JP2007076085A - プリンタおよびレンズ検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズシートのレンズピッチの検出精度を向上させると共に、レンズシートの配置の自由度を増大させることが可能なプリンタおよびレンズ検出方法を提供すること。
【解決手段】レンズシート12に印刷を実行するプリンタであり、インク滴をレンズシート12に吐出させる印刷ヘッドを備え、キャリッジモータの駆動により主走査方向に移動するキャリッジ30、レンズシート12に向けて光を出射し、かつ搬送状態においてレンズシート12を挟みキャリッジ30とは反対側に設けられる発光部61と、キャリッジ30に取り付けられ、発光部61から出射されレンズシート12を透過する光が入射され、その光の強度に応じた検出信号を出力する受光部62と、受光部62から出力される検出信号を反映させて、キャリッジモータ、紙送りモータおよび印刷ヘッドのうち少なくとも1つを制御駆動する制御手段と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリンタおよびレンズ検出方法に関する。
各種の印刷技術の中には、多数のシリンドリカル凸レンズ(以下、凸レンズとする。)が並列配置されたレンチキュラーレンズを具備するレンズシートの記録層に、印刷画像を印刷するものがある。かかる印刷技術では、レンズシートの記録層に、凸レンズのピッチに対応させたストライプ状の細分化画像を多数並べて記録する。そして、細分化画像の種類に応じて、視認される画像が立体視されたり、見る角度を変えて動く写真(アニメーション画像)とすることが可能となる。
ところで、レンチキュラーレンズを用いた印刷の際の、解決すべき課題の1つとしては、レンズシートを製造する際に発生するレンズピッチの揺らぎがある。この揺らぎは、レンズシートの製造時の熱やプレスの影響によって生じるものであるが、それ以外に、レンズ保管場所の温度や湿度の影響によっても生じる。かかる揺らぎは、製造方法によっても変化するものの、60lpi(lens per inch)の時に、0.5〜0.01lpiのレンズ解像度の揺らぎが生じる。
かかるレンズ解像度の揺らぎを解決する方法の1つとしては、印刷前に使用するレンチキュラーレンズの解像度を調べた後に、その解像度に基づいて記録層に印刷画像を形成する手法がある。ここで、レンズ解像度の調べ方としては、検査用画像に対して、レンチキュラーレンズを重ね合わせ、その際に発生するモアレの状態で解像度を決定するものがある。しかしながら、この方法は、手作業で検査を行うため、手間が掛かる、という問題がある。
ここで、レンズ解像度を自動的に調べる方法としては、特許文献1に開示されているものがある。この特許文献1においては、レンズシートにおける凸レンズが、主走査方向に向かって多数配列されている状態においては、反射方式のフォトインタラプタを用いて、そのレンズピッチを検出している。また、レンズシートにおける凸レンズが、副走査方向に向かって多数配列されている状態においては、透過方式のフォトインタラプタを用いて、そのレンズピッチを検出している。
特許第3471930号公報(段落番号0066〜0076、図1、図5、図8、図9等参照)
ところで、上述の特許文献1では、反射方式および透過方式のフォトインタラプタが、共に、受光素子と発光素子(光源)の両方を備える構成が開示されている。しかしながら、受光素子と発光素子を具備するだけでは、レンチキュラーレンズを検出する検出信号が非常に小さくなる場合があり、レンズピッチを検出する検出信号における凹凸の差が生じ難い状態となる場合がある。そのため、レンズピッチの検出精度を高めるためには、一層の工夫を凝らす必要がある。
また、レンズシートの裏面に、例えば白いインク吸収層が形成される等の場合には、光源から出射された光がレンズシートによって反射される等によって、レンズシートを透過する光量が少なくなる。そのため、検出信号には、検出状態に対応する差が一層生じ難い状態となる。特に、反射方式のフォトインタラプタ(反射方式のレンズ検出センサ)を用いる場合、インク吸収層で光が反射する分だけ、光量が減少し易くなっている。このように、光量が減少すると、レンズ検出センサにおいて検出が困難となり、検出状態が悪化してしまう。
また、特許文献1に開示されている透過方式のレンズ検出センサを用いる場合、レンズシートは、凸レンズの長手が主走査方向に沿う配置となるように限定されてしまう。そのため、凸レンズの長手が副走査方向に沿う配置の場合には、レンズピッチを検出することが困難となる。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、レンズシートのレンズピッチの検出精度を向上させると共に、レンズシートの配置の自由度を増大させることが可能なプリンタおよびレンズ検出方法を提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、表面に複数のレンズが配置されているレンズシートに対して印刷を実行するプリンタにおいて、インク滴をレンズシートに向けて吐出する印刷ヘッドを備え、キャリッジモータの駆動により主走査方向に移動するキャリッジと、レンズシートに向けて光を出射すると共に、レンズシートの搬送状態においてレンズシートを挟んでキャリッジとは反対側に設けられる発光部と、キャリッジに取り付けられると共に、発光部から出射された後にレンズシートを透過する光が入射され、該入射される光の強度に応じた検出信号を出力する受光部と、受光部から出力される検出信号を反映させて、キャリッジモータ、レンズシートを搬送するための紙送りモータおよび印刷ヘッドのうち少なくとも1つを制御駆動する制御手段と、を具備するものである。
このように構成した場合には、レンズシートを挟んでキャリッジとは反対側に位置する発光部から光がレンズシートに向かい出射され、該出射された光は、レンズシートを通過した後にキャリッジに取り付けられている受光部に入射される。そして、この受光部では、入射される光の強度に応じた検出信号を出力する。そして、制御手段では、検出信号を反映させて、キャリッジモータ、紙送りモータおよび印刷ヘッドのうち少なくとも1つを制御駆動する。
そのため、受光部では、レンズシートを透過した透過光を受光することが可能となり、また、発光部と受光部とで透過方式のレンズ検出センサが構成される状態となる。そのため、レンズシートに対して反射方式を採用したレンズ検出センサを用いる場合と比較して、受光部で捕えることのできる光量が多くなり易く、レンズピッチ(レンズ位置も含む)の検出性能が向上する。また、受光部がキャリッジに取り付けられているため、レンズシートは、各レンズの長手を副走査方向または主走査方向のいずれの方向に沿わせる配置としても、レンズピッチを良好に検出することができる。すなわち、レンズシートを設置する向きの自由度を増やすことができる。
また、上述のようにして受光部から出力された検出信号に基づいて、制御手段は、キャリッジモータ、紙送りモータおよび印刷ヘッドのうち少なくとも1つを制御駆動する。そのため、精度の良いレンズピッチの検出結果を反映させながら、印刷を実行することが可能となる。それにより、レンズシートに印刷される、立体画像およびアニメーション画像の画質を向上させることが可能となる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、発光部は、主走査方向に沿う方向を長手とするものである。このように構成した場合には、レンズシートは、各レンズの長手を副走査方向に沿わせる配置としても、レンズシートのレンズピッチの検出を良好に行うことが可能となる。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、発光部は、キャリッジと対向するプラテンに取り付けられているものである。このように構成した場合には、発光部は、レンズシートを挟んでキャリッジと対向する配置となり、レンズピッチを光の透過方式にて確実に検出することが可能となる。また、印刷時には、発光部は、レンズシートによって覆われる状態となる。このため、印刷ヘッドから吐出されるインク滴が、直接的に発光部に付着するのを防止することが可能となり、発光部に対するインク滴の付着により、一定期間の間、レンズピッチの検出精度が悪化するのを抑えることが可能となる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、受光部は、キャリッジのうちレンズシートの搬送方向の上流側の部位、かつ主走査方向におけるホームポジションから離間する側に取り付けられているものである。
このように構成した場合には、レンズシートの紙送りの早い段階で、レンズピッチを検出することが可能となる。また、印刷を開始する初期段階では、印刷ヘッドよりも先にレンズ検出手段がレンズシートに差し掛かるため、1走査でレンズピッチの検出と印刷とを同時に行うことが可能となる。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、発光部は、光を生じさせる多数の光源が並べられて構成される光源群と、この光源群よりも受光部側に位置していると共に光源群で生じた光を拡散させる拡散部材と、を具備するものである。
このように構成した場合には、光源群で生じた光が、受光部側に向かって出射するに先立って、拡散部材を通過し、種々の方向に拡散される。それにより、拡散部材から受光部に向かい多数の発光部から出射される光が均一化され、面光源に近づく状態となる。そのため、受光部では、レンズの凹凸に対応した光の強弱を検出することが可能となり、レンズピッチを良好に検出することが可能となる。
