JP2007064352A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 第一の取付部材と第二の取付部材の抜出し方向での相対変位量を緩衝的に制限することが出来るリバウンドストッパ機構を、第一の取付部材やストッパ部材の高精度な寸法管理を要することなく優れた耐荷重性をもって構成可能とされた、新規な構造の防振装置を提供すること。
【解決手段】 第一の取付部材12に対して外挿されるストッパ金具110を採用すると共に、ストッパ金具110の内周縁部から軸方向で突出する筒状の圧入ゴム116を設けて、圧入ゴム116をストッパ金具110に対して圧入する一方、第一の取付部材12における本体ゴム弾性体16から突出した部分に段差状のストッパ受面30を設けて、かかるストッパ受面30に対して介在ゴム(117)を介して軸方向で重ね合わせられる係合面114をストッパ金具110に形成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で弾性的に連結して、本体ゴム弾性体の弾性変形等によって防振効果を得るようにした防振装置に係り、特に、過大な荷重入力時における本体ゴム弾性体の変形量を制限するストッパ機構を備えた防振装置に関するものである。
従来から、防振連結される部材にそれぞれ取り付けられる第一の取付部材と第二の取付部材の間に本体ゴム弾性体を配設した防振装置が、各種分野で広く利用されている。その一例として、例えば、特許文献1(特開2004−100789号公報)に示されているようなエンジンマウントがある。
このような防振装置では、大振幅振動の入力時に、第一の取付部材と第二の取付部材が相対的に過大に変位せしめられて、本体ゴム弾性体に過大な弾性変形が生じ、かかる弾性変形によって本体ゴム弾性体に亀裂などが生じて本体ゴム弾性体の耐久性が低下することを防ぐために、第一の取付部材と第二の取付部材の相対的な変位量を制限するストッパ機構が設けられている場合もある。特許文献1に示されたエンジンマウントでは、第一の取付部材と第二の取付部材の軸方向での接近変位及び軸直角方向での相対変位を制限するストッパ機構が設けられている。
しかしながら、このような特許文献1に記載のエンジンマウントにおいて示されたストッパ機構では、未だ不十分な場合もあったのである。即ち、特に、悪路走行時等においては、第一の取付部材と第二の取付部材が軸方向で互いに接近する方向(バウンド方向)で過大に相対変位せしめられるだけでなく、軸方向で互いに離隔する方向(リバウンド方向)でも過大に相対変位せしめられる場合がある。ところが、特許文献1に記載されたエンジンマウントのストッパ機構では、バウンド方向での振動荷重に対してバウンドストッパ機構による相対変位制限効果を得られる一方で、リバウンド方向での振動荷重に対しては、有効に作用するリバウンドストッパ機構が設けられていないのである。
そこで、このような問題を解決するために、第一の取付部材の第二の取付部材からの抜出し方向での相対変位を制限するリバウンドストッパ機構を有する防振装置も提案されている。また、このようなリバウンドストッパ機構は、防振装置の構成部材の形状等によってはマウントに対して後付けされる別体のストッパ部材によって構成される場合もある。このような別体のストッパ部材を有する防振装置としては、例えば、特許文献2に記載の複合マウントがある。かかる特許文献2に記載の複合マウントでは、有底円筒形状とされたストッパ金具に対して、軸直角方向外方に広がるストッパアームを一体的に形成すると共に、ストッパアームの外周端部にストッパゴムを設けることによって第一の取付部材(主部)とは別体として形成されたリバウンドストッパが、ストッパ金具を主部に対して外挿することによりマウントに対して取り付けられており、これによって、リバウンドストッパ機構が構成されている。
ところが、このような特許文献2に記載の複合マウントにおけるリバウンドストッパには、未だ問題が存在することから、十分に実用的であるとは言い難かった。即ち、別体とされたリバウンドストッパを第一の取付部材に対して外挿状態で組付けるためには、第一の取付部材とリバウンドストッパの取付け部分であるストッパ金具の寸法を高精度に合わせる必要があることから、製造が困難となり易い。しかも、特に第一の取付部材やリバウンドストッパの取付け部分(ストッパ金具)がアルミ等の比較的柔らかい金属によって形成されていると共に、圧入によって第一の取付部材に対してリバウンドストッパが取り付けられている場合には、第一の取付部材とストッパ金具との寸法誤差によって変形や破損といった不具合が生じるおそれもあったのである。
