JP2007069765A - 乗員保護装置 - Google Patents

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Kazuya Yoshida
和也 吉田
Shigero Momohara
茂郎 桃原
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Abstract

【課題】 横転時に乗員に姿勢変化が起きる前にベルトを引いて乗員を拘束し、必要に応じて、さらにベルトを引いて乗員を拘束して、座席から離れたり、ロールオーバ保護部材(ロールバー)で形成する保護位置の範囲外へ乗員が移動することを防止する乗員保護装置を提供する。
【解決手段】 乗員保護装置では、シートベルト装置は、座席の左右何れか一方に配置して横転など必要があるときにベルトを巻き取るプリテンショナ機構と、プリテンショナ機構側から引き出したベルトを連結するために他方に配置するとともに、後方へスライド自在なスライド下部アンカ手段を備え、ロールオーバ保護装置は、車体に収納位置から支持位置へ可動自在に取付けて横転時に車体を支持するロールオーバ保護部材と、ロールオーバ保護部材からスライド下部アンカ手段へ力を伝える引き力伝達手段と、を備える。
【選択図】 図15

Description

本発明は、自動車の横転時など乗員を保護する必要があるときに作動する乗員保護装置に関するものである。
乗員保護装置は、自動車に採用したもので、特に、屋根を収納することができるコンバーチブルに用いるものがある。横転したときに、ロールバーを直立させるとともに、シートベルトを締める技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
特公平4−78504号公報(第3頁、第1図)
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図26は、従来の技術の基本構成を説明する図であり、従来のコンバーテイブル自動車のロールバー作動安全ベルト装置301は、ロールバー302を矢印Aのように回動して破線で示すように直立させると、ロールバー302の延長部303に取付けた安全ベルト304のショルダベルト部305が破線で示すように引っ張られるので、安全ベルト304を締め、頭部が直立したロールバー302から突き出るのを防止することができる。
しかし、特許文献1のコンバーテイブル自動車のロールバー作動安全ベルト装置301では、ロールバー302が作動を開始して直立するときに安全ベルト304を締めるので、自動車の傾きが軽度でロールバー302(ロールオーバ保護部材)は作動しないが、乗員に姿勢変化が起きる場合には、乗員の姿勢変化を抑止することができない。
すなわち、ロールバー302の直立で安全ベルト304の締め付けを開始した時点で、乗員の姿勢変化が既に起きていると、安全ベルト304は不適切な位置で乗員を締めることとなり、結果的に、乗員を十分に拘束できない場合がある。
また、ロールバー(ロールオーバ保護部材)302の直立時に安全ベルト304を破線で示すように引っ張るだけでは、引っ張る長さが不足することがあり、姿勢変化が大きいときには、乗員を十分に拘束しきれないことがある。
本発明は、横転時に乗員に姿勢変化が起きる前にベルトを引いて乗員を拘束し、必要に応じて、さらにベルトを引いて乗員を拘束して、座席から離れたり、ロールオーバ保護部材(ロールバー)で形成する保護位置の範囲外へ乗員が移動することを防止する乗員保護装置を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明では、座席に乗員を拘束するシートベルト装置と、車両状態検出センサと、前記乗員の頭部近傍に配置して車両の横転時に車体を支持するロールオーバ保護装置と、前記車両状態検出センサの車両状態情報を基に車両の横転の可能性及び横転か否かを判断する横転判定手段と、を備えた乗員保護装置において、シートベルト装置は、座席の左右何れか一方に配置して横転など必要があるときにベルトを巻き取るプリテンショナ機構と、プリテンショナ機構側から引き出したベルトを連結するために他方に配置するとともに、後方へスライド自在なスライド下部アンカ手段を備え、ロールオーバ保護装置は、車体に収納位置から支持位置へ可動自在に取付けて横転時に車体を支持するロールオーバ保護部材と、ロールオーバ保護部材から前記スライド下部アンカ手段へ力を伝える引き力伝達手段と、を備えた構成で、横転判定手段が横転可能性あり若しくは横転と判定した場合に、前記ロールオーバ保護部材が収納位置から支持位置へと作動するとともに、作動に伴いスライド下部アンカ手段を介してベルトを引くことによって乗員を拘束することを特徴とする。
請求項2に係る発明では、座席に乗員を拘束するシートベルト装置と、車両状態検出センサと、乗員の頭部近傍に配置して車両の横転時に車体を支持するロールオーバ保護装置と、車両状態検出センサの車両状態情報を基に車両の横転の可能性及び横転か否かを判断する横転判定手段と、を備えた乗員保護装置において、シートベルト装置は、座席の左右何れか一方に配置して横転など必要があるときにベルトを巻き取るプリテンショナ機構と、プリテンショナ機構側から引き出したベルトを連結するために他方に配置するとともに、前方へスライド自在なスライド下部アンカ手段を備え、ロールオーバ保護装置は、車体に収納位置から支持位置へ可動自在に取付けて横転時に車体を支持するロールオーバ保護部材と、スライド下部アンカ手段からロールオーバ保護部材のロック手段に力を伝える引き力伝達手段と、を備えた構成で、横転判定手段が横転可能性あり若しくは横転と判定した場合に、プリテンショナ機構を作動させて、連結したベルトを巻き取ることで、スライド下部アンカ手段を作動させてロック手段を解除し、ロールオーバ保護部材を収納位置から支持位置へと作動させることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、横転判定手段が横転可能性ありと判定した場合に、プリテンショナ機構を作動させ、横転判定手段が横転と判定した場合に、プリテンショナ機構の作動に続けて、ロールオーバ保護部材を収納位置から支持位置へと作動させることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、ロールオーバ保護部材を収納位置から支持位置へ作動させるために駆動手段に接続し、前記プリテンショナ機構を作動させるために前記駆動手段に接続したことを特徴とする。
請求項5に係る発明では、座席に乗員を拘束するシートベルト装置と、乗員の頭部近傍に配置して車両の横転時に車体を支持するロールオーバ保護装置と、を備えた乗員保護装置において、シートベルト装置は、横転など必要があるときにベルトを巻き取り、必要に応じてベルトを出すプリテンショナ機構と、プリテンショナ機構を正逆転させるモータ駆動源と、を備え、ロールオーバ保護装置は、車体に収納位置から支持位置へ可動自在に取付けて横転時に車体を支持するロールオーバ保護部材と、ロールオーバ保護部材にモータ駆動源の駆動力を伝達する駆動力伝達手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、シートベルト装置は、ベルトを巻き取るプリテンショナ機構と、後方へスライド自在なスライド下部アンカ手段を備え、ロールオーバ保護装置は、車体を支持するロールオーバ保護部材と、ロールオーバ保護部材から前記スライド下部アンカ手段へ力を伝える引き力伝達手段と、を備えた構成で、横転判定手段が横転可能性あり若しくは横転と判定した場合に、ロールオーバ保護部材が収納位置から支持位置へと作動するとともに、作動に伴いスライド下部アンカ手段を介してベルトを引くことによって乗員を拘束する。その結果、横転時に乗員に姿勢変化が起きる前にベルトを引いて乗員を拘束し、必要に応じて、さらにベルトを引いて乗員を拘束して、座席から離れたり、ロールオーバ保護部材(ロールバー)で形成する保護位置の範囲外へ乗員が移動することを防止することができるという利点がある。
請求項2に係る発明では、シートベルト装置は、ベルトを巻き取るプリテンショナ機構と、前方へスライド自在なスライド下部アンカ手段を備え、ロールオーバ保護装置は、車体を支持するロールオーバ保護部材と、ロールオーバ保護部材のロック手段に力を伝える引き力伝達手段と、を備えた構成で、横転判定手段が横転可能性あり若しくは横転と判定した場合に、プリテンショナ機構を作動させて、連結したベルトを巻き取ることで、スライド下部アンカ手段を作動させてロック手段を解除し、ロールオーバ保護部材を収納位置から支持位置へと作動させる。従って、ロールオーバ保護装置のロックを解除する駆動源を配置する必要がなく、構造の簡素化を図ることができるという利点がある。
