JP2007071884A - 不良検査方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 走査型電子顕微鏡で観察しながら、探針移動制御回路18による制御で、探針移動機構14、15、16、17により、鋭利な先端を有する複数の探針1、2、3
、4を、それぞれ試料電極5、6、7、8に接触電流が飽和するまで接近させ、確実に接触させる。測定に用いるすべての探針の接触が完了したら、電気特性測定回路19により探針間の電流電圧特性を測定し、素子の局所的電気特性を得る。
【効果】 素子の局所的位置を直接探針であたることができるため、不良位置同定が容易となる。
【選択図】 図1
Description
、10mVの精度の電位コントラストを得ることができるため、良品電子素子から得られた基準データと比較することによって、故障を検出し、その箇所を同定することができる。
)から困難となる。また、接触させる電子素子の配線等が0.1μmのように微細化してくると、これとコンタクトを取るために
、探針先端も細くする必要があるため、探針が損傷しやすくなり、また、配線も微細であるために破壊されやすくなるといった問題が生じる。このため、探針や配線が損傷せず、かつ確実な接触を取るためには、接触手法では従来よりも格段に高い精度が要求される。また、従来のように大きい接触領域を取れる場合には
、探針と試料の相対的なドリフトは大して問題にはならなかったが、接触領域の微細化の伴い、ドリフトによる接触状態の変化が大きな問題となってくる。しかし、従来法では、このようなドリフト対策は実施されていない。また、従来法では大気中において探針と配線等の接触を行うため、将来、接触面積の微細化が進むと、配線上や探針先端の酸化膜や汚染物質等による接触抵抗が大きな問題となってくる。また、素子の電気特性測定のための加工も、切断したり、剥離したりするだけでなく、パッドを形成したり、配線形成をしたりという金属堆積を行う加工も必要となるが、大気中での加工を用いる従来法では不可能であった。
。
。ここで、探針と試料の間の接触は確実に電気的導通がとれ、かつ探針や試料が損傷しないようにする必要がある。このため本発明では、接触手法として、探針・試料間の接触電流が飽和することで接触確認を行い、確実な電気的導通を実現する。ここで、探針や試料を損傷しないためには、接触時の接近速度を小さくする必要があるため、本発明では、トンネル電流や原子間力を検出することで接触直前の位置検出をして、その位置からの接近速度のみを小さくとることができる。また、ゲート電極のように接触電流が流れない場所への接触には、力検出による接触確認や、交流バイアス印加による接触電流実効値の飽和等を用いて接触確認を行うことが出来る。また、本発明では、試料表面の探針を接触させるべき位置の電位をモニタすることで、正確な接触確認を行うこともできる。つまり、探針と試料間にバイアスを与えた状態で、探針と試料を接触させると、探針・試料間に接触抵抗がある場合には、この接触抵抗により電圧降下が起きるため、探針が接触した位置の試料電位はこの電圧降下の分だけ探針電位より小さくなる(探針側がプラスの場合)。そ
こで、この探針が接触した位置の試料電位が
探針に印加した電圧と、ある誤差範囲で等しくなることで、接触抵抗が小さくなったと判断できる。こうして、接触確認を行うことができる。本発明では、上記の試料電位モニタには、エネルギーフィルタを有する2次電子検出器を用いている
しかし、本発明では、観察に電子やイオンといった荷電粒子を用いているため
、探針と試料の接触時に試料表面の電位が変化するため、この1次荷電粒子ビームが電界変化により曲げられ、観察位置がずれるといった問題が生じる。これを補正するために、本発明では接触直前の探針先端位置を顕微鏡像のパタン情報としてメモリに記録し、探針接触により観察位置ずれが生じたら、観察領域を広げてメモリのパタン情報とのパタン照合を行い探針先端位置を割り出して、その位置を中心にして高倍観察に戻すという手法を用いる。
