JP4090657B2 - プローブ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、集積回路の欠陥を検出するためのプローブ装置およびプロービング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程における各プロセス毎の検査・計測は、プロセスの進捗をモニタし、かつ、重大欠陥を早期に発見するための重要な役割を持つ。また、新規半導体装置の製造に際して新規プロセスを採用する場合、事前にテストチップ(Test Element Group: 以下TEGと略す)を用いて幾種類もの条件下で製造し、最適形状や最適プロセス条件を決定していく。このTEGによる早期の最適条件の絞り込みがプロセス確立を早め、歩留りの早期向上に繋がり、良品が大量に製造できるようになる。つまり、TEGの的確な評価はプロセス確立に重要な意味を持つ。
【0003】
検査や計測には種々の計測機器が用いられるが、特に、配線の断線,短絡にはメカニカルプローブの接触による方法が良く知られている。従来は、測定すべき回路に予め複数個のパッドを設置しておき、光学顕微鏡下で2個のパッドに触針して両者間の電気抵抗を測定して、断線や短絡をの有無を判断している。
【0004】
さらに微細な回路配線の断線や短絡を検査する装置として、集束電子ビームを用いた走査電子顕微鏡(以下、SEMと略す)や集束イオンビームを用いた走査イオン顕微鏡(以下SIMと略す)における二次粒子像(例えば、二次電子像)の電位コントラストを利用した検査装置がある。この電位コントラスト像利用の方法は、配線の断線や短絡判定の他に、半導体基板上を覆っている絶縁層を貫通して上記基板と接続されるべき導電性プラグ列の上記基板との接触状態、つまり接触か非接触かの判断や、不良部の場所特定にも適用することができる。
【0005】
SEMやSIMなどの荷電粒子ビーム装置の電位コントラスト像においては、その画像を形成している構成体(例えば、配線や金属プラグ)の電位が、画像におけるその構成体の輝度に反映する。これら構成体への電位の供給方法として、メカニカルプローブの接触による電位印加法や、荷電粒子ビーム走査による電荷付与法がある。電荷付与法の場合は、フローティング導体(例えば、配線や金属プラグ)への荷電粒子ビーム照射が該フローティング導体を幾分正に帯電させるため、荷電粒子ビーム照射部から放出される二次電子は、この帯電部に引き付けられ、最適化された検査装置では、走査二次電子像上でその部分が暗いか、くすんだように観察される。一方、導体が接地されている場合は電荷が蓄積できないため、放出される二次電子はそのまま二次電子検出器へと向かうため、走査二次電子像上でその部分は明るく観察される。これにより、荷電粒子ビーム照射部が接地状態にあるのか、非接地状態にあるのかを判定することができる。
【0006】
集束電子ビームあるいは集束イオンビームを用いた電位コントラスト像による検査装置の従来例として、特開平6−61324号,特開平10−313027号,特開平11−121559号公報等に開示のものを挙げることができる。
【0007】
荷電粒子ビーム装置のうち、特に、集束イオンビーム装置内にメカニカルプローブおよびプローブ駆動機構を設置して、試料に電位を供給する装置は知られている。例えば、 T. Lundquist らが、LSIテスティング・シンポジウム会議録(1997,12.11-12, pp.154-156)に 「Case Study of Micro-Probing within a FIB」と題して報告している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光学顕微鏡及びメカニカルプローブによる触針での回路測定では、注目する回路の短絡,断線の判断はできても、その短絡,断線の場所の特定が困難であった。つまり、断線,短絡の判断できれば、その発生原因を追及せねばならないが、メカニカルプローブのパッドへの触針法では、欠陥位置特定はできない。回路の線幅が1μm以下では、光学顕微鏡下では、精度的にプロービングができない。集束電子ビーム装置や集束イオンビーム装置の試料室内にメカニカルプローブ及びプローブ駆動機構を設置して、試料の抵抗や導通状態を計測する装置は上述の如く知られてはいるものの、計測対象とする試料は半導体チップ等の小片である。つまり、プローブの移動ストークが小さいため、計測範囲が10〜20mm程度と限度があるためである。しかしながら、最近の半導体装置製造においてはウェハを分断せずに回路測定を行ないたいというニーズが増大しているものの、従来装置ではこれらのニーズを満足できない。
【0009】
従って、本発明が解決しようとする第1の課題は、測定対象試料が直径300mmや400mmにも及ぶ大口径ウェハの場合でも回路測定できるプローブ装置を提供することにある。
【0010】
また、従来の集束イオンビーム装置の試料室内にプロービング機構を搭載した装置では、プローブが不意に破損した場合、プローブが試料室(真空容器)内に設置されているがため、プローブ交換時に試料室内の大気開放が必要となる。例えば、プローブ機構が複数のプローブを組にしたプローブセットでは、プローブセットごと大気中に取り出して交換せざるを得ないため、たとえ複数プローブのうち1本のプローブが破損した場合でも測定作業を中断せざるを得ず、プローブ交換が終了して試料室内が所定の真空度に達するまでは測定作業にかかれない等の問題点を有している。