請求項3に係る発明では、横転判定手段が横転可能性ありと判定した場合に、プリテンショナ機構を作動させ、横転判定手段が横転と判定した場合に、プリテンショナ機構の作動に続けて、ロールオーバ保護部材を収納位置から支持位置へと作動させるので、横転の可能性があっても横転に至らずに横転が回避された場合には、ロールオーバ保護部材(ロールバー)は作動しない。その結果、シートベルト装置のベルトをゆるめる操作をするだけでよく、ロールオーバ保護部材を収納位置に戻す必要がなく、手間がかからないという利点がある。
また、横転した際には、ロールオーバ保護部材が飛び出して、乗員を座席に強固に拘束することができるという利点がある。
請求項4に係る発明では、ロールオーバ保護部材を収納位置から支持位置へ作動させるために駆動手段に接続し、前記プリテンショナ機構を作動させるために前記駆動手段に接続したので、1台の駆動手段(電動モータ)の駆動力によってロールオーバ保護部材とプリテンショナ機構を作動させることができる。つまり、ロールオーバ保護部材側が駆動手段を備えると、プリテンショナ機構を単独で作動させる電動モータや反応ガス発生装置を省くことができ、逆に、プリテンショナ機構が駆動手段を備えると、ロールオーバ保護部材を作動させる電動モータを省くことができるという利点がある。
請求項5に係る発明では、シートベルト装置は、プリテンショナ機構と、プリテンショナ機構を正逆転させるモータ駆動源と、を備え、ロールオーバ保護装置は、車体に収納位置から支持位置へ可動自在に取付けて横転時に車体を支持するロールオーバ保護部材と、ロールオーバ保護部材にモータ駆動源の駆動力を伝達する駆動力伝達手段と、を備えたので、任意にロールオーバ保護部材を支持位置から収納位置まで回動させるか、収納位置から支持位置まで回動させるかを乗員は選択することができるという利点がある。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
請求項1及び請求項3は、第1・第3・第5・第7の実施の形態に含まれる。
請求項4は、第3・第7の実施の形態に含まれる。
第1の実施の形態を図1〜図9に示す。
第3の実施の形態を図14、図15に示す。
第5の実施の形態を図18〜図22に示す。
第7の実施の形態を図25に示す。
請求項2は、第2・第6の実施の形態に含まれる。
第2の実施の形態を図10〜図13に示す。
第6の実施の形態を図23、図24に示す。
請求項5は、第4の実施の形態に含まれる。
第4の実施の形態を図16、図17に示す。
図1は、本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)を説明する第1図である。
図2は、本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)を説明する第2図である。
第1の実施の形態の乗員保護装置11は、車両12に採用したもので、運転席13の座席14側に配置した運転席用のシートベルト装置15と、助手席16の座席17側に配置した助手席用のシートベルト装置18と、運転席用のロールオーバ保護装置21と、助手席用のロールオーバ保護装置22と、車両状態検出センサ23と、横転判定手段24と、を備える。
車両12は、屋根を開閉することができるコンバーチブルで、屋根を閉じた状態では、屋根の下方にロールオーバ保護装置21,22を配置する。25は車体、26はセンターコンソール、27は車両12の制御装置を示す。
なお、屋根は、樹脂製でもよく、金属製でもよい。
ここで、図2右の軸は、座標軸であり、直線又は回転で動く方向を示す。Xは前後に水平な直線運動を示す軸、YはXに直交する軸、ZはX,Yに直交する鉛直軸、AはX軸の周りの旋回運動を示す軸、BはY軸の周りの旋回運動を示す軸、CはZ軸の周りの旋回運動を示す軸である。
車両状態検出センサ23は、車両12の横転(A,B軸方向)や衝突など車両12の状態、例えば、加速度(例えば、X軸方向)、ロール角(A軸方向)、滑り(スリップ)角、ピッチ角(B軸方向)を検出するもので、仕様は任意である。
横転判定手段24は、車両状態検出センサ23の車両状態情報に基づいて車両12の横転の可能性ありか否かや、横転か否かを判断するとともに、ロールオーバ保護装置21,22を作動させるもので、仕様は任意である。
「横転の可能性」とは、車両12のロール角θ(図7(b)参照)が、例えば、10°を超えたときは「可能性あり」と判断する。ピッチ角(B軸方向)を含めてもよい。
「横転」とは、ロール角θ(図7(b)参照)が90°以上の状態や車両12の上下を逆さまに回転することで、制御の設定では、自動車の重心の高さによって異なるが、例えば、ロール角θを70°に設定し、70°以上のときは横転と判断する。
図3は、本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)の平面図である。
図4は、本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)の斜視図で、運転席13の座席14を透視した状態で示した。
シートベルト装置15、18は、車両12の中心である対称軸線Mを基準に対称である。
ロールオーバ保護装置21,22は、中央の保護部材駆動装置53の一部を除き、対称軸線Mを基準に対称である。
よって、運転席13のシートベルト装置15及びロールオーバ保護装置21を主体に説明する。
シートベルト装置15は、運転席用で、車両12のサイドボデー31側に固定したリトラクタ32と、プリテンショナ機構33と、下部アンカ34と、車両12のフロアパネル35の中央側でかつ座席14に配置したスライド下部アンカ手段36と、ベルトであるところのウエビング37と、ウエビング37を通したタングプレート38と、タングプレート38を嵌るとともにスライド下部アンカ手段36に接続したバックル41と、からなる。42(図1参照)はプリテンショナ機構33を作動させるベルト作動制御手段を示す。
ベルト(ウエビング)37は、肩から胸を拘束する肩ベルトと腰を拘束する腰ベルトとからなり、リトラクタ32に第1端部44を連結し、肩ベルトの下端であり且つ腰ベルトの端である第2端部45(図9も参照)をバックル41を介してスライド下部アンカ手段36に連結し、第3端部46を下部アンカ34に連結した。
リトラクタ32は、既存の構成であり、構成は任意である。
プリテンショナ機構33は、例えば、反応(燃焼)ガスを用いたものや、電動モータを用いた既存の構成であり、具体的な構成は任意である。
ロールオーバ保護装置21は、運転席13の座席14の後方に配置するとともにフロアパネル35に取付けた支柱部材47,47と、支柱部材47,47の上端に回動自在(矢印a1の方向)に連結したロールオーバ保護部材51と、ロールオーバ保護部材51に一端を掛止し、他端をスライド下部アンカ手段36に掛止した引き力伝達手段52と、ロールオーバ保護部材51に接続した駆動手段であるところの保護部材駆動装置53と、を備える。
なお、引き力伝達手段52や保護部材駆動装置53に保護カバー(図に示していない)を取付ける。
車体25には、ロールオーバ保護部材51を収納する収納部55を形成した。56(図1も参照)はロールオーバ保護部材51の収納位置、57はロールオーバ保護部材51の支持位置を示す。
支柱部材47間には、補強部材58を取付け、運転席13の支柱部材47と助手席16の支柱部材47間には中央補強部材59を取付けた。
支柱部材47の上部には、ロールオーバ保護部材51を回動自在に支持する連結部61を形成した。
ロールオーバ保護部材51は、U字形に形成したもので、両端に回動支点部63,64を形成し、回動支点部63を左の支柱部材47の連結部61に嵌めるとともに回動支点部63に保護部材駆動装置53を接続し(図5(c)参照)、回動支点部64を右の支柱部材47の連結部61に軸部材65を介して回動自在に取付け、中央に頂部66を頭部h(図1参照)より平均高さHr(図1参照)だけ高くなるように形成し、頂部66の内側に掛止部材67を取付け、保護部材駆動装置53によって支持位置57まで回動して起き上がる。
回動支点部63,64には、それぞれ回動止め部71(図5(c)参照),71を形成した。
保護部材駆動装置53は、支柱部材47の中央補強部材59に載せた伝動手段73と、伝動手段73に固定した電動モータ74と、伝動手段73に接続したラチエット機構75と、からなる。ラチエット機構75は、回動方向(矢印a1の方向)の回転を許可し、回動方向の回転とは反対の回転である戻りの回転(矢印a2の方向)を規制する。
引き力伝達手段52は、ロールオーバ保護部材51の掛止部材67に引きケーブル77の一端を掛止し、他端をスライド下部アンカ手段36に掛止し、引きケーブル77を掛ける第1・第2プーリ81,82をスライド下部アンカ手段36から車両12の後方(X軸方向)にそれぞれ所定距離だけ離して配置し、第2プーリ82から車両12の右(Y軸方向)に第3プーリ83を配置し、第3プーリ83の上方で且つ支柱部材47,47の連結部61,61間の中央に補強部材58を介して第4プーリ84を配置し、第4プーリ84から車両12の後方(X軸方向)に所定距離だけ離して第5プーリ85を配置した。