、探針接触時の衝撃を緩和するためのものであり、ドリフトのような微小変位を補うことを目的とはしていなかった。また、従来法は、横方向(試料表面に水平な方向)には、ばね効果を持たないため、この方向のドリフトには全く対応できなかった。本発明では、探針に縦、横両方向共にばね効果を有する探針を用いることで、全方向のドリフトによるずれをばね構造部で吸収できるようにしている。また、電気的特性測定に用いるすべての探針を接触直前の状態(トンネル電流または原子間力検出状態)で一時保持した後
、すべての探針を同時に接触させることで、すぐに電気特性測定に入ることができるため
、接触時間を短くすることができ、ドリフトによる影響を最小にすることができる。
、汚染を少なく抑えることができる。また、探針接触の前に探針や試料の表面をイオンビームや、電子ビームや、光を照射することで、これら酸化膜や汚染物質等を除去できるようにしている。
。このため、探針で、試料表面の任意位置に電圧を印加しながら、その時の試料表面電位分布を計測することも可能となる。
合わせることで、微細加工が可能となる。このため、電子素子の一部分を孤立化させることが出来るため、不良位置同定が容易となる。また、本発明では、加工を真空中で行うため、堆積性ガスと照射ビーム(イオン、または電子、またはレーザ)の使用により金属膜の堆積が可能であり、探針接触のための電極パッドの形成が可能となる。また、表面に出ていない下層の素子や配線に探針のコンタクトを行いたい場合には、従来のようにその上面をすべて剥離しなくとも、本発明では、配線へのコンタクトホールを表面からあけた後
、この孔を上記のように堆積ガスと照射ビームを用いて金属で埋め込むことにより、表面からの電気的接触が可能となる。
、任意の位置に探針を接触させることが出来るため、任意の位置の電気的特性を測定することが出来る。また、トンネル電流等による接触直前検出を介して接触電流が飽和するまで探針を接近させることによる接触確認等を用いることで確実な接触が行えるため、正確な素子特性の測定が可能となる。また、真空中でのイオン等を用いた清浄化装置により、探針や試料表面の汚染物質等を除去できるため、正確な素子特性の測定が可能となる。また、イオンビーム等を用いた加工では、0.1μm以下の微細加工も可能であり、電子素子の特定位置を孤立化させることが出来るため、不良位置同定が容易となる。また、本発明では真空中で加工を行うため、堆積性ガスとイオンビーム等の使用により金属膜の堆積が可能であり
、電極パッド形成により探針接触が容易になり、またコンタクトホール形成により下層配線への電気的接触も可能になる。このため、電子素子内部の局所的電気特性も計測可能となる。
、不良位置同定を行うことができる
。また、この電気特性測定系に判別回路を付加することで、良品、不良品の選別を行うこともできる。
〈実施例1〉
図1に、本発明の全体システムを示す。ここでは4つの探針1、2、3、4を用いて電極5、6、7、8間の電気特性を測定することを目的とする。これらの探針1、2、3、4は、試料9の0.1μmレベルの微小領域にも接触できるように
、先端の曲率半径が0.1μm以下であることが望ましい。まず、試料9表面と探針1、2、3、4を走査型電子顕微鏡で観察する。この走査型電子顕微鏡は、電子源10、偏向レンズ11、2次電子検出器13から構成されており、20が1次電子ビーム、21が試料表面から放出される2次電子である。こうして観察しながら探針1、2、3、4をそれぞれ接触させるべき電極5、6、7、8の上まで移動させる。この移動は、探針1、2、3、4それぞれの探針移動機構14、15、16、17を探針移動制御回路18で制御することにより行う。ここで、本実施例では、探針移動機構14、15、16、17には、高い位置分解能を有する圧電素子を用いている。
(a)の50は、トンネル電流検出用のプリアンプであり、通常pAからnA程度の電流を検
出できる。51は切換えスイッチであり、トンネル電流検出用プリアンプ50と接触電流検出用電流計30の切換えを行う。52、53は、探針接近時と電気特性測定時で閉ループを切換えるためのスイッチである。図2(b)は探針1を接近させるときの接近距離Ztと電流(トンネル電流、接触電流)Iの関係を示した図