また、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、発光部は、ライン状に光を生じさせると共に主走査方向に沿う方向を長手とするライン状光源を具備するものである。
このように構成した場合には、受光部が主走査方向に移動しても、常にライン状光源と対向する状態を維持可能となる。そのため、レンズの凹凸に対応する光の強弱を検出することが可能となり、レンズピッチを良好に検出することが可能となる。
さらに、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、発光部は、光を生じさせる光源と、光源が長手の一端側に配置されると共に、光源で生じた光が内部を進行し該光を導く導光部材と、光源で生じた光を導光部材に向けて反射させるリフレクタと、導光部材に取り付けられると共に、該導光部材のうち受光部が存在する側とは反対側に設けられ、導光部材の内部を進行する光の向きを変更するための反射ドットと、導光部材に取り付けられると共に、光源が配置される側と受光部が存在する側とを除いた側に設けられ、導光部材の内部を進行する光を反射させるための反射部材と、導光部材に取り付けられると共に、受光部が存在する側に設けられ、導光部材から出射される光を拡散させるための拡散部材と、を具備するものである。
このように構成した場合には、光源で生じた光は、直接的に、またはリフレクタによる反射後に、導光部材の内部に導入される。そして、導光部材の内部では、光は反射部材による反射を繰り返しながら、いずれは反射ドットに衝突する。そして、反射ドットに衝突した光は、受光部側へと進行方向が変更される。続いて、光は拡散部材を通過し、種々の方向に拡散される。このように、導光部材の一端側に存在する光源で生じた光に対して各部材が作用することにより、受光部に向かう光が均一化され、受光部側に向かって面光源状として出射される。そのため、受光部では、レンズの凹凸に対応した光の強弱を検出することが可能となり、レンズピッチを良好に検出することが可能となる。
また、他の発明は、表面に複数のレンズが配置されているレンズシートに対して印刷を実行するプリンタにおいて、インク滴をレンズシートに向けて吐出する印刷ヘッドを備え、キャリッジモータの駆動により主走査方向に移動するキャリッジと、レンズシートに向けて光を出射すると共に、レンズシートの搬送状態においてレンズシートを挟んでキャリッジとは反対側に設けられると共にレンズシートの主走査方向における幅寸法よりも大きな長さ寸法を有する発光部と、キャリッジに取り付けられると共に、発光部から出射された後にレンズシートを透過する光が入射され、該入射される光の強度に応じた検出信号を出力する受光部と、受光部から出力される検出信号を反映させて、キャリッジモータ、レンズシートを搬送するための紙送りモータおよび印刷ヘッドのうち少なくとも1つを制御駆動する制御手段と、を具備するものである。
このように構成した場合には、レンズシートを挟んでキャリッジとは反対側に位置する発光部から光がレンズシートに向かい出射され、該出射された光は、レンズシートを通過した後にキャリッジに取り付けられている受光部に入射される。この場合、発光部の長さ寸法は、レンズシートの幅寸法よりも大きいため、主走査方向に沿うレンズシートの幅方向の全体を、発光部が照射することが可能となる。このため、レンズシートの一部のみを照らす発光部が存在する構成と比較して、レンズシートに対してより均一に光を出射させることが可能となる。
さらに、他の発明は、表面に複数のレンズが配置されているレンズシートのレンズピッチを検出するレンズ検出方法において、レンズシートの搬送状態においてレンズシートを挟み印刷ヘッドが配置される側とは反対側に設けられると共に該印刷ヘッドが移動する主走査方向を長手とする発光部から光を生じさせる発光工程と、発光工程で生じた光をレンズシートに向けて出射させると共に、該レンズシートへの出射に先立って発光部で生じた光を拡散させ、該拡散後にレンズシートに向けて光を出射する拡散出射工程と、拡散出射工程により光を拡散させて出射した後に、レンズシートを通過する光を印刷ヘッドが設けられているキャリッジに存在する受光部で受光する受光工程と、受光工程で受光される光の強度に応じた検出信号を出力する信号出力工程と、信号出力工程によって出力される検出信号を反映させて、キャリッジを移動させるためのキャリッジモータ、レンズシートを搬送するための紙送りモータおよび印刷ヘッドのうち少なくとも1つを制御駆動する制御工程と、を具備するものである。
このように構成した場合には、発光工程では、レンズシートの搬送状態においてレンズシートを挟み印刷ヘッドが配置されている側とは反対側において、主走査方向を長手とする光が生じさせられる。また、拡散出射工程では、出射に際して発光部で生じた光を拡散させて出射させる。また、受光工程では、レンズシートを通過する光を印刷ヘッドが設けられているキャリッジに存在する受光部によって受光される。また、信号出力工程では、受光工程で限定された光が、キャリッジに取り付けられている受光部で光を受光され、その光の強度に応じた検出信号が出力される。また、制御工程では、出力される検出信号を反映させて、キャリッジを移動させるためのキャリッジモータ、紙送りモータおよび印刷ヘッドのうち少なくとも1つの駆動が制御される。
このように、発光工程では、レンズシートの搬送状態においてレンズシートを挟み印刷ヘッドが配置される側とは反対側において光を生じさせる。そのため、レンズシートを透過した透過光を受光することが可能となり、発光部と受光部とで透過方式のレンズ検出センサを構成する状態となる。それにより、レンズシートの透過/反射による反射方式のレンズ検出センサを用いる場合と比較して、レンズピッチの検出精度を向上させることが可能となる。また、受光工程では、キャリッジに取り付けられている受光部で受光するため、レンズシートを各レンズの長手に副走査方向または主走査方向のいずれが沿う配置としても、レンズピッチを良好に検出することができる。すなわち、レンズシートを設置する向きの自由度を増やすことができる。
また、上述のようにして受光部から出力された検出信号に基づいて、制御工程では、キャリッジモータ、紙送りモータおよび印刷ヘッドのうち少なくとも1つを制御駆動すれば、精度の良いレンズピッチの検出結果を反映させながら、印刷を実行することが可能となり、レンズシートに印刷される、立体画像およびアニメーション画像の画質を向上させることが可能となる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明のプリンタの第1の実施の形態について、図1から図14に基づいて説明する。なお、本実施の形態のプリンタ10は、インクジェット式のプリンタであるが、かかるインクジェット式プリンタは、インクを吐出して印刷可能な装置であれば、いかなる吐出方法を採用した装置でも良い。
なお、以下の説明においては、下方側とは、プリンタ10が設置される側を指し、上方側とは、設置される側から離間する側を指す。また、後述するキャリッジ30が移動する方向を主走査方向、主走査方向に直交する方向であってレンズシート12が搬送される方向を副走査方向とする。また、レンズシート12が供給される側を給紙側(後端側)、レンズシート12が排出される側を排紙側(手前側)として説明する。
最初に、印刷対象物であるレンズシート12について説明する。図1に示すように、レンズシート12は、表面に位置するレンチキュラーレンズ12Aと、このレンチキュラーレンズ12Aの裏面と接するインク吸収層12Bと、該レンズシート12の裏面に位置するインク透過層12Cとを具備している。これらのうち、レンチキュラーレンズ12Aは、複数のシリンドリカル凸レンズ(凸レンズ12A1)が、一定のピッチで並列配置された構成となっている。レンチキュラーレンズ12Aにおいては、それぞれの凸レンズ12A1を進行する光の焦点が、レンチキュラーレンズ12Aの裏面(インク吸収層12Bとの境界面Q)に位置するように、凸レンズ12A1の曲率が形成されている。
なお、本実施の形態では、レンチキュラーレンズ12Aにおける凸レンズ12A1の並びのピッチは、後述する符号板81のラインパターンの並びのピッチの整数倍とするものがある。例えば、符号板81が1/180インチである場合、凸レンズ12A1のピッチは、30lpi(lens per inch;1インチ当たりの凸レンズ12A1の本数)、45lpi、60lpi、90lpiとするものがある。しかしながら、凸レンズ12A1のピッチは、これらの例示には限られず、例えば100lpiのように、種々変更するようにしても良い。また、レンズシート12においては、通常は、製造誤差等によって、上述の凸レンズ12A1のピッチから、若干ずれが生じている。
また、インク透過層12Cは、ノズルから吐出されたインク滴が最初に付着する部分であり、該付着したインクが透過していく部分である。このインク透過層12Cは、例えば酸化チタン、シリカゲル、PMMA(メタクリル樹脂)等を材質として形成されている。また、インク吸収層12Bは、インク透過層12Cを透過したインクを吸収/固着させる部位である。このインク吸収層12Bは、例えばPVA(ポリビニルアルコール)等の親水性ポリマー樹脂、カチオン化合物、シリカ等の微粒子等を材質として形成されている。なお、インク吸収層12B/インク透過層12Cは、共に白色であるが、本実施の形態では、インク透過層12Cの方が、インク吸収層12Bよりも、白色の度合いが強くなっている。
