JP2007077761A - 扉開放補助機構を備えた開口部装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 扉を開放させるために煩雑な操作を必要とせず、簡易的な構造で大きな開放力を得ることのできる扉開放補助機構を備えた開口部装置を提供する。
【解決手段】 建物開口部の4辺に沿って取り付けられた枠体と、該枠体の内側に配置され、室内側又は室外側に開く扉とを備える開口部装置であって、扉の回動軸の備えられていない端面から突没可能かつ前記枠体に係合離脱可能に設けられたラッチボルトと、扉に設けられ、ラッチボルトの扉からの突没を禁止又は許容するラッチボルト制御機構40と、扉に設けられ、ラッチボルト制御機構に連動し、ラッチボルトの扉からの突没が許容された姿勢で扉を枠体から離脱させる方向に付勢するアシスト機構60とを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】 建物開口部の4辺に沿って取り付けられた枠体と、該枠体の内側に配置され、室内側又は室外側に開く扉とを備える開口部装置であって、扉の回動軸の備えられていない端面から突没可能かつ前記枠体に係合離脱可能に設けられたラッチボルトと、扉に設けられ、ラッチボルトの扉からの突没を禁止又は許容するラッチボルト制御機構40と、扉に設けられ、ラッチボルト制御機構に連動し、ラッチボルトの扉からの突没が許容された姿勢で扉を枠体から離脱させる方向に付勢するアシスト機構60とを備える。
【選択図】 図3
Description
本発明は、戸建やマンション等の住宅やオフィスビル、又は公共施設等の建物に備えられる開口部装置に関し、詳しくは、少ない力で扉を開放操作することのできる機構を有する開口部装置に関する。
近年における戸建やマンション等の住宅やオフィスビル、又は公共施設等の建物では、より快適な居住性を得るため、遮音や冷暖房の高効率化等の観点から気密性の高い居住空間の需要が増加している。かかる需要を満たすために、窓や玄関等には気密性の高い開口部装置が採用される場合が多い。
このように気密性の高い開口部装置を採用することにより居住空間の気密性が確保されて快適な空間を得ることができる。ところが一方で、気密性が高いため室内外で気圧差が生じた場合に自然に通気せず、この気圧差が維持されてしまう場合がある。特に、マンションやオフィスビル等では、常時「換気」がされるシステムが採用されている場合も多いので、室内側が負圧とされ、常に比較的大きな室内外の気圧差がある場合も少なくない。
このような場合に備えられた例えばスイング式の扉を気圧の高い方に開こうとすると、この気圧差によって扉を開くために大きな力を必要とする場合があった。これは例えば特に力の弱い子供や高齢者にとっては負担の大きな作業となる。
一方、気圧差により扉が開き難いのは該扉を開く最初のときで、いわゆる「初動時」のみである。扉がわずかでも開いて室内外が通じると、この開いた部位で通気が行われて扉を挟んだ室内外の部位における圧力差が緩和される。圧力差が緩和されれば扉は通常の力で開放操作することができ、特に大きな力を必要としない。
そこで従来においては特許文献1のような把手の押し引き動作方向に対応して扉本体に開放力を付与する機構を備えた扉が開示されている。特許文献1に記載の扉に備えられる扉開放の補助機構は、扉に室内外方向に揺動可能に設けられた把手にリンクした室内外方向に回動するアームを有している。そしてこのアームが固定された枠を押すことにより開放力を付与するとしている。
しかし、特許文献1に開示されている扉に備えられた扉開放の補助機構は、通常の扉に備えられるラッチボルトとは無関係に設けられているので、ラッチボルトと補助機構との両方を操作しなければ扉を開放することができないという問題があった。これは扉を開けるためにはラッチボルトの固定を解除しなければならず、この解除のための動作をすることなしに扉を開けることはできないのが通常だからである。
また、特許文献1に開示されている扉に備えられる扉開放の補助機構では開放力を付与するモーメントが生じるのは、アームの長さによるもののみであり、構造的にアームを極端に大きくすることは困難であることから、付与される開放力に限界があり、あまり大きな開放力とすることができないという問題もあった。さらに該補助機構は歯車を利用しているので、機構として複雑となり、高価なものとなる虞もあった。