である。まず、切り替えスイッチ51をプリアンプ50側に、52を電源31側に、53を切換えスイッチ51側に接続して、電源31により、探針1、試料9間にバイアスを掛けて、探針1を電極5に接近させて行くと、Z51でトンネル電流が流れる。このときの探針1と電極5間の距離は約1nm以下になる。これにより、接触直前位置の検出ができる。ただし、トンネル電流検出位置Z51で単に接近を止めるだけでは、探針移動機構14の応答速度やクリープ現象のために、探針1が電極5に接近して勝手に接触してしまうことがあるので、トンネル電流が一定になるように探針移動機構14に探針移動制御回路18からフィードバックを掛けた方が良い。その後、切換えスイッチ51を電流計30側に接続し、接近速度を小さくして、探針1を電極9に接近させる。すると、探針1と電極5が接触したところ(Z52)で接触電流が流れはじめる。このまま探針1を接近させていくと、接触面積の増加等により接触電流Iが図5(b)に示すように増加していく。そして、この接触電流Iが接触状態変化による影響を受けなくなった状態、すなわち接触電流が飽和した状態になることで接触完了として、探針1を接近距離Z53の位置で図1の探針移動機構14を探針移動制御回路18からの制御で止める。こうすることで、探針1と電極5の確実な接触をとることができる。
て振りながら、探針3によりドレイン電極3
7に印加するドレイン電圧VDと、探針1、3間(ソース、ドレイン間)を流れ
るドレイン電流IDの関係を測定することで、このMOSの出力特性を得ること
ができる。例えばこれがnチャネルMOSであり、良品であれば、図3(b)の特性が計測されることになる。
。この手法では、不良と考えられる位置に直接電圧を印加して電気特性を得られるので、電子素子の入力端子からテストパタンを入力して不良位置を同定する手法と比較して、不良位置の同定が容易であり、またその不良状態も詳細に計測することが可能である。
〈実施例2〉
本実施例では、試料からの2次電子により試料表面情報を得る方法について説明する。ここでは、簡略化のために探針1だけを示しているが、実際には図1に示すように、複数探針で行う。図4の100はエネルギーフィルタであり、101は電位計測器である。ここでは始めに、この検出系を用いた接触法を説明する
。実施例1で図2を用いて説明した、接触電流飽和による接触確認は、あくまでも接触状態が安定になることを目的とした接触法であり、接触抵抗を素子特性に対して、誤差範囲まで下げることを保証しない。すなわち、図2の接触法で、良品と不良品の特性を相対比較して、不良検知を行うことは可能であるが、得られた素子特性が、絶対的なものであるかどうかについては明確には判断できない。このため、絶対的な特性が重要となる測定を行うためには、本実施例で図4を用いて述べるような接触確認を用いる必要がある。ここでも探針1の接触のみを抽出して説明する。まず、電子源10から出た1次電子ビーム20を偏向レンズ11により探針1が接触すべき電極5に照射する。このとき、この電極5から放出される2次電子21をエネルギーフィルタ100を通して2次電子検出器13で検出する。この2次電子のエネルギー分布情報から電位計測器101で電極5の電位Vを知ることができる。例えば、探針1に電位Vtのバイアスを加えて接近
させたとすると、接近距離Ztと電極5電位Vの関係は、図4(b)のようになる
。Z101は探針1が電極5に接触した位置にあたるが、この近傍では接触抵抗に
よる電圧降下が大きいため、まだ電位が探針電圧Vtまで上がりきっておらず、
まだ接触が悪い状態であり、接触抵抗が素子抵抗に対して無視できない状態であることを示している。すなわち、確実な接触を取るためには、電極5電位が、ある誤差レベルVt'以上になる位置Z102まで来ることで接触完了として接近を止
める。これは、すなわち接触抵抗による電圧降下が無視できるレベル(例えば1
%等)以下の誤差になったときを接触完了として判断していることになる。こうして確実な接触確認を行うことが可能になる。