引きケーブル77は、第3プーリ83と第4プーリ84との間に取付けた締め力調節部材86を有し、締め力調節部材86によって、締めすぎを防止することができる。
締め力調節部材86は、引っ張りばねを用いたが、構成は任意である。
図5(a)〜(c)は、本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)に採用した引き力伝達手段、スライド下部アンカ手段、駆動軸接続手段の分解図であり、(a)は引き力伝達手段52の第2・第5プーリ82,85、(b)はスライド下部アンカ手段36、(c)はロールオーバ保護部材51を示す。図3、図4を併用して説明する。
(a)において、第2プーリ82は、フロアパネル35(図4参照)に平ブラケット87を取付け、平ブラケット87に軸部91を取付け、軸部91にプーリ本体92を回転自在に嵌め、軸部91に締結部材93をねじ込んだもので、力を伝える。
第5プーリ85は、車両12に横ブラケット94を取付け、横ブラケット94に軸部95を介してプーリ本体96を回転自在に取付けた。
図3の第1・第3・第4プーリ81,83,84は、第5プーリ85とほぼ同様である。
(b)において、スライド下部アンカ手段36は、座席14(図4参照)にレール部材97を取付け、レール部材97に嵌るスライド部材101を形成し、スライド部材101の前端にバックル41を取付け、スライド部材101の後端に掛止ボス部102を形成し、掛止ボス部102に引きケーブル77の一端をねじ部材103で連結し、通常はスライド部材101が前方へ最大に前進した前進限104(図4の状態)で待機し、所定の条件のときに最大スライド量Sb(図4参照)だけ後退限105までほぼX軸方向に向けスライド(図4の矢印a4の方向)する。
レール部材97は、図に示していない止めピンを有し、止めピンで通常は前進限(図4の状態)を保ち、止めピンに所定の力が加わると、前進限から後退限105に向けスライドを開始する。
(c)において、ロールオーバ保護部材51は、具体的には、回動支点部63に孔106を形成し、孔106にキー溝107を形成し、キー溝107にキー108を嵌めるとともに、キー108を保護部材駆動装置53の伝動手段73の駆動軸109に形成したキー溝111に嵌める。
図6は、本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)を説明するフローチャートであり、ST××はステップ番号を示す。
ST01:車両12の状態を車両状態検出センサ23で検出する。
ST02:車両状態検出センサ23の情報に基づいて制御装置27は衝突であるか、否かを判断する。衝突のときはST04に進み、衝突でないときはST03に進む。
ST03:車両状態検出センサ23の情報に基づいて横転判定手段24は衝突の可能性ありか、否かを判断する。可能性なしと判断したときはST01に戻る。可能性ありと判断したときはST04に進む。
ST04:ST02で衝突と判断したときを含め、プリテンショナ機構33をベルト作動制御手段42で作動させる。
ST05:経過時間のカウントをベルト作動制御手段42で、プリテンショナ機構33の作動と同時に開始する。
ST06:経過時間が設定時間に達したか否かを判断する。設定時間に達したらST07に進む。
ST07:車両状態検出センサ23の情報に基づいて横転判定手段24は横転であるか、否かを判断する。横転でないときはST01に戻る。横転のときはST08に進む。
ST08:横転判定手段24はロールオーバ保護装置21,22を作動させる。
ST09:ロールオーバ保護装置21は運転席13のシートベルト装置15のウエビング37を引いて締める。ロールオーバ保護装置22は助手席16のシートベルト装置18のウエビング37を引いて締める。
次にこれらを具体的に説明する。
次に本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)の作用を説明する。
図7(a),(b)は、本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)の第1作用図である。図1を併用して説明する。
(a)において、車両12のシートベルト装置15,18を装着する。運転席13の座席14に座り、ウエビング37を引き出してタングプレート38をスライド下部アンカ手段36のバックル41に矢印b1のように嵌ることで、運転席13の乗員M1はウエビング37を装着することができる。同様に、助手席16の座席17に座り、ウエビング37を引き出してタングプレート38をスライド下部アンカ手段36のバックル41に矢印b2のように嵌ることで、助手席16の乗員M2はウエビング37を装着することができる。
ここで、ウエビング37に記載した「×」印はウエビング37を装着したときに、乗員M1の中心S1と重なる位置、乗員M2の中心S2と重なる位置を示す。
(b)において、車両12が衝突したときや車両12に横転が起き始めたときにシートベルト装置15,18のプリテンショナ機構33,33が作動する。具体的には、正面衝突や側面衝突など衝突が起きると、車両状態検出センサ23の衝突情報に基づいて、車両12の制御装置27はベルト作動制御手段42を作動させ、ベルト作動制御手段42はプリテンショナ機構33,33を作動させるので、プリテンショナ機構33はウエビング37を矢印b3のように巻き取り、ウエビング37を長さL1だけ短くしてウエビング37のゆるみを矢印b4のように取ることができる。
次に横転が起き始めた場合について説明する。
車両12に何らかの理由で横転が起き始めると、車両状態検出センサ23の横転情報に基づいて、横転判定手段24は横転の可能性ありと判断し、ベルト作動制御手段42を作動させ、ベルト作動制御手段42はプリテンショナ機構33,33を作動させる。以降は既に説明したように長さL1だけ短くしてウエビング37のゆるみを矢印b4のように取ることができる。従って、横転時に乗員M1,M2に姿勢変化が起きる前にベルト(ウエビング)37,37を引いて(矢印b4,b4の方向)乗員M1,M2を拘束することができる。
衝突と横転が複合的に生じた場合も、プリテンショナ機構33,33は既に説明したように作動する。
一方、プリテンショナ機構33,33の作動と同時に進行した経過時間のカウントは設定時間に達する。達した後、車両状態検出センサ23の横転情報(例えば、70°未満)に基づいて横転判定手段24が横転ではないと判断したときには、乗員保護装置11はプリテンショナ機構33,33のみを作動させて作動を終了する。
図8は、本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)の第2作用図である。図3、図4を併用して説明する。
経過時間のカウントが設定時間に達した後、車両状態検出センサ23の横転情報(例えば、80°)に基づいて横転判定手段24が横転と判断すると、横転判定手段24は保護部材駆動装置53を作動させる。その結果、ロールオーバ保護部材51,51が回動して矢印b5,b5のように飛び出し、同時に、引き力伝達手段52,52によってウエビング37,37を矢印b6のように長さL2だけさらに短くし、締める。従って、必要に応じて、つまり、横転と判断したとき、さらにベルト(ウエビング)37,37を引いて(矢印b6,b6の方向)乗員M1,M2を拘束して、座席14,17から離れたり、ロールオーバ保護部材(ロールバー)51,51で形成する保護位置115,115,116の範囲外へ乗員M1,M2が移動することを防止することができる。
図9は、本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)の第3作用図である。図8を併用して説明する。
詳しくは、横転判定手段24が電動モータ74に通電すると、ラチエット機構75を介して駆動軸109は回転(矢印b7の方向)を始め、ロールオーバ保護部材51,51を収納位置56,56から支持位置57,57へ向けて起こし始めるので、ロールオーバ保護部材51,51に掛止した引き力伝達手段52の引きケーブル77,77は矢印c1〜c4のように引かれ、引きケーブル77,77に掛止したスライド下部アンカ手段36に力(矢印c5の方向)を加えて止めピンを破断し、スライド下部アンカ手段36のスライド部材101,101を矢印c5のように最大スライド量Sbだけ引き込む。その結果、横転時にはプリテンショナ機構33,33で締めた後に、さらにベルト(ウエビング)37,37を締めることができ、乗員M1,M2を拘束して、座席14,17から離れたり、ロールオーバ保護部材(ロールバー)51,51で形成する保護位置115,115,116の範囲外へ乗員M1,M2が移動することを防止することができる。