また、図2他に示すように、プリンタ10は、キャリッジモータ(CRモータ22)によってキャリッジ30を主走査方向に往復動させるキャリッジ機構20、PFモータ41(紙送りモータに対応)によってレンズシート12を搬送する用紙搬送機構40等があり、その他、図2および図13等に示す制御部100が存在する。
ここで、キャリッジ機構20について説明する。キャリッジ機構20は、図2他に示すように、キャリッジ30を具備している。また、キャリッジ機構20は、キャリッジ30を摺動可能に保持するキャリッジ軸21と、キャリッジモータ(CRモータ22)と、このCRモータ22に取り付けられている歯車プーリ23と、無端のベルト24と、歯車プーリ23との間にこの無端のベルト24を張設する従動プーリ25と、リニアエンコーダ80と、を備えている。
また、図3等に示すように、プラテン50に対向する状態で、キャリッジ30が設けられている。キャリッジ30には、図2、図9等に示すように、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、K(ブラック)、の各インクをそれぞれ収納している、例えば4つのカートリッジ31が、着脱可能に搭載される。なお、搭載されるカートリッジ31は、4色に限られるものではなく、6色、7色および8色等、何色分であっても良い。また、カートリッジ31に充填されるインクは、染料系インクには限られず、顔料系インク等、他の種類のインクを搭載しても良い。
図3等に示すように、キャリッジ30の下部には、印刷ヘッド32が設けられている。図4に示すように、印刷ヘッド32には、ノズル33aがレンズシート12の搬送方向(副走査方向)に列状に配置され、それぞれの色のインクに対応したノズル列33を形成している。なお、本実施の形態では、ノズル列33は、例えば180個のノズル33aから構成されており、このうち、180番目のノズル33aが給紙側、1番目のノズル33aが排紙側に位置している。
また、キャリッジ30の下部に設けられ、各インクに対応づけられたノズル列33には、ノズル33a毎に、ピエゾ素子(不図示)が配置されている。このピエゾ素子の作動により、インク通路の端部にあるノズル33aからインク滴を吐出することが可能となっている。なお、印刷ヘッド32は、ピエゾ素子を用いたピエゾ駆動方式に限られず、その他の方式を用いても良い。その他の方式としては、例えば、インクをヒータで加熱し、発生する泡の力を利用するヒータ方式、磁歪素子を用いる磁歪方式、静電気力を利用した静電方式、ミストを電界で制御するミスト方式等が、主な方式として挙げられる。
また、図3等に示すように、プリンタ10は、用紙搬送機構40を具備している。用紙搬送機構40は、レンズシート12等の印刷対象物を搬送する駆動力を与えるPFモータ41(図2参照)、および普通紙等の給紙に対応する給紙ローラ42を具備している。また、この給紙ローラ42よりも排紙側には、レンズシート12を搬送/挟持するためのPFローラ対43が設けられている。なお、PFローラ対43のうち、PF駆動ローラ43aは、PFモータ41からの駆動力が伝達され、レンズシート12の1ステップずつの搬送を可能としている。
また、PFローラ対43の排紙側には、プラテン50および上述の印刷ヘッド32が上下に対向する様に配設されている。プラテン50は、PFローラ対43によって印刷ヘッド32の下へ搬送されてくるレンズシート12を、下方側から支持する。
ここで、プラテン50の側断面図の一例を、図5に示す。図5に示すように、プラテン50には、該プラテン50の基準平面50aから上方に向かい、レンズシート12等が接触する複数のリブ50bが突出している。
また、図3に示すように、プラテン50よりも排紙側には、上述のPFローラ対43と同様の、排紙ローラ対44が設けられている。この排紙ローラ対44のうち、排紙駆動ローラ44aは、PFモータ41からの駆動力が伝達されて、回転する。なお、PFモータ41は、その駆動力をPF駆動ローラ43aと排紙駆動ローラ44aとに分配させる構成を採用している。しかしながら、PFモータ41以外に、別途のモータを設け、そのモータによって排紙駆動ローラ44aを駆動させる構成を採用しても良い。
また、プリンタ10のうち、排紙側とは逆の後端側かつ給紙ローラ42の下方側には、開口部45が設けられている。開口部45は、レンズシート12等の折り曲げ困難な印刷対象物を通過させるための、プリンタ10の後端側における開口部分である。そのため、開口部45は、レンズシート12を通過させるのに十分な、主走査方向における幅を有している。なお、レンズシート12は、それ単体で開口部45を通過するようにしても良く、また厚みのあるトレイ等に載置された状態で通過するようにしても良い。
また、図1および図6に示すように、キャリッジ30の下面とプラテン50の間の部位には、レンズ検出センサ60が配置されている。レンズ検出センサ60は、レンズシート12の凸レンズ12A1のレンズピッチを検出するためのものである。このレンズ検出センサ60は、光の投受光方式(透過方式)のセンサであり、図1および図6等に示すように、発光部61と、受光部62とを有している。これらのうち、発光部61は、搬送されるレンズシート12よりもプラテン50側(下方側)に設けられている。また、受光部62は、搬送されるレンズシート12よりもキャリッジ30側(上方側)に設けられている。
図1に示すように、本実施の形態における発光部61は、光の出射側とは反対側に光源612が配置される直下方式の構成を採用しており、光源群611と、この光源群611を覆う拡散部材としての拡散板613とを有している。この発光部61は、プラテン50の後端側(レンズシート12の給紙側)に設けられている。そのため、プラテン50の副走査方向における長さ寸法は、発光部61が存在する分だけ、レンズシート12の給排紙に必要な分よりも若干長く設けられている。しかしながら、発光部61が設けられる部位は、プラテン50には限られず、その他の固定的な部位に設けるようにしても良く、また、プラテン50の前端側に設けるようにしても良い。なお、このように、発光部61をプラテン50の後端側に設けることにより、後述する発光部61と受光部62とが対向するように設けられている。
また、発光部61は、プラテン50の後端側に存在する凹陥部51に設けられている。凹陥部51は、プラテン50の他の部分よりも窪んでいる部分である。この凹陥部51は、光源群611(光源612)が拡散板613に対して一定の距離だけ離間可能となるように、一定以上の深さ寸法を有する状態に設けられている。
また、光源群611は、多数の光源612が主走査方向に並べられて構成されている。これら光源612は、所定の色の光を発することが可能な発光ダイオード(LED;light emitting diode)である。なお、LEDとしては、可視光または赤外光等の種々の波長の光を発するものがあるが、ユーザにとって眩しさが感じ難いという観点から見ると、赤外光を発する赤外LEDを用いることが望ましい。また、これらの光源612は、所定の間隔毎に配置されていると共に、光源612の指向性を考慮して、レンズシート12に対して一定の間隔だけ離間する状態で配置されている。それにより、光源612から出射された光は、拡散板613に対して、若干の広がりを有した状態で照射される。
また、拡散板613は、光源612から出射された光が当たる部分であるが、この拡散板613により、光源612から出射された光の進行方向が種々変更される。それにより、拡散板613を通過した光は、そのコントラストの均一化が図られた状態で、レンズシート12に向かって出射される。
なお、本実施の形態では、光源612が並べられた光源群611は、レンズシート12の規定の幅よりも大きくなるように設けられている。そのため、レンズシート12に対して入射される光のコントラストに、大きな差異が生じないように設けられている。また、光のコントラストを一層低減したい場合には、光源群611を構成する光源612の配置を変更して、多数の光源612を千鳥状となるように配置するようにしても良い。また、上述の拡散板613は、省略する構成を採用しても良い。
また、キャリッジ30の下面には、発光部61から出射された光を受光して、レンズシート12の凸レンズ12A1のレンズピッチを検出するための、受光部62が設けられている。この受光部62は、キャリッジ30の下面(図4および図9参照)に取り付けられていて、しかも、主走査方向において、例えばホームポジションから離間する部位、かつ副走査方向において給紙側に取り付けられている。しかしながら、受光部62の取付位置は、かかる部位には限られず、キャリッジ30の下面のうち、例えば主走査方向の中央部に取り付けられる構成としても良い。
本実施の形態では、受光部62は、基体部621、受光素子623およびスリット板624を有している。このうち、基体部621は、受光素子623を取り付ける部分であり、該受光素子623を取り付けるための収納部622を有している。この収納部622は、四方が板状部材で囲まれる状態となっている。そして、この板状部材で囲まれた収納部622に受光素子623が取り付けられ、下面側のみが開放している。それによって、一定の拡散光の受光を防止するように構成されている。
