JP2007078761A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマ前処理を用い、異常成長を防止することにより、高品質な電子写真感光体の製造方法を提供すること。
【解決手段】減圧可能な反応容器内で、高周波を用いたグロー放電によりプラズマを発生させ、基体をプラズマ処理するプラズマ処理装置を用い、該基体に前処理を行った後に、シリコンを母体とする光導電層を含む積層膜を形成する工程において、該前処理が、膜形成を起こさないプラズマ処理であり、且つ、該高周波を変調してプラズマ処理を行うことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、大面積の堆積膜を形成するための方法に関し、特に電子写真感光体の製造方法に関する。
従来、半導体デバイス、電子写真用感光体、画像入力用ラインセンサー、撮影デバイス、光起電力デバイス、その他各種エレクトロニクス素子、光学素子等を作製する際に用いられる堆積膜形成方法として、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等、多数知られており、そのための装置も実用に付されている。中でも高周波電力を用いたプラズマプロセスは、様々な材料を用いた堆積膜作成に用いることができ、酸化膜や窒化膜等の絶縁性の材料形成にも使用できる等、様々な利点より使用されている。プラズマプロセスの好適な使用例としては、例えば電子写真用水素化アモルファスシリコン(以下、a−Si:Hと表記する)堆積膜の形成等、現在実用化が非常に進んでおり、そのための装置も各種提案されている。
又、堆積膜の形成方法と並び、プラズマを利用した形成前の基体の前処理方法に関しても様々な改良がなされている。例えば、アルミから成る基体を用いる電子写真感光体において、基体を窒素雰囲気中でプラズマに曝して前処理することにより、表面を清浄化したり、表面に凹凸を形成する工夫がなされている(例えば特許文献1,2参照)。
又、絶縁基体上に透明電極、非晶質シリコンから成る光導電層を形成した電子写真感光体で、透明電極をヘリウムと酸素との混合ガスを用いて前処理することにより、透明電極の表面が平坦化され、トナー地肌かぶりや感光部の剥離を防ぐ工夫がなされている(例えば特許文献3参照)。
特開平5−232730号公報 特開平5−313392号公報 特開平6−102688号公報
上記従来の方法及び装置により、良好な堆積膜形成処理がなされる。しかしながら、このような処理を用いた感光体に対する市場の要求レベルは日々高まっており、この要求に応えるべく、より高品質化等が実現可能な電子写真感光体の製造方法が求められるようになっている。
例えば、電子写真装置の場合、高画質化の要求は非常に強く、これらを実現するためには感光体特性、具体的には帯電能、感度等の向上、膜中の構造欠陥に起因し画像上に白点或は黒点で現れる画像欠陥の抑制等が不可欠となっている。
又、近年その普及が目覚しいデジタル電子写真装置、カラー電子写真装置においては、文字原稿のみならず、写真、絵、デザイン画等の出力も頻繁になされるため、高解像度化、画像濃度むらの低減、画像欠陥の低減等が従来以上に強く求められるようになっている。特に画像欠陥に対する要求は年々高くなっており、例えば人物の肌等に相当するハーフトーン領域においては、微小な黒点、白抜け等も非常に目立つため、従来に増して画像欠陥を無くすことが求められるようになってきた。
上述した感光体の例においては、例えば堆積膜積層構成の最適化等の工夫、堆積膜形成方法の改善等も続けられており、膜特性の向上、画像欠陥の改善等の品質向上に関して、未だ改善の余地が残されているのが現状である。
例えば、一般的な堆積膜形成装置を用いたa−Si:H感光体の作成においては、反応容器や基体周囲の部材に付いた膜が剥がれたり、膜形成中に副産物として反応容器壁面に堆積するポリシランが吹き飛ばされたりしてダストとなり、それらが膜形成中に飛来して異常成長を起こし、画像欠陥となることが考えられる。その対策として、例えば膜形成に用いるガスの噴出し方向の最適化や、膜剥がれを起こしにくい部材の選定や表面粗さの制御、温度管理などを行う方法が好適に用いられる。具体的には、セラミックス部品の表面の粗面化、ホルダーやキャップと呼ばれる基体支持部材の温度管理等により、ダストが減り、画像欠陥を大幅に改善することが可能となった。
しかし、これらの対策を行っても、膜形成前に基体表面に付着したダストに起因する異常成長は防ぐことができない。これらに関しては、基体の洗浄方法、洗浄後の管理方法、反応炉への導入方法等を工夫することで大きく改善してきたが、近年の要求の高まりにより、これらの初期から基体上に存在するダストの更なる低減が求められるようになってきた。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、高いダスト抑制能力を持つプラズマ前処理を用い、異常成長を防止することにより、高品質な電子写真感光体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、減圧可能な反応容器内で、高周波を用いたグロー放電によりプラズマを発生させ、基体をプラズマ処理するプラズマ処理装置を用い、該基体に前処理を行った後に、シリコンを母体とする光導電層を含む積層膜を形成する工程において、該前処理が、膜形成を起こさないプラズマ処理であり、且つ、該高周波を変調してプラズマ処理を行うことを特徴とする。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討を行った結果、基体を特定の条件で生成したプラズマによって処理することで、基体上のダストに起因する異常成長を効果的に抑制することが可能であることを見出し、本発明に至った。
本発明者らは、先ず、感光層堆積後の感光体上に存在する異常成長をピックアップし、それらを切り出して断面を観察することにより、異常成長の起点が何かを特定することを試みた。膜堆積時の工夫により、膜片やポリシランの飛来に起因すると思われる膜成長途中から発生する異常成長は非常に少なく、多くは基体上に付着したダストに起因することが分かった。
しかし、異常成長の核は多岐に渡っており、そのダストがどこから、どの段階で付着しているのかを特定することは非常に難しいことが分かった。
そこで、本発明者らは、従来から様々に工夫されてきた反応容器への投入前段階における清浄化に加え、更に反応容器に入れてからクリーニングすることができれば、基体上のダスト低減に関してより効果的であると考え、様々な検討を行った。その1つとして、プラズマによる基体のクリーニングを試みたが、例えば特許文献1〜3にあるように、単純にプラズマを形成しただけでは、例えば金属片のような異常成長の核は取り除けないことが明らかとなった。ところが、プラズマを生起するための高周波に変調を加えたところ、異常成長が劇的に減少することが判明した。
この理由としては現時点では明らかとなっていないが、次のように考えている。
例えば特許文献1〜3にあるような通常のプラズマによる処理では、表面の酸化膜等を除去して清浄化を行う例は開示されているが、通常のプラズマ処理は、水素やフッ素等による酸化膜の還元反応や、酸素やフッ素によるアッシング反応、或は希ガス等によるイオン衝撃による表面元素のスパッタリング等が主な作用と考えられる。そのような反応では、原子に比べ極めて巨大なダストを動かせないと考えられる。
そこで、高周波に変調を加えることで、プラズマを振動させ、プラズマの濃度差が振幅を持った波となって基体表面に到達すると仮定すると、ダスト等の表面に付着した粒子が圧力を受けて動くことが想像される。或は、プラズマの電位が周期的に変わることで、ダスト等の粒子が電気的な振動を与えられ、静電的な反発等の作用によりダストが動かされた可能性も考えられる。
以上の考察から類推されるメカニズムは、溶媒を用いた超音波洗浄に類似した作用なのではないかと考えられる。即ち、変調されたプラズマの中に基体が置かれている状況は、プラズマを溶媒、変調波を超音波振動に当て嵌めたものに似ていると考えられる。
この考察はあくまで推測であり、ダストが上述のようなメカニズムで動いているかどうかは確認できていない。というのは、基体上にダストの付着が観察されたとしても、取り出しの段階で付着した可能性も否めず、結局は膜を堆積した後で異常成長を観察する以外にないからである。
しかし、何れにせよ放電状況を周期的に変化させることで、基体表面のダストに何らかの作用が働いて異常成長が大きく抑制されることが明らかとなった。
このようなプラズマ処理は、膜形成を起こさないプラズマを用いることが必須である。膜形成を起こすようなプラズマ状況を用いた場合には、予期せぬ膜が堆積することで、感光体特性に影響を及ぼす可能性がある。このことから、膜形成を起こさないプラズマを用いることが必須である。即ち、所望の特性が得られるような膜形成に最適な条件と、異常成長を効果的に抑制するために最適な条件とは大きく異なることが分かった。
特に、ガス種としては窒素(N )、酸素(O )、4フッ化炭素(CF )ガスの何れか又はそれらの混合ガスを含む雰囲気中では、異常成長の抑制効果がより効率良く得られることが分かった。例えば、基体にアルミニウム合金等を用い、表面反応による酸化皮膜等を避けたい場合には、例えば酸素の使用を止めるか使用量を減らす等すれば良く、或は有機物による汚染等を考慮して同時にそれらをアッシングしたい場合には、逆に酸素の割合を増やす等、求められる条件、基体の種類等に応じて、適宜ガス種の選択や混合比の決定を行えば良い。