図7(b)に示すように、第1の実施の形態の乗員保護装置11では、横転の可能性があっても横転に至らずに横転が回避された場合には、ロールオーバ保護部材(ロールバー)51,51は作動しない。その結果、シートベルト装置15,18のベルト(ウエビング)37,37をゆるめる操作をするだけでよく、ロールオーバ保護部材51,51を収納位置56,56に戻す必要がなく、手間がかからない。
また、横転した際には、ロールオーバ保護部材51,51が飛び出して、乗員M1,M2を座席14,17に強固に拘束することができる。その結果、車両12の上下が逆さまになる過程で、乗員M1,M2を拘束することができ、乗員保護の性能をより高めることができる。
なお、図7(b)において、横転判定手段24が横転の可能性ありと判断したときに、プリテンショナ機構33,33の作動直後に、横転でなくとも図8のように保護部材駆動装置53を作動させてロールオーバ保護部材51,51を矢印b5,b5のように飛び出させてもよい。
次に、本発明の乗員保護装置の「別の実施の形態」を説明する。
図10は、第2の実施の形態の乗員保護装置を説明する平面図である。上記図1〜図9に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
図11は、第2の実施の形態の乗員保護装置を説明する斜視図で、運転席13の座席14を透視した状態で示した。
第2の実施の形態の乗員保護装置11Bは、運転席13の座席14側に配置した運転席用のシートベルト装置15Bと、助手席16の座席17側に配置した助手席用のシートベルト装置117と、運転席用のロールオーバ保護装置21Bと、助手席用のロールオーバ保護装置22Bを備えたことを特徴とする。
ロールオーバ保護装置21Bは、支柱部材47,47の上端に回動自在(矢印a1の方向)に連結したロールオーバ保護部材51Bと、ロールオーバ保護部材51Bに接続した保護部材駆動装置53Bと、保護部材駆動装置53Bに掛止した引き力伝達手段52Bと、を備える。
なお、引き力伝達手段52Bや保護部材駆動装置53Bに保護カバー(図に示していない)を取付ける。
シートベルト装置15Bは、リトラクタ32と、プリテンショナ機構33と、下部アンカ34と、スライド下部アンカ手段36Bと、を備える。
スライド下部アンカ手段36Bは、スライド下部アンカ手段36とほぼ同様であるが、レール部材97Bを備え、通常はスライド部材101が後方(矢印d1の方向)に最大に後退した後退限105(図11の状態)で待機し、所定の条件のときに最大スライド量Sf(図11参照)だけ前進限104までほぼX軸方向に向けスライド(図13の矢印d3の方向)する。
レール部材97Bは、図に示していない止めピンを有し、止めピンで通常は後退限105(図11の状態)を保ち、止めピンに所定の力が加わると、後退限105から前進限104に向けスライドを開始する。
引き力伝達手段52Bは、スライド下部アンカ手段36Bに引きケーブル77Bの一端を掛止し、引きケーブル77Bの他端を保護部材駆動装置53Bに掛止し、引きケーブル77Bを掛ける第1プーリ81をスライド下部アンカ手段36から車両12の後方(X軸方向)に所定距離だけ離して配置し、第1プーリ81の上方で且つ支柱部材47の中央補強部材59に第2プーリ122を取付けた。
助手席16のシートベルト装置117を説明する。
シートベルト装置117は、プリテンショナ機構33と、下部アンカ34と、下部アンカ34に対向し車両12のフロアパネル35の中央側でかつ座席17に配置した中央下部アンカ手段123と、を備える。
中央下部アンカ手段123は、スライドしない既存の構造である。
図12は、図11の12−12線断面図である。図5、図10、図11を併用して説明する。
保護部材駆動装置53Bは、ロールオーバ保護部材51Bの孔106(図5(c)参照)にキー溝107を介して嵌めた駆動軸109と、駆動軸109に接続し且つ支柱部材47の中央補強部材59に載せたラチエット機構75と、ラチエット機構75を貫通した駆動軸109にアーム部材124を一体的に固定し、アーム部材124の先端に形成した掛止凹部125に掛かるように且つ、支柱部材47に回動自在に取付けた爪部材126と、爪部材126に掛けたばね127と、アーム部材124に一端を掛け他端を支柱部材47側に掛けた引っ張りばね128と、からなる。
図13は、第2の実施の形態の乗員保護装置の作用図である。図1、図7、図8、図12を併用して説明する。
車両12に何らかの理由で横転が起き始めると、車両状態検出センサ23の横転情報に基づいて、横転判定手段24は横転の可能性ありと判断し、ベルト作動制御手段42を作動させ、ベルト作動制御手段42は運転席13のプリテンショナ機構33並びに助手席16のプリテンショナ機構33を作動させる。
プリテンショナ機構33がウエビング37を矢印d2,d2のように巻き込み、締めると、締める力がスライド下部アンカ手段36Bのレール部材97Bの止めピン(図に示していない)に加わり、止めピンは破断するので、スライド部材101は矢印d3のように前進する。その際、スライド部材101は引きケーブル77Bを矢印d4のように引くので、爪部材126は矢印d5のように回動してアーム部材124の掛止凹部125から外れ、ロックを解除する。アーム部材124に固定した駆動軸109は、引っ張りばね128(図12参照)によって矢印d6のように回動すると同時に、ロールオーバ保護部材51B,51B(図10参照)を収納位置56,56から支持位置57,57へ向けて矢印d7のように起こすことができる。
このように、第2の実施の形態の乗員保護装置11Bでは、プリテンショナ機構33,33の駆動力を用いて、運転席用のロールオーバ保護装置21Bと助手席用のロールオーバ保護装置22B(図10参照)を作動させることでき、ロールオーバ保護装置21B,22Bのロックを解除する駆動源を配置する必要がなく、構造の簡素化を図ることができる。
ロールオーバ保護部材51Bは、回動支点部63,64にそれぞれ回動止め部71,71を形成することで、ロールオーバ保護部材51B,51Bを支持位置57,57でより確実に静止させ続けることができる。
また、ロールオーバ保護装置21Bは、保護部材駆動装置53にラチエット機構75を備えることで、ロールオーバ保護部材51,51の支持位置57,57から収納位置56,56への戻りを防ぐことができる。
次に第3の実施の形態を説明する。
図14は、第3の実施の形態の乗員保護装置を説明する平面図である。上記図1〜図9に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
図15は、第3の実施の形態の乗員保護装置を説明する斜視図で、運転席13の座席14を透視した状態で示した。
第3の実施の形態の乗員保護装置11Cは、運転席13の座席14側に配置した運転席用のシートベルト装置15Cと、助手席16の座席17側に配置した助手席用のシートベルト装置18と、運転席用のロールオーバ保護装置21Cと、助手席用のロールオーバ保護装置22Cと、を備える。
シートベルト装置15Cは、車両12のサイドボデー31側に固定したリトラクタ32と、プリテンショナ機構131と、下部アンカ34と、車両12のフロアパネル35の中央に配置したスライド下部アンカ手段36と、ベルトであるところのウエビング37と、ウエビング37を通したタングプレート38と、タングプレート38を嵌るとともにスライド下部アンカ手段36に接続したバックル41と、からなる。
ロールオーバ保護装置21Cは、引き力伝達手段52と、ロールオーバ保護部材51に接続した駆動手段であるところの保護部材駆動装置53Cを備える。
なお、ロールオーバ保護装置21Cでは、支柱部材47間に取付けた中央補強部材59(図4参照)を省いた。
ここでは、ロールオーバ保護装置21Cが駆動手段(保護部材駆動装置)53Cを備えたが、ロールオーバ保護装置21Cが駆動手段(保護部材駆動装置)53Cを備えずに、シートベルト装置15Cが駆動手段(保護部材駆動装置)53Cを備えてもよい。
保護部材駆動装置53Cは、車体25の右のサイドボデー31内に駆動切換え装置133を配置し、駆動切換え装置133の出力軸134を右のサイドボデー31のインナパネル135を貫通させてフロアパネル35の中央まで延ばし、出力軸134に主動プーリ136を取付け、ロールオーバ保護部材51に嵌合した駆動軸109に従動プーリ137を固定し、従動プーリ137と主動プーリ136に歯付ベルト141を掛けたものである。
駆動切換え装置133は、伝動手段142と、伝動手段142に固定した電動モータ143と、伝動手段142の一方に接続した第1クラッチ機構144と、伝動手段142の他方に接続した第2クラッチ機構145と、第2クラッチ機構145と、からなり、第2クラッチ機構145に軸方向変更手段146を介して出力軸134を接続し、電動モータ143並びに第1クラッチ機構144がベルト作動制御手段42によって制御され、電動モータ143並びに第2クラッチ機構145が横転判定手段24によって制御される。
第2クラッチ機構145には、 第1クラッチ機構144には、プリテンショナ機構131を接続した。
