JP2006267296A - 感光性転写シート及び感光性積層体、並びに、画像パターン形成方法及び配線パターン形成方法 - Google Patents

感光性転写シート及び感光性積層体、並びに、画像パターン形成方法及び配線パターン形成方法 Download PDF

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浩隆 松本
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Abstract

【課題】 多層レジスト系で、中間層に水溶性の光架橋性樹脂を用いることで、多層レジスト間での剥離による故障がなく、高感度、かつ良好な生保存性のある感光性転写シート及び感光性積層体を提供すること。
【解決手段】 支持体上に、バインダー、重合性化合物及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる感光層と、光架橋性樹脂及び光架橋性化合物の少なくともいずれかを含む層を有することを特徴とする感光性転写シート及び感光性積層体である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、感光性転写シート及び感光性積層体、並びに、画像パターン形成方法及び配線パターン形成方法に関する。本発明は、特にプリント配線板製造用として有用な感光性転写シート及び感光性積層体、そして該感光性転写シート若しくは感光性積層体を用いてプリント配線板の等に画像パターン及び配線パターンを形成する方法に関する。
支持体と感光層とを有する感光性転写シートは、プリント配線板、カラーフィルター、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などのディスプレイ用部材、印刷版、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの各種の画像形成材料などの製造のための画像様感光性転写シートとして広く利用されている。
プリント配線板の製造分野においては、透明支持体(例えばポリエチレンテレフタレート)と、その支持体の上に形成された感光層とからなる感光性転写シート(ドライフィルムレジストとも言う)を用いたフォトリソ技術によって、配線パターンを形成することが行われている。
例えば、スルーホールを有するプリント配線板の製造の場合、プリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)にスルーホールを形成し、スルーホール内側壁部に金属めっき層を形成した後、基板表面に感光性転写シートの感光層を重ね合わせて密着させ、配線パターン形成領域とスルーホール開口部を含む領域のそれぞれに光を所定のパターン状に照射して感光層を硬化させて硬化領域を形成する。次いで、感光性転写シートの支持体を剥がし取り、配線パターン形成領域上の硬化領域及びスルーホール開口部領域上の硬化領域(テント膜と呼ばれている)以外の未硬化領域を現像液を利用して溶解除去した後、露出した金属層部分をエッチング処理し、その後に硬化領域を除去することにより、基板表面に配線パターンを生成させることが行われている。
前記テント膜を用いて、スルーホールの金属めっき層を保護する方法は、一般にテンティング法と呼ばれている。また多層構成のプリント配線板においてはビアホールと呼ばれる層間接続用のホールが設けられる場合があり、この場合にも同様に、配線パターン形成時には、テント膜によりビアホール部を保護することが必要である。
近年、プリント配線板への高密度化の要求が高くなってきており、より高解像度が可能なフォトレジストフィルムが求められている。フォトレジストフィルムの解像度を高くするためには、その感光層の厚みを薄くすることが有効である。しかし前述のように、感光層が硬化した硬化層はプリント配線板に形成されたスルーホール又はビアホールを保護する役割もあり、単純に感光層の厚みを薄くしてしまうと、感光性樹脂組成物の未硬化領域を溶解除去する工程や露出した金属層部分をエッチング処理する工程で、このテント膜が破れて保護すべきスルーホールなどに損傷を与えてしまうという問題が発生する。また、複数の感光層を積層して、解像度を向上させるとともに、レジストとなる層を厚くして、前記スルーホール又はビアホールを保護する方法もあるが、現像の際に各感光層の中間に設けられている層の周辺部が溶解し、各感光層間が浮き上がったり、又は微小露光パターンに対しては剥離してしまうという問題があった。
これまでにも、高解像度のパターン形成が可能であって、破れにくいテント膜を形成できる感光性転写シートの開発が盛んに行われており、その成果が次のように開示されている。
特許文献1には、カルボキシル基を有するバインダー成分、特定のビニルウレタン化合物と特定のアクリレート化合物とを含むモノマー成分及び光重合開始剤からなる感光層を有する感光性転写シートが記載されている。
特許文献2には、支持体の上に、アルカリ可溶性で、加熱による流動性が小さく、活性エネルギー線に感応する第一の感光層を設け、更にその上にアルカリ可溶性で、加熱による流動性が大きく、活性エネルギー線に感応する第二の感光層を設けてなる二層の感光層を有する感光性転写シートが記載されている。この特許文献では、感光性転写シートの第二の感光層をスルーホール内に埋め込むことによりスルーホールの金属層を保護することができると説明されている。
特許文献3には、支持体の上に第一の感光層と第二の感光層を有する感光性樹脂積層体であって、これらの二層が互いに異なるビニル共重合体を有し、かつ両層に特定の単官能モノマーを含む例が記載されており、その効果として、密着と解像が向上すると記載されている。
特許文献4には、支持体の上に非粘着性の感光層と粘着性の感光層とを有するフォトレジスト及びこれを用いるプリント配線板の形成方法が記載されており、その効果として、テント性と解像性が向上することが記載されている。
特許文献5には、基材上に、光重合速度が互いに異なる少なくとも二層の光重合性層(厚みは25μm〜2.5mm)を有し、基材に近い側の重合速度が速い印刷レリーフ製造用の感光板が開示されており、印刷面の基部が頂部よりも広くなるようなレリーフ像を形成する例が記載されている。
特許文献6には、平凹版用感光性印刷版材が開示されており、感光層として、無公害なスチルバゾリウムのような置換スチリル残基を感光ユニットとする感光性ポリビニルアルコールを用い、経時安定性を向上させた印刷版材の例が記載されている。
非特許文献1には、光照射による物性の変化を利用する水溶性ポリマーの光架橋及び光架橋機能をもつ官能基を含むポリマーについて記載されており、前記水溶性ポリマーの光架橋剤として、重クロム酸塩、ジアゾニウム塩、水溶性アジド化合物が挙げられている。また、前記官能基を含むポリマーとして、ポリビニルアルコールにケイ皮酸ビニルをエステル化し、機械的強度の高い光2量化構造のポリケイ皮酸ビニル(PVAC)を合成した例が記載されている。
特開平10−142789号公報 特開平8−54732号公報 特開平10−111573号公報 特開平3−17650号公報 特公昭37−1306号公報 特公平3−70214号公報 フォトポリマーハンドブック p17〜p30(フォトポリマー懇話会編)(光架橋性樹脂)
本発明の課題は、二以上の感光層間での浮き上がりや微小露光パターンに対する剥離などの損傷が無く、画像内に厚みが異なる所望のパターンを容易に形成することできる感光性転写シート及び感光性積層体を提供することにある。
本発明の課題は、また、感光性転写シートあるいは感光性積層体を用いて、画像内に厚みが異なる所望のパターンを工業的に有利に形成することができる方法を提供することにもある。
本発明の課題は、特に、プリント配線板の製造に有効で、薄層化により高解像度化が可能であり、破れにくいテント膜を形成することができる感光性転写シートを提供することにある。
本発明の課題は、また、感光性転写シートを用いて、スルーホールやビアホールなどのホール部を有するプリント配線板を工業的に有利に製造できる方法を提供することにもある。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体上に、バインダー、重合性化合物及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる感光層と、
光架橋性樹脂及び光架橋性化合物の少なくともいずれかを含む層を有することを特徴とする感光性転写シートである。
<2> 感光層が、バインダー、重合性化合物及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる第一感光層と、
バインダー、重合成化合物及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、かつ前記第一感光層の光感度よりも相対的に高い光感度を示す第二感光層とからなり、
前記第一感光層と前記第二感光層とがこの順に積層されてなり、
前記第一感光層と前記第二感光層との間に、光架橋性樹脂及び光架橋性化合物の少なくともいずれかを含む中間層を有する前記<1>に記載の感光性転写シートである。
<3> 中間層が、水及び炭素原子数1〜4のアルコールの少なくともいずれかに対して溶解性がある樹脂を主成分として含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の感光性転写シートである。
<4> 光架橋性樹脂及び光架橋性化合物の少なくともいずれかが、水及び炭素原子数1〜4のアルコールの少なくともいずれかに対して溶解性がある<1>から<3>のいずれかに記載の感光性転写シートである。
<5> 中間層の厚みが、0.1〜5μmである<1>から<4>のいずれかに記載の感光性転写シートである。
<6> 光架橋性化合物が、スチルバゾリウムム基含有化合物、ジアゾニウム塩化合物及びアジド化合物から選ばれる化合物を少なくとも一つ含有する<1>から<5>のいずれかに記載の感光性転写シートである。
<7> 光架橋性樹脂が、スチルバゾリウム基含有ポリマー、ジアゾニウム基含有ポリマー及びアジド基含有ポリマーから選ばれるポリマーを少なくとも一つ含有する<1>から<6>のいずれかに記載の感光性転写シートである。
<8> 光架橋性樹脂が、一般式(Ia)若しくは一般式(Ib)で示される構成単位を有するポリマーのいずれかを含有する<1>から<7>のいずれかに記載の感光性転写シートである。
前記一般式(Ia)において、Aは、Aは、単結合、2価及び3価の少なくともいずれかの連結基、Bは、単結合及びアルキレンオキサイド鎖のいずれか、Arは、アリール基、Eは、四級化された含窒素複素環残基を表す。
前記一般式(Ib)において、Aは、Aは、単結合、2価及び3価の少なくともいずれかの連結基、Bは、単結合及びアルキレンオキサイド鎖のいずれか、Eは、四級化された含窒素複素環残基、Arは、アリール基を表す。
<9> 光架橋性樹脂が、一般式(II)で示される構成単位を有するポリマーを含有する<1>から<8>のいずれかに記載の感光性転写シートである。
前記一般式(II)において、Aは、Aは、単結合、2価及び3価の少なくともいずれかの連結基、Bは、単結合及びアルキレンオキサイド鎖のいずれか、Xは、1価の陰イオン、Rは、1価の置換基、nは、1〜4の整数を表す。nが2以上の場合に、Rは同一であってもよく、異なっていてもよい。
<10> 光架橋性樹脂が、一般式(III)で示される構成単位を有するポリマーを含有する<1>から<9>のいずれかに記載の感光性転写シートである。
前記一般式(III)において、Aは、Aは、単結合、2価及び3価の少なくともいずれかの連結基、Bは、単結合及びアルキレンオキサイド鎖のいずれか、Rは、1価の置換基、nは、1〜4の整数を表す。nが2以上の場合に、Rは同一であってもよく、異なっていてもよい。
<11> 支持体が、透明の合成樹脂からなる<1>から<10>のいずれかに記載の感光性転写シートである。
<12> 第二感光層の上に保護フィルムが配置されている<1>から<11>のいずれかに記載の感光性転写シートである。
<13> プリント配線板の製造に用いられる<1>から<12>のいずれかに記載の感光性転写シートである。
<14> 基体上に、前記<1>から<13>のいずれかに記載の感光性転写シートが形成されたことを特徴とする感光性積層体である。
<15> 下記の工程を含む、基板上に、第一感光層と第二感光層とが共に硬化することにより形成された硬化樹脂が存在する領域と、
硬化樹脂が存在しない領域とから構成されるパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法;
(1) 基板上に、前記<1>から<13>のいずれかに記載の感光性転写シートを、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る積層体形成工程;
(2) 積層体の第一感光層の側から所定のパターンの光照射を行い、その光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させる硬化工程;
(3) 積層体から支持体を除去する支持体除去工程;
(4) 積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する未硬化部分除去工程。
<16> (3)の支持体除去工程を、工程(2)と工程(4)との間で行う代わりに、工程(1)と工程(2)との間で行う<15>に記載のパターン形成方法。
<17> 工程(2)における硬化工程が、積層体の第一感光層の側から、互いに相違する少なくとも二レベルの照射エネルギー量の光を照射する領域を規定するパターンにて光照射し、光照射エネルギー量が相対的に大きい光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させ、光照射エネルギー量が相対的に小さい光照射を受けた領域の第二感光層を硬化させる硬化工程である<15>から<16>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<18> 工程(2)における光照射をレーザ光の照射により行う<15>から<17>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<19> 基板が、プリント配線板形成用基板である<15>から<18>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<20> 基板が、ホール部を有するプリント配線板形成用基板である<15>から<19>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<21> 基体上に感光性転写シートを加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層し、露光する前記<15>から<20>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<22> 露光が、形成するパターン情報に基づいて像様に行われる前記<15>から<21>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<23> 露光が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成し、該制御信号に応じて変調させた光を用いて行われる前記<15>から<22>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
該<23>に記載のパターン形成方法においては、形成するパターン形成情報に基づいて制御信号が生成され、該制御信号に応じて光が変調される。
<24> 露光が、光を照射する光照射手段と、形成するパターン情報に基づいて前記光照射手段から照射される光を変調させる光変調手段とを用いて行われる前記<15>から<23>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<25> 露光が、光変調手段により光を変調させた後、前記光変調手段における描素部の出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通して行われる前記<24>に記載のパターン形成方法である。
該<25>に記載のパターン形成方法においては、前記光変調手段により変調した光が、前記マイクロレンズアレイにおける前記非球面を通ることにより、前記描素部における出射面の歪みによる収差が補正される。この結果、感光性転写シート上に結像させる像の歪みが抑制され、該感光性転写シートへの露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<26> 非球面が、トーリック面である前記<25>に記載のパターン形成方法である。
該<26>に記載のパターン形成方法においては、前記非球面がトーリック面であることにより、前記描素部における放射面の歪みによる収差が効率よく補正され、感光性転写シート上に結像させる像の歪みが効率よく抑制される。この結果、前記感光性転写シートへの露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<27> 露光が、アパーチャアレイを通して行われる前記<15>から<26>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
該<27>に記載のパターン形成方法においては、露光が前記アパーチャアレイを通して行われることにより、消光比が向上する。この結果、露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<28> 露光が、露光光と感光層とを相対的に移動させながら行われる前記<15>から<27>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
該<28>に記載のパターン形成方法においては、前記変調させた光と前記感光層とを相対的に移動させながら露光することにより、露光が高速に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、高精細なパターンが形成される。
<29> 露光が、感光層の一部の領域に対して行われる前記<15>から<28>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<30> 現像が行われた後、永久パターンの形成を行う前記<15>から<29>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<31> 永久パターンが、配線パターンであり、該永久パターンの形成がエッチング処理及びメッキ処理の少なくともいずれかにより行われる前記<30>に記載のパターン形成方法である。
<32> 前記<1>から<13>のいずれかに記載の感光性転写シート及び前記<14>に記載の感光性積層体のいずれかを備えており、
光を照射可能な光照射手段と、該光照射手段からの光を変調し、前記感光性転写シートにおける感光層に対して露光を行う光変調手段とを少なくとも有することを特徴とするパターン形成装置である。
該<32>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が、前記光変調手段に向けて光を照射する。前記光変調手段が、前記光照射手段から受けた光を変調する。前記光変調手段により変調した光が前記感光層に対して露光させる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、高精細なパターンが形成される。
<33> 光変調手段が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を更に有してなり、光照射手段から照射される光を、該パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて変調させる前記<32>に記載のパターン形成装置である。
該<33>に記載のパターン形成装置においては、前記光変調手段が前記パターン信号生成手段を有することにより、前記光照射手段から照射される光が該パターン信号生成手段により生成した制御信号に応じて変調される。
<34> 光変調手段が、n個の描素部を有してなり、該n個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の前記描素部を、形成するパターン情報に応じて制御可能である前記<32>から<33>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
該<34>に記載のパターン形成装置においては、前記光変調手段におけるn個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の描素部をパターン情報に応じて制御することにより、前記光照射手段からの光が高速で変調される。
<35> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<32>から<34>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
<36> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<35>に記載のパターン形成装置である。
<37> 描素部が、マイクロミラーである前記<32>から<36>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
<38> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<32>から<37>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
該<38>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が2以上の光を合成して照射可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光によって行われる。この結果、前記感光性転写シートへの露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<39> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する前記<32>から<38>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
該<39>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が、前記複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザ光が前記集合光学系により集光され、前記マルチモード光ファイバに結合可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記感光性転写シートへの露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
本発明の感光性転写シート及び感光性積層体は、二以上の感光層間での浮き上がりや微小露光パターンに対する剥離などの損傷がなく、画像内に厚みが異なる所望のパターンを容易に形成することができる。
また、本発明の感光性転写シートあるいは感光性積層体を用いて、画像内に厚みが異なる所望のパターンを工業的に有利に形成できる方法を提供することができる。
本発明の感光性転写シートは、プリント配線板の製造に有効で、薄層化により高解像度化が可能であり、破れにくいテント膜を形成することができる。
また、本発明の感光性転写シートを用いて、スルーホールやビアホールなどのホール部を有するプリント配線板を工業的に有利に製造できる方法を提供することができる。
本発明の感光性転写シート、感光性積層体、パターン形成方法及びパターン形成装置について順に説明する。
―感光性転写シート―
本発明の感光性転写シートは、支持体上に、バインダー、重合性化合物及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる感光層と、光架橋性樹脂及び光架橋性化合物の少なくともいずれかを含む層を有する感光性転写シートである。前記感光層は、単層でもよく、2以上の層でもよい。2以上の層形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第一感光層、中間層及び第二感光層がこの順に積層された形態、第一感光層、中間層、第二感光層、中間層及び第三感光層がこの順に形成された形態、更に目的に応じて適宜選択されるその他の層が積層された形態でもよい。
――中間層――
前記中間層は、第一感光層と第二感光層の中間のように、二層以上の感光層の中間に配置される層で、各感光層に含まれる物質の移行防止や移行を抑制し、酸素や湿度などの外的影響を防止、抑制する機能を有するとともに、現像の際に前記二層以上の感光層の浮き上がりや剥離を防止する機能がある。即ち、前記中間層は、各感光層の成分が他の層に移行して感度や層の物性が変化してしまうのを防ぐとともに、現像の際、前記中間層自身の周辺部を溶解しないようにし、感光層の浮き上がりや剥離を防止することにより、隣接する前記感光層と前記中間層の各周辺端面を凹凸がない滑らかな面に形成する機能がある。また、前記中間層に水溶性の光架橋性樹脂又は光架橋性化合物を用いることで感光性転写シートの生保存性を向上させる機能がある。
前記中間層の材料としては、前記諸機能が維持され、前記光架橋性樹脂及び光架橋性化合物の少なくともいずれかを含有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水若しくは炭素原子数1〜4のアルコールに対して溶解性がある樹脂を主成分として含むものが好ましい。
前記溶解性とは、前記溶媒に対して溶解又は乳化、分散することを表し、溶解の場合には、具体的には、温度20℃において、前記アルコール100mlに対して前記中間層0.1g以上溶解できることをいい、1g以上が好ましく、5g以上がより好ましい。乳化、分散の場合には、温度20℃において、乳化、分散直後に、沈降物が、1%以下であればよい。この範囲を超えると、均一な塗布ができないことがある。
――光架橋性化合物――
前記光架橋性化合物としては、水若しくは炭素原子数1〜4のアルコールに対して前記と同様の溶解性があれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチルバゾリウム基含有化合物、ジアゾニウム塩化合物及びアジド化合物から選ばれる化合物を少なくとも一つを含有するものが好ましい。
前記スチルバゾリウム基含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A)で表される化合物などが挙げられる。
ただし、前記一般式(A)中、Rは、四級化された芳香族性含窒素複素環残基、Rは水素原子又は一価の置換基でnは1〜5の整数である。nが2以上の場合、Rは同一でもよく異なっていてもよい。
は、環構成窒素原子の少なくとも1個が四級化された芳香族性含窒素複素環残基であって、例えば、ピリジウム基、キノリニウム基、イソキノリニウム基、ピリミジニウム基、チアゾリウム基、ベンゾチアゾリウム基、ベンゾオキサゾリウム基などが挙げられる。これらの環には、更に置換基を有していてもよい。これらの中でも、二官能以上のスチルバゾリウム基含有化合物が好ましい。
前記二官能化合物の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1−メチル−2−スチリルピリジウム、1−メチル−4−スチリルピリジウム、1−エチル−2−スチリルピリジウム、1−エチル−4−スチリルピリジウム、1−アリル−4−スチリルピリジウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−スチリルピリジウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−4−スチリルピリジウム、1−カルバモイルメチル−4−スチリルピリジウム、1−ベンジル−4−スチリルピリジウム、1−メチル−2−スチリルキノリニウム、1−エチル−2−スチリルキノリニウム、1−エチル−2−スチリルベンゾチアゾリウム、1−メチル−2−スチリルベンゾオキサゾリウム、1−メチル−4(γ−メトキシスチリル)ピリジウム、などが挙げられる。
これらの中でも、1−メチル−4−スチリルピリジウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−4−スチリルピリジウム、1−メチル−4(γ−メトキシスチリル)ピリジウムが好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記一価の置換基としては、置換又は無置換のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヒドロキシエチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、スルホプロピル基、ジエチルアミノエチル基、シアノプロピル基、アダマンチル基、p−クロロフェネチル基、エトキシエチル基、エチルチオエチル基、フェノキシエチル基、カルバモイルエチル基、カルボキシエチル基、エトキシカルボニルメチル基、アセチルアミノエチル基など)置換又は無置換のアルケニル基(例えば、アリル基、スチリル基など)、置換又は無置換のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−カルボキシフェニル基、3,5−ジカルボキシフェニル基、m−スルホフェニル基、p−アセトアミドフェニル基、3−カプリルアミドフェニル基、p−スルファモイルフェチル基、m−ヒドロキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、p−アニシル基、o−アニシル基、p−シアノフェニル基、p−N−メチルウレイドフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−トリル基、m−トリル基など)、置換又は無置換のヘテロ環基(例えば、ピリジル基、5−メチル−2−ピリジル基、チェニル基など)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子など)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ニトロ基、置換又は無置換のアルキコシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基など)、置換又は無置換のアリーロキシ基(例えば、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、α−ナフトキシ基など)、置換又は無置換のアシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基など)、置換又は無置換のアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、カプロイルアミノ基など)、置換又は無置換のスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基など)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基など)、置換又は無置換のアミノ基(例えば、ジエチルアミノ基、ヒドロキシアミノ基など)、アルキルチオ基又はアリールチオ基(例えば、メチルチオ基、カルボキシエチル基、スルホブチルチオ基、フェニルチオ基など)、アルキコシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基)、アリーロキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基など)などが挙げられる。
また、これらの置換基上に、更にアルキル基、アルケニル基、アリール基、キドロキシ基、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、スルホンアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基などが置換されていてもよい。
前記二官能以上化合物として、具体的には、下記構造式(23−1)〜(23−9)などが挙げられる。


