JP4375936B2 - 高層建物の非常侵入口扉の施錠装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、火災時に消防の侵入口として特別に設けられている、高層建物における非常侵入口の開閉扉の施錠装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、実公平7−30844号公報所載の通り、内部ハンドルと同軸にして外部ハンドルを設け、該外部ハンドルを内部ハンドルと同様に回動させて解錠して扉を屋外側から開放できるようにした構造のものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来例は、ガラス清掃時に外部ハンドルに触れて解錠して扉を開放させ、扉を閉塞位置に戻さないで外部ハンドルを施錠状態位置にさせ、危険な扉の開放状態のままにしてしまうことがある。
【0004】
本発明は、斯様な従来例の欠点に着目し、ガラス清掃時に積極的な操作をしなければ外部から容易に開放可能状態におくことができない、従って、安全性の高い、非常侵入口扉の施錠装置を提供することを目的として創案したものである。
【0005】
【実施例】
図面は本発明に係る高層建物における非常侵入口扉の施錠装置の一実施例を示し、図1は横断面図、図2は図1のa−a線断面図、図3は装置箱を断面して示した装置箱内部の正面図、図4は図1のb−b線断面図、図5は内外ハンドルの位置関係を示す説明図である。
【0006】
図示の非常侵入口は、建物の壁面に設けた開口部に窓枠Aを嵌め込み、該窓枠Aに開閉障子Dを組付けて構成し、障子Dを必要に応じて外部(屋外)側から開放して火災時における消防などの侵入口と成るように構成したもので、障子Dは屋外側が所謂フレームレスの障子体で成り、その縦框1に、主として自然開放を防ぐための施錠装置を設け、該施錠装置を構成する施錠片2を、屋内側の内部ハンドル5又は屋外側の外部ハンドル6の操作により縦枠3側に設けた施錠受片4より離脱させることにより障子開放が行えるようにしたものである。
【0007】
前記内部ハンドル5は、その屋外端に突設したハンドル軸7を屋内側から屋外方向にして前記縦框1に嵌挿して回動操作可能に支持させたもので、この内部ハンドル5の角軸状の前記軸7には、中間部に配した第一腕片8と先端側に配した第二腕片9をそれぞれの基部において止着して突設し、これらを障子Dのガラスパネルgに屋内外方向に重ね合わせるようにして配してある。
【0008】
第一腕片8は縦框1の内腔部1aに収容して支持片10を介して固定した装置箱11内に収設し、その先端側に同様に装置箱11内に納めたリンク片12の一端を第一枢支ピン13によって回動自在に組付け、リンク片12の他の一端は、第二枢支ピン13´を介して前記装置箱11内を縦動する仲介片14に組付け、仲介片14には規制ピン13Aを設け、この規制ピン13Aと、仲介片14とリンク片12を互いに回動自在に組付けた前記第二枢支ピン13´を、前記装置箱11の側板11aに縦設した案内長孔15に係合し、仲介片14が装置箱11内において案内長孔15で規制した一定位置で縦動するようにしてある。
【0009】
装置箱11の障子戸先側面を開放して露出させた前記仲介片14の戸先側の表面には連結片16を止着して仲介片14と一体的に縦動するようにしてあり、この連結片16の上下の端部には、前記縦框1に設けた縦溝17に沿って縦動する上下の縦動片18A,18Bを止着し、各縦動片18A,18Bにはそれぞれ前記施錠片2を設けて、この施錠片2が前記縦枠3の障子D側の内面に設けた前記施錠受片4を係離するようにしてある。
【0010】
すなわち、第一腕片8は、ハンドル軸7の回動に伴って回動し、この結果、図2において反時計廻り方向に回動して第一枢支ピン13を介してリンク片12を、第二枢支ピン13´を中心に回動させつつ降下させ、リンク片12には第二枢支ピン13´を介して仲介片14を連けいさせてあるので仲介片14は降下し、この仲介片14には連結片16を介して縦動片18A,18Bを組付けてあるため、各縦動片18A,18Bも降下し、この結果、施錠受片4に重なり合って障子Dの施錠状態を確保していた施錠片2は該受片4位置から離脱し、障子Dの開放可能状態が得られるのである。
【0011】
なお、施錠状態に戻すには、内部ハンドル5を操作してハンドル軸7を逆方向に回動させることにより各部材は原位置に復帰して図2で示す状態となる。
【0012】