そこで、本発明は扉を開放させるために煩雑な操作を必要とせず、簡易的な構造で大きな開放力を得ることのできる扉開放補助機構を備えた開口部装置を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1の発明は、建物開口部の4辺に沿って取り付けられた枠体(10)と、該枠体の内側に配置され、室内側又は室外側に開く扉(15)とを備える開口部装置(1)であって、扉の回動軸の備えられていない端面から突没可能かつ前記枠体に係合離脱可能に設けられたラッチボルト(25)と、扉に設けられ、ラッチボルトの扉からの突没を禁止又は許容するラッチボルト制御機構(40)と、扉に設けられ、ラッチボルト制御機構に連動し、ラッチボルトの扉からの突没が許容された姿勢で扉を枠体から離脱させる方向に付勢するアシスト機構(60)とを備える開口部装置を提供することにより前記課題を解決する。
ここに、本発明にかかるラッチボルト制御機構、及びアシスト機構は、機械的な構造を介して動作するものであり、電気的な手段により動作させることは含まないとする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の開口部装置のラッチボルト制御機構(40)と、アシスト機構(60)とに、扉(15)の室外側及び/又は室内側に設けられ、ラッチボルト制御機構とアシスト機構とを連動して動作させるように移動又は回動するとともに扉の開閉手段でもある把手(31)を備えることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の開口部装置のラッチボルト制御機構(40)が、鉛直に設けられた回動可能な鉛直軸(43)と、一端が鉛直軸に、他端が把手(31)に取り付けられたアーム(32)と、一端が鉛直軸に取り付けられた板材である案内板(45)と、案内板の他端側に設けられ、鉛直軸からの距離が変化する部位(46a)と、鉛直軸からの距離が一定である部位(46b)とを連続して有するスリット(46)と、扉の室内外方向に直交し、水平に設けられた回動可能な水平軸(44)と、一端が水平軸に取り付けられ、他端側がスリットの内側に配置された摺動部材(49)と、一端が水平軸に取り付けられ、他端側がラッチボルト(25)に延設され、水平の姿勢でラッチボルトと係合し、所定以上に傾いた姿勢でラッチボルトから離脱するラッチボルト当接部材(48)とを備えることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載の前記アシスト機構が、鉛直に設けられた回動可能な鉛直軸(63)と、一端が鉛直軸に、他端が把手(31)に取り付けられたアーム(33)と、一端が鉛直軸に取り付けられた押し部材(64)と、鉛直軸とは異なる回動可能な他の鉛直軸(70)と、他の鉛直軸に取り付けられ一端が押し部材の回動の軌道上に配置され、他端が前記他の鉛直軸を中心とした回動の軌道上に枠体(10)が設けられるよう配置された枠体押し部材(72)とを備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ラッチボルトの解除された状態で扉を開放するアシスト機構が動作するので、利用者はラッチボルトの状態を気にすることなく扉を開放することが可能となる。そしてラッチボルトが枠体に係合したままアシスト機構が動作することによる扉や枠体の破損を防止することにもなり、信頼性の高い開口部装置を提供することができる。また、アシスト機構が適切に動作することにより、例えば室内側が負圧とされること等により生じた室内外の気圧差があっても小さい力で扉の開放が可能となる。
請求項2の発明によれば、ラッチボルト制御機構及びアシスト機構を動作させるために他の特別な操作を必要とせず、通常のように把手を操作するのみで良いので利便性の高い開口部装置を提供することができる。
請求項3の発明によれば、歯車等の複雑な部材を使用することなく簡易的な部材の組み合わせで構成することができ、信頼性が高く、安価であるラッチボルト制御機構とすることができ、利用者にとって利得の高い開口部装置とすることが可能である。さらに、操作部である把手をアームによって連結することによりアーム長さによりモーメントを大きくとることができるので、例えば室内側が負圧とされること等により生じた室内外の気圧差があっても小さい力で扉の開放が可能となり、使用者にとって利便性の高い開口部装置とすることができる。
請求項4の発明によれば、歯車等の複雑な部材を使用することなく簡易的な部材の組み合わせで構成することができ、信頼性が高く、安価であるアシスト機構とすることができ、利用者にとって利得の高い開口部装置を提供することが可能である。さらに、操作部である把手をアームによって連結することによりアーム長さによりモーメントを大きくとることができるので、例えば室内側が負圧とされること等により生じた室内外の気圧差があっても小さい力で扉の開放が可能となり、使用者にとって利便性の高い開口部装置とすることができる。