【0011】
従って、本発明が解決しようとする第2の課題は、試料室内の真空を維持しながら、簡便にプローブ交換を行なうことが可能なプローブ装置を提供することである。
【0012】
さらに、本発明が解決しようとする第3の課題は、上記の第1,第2の課題を解決し得るプローブ装置を用いて、試料内の回路不良部を検出するプロービング方法及び回路不良部解析方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記第1および上記第2の課題を解決するために、本発明によれば、
(1)試料に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム照射光学系と、上記荷電粒子ビームの照射によって上記試料から放出される二次粒子を検出する二次粒子検出器と、上記試料を載置する試料ステージと、上記試料に必要に応じて接触できるプローブと、上記プローブを移動させるプローブ移動制御部と、上記プローブを保持するプローブホルダをサイドエントリー式に挿入して上記プローブ先端を移動させるプローブホルダステージとを少なくとも有してなるプローブ装置が提供される。かかる装置構成により、プローブを試料表面上の広範囲の領域にわたり相対的に移動させて、任意の位置に接触させることができる。
【0014】
(2)上記(1)記載のプローブ装置において、上記試料ステージは、上記試料として半導体ウェハを載置するステージとすることができる。これにより、大口径ウェハに対しても、容易に回路計測が可能となる。
【0015】
(3)上記(1)または(2)に記載のプローブ装置において、上記プローブホルダステージは、これを複数個設けることができる。これにより、回路の導通検査が可能となる。
【0016】
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のプローブ装置において、上記プローブホルダステージは、上記試料ステージを内蔵する試料室の真空容器壁に設置することができる。これによって、上記プローブを上記試料ステージの動作とは独立して動作させることができる。
【0017】
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のプローブ装置において、上記プローブホルダステージ上に設置されたプローブホルダは、水平面に対し20°〜70°の範囲内の傾斜角度を成しているものとすることができる。これにより、上記プローブホルダ及び上記プローブホルダステージが、試料や試料ステージ等の他の試料室内部材と接触することなくして、回路計測を行なえる。
【0018】
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のプローブ装置において、上記プローブには独自の電位を与え得るように構成することができ、上記プローブのうちの少なくとも1個のプローブは電圧電源に連結されているものとすることができる。これにより、フローティング状態の回路部分に電位を付与することができ、二次電子像のコントラストを調整することができるため、断線部を容易に見つけ出すことができる。
【0019】
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のプローブ装置において、上記荷電粒子ビーム照射光学系は、特に集束イオンビームもしくは集束電子ビームのうちの少なくともいずれかであるものとすることができる。これにより、高分解能の電位コントラスト画像による回路不良部の高精度検出が可能となる。
【0020】
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のプローブ装置において、上記試料表面上にデポジション膜形成用のガスを供給するためのガス供給源をさらに備えさせることができる。これにより、配線形成が可能になり、回路断線部の結線が可能となる。
【0021】
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載のプローブ装置において、上記プローブホルダステージは上記プローブの先端が上記荷電粒子ビーム照射光学系の光学軸に平行な直線を1軸とする直交3軸方向に移動できる構造とすることができる。これにより、ウェハ表面上でのプローブの動きをモニタ表示画面上で違和感無く観察することができる。
【0022】
また、上記第3の課題を解決するために、本発明によれば、
(10)試料に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム照射光学系と、上記荷電粒子ビームの照射によって上記試料から放出される二次粒子を検出する二次粒子検出器と、上記試料を載置する試料ステージと、上記試料に必要に応じて接触できるプローブと、上記プローブを移動させるプローブ移動制御部と、上記プローブを保持するプローブホルダをサイドエントリー式に挿入して上記プローブ先端を移動させるプローブホルダステージとを有するプローブ装置を用いて、上記プローブを上記試料の一部に接触させ、上記試料の一部に電位を与えて、上記試料表面の電位コントラスト像を観察して、上記試料の不良部を検出するプロービング方法が提供される。これにより、得られる高コントラスト画像によって回路不良部の検出が短時間で実現する。
