JP2007073318A - 非水系電解液及び非水系電解液電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】
高いサイクル特性を維持しながら、高温保存時のガスの発生や容量低下が抑制された電池を提供可能な非水系電解液および、それを用いて作成された非水系電解液電池を提供する。
【解決手段】電解質及びこれを溶解する非水溶媒を含む非水系電解液において、該非水系電解液が下記一般式(1)及び/又は(2)で表される化合物を含有することを特徴とする非水系電解液。
(式中、R1、R2、R3、R5はそれぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を表すが、その構造中にエーテル結合を有していても良い。但し、R1またはR2は少なくとも一つのエーテル結合を含む。R4はエーテル結合を含む炭素数2〜12の2価の連結基を表す。また、R1〜R5はそれぞれ独立して、フッ素原子で置換されていてもよい。)
【選択図】なし
Description
詳しくは、高容量で、保存特性、サイクル特性に優れ、更にガス発生量の少ない非水系電解液電池に関するものである。
非水系電解液電池に用いる電解液は、通常、主として電解質と非水溶媒とから構成されている。非水溶媒の主成分としては、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネート等の環状カーボネート;ジメチルカーボネートやエチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状カルボン酸エステルなどが用いられている。
例えば、アルカンスルホン酸アルキルを含有するリチウム二次電池用電解液が知られている。(特許文献1参照)。
また、ジスルホン酸エステルを含有する非水電解液が知られている(特許文献2参照)。
そこで、非水系電解液電池を高容量化する方法として、限られた電池体積の中にできるだけ多くの活物質を詰めることが検討されており、電極の活物質層を加圧して高密度化したり、電池内部に占める活物質以外の体積を極力少なくする設計が一般的となっている。しかし、高容量化によって電池内部の空隙は減少し、電解液の分解で少量のガスが発生しても電池内圧は顕著に上昇してしまうという問題が発生してくる。
したがって、非水系電解液二次電池においては、高容量、高温保存特性、サイクル特性だけでなく、ガス発生を抑制することが強く求められている。
他の要旨は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに非水系電解液を含む非水系電解液電池であって、非水系電解液電池が上記の非水系電解液を用いて作製されたものであることを特徴とする非水系電解液電池に存する。
本発明に係る非水系電解液は、常用の非水系電解液と同じく、電解質及びこれを溶解する非水溶媒を含有するものであり、通常、これらを主成分とするものである。
(電解質)
電解質としては、通常、リチウム塩が用いられる。リチウム塩としては、この用途に用いることが知られているものであれば特に制限がなく、任意のものを用いることができ、具体的には以下のものが挙げられる。
PF4(C2F5)2、LiPF4(CF3SO2)2、LiPF4(C2F5SO2)2、LiBF2(CF3)2、LiBF2(C2F5)2、LiBF2(CF3SO2)2、LiBF2(C2F5S
O2)2等の含フッ素有機リチウム塩及びリチウムビス(オキサレート)ボレート等が挙げられる。
はLiN(C2F5SO2)2が好ましく、特にLiPF6又はLiBF4が好ましい。
これらのリチウム塩は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
2種以上を併用する場合の好ましい一例は、LiPF6とLiBF4との併用であり、この場合には、両者の合計に占めるLiBF4の割合は、0.01重量%以上、20重量%
以下であることが好ましく、0.1重量%以上、5重量%以下であるのが特に好ましい。
PF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2及びLiN(C2F5SO2)2よりなる群から選ばれるものからなる組合せである。
非水溶媒も、従来から非水系電解液の溶媒として公知のものの中から適宜選択して用いることができる。例えば、不飽和結合をもたない環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、環状エーテル類、鎖状エーテル類、環状カルボン酸エステル類、鎖状カルボン酸エステル類、含燐有機溶媒等が挙げられる。
鎖状カーボネート類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート等の炭素数1〜4のアルキル基を有するジアルキルカーボネート類が挙げられる。これらの中では、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが好ましい。
鎖状エーテル類としては、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン等が挙げられる。
環状カルボン酸エステル類としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。
含燐有機溶媒としては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸ジメチルエチル、リン酸メチルジエチル、リン酸エチレンメチル、リン酸エチレンエチル等が挙げられる。
