JPH08160109A - 電子素子評価装置 - Google Patents

電子素子評価装置

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JPH08160109A
JPH08160109A JP6299576A JP29957694A JPH08160109A JP H08160109 A JPH08160109 A JP H08160109A JP 6299576 A JP6299576 A JP 6299576A JP 29957694 A JP29957694 A JP 29957694A JP H08160109 A JPH08160109 A JP H08160109A
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cantilever
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JP6299576A
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English (en)
Inventor
Takeshi Hasegawa
剛 長谷川
Satoshi Tomimatsu
聡 富松
Shigeyuki Hosoki
茂行 細木
Takahisa Doi
隆久 土井
Makiko Kono
真貴子 河野
Yasuhiro Mitsui
▲泰▼裕 三井
Fumiko Arakawa
史子 荒川
Kazuo Aoki
一雄 青木
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料内部に形成された電子回路の局所的な電
流電圧特性の計測を可能とし、不良原因の電子回路部分
の同定を容易とし、電子素子の評価、並びに不良解析を
効率良く行なう。 【構成】 電圧が印加された導電性の探針1を、電子回
路を形成する試料2上に移動する探針移動機構4と、移
動中の探針1と試料2表面との間に流れるトンネル電流
を検出するプリアンプ6と、トンネル電流の検出後に探
針1をさらに予め定められた量だけ試料2側に移動させ
るよう探針移動機構4を制御する制御回路8と、この所
定の量の移動後に探針1と試料2表面との間に流れる電
流を検出する電流計7とを少なくとも有し、電流計7の
検出結果を、電子回路の局所的な素子特性の評価用とし
て出力する電子素子評価装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子素子の性能の評価
や不良の解析に用いられる装置に係り、特に、電子素子
の局所的な電気特性の測定による電子素子の評価と不良
解析を効率良く行なうのに好適な電子素子評価装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子素子の特性を評価、あるい
は、不良を解析する技術としては、異常発熱箇所を検出
する液晶法や、異常発光箇所を検出するエミッション顕
微鏡法、または、異常電界箇所を検出する光ビーム励起
電流法等が知られている。最近では、電子ビームテスタ
ー法(EBテスター法)も不良箇所を同定できる有力な
技術として注目されている。この電子ビームテスター法
の簡単な原理は、例えば、応用物理学会誌「応用物理
第63巻 第6号(1994)」の第608頁から第6
11頁に記載されている。その原理は、走査型電子顕微
鏡像のコントラストから動作状態の電子素子の配線電位
を得るものであり、エネルギーフィルタを用いることに
より、10mVの精度で電位が測定でき、この測定され
た電位コントラストを、良品電子素子から得られた基準
データと比較することによって、故障を検出し、その箇
所を同定する。
【0003】電子素子の局所的な電気特性を調べる技術
としては、原子間力顕微鏡を用いる技術が知られてい
る。例えば、「ジャーナル・オブ・アプライド・フィジ
クス第72巻 第2号(1992年)」の第688頁か
ら第691頁(Journal of Applied
Physics, 72(1992)pp688−6
91/1992 American Institut
e of Physics)にその技術が詳しく記載さ
れている。この技術は、導電性のカンチレバーを用い、
このカンチレバーの制御を原子間力で行なって、カンチ
レバー先端と試料表面との距離を一定に保ち、これと同
時に、カンチレバーと試料間に電圧を印加して、両者の
間に流れる電流を検出するものである。これにより、例
えば、酸化膜の耐電圧特性を局所的に測定することがで
きる。
【0004】上述したように、従来のEBテスター法に
より、電子素子の不良箇所を同定することができる。す
なわち、入力端子よりテストパターンを入力した際に期
待通りの動作をしない(所定の電位にならない)配線箇
所を同定することができる。しかし、この技術では、不
良箇所を配線レベルで同定することができても、その配
線につながる、不良の原因となる電子回路部分を同定す
ることは容易ではない。これを同定するためには、数多
くのテストパターンを入力して結果を解析することによ
り、故障箇所をしぼり込んでいく必要があった。また、
上述の原子間力顕微鏡を用いた技術では、酸化膜の耐電
圧など、表面の電子特性を評価することはできるが、試
料内部に形成された電子素子の特性を評価することはで
きない。それは、この技術により検出する電流は、いわ
ゆるトンネル電流であるため、その電流電圧特性は、カ
ンチレバー先端と試料表面の電気特性で決まってしまう
からである。
【0005】さらに、別の技術として、探針を、測定す
べき箇所に当て、この探針に電圧を印加し、電流電圧特
性を測定する技術も一般的に用いられている。しかし、
この技術では、探橋のサイズが大きく、ミクロンオーダ
ーの実デバイスを測定することができないため、大きな
構造の測定用の試料を準備する必要があった。この問題