これらの中でも、前記構造式(23−1)及び(23−4)の化合物が好ましい。
前記ジアゾニウム塩化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(24−1)〜(24−13)などが挙げられる。
これらの中でも、二官能以上のジアゾニウムが好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
塩の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハロゲン、NO−、1/2SO2−、HSO−、1/3PO3−、1/2ZnCl−、BF−、PF−、CHOSO−、ASO−、(Ph)−SO−などが挙げられる。なお、(Ph)はフェニル基を表す。これらの中でも、HSO−、1/3PO3−、1/2ZnCl−が好ましい。
前記アジド化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(25−1)〜(25−27)などが挙げられる。

これらの中でも、二官能以上のアジド化合物が好ましく、前記構造式(25−1)、(25−2)、(25−3)、(25−11)などが好ましい。これら、スチリルピリジウム基含有化合物、ジアゾニウム塩アジド化合物は、単独でも、混合してもよく、例えば、下記のようなポリマーと混合して用いることができる。前記ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性ポリマーが好ましく、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、カゼイン、ノボラック樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。また、下記構造式(25−28)〜(25−30)などのモノアジド化合物を好適に用いることができる。
―――光架橋性樹脂―――
前記光架橋性樹脂としては、水若しくは炭素原子数1〜4のアルコールに対して前記と同様の溶解性がであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチルバゾリウム基含有ポリマー、ジアゾニウム基含有ポリマー及びアジド基含有ポリマーから選ばれるポリマーを少なくとも一つ含有するものが好ましい。
前記スチルバゾリウム基含有ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(27―1)〜(27−3)などが挙げられる。
これらの他に、後述の構造式(36−1)〜(36−40)などを用いることができる。これらのポリマーは単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記構造式(27−1)が好ましい。
前記ジアゾニウム基含有ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(28−1)〜(28−5)などが挙げられる。

これらの他に、後述の構造式(44−1)〜(44−17)などを用いることができる。これらのポリマーは単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記構造式(28−1)、(28−5)及び後述の構造式(44−6)、(44−7)、(44−11)、(44−12)などが好ましい。
前記アジド基含有ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(29−1)〜(29−3)などが挙げられる

これらの他に、後述の構造式(44−18)〜(44−39)などを用いることができる。これらのポリマーは単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記構造式(29−1)、後述の構造式(44−29)、(44−30)、(44−32)、(44−34)などが好ましい。
また、前記光架橋性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(Ia)若しくは下記一般式(Ib)で示される構成単位を有するポリマーの少なくともいずれかを含有するものでもよい。
前記一般式(Ia)において、Aは、Aは、単結合、2価及び3価の少なくともいずれかの連結基、Bは、単結合及びアルキレンオキサイド鎖のいずれか、Arは、アリール基、Eは、四級化された含窒素複素環残基を表す。
前記一般式(Ib)において、Aは、Aは、単結合、2価及び3価の少なくともいずれかの連結基、Bは、単結合及びアルキレンオキサイド鎖のいずれか、Eは、四級化された含窒素複素環残基、Arは、アリール基を表す。
前記スチルバゾリウム基含有ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(36−1)〜(36−7)などが挙げられる。

ただし、Ra1は、一価の置換基、Ra2は、アルキル基、水素原子、アルコキシ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基を表す。
a3は、一価の置換基、Ra3が、複数ある場合、同一でもよく、異なっていてもよい。また、連続して環を形成してもよい。更に、下記構造式(36−8)又はポリビニルアルコール類など水溶性ポリマーと下記構造式(36−9)又は(36−10)の反応物も好適に用いられる。
下記構造式(36−9)の具体例としては、1−メチル−2−(p−ホルミルスチリル)ピリジウム、1−メチル−4−(p−ホルミルスチリル)ピリジニウム、1−エチル−2−(p−ホルミルスチリル)ピリジウム、1−エチル−4−(p−ホルミルスチリル)ピリジニウム、1−アリル−4−(p−ホルミルスチリル)ピリジニウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−(p−ホルミルスチリル)ピリジニウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−4−(p−ホルミルスチリル)ピリジニウム、1−カルバモイルメチル−2−(p−ホルミルスチリル)ピリジニウム、1−カルバモイルメチル−4−(p−ホルミルスチリル)ピリジニウム、1−メチル−2−(m−ホルミルスチリル)ピリジニウム、1−ベンジル−2−(p−ホルミルスチリル)ピリジニウム、1−ベンジル−4−(p−ホルミルスチリル)ピリジニウム、1−−4−(p−ホルミルスチリル)−5−エチルビリジニウム、1−メチル−2−(p−ホルミルスチリル)キノリニウム、1−エチル−2−(p−ホルミルスチリル)キノリニウム、1−エチル−4−(p−ホルミルスチリル)キノリニウム、1−メチル−2−(p−ホルミルスチリル)ベンゾチアゾリウム、1−エチル−2−(p−ホルミルスチリル)ベンゾチアゾリウム、1−エチル−2−(p−ホルミルスチリル)ベンゾオキサゾリウム)などが挙げられる。
下記構造式(36−10)の具体例としては、下記構造式((36−11)〜(36−23)などが挙げられる。

ただし、前記構造式(36−8)中のRは、四級化された芳香族性含窒素複素環残基、Rは、水素原子又は低級アルコキシ基、mは、0又は1、nは1〜6の整数である。

ただし、前記構造式(36−9)中のRは、四級化された芳香族性含窒素複素環残基、Rは、水素原子又は低級アルコキシ基、mは、0又は1、nは1〜6の整数である。

ただし、前記構造式(36−10)中のRは、四級化された芳香族性含窒素複素環残基、Rは、水素原子又は低級アルコキシ基、R及びRは、それぞれ低級アルキル基であるか又は両方でアルキレン基を形成するものであり、mは、0又は1、nは1〜6の整数である。
前記構造式(36−9)及び(36−10)中のRは、環構成窒素原子の少なくとも1個が四級化された芳香族性含窒素複素環残基であって、このようなものとしいては、例えば、ピリジウム族、キノリニウム族、イソキノリニウム族、ピリミジリウム族、チアゾリウム族、ベンゾチアゾリウム族、ベンジオキサゾリウムなどが挙げられる。これらの環には、更にアルキル基、アルコキシル基、アミノ基、カルバモイル基などの置換基が存在してもよい。また、Rは、水素原子、又はメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基などの低級アルコキシ基である。

前記スチルバゾリウム基含有ポリマーの具体例としては、下記構造式(36−24)〜(36−40)などが挙げられる。



これらは、単独ポリマーでもよく、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルなどとの共重合であってもよく、また、他のポリマーとの混合物であってもよい。他のポリマーとしては水溶性のポリマーが好ましく、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、カゼイン、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。
また、前記光架橋性樹脂としては、例えば、下記一般式(II)で示される構成単位を有するポリマーを含有するものでもよい。
前記一般式(II)において、Aは、Aは、単結合、2価及び3価の少なくともいずれかの連結基、Bは、単結合及びアルキレンオキサイド鎖のいずれか、Xは、1価の陰イオン、Rは、1価の置換基、nは、1〜4の整数を表す。nが2以上の場合には、Rは同じでもよく、異なっていてもよい。
また、前記光架橋性樹脂としては、例えば、、下記一般式(III)で示される構成単位を有するポリマーを含有するものでもよい。
前記一般式(III)において、Aは、Aは、単結合、2価及び3価の少なくともいずれかの連結基、Bは、単結合及びアルキレンオキサイド鎖のいずれか、Rは、1価の置換基、nは、1〜4の整数を表す。nが2以上の場合には、Rは同じでもよく、異なっていてもよい。
前記一般式(II)及び前記一般式(III)で表される前記光架橋性樹脂の具体例としては、下記の構造式に示すジアゾニウム基含有ポリマー、アジド基含有ポリマーなどが挙げられる。これらのポリマーは単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記ジアゾ基含有ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(44−1)〜(44−17)などが挙げられる。

これらの中でも、前記構造式(44−6)、(44−7)、(44−11)、(44−12)などが好ましい。
前記アジド基含有ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(44−18)〜(44−39)などが挙げられる。

これらの中でも、前記構造式(44−29)、(44−30)、(44−32)、(44−34)などが好ましい。
これらは、単独ポリマーでもよく、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどとの共重合であってもよく、また、それらを二種以上混合してもよい。更に他のポリマーと混合してもよい。他のポリマーとしては水溶性のポリマーが好ましく、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、カゼイン、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。
前記中間層の厚みとしては、前記諸機能が維持されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜5μmが好ましく、0.5〜4μmがより好ましく、1〜3μmが特に好ましい。0.1μmより薄いと、充分なバリアー性や剥離防止作用が得られない場合があり、5μmを超えると現像に長時間を要するようになる。
前記中間層形成用のポリマー溶液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感光層と同様の塗布溶媒を用いてもよいし、水、あるいは水と溶剤との混合溶剤を用いてもよく、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類などの前記親水性溶媒などを用いることができる。溶剤の使用は、固形分10%〜90%の塗布液になるように用いればよい。
――第一感光層及び第二感光層――
前記第一感光層及び第二感光層は、光照射部分が硬化して、該硬化部分が前記支持体に密着し現像液で溶解除去する際に、未硬化部分のみ溶解除去され、前記硬化部分が前記支持体に残存することにより目的のパターンを形成する機能を有する。前記第一感光層の光感度は、第二感光層よりも相対的に低く設定されることにより、前記感光性転写シート1枚で目的に応じた複数の厚みを形成することができる機能を有する。前記第一感光層及び第二感光層は、バインダー、重合性化合物及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、更に目的に応じて適宜選択されるその他の成分からなる。
――バインダー――
前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ水溶液に可溶であることが好ましく、あるいは少なくとも膨潤性を有することが好ましい。このようなバインダーとしては、例えば、酸性基(カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基など)を有するものが利用できるが、特にカルボキシル基を有するバインダーが代表的であり、例えば、カルボキシル基含有ビニル共重合体、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂、変性エポキシ樹脂などが挙げられるが、塗布溶媒への溶解性、アルカリ現像液への溶解性、合成適性、膜物性の調整の容易さなどからカルボキシル基含有ビニル共重合体が好ましい。
前記カルボキシル基含有ビニル共重合体は、少なくとも(1)カルボキシル基含有ビニルモノマー、及び(2)これらと共重合可能なモノマーとの共重合により得ることができる。
前記カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω―カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
上記の共重合体の合成に用いることができるその他の共重合可能なモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。具体的には、以下の様な化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、β−フェノキシエトキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類としては、例えば、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。フマル酸ジエステル類としては、例えば、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。イタコン酸ジエステル類としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
スチレン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
上記化合物の他にも、(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(例えば、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾールなど)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン等も使用できる。
また、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチルエチル)、リン酸モノ(1−メチル−2−アクリロイルオキシエチルエステル)なども利用できる。
上記の化合物以外にも、例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基などの官能基を有するビニルモノマーも用いることができる。
この様なウレタン基、又はウレア基を有するモノマーとしては、例えば、イソシアナート基と水酸基、又はアミノ基の付加反応を利用して、適宜合成することが可能である。具体的には、イソシアナート基含有モノマーと水酸基を1個含有する化合物又は1級あるいは2級アミノ基を1個含有する化合物との付加反応、又は水酸基含有モノマー又は1級あるいは2級アミノ基含有モノマーとモノイソシアネートとの付加反応等により適宜合成することができる。
前記イソシアナート基含有モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記のような化合物が挙げられる(Rは水素原子又はメチル基を表す)。
前記モノイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シクロヘキシルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、トルイルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、フェニルイソシアネート等が挙げられる。
前記水酸基含有モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記のような化合物が挙げられる(Rは水素原子又はメチル基を表し、nは1以上の整数を表す)。
前記水酸基を1個含有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、n−プロパノール、i―プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−オクタデカノール、シクロペンタノール、シクロへキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等)、フェノール類(フェノール、クレゾール、ナフトール等)、更に置換基を含むものとして、フロロエタノール、トリフロロエタノール、メトキシエタノール、フェノキシエタノール、クロロフェノール、ジクロロフェノール、メトキシフェノール、アセトキシフェノール等も挙げられる。
1級あるいは2級アミノ基含有モノマーとしては、例えば、ビニルベンジルアミンなどが挙げられる。
1級あるいは2級アミノ基を1個含有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルアミン(メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i―プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン)、環状アルキルアミン(シクロペンチルアミン、シクロへキシルアミン等)、アラルキルアミン(ベンジルアミン、フェネチルアミン等)、アリールアミン(アニリン、トルイルアミン、キシリルアミン、ナフチルアミン等)、更にこれらの組み合わせ(N−メチル−N−ベンジルアミン等)、更に置換基を含むアミン(トリフロロエチルアミン、ヘキサフロロイソプロピルアミン、メトキシアニリン、メトキシプロピルアミン等)等が挙げられる。
上記の化合物は一種のみでも、また二種以上を併用してもよい。その他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、及びヒドロキシスチレンなどが特に好ましい。
この様なビニル共重合体は、それぞれ相当するモノマーを公知の方法で常法に従って共重合させることで得られる。例えばこれらのモノマーを適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用して得られる。また水性媒体中に上記のモノマーを分散させた状態でいわゆる乳化重合等で重合をおこなってもよい。
溶液重合法で用いられる適当な溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、用いるモノマー、及び生成する共重合体の溶解性に応じて任意に選択できる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンが挙げられる。これらの溶媒は、二種以上を混合して使用してもよい。また、ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)の様なアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシドの様な過酸化物、及び過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムの様な過硫酸塩などが利用できる。
これらのモノマーから得られるビニル共重合体中のカルボキシル基を有する重合性化合物に由来の繰り返し単位の含有率は、各感光層ともに共重合体の全繰り返し単位中の5〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましく、15〜35モル%が特に好ましい。該含有率が5モル%未満であるとアルカリ水への現像性が不足する場合があり、50モル%を越えると硬化部(画像部)の現像液耐性が不足する場合がある。
カルボキシル基を有するバインダーの分子量は任意に調整が可能であるが、各感光層ともに質量平均分子量として2,000〜300,000が好ましく、4,000〜150,000がより好ましい。質量平均分子量が2,000未満であると膜の強度が不足しやすく、また安定な製造が困難になる傾向にある。また分子量が300,000を超えると現像性が低下する傾向にある。
また、これらのカルボキシル基を有するバインダーは、各感光層ともに一種でも二種以上のバインダーを併用してもよい。2種以上のバインダーを併用する場合としては、例えば、異なる共重合成分からなる2種以上のバインダー、異なる質量平均分子量の2種以上のバインダー、異なる分散度の2種以上のバインダー等が挙げられる。
カルボキシル基を有するバインダーは、そのカルボキシル基の一部又は全てが塩基性物質で中和されていてもよい。バインダーは、更にポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ゼラチン等構造の異なる樹脂を併用してもよい。
また、バインダーとしては、例えば、特許2873889号等に記載のアルカリ水溶液に可溶な樹脂なども挙げられる。
感光層中のバインダーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各感光層ともに通常、10〜90質量%であり、20〜80質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましい。該カルボキシル基を有するバインダー(及び必要に応じて併用される高分子結合剤)の含有量が少ないと、アルカリ現像性やプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)との密着性が低下しやすく、多くなり過ぎると、現像時間に対する安定性や硬化膜(テント膜)の強度が低下する傾向にある。また、感度調整の為に、上記範囲内で第二感光層に含有されているバインダーの含有率が第一感光層に含有されているバインダーの含有率より低く(重合性化合物の含有率を高く)するなどの調整を行ってもよい。
――重合性化合物――
前記重合性化合物(いわゆるモノマー)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合性基を2個以上含有するモノマー、あるいはオリゴマー(多官能モノマー、多官能オリゴマー)などが挙げられる。
重合性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン性不飽和結合(例えば(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基、ビニルエステルやビニルエーテルなどのビニル基、アリルエーテルやアリルエステルなどのアリル基など)、重合可能な環状エーテル基(例えばエポキシ基、オキセタン基など)などが挙げられる。これらの中でも、エチレン性不飽和結合が好ましい。
このような多官能モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜18であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2から18であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなど)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,5−ベンタンジオール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート(例えば、WO01/98832号公報に記載の化合物など)、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加したトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、キシレノールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル類の中でも、その入手の容易さから、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加したトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
前記イタコン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イタコン酸エステル)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4ーブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、及びソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
前記クロトン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(クロトン酸エステル)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、及びソルビトールテトラジクロトネート等が挙げられる。
前記イソクロトン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イソクロトン酸エステル)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、及びソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(マレイン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、及びソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
また、多価アミン化合物と不飽和カルボン酸類から誘導されるアミドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、オクタメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミンビス(メタ)アクリルアミド、及びキシリレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
更に、ビスフェノール骨格を有する2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換したエチレンオキシ基の数が2から20の2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル)プロパン(例えば2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンなど)、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換したプロピレンオキシ基の数が2から20の2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン(例えば2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパンなど)やこれらの化合物のポリエーテル部位として同一分子中にポリエチレンオキシド骨格とポリプロピレンオキシド骨格の両者を含む化合物なども挙げられる(例えば、WO01/98832号公報に記載の化合物など)。これらの化合物は、例えば、BPE−200,BPE−500,BPE−1000(新中村化学工業(株)製)などとして入手できる。
また、ビスフェノールとエチレンオキシドやプロピレンオキシドなどの付加物、重付加物として得られる末端に水酸基を有する化合物に対してイソシアネート基と重合基を有する化合物(2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、α、α−ジメチル−ビニルベンジルイソシアネートなど)の付加体の様にビスフェノール骨格とウレタン基を有する重合性化合物も利用できる。
また、ノボラック型エポキシ樹脂、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等のグリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物も利用できる。
また、重合性基とウレタン基を含有する化合物も利用できる。この様な化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特公昭48−41708、特開昭51−37193、特公平5−50737、特公平7−7208、特開2001−154346、特開2001−356476号公報などに記載されており、例えば、1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルジイソシアネートやこれらのジイソシアネートのビュレット体やイソシアヌレートなどの3量体、これらのジイソシアネート類とトリメチロールプロパン、ペンタエリスルトール、グリセリンなどの多官能アルコール、又はこれらのエチレンオキシド付加物など得られる多官能アルコールとの付加体など)と分子中に水酸基を含有するビニルモノマー(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、など)とを付加せしめることで得られる1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。またトリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等の様なイソシアヌレート環を有する化合物も利用できる。
また、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレートやポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー類、エポキシ化合物(ノボラック型エポキシ樹脂、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなど)と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。またフタル酸やトリメリット酸などと前記の分子中に水酸基を含有するビニルモノマーから得られるエステル化物なども挙げられる。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
また、アリルエステル(例えばフタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マロン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ベンゼンジスルホン酸ジアリル、トリアリルイソシアヌレートなど);及びジアリルアミド(例えばジアリルアセトアミドなど)なども利用できる。
また、前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カチオン重合性のジビニルエーテル類(例えばブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテルなど)、エポキシ化合物(ノボラック型エポキシ樹脂、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなど)、オキセタン類(例えば1,4−ビス〔(3−エチルー3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼンなど)を用いることもできる。またエポキシ化合物、オキセタン類としては、WO01/22165に記載の化合物を用いることもできる。
前記ビニルエステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジビニルサクシネート、ジビニルアジペート、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレート、ジビニルベンゼン−1,3−ジスルホネート及びジビニルブタン−1,4−ジスルホネート等も利用できる。
前記スチレン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジビニルベンゼン、4−アリルスチレン及び4−イソプロペンスチレンなどが挙げられる。
更に、上記化合物以外の化合物として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N−β−ヒドロキシエチル−β−(メタクリルアミド)エチルアクリレート、N,N−ビス(β−メタクリロキシエチル)アクリルアミド、アリルメタクリレートなどの、異なったエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物も、本発明に好適に用いられる化合物として挙げられる。
これらの多官能モノマー、オリゴマーは、単独で又は2種類以上を組合せて用いることができる。
更に、必要に応じて、分子内に重合性基を1個含有する重合性化合物(単官能モノマー)を併用することもできる。単官能モノマーとしては、例えば、前述のバインダーの原料として例示した化合物、特開平6−236031号公報に開示されている2塩基のモノ((メタ)アクリロイルオキシアルキルエステル)モノ(ハロヒドロキシアルキルエステル)の様な単官能モノマー(例えばγ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレートなど)などや、特許2744643号、WO00/52529号、特許2548016号公報などに記載の化合物等が挙げられる。
前記感光層のモノマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各感光層ともに一般に5〜90質量%であり、15〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。モノマーの含有量が上記より少ないとテント膜の強度が低下し、多いと保存時のエッジフュージョン(ロール端部からのしみだし故障)が悪化する傾向にある。
また、全モノマーの内の重合性基を2ヶ以上含有する多官能モノマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般に5〜100質量%であり、20〜100質量%が好ましく、40〜100質量%がより好ましい。また、感度調整の為に、上記範囲内で第二感光層のモノマー含有率の方を高くするなどの調整を行なってもよい。
――光重合開始剤――
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前述のモノマー成分の重合を開始する能力を有する化合物は全て使用可能であり、特に紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものであれば好適に使用できる。例えば、約300〜800nm(330〜500nmがより好ましい。)内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも一種含有していることが好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、またモノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
具体的には、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えばトリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの)、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル等を挙げることができる。これらの中でも、特にトリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素、オキシム誘導体、ヘキサアリールビイミダゾール、ケトン化合物を用いることが、感光層の感度、保存性、及び感光層とプリント配線板形成用基板との密着性等の観点から好ましい。
トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、次のような化合物が挙げられる。
若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、例えば、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン。
英国特許1388492号明細書記載の化合物、例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−1,3,5−トリアジン。
特開昭53−133428号公報記載の化合物、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン。
独国特許3337024号明細書記載の化合物、例えば、2−(4−スチリルフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシスチリル)フェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチルビニレンフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−クロロスチリルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−3−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−フラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−ベンゾフラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリ(ブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロロメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
特開昭62−58241号公報記載の化合物、例えば、2−(4−フェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ナフチル−1−エチニルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−トリルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシフェニル)エチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−イソプロピルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−エチルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
特開平5−281728号公報記載の化合物、例えば、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
特開平5−34920号公報記載の2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−1,3,5−トリアジン、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、更に2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
また、米国特許第4212976号明細書等に記載されているオキサジアゾール骨格を有する化合物等も挙げられる。
前記オキサジアゾール骨格を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリプロメメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。
本発明で好適に用いられるオキシム誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式で示される化合物などが挙げられる。



