有機キレート剤反応物、サリチル酸メチル、及びフェノチアジン、ニトロソ化合物、ニトロソ化合物とAlとのキレート等が挙げられる。
前記熱重合禁止剤の含有量としては、前記感光層の前記重合性化合物に対して0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜2質量%がより好ましく、0.01〜1質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.001質量%未満であると、保存時の安定性が低下することがあり、5質量%を超えると、活性エネルギー線に対する感度が低下することがある。
−可塑剤−
前記可塑剤は、前記感光層の膜物性(可撓性)をコントロールするために添加してもよい。
前記可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジフェニルフタレート、ジアリルフタレート、オクチルカプリールフタレート等のフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;4−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミド等のアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
前記可塑剤の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜40質量%がより好ましく、1〜30質量%が特に好ましい。
−発色剤−
前記発色剤は、露光後の前記感光層に可視像を与える(焼きだし機能)ために添加してもよい。
前記発色剤としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン(ロイコクリスタルバイオレット)、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ジブチルアミノフェニル)−〔4−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル〕メタン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2−キノリルメタン、トリス(4−ジプロピルアミノフェニル)メタン等のアミノトリアリールメタン類;3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フェニルキサンチン、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチル−9−(2−クロロフェニル)キサンチン等のアミノキサンチン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2−エトキシカルボニルフェニル)チオキサンテン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンテン等のアミノチオキサンテン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−フェニルアクリジン、3,6−ビス(ベンジルアミノ)−9,10−ジビドロ−9−メチルアクリジン等のアミノ−9,10−ジヒドロアクリジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン等のアミノフェノキサジン類;3,7−ビス(エチルアミノ)フェノチアゾン等のアミノフェノチアジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)−5−ヘキシル−5,10−ジヒドロフェナジン等のアミノジヒドロフェナジン類;ビス(4−ジメチルアミノフェニル)アニリノメタン等のアミノフェニルメタン類;4−アミノ−4′−ジメチルアミノジフェニルアミン、4−アミノ−α、β−ジシアノヒドロケイ皮酸メチルエステル等のアミノヒドロケイ皮酸類;1−(2−ナフチル)−2−フェニルヒドラジン等のヒドラジン類;1,4−ビス(エチルアミノ)−2,3−ジヒドロアントラキノン類のアミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン類;N,N−ジエチル−4−フェネチルアニリン等のフェネチルアニリン類;10−アセチル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等の塩基性NHを含むロイコ色素のアシル誘導体;トリス(4−ジエチルアミノ−2−トリル)エトキシカルボニルメンタン等の酸化しうる水素を有していないが、発色化合物に酸化しうるロイコ様化合物;ロイコインジゴイド色素;米国特許3,042,515号及び同第3,042,517号に記載されているような発色形に酸化しうるような有機アミン類(例、4,4′−エチレンジアミン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4,4′−メチレンジアミントリフェニルアミン、N−ビニルカルバゾール)が挙げられ、これらの中でも、ロイコクリスタルバイオレット等のトリアリールメタン系化合物が好ましい。
更に、前記発色剤は、前記ロイコ体を発色させるためなどの目的で、ハロゲン化合物と組み合わせることが一般に知られている。
前記ハロゲン化合物としては、例えば、ハロゲン化炭化水素(例えば、四臭化炭素、ヨードホルム、臭化エチレン、臭化メチレン、臭化アミル、臭化イソアミル、ヨウ化アミル、臭化イソブチレン、ヨウ化ブチル、臭化ジフェニルメチル、ヘキサクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、1,2−ジブロモ−1,1,2−トリクロロエタン、1,2,3−トリブロモプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、テトラクロロシクロプロペン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、ジブロモシキロヘキサン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(4−クロロフェニル)エタンなど);ハロゲン化アルコール化合物(例えば、2,2,2−トリクロロエタノール、トリブロモエタノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−2−プロパノール、ジ(ヨードヘキサメチレン)アミノイソプロパノール、トリブロモ−t−ブチルアルコール、2,2,3−トリクロロブタン−1,4−ジオールなど);ハロゲン化カルボニル化合物(例えば1,1−ジクロロアセトン、1,3−ジクロロアセトン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサブロモアセトン、1,1,3,3−テトラクロロアセトン、1,1,1−トリクロロアセトン、3,4−ジブロモ−2−ブタノン、1,4−ジクロロ−2−ブタノン−ジブロモシクロヘキサノン等);ハロゲン化エーテル化合物(例えば2−ブロモエチルメチルエーテル、2−ブロモエチルエチルエーテル、ジ(2−ブロモエチル)エーテル、1,2−ジクロロエチルエチルエーテル等);ハロゲン化エステル化合物(例えば、酢酸ブロモエチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸トリクロロエチル、2,3−ジブロモプロピルアクリレートのホモポリマー及び共重合体、ジブロモプロピオン酸トリクロロエチル、α,β−ジグロロアクリル酸エチル等);ハロゲン化アミド化合物(例えば、クロロアセトアミド、ブロモアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリブロモアセトアミド、トリクロロエチルトリクロロアセトアミド、2−ブロモイソプロピオンアミド、2,2,2−トリクロロプロピオンアミド、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドなど);硫黄やリンを有する化合物(例えば、トリブロモメチルフェニルスルホン、4−ニトロフェニルトリブロモメチルスルホン、4−クロルフェニルトリブロモメチルスルホン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート等)、2,4−ビス(トリクロロメチル)6−フェニルトリアゾールなどが挙げられる。有機ハロゲン化合物では、同一炭素原子に結合した2個以上のハロゲン原子を持つハロゲン化合物が好ましく、1個の炭素原子に3個のハロゲン原子を持つハロゲン化合物がより好ましい。前記有機ハロゲン化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−フェニルトリアゾールが好ましい。
前記発色剤の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。また、前記ハロゲン化合物の含有量としては、前記感光層の全成分に対し0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜1質量%がより好ましい。
−染料−
前記感光層には、取り扱い性の向上のために感光性樹脂組成物を着色し、又は保存安定性を付与する目的に、染料を用いることができる。
前記染料としては、ブリリアントグリーン(例えば、その硫酸塩)、エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニル−イエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチロカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチル−レッド、ナイルブルーA、フェナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、パラフクシン、オイルブルー#603(オリエント化学工業社製)、ローダミンB、ローダミン6G、ビクトリアピュアブルーBOHなどを挙げることができ、これらの中でもカチオン染料(例えば、マラカイトグリーンシュウ酸塩、マラカイトグリーン硫酸塩等)が好ましい。該カチオン染料の対アニオンとしては、有機酸又は無機酸の残基であればよく、例えば、臭素酸、ヨウ素酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の残基(アニオン)などが挙げられる。
前記染料の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.1〜2質量%が特に好ましい。
−密着促進剤−
各層間の密着性、又はパターン形成材料と基体との密着性を向上させるために、各層に公知のいわゆる密着促進剤を用いることができる。
前記密着促進剤としては、例えば、特開平5−11439号公報、特開平5−341532号公報、及び特開平6−43638号公報等に記載の密着促進剤が好適挙げられる。具体的には、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、及び2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール、シランカップリング剤などが挙げられる。
前記密着促進剤の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.001質量%〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜5質量%が特に好ましい。
前記感光層は、例えば、J.コーサー著「ライトセンシテイブシステムズ」第5章に記載されているような有機硫黄化合物、過酸化物、レドックス系化合物、アゾ又はジアゾ化合物、光還元性色素、有機ハロゲン化合物などを含んでいてもよい。