第1・第2クラッチ機構144,145はともに、電磁クラッチを用い、電磁クラッチは常時「断」である。
プリテンショナ機構131は、駆動切換え装置133による回転力でウエビング37を巻き取るものであり、詳しい構成は任意である。例えば、電動モータを用いる既存の構成を部分的に採用することも可能である。
前述したようにシートベルト装置15Cが駆動手段(保護部材駆動装置)53Cを備えた場合には、プリテンショナ機構131は、駆動切換え装置133の伝動手段142と、電動モータ143と、第1・第2クラッチ機構144,145を備える。
なお、助手席16用にプリテンショナ機構33を採用したが、助手席16用にプリテンショナ機構131を採用して電動モータ143の駆動力を第1クラッチ機構144を介してベルトや軸で伝達する構成とし、助手席16用のプリテンショナ機構131を作動させてもよい。
また、助手席16用のプリテンショナ機構131を作動させる電動モータを配置してもよい。
次に第3の実施の形態の乗員保護装置11Cの作用を説明する。図1、図7〜図9を併用して説明する。
第3の実施の形態の乗員保護装置11Cでは、第1の実施の形態の乗員保護装置11と同様の効果を発揮する。
正面衝突や側面衝突など衝突が起きると、車両状態検出センサ23の衝突情報に基づいて、車両12の制御装置27はベルト作動制御手段42を作動させ、ベルト作動制御手段42はプリテンショナ機構33を作動させると同時に、プリテンショナ機構131を作動させるべく、電動モータ143と第1クラッチ機構144を作動させる。その結果、プリテンショナ機構131はウエビング37を矢印b3のように巻き込み、ウエビング37を長さL1だけ短くしてウエビング37のゆるみを矢印b4のように取ることができる。
一方、助手席用のプリテンショナ機構33は、既に説明した第1の実施の形態の乗員保護装置11と同様に作用する。
次に横転が起き始めた場合について説明する。
車両12に何らかの理由で横転が起き始めると、車両状態検出センサ23の横転情報に基づいて、横転判定手段24は横転の可能性ありと判断し、ベルト作動制御手段42を作動させ、ベルト作動制御手段42はプリテンショナ機構33並びにプリテンショナ機構131(電動モータ143と第1クラッチ機構144を作動させる。)を作動させる。以降は既に説明したように長さL1だけ短くしてウエビング37のゆるみを矢印b4のように取ることができる。従って、横転時に乗員M1,M2に姿勢変化が起きる前にベルト(ウエビング)37,37を引いて(矢印b4,b4の方向)乗員M1,M2を拘束することができる。
衝突と横転が複合的に生じた場合も、プリテンショナ機構33,131は作動する。
一方、プリテンショナ機構33,131の作動と同時に進行した経過時間のカウントは設定時間に達する。達した後、車両状態検出センサ23の横転情報に基づいて横転判定手段24が横転ではないと判断したときには、乗員保護装置11Cはプリテンショナ機構33,131のみを作動させて作動を終了する。
次に横転したときについて説明する。
経過時間のカウントが設定時間に達した後、車両状態検出センサ23の横転情報に基づいて横転判定手段24が横転と判断すると、横転判定手段24は電動モータ143と第2クラッチ機構145を作動させる。その結果、駆動軸109はb7のように回動し、図8、図9に示すように、ロールオーバ保護部材51,51が矢印b5,b5のように飛び出し、同時に、引き力伝達手段52,52によってウエビング37,37を矢印b6(図8参照)のように長さL2だけさらに短くし、締める。従って、必要に応じて、つまり、横転と判断したとき、さらにベルト(ウエビング)37,37を引いて(矢印b5,b5の方向)乗員M1,M2を拘束して、座席14,17から離れたり、ロールオーバ保護部材(ロールバー)51,51で形成する保護位置115,115,116の範囲外へ乗員M1,M2が移動することを防止することができる。
このように、第3の実施の形態の乗員保護装置11Cでは、図7(b)に示すように、横転の可能性があっても横転に至らずに横転が回避された場合には、ロールオーバ保護部材(ロールバー)51,51は作動しない。その結果、シートベルト装置15C,18のベルト(ウエビング)37,37をゆるめる操作をするだけでよく、ロールオーバ保護部材51,51を収納位置56,56に戻す必要がなく、手間がかからない。
第3の実施の形態の乗員保護装置11Cでは、ロールオーバ保護部材51,51を作動させるために駆動手段(保護部材駆動装置)53Cに接続し、プリテンショナ機構131を作動させるために駆動手段(保護部材駆動装置)53Cに接続したので、1台の駆動手段(保護部材駆動装置)53Cが備える電動モータ143の駆動力によってロールオーバ保護部材51,51とプリテンショナ機構131を作動させることができる。つまり、ロールオーバ保護部材側が駆動手段53Cを備えると、プリテンショナ機構131を単独で作動させる電動モータや反応ガス発生装置を省くことができ、逆に、プリテンショナ機構131が駆動手段53Cを備えると、ロールオーバ保護部材51,51を作動させる電動モータを省くことができる。
また、横転した際には、ロールオーバ保護部材51,51が飛び出して、乗員M1,M2を座席14,17に強固に拘束することができる。その結果、車両12の上下が逆さまになる過程で、乗員M1,M2を拘束することができ、乗員保護の性能をより高めることができる。
なお、図7(b)において、横転判定手段24が横転の可能性ありと判断したときに、プリテンショナ機構33,131の作動直後に、横転でなくとも図8のように保護部材駆動装置53を作動させてロールオーバ保護部材51,51を矢印b5,b5のように飛び出させてもよい。
図に示していないが、助手席16用にプリテンショナ機構131を採用して電動モータ143の駆動力を伝達する構成とし、助手席16用のプリテンショナ機構131を作動させることで、助手席16用のプリテンショナ機構を単独で作動させる電動モータや反応(燃焼)ガス発生装置を省くことができる。
次に第4の実施の形態を説明する。
図16は、第4の実施の形態の乗員保護装置を説明する平面図である。上記図1〜図15に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
図17は、第4の実施の形態の乗員保護装置を説明する斜視図で、運転席13の座席14を透視した状態で示した。
第4の実施の形態の乗員保護装置11Dは、運転席13の座席14側に配置した運転席用のシートベルト装置15Dと、助手席16の座席17側に配置した助手席用のシートベルト装置117と、運転席用のロールオーバ保護装置21Dと、助手席用のロールオーバ保護装置22Dと、横転判定手段24Dと、センターコンソール26に配置したベルト作動ボタン152と、保護部材作動ボタン153と、を備える。
ロールオーバ保護装置21Dは、支柱部材47,47の上端に回動自在に連結したロールオーバ保護部材51を備える。
シートベルト装置15Dは、車両12のサイドボデー31側に固定したリトラクタ32と、プリテンショナ機構155と、下部アンカ34と、車両12の中央側で且つ座席14に配置した中央下部アンカ手段123と、ベルトであるところのウエビング37と、ウエビング37を通したタングプレート38と、タングプレート38を嵌るとともに中央下部アンカ手段123に接続したバックル41と、を備える。
プリテンショナ機構155は、サイドボデー31にプリテンショナ駆動装置156を備える。
プリテンショナ駆動装置156は、車体25の右のサイドボデー31内に駆動切換え装置133Dを配置し、駆動切換え装置133Dの出力軸134に主動プーリ136を取付け、ロールオーバ保護部材51に嵌合した駆動軸109に従動プーリ137を固定し、従動プーリ137と主動プーリ136に歯付ベルト141を掛けたものである。
駆動切換え装置133Dは、伝動手段142と、伝動手段142に固定したモータ駆動源であるところの電動モータ157と、伝動手段142の一方に接続し且つプリテンショナ機構155に駆動力を伝える第1クラッチ機構144と、伝動手段142の他方に接続した第2クラッチ機構145と、第2クラッチ機構145と、からなり、第2クラッチ機構145に軸方向変更手段146を介して出力軸134を接続し、横転判定手段24Dの情報に基づいて作動する。
なお、第2クラッチ機構145は、モータ駆動源(電動モータ)157の駆動力を伝達する駆動力伝達手段でもある。
横転判定手段24Dは、車両状態検出センサ23の車両状態情報に基づいて車両12の横転の可能性ありか否かや、横転か否かを判断する。構成は既存のものでもよく任意である。
また、横転判定手段24Dは、横転の可能性なしや、横転ではないと判断した条件下で、ベルト作動ボタン152の情報に基づいて、プリテンショナ駆動装置156を作動させる。つまり、プリテンショナ機構155を作動させる。