また、ストッパ金具の軸直角方向中央部分が第一の取付部材に対して軸方向で重ね合わせられて固定されていることから、かかる重ね合わせ面の軸方向の投影における面積が十分に広くない場合には、リバウンド方向と反対の軸方向であるバウンド方向における耐荷重性を十分に確保することが難しい。また、バウンド方向における耐荷重性を十分に得るために、ストッパ金具と第一の取付部材との重ね合わせ面の面積を十分に広くすると、軸直角方向外方に延び出すストッパアームの長さを十分に得ることが難しく、ストッパ金具の先端部分に固着されるストッパゴムのサイズが小さくなることから、ストッパ金具と当接金具のストッパゴムを介しての当接面積が小さくなって、応力集中によるストッパゴムやストッパ金具、当接金具等の破損などといったリバウンド方向における耐荷重性の不足が問題となるおそれがある。更に、当接金具と第一の取付部材の重ね合わせ面の面積を十分に確保しつつ、ストッパアームの長さを十分に長く得るためには、少なくともストッパ機構の配設部位において第二の取付部材を大径化する必要があるが、装置全体の大型化に直結するおそれがあることから、配設スペースの限られた防振装置においては、現実的であるとは言い難かった。
特開2004−100789号公報 実公平6−33228号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、第一の取付部材と第二の取付部材の抜出し方向での相対変位量を緩衝的に制限することが出来るリバウンドストッパ機構を、第一の取付部材やストッパ部材の高精度な寸法管理を要することなく優れた耐荷重性をもって構成可能とされた新規な構造の防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明の第一の態様は、第一の取付部材を、円筒形状を有する第二の取付部材の軸方向一方の開口部から中心軸上で軸方向に入り込ませて軸直角方向に所定距離を隔てて配すると共に、該第一の取付部材と該第二の取付部材を本体ゴム弾性体で軸直角方向に連結する防振装置において、前記第一の取付部材における前記本体ゴム弾性体から突出した部分に段差状のストッパ受面を設ける一方、該第一の取付部材に外挿される環状のストッパ金具を採用して、該ストッパ金具の内周面には該ストッパ受面に軸方向で重ね合わされる段差状の係合面を形成すると共に、該ストッパ金具の表面に被着ゴム弾性体を固着して、(i)該ストッパ金具の内周縁部から軸方向一方の側に向かって突出する筒状の圧入ゴムと、(ii)該ストッパ金具の内周面を覆う介在ゴムと、(iii)該ストッパ金具の軸方向一方の端面を覆う緩衝ゴムとを、該被着ゴム弾性体で一体形成することによりストッパ部材を構成し、該ストッパ部材を前記第一の取付部材の軸方向突出端側から外挿して該圧入ゴムを該第一の取付部材に対して圧入固定することにより、該圧入ゴムが該ストッパ金具から該第一の取付部材の軸方向突出端側に向かって延び出すと共に、該ストッパ金具の該係合面が該第一の取付部材の該ストッパ受面に対して該介在ゴムを介して軸方向に重ね合わせられた状態で該ストッパ部材を装着せしめる一方、前記第二の取付部材から該第一の取付部材が突出する軸方向側に延び出して該ストッパ部材の軸方向外方に位置し、該ストッパ金具に対して該緩衝ゴムを介して当接せしめられる当接部を該第二の取付部材に設けることにより、該ストッパ部材の該当接部への当接によって該第一の取付部材と該第二の取付部材の軸方向一方の側への相対変位量を緩衝的に制限するリバウンドストッパ機構を構成したことを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた防振装置においては、第一の取付部材に対して圧入ゴムを圧入固定することでストッパ部材が装着されている。これにより、ストッパ金具の内径寸法と第一の取付部材の外径寸法との寸法誤差の問題を回避して、ストッパ部材を第一の取付部材に取り付けることが出来る。
