JP2007078776A - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 リワーク性等に優れた遮光部材を備えることにより、光誤動作が少ない電気光学装置、そのような電気光学装置の効率的な製造方法、及び表示不良の発生が少ない電子機器を提供する。
【解決手段】 電子部品を搭載した透明な電気光学装置用基板を含む電気光学装置、そのような電気光学装置の製造方法、及び電子機器において、電子部品を搭載した面とは反対側の電気光学装置用基板面に、当該電子部品の光による誤動作を防止するための遮光部材であって、例えば、ガラス転移点あるいは融点が50℃以上である熱可塑性樹脂を主成分とした遮光部材を設ける。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器に関する。特に、リワーク性に優れた遮光部材を備えた電気光学装置、そのような電気光学装置の製造方法、及び電子機器に関する。
従来、電気光学装置の一態様として、それぞれ電極が形成された一対の基板を対向配置するとともに、それぞれの電極の交差領域である複数の画素に印加する電圧を選択的にオン、オフさせることによって、当該画素の液晶材料を通過する光を変調させ、画像や文字等の像を表示させる液晶装置がある。
かかる液晶装置において、いわゆる透過型表示を可能にするためには、液晶パネルの表示面とは反対面側に導光板が配置されるとともに、その一端にLEDや蛍光管等の光源が配置されて構成されている。そして、光源から光を照射するとともに、当該光を、導光板を介して液晶パネルに入射させ、表示面側に通過させることにより画像を表示させている。
ここで、光源から照射される光が、導光板を介して液晶パネルの表示領域に入射されるまでに、その一部が液晶パネルの表示領域外の電子部品であるドライバーICに漏洩すると、誤動作を起こし、表示される画像における輝度も低下して表示品位が低下するという問題がある。そのため、光源から照射される光の光漏れを少なくして、視認性の向上を図った液晶装置が提案されている。(特許文献1参照)。
より具体的には、図10(a)に示すように、ドライバーICを配置する領域のガラス基板531に、遮光膜として、不透明な金属膜を形成し、光源500と、ドライバーICとを搭載した液晶装置が提案されている。
さらに、別の形態として、図10(b)に示すように、ガラス基板531の背面に、直接遮光テープを貼り付けた構造の液晶装置も提案されている。
特開平6−27452号 (特許請求の範囲、図1、図4)
しかしながら、特許文献1に記載された液晶装置では、金属膜からなる遮光材では、アルコールなどの有機溶剤に溶けず、リワーク性に劣るという問題があった。したがって、金属膜の厚さや形成位置が誤っていた場合に、それを取り除いた上で、好適な金属膜からなる遮光材を設けることは極めて困難であった。さらに、金属膜をガラス基板上に形成すること自体、容易ではなく、蒸着方法やスパッタリング方法を用いなければならないという問題が見られた。
また、金属膜のかわりに遮光テープを用いた場合には、かかる遮光テープを位置合わせした上で、それを精度良く貼り付けなければならないという問題が見られた。したがって、工程数が増えるばかりか、小型化している液晶装置において、精度良く貼ることは容易ではなく、製造上不利な点が多く見られた。
また、このような遮光テープを用いた場合には、良好な取り扱い性や機械的強度を得るために、所定の厚さを有する基材や粘着剤を備えなければならず、液晶装置を全体として、薄型化することが困難であるという問題も見られた。
さらに、遮光テープの粘着剤は、室温で所定の表面粘着性(タック)を発現させる必要から、ガラス転移点あるいは融点が、通常、0℃以下に設定されており、耐熱性に乏しいという問題も見られた。
そこで、本発明の発明者らは鋭意努力し、電子部品を搭載した面とは反対側の電気光学装置用基板面に、所定の耐熱性を有する熱可塑性樹脂を主成分とした遮光部材を配置することで、従来の問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、このようにリワーク性に優れた遮光部材を配置することによって、電子部品の光による誤動作を少なくした、作業性に優れた電気光学装置を提供することを目的とする。また、本発明の別の目的は、そのような電気光学装置の効率的な製造方法、及び光誤動作が少ない電子機器を提供することである。
本発明によれば、電子部品を搭載した透明な電気光学装置用基板を含む電気光学装置において、電子部品を搭載した面とは反対側の電気光学装置用基板面に、当該電子部品の光による誤動作を防止するための遮光部材であって、ガラス転移点あるいは融点が50℃以上である熱可塑性樹脂を主成分とした遮光部材を設けた電気光学装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
すなわち、電子部品を搭載していない透明な電気光学装置用基板面に、所定の遮光部材を設けることにより、光源から電子部品を搭載した部分に光が入射した場合であっても、電子部品の誤動作を防止することができる。また、遮光部材を、主成分として、熱可塑性樹脂から構成することにより、アルコールなどの有機溶剤に容易に溶解させることができ、優れたリワーク性を確保することが可能となる。
なお、一般に、熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂と比較して、塩素、ナトリウム、カリウム等の不純物イオン量を少なく調整できるため、遮光部材に起因したコロージョンの発生を抑制することもできる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、遮光部材を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移点あるいは融点を50℃以上の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、遮光部材における所定の耐熱性を確保することができる。また、このように構成することにより、遮光部材における表面タック性を低下させることができるため、遮光部材の表面に対して、文字、図形あるいは記号等を精度良く形成することができ、さらには訂正や再形成等についても容易になる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、遮光部材を構成する遮光物質が、無機フィラー及び有機フィラー、あるいはいずれか一方であることが好ましい。
