JP2007067177A - 線輪部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構造で安定したインダクタンスが得られ、直流重畳特性を実現し、また漏れ磁束を低減し、かつ低コストの線輪部品を提供すること。
【解決手段】 磁性体材料からなるポットコア2と、ポットコア2の中芯に巻かれた空芯コイル1から構成され、ポットコア2との隙間部分に、ペースト状の流動体から成る軟磁性金属粉末と熱硬化性樹脂との混和物3にてモールドすることにより、十分な直流重畳特性を可能にする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、携帯端末機器などの小型電化製品の電源部分に使用される線輪部品に関するものである。
図5は、従来の線輪部品の説明図である。図5(a)は斜視図、図5(b)は、図5(a)のAA断面図である。従来、ドラム型磁性体コアを使用した線輪部品は、導電性材料の線材からなる巻線14を巻いたドラム型磁性体コア11にスリーブ型磁性体コア12を組み合わせた構造からなり閉磁路回路を構成している。ドラム型磁性体コア11とスリーブ型磁性体コア12間を接着する際、両コア間のギャップ間隔を変化させることによりインダクタンス値の調整を行っている。
また、特許文献1には、フェライト焼結体または金属磁性体粉末からなる圧粉磁芯の周囲にコイルが巻回され、磁性体粉末と熱硬化性樹脂とからなるコンポジット磁性部材にコイルが埋設された磁性素子について開示されている。
しかしながら、図5に示した従来のドラム型磁性体コア11とスリーブ型磁性体コア12を組み合わせた線輪部品には、次のような欠点がある。必要とするインダクタンス値を得るためにはドラム型磁性体コア11とスリーブ型磁性体コア12間に一定のギャップ13を形成する必要があり、狭ギャップになるほど磁性体コアそのものの寸法のばらつきにより、ドラム型磁性体コア11及びスリーブ型磁性体コア12の位置決めの調整が難しくなり、安定したギャップ13形成が困難となり、量産時のばらつきが大きくなる。
また、ドラム型磁性体コア11とスリーブ型磁性体コア12間にギャップ13を形成しているため、漏れ磁束の量が大きくなり、その結果、前記2つの磁性体コアを大型化する必要があり、コストへの影響が大きい。
特許文献1に記載の線輪部品は、コンポジット材の磁性粉末と樹脂の混合比において、流動性を保つために樹脂の比率が大きく、その結果コンポジット材の透磁率が小さくなり、十分な直流重畳特性が得られないという問題点がある。
従って、本発明の課題は、上記の課題を解決し、簡単な構造で安定したギャップを形成することにより十分な直流重畳特性を実現し、漏れ磁束を低減し、かつ低コストの線輪部品を提供することにある。
本発明は、前記課題の解決のため、磁性体材料からなるポットコアと、ポットコアの中芯に巻回された空芯コイルから構成された線輪部品において、空芯コイルが配されてなるポットコア内の空隙部を、軟磁性金属粉末と熱硬化性樹脂から成る混和物にてモールドしてなることを特徴とする線輪部品である。
また、混和物は、ペースト状の流動体であることを特徴とする線輪部品である。
さらに、軟磁性金属粉末は、CoNbZr系、FeZrCuB系、FeSiB系、またはFeCoZrCuB系アモルファス合金粉末のうちの少なくとも1つ以上からなることを特徴とする線輪部品である。
従って、本発明によれば、磁性体材料からなるポットコアと空芯コイルとで構成された線輪部品を透磁率が高い軟磁性金属粉末と熱硬化性樹脂とからなる混和物のペーストでモールド(充填)することにより、工程的に難しいドラム型磁性体コアとスリーブ型磁性体コア間のギャップ調整を必要とせず、さらに軟磁性金属粉末と熱硬化性樹脂との配合比率によって、混和物の透磁率を調整することができ、製造方法及び製品構造を変えることなく、安定したインダクタンスが得られ、十分な直流重畳特性を実現することが可能となり、漏れ磁束を低減した、かつ低コストの線輪部品を提供することができる。
本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態に係わる線輪部品を説明するために示した分解図である。磁性体材料からなるポットコア2と、ポットコア2の中芯に巻かれた空芯コイル1から構成されている。ポットコア2の形状については、図1で示した円形のポットコアに限定されない。図2に、本発明の実施の形態に係わるその他のポットコアの斜視図を示した。図2(a)は多角形のポットコア2、図2(b)はワイヤーの引き出し用溝を有する形状のポットコア2の斜視図である。ポットコア2の材質として、Mn−Zn系フェライト、あるいはNi−Zn系フェライト等のフェライト焼結体を使用するのが一般的である。これら以外に金属磁性粉末を結着剤で固めて緻密化したダストコアも使用される。