本発明に使用することができるヘキサアリールビイミダゾールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−フロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(4−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(4−メトキシフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−トリフルオロメチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、WO00/52529号公報に記載の化合物等が挙げられる。
前記ビイミダゾール類は、例えば、Bull.Chem.Soc.Japan,33,565(1960)、及びJ.Org.Chem,36(16)2262(1971)に開示されている方法により容易に合成することができる。
前記ケトン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾルフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロル−チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシー2−メチル−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン等が挙げられる。
またこの他、アクリジン誘導体(例えば9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9、9’−アクリジニル)ヘプタン等)、N−フェニルグリシン等、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン等があげられ、他に特開平5−19475号、特開平7−271028号、特開2002−363206号、特開2002−363207号、特開2002−363208号、特開2002−363209号公報などに記載のクマリン化合物が挙げられる)、アミン類(例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸フェネチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−フタルイミドエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−メタクリロイルオキシエチル、ペンタメチレンビス(4−ジメチルアミノベンゾエート)、3−ジメチルアミノ安息香酸のフェネチル及びペンタメチレンエステル、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、2−クロル−4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンジルアルコール、エチル(4−ジメチルアミノベンゾイル)アセテート、4−ピペリジノアセトフェノン、4−ジメチルアミノベンゾイン、N,N−ジメチル−4−トルイジン、N,N−ジエチル−3−フェネチジン、トリベンジルアミン、ジベンジルフェニルアミン、N−メチル−N−フェニルベンジルアミン、4−ブロム−N,N−ジメチルアニリン、トリドデシルアミン、アミノフルオラン類(ODB,ODBII等)、クリスタルバイオレットラクトン、ロイコクリスタルバイオレット等)、アシルホスフィンオキシド類(例えばビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキシド、LucirinTPOなど)、メタロセン類(例えばビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフロロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフロロホスフェイト(1―)など)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、及び米国特許第3615455号明細書に開示されている化合物なども挙げられる。
更に米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、特開2002−229194号公報に記載の有機ホウ素化合物やその他例示のラジカル発生剤など、またトリアリールスルホニウム塩(ヘキサフロロアンチモンやヘキサフロロホスフェートとの塩)、(フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウム塩などのようなホスホニウム塩化合物(カチオン重合開始剤として有効)、WO01/71428号公報記載のオニウム塩化合物などを用いることもできる。
前記光重合開始剤は、一つ又は二つ以上を併用して使用することができる。この様な組み合わせとしては、例えば、米国特許第3549367号明細書に記載のヘキサアリールビイミダゾールと4−アミノケトン類との組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物の組合せなど、またチオキサントンなどの芳香族ケトン化合物と水素供与体(例えばジアルキルアミノ含有化合物、フェノール化合物など)の組合せ、ヘキサアリールビイミダゾールとチタノセンとの組合せ、クマリン類とチタノセンとフェニルグリシン類との組合せも利用することができる。
前記光重合開始剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各感光層ともに感光層の全成分に対して、一般に0.1〜30質量%が一般的であり、0.5〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。また、各感光層の感度差を光重合開始剤の含有量で調整する場合には、第二感光層に含有されている光重合開始剤の量が第一感光層に含有されている光重合性開始剤の量よりも多くすればよい。
前記第二感光層の光重合開始剤含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第一感光層の光重合開始剤の含有量に対して1.5〜100倍が好ましく、1.8倍〜50倍がより好ましく、2〜20倍が特に好ましい。
――その他の成分――
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、発色剤、着色剤、更に基体表面への密着促進剤、界面活性剤及びその他の助剤類(例えば顔料、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよく、これによって目的とする感光性転写シートの安定性、写真性、焼きだし性、膜物性等の性質を調節することができる。前記の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第一感光層及び第二感光層のいずれにも添加可能であり、その添加量は目的に応じて決めればよく、またそれぞれの感光層への添加量は同じでも異なっていてもよい。
―――増感剤―――
各感光層の露光における感度や感光波長を調整する目的で増感剤を添加することができる。露光の光線(活性エネルギー線)として可視光線や紫外光・可視光レーザを用いる場合などに、増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤など)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動など)し、ラジカルや酸などの有用基を発生することが可能である。
前記増感剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリンなどが挙げられ、他に特開平5−19475号、特開平7−271028号、特開2002−363206号、特開2002−363207号、特開2002−363208号、特開2002−363209号などの各公報に記載のクマリン化合物が挙げられる。)なども利用できる。
前記重合開始剤と増感剤の組み合わせとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、特開2001−305734号公報に記載の電子移動型開始系[(1)電子供与型開始剤及び増感色素、(2)電子受容型開始剤及び増感色素、(3)電子供与型開始剤、増感色素及び電子受容型開始剤(三元開始系)]などに記載の例などが挙げられる。
前記第一感光層と前記第二感光層のそれぞれが増感剤を含んでいてもよい。増感剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感光性樹脂組成物の全成分に対し、一般に0.05〜30質量%であり、0.1〜20質量%が好ましく、0.2〜10質量%がより好ましい。増感剤の添加量が多いと感光層から保存時に析出し、あまりに少ないと活性エネルギー線への感度が低下し、露光プロセスに時間がかかり、生産性を低下することがある。
各感光層の感度差を増感剤で調整する場合には、第二感光層に含有されている増感剤の量が第一感光層に含有されている増感剤の量より多くすればよい。第二感光層の増感剤含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、第一感光層の増感剤の含有量に対して1.5〜100倍が好ましく、1.8倍〜50倍がより好ましく、2〜20倍が特に好ましい。また第一感光層には増感剤を含有しないなどの調整をしてもよい。
―――熱重合禁止剤―――
前記熱重合禁止剤は、感光層の重合性化合物の熱的な重合又は経時的な重合を防止するために添加してもよい。熱重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキル又はアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、4−トルイジン、メチレンブルー、銅と有機キレート剤反応物、サリチル酸メチル、及びフェノチアジン、ニトロソ化合物、ニトロソ化合物とAlとのキレート等が挙げられる。
前記熱重合禁止剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感光層の重合性化合物に対して0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜2質量%がより好ましく、0.01〜1質量%が特に好ましい。熱重合禁止剤の添加量が、こを超えて多くなると活性エネルギー線に対する感度が低下する傾向にあり、こを超えて少なくなると保存時の安定性が低下する傾向にある。
―――可塑剤―――
前記可塑剤は、感光層の膜物性(可撓性)をコントロールするために添加してもよい。可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジフェニルフタレート、ジアリルフタレート、オクチルカプリールフタレート等のフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;4−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミド等のアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類などが挙げられる。
前記可塑剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感光層の全成分に対して0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜40質量%がより好ましく、1〜30質量%が特に好ましい。
―――発色剤―――
前記発色剤は、露光後の感光層に可視像を与える(焼きだし機能)ために添加してもよい。
前記発色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン(ロイコクリスタルバイオレツト)、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ジブチルアミノフェニル)−〔4−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル〕メタン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2−キノリルメタン、トリス(4−ジプロピルアミノフェニル)メタン等のアミノトリアリールメタン類;3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フェニルキサンチン、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチル−9−(2−クロロフェニル)キサンチン等のアミノキサンチン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2−エトキシカルボニルフェニル)チオキサンテン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンテン等のアミノチオキサンテン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−フェニルアクリジン、3,6−ビス(ベンジルアミノ)−9,10−ジビドロ−9−メチルアクリジン等のアミノ−9,10−ジヒドロアクリジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン等のアミノフェノキサジン類;3,7−ビス(エチルアミノ)フェノチアゾン等のアミノフェノチアジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)−5−ヘキシル−5,10−ジヒドロフェナジン等のアミノジヒドロフェナジン類;ビス(4−ジメチルアミノフェニル)アニリノメタン等のアミノフェニルメタン類;4−アミノ−4’−ジメチルアミノジフェニルアミン、4−アミノ−α、β−ジシアノヒドロケイ皮酸メチルエステル等のアミノヒドロケイ皮酸類;1−(2−ナフチル)−2−フェニルヒドラジン等のヒドラジン類;1,4−ビス(エチルアミノ)−2,3−ジヒドロアントラキノン類のアミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン類;N,N−ジエチル−4−フェネチルアニリン等のフェネチルアニリン類;10−アセチル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等の塩基性NHを含むロイコ色素のアシル誘導体;トリス(4−ジエチルアミノ−2−トリル)エトキシカルボニルメンタン等の酸化しうる水素をもつていないが、発色化合物に酸化しうるロイコ様化合物;ロイコインジゴイド色素;米国特許3,042,515号及び同第3,042,517号に記載されているような発色形に酸化しうるような有機アミン類(例、4,4’−エチレンジアミン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4,4’−メチレンジアミントリフェニルアミン、N−ビニルカルバゾール)などが挙げられる。これらのなかでもロイコクリスタルバイオレットなどのトリアリールメタン系化合物が好ましい。
更に、これらのロイコ体を発色させるためなどの目的で、ハロゲン化合物と組み合わせることが知られている。ハロゲン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハロゲン化炭化水素(例えば四臭化炭素、ヨードホルム、臭化エチレン、臭化メチレン、臭化アミル、臭化イソアミル、ヨウ化アミル、臭化イソブチレン、ヨウ化ブチル、臭化ジフェニルメチル、ヘキサクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、1,2−ジブロモ−1,1,2−トリクロロエタン、1,2,3トリブロモプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、テトラクロロシクロプロペン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、ジブロモシキロヘキサン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(4−クロロフェニル)エタンなど);ハロゲン化アルコール化合物(例えば、2,2,2−トリクロロエタノール、トリブロモエタノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−2−プロパノール、ジ(ヨードヘキサメチレン)アミノイソプロパノール、トリブロモ−t−ブチルアルコール、2,2,3−トリクロロブタン−1,4−ジオールなど);ハロゲン化カルボニル化合物(例えば1,1−ジクロロアセトン、1,3−ジクロロアセトン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサブロモアセトン、1,1,3,3−テトラクロロアセトン、1,1,1−トリクロロアセトン、3,4−ジブロモ−2−ブタノン、1,4−ジクロロ−2−ブタノン−ジブロモシクロヘキサノンなど);ハロゲン化エーテル化合物(例えば2−ブロモエチルメチルエーテル、2−ブロモエチルエチルエーテル、ジ(2−ブロモエチル)エーテル、1,2−ジクロロエチルエチルエーテルなど);ハロゲン化エステル化合物(例えば酢酸ブロモエチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸トリクロロエチル、2,3−ジブロモプロピルアクリレートのホモポリマー及び共重合体、ジブロモプロピオン酸トリクロロエチル、α,β−ジグロロアクリル酸エチルなど);ハロゲン化アミド化合物(例えばクロロアセトアミド、ブロモアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリブロモアセトアミド、トリクロロエチルトリクロロアセトアミド、2−ブロモイソプロピオンアミド、2,2,2−トリクロロプロピオンアミド、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドなど);硫黄やリンを有する化合物(例えばトリブロモメチルフェニルスルホン、4−ニトロフェニルトリブロモメチルスルホン、4−クロルフェニルトリブロモメチルスルホン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェートなど)、2,4−ビス(トリクロロメチル)6−フェニルトリアゾールなどが挙げられる。有機ハロゲン化合物のうちでは同一炭素原子に結合した二個以上のハロゲン原子を持つハロゲン化物が好ましく、一個の炭素原子に三個のハロゲン原子を持つハロゲン化物がより好ましい。有機ハロゲン化合物は単独で使用してもよく、二種以上併用してもよい。これらのうちで有機ハロゲン化合物としては、トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−フェニルトリアゾールが好ましい。
前記発色剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感光層の全成分に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。また、ハロゲン化合物の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感光層の全成分に対し0.001〜5質量%が一般的で、0.005〜1質量%が好ましい。
―――着色剤―――
前記着色剤は、取り扱い性の向上のために感光性樹脂組成物を着色したり、保存安定性を付与する機能がある。着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブリリアントグリーン(例えばその硫酸塩)、エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニル−イエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチロカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチル−レッド、ナイルブルーA、フェナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、パラフクシン、オイルブルー#603(オリエント化学工業(株)製)、ローダミンB、及びロータミン6G、ビクトリアピュアブルーBOHなどが挙げられる。
カチオン着色剤の対アニオンとしては、有機酸又は無機酸の残基であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、臭素酸、ヨウ素酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の残基(アニオン)などが挙げられる。具体的には、マラカイトグリーンシュウ酸塩、マラカイトグリーン硫酸塩などが好ましい。
前記着色剤の好ましい添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感光層の全成分に対して0.001〜10質量%の量であり、0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
―――密着促進剤―――
前記密着促進剤は、各層間の密着性、あるいは感光性転写シートと感光層との密着性を向上させる機能があり、各層に用いることができる。
前記密着促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開平5−11439号公報、特開平5−341532号公報、及び特開平6−43638号公報などに記載の密着促進剤が好適に使用できる。具体的には、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、及び2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール、シランカップリング剤などが挙げられる。
前記密着促進剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感光層の全成分に対して0.001質量%〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜5質量%が特に好ましい。
前記感光層には、例えば、J.コーサー著「ライトセンシテイブシステムズ」第5章に記載されているような有機硫黄化合物、過酸化物、レドックス系化合物、アゾ並びにジアゾ化合物、光還元性色素、及び有機ハロゲン化合物などを含んでいてもよい。
前記有機硫黄化合物としては、例えば、ジ−n−ブチルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、2−メルカプロベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、チオフェノール、エチルトリクロロメタンスルフェネート、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
前記過酸化物としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイドなどが挙げられる。
前記レドツクス化合物としては、例えば、過酸化物と還元剤の組み合わせからなるものであり、第一鉄イオンと過硫酸イオン、第二鉄イオンと過酸化物などが挙げられる。
前記アゾ及びジアゾ化合物としては、例えば、α,α’−アゾビスイリブチロニトリル、2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4−アミノジフェニルアミンのジアゾニウム類などが挙げられる。
前記光還元性色素としては、例えば、ローズベンガル、エリスロシン、エオシン、アクリフラビン、リポフラビン、チオニンなどが挙げられる。
―――界面活性剤―――
前記界面活性剤は、感光性転写シートを製造する時に発生する面状ムラを改善させる機能があり、添加して用いられる。
前記界面活性剤としては、例えば、アニオン系及びカチオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素含有界面活性剤などから適宜選択できる。添加量は、感光性樹脂組成物の固形分に対し、0.001〜10質量%が好ましく、0.001質量%未満では面状改良の効果が得られなく、10質量%を超えると密着性が低下するという問題が発生しやすい。フッ素系の界面活性剤として炭素鎖3〜20でフッ素原子を40質量%以上含み、かつ非結合末端から数えて少なくとも3個の炭素原子に結合した水素原子がフッ素置換されているフルオロ脂肪族基を有するアクリレート又はメタクリレートを共重合成分として有する高分子界面活性剤なども好ましい。
――支持体――
前記支持体は、積層された各感光層などを支持するものであり、感光層を剥離可能、かつ光の透過性が良好であり、表面の平滑性が良好であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記支持体の材料としては、合成樹脂で、かつ透明なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムなどが挙げられる。更に、これらの二種以上からなる複合材料も使用することができる。上記の中でポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2〜150μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、8〜50μmが特に好ましい。2μm未満では、支持体が伸び易く、ラミネートの際にしわが入り易くなることがあり、150μmを超えると、ラミネートの際のレジストの基板への追従性が悪化することがある。
また、前記支持体は長尺支持体であることが好ましい。本発明の感光性転写シートを製造する際に使用する長尺支持体の長さとしては、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺体でロール状に巻かれて保管しうるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10m〜20000mの長さのものを使用することができる。ユーザーが使いやすいようにスリット加工し100mから1000mで長尺体であってロール状にしてもよい。なお、この際には支持体が一番外側になるように巻き取られることが好ましい。また、前記ロール状の感光性転写シートをシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置することが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いることが好ましい。
――その他の層――
前記その他の層としては、保護フィルム層、支持体との剥離性や密着力を調整する層、ハレーション防止層、クッション層、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などが挙げられる
―――保護フィルム層―――
前記保護フィルム層は、第二感光層の上に表面保護用として積層することができる。前記保護フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体に使用されるものでもよく、紙、あるいはポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙などでもよい。これらのなかでも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護フィルム層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜30μmが特に好ましい。5μm未満では、感光層上にラミネートで保護フィルムを接着する際に、しわが入り易くなり、100μmを超えると、感光層上にラミネートで保護フィルムを接着する際に発生する気泡が保護フィルムを透過して抜けるのに非常に長い時間がかかり、感光層に厚みムラを作ってしまうことがある。
その際、感光層と支持体の接着力Aと感光層と保護フィルム層の接着力Bとが、接着力A>接着力Bの関係になるようにする必要がある。
前記保護フィルム層と支持体との組合せとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどをあげることができる。また、支持体及び保護フィルムの少なくとも一方を表面処理することにより、前記のような接着力の関係を満たすことができる。支持体の表面処理は感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。また、支持体と保護フィルムとの静摩擦係数も重要である。
これらの静摩擦係数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。0.3未満では滑り過ぎるため、ロール状にした時巻ズレが発生する。また1.4を超えた場合、良好なロール状に巻くことが困難となる。
前記保護フィルム層と感光層との接着性を調整するために、前記保護フィルムを表面処理してもよい。表面処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、。例えば、保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、及びポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を設ける。一般に下塗層の形成は、上記ポリマーの塗布液を保護フィルムの表面に塗布した後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥することにより行われる。
――感光性転写シートの一例――
本発明の感光性転写シートの一例として、感光層を二層有し、感光層間に中間層を有する構成について、図を用いて以下説明する。
図1において、感光性転写シート510は、支持体511、第一感光層512、中間層513、第二感光層514がこの順で積層されている。第一感光層512及び第二感光層514はそれぞれ、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射により硬化する。中間層513にも感光性樹脂組成物が含まれており、光の照射により硬化する。本発明の感光性転写シートは、第二感光層514が第一感光層512よりも相対的に光感度が高い点に主な特徴がある。ここで、光感度とは、それぞれの感光層が硬化するのに必要な光エネルギー量に相当し、光感度が高いとは、第二感光層514の硬化が、第一感光層512よりも少ない光の照射量で開始する、又は第二感光層514の硬化が、第一感光層512よりも少ない光の照射量で完了することを意味する。