非水溶媒の好ましい組合せの一つは、アルキレンカーボネート類とジアルキルカーボネート類を主体とする組合せである。なかでも、非水溶媒に占めるアルキレンカーボネート類とジアルキルカーボネート類との合計が、85容量%以上、好ましくは90容量%以上、より好ましくは95容量%以上であり、かつアルキレンカーボネート類とジアルキルカーボネート類との合計に対するアルキレンカーボネートの容量が5%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上であり、通常50%以下、好ましくは35%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは25%以下のものである。この混合溶媒にリチウム塩と前記一般式(1)及び/又は(2)で表される化合物を添加して得られた非水系電解液は、これを用いて作成された電池のサイクル特性と高温保存特性(特に、高温保存後の残存容量及び高負荷放電容量)及びガス発生抑制のバランスがよくなるので好ましい。
プロピレンカーボネートを含有する場合には、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの容量比は、通常99:1〜40:60、好ましくは95:5〜50:50である。
(一般式(1)又は(2)で表される化合物)
本発明に係る非水系電解液は、上述の電解質と非水溶媒を含有するが、これに更に下記一般式(1)及び/又は(2)で表される化合物を含有する。
炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは1〜4の鎖状又は環状アルキル基が挙げられるが、鎖状アルキル基であるのが好ましい。
炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基等が挙げられ、なかでもフェニル基が好ましい。
炭素数7〜12のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられ、なかでもベンジル基が好ましい。
尚、R1、R2、R3、及びR5で表される炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、及び炭素数7〜12のアラルキル基は、その構造中にエーテル結合を有していても良く、エーテル結合は一つでも複数でもよい。 エーテル結合の数は、通常、1又は2である。
又、上記R1またはR2は少なくとも一つのエーテル結合を含む。
一般式(1)で表される化合物の分子量は、通常140以上であり、通常1000以下、好ましくは500以下、より好ましくは300以下である。
一般式(2)で表される化合物の分子量は、通常234以上であり、通常1200以下、好ましくは700以下、より好ましくは500以下である。
R3およびR5が炭素数7〜12のアラルキル基である一般式(2)の化合物の具体例としてはジエチレングリコールジベンジルスルホネート、トリエチレングリコールジベンジルスルホネート、テトラエチレングリコールジベンジルスルホネート等が挙げられる。
場合、一般式(1)の化合物或いは一般式(2)で示される化合物を夫々併用しても、一般式(1)で示される化合物と一般式(2)で示される化合物を併用しても良い。
非水系電解液中の一般式(1)及び/又は(2)で表される化合物の合計の割合は、通常、0.001重量%以上であり、0.1重量%以上が好ましく、更に0.2重量%以上が好ましく、特に0.25重量%以上が好ましい。これより低濃度では本発明の効果がほとんど発現しない。逆に濃度が高すぎると電池の保存特性が低下する傾向があるので、上限は、通常、5重量%以下であり、好ましくは4重量%以下、より好ましくは2重量%以下、最も好ましくは1重量%以下である。
まず、一般式(1)及び/又は(2)で表される化合物が、正極表面に被膜を形成し、この被膜が活性の高い正極と電解液との接触を防ぎ、電解液の分解を抑制し、ガス発生量の増加を抑制することができると思われる。しかも一般式(1)及び/又は(2)で表される化合物由来の正極表面皮膜は、一般式(1)又は(2)から推察されるように酸素原子を多く含有し、リチウムイオン透過性に優れるので、良好なサイクル特性を維持しながら、高温保存時のガスの発生や容量低下が抑制できるものと推察される。
分子内に不飽和結合を有する環状カーボネートは、負極の表面に安定な保護被膜を形成するため、電池のサイクル特性を向上させることができる。分子内に不飽和結合を有する環状カーボネートとしては、ビニレンカーボネート系化合物、ビニルエチレンカーボネート系化合物、メチレンエチレンカーボネート系化合物等が挙げられる。
ビニルエチレンカーボネート系化合物としては、ビニルエチレンカーボネート、4−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4−エチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4−n−プロピル−4−ビニルエチレンカーボネート、5−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネート等が挙げられる。
これらのうち、サイクル特性向上の点から、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートが好ましく、特にビニレンカーボネートが好ましい。
2種類以上を併用する場合は、ビニレンカーボネートとビニルエチレンカーボネートとを併用するのが好ましい。
非水系電解液が分子内に不飽和結合を有する環状カーボネートを含有する場合、非水系電解液中におけるその割合は、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、特に好ましくは0.3重量%以上、最も好ましくは0.5重量%以上である。分子内に不飽和結合を有する環状カーボネート化合物が少なすぎると、電池のサイクル特性を向上させるという効果を十分に発揮できない。また、分子内に不飽和結合を有する環状カーボネートは充電状態の正極材と反応しやすく、電解液が分子内に不飽和結合を有する環状カーボネートを含有すると、高温保存時にガスの発生量が増加するという問題があるが、一般式(1)及び/又は(2)で表される化合物と併用するとガス発生量の増加を抑制することができ、サイクル特性の向上とガス発生抑制の両立ができるので特に好ましい。しかし、分子内に不飽和結合を有する環状カーボネートの含有量が多すぎると、高温保存時にガス発生量が増大したり、低温での放電特性が低下する傾向にあるので、その上限は、通常8重量%以下、好ましくは4重量%以下、特に好ましくは3重量%以下である。