図3は、本発明の実施の形態に係わる線輪部品を説明するために示した断面図である。図3(a)は、ポットコア2に空芯コイル1を挿入した時の図1に示すAA断面図である。図3(b)は、ポットコア2に空芯コイル1が挿入され、ポットコア2との隙間部分に、ペースト状の流動体から成る軟磁性金属粉末と熱硬化性樹脂との混和物3をモールド(充填)した時の図1に示すAA断面図である。さらに、図3(c)は、端子4をつけた時の線輪部品の図1に示すAA断面図である。
混和物3に用いる軟磁性金属粉末は、CoNbZr系、FeZrCuB系、FeSiB系、またはFeCoZrCuB系アモルファス合金粉末であり、そのうち少なくとも1つ以上を含み、混和物3に含まれる熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、またはポリイミド樹脂であり、少なくとも1つ以上を含んでいる。十分な飽和磁束密度、透磁率を得るため、軟磁性金属粉末の配合比は95〜85wt%、また十分なペースト状の流動性を得るため、熱硬化性樹脂の配合比は5〜15wt%とすることが好ましい。
次に、具体的な実施例を挙げ、本発明の線輪部品について、さらに詳しく説明する。図3(b)に示す線輪部品は、円形のポットコア2に空芯コイル1が挿入され、軟磁性金属粉末と樹脂の混和物3にてモールド(充填)したものである。ここで、円形のポットコア2は、材質をNi−Znフェライト材料とした。また、軟磁性金属粉末と熱硬化性樹脂の混和物3において、軟磁性金属粉末は、FeSiB系軟磁性合金からなるアモルファス粉末とし、また熱硬化性樹脂の材質はエポキシ樹脂を選択した。
また、軟磁性金属粉末と熱硬化性樹脂の混和物3において、軟磁性金属粉末と熱硬化性樹脂との比率は、FeSiB系軟磁性合金90wt%に対して、エポキシ樹脂は10wt%とし、また、線輪部品の外形寸法は、外形3.0mm角、また高さは1.2mmとした。
図4は、本発明の線輪部品と従来の線輪部品との直流重畳特性の比較図である。本発明の線輪部品は、初期インダクタンス値は、従来の線輪部品よりも上回っており、可能な重畳できる直流電流の範囲、即ち定格電流値も数10%程度延びている。ここで、定格電流とは、直流重畳特性において、初期インダクタンス値が30%低下する時の電流値として定義される。これは従来の線輪部品で使用されていない空隙部に、軟磁性合金粉末と熱硬化性樹脂の混和物3が、モールド(充填)され、この部分が磁性体として作用することにより、実質上、磁路断面積が増加したためである。また、透磁率の高いアモルファス軟磁性金属粉末材料を使用することによって安定した磁気回路を形成し、その結果大きな重畳電流インダクタンス特性を得ることが出来た。
表1に、各種軟磁性金属粉末および各種熱硬化性樹脂の混和物と、混和物の配合比、各種ポットコア形状を変化させた諸条件における本発明の線輪部品No.1〜5と従来例について、直流重畳特性での初期インダクタンス値および定格電流値を示す。
表1に示すように、本発明の線輪部品No.1〜5の直流重畳特性における初期インダクタンスは、4.6μHから4.7μHの範囲にあり、また定格電流は、0.65Aから0.70Aの範囲にあって、従来例と比較すると、大幅に特性値が改善されていることがわかる。
本発明の実施例の説明では、線輪部品の例として、チョークコイルの例を挙げたが、このチョークコイル線輪部品以外の線輪部品、例えばトランスなども、本発明の適用が可能である。本発明の線輪部品は、携帯端末などの電源部、あるいは、各種家電機器の電源部に利用できる。
1 空芯コイル
2 ポットコア
3 混和物
4 端子
11 ドラム型磁性体コア
12 スリーブ型磁性体コア
13 ギャップ
14 巻線
2 ポットコア
3 混和物
4 端子
11 ドラム型磁性体コア
12 スリーブ型磁性体コア
13 ギャップ
14 巻線
Claims (3)
- 磁性体材料からなるポットコアと、前記ポットコアの中芯に巻回された空芯コイルから構成された線輪部品において、前記空芯コイルが配されてなる前記ポットコア内の空隙部を、軟磁性金属粉末と熱硬化性樹脂から成る混和物にてモールドしてなることを特徴とする線輪部品。
- 前記混和物は、ペースト状の流動体であることを特徴とする請求項1に記載の線輪部品。
- 前記軟磁性金属粉末は、CoNbZr系、FeZrCuB系、FeSiB系、またはFeCoZrCuB系アモルファス合金粉末のうちの少なくとも1つ以上からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の線輪部品。
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- 2005-08-31 JP JP2005251385A patent/JP2007067177A/ja active Pending
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