すなわち、ストッパ金具を直接に第一の取付部材に圧入固定する必要がないことから、ストッパ金具の内径寸法を第一の取付部材の外径寸法に比して充分に大きく設定することが可能となる。しかも、圧入ゴムの弾性によって、ストッパ部材の第一の取付部材への固定力が安定して且つ柔軟に確保され得る。これにより、ストッパ金具と第一の取付部材の間に寸法誤差があっても、ストッパ部材の取り付けに際して、ストッパ金具に損傷が発生したり、ストッパ部材が装着出来なかったり、ストッパ部材が脱落し易くなったり等の不具合が回避される。
また、本態様においては、ストッパ金具の係合面が第一の取付部材のストッパ受面に対して介在ゴムを介して軸方向で重ね合わせられている。これにより、ストッパ部材に対して軸方向で作用せしめられる荷重を、介在ゴムの弾性を利用して分散させることで、ストッパ受面のより広い範囲に分担支持させることが出来る。これにより、ストッパ荷重の入力時において、応力の集中による第一の取付部材やストッパ金具の変形や破損を有利に回避することが出来る。
なお、第一の取付部材に形成されるストッパ受面や、ストッパ金具に形成される係合面は、必ずしも第一の取付部材の全周に亘って形成されている必要はなく、周方向で部分的に、或いは、断続的に形成されていても良い。また、介在ゴムは、ストッパ金具の内周面において、そこに形成された段差状の係合面には少なくとも形成されて、かかる係合面とストッパ受面の重ね合わせ面間において、好適にはかかる重ね合わせ面間の全体に亘って、より好ましくはかかる重ね合わせ面間よりも大きな領域において形成される。
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る防振装置において、前記本体ゴム弾性体の軸方向外側端面が、径方向中央から外方に向かって次第に軸方向外方に突出する傾斜面とされていることにより、該本体ゴム弾性体の軸方向端部には、前記第一の取付部材と前記第二の取付部材の径方向対向面間に開口する凹所が形成されていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた防振装置においては、ストッパ部材に対して軸方向で対向位置する本体ゴム弾性体の軸方向端面に凹所を設けたことにより、本体ゴム弾性体とストッパ部材の干渉を回避できる。即ち、凹所を設けたことで、防振装置の軸方向の全体サイズを小さく抑えつつ、ストッパ部材と本体ゴム弾性体の軸方向の対向面間距離を大きく設定できる。それ故、荷重入力に際して本体ゴム弾性体が軸方向外方に膨出変形した場合でも、ストッパ部材への干渉を防止して、本体ゴム弾性体の耐久性の向上が図られ得る。
なお、より好ましくは、ストッパ部材の少なくとも一部が本体ゴム弾性体の軸方向端部に形成される凹所内に入り込む状態で、ストッパ部材が第一の取付部材に対して装着される。これにより、防振装置の軸方向サイズを一層小さく抑えつつ、ストッパ部材を採用することが出来る。
また、本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る防振装置において、前記第一の取付部材を軸直角方向一方向で挟んだ両側において、前記本体ゴム弾性体の外周面に開口する一対のポケット部を形成し、それら一対のポケット部の開口を前記第二の取付部材で流体密に覆蓋することにより、壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成されて非圧縮性流体が封入された一対の作用流体室を形成すると共に、それら一対の作用流体室を相互に連通するオリフィス通路を設けたことを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた防振装置においては、一対のポケット部が対向する軸直角方向の入力振動に対して、それらポケット部間でのオリフィス通路を通じての流体流動に基づき、一層優れた防振効果を得ることが出来る。特に、本態様は、前記第二の態様と組み合わせられて好適に採用され得る。即ち、本体ゴム弾性体にポケット部が形成されることから、振動入力時に本体ゴム弾性体が比較的弾性変形し易く、ストッパ部材に対する干渉が問題となり易いが、前記第二の態様における本体ゴム弾性体の軸方向端部に凹所が形成された構造を併せて採用することにより、ストッパ部材に対する本体ゴム弾性体の干渉を軽減乃至は回避しつつ、軸直角方向での振動入力に対する防振効果を有効に発揮できる防振装置を実現することが可能となり得る。