を解決するために、単純に、探針を細かくすることが考
えられるが、この場合、探針および試料が微細な場合、
両者の接触によって、探針もしくは試料が損傷する恐れ
があり、また、原子間力顕微鏡を用いた場合でも述べた
ような理由により、接触を確実に行なうことができない
ために、目的とする電流電圧特性を測定することができ
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、従来のEBテスター法による電子素子の評価技術
では、数多くのテストパターンを入力した結果を解析し
て、故障箇所を絞り込んでいかなければ、不良の原因と
なる電子回路部分を同定することができず、また、従来
の原子間力顕微鏡を用いた技術では、電子素子の特性の
評価に用いる検出電流はトンネル電流であるため、試料
内部に形成された電子回路の局所的な電流電圧特性を得
ることができず、さらに、探針を試料に当てて測定する
技術では、構造の大きな試料を準備する必要があり、素
子が微細化されたために発生する不良の解析を行なうこ
とができない点である。本発明の目的は、これら従来技
術の課題を解決し、試料内部に形成された微細な電子素
子の特性の測定を容易とし、電子素子の評価、並びに不
良解析を効率良く行なうことを可能とする電子素子評価
装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の電子素子評価装置は、(1)鋭利な先端を
有し電圧が印加された導電性の探針1を、電子回路を形
成する試料2上に移動する探針移動機構4と、移動中の
探針1と試料2表面との間に流れるトンネル電流を検出
する第1の電流検出手段(プリアンプ6)と、このトン
ネル電流の検出後に、探針1をさらに予め定められた量
だけ、試料2側に移動させるよう探針移動機構4を制御
する制御回路8と、この所定の量の移動後に、探針1と
試料2表面との間に流れる電流を検出する第2の電流検
出手段(電流計7)とを少なくとも有し、電流計7の検
出結果(測定結果)を、電子回路の局所的な素子特性の
評価用として出力することを特徴とする。また、(2)
鋭利な先端を有し電圧が印加された導電性の探針1を、
電子回路を形成する試料2上に移動する探針移動機構4
と、移動中の探針1と試料2表面との間に流れる電流を
測定し、探針1と試料2表面間のトンネル電流を検出す
る電流測定手段(電流計6a)と、このトンネル電流の
検出後に、探針1をさらに予め定められた量だけ、試料
2側に移動させるよう探針移動機構4を制御する制御回
路8とを少なくとも有し、トンネル電流の検出後の探針
1の移動後の、探針1と試料2表面との間に流れる電流
の測定結果を、電子回路の局所的な素子特性の評価用と
して出力することを特徴とする。また、(3)上記
(1)、もしくは、(2)のいずれかに記載の電子素子
評価装置において、トンネル電流の検出後に移動する探
針1の予め定められた移動量を、1nm以上とすること
を特徴とする。また、(4)上記(1)、もしくは、
(2)のいずれかに記載の電子素子評価装置において、
トンネル電流の検出後に移動する探針1の予め定められ
た移動量を、1nm以上100nm以下の任意の値とす
ることを特徴とする。また、(5)上記(1)から
(4)のいずれかに記載の電子素子評価装置において、
電子回路を形成する試料2の形状を測定する顕微手段を
設け、この顕微手段の測定結果に基づき、探針移動機構
(微動機構57、粗動機構58)を介して探針1を試料
の評価位置に移動することを特徴とする。また、(6)
上記(5)に記載の電子素子評価装置において、顕微手
段は、走査型電子顕微鏡からなることを特徴とする。ま
た、(7)上記(6)に記載の電子素子評価装置におい
て、走査型電子顕微鏡の真空部分に、第1、第2の電流
検出手段(プリアンプ6、電流計6a、7)、および、
この第1、第2の電流検出手段と探針1との接続を切り
換える手段(接続切換器9)を設けることを特徴とす
る。また、(8)上記(5)に記載の電子素子評価装置
において、顕微手段は、カンチレバー(Cantile
ver)61の自由端にある探針62と試料63表面と
の間に働く原子間力によって生ずるカンチレバー61の
撓みから試料63表面の形状を測定する原子間力顕微鏡
からなることを特徴とする。また、(9)上記(8)に
記載の電子素子評価装置において、原子間力顕微鏡のカ
ンチレバー61の固定端に、カンチレバー61の自由端
にある探針62の先端よりも試料63表面から離れた所
定の位置に先端がくるように、鋭利な先端を有し電圧が
印加される導電性の探針64を設け、原子間力顕微鏡に
よる試料63の形状の測定結果に基づき、移動手段(微
動機構60)を介してカンチレバー61を移動し、カン
チレバー61の固定端の探針64を試料63の評価位置
65に合わせることを特徴とする。また、(10)上記
(8)、もしくは、(9)のいずれかに記載の電子素子
評価装置において、原子間力顕微鏡のカンチレバー61
の自由端にある探針62は、絶縁体からなることを特徴
とする。また、(11)上記(9)、もしくは、(1
0)のいずれかに記載の電子素子評価装置において、カ
ンチレバー61の自由端にある探針62と固定端にある
探針64のそれぞれの先端位置のずれが10μm以内と
なるように両探針62、64を設けることを特徴とす
る。また、(12)上記(8)から(11)のいずれか
に記載の電子素子評価装置において、トンネル電流の検
出後に探針64をさらに試料63側へ移動した後のカン
チレバー61の撓み量を測定し、記憶する手段を設け、
制御回路は、素子特性の評価時に、記憶したカンチレバ
ー61の撓み量を一定とするように、移動手段(微動機
構60)を制御することを特徴とする。また、(13)
上記(1)から(12)のいずれかに記載の電子素子評
価装置において、トンネル電流の検出後に探針70をさ
らに試料72側へ移動した後の試料72表面から探針7
0の予め定められた部位までの距離を測定し、記憶する