このように構成することにより、熱可塑性樹脂中への分散が容易となるばかりか、均一に分散した無機フィラーや有機フィラーが、ガラス基板を透過した光であっても、ドライバーICのような電子部品の搭載箇所に至る光を効果的に遮蔽することができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、遮光部材の厚さを10μmと規定した時に、遮光部材の可視光域(例えば、550nm)の遮光率を90%以上の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、ガラス基板を透過した光が、ドライバーICのような電子部品の搭載箇所に至る光量を定量的に防止することができるとともに、電子部品の誤動作を有効に防止することができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、遮光部材が、電気光学装置用基板面の電子部品実装領域に対して、全面的または部分的に形成してあることが好ましい。
このように構成することにより、遮光部材を全面的に形成する場合は、製造が容易であるばかりか、光の入射位置が変化した場合であっても、遮光率を高めることができる。一方、遮光部材を部分的に形成する場合は、小さい面積で遮光部材を形成することができ経済的であり、さらには、遮光部材の非形成箇所を利用して、他の部品や基板等を実装することもできる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、遮光部材の厚さを0.1〜300μmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、遮光部材の遮光率と、装置全体の省スペース化に対してバランスよく調整することができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、遮光部材を構成する熱可塑性樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、スチレン系ゴム材料の少なくとも一つであることが好ましい。
このように構成することにより、遮光部材のリワーク性や耐熱性を向上させることができるとともに、印刷可能性を高めることができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、遮光部材の表面に、文字、図形あるいは記号の少なくとも一つからなる装飾層、あるいは遮光部材を保護するための保護層がさらに形成してあることが好ましい。
このように構成することにより、装飾層や保護層を設けることにより、遮光部材を高機能化したり、耐久性や機械的特性をさらに向上させたりすることができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、遮光部材が、白色であることが好ましい。
このように構成することにより、識別番号等を形成する際の下地とした場合に、白色の遮光部材により、識別番号等の認識性をさらに高めることができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、遮光部材が、電気絶縁性あるいは導電性であることが好ましい。
遮光部材が電気絶縁性である場合には、電気光学装置用基板において、遮光部材を形成する領域に電子部品等の配線が露出している場合であっても、遮光部材を介してショートが発生することを有効に防止することができる。
一方、遮光部材が導電性である場合には、遮光部材を介してアースをとったり、あるいは熱伝導率が優れているため、光源や配線パターンにおいて発生した熱を、効率よく放熱したりすることができる。
また、本発明の別の態様は、電子部品を搭載した透明な電気光学装置用基板を含む電気光学装置の製造方法において、電気光学装置用基板に電子部品を搭載する工程と、電子部品を搭載した面とは反対側の電気光学装置用基板面に、電子部品の光による誤動作を防止するための遮光部材であって、主成分として、熱可塑性樹脂を含む遮光部材を形成する遮光部材形成工程と、を含む電気光学装置の製造方法である。
すなわち、電気光学装置用基板の所定面に、所定の遮光部材を設けることにより、光源から電子部品を搭載した部分に光が入射した場合であっても、電子部品の誤動作を有効に防止する電気光学装置を効率的に製造することができる。
また、遮光部材を、主成分として、熱可塑性樹脂から構成することにより、アルコールなどの有機溶剤に容易に溶解させることができ、優れたリワーク性を確保することができる。
また、本発明の電気光学装置の製造方法を実施するにあたり、遮光部材をインクジェット法により形成することが好ましい。
すなわち、電子部品を搭載していない電気光学装置用基板面に、インクジェット法によって、精度良く、かつ迅速に所定の遮光部材を形成することができる。
また、本発明の電気光学装置の製造方法を実施するにあたり、遮光部材形成工程の後に、遮光部材の表面に、文字、図形あるいは記号の少なくとも一つを印刷する印刷工程を含むことが好ましい。
このように実施することにより、遮光部材形成工程の後に、続いて識別番号等を印刷する工程が実施できるため、装置全体の製造時間を有効に減少させることができ、結果として、製造効率を高めることができる。
また、本発明の別の態様は、上述したいずれかの電気光学装置を備えた電子機器である。
すなわち、電子部品の誤動作を防止するための遮光部材を設けた電気光学装置を備えているために、動作不良の発生の少ない電子機器を提供することができる。
以下、適宜図面を参照して、本発明の電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器に関する実施形態について具体的に説明する。ただし、かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
[第1実施形態]
第1実施形態は、電子部品を搭載した電気光学装置用基板を含む電気光学装置において、
電子部品を搭載した面とは反対側の電気光学装置用基板面に、電子部品の誤動作を防止するための遮光部材であって、熱可塑性樹脂を主成分とした遮光部材を設けることを特徴とする電気光学装置である。
以下、本実施形態の電気光学装置として、TFT素子(Thin Film Transistor)を備えたアクティブマトリクス型の液晶装置を例に採って説明する。
なお、以下の説明中、液晶パネルとは、シール材で貼り合わせられた一対の基板の間に液晶材料が注入された状態を指し、当該液晶パネルに、フレキシブル回路基板や電子部品、光源等が取り付けられた状態を液晶装置というものとする。さらに、それぞれの図中、同一の符号が付されているものについては、同一の部材を示し、適宜説明を省略する一方、それぞれの図において、一部の部材を適宜省略してある。
1.基本的構成