又、本発明者らはプラズマ処理に用いる高周波とその変調方法について様々に変化させて検討したところ、変調した高周波が、10MHz以上の高周波を変調したものが好適であることが分かった。ベースとなるプラズマの特性として、励起周波数を数百kHzから数十MHzまで変化させて異常成長抑制効果を確認したが、10MHz以上の高周波、一例として13.56MHz、27.12MHz、4.68MHzを用いた場合、10MHzより低い周波数の高周波に比べて異常成長の抑制が顕著に効果的であった。
又、変調方法に関しても、正弦波や三角波による振幅変調、周波数変調等を試みた。何れの変調方法においても効果は見られたが、パルス変調を行ったときが最も異常成長の抑制に効果的であった。この理由に関しては詳細は不明だが、プラズマの発生と消失が最も急激に起こるため、プラズマ中の分子の流れを攪拌する力が最も強いのではないかと考えている。
又、パルス変調、振幅変調の周波数としては、0.5Hz以上50Hz以下の場合、より効果的であることが分かった。この理由としては明らかではないが、攪拌が余り遅くてもダストを浮き上がらせるようなエネルギーを与えられず、余り早過ぎるとやはり攪拌力が低くなるためではないかと考えている。
又、パルス変調のデューティー比は0.1以上0.5以下の場合、より効果的であることが分かった。この理由も予想の域を出ないが、比較的休止期間を長く取ることで、排気によるガスの流れによってダスト等の異常成長の核が反応容器外に排出されるのを促進でき、再付着を防止できるためではないかと考えている。
又、振幅変調の変調度に関しては、50%以上100%以下でより効果的であることが分かった。この理由は恐らくはプラズマの強弱の度合いが強い方がプラズマ中の分子の流れを攪拌する力が強いためではないかと予想される。
又、プラズマ処理時の圧力としては、1.0×10 Pa以上3.0×10 Pa以下の場合、より効果的であることが分かった。このように、膜堆積で好適な範囲よりも高くする方が好ましい結果が得られた。この理由も分かっていないが、次のように考えている。
即ち、放電時の圧力が比較的高くなると、放電は局在し易くなることが知られている。放電をビューポート等から観察すると、基体周辺に局所的に集中することが分かった。このように放電が集中することにより基体表面へのイオンの入射が増えること、圧力が高い場合には気体の粘性が高くなって基体上のダストへの力学的影響が強くなること等が総合的に働いて、異常成長の抑制が効果的に得られたのではないかと考えている。
又、プラズマ処理時には、反応容器壁面の温度が低いことが好ましく、室温程度に維持されているときに、異常成長の抑制がより効果的に得られることが分かった。この理由も確認できていないが、基体はプラズマからのイオン衝撃や輻射等によって温度上昇(いわゆるプラズマ加熱)が生じ、その際に反応容器側を冷却水等の冷媒で十分に冷やすことで、恐らく熱泳動力の影響により異常成長抑制効果が高まると考えられる。つまり、一旦ダストが基体から離れさえすれば、基体周辺と反応容器周辺の温度差と熱泳動力の作用により、ダストが温度の低い壁面側へと力を受け、基体に再付着しにくくなり、異常成長抑制効果がより大きくなったのではないかと考えている。
又、基体に負の直流バイアスを印加した場合、異常成長の抑制がより効果的に得られることが分かった。この理由も不明であるが、プラズマ中に存在するダストが電子の衝突によりマイナスに帯電し易いと考えられるため、やはり再付着が起こりにくくなるためと考えられる。
又、基体への負のバイアス印加もパルス状に行うことが好ましい。理由は不明であるが、常時バイアスを掛ける場合に比べ、パルス状に印加した方が異常成長の発生が少なかった。恐らくパルス状に印加した方が、ダストに掛かる静電的な反発力を最大限に利用できるのではないかと予想している。又、このパルスの周期は、高周波を変調する周期と連動していることが好ましく、更に好ましくは高周波が印加されている期間に印加されることが最も好ましい。これはプラズマから受ける力や直流バイアスによる静電的な力によって、一旦基体からダストが離れてしまえば、その後プラズマが消失した際には、ガスの流れに乗って反応容器外に搬出されると考えられる。この際には、バイアスもない方が最も効率的にダストが系外に運搬されると考えられる。
本発明によれば、減圧可能な反応容器内で、高周波を用いたグロー放電によりプラズマを発生させ、基体をプラズマ処理するプラズマ処理装置を用い、該基体に前処理を行った後に、シリコンを母体とする光導電層を含む積層膜を形成する工程において、該前処理が、膜形成を起こさないプラズマ処理であり、且つ、該高周波を変調してプラズマ処理を行うことにより、画像欠陥(黒ポチ、白ポチ)の原因となる異常成長を実質的に無くすことができる電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
先ず、電子写真感光体作製の前処理を行う方法及び装置を説明する。
図1は電源周波数としてRF帯を用いた高周波プラズマCVD法(RF−PCVDとも略記する)による電子写真感光体の製造装置の一例を示す模式的な構成図である。この装置を用いて前処理を行い、続いて膜堆積を行う。図1に示す装置の構成は以下の通りである。
この装置は大別すると、堆積装置(1100)、原料ガスの供給装置(1200)、反応容器(1111)内を減圧にするための排気装置(図示せず)から構成されている。堆積装置(1100)中の反応容器(1111)内には円筒状基体(1112)、基体加熱用ヒーター(1113)、原料ガス導入管(1114)が設置され、更に高周波マッチングボックス(1115)が接続されている。反応容器(1111)は中空構造を採り、冷媒導入機構(1125)を用いて内部に冷却用の冷媒を強制的に流すことで冷却しても良い。具体的には、例えば水を循環させることで冷却すれば良い。
原料ガス供給装置(1200)は、SiH 、H 、CH 、B 、CF 、N 、O 、Ar等から選ばれる必要な原料ガスのボンベ(1221〜1226)とバルブ(1231〜1236、1241〜1246、1251〜1256)及びマスフローコントローラ(1211〜1216)から構成され、各原料ガスのボンベは補助バルブ(1260)を介して反応容器(1111)内のガス導入管(1114)に接続されている。
この装置を用いたプラズマ処理は、例えば以下のように行うことができる。
先ず、反応容器(1111)内に円筒状基体(1112)を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)により反応容器(1111)内を排気する。
堆積膜形成用の原料ガスを反応容器(1111)に流入させるには、ガスボンベのバルブ(1231〜1236)、反応容器のリークバルブ(1117)が閉じられていることを確認し、又、ガス流入バルブ(1241〜1246)、流出バルブ(1251〜1256)、補助バルブ(1260)が開かれていることを確認して、先ずメインバルブ(1118)を開いて反応容器(1111)及び原料ガス配管内(1116)を排気する。
次に、真空計(1119)の読みが約0.1Pa以下になった時点で補助バルブ(1260)、ガス流出バルブ(1251〜1256)を閉じる。その後、ガスボンベ(1221〜1226)より所望のガスを原料ガスボンベバルブ(1231〜1236)を開いて導入し、圧力調整器(1261〜1266)により所望のガスラインの圧力を0.2MPaに調整する。次に、ガス流入バルブ(1241〜1246)を徐々に開けて、所望のガスをマスフローコントローラ(1211〜1216)内に導入する。
以上のようにして成膜の準備が完了した後、以下の手順でプラズマ処理を行う。
円筒状基体(1112)が所定の温度になったところで流出バルブ(1251〜1256)のうちの必要なもの及び補助バルブ(1260)を徐々に開き、ガスボンベ(1221〜1226)から所定のガスを原料ガス導入管(1114)を介して反応容器(1111)内に導入する。次に、マスフローコントローラ(1211〜1216)によって各原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、反応容器(1111)内の圧力が1000Pa以下、好ましくは100〜300Pa程度の所定の圧力になるように真空計(1119)を見ながらメインバルブ(1118)の開口を調整する。内圧が安定したところで、周波数13.56MHzのRF電源(1122)を所望の電力に設定して、高周波マッチングボックス(1115)を通じて反応容器(1111)内にRF電力を導入し、グロー放電を生起させる。
このとき、高周波は変調用発振器(1121)によって生成された変調用の波と合成器(1120)において合成され、変調が行われる。この高周波の変調について、図2を用いて説明する。
図2(a)は、変調される前の高周波、例えば13.56MHzのRF電力を模式的に示したものである。
図2(b)には、このRF電力を周期Tの低周波、例えば数十Hzの周波数で振幅変調したものを、図2(c)には同周波数で周波数変調したものを模式的に示した。このように、高周波と低周波とを合成して変調することで、本発明に必要な変調された高周波が形成される。
又、変調用の発振器をパルス発振器に代えることで、図2(d)に示すように高周波をパルス変調することも可能である。この場合、周期Tに加え、オン時間T1
を用いてデューティー比をT1 /T(=T1 /(T1 +T2 ))と定義する。この周期T、デューティー比T1
/Tを変えることで、更に異常成長の抑制効果を向上させることが可能である。