また、受光素子623は、例えばフォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトIC等のような、受光した光を電気信号に変換することが可能な素子である。また、収納部622の下面側には、スリット板624が取り付けられている。このスリット板624には、光の通過を許容するスリット624aが形成されていて、該スリット624aを介して所定の方向の光(図1においては光軸Lに沿う方向の光)の受光を許容する構成となっている。
また、スリット624aの幅寸法は、凸レンズ12A1のレンズ幅の1/2以下であることが望ましい。しかしながら、スリット624aの幅寸法が狭すぎる場合、プラテン50とキャリッジ30との間のギャップ調整がシビアになり、良好な検出が行えなくなる虞がある。このため、スリット624aの幅寸法は、一定の寸法値以上とする必要がある。また、スリット板624のうち、スリット624a以外の部分に照射された光は、該スリット板624によって遮断される。かかる構成により、光軸Lに沿う方向以外の拡散光が受光素子623で受光されるのが防止されている。
なお、上述のようなスリット板624を設けない構成を採用しても良い。この場合には、受光素子623におけるレンズピッチの検出精度は悪化するものの、各凸レンズ12A1の有する集光作用等により、レンズシート12のレンズピッチの検出を行うことは可能である。
ここで、発光部61から出射された光は、境界面Qのうち各凸レンズ12A1の曲率中心を焦点とする拡散光であり、この焦点から出射される光は、該境界面Qの所定の焦点から離間するにつれて、徐々に拡散されていく。そのため、受光部62が発光部61に対して遠い場合よりも、受光部62が発光部61に対して近い場合の方が、光がさほど拡散しない状態で受光部62に入射され、好ましい。そこで、本実施の形態では、受光部62は、レンズシート12の搬送状態において、該レンズシート12に接触しないものの、このレンズシート12に対して搬送性を悪化させない程度に近接する配置となっている。
また、発光部61の光源612の光軸方向は、受光部62における受光素子623の光軸方向と略一致しているのが最適な状態である。この場合、発光部61と受光部62とを結ぶ光軸方向(図1においては、光軸Lに沿う方向)が、搬送されるレンズシート12の法線方向と略一致していれば、好ましい状態となる。しかしながら、発光部61と受光部62との間の位置関係は、これには限られず、レンズシート12の法線方向に対して、若干傾斜した状態に設けられていても良い。また、受光素子623におけるレンズピッチの検出状態が良好であれば、光源612の光軸方向と受光素子623の光軸方向とが、互いにずれる配置となっていても良い。
なお、発光部61が直下方式を採用する場合、その構成は、図1に示すものには限られず、例えば図7に示す発光部63を用いるようにしても良い。この図7に示す構成においては、凹陥部51の長手方向の寸法に対応する長さ寸法を具備するライン状光源631を用いている。ライン状光源631としては、具体的には、陰極蛍光ランプ(CFL;Cathode Fluorescent Lamp)、冷陰極蛍光ランプ(CCFL;Cold Cathode Fluorescent Lamp)、またはエレクトロルミネセンス(EL;Electro Luminescence)等を用いることが可能である。
かかる図7に示す発光部63も、上述の図1に示す発光部61と同様の、拡散板632(拡散部材に対応)を有している。しかしながら、この図7に示す発光部63は、その他の部材として、反射部材633を有している。この反射部材633は、凹陥部51の底面に設けられていて、ライン状光源631で生じた光を上方側(キャリッジ30側)に向けて反射させるためのものである。ここで、反射部材633は、凹陥部51の底面に設けられるる場合には限られず、凹陥部51の側壁面に取り付けるようにしても良い。
なお、ライン状光源631は、単に直線状に設けられているものを用いても良いが、U字状となるように1回曲げるように配置しても良く、また2回以上曲げて凹陥部51に配置するようにしても良い。また、光源としては、光源612またはライン状光源631の他に、可視光または赤外光のようなレーザ光を生じさせることが可能なレーザ発振器、ランプ等を用いるようにしても良い。
また、上述のように、レンズシート12とキャリッジ30との間の距離を測定すべく、キャリッジ30の下面には、レンズ検出センサ60以外に、ギャップ検出センサ70が存在するのが好ましい。図8は、ノズル33aからレンズシート12までの距離PGを検出するギャップ検出センサ70の説明図である。この図8において、ギャップ検出センサ70は、発光部71と、2つの受光部(第1受光部72a及び第2受光部72b)とを有する。発光部71は、発光ダイオードを有し、レンズシート12に光を照射する。第1受光部72aは、受光した光量に応じた電気信号を出力する受光素子を有する。第2受光部72bは、第1受光部72aと同様の受光素子を有している。第2受光部72bは、第1受光部72aと比較して、発光部71から遠い位置に設けられている。
発光部71から発せられた光は、レンズシート12に照射されると共に、反射される。反射された光は、上述の受光素子に入射され、この受光素子において入射した光量に応じた電気信号に変換される。ここで、ノズル33aからレンズシート12までの距離PGが小さい場合、レンズシート12によって反射した光は、主に第1受光部72aに入射されるが、第2受光部72bには拡散光しか入射されない。したがって、第1受光部72aの出力信号は、第2受光部72bの出力信号よりも大きくなる。
一方、ノズル33aからレンズシート12までの距離PGが大きい場合、反射された光は、主に第2受光部72bに入射され、第1受光部72bには拡散光しか入射されない。したがって、第2受光部72bの出力信号は、第1受光部72aの出力信号よりも大きくなる。このため、第1受光部72aと第2受光部72bの出力信号の比と距離PGとの関係を予め求めておけば、該出力信号の比に基づいて、レンズシート12等に対応する距離PGを検出することが可能である。この場合、受光部72a,72bの出力信号の比と距離PGとの関係に関する情報をテーブルとしてROM102や不揮発性メモリ110に記憶しておくのが良い。
このような出力信号の検出を、キャリッジ30を主走査方向へ駆動させつつ行う。この駆動に際して、後述するリニアエンコーダ80の位置検出と対応させることにより、レンズシート12の主走査方向における距離PGを検出することが可能となる。
なお、ギャップ検出センサ70は、上述したレンズ検出センサ60と兼用させることも可能である。この場合、発光部61の光軸が傾斜するように配置し、距離PGに応じて第1受光部72aと第2受光部72bとの間における出力信号の比が変化するようにすれば、ギャップ検出センサ70とレンズ検出センサ60とを兼用させることが可能となる。
良い。
また、これ以外の構成のギャップ検出センサを採用することも可能であり、例えば、光ピックアップと同様な、レーザ光等の光出力部、コリメータレンズ、偏光ビームスプリッタ、1/4波長板、対物レンズ、受光部を具備する構成を採用することも可能である。また、紙検出の際に用いられる反射型のセンサ(PWセンサ等)と、上述のレンズ検出センサ60との機能を兼用化させるようにしても良い。
また、図2等に示すように、キャリッジ機構20には、リニアエンコーダ80が設けられている。リニアエンコーダ80は、符号板81と、リニアセンサ82とを有している。符号板81は、キャリッジ30の給紙側の部位に、該キャリッジ30と対向状態で設けられている。この符号板81には、所定の間隔毎に白黒/スリット等によるラインパターンが設けられている。なお、かかるラインパターンにおける所定の間隔としては、例えば1/180インチごととするものがある。しかしながら、白黒のラインパターンの間隔はこれには限られず、種々変更可能である。
また、キャリッジ30のうち、符号板81と対向する背面側には、リニアセンサ82が取り付けられている。リニアセンサ82は、符号板81に向けて光を出力すると共に、該符号板81から反射される光を、電気的な信号に変換して、後述する制御部100に送信している。
続いて、信号形成部90の構成について説明する。図10に示すように、信号形成部90は、フィルタ91と、アンプ(AMP)92と、2値化処理部93とを具備している。これらのうち、フィルタ91は、信号線94の一端側と接続されている。信号線94の他端側は、上述した受光部62(受光素子623)に接続されている。このため、受光部62で発生したアナログ信号は、この信号線94を介してフィルタ91に伝達されるが、フィルタ91では、かかるアナログ信号(図11参照)のうち所定の帯域以外の周波数成分が除去される。それにより、図11に示すようなデジタル信号が生成される。
なお、フィルタ91は、予め規定の帯域のアナログ信号を通過させるように設計されているが、かかる設計に際しては、高速フーリエ変換(FFT)を行うことにより、種々の周波数のノイズが混在されている、図11に示すような時間軸および電圧軸とで示されるアナログ信号を、周波数軸と出力軸とで示されるスペクトル分布に変換する。
この一例が、図12に示すものである。図12は、100lpiのレンズシート12のレンズピッチを検出した場合のスペクトル分布である。かかる図12においては、14.4kHzの周波数の信号は、例えばノズル33aの吐出タイミングの際の振動の影響により生じるものである、ということが事前に分かっている。それにより、残りの2kHz付近の周波数の信号は、レンズ検出信号である、ということが判明する。そこで、かかる14.4kHzのような高周波側の信号を除去すると共に、2kHz付近の信号のみを通過させるように、フィルタ91を設計する。