まず、本実施形態に係る液晶装置の基本構成について説明する。図1(a)に液晶装置10の断面図を示し、図1(b)に、図1(a)の液晶装置における素子基板60の平面図を示す。また、図2に、液晶装置における斜視図を示す。なお、それぞれの図中において、一部の部材を適宜省略してある。
ここで、液晶装置10は、後述する遮光部材を備えた対向基板30と、素子基板60とが、それらの周辺部においてシール材(図示せず)によって貼り合わせられ、さらに、対向基板30、素子基板60及びシール材によって囲まれる間隙内に液晶材料21を封入して形成されている。なお、かかる液晶材料21を、構造的に封口レスのタイプに使用することもできる。
(2)対向基板
また、対向基板30は、ガラスやプラスチック等によって形成され、当該対向基板30上には、カラーフィルタすなわち着色層37r、37g、37bと、その着色層37r、37g、37bの上に形成された対向電極33と、その対向電極33の上に形成された配向膜45とを備えている。また、反射領域Rにおける、着色層37r、37g、37bと対向電極33との間には、リタデーションを最適化するための絶縁層41を備えている。
そして、対向電極33は、インジウムスズ酸化物(ITO)等の透明導電材料によって対向基板30の表面全域に形成された面状電極である。また、着色層37r、37g、37bは、素子基板60側の画素電極63に対向する位置にR(赤)、G(緑)、B(青)又はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)等といった各色のいずれかの色フィルタエレメントを備えている。また、着色層37r、37g、37bの隣であって、画素電極63に対向しない位置には、ブラックマスク又はブラックマトリクス、すなわち遮光膜39が設けられている。
(3)素子基板
また、対向基板30に対向する素子基板60は、ガラス、プラスチック等によって形成され、当該素子基板60上には、スイッチング素子として機能するアクティブ素子としてのTFT素子69と、透明な有機絶縁膜81を挟んでTFT素子69の上層に形成された画素電極63とを備えている。
この画素電極63は、反射領域Rにおいては反射表示を行うための光反射膜79(63a)を兼ねて形成されるとともに、透過領域Tにおいては、ITO等からなる透明電極63bとして形成される。また、画素電極63としての光反射膜79は、例えばAl(アルミニウム)、Ag(銀)等といった光反射性材料によって形成されている。そして、画素電極63の上には、ポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜85が形成されるとともに、この配向膜85に対して、配向処理としてのラビング処理が施されている。
(4)位相差板及び偏光板
また、対向基板30の外側表面、すなわち、図1(a)の上側には、位相差板47が貼付され、さらにその上に偏光板49が貼付されている。同様に、素子基板60の外側表面、すなわち、図1(a)の下側には、位相差板87が貼付され、さらにその下に偏光板89が貼付されている。また、素子基板60の下方には、光源としてのバックライトユニット303が配置される。
(5)スイッチング素子
また、スイッチング素子としてのTFT素子69は、素子基板60上に形成されたゲート電極71と、このゲート電極71の上で素子基板60の全域に形成されたゲート絶縁膜72と、このゲート絶縁膜72を挟んでゲート電極71の上方位置に形成された半導体層70と、その半導体層70の一方の側にコンタクト電極77を介して形成されたソース電極73と、さらに半導体層70の他方の側にコンタクト電極77を介して形成されたドレイン電極66とを備えている。
また、ゲート電極71はゲートバス配線(図示せず)から延びており、ソース電極73はソースバス配線(図示せず)から延びている。また、ゲートバス配線は素子基板60の横方向に延びていて、縦方向へ等間隔で平行に複数本形成されているとともに、ソースバス配線はゲート絶縁膜72を挟んでゲートバス配線と交差するように縦方向へ延びていて、横方向へ等間隔で平行に複数本形成されている。
したがって、かかるゲートバス配線は、液晶駆動用IC(図示せず)に電気的に接続されて、例えば走査線として作用し、他方、ソースバス配線は他の駆動用IC(図示せず)に電気的に接続されて、例えば信号線として作用する。
また、画素電極63は、互いに交差するゲートバス配線とソースバス配線とによって区画される方形領域のうち、TFT素子69に対応する部分を除いた領域に形成されている。
また、ゲートバス配線及びゲート電極71の構成に関して、例えばクロム、タンタル等によって形成することができる。また、ゲート絶縁膜72は、例えば窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)等によって形成される。また、半導体層70は、例えばドープトa−Si、多結晶シリコン、CdSe等によって形成することができる。さらに、コンタクト電極77は、例えばアモルファスシリコン(a−Si)等によって形成することができるとともに、ソース電極73及びそれと一体をなすソースバス配線並びにドレイン電極66は、例えばチタン、モリブデン、アルミニウム等によって形成することができる。
(6)有機絶縁膜
また、有機絶縁膜81が、ゲートバス配線、ソースバス配線及びTFT素子を覆って素子基板60上の全域に形成されている。
但し、有機絶縁膜81のドレイン電極66に対応する部分には、コンタクトホール83が形成されており、このコンタクトホール83や中継層(図示せず)を介して、画素電極63と、TFT素子69のドレイン電極66とが電気的に接続されている。
また、かかる有機絶縁膜81には、反射領域Rに対応する領域に、光散乱形状として、山部と谷部との規則的又は不規則的な繰り返しパターンから成る凹凸パターンを有する樹脂膜が形成されている。この結果、有機絶縁膜81の上に積層される光反射膜79(63a)も同様にして凹凸パターンから成る光反射パターンを有することになる。但し、この凹凸パターンは、光量が低下することから、透過領域Tには形成されていない。
すなわち、液晶装置の素子基板上には、樹脂膜として、かかる有機絶縁膜や配向膜等が設けられている。一方、対向するカラーフィルタ基板上には、樹脂膜として、着色層や遮光膜、有機絶縁膜、配向膜等が設けられている。
(7)動作
以上のような対向基板30と、素子基板60とを利用した液晶装置10において、反射表示の際には、太陽光や室内照明光などの外光が、対向基板30側から液晶装置10に入射するとともに、着色層37r、37g、37bや液晶材料21などを通過して光反射膜79に至ることになる。そして、外光は反射され、再度液晶材料21や着色層37r、37g、37bなどを通過して、液晶装置10から外部へ出ることにより、反射表示が行われる。