又、基体(1112)に対し直流バイアスを印加する場合には、補助基体(基体ホルダー)を介し、スイッチング機構(1123)を介して直流電源(1124)に接続することができる。このスイッチング機構(1123)は、変調用発振器(1121)と連動させて制御することもできる。図3に、一例としてパルス変調されたRF電力と、基体への直流バイアスの印加方法との関係を模式的に示す。直流バイアスは、図3(a)のようにRF電力に関係なく常時負の直流電圧を印加しても良く、図3(b)のようにパルス変調されたRF電力と同期させてスイッチング機構(1123)を制御して負の直流電流をパルス状に印加しても良い。特に、図3(b)のように、高周波を印加する時間(オン時間)にのみ負の電圧を印加することで最も効果的に異常成長を抑制することができる。
又、前述したように反応容器(1111)は、中空構造を採り冷媒によって冷却することがきる。特に、このプラズマ処理時にチャンバーを十分冷却することで、放電により高温になっている基体付近から、熱泳動力により反応容器方向へとダストを引き離す力が働くと考えられる。この力と、ガスの排気を利用してダストを反応容器外に効率良く排出することが可能となる。
続いて、同装置を用いた堆積膜の形成は、例えば以下のように行うことができる。
先ず、反応容器(1111)内に円筒状基体(1112)を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)により反応容器(1111)内を排気する。続いて、基体加熱用ヒーター(1113)により円筒状基体(1112)の温度を150℃〜350℃の所定の温度に制御する。
堆積膜形成用の原料ガスを反応容器(1111)に流入させるには、前述したプラズマ処理と同様の手順で行えば良い。
以上のようにして成膜の準備が完了した後、以下の手順で各層の形成を行う。
円筒状基体(1112)が所定の温度になったところで流出バルブ(1251〜1256)のうちの必要なもの及び補助バルブ(1260)を徐々に開き、ガスボンベ(1221〜1226)から所定のガスを原料ガス導入管(1114)を介して反応容器(1111)内に導入する。
次に、マスフローコントローラ(1211〜1216)によって各原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、反応容器(1111)内の圧力が1×102 Pa以下の所定の圧力になるように真空計(1119)を見ながらメインバルブ(1118)の開口を調整する。内圧が安定したところで、周波数13.56MHzのRF電源(1122)を所望の電力に設定して、高周波マッチングボックス(1115)を通じて反応容器(1111)内にRF電力を導入し、グロー放電を生起させる。
このとき、高周波の変調は行っても、行わなくても良い。又、基体に対して直流バイアスを印加しても良く、しなくても構わない。
高周波放電のエネルギーによって反応容器内に導入された原料ガスが分解され、円筒状基体(1112)上に所定のシリコンを主成分とする堆積膜が形成されるところとなる。所望の膜厚の形成が行われた後、RF電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。
同様の操作を複数回繰り返すことによって、所望の多層構造の感光層が形成される。それぞれの層を形成する際には必要なガス以外の流出バルブは全て閉じられていることは言うまでもなく、又、それぞれのガスが反応容器(1111)内、流出バルブ(1251〜1256)から反応容器(1111)に至る配管内に残留することを避けるために、流出バルブ(1251〜1256)を閉じ、補助バルブ(1260)を開き、更にメインバルブ(1118)を全開にして系内を一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。
又、膜形成の均一化を図るために、層形成を行なっている間は、円筒状基体(1112)を駆動装置(不図示)によって所定の速度で回転させることも有効である。
更に、上述のガス種及びバルブ操作は各々の層の作製条件に従って変更が加えられることは言うまでもない。
基体の加熱方法は、真空仕様である発熱体であれば良く、より具体的にはシース状ヒーターの巻き付けヒーター、板状ヒーター、セラミックヒーター等の電気抵抗発熱体、ハロゲンランプ、赤外線ランプ等の熱放射ランプ発熱体、液体、気体等を温媒とした熱交換手段による発熱体等が挙げられる。加熱手段の表面材質は、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、銅等の金属類、セラミックス、耐熱性高分子樹脂等を使用することができる。
それ以外にも、反応容器以外に加熱専用の容器を設け、加熱した後、反応容器内に真空中で基体を搬送する方法が用いられる。
図4は本発明における電子写真感光体の層構成の一例について示した模式図である。
図4(a)に示す電子写真感光体400は、導電性基体401の上に非単結晶シリコン系感光層402が堆積された構造であって、感光層402は下部注入阻止層405、光導電層403、表面層404を含む構成である。図4(b)に示す電子写真感光体400は、導電性基体401の上に非単結晶シリコン系感光層402が堆積された構造であって、感光層402は下部注入阻止層405、光導電層403、上部注入阻止層406、表面層404を含む構成である。
下部注入阻止層405は、導電性基体側からの電荷の注入を阻止するために設けることが好ましい。又、上部注入阻止層406は、上部からの電荷注入を低減し、帯電性を向上させる目的で設けることが好ましく、このような構成は負帯電用電子写真感光体に特に好適である。
又、図4(c)にあるように、例えば表面層404と上部注入阻止層406との間で、屈折率の変化が連続的になるような組成変化領域407を設けても良い。このように、表面層404の屈折率と上部注入阻止層406の屈折率とをなだらかに接続することにより、この層界面における光の反射が抑えられ、可干渉光を露光に用いた場合の表面での干渉を防ぐことができる。
又、露光に可干渉光以外の光(例えばLED等)を用いた場合でも、このような界面における干渉を持っていると削れによる感度の変動が起こり易く、ほんの少しの削れムラによっても画像濃度の顕著なムラが表れてしまう可能性がある。よって、このような界面における反射を出来るだけ少なくすることがより好ましい。又、図4(b)は上部注入阻止層406と光導電層403の屈折率差が少ない場合に好適な一例であるが、この屈折率差が大きい場合には、上部注入阻止層406と光導電層403との間にも屈折率のなだらかに変化する変化領域を設けても良い。
ここで、前述した各層について詳細に説明する。
<基体>
本発明において使用される基体としては、導電性基体としては、Al、Cr、Mo、In、Nb、Te、V、Ti、Pd、Fe等の金属、及びこれらの合金、例えばステンレス等を挙げることができる。又、電気絶縁性基体としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルム又はシート、ガラス、セラミック等を挙げることができる。これらの電気絶縁性基体の少なくとも光受容層を形成する側の表面は、導電処理され使用される。
本発明の効果を得る上では、基体は基本的には導電性でも電気絶縁性でも構わないが、特に、金属から成る基体の方がより好ましく、中でもAl又はAl合金は非常に好ましい。これは表面の制御性の良さによるダストの取れ易さ等が関わっていると考えられる。ここで言う制御性の良さとは、表面形状の制御や表面の安定性等が挙げられ、例えば表面を切削や研磨で平坦化する際の扱い易さや、錆び等の表面反応をしにくい点等を指している。
これらの点でAl又はAl合金から成る基体を用いた場合、切削により平坦で清浄な表面を得ることができ、又、鉄や銅等のように錆びが成長することがなく、ダストを取り易い平坦で清浄な面を得易い。このことから、異常成長を抑制する効果を最も高くすることができるため好ましい。
一例として挙げられたAl合金から成る円筒状基体は、先ず表面を平坦化し且つ不純物や汚れを取り去ることが重要である。この際には、例えばバイトによる切削を行い、その後洗浄により脱脂、付着物の除去を行う等の方法がある。この際、バイトによる切削ピッチは10〜200μmの範囲、高さは2μm以内の範囲で適宜選択すれば良い。又、JIS B 0601:2001で規定しているRzjisにおいて1μm以下程度が好ましく、より好ましくは0.7μm以下が良い。
この程度まで平坦化し清浄化することで、本発明のプラズマによる前処理を行った際に、異常成長が効果的に抑制される。この理由としては、ダストの除去状況がより顕著に得られるためではないかと考えられる。
<光導電層>
基体上に例えばグロー放電法によって光導電層を形成するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスと、必要に応じてハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスとを、内部を減圧できる反応容器内に所望のガス状態で導入して、反応容器内にグロー放電を生起させ、予め所定の位置に設置されてある所定の基体上にa−Si:H,Xから成る層を形成すれば良い。
光導電層中の水素原子、更に必要に応じて添加されるハロゲン原子は、シリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性及び電荷保持特性を向上させる。