【0023】
(11)上記(10)に記載のプロービング方法において、上記試料の一部に接触させた上記プローブに与える電位は、特に、−50V〜+50Vの範囲内の値とすることができる。これにより、上記電位コントラスト像の最適コントラストを選ぶことができる。
【0024】
(12)上記(10)記載のプロービング方法において、上記プローブを上記試料の一部に接触させて、上記試料表面上にマークを付けることができる。これにより、検出した不良部をその場でマーキングでき、後の各種の分析や計測時の目印とすることができ、不良部を見失うことがない。
【0025】
(13)上記(10)または(11)に記載のプロービング方法において、上記荷電粒子ビームによって上記試料表面上に不良部識別用のマークを形成することができる。これにより、検出した不良部をその場でマーキングでき、後の各種の分析や計測時の目印とすることができ、不良部を見失うことがない。
【0026】
また、上記第3の課題を解決するために、本発明によれば、さらに、
(14)試料に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム照射光学系と、上記荷電粒子ビームの照射によって上記試料から放出される二次粒子を検出する二次粒子検出器と、上記試料を載置する試料ステージと、上記試料に必要に応じて接触させることのできる複数本のプローブと、上記複数本のプローブを移動させるプローブ移動制御部と、上記プローブを保持するプローブホルダをサイドエントリ式に挿入して上記プローブ先端を移動させるプローブホルダステージとを有するプローブ装置を用いて、上記複数本のプローブのうち2本のプローブを上記試料表面上の2点にそれぞれ接触させて、上記2本のプローブ間の電気抵抗を測定して、上記試料内の導通状態を検査するプロービング方法が提供される。これにより、試料(ウェハ)上の回路の電気抵抗,導通状態等を計測することができる。
【0027】
さらにまた、本発明によれば、
(15)試料に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム照射光学系と、上記荷電粒子ビームの照射によって上記試料から放出される二次粒子を検出する二次粒子検出器と、上記試料を載置する試料ステージと、上記試料に必要に応じて接触させることのできる少なくとも4本のプローブと、上記4本のプローブを移動させるプローブ移動制御部と、上記プローブを保持するプローブホルダをサイドエントリ式に挿入して上記プローブ先端を移動させるプローブホルダステージとを有するプローブ装置を用いて、上記4本のプローブを上記試料表面上の4点にそれぞれ接触させて、上記試料内に形成されたトランジスタの特性を検査するプロービング方法が提供される。この方法により、試料(ウェハ)上のトタンジスタの特性を容易かつ精度良く計測することができる。
【0028】
さらにまた、本発明によれば、
(16)試料に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム照射光学系と、上記荷電粒子ビームの照射によって上記試料から放出される二次粒子を検出する二次粒子検出器と、上記試料を載置する試料ステージと、上記試料に必要に応じて接触させることのできる第1及び第2プローブと、上記第1及び第2プローブを移動させるプローブ移動制御部と、上記プローブを保持するプローブホルダをサイドエントリ式に挿入して上記プローブ先端を移動させるプローブホルダステージとを有するプローブ装置を用いて、上記試料表面上に上記第1のプローブを接触させ、荷電粒子ビームの照射による電位コントラスト二次電子像によって不良部を検出する工程と、集束イオンビーム照射によって上記不良部を含む領域の周囲に溝加工を施す工程と、上記不良部を含む領域内の一部に上記第2のプローブの先端を接続する接続工程とを少なくとも含んでなる試料作製方法が提供される。これによって、大口径ウェハから微小試料片を摘出して、該微小試料片の分析,観察,計測等を行なうことができ、上記試料の不良部解析を容易,かつ精度良く行なうことができ、また、上記微小試料片をその場で透過型電子顕微鏡(TEM)による観察用のサンプルに加工することができる。
【0029】
本発明の上記以外の目的,構成,並びにそれにより得られる作用・効果については、以下の実施例を挙げての詳細な説明の中で順次明らかにされよう。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、実施例を挙げ、図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
本発明によるプローブ装置は、例えば、試料に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム照射光学系と、この荷電粒子ビームの照射によって上記試料から放出される二次粒子を検出する二次粒子検出器と、上記試料を載置する試料ステージと、上記試料に必要に応じて接触させることのできるプローブと、このプローブを移動させるプローブ移動制御部とを少なくとも含んでなり、さらに、上記プローブを保持するプローブホルダをサイドエントリ式に試料室内に導入できる構造とされ、上記プローブの先端を試料表面上の所望の位置に移動させるプローブホルダステージを備えて構成される。