手段(変位計73)を設け、制御回路は、素子特性の評
価時に、記憶した試料表面から探針の予め定められた部
位までの距離を一定とするように、移動手段(探針移動
機構74)を制御することを特徴とする。また、(1
4)上記(1)から(12)のいずれかに記載の電子素
子評価装置において、トンネル電流の検出後に探針70
をさらに試料72側へ移動した後の試料72表面から探
針70の予め定められた部位までの距離を測定し、記憶
する手段(変位計73)を設け、制御手段は、素子特性
の評価時に、記憶した試料表面から探針の予め定められ
た部位までの距離を一定とするように移動手段(探針移
動機構74)を制御した後に、外部からの指示入力に基
づき、探針を試料表面側に所定量移動させるように移動
手段(探針移動機構74)を制御することを特徴とす
る。また、(15)上記(1)から(14)のいずれか
に記載の電子素子評価装置において、トンネル電流の検
出後の探針1の試料2側への移動量を順次に増やして得
られる、プリアンプ6の検出結果に基づき、試料2と探
針1との接触の度合いの変化を検出する手段(接続度合
検出回路90)を設け、制御回路8aは、接触度合検出
回路90による接触度合いの変化の検出結果に基づき、
トンネル電流の検出後の探針1の試料2側への移動量を
決定することを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明においては、鋭利な先端を有する探針に
電圧を印加し、この探針を、測定すべき電子回路を形成
する試料の特定の位置に接触させ、局所的に電圧を印加
する。そして、その電流電圧特性を計測する。このこと
により、電子回路の電流電圧特性を局所的に計測するこ
とができる。この時、探針の接触を確実、かつ、試料を
損傷しないようにするために、探針の接触を次のように
行なう。すなわち、まず探針と試料間にトンネル電流が
流れるまで両者を近づけ、このトンネル電流が流れた
後、さらに1nm以上100nm以下、両者を接近させ
る。このようにすることにより、本発明では、試料を損
傷すること無く、かつ確実に探針を試料に接触させるこ
とができる。このため、探針・試料間の抵抗が発生する
ことがない。また、測定中に、探針が試料から離れてし
まうこともない。従って、局所的な電子素子の特性を誤
差なく計測することができる。また、本発明では、接触
位置の確認のために、走査型電子顕微鏡、あるいは、原
子間力顕微鏡等の顕微手段を用いる。原子間力顕微鏡を
用いる場合には、カンチレバーの自由端にある探針とは
別に、カンチレバーの固定端に、上述の局所的な特性計
測に用いる探針を設ける。さらに、カンチレバーの自由
端の探針は、絶縁体とする。さらに、本発明では、探針
と試料との接触の度合いを計測する機構を設け、接触の
度合いを一定にすることにより、素子特性の計測中にお
ける、探針と試料との接触を確実にする。この度合いの
計測は、例えば、原子間力顕微鏡のカンチレバーの撓み
を検出すること、あるいは、探針・試料の相対位置を光
ファイバを用いた変位検出器で測定すること等により行
なう。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面により詳細に
説明する。図1は、本発明の電子素子評価装置の本発明
に係る構成の一実施例を示すブロック図である。図1に
おいて、1は鋭利な先端を有する探針、2は試料、3は
探針1の試料2上の接触点、4は探針1を移動させ接触
点3で試料2に接触させる探針移動機構、5は探針1に
所定の電圧を印加する電源、6は探針1と試料2との間
に流れるトンネル電流を検出する第1の電流検出回路と
してのプリアンプ、7は探針1と試料2との間に流れる
電流を測定する本発明の第2の電流検出回路としての電
流計、8は探針移動機構4を制御する制御回路、9は探
針1の接続先をプリアンプ6と電流計7間で切り換える
接続切換器である。
【0010】このような構成の本実施例の電子素子評価
装置では、まず、図1(a)に示すように、探針移動機
構4により、探針1と試料2間にトンネル電流が流れる
まで、探針1を試料2の表面の目的とする接触点3に接
近させる。この時、探針1と試料2との間には、電源5
により電圧が印加されており、プリアンプ6によりトン
ネル電流を検出すると、制御回路8により移動機構4を
制止する。次に、制御回路8および探針移動機構4によ
り、トンネル電流が流れた位置から、さらに1nm以
上、探針1を試料2に接近させることにより、図1
(b)に示すように、探針1を試料2に接触させる。こ
の時は、ミリアンペアオーダの電流が測定可能な電流計
7を用いて、探針1と試料2間の電流を測定する。
【0011】ナノアンペアオーダのトンネル電流が流れ
るのは、試料2と探針1の間の距離が約1nmの所であ
り、このように、トンネル電流を検出した位置からさら
に、1nm以上、探針1を試料2に接近させることによ
り、探針1と試料2との接触を確実に行なうことができ
る。本実施例では、固定端にある探針1を用いているた
め、探針移動機構4の移動量と探針1の移動量が一致す
るので、確実な接触を行なうことができる。また、探針
1を接触させ過ぎると、試料2に圧痕を作り、試料2お
よび探針1自身に損傷を与える恐れがある。そのため、
トンネル電流が流れた後に探針1を試料2に接近させる
距離は、探針1と試料2の形状や材質にも依存するが、
概ね0.1μm(=100nm)以内が望ましい。
【0012】本実施例では、探針1の接近時と素子特性
評価時とでは、異なる電流検出器(プリアンプ6と電流
計7)を用いている。これは、トンネル電流の大きさが
ナノアンペアオーダと微弱であり、高精度な検出器が必
要なのに対し、素子を流れる電流はミリアンペアオーダ
と大きく、トンネル電流用の電流検出器では測定しきれ
ないからである。しかし、次の図2で示すように、プリ
アンプ6と電流計7を1つの電流検出機構で構成するこ
とでも良い。尚、トンネル電流検出にあたっては、特に