水素原子の含有量は、特に制限はないが、シリコン原子と水素原子の和に対して1 0〜40atm%とされるのが望ましい。又、その分布形状に関しても、露光系の波長に合わせて含有量を変化させる等、適宜調整することが望ましい。特に、水素原子やハロゲン原子の含有量をある程度多くすると、光学的バンドギャップが大きくなり、感度のピークが短波長側にシフトすることが知られている。このような光学的バンドギャップの拡大は、短波長の露光を用いる際には好ましく、その場合にはシリコンと水素原子の和に対して15atm%以上とすることが好ましい。
Si供給用ガスとなり得る物質としては、SiH 、Si 、Si 、Si10等のガス状態の、又はガス化し得る水素化ケイ素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作製時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4
、Si2 H6
が好ましいものとして挙げられる。尚、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合しても差し支えない。
そして、膜の物性の制御性、ガスの供給の利便性等を考慮し、これらのガスに更に、H2
、He及び水素原子を含むケイ素化合物から選ばれる1種以上のガスを所望量混合して層形成することもできる。ハロゲン原子供給用の原料ガスとしては、具体的には、フッ素ガス(F )、BrF、ClF、ClF 、BrF 、BrF 、IF 、IF 等のハロゲン間化合物、SiF 、Si 等のフッ化ケイ素が好ましいものとして挙げることができる。
光導電層中に含有されるハロゲン元素の量を制御するには、例えば、基体の温度、ハロゲン元素を含有させるために使用される原料物質の反応容器内へ導入する量、放電空間の圧力、放電電力等を制御すれば良い。
加えて、光導電層には伝導性を制御する原子を光導電層の層厚方向に不均一な分布状態で含有することが好ましい。これは、光導電層のキャリアの走行性を調整し、或は補償して走行性を高次元でバランスさせることにより、帯電能の向上、光メモリー低減、感度の向上のために有効である。
伝導性を制御する原子の含有量は、特に制限されないが、一般には0.05〜5atmppmとするのが望ましい。又、光の到達する範囲においては、伝導性を制御する原子を実質的に含有しないように制御を行う(積極的な添加を行わない)とすることもできる。この伝導性制御原子は、膜厚方向に連続的に、又は段階的に変化する領域を含んでいても良く、一定の領域を含んでいても良い。
伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導性を与える周期表第13族に属する原子(第13族原子とも略記する)、又はn型伝導特性を与える周期表第15族に属する原子(第15族原子とも略記する)を用いることができる。
第13族原子としては、具体的には、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特にB、Al、Gaが好適である。
そのような第13族原子導入用の原料物質としては具体的には、ホウ素原子導入用としては、B 、B10、B 、B11、B10、B12、B14等の水素化ホウ素、BF 、BCl 、BBr 等のハロゲン化ホウ素等が挙げられる。この他、AlCl 、GaCl 、Ga(CH 、InCl 、TlCl 等も挙げることができる。
第15族原子として、具体的には、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、As、Sbが好適である。
第15族原子導入用の原料物質として有効に使用されるのは、リン原子導入用としては、PH 、P 等の水素化リン、PH I、PF 、PF 、PCl5、PBr 、PBr 、PI 等のハロゲン化リンが挙げられる。この他、AsH 、AsF 、AsCl 、AsBr 、AsF 、SbH 、SbF 、SbF 、SbCl 、SbCl 、BiH 、BiCl 、BiBr 等も第15族原子導入用の出発物質の有効なものとして挙げることができる。
又、これらの伝導性を制御する原子導入用の原料物質を必要に応じてH2
及び/又はHeにより希釈して使用しても良い。
光導電層の層厚は所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜所望に従って決定され、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜45μm、最適には20〜40μmとされるのが望ましい。層厚が5μmより薄くなると、帯電能や感度等の電子写真特性が実用上不充分となり、50μmより厚くなると、光導電層の作製時間が長くなって製造コストが高くなる。
所望の膜特性を有する光導電層を形成するには、Si供給用、ハロゲン添加用等のガスと希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力並びに基体温度を適宜設定することが望ましい。
希釈ガスとして使用するH2 及び/又はHeの流量は、層設計に従って適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用ガスに対し、通常の場合3〜30倍、好ましくは4〜15倍、最適には5〜10倍の範囲に制御することが望ましい。反応容器内のガス圧も同様に層設計に従って適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×10−2〜1×10 Pa、好ましくは5×10−2〜5×10 Pa、最適には1×10−1〜2×10 Paとするのが好ましい。
放電電力も又同様に層設計に従って適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量に対する放電電力の比を、0.5〜8、好ましくは2〜6の範囲に設定することが望ましい。
更に、基体の温度は、層設計に従って適宜最適範囲が選択されるが、好ましくは200〜350℃、より好ましくは210〜330℃、最適には220〜300℃とするのが望ましい。
光導電層を形成するための基体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する光受容部材を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。
<表面層>
本発明における表面層104は、主に短波長光透過性、高解像度、連続繰り返し使用耐性、耐湿性、使用環境耐性、良好な電気特性等に関して良好な特性を得るために設けられている。負帯電用電子写真感光体の場合、それ自体が帯電保持層としての役割を持っても良いが、後述する上部注入阻止層に帯電保持の機能を持たせる方が、表面層の組成設計自由度の点から好ましい。
本発明における表面層104の材質は、シリコン原子と炭素原子を母体する非単結晶材料から成る。又、水素原子及び/又はハロゲン原子を膜中に適宜含んでいることが好ましい。
例えば、グロー放電法によってこのようなa−SiC系材料より成る表面層を形成するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の原料ガスを、内部を減圧し得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、反応容器内にグロー放電を生起させ、予め所定の位置に設置された光導電層等を形成した基体上にa−SiC系材料から成る層を形成すれば良い。
このとき、表面層に含まれる炭素量は、前述したようにシリコン原子と炭素原子の和に対する炭素原子の数として50atm%〜80atm%の範囲が好ましい。
又、表面層中に水素原子が含有されることが好ましいが、水素原子はシリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性特性及び電荷保持特性を向上させる。水素含有量は、構成原子の総量に対して通常の場合、膜中の平均値として5〜7atm%、好適には8〜60atm%、最適には10〜50atm%とするのが望ましい。
又、適宜窒素原子、酸素原子を含んでも良く、a−Si系の材料としても構わない。
表面層の形成において使用されるシリコン(Si)供給用ガスとなり得る物質としては、SiH 、Si 、Si 、Si10等のガス状物、又はガス化し得る水素化ケイ素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作製時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH 、Si が好ましいものとして挙げられる。又、これらのSi供給用の原料ガスを必要に応じてH 、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用しても良い。
窒素、酸素、炭素供給用ガスとなり得る物質としては、N 、NH 、NO、N O、NO 、O 、CO、CO 、CH 、C 、C 、C 、C 、C10等のガス状物、又はガス化し得る化合物が有効に使用されるものとして挙げられる。中でも、炭素供給用としてはCH が好ましい。又、これらの原料ガスを必要に応じてH 、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用しても良い。
又、フッ素原子供給のために、フッ素ガス(F )、BrF、ClF、ClF 、BrF 、BrF 、IF 、IF 等のハロゲン間化合物や、SiF 、Si 等のフッ化ケイ素を導入しても良い。