前記有機硫黄化合物としては、例えば、ジ−n−ブチルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、チオフェノール、エチルトリクロロメタンスルフェネート、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
前記過酸化物としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイドを挙げることができる。
前記レドックス化合物は、過酸化物と還元剤の組合せからなるものであり、第一鉄イオンと過硫酸イオン、第二鉄イオンと過酸化物などを挙げることができる。
前記アゾ及びジアゾ化合物としては、例えば、α,α′−アゾビスイリブチロニトリル、2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4−アミノジフェニルアミンのジアゾニウム類が挙げられる。
前記光還元性色素としては、例えば、ローズベンガル、エリスロシン、エオシン、アクリフラビン、リポフラビン、チオニンが挙げられる。
−界面活性剤−
前記パターン形成材料を製造する際に発生する面状ムラを改善させるために、公知の界面活性剤を添加することができる。
前記界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素含有界面活性剤などから適宜選択できる。
前記界面活性剤の含有量としては、感光性樹脂組成物の固形分に対し、0.001〜10質量%が好ましい。
前記含有量が、0.001質量%未満になると、面状改良の効果が得られなくことがあり、10質量%を超えると、密着性が低下することがある。
前記界面活性剤としては、上述の界面活性剤の他、フッ素系の界面活性剤として、炭素鎖3〜20でフッ素原子を40質量%以上含み、かつ、非結合末端から数えて少なくとも3個の炭素原子に結合した水素原子がフッ素置換されているフルオロ脂肪族基を有するアクリレート又はメタクリレートを共重合成分として有する高分子界面活性剤も好適に挙げられる。
<バリアー層>
前記パターン形成材料としては、前記第一感光層と、前記第二感光層との間にバリアー層を配置していることが好ましい。前記バリアー層は、前記感光層と、前記支持体と、前記保護フィルムとに含まれる物質の移行防止又は移行の抑制と、酸素、湿度などの外的影響を防止又は抑制する役割等とを有する。例えば、前記バリアー層の設置は、各感光層の成分が、他の層に移行して、感度や膜物性が変化させてしまうのを防ぐなどの効果がある。
前記バリアー層は、物質の移動を抑制可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水溶性乃至水分散性であってもよく、アルカリ性液に対して可溶性であってもよく、不溶性であってもよい。なお、前記物質の移動を抑制可能とは、前記バリアー層を有しない場合と比較して、前記バリアー層と隣接する層における目的物質の含有量の増加又は減少が、抑制されていることを意味する。
前記バリアー層により移動を制御される物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、酸素、水、前記感光層及びクッション層の少なくともいずれかに含まれる物質が挙げられる。
前記バリアー層が、水溶性乃至水分散性である場合には、水溶性乃至水分散性の樹脂を含むことが好ましく、アルカリ性液に対して可溶性である場合には、アルカリ性液に対して可溶性の樹脂を含むことが好ましい。なお、前記水溶性の程度としては、例えば、25℃の水に対し、0.1質量%以上溶解するものが好ましく、1質量%以上溶解するものがより好ましい。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各種のアルコール可溶性樹脂、水溶性樹脂、アルコール分散性樹脂、水分散性樹脂、乳化性樹脂、アルカリ性液に対して可溶性の樹脂などが挙げられ、具体的には、ビニル重合体(例えば、ポリビニルアルコール(変性ポリビニルアルコール類も含む)、ポリビニルピロリドン等)、上述のビニル共重合体、水溶性ポリアミド、ゼラチン、セルロース、これらの誘導体などが挙げられる。また、特許2794242号に記載の熱可塑性樹脂や中間層に使用されている化合物、前記バインダーなどを使用することもできる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記バリアー層が、アルカリ性液に対して不溶性である場合には、アルカリ性液に対して不溶性の樹脂を含むことが好ましい。
前記アルカリ性液に対して不溶性の樹脂としては、例えば、主成分がエチレンを必須の共重合成分とする共重合体が挙げられる。
前記エチレンを必須の共重合成分とする共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などが挙げられる。
前記バリアー層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10μm未満が好ましく、0.1〜6μmがより好ましく、1〜5μmが特に好ましい。
前記厚みが、10μm以上となると、露光の際、前記バリアー層で光散乱が生じ、解像度及び密着性の少なくともいずれかが悪化することがある。
(パターン形成材料の製造方法)
前記パターン形成材料の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前述の各種材料を、水または溶剤に溶解、乳化または分散させて、前記第一感光層形成用の前記第一感光性樹脂組成物溶液と、前記第二感光層形成用の第二感光性樹脂組成物溶液をそれぞれ調製する。またバリアー層を有する場合にはバリアー層形成用の溶液を調製する。
前記第一感光性樹脂組成物溶液、及び前記第二感光性樹脂組成物溶液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどを挙げることができ、これらは混合して用いてもよい。前記第一感光性樹脂組成物溶液、及び前記第二感光性樹脂組成物溶液には、公知の界面活性剤を添加してもよい。
前記バリアー層形成用のポリマー溶液の溶剤には、感光層と同様の塗布溶媒を用いてもよく、水、あるいは水と溶剤との混合溶剤を用いることができる。溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類などの前記親水性溶媒などを用いることができる。溶剤の使用は、固形分10%〜90%の塗布液になるように用いるのが好ましい。
次に、前記第一感光性樹脂組成物の溶液を前記支持体の上に塗布し、乾燥することにより前記第一感光層を形成する。前記バリアー層を有する場合には、前記バリアー層形成用の塗布液を、前記第一感光層の上に塗布、乾燥する。その上に前記第二感光性樹脂組成物の溶液を塗布し、乾燥することにより、前記第二感光層を形成する。重層する際の塗布は、前述のように逐次塗布してもよいし、同時に重層で塗布してもよい。感光性樹脂組成物溶液の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリットコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、及びナイフコート法等が挙げられる。乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記感光層が二層よりも多い場合でも、同様の操作を繰り返すことによって、所望のパターン形成材料を製造することができる。感光層を二層以上とすることで、感光層の厚みの総和を10μm〜1mmの範囲にすることも可能である。
<支持体及び保護フィルム>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるものが好ましく、更に表面の平滑性が良好であることがより好ましい。
前記支持体は、合成樹脂製で、かつ透明であるものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2〜150μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、8〜50μmが特に好ましい。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10m〜20000mの長さのものが挙げられる。
前記パターン形成材料は、前記感光層上に保護フィルムを形成してもよい。
前記保護フィルムとしては、例えば、前記支持体に使用されるもの、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、などが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜30μmが特に好ましい。
前記保護フィルムを用いる場合、該保護フィルムと前記感光層との層間接着力(以下、「層間接着力D」が、前記層間接着力Aよりも小さくなることが好ましい。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。また、支持体及び保護フィルムの少なくともいずれかを表面処理することにより、上述のような接着力の関係を満たすことができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
また、前記支持体と前記保護フィルムとの静摩擦係数としては、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記パターン形成材料は、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されることが好ましい。前記長尺状のパターン形成材料の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10m〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100m〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。
なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られることが好ましい。また、前記ロール状のパターン形成材料をシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置することが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いる事が好ましい。
前記保護フィルムは表面処理してもよく、表面処理としては、保護フィルムと感光層との接着性を調整するためならば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、及びポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を設ける。下塗層の形成は、上記ポリマーの塗布液を保護フィルムの表面に塗布した後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥することにより一般に行われる。また、感光層、バリアー層、支持体、保護フィルムの他にクッション層、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などの層を有してもよい。
−−クッション層−−
前記クッション層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、熱可塑性樹脂を含むものが好ましい。
また、前記クッション層は、アルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性であってもよく、不溶性であってもよい。
前記クッション層がアルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性である場合には、前記熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体などが挙げられる。