ノイズが問題となる。このため、プリンアンプ6は試料
2の近くに設置することが望ましい。従って、後述の実
施例で述べるような走査型電子顕微鏡内で本実施例の装
置による測定を行なう場合には、これらの検出器(プリ
ンアンプ6、電流計7)および接続切換器9を真空内に
設置した方が望ましい。
【0013】次に、図2〜図5を用いて、本発明に係る
電子素子評価装置の動作の詳細を説明する。図2は、本
発明の電子素子評価装置による素子特性の評価手順例を
示す説明図である。本例では、1つの電流検出器(電流
計6a)を用いた電子素子評価装置による素子特性の評
価手順例を示しており、試料1上には、演算部12〜1
5、およびそれらをつなぐ配線からなる電子回路が形成
されている。この電子回路は、入力端子17、18より
入力された信号を演算し、出力端子19、20よりその
結果を出力する。実際に用いられる電子回路は、本図2
に示す回路よりもはるかに複雑であるが、ここでは、こ
の簡単な回路を用いて説明する。
【0014】探針1の先端は、配線16に接触してい
る。この探針1には、電源5により任意の電圧が印加で
きるようになっている。これにより、探針1が接触して
いる配線16に、任意の電圧を印加することができる。
電源5のもう一方の端は、入力端子17と接続され、探
針1や演算部12を含む閉ル−プが形成されている。探
針1に電圧を印加した時にこの閉ル−プに流れる電流
を、電流計6aにより測定する。例えば、演算部12内
のダイオード10、11のうち、図中左側のダイオード
11が不良であるとする。この時、配線16の部分は、
入力信号のパタ−ンによっては、異常な電位を示すこと
になる。従来の技術によれば、SEMコントラストから
この異常をとらえることができ、演算部12に不良があ
ることが分かる。
【0015】しかし、これだけでは、演算部12のどこ
が悪いのか識別することはできない。すなわち、2つあ
るダイオ−ド10、11のうち、どちらが不良なのか識
別することはできない。従来技術では、これを識別する
ためには、複数のテストパタ−ンを入力してその結果を
解析する必要があった。このパタ−ンの数は、図2に示
した例では、高々数種類であるが、実際に用いられる複
雑な回路では、必要なテストパタ−ンの数は数千に及ぶ
こともあり、不良箇所を同定するのは容易なことではな
い。
【0016】本実施例では、探針1の先端を異常電位を
示す配線部分に接触させることにより、検査すべき素子
の特性を直接計測できるので、テストパタ−ンを入力し
てその結果を解析する必要がなく、効率的である。すな
わち、入力端子17側を通る閉ル−プを形成すれば、図
中左側のダイオード11の特性を調べることができ、ま
た、入力端子18側を通る閉ル−プを形成すれば、図中
右側のダイオード10の特性を調べることができる。
【0017】また、本実施例では、探針1を用いて局所
的に任意の電圧を印加することができるので、局所的な
電流電圧特性を調べることができる。従来のテストパタ
−ンを入力する技術では、入力端子に任意の電圧を入力
したとしても、目的とする位置に所望の電圧を印加する
ことは不可能であることは言うまでもない。また、本実
施例では、回路内の特性を調べたが、電源5のもう一端
を接地して回路を形成する各素子の耐絶縁性を調べると
いったこともできる。従って、電源5のもう一端を必ず
しも入力端子に接続する必要はない。また、閉ル−プを
形成するにあたり、もう一端の接続を別の探針を用いて
行なうこともできる。
【0018】図3は、図2における電子素子評価装置に
よる素子特性の測定例を示す説明図である。試料上に形
成された回路の特定の素子(ここではダイオード10)
の特性を、探針1、電源5、電流計6a、引出線21、
配線16、22からなる閉ル−プを形成し、この閉ル−
プの電流電圧特性を調べることにより測定するのであ
る。本図3では、ダイオード10の左側は、引出線21
により閉ル−プを形成したが、それが不可能な場合は、
もう一本別の探針を用いることもできるのは、先に述べ
た通りである。
【0019】例えば、ダイオード10が、図中に示した
ようにp−n接合であれば、電流計6aにより、図4に
示すような電流電圧特性を得ることができる。図4は、
図3における電子素子評価装置による素子特性の測定結
果例を示す説明図である。図4において横軸は探針1に
印加した電圧、縦軸はその時閉ル−プに流れた電流であ
る。図4(a)は、正常なp−n接合を計測した場合
で、逆バイアス(探針側が負の電圧)でほとんど電流が
流れていないことが分かる。一方、図4(b)は、不良
品を測定した場合のもので、逆バイアスでも電流が流れ
てしまっていることが分かる。このように本実施例の電
子素子評価装置によれば、実際の回路の局所的な電流電
圧特性を得ることができる。
【0020】図1に示すような電子素子評価装置を構成
するにあたり、最も注意すべき点は、探針1と試料2と
の接触を確実に行なうことである。すなわち、測定すべ
きは、素子の電流電圧特性であるので、測定系の特性
が、計測された電流電圧特性に反映されてはいけない。
例えば、探針1と試料2との接触が不十分であると、得
られる電流電圧特性は、この接触の度合いを反映したも
のになりかねない。この意味で、従来の導電性のカンチ
レバー(Cantilever)を用いる原子間力顕微
鏡では、素子の特性を測ることはできない。以下に、図
5を用いて、本実施例の電子素子評価装置を構成するた
めに必要な、探針の試料表面への接触の仕方について説
明する。
【0021】図5は、本発明の電子素子評価装置におけ
る探針と試料との接触状態例を示す側断面図である。電
子素子は、導体、半導体、絶縁体からなっている。すな
わち、試料表面全体が導体である訳ではない。このた
め、このような試料の形状と電気特性の計測には、導電
性のカンチレバーを用いる原子間力顕微鏡法が用いられ
てきた。この場合、カンチレバーの制御は原子間力で行
ない、同時にカンチレバーと試料間に流れる電流の測定