図2は、図1の感光性転写シートに、更に保護フィルム515が積層された感光性転写シートである。
前記第一感光層、中間層及び第二感光層の各層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、第一感光層の厚みとしては、例えば、1〜100μmが好ましく、5〜80μmがより好ましく、10〜50μmが特に好ましい。第一感光層の厚みが1μmより薄いと、膜強度を強くするには不適当となる場合があり、厚みが100μmを超えると現像残渣が残りやすくなるなどの現像上の問題がでてくる場合がある。第一感光層の厚みは、第二感光層の厚みよりも大きいほうが好ましい。
前記中間層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜5μmが好ましく、0.5〜4μmがより好ましく、1〜3μmが特に好ましい。中間層の厚みが0.1μmより薄いと、充分なバリアー性や剥離防止作用が得られない場合があり、厚みが5μmを超えると現像に長時間を要するようになる。
前記第二感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜15μmが好ましく、1〜12μmがより好ましく、3〜10μmが特に好ましい。第二感光層の厚みが0.1μmより薄いと、塗布の際の厚みムラがでやすくなり、厚みが15μmを超えると解像性が低下するなどの問題がでてくる。
本発明の感光性転写シートの層構成は、上記の図1及び図2で図示した層構成に限定されるものではなく、図1及び図2で示した層以外の層を有してもよい。例えば、支持体511と第一感光層512との間や、保護フィルム515と第二感光層514との間に、支持体や基板との剥離性や密着力を調整する層、ハレーション防止層などを設けてもよい。
次に本発明の感光性転写シート及び感光性積層体における光の照射量と感光層の硬化量との関係を、図3を参照しながら説明する。図3は、例えば、図1に示した感光性転写シート、あるいは図3に示した感光性転写シートから保護フィルムを剥離した感光性転写シートを、基板上に転写して積層体を形成させた場合、その積層体に対して、基板とは反対の側から、支持体を有している場合には支持体を通して、あるいは必要に応じて支持体を剥離して感光層に光を照射した場合の、光の照射量と、この照射(露光)と、それに続く現像処理により生成する硬化層の厚みとの関係を示すグラフ(感度曲線)である。図3において、横軸は、光の照射量を表し、縦軸は、光の照射により硬化させ、現像処理を行った後に得られた硬化層の厚みを表す。縦軸のDは第二感光層から形成される硬化層の厚みを、Eは第一感光層から形成される硬化層の厚みと第二感光層から形成される硬化層の厚みと中間層の厚みとを合計した厚みを表す。
図3に示すように、本発明の感光性転写シートでは、支持体側から照射した光は、支持体を有する場合は支持体、第一感光層、そして第二感光層の順に進むにもかかわらず、第二感光層の硬化は、第一感光層よりも先に、少ない光エネルギー量で始まる。そして、第二感光層の全体が硬化した後、光エネルギー量を増加すると、第一感光層の硬化が始まり、更に光エネルギー量を多くすると、第一感光層の全体が硬化する。
前記第一感光層の感度と第二感光層の感度との関係については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度が2〜200が好ましく、2.5〜100がより好ましく、3〜50が特に好ましい。2未満であると、感度差が小さすぎるために第二感光層のみ硬化させるべく露光しても第一感光層も一部硬化してしまうことになり、200を超えると、感度差が大きすぎるために第一感光層と第二感光層を共に硬化させるべく高いエネルギーで露光した周辺の部分で拡散光により第二感光層が部分的に感光してしまいフレアが発生することになる。
前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量Cとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと同量であってもよいが、光エネルギー量Aよりも大きい方が好ましい。
また、本発明の感光性転写シートは、三層以上の感光層からなり、各感光層の間に中間層を有するものでもよい。その一例として感光層が三層の場合の断面図を図4に示す。図4の感光層の上に保護フィルムを有する場合を図5に示す。
図4及び図5の感光性転写シート550において、支持体は551で表され、その支持体551の上に、第一の感光層552、中間層553、第二の感光層554、中間層553、そして第三の感光層555が順次積層されている。図5は、図4の感光性転写シートに保護層556が設けられた構成を示している。
これらの三層の感光層構成の場合でも、各感光層は、支持体に近い側の感光層の感度に比べて、支持体から離れた側の感光層の感度が相対的に高くなるように設計される。即ち、感光層の感度は、第三の感光層が最も高く、次いで第二の感光層が高く、第一の感光層の感度が最も低い。
図4及び図5に示した構成の感光性転写シートを用い、パターン形成に用いる光エネルギー量を必要な領域に応じて、第三感光層のみを硬化させる光エネルギー量X、第三の感光層と第二の感光層とを硬化させる光エネルギー量Y、第三の感光層、第二の感光層、及び第一の感光層の全てを硬化させる光エネルギー量Zと光照射量を変化させることで、図6に示した様に、基板557の上に、第三の感光層555のみが硬化した厚みを有する領域、第三の感光層555、中間層553及び第二の感光層554とが硬化した厚みを有する領域、第三の感光層555、中間層553、第二の感光層554、中間層553及び第一の感光層552の全てが硬化した厚みを有する領域という三段階の異なる厚みを有するパターンを一種類の感光性転写シートで、それぞれの隣接する感光層に剥離等の損傷が生ずることがなく高品質のパターンを形成することが可能になる。
また同様に感光層がN層(感光層の数がN)で、支持体に近い側の感光層の感度に比べて、支持体から離れた側の感光層の感度が相対的に高い感光性転写シートを用いれば、N段階の異なる厚みを有する硬化層パターンを一種類の感光性転写シートで、それぞれの隣接する感光層に剥離等の損傷が生ずることがなく高品質のパターンを形成することが可能になる。
これまでに記載したように、本発明の感光性転写シートは、その露光量(いわゆる光エネルギー量)に応じて、露光及び現像処理により得られる硬化層の厚みを所望の厚みとすることが可能であり、露光量のパターンを必要に応じて変更することにより、基板に最も近い感光層のみを硬化させる領域から、順次厚みを変えて全ての感光層を硬化させる領域までを作り分けることが可能である。したがって、画像の内部で厚みが異なる三次元造形や、所望の領域のみの膜の強度を高くする、あるいは所望の領域のみの画像濃度を高める等の特性を付与した硬化樹脂画像などを一種類の感光性転写シートで形成することが可能となる。
したがって、本発明の感光性転写シートをプリント配線板の製造、特にスルーホールやビアホールを有するプリント配線板の製造に用いると、配線パターン形成領域には相対的に厚みが薄く、高解像の硬化層を形成し、スルーホール又はビアホールには相対的に厚い、高強度の硬化層を形成することができる。各感光層の間に中間層を設け硬化させることにより、それぞれの隣接する感光層に剥離等の損傷が生ずることがなく高品質のパターンを形成することができる。したがって、本発明の感光性転写シートを用いることにより、テンティング法として利用できる充分なテント膜強度を有し、かつ高解像度が必要な部分では充分な解像度の硬化樹脂パターンを容易に形成することができる。
本発明により、前記したような感度曲線を有する感光性転写シートは、各感光層の感度を支持体に近い側から支持体から離れた側に向かうにしたがって順に相対的に高くすることで実現できることが判明した。この感光層を二層以上とし、それらの感光層の感度を順次相対的に高くする方法は、公知の高感度化技術を全て用いることができる。即ち、例えば、高感度の開始剤の使用、増感剤の使用、光重合開始剤及び/又は増感剤の含有量の増量、あるいは感光層中の重合性化合物の含有率を多くする、重合抑制剤又は重合禁止剤の割合を少なくするなどの手法によって得ることができる。特に感光層が二層の場合であれば、例えば、高感度の開始剤を用いるほか、第二感光層に増感剤を添加する、第二感光層中の光重合開始剤及び/又は増感剤の含有量を第一感光層より多くする、あるいは第二感光層中の重合性化合物の含有率を第一感光層より多くするなどの手法によっても得ることができる。
本発明の、支持体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる第一感光層、そしてバインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、第一感光層の光感度よりも相対的に高い光感度を示す第二感光層がこの順に積層され、かつ第一感光層と第二感光層との間に中間層が配置されている感光性転写シートを用いて画像パターン(硬化樹脂パターン)を形成する場合、第二感光層の硬化が始まる光エネルギー量Sとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.01〜10mJ/cmが好ましく、更に0.02〜5mJ/cmがより好ましく、0.03〜2.5mJ/cmが特に好ましい。第一感光層と第二感光層の感度差が特に重要であり、各層の感度の絶対値は技術的に達成可能な範囲で自由に設定することができる。
また、前記第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.02〜20mJ/cmが好ましく、0.04〜15mJ/cmがより好ましく、0.08〜10mJ/cmが特に好ましい。
前記第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bとの比(A/B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.005〜0.5が好ましく、0.01〜0.4がより好ましく、0.02〜0.35が特に好ましい。0.005未満では感度差が大きすぎるために第一感光層と第二感光層を共に硬化させるべく高いエネルギーで露光した周辺の部分で拡散光により第二感光層が部分的に感光してしまいフレアが発生することがあり、0.5を超えると、感度差が小さすぎるために第二感光層のみ硬化させるべく露光しても第一感光層も一部硬化してしまうことがある。
そして、前記第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと第一感光層の硬化が始まるまで必要な光エネルギー量Cとの比(C/A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1〜10が好ましく、1.1〜9がより好ましく、1.3〜8が特に好ましい。1.1未満では感度差が小さすぎるために第二感光層のみ硬化させるべく露光しても第一感光層も一部硬化してしまうことになり、9を超えると、感度差が大きすぎるために第一感光層と第二感光層を共に硬化させるべく高いエネルギーで露光した周辺の部分で拡散光により第二感光層が部分的に感光してしまいフレアが発生することになる。
また、前記光エネルギー量Cとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜200mJ/cmが好ましく、1〜100mJ/cmがより好ましく、2〜50mJ/cmが特に好ましい。第一感光層と第二感光層の感度差が特に重要であり、各層の感度の絶対値は技術的に達成可能な範囲で自由に設定することができる。
――感光性転写シートの製造――
本発明の感光性転写シートは、例えば次のようにして製造することができる。まず、上記の各種材料を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて、第一感光層形成用の第一感光性樹脂組成物溶液と第二感光層形成用の第二感光性樹脂組成物溶液をそれぞれ調製し、更に中間層形成用の溶液を調製する。
前記第一感光性樹脂組成物溶液及び前記第二感光性樹脂組成物溶液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどを挙げることができ、これらは混合して用いてもよい。第一感光性樹脂組成物溶液、及び第二感光性樹脂組成物溶液には、公知の界面活性剤を添加してもよい。
次に、前記第一感光性樹脂組成物溶液を支持体の上に塗布し、乾燥することにより第一感光層を形成し、中間層形成用の塗布液を第一感光層の上に塗布、乾燥する。その上に第二感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥することにより、第二感光層を形成する。重層する際の塗布は、前述のように逐次塗布でもよいし、同時に重層で塗布してもよい。感光性樹脂組成物溶液の塗布方法は、特に限定されず、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリットコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、及びナイフコート法等の各種の方法を採用することができる。乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記感光層が三層以上で構成される場合でも、同様の操作を繰り返すことによって、所望の感光性転写シートを製造することができる。感光層を三層以上とすることで、感光層の厚みの総和を10μm〜1mmにすることも可能である。
本発明の感光性転写シートは、プリント配線板、カラーフィルターや柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などのディスプレイ用部材、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの各種の画像形成材料、感光性転写シートとして広く利用することが可能である。このなかで、プリント配線板、ディスプレイ部材への応用が好ましく、特にプリント配線板への応用が好ましい。
―感光性積層体―
本発明の感光性積層体は、基体上に、バインダー、重合性化合物及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる第二感光層と、バインダー、重合成化合物及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、かつ前記第二感光層の光感度よりも相対的に低い光感度を示す第一感光層とがこの順に積層されてなり、前記第二感光層と前記第一感光層との間に光架橋性樹脂及び光架橋性化合物の少なくともいずれかを含む中間層を有する積層体である。更に目的に応じて適宜選択されるその他の層が積層される。
本発明の感光性積層体は、前記感光性転写シートにおける支持体ではなく基体を用いている以外は前記感光性転写シートと同様の材料及び手段により積層される。
――基体――
前記基体は、本発明の感光性転写シートが転写される被転写体となるもので、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を持つものまで任意に選択できる。板状の基体が好ましく、いわゆる基板が使用される。具体的には、公知のプリント配線板製造用の基板、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
−パターン形成方法−
本発明の感光性転写シートを用いて、以下の方法及び装置によりパターンを形成することができる。
即ち、前記パターン形成方法は、(1)積層体形成工程、(2)硬化工程、(3)支持体除去工程、(4)未硬化部分除去工程及び目的に応じて適宜選択されるその他の工程からなり、基板上に、硬化樹脂が存在する領域と、存在しない領域とから構成されるパターンを形成する方法である。
――(1)積層体形成工程――
前記積層体形成工程は、基板上に、本発明の感光性転写シートを、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程である。
前記積層体の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光性転写シートを加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層することが好ましい。前記加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、15〜180℃が好ましく、60〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜1.0MPaが好ましく、0.2〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱及び加圧の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター、真空ラミネーターなどが好適に挙げられる。
前記加熱及び加圧の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター(例えば、大成ラミネータ社製、VP−II)などが好適に挙げられる。
――(2)硬化工程――
前記硬化工程は、積層体の第一感光層の側から所定の画像パターンの光照射を行い、その光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させる工程であり、積層体の第一感光層の側から、互いに相違する少なくとも二レベルの照射エネルギー量の光を照射する領域を規定するパターンにて光照射し、光照射エネルギー量が相対的に大きい光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させ、光照射エネルギー量が相対的に小さい光照射を受けた領域の第二感光層を硬化させる硬化工程であってもよい。
―――光照射―――
前記光照射(以下露光ともいう。)の対象としては、前記感光性転写シートにおける感光層である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、基体上に前記感光性転写シートを形成してなる積層体に対して行われることが好ましい。
前記露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、デジタル露光、アナログ露光等が挙げられるが、これらの中でもデジタル露光が好ましい。
前記デジタル露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、形成するパターン形成情報に基づいて制御信号を生成し、該制御信号に応じて変調させた光を用いて行うことが好ましい。
前記デジタル露光の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、光を照射する光照射手段、形成するパターン情報に基づいて該光照射手段から照射される光を変調させる光変調手段などが挙げられる。
――――光変調手段――――
前記光変調手段としては、光を変調することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、n個の描素部を有することが好ましい。
前記n個の描素部を有する光変調手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、空間光変調素子が好ましい。
前記空間光変調素子としては、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Special Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが挙げられ、これらの中でもDMDが好適に挙げられる。
また、前記光変調手段は、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を有することが好ましい。この場合、前記光変調手段は、前記パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて光を変調させる。
前記制御信号としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル信号が好適に挙げられる。
以下、前記光変調手段の一例について図面を参照しながら説明する。
DMD50は図8に示すように、SRAMセル(メモリセル)60上に、各々描素(ピクセル)を構成する多数(例えば、1024個×768個)の微小ミラー(マイクロミラー)62が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。各ピクセルにおいて、最上部には支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、マイクロミラー62の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向とも一例として13.7μmである。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジおよびヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシックに構成されている。
DMD50のSRAMセル60にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー62が、対角線を中心としてDMD50が配置された基板側に対して±α度(例えば±12度)の範囲で傾けられる。図9(A)は、マイクロミラー62がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図9(B)は、マイクロミラー62がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。したがって、パターン情報に応じて、DMD50の各ピクセルにおけるマイクロミラー62の傾きを、図8に示すように制御することによって、DMD50に入射したレーザ光Bはそれぞれのマイクロミラー62の傾き方向へ反射される。
なお、図8には、DMD50の一部を拡大し、マイクロミラー62が+α度又は−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー62のオンオフ制御は、DMD50に接続されたコントローラ302(図19参照)によって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー62で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
また、DMD50は、その短辺が副走査方向と所定角度θ(例えば、0.1°〜5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図10(A)はDMD50を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)53の走査軌跡を示し、図10(B)はDMD50を傾斜させた場合の露光ビーム53の走査軌跡を示している。
DMD50には、長手方向にマイクロミラーが多数個(例えば、1024個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば、756組)配列されているが、図10(B)に示すように、DMD50を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる露光ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチPが、DMD50を傾斜させない場合の走査線のピッチPより狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD50の傾斜角は微小であるので、DMD50を傾斜させた場合の走査幅Wと、DMD50を傾斜させない場合の走査幅Wとは略同一である。
次に、前記光変調手段における変調速度を速くさせる方法(以下「高速変調」と称する)について説明する。
前記光変調手段は、前記n個の描素の中から連続的に配置された任意のn個未満の前記描素部をパターン情報に応じて制御可能であることが好ましい。前記光変調手段のデータ処理速度には限界があり、使用する描素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、連続的に配列された任意のn個未満の描素部だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。
以下、前記高速変調について図面を参照しながら更に説明する。
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光Bが照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光は、レンズ系54、58により感光性転写シート150上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が描素毎にオンオフされて、感光性転写シート150がDMD50の使用描素数と略同数の描素単位(露光エリア168)で露光される。また、感光性転写シート150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、感光性転写シート150がスキャナ162により、ステージ移動方向と反対の方向に副走査され、露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
なお、本例では、図11(A)及び(B)に示すように、DMD50には、主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が副走査方向に768組配列されているが、本例では、前記コントローラ302(図19参照)により一部のマイクロミラー列(例えば、1024個×256列)だけが駆動するように制御がなされる。
この場合、図11(A)に示すようにDMD50の中央部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよく、図11(B)に示すように、DMD50の端部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよい。また、一部のマイクロミラーに欠陥が発生した場合は、欠陥が発生していないマイクロミラー列を使用するなど、状況に応じて使用するマイクロミラー列を適宜変更してもよい。
DMD50のデータ処理速度には限界があり、使用する描素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、一部のマイクロミラー列だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。一方、連続的に露光ヘッドを露光面に対して相対移動させる露光方式の場合には、副走査方向の描素を全部使用する必要はない。
スキャナ162による感光性転写シート150の副走査が終了し、センサ164で感光性転写シート150の後端が検出されると、ステージ152は、ステージ駆動装置304により、ガイド158に沿ってゲート160の最上流側にある原点に復帰し、再度、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。
例えば、768組のマイクロミラー列の内、384組だけ使用する場合には、768組全部使用する場合と比較すると1ライン当り2倍速く変調することができる。また、768組のマイクロミラー列の内、256組だけ使用する場合には、768組全部使用する場合と比較すると1ライン当り3倍速く変調することができる。
以上説明した通り、本発明のパターン形成方法によれば、主走査方向にマイクロミラーが1,024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列されたDMDを備えているが、コントローラにより一部のマイクロミラー列だけが駆動されるように制御することにより、全部のマイクロミラー列を駆動する場合に比べて、1ライン当りの変調速度が速くなる。
また、DMDのマイクロミラーを部分的に駆動する例について説明したが、所定方向に対応する方向の長さが前記所定方向と交差する方向の長さより長い基板上に、各々制御信号に応じて反射面の角度が変更可能な多数のマイクロミラーが2次元状に配列された細長いDMDを用いても、反射面の角度を制御するマイクロミラーの個数が少なくなるので、同様に変調速度を速くすることができる。
また、前記露光の方法として、露光光と前記感光層とを相対的に移動しながら行うことが好ましく、この場合、前記高速変調と併用することが好ましい。これにより、短時間で高速の露光を行うことができる。
その他、図12に示すように、スキャナ162によるX方向への1回の走査で感光性転写シート150の全面を露光してもよく、図13(A)及び(B)に示すように、スキャナ162により感光性転写シート150をX方向へ走査した後、スキャナ162をY方向に1ステップ移動し、X方向へ走査を行うというように、走査と移動を繰り返して、複数回の走査で感光性転写シート150の全面を露光するようにしてもよい。なお、この例では、スキャナ162は18個の露光ヘッド166を備えている。なお、露光ヘッドは、前記光照射手段と前記光変調手段とを少なくとも有する。
前記露光は、前記感光層の一部の領域に対してされることにより該一部の領域が硬化され、後述の現像工程において、前記硬化させた一部の領域以外の未硬化領域が除去され、パターンが形成される。
次に、前記光変調手段を含むパターン形成装置の一例について図面を参照しながら説明する。
前記光変調手段を含むパターン形成装置は、図14に示すように、シート状の感光性転写シート150を表面に吸着して保持する平板状のステージ152を備えている。
4本の脚部154に支持された厚い板状の設置台156の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド158が設置されている。ステージ152は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド158によって往復移動可能に支持されている。なお、前記パターン形成装置には、ステージ152をガイド158に沿って駆動するための図示しない駆動装置を有している。