かかる設計の一例としては、レンズシート12のレンズピッチが100lpiの場合には、2kHzを中心に、1.8kHzから2.2kHzまでのレンズ検出信号を取り出すように設計する。また、レンズシート12のレンズピッチが60lpiの場合には、レンズピッチが100lpiの場合の中心周波数2kHzに対して、レンズピッチの割合(この場合は、60lpi/100lpi)を乗算して、1.2kHzを中心周波数とし、この1.2kHzを中心に、1.0kHzから1.4kHzまでのレンズ検出信号を取り出すように設計する。なお、レンズピッチが100lpi,60lpi以外の場合にも、上述の場合と同様のレンズピッチの割合を乗算することにより、中心周波数を求めるようにする。
なお、2kHz付近よりも低い側においては、低周波側のノイズが混在する状態となるため、ノイズ除去のためのフィルタ91としては、バンドパスフィルタ(BPF)が望ましいが、低周波側のノイズの影響が少ない場合には、ローパスフィルタ(LPF)を用いるようにしても良い。
また、フィルタ91を通過した信号は、AMP92に入力され、このAMP92によって所定の電圧等(一例として、40倍等)に増幅される。かかる増幅が為された信号は、続いて2値化処理部93に入力され、この2値化処理部93では、入力された信号をしきい値を超えたか否かで、HレベルまたはLレベルの、2値の信号(2値化信号)とする。この状態で、後述する制御部100に2値化信号を入力し、H/Lの信号の切り替わりタイミングを検出することにより、レンズシート12のレンズピッチが計測可能となる。
次に、制御部100について、図13等に基づいて説明する。制御部100は、制御手段に対応する部分であり、不図示の紙幅検出のためのPWセンサ、レンズ検出センサ60、ギャップ検出センサ70、リニアセンサ82、後述するロータリエンコーダ112、プリンタ10の電源をオン/オフする電源SW等)の各出力信号が入力される。より詳細には、制御部100は、CPU101、ROM102、RAM103、ASIC104、DCユニット105、信号処理部106、PFモータドライバ107、CRモータドライバ108、ヘッドドライバ109、不揮発性メモリ110等を備えている。
CPU101は、ROM102や不揮発性メモリ110等に記憶されているプリンタ10の制御プログラムを実行するための演算処理や、その他の必要な演算処理を行う。また、ROM102には、プリンタ10を制御するための制御プログラムおよび処理に必要なデータ等が記憶されている。また、ASIC104は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、インターフェース111を介してコンピュータ120から供給される印刷信号を受け取ることができる。
RAM103は、CPU101が実行途中のプログラム/演算途中のデータ等を一時的に格納するメモリである。また、不揮発性メモリ110は、プリンタ10の電源切断後も、保持の必要な各種データを記憶するためのメモリである。
なお、ロータリエンコーダ112は、上述のリニアエンコーダ80とは異なり、符号板112aが円盤状に設けられている。しかしながら、それ以外の構成は、リニアエンコーダ80と同様となっている。また、本実施の形態では、ロータリエンコーダ112の符号板112aに設けられている複数のスリットのスリット間隔は、1/180インチとなっていると共に、PFモータ41が1スリット分だけ回転すると、1/1440インチだけ、印刷対象物12が搬送されるように構成されている。しかしながら、スリット間隔および搬送ピッチは、これには限られず、種々設定することが可能である。
また、DCユニット105は、DCモータであるCRモータ22、PFモータ41の速度制御を行うための制御回路である。DCユニット105は、CPU91から送られてくる制御命令、後述する信号処理部106からの出力信号等に基づいて、PFモータ41およびCRモータ22の速度制御を行うための各種演算を行い、その演算結果に基づいて、PFモータドライバ107およびCRモータドライバ108へ、モータ制御信号を送信する。
また、信号処理部106は、上述の2値化処理部93から出力される2値化信号、およびリニアセンサ82から出力されるエンコーダ信号が入力される。信号処理部106では、かかる2値化信号およびエンコーダ信号に基づき、レンズピッチの情報を有する2値化信号を反映させた、モータ駆動信号をCRモータ22に出力する。それにより、CRモータ22においては、検出されたレンズピッチに応じた駆動速度で駆動される。
また、上述の制御部100における各構成は、バス100aによって接続され、各構成の間でデータの授受を可能としている。
また、プリンタ10は、インターフェース111を具備している。このインターフェース111を介して、コンピュータ120が接続されている。なお、このコンピュータ120は、HDD121を具備しており、このHDD121には、レンズシート12の印刷に対応させて画像を加工するための画像加工プログラムが記憶されている。この画像加工プログラムは、後述する(A)または(B)に述べる処理を行うことを可能としている。
以上のような構成を用いて、プリンタ10を作動させる場合の制御の詳細について、図14に基づいて、以下に説明する。
最初に、ユーザは、レンズシート12をプリンタ10にセットする(S11)。この場合、凸レンズ12A1の長手が副走査方向に沿う状態となるようにセットする。レンズシート12がセットされると、制御部100のCPU101は、制御指令を発し、この制御指令に基づいて、CRモータ22が駆動される。それにより、キャリッジ30は、主走査方向に移動して、凸レンズ12A1のレンズピッチの検出を開始する(S12)。
なお、レンズ検出センサ60は、キャリッジ30のうち、ホームポジションから離間する部位に設けられている。そのため、キャリッジ30が主走査方向に向けて移動すると、印刷ヘッド32よりも先にレンズシート12の上部に位置する状態となる。それにより、レンズ検出センサ60は、キャリッジ30の移動と共にレンズシート12の検出を良好に行える状態となっている。
レンズ検出センサ60が作動すると、光源612は発光し(S13;発光工程に対応)、光を出射する。このとき、光源612から出射された光は、そのまま拡散板613に進行するか、または発光部61内での反射を経た後に拡散板613に向かって進行する。そして、出射された光は、拡散板613を通過する(S14;拡散出射工程に対応)。かかる拡散板613の通過に際しては、光は、拡散板613の内部で種々の方向に反射された後に、レンズシート12に向けて出射される。なお、光が拡散板613を通過することにより、該通過後の光はコントラストが低減され、面光源に近づく状態となる。
拡散板613を通過した光がレンズシート12に到達すると、レンチキュラーレンズ12A、インク吸収層12Bおよびインク透過層12Cをそれぞれ通過するか、またはレンチキュラーレンズ12Aとインク吸収層12Bの境界面Q/インク吸収層12Bとインク透過層12Cの境界面P/インク透過層12Cの上面12Caのいずれかで反射される。
ここで、レンチキュラーレンズ12Aは凸レンズであり、光源612から出射された光は、境界面Qに焦点が位置するように集光(結像)される。この焦点を仮想的な光源として、光が受光部62に向かい、インク吸収層12Bおよびインク透過層12Cを拡散しながら進行し、上面12Caから出射される。上面12Caから出射された光は、さらに拡散された状態で、受光部62に入射される(S15;受光工程に対応)。そして、受光素子623では、受光した反射光の光量に対応する電圧のアナログ信号(図11参照)を生じさせる(S16;信号出力工程に対応)。
ところで、受光部62は、レンズシート12に対して近接するように配置されていて、しかも、キャリッジ30と共に主走査方向に移動する。そのため、レンズシート12の法線方向のうち、凸レンズ12A1の突出の頂点を通る光軸Lに、発光部61からの出射光が沿う状態のときに、受光素子623において光が最も強い状態で受光される。このとき、発光部61を出射された光のうち、直進する光は、そのまま受光素子623で受光される。そのため、キャリッジ30が主走査方向に移動している状態においては、発光部61が図1に示す光軸L上に位置するとき、最も光の受光状態が強くなる。それによって、図11に示すような時間軸および電圧軸とで示されるアナログ信号においては、そのピークが凸レンズ12A1の突出の頂点と略一致する状態となる。
上述のようにしてアナログ信号が受光素子623で生成されると、このアナログ信号が信号線94を介してフィルタ91に伝達される。そして、このフィルタ91において所定の帯域以外の周波数成分が除去される(S17)。
その後、信号はAMP92に入力されて、所定の電圧等に増幅され(S18)、続いて2値化処理部93に入力される。2値化処理部93では、入力された信号をしきい値を超えたか否かで、HレベルまたはLレベルの、2値の信号(2値化信号)とする(S19)。すなわち、レンチキュラーレンズ12Aの下面が発光部61とほとんど平行であり、反射される光量が多い場合には、2値化処理部93は、Hレベルの信号を出力し、レンチキュラーレンズ12Aの下面が発光部61と平行を為さず、一定以上の傾斜角度で傾斜している場合には、Lレベルの信号を出力する。