も可能だからである。しかし、この電流とはトンネル電
流のことであって、本発明の目的である、試料内に形成
された素子の電流電圧特性を測定することはできない。
この理由を次に説明する。
【0022】図5(a)は、従来の導電性のカンチレバ
ーを用いた電気特性計測時の試料表面とカンチレバーの
接触状態を示し、カンチレバー先端30と試料31の表
面との間に働く原子間力によってカンチレバーが「d」
だけ撓む。この撓み「d」が一定になるように微動機構
により、例えば、カンチレバーの位置を制御する。この
ようにカンチレバーと試料間の距離を制御した上で、カ
ンチレバー上にコーティングされた導電性の薄膜32と
試料31との間に電圧を印加すると、両者の間にトンネ
ル電流が流れる。このトンネル電流を測定することによ
り、試料の局所的な電気特性を計測することができる。
【0023】この時のカンチレバー先端部にある探針3
3と試料表面34の拡大図を円内に示す。カンチレバー
は、ある一定の斥力が試料表面34と探針33間に働く
ように表面に押しつけられているが、原子レベルで見る
と、試料表面34と探針33とは、それでも1nm前後
離れている。しかし、この程度のギャップであれば、ト
ンネル電流が流れることは良く知られている。ここで問
題となるのは、このトンネル抵抗がギガΩのオーダであ
り、このため、得られるトンネル電流の電圧特性は、試
料表面34および探針33の電気特性だけで決まってし
まい、試料31内に形成された電子素子の回路特性が得
られない。
【0024】そこで、トンネル抵抗を小さくするため
に、さらに強い力でカンチレバーを試料表面に押しつけ
る技術も考えられるが、そうすると、2つの問題が発生
する。1つは、カンチレバー自身が塑性変形してしま
い、カンチレバーとして機能しなくなってしまうという
問題である。これを避けるために、より剛性の高いカン
チレバーを用いることも考えられるが、その場合、顕微
鏡としての分解能が劣化してしまうという別の問題が発
生する。いま1つは、カンチレバー上にコーティングし
た薄膜32が剥離してしまい、安定な電気接触が得られ
ないという問題である。
【0025】電子素子の回路特性を正確に得るために
は、探針と試料表面間の接触抵抗をゼロにする必要があ
る。このためには、図5(b)に示すように、固定端に
形成された探針35、例えば、走査型トンネル顕微鏡な
どに用いられているような探針を、確実に試料の表面3
6に接触させる必要がある。この接触部分の拡大図を円
内に示す。一方で、測定すべき電子素子の寸法はサブミ
クロンオーダになっており、探針の接触の度合いによっ
ては、素子に損傷を与えたり、不必要な部分にまで探針
が接触してしまうことになる。このため、探針の接触
は、確実かつ最低限にする必要がある。このような課題
を解決するために、本実施例では、上述の図1に示すよ
うな構成で探針の接触を行なうようにした。
【0026】このように、図1で示す電子素子評価装置
においては、固定端にある探針1の先端を、試料2表面
上の目的とする位置(接触点3)に正確に接触させる必
要が有るが、試料表面上のすべての領域でトンネル電流
が取れるとは限らないので、上述の走査型トンネル顕微
鏡を場所の同定に用いることはできない。このため、本
実施例では、走査型電子顕微鏡、あるいは、原子間力顕
微鏡を場所の同定に用いるようにした。以下、図6、7
により、これらの顕微鏡を用いた場合の実施例を説明す
る。
【0027】図6は、走査型電子顕微鏡を用いた本発明
に係る電子素子評価装置の構成例を示す説明図である。
電子銃50から放出された電子線51は、偏向レンズ5
2により試料表面53上で走査される。この時、放出さ
れる2次電子が検出器54により検出され、2次電子顕
微鏡像55が得られる。この電子顕微鏡の試料室内に、
探針56を搭載した微動機構57および粗動機構58か
らなる移動機構が設けられている。電子顕微鏡像で確認
しながら、これらの移動機構により、試料表面53上の
目的とする位置に探針56を接触させる。このように、
本発明に係る電子素子評価装置と走査型電子顕微鏡とを
組み合わせることにより、従来の電子線テスタ法による
計測も同一試料に対して容易に行なうことができ、効率
的である。
【0028】図7は、原子間力顕微鏡を用いた本発明に
係る電子素子評価装置の構成例を示す説明図である。本
例は、原子間力顕微鏡を場所の同定に用いる場合の実施
例を示し、微動機構60の先端にカンチレバー61が取
り付けられている。このカンチレバー61の先端には探
針62が形成されている。この探針62と試料63の表
面との間に働く原子間力によってカンチレバー61が撓
む。この撓みが一定になるようにカンチレバー61の位
置(試料63からの高さ)を制御して試料63の表面の
形状を測定する。本実施例では、さらにカンチレバー6
1の固定端にも別の探針64を設けている。この探針6
4は、カンチレバー61に力が加わっていない状態で
は、先端にある探針62よりも引っ込んでいる。このた
め、探針64は、試料2には接触しない。
【0029】この探針64の引っ込みの程度は、カンチ
レバー61の長さなどの条件にもよるが、1〜10μm
程度が良い。従って、試料63の表面形状の測定におい
て、引力モード、または、斥力モードでも、カンチレバ
ー61の撓みがこの引っ込み値よりも小さい範囲で測定
すれば、固定端にある探針64が試料63の表面に接触
することはない。そこで、まず、カンチレバー61の先
端にある探針62で目的とする場所65を同定し、次
に、その場所65に固定端の探針64がくるように、移
動機構60によりカンチレバー61を移動させる。この
2つの探針62、64の間隔は事前に測定可能であり、
同一のカンチレバー61上に形成されたものなので、そ
の間隔は変化しない。このため、この移動は、例えば、
圧電素子を用いた微動機構60によれば、1nmの精度
で容易に行なうことができる。
【0030】このようにして、カンチレバー61の固定