設置台156の中央部には、ステージ152の移動経路を跨ぐようにコ字状のゲート160が設けられている。コ字状のゲート160の端部の各々は、設置台156の両側面に固定されている。このゲート160を挟んで一方の側にはスキャナ162が設けられ、他方の側には感光性転写シート150の先端及び後端を検知する複数(例えば、2個)の検知センサ164が設けられている。スキャナ162及び検知センサ164は、ゲート160に各々取り付けられて、ステージ152の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ162及び検知センサ164は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
スキャナ162は、図15及び図16(B)に示すように、m行n列(例えば、3行5列)の略マトリックス状に配列された複数(例えば、14個)の露光ヘッド166を備えている。この例では、感光性転写シート150の幅との関係で、3行目には4個の露光ヘッド166を配置した。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド166mnと表記する。
露光ヘッド166による露光エリア168は、副走査方向を短辺とする矩形状である。従って、ステージ152の移動に伴い、感光性転写シート150には露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア168mnと表記する。
また、図16(A)及び(B)に示すように、帯状の露光済み領域170が副走査方向と直交する方向に隙間無く並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッドの各々は、配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本例では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア16811と露光エリア16812との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア16821と3行目の露光エリア16831とにより露光することができる。
露光ヘッド16611〜166mn各々は、図17及び図18に示すように、入射された光ビームをパターン情報に応じて前記光変調手段(各描素毎に変調する空間光変調素子)として、米国テキサス・インスツルメンツ社製のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)50を備えている。DMD50は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた前記コントローラ302(図19参照)に接続されている。このコントローラ302のデータ処理部では、入力されたパターン情報に基づいて、露光ヘッド166毎にDMD50の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。なお、制御すべき領域については後述する。また、ミラー駆動制御部では、パターン情報処理部で生成した制御信号に基づいて、露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。なお、反射面の角度の制御に付いては後述する。
DMD50の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア168の長辺方向と対応する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源66、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系67、レンズ系67を透過したレーザ光をDMD50に向けて反射するミラー69がこの順に配置されている。なお、図17では、レンズ系67を概略的に示してある。
レンズ系67は、図18に詳しく示すように、ファイバアレイ光源66から出射した照明光としてのレーザ光Bを集光する集光レンズ71、集光レンズ71を通過した光の光路に挿入されたロッド状オプティカルインテグレータ(以下、ロッドインテグレータという)72、及びロッドインテグレータ72の前方つまりミラー69側に配置された結像レンズ74から構成されている。集光レンズ71、ロッドインテグレータ72及び結像レンズ74は、ファイバアレイ光源66から出射したレーザ光を、平行光に近くかつビーム断面内強度が均一化された光束としてDMD50に入射させる。このロッドインテグレータ72の形状や作用については、後に詳しく説明する。
レンズ系67から出射したレーザ光Bは、ミラー69で反射し、TIR(全反射)プリズム70を介してDMD50に照射される。なお、図17では、このTIRプリズム70は省略してある。
また、DMD50の光反射側には、DMD50で反射されたレーザ光Bを、感光性転写シート150上に結像する結像光学系51が配置されている。この結像光学系51は、図17では概略的に示してあるが、図18に詳細を示すように、レンズ系52,54からなる第1結像光学系と、レンズ系57,58からなる第2結像光学系と、これらの結像光学系の間に挿入されたマイクロレンズアレイ55と、アパーチャアレイ59とから構成されている。
マイクロレンズアレイ55は、DMD50の各描素に対応する多数のマイクロレンズ55aが2次元状に配列されてなるものである。本例では、後述するようにDMD50の1024個×768列のマイクロミラーのうち1024個×256列だけが駆動されるので、それに対応させてマイクロレンズ55aは1024個×256列配置されている。またマイクロレンズ55aの配置ピッチは縦方向、横方向とも41μmである。このマイクロレンズ55aは、一例として焦点距離が0.19mm、NA(開口数)が0.11で、光学ガラスBK7から形成されている。なおマイクロレンズ55aの形状については、後に詳しく説明する。そして、各マイクロレンズ55aの位置におけるレーザ光Bのビーム径は、41μmである。
また、アパーチャアレイ59は、マイクロレンズアレイ55の各マイクロレンズ55aに対応する多数のアパーチャ(開口)59aが形成されてなるものである。アパーチャ59aの径は、例えば、10μmである。
前記第1結像光学系は、DMD50による像を3倍に拡大してマイクロレンズアレイ55上に結像する。そして、前記第2結像光学系は、マイクロレンズアレイ55を経た像を1.6倍に拡大して感光性転写シート150上に結像、投影する。したがって全体では、DMD50による像が4.8倍に拡大して感光性転写シート150上に結像、投影されることになる。
なお、前記第2結像光学系と感光性転写シート150との間にプリズムペア73が配設され、このプリズムペア73を図18中で上下方向に移動させることにより、感光性転写シート150上における像のピントを調節可能となっている。なお同図中において、感光性転写シート150は矢印F方向に副走査送りされる。
前記描素部としては、前記光照射手段からの光を受光し出射することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、本発明のパターン形成方法により形成されるパターンが画像パターンである場合には、画素であり、前記光変調手段がDMDを含む場合にはマイクロミラーである。
前記光変調素子が有する描素部の数(前記n)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光変調素子における描素部の配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2次元状に配列していることが好ましく、格子状に配列していることがより好ましい。
―――光照射手段―――
前記光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、LED、半導体レーザ等の公知光源、又は2以上の光を合成して照射可能な手段が挙げられ、これらの中でも2以上の光を合成して照射可能な手段が好ましい。
前記光照射手段から照射される光としては、例えば、支持体を介して光照射を行う場合には、該支持体を透過し、かつ用いられる光重合開始剤や増感剤を活性化する電磁波、紫外から可視光線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられ、これらの中でもレーザ光が好ましく、2以上の光を合成したレーザ(以下、「合波レーザ」と称することがある)がより好ましい。また支持体を剥離してから光照射を行う場合でも、同様の光を用いることができる。
前記紫外から可視光線の波長としては、例えば、300〜1500nmが好ましく、320〜800nmがより好ましく、330nm〜650nmが特に好ましい。
前記レーザ光の波長としては、例えば、200〜1500nmが好ましく、300〜800nmがより好ましく、330nm〜500nmが更に好ましく、400nm〜450nmが特に好ましい。
前記合波レーザを照射可能な手段としては、例えば、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射したレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する手段が好ましい。
以下、前記合波レーザを照射可能な手段(ファイバアレイ光源)について図を参照しながら説明する。
ファイバアレイ光源66は図34aに示すように、複数(例えば、14個)のレーザモジュール64を備えており、各レーザモジュール64には、マルチモード光ファイバ30の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ30の他端には、コア径がマルチモード光ファイバ30と同一でかつクラッド径がマルチモード光ファイバ30より小さい光ファイバ31が結合されている。図34bに詳しく示すように、マルチモード光ファイバ31の光ファイバ30と反対側の端部は副走査方向と直交する主走査方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部68が構成されている。
マルチモード光ファイバ31の端部で構成されるレーザ出射部68は、図34bに示すように、表面が平坦な2枚の支持板65に挟み込まれて固定されている。また、マルチモード光ファイバ31の光出射端面には、その保護のために、ガラス等の透明な保護板が配置されるのが望ましい。マルチモード光ファイバ31の光出射端面は、光密度が高いため集塵し易く劣化し易いが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
この例では、クラッド径が小さい光ファイバ31の出射端を隙間無く1列に配列するために、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30の間にマルチモード光ファイバ30を積み重ね、積み重ねられたマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の出射端が、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の2つの出射端の間に挟まれるように配列されている。
このような光ファイバは、例えば、図35に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ30のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ31を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ31の入射端面が、マルチモード光ファイバ30の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ31のコア31aの径は、マルチモード光ファイバ30のコア30aの径と同じ大きさである。
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ30の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ31を、マルチモード光ファイバ30の出射端部と称する場合がある。
マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施の形態では、マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ30は、クラッド径=125μm、コア径=50μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ31は、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2である。
一般に、赤外領域のレーザ光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザから出射された波長405nmのレーザ光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。従って、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
但し、光ファイバ31のクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバアレイ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、マルチモード光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が特に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ31のクラッド径は10μm以上が好ましい。
レーザモジュール64は、図36に示す合波レーザ光源(ファイバアレイ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック10上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6,及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ11,12,13,14,15,16,及び17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバ30と、から構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザ光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、かつ光ファイバ本数をより減らすことができる。
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。
前記合波レーザ光源は、図37及び図38に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収納されている。パッケージ40は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋41を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ40の開口をパッケージ蓋41で閉じることにより、パッケージ40とパッケージ蓋41とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
パッケージ40の底面にはベース板42が固定されており、このベース板42の上面には、前記ヒートブロック10と、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダー45と、マルチモード光ファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダー46とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ30の出射端部は、パッケージ40の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
また、ヒートブロック10の側面にはコリメータレンズホルダー44が取り付けられており、コリメータレンズ11〜17が保持されている。パッケージ40の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線47がパッケージ外に引き出されている。
なお、図38においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ17にのみ番号を付している。
図39は、前記コリメータレンズ11〜17の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズ11〜17の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ11〜17は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図39の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザ光B1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
したがって、各発光点から発せられたレーザ光B1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ11〜17に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズ11〜17の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザ光B1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズ11〜17の各々は、焦点距離f=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
集光レンズ20は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズ11〜17の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ20は、焦点距離f=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ20も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
また、DMDを照明する光照射手段に、合波レーザ光源の光ファイバの出射端部をアレイ状に配列した高輝度のファイバアレイ光源を用いているので、高出力でかつ深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。更に、各ファイバアレイ光源の出力が大きくなることで、所望の出力を得るために必要なファイバアレイ光源数が少なくなり、パターン形成装置の低コスト化が図られる。
また、光ファイバの出射端のクラッド径を入射端のクラッド径よりも小さくしているので、発光部径がより小さくなり、ファイバアレイ光源の高輝度化が図られる。これにより、より深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。例えば、ビーム径1μm以下、解像度0.1μm以下の超高解像度露光の場合にも、深い焦点深度を得ることができ、高速かつ高精細な露光が可能となる。したがって、高解像度が必要とされる薄膜トランジスタ(TFT)の露光工程に好適である。
また、前記光照射手段としては、前記合波レーザ光源を複数備えたファイバアレイ光源に限定されず、例えば、1個の発光点を有する単一の半導体レーザから入射されたレーザ光を出射する1本の光ファイバを備えたファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を用いることができる。
また、複数の発光点を備えた光照射手段としては、例えば、図40に示すように、ヒートブロック100上に、複数(例えば、7個)のチップ状の半導体レーザLD1〜LD7を配列したレーザアレイを用いることができる。また、図41(A)に示す、複数(例えば、5個)の発光点110aが所定方向に配列されたチップ状のマルチキャビティレーザ110が知られている。マルチキャビティレーザ110は、チップ状の半導体レーザを配列する場合と比べ、発光点を位置精度良く配列できるので、各発光点から出射されるレーザ光を合波し易い。但し、発光点が多くなるとレーザ製造時にマルチキャビティレーザ110に撓みが発生し易くなるため、発光点110aの個数は5個以下とするのが好ましい。
前記光照射手段としては、このマルチキャビティレーザ110や、図41(B)に示すように、ヒートブロック100上に、複数のマルチキャビティレーザ110が各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に配列されたマルチキャビティレーザアレイを、レーザ光源として用いることができる。
また、合波レーザ光源は、複数のチップ状の半導体レーザから出射されたレーザ光を合波するものには限定されない。例えば、図28に示すように、複数(例えば、3個)の発光点110aを有するチップ状のマルチキャビティレーザ110を備えた合波レーザ光源を用いることができる。この合波レーザ光源は、マルチキャビティレーザ110と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。マルチキャビティレーザ110は、例えば、発振波長が405nmのGaN系レーザダイオードで構成することができる。
前記構成では、マルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aの各々から出射したレーザ光Bの各々は、集光レンズ120によって集光され、マルチモード光ファイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
マルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aを、上記マルチモード光ファイバ130のコア径と略等しい幅内に並設すると共に、集光レンズ120として、マルチモード光ファイバ130のコア径と略等しい焦点距離の凸レンズや、マルチキャビティレーザ110からの出射ビームをその活性層に垂直な面内のみでコリメートするロッドレンズを用いることにより、レーザ光Bのマルチモード光ファイバ130への結合効率を上げることができる。
また、図42に示すように、複数(例えば、3個)の発光点を備えたマルチキャビティレーザ110を用い、ヒートブロック111上に複数(例えば、9個)のマルチキャビティレーザ110が互いに等間隔で配列されたレーザアレイ140を備えた合波レーザ光源を用いることができる。複数のマルチキャビティレーザ110は、各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に配列されて固定されている。
この合波レーザ光源は、レーザアレイ140と、各マルチキャビティレーザ110に対応させて配置した複数のレンズアレイ114と、レーザアレイ140と複数のレンズアレイ114との間に配置された1本のロッドレンズ113と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。レンズアレイ114は、マルチキャビティレーザ110の発光点に対応した複数のマイクロレンズを備えている。
上記の構成では、複数のマルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aの各々から出射したレーザ光Bの各々は、ロッドレンズ113により所定方向に集光された後、レンズアレイ114の各マイクロレンズにより平行光化される。平行光化されたレーザ光Lは、集光レンズ120によって集光され、マルチモード光ファイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
更に他の合波レーザ光源の例を示す。この合波レーザ光源は、図43(A)及び(B)に示すように、略矩形状のヒートブロック180上に光軸方向の断面がL字状のヒートブロック182が搭載され、2つのヒートブロック間に収納空間が形成されている。L字状のヒートブロック182の上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に等間隔で配列されて固定されている。
略矩形状のヒートブロック180には凹部が形成されており、ヒートブロック180の空間側上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、その発光点がヒートブロック182の上面に配置されたレーザチップの発光点と同じ鉛直面上に位置するように配置されている。
マルチキャビティレーザ110のレーザ光出射側には、各チップの発光点110aに対応してコリメートレンズが配列されたコリメートレンズアレイ184が配置されている。コリメートレンズアレイ184は、各コリメートレンズの長さ方向とレーザ光の拡がり角が大きい方向(速軸方向)とが一致し、各コリメートレンズの幅方向が拡がり角が小さい方向(遅軸方向)と一致するように配置されている。このように、コリメートレンズをアレイ化して一体化することで、レーザ光の空間利用効率が向上し合波レーザ光源の高出力化が図られると共に、部品点数が減少し低コスト化することができる。
また、コリメートレンズアレイ184のレーザ光出射側には、1本のマルチモード光ファイバ130と、このマルチモード光ファイバ130の入射端にレーザ光を集光して結合する集光レンズ120と、が配置されている。
前記構成では、レーザブロック180、182上に配置された複数のマルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aの各々から出射したレーザ光Bの各々は、コリメートレンズアレイ184により平行光化され、集光レンズ120によって集光されて、マルチモード光ファイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
前記合波レーザ光源は、上記の通り、マルチキャビティレーザの多段配置とコリメートレンズのアレイ化とにより、特に高出力化を図ることができる。この合波レーザ光源を用いることにより、より高輝度なファイバアレイ光源やバンドルファイバ光源を構成することができるので、本発明のパターン形成装置のレーザ光源を構成するファイバ光源として特に好適である。
なお、前記各合波レーザ光源をケーシング内に収納し、マルチモード光ファイバ130の出射端部をそのケーシングから引き出したレーザモジュールを構成することができる。
また、合波レーザ光源のマルチモード光ファイバの出射端に、コア径がマルチモード光ファイバと同一でかつクラッド径がマルチモード光ファイバより小さい他の光ファイバを結合してファイバアレイ光源の高輝度化を図る例について説明したが、例えば、クラッド径が125μm、80μm、60μm等のマルチモード光ファイバを、出射端に他の光ファイバを結合せずに使用してもよい。
ここで、本発明の前記パターン形成方法について更に説明する。スキャナ162の各露光ヘッド166において、ファイバアレイ光源66の合波レーザ光源を構成するGaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々から発散光状態で出射したレーザ光B1,B2,B3,B4,B5,B6,及びB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザ光B1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面に収束する。
本例では、コリメータレンズ11〜17及び集光レンズ20によって集光光学系が構成され、その集光光学系とマルチモード光ファイバ30とによって合波光学系が構成されている。即ち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザ光B1〜B7が、このマルチモード光ファイバ30のコア30aに入射して光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザ光Bに合波されてマルチモード光ファイバ30の出射端部に結合された光ファイバ31から出射する。
各レーザモジュールにおいて、レーザ光B1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各出力が30mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ31の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザ光Bを得ることができる。従って、6本の光ファイバ31がアレイ状に配列されたレーザ出射部68での出力は約1W(=180mW×6)である。
ファイバアレイ光源66のレーザ出射部68には、この通り高輝度の発光点が主走査方向に沿って一列に配列されている。単一の半導体レーザからのレーザ光を1本の光ファイバに結合させる従来のファイバ光源は低出力であるため、多数列配列しなければ所望の出力を得ることができなかったが、前記合波レーザ光源は高出力であるため、少数列、例えば1列でも所望の出力を得ることができる。
例えば、半導体レーザと光ファイバを1対1で結合させた従来のファイバ光源では、通常、半導体レーザとしては出力30mW(ミリワット)程度のレーザが使用され、光ファイバとしてはコア径50μm、クラッド径125μm、NA(開口数)0.2のマルチモード光ファイバが使用されているので、約1W(ワット)の出力を得ようとすれば、マルチモード光ファイバを48本(8×6)束ねなければならず、発光領域の面積は0.62mm(0.675mm×0.925mm)であるから、レーザ出射部68での輝度は1.6×10(W/m)、光ファイバ1本当りの輝度は3.2×10(W/m)である。
これに対し、前記光照射手段が合波レーザを照射可能な手段である場合には、マルチモード光ファイバ6本で約1Wの出力を得ることができ、レーザ出射部68での発光領域の面積は0.0081mm(0.325mm×0.025mm)であるから、レーザ出射部68での輝度は123×10(W/m)となり、従来に比べ約80倍の高輝度化を図ることができる。また、光ファイバ1本当りの輝度は90×10(W/m)であり、従来に比べ約28倍の高輝度化を図ることができる。
ここで、図44(A)及び(B)を参照して、従来の露光ヘッドと本実施の形態の露光ヘッドとの焦点深度の違いについて説明する。従来の露光ヘッドのバンドル状ファイバ光源の発光領域の副走査方向の径は0.675mmであり、露光ヘッドのファイバアレイ光源の発光領域の副走査方向の径は0.025mmである。図44(A)に示すように、従来の露光ヘッドでは、光照射手段(バンドル状ファイバ光源)1の発光領域が大きいので、DMD3へ入射する光束の角度が大きくなり、結果として走査面5へ入射する光束の角度が大きくなる。このため、集光方向(ピント方向のずれ)に対してビーム径が太りやすい。