【0032】
また、本発明によるプロービング方法は、試料に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム照射光学系と、上記荷電粒子ビームの照射によって上記試料から放出される二次粒子を検出する二次粒子検出器と、上記試料を載置する試料ステージと、上記試料に必要に応じて接触させることのできるプローブと、上記プローブを移動させるプローブ移動制御部と、上記プローブを保持するプローブホルダをサイドエントリー式に挿入して上記プローブ先端を移動させるプローブホルダステージとを有するプローブ装置を用いて、上記プローブを上記試料の一部に接触させて上記試料の一部に電位を与えて、上記試料表面の電位コントラスト像を観察し、上記試料の不良部を検出する方法である。
【0033】
以下、本発明によるプローブ装置の具体的実施例につき、図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
〈実施例1〉
本実施例1による装置は、特に、ウェハ上に搭載された半導体集積回路の欠陥箇所を特定するプローブ装置である。このプローブ装置には、2本のサイドエントリ式のプローブが搭載されており、1本のプローブを回路に接触させて回路に電位を与え、得られる電位コントラストから回路の断線部を検出したり、2本のプローブを独立に移動させて、半導体デバイスやTEGなどの配線の両端に接触させ、プローブ間の電気的特性を計測してデバイス電気回路の良不良を検出する装置である。
【0035】
図1は、本発明による最も基本的な装置構成を有するプローブ装置の概略構成図である。このプローブ装置1は、半導体ウェハやTEG等の試料2の表面観察や加工をするための荷電粒子ビーム照射光学系3と、この荷電粒子ビーム照射によって照射部から放出される二次粒子(二次電子や二次イオン等)を検出する二次粒子検出器4と、試料2を載置する試料ステージ5と、試料2との電気的接触をとるための先端を尖鋭化された2本の導電性のプローブ6などを含んで構成されている。
【0036】
荷電粒子ビーム照射光学系3は、本実施例では、集束イオンビーム(Focused Ion Beam: 以下、FIBと略記する)装置である。FIB装置では、例えば液体金属イオン源や電界電離ガスイオン源から放出されたイオンをビーム制限アパーチャ,集束レンズ,対物レンズ等から構成されるFIB照射光学系を用いて直径10nmから1μm程度の微細なイオンビーム(FIB)16に形成できる。このFIB16を偏向器を用いて試料2表面上で走査し、試料2表面から放出される二次粒子(二次電子や二次イオン)を二次粒子検出器4に取り込んで、走査領域の二次粒子像(二次電子像や二次イオン像)を形成でき、この二次粒子像により試料2表面やプローブ6先端の動きを観察できる。なお、本実施例中では、二次電子像に注目して説明する。また、FIB16は、試料2表面をスパッタさせることができるので、その走査パターン形状に対応して深さがサブμmから数10μmのレベルの凹部加工を行なうことができる。また、有機金属ガスを導入しながらFIB照射することで、この有機金属ガスを分解させてFIB照射領域に金属膜をデポジション形成することができる。この膜形成方法は、FIBアシストデポジション法(以下、FIBAD法と略記する)と呼ばれる。
【0037】
図2に、プローブ機構の詳細を示す。プローブ6は、プローブホルダ7先端のプローブ固定部18に固定され、このプローブホルダ7は真空容器外からサイドエントリ機構であるプローブホルダステージ9内を通して、試料室21内に導入できる。本実施例では、プローブホルダステージ9を2組設置して、2本のプローブをそれぞれ独立に移動させて、試料2表面上の所望の位置に接触させることができる。なお、本実施例では、プローブ6の移動機構の一例として、プローブホルダステージ9を微移動させることによりプローブ6先端を微移動させる構成を採用している。すなわち、本実施例では、前述のプローブ移動制御部として、プローブホルダステージ制御部11を用いている。
【0038】
本プローブ装置1の他の構成要素として、試料ステージ5の位置を制御するためのステージ制御部10、プローブ6をXYZ方向に微移動させるためにプローブホルダステージ9を正確に微移動させるプローブホルダステージ制御部11、二次粒子検出器制御部12、荷電粒子ビーム制御部13等も含み、その他に上記ステージ制御部10,プローブホルダステージ制御部11,二次粒子検出器制御部12,荷電粒子ビーム制御部13等を制御するための演算処理部14が設けられている。演算処理部14は、さらに、二次粒子画像情報,回路パターン情報の記憶や処理にも用いられる。また、試料2やプローブ6等の二次粒子像や、試料2の座標、プローブ動作条件、プローブ6への印加電圧、2本のプローブ間の抵抗値、プローブ6からの取得信号などの各種の情報を表示するディスプレイ15も設けられている。さらに、FIBアシストデポジション用のガス供給源(図示省略)も設けられており、プローブ動作により例えば回路配線の断線部分が検出されれば、必要に応じてその部分にデポジション膜を形成して配線を繋ぎ、導通状態にすることもできる。試料であるウェハは、ロードロック室20から試料室21内の真空度を維持しながら導入できる。