、電極電位Vが図4(b)で説明したように変化することで、図5のように、この1次電子ビーム110が曲げられ、観察像の位置ずれが生じる
。この場合、他の探針2、3、4の接触が完了していないと、これらの探針の接触位置を観察できなくなり、正しい接触ができなくなる。また、上記したように
、配線電位モニタによる不良解析を行う場合には、この像ずれが致命的なものとなる。このため、この像ずれを補正する手法が必要となる。これについて、図6により説明する。図6(a)の131は本来観察すべき領域であり、132は探針1が電極5に接触したためにずれた観察領域である。図6の(b)から(g)は観察像である。図6(b)は、探針1が電極5に接触する直前の低倍観察像であり、この観察像を画像メモリ133に取り込み、探針のパタン認識を行う。次に、探針1を電極5に正確に接触させるために高倍観察を行う(図6(c))。この図6(
c)の観察領域は、図6(a)の領域131に相当する。ここで、探針1が電極5
に接触すると、観察領域が図6(a)の領域132のようにずれるため、観察像が図6(d)のように、探針も電極も見えない状態になる。そこで、図6(a)の像ずれ補正回路130により、偏向レンズ11で1次電子ビーム20を広領域走査に切換えて、観察をする(図6(e))。ここで、画像メモリ133に取り込んでお
いた初期画像(図6(b))と現在の画像(図6(e))を像ずれ補正回路130で照合し、パタン認識から初期中心位置を割り出す。この割り出された中心位置のずれの量だけ、像ずれ補正回路130により偏向レンズ11にオフセットを加え
、1次電子ビーム20のずれを補正し、初期中心位置に戻す(図6(f))。こう
して、この補正された位置を中心にして、高倍観察に戻す(図6(g))ことで、像ずれを補正することができる。
、2次電子による観察像を得ると、図7(b)、(c)に示すように、探針コントラストのみが変化することになる。こうして、探針形状を画像メモリ133に取り込むことが可能になる。
、接触位置の電位モニタにより、正確な探針接触確認を行うことができる。また
、探針による電圧印加と組み合わせた、試料表面電位分布測定による不良解析が可能であり、不良位置同定が容易となる。また、像ずれ補正により、観察場所を一定に保つことができる。
〈実施例3〉
本実施例では、電気特性測定(探針接触)の前に行う測定試料の加工手段を有する装置について、図8を用いて説明を行う。この装置では、図1の電子照射系の代わりに、イオン源150、静電レンズ151、153、偏向器152により構成されるイオンビーム照射系を持ち、イオンビーム154を試料9に照射することができる。
。すなわち、イオンビーム154を試料9表面上で走査し、試料9から放出される2次電子を2次電子検出器13で検出することにより、いわゆる走査型イオン顕微鏡として観察することができる。もちろんこの場合には、試料9表面ができるだけ損傷を受けないようにするため、加工する場合よりイオン電流量を絞る必要がある。それでも、イオンビームによる損傷が問題になる場合には、図8では電子照射系を取り除いてイオン照射系を導入しているが、電子照射系も併存させて電子ビームによる観察を行うこともできる。
、多層配線で下層に埋まっている場合が有り得る。しかし、このままでは、探針を接触させることができないので、この場合には、図9(b)に示すように、測定したい素子163の上の層をイオンビーム154で削り取り、素子163に探針が接触できるように加工する必要がある。また、探針を配線に直接接触させることが難しい場合には、図9(c)に示すように、ガスノズル165により堆積性ガス166を導入しながらイオンビーム154を照射することで、金属膜を形成することができるため、配線167と導通が取れる探針接触用パッド164を形成することが可能である。また、図9(b)のように広範囲を削りとらなくても、図9(d)に示すように下層の素子163を測定したい場合には、配線168までイオンビーム154でコンタクトホール169をあけ、図9(c)と同様に、図9(