一方、図44(B)に示すように、本発明のパターン形成装置における露光ヘッドでは、ファイバアレイ光源66の発光領域の副走査方向の径が小さいので、レンズ系67を通過してDMD50へ入射する光束の角度が小さくなり、結果として走査面56へ入射する光束の角度が小さくなる。即ち、焦点深度が深くなる。この例では、発光領域の副走査方向の径は従来の約30倍になっており、略回折限界に相当する焦点深度を得ることができる。従って、微小スポットの露光に好適である。この焦点深度への効果は、露光ヘッドの必要光量が大きいほど顕著であり、有効である。この例では、露光面に投影された1描素サイズは10μm×10μmである。なお、DMDは反射型の空間光変調素子であるが、図44(A)及び(B)は、光学的な関係を説明するために展開図とした。
露光パターンに応じたパターン情報が、DMD50に接続された図示しないコントローラに入力され、コントローラ内のフレームメモリに一旦記憶される。このパターン情報は、画像を構成する各描素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
感光性転写シート150を表面に吸着したステージ152は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。ステージ152がゲート160下を通過する際に、ゲート160に取り付けられた検知センサ164により感光性転写シート150の先端が検出されると、フレームメモリに記憶されたパターン情報が複数ライン分ずつ順次読み出され、データ処理部で読み出されたパターン情報に基づいて各露光ヘッド166毎に制御信号が生成される。そして、ミラー駆動制御部により、生成された制御信号に基づいて露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々がオンオフ制御される。
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光が照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光は、レンズ系54、58により感光性転写シート150の被露光面56上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が描素毎にオンオフされて、感光性転写シート150がDMD50の使用描素数と略同数の描素単位(露光エリア168)で露光される。また、感光性転写シート150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、感光性転写シート150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
―――マイクロレンズアレイ―――
前記露光は、前記変調させた光を、マイクロレンズアレイを通して行うことが好ましく、更にアパーチャアレイ、結像光学系等などを通して行ってもよい。
前記マイクロレンズアレイとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したものが好適に挙げられる。
前記非球面としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トーリック面が好ましい。
以下、前記マイクロレンズアレイ、前記アパーチャアレイ、及び前記結像光学系等について図面を参照しながら説明する。
図20(A)は、DMD50、DMD50にレーザ光を照射する光照射手段144、DMD50で反射されたレーザ光を拡大して結像するレンズ系(結像光学系)454、458、DMD50の各描素部に対応して多数のマイクロレンズ474が配置されたマイクロレンズアレイ472、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズに対応して多数のアパーチャ478が設けられたアパーチャアレイ476、アパーチャを通過したレーザ光を被露光面56に結像するレンズ系(結像光学系)480、482で構成される露光ヘッドを表す。
ここで図21に、DMD50を構成するマイクロミラー62の反射面の平面度を測定した結果を示す。同図においては、反射面の同じ高さ位置を等高線で結んで示してあり、等高線のピッチは5nmである。なお同図に示すx方向及びy方向は、マイクロミラー62の2つ対角線方向であり、マイクロミラー62はy方向に延びる回転軸を中心として前述のように回転する。また、図22の(A)及び(B)にはそれぞれ、上記x方向、y方向に沿ったマイクロミラー62の反射面の高さ位置変位を示す。
図21及び図22に示した通り、マイクロミラー62の反射面には歪みが存在し、そして特にミラー中央部に注目してみると、1つの対角線方向(y方向)の歪みが、別の対角線方向(x方向)の歪みよりも大きくなっている。このため、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aで集光されたレーザ光Bの集光位置における形状が歪むという問題が発生し得る。
本発明のパターン形成方法においては前記問題を防止するために、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aが、従来とは異なる特殊な形状とされている。以下、その点について詳しく説明する。
図23の(A)及び(B)はそれぞれ、マイクロレンズアレイ55全体の正面形状及び側面形状を詳しく示すものである。これらの図にはマイクロレンズアレイ55の各部の寸法も記入してあり、それらの単位はmmである。本発明のパターン形成方法では、先に図11を参照して説明したようにDMD50の1024個×256列のマイクロミラー62が駆動されるものであり、それに対応させてマイクロレンズアレイ55は、横方向に1024個並んだマイクロレンズ55aの列を縦方向に256列並設して構成されている。なお、同図(A)では、マイクロレンズアレイ55の並び順を横方向についてはjで、縦方向についてはkで示している。
また、図24の(A)及び(B)はそれぞれ、マイクロレンズアレイ55における1つのマイクロレンズ55aの正面形状及び側面形状を示すものである。なお同図(A)には、マイクロレンズ55aの等高線を併せて示してある。各マイクロレンズ55aの光出射側の端面は、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされている。より具体的には、マイクロレンズ55aはトーリックレンズとされており、上記x方向に光学的に対応する方向の曲率半径Rx=−0.125mm、上記y方向に対応する方向の曲率半径Ry=−0.1mmである。
したがって、上記x方向及びy方向に平行な断面内におけるレーザ光Bの集光状態は、概略、それぞれ図25の(A)及び(B)に示す通りとなる。つまり、x方向に平行な断面内とy方向に平行な断面内とを比較すると、後者の断面内の方がマイクロレンズ55aの曲率半径がより小であって、焦点距離がより短くなっている。
マイクロレンズ55aを前記形状とした場合の、該マイクロレンズ55aの集光位置(焦点位置)近傍におけるビーム径を計算機によってシミュレーションした結果を図26a、b、c、及びdに示す。また比較のために、マイクロレンズ55aが曲率半径Rx=Ry=−0.1mmの球面形状である場合について、同様のシミュレーションを行った結果を図27a、b、c及びdに示す。なお、各図におけるzの値は、マイクロレンズ55aのピント方向の評価位置を、マイクロレンズ55aのビーム出射面からの距離で示している。
また、前記シミュレーションに用いたマイクロレンズ55aの面形状は、下記計算式で計算される。
但し、前記計算式において、Cxは、x方向の曲率(=1/Rx)を意味し、Cyは、y方向の曲率(=1/Ry)を意味し、Xは、x方向に関するレンズ光軸Oからの距離を意味し、Yは、y方向に関するレンズ光軸Oからの距離を意味する。
図26a〜dと図27a〜dとを比較すると明らかなように、本発明のパターン形成方法ではマイクロレンズ55aを、y方向に平行な断面内の焦点距離がx方向に平行な断面内の焦点距離よりも小さいトーリックレンズとしたことにより、その集光位置近傍におけるビーム形状の歪みが抑制される。そうであれば、歪みの無い、より高精細な画像を感光性転写シート150に露光可能となる。また、図26a〜dに示す本実施形態の方が、ビーム径の小さい領域がより広い、すなわち焦点深度がより大であることが判る。。
なお、マイクロミラー62のx方向及びy方向に関する中央部の歪の大小関係が、上記と逆になっている場合は、x方向に平行な断面内の焦点距離がy方向に平行な断面内の焦点距離よりも小さいトーリックレンズからマイクロレンズを構成すれば、同様に、歪みの無い、より高精細な画像を感光性転写シート150に露光可能となる。
また、マイクロレンズアレイ55の集光位置近傍に配置されたアパーチャアレイ59は、その各アパーチャ59aに、それと対応するマイクロレンズ55aを経た光のみが入射するように配置されたものである。すなわち、このアパーチャアレイ59が設けられていることにより、各アパーチャ59aに、それと対応しない隣接のマイクロレンズ55aからの光が入射することが防止され、消光比が高められる。
本来、上記目的で設置されるアパーチャアレイ59のアパーチャ59aの径をある程度小さくすれば、マイクロレンズ55aの集光位置におけるビーム形状の歪みを抑制する効果も得られる。しかしそのようにした場合は、アパーチャアレイ59で遮断される光量がより多くなり、光利用効率が低下することになる。それに対してマイクロレンズ55aを非球面形状とする場合は、光を遮断することがないので、光利用効率も高く保たれる。
また、本発明のパターン形成方法において、マイクロレンズ55aは、2次の非球面形状であってもよく、より高次(4次、6次・・・)の非球面形状であってもよい。前記高次の非球面形状を採用することにより、ビーム形状をさらに高精細にすることができる。
また、以上説明した実施形態では、マイクロレンズ55aの光出射側の端面が非球面(トーリック面)とされているが、2つの光通過端面の一方を球面とし、他方をシリンドリカル面としたマイクロレンズからマイクロレンズアレイを構成して、上記実施形態と同様の効果を得ることもできる。
さらに、以上説明した実施形態においては、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aが、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされているが、このような非球面形状を採用する代わりに、マイクロレンズアレイを構成する各マイクロレンズに、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する屈折率分布を持たせても、同様の効果を得ることができる。
そのようなマイクロレンズ155aの一例を図29に示す。同図の(A)及び(B)はそれぞれ、このマイクロレンズ155aの正面形状及び側面形状を示すものであり、図示の通りこのマイクロレンズ155aの外形形状は平行平板状である。なお、同図におけるx、y方向は、既述した通りである。
また、図30の(A)及び(B)は、このマイクロレンズ155aによる上記x方向及びy方向に平行な断面内におけるレーザ光Bの集光状態を概略的に示している。このマイクロレンズ155aは、光軸Oから外方に向かって次第に増大する屈折率分布を有するものであり、同図においてマイクロレンズ155a内に示す破線は、その屈折率が光軸Oから所定の等ピッチで変化した位置を示している。図示の通り、x方向に平行な断面内とy方向に平行な断面内とを比較すると、後者の断面内の方がマイクロレンズ155aの屈折率変化の割合がより大であって、焦点距離がより短くなっている。このような屈折率分布型レンズから構成されるマイクロレンズアレイを用いても、前記マイクロレンズアレイ55を用いる場合と同様の効果を得ることができる。
なお、先に図24及び図25に示したマイクロレンズ55aのように面形状を非球面としたマイクロレンズにおいて、併せて上述のような屈折率分布を与え、面形状と屈折率分布の双方によって、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、DMD50を構成するマイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正しているが、DMD以外の空間光変調素子を用いる本発明のパターン形成方法においても、その空間光変調素子の描素部の面に歪みが存在する場合は、本発明を適用してその歪みによる収差を補正し、ビーム形状に歪みが生じることを防止可能である。
次に、前記結像光学系について更に説明する。
前記露光ヘッドでは、光照射手段144からレーザ光が照射されると、DMD50によりオン方向に反射される光束線の断面積が、レンズ系454、458により数倍(例えば、2倍)に拡大される。拡大されたレーザ光は、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズによりDMD50の各描素部に対応して集光され、アパーチャアレイ476の対応するアパーチャを通過する。アパーチャを通過したレーザ光は、レンズ系480、482により被露光面56上に結像される。
この結像光学系では、DMD50により反射されたレーザ光は、拡大レンズ454、458により数倍に拡大されて被露光面56に投影されるので、全体の画像領域が広くなる。このとき、マイクロレンズアレイ472及びアパーチャアレイ476が配置されていなければ、図20(B)に示すように、被露光面56に投影される各ビームスポットBSの1描素サイズ(スポットサイズ)が露光エリア468のサイズに応じて大きなものとなり、露光エリア468の鮮鋭度を表すMTF(Modulation Transfer Function)特性が低下する。
一方、マイクロレンズアレイ472及びアパーチャアレイ476を配置した場合には、DMD50により反射されたレーザ光は、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズによりDMD50の各描素部に対応して集光される。これにより、図20(C)に示すように、露光エリアが拡大された場合でも、各ビームスポットBSのスポットサイズを所望の大きさ(例えば、10μm×10μm)に縮小することができ、MTF特性の低下を防止して高精細な露光を行うことができる。なお、露光エリア468が傾いているのは、描素間の隙間を無くす為にDMD50を傾けて配置しているからである。
また、マイクロレンズの収差によるビームの太りがあっても、アパーチャアレイによって被露光面56上でのスポットサイズが一定の大きさになるようにビームを整形することができると共に、各描素に対応して設けられたアパーチャアレイを通過させることにより、隣接する描素間でのクロストークを防止することができる。
更に、光照射手段144に後述する高輝度光源を使用することにより、レンズ458からマイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズに入射する光束の角度が小さくなるので、隣接する描素の光束の一部が入射するのを防止することができる。即ち、高消光比を実現することができる。
―――その他の光学系―――
本発明のパターン形成方法では、公知の光学系の中から適宜選択したその他の光学系と併用してもよく、例えば、1対の組合せレンズからなる光量分布補正光学系などが挙げられる。
前記光量分布補正光学系は、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように各出射位置における光束幅を変化させて、光照射手段からの平行光束をDMDに照射するときに、被照射面での光量分布が略均一になるように補正する。以下、前記光量分布補正光学系について図面を参照しながら説明する。
まず、図30(A)に示したように、入射光束と出射光束とで、その全体の光束幅(全光束幅)H0、H1が同じである場合について説明する。なお、図30(A)において、符号51、52で示した部分は、前記光量分布補正光学系における入射面及び出射面を仮想的に示したものである。
前記光量分布補正光学系において、光軸Z1に近い中心部に入射した光束と、周辺部に入射した光束とのそれぞれの光束幅h0、h1が、同一であるものとする(h0=hl)。前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0,h1であった光に対し、中心部の入射光束については、その光束幅h0を拡大し、逆に、周辺部の入射光束に対してはその光束幅h1を縮小するような作用を施す。すなわち、中心部の出射光束の幅h10と、周辺部の出射光束の幅h11とについて、h11<h10となるようにする。光束幅の比率で表すと、出射側における中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなっている((h11/h10)<1)。
このように光束幅を変化させることにより、通常では光量分布が大きくなっている中央部の光束を、光量の不足している周辺部へと生かすことができ、全体として光の利用効率を落とさずに、被照射面での光量分布が略均一化される。均一化の度合いは、例えば、有効領域内における光量ムラが30%以内、好ましくは20%以内となるようにする。
前記光量分布補正光学系による作用、効果は、入射側と出射側とで、全体の光束幅を変える場合(図31(B),(C))においても同様である。
図31(B)は、入射側の全体の光束幅H0を、幅H2に“縮小”して出射する場合(H0>H2)を示している。このような場合においても、前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0、h1であった光を、出射側において、中央部の光束幅h10が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅h11が中心部に比べて小さくなるようにする。光束の縮小率で考えると、中心部の入射光束に対する縮小率を周辺部に比べて小さくし、周辺部の入射光束に対する縮小率を中心部に比べて大きくするような作用を施している。この場合にも、中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「H11/H10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなる((h11/h10)<1)。
図31(C)は、入射側の全体の光束幅H0を、幅Η3に“拡大”して出射する場合(H0<H3)を示している。このような場合においても、前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0、h1であった光を、出射側において、中央部の光束幅h10が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅h11が中心部に比べて小さくなるようにする。光束の拡大率で考えると、中心部の入射光束に対する拡大率を周辺部に比べて大きくし、周辺部の入射光束に対する拡大率を中心部に比べて小さくするような作用を施している。この場合にも、中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなる((h11/h10)<1)。
このように、前記光量分布補正光学系は、各出射位置における光束幅を変化させ、光軸Z1に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比を入射側に比べて出射側の方が小さくなるようにしたので、入射側において同一の光束幅であった光が、出射側においては、中央部の光束幅が周辺部に比べて大きくなり、周辺部の光束幅は中心部に比べて小さくなる。これにより、中央部の光束を周辺部へと生かすことができ、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された光束断面を形成することができる。
次に、前記光量分布補正光学系として使用する1対の組合せレンズの具体的なレンズデータの1例を示す。この例では、前記光照射手段がレーザアレイ光源である場合のように、出射光束の断面での光量分布がガウス分布である場合のレンズデータを示す。なお、シングルモード光ファイバの入射端に1個の半導体レーザを接続した場合には、光ファイバからの射出光束の光量分布がガウス分布になる。本発明のパターン形成方法では、このような場合の適用も可能である。また、マルチモード光ファイバのコア径を小さくしてシングルモード光ファイバの構成に近付ける等により光軸に近い中心部の光量が周辺部の光量よりも大きい場合にも適用可能である。
下記表1に基本レンズデータを示す。
表1から判る。ように、1対の組合せレンズは、回転対称の2つの非球面レンズから構成されている。光入射側に配置された第1のレンズの光入射側の面を第1面、光出射側の面を第2面とすると、第1面は非球面形状である。また、光出射側に配置された第2のレンズの光入射側の面を第3面、光出射側の面を第4面とすると、第4面が非球面形状である。
表1において、面番号Siはi番目(i=1〜4)の面の番号を示し、曲率半径riはi番目の面の曲率半径を示し、面間隔diはi番目の面とi+1番目の面との光軸上の面間隔を示す。面間隔di値の単位はミリメートル(mm)である。屈折率Niはi番目の面を備えた光学要素の波長405nmに対する屈折率の値を示す。下記表2に、第1面及び第4面の非球面データを示す。
上記の非球面データは、非球面形状を表す下記式(A)における係数で表される。
上記式(A)において各係数を以下の通り定義する。
Z:光軸から高さρの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)
ρ:光軸からの距離(mm)
K:円錐係数
C:近軸曲率(1/r、r:近軸曲率半径)
ai:第i次(i=3〜10)の非球面係数
表2に示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数″であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10−2」であることを示す。
図33は、前記表1及び表2に示す1対の組合せレンズによって得られる照明光の光量分布を示している。横軸は光軸からの座標を示し、縦軸は光量比(%)を示す。なお、比較のために、図32に、補正を行わなかった場合の照明光の光量分布(ガウス分布)を示す。図32及び図33から判る。ように、光量分布補正光学系で補正を行うことにより、補正を行わなかった場合と比べて、略均一化された光量分布が得られている。これにより、光の利用効率を落とさずに、均一なレーザ光でムラなく露光を行うことができる。
―(3)支持体除去工程―
前記支持体除去工程は、前記基体上に転写された本発明の感光性転写シートの支持体を取り除く工程であり、未硬化部分を現像により溶解除去する前に除かれていればよいため、工程(2)と工程(4)との間で行ってもよく、工程(1)と工程(2)との間で行なってもよい。
―(4)未硬化部分除去工程―
前記未硬化部分除去工程は、前記露光により前記感光性転写シートにおける感光層を露光し、該感光層の露光した領域を硬化させた後、未硬化領域を除去することにより現像し、パターンを形成する工程である。
前記未硬化部分除去工程は、例えば、現像手段により好適に実施することができる。前記現像手段としては、現像液を用いて現像することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記現像液を噴霧する手段、前記現像液を塗布する手段、前記現像液に浸漬させる手段などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記現像手段は、前記現像液を交換する現像液交換手段、前記現像液を供給する現像液供給手段などを有していてもよい。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルカリ性液、水系現像液、有機溶剤などが挙げられ、これらの中でも、弱アルカリ性の水溶液が好ましい。該弱アルカリ性液の塩基成分としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。
前記弱アルカリ性の水溶液のpHとしては、例えば、約8〜12が好ましく、約9〜11がより好ましい。前記弱アルカリ性の水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸カリウム水溶液などが挙げられる。
前記現像液の温度としては、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25℃〜40℃が好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類等)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
―その他の工程−
前記その他の工程としては、特に制限はなく、公知のパターン形成における工程の中から適宜選択することが挙げられるが、例えば、エッチング工程、メッキ工程などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記エッチング工程としては、公知のエッチング処理方法の中から適宜選択した方法により行うことができる。
前記エッチング処理に用いられるエッチング液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記金属層が銅で形成されている場合には、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などが挙げられ、これらの中でも、エッチングファクターの点から塩化第二鉄溶液が好ましい。
前記エッチング工程によりエッチング処理した後に前記パターンを除去することにより、前記基体の表面に永久パターンを形成することができる。
前記永久パターンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、配線パターンなどが好適に挙げられる。
前記メッキ工程としては、公知のメッキ処理の中から適宜選択した適宜選択した方法により行うことができる。
前記メッキ処理としては、例えば、硫酸銅メッキ、ピロリン酸銅メッキ等の銅メッキ、ハイフローはんだメッキ等のはんだメッキ、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)メッキ、スルファミン酸ニッケル等のニッケルメッキ、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキなど処理が挙げられる。
前記メッキ工程によりメッキ処理した後に前記パターンを除去することにより、また更に必要に応じて不要部をエッチング処理等で除去することにより、前記基体の表面に永久パターンを形成することができる。
次に、本発明の感光性転写シートを用いたスルーホールを有するプリント配線板の製造方法について、添付図面の図7を参照しながら説明する。図7は、図1に示した感光性転写シート、あるいは図2に示した感光性転写シートを用いる場合を示している。
まず、図7(A)に示すように、スルーホール522を有し、表面が金属めっき層523で覆われたプリント配線板製造用基板521を用意する。プリント配線板製造用基板521としては、銅張積層基板及びガラス−エポキシなどの絶縁基材に銅めっき層を形成した基板、又はこれらの基板に層間絶縁膜を積層し、銅めっき層を形成した基板(積層基板)を用いることができる。
次に、図7(B)に示すように、感光性転写シート510を、保護フィルムを有する場合には、この保護フィルムを剥離して、その第二感光層514がプリント配線板形成用基板521の表面に接する様にして加圧ローラ531を用いて圧着する(積層体形成工程)。これにより、プリント配線板形成用基板521、第二感光層514、中間層513、第一感光層512、そして支持体511がこの順で積層された積層体が得られる。感光性転写シートの積層は、室温(15〜30℃)あるいは加熱下(30〜180℃)で行うことができる。60〜140℃の加熱下で行うことが好ましい。圧着ロールのロール圧は、1〜10kg/cmが好ましい。圧着速度は、1〜3m/分が好ましい。またプリント配線板形成用基板521を予備加熱しておいてもよい。また、減圧下で積層してもよい。
感光性転写シートを用いる代わりに、感光性転写シート製造用の第二感光性樹脂組成物溶液、中間層溶液、第一感光性樹脂組成物溶液とをこの順にプリント配線板形成用基板の表面に直接塗布し、乾燥することによって、プリント配線板形成用基板、第二感光層、中間層、そして第一感光層がこの順で積層された積層体を得ることもできる。
次に、図7(C)に示すように、積層体の支持体511側の面から、光を照射して感光層を硬化させる。なおこの際、必要に応じて(例えば支持体の光透過性が不十分な場合など)支持体を剥離してから光照射を行なってもよい。プリント配線板形成用基板521のパターン形成領域には、第二感光層514を硬化させるために必要な光エネルギー量の光を所定のパターン状に照射して、パターン形成用の硬化層516の領域を形成する(配線部の硬化工程)。
前記プリント配線板形成用基板のスルーホール522の開口部及びその周囲には、第一感光層512と第二感光層514とをそれぞれ硬化させるために必要な光エネルギー量の光を照射して、スルーホールの金属層保護用硬化層517の領域を形成する(ホール部の硬化工程)。
前記配線部の硬化工程とホール部露光工程とは、それぞれ独立しておこなってもよいが、並行して行う方が好ましい。露光は、フォトマスクを介して光を照射することにより行うか、レーザ露光装置を用いてレーザー光を照射することにより行う。特に、後者のレーザ露光装置を用いる方法は、高価なマスクを使用せずにパターン形成が可能なので、マスクに起因する工程上の問題が無くなることから、少量多品種の製品の製造などに適している。
フォトマスクを介して光を照射する場合には、配線パターン形成用の硬化層516の領域形成用のフォトマスクを介して第二感光層のみを硬化させる光エネルギー量を照射し、スルーホールの金属層保護用の硬化層517の領域形成用のフォトマスクを介して第二感光層と第一感光層の両層を硬化させる光エネルギー量を照射する様に露光を2回行う方法も利用できる。あるいは配線パターン形成用の硬化層516の領域部に対応する光透過率が低く、スルーホールの金属層保護用の硬化層517の領域部に対応する光透過率が高くなるように作成されたフォトマスクを用いて一括露光を行うこともできる。一方レーザ露光装置を用いてレーザ光を照射する場合では、それぞれの必要な領域で光照射量を変更しながら走査露光を行うことが好ましい。
支持体を未だ剥離していない場合には、図7(D)に示すように、積層体から支持体511を除去する(支持体除去工程)。