表面層404を形成するには、反応容器のガス圧、放電電力、並びに基体の温度を適宜設定することが必要である。基体温度は、層設計に従って最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合、好ましくは150℃以上350℃以下、より好ましくは180℃以上330℃以下、最適には200℃以上300℃以下とするのが好ましい。
反応容器内の圧力も同様に層設計に従って最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合1×10−2Pa以上1×10 Pa以下、好ましくは5×10−2Pa以上5×10 Pa以下、最適には1×10−1Pa以上1×10 Pa以下とするのが好ましい。
本発明においては、表面層404を形成するための導電性基体の温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する感光体を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。
又、例えばRF帯の高周波を用いたグロー放電法にて表面層404を作製する場合には、放電電力としては10W〜5000W、カソード電極面積当たりに換算すると2mW/cm 〜1.4W/cm 程度の範囲が好適である。
更に、表面層には必要に応じて、第13族原子及び第15族原子等の伝導性を制御する原子を含有させても良い。伝導性を制御する原子は、表面層中に万遍なく均一に分布した状態で含有されても良く、或は層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があっても良い。
表面層404に伝導性を制御する原子を含有させる場合の含有量としては、好ましくは1×10−3〜1×10 atmppm、より好ましくは1×10−2〜5×10 atmppm、最適には1×10−1〜10 atmppmとされるのが望ましい。
表面層の層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいものである。層厚が0.01μmよりも薄いと光受容部材を使用中に磨耗等の理由により表面層が失われる場合があり、3μmを超えると残留電位の増加等の電子写真特性の低下が発生する場合がある。
以上のような表面層を形成するには、基体の温度、反応容器内のガス圧等を所望に従って適宜設定する必要がある。
基体の温度は、層設計に従って適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃、最適には250〜300℃とするのが望ましい。
又、表面層及び光導電層の間に、炭素原子の含有量が光導電層又は上部注入阻止層に向かって減少するように変化する領域を設けても良い。これにより表面層と光導電層又は上部注入阻止層との密着性を向上させ、光キャリアの表面への移動がスムーズになるとともに各層の界面での光の反射による干渉の影響をより少なくすることができる。
<上部注入阻止層>
本発明において、例えば図4(b)に示すように、光導電層403と表面層404の間に上部注入阻止層406を設けることが、負帯電電子写真感光体の場合、その目的を効果的に達成するためには好ましい構成である。
本発明の上部注入阻止層406は、上部から(即ち表面層側から)の電荷の侵入を阻止し、帯電能を向上させる。そのためには、母体となるa−SiC系の膜に、p型の伝導性を付与するために周期表第13族元素を含有させることが好ましい。
前記周期表第13族元素としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に硼素が好適である。本発明における上部注入阻止層406に含有される周期表第13族元素の含有量は、構成原子の総量に対して30atmppm以上5000atmppm以下、好適には100atmppm以上3000atmppm以下の範囲とするのが好ましい。
上部注入阻止層406に含有される周期表第13族元素は、上部注入阻止層406に万偏なく均一に分布されていても良いし、或は層厚方向に不均一に分布する状態で含有していても良い。しかしながら、何れの場合にも基体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく含有されることが面内方向における特性の均一化を図る点からも必要である。
本発明において、上部注入阻止層406は、表面保護層404と同じくシリコン原子と炭素原子を母体とした非単結晶層で構成されている。上部注入阻止層406に含有されるシリコン原子及び炭素原子は、該層中に万偏なく均一に分布されても良く、或は層厚方向に不均一に分布する状態で含有していても良い。しかしながら、何れの場合にも基体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく含有されることが面内方向における特性の均一化を図る点からも必要である。
本発明における上部注入阻止層406の各層領域に含有される炭素原子の含有量は、構成原子のシリコン原子と炭素原子の総和に対して5atm%以上50atm%以下の範囲とするのが好ましい。より好ましくは10atm%以上40atm%以下、更に好ましくは15atm%以上35atm%以下であるのが良い。
又、本発明においては、上部注入阻止層406の各層領域には、水素原子が含有されることが好ましく必要であるが、水素原子はシリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性特性及び電荷保持特性を向上させるために必須不可欠である。水素原子の含有量は、上部注入阻止層中の構成原子の総量に対して通常の場合5atm%以上70atm%以下、好適には10atm%以上65atm%以下、最適には15atm%以上60atm%以下とするのが望ましい。
本発明において、上部注入阻止層406の各々の層厚は所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等の点から好ましくは5nm以上1000nm以下、より好ましくは10nm以上800nm以下、最適には15nm以上500nm以下とされるのが望ましい。層厚が5nm未満になると、表面側からの電荷の注入阻止能が不充分になって充分な帯電能が得られず電子写真特性の低下を招くことがあり、1000nmを超えると電子写真特性の向上は期待できず、むしろ感度等の特性の低下を招くことがある。
上部注入阻止層406は光導電層403側から表面層404に向かって組成を連続的に変化させることも好ましく、密着性の向上や干渉防止等に効果がある。
本発明の目的を達成し得る特性を有する上部注入阻止層406を形成するには、シリコン原子供給用のガスと炭素原子供給用のガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力並びに基体の温度を適宜設定することが必要である。
反応容器内の圧力も同様に層設計に従って最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合1×10−2Pa以上1×10 Pa以下、好ましくは5×10−2Pa以上5×10 Pa以下、最適には1×10−1Pa以上1×10 Pa以下とするのが好ましい。
更に、基体の温度は、層設計に従って最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合、好ましくは150℃以上350℃以下、より好ましくは180℃以上330℃以下、最適には200℃以上300℃以下とするのが望ましい。
<下部注入阻止層>
本発明において、図4(a)〜(c)に示すように、
導電性基体401の上層には、基体401側からの電荷の注入を阻止する働きのある下部注入阻止層405を設けるのが効果的である。下部注入阻止層405は光受容層402が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、基体401側より光導電層403側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有している。
下部注入阻止層405には、シリコン原子を母材に導電性を制御する不純物を、後で詳述する光導電層403に比べて比較的多く含有させる。正帯電用電子写真感光体の場合、下部注入阻止層405に含有される不純物元素としては、周期表第13族元素を用いることができる。
又、負帯電用電子写真感光体の場合、下部注入阻止層405に含有される不純物元素としては、周期表第15族元素を用いることができる。本発明においては、下部注入阻止層405中に含有される不純物元素の含有量は、本発明の目的が効果的に達成できるように所望に従って適宜決定されるが、好ましくは下部注入阻止層中の構成原子の総量に対して10atmppm以上10000atmppm以下、より好適には50atmppm以上7000atmppm以下、最適には100atmppm以上5000atmppm以下とされるのが望ましい。
更に、下部注入阻止層405には、窒素及び酸素を含有させることによって、該下部注入阻止層405と基体401との間の密着性の向上を図ることが可能となる。又、負帯電用電子写真感光体の場合には、下部注入阻止層405に不純物元素をドープしなくても窒素及び酸素を最適に含有させることで優れた電荷注入阻止能を有することも可能となる。具体的に、下部注入阻止層405の全層領域に含有される窒素原子及び酸素原子の含有量は、窒素及び酸素の和を下部注入阻止層中の構成原子の原子の総量に対して、
好ましくは0. 1atm%以上40atm%以下、より好ましくは1. 2atm%以上20atm%以下、又、40atm%以下、より好ましくは20atm%以下とすることにより、電荷注入阻止能が向上する。