以上のようにして、レンズシート12のレンズピッチがH/Lレベルの2値化信号で表現される。なお、次に述べる印刷の開始後は、この2値化信号が、信号処理部106に入力され、該信号処理部106では、2値化信号と、リニアセンサ82からのエンコーダ信号に基づいて、2値化信号が有するレンズピッチ情報を反映させた制御信号を、DCユニット105に出力し、DCユニット105は、この制御信号に基づく駆動信号をCRモータ22に出力する(S20;制御工程に対応)。それにより、CRモータ22または印刷ヘッド32は、検出されたレンズピッチに応じた駆動速度で駆動され、印刷が実行される(S21)。
ここで、印刷を開始するための印刷用のデータを作成するためには、以下の2つの手法(A)、(B)が代表的なものとして挙げられる。以下、それぞれの詳細について述べる。
(A)印刷を開始する場合には、画像加工プログラムにおける印刷用画像データの作成に際して、レンズピッチの検出結果を反映させる。すなわち、レンズピッチを検出した結果、該レンズピッチのずれ量が、所定範囲を超えている場合、印刷後にユーザが視認する画像は、立体画像として成り立たなかったり、アニメーション画像として成り立たない状態となる。そこで、レンズピッチのずれ量が所定範囲を超えている場合、印刷用画像データは、ずれ量を反映させた状態で画像加工プログラムにより作成される。
なお、レンズピッチにおけるずれ量とは、90lpiのレンズピッチのはずが、実際のレンズシート12においては、0.1lpiの製造誤差が生じていて、90.1lpiとなっている場合の如きである。また、印刷用画像データの形成に際しては、立体画像またはアニメーション画像とするための、複数の異なった画像データを予め準備する必要がある。また、画像プログラムにおいては、画像データを1/Nに圧縮する圧縮処理(N個の画像データがある場合)、圧縮処理に前後して凸レンズ12A1のレンズピッチに応じて画像を分割する画像分割処理、圧縮処理および画像分割処理が為された短冊状の画像データを、それぞれの凸レンズ12A1において適正な部位に配置する配置処理とが行われる。それにより、1つの凸レンズ12A1にN個の圧縮された短冊状の画像データを有する、印刷用画像データが形成される。
ここで、画像加工プログラムは、凸レンズ12A1のレンズピッチに応じて画像を分割する画像分割処理において、画像分割の幅寸法を、レンズピッチのずれ量を反映させて補正する処理を行う。このようにすれば、印刷される画像において、レンズシート12の製造誤差を吸収させることが可能となる。
(B)上述のように、レンズピッチのずれ量を反映させて印刷用画像データを作成しても良いが、個々の凸レンズ12A1内におけるインク滴の吐出の際に、レンズピッチのずれ量を吸収する補正を行うようにしても良い。この場合には、画像加工プログラムは、レンズシート12のレンズ解像度を、伸縮のない状態(理想的な状態)として、短冊状となっている印刷用の細分化画像を作成する。そして、かかる画像作成後、実際にレンズ検出センサ60にて行った検出結果を、インク滴の吐出時に反映させる状態となる。この場合の画像作成の詳細例を以下に述べる。
印刷を開始する場合、画像加工プログラムは、製造時のレンズ解像度と、印字解像度、印刷サイズに応じて、絵柄の異なった複数の画像を短冊状に交差させた1つの細分化画像を作成する。例えば、縦600×横400の画素サイズの画像4枚、レンズ解像度60lpi、印字解像度1440dpi、印刷サイズ縦4×横3インチであり、レンズ配列が横(凸レンズ12A1の長手が副走査方向に沿う状態)であった場合、まず、レンズ解像度と印刷サイズに応じて画像の解像度を変更する。3インチのレンズ数は、180本(60lpi×3インチ)であるため、4枚の各画像の横を180画素にする。
次に、細分化画像作成に必要な情報である個々の凸レンズ12A1内の1画素分のドット数を求める。それを求めるために、まず、個々の凸レンズ12A1内に打てるドット数を求める。すると、24(=1440/60)となる。その後、目的のドット数を求めると、6ドット(=24ドット/4枚)となる。もちろん、必ずしも各画像のドット数が均一になるとは限らなく、その場合には、1つの凸レンズ12A1内または複数の凸レンズ12A1に跨って、ドット配分を調整すれば良い。
以上のような情報が計算によって得られた後、4枚の画像の1画素を順に取り出し、6倍しながら交互に合成していく。この作業を180回繰り返すことで、細分化画像が作成される。ここで、6倍するとは、個々の凸レンズ12A内においては、1画素当たり6ドットまで吐出できるため、同じドットを6個繰り返し吐出することである。
その後、縦側(副走査方向側)の画像サイズを印字サイズに合わせる。縦の印字サイズは5760ドット(=4インチ×1440dpi)となる。もちろん、縦側の解像度変換は、横(主走査方向)のときと同時に行っても良い。
以上の、(A)、(B)いずれかの方法によって、印刷用画像データ(細分化画像データ)をコンピュータ120で作成した後に、該コンピュータ120からプリンタ10に向けて、印刷用画像データ(細分化画像データ)が送信される。この場合、コンピュータ120側で、HDD121等に記憶されているドライバプログラムが起動され、画像加工プログラムで作成された印刷用画像データ(細分化画像データ)に対して色変換処理を実行し、R,G,Bの階調値からなる印刷用画像データ(細分化画像データ)を、プリンタ10で使用するK、LM、LC、C、M、Y等の各色の階調値を表す多階調データに変換する。さらに、色変換処理後に、印刷用画像データ(細分化画像データ)に対して、ハーフトーン処理を行い、原画像データの階調値を、インク滴付着により表現可能な階調値(例えば、「ドットの形成なし」、「小ドットの形成」、「中ドットの形成」、および「大ドットの形成」の4階調)に減色する処理を行う。なお、ここでは画像加工プログラムとドライバプログラムは別々のもとして扱ったが、ドライバプログラムの中に画像加工プログラムがあっても良い。
かかるハーフトーン処理により、各画素位置での打つ/打たない等を示すインクデータが生成されるが、このインクデータから、印刷データを生成する処理を実行する。ここで、印刷データとは、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータとを含むデータである。なお、印刷データを生成する際には、ドットの分散処理が実行される。この後に、コンピュータ120側から、印刷データがプリンタ10に送信される。以上のようにして、コンピュータ120側における処理が終了する。
また、上述の印刷データをプリンタ10が受信すると、制御部100のCPU101は、制御指令を発し、この制御指令に基づいて、CRモータ22および印刷ヘッド32が駆動される。それにより、キャリッジ30は、主走査方向に移動しながら、ノズル33aよりインク滴をレンズシート12に吐出させる。
ここで、上述した(B)の手法を用いる場合には、プリンタ10において実際に印刷を実行する際に、主走査方向において先行するレンズ検出センサ60で、レンズシート12のレンズピッチを検出する。かかる検出を行いながら、該検出結果に応じてインク滴をレンズシート12に吐出させるタイミングを調整する。かかる調整は、いずれかの凸レンズ12A1のピッチが理想的なピッチに対して若干伸縮している場合、この伸縮状態に比例させてインク滴の吐出タイミングを遅延/早めることにより行う。すると、実際の凸レンズ12A1の間隔と、印刷される画像(細分化画像)の位置関係が一致する状態となる。なお、上述した(B)の手法を用いる場合には、レンズピッチの検出と各細分化画像の印刷とが1走査内で行われる状態となる。そのため、(A)の場合とは異なり検出のための走査が不要となり、印刷速度を早めることが可能となる。
このような構成のプリンタ10によれば、発光部61はプラテン50に設けられていて、受光部62はキャリッジ30に設けられていて、透過方式のレンズ検出センサ60を構成している。このため、レンズシート12に対して反射方式を採用したレンズ検出センサを用いる場合と比較して、受光部62で捕えることのできる光量が多くなり易く、レンズピッチ(レンズ位置も含む)の検出性能を向上させることが可能となる。
ここで、反射方式のレンズ検出センサを用いる場合、光源612から出射される光は、往路と復路とで白色のインク吸収層12B/インク透過層12Cをそれぞれ通過するため、受光部62において検出される光量が少なくなる。しかしながら、本実施の形態のように、透過方式のレンズ検出センサ60を用いる場合には、光の復路が存在しなくなるため、インク吸収層12B等の通過による光量の減少を抑えることが可能となる。そのため、レンズシート12のレンズピッチの検出精度を向上させることが可能となる。
また、キャリッジ30側に発光部が存在する透過方式のレンズ検出センサでは、インク透過層12C側から入射される光は、レンチキュラーレンズ12Aから出射される際に、種々の方向に向かって出射される。このため、レンズシート12を通過する光は、コントラストの差がつき難くなっている。これに対して、本発明のように、発光部61をプラテン50に設ける場合、発光部61から出射された光は、最初にレンチキュラーレンズ12Aに入射され、境界面Qのうち各凸レンズ12A1の曲率中心の焦点に収束され、この焦点から出射される。このため、種々の方向から光がレンズシート12に入り込んでも、レンズシート12を通過する光は、焦点に収束された後に拡散される状態となるため、レンズピッチに応じたコントラストを一層明確にすることが可能となり、検出精度を高めることが可能となる。