この場合の熱可塑性樹脂の軟化点(Vicat)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、80℃以下が好ましい。
前記軟化点が80℃以下の熱可塑性樹脂としては、上述した熱可塑性樹脂の他、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による軟化点が約80℃以下の有機高分子の内、アルカリ性液に可溶なものが挙げられる。また、軟化点が80℃以上の有機高分子物質においても、該有機高分子物質中に該有機高分子物質と相溶性のある各種の可塑剤を添加して実質的な軟化点を80℃以下に下げることも可能である。
前記クッション層がアルカリ性液に対して不溶性である場合には、前記熱可塑性樹脂としては、例えば、主成分がエチレンを必須の共重合成分とする共重合体が挙げられる。
前記エチレンを必須の共重合成分とする共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などが挙げられる。
前記クッション層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜50μmが好ましく、10〜50μmがより好ましく、15〜40μmが特に好ましい。
前記厚みが、5μm未満になると、基体の表面における凹凸や、気泡等への凹凸追従性が低下し、高精細な永久パターンを形成できないことがあり、50μmを超えると、製造上の乾燥負荷増大等の不具合が生じることがある。
前記パターン形成材料としては、前記プリント配線板、前記カラーフィルタ、前記柱材、前記リブ材、前記スペーサー、前記隔壁などの前記ディスプレイ用部材、前記印刷版、前記ホログラム、前記マイクロマシン、前記プルーフなどの各種の画像形成材料、前記パターン形成材料などとして広く利用することが可能である。このなかでも、前記プリント配線板、前記ディスプレイ部材への応用が好ましく、前記プリント配線板への応用が特に好ましい。
<基体(被処理基体)>
前記パターン形成材料を転写する基体(被処理基体)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、板状の基体、いわゆる基板が好ましく、公知のプリント配線板製造用の基板、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
前記基体上に、前記バインダー、前記重合性化合物、及び前記光重合開始剤を含む前記感光性樹脂組成物を含む前記第二感光層と、前記バインダー、前記重合性化合物、及び前記光重合開始剤を含む前記感光性樹脂組成物からなり、前記第二感光層の光感度よりも低い光感度を有する前記第一感光層とが、この順に積層されてなる積層体を形成し、さらに、前記第一感光層と、前記第二感光層との間に前記バリアー層が配置されている積層体を形成することが好ましい。
前記積層体の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記基体上に前記パターン形成材料を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層することが好ましい。
前記加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、15〜180℃が好ましく、60〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜1.0MPaが好ましく、0.2〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱及び加圧の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター(例えば、大成ラミネータ社製、VP−II)、真空ラミネーターなどが好適に挙げられる。
前記積層体への露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体、前記クッション層及び前記バリアー層を介して前記感光層を露光してもよく、前記支持体、前記クッション層及び前記バリアー層を剥離した後、前記感光層を露光してもよい。
[その他工程]
前記その他の工程としては、特に制限はなく、公知のパターン形成における工程の中から適宜選択することが挙げられるが、例えば、現像工程、エッチング工程、メッキ工程などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記現像工程は、前記露光工程により前記感光層を露光し、該感光層の露光した領域を硬化させた後、未硬化領域を除去することにより現像し、パターンを形成する工程である。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤などが挙げられ、これらの中でも、弱アルカリ性の水溶液が好ましい。該弱アルカリ水溶液の塩基成分としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。
前記弱アルカリ性の水溶液のpHとしては、例えば、約8〜12が好ましく、約9〜11がより好ましい。前記弱アルカリ性の水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸カリウム水溶液などが挙げられる。
前記現像液の温度としては、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25℃〜40℃が好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類等)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
前記エッチング工程としては、公知のエッチング処理方法の中から適宜選択した方法により行うことができる。
前記エッチング処理に用いられるエッチング液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記金属層が銅で形成されている場合には、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などが挙げられ、これらの中でも、エッチングファクターの点から塩化第二鉄溶液が好ましい。
前記エッチング工程によりエッチング処理した後に前記パターンを除去することにより、前記基体の表面に永久パターンを形成することができる。
前記永久パターンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、配線パターンなどが好適に挙げられる。
前記メッキ工程としては、公知のメッキ処理の中から適宜選択した適宜選択した方法により行うことができる。
前記メッキ処理としては、例えば、硫酸銅メッキ、ピロリン酸銅メッキ等の銅メッキ、ハイフローはんだメッキ等のはんだメッキ、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)メッキ、スルファミン酸ニッケル等のニッケルメッキ、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキなど処理が挙げられる。
前記メッキ工程によりメッキ処理した後に前記パターンを除去することにより、また更に必要に応じて不要部をエッチング処理等で除去することにより、前記基体の表面に永久パターンを形成することができる。
本発明のパターン形成方法は、(1)前記パターン形成材料を用いて、被処理基体上に、前記第二感光層が、前記基体側となるように積層して前記積層体を作製する工程、(2)前記積層体の前記第一感光層の側から、所定のパターンの露光を行い、光照射を受けた領域の、第一感光層と、第二感光層とを共に硬化させる前記露光工程、(3)前記積層体から支持体を除去する工程、及び(4)前記積層体を現像して、前記積層体中の未硬化部分を除去する工程を含み、前記基体上に、第一感光層と第二感光層とを共に硬化することにより形成された硬化樹脂が存在する領域と、硬化樹脂が存在しない領域とを有するパターンを形成することにより、所望のパターンを形成することが可能である。
また、本発明のパターン形成方法は、(1)前記パターン形成材料を用いて、前記被処理基体上に、前記第二感光層が、前記基体側となるように積層して前記積層体を作製する工程、(2)前記積層体の前記第一感光層の側から、互いに相違する、少なくとも二つのレベル以上の光照射エネルギー量の光を照射する領域を規定するパターンで露光し、前記光照射エネルギー量が、相対的に大きい光照射を受けた領域の前記第一感光層と、前記第二感光層とを共に硬化させ、前記光照射エネルギー量が相対的に小さい光照射を受けた領域の、前記第二感光層を硬化させる露光工程、(3)前記積層体から前記支持体を除去する工程、及び(4)前記積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程を含み、前記基体上に、前記第一感光層と、前記第二感光層とが共に硬化することにより形成された樹脂が存在する領域と、前記第二感光層が、硬化することにより形成された樹脂が存在する領域と、硬化樹脂が存在しない領域とからなるパターンを形成する方法により、所望のパターンを形成することも可能である。
ただし、上記の方法において、前記(3)の工程を、前記(2)の工程と、前記(4)の工程との間で行う代わりに、前記(1)の工程と、前記(2)の工程との間で行ってもよい。
前記(2)の露光工程における露光光の光源としては、前記支持体を介して光照射を行う場合おいて、前記支持体を透過し、かつ用いられる光重合開始剤や増感剤を活性化することができる限り、特に制限はなく、目的において適宜選択することができ、300〜1500nmが好ましく、320〜800nmがより好ましく、330nm〜650nmが特に好ましい。
光源としては、レーザ光が好ましく、レーザの波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、200〜1500nmが好ましく、300〜800nmがより好ましく、370nm〜650nmが特に好ましく、400nm〜450nmが一番好ましい。
(プリント配線板の製造方法)
本発明のパターン形成材料は、プリント配線板の製造、特にスルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造に好適に用いることができる。
本発明のパターン形成方法は、(1)前記パターン形成材料を用いて、前記基板上に、前記第二感光層が、前記基板側となる前記積層体を作製する工程、(2)前記積層体の第一感光層の側から、所定の配線パターンの露光を行い、光照射を受けた領域の前記第一感光層と、前記第二感光層とを共に硬化させる工程、(3)積層体から支持体を除去する工程、及び(4)前記積層体を現像して、前記積層体中の未硬化部分を除去する工程を含み、前記プリント配線板形成用基板上に、前記第一感光層と前記第二感光層とが共に硬化することにより形成された硬化樹脂で被覆されている領域と、基板表面が露出している領域とからなる配線パターンを形成する方法により、所望のパターンを形成することが可能である。
また、本発明のパターン形成方法は、(1)前記パターン形成材料を用いて、前記基板上に、前記第二感光層が、前記基板側となる前記積層体を作製する工程、(2)前記積層体の前記第一感光層の側から、ホール部には、光照射エネルギー量が相対的に大きい光照射を与えて、前記第一感光層と、前記第二感光層とを共に硬化させ、配線形成領域には、光照射エネルギー量が、相対的に小さい前記光照射を与えて、前記第二感光層を硬化させるようなパターンの露光を行う工程、(3)積層体から支持体を除去する工程、及び(4)前記積層体を現像して、前記積層体中の未硬化部分を除去する工程を含み、前記ホール部を有する前記プリント配線板形成用基板上に、前記第一感光層と、前記第二感光層が共に硬化することにより形成された硬化樹脂で被覆されている前記ホール部と、前記第二感光層が、硬化することにより形成された硬化樹脂で被覆されている領域と、そして基板表面が露出している領域とからなる配線パターンを形成する方法により、所望のパターンを形成することも可能である。