一方、透過表示の際にはバックライトユニット303が点灯されるとともに、バックライトユニット303から出射された光が、透光性の透明電極63b部分を通過する。したがって、着色層37r、37g、37b、液晶材料21などを通過して、液晶装置10の外部に導出されることにより、透過表示が行われることになる。
2.フレキシブル回路基板
かかる液晶装置10において、図1(a)に示すように、素子基板60は、対向基板30の外形よりも外側に張り出してなる基板張出部60Tを有している。また、この基板張出部60Tにおける、液晶材料21を保持する面側には、外部接続用端子(図示せず)が形成されているとともに、当該外部接続用端子67に対して、フレキシブル回路基板93が接続されている。
かかるフレキシブル回路基板としては、例えば、LED等の光源が実装された光源駆動用のフレキシブル回路基板や、駆動用半導体素子が実装されたパネル駆動用フレキシブル回路基板等が挙げられる。これらのフレキシブル回路基板上には、光源や半導体素子に信号を入出力するための配線パターンが形成されている。また、かかる配線パターンを被覆して、外部との絶縁性を確保するための絶縁膜を形成することもできる。
3.遮光部材
本発明の電気光学装置としての液晶装置は、図3(a)〜(b)及び図4(a)〜(c)に示すように、電子部品を搭載した面とは反対側の電気光学装置用基板面に、遮光部材を備えることを特徴とする。
すなわち、電子部品を搭載していない透明な電気光学装置用基板面に、以下に述べる遮光部材を設けることにより、光源から電子部品を搭載した部分に光が入射した場合であっても、電子部品の誤動作を防止することができる。また、遮光部材を、主成分として、熱可塑性樹脂から構成することにより、アルコールなどの有機溶剤に容易に溶解させることができ、優れたリワーク性を確保することが可能となる。
さらに、かかる遮光部材を、所定のガラス転移点あるいは融点を有する熱可塑性樹脂から構成することにより、耐熱性についても確保することが可能となる。したがって、優れたリワーク性と、耐熱性をそれぞれ確保することができる。
(1)基本構成
遮光部材の基本構成に関し、例えば、図3(a)〜(b)に示す遮光部材11とすることができる。
より具体的には、図3(a)は、熱可塑性樹脂中11bに、遮光物質11aを添加して構成される単層構造の遮光部材11を示しており、最も容易かつ迅速に形成できる一方、優れたリワーク性を示すことができる。

また、図3(b)は、熱可塑性樹脂中11aの表面上に遮光物質11bを塗布した複数層構造の遮光部材11を示しており、遮光部材における遮光性や厚さ、さらには密着性等を制御するのに好適な態様である。
(2)遮光率
また、遮光部材の厚さを10μmと規定した時に、遮光部材の可視光域、例えば、波長550nmにおける遮光率を90%以上の値とすることが好ましい。すなわち、入射光の光量を100%としたときに、90%以上の光を遮断し、透過できる光量を10%以下の値とすることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、ガラス基板を透過した光が、ドライバーICのような電子部品の搭載箇所に至る光量を定量的に防止することができるとともに、電子部品の誤動作を有効に防止することができるためである。
逆に言えば、遮光部材の可視光域、例えば、波長550nmにおける遮光率が90%未満の値となると、ガラス基板を透過した光が、ドライバーICのような電子部品の搭載箇所に至って、誤動作を生じさせ、良好な画像表示が得られない場合があるためである。
但し、過度に遮光率を高めようとすると、使用できる遮光部材の材料が限定される。
したがって、ドライバーICのような電子部品の誤動作がさらに少なくなることから、波長550nmにおける遮光率を95%以上の値とすることがより好ましい。
なお、かかる遮光部材の遮光率は、光透過率計や色差計を用いて測定することができる。
(3)形成位置及び形成状態
また、遮光部材が、図3(a)〜(b)及び図4(a)〜(c)に示すように、電気光学装置用基板面の電子部品実装領域に対して、全面的または部分的に形成してあることが好ましい。
例えば、図3(a)〜(b)および図4(a)〜(c)に示すように、遮光部材を全面的に形成した場合には、製造が容易であるばかりか、光の入射位置が変化した場合であっても、遮光率を高めることができる。
(4)厚さ
また、遮光部材の厚さを0.1〜300μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、遮光部材の遮光率と、装置全体の省スペース化に対してバランスよく調整することができるためである。
すなわち、遮光部材の厚さが0.1μm未満の値になると、遮光部材の遮光率の調整が困難になったり、機械的強度が低下したりして、電子部品の誤動作が生じやすくなる場合があるためである。一方、遮光部材の厚さが300μmを超えると、取り扱い性や形成性が著しく低下する場合があったり、薄型化が困難になったりするためである。
したがって、このような特性のバランスがさらに良好になることから、遮光部材の厚さを1〜100μmの範囲内の値とすることがより好ましく、遮光部材の厚さを5〜50μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(5)構成樹脂
また、遮光部材を構成する熱可塑性樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂(アクリル樹脂を除く)、スチレン系ゴム材料の少なくとも一つであることが好ましい。
このように構成することにより、遮光部材のリワーク性や耐熱性を向上させることができるとともに、印刷可能性やガラス基板等に対する密着性を高めることができる。
例えば、アクリル樹脂を用いることにより、水溶性と、油溶性とのバランスをとって、インクジェット方式に好適に適用できるばかりか、幅広い有機溶剤を用いて優れたリワーク性を示すことができ、さらには、ガラス基板等に対する良好な密着性を得ることができる。
また、ポリエステル樹脂を用いることにより、優れた耐熱性が優れるとともに、所定の有機溶剤を用いて良好なリワーク性を示すことができ、さらには、ガラス基板等に対する良好な密着性を得ることができる。
また、ウレタン樹脂を用いることにより、優れた耐熱性や耐久性に優れるとともに、幅広い有機溶剤を用いて優れたリワーク性を示すことができ、さらには、ガラス基板等に対する良好な密着性を得ることができる。
また、オレフィン樹脂(アクリル樹脂を除く)を用いることにより、所定の有機溶剤を用いて良好なリワーク性を示すことができる。