さらに、横転判定手段24Dは、横転の可能性なしや、横転ではないと判断した条件下で、保護部材作動ボタン153の情報に基づいて、プリテンショナ駆動装置156を作動させる。つまり、ロールオーバ保護装置21D,22Dを作動させる。
ベルト作動ボタン152は、ウエビング(ベルト)37を巻き込むか、送り出す(ゆるめる)かを乗員が選択するもので、構成は任意であり、ダイヤル式でもよい。
保護部材作動ボタン153は、ロールオーバ保護部材51を支持位置57(図9参照)から収納位置56まで回動させるか、収納位置56から支持位置57(図9参照)まで回動させるかを乗員が選択するもので、構成は任意であり、ダイヤル式でもよい。
なお、助手席16用にプリテンショナ機構33を採用したが、助手席16用にプリテンショナ機構155を採用して電動モータ157の駆動力を第1クラッチ機構144を介してベルトや軸で伝達する構成とし、助手席16用のプリテンショナ機構155を作動させてもよい。
次に第4の実施の形態の乗員保護装置11Dの作用を説明する。図1、図7〜図9を併用して説明する。
正面衝突や側面衝突など衝突が起きると、車両状態検出センサ23の衝突情報に基づいて、車両12の制御装置27はベルト作動制御手段42を作動させ、ベルト作動制御手段42はプリテンショナ機構33を作動させると同時に、プリテンショナ機構155を作動させるべく、電動モータ157と第1クラッチ機構144を作動させる。その結果、プリテンショナ機構155はウエビング37を矢印b3のように巻き込み、ウエビング37を長さL1だけ短くしてウエビング37のゆるみを矢印b4のように取ることができる。
一方、助手席用のプリテンショナ機構33は、既に説明した第1の実施の形態の乗員保護装置11と同様に作用する。
次に横転が起き始めた場合について説明する。
車両12に何らかの理由で横転が起き始めると、車両状態検出センサ23の横転情報に基づいて、横転判定手段24Dは横転の可能性ありと判断し、ベルト作動制御手段42を作動させ、ベルト作動制御手段42はプリテンショナ機構33並びにプリテンショナ機構155(電動モータ157と第1クラッチ機構144を作動させる。)を作動させる。以降は既に説明したように長さL1だけ短くしてウエビング37のゆるみを矢印b4のように取ることができる。従って、横転時に乗員M1,M2に姿勢変化が起きる前にベルト(ウエビング)37,37を引いて(矢印b4,b4の方向)乗員M1,M2を拘束することができる。
衝突と横転が複合的に生じた場合も、プリテンショナ機構33,155は作動する。
引き続き、車両状態検出センサ23の横転情報に基づいて横転判定手段24が横転ではないと判断したときには、乗員保護装置11Dはプリテンショナ機構33,155のみを作動させて作動を終了する。
車両12が横転を回避した後に、乗員がベルト作動ボタン152で送り出す(ゆるめる)を操作すると、電動モータ157並びに第1クラッチ機構144は作動して、予め設定した長さだけウエビング37を送り出す(ゆるめる)ことができる。従って、プリテンショナ機構155を作動させた後に、ウエビング37を戻す処理に手間がかからない。
次に横転したときについて説明する。
横転の可能性ありと判断した後、続けて、車両状態検出センサ23の横転情報に基づいて横転判定手段24Dが横転と判断すると、横転判定手段24Dは電動モータ157と第2クラッチ機構145を作動させる。その結果、駆動軸109はb7のように回動し、図8、図9に示すように、ロールオーバ保護部材51,51が矢印b5,b5のように支持位置57まで飛び出し、乗員を保護することができる。
第4の実施の形態の乗員保護装置11Dでは、任意にロールオーバ保護部材51を支持位置57(図9参照)から収納位置56まで回動させるか、収納位置56から支持位置57(図9参照)まで回動させるかを乗員は選択することができる。
なお、第1の実施の形態の乗員保護装置11から第4の実施の形態の乗員保護装置11Dを必要に応じて組み合わせてもよい。例えば、図3の乗員保護装置11では保護部材駆動装置53を車両12の中央の上方に配置したが、図14に示した第3の実施の形態の乗員保護装置11Cが備える保護部材駆動装置53Cとほぼ同様に、サイドボデー31に配置してもよい。
また、図14の乗員保護装置11Cでは車両12の中央に主動プーリ136や歯付ベルト141を配置したが、図16に示した第4の実施の形態の乗員保護装置11Dとほぼ同様に右のサイドボデー31との間に配置してもよい。
次に第5〜第8の実施の形態を説明する。第5〜第8の実施の形態では、第1〜第4の実施の形態で説明したロールオーバ保護部材51の回動に対して、ロールオーバ保護部材は直動する。
第5の実施の形態を説明する。
図18は、第5の実施の形態の乗員保護装置を説明する平面図である。上記図1、図3、図4に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
図19は、第5の実施の形態の乗員保護装置を説明する斜視図で、運転席13の座席14を透視した状態で示した。
第5の実施の形態の乗員保護装置11Eは、運転席13の座席14側に配置した運転席用のシートベルト装置15と、助手席16の座席17側に配置した助手席用のシートベルト装置18と、運転席用のロールオーバ保護装置21Eと、助手席用のロールオーバ保護装置22Eと、車両状態検出センサ23と、横転判定手段24と、を備える。
ロールオーバ保護装置21E,22Eは、保護部材駆動装置175を除き、車両12の中心である対称軸線Mを基準に対称である。
よって、運転席13のシートベルト装置15及びロールオーバ保護装置21Eを主体に説明する。
図20は、図18の20−20線断面図である。図18、図19を併用して説明する。
図21は、図20の21−21線断面図である。
ロールオーバ保護装置21Eは、運転席13の座席14の後方に配置するとともにフロアパネル35に取付けた左右のスライド支柱手段164、165と、左右のスライド支柱手段164,165のスライド部材166,167同士を接続するように取付けたロールオーバ保護部材51E及び可動梁部材171と、スライド支柱手段164,165の固定支柱172,173の下部に取付けた固定梁部材174と、固定梁部材174と可動梁部材171との間に配置した保護部材駆動装置175と、可動梁部材171に一端を掛止し、他端を座席14側のスライド下部アンカ手段36に掛止した引き力伝達手段52Eと、を備える。56Eはロールオーバ保護部材51Eの収納位置、57Eはロールオーバ保護部材51Eの支持位置を示す。
また、ロールオーバ保護装置21Eは、可動梁部材171と右のスライド支柱手段165間にストッパ機構177を配置し、左のスライド支柱手段164に緩衝器178を配置した。
なお、引き力伝達手段52Eや保護部材駆動装置175に保護カバー(図に示していない)を取付ける。
保護部材駆動装置175は、ロールオーバ保護部材51Eを上昇(Z軸方向)させることで飛び出させる上昇駆動手段181と、ロック機構182と、からなる。
上昇駆動手段181は、固定梁部材174と可動梁部材171との間に圧縮ばね183を配置し、圧縮ばね183を通すとともに固定梁部材174の中央にピン184の一端を固定し、他端を可動梁部材171に通したもので、ロールオーバ保護部材51Eを支持位置57Eまで二点鎖線で示すように上昇させる。
ロック機構182は、車体25の右のサイドボデー31内に電動モータ185を配置し、電動モータ185に主動プーリ186を取付け、固定梁部材174にブラケット187を介して回動自在(A軸方向)に従動プーリ188と円盤191を一体的に接続した状態で取付け、円盤191の中心から所定距離だけ離した位置にロックピン192を取付け、ロックピン192に掛止する掛止部材193を可動梁部材171に取付け、従動プーリ188と主動プーリ186に歯付ベルト194を掛けた。
また、助手席側の固定梁部材174にブラケット187を介して回動自在(A軸方向)に円盤191を取付け、円盤191の中心から所定距離だけ離した位置にロックピン195(ロックピン192と同じもの。)を取付け、ロックピン195,192を連結アーム196で連結した。
引き力伝達手段52Eは、可動梁部材171に引きケーブル197の一端を掛止し、他端をスライド下部アンカ手段36に掛止し、引きケーブル197を掛ける第1・第2プーリ198,199をスライド下部アンカ手段36から車両12の後方(X軸方向)にそれぞれ所定距離だけ離して配置し、第2プーリ199から車両12の右(Y軸方向)に第3プーリ201を配置し、第3プーリ201の上方(Z軸方向)で且つ固定梁部材174に第4・第5プーリ202,203を配置した。
引きケーブル197は、第2プーリ199と第3プーリ201との間に取付けた締め力調節部材86を有し、締め力調節部材86によって、締めすぎを防止することができる。
締め力調節部材86は、引っ張りばねを用いたが、構成は任意である。