過充電防止剤としては、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物;2−フルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の前記芳香族化合物の部分フッ素化物;2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール等の含フッ素アニソール化合物等が挙げられる。
非水系電解液中におけるこれらの助剤の割合は、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、特に好ましくは0.2重量%以上であり、上限は、通常5重量%以下、好ましくは3重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。これらの助剤を添加することにより、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を向上させることができる。
本発明に係る非水系電解液は、非水溶媒に、電解質、一般式(1)及び/又は(2)で表される化合物及び必要に応じて他の化合物を溶解することにより調製することができる。非水系電解液の調製に際しては、各原料は、予め脱水しておくのが好ましい。通常50ppm以下、好ましくは30ppm以下まで脱水するのがよい。
(リチウム二次電池)
本発明に係る非水系電解液は、電池の中でも二次電池用、特にリチウム二次電池用の電解液として用いるのに好適である。以下、この電解液を用いた本発明に係るリチウム二次電池について説明する。
炭素質材料のなかでは、特に、黒鉛や黒鉛の表面を黒鉛に比べて非晶質の炭素で被覆したものが好ましい。
炭素質材料のBET法による比表面積は、通常0.3m2/g以上、好ましくは0.5
m2/g以上、より好ましくは0.7m2/g以上、最も好ましくは0.8m2/g以上で あり、通常25.0m2/g以下、好ましくは20.0m2/g以下、より好ましくは15.0m2/g以下、最も好ましくは10.0m2/g以下である。
正極活物質としては、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物材料などのリチウムを吸蔵・放出可能な材料が挙げられる。これらの化合物は、LiXCoO2、LiXNiO2、LiXMnO2、LiXCo1−yMyO2、LiXNi1−yMyO2、LiXMn1−yMyO2等であり、ここでMは通常、Fe、Co、Ni、Mn、Mg、Cu、Zn、Al、Sn、B、Ga、Cr、V、Sr、Tiから選ばれる少なくとも1種であり、0.4≦x≦1.2、0≦y≦0.6であるものや、LiXMnaNibCocO2(但し、0.4≦x≦1.2、a+b+c=1)が挙げられる。
正極活物質は単独で用いても、複数を併用しても良い。
増粘剤としては、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、ガゼイン等が挙げられる。
電極の製造は、常法によればよい。例えば、負極又は正極活物質に、結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー化し、これを集電体に塗布、乾燥した後に、プレスすることによって形成することができる。
負極活物質に黒鉛を用いた場合、負極活物質層の乾燥、プレス後の密度は、通常1.45g/cm3以上であり、好ましくは1.55g/cm3以上、特に好ましくは1.60g/cm3以上である。
ましくは3.0g/cm3以上である。
集電体としては各種のものが用いることができるが、通常は金属や合金が用いられる。負極の集電体としては、銅、ニッケル、ステンレス等が挙げられ、好ましいのは銅である。また、正極の集電体としては、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属又はその合金が挙げられ、好ましいのはアルミニウム又はその合金である。
本発明に係る電池に使用する電池の外装体の材質も任意であり、ニッケルメッキを施した鉄、ステンレス、アルミニウム又はその合金、ニッケル、チタン、ラミネートフィルム等が用いられる。
本発明に係る電池の作動電圧は通常2V〜6Vの範囲である。
尚、下記実施例および比較例で得られた電池の各評価方法を以下に示す。
[容量評価]
リチウム二次電池を、電極間の密着性を高めるためにガラス板で挟んだ状態で、25℃において、0.2Cに相当する定電流で4.2Vまで充電した後、0.2Cの定電流で3Vまで放電した。これを3サイクル行って電池を安定させ、4サイクル目は、0.5Cの定電流で4.2Vまで充電後、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cになるまで充電を実施し、0.2Cの定電流で3Vまで放電して、初期放電容量を求めた。
ここで、1Cとは電池の基準容量を1時間で放電する電流値を表し、0.2Cとはその1/5の電流値を表す。
容量評価試験の終了した電池を、25℃において0.5Cの定電流で4.2Vまで充電後、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cになるまで充電し、その後、85℃で3日間保存した。電池を十分に冷却させた後、エタノール浴中に浸して体積を測定し、保存前後の体積変化から発生したガス量を求めた。
次に、0.5Cの定電流で4.2Vまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cになるまで充電を行った後、1Cの定電流で3Vまで放電させて1C放電時の放電容量を測定し、初期放電容量に対する保存後の1C放電容量の割合を求め、これを高温保存後の高負荷放電容量(%)とした。
[負極の製造]
X線回折における格子面(002面)のd値が0.336nm、結晶子サイズ(Lc)が652nm、灰分が0.07重量%、レーザー回折・散乱法によるメジアン径が12μm、BET法による比表面積が7.5m2/g、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマ
ンスペクトル分析から求めたR値(=IB/IAが)0.12、1570〜1620cm-1の範囲にあるピークの半値幅が19.9cm-1である天然黒鉛粉末94重量部とポリフッ化ビニリデン6重量部とを混合し、N−メチル−2−ピロリドンを加えスラリー状にした。このスラリーを厚さ12μmの銅箔の片面に均一に塗布、乾燥した後、負極活物質層の密度が1.6g/cm3になるようにプレスして負極とした。
LiCoO285重量部、カーボンブラック6重量部及びポリフッ化ビニリデン(呉羽
化学社製、商品名「KF−1000」)9重量部を混合し、N−メチル−2−ピロリドンを加えスラリー化し、これを厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布、乾燥した後、正極活物質層の密度が3.0g/cm3になるようにプレスして正極とした。
[電解液の製造]
乾燥アルゴン雰囲気下、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートとの混合物(容量比2:4:4)97.5重量部、ビニレンカーボネート2重量部及び2−メトキシエチル−メタンスルホネート0.5重量部を混合し、次いで十分に乾燥したLiPF6を1.0モル/リットルの割合となるように溶解して電解液とした。
上記の正極、負極、及びポリエチレン製のセパレーターを、負極、セパレーター、正極、セパレーター、負極の順に積層して電池要素を作製した。この電池要素をアルミニウム(厚さ40μm)の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムからなる袋内に正極負極の端子を突設させながら挿入した後、上記電解液を袋内に注入し、真空封止を行い、シート状電池を作製し、評価を行った。
電解液の成分及び評価結果を表−1、2に示す。
2−メトキシエチル−メタンスルホネートに代えて、ジエチレングリコールジメタンスルホネートを使用した以外、実施例1と同様にしてシート状リチウム二次電池を作製し、評価を行った。電解液の成分及び評価結果を表−1、2に示す。
(実施例3)
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートとの混合物97.8重量部、2−メトキシエチル−メタンスルホネート0.2重量部使用した以外、実施例1と同様にしてシート状リチウム二次電池を作製し、評価を行った。電解液の成分及び評価結果を表−1、2に示す。
実施例1において、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートとの混合物を98重量部使用し、2−メトキシエチル−メタンスルホネートを使用しなかった以外同様にして、シート状リチウム二次電池を作製し、評価を行った。電解液の成分及び評価結果を表−1、2に示す。
(比較例2)
2−メトキシエチル−メタンスルホネートに代えて、メチル−メタンスルホネートを使用した以外、実施例1と同様にしてシート状リチウム二次電池を作製し、評価を行った。電解液の成分及び評価結果を表−1、2に示す。
2−メトキシエチル−メタンスルホネートに代えて、1,4−ブタンジオールジメタンスルホネートを使用した以外、実施例1と同様にしてシート状リチウム二次電池を作製し、評価を行った。電解液の成分及び評価結果を表−1、2に示す。
実施例1において、下記の方法で得られた負極および電解液を使用した以外同様にして、シート状リチウム二次電池を作製し、評価を行った。評価結果を表−3に示す。
[負極の製造]
Si粉末(平均粒径3μm)73重量部、Cu粉末(平均粒径2μm)8重量部、人造黒鉛粉末12重量部、ポリフッ化ビニリデン7重量部とを混合し、N−メチル−2−ピロリドンを加えスラリー化し、このスラリーを厚さ12μmの銅箔の片面に均一に塗布、乾燥後、プレスして負極とした。
[電解液の製造]
乾燥アルゴン雰囲気下、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジエチルカーボネートとの混合物(容量比2:4:4)98.5重量部、ビニレンカーボネート1重量部及び2−メトキシエチル−メタンスルホネート0.5重量部を混合し、次いで十分に乾燥したLiPF6を1.0モル/リットルの割合となるように溶解して電解液とした。
(比較例4)
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジエチルカーボネートとの混合物を99重量部使用し、2−メトキシエチル−メタンスルホネートを使用しなかった以外実施例4と同様にして、シート状リチウム二次電池を作製し、評価を行った。評価結果を表−3に示す。
Claims (6)
- 非水系電解液が一般式(1)で示される化合物を含み、R1がエーテル結合を含む請求項1に記載の非水系電解液。
- 非水系電解液が一般式(2)で示される化合物を含み、R3およびR5はそれぞれ独立して、非置換の炭素数1〜6のアルキル基である請求項1に記載の非水系電解液。
- 一般式(1)及び/又は(2)で表される化合物を、非水系電解液に対して合計で0.001〜5重量%の割合で含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の非水系電解液。
- 不飽和結合を有する環状カーボネート化合物を非水系電解液に対して0.01〜8重量%の割合で含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水系電解液。
- リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに非水系電解液を含む非水系電解液電池であって、非水系電解液電池が請求項1〜5の何れか一項に記載の非水系電解液を用いて作製されたものであることを特徴とする非水系電解液電池。
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