また、本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れか一つの態様に係る防振装置において、前記圧入ゴムの内周面が長円筒形状とされており、該圧入ゴムの前記第一の取付部材に対する圧入力が、その小径方向よりも大径方向において大きく設定されていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた防振装置においては、圧入ゴムによる第一の取付部材に対する圧入固定力を有利に確保しつつ、圧入ゴムの第一の取付部材に対する圧入に際しての弾性変形量を小さく抑えて、圧入ゴムの耐久性を向上することが出来る。なお、本態様では、実質的に圧入ゴムの大径方向においてのみ圧入力が有効に作用せしめられるように、圧入ゴムの内径寸法や第一の取付部材の外径寸法等が設定されていることがより望ましい。即ち、圧入ゴムの小径方向では、実質的にゴム弾性体の締付力が作用しない程度に、圧入ゴムの内周面における小径方向の内法寸法を、第一の取付部材の圧入固定部位における外径寸法と同程度に設定することが望ましい。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた防振装置にあっては、弾性変形可能とされた圧入ゴムの第一の取付部材に対する圧入によってストッパ部材を第一の取付部材に対して装着することにより、ストッパ金具を第一の取付部材に圧入固定する必要がない。それ故、ストッパ金具と第一の取付部材の寸法誤差等による金具圧入に際しての部材の欠けや削れ、損傷等の問題を回避することが出来る。また、ストッパ金具の係合面が第一の取付部材のストッパ受面に対して介在ゴムを介して重ね合わせられていることにより、軸方向荷重をストッパ受面の広い範囲で分担支持することが出来て、優れた耐荷重性を備えたリバウンドストッパ機構が実現可能となる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1〜図3には、本発明の第一の実施形態としての防振装置である自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が、互いに軸直角方向で離隔して配置されていると共に、それら第一の取付金具12と第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で弾性連結された構造を有しており、第一の取付金具12が図示しない自動車のパワーユニットに取り付けられる一方、第二の取付金具14が図示しない自動車のボデーに取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。なお、本実施形態のエンジンマウント10は、図1中の上下方向が略鉛直上下方向となる状態で装着されることとなることから、以下の説明中、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向をいうものとする。
より詳細には、第一の取付金具12は、取付部18と固着部20を有している。取付部18は、略一定の長円形断面をもって軸方向上下に延びるロッド形状とされており、軸方向上端部分には、軸直角方向一方向である取付部18の短径方向で貫通するようにボルト孔22が形成されている。なお、取付部18は後述する本体ゴム弾性体16から軸方向上方に向かって突出せしめられている。また、取付部18の軸方向下方には、固着部20が一体形成されている。固着部20は、略円柱形状であって、その上端部の外径寸法が取付部18の長径寸法と略等しくされている。また、固着部20における軸方向中間の一部には、テーパ状部24が設けられている。このテーパ状部24を挟んで、軸方向上方が大径部26とされている一方、軸方向下方が小径部28とされている。更に、略長円形断面を有する取付部18と略円形断面を有する固着部20が一体形成されていることから、取付部18と固着部20の境界部分において、取付部18の短径方向で対向位置せしめられるストッパ受面としての一対の段差面30が形成されている。