ストッパ機構177は、可動梁部材171に掛止部材204を取付け、掛止部材204に掛かる爪手段205を右のスライド支柱手段165の固定支柱173に取付け、ロールオーバ保護部材51Eを支持位置57Eで固定する。
図22は、図20の22−22線断面図である。
左のスライド支柱手段164は、固定支柱172内にローラ206,206を取付けた。
右のスライド支柱手段165は、固定支柱173内にローラ206,206を取付けた。
なお、ローラ206・・・を介してスライド部材166,167を嵌めたが、ローラ206・・・を用いずにスライド部材166,167を嵌めることも可能である。
固定支柱172,173の断面形状は、任意である。
スライド部材166,167の断面形状は、任意である。
次に第5の実施の形態の乗員保護装置11Eの作用を説明する。図1、図7及び図8を併用して説明する。
第5の実施の形態の乗員保護装置11Eは、第1の実施の形態の乗員保護装置11と同様の効果を発揮する。
正面衝突や側面衝突など衝突が起きると、車両状態検出センサ23の衝突情報に基づいて、車両12の制御装置27はベルト作動制御手段42を作動させ、ベルト作動制御手段42はプリテンショナ機構33,33を作動させるので、プリテンショナ機構33はウエビング37を矢印b3のように巻き込み、ウエビング37を長さL1だけ短くしてウエビング37のゆるみを矢印b4のように取ることができる。
次に横転が起き始めた場合について説明する。
車両12に何らかの理由で横転が起き始めると、車両状態検出センサ23の横転情報に基づいて、横転判定手段24は横転の可能性ありと判断し、ベルト作動制御手段42を作動させ、ベルト作動制御手段42はプリテンショナ機構33,33を作動させる。以降は既に説明したように長さL1だけ短くしてウエビング37のゆるみを矢印b4のように取ることができる。従って、横転時に乗員M1,M2に姿勢変化が起きる前にベルト(ウエビング)37,37を引いて(矢印b4,b4の方向)乗員M1,M2を拘束することができる。
衝突と横転が複合的に生じた場合も、プリテンショナ機構33,33は作動する。
一方、プリテンショナ機構33,33の作動と同時に進行した経過時間のカウントは設定時間に達する。達した後、車両状態検出センサ23の横転情報に基づいて横転判定手段24が横転ではないと判断したときには、乗員保護装置11Eはプリテンショナ機構33,33のみを作動させて作動を終了する。
経過時間のカウントが設定時間に達した後、車両状態検出センサ23の横転情報に基づいて横転判定手段24が横転と判断すると、横転判定手段24は保護部材駆動装置175を作動させる。詳しくは後述する。
その結果、運転席用のロールオーバ保護部材51E及び助手席用のロールオーバ保護部材51Eが矢印e1(20参照),e1(図に示していない)のように上昇し、同時に、引き力伝達手段52E,52Eによってウエビング37,37を矢印b6(図8参照)のように長さL2だけさらに短くし、締める。従って、必要に応じて、つまり、横転と判断したとき、さらにベルト(ウエビング)37,37を引いて(矢印b5,b5の方向)乗員M1,M2を拘束して、座席14,17から離れたり、ロールオーバ保護部材(ロールバー)51E,51Eで形成する保護位置115E,115E,116Eの範囲外へ乗員M1,M2が移動することを防止することができる。
詳しくは、横転判定手段24が電動モータ185に通電すると、従動プーリ188は矢印e2(図20参照)のように回動するので、ロックピン192は矢印e2のように回動して掛止部材193から外れる。その際、ロックピン192は連結アーム196を矢印e3(図20参照)のように引くので、助手席側のロックピン195は矢印e2のように回動して掛止部材193から外れる。その結果、圧縮ばね183によって可動梁部材171とともにロールオーバ保護部材51Eが二点鎖線で示すよう上昇する。
図7(b)に示すように、横転の可能性があっても横転に至らずに横転が回避された場合には、ロールオーバ保護部材(ロールバー)51E,51Eは作動しない。その結果、シートベルト装置15,18のベルト(ウエビング)37,37をゆるめる操作をするだけでよく、ロールオーバ保護部材51E,51Eを収納位置56E,56Eに戻す必要がなく、手間がかからない。
また、横転した際には、ロールオーバ保護部材51E,51Eが図20の二点鎖線で示すように飛び出して、乗員M1,M2を座席14,17に強固に拘束することができる。その結果、車両12の上下が逆さまになる過程で、乗員M1,M2を拘束することができ、乗員保護の性能をより高めることができる。
次に第6の実施の形態を説明する。
図23は、第6の実施の形態の乗員保護装置を説明する平面図である。上記図1、図10〜図13、図18〜図21に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
第6の実施の形態の乗員保護装置11Fは、運転席13の座席14側に配置した運転席用のシートベルト装置15Fと、助手席16の座席17側に配置した助手席用のシートベルト装置117と、運転席用のロールオーバ保護装置21Fと、助手席用のロールオーバ保護装置22Fと、を備える。
シートベルト装置15Fは、スライド下部アンカ手段36Bを備える。
ロールオーバ保護装置21Fは、運転席13の座席14の後方に配置するとともにフロアパネル35に取付けた左右のスライド支柱手段164、165と、左右のスライド支柱手段164,165のスライド部材166,167同士を接続するように取付けたロールオーバ保護部材51E及び可動梁部材171と、左右のスライド支柱手段164,165の固定支柱172,173に取付けた固定梁部材174と、ロールオーバ保護部材51Eに接続した保護部材駆動装置175Fと、保護部材駆動装置175Fに掛止した引き力伝達手段52Fと、を備える。
保護部材駆動装置175Fは、ロールオーバ保護部材51Eを上昇させて出す上昇駆動手段181と、ロック機構182Fと、からなる。
図24は、第6の実施の形態の乗員保護装置に用いたロック機構の斜視図である。図23を併用して説明する。
ロック機構182Fは、固定梁部材174にブラケット187を介して回動自在(A軸方向)に円盤191を取付け、円盤191の中心から所定距離だけ離した位置にロックピン192を取付け、ロックピン192に掛止する掛止部材193を可動梁部材171に取付け、ロックピン192とブラケット187間に引っ張りばね207を掛止した。また、助手席16側の円盤191にロックピン195を取付け、ロックピン195,192を連結アーム196で連結し、連結アーム196に引き力伝達手段52Fを接続した。
引き力伝達手段52Fは、運転席13側のスライド下部アンカ手段36Bに引きケーブル77Fの一端を掛止し、引きケーブル77Fの他端をロック機構182Fの連結アーム196に掛止し、引きケーブル77Fを掛ける第1・第2プーリ81,211をスライド下部アンカ手段36Bから車両12の後方(X軸方向)に所定距離だけ離して配置し、第2プーリ211の上方(Z軸方向)に第3プーリ212を配置した。
第6の実施の形態の乗員保護装置11Fでは、第2の実施の形態の乗員保護装置11Bと同様の効果を発揮する。
運転席13側のプリテンショナ機構33がウエビング37を巻き込み、締めると、締める力がスライド下部アンカ手段36Bのレール部材97Bの止めピン(図に示していない)に加わり、止めピンは破断するので、スライド部材101は矢印d3(図13参照)のように前進する。その際、スライド部材101は引きケーブル77Fを矢印e5のように引くので、連結アーム196はY軸方向に矢印e6のように移動を始め、ロックピン192,195は回転(公転)し、掛止部材193,193から外れる。その結果、圧縮ばね183によって可動梁部材171とともにロールオーバ保護部材51Eは図20の二点鎖線で示す支持位置57Eまで上昇する。
このように、第6の実施の形態の乗員保護装置11Fでは、プリテンショナ機構33の駆動力を用いて、運転席用のロールオーバ保護装置21Fと助手席用のロールオーバ保護装置22Fを作動させることができ、ロールオーバ保護装置21F,22Fのロックを解除する駆動源を配置する必要がなく、構造の簡素化を図ることができる。
次に第7の実施の形態を説明する。
図25は、第7の実施の形態の乗員保護装置を説明する平面図である。上記図1、図8、図14、図15、図18〜図22に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
第7の実施の形態の乗員保護装置11Gは、運転席13の座席14側に配置した運転席用のシートベルト装置15Gと、助手席16の座席17側に配置した助手席用のシートベルト装置18と、運転席用のロールオーバ保護装置21Gと、助手席用のロールオーバ保護装置22Eと、を備える。
シートベルト装置15Gは、車両12のサイドボデー31側に固定したリトラクタ32と、プリテンショナ機構131と、下部アンカ34と、スライド下部アンカ手段36と、ベルトであるところのウエビング37と、ウエビング37を通したタングプレート38と、タングプレート38を嵌るとともにスライド下部アンカ手段36に接続したバックル41と、からなる。