【0039】
本プローブ装置1では、プローブ機構部は、本発明に関わる重要な箇所であるため、図2と図3を用いて詳述する。なお、図3の(a)はプローブホルダ7部分を、図3の(b)はプローブホルダステージ9部分をそれぞれ示す。プローブ6は導電性材料で構成され、先端の曲率半径は0.1μm程度で、先端から数μmの長さの所での直径は1μm以下、基部でも直径数10μmから数100μmと云う繊細な針である。プローブホルダ7の先端付近は絶縁物17で構成され、プローブ6はプローブホルダ7本体とは電気的に絶縁されている。プローブホルダ7をプローブホルダステージ9に挿入すると、プローブ固定部18がプローブホルダステージ9に設けられた接触端子26に接続されて、接触端子26はケーブル8,端子27に接続されて大気中の電源28等に接続されているため、プローブ6には真空容器壁23外から独立して電圧を供給したり、プローブ6から信号を取得したりすることができる。本実施例では、プローブ6は、接触端子26とケーブル8との連結で、試料室21外の正負両極性の電圧を供給できる電源(図示せず)に繋がっている。プローブが複数本有る場合、それぞれ独立に電源を設置することにより、それぞれのプローブに別々の電圧を印加できる。
【0040】
2本のプローブ6のうち少なくとも一方から得た信号は、AD変換されて演算処理部14に入力される。一方のプローブのみを配線パターンの端部に接触させて、当該配線パターンに電位を与え、二次電子像のコントラストを強調して観察することもできる。また、2本のプローブを試料表面の別々の箇所に同時に接触させて、両プローブ間の試料内電気抵抗を計測することもできる。
【0041】
プローブ6の試料2表面上での移動範囲は±2mmで、最小の移動ステップは0.05μm,プローブ移動速度は切り替え可能で1μm/秒,10μm/秒,100μm/秒,1mm/秒の4段階としてある。
【0042】
プローブホルダステージ9と試料室21との間の真空封じは、Oリング24,ジャバラ25を用いて行なわれている。エントリ機構部には、真空バルブ29が設けられており、プローブホルダ7を挿し込むと、試料室21内の真空を維持しながら真空バルブ29が開いて、プローブ6を試料室21内に導入できる。このサイドエントリ機構は、従来、透過電子顕微鏡(TEM)のサンプルステージやアパーチャステージのエントリ用に用いられている。
【0043】
プローブホルダ7は、本実施例では、図1,図2に示すように、斜め下向きに設置されるが、プローブホルダステージ9が、荷電粒子ビーム光学軸(Z軸)に平行方向、水平面内で装置正面に対して垂直(X軸)方向,平行(Y軸)方向の3軸方向にモータ22X,22Y,22Zにより移動され得るように構成されている。このため、プローブ6の先端は、図中のX,Y,Z方向に移動でき、二次電子像の観察の際にも違和感を感じない構成となっている。
【0044】
本実施例のプローブ装置1は、以下のような作用効果を有する。
まず、プローブ6を試料ステージ5とは独立に移動動作させ得るため、ウェハのような大面積試料に対しても、その任意位置へのプロービングが容易に可能である。また、プローブホルダステージ9がサイドエントリ式であるため、プローブ6が損傷した時でも、試料室21内の真空度を悪化させることなく、プローブ6の交換ができる。この結果、試料の測定や観察を滞ることなく実行できる。
【0045】
さらに、本実施例の場合、プローブホルダ7は斜め下向きに設置されるが、プローブ6は、荷電粒子ビーム照射光学系3の光学軸に平行方向,水平面内で装置正面に対し垂直,平行方向の3軸方向に移動するようになっているため、ディスプレイ15上では、プローブ6が試料表面に平行面内の移動と垂直方向の移動をするため、見た目の上での違和感がないことが特徴である。このような特徴を総合して、高効率での試料の計測,観察を可能にした。
なお、本実施例1ではプローブが2本の場合について説明したが、同じように3本、4本を搭載しても良く、特に4本の場合、ウェハ上に高密度に集積されているトランジスタ群のうちの1個1個のトランジスタの特性を直接計測することができる。
【0046】
〈実施例2〉
本実施例2は、2本のサイドエントリ式の電気計測用プローブと1本のサイドエントリ式のマイクロサンプリングプローブとを搭載したプローブ装置に関するもので、2本のプローブにより検出した電気的不良部の原因を形状解析するために、不良部をその場でマイクロサンプリングして電子顕微鏡観察用の試料に加工することのできるプローブ装置である。装置構成は、図1のプローブ装置構成を基本にして、先の2組のプローブホルダステージとは別に、更にもう1組のプローブホルダステージを、先の2組のプローブホルダステージとは直交方向に配置したものであるが、ここでは図示は省略する。
【0047】
以下、本発明によるマイクロサンプリング法について説明する。
本発明によるマイクロサンプリング法は、半導体チップやウェハなどの試料からその欠陥部等の注目部分を摘出して、透過電子顕微鏡(TEM)で観察するためのサンプルに加工する方法であり、従来の劈開やダイシング,研磨などの方法を用いずに、FIBの溝加工による微小試料加工,プローブと微小試料とのFIBAD膜による接着加工,プローブ動作による上記微小試料の摘出,TEM観察用メッシュ上への微小試料の搬送作業,FIBAD膜によるTEM観察用メッシュへの固定加工,TEM観察領域のFIBによる薄片化加工などの作業によって、元の試料を割段や機械加工することなくして、FIB装置内でTEM観察用試料に加工できる方法である。このマイクロサンプリング法によるTEM観察用試料の作製手順につき、図7を用いて説明する。