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は、1つの実施形態にかかる本発明の開口部装置1を室内側正面から見た図である。開口部装置1は、建物の開口部の4辺に沿って固定して取り付けられた枠体10と、該枠体10の内側に配置される扉15とを備えている。枠体10は、上枠11、下枠12と縦枠13、14とを有している。また、扉15はいわゆるスイング型の扉で、縦枠13側の端部が蝶番等により回動可能に取り付けられている。そして、縦枠14側の端部が紙面奥側に回動することにより扉15が開く。扉15はまた、その室内視で把手31と施錠装置20、20とを備えている。把手31は後述する扉開放補助機構30の一部を構成する部材であり、通常は利用者が該把手31を掴んで扉15の開閉をおこなう。施錠装置20、20は扉15の開閉を禁止又は許容するもので、防犯の機能を有するものである。
開口部装置1では、室内側から室外側に開く形式のスイング扉であり、室内側が負圧とされており、室内側の方が気圧が低く、室外側の方が気圧が高い場合に適用される。しかし必ずしもかかる状態に限定される必要はなく、本発明の開口部装置は、開く方向や室内外でいずれの方が気圧が高いかによって適宜その向き等が変更される。
開口部装置1では、利用者は施錠装置20、20の解錠時に把手31を掴み室外側に把手31を押すように操作する。これにより、後述する扉開放補助機構30が動作し、室内側の気圧が低い場合でも小さな力で扉15を開放することができる。また、扉15は室外視においても室内側に対応した位置に把手及び施錠装置を備えている。
図2は、扉開放補助機構30が取り付けられた周辺に着目して示した扉15の室内側からの斜視図である。扉開放補助機構30のそのほとんどの部分は扉15の内側に配置され、外観視からは隠蔽されている。外観視では扉開放補助機構30のうち、室内側には把手31と、該把手31と扉15の内側に配置された扉開放補助機構30の部分とを連結しているアーム32、33と、が備えられている。また、扉15の端面から、扉開放補助機構30の枠体押し部材72の一部が突出して配置されている。さらに該枠体押し部材72の上方にはラッチボルト25が扉15に突没可能に配置されている。後述のように扉開放補助機構30が、ラッチボルト25の扉15からの突没を許容するか又は禁止するかを決める。ラッチボルト25が扉15から突没することを禁止されているときには、ラッチボルト25は縦枠14に係合している。一方、ラッチボルト25が扉15から突没することを許容されているときには、ラッチボルト25は縦枠14には係合せず離脱可能状態である。従って、本発明の開口部装置1は、扉開放補助機構30を備え、該扉開放補助機構30は把手31の操作時に同時に動作し、ラッチボルト25の扉15からの突没を許容するとともに枠体押し部材72を動作させるものである。よって、本発明では、利用者は通常の扉の開放操作をするのみで他の操作をする必要がなく、非常に利便性の高い開口部装置を提供することができる。
次に、扉開放補助機構30について説明する。図3は扉開放補助機構30の室内側斜視図である。また、図4は扉開放補助機構30の室外側斜視図である。ここでは図3及び図4を参照しつつ扉開放補助機構30について説明する。扉開放補助機構30は、上述のように室内側に突出して配置された把手31を有している。そして該把手31の側面から扉15の方向に2本のアーム32、33が延設されている。この2本のアーム32、33は鉛直方向に所定の間隔で配置されており、扉15の内側に達している。2本のアーム32、33のそれぞれの扉側端部には、ラッチボルト制御機構40、及びアシスト機構60が取り付けられている。以下ラッチボルト制御機構40及びアシスト機構60について順に説明する。
ラッチボルト制御機構40は、その室内側に鉛直に配置された2本の軸42、43によりアーム32と連結されている。また、ラッチボルト制御機構40は室内側面と該室内側面に隣接する左右側面とに開口を有する箱体41を備えており、2本の軸42、43の両端部は該箱体41の上下面にそれぞれ取り付けられている。そのうち軸43の両端部は箱体41の上下面に回動自在に取り付けられ、軸42の両端部は箱体41の上下面に設けられた円弧状のスリット41a、41aの内側を移動可能とされている。従って、アーム32は、軸43を中心に回動可能とされ、これに伴い、軸42がスリット41a、41a内を移動する。また、軸43には、トーションばね80が取り付けられており、その一端を軸42、他端を箱体41の側面に係止して取り付けられている。これにより、アーム32及び把手31は、常に室内側に付勢され、把手31ににかかる力が除荷されると所定位置に戻るようにされている。さらにラッチボルト制御機構40は、軸42、43に取り付けられた略扇形の板材の部材で、箱体41の側面から回動して突没する案内板45を備えている。加えて該案内板45に連結し、その一部を箱体41の室外側に突出して配置される制御部材47も設置されている。これら部材については後で詳しく説明する。