d')のように金属膜170によりコンタクトホール169を埋め込み、この埋め込み金属部170に探針を接触させることで、素子163の特性を測定することも可能になる。
また、反応性アシストガスを用いればイオンビームやレーザビームの場合にも加工速度を速めることができ、電子ビームでも加工することが可能となる。
〈実施例4〉
本実施例では、探針と試料を接触させる前の、清浄化処理について図10を用いて説明する。探針と試料の間の接触不良の多くは、これらの間に絶縁性の物質が混入することにより起こる。例えば、酸化膜や、汚染物質がこの原因となる。従来のテスタでは、ボンディングパッドのような大きな電極に探針を接触させていたため、接触面積を大きくとることができたので、これらの絶縁性物質が、あまり問題とはならなかった。しかし、現在の素子のように配線が微小化し、この配線に直接探針を接触させる必要が出てくると、接触面積を大きくとることができないため、このような絶縁性物質が接触不良に大きく影響を与えることになる
。本発明は、従来と異なり、真空中で電気特性測定を行うため、探針接触前に試料や探針の表面を清浄化してやれば、このような接触不良を抑えることができる
。
。
〈実施例5〉
探針を用いた電気特性測定手法で、最も重要なことは、探針と試料の接触を確実に保つことである。しかし、通常の場合、探針と試料の間には、熱的、または機械的なドリフトが存在するために、相対位置の変化が起こるため、接触状態を一定に保つことは難しい。これを補うためには、例えば、図11に示すようなばね効果を有する探針を用いればよい
。この探針40を電極43に接触させた状態で、探針ホルダ42と電極43の相対位置が
、図11(a)から図11(b)のようにΔx変化した場合でも、コの字型のばね構造部41がばね効果によりこの相対変位を吸収し、接触を良好に保つことができる。ほかにも、図4(c)、(d)のような形状を持つ探針44、45も、同様にドリフトをばね構造部46、47で吸収することができる。この場合、探針40先端と電極43が摩擦力を持つ必要があるため、ばね構造部41が微小な力で圧縮された状態で接触するようにしておく。図12は探針接近距離Ztと、探針試料間を流れる接触電流Icの関係を示したものである。上記までの接触法では、接触電流が飽和する位置Z23を接触完了としたが、このばね探針ではさらにZ24まで接近させ、探針40先端と電極43が摩擦力を持つ様にする。この探針停止位置Z24は、当然のことながら、探針1と電極4が破損しない位置である必要があるが、このばね探針の場合には、縦方向にもばね効果を持つために、ばね効果を持たない探針と比較して、探針、試料等が破損しない接近領域が広いため、Z24の設定は容易である
。また、測定に必要な時間とドリフト速度から見積もると、変位距離Δxは高々1μm程
度である
ため、ばね構造部41の弾性変形で十分に追従できる。また、このばね構造部43は試料表面に垂直方向のドリフトも吸収することができるため、接触状態を一定に保つことができる。
〈実施例6〉
上記実施例では観察手段に電子ビームを用いているため、この照射電子が電極や探針に吸収される。探針間の電圧電流特性の測定で流れる素子電流が、この電子ビームによる電流を無視できる程度に大きければ問題にはならないが、素子電流が小さく電子ビームによる電流が無視できない場合には、この観察用の電子ビームを遮断する必要がある。この場合には、1次電子ビーム照射系に図13に示すように、ブランキング電極140と遮蔽板141を付加すればよい。すなわち
、探針接触のための観察時には、図13(a)に示すようにブランキング電極140を働かせずに1次電子ビーム20を通し、探針による電気特性測定時には図13(b)に示すようにブランキング電極140に電圧を掛け、1次電子ビーム20を曲げて、遮蔽板141で遮られるようにする。
本実施例では、実施例2に示したように探針接触時に像ずれが生じても、像ずれ補正に頼らずに確実に探針を接触させる方法について述べる。この接触法を図14に示す。ここでは、簡単のために2つの探針1、2だけ抽出している。始めは、探針1、2ともまだ接触すべき電極5、6から離れた状態である(図14(