さらに、スチレン系ゴム材料として、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体/粘着付与剤の組み合わせを用いることにより、幅広い有機溶剤を用いて優れたリワーク性を示すことができ、さらには、ガラス基板等に対する良好な密着性を得ることができる。
一方、遮光部材を構成する主成分としての熱可塑性樹脂100重量部に対して、熱硬化性樹脂(熱硬化性成分を含む)を1〜80重量部の割合で添加することが好ましい。
この理由は、かかる熱硬化性樹脂の添加量が1重量部未満となると、添加効果が発現せず、耐熱性や密着性が向上しない場合があるためである。
一方、かかる熱硬化性樹脂の添加量が80重量部を越えると、リワーク性が著しく低下したり、熱可塑性樹脂との相溶性が低下したりする場合があるためである。
したがって、遮光部材を構成する主成分としての熱可塑性樹脂100重量部に対して、熱硬化性樹脂を2〜70重量部の割合で添加することがより好ましく、5〜60重量部の割合で添加することがさらに好ましい。
なお、添加する熱硬化性樹脂の種類は、熱可塑性樹脂の種類を考慮して添加することが好ましい。例えば、主成分の熱可塑性樹脂として、アクリル樹脂を用いた場合には、熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂やフェノール樹脂、あるいは熱硬化性成分としての酸発生剤を用いることが好ましい。
また、例えば、主成分の熱可塑性樹脂として、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂を用いた場合には、熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂やフェノール樹脂を用いることが好ましい。
また、主成分の熱可塑性樹脂として、オレフィン樹脂(アクリル樹脂を除く)やスチレン系ゴム材料を用いた場合には、熱硬化性成分として、酸発生剤やラジカル発生剤を用いることが好ましい。
また、遮光部材を構成する熱可塑性樹脂中に、無機フィラーや有機フィラーを添加することが好ましい。
この理由は、このような無機フィラーや有機フィラーを添加することにより、遮光部材の遮光率を所定範囲に調整することが容易になるばかりか、遮光部材の耐熱性や機械的特性等についての調整の容易になるためである。
ここで、無機フィラーとしては、酸化チタン、タルク、アルミナ、ジルコニア、ガラス粒子、ガラス繊維、石英粒子、金属粒子、無機顔料等が挙げられる。また、有機フィラーとしては、アクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、フェノール樹脂粒子、尿素樹脂粒子、カーボン粒子、アラミド繊維、有機染料等が挙げられる。
さらに、このような無機フィラーや有機フィラーの添加量を、分散性や遮光性の制御の容易さ等から判断して、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.1〜80重量部の範囲内の値とすることが好ましく、1〜50重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、無機フィラーや有機フィラーの平均粒径を0.1〜100μmの範囲内の値とすることが好ましいが、その形態としては、必ずしも球形でなくともよく、例えば、針状や鱗片状であっても良い。
また、遮光部材を構成する熱可塑性樹脂中に、シランカップリング剤を添加することが好ましい。
この理由は、このようなシランカップリング剤を添加することにより、遮光部材のリワーク性の調整が可能になるばかりか、遮光部材の密着性や耐熱性等についての調整や、さらには熱硬化性樹脂との間の相溶性の改良剤になるためである。
ここで、シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリブトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリブトキシシラン等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、上述した無機フィラーや有機フィラーを、このようなシランカップリング剤で処理することにより、これら粒子の分散性を向上させ、さらに、少量添加で、遮蔽効果を高めることができる。
なお、このようなシランカップリング剤の添加量を、分散性や遮光性の制御の容易さ等から判断して、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲内の値とすることが好ましく、0.5〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜10重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(6)ガラス転移点および融点
また、遮光部材を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移点あるいは融点を50℃以上の値とすることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、遮光部材における所定の耐熱性を確保することができるためである。また、このようなガラス転移点あるいは融点を有する熱可塑性樹脂を使用することにより、遮光部材における表面タック性を低下させることができるため、遮光部材の表面に対して、文字、図形あるいは記号等を精度良く形成することができ、さらには訂正や再形成等についても容易になるためである。
但し、過度にガラス転移点あるいは融点の値が高くなると、使用可能な熱可塑性樹脂の種類が制限されたり、ガラス基板等に対する密着性が著しく低下したりする場合がある。
したがって、遮光部材を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移点あるいは融点を80〜200℃の範囲内の値とすることがより好ましく、100〜180℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、熱可塑性樹脂のガラス転移点は、例えば、示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定される比熱の変化点として求めることができる。また、熱可塑性樹脂の融点については、示差走査型熱量計を用いて測定される熱ピークの位置から求めることができる。
(7)装飾層及び保護層