アシスト機構60は、その室内側に鉛直に配置された2本の軸62、63によりアーム33と連結されている。また、アシスト機構60は室内側面と該室内側面に隣接する左右側面とに開口を有する箱体61を備えており、2本の軸62、63の両端部は該箱体61の上下面のそれぞれに取り付けられている。そのうち軸63の両端部は箱体61の上下面に回動自在に取り付けられ、軸62の両端部は箱体61の上下面に設けられた円弧状のスリット61a、61a(下面に設けられたスリット61aは図3、図4では死角となり見えない。)の内側を移動可能とされている。従って、アーム33は、軸63を中心に回動可能とされ、これに伴い軸62がスリット61a、61a内を移動する。また、軸63には、トーションばね81が取り付けられており、その一端を軸62、他端を箱体61の側面に係止して取り付けられている。これにより、アーム33及び把手31は、常に室内側に付勢され、把手31ににかかる力が除荷されると所定位置に戻るようにされている。さらにアシスト機構60は軸62、63に取り付けられた押し部材64を備えている。また、箱体61より室外側には、押し部材64により回動する枠体押し部材72が設けられている。これら部材については後で詳しく説明する。
さらに、詳しく扉開放補助機構30の構成について説明する。図5は、図3と同じ視点の室内側から見た扉開放補助機構30の斜視図で、見易さのために箱体41、61を取り除いて示した図である。また、図6は、ラッチボルト制御機構40を含む部分における扉開放補助機構30周辺の上面図、図7はアシスト機構60を含む部分における扉開放補助機構30周辺の上面図である。図6、図7では、紙面上が室外側、紙面下が室内側を示している。ここでは図5、図6及び図7を参照しつつ、特にラッチボルト制御機構40及びアシスト機構60について説明する。
ラッチボルト制御機構40の案内板45は、図5及び図6からわかるように略扇形の板材で、室内側端部は軸42、43を介してアーム32に連結している。また、室外側の端部にはスリット46が該端部に沿って設けられている。スリット46は軸43からの距離が連続的に変化するスリット46aと、軸43からの距離が一定であるスリット46bとが連続して形成されて1つのスリット46とされている。スリット46aではスリット46bに近づくほど軸43との距離が大きくなるように形成されている。制御部材47は、室内外方向に直交し水平である回動自在である軸44に取り付けられた板材を組み合わせて設けられた部材であり、室外側には室外側に延設されたラッチボルト当接部材48を有している。また、上面には案内板45のスリット46の内側に配置される摺動部材49が取り付けられている。従ってアーム32、つまりは把手31を軸43を中心に回動させると、同様に軸43を中心に案内板45が回動し、スリット46も移動する。すると、該スリット46の内側に配置されている摺動部材49がスリット内を移動するが、スリット46は上述のように位置によって軸43との距離が異なる。摺動部材49は該スリット46の内側にあるのでスリット46の軸43からの距離が変化すると、該変化に合わせて室内外方向に移動する。しかし一方で、摺動部材が取り付けられている制御部材47は軸44に回動自在に固定されているので、室内外方向に水平には移動することができない。すると、摺動部材49の室内外方向への移動は、軸44を中心とする回動へと変換され、その結果ラッチボルト当接部材48が鉛直方向に移動(回動)する。該ラッチボルト当接部材48は下方に移動することによりラッチボルト25の扉からの突没を許容し、水平の場合にはラッチボルト25の移動を禁止している。従って、把手31が操作されると、ラッチボルト当接部材48が下がり、ラッチボルト25が扉に対して突没することが可能となる。