ロールオーバ保護装置21Gは、ロールオーバ保護部材51Eに接続した保護部材駆動装置53Gと、引き力伝達手段52Eと、を備える。
保護部材駆動装置53Gは、車体25の右のサイドボデー31内に配置した駆動切換え装置133と、駆動切換え装置133に接続したロック機構182と、ロールオーバ保護部材51Eを上昇させて出す上昇駆動手段181(図20参照)と、からなる。
ここでは、ロック機構182の電動モータ185(図18参照)を省き、主動プーリ186を駆動切換え装置133の第2クラッチ機構145に接続した。
第7の実施の形態の乗員保護装置11Gでは、第3の実施の形態の乗員保護装置11Cと同様の効果を発揮する。
横転したときについて説明する。
経過時間のカウントが設定時間に達した後、車両状態検出センサ23の横転情報に基づいて横転判定手段24が横転と判断すると、横転判定手段24は電動モータ143と伝動手段142の他方に接続した第2クラッチ機構145を作動させる。その結果、図20に示すように、ロールオーバ保護部材51E,51Eが矢印e1,e1のように上昇し、同時に、引き力伝達手段52E,52Eによってウエビング37,37を矢印b6(図8参照)のように長さL2だけさらに短くし、締める。従って、必要に応じて、つまり、横転と判断したとき、さらにベルト(ウエビング)37,37を引いて(矢印b5,b5の方向)乗員M1,M2を拘束して、座席14,17から離れたり、ロールオーバ保護部材(ロールバー)51E,51Eで形成する保護位置115E(図20参照),115E,116Eの範囲外へ乗員M1,M2が移動することを防止することができる。
このように、第7の実施の形態の乗員保護装置11Gでは、ロールオーバ保護部材51E,51Eを作動させる電動モータ143の駆動力によってプリテンショナ機構131を作動させることができ、プリテンショナ機構131を単独で作動させる電動モータや反応(燃焼)ガス発生装置を省くことができる。
尚、本発明の乗員保護装置は、実施の形態では屋根の開閉が可能な自動車に適用したが、屋根のない自動車にも適用可能であり、一般の車両に適用することは差し支えない。
本発明の乗員保護装置は、コンバーチブルやロードスターに好適である。
本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)を説明する第1図 本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)を説明する第2図 本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)の平面図 本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)の斜視図 本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)に採用した引き力伝達手段、スライド下部アンカ手段、駆動軸接続手段の分解図 本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)を説明するフローチャート 本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)の第1作用図 本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)の第2作用図 本発明の乗員保護装置(第1の実施の形態)の第3作用図 第2の実施の形態の乗員保護装置を説明する平面図 第2の実施の形態の乗員保護装置を説明する斜視図 図11の12−12線断面図 第2の実施の形態の乗員保護装置の作用図 第3の実施の形態の乗員保護装置を説明する平面図 第3の実施の形態の乗員保護装置を説明する斜視図 第4の実施の形態の乗員保護装置を説明する平面図 第4の実施の形態の乗員保護装置を説明する斜視図 第5の実施の形態の乗員保護装置を説明する平面図 第5の実施の形態の乗員保護装置を説明する斜視図 図18の20−20線断面図 図20の21−21線断面図 図20の22−22線断面図 第6の実施の形態の乗員保護装置を説明する平面図 第6の実施の形態の乗員保護装置に用いたロック機構の斜視図 第7の実施の形態の乗員保護装置を説明する平面図 従来の技術の基本構成を説明する図
符号の説明
11〜11G…乗員保護装置、12…車両、13,16…座席、15,15B〜15D,15F〜15G,18,117…シートベルト装置、21,21B〜21G,22,22B〜21F…ロールオーバ保護装置、23…車両状態検出センサ、24,24D…横転判定手段、25…車体、33,131,143,155…プリテンショナ機構、36,36B…スライド下部アンカ手段、37…ベルト(ウエビング)、51,51B,51E…ロールオーバ保護部材、52…引き力伝達手段、53…駆動手段(保護部材駆動装置)、56,56E…収納位置、57,57E…支持位置、142…伝動手段、145…駆動力伝達手段(第2クラッチ機構)、157…モータ駆動源(電動モータ)。

Claims (5)

  1. 座席に乗員を拘束するシートベルト装置と、車両状態検出センサと、前記乗員の頭部近傍に配置して車両の横転時に車体を支持するロールオーバ保護装置と、前記車両状態検出センサの車両状態情報を基に車両の横転の可能性及び横転か否かを判断する横転判定手段と、を備えた乗員保護装置において、
    前記シートベルト装置は、座席の左右何れか一方に配置して横転など必要があるときにベルトを巻き取るプリテンショナ機構と、プリテンショナ機構側から引き出したベルトを連結するために他方に配置するとともに、後方へスライド自在なスライド下部アンカ手段を備え、
    前記ロールオーバ保護装置は、車体に収納位置から支持位置へ可動自在に取付けて横転時に車体を支持するロールオーバ保護部材と、ロールオーバ保護部材から前記スライド下部アンカ手段へ力を伝える引き力伝達手段と、を備えた構成で、
    前記横転判定手段が横転可能性あり若しくは横転と判定した場合に、前記ロールオーバ保護部材が収納位置から支持位置へと作動するとともに、作動に伴いスライド下部アンカ手段を介してベルトを引くことによって乗員を拘束することを特徴とする乗員保護装置。
  2. 座席に乗員を拘束するシートベルト装置と、車両状態検出センサと、前記乗員の頭部近傍に配置して車両の横転時に車体を支持するロールオーバ保護装置と、前記車両状態検出センサの車両状態情報を基に車両の横転の可能性及び横転か否かを判断する横転判定手段と、を備えた乗員保護装置において、
    前記シートベルト装置は、座席の左右何れか一方に配置して横転など必要があるときにベルトを巻き取るプリテンショナ機構と、プリテンショナ機構側から引き出したベルトを連結するために他方に配置するとともに、前方へスライド自在なスライド下部アンカ手段を備え、
    前記ロールオーバ保護装置は、車体に収納位置から支持位置へ可動自在に取付けて横転時に車体を支持するロールオーバ保護部材と、前記スライド下部アンカ手段からロールオーバ保護部材のロック手段に力を伝える引き力伝達手段と、を備えた構成で、
    前記横転判定手段が横転可能性あり若しくは横転と判定した場合に、前記プリテンショナ機構を作動させて、連結したベルトを巻き取ることで、スライド下部アンカ手段を作動させてロック手段を解除し、前記ロールオーバ保護部材を収納位置から支持位置へと作動させることを特徴とする乗員保護装置。
  3. 前記横転判定手段が横転可能性ありと判定した場合に、前記プリテンショナ機構を作動させ、
    前記横転判定手段が横転と判定した場合に、プリテンショナ機構の作動に続けて、前記ロールオーバ保護部材を収納位置から支持位置へと作動させることを特徴とする請求項1記載の乗員保護装置。
  4. 前記ロールオーバ保護部材を収納位置から支持位置へ作動させるために駆動手段に接続し、前記プリテンショナ機構を作動させるために前記駆動手段に接続したことを特徴とする請求項1記載の乗員保護装置。
  5. 座席に乗員を拘束するシートベルト装置と、前記乗員の頭部近傍に配置して車両の横転時に車体を支持するロールオーバ保護装置と、を備えた乗員保護装置において、
    前記シートベルト装置は、横転など必要があるときにベルトを巻き取り、必要に応じてベルトを出すプリテンショナ機構と、プリテンショナ機構を正逆転させるモータ駆動源と、を備え、
    前記ロールオーバ保護装置は、車体に収納位置から支持位置へ可動自在に取付けて横転時に車体を支持するロールオーバ保護部材と、ロールオーバ保護部材に前記モータ駆動源の駆動力を伝達する駆動力伝達手段と、を備えたことを特徴とする乗員保護装置。
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