又、本発明における下部注入阻止層405には水素原子を含有させるのが好ましく、
この場合、含有される水素原子は、層内に存在する未結合手を補償し膜質の向上に効果を奏する。
下部注入阻止層405中に含有される水素原子の含有量は、下部注入阻止層中の構成原子の総量に対して1atm%以上50atm%以下が好ましく、5atm%以上40atm%以下がより好ましく、10atm%以上30atm%以下が更に好ましい。
本発明において、下部注入阻止層405の層厚は所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等の点から好ましくは100nm以上5000nm以下、より好ましくは300nm以上4000nm以下、最適には500nm以上3000nm以下とすることが望ましい。層厚を100nm以上5000nm以下とすることにより、基体401からの電荷の注入阻止能が充分となり、充分な帯電能が得られると共に電子写真特性の向上が期待でき、残留電位の上昇等の弊害が発生しない。
下部注入阻止層405を形成するには、反応容器内のガス圧、放電電力並びに基体の温度を適宜設定することが必要である。導電性基体温度(Ts)は、層設計に従って最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合、好ましくは150℃以上350℃以下、より好ましくは180℃以上330℃以下、最適には200℃以上300℃以下とするのが望ましい。
反応容器内の圧力も同様に層設計に従って最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合1×10−2Pa以上1×10 Pa以下、好ましくは5×10−2Pa以上5×10 Pa以下、最適には1×10−1Pa以上1×10 Pa以下とするのが好ましい。
(電子写真装置)
図5には、本発明の電子写真感光体を好適に使用できる画像形成装置の模式図を示した。
図5はフィルム状の誘電体ベルトから成る中間転写ベルト505を用いて転写を行う電子写真プロセスを利用したカラー画像形成装置(複写機又はレーザービームプリンタ)の一例である。
この画像形成装置は、表面に静電潜像が形成され、この静電潜像上にトナーが付着されてトナー像が形成される第1の画像担持体である、繰り返し使用される電子写真感光体から成る回転ドラム型の感光体ドラム501を有している。感光体ドラム501の周りには、感光体ドラム501の表面を所定の極性・電位に一様に帯電させる1次帯電器502と、帯電された感光体ドラム501の表面に画像露光503を行って静電潜像を形成する、不図示の画像露光装置とが配置されている。
又、形成された静電潜像上にトナーを付着させて現像する現像器として、ブラックトナーBを付着させる第1現像器504aと、イエロートナーYを付着させる現像器とマゼンタトナーMを付着させる現像器とシアントナーCを付着させる現像器とを内蔵した回転型の第2の現像器504bとが配置されている。更に、中間転写ベルト505にトナー像を転写した後、感光体ドラム501上をクリーニングする感光体クリーナ506及び感光体ドラム501の除電を行う除電露光507が設けられている。
中間転写ベルト505は、感光体ドラム501に当接ニップ部を介して駆動するように配置されており、内側には感光体ドラム501上に形成されたトナー像を中間転写ベルト505に転写するための一次転写ローラ508が配備されている。一次転写ローラ508には、感光体ドラム501上のトナー像を中間転写ベルト505に転写するための一次転写バイアスを印加するバイアス電源(不図示)が接続されている。中間転写ベルト505の周りには、中間転写ベルト505に転写されたトナー像を記録材513に更に転写するための二次転写ローラ509が、中間転写ベルト505の下面部に接触するように設けられている。二次転写ローラ509には、中間転写ベルト505上のトナー像を記録材513に転写するための二次転写バイアスを印加するバイアス電源が接続されている。又、中間転写ベルト505上のトナー像を記録材513に転写した後、中間転写ベルト505の表面上に残留した転写残トナーをクリーニングするための中間転写ベルトクリーナ510が設けられている。
又、この画像形成装置は、画像が形成される複数の記録材513を保持する給紙カセット514と、記録材513を給紙カセット514から中間転写ベルト505と二次転写ローラ509との当接ニップ部を介して搬送する搬送機構とが設けられている。記録材513の搬送経路上には、記録材513上に転写されたトナー像を記録材513上に定着させる定着器515が配置されている。
一次帯電器502としては磁気ブラシ方式の帯電器等が用いられる。画像露光装置としては、カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系や、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャナによる走査露光系等が用いられる。
次に、この画像形成装置の動作について説明する。
先ず、図5に矢印で示すように、感光体ドラム501が、時計方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動され、中間転写ベルト505が、反時計方向に、感光体ドラム501と同じ周速度で回転駆動される。
感光体ドラム501は、回転過程で、一次帯電器502により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで、画像露光503を受け、これにより感光体ドラム501の表面上には、目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応した静電潜像が形成される。次いで、第2現像器が回転し、マゼンタトナーMを付着させる現像器が所定の位置にセットされ、その静電潜像が第1色であるマゼンタトナーMにより現像される。この時、第1現像器504aは、作動オフになっていて感光体ドラム501には作用せず、第1色のマゼンタトナー像に影響を与えることはない。
このようにして、感光体ドラム501上に形成担持された第1色のマゼンタトナー像は、感光体ドラム501と中間転写ベルト505とのニップ部を通過する過程で、一次転写バイアスがバイアス電源(不図示)から一次転写ローラ508に印加されることによって形成される電界により、中間転写ベルト505外周面に順次中間転写される。
中間転写ベルト505に第1色のマゼンタトナー像を転写し終えた感光体ドラム501の表面は、感光体クリーナ506によりクリーニングされる。次に、感光体ドラム501の清掃された表面上に、第1色のトナー像の形成と同様に、第2色のトナー像(例えばシアントナー像)が形成され、この第2色のトナー像が、第1色のトナー像が転写された中間転写ベルト505の表面上に重畳転写される。以下同様に、第3色のトナー像(例えばイエロートナー像)、第4色のトナー像(例えばブラックトナー像)が中間転写ベルト505上に順次重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー像が形成される。
次に、給紙カセット514から中間転写ベルト505と二次転写ローラ509との当接ニップ部に所定のタイミングで記録材513が給送され、二次転写ローラ509が中間転写ベルト505に当接されると共に、二次転写バイアスがバイアス電源から二次転写ローラ509に印加されることにより、中間転写ベルト505上に重畳転写された合成カラートナー像が、第2の画像担持体である記録材513に転写される。記録材513へのトナー像の転写終了後、中間転写ベルト505上の転写残トナーは、中間転写ベルトクリーナ510によりクリーニングされる。トナー像が転写された記録材513は、定着器515に導かれ、ここで記録材513上にトナー像が加熱定着される。
本画像形成装置の動作において、感光体ドラム501から中間転写ベルト505への第1〜第4色のトナー像の順次転写実行時には、二次転写ローラ509及び中間転写ベルトクリーナ510は、中間転写ベルト505から離間させるようにしても良い。
このような中間転写ベルトを用いた電子写真によるカラー画像形成装置は、以下に示す特徴を有している。
第1に、重ね合わせ時に各色のトナー像の形成位置がずれる色ズレが少ない。又、図5に示すように、記録材513を何ら加工、制御(例えばグリッパーに把持する、吸着する、曲率を持たせる等)する必要なしに、中間転写ベルト505からトナー像を転写させることができ、記録材513として多種多様なものを用いることができる。例えば、薄い紙(40g/m 紙)から厚い紙(200g/m 紙)までの種々の厚みのものを選択して記録材513として使用可能である。又、幅の広狭又は長さの長短によらず種々の大きさのものを記録材513として使用可能である。更には、封筒、ハガキ、ラベル紙等を記録材513として使用可能である。
又、中間転写ベルト505は、 柔軟性に優れており、 感光体ドラム501や記録材513とのニップを自由に設定することができるため、設計の自由度が高く、転写効率等を最適化し易いといった特徴がある。
このように、中間転写ベルト505を用いた画像形成装置には種々の利点がある。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
図1に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)を設置し、表1に示した条件でN プラズマによる前処理を行った。