また、図5(a)に示すように、遮光部材の表面に、文字、図形あるいは記号の少なくとも一つが、さらに形成してあることが好ましい。すなわち、シリアル番号や製品特定番号、あるいは装飾部材を意味する文字、図形あるいは記号の少なくとも一つが形成してあり、いわゆる装飾層12を設けることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、遮光部材を高機能化させるべく、識別番号等を印刷する下地とすることができ、結果として、省スペース化に寄与することができるためである。
また、図5(b)に示すように、遮光部材を保護するための透明な保護層13を設けることも好ましい。
この理由は、このように構成することにより、遮光部材の耐久性や機械的特性を著しく向上させることができるためである。
例えば、遮光部材が親水性であって、リワーク性に優れるとともに、ガラス基板や装飾層との密着性は良好なものの、洗浄工程等において、溶解したり、剥離しやすくなったりする場合がある。そのような場合であっても、保護層を設けることにより、リワーク性等を保持したまま、遮光部材の耐久性や機械的特性を向上させることができる。
(8)着色性
また、遮光部材が、白色であることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、遮光部材を、識別番号等を印刷する際の下地とした場合に、識別番号等の認識性を高めることができるためである。
より具体的には、色度計を用いて、JIS L 0803に準拠して測定される白色度(L値)を50以上の値とすることが好ましい。この理由は、かかる白色度(L値)が50未満の値になると、識別番号等を印刷した際の認識性が著しく低下したり、リワークする際に、除去できたか否かの判別が困難になったりする場合があるためである。
したがって、より優れた識別性を得るためには、JIS L 0803に準拠して測定される白色度(L値)を70以上の値とすることがより好ましく、90以上の値とすることがさらに好ましい。
なお、JIS L 0803に準拠して測定される白色度(L値)の上限は100であるが、遮光部材に蛍光材料を含む場合には、見かけ上、L値として100を越える場合がある。
(9)電気絶縁性あるいは導電性
また、遮光部材が、電気絶縁性あるいは導電性であることが好ましい。
遮光部材が電気絶縁性である場合には、電気光学装置用基板において、遮光部材を形成する領域に電子部品等の配線が露出している場合であっても、遮光部材を介してショートが発生することを有効に防止することができる。
したがって、遮光部材が電気絶縁性である場合には、具体的に、体積抵抗を1×106〜1×1013Ω・cmの範囲内の値とすることが好ましく、1×107〜1×1012Ω・cmの範囲内の値とすることがより好ましく、1×108〜1×1011Ω・cmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
一方、遮光部材が導電性である場合には、遮光部材を介してアースをとったり、あるいは熱伝導率が優れているため、光源や配線パターンにおいて発生した熱を、効率よく放熱したりすることができる。
したがって、遮光部材が導電性である場合には、具体的に、体積抵抗を1×10-1〜1×10-8Ω・cmの範囲内の値とすることが好ましく、1×10-2〜1×10-7Ω・cmの範囲内の値とすることがより好ましく、1×10-3〜1×10-6Ω・cmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
[第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態にかかる電気光学装置の製造方法であって、図6にフローチャートを示すように、電気光学装置用基板に電子部品を搭載する工程S5と、電子部品を搭載した面とは反対側の電気光学装置用基板面に、電子部品の光による誤動作を防止するための遮光部材であって、主成分として、主成分としての熱可塑性樹脂中に、遮光物質を添加してなる遮光部材を形成する遮光部材形成工程S6と、を含む電気光学装置の製造方法である。
すなわち、電気光学装置用基板の所定面に、所定の遮光部材を設けることにより、光源から電子部品を搭載した部分に光が入射した場合であっても、電子部品の誤動作を有効に防止する電気光学装置を効率的に製造することができる。
また、遮光部材を、主成分として、熱可塑性樹脂から構成することにより、アルコールなどの有機溶剤に容易に溶解させることができ、優れたリワーク性を確保することができる。
さらに、遮光部材を、所定のガラス転移点あるいは融点を有する熱可塑性樹脂から構成することにより、所定の耐熱性を確保することができ、他の加熱プロセスを実施する上での阻害要因とならず、従来の製造工程にそのまま沿って、電気光学装置を効率的に製造することができる。
以下、本実施形態の電気光学装置の製造方法として、第1実施形態の液晶装置の製造方法を例に採って説明する。
1.電子部品を搭載する工程
(1)液晶パネルの製造
まず、対向配置された素子基板と対向基板としてのカラーフィルタ基板とを含む液晶パネルを製造する。
かかる液晶パネルを構成する素子基板は、素子基板の基体としてのガラス基板等の上に各種の部材を積層することにより、TFT素子や所定パターンの走査線、所定パターンのデータ線、外部接続端子等を適宜形成する。次いで、スパッタリング処理等によりITO等の透明導電膜を積層した後、フォトリソグラフィ及びエッチング法により、表示領域に画素電極をマトリクス状に形成する。さらに、画素電極が形成された基板表面に、ポリイミドからなる配向膜を形成する。このようにして、種々の樹脂膜や導電膜が形成された素子基板を製造する。
次いで、対向基板としてのカラーフィルタ基板を構成する基体としてのガラス基板等の上に各種の部材を積層することにより、着色層や遮光膜を適宜形成する。次いで、スパッタリング処理等によりITO等の透明導電膜を積層した後、フォトリソグラフィ及びエッチング法により、表示領域全面に渡る対向電極を形成する。さらに、対向電極が形成された基板表面に、ポリイミドからなる配向膜を形成する。このようにして、種々の樹脂膜や導電膜が形成されたカラーフィルタ基板を製造する。
次いで、カラーフィルタ基板と素子基板とをシール材を介して貼り合わせてセル構造を形成するとともに、セル構造の内部に液晶材料を注入する。その後、カラーフィルタ基板及び素子基板の外面にそれぞれ偏光板等を貼付することにより、液晶パネルを製造することができる。
(2)フレキシブル回路基板の製造
次いで、液晶パネルに接続するフレキシブル回路基板を準備する。かかるフレキシブル回路基板は、基体としてのポリイミド等からなる絶縁性のフレキシブル基板の表面に、アルミニウムやタンタル等の金属材料あるいはITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電材料からなる配線パターンを形成するとともに、光源としてのLEDや半導体素子等を実装することにより製造することができる。また、形成した配線パターンの絶縁性を確保するために、光源や半導体素子等との接続端子部分以外の領域に対して、絶縁性の保護フィルムを貼付したりすることもできる。