上記の方法において、前記(3)の工程を、前記(2)の工程と、前記(4)との間で行う代わりに、前記(1)工程と、前記(2)工程との間で行ってもよい。
前記(2)の工程における光照射の光源としては、前記支持体を介して光照射を行う場合では、前記支持体を透過し、かつ前記と同様な光源が用いられる。前記光源としては、前記レーザ光の照射により行うことが好ましい。
プリント配線板の処理としては、前記配線パターンが形成された前記プリント配線板形成用基板を、エッチングもしくはめっきする工程を行う方法、例えば、公知のサブトラクティブ法またはアディティブ法(セミアディティブ法、フルアディティブ法)で処理すればよい。本発明の、工業的に有利なテンティングでプリント配線板を形成する目的のためにはエッチングによるサブトラクティブ法を用いるのが好ましい。上記処理後プリント配線板形成用基板に残存する硬化樹脂は剥離すればよく、また、セミアディティブ法の場合は、剥離後さらに銅薄膜部をエッチングすればよく、所望のプリント配線板を形成できる。また、多層プリント配線板も、前記プリント配線板の製造法と同様に製造が可能である。
次に、前記パターン形成材料を用いた前記スルーホールを有するプリント配線板の製造方法について、添付図面の図45を参照しながら説明する。なお、図45は、図36に示した前記パターン形成材料、あるいは38に示したパターン形成材料を用いる場合を想定しているが、図35又は図37に示したパターン形成材料を用いる場合において、前記バリアー層513を含まないこと以外は同様である。
まず、図45中の(1)に示すように、スルーホール522を有し、表面が金属めっき層523で覆われたプリント配線板製造用基板521を用意する。前記プリント配線板製造用基板521としては、銅張積層基板及びガラス−エポキシなどの絶縁基材に銅めっき層を形成した基板、又はこれらの基板に層間絶縁膜を積層し、銅めっき層を形成した基板(積層基板)を用いることができる。
次に、図45中の(2)に示すように、パターン形成材料510が、前記保護フィルムを有する場合には、前記保護フィルムを剥離して、第二感光層514が、前記プリント配線板形成用基板521の表面に接する様にして、加圧ローラ531を用いて圧着する(積層工程)。これにより、前記プリント配線板形成用基板521と、前記第二感光層514と、バリアー層513と、第一感光層512と、支持体511とをこの順で積層した積層体が得られる。前記パターン形成材料の積層としては、室温(15〜30℃)あるいは加熱下(30〜180℃)が好ましく、60〜140℃が特に好ましい。圧着ロールのロール圧としては、1〜10kg/cm2が好ましい。圧着速度としては、1〜3m/分が好ましい。また、前記プリント配線板形成用基板521を予備加熱しておいてもよく、減圧下で積層してもよい。
また、前記パターン形成材料を用いる代わりに、パターン形成材料製造用の前記第二感光性樹脂組成物溶液と、バリアー層溶液と、第一感光性樹脂組成物溶液とをこの順にプリント配線板形成用基板の表面に直接塗布し、乾燥することによって、前記プリント配線板形成用基板と、前記第二感光層と、前記バリアー層と、前記第一感光層とをこの順で積層した前記積層体を得ることもできる。
次に、前記図45中の(3)に示すように、前記支持体511側の面から光を照射して、前記感光層を硬化させる。なお、この際、必要に応じて(例えば支持体の光透過性が不十分な場合など)支持体を剥離してから前記光照射を行ってもよい。前記プリント配線板形成用基板521の配線パターン形成領域に、前記第二感光層514を硬化させるために必要な光エネルギー量の光を所定のパターン状に照射して、配線パターン形成用の硬化層516の領域を形成する(配線部露光工程)。前記プリント配線板形成用基板の前記スルーホール522の開口部及びその周囲には、前記第一感光層512と、前記第二感光層514とをそれぞれ硬化させるために必要な光エネルギー量の光を照射して、スルーホールの金属層保護用硬化層517の領域を形成する(ホール部露光工程)。
前記配線部露光工程と、前記ホール部露光工程とは、それぞれ別に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
前記露光工程は、上述したマスクレス露光の他、フォトマスクを介して露光を行っても良いが、上述のパターン形成装置を用いる本発明のパターン形成方法におけるマスクレス露光は、高価なマスクを使用せずにパターン形成が可能なので、前記マスクに起因する工程上の問題が無くなることから、少量多品種の製品の製造などに好ましい。
前記フォトマスクを介して光を照射する場合には、配線パターン形成用の硬化層516の領域形成用のフォトマスクを介して、第二感光層のみを硬化させる光エネルギー量を照射し、前記スルーホールの金属層保護用の硬化層517の領域形成用のフォトマスクを介して前記第二感光層と、前記第一感光層の両層を硬化させる光エネルギー量を照射する様に露光を2回行う方法も利用できる。また、前記配線パターン形成用の硬化層516の領域部に対応する光透過率が低く、前記スルーホールの金属層保護用の硬化層517の領域部に対応する光透過率が高くなるように作製されたフォトマスクを用いて、一括露光を行うこともできる。
一方、上述したパターン形成装置を用いてレーザ光を照射する場合としては、それぞれの必要な領域で光照射量を変更しながら走査露光を行うことが好ましい。
支持体を未だ剥離していない場合には、図45中の(4)に示すように、前記積層体から、前記支持体511を剥がす(支持体剥離工程)。
次に、図45中の(5)に示すように、前記プリント配線板形成用基板521上の前記第一感光層512と、前記バリアー層513及び前記第二感光層514の未硬化領域とを、適当な現像液にて溶解除去して、前記配線パターン形成用の硬化層516と、前記スルーホールの金属層保護用硬化層517のパターンとを形成し、基板表面の金属層523を露出させる(現像工程)。現像液としては、アルカリ水溶液、水系現像液、有機溶剤など感光性樹脂組成物に対応したものが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、弱アルカリ水溶液が好ましく、前記弱アルカリ水溶液の塩基成分としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。
また、現像に用いる前記弱アルカリ水溶液のpHとしては、約8〜12が好ましく、約9〜11が特に好ましい。
具体的には、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液などが挙げられる。また、前記現像液の温度は、前記感光層の現像性に合わせて調整することでき、約25℃〜40℃が好ましい。
前記現像液には。界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えばエチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や現像を促進させるため有機溶剤(アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類など)を併用してもよい。前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液を用いてもよく、有機溶剤単独で用いてもよい。
また、現像後に必要に応じて後加熱処理や後露光処理によって、硬化部の硬化反応を更に促進させる処理を行ってもよい。現像は上記のようなウエット現像法でもよいし、ドライ現像法で行ってもよい。
次いで、図45中の(6)に示すように、基板表面の露出した金属層523をエッチング液で溶解除去する(エッチング工程)。前記スルーホール522の開口部は、前記硬化樹脂組成物(テント膜)517で覆われているので、前記エッチング液が、前記スルーホール内に入り込んで、前記スルーホール内の金属めっきを腐食することなく、前記スルーホールの金属めっきは所定の形状で残ることになる。また、前記配線パターン形成領域は、前記配線パターン形成用の硬化層516で覆われているので、前記エッチング液が、前記配線パターン形成領域の金属めっきを腐食することがない。これにより、前記プリント配線板形成用基板521に配線パターン524が形成される。
前記金属層523が銅で形成されている場合において、前記エッチング液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などが挙げられ、これらの中でも特に塩化第二鉄溶液がエッチングファクターの点から好ましい。
次に、図45中の(7)に示すように、強アルカリ水溶液等にて、前記硬化層516、517を剥離片518として、前記プリント配線板形成用基板から除去する(硬化物除去工程)。
前記強アルカリ水溶液の塩基成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。また、用いる強アルカリ水溶液のpHは約12〜14、特に約13〜14とすることが好ましい。具体的には、1〜10質量%の水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などを用いることができる。
また、前記プリント配線板は多層構成のプリント配線板でもよい。また前記パターン形成材料は、前記エッチングプロセスのみでなく、めっきプロセスに使用してもよい。前記めっき法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっきなどの銅めっき、ハイフローはんだめっきなどのはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルなどのニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっきなどの金めっきなどが挙げられる。
本発明の前記パターン形成方法は、前記パターン形成材料を用いるため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等のディスプレイ用部材の製造、印刷版、ホログラム、マイクロマシン、プルーフ等の各種の画像形成材料、及び三次元構造材料などの製造に好適に使用することができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
−パターン形成材料の製造−
前記支持体として厚みが20μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、下記の組成からなる第一感光層用感光性樹脂組成物溶液(以下、「第一感光性樹脂組成物溶液」という)を塗布し乾燥させて、厚みが25μmの第一感光層を形成した。
[第一感光性樹脂組成物溶液の組成]
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート
/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8
、質量平均分子量:90,000、Tg:70℃) 15質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.04質量部
・ベンゾフェノン 1.0質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
次に、前記第一感光層の上に、下記組成を有する第二感光層用感光性樹脂組成物溶液(以下、「第二感光性樹脂組成物溶液」という)を塗布し、乾燥して、厚みが5μmの第二感光層を形成した。
[第二感光性樹脂組成物溶液の組成]
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート
/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8