このとき、前処理のプラズマの変調パターンとして、図2(b)〜(d)に示したような正弦波振幅変調、正弦波周波数変調、パルス変調で行った。振幅変調は変調度を20%(感光体1−1)、50%(感光体1−2)、100%(感光体1−3)の3通りで行った。ここで変調度とは、変調された高周波の最大振幅をE1
、最小振幅をE としたとき、(E −E )/(E +E )で表される割合のことである。周期Tは50Hzとした。周波数変調は図2(c)で言う周期Tが1kHzとなるように変調を行った(感光体1−4)。即ち、最大周波数偏移Δfも、変調周波数fsも1kHzとし、変調指数Δf/fs=1としてFM変調を行った。パルス変調は周波数が50Hz、オン時間T と周期Tとの関係であるデューティー比T /Tを0.3とした(感光体1−5)。このように異なるプラズマ処理を行った後、共通の条件で積層膜を作製し、4種類の異なる感光体1−1〜1−5を製作した。具体的には、図4(b)に示した層構成となるように、表2に示した条件で、下部注入阻止層、光導電層、上部注入阻止層及び表面層から成る堆積膜を順次積層した。このとき、放電に用いる高周波は変調を行わなかった。
<比較例1>
実施例1と同様に、図1に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)を設置し、プラズマ処理を行わず、図4(b)に示した層構成となるように、表2に示した条件で、下部注入阻止層、光導電層、上部注入阻止層及び表面層から成る堆積膜を順次積層し、感光体1−6を製作した。
又、図1に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)を設置し、表1に示した条件でN2
プラズマによる前処理を行った後、図4(b)に示した層構成となるように、表2に示した条件で、下部注入阻止層、光導電層、上部注入阻止層及び表面層から成る堆積膜を順次積層し、感光体1−7を製作した。
このとき、感光体1−7の前処理は、図2(a)のように変調を行わない高周波プラズマによる前処理とした。
このようにして製作した感光体1−1〜1−7の表面を顕微鏡で観察した。周方向に90度間隔で4方向を任意に選び、軸方向に2cm間隔で19点ずつ、周方向4列の計76点を選び、それぞれ50倍の視野にて30mm2
の実測面積を観察し、合計2280mmm2中に存在する、直径が10μm以上の異常成長の数をカウントした。
次に、図5に挙げた電子写真装置(キヤノン製電子写真装置iRc6800を用い、実験用に帯電器をマイナス帯電の磁気ブラシ方式に改造し、画像露光方式はIAEに改造した機械)にセットし、ベタ白画像( 像露光を当てないときの画像) を出力し、画像に顕在化した異常成長による画像欠陥( 黒ポチと呼ぶ微小な黒点) をカウントした。
結果を表3に示す。以上の2通りのカウント結果は、プラズマ処理を行わなかった感光体1−6の値を基準とし、以下のように相対評価で示している。
☆: 感光体1−6のカウント数に比べ50%以上の低減
◎: 感光体1−6のカウント数に比べ20%以上50%未満の低減
○: 感光体1−6のカウント数に比べ10%以上20%未満の低減
△: 感光体1−6のカウント数とほぼ同等(10%未満の差異)
×:感光体1−6のカウント数に比べ劣っている
表3の結果から、プラズマ処理を行った場合でも、比較例1の感光体1−7のように高周波に変調を行わなかった場合には、プラズマ処理を行わない場合(感光体1−6)とさほど変わらないことが分かった。又、周波数変調したもの(感光体1−4)や振幅変調の変調度の低い場合(感光体1−1)に比べ、振幅変調の変調度が大きい場合(感光体1−2,1−3)やパルス変調(感光体1−5)の方がより異常成長の抑制効果が強かった。このことから、プラズマの強度変化の度合い(揺らぎのようなものの強さ)が基体上のダスト等の異常成長の核を取り去るないしは不活性化させる効果と連動しているのではないかと想像できる。
以上の結果から、感光体作成の前処理として、変調された高周波を用いたプラズマ処理を行うことで、異常成長が抑制され、特にパルス変調のような大きく放電が変化する変調の際に、より効果的に異常成長が抑制されることが分かった。
Figure 2007078761
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図1に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)を設置し、表4に示した条件でプラズマによる前処理を行った。
このとき、前処理のプラズマに用いるガスの種類をN 、O 、CF 、CO 、NO と変えて行った。共通の条件としては、変調パターンを図2(d)に示したようなパルス変調で、パルス変調は周波数が30Hz、デューティー比T1
/Tを0.2とした。このように異なるプラズマ処理を行った後、共通の条件で積層膜を作製し、5種類の異なる感光体2−1〜2−5を製作した。具体的には、図4(b)に示した層構成となるように、表2に示した条件で、下部注入阻止層、光導電層、上部注入阻止層及び表面層から成る堆積膜を順次積層した。このとき、放電に用いる高周波は変調を行わなかった。
得られた感光体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
表5から分かるように、全てのガス種において、プラズマ前処理を行わない感光体1−6に比べて異常成長の抑制効果があることが確認できる。更に、N 、O 、CF の3種類のガスにおいては、この効果が顕著であった。
Figure 2007078761
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図1に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)を設置し、表6に示した条件でプラズマによる前処理を行った。
前処理のプラズマに用いるガスはN とし、変調パターンを図2(d)に示したようなパルス変調とした。デューティー比T /Tを0.2、変調周波数を25Hz固定とした。このとき、高周波の周波数を8,10,13.56,27.12,40.68MHzと変化させて5通りの処理を行った。このように異なるプラズマ処理を行った後、共通の条件で積層膜を作成し、5種類の異なる感光体3−1〜3−5を製作した。具体的には、図4(b)に示した層構成となるように、表2に示した条件で、下部注入阻止層、光導電層、上部注入阻止層及び表面層から成る堆積膜を順次積層した。このとき、放電に用いる高周波は変調を行わなかった。
得られた感光体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
表7から分かるように、全ての変調周波数において、プラズマ前処理を行わない感光体1−6に比べて異常成長の抑制効果があることが確認できる。更に、10MHz以上の周波数においては、この効果が顕著であった。
Figure 2007078761
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図1に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)を設置し、表8に示した条件でプラズマによる前処理を行った。
前処理のプラズマに用いるガスはCF4 とし、変調パターンを図2(d)に示したようなパルス変調とした。このとき、デューティー比T /Tを0.2固定とし、変調周波数を0.1,0.5,3,10.30,50,60Hzと変化させて7通りの処理を行った。このように異なるプラズマ処理を行った後、共通の条件で積層膜を作製し、7種類の異なる感光体4−1〜4−7を製作した。具体的には、図4(b)に示した層構成となるように、表2に示した条件で、下部注入阻止層、光導電層、上部注入阻止層及び表面層からなる堆積膜を順次積層した。このとき、放電に用いる高周波は変調を行わなかった。
得られた感光体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表9に示す。
表9から分かるように、全ての変調周波数において、プラズマ前処理を行わない感光体1−6に比べて異常成長の抑制効果があることが確認できる。更に、0.5以上50Hz以下の周波数においては、この効果が顕著であった。
Figure 2007078761
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図1に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)を設置し、表10に示した条件でプラズマによる前処理を行った。
前処理のプラズマに用いるガスはCF4
とし、変調パターンを図2(d)に示したようなパルス変調とした。このとき、変調周波数を20Hzで固定とし、デューティー比T1
/Tを0.04,0.1,0.3,0.5,0.6と変化させて5通りの処理を行った。このように異なるプラズマ処理を行った後、共通の条件で積層膜を作製し、5種類の異なる感光体5−1〜5−5を製作した。具体的には、図4(b)に示した層構成となるように、表2に示した条件で、下部注入阻止層、光導電層、上部注入阻止層及び表面層から成る堆積膜を順次積層した。このとき、放電に用いる高周波は変調を行わなかった。
得られた感光体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表11に示す。