次に、図7(E)に示すように、プリント配線板形成用基板521上の第一感光層512、中間層513及び第二感光層514の未硬化領域を、適当な現像液にて溶解除去して、配線パターン形成用の硬化層516とスルーホールの金属層保護用硬化層517のパターンを形成し、基板表面の金属層523を露出させる(未硬化部分除去工程)。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ水溶液、水系現像液、有機溶剤など感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いればよく、弱アルカリ水溶液が好ましい。この弱アルカリ水溶液の塩基成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。また現像に用いる弱アルカリ水溶液のpHは約8〜12、特に約9〜11とすることが好ましい。具体的には、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液などを用いることができる。また現像液の温度は感光層の現像性に合わせて調整できるが、一般に約25℃〜40℃が好ましい。また、該現像液には界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えばエチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や現像を促進させるため有機溶剤(アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類など)を併用してもよい。現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液を使用してもよく、有機溶剤単独でもよい。
また、現像後に必要に応じて後加熱処理や後露光処理によって、硬化部の硬化反応を更に促進させる処理をおこなってもよい。現像は上記のようなウエット現像法でもよいし、ドライ現像法で行ってもよい。
次いで、図7(F)に示すように、基板表面の露出した金属層523をエッチング液で溶解除去する(エッチング工程)。スルーホール522の開口部は硬化樹脂組成物(テント膜)517で覆われているので、エッチング液がスルーホール内に入り込んでスルーホール内の金属めっきを腐食することなく、スルーホールの金属めっきは所定の形状で残ることになる。これよりプリント配線板形成用基板521に配線パターン524が形成される。金属層523が銅で形成されている場合、エッチング液としては塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などを用いることができる。これらの中でも特に塩化第二鉄溶液がエッチングファクターの点から好ましい。
次に、図7(G)に示すように、強アルカリ水溶液などにて、硬化層516、517を剥離片518として、プリント配線板形成用基板から除去する(硬化物除去工程)。強アルカリ水溶液の塩基成分としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。また用いる強アルカリ水溶液のpHは約12〜14、特に約13〜14とすることが好ましい。具体的には、1〜10質量%の水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などを用いることができる。
また、プリント配線板は多層構成のプリント配線板でもよい。また本発明の感光性転写シートは上記のエッチングプロセスのみでなく、めっきプロセスに使用してもよい。めっき法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっきなどの銅めっき、ハイフローはんだめっきなどのはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルなどのニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっきなどの金めっきなどがある。
−プリント配線板及びカラーフィルタの製造方法−
本発明の前記パターン形成方法は、プリント配線板の製造、特にスルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造、及び、カラーフィルタの製造に好適に使用することができる。以下、本発明のパターン形成方法を利用したプリント配線板の製造方法及びカラーフィルタの製造方法の一例について説明する。
――カラーフィルタの製造方法――
ガラス基板等の基体上に、本発明の前記感光性転写シートにおける感光層を貼り合わせ、該感光性転写シートから支持体を剥離する場合に、帯電した前記支持体(フィルム)と人体とが不快な電気ショックを受けることがあり、あるいは帯電した前記支持体に塵埃が付着する等の問題がある。このため、前記支持体上に導電層を設けたり、前記支持体自体に導電性を付与する処理を施すことが好ましい。また、前記導電層を前記感光層とは反対側の前記支持体上に設けた場合は、耐傷性を向上させるために疎水性重合体層を設けることが好ましい。
次に、前記感光層を赤、緑、青、黒のそれぞれに着色した赤色感光層を有する感光性転写シートと、緑色感光層を有する感光性転写シートと、青色感光層を有する感光性転写シートと、黒色感光層を有する感光性転写シートを調製する。赤画素用の前記赤色感光層を有する感光性転写シートを用いて、赤色感光層を前記基体表面に積層して積層体を形成した後、像様に露光、現像して赤の画素を形成する。赤の画素を形成した後、前記積層体を加熱して未硬化部分を硬化させる。これを緑、青の画素のついても同様にして行い、各画素を形成する。
前記積層体の形成は、前記ガラス基板上に前記感光性転写シートを積層してもよく、また、前記感光性転写シート製造用の感光性樹脂組成物溶液などを前記ガラス基板の表面に直接塗布し、乾燥させることにより前記ガラス基板上に感光層及び支持体を積層してもよい。また、赤、緑、青の三種の画素を配置する場合は、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等どのような配置であってもよい。
前記画素を形成した面上に前記黒色感光層を有する感光性転写シートを積層し、画素を形成していない側から背面露光し、現像してブラックマトリックスを形成する。該ブラックマトリックスを形成した積層体を加熱することにより、未硬化部分を硬化させ、カラーフィルタを製造することができる。
本発明のパターン形成方法及びパターン形成装置は、前記感光層の感度低下を抑制でき、かつ、高精細なパターンを形成可能な感光性転写シートを用いるため、より小さいエネルギー量の光で露光することができ、露光スピードが上がるため、処理スピードが上がる点で有利である。
本発明の前記パターン形成方法は、本発明の前記感光性転写シートを用いるため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの製造に好適に使用することができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に使用することができる。本発明のパターン形成装置は、本発明の前記感光性転写シートを備えているため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの製造に好適に使用することができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜5)
−感光性転写シートの製造−
厚み20μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、下記の組成からなる第一感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して厚み25μmの感光層(第一感光層)を形成した。
<第一感光性樹脂組成物溶液の組成>
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比);55/11.7/4.5/28.8、質量平均分子量;90000、Tg;70℃) 15質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部
・N−メチルアクリドン 0.04質量部
・2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール 0.8質量部
・ケトオキシム化合物(表1記載) 0.32質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 10質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
次に、第一感光層の上に、表3に示すように下記の組成からなる水溶性ポリマー溶液を塗布し、乾燥して厚み1.6μmの中間層を形成した。
<中間層溶液Aの組成>
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・ポリビニルアルコール(PVA205 クラレ(株)製) 19質量部
・架橋性ポリマー又は架橋性化合物(表3記載) 12質量部
・水 200質量部
・メタノール 180質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
次に、前記中間層の上に下記組成からなる第二感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して厚み5μmの感光層(第二感光層)を形成した。
<第二感光性樹脂組成物溶液の組成>
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比);40/26.7/4.5/28.8、質量平均分子量;90000、Tg;70℃) 15質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部
・N−メチルアクリドン 0.16質量部
・2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール 1.04質量部
・ケトオキシム化合物(表1記載) 0.32質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 10質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 20質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
最後に第二感光層の上に、厚みが20μmの前記ポリエチレンフィルムを積層して感光性転写シートを得た。いずれの層も厚みムラが±5%以内であった。こうして得た感光性転写シートの感度を後述の方法により測定したところ、最短現像時間は25秒、前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、4mJ/cmであり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cmであり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは3.5、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.1)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は10であった。更に、現像時における中間層の密着性は表4に示すように、大幅に改良された。
(比較例1)
実施例1おいて、中間層溶液1を中間層溶液Aとして同様の感光性転写シートを作成し、比較例1の感光性転写シートとした。こうして得た感光性転写シートの感度を後述の方法により測定したところ、最短現像時間は25秒、前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、4mJ/cmであり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cmであり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは3.5、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.1)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は10であった。更に、現像時における中間層の剥離についての結果を表4に示す。
<中間層溶液Aの組成>
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・ポリビニルアルコール(PVA205 クラレ(株)製) 19質量部
・水 200質量部
・メタノール 180質量部
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−感度の測定方法−
(1)最短現像時間の測定方法
表面を研磨、水洗、乾燥した銅張積層板(スルーホールなし)の表面に、感光性転写シートの保護フィルムを剥がしながら、感光性転写シートの第二感光層が基板に接するように感光性転写シートをラミネーター(MODEL8B−720−PH、大成ラミネーター(株)製)を用いて圧着して、銅張積層板、第二感光層、中間層、第一感光層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムがこの順で積層された積層体を作成する。圧着条件は圧着ロール温度105℃、圧着ロール圧力3kg/cm、そして圧着速度1m/分とした。積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーする。炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から銅張積層板上の感光層が溶解除去されるまでに要した時間を測定し、これを最短現像時間とする。
(2)感度の測定
最短現像時間の測定と同様にして基板上に感光性転写シートを積層する。感光性転写シートの感光層に、ポリエチレンテレフタレートフィルム側から405nmのレーザ光源を有する露光装置を用いて、0.1mJ/cmから21/2倍間隔で100mJ/cmまで光エネルギー量の異なる光を照射して、感光層を硬化させる。室温にて10分間静置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取る。銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて上記(1)で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の樹脂組成物を溶解除去して、残った硬化層の厚みを測定する。次いで、光の照射量と、硬化層の厚みとの関係をプロットして感度曲線を得る。こうして得た感度曲線から硬化層の厚みが5μmとなった時の光エネルギー量(光エネルギー量A)、硬化層の厚みが31.6μmとなった時の光エネルギー量(光エネルギー量B)、及び硬化層の厚みが5μmを超えた時の光エネルギー量(光エネルギー量C)を読み取る。
−解像度の測定方法−
上記(1)の最短現像時間の評価方法と同じ条件で、銅張積層板、第二感光層、中間層、第一感光層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムがこの順で積層された積層体を作成して、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置する。得られた積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムの上から、405nmのレーザ光源を有する露光装置を用いて、ライン/スペース=1/1でライン幅10μm〜50μmまで5μm刻みで各線幅の露光を行う。この際の露光量は、各感光性転写シートの第二感光層が硬化する光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取る。銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の樹脂組成物を溶解除去する。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを解像度とする。解像度は数値が小さいほど良好である。
−プリント配線板の製造、並び評価−
内壁に銅めっき層が形成された、直径3mmのスルーホールを有し、表面が研磨、水洗、乾燥された銅張積層板の上に、保護フィルムを剥離した感光性転写シートの第二感光層を重ね、ラミネートし、前述と同様にして銅張積層板、第二感光層、中間層、第一感光層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムがこの順で積層された積層体を作成して、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置する。得られた積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムの上から、405nmのレーザ光源を有する露光装置を用いて、銅張積層板の配線パターン形成領域に、各感光性転写シートの第二感光層が硬化する光エネルギー量の光を所定のパターン状に照射し、一方、銅張積層板のスルーホールの開口部及びその周囲領域に、各感光性転写シートの第一感光層が硬化する光エネルギー量の光を照射して、感光層を露光した。露光後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取り、次いで前述の評価法と同様に炭酸ナトリウム水溶液を感光層表面にスプレーして、第一感光層及び第二感光層の未硬化領域を溶解除去して、硬化層レリーフを得た。得られた硬化層パターンを顕微鏡で観察し、配線パターン形成領域上の硬化層、及びスルーホール開口部上の硬化層に剥がれやテント膜の破れ(テント性)などの欠陥の有無を観察した。
なお、この際の硬化層の厚みをレーザ顕微鏡(VK−9500、キーエンス(株)製)で測定したところ、配線パターン形成領域上の硬化層の厚みは5μmであり、スルーホール開口部上の硬化層の厚みは31.6μmであった。
次いで、銅張積層板の表面に、塩化鉄エッチャント(塩化第二鉄含有エッチング溶液)をスプレーして、硬化層で覆われていない露出した領域の銅層を溶解除去する。次いで2質量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーして硬化物レリーフを除去して、スルーホールを有し、表面に配線パターン状の銅層を備えたプリント配線板を得る。得られたプリント配線板のスルーホール内壁の、銅めっき層の異常の有無を目視で観察した。
感光性転写シートについて、密着したパターンの直径(μm)、解像度(μm)、硬化層の剥がれ、テント破れ、スルーホール内銅めっきの異常の有無を評価した結果を表4に示す。
(実施例6)
実施例1において、露光装置を下記に説明するパターン形成装置に代えた以外は、実施例1と同様にして感光性転写シートを製造した。製造した感光性転写シートについて最短現像時間、感度及び解像度の評価を行った。結果を表4に示した。
なお、最短現像時間は10秒であり、感光層を硬化させるために必要な最小の光エネルギー量は5.0mJ/cmであった。
−パターン形成装置−
前記光照射手段として図34〜39に示す合波レーザ光源と、前記光変調手段として図11に示す主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列された内、1024個×256列のみを駆動するように制御したDMD50と、図20に示した一方の面がトーリック面であるマイクロレンズ474をアレイ状に配列したマイクロレンズアレイ472及び該マイクロレンズアレイを通した光を前記感光層に結像する光学系480、482とを有するパターン形成装置を用いた。
表4の結果より、実施例1〜7の感光性転写シートでは、硬化層の剥がれは発生ぜず、テント破れ、スルーホール内の銅メッキ異常は皆無であった。他方、比較例1では、硬化層の剥がれ葉ないものの、一部(200〜350μmφ)で破れが発生し、スルーホール内の銅メッキは一部(200〜350μmφ)で銅が消失していた。また、感度及び解像度については、いずれの感度も10(mJ/cm)以下であり感度低下が抑制され、かつ、高解像度であることが判った。特に、トーリック面を有する実施例7のパターン形成装置を用いた場合には、解像度が向上することが判った。
本発明の感光性転写シート及び感光性積層体は、解像度、エッチング性、テント性、及び露光速度及び光架橋性樹脂及び光架橋性化合物の少なくともいずれかを含む中間層を各感光層間に形成することにより各感光層間の密着性に優れ、感光層の感度低下を抑制可能であると共に、該感光層を短時間で現像でき、しかも現像後における現像液の汚れを抑制可能であるため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造などに好適に用いることができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。
本発明のパターンを形成する方法は、本発明の前記感光性転写シートを備えているため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造などに好適に用いることができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。
図1は、本発明に従う感光性転写シートの一例の模式断面図である。 図2は、本発明に従う感光性転写シートの他の例の模式断面図である。 図3は、本発明の感光性転写シートに支持体側から光を照射したときの、光の照射量と硬化層の厚みとの関係を表す感度曲線を示すグラフである。 図4は、本発明に従う感光性転写シートの他の例の模式断面図である。 図5は、本発明に従う感光性転写シートの他の例の模式断面図である。 図6は、本発明に従う感光層が三層である感光性転写シートを用いて形成が可能な画像例(硬化層パターン)を示す模式図である。 図7は、本発明に従うスルーホールを有するプリント配線板の製造工程を示す工程図である。 図8は、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)の構成を示す部分拡大図の一例である。 図9(A)及び(B)は、DMDの動作を説明するための説明図の一例である。 図10(A)及び(B)は、DMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、露光ビームの配置及び走査線を比較して示した平面図の一例である。 図11(A)及び(B)は、DMDの使用領域の例を示す図の一例である。 図12は、スキャナによる1回の走査で感光性転写シートを露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。 図13(A)及び(B)は、スキャナによる複数回の走査で感光性転写シートを露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。 図14は、パターン形成装置の一例の外観を示す概略斜視図の一例である。 図15は、パターン形成装置のスキャナの構成を示す概略斜視図の一例である。 図16(A)は、感光性転写シートに形成される露光済み領域を示す平面図の一例であり、図16(B)は、各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す図の一例である。 図17は、光変調手段を含む露光ヘッドの概略構成を示す斜視図の一例である。 図18は、図17に示す露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った副走査方向の断面図の一例である。 図19は、パターン情報に基づいて、DMDの制御をするコントローラの一例である。 図20(A)は、結合光学系の異なる他の露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った断面図の一例であり、図20(B)は、マイクロレンズアレイ等を使用しない場合に被露光面に投影される光像を示す平面図の一例であり、図20(C)は、マイクロレンズアレイ等を使用した場合に被露光面に投影される光像を示す平面図の一例である。 図21は、DMDを構成するマイクロミラーの反射面の歪みを等高線で示す図の一例である。 図22(A)及び(B)は、前記マイクロミラーの反射面の歪みを、該ミラーの2つの対角線方向について示すグラフの一例である。 図23は、パターン形成装置に用いられたマイクロレンズアレイの正面図(A)と側面図(B)の一例である。 図24は、マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの正面図(A)と側面図(B)の一例である。 図25は、マイクロレンズによる集光状態を1つの断面内(A)と別の断面内(B)について示す概略図の一例である。 図26aは、本発明のマイクロレンズの集光位置近傍におけるビーム径をシミュレーションした結果を示す図の一例である。 図26bは、図26aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図26cは、図26aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図26dは、図26aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図27aは、従来のパターン形成方法において、マイクロレンズの集光位置近傍におけるビーム径をシミュレーションした結果を示す図の一例である。 図27bは、図27aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図27cは、図27aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図27dは、図27aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図28は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図29は、マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの正面図(A)の一例と側面図(B)の一例である。 図30は、図29のマイクロレンズによる集光状態を1つの断面内(A)の一例と別の断面内(B)について示す概略図の一例である。 図31(A)、(B)及び(C)は、光量分布補正光学系による補正の概念についての説明図の一例である。 図32は、光照射手段がガウス分布でかつ光量分布の補正を行わない場合の光量分布を示すグラフの一例である。 図33は、光量分布補正光学系による補正後の光量分布を示すグラフの一例である。 図34a(A)は、ファイバアレイ光源の構成を示す斜視図であり、図34a(B)は、(A)の部分拡大図の一例であり、図34a(C)及び(D)は、レーザ出射部における発光点の配列を示す平面図の一例である。 図34bは、ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列を示す正面図の一例である。 図35は、マルチモード光ファイバの構成を示す図の一例である。 図36は、合波レーザ光源の構成を示す平面図の一例である。 図37は、レーザモジュールの構成を示す平面図の一例である。 図38は、図37に示すレーザモジュールの構成を示す側面図の一例である。 図39は、図37に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。 図40は、レーザアレイの構成を示す斜視図の一例である。 図41(A)は、マルチキャビティレーザの構成を示す斜視図の一例であり、図41(B)は、(A)に示すマルチキャビティレーザをアレイ状に配列したマルチキャビティレーザアレイの斜視図の一例である。 図42は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図43(A)は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例であり、図43(B)は、(A)の光軸に沿った断面図の一例である。 図44(A)及び(B)は、従来の露光装置における焦点深度と本発明のパターン形成方法(パターン形成装置)による焦点深度との相違を示す光軸に沿った断面図の一例である。
符号の説明
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
10 ヒートブロック
11〜17 コリメータレンズ
20 集光レンズ
30〜31 マルチモード光ファイバ
44 コリメータレンズホルダー
45 集光レンズホルダー
46 ファイバホルダー
50 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
52 レンズ系
53 反射光像(露光ビーム)
54 第2結像光学系のレンズ
55 マイクロレンズアレイ
56 被露光面(走査面)
55a マイクロレンズ
57 第2結像光学系のレンズ
58 第2結像光学系のレンズ
59 アパーチャアレイ
64 レーザモジュール
66 ファイバアレイ光源
67 レンズ系
68 レーザ出射部
69 ミラー
70 プリズム
71 集光レンズ
72 ロッドインテグレータ
73 組合せレンズ
74 結像レンズ
100 ヒートブロック
110 マルチキャビティレーザ
111 ヒートブロック
113 ロッドレンズ
120 集光レンズ
130 マルチモード光ファイバ
130a コア
140 レーザアレイ
144 光照射手段
150 感光性転写シート
152 ステージ
155a マイクロレンズ
156 設置台
158 ガイド
160 ゲート
162 スキャナ
164 センサ
166 露光ヘッド
168 露光エリア
170 露光済み領域
180 ヒートブロック
184 コリメートレンズアレイ
302 コントローラ
304 ステージ駆動装置
454 レンズ系
468 露光エリア
472 マイクロレンズアレイ
474 マイクロレンズ
476 アパーチャアレイ
478 アパーチャ
480 レンズ系
510 感光性転写シート
511 支持体
512 第一感光層
513 中間層
514 第二感光層
515 保護フィルム
516 薄膜硬化層
517 厚膜硬化層
518 剥離片
521 プリント配線板形成用基板
522 スルーホール
523 金属めっき層
524 配線パターン
531 加圧ローラ
550 感光性転写シート
551 支持体
552 第一感光層
553 中間層
554 第二感光層
555 第三感光層
556 保護フィルム
557 基板