また、本実施の形態では、受光部62がキャリッジ30に取り付けられているため、レンズシート12の配置は1方向には限られず、2方向の配置が可能となる。すなわち、レンズシート12の紙送り動作が停止した状態でキャリッジ30が主走査方向に移動しつつレンズピッチを検出する場合には、レンズシート12は、凸レンズ12A1の長手が副走査方向に沿う配置となる。また、キャリッジ30が停止した状態でレンズシート12を所定ピッチで給紙側に移動させる紙送り動作を行いつつレンズピッチを検出する場合には、レンズシート12は、凸レンズ12A1の長手が主走査方向に沿う配置となる。そして、レンズシート12は、2方向の配置のいずれを採用した場合でも、レンズピッチを良好に検出することができる。このように、受光部62がキャリッジ30に取り付けられていることにより、レンズシート12の配置の自由度を増やすことが可能となる。
また、上述のようにして受光部62から出力された検出信号に基づいて、制御部100は、CRモータ22、PFモータ41および印刷ヘッド32のうち少なくとも1つを制御駆動する。そのため、精度の良いレンズピッチの検出結果を反映させながら、印刷を実行することが可能となる。それにより、レンズシートに印刷される、立体画像およびアニメーション画像の画質を向上させることが可能となる。
また、発光部61は、直下方式の構成を採用している。このため、光源612で生じる光のロスが少なく、該光源612で生じる光を最大限に有効活用することが可能となる。さらに、発光部61は、主走査方向に沿う方向を長手としている。このため、凸レンズ12A1の長手が副走査方向に沿う配置とした場合、レンズシート12のレンズピッチを良好に検出することが可能となる。また、かかる配置を採用する場合、各凸レンズ12A1に合わせた印刷を容易に行うことが可能となり、レンズシート12における印刷画質を向上させることが可能となる。
さらに、本実施の形態では、発光部61は、プラテン50に設けられているため、発光部61は、レンズシート12を挟んでキャリッジ30と対向する配置となり、レンズピッチを光の透過方式にて確実に検出することが可能となる。また、発光部61は、印刷時にはレンズシート12によって覆われる状態となる。このため、レンズシート12の搬送状態においては、印刷ヘッド32から吐出されるインク滴が、発光部61に付着するのを低減させることが可能となる。それにより、レンズピッチの検出精度がインク滴の付着により悪化していくのを抑えることが可能となる。
また、発光部61は、多数の光源612により構成される光源群611を具備すると共に、拡散板613を具備している。このため、光源群611で生じた光は、拡散板613を通過することにより、種々の方向に拡散される。それにより、多数の光源612から出射される光が均一化され、輝度ムラが低減されて面光源に近づく。このため、受光部62では、凸レンズ12A1ごとの集光等による光のコントラストを得ることが可能となり、レンズシート12におけるレンズピッチを良好に検出することが可能となる。
さらに、図7に示すような、ライン光源631を具備する発光部63を用いる場合、受光部62が主走査方向に移動しても、受光部62は、常にライン状光源631と対向する状態を維持可能となる。そのため、受光部62では、凸レンズ12A1の凹凸に対応して入り込む光の量が変動するため、レンズシート12におけるレンズピッチを良好に検出することが可能となる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について、図15に基づいて説明する。なお、本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態で説明したのと同様の構成については、同一の符号を付して説明する。
図15に示すように、本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態とは発光部(本実施の形態では、発光部64とする。)の構成が異なるレンズ検出センサ600を用いている。以下、その詳細について説明する。
図15に示すように、本実施の形態における発光部64は、端部側に光源641が配置されるエッジライト方式の構成を採用している。この発光部64は、光源641と、リフレクタ642と、導光板643と、反射部材644と、拡散フィルム645と、反射ドット646とを有している。なお、これら各部材によって構成される発光部64も、上述の第1の実施の形態と同様に、プラテン50の凹陥部51に取り付けられる。しかしながら、発光部64の取り付け位置は、プラテン50には限られず、キャリッジ30と対向する固定的な部位であれば、プリンタ10のシャーシ等、他の部位に取り付ける構成を採用しても良い。
本実施の形態の光源641も、上述の第1の実施の形態と同様の発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)を用いることが可能である。ここで、光源641として発光ダイオードを用いる場合、凹陥部51に対する取り付けの際に、該発光ダイオードの長手が副走査方向に沿う状態で取り付けられる。この場合、凹陥部51の短手方向の長さ寸法に応じて、1つの発光ダイオードのみを設ける構成を採用しても良く、2つ以上の発光ダイオードを例えば凹陥部51の短手方向に連ねる構成を採用しても良い。
また、光源641として、発光ダイオードを用いる場合、凹陥部51の短手方向の小寸法化を図れる等の寸法的な側面でのメリット、および発熱を抑えることができる等の熱的な側面でのメリットが生じる。しかしながら、光源641は、発光ダイオードには限られない。凹陥部51の短手方向の長さ寸法が若干大きい場合、例えば凹陥部51の長手方向の寸法に対応する長さ寸法を具備するライン状の陰極蛍光ランプ(CFL;Cathode Fluorescent Lamp)、同じくライン状の冷陰極蛍光ランプ(CCFL;Cold Cathode Fluorescent Lamp)等を光源641としても良い。
また、本実施の形態では、光源641は、導光板643の一端側と対向する状態で配置されている。また、光源641を覆うように、リフレクタ642が取り付けられている。リフレクタ642は、光源641から出射された光を反射させる部分である。かかる光の反射を良好に行わせるために、リフレクタ642は、例えば鏡面加工または金属材質等が蒸着されたミラー状または白色の部材によって形成されていて、該光源641を囲むように曲面状に設けられている。かかるリフレクタ642により、光源641から出射された光は、導光板643の内部に進行する。
また、導光板643は、その材質をアクリル、ガラス等の透明部材としている。この導光板643は、その下面に多数の反射ドット646を具備している。かかる反射ドット646は微小な突起であり、光源641またはリフレクタ642から導光板643の内部を進行する光は、この反射ドット646に衝突することにより、種々の方向に拡散される。
また、導光板643の下面側、側面側および導光板643の長手方向の他端側には、反射部材644が取り付けられている。反射部材644は、光源641またはリフレクタ642から導光板643の内部を進行する光を反射させるための部材である。そのため、反射部材644としては、リフレクタ642と同様に、例えば鏡面加工または金属材質等が蒸着されたミラー状または白色の部材が用いられている。
導光板643の上面側には、該導光板643を覆うように、拡散フィルム645(拡散部材に対応)が取り付けられる。拡散フィルム645は、例えば透明なフィルム(ポリカーボネート、アクリル等)の表面/中間層に光を拡散するための散乱性材質が塗布/印刷されたものがあるが、その他、光を良好に拡散すれば、どのような構成/材質を用いても良い。導光板643の内部を進行する光が拡散フィルム645を通過する場合、そのコントラストが一層低減され、面光源に近接する状態となる。
なお、発光部64から出射される光の均一性を、より一層高めたい場合には、上述の構成に加えて、プリズムシート等の光学シートを追加するようにしても良い。
以上のような構成を有するプリンタ10において、光源641から光が出射される場合、該光は、直接導光板643の内部に入射されるか、またはリフレクタ642により反射されることにより、導光板643の内部に入射される。そして、導光板643の内部を進行する光は、反射部材644による反射を繰り返しつつ、反射ドット646に適宜衝突し、その進行方向が変えられる。かかる反射ドット646に衝突した光の一部は、進行方向の変更によって、その進行方向が導光板643の臨界角よりも小さくなり、導光板643の上面から出射される。そして、導光板643から出射された光が、拡散フィルム645の内部を進行し、乱反射を繰り返しつつ該拡散フィルム645の上面から出射される。この場合、拡散フィルム645から出射される光は、拡散により、概略的には面光源と見なせる状態で出射され、受光部62で受光される。
このような構成のレンズ検出センサ600においても、上述の第1の実施の形態におけるレンズ検出センサ60と同様に、透過方式のレンズ検出センサ600を用いている。このため、反射方式のレンズ検出センサを用いる場合と比較して、レンズピッチの検出精度を向上させることが可能となる。また、受光部62がキャリッジ30に取り付けられているため、レンズシート12の配置は1方向には限られず、2方向の配置が可能となっており、レンズシート12の配置の自由度を増やすことが可能となっている。