端にある探針64を目的の位置に移動させた後、先の図
1で述べた技術により、この探針64を試料表面(場所
65)に接触させて素子特性を評価する。この時、カン
チレバー61の先端の探針62も試料表面に接触し、カ
ンチレバー61は形状測定時よりもさらに撓むことにな
るが、2つの探針62、64の高さの差が数μm程度で
あれば、カンチレバー61が塑性変形してしまうことも
ない。逆に言えば、塑性変形が起こらない程度に2つの
探針62、64の高さの差を設定しておく。また、カン
チレバー61の自由端の探針62を絶縁性の部材で形成
しておけば、この探針62と試料63の表面との間で電
流が流れることはないので、電流電圧特性の計測にも支
障は生じない。このように原子間力顕微鏡を用いれば、
真空引きを行なう必要もないので、効率的に測定が行な
える。
【0031】このように、本実施例の電子素子評価装置
で探針と試料との接触を正確に行なう上で問題となるも
のに、試料のドリフトがある。すなわち、温度変化など
による試料ホルダの膨張や収縮、あるいは、機械的な変
位により、試料位置が動いてしまうという問題である。
特に、試料と探針間の距離が動いてしまうのは、先に述
べた探針と試料間の接触を確実に行なわなければならな
いことから、その移動距離がたとえ1nm程度であって
も問題となる。このため、本実施例において、探針と試
料間の距離(接触)を一定に保つ必要がある。例えば、
先の図7に示した実施例では、探針と試料を接触させた
後、カンチレバーの撓みを一定にすることにより、この
接触を一定に保つことができる。すなわち、固定端にあ
る探針64を試料63の表面(場所65)に接触させる
と、カンチレバー61が撓む。この撓みが一定になるよ
うにしてやれば、固定端にある探針64と試料63(場
所65)の接触の度合いも一定に保てる。
【0032】このような原子間力顕微鏡を用いない場合
には、次の図8に示すような別の技術により、探針と試
料との一定の接触を保つ必要がある。図8は、原子間力
顕微鏡を用いずに電子素子評価装置の探針と試料との接
触度合いを一定に保つ構成例を示す説明図である。図8
においては、探針70に、この探針70と同一の動きを
する反射板71が取り付けられている。そして、探針移
動機構74により探針70が試料72の表面に接触した
時点で、この反射板71と試料72の表面との距離を測
定し、その距離が一定になるように探針移動機構74を
制御して接触を一定に保つ。探針70と試料72との接
触は、nmの精度で一定に保てば充分であるから、例え
ば、差動式の光ファイバ変位計73により、反射板71
と試料72間の距離を容易に測定することができる。
【0033】尚、原子間力顕微鏡を用いても用いなくて
も、探針や試料の材質によっては、計測中に変形して接
触が不完全になってしまう場合もある。この時は、計測
中、接触の度合いを高めるべく、移動機構により探針を
試料にさらに近付けるようにすれば良い。このような場
合、探針と試料との接触度合いの調整を自動的に行なう
ことが望まれ、そのための構成を、図9に示す。図9
は、探針と試料との接触度合いの自動調整が可能な電子
素子評価装置の本発明に係る構成の一実施例を示すブロ
ック図である。本図9に示す構成例は、図1における電
子素子評価装置に、接触度合検出回路90を設けたもの
であり、この接触度合検出回路90は、電流計7の測定
結果に基づき、試料2の接触点3に対する探針1の接触
度合いの変化を検出する。
【0034】すなわち、制御回路8aは、プリアンプ6
によるトンネル電流の検出後に、探針移動機構4を制御
して、探針1を試料2側に1nm以上、徐々に移動させ
る。この時、接続切換器9により、探針1は電流計7に
接続され、この電流計7により探針1と試料2間に流れ
る電流が測定される。接触度合検出回路90は、この移
動中に得られる、すなわち、探針1の試料2側への移動
量を順次に増やして得られる、電流計7の電流測定値の
変化に基づき、探針との接触の度合いの変化を検出す
る。例えば、電流測定値の変化が停止すれば、探針1と
試料2との接触の度合いが充分であるとして検出する。
この検出結果に基づき、制御回路8aは、探針移動機構
4による探針1の移動を停止させる。
【0035】このようにして、探針1と試料2との接触
度合いの変化の検出結果に基づき、探針1の試料2側へ
の移動量を決定することにより、探針1と試料2との接
触度合いの自動調整が可能となる。さらに、この接触度
合検出回路90を用いれば、素子特性評価時にも、接触
の自動調整が可能となる。すなわち、探針と試料間に流
れる電流が、電圧の増加にも係らずに減少した場合に
は、電流値が一定になるように、接触の度合いを高め
る。
【0036】次に、図10を用いて、本実施例の電子素
子評価装置による不良箇所の同定処理の説明を行なう。
図10は、本発明の電子素子評価装置による不良箇所の
同定処理例を示す説明図である。図10(a)におい
て、8つの演算部81〜88からなる電子素子の一部が
示されている。入力端子から入力された信号を演算し、
配線89に出力する。今、演算部81〜88の内の1つ
の動作が不良であるとすると、配線89は、異常電圧を
示し、不良が検出される。この時、8つの演算部81〜
88のうち、どれが不良であるかを検出するためには、
従来技術では、テストパターンを幾通りも入力して判定
する必要があった。例えば、素子の数をnとすると、そ
の全パターン数は、2のn乗となる。現実にはこの全パ
ターンをためす必要はないが、いずれにしても、膨大な
数である。
【0037】図1〜図9で示した本実施例の電子素子評
価装置によれば、この数を格段に減らすことができる。
すなわち、まず、図10(b)に示すように、配線89
の一部を切断する。この切断には、例えば、収束イオン
ビーム(FIB)等を用いることができる。今、演算部
87が不良を起こしているとすると、演算部84、85
間でまず切断したとすれば、探針を配線89の左右それ