、質量平均分子量:90000、Tg:70℃) 15質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.4質量部
・ベンゾフェノン 3.0質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 10質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 20質量部
前記第二感光層の上に、保護フィルムとして厚みが20μmの前記ポリエチレンフィルムを積層してパターン形成材料を得た。いずれの層も厚みムラが±5%以内であった。こうして得たパターン形成材料を用い、以下の方法により積層体を調製し、パターンを形成し、解像度、エッジラフネス、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を評価した。結果を表1に示す。
<解像度>
(1)最短現像時間の測定方法
表面を研磨、水洗、乾燥した銅張積層板(スルーホールなし)の表面に、前記パターン形成材料の前記保護フィルムを剥がしながら、前記パターン形成材料の前記第二感光層が基板に接するようにパターン形成材料をラミネーター(MODEL8B−720−PH、大成ラミネーター(株)製)を用いて圧着して、銅張積層板、前記第二感光層、(実施例4〜7では、更に前記バリアー層)、前記第一感光層、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムがこの順で積層された積層体を作製した。圧着条件は圧着ロール温度105℃、圧着ロール圧力3kg/cm2、そして圧着速度1m/分とした。積層体から前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取り、前記銅張積層板上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーした。炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から、前記銅張積層板上の前記感光層が溶解除去されるまでに要した時間を測定し、これを前記最短現像時間とした。この結果、最短現像時間は25秒であった。
(2)感度の測定
前記最短現像時間の測定と同様にして、基板上に前記パターン形成材料を積層した。前記パターン形成材料の感光層に、ポリエチレンテレフタレートフィルム側から405nmのレーザ光源を有する下記のパターン形成装置を用いた下記の露光方法により、0.1mJ/cm2から21/2倍間隔で100mJ/cm2まで光エネルギー量の異なる光を照射して、前記感光層を硬化させた。室温にて10分間静置した後、積層体から前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取った。銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて上記(1)で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の樹脂組成物を溶解除去して、残った硬化層の厚みを測定した。次いで、光の照射量と、硬化層の厚みとの関係をプロットして感度曲線を得た。こうして得た感度曲線から硬化層の厚みが5μmとなった時の光エネルギー量(光エネルギー量A)、硬化層の厚みが30μmとなった時の光エネルギー量(光エネルギー量B)、及び硬化層の厚みが5μmを超えた時の光エネルギー量(光エネルギー量C)を読み取った。
この結果、前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、4mJ/cm2であり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm2(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは3.5、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.1)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は10であった。
<パターン形成装置及び露光方法>
前記光照射手段として図8〜9及び図25〜29に示した合波レーザ光源と、前記光変調手段として図6に概略図を示した主走査方向にマイクロミラー58が1024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列された内、1024個×256列のみを駆動するように制御したDMD36と、図5A又は図5Bに示すような光を前記感光層に結像する光学系とを有する露光ヘッド30を備えたパターン形成装置10を用いた。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度としては、使用可能な1024列×256行のマイクロミラー58を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも若干大きい角度を採用した。この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の列方向の個数s、使用可能なマイクロミラー58の列方向の間隔p、及び露光ヘッド30を傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1、
spsinθideal≧Nδ(式1)
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、上記のとおり、縦横の配置間隔が等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
pcosθideal=δ(式2)
であり、上記式1は、
stanθideal=N(式3)
であり、s=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度を採用した。
まず、2重露光における解像度のばらつきと露光むらを補正するため、被露光面の露光パターンの状態を調べた。結果を図18に示した。図18においては、ステージ14を静止させた状態でパターン形成材料12の被露光面上に投影される、露光ヘッド3012と3021が有するDMD36の使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示した。また、下段部分に、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を、露光エリア3212と3221について示した。なお、図18では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示したが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図18に示したとおり、露光ヘッド3012と3021の間の相対位置の、理想的な状態からのずれの結果として、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとの双方で、露光エリア3212と3221の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多な領域が生じていることが判る。
前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012ついては露光エリア3212内の光点P(1,1)とP(256,1)の位置を、露光ヘッド3021については露光エリア3221内の光点P(1,1024)とP(256,1024)の位置を検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定した。
実傾斜角度θ´を用いて、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて導出した。露光ヘッド3012についてはT=254、露光ヘッド3021についてはT=255がそれぞれ導出された。その結果、図19において斜線で覆われた部分78及び80を構成するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定された。
その後、図19において斜線で覆われた領域78及び80を構成する光点以外の光点に対応するマイクロミラーに関して、同様にして図19において斜線で覆われた領域82及び網掛けで覆われた領域84を構成する光点に対応するマイクロミラーが特定され、本露光時に使用しないマイクロミラーとして追加された。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しないように制御した。
これにより、露光エリア3212と3221のうち、複数の前記露光ヘッドで形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができる。
(3)解像度の測定
上記(1)の最短現像時間の評価方法と同じ方法と条件で、前記積層体を作製して、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)の上から、前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース=1/1でライン幅5μm〜50μmまで1μm刻みで各線幅の露光を行った。この際の露光量は、各感光性転写シートの第二感光層が硬化する光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取った。銅張積層板上の感光層の全面に、前記現像液として30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記(1)で求めた前記最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の樹脂領域を溶解除去する。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。
<エッジラフネス>
前記積層体に、前記パターン形成装置を用いて、前記露光ヘッドの走査方向と直交する方向の横線パターンが形成されるように照射して2重露光し、前記感光層の一部の領域を前記解像度の測定における(3)と同様にしてパターンを形成した。得られたパターンのうち、ライン幅30μmのラインの任意の5箇所について、レーザ顕微鏡(VK−9500、キーエンス(株)製;対物レンズ50倍)を用いて観察し、視野内のエッジ位置のうち、最も膨らんだ箇所(山頂部)と、最もくびれた箇所(谷底部)との差を絶対値として求め、観察した5箇所の平均値を算出し、これをエッジラフネスとした。該エッジラフネスは、値が小さい程、良好な性能を示すため好ましい。結果を表3に示す。
<エッチング性>
前記解像度の測定において形成したパターンを有する積層体を用いて、該積層体における露出した銅張積層板の表面に、塩化鉄エッチャント(塩化第二鉄含有エッチング溶液、40°ボーメ、液温40℃)を0.25MPaで、36秒スプレーして、硬化層で覆われていない露出した領域の銅層を溶解除去することによりエッチング処理を行った。次いで、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーすることにより前記形成したパターンを除去して、表面に前記永久パターンとしての銅層の配線パターンを備えたプリント配線板を調製した。前記プリント配線基板上の配線パターンを光学顕微鏡で観察し、前記配線パターンの最小のライン幅を測定した。この最小ライン幅が小さいほど高精細な配線パターンが得られ、エッチング性に優れていることを意味する。
(プリント配線板の製造、並び評価)