【0048】
図7の(a):まず、TEM観察位置を明確化するためのマーキングを行なう。試料がウェハやチップの状態では、CADデータ等からの位置割り出しや、光学顕微鏡像,FIBによるSIM像上での位置確認が可能であるため、最初に試料薄片の形成位置にマーキングをする。マーキングは、例えば観察断面を形成する領域の両端部にマーク60をFIB加工やレーザ加工等により施す。本例では、観察領域を挟んで10μm間隔でプラス(+)マーク60を2個施した。この2個のマーク60を結ぶ直線の延長線上で、2個のマーク60の両外側にFIB61によって2個の矩形開孔62を設ける。開孔寸法は、例えば10μm×7μm,深さ15μm程度で、両矩形開孔間の間隔は32μmとした。
【0049】
図7の(b):次いで、両マーク60間を結ぶ直線から約2μmを隔てて、上記直線と平行に、一方の矩形開口には達するが他方の矩形開口には達しないようにして、幅約2μm,長さ約30μm,深さ約10μmの細長い垂直溝63を形成する。この垂直溝63が達していない方の矩形開口62と垂直溝63との間に残された微小領域(長さ約2μm)は、後に、摘出すべき試料片を保持するための支持部64となる。
図7の(c):図7の(a),(b)の工程の後に、試料面を小さく傾斜(本実施例では15°)させる。その状態で、上記マーク60を結ぶ直線から先の溝63とは反対の側に約2μmを隔てて、両矩形開口62間を結ぶように、幅約2μm,長さ約32μm,深さ約15μmの細長い斜め溝65をFIBで形成する。試料基板面に対して斜め方向から入射するFIB61により斜め溝65が形成され、先に形成した垂直溝63と試料内で交わる。図7の(a)から(c)の工程により、マーク60を含み頂角が15°の直角三角形断面のクサビ型摘出試料片66が、支持部64により片持ち支持されている状態となる。なお、ここでは試料ステージの傾斜角が15°の例について説明したが、それに限定されるものではない。
【0050】
図7の(d),(e):次に、試料ステージを再び水平に戻し、摘出すべき試料片66の支持部64とは反対側の端部に移送手段(図示省略)により保持されたプローブ67の先端部を接触させる。次に、試料片66にプローブ67先端部を固定するために、プローブ67先端部を含む約2μm平方の試料表面領域に、FIBAD膜形成用のガスを供給しながら、この領域をFIB61で照射・走査する。このようにして、FIB照射領域にFIBAD膜68が形成され、プローブ67先端部と摘出すべき試料片66とが固定接続される。
【0051】
図7の(e),(f):摘出試料片66を試料基板上から摘出するために、支持部64にFIB61を照射して支持部64をスパッタ加工して除去する。これで、試料片66は試料上への支持状態から開放され、プローブ67先端部に固定保持されて、試料から分離摘出される。
【0052】
図7の(g),(h):プローブ67の先端部に固定保持されて摘出された摘出試料片69は、TEM観察用のメッシュ70上に移動させるが、実際には、試料ステージを移動させてFIB走査領域内にTEM観察用メッシュを移動させる。TEM観察用メッシュ70はウェハを載置しているウェハホルダの一部に設置されている。FIB走査領域内にTEMメッシュ70が入ると、試料ステージ移動を停止し、プローブ67を試料台方向に移動させ、TEMメッシュ70に接近させて、摘出試料片69がTEMメッシュ70上に接触した時に、摘出試料片69とTEMメッシュ70との接触部(例えば、長手方向の端面)にFIBAD膜72を形成して摘出試料片69をTEMメッシュ70上に固定する。
【0053】
図7の(i):FIBAD膜形成用ガスの導入を停止した後に、プローブ67と摘出試料片69とを接続しているFIBAD膜68にFIBを照射してスパッタ除去することで、プローブ67を摘出試料片69から分離でき、摘出試料片69はTEMメッシュ70上に自立する。
【0054】
図7の(j):最後に、FIB61の照射によって、最終的に観察領域を厚さが100nm程度以下のウォール73となるように薄壁状に仕上げて、TEM試料とする。
【0055】
以上のマーキングからウォール加工までのTEM観察用試料作製の全工程を約1時間30分で完了することができた。また、摘出試料片69の大きさは、幅:2〜4μm,長さ:15〜30μm,高さ:15〜20μm程度の微細なものとすることができた。
【0056】
次に、摘出試料片69を固定したTEMメッシュ70をTEMホルダ上に搭載して、TEMの試料室に導入する。
【0057】
このように、プローブ67は電気測定以外にも、ウェハ等の試料から微小試料片をマイクロサンプリングするのにも重要な役割を果たしている。
【0058】
本発明によるプローブ装置では、導通検査や電位供給,抵抗測定等電気的計測の役割を行なうプローブと、マイクロサンプリングを行なうプローブとが、各々同じ形状のプローブホルダ,プローブホルダステージににより動作されることが最大の特徴であり、3本のプローブの設置位置は随時変更可能であり、しかも、試料室の真空度を維持しながら変更できるため、計測作業に中断を与えることがない。