2.遮光部材形成工程
次いで、所定の遮光部材を、電子部品を搭載した面とは反対側の電気光学装置用基板面に形成する。
ここで、遮光部材を、例えば、インクジェット装置を用いて、インクジェット法により形成することが好ましい。
この理由は、電子部品を搭載していない電気光学装置用基板面に、インクジェット法によって、精度良く、かつ迅速に所定の遮光部材を形成することができるためである。
より具体的には、図7に示すようなインクジェット装置を用いて、熱可塑性樹脂を主成分とした遮光部材を、インクジェット法により形成することが好ましい。
(1)インクジェット装置
ここで、第2の実施形態におけるインクジェット装置は、図7(a)に示すように、インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)322を備えたヘッドユニットと、インクジェットヘッド322の位置を制御するためのヘッド位置制御装置と、遮光部材の位置を制御するための基板位置制御装置と、インクジェットヘッド322を遮光部材に対して主走査移動させるための主走査駆動装置と、インクジェットヘッド322を遮光部材に対して副走査移動させるための副走査駆動装置と、遮光部材を装置内の所定の作業位置へ供給するための基板供給装置と、液滴吐出装置の全般の制御を司るコントロール装置とをそれぞれ有することが好ましい。
以下、吐出装置の各構造や作用等を説明する。
上記のインクジェットヘッド322は、図7(a)および(b)に示すような内部構造を有することが好ましい。
具体的に、インクジェットヘッド322は、例えばステンレス製のノズルプレート329と、それに対向する振動板331と、それらを互いに接合する複数の仕切部材332とを有することが好ましい。そして、ノズルプレート329と振動板331との間には、仕切部材332によってインク室333と液溜り334とが形成されるとともに、インク室333と液溜り334との間は、通路338を介して互いに連通することになる。
また、振動板331の適所には、インク供給孔336が形成され、このインク供給孔336にインク供給装置が接続されることになる。このインク供給装置は、遮光部材構成物質を、液状物として、インク供給孔336へ供給する。そして、供給されたフィルタエレメント材料(M)は、液溜り334に充満され、さらに通路338を通ってインク室333に充満されることになる。
また、ノズルプレート329には、インク室333からフィルタエレメント材料(M)をジェット状に噴射するためのノズル327が設けられている。また、振動板331のインク室333を形成する面の裏面には、このインク室333に対応させてインク加圧体339が取り付けられている。
このインク加圧体339は、図7(b)に示すように、圧電素子341ならびにこれを挟持する一対の電極342aおよび342bを有することが好ましい。そして、圧電素子341は、電極342aおよび342bへの通電によって矢印Cで示す外側へ突出するように撓み変形し、これによりインク室333の容積が増大する機能を有している。したがって、増大した容積分に相当するフィルタエレメント材料(M)が液溜り334から通路338を通ってインク室333へ流入することが可能となる。
そして、圧電素子341への通電を解除すると、この圧電素子341と振動板331と共に元の形状へ戻ることになる。これにより、インク室333も元の容積に戻るため、インク室333の内部にあるフィルタエレメント材料(M)の圧力が上昇し、ノズル327からマザー基板に対して、フィルタエレメント材料(M)が液滴となって噴出することになる。
また、遮光部材形成工程の後に、遮光部材の表面に、文字、図形あるいは記号の少なくとも一つを印刷する印刷工程を含むことが好ましい。
このように実施することにより、遮光部材形成工程の後に、続いて識別番号等を印刷する工程が実施できるため、装置全体の製造時間を有効に減少させることができ、結果として、製造効率を高めることができる。
さらに、かかる遮光部材を保護するために、印刷した後に、透明な保護層を設ける工程を含むことが好ましい。
このように実施することにより、遮光部材の耐久性や機械的特性を向上させることができる。
また、保護層の形成方法については特に制限されるものでなく、保護層材料をスプレーしたり、印刷塗布したりして、保護層材料を被覆した後、それを適宜硬化させることにより、保護層を形成することができる。
4.組立て
次いで、図8(a)に示すように、液晶パネル20aにおける素子基板60の張出部60Tに形成された外部接続用端子(図示せず)に対して、フレキシブル回路基板93を電気的に接続する。
次いで、光源が実装された光源駆動用のフレキシブル回路基板であれば、図8(b)に示すように、液晶パネルの表示面とは反対面側の端部付近に光源が配置されるように、折り曲げて固定する。また、駆動用半導体素子が実装されたパネル駆動用フレキシブル回路基板であれば、後工程において筐体に組み込んだ際の配置を考慮して、折り曲げて固定する。
次いで、図示しないものの、フレキシブル回路基板が接続された液晶パネルを、照明装置を構成する導光板等とともに筐体に組み込むことにより、液晶装置を製造することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態は、第1実施形態の液晶装置を備えた電子機器である。
図9は、本実施形態の電子機器の全体構成を示す概略構成図である。この電子機器は、液晶装置に備えられた液晶パネル20と、これを制御するための制御手段200とを有している。また、図9中では、液晶パネル20aを、パネル構造体20Aと、半導体素子(IC)等で構成される駆動回路20Bと、に概念的に分けて描いてある。また、制御手段200は、表示情報出力源201と、表示処理回路202と、電源回路203と、タイミングジェネレータ204とを備えている。
また、表示情報出力源201は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ204によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示処理回路202に供給するように構成されている。
また、表示処理回路202は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路20Bへ供給する。さらに、駆動回路20Bは、第1の電極駆動回路、第2の電極駆動回路及び検査回路を含めることができる。また、電源回路203は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する機能を有している。