内壁に銅めっき層が形成された、直径3mmの前記スルーホールを有し、表面が研磨、水洗、乾燥された前記銅張積層板の上に、前記保護フィルムを剥離した前記パターン形成材料の前記第二感光層を重ね、ラミネートし、前述と同様にして前記銅張積層板、前記第二感光層、前記第一感光層、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムがこの順で積層された積層体を作製して、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた前記積層体の前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの上から、銅張積層板の配線パターン形成領域に、各パターン形成材料の前記第二感光層が硬化する光エネルギー量の光を所定のパターン状に照射し、一方、銅張積層板のスルーホールの開口部及びその周囲領域に、各パターン形成材料の前記第一感光層が、硬化する光エネルギー量の光を照射して、前記感光層を露光した。露光後、積層体から前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取り、次いで前述の評価法と同様に炭酸ナトリウム水溶液を感光層表面にスプレーして、前記第一感光層及び前記第二感光層の未硬化領域を溶解除去して、硬化層レリーフを得た。得られた硬化層パターンを顕微鏡で観察し、配線パターン形成領域上の硬化層、及びスルーホール開口部上の硬化層に剥がれやテント膜の破れ(前記テント性)などの欠陥の有無を観察した。
なお、この際の硬化層の厚さをレーザ顕微鏡(VK−9500、キーエンス(株)製)で測定したところ、配線パターン形成領域上の硬化層の厚みは5μmであり、スルーホール開口部上の硬化層の厚みは30μmであった。
<スルーホール内の銅めっきの異常の有無>
次いで、銅張積層板の表面に、塩化鉄エッチャント(塩化第二鉄含有エッチング溶液)をスプレーして、硬化層で覆われていない露出した領域の銅層を溶解除去する。次に、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーして硬化物レリーフを除去して、前記スルーホールを有し、表面に配線パターン状の銅層を備えたプリント配線板を得た。得られたプリント配線板のスルーホール内壁の、銅めっき層の異常の有無を目視で観察した。
(実施例2)
実施例1において、前記第二感光性樹脂組成物溶液の4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.4質量部、ベンゾフェノン3.0質量部をN−メチルアクリドン0.16質量部、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール1.04質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料を得た。いずれの層も厚みムラが±5%以内であった。
こうして得た前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、解像度、エッジラフネス、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、前記最短現像時間は25秒、前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、2mJ/cm2であり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm2(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは7、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は20であった。
(実施例3)
実施例1において、前記第二感光性樹脂組成物溶液のメチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体15質量部を13質量部に、ドデカプロピレングリコールジアクリレート6.5質量部を8.1質量部に、テトラエチレングリコールジメタクリレート1.5質量部を1.9質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料を得た。いずれの層も厚みムラが±5%以内であった。
こうして得た前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、解像度、エッジラフネス、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、前記最短現像時間は25秒、前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、2mJ/cm2であり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm2(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは7、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は20であった。
(実施例4)
厚みが20μmの前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(前記支持体)に、下記の組成からなる第一感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、厚み25μmの第一感光層を形成した。
[第一感光性樹脂組成物溶液の組成]
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/
メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8、質
量平均分子量:90,000、Tg:70℃) 15質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.04質量部
・ベンゾフェノン 1.0質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
次に、前記第一感光層の上に、下記の組成からなる水溶性ポリマー溶液を塗布し、乾燥して、厚みが1.6μmのバリアー層を形成した。
[水溶性ポリマー溶液の組成]
・ポリビニルアルコール(PVA205 クラレ(株)製) 13質量部
・ポリビニルピロリドン 6質量部
・水 200質量部
・メタノール 180質量部
次に、前記バリアー層の上に、下記の組成からなる第二感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、厚みが5μmの第二感光層を形成した。
[第二感光性樹脂組成物溶液の組成]
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/
メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8、質
量平均分子量:90,000、Tg:70℃) 15質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.4質量部
・ベンゾフェノン 3.0質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 10質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 20質量部
前記第二感光層の上に、保護フィルムとして厚みが12μmのポリプロピレンフィルムを積層してパターン形成材料を得た。次に巻き芯に上記パターン形成材料を幅550mm、長さ200mで支持体側を外側になるように巻き取りロール状物を得た。
こうして得た前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、解像度、エッジラフネス、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、前記最短現像時間は30秒、前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、4mJ/cm2であり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量B(硬化層の厚みが31.6μmとなったときのエネルギー量)は40mJ/cm2であり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm2(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは3.5、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.1)であった。また、第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は10であった。
(実施例5)
実施例4において、前記第二感光性樹脂組成物溶液の4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.4質量部、ベンゾフェノン3.0質量部をN−メチルアクリドン0.16質量部、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール1.04質量部にした以外は、実施例4と同様にして、パターン形成材料を得た。いずれの層も層厚ムラが±5%以内であった。
こうして得た前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、解像度、エッジラフネス、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、前記最短現像時間は30秒、前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、2mJ/cm2であり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量B(硬化層の厚みが31.6μmとなったときのエネルギー量)は40mJ/cm2であり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm2(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは7、前記光エネルギー量Aと前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度は20であった。
(実施例6)
実施例4において、前記第二感光性樹脂組成物溶液のメチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体15質量部を13質量部に、ドデカプロピレングリコールジアクリレート6.5質量部を8.1質量部に、テトラエチレングリコールジメタクリレート1.5質量部を1.9質量部にした以外は、実施例4と同様にして、パターン形成材料を得た。いずれの層も厚みムラが±5%以内であった。
こうして得た前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、解像度、エッジラフネス、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、前記最短現像時間は30秒、前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、2mJ/cm2であり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量B(硬化層の厚みが31.6μmとなったときのエネルギー量)は40mJ/cm2であり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm2(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは7、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は20であった。