アシスト機構60の押し部材64はL字型の断面を有する部材で、水平である部分と垂直である部分を備えている。そのうち水平である部分の室内側が図5及び図7からわかるように軸62、63を介してアーム33に連結している。また、垂直である部分は室外側に延設されている。枠体押し部材72は、扉15の内側に取付部材71a、71bに備えられた鉛直の軸70に回動自在に取り付けられている。枠体押し部材72は、長い棒状の部材であり、その長手方向略中央で軸70に取り付けられている。そして軸70より扉15の内側の部位は、押し部材64の回動の軌道上に配置される。一方、軸70より扉15の外側の端部は、扉15の外側に突出して配置される。さらに該端部の移動(回動)の軌道上には縦枠14に固定された枠体被押し部材14aが備えられている。従ってアーム33、つまりは把手31を軸63を中心に回動させると、同様に軸63を中心に押し部材64も回動する。すると、所定の位置で、押し部材64の室外側端部が、枠体押し部材72の一端を押して軸70を中心に回動させる。該回動により扉15の外側に配置されている他端側が回動して室内側に移動する。このとき、縦枠14に取り付けられた枠体被押し部材14aを押し、扉15と枠体14とを離す、つまりは扉15を開放させようとする力を生じる。これにより、扉15は開放する力を得るので室内外の気圧差が大きくても容易に扉15を開けることができるようになる。このときアーム33の長さ、及び枠体押し部材72の軸70を挟んだ長さの分がモーメントを大きくし、小さい力でも大きな開放力が得られる。よって利用者にとって利便性の高い開口部装置を提供することができる。
以上に示したように、本発明の開口部装置1では非常に簡易的な構造による扉開放補助機構30を有しているので、動作の信頼性が高く、安価に製造することが可能である。
また、上述したように、2本のアーム32、33は1つの把手31に連結しており、利用者は把手31のみを操作すれば同時に2本のアーム32、33を操作することができ、ラッチボルト制御機構40とアシスト機構60とを連動して操作することができる。
そこで次に、実際に扉15を開放する場面を例示的に示すとともに、このときにおけるラッチボルト制御機構40と、アシスト機構60との関係を説明する。図8〜図10は、把手31を操作して扉15を開放する場面を順を追って示した開口部装置1の図で、各図において(a)はラッチボルト制御機構40周辺の上面図、(b)はラッチボルト制御機構40の制御部材47の側面図、(c)はアシスト機構60周辺の上面図である。また、(a)、(c)では紙面上が室外側、紙面下が室内側、(b)は紙面左が室内側、紙面右が室外側である。扉15の閉鎖の姿勢で、ラッチボルト制御機構40及びアシスト機構60の各部材は最初、図6及び図7のように配置されている。そして、制御部材47はラッチボルト当接部材48が水平である姿勢とされている。
かかる配置からわずかに把手31を室外側に押すように操作すると、これにともなって上述のように案内板45及びスリット46が軸43を中心に回動する。するとスリット46のスリット46aの部位にある摺動部材49は、スリット46aが軸43との距離が大きくなることに伴って室外側に移動する。これにより、図8(b)に示したように制御部材47は軸44を中心に回動し、ラッチボルト当接部材48が下方へ傾く。この時点ではラッチボルト25はその移動が禁止されたままである。一方、図8(c)に示したようにこの場合の把手31の移動では、押し部材64は枠体押し部材72に当接しておらず、枠体押し部材72の姿勢は維持される。
さらに把手31を室外側に押すように操作すると、図9に示したように案内板45及び押し部材64の回動が進行する。図9に示した状態において、図9(a)のように、摺動部材49は、軸43との距離が最も大きく一定であるスリット46bの内側に配置されており、図9(b)のように、制御部材47のラッチボルト当接部材48が最も下方にある姿勢で保持されている。このとき、ラッチボルト25の移動はすでに許容されており、ラッチボルト25は扉15からの突没が自由とされている。よって扉15はラッチボルト25によってはその開放を禁止されることがなくなる。一方、アシスト機構60では、図9(c)に示したように、このときに押し部材64の室外側端部が枠体押し部材72に当接する。従って、図9(c)に示した姿勢では、枠体押し部材72は未だ回動していないが、これ以上に押し部材64が室外側に回動されると枠体押し部材72も回動する。よって図9では、ラッチボルトの移動が許容される一方でアシスト機構60は未だ作用していない状態である。
さらに把手31をその許容される限度まで室外側に移動させると、図10に示したように案内板45及び押し部材64が回動する。図10に示した状態において、図10(a)のように、摺動部材49は、軸43との距離が最も大きく一定であるスリット46bの内側に配置されており、図10(b)のように、制御部材47のラッチボルト当接部材48が最も下方にある姿勢で保持されている。このとき、ラッチボルト25の移動が許容された状態を維持していることとなり、ラッチボルト25は扉15からの突没が自由とされている。よって扉15はラッチボルト25によってはその開放を禁止されることがない。一方、アシスト機構60では、図10(c)に示したように、このときに押し部材64の室外側端部が枠体押し部材72の一端を室外側に押し、該枠体押し部材72が軸70を中心に回動する。従って、扉15の室外側に突出して配置された端部は、室内側に移動(回動)して枠体14に取り付けられた枠体被押し部材14aを押し、扉15に開放力を与える。