そして、本実施形態の電子機器であれば、リワーク性、さらには耐熱性に優れた遮光部材を備えているために、外部からの光や、光源からの光が漏れて入射した場合であっても、誤動作の発生を防止して、表示不良が少ない電子機器とすることができる。
本発明によれば、リワーク性に優れた遮光部材を備えることにより、光誤動作の発生を防止して、表示不良の発生が少ない電気光学装置が提供できるようになった。また、そのような電気光学装置の効率的な製造方法が提供できるようになった。さらに、表示不良の発生の少ない電気光学装置を備えた電子機器を効率的に提供できるようになった。
したがって、本発明の電気光学装置等は、TFT素子やTFD素子等のスイッチング素子を備えた液晶装置やそれを用いた電子機器、例えば、携帯電話機やパーソナルコンピュータ等をはじめとして、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電気泳動装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた電子機器、電子放出素子を備えた装置(FED:Field Emission DisplayやSCEED:Surface-Conduction Electron-Emitter Display)などに幅広く適用することができる。
(a)〜(b)は、第1実施形態の液晶装置を説明するための図である。 第1実施形態の液晶装置を示す概略斜視図である。 (a)〜(b)は、第1実施形態の液晶装置における遮光部材を説明するために供する図である(その1)。 (a)〜(c)は、第1実施形態の液晶装置における遮光部材を説明するために供する図である(その2)。 (a)〜(b)は、遮光部材の装飾層と保護層を説明するために供する図である。 電気光学装置の製造方法を説明するためのフロー図である。 (a)〜(b)は、第2実施形態におけるインクジェット装置を説明するための図である。 (a)〜(b)は、第2実施形態の電気光学装置の組み立てを説明するための図である。 第3実施形態の電子機器の全体構成を示す概略構成図である。 (a)〜(b)は、従来の遮光部材を備えた液晶装置を説明するための図である。
符号の説明
10:液晶装置(電気光学装置)、11:遮光部材、12:装飾層、13:保護層、17:ヘッド位置制御装置、18:基板位置制御装置、19:主走査駆動装置、20:電気光学装置用基板、21:液晶材料、23:副走査駆動装置、30:対向基板、31:ガラス基板、33:対向電極、37:着色層、41:絶縁層、45:配向膜、49:偏光板、60:素子基板、60T:張り出し部、61:ガラス基板、63:画素電極、69:スイッチング素子(TFT素子)、85:配向膜、89:偏光板、93:フレキシブル回路基板、300:LED、301:導光板、303:バックライトユニット

Claims (14)

  1. 電子部品を搭載した透明な電気光学装置用基板を含む電気光学装置において、
    前記電子部品を搭載した面とは反対側の電気光学装置用基板面に、当該電子部品の光による誤動作を防止するための遮光部材であって、主成分としての熱可塑性樹脂中に、遮光物質を添加してなる遮光部材を設けることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記遮光部材を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移点あるいは融点を50℃以上の値とすることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記遮光部材を構成する遮光物質が、無機フィラー及び有機フィラー、あるいはいずれか一方であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  4. 前記遮光部材の厚さを10μmと規定した時に、前記遮光部材の可視光域の遮光率を90%以上とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記遮光部材が、前記電気光学装置用基板面の電子部品実装領域に対して、全面的または部分的に形成してあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記遮光部材の厚さを0.1〜300μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記遮光部材を構成する熱可塑性樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、スチレン系ゴム材料の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記遮光部材の表面に、文字、図形あるいは記号の少なくとも一つからなる装飾層、あるいは前記遮光部材を保護するための保護層がさらに形成してあることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  9. 前記遮光部材が、白色であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 前記遮光部材が、電気絶縁性あるいは導電性であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  11. 電子部品を搭載した透明な電気光学装置用基板を含む電気光学装置において、
    前記電気光学装置用基板に前記電子部品を搭載する工程と、
    前記電子部品を搭載した面とは反対側の電気光学装置用基板面に、前記電子部品の光による誤動作を防止するための遮光部材であって、主成分としての熱可塑性樹脂中に、遮光物質を添加してなる遮光部材を形成する遮光部材形成工程と、
    を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  12. 前記遮光部材をインクジェット法により形成することを特徴とする請求項11に記載の電気光学装置の製造方法。
  13. 前記遮光部材形成工程の後に、前記遮光部材上に識別番号を印字する工程を含むことを特徴とする請求項11または12に記載の電気光学装置の製造方法。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載された電気光学装置を備えた電子機器。
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