(実施例7)
実施例6において、前記第二感光性樹脂組成物溶液の4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.4質量部、ベンゾフェノン3.0質量部をN−メチルアクリドン0.16質量部、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール1.04質量部にし、第一感光性樹脂組成物溶液を下記にした以外は、実施例4と同様にして、パターン形成材料を得た。いずれの層も層厚ムラが±5%以内であった。
こうして得た前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、解像度、エッジラフネス、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、最短現像時間は30秒、第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aは、1mJ/cm2であり、第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量B(硬化層の厚みが31.6μmとなったときのエネルギー量)は10mJ/cm2であり、第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量Cは3mJ/cm2(光エネルギー量Cと光エネルギー量Aとの比C/Aは3、光エネルギー量Aと光エネルギー量Bとの比A/Bは0.1)であった。また、第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度は10であった。
[第一感光性樹脂組成物溶液の組成]
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/
メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8、質
量平均分子量:90,000、Tg:70℃) 24質量部
・ヘキサメチレンジイソシアネートとオクタエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレートの1/2モル比付加物 12質量部
・N−メチルアクリドン 0.2質量部
・2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール 0.8質量部
・2−メルカプトベンズイミダゾール 0.2質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.8質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.03質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.03質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.32質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.25質量部
・メチルエチルケトン 55質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 8質量部
(比較例1)
実施例1おいて、前記第一感光層の厚みを30μmに変更し、前記第二感光層を塗布しない以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料を作製した。
こうして得た前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、解像度、エッジラフネス、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、前記最短現像時間は25秒、前記感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm2であった。
(比較例2)
実施例1において、前記第一感光層の厚みを5μmに変更し、前記第二感光層を塗布しない以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料を作製した。
こうして得た前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、解像度、エッジラフネス、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、最短現像時間は10秒以下、第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bは4mJ/cm2であった。
(比較例3)
実施例1のパターン形成装置において、前記式3に基づきN=1として設定傾斜角度θを算出し、前記式4に基づきttanθ´=1の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを導出し、N重露光(N=1)を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料を作製し、前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、解像度、エッジラフネス、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
比較例1における被露光面の露光の状態の例を、図46に示した。図46においては、ステージ14を静止させた状態で積層体12の被露光面上に投影される、一の露光ヘッド(例えば、3012)が有するDMD36の使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示した。また、下段部分に、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を、一の露光エリア(例えば、3212)について示した。
前記一の露光ヘッド(例えば、3012)の理想的な状態からのずれの結果として、被露光面上に現れるパターン歪みの一例であって、被露光面上に投影された各画素列の傾斜角度が均一ではなくなる「角度歪み」が生じている。図46の例に現れている角度歪みは、走査方向に対する傾斜角度が、図の左方の列ほど大きく、図の右方の列ほど小さくなっている形態の歪みである。この角度歪みの結果として、図の左方に示した被露光面上に露光過多となる領域が生じ、図の右方に示した被露光面上に露光不足となる領域が生じる。
表1の結果から、比較例3のパターンと比較して、2重露光における解像度のばらつきと露光むらを補正した実施例1〜7のパターンは高精細であり、エッジラフネスも小さく、また、エッチング性に優れることがわかった。また、本発明のパターン形成方法により形成した実施例1〜7のパターンは、比較例1のパターンと比較して、解像度及びエッチング性に優れ、比較例2のパターンと比較して、テント破れが発生せず、良好なパターンが得られることがわかった。
前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれ、並びに前記描素部と前記感光層の被露光面との間の光学系の各種収差、及び前記描素部自体の歪み等に起因するパターン歪みによる露光量のばらつきの影響を均し、前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらを軽減することにより、前記パターンを高精細に形成可能であり、かつ、厚みが異なる所望のパターンを高精細に形成可能であるため各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等のディスプレイ用部材の製造、印刷版、ホログラム、マイクロマシン、プルーフ等の各種の画像形成材料、及び三次元構造材料などの製造に好適に用いることができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。
図1は、パターン形成装置の一例の外観を示す斜視図である。 図2は、パターン形成装置のスキャナの構成の一例を示す斜視図である。 図3Aは、感光層の被露光面上に形成される露光済み領域を示す平面図である。 図3Bは、各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す平面図である。 図4は、露光ヘッドの概略構成の一例を示す斜視図である。 図5Aは、露光ヘッドの詳細な構成の一例を示す上面図である。 図5Bは、露光ヘッドの詳細な構成の一例を示す側面図である。 図6は、図1のパターン形成装置のDMDの一例を示す部分拡大図である。 図7Aは、DMDの動作を説明するための斜視図である。 図7Bは、DMDの動作を説明するための斜視図である。 図8は、ファイバアレイ光源の構成の一例を示す斜視図である。 図9は、ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列の一例を示す正面図である。 図10は、露光ヘッドの取付角度誤差及びパターン歪みがある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図11は、1つのDMDによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した上面図である。 図12は、被露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための上面図である。 図13は、選択されたマイクロミラーのみが露光に使用された結果、被露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図である。 図14は、隣接する露光ヘッド間に相対位置のずれがある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図15は、隣接する2つの露光ヘッドによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した上面図である。 図16は、被露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための上面図である。 図17は、図14の例において選択された使用画素のみが実動され、被露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図である。 図18は、隣接する露光ヘッド間に相対位置のずれ及び取付角度誤差がある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図19は、図18の例において選択された使用描素部のみを用いた露光を示す説明図である。 図20Aは、倍率歪みの例を示した説明図である。 図20Bは、ビーム径歪みの例を示した説明図である。 図21Aは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図21Bは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図22は、複数露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図23Aは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図23Bは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図24は、複数露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図25は、マルチモード光ファイバの構成を示す図の一例である。 図26は、合波レーザ光源の構成を示す平面図の一例である。 図27は、レーザモジュールの構成を示す平面図の一例である。 図28は、図27に示すレーザモジュールの構成を示す側面図の一例である。 