加えて、本実施の形態では、エッジライト方式の構成を採用していて、光源641で生じた光を、リフレクタ642、反射部材644、拡散フィルム645および反射ドット646で拡散させている。このため、発光部64から出射される光は、コントラストの均一化が図られ、受光部62側に向かって面光源状として出射される。それにより、受光部62では、凸レンズ12A1の凹凸に対応した光の強弱を検出することが可能となり、レンズピッチを一層良好に検出することが可能となる。
以上、本発明の第1および第2の実施の形態について述べたが、本発明は、種々変形可能である。以下、それについて述べる。
上述の各実施の形態では、直下方式またはエッジライト方式となっている、バックライト型の発光部61,63,64を用いる場合について説明している。しかしながら、発光部61,63,64は、バックライト型には限られず、フロントライト型を採用しても良い。ここで、フロントライト型の発光部を用いる場合、ミラーでの反射によって、例えば上述の第2の実施の形態における導光板643と同様の導光板の内部に光を導入する構成を採用したり、上述の第1の実施の形態における拡散板613と同様の拡散板の裏面に光を導く構成を採用することが可能となる。
なお、かかるフロントライト型の構成を採用する場合でも、導光板他の構成要素はレンズシート12を挟んでキャリッジ30とは反対側に位置する構成が採用され、該反対側から光が出射される。このため、発光部全体としては、レンズシート12を挟んでキャリッジ30とは反対側に位置する構成を採用している、と看做すことが可能となる。
また、上述の各実施の形態では、発光部61,63,64は、プラテン50の凹陥部51に取り付けられているが、かかる凹陥部51への取り付けに際して、拡散板613または拡散フィルム645の上面を露出/覆い隠すためのシャッター部材を取り付けるようにしても良い。かかるシャッター部材を設ける場合、レンズシート12への印刷を行う際に、シャッター部材をスライドさせて、拡散板613または拡散フィルム645を露出させる。また、レンズシート12への印刷を行わないときは、シャッター部材によって拡散板613または拡散フィルム645を覆う状態としておく。
このようにすれば、レンズシート12への印刷を行わない場合には、拡散板613または拡散フィルム645がシャッター部材によって覆われるため、拡散板613または拡散フィルム645の上面が汚れるのを防ぐことが可能となる。
また、上述の実施の形態においては、レンズシートとしては、凸レンズ12A1が多数並べて配置した、レンズシート12を用いている。しかしながら、レンズシートとしては、凹レンズを多数並べて配置した、レンズシートを用いるようにしても良い。
第1の実施の形態のレンズ検出センサの構成を示す正面断面図である。 プリンタの構成を示す概略図である。 プリンタの紙送りに関する部分の一側断面図である。 キャリッジの下面を示す底面図である。 ギャップセンサの構成を示す模式図である。 レンズ検出センサ等の構成を示す側断面図である。 レンズ検出センサ等の構成の変形例を示す正面断面図である。 プラテン付近の形状を示す側断面図である。 発光部の存在するプリンタの概略構成を示す図である。 信号出力部の構成を示すブロック図である。 レンズピッチ検出のアナログ信号とデジタル信号を示す図である。 FFTにより周波数と出力とに変換した分布図である。 プリンタの各種制御を行う制御部のブロック図である。 レンズピッチ検出の動作フローを示す図である。 第2の実施の形態のレンズ検出センサの構成を示す正面断面図である。
符号の説明
10…プリンタ、12…レンズシート、12A…レンチキュラーレンズ、12B…インク透過層、12C…インク吸収層、20…キャリッジ機構、30…キャリッジ、40…用紙搬送機構、50…プラテン、51…凹陥部、60…レンズ検出センサ、61…発光部、62…受光部、80…リニアエンコーダ、90…信号形成部、91…フィルタ、92…AMP、93…2値化処理部、100…制御部(制御手段に対応)、106…信号処理部、120…コンピュータ、611…光源群、612,631,641…光源、613…拡散板(拡散部材に対応)、642…リフレクタ、643…導光板(導光部材に対応)、644…反射部材、645…拡散板(拡散部材に対応)、646…反射ドット

Claims (9)

  1. 表面に複数のレンズが配置されているレンズシートに対して印刷を実行するプリンタにおいて、
    インク滴を上記レンズシートに向けて吐出する印刷ヘッドを備え、キャリッジモータの駆動により主走査方向に移動するキャリッジと、
    上記レンズシートに向けて光を出射すると共に、上記レンズシートの搬送状態において上記レンズシートを挟んで上記キャリッジとは反対側に設けられる発光部と、
    上記キャリッジに取り付けられると共に、上記発光部から出射された後に上記レンズシートを透過する光が入射され、該入射される光の強度に応じた検出信号を出力する受光部と、
    上記受光部から出力される上記検出信号を反映させて、上記キャリッジモータ、上記レンズシートを搬送するための紙送りモータおよび上記印刷ヘッドのうち少なくとも1つを制御駆動する制御手段と、
    を具備することを特徴とするプリンタ。
  2. 前記発光部は、前記主走査方向に沿う方向を長手とすることを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
  3. 前記発光部は、前記キャリッジと対向するプラテンに取り付けられていることを特徴とする請求項1または2記載のプリンタ。
  4. 前記受光部は、前記キャリッジのうち前記レンズシートの搬送方向の上流側の部位、かつ前記主走査方向におけるホームポジションから離間する側に取り付けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプリンタ。
  5. 前記発光部は、光を生じさせる多数の光源が並べられて構成される光源群と、この光源群よりも受光部側に位置していると共に上記光源群で生じた光を拡散させる拡散部材と、を具備していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のプリンタ。
  6. 前記発光部は、ライン状に光を生じさせると共に前記主走査方向に沿う方向を長手とするライン状光源を具備することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のプリンタ。
  7. 前記発光部は、
    光を生じさせる光源と、
    上記光源が長手の一端側に配置されると共に、上記光源で生じた光が内部を進行し該光を導く導光部材と、
    上記光源で生じた光を上記導光部材に向けて反射させるリフレクタと、
    上記導光部材に取り付けられると共に、該導光部材のうち前記受光部が存在する側とは反対側に設けられ、上記導光部材の内部を進行する光の向きを変更するための反射ドットと、
    上記導光部材に取り付けられると共に、上記光源が配置される側と前記受光部が存在する側とを除いた側に設けられ、上記導光部材の内部を進行する光を反射させるための反射部材と、
    上記導光部材に取り付けられると共に、前記受光部が存在する側に設けられ、上記導光部材から出射される光を拡散させるための拡散部材と、
    を具備する請求項1から4のいずれか1項に記載のプリンタ。
  8. 表面に複数のレンズが配置されているレンズシートに対して印刷を実行するプリンタにおいて、
    インク滴を上記レンズシートに向けて吐出する印刷ヘッドを備え、キャリッジモータの駆動により主走査方向に移動するキャリッジと、
    上記レンズシートに向けて光を出射すると共に、上記レンズシートの搬送状態において上記レンズシートを挟んで上記キャリッジとは反対側に設けられると共に上記レンズシートの上記主走査方向における幅寸法よりも大きな長さ寸法を有する発光部と、
    上記キャリッジに取り付けられると共に、上記発光部から出射された後に上記レンズシートを透過する光が入射され、該入射される光の強度に応じた検出信号を出力する受光部と、
    上記受光部から出力される上記検出信号を反映させて、上記キャリッジモータ、上記レンズシートを搬送するための紙送りモータおよび上記印刷ヘッドのうち少なくとも1つを制御駆動する制御手段と、
    を具備することを特徴とするプリンタ。
  9. 表面に複数のレンズが配置されているレンズシートのレンズピッチを検出するレンズ検出方法において、
    上記レンズシートの搬送状態において上記レンズシートを挟み印刷ヘッドが配置される側とは反対側に設けられると共に該印刷ヘッドが移動する主走査方向を長手とする発光部から光を生じさせる発光工程と、
    上記発光工程で生じた光を上記レンズシートに向けて出射させると共に、該レンズシートへの出射に先立って上記発光部で生じた光を拡散させ、該拡散後に上記レンズシートに向けて光を出射する拡散出射工程と、
    上記拡散出射工程により光を拡散させて出射した後に、上記レンズシートを通過する光を上記印刷ヘッドが設けられているキャリッジに存在する受光部で受光する受光工程と、
    上記受光工程で受光される光の強度に応じた検出信号を出力する信号出力工程と、
    上記信号出力工程によって出力される上記検出信号を反映させて、上記キャリッジを移動させるための上記キャリッジモータ、上記レンズシートを搬送するための紙送りモータおよび上記印刷ヘッドのうち少なくとも1つを制御駆動する制御工程と、
    を具備することを特徴とするレンズ検出方法。
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