ぞれに接触させて測定することにより、切断箇所の右側
で不良が発生していることが判る。次に、図10(c)
に示すように、演算部86、87間で切断すれば、その
右側に不良箇所が有ることが同様にして分かる。これを
繰り返すことにより、最終的に不良を見出すことができ
る。このようにして不良箇所を同定するまでに必要な回
数は、log2n回である。例えば、n=16とする
と、従来技術では、最悪、216=65536回必要であ
ったが、本実施例によれば、4回で済むことになる。
【0038】以上、図1〜図10を用いて説明したよう
に、本実施例の電子素子評価装置では、試料内に形成さ
れた電子回路の局所的な電流電圧特性を計測することが
できるので、効率的に不良解析などの素子特性評価を行
なうことができる。尚、本発明は、図1〜図10を用い
て説明した実施例に限定されるものではなく、その要旨
を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、不良の原因となる電子
回路部分を容易に同定することができ、また、試料内部
に形成された電子回路の局所的な電流電圧特性を計測す
ることができ、電子素子の評価、並びに不良解析を効率
良く行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子素子評価装置の本発明に係る構成
の一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明の電子素子評価装置による素子特性の評
価手順例を示す説明図である。
【図3】図2における電子素子評価装置による素子特性
の測定例を示す説明図である。
【図4】図3における電子素子評価装置による素子特性
の測定結果例を示す説明図である。
【図5】本発明の電子素子評価装置における探針と試料
との接触状態例を示す側断面図である。
【図6】走査型電子顕微鏡を用いた本発明に係る電子素
子評価装置の構成例を示す説明図である。
【図7】原子間力顕微鏡を用いた本発明に係る電子素子
評価装置の構成例を示す説明図である。
【図8】原子間力顕微鏡を用いずに電子素子評価装置の
探針と試料との接触度合いを一定に保つ構成例を示す説
明図である。
【図9】探針と試料との接触度合いの自動調整が可能な
電子素子評価装置の本発明に係る構成の一実施例を示す
ブロック図である。
【図10】本発明の電子素子評価装置による不良箇所の
同定処理例を示す説明図である。
【符号の説明】
1:探針、2:試料、3:接触点、4:探針移動機構、
5:電源、6:プリアンプ、6a、7:電流計、8,8
a:制御回路、9:接続切換器、10,11:ダイオー
ド、12〜15:演算部、16:配線、17,18:入
力端子、19,20:出力端子、21:引出線、22:
配線、30:カンチレバー先端、31:試料、32:導
電性薄膜、33:探針、34:試料表面、35:探針、
36:試料の表面、50:電子銃、51:電子線、5
2:偏向レンズ、53:試料表面、54:検出器、5
5:顕微鏡像、56:探針、57:微動機構、58:粗
動機構、60:微動機構、61:カンチレバー、62:
探針、63:試料、64:探針、65:目的とする位
置、70:探針、71:反射板、72:試料、73:変
位計、74:探針移動機構、81〜88:演算部、8
9:配線、90:接触度合検出回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土井 隆久 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 河野 真貴子 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 三井 ▲泰▼裕 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 荒川 史子 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 青木 一雄 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器事業部内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋭利な先端を有し電圧が印加された導電
    性の探針を、電子回路を形成する試料上に移動する移動
    手段と、移動中の前記探針と前記試料表面との間に流れ
    るトンネル電流を検出する第1の電流検出手段と、該ト
    ンネル電流の検出後に、前記探針をさらに予め定められ
    た量だけ、前記試料側に移動させるよう前記移動手段を
    制御する制御手段と、該所定の量の移動後に、前記探針
    と前記試料表面との間に流れる電流を検出する第2の電
    流検出手段とを少なくとも有し、前記第2の電流検出手
    段の検出結果を、前記電子回路の局所的な素子特性の評
    価用として出力することを特徴とする電子素子評価装
    置。
  2. 【請求項2】 鋭利な先端を有し電圧が印加された導電
    性の探針を、電子回路を形成する試料上に移動する移動
    手段と、移動中の前記探針と前記試料表面との間に流れ
    る電流を測定し、前記探針と前記試料表面間のトンネル
    電流を検出する電流測定手段と、該トンネル電流の検出
    後に、前記探針をさらに予め定められた量だけ、前記試
    料側に移動させるよう前記移動手段を制御する制御手段
    とを少なくとも有し、前記トンネル電流の検出後の前記
    探針の移動後の、前記探針と前記試料表面との間に流れ
    る電流の測定結果を、前記電子回路の局所的な素子特性
    の評価用として出力することを特徴とする電子素子評価
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1、もしくは、請求項2のいずれ
    かに記載の電子素子評価装置において、前記トンネル電