図29は、図27に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。 図30は、レーザアレイの構成を示す斜視図の一例である。 図31Aは、マルチキャビティレーザの構成を示す斜視図の一例である。 図31Bは、図31Aに示すマルチキャビティレーザをアレイ状に配列したマルチキャビティレーザアレイの斜視図の一例である。 図32は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図33は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図34Aは、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図34Bは、図34Aの光軸に沿った断面図の一例である。 図35は、パターン形成材料の一例の模式断面図である。 図36は、パターン形成材料の一例の模式断面図である。 図37は、パターン形成材料の一例の模式断面図である。 図38は、パターン形成材料の一例の模式断面図である。 図39は、感光層に支持体側から光を照射したときの、光の照射量と硬化層の厚さとの関係を表す感度曲線を示すグラフである。 図40は、パターン形成材料の一例の模式断面図である。 図41は、パターン形成材料の一例の模式断面図である。 図42は、パターン形成材料の一例の模式断面図である。 図43は、パターン形成材料の一例の模式断面図である。 図44は、三層の感光層からなるパターン形成材料を用いて形成が可能な硬化層パターンを示す模式図である。 図45は、スルーホールを有するプリント配線板の製造工程を示す工程図である。 図46は、比較例1において、各画素列の傾斜角度が均一ではなくなる「角度歪み」により、被露光面上のパターンに生じたむらの例を示した説明図である。
符号の説明
B1〜B7 レーザビーム
L1〜L7 コリメータレンズ
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
10 パターン形成装置
12 感光層(積層体)
14 移動ステージ
18 設置台
20 ガイド
22 ゲート
24 スキャナ
26 センサ
28 スリット
30 露光ヘッド
32 露光エリア
36 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
38 ファイバアレイ光源
58 マイクロミラー(描素部)
60 レーザモジュール
62 マルチモード光ファイバ
64 光ファイバ
66 レーザ出射部
110 ヒートブロック
111 マルチキャビティレーザ
113 ロッドレンズ
114 レンズアレイ
140 レーザアレイ
200 集光レンズ
510、550 パターン形成材料
511、551 支持体
512、552 第一感光層
513、553 バリアー層
514、554 第二感光層
515、555 保護フィルム
516 薄膜硬化層
517 厚膜硬化層
518 剥離片
521 プリント配線板形成用基板
522 スルーホール
523 金属めっき層
524 配線パターン
531 加圧ローラ

Claims (28)

  1. 支持体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光層を2層以上有してなり、該感光層が少なくとも第一感光層と、前記第一感光層よりも硬化させるための光エネルギー量が少ない第二感光層とからなるパターン形成材料における前記感光層に対し、
    光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
    前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
    前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、
    前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光を行うことを含むことを特徴とするパターン形成方法。
  2. パターン形成材料における感光層が、支持体上に、第一感光層と、硬化させるための光エネルギー量が前記第一感光層よりも少ない第二感光層とがこの順に積層されてなる請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 第一感光層と第二感光層との間に、物質の移動を抑制可能なバリアー層を有する請求項2に記載のパターン形成方法。
  4. 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する請求項1から3のいずれかに記載のパターン形成方法。
  5. 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する請求項4に記載のパターン形成方法。
  6. 設定傾斜角度θが、N重露光数のN、描素部の列方向の個数s、前記描素部の列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態において該露光ヘッドの走査方向と直交する方向に沿った描素部の列方向のピッチδに対し、次式、spsinθideal≧Nδを満たすθidealに対し、θ≧θidealの関係を満たすように設定される請求項1から5のいずれかに記載のパターン形成方法。
  7. 使用描素部指定手段が、
    描素部により生成されて被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点位置を、被露光面上において検出する光点位置検出手段と、
    前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段と
    を備える請求項1から6のいずれかに記載のパターン形成方法。
  8. 使用描素部指定手段が、N重露光を実現するために使用する使用描素部を、行単位で指定する請求項1から7のいずれかに記載のパターン形成方法。
  9. 光点位置検出手段が、検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす実傾斜角度θ´を特定し、描素部選択手段が、前記実傾斜角度θ´と設定傾斜角度θとの誤差を吸収するように使用描素部を選択する請求項7から8のいずれかに記載のパターン形成方法。
  10. 実傾斜角度θ´が、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度の平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかである請求項9に記載のパターン形成方法。
  11. 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における1行目から前記T行目の前記描素部を、使用描素部として選択する請求項9から10のいずれかに記載のパターン形成方法。
  12. 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における、(T+1)行目からm行目の前記描素部を、不使用描素部として特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する請求項9から10のいずれかに記載のパターン形成方法。
  13. 描素部選択手段が、複数の描素部列により形成される被露光面上の重複露光領域を少なくとも含む領域において、
    (1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、使用描素部を選択する手段、
    (2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、使用描素部を選択する手段、
    (3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段、及び
    (4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段
    のいずれかである請求項7から12に記載のパターン形成方法。
  14. 描素部選択手段が、複数の露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、
    (1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
    (2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
    (3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、及び、
    (4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
    のいずれかである請求項7から13のいずれかに記載のパターン形成方法。
  15. 使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、(N−1)列毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光を行う請求項7から14のいずれかに記載のパターン形成方法。
  16. 使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、1/N行毎の描素部行を構成する前記描素部のみを使用して参照露光を行う請求項7から14のいずれかに記載のパターン形成方法。
  17. 使用描素部指定手段が、光点位置検出手段としてスリット及び光検出器、並びに描素部選択手段として前記光検出器と接続された演算装置を有する請求項1から16のいずれかに記載のパターン形成方法。
  18. N重露光のNが、3以上7以下の自然数である請求項1から17のいずれかに記載のパターン形成方法。
  19. 光変調手段が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を更に有してなり、光照射手段から照射される光を該パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて変調させる請求項1から18のいずれかに記載のパターン形成方法。
  20. パターン情報が表すパターンの所定部分の寸法が、指定された使用描素部により実現できる対応部分の寸法と一致するように前記パターン情報を変換する変換手段を有する請求項1から19のいずれかに記載のパターン形成方法。
  21. 光変調手段が、空間光変調素子である請求項1から20のいずれかに記載のパターン形成方法。
  22. 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である請求項21に記載のパターン形成方法。
  23. 描素部が、マイクロミラーである請求項1から22のいずれかに記載のパターン形成方法。
  24. 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である請求項1から23のいずれかに記載のパターン形成方法。
  25. 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する請求項1から24のいずれかに記載のパターン形成方法。
  26. 露光が行われた後、感光層の現像を行う請求項1から25のいずれかに記載のパターン形成方法。
  27. 現像が行われた後、永久パターンの形成を行う請求項26のいずれかに記載のパターン形成方法。
  28. 永久パターンが配線パターンであり、該永久パターンの形成がエッチング処理及びメッキ処理の少なくともいずれかにより行われる請求項27に記載のパターン形成方法。
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