以上のような扉開放補助機構30により、把手31の操作のみで、ラッチボルト25が解除されるとともに、該解除を維持し、さらに扉を開くために扉に補助力を与えることのできる開口部装置1を提供することができる。よって利便性が高い開口部装置とすることができる。
以上、現時点において、最も、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う開口部装置もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
1 開口部装置
10 枠体
11 上枠
12 下枠
13 縦枠
14 縦枠
15 扉
20 施錠装置
25 ラッチボルト
30 扉開放補助機構
31 把手
32 アーム
33 アーム
40 ラッチボルト制御機構
41 箱体
42 軸
43 軸
44 軸
45 案内板
46 スリット
47 制御部材
48 ラッチボルト当接部
49 摺動部
60 アシスト機構
61 箱体
62 軸
63 軸
64 押し部材
70 軸
72 枠体押し部材
80 トーションばね
81 トーションばね
10 枠体
11 上枠
12 下枠
13 縦枠
14 縦枠
15 扉
20 施錠装置
25 ラッチボルト
30 扉開放補助機構
31 把手
32 アーム
33 アーム
40 ラッチボルト制御機構
41 箱体
42 軸
43 軸
44 軸
45 案内板
46 スリット
47 制御部材
48 ラッチボルト当接部
49 摺動部
60 アシスト機構
61 箱体
62 軸
63 軸
64 押し部材
70 軸
72 枠体押し部材
80 トーションばね
81 トーションばね
Claims (4)
- 建物開口部の4辺に沿って取り付けられた枠体と、該枠体の内側に配置され、室内側又は室外側に開く扉と、を備える開口部装置であって、
前記扉の回動軸の備えられていない端面から突没可能かつ前記枠体に係合離脱可能に設けられたラッチボルトと、
前記扉に設けられ、前記ラッチボルトの前記扉からの突没を禁止又は許容するラッチボルト制御機構と、
前記扉に設けられ、前記ラッチボルト制御機構に連動し、前記ラッチボルトの前記扉からの突没が許容された姿勢で前記扉を前記枠体から離脱させる方向に付勢するアシスト機構と、を備える開口部装置。 - 前記ラッチボルト制御機構と、前記アシスト機構とに、
前記扉の室外側及び/又は室内側に設けられ、前記ラッチボルト制御機構と前記アシスト機構とを連動して動作させるように移動又は回動するとともに前記扉の開閉手段でもある把手を備えることを特徴とする請求項1に記載の開口部装置。 - 前記ラッチボルト制御機構が、
鉛直に設けられた回動可能な鉛直軸と、
一端が前記鉛直軸に、他端が前記把手に取り付けられたアームと、
一端が前記鉛直軸に取り付けられた板材である案内板と、
前記案内板の他端側に設けられ、前記鉛直軸からの距離が変化する部位と、前記鉛直軸からの距離が一定である部位とを連続して有するスリットと、
前記扉の室内外方向に直交し、水平に設けられた回動可能な水平軸と、
一端が前記水平軸に取り付けられ、他端側が前記スリットの内側に配置された摺動部材と、
一端が前記水平軸に取り付けられ、他端側が前記ラッチボルトに延設され、水平の姿勢で前記ラッチボルトと係合し、所定以上に傾いた姿勢で前記ラッチボルトから離脱するラッチボルト当接部材と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の開口部装置。 - 前記アシスト機構が、
鉛直に設けられた回動可能な鉛直軸と、
一端が前記鉛直軸に、他端が前記把手に取り付けられたアームと、
一端が前記鉛直軸に取り付けられた押し部材と、
前記鉛直軸とは異なる回動可能な他の鉛直軸と、
前記他の鉛直軸に取り付けられ一端が前記押し部材の回動の軌道上に配置され、他端が前記他の鉛直軸を中心とした回動の軌道上に前記枠体が設けられるよう配置された枠体押し部材と、を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の開口部装置。
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JP2005270241A JP2007077761A (ja) | 2005-09-16 | 2005-09-16 | 扉開放補助機構を備えた開口部装置 |
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