    流の検出後に移動する前記探針の予め定められた移動量
    を、1nm以上とすることを特徴とする電子素子評価装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1、もしくは、請求項2のいずれ
    かに記載の電子素子評価装置において、前記トンネル電
    流の検出後に移動する前記探針の予め定められた移動量
    を、1nm以上100nm以下の任意の値とすることを
    特徴とする電子素子評価装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の電子素子評価装置において、前記電子回路を形成する
    試料の形状を測定する顕微手段を設け、該顕微手段の測
    定結果に基づき、前記移動手段を介して前記探針を前記
    試料の評価位置に移動することを特徴とする電子素子評
    価装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の電子素子評価装置にお
    いて、前記顕微手段は、走査型電子顕微鏡からなること
    を特徴とする電子素子評価装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の電子素子評価装置にお
    いて、前記走査型電子顕微鏡の真空部分に、前記第1、
    第2の電流検出手段、および、該第1、第2の電流検出
    手段と前記探針との接続を切り換える手段を設けること
    を特徴とする電子素子評価装置。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の電子素子評価装置にお
    いて、前記顕微手段は、カンチレバー(Cantile
    ver)の自由端にある探針と試料表面との間に働く原
    子間力によって生ずる前記カンチレバーの撓みから前記
    試料表面の形状を測定する原子間力顕微鏡からなること
    を特徴とする電子素子評価装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の電子素子評価装置にお
    いて、前記原子間力顕微鏡のカンチレバーの固定端に、
    該カンチレバーの自由端にある探針の先端よりも前記試
    料表面から離れた所定の位置に先端がくるように、前記
    鋭利な先端を有し電圧が印加される導電性の探針を設
    け、前記原子間力顕微鏡による前記試料の形状の測定結
    果に基づき、前記移動手段を介して前記カンチレバーを
    移動し、該カンチレバーの固定端の探針を前記試料の評
    価位置に合わせることを特徴とする電子素子評価装置。
  10. 【請求項10】 請求項8、もしくは、請求項9のいず
    れかに記載の電子素子評価装置において、前記原子間力
    顕微鏡のカンチレバーの自由端にある探針は、絶縁体か
    らなることを特徴とする電子素子評価装置。
  11. 【請求項11】 請求項9、もしくは、請求項10のい
    ずれかに記載の電子素子評価装置において、前記カンチ
    レバーの自由端にある探針と固定端にある探針のそれぞ
    れの先端位置のずれが10μm以内となるように両探針
    を設けることを特徴とする電子素子評価装置。
  12. 【請求項12】 請求項8から請求項11のいずれかに
    記載の電子素子評価装置において、前記トンネル電流の
    検出後に前記探針をさらに前記試料側へ移動した後の前
    記カンチレバーの撓み量を測定し、記憶する手段を設
    け、前記制御手段は、素子特性の評価時に、前記記憶し
    たカンチレバーの撓み量を一定とするように、前記移動
    手段を制御することを特徴とする電子素子評価装置。
  13. 【請求項13】 請求項1から請求項12のいずれかに
    記載の電子素子評価装置において、前記トンネル電流の
    検出後に前記探針をさらに前記試料側へ移動した後の該
    試料表面から前記探針の予め定められた部位までの距離
    を測定し、記憶する手段を設け、前記制御手段は、素子
    特性の評価時に、前記記憶した試料表面から前記探針の
    予め定められた部位までの距離を一定とするように、前
    記移動手段を制御することを特徴とする電子素子評価装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項1から請求項12のいずれかに
    記載の電子素子評価装置において、前記トンネル電流の
    検出後に前記探針をさらに前記試料側へ移動した後の該
    試料表面から前記探針の予め定められた部位までの距離
    を測定し、記憶する手段を設け、前記制御手段は、素子
    特性の評価時に、前記記憶した試料表面から前記探針の
    予め定められた部位までの距離を一定とするように前記
    移動手段を制御した後に、外部からの指示入力に基づ
    き、前記探針を前記試料表面側に所定量移動させるよう
    に前記移動手段を制御することを特徴とする電子素子評
    価装置。
  15. 【請求項15】 請求項1から請求項14のいずれかに
    記載の電子素子評価装置において、前記トンネル電流の
    検出後の前記探針の前記試料側への移動量を順次に増や
    して得られる、前記第2の電流検出手段の検出結果に基
    づき、前記試料と前記鋭利な先端を有する導電性の探針
    との接触の度合いの変化を検出する手段を設け、前記制
    御手段は、前記接触度合い検出手段による前記接触度合
    いの変化の検出結果に基づき、前記トンネル電流の検出
    後の前記探針の前記試料側への移動量を決定することを
    特徴とする電子素子評価装置。
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