a))。まず、探針1をトンネル電流検出状態まで接近させる(図14(b))。
ここで、この探針1を一定トンネル電流によるフィードバック制御状態に保つ。次に、探針2を接近させ、同様にトンネル電流検出状態に保つ(図14(c))。
こうして2本ともトンネル状態に保った後、同時に2本の探針1、2を接近させ
、それぞれ電極5、6に接触させる。これにより、観察像がずれて、探針1、2先端と電極5、6の接触位置が見えなくなったとしても、正しく接触させることができる。ここでは2本の探針の場合を説明したが、これ以上の複数の探針を用いる場合にも、一旦すべての探針をトンネル状態に保った後、同時にすべての探針を接近させて接触させることで、同様に像移動の影響を受けることなく正しく接触させることができる。
。
〈実施例8〉
実施例1では、接触の直前位置検出として、トンネル電流検出を用いたが、本実施例で説明するように、接触直前位置検出に探針1先端と電極5間に働く原子間力を用いる方法もある。図15(a)の60は原子間力検出用のカンチレバーであり、原子間力によるこのカンチレバー60の変形により力を受ける圧電素子62、63の圧電起電力を電圧計64で検知する。すなわち電圧計64で計測される起電力から探針1と電極5の間の原子間力を知ることができる。図15(b)は探針1を接近させるときの接近距離Ztと探針1と電
極5の間に働く原子間力Faの関係を示した図である。まず、切り替えスイッチ65を電
圧計64側に接続して、探針1を電極5に接近させて行くと、Z61から原子間力Faが急
激に大きく
なる。ここで、ある力F62になったところZ62で接近を中止する。これにより、
接触直前位置の検出ができる。ただし、原子間力検出位置Z62で単に接近を止めるだけでは、図2でも説明したように、探針移動機構14の応答速度やクリープ現象のために、探針1が電極5に接近して勝手に接触してしまうことがあるので
、原子間力がF62で一定になるように探針移動機構14に探針移動制御回路18からフィードバックを掛けた方が良い。その後、切換えスイッチ65を電流計30側に接続し、接近速度を小さくして、探針1を電極5に接近させる。図15(
c)は、探針1を接近させるときの接近距離Ztと接触電流Icの関係を示した図
である。この後は、図2の説明と同じであり、Z63で探針1と電極5が接触し、この接触電流が飽和する位置Z64で探針1の接近を止め、接触完了とする。
〈実施例9〉
上記実施例で説明してきたように、接触させる電極等に必ず接触電流が流れるとは限らない。例えば、電極がゲート等の電極であれば、試料基板とは基本的に絶縁されているので、接触電流が検出できない。この場合には、以下に述べるような接触法を用いる。
。この交流バイアス印加を用いる方法について図16により説明する。まず、探針1と試料9の間に交流電源80により交流電圧を印加して、接触により流れる交流電流の実効値を電流計30で計測する(図16(a))。このときの
、接近距離Ztと接触電流実効値Icの関係を示したものが図16(b)であり、接近距離がZ81のときに探針1と電極5接触し、接近距離がZ82のときに電流Ic
が飽和する。この飽和を接触確認とし、探針移動制御回路18が探針移動機構14を接近距離Z82止める。こうして、接触を完了することができる。この交流電流を用いる場合も
、トンネル電流検出を介して接触させることもできる。
、板ばね90は接触による力を検出するので、通常原子間力測定に用いられるnNオーダの力より充分大きな力を計測する必要があるため、図15(a)のカンチレバー60より剛性の強いものを使用する。こうして、探針1を接近させると、接近距離Ztと探針1・電極
5間に働く力Fの関係は、図17(b
)に示すようになるので、特定の力F91になったところで探針移動制御回路18
の命令で探針移動機構14を止めることで、接触を行うことができる。ここで、この接触力Fは、探針先端形状、探針先端材質(強度)、接触電極の大きさ、接