【0059】
〈実施例3〉
本実施例3は、先の実施例2で示したプローブ装置を用いて配線TEGサンプルの断線部の検出及び断線原因の解析を行なうプロービング方法及び不良部解析方法についてのものである。以下、図を参照して説明する。
【0060】
図4は試料の断面図(a)と上面図(b)である。試料40として用いるのは配線用TEGであり、半導体基板45上にデュアルダマシン技術を用いて形成されたCuの上層配線41と下層配線42との間をプラグ43を介して往復するように配置構成された配線構造体である。上記のデュアルダマシン技術は、垂直方向の結線に用いるプラグ43と上層配線41とを金属材料の埋め込み技術を用いて、プラグ形成工程と上層配線工程とを一度に行なってしまう技術である。上層配線41,下層配線42及びプラグ43は絶縁材料44中に形成されており、電位はフローティング状態にある。上層配線41の上面は平坦化技術により平坦化され試料表面に露出している。配線形成プロセス条件の確立のためには、種々の条件下で金属埋め込みを行なって非常に長い配線を形成して、下層配線42とプラグ43との接触状況,上層配線の形成状態等に注目する。試料表面をFIBで観察すると、図4の(b)に示すように、フローティング状態にある上層配線41部分が暗く、周囲の絶縁材料44の像部分とのコントラストが殆ど無いようなパターンとして観察される。なお、配線列の端部では、下層配線42Aが縦に配置されて、上下の配線列間を接続している。
【0061】
本プロービング方法及び不良部解析方法では、TEGや実デバイスを用いて、断線部を検出してその断線原因を解析する。
【0062】
図5の(a)は配線パターンを3列に配置した例であり、実際のパターンは更に長い配線パターンであるが、ここでは説明の簡略化のために短い配線パターンとして図示した。第1列目の配線パターンは、その上層配線の始端41Aから右に延び、その終端41Bで下層配線(図示省略)に接続され、この下層配線を介して第2列目の配線パターンへと繋がっている。第2列目の配線パターンは、右端の上層配線41B’から左に延び、左端の上層配線41Cで下層配線(図示省略)に接続され、この下層配線を介して第3列目の配線パターンへと繋がっている。第3列目の配線パターンは、左端の上層配線41C’から右に延びて、右端の上層配線41Dで配線パターンの最終端を構成している。この状態では、3列の配線パターン構成体は全て電位的にフローティング状態にあるため、FIB観察画像上では暗く観察される。
【0063】
次に、図5の(b)のように、アース電位(0V)のプローブ6を上層配線始端41Aに接触させる。上層配線,プラグ,下層配線間に断線箇所が無く、それらの界面が良好に接触していると、試料44上面に露出した上層配線はプローブ6と同電位のアース電位となり、FIB照射による二次電子像観察に際して、この配線部からの二次電子がより多く検出器に達し、周囲の絶縁材料44の像部分とは十分にコントラストがついた明るい像部分41A〜41B〜41B’〜41Fとして観察される。
【0064】
しかし、配線途中で断線箇所があると、断線箇所より下流側がフローティング状態になるので、上層配線41Gから41Dのように暗く観察される。従って、この明るい上層配線41Fと暗い上層配線41Gとの境目が断線部であると特定できる。さらに下流側の断線部を検出するためには、プローブを移動させ、先に検出した断線部の直ぐ下流側の上層配線41Gに接触させて上記同様の二次電子像観察を行なう。これにより、上層配線41G以降の配線パターンの導通/非導通状態が判り、二次電子像コントラストから第2の断線部を特定できる。第2の断線部が特定できたら、以下同様に、プローブを移動させて第2の断線部以降の配線パターンに接触させて二次電子像観察を行なうことにより、次々に、複数の断線部を検出できる。このような操作で得られた断線部の情報を演算処理部14に記憶させておき、断線部の発生パターンの観察や、別の配線パターンでの断線部発生パターンとの比較等に利用することもできる。
【0065】
次に、配線間の短絡の検出については、以下の方法を用いた。まず、正常パターンの二次粒子画像を記憶しておく。この時、パターン全体が一画面に納まればよいが、目印となるマークがあれば、該マークを含んだパターンの一部であってもよい。次に、検査すべきパターンの二次粒子像観察を行なって、この二次粒子画像をも記憶する。検査パターンの画像信号から先の正常パターンの画像信号を引算処理すると、本来有ってはならない明るい点が残り、この点に配線パターンの変形,短絡,異物接触等があることが明らかになる。この場合にも、短絡等の検出部の座標を記憶しておき、後に別の検査装置で入念に異物分析や短絡,変形等の原因解析を行なうのに利用できる。また、上記の検出部座標を基に、その場でマイクロサンプリングを行なって、TEMやSEMによる観察用のサンプルを作製してもよい。
【0066】