Claims (20)

  1. 支持体上に、バインダー、重合性化合物及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる感光層と、
    光架橋性樹脂及び光架橋性化合物の少なくともいずれかを含む層を有することを特徴とする感光性転写シート。
  2. 感光層が、バインダー、重合性化合物及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる第一感光層と、
    バインダー、重合成化合物及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、かつ前記第一感光層の光感度よりも相対的に高い光感度を示す第二感光層とからなり、
    前記第一感光層と前記第二感光層とがこの順に積層されてなり、
    前記第一感光層と前記第二感光層との間に、光架橋性樹脂及び光架橋性化合物の少なくともいずれかを含む中間層を有する請求項1に記載の感光性転写シート。
  3. 中間層が、水及び炭素原子数1〜4のアルコールの少なくともいずれかに対して溶解性がある樹脂を主成分として含む請求項1から2のいずれかに記載の感光性転写シート。
  4. 光架橋性樹脂及び光架橋性化合物の少なくともいずれかが、水及び炭素原子数1〜4のアルコールの少なくともいずれかに対して溶解性がある請求項1から3のいずれかに記載の感光性転写シート。
  5. 中間層の厚みが、0.1〜5μmである請求項1から4のいずれかに記載の感光性転写シート。
  6. 光架橋性化合物が、スチルバゾリウム基含有化合物、ジアゾニウム塩化合物及びアジド化合物から選ばれる化合物を少なくとも一つ含有する請求項1から5のいずれかに記載の感光性転写シート。
  7. 光架橋性樹脂が、スチルバゾリウム基含有ポリマー、ジアゾニウム基含有ポリマー及びアジド基含有ポリマーから選ばれるポリマーを少なくとも一つ含有する請求項1から6のいずれかに記載の感光性転写シート。
  8. 光架橋性樹脂が、一般式(Ia)及び一般式(Ib)のいずれかで示される構成単位を有するポリマーのいずれかを含有する請求項1から7のいずれかに記載の感光性転写シート。
    前記一般式(Ia)において、Aは、単結合、2価及び3価の少なくともいずれかの連結基、Bは、単結合及びアルキレンオキサイド鎖のいずれか、Arは、アリール基、Eは、四級化された含窒素複素環残基を表す。
    前記一般式(Ib)において、Aは、単結合、2価及び3価の少なくともいずれかの連結基、Bは、単結合及びアルキレンオキサイド鎖のいずれか、Eは、四級化された含窒素複素環残基、Arは、アリール基を表す。
  9. 光架橋性樹脂が、一般式(II)で示される構成単位を有するポリマーを含有する請求項1から8のいずれかに記載の感光性転写シート。
    前記一般式(II)において、Aは、Aは、単結合、2価及び3価の少なくともいずれかの連結基、Bは、単結合及びアルキレンオキサイド鎖のいずれか、Xは、1価の陰イオン、Rは、1価の置換基、nは、1〜4の整数を表す。nが2以上の場合に、Rは同一であってもよく、異なっていてもよい。
  10. 光架橋性樹脂が、一般式(III)で示される構成単位を有するポリマーを含有する請求項1から9のいずれかに記載の感光性転写シート。
    前記一般式(III)において、Aは、Aは、単結合、2価及び3価の少なくともいずれかの連結基、Bは、単結合及びアルキレンオキサイド鎖のいずれか、Rは、1価の置換基、nは、1〜4の整数を表す。nが2以上の場合に、Rは同一であってもよく、異なっていてもよい。
  11. 支持体が、透明の合成樹脂からなる請求項1から10のいずれかに記載の感光性転写シート。
  12. 第二感光層の上に保護フィルムが配置されている請求項1から11のいずれかに記載の感光性転写シート。
  13. プリント配線板の製造に用いられる請求項1から12のいずれかに記載の感光性転写シート。
  14. 基体上に、請求項1から13のいずれかに記載の感光性転写シートが形成されたことを特徴とする感光性積層体。
  15. 下記の工程を含む、基板上に、第一感光層と第二感光層とが共に硬化することにより形成された硬化樹脂が存在する領域と、
    硬化樹脂が存在しない領域とから構成されるパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法;
    (1) 基板上に、請求項1から13のいずれかに記載の感光性転写シートを、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る積層体形成工程;
    (2) 積層体の第一感光層の側から所定のパターンの光照射を行い、その光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させる硬化工程;
    (3) 積層体から支持体を除去する支持体除去工程;
    (4) 積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する未硬化部分除去工程。
  16. (3)の支持体除去工程を、工程(2)と工程(4)との間で行う代わりに、工程(1)と工程(2)との間で行う請求項15に記載のパターン形成方法。
  17. 工程(2)における硬化工程が、積層体の第一感光層の側から、互いに相違する少なくとも二レベルの照射エネルギー量の光を照射する領域を規定するパターンにて光照射し、光照射エネルギー量が相対的に大きい光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させ、光照射エネルギー量が相対的に小さい光照射を受けた領域の第二感光層を硬化させる硬化工程である請求項15から16のいずれかに記載のパターン形成方法。
  18. 工程(2)における光照射をレーザ光の照射により行う請求項15から17のいずれかに記載のパターン形成方法。
  19. 基板が、プリント配線板形成用基板である請求項15から18のいずれかに記載のパターン形成方法。
  20. 基板が、ホール部を有するプリント配線板形成用基板である請求項15から19のいずれかに記載のパターン形成方法。
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