表11から分かるように、全てのデューティー比T /Tにおいて、プラズマ前処理を行わない感光体1−6に比べて異常成長の抑制効果があることが確認できる。更に、0.1以上0.5以下のデューティー比T /Tにおいて、この効果が顕著であった。
Figure 2007078761
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図1に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)を設置し、表12に示した条件でプラズマによる前処理を行った。
前処理のプラズマに用いるガスはO2 とし、変調パターンを図2(d)に示したようなパルス変調とした。変調周波数を40Hz、デューティー比T /Tを0.25固定とした。このとき、処理時の反応容器内の圧力を8.0×10 、1.0×10 、2.0×10 、3.0×10 、3.5×10 Paと変化させて5通りの処理を行った。このように異なるプラズマ処理を行った後、共通の条件で積層膜を作製し、5種類の異なる感光体6−1〜6−5を製作した。具体的には、図4(b)に示した層構成となるように、表2に示した条件で、下部注入阻止層、光導電層、上部注入阻止層及び表面層から成る堆積膜を順次積層した。このとき、放電に用いる高周波は変調を行わなかった。
得られた感光体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表13に示す。
表13から分かるように、全ての圧力において、プラズマ前処理を行わない感光体1−6に比べて異常成長の抑制効果があることが確認できる。更に、1.0×10 Pa以上3.0×10 Pa以下の圧力において、この効果が顕著であった。
Figure 2007078761
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図1に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)を設置し、表14に示した条件でプラズマによる前処理を行った。
前処理のプラズマに用いるガスはO2 とし、変調パターンを図2(d)に示したようなパルス変調とした。変調周波数を30Hz、デューティー比T1
/Tを0.35固定とした。このとき、反応容器の冷却を行った場合と行わなかった場合の2通りの処理を行った。このように異なるプラズマ処理を行った後、共通の条件で積層膜を作製し、2種類の異なる感光体7−1,7−2を製作した。具体的には、図4(b)に示した層構成となるように、表2に示した条件で、下部注入阻止層、光導電層、上部注入阻止層及び表面層から成る堆積膜を順次積層した。このとき、放電に用いる高周波は変調を行わなかった。
得られた感光体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表15に示す。
表15から分かるように、反応容器の冷却の有無に関わらず、プラズマ前処理を行わない感光体1−6に比べて異常成長の抑制効果があることが確認できるが、特に反応容器壁面を冷却した場合にはこの効果がより顕著であった。
Figure 2007078761
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図1に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)を設置し、表16に示した条件でプラズマによる前処理を行った。
前処理のプラズマに用いるガスはN2 とし、変調パターンを図2(d)に示したようなパルス変調とした。変調周波数を10Hz、デューティー比T1
/Tを0.4固定とした。このとき、基体にバイアスを印加しない場合、プラズマ処理時間中常に直流バイアスを印加する場合、直流バイアスをパルス変調と同期させ、放電ONの時に直流バイアスを印加し、放電OFF時間には直流バイアスを印加しない場合の3通りの処理を行った。このように異なるプラズマ処理を行った後、共通の条件で積層膜を作製し、3種類の異なる感光体8−1〜8−3を製作した。具体的には、図4(b)に示した層構成となるように、表2に示した条件で、下部注入阻止層、光導電層、上部注入阻止層及び表面層から成る堆積膜を順次積層した。このとき、放電に用いる高周波は変調を行わなかった。又、基体側へのバイアス印加も行わなかった。
得られた感光体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表17に示す。
表17から分かるように、何れもプラズマ前処理を行わない感光体1−6に比べて異常成長の抑制効果があるが、特にパルス放電に同期させて直流バイアスを印加した場合、この効果がより顕著であった。
Figure 2007078761
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本発明の電子写真感光体の製造に使用することが可能なRF帯の高周波を用いたプラズマCVD堆積装置の好適な構成の一例を模式的に示した図である。 本発明のプラズマを用いた前処理における変調された高周波を説明するための模式図である。 本発明における基体への直流電圧の印加方法を説明するための模式図である。 (a)〜(c)は本発明の方法により作製される電子写真感光体の一例を示す模式的な断面図である。 本発明におけるカラー電子写真装置構成の一例を表す模式図である。
符号の説明
1100 堆積装置
1111 反応容器
1112 円筒状基体
1113 基体加熱用ヒーター
1114 原料ガス導入管
1115 高周波マッチングボックス
1116 原料ガス配管
1117 反応容器リークバルブ
1118 メイン排気バルブ
1119 真空計
1120 合成器
1121 変調用発振器
1122 RF電源
1123 スイッチング機構
1124 直流電源
1125 冷媒導入機構
1200 原料ガス供給装置
1211〜1216 マスフローコントローラー
1221〜1226 原料ガスのボンベ
1231〜1236 原料ガスボンベバルブ
1241〜1246 ガス流入バルブ
1251〜1256 ガス流出バルブ
1260 補助バルブ
1261〜1266 圧力調整器
400 電子写真感光体
401 基体
402 感光層
403 光導電層
404 表面層
405 下部注入阻止層
406 上部注入阻止層
407 組成変化領域
501 感光体
502 一次帯電器
503 画像露光
504a 第1現像器
504b 第2現像器
505 中間転写ベルト
506 感光体クリーナー
507 除電露光
508 一次転写ローラ
509 二次転写ローラ
510 中間転写ベルトクリーナー
513 記録材
514 給紙カセット
515 定着器

Claims (13)

  1. 減圧可能な反応容器内で、高周波を用いたグロー放電によりプラズマを発生させ、基体をプラズマ処理するプラズマ処理装置を用い、該基体に前処理を行った後に、シリコンを母体とする光導電層を含む積層膜を形成する工程において、
    該前処理が膜形成を起こさないプラズマ処理であり、且つ、該高周波を変調してプラズマ処理を行うことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記膜形成を起こさないプラズマ処理において使用するガス雰囲気がN2
    ガス、O2 ガス、CF4
    ガスの何れか又はそれらの混合ガスを含むことを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記高周波が10MHz以上の高周波であることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記高周波の変調がパルス変調であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 前記パルス変調の周波数が0.5Hz以上50Hz以下であることを特徴とする請求項4記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 前記パルス変調のデューティー比が0.1以上0.5以下であることを特徴とする請求項4又は5記載の電子写真感光体の製造方法。
  7. 前記高周波の変調が振幅変調であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  8. 前記振幅変調の周波数が0.5Hz以上50Hz以下であることを特徴とする請求項7記載の電子写真感光体の製造方法。
  9. 前記振幅変調の変調度が50%以上100%以下であることを特徴とする請求項7又は8記載の電子写真感光体の製造方法。
  10. 前記前処理時の前記反応容器内の圧力が1.0×10 Pa以上3.0×10 Pa以下であることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  11. 前記反応容器が前記前処理時に室温程度に維持されていることを特徴とする請求項1〜1の何れかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  12. 前記前処理時に、前記基体に負のバイアスを印加することを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  13. 前記基体に印加するバイアスが前記高周波の変調に同期したパルス状のバイアスであることを特徴とする請求項12記載の電子写真感光体の製造方法。
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