次に、断線部の発生原因を追及する不良部解析方法について、図6及び図7を用いて説明する。先に説明したマイクロサンプリング法により、明るい上層配線41Fと暗い上層配線41Gとの境目を含む領域46を図7の要領で摘出する。この時の具体的なマイクロサンプリング法については、先に図7を用いて詳細に説明した。図6の(a)は、上層配線列を示しており、明るい上層配線41Fと暗い上層配線41Gとの境界部に注目した図であり、この境界部を含んだ領域46がマイクロサンプリング摘出領域である。図7に示したマイクロサンプリング法の要領で摘出領域46を摘出し、さらにTEM観察面47を切り出すための薄片化加工を行なってTEM観察用サンプルを作製し、TEM観察を行なった。図6の(b)及び(c)に、摘出領域46の断面TEM観察像を示す。上層配線41Gと41Fとの間で断線が発生すると、図の(b)のように、プラグ43Aと下層配線42Aとの界面48Aや、図の(c)のように、プラグ43Bと下層配線42Aとの界面48Bに断線があることが判明する。そして、それらの断線部の断線原因が、プラグ43A,プラグ43B,下層配線42A自体の断線であるのか、あるいは、界面における接触不良であるのか等の解析ができ、断線発生の原因究明ができる。
【0067】
〈実施例4〉
本実施例4は、プローブ移動機構の他の一構成例に関するものであり、図8にその概略構成を示す。本実施例では、図8に示すようにプローブホルダステージ9’は固定構造とし、プローブホルダ7の先端部に圧電素子等の微動移動可能なプローブ移動手段30を設け、このプローブ移動手段30をプローブ移動制御部11’により駆動制御して、プローブ6の先端部を微動移動させるよう構成している。
【0068】
また、プローブ移動機構のさらに他の一構成例として、プローブホルダステージ側にプローブ粗動機構を設け、プローブホルダの先端部にプローブ微動機構を設けて、それぞれをプローブ移動制御部により駆動制御して、プローブ先端部を所望の位置に微動移動させるように構成してもよい。
【0069】
【発明の効果】
本発明は、ウェハ上に形成された半導体集積回路の短絡や断線を簡便かつ精度良く検出できるプローブ装置に関するもので、試料上の配線部の一部に導体プローブを接触させて、該接触部に所望の電位を印加して荷電粒子ビーム照射による二次粒子像コントラストから配線の断線や短絡欠陥を高信頼性かつ効率的に検出できる効果がある。
【0070】
特に、プローブはプローブホルダを介して荷電粒子ビーム光学軸に平行な1軸方向及びステージの基本XY軸に平行な2軸方向の合わせて3軸方向にプローブを移動動作させ得るプローブホルダステージ上にサイドエントリ式に搭載できるため、プローブの交換を試料室内の真空度を損なうことなく行なうことができ、また、プローブホルダステージの動作は、試料ステージの動作とは独立しているため、試料としては、大口径ウェハ等は勿論のこと、半導体チップ等の微小片であっても十分に対応できる。さらに、このプローブはマイクロサンプリング用のプローブにも転用ができるため、回路断線部等の不良部分を検出したら、その場で、直ちに検出不良部を含む微小試料片を摘出して、TEM観察用のサンプルに加工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例になるプローブ装置の概略構成を示す図。
【図2】図1に示したプローブ装置におけるプローブ,プローブホルダおよびプローブホルダステージ部分の概略構成を示す図。
【図3】図2におけるプローブホルダをプローブホルダステージから分離した状態を示す図。
【図4】本発明のプロービング方法を用いて作製された試料の一例を示す図。
【図5】本発明のプロービング方法を用いて作製された試料のTEM観察例を示す図。
【図6】本発明のプロービング方法を用いて作製された試料の不良部解析方法の一例を示す図。
【図7】本発明のプローブ装置を用いてマイクロサンプリング法により試料を作製する手順を説明するための図。
【図8】本発明によるプローブ装置におけるプローブ移動機構部分の他の一構成例を示す図。
【符号の説明】
1…プローブ装置, 2…試料,
3…荷電粒子ビーム照射光学系, 4…二次粒子検出器,
5…試料ステージ, 6…プローブ,
7…プローブホルダ, 8…ケーブル,
9…プローブホルダステージ, 10…ステージ制御部,
11…プローブホルダステージ制御部, 12…二次粒子検出器制御部,
13…荷電粒子ビーム制御部, 14…演算処理部,
15…ディスプレイ, 16…荷電粒子ビーム(FIB),
17…絶縁物, 18…プローブ固定部,
20…ロードロック室, 21…試料室,
40…試料, 41…上層配線,
42…下層配線, 43…プラグ,
44…絶縁材料, 45…半導体基板。
Claims (3)
- 試料を載置する試料ステージと、
上記試料ステージを格納する真空試料室と、
上記試料に荷電粒子線を照射する荷電粒子ビーム照射光学系と、
上記試料に接触可能な複数のプローブと、
上記プローブに電圧を供給する電源とを備え、
上記プローブの夫々は、プローブホルダの先端に固定され、前記プローブホルダは複数あり、当該プローブホルダの夫々は、上記真空試料室外からサイドエントリ機構のプローブホルダステージ内を通して上記真空試料室内に前記試料ステージとは独立して導入されることを特徴とするプローブ装置。 - 請求項1に記載のプローブ装置において、
上記プローブホルダステージに装填された上記プローブホルダは、水平面に対して20°から70°の傾斜角度を成していることを特徴とするプローブ装置。 - 請求項1又は2に記載のプローブ装置において、
上記試料は、半導体ウエハであることを特徴とするプローブ装置。
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