本発明に係る施錠装置は、前記のハンドル軸7を、障子Dの外部(屋外)側から回動させて前記と同様に施錠片2を施錠受片4位置から離脱させて障子開放可能状態を得られるようにしたもので、そのため、実施例ではハンドル軸7の先端側に突設した前記第二腕片9の先端を前記内腔部1aより縦長の窓孔19を通じて障子Dの戸先側の外部に突出させて配し、該先端(第二腕片9の)の屋外面側には、該先端のハンドル軸7を中心とする回動軌跡と交叉する位置にして案内材20を配して前記縦框1の屋内面にねじ24で止着し、該案内材20の縦方向の両側に設けた案内溝20a,20aに両端を摺嵌するようにして駆動片21を前記案内材20に組付けてある。そして、駆動片21は、下端に、第二腕片9(の先端)を押圧する押圧部片21aを備えた主体部片21´の屋外面側の裏面に前記案内溝20aに摺嵌する補助部片21´´を止着して構成し、補助部片21´´の縦方向に沿う中央に常時圧接する板ばね23を前記案内材20の案内溝20a,20a間の中央に設けて当該駆動片21の定位置が保持されるようにしてある。そしてまた、駆動片21(主体部片21´)の前記障子戸先側の一端の上端部からハンドル片6´を突設し、該ハンドル片6´を、障子閉塞時における障子Dの戸先部と縦枠3とで構成される移動間隙26を通じて障子外部(屋外)側に導出して外部(屋外側)ハンドル6と成し、ハンドル6はハンドル片6´の先端に押圧部片6´´を設けたものである。
【0013】
なお、移動間隙26はハンドル片6´(外部ハンドル6)の移動位置に見合う位置、また、上下の移動幅に見合う幅(長さ)であればよく、この間隙26を通じての雨、風は、図1で示すように、縦枠3の屋内外方向の中間部に設けた屋外側水気密材27が障子Dの戸先側端部(乃至ハンドル片6´)に接してその侵入を防止し、なおまた、前記縦枠3の屋内端部片3aに備えた屋内側水気密材27aに縦框1の屋内端が接して屋内への侵入を確実に防ぐようにしてある。
【0014】
また、縦框1に基板29を固着し、該基板29に前記ハンドル軸7を中心とする円周に沿う円弧状の長孔30を設け、この長孔30に第二腕片9の中間部に設けたピン28を係合して、第二腕片9が設計通りに円運動をするようにしてあり、この第二腕片9の移動角度と前記第一腕片8の移動角度はほぼ90°に設定してある。
【0015】
しかして、ハンドル片6を押圧部片6´´において押下すると、板ばね23の圧接によって生じる接触抵抗に抗して駆動片21は案内材20に沿って降下し、駆動片21(の押圧部片21a)は案内材20と交叉位置に位置する(駆動片21の移動路上に存する)第二腕片9の先端を押圧してこれをハンドル軸7を中心として回動降下させ、これに伴ってハンドル軸7を回動させ、前記の通りの各部の動きにより障子Dの開放可能状態を得られるのである。
【0016】
そして、内部ハンドル5を回動させて原位置に復帰させることにより、これに連動して外部ハンドル6も原位置である施錠位置に復帰することは勿論である。
【0017】
【発明の効果】
本発明は前記の通りの構成であるから、外部ハンドルを縦動させない限り、屋外側からの扉の開放はできないから、従来の回動式の外部ハンドルと較べ誤操作を可及的に回避させることができる。また、外部ハンドルは、扉(障子)を通さないで扉の屋内側で施錠装置に連けいするものであるから、実施例のようにガラスパネルを端縁一杯に配した扉(障子)に対しても適用でき、従って、適用範囲の広い施錠装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】横断面図。
【図2】図1のa−a線断面図。
【図3】装置箱を断面して示した装置箱内部の正面図。
【図4】図1のb−b線断面図。
【図5】内外ハンドルの位置関係を示す説明図。
【符号の説明】
1 縦框
2 施錠片
3 縦枠
4 施錠受片
5 内部ハンドル
6 外部ハンドル
6´ ハンドル片
7 ハンドル軸
9 第二腕片
18A,18B 縦動片
20 案内材
21 駆動片
26 移動間隙
Claims (1)
- 障子縦框に該縦框の屋内側に配した内部ハンドルのハンドル軸の回動に連動して縦動する縦動片を設け、該縦動片に縦枠に設けた施錠受片を係離する施錠片を設けると共に、前記ハンドル軸に腕片を突設し、該腕片の回動軌跡と交叉する位置関係にして案内材を前記縦框に縦設し、該案内材の縦方向の両側に案内溝を設け、該案内溝に両端を摺嵌させて駆動片を前記案内材に組付け、該案内材に設けた板ばねが常時圧接して定位置が保持され、しかも、前記案内材に沿って縦動して前記腕片を押圧する前記駆動片にハンドル片を突設し、該ハンドル片の先端を前記縦框と前記縦枠間に設けた移動間隙を通じて屋外側に導出して外部ハンドルとした、高層建物の非常侵入口扉の施錠装置。
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