触電極の材質等により決定される。例えば、図17(b)のFmin以下では、接触
が弱く、接触抵抗が大きかったり、オーミック接触になっていなかったりという問題が生じる。また、Fmax以上の力になると、探針が破壊されたり、配線が倒
れたりといった問題が生じる。つまり、確実な接触を行うためには、Fmin、Fm
axに対応した接近距離ZminとZmaxの間まで接近させる必要がある。
、18…探針移動制御回路、19…電気特性測定回路、20…1次電子ビーム、21…2次電子、30…電流計、31…電源、35…ソース電極、36…ゲート電極、37…ドレイン電極、40…探針、41…ばね構造部、42…探針ホルダ
、44、45…探針、46、47…ばね構造部、50…プリアンプ、51、52
、53…切換えスイッチ、60…カンチレバー、62、63…圧電素子、64…電圧計、65…切換えスイッチ、70…絶縁層、71…スイッチ、80…交流電源、90…板ばね
、100…エネルギーフィルタ、101…電位計測器、102…交流電源、110…曲げられた電子ビーム、130…像ずれ補正回路、131…初期観察領域、132…像ずれした観察領域、133…画像メモリ、140…ブランキング電極、141…遮蔽板、150…イオン源、151…静電レンズ、152…偏向器、153…静電レンズ、154…イオンビーム、160…測定素子、161…配線、162…加工溝、163…下層測定素子、164…電極パッド、165…ノズル、166…堆積性ガス、167、168…配線、169…コンタクトホール、170…埋め込み金属部、172…汚染物質、173…除去された汚染物質、174…汚染物質、175…除去された汚染物質。
Claims (6)
- 真空容器と、
当該真空容器内に設けられた、試料の所望箇所にそれぞれ接触させる複数の探針と、
前記試料または前記探針に電子ビームを照射する照射光学系と、
前記試料または前記探針に前記電子ビームを照射して発生する二次粒子を検出する検出器と、
前記複数の探針ごとに設けられた前記探針を移動する移動手段と、
前記探針と前記試料との間に電圧を印加する手段と、
前記試料の電気特性を測定する手段とを備え、
前記試料上における前記探針を接触させるべき位置に付着した汚染物質を除去する汚染除去手段を備えることを特徴とする検査装置。 - 顕微手段により観察される試料上の特定位置に複数の探針を接触させ、当該試料の電気特性を測定する検査装置において、
前記顕微手段が走査電子顕微鏡であり、
更に、
前記複数の探針間の電流電圧特性を測定する電気特性測定手段と、
前記試料上における前記探針を接触させるべき位置に付着した汚染物質を除去する汚染除去手段とを備えることを特徴とする検査装置。 - 顕微手段により観察される試料上の特定位置に複数の探針を接触させ、当該試料の電気特性を測定する検査装置において、
前記顕微手段が走査電子顕微鏡であり、
更に、
前記試料の電流電圧特性を測定する電気特性測定手段と、
前記試料上における前記探針を接触させるべき位置に付着した汚染物質を除去する汚染除去手段とを備えることを特徴とする検査装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の検査装置において、
前記汚染除去手段が、光照射手段、電子ビーム照射手段またはイオンビーム照射手段のいずれかを備えることを特徴とする検査装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の検査装置において、
前記汚染物質が、前記試料上に形成された酸化膜ないし絶縁性物質であることを特徴とする検査装置。 - 顕微手段により観察される試料上の特定位置に複数の探針を接触させ、当該試料の電気特性を測定する検査装置において、
前記顕微手段が走査電子顕微鏡であり、
更に、
前記複数の探針間の電流電圧特性を測定する電気特性測定手段と、
前記試料上における前記探針を接触させるべき位置に光を照射するための光照射手段とを備えることを特徴とする検査装置。
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