また、第一の取付金具12の径方向外方に離隔して、薄肉大径の略円筒形状を有する中間スリーブとしての金属スリーブ32が、第一の取付金具12と略同一中心軸上に配設されている。この金属スリーブ32は、軸方向に直線的に延びる小径筒部34の軸方向一方の端部(軸方向上端部)に対して、径方向外方に向かって広がる段差状部を介して大径筒部36が一体的に形成された略段付円筒形状とされている。また、金属スリーブ32の軸方向中間部分には、後述する第一の取付金具12に対する配置状態において、径方向一方向で第一の取付金具12を挟んで対向位置するように一対の窓部38が形成されている。なお、本実施形態における各窓部38は、周方向で半周弱の長さで開口形成されている。また、窓部38は軸方向で段差状部の形成された部分を含んで形成されており、本体ゴム弾性体16において軸方向上方に偏倚して形成されている。
このような構造とされた第一の取付金具12と金属スリーブ32は、第一の取付金具12が金属スリーブ32の一方の側の開口部(図1中、上方の開口部)から挿し入れられて、第一の取付金具12が金属スリーブ32に対して同一中心軸をもって軸直角方向で離隔するように配置されている。なお、本実施形態において、第一の取付金具12は、その軸方向一方の側の端部が、金属スリーブ32の軸方向一方の側の開口部から突出して位置せしめられていると共に、軸方向他方の側の端部が、金属スリーブ32の軸方向他方の側の端部までは至らない軸方向中間部分に位置せしめられている。
また、第一の取付金具12と金属スリーブ32の軸直角方向対向面間には、本体ゴム弾性体16が配設されており、かかる本体ゴム弾性体16によって、第一の取付金具12(固着部20におけるテーパ状部24及び小径部28)と金属スリーブ32が弾性的に連結されている。この本体ゴム弾性体16は、全体として厚肉の略円筒形状を有しており、その内周面が第一の取付金具12における固着部20の外周面に加硫接着されていると共に、その外周面が金属スリーブ32の内周面に加硫接着されている。即ち、本実施形態において、本体ゴム弾性体16は、第一の取付金具12と金属スリーブ32を備えた一体加硫成形品40とされている。また、本体ゴム弾性体16は、第一の取付金具12から軸直角方向外方に向かって離隔するに従って次第に軸方向両側に向かって突出せしめられており、径方向外方に向かって軸方向寸法が次第に大きくなっている。
また、本体ゴム弾性体16には、軸方向下端面の中央部分において、軸方向下方に開口する逆すり鉢形状を有する円形凹所42が形成されていると共に、軸方向中間部分に形成されて軸直角方向に開口する一対のポケット部44が形成されている。これら一対のポケット部44は、それぞれ、軸直角方向外方に向かって次第に軸方向の幅寸法が大きくなる拡開形状とされており、周方向に半周弱の長さで形成されている。また、ポケット部44の軸方向両側の内壁面が、第一の取付金具12から軸直角方向で離隔するに従って次第に軸方向外方(軸方向上方と下方)に向かってそれぞれ傾斜せしめられている。これにより、ポケット部44の軸方向両側の壁部は、それぞれ傾斜して略一定の厚さ寸法で延び出している。更に、ポケット部44の軸方向両側の壁部は、軸方向下側の壁部に比して軸方向上側の壁部が薄肉とされている。また、一対のポケット部44は、軸直角方向一方向で第一の取付金具12を挟んだ両側に形成されており、金属スリーブ32に形成されている窓部38を通じて軸直角方向外方に向かって開口せしめられている。
一方、第二の取付金具14は、全体として薄肉大径の略円筒形状を有している。また、第二の取付金具14の軸方向中間の一部には、支持段差46が形成されており、支持段差46を挟んで軸方向一方の側(図1中、上方)が薄肉大径の略円筒形状を有する保持筒部48とされていると共に、支持段差46を挟んで軸方向他方の側(図1中、下方)が保持筒部48に比して小径の円筒形状を有する周壁部50とされている。更に、第二の取付金具14の周壁部50側の開口には、可撓性膜としてのダイヤフラム52が配設されている。このダイヤフラム52は、撓みを有する薄肉のエラストマ材料で形成されて、略円形ドーム形状を有しており、容易に弾性変形が許容されるようになっている。また、ダイヤフラム52の外周縁部が全周に亘って第二の取付金具14の周壁部50に加硫接着されることにより、ダイヤフラム52が第二の取付金具14の周壁部50側の開口部に対して固着されており、これによって、第二の取付金具14の軸方向で周壁部50側の開口がダイヤフラム52によって流体密に閉塞されている。なお、このダイヤフラム52と一体形成されたシールゴム層54によって、第二の取付金具14の内周面が略全面に亘って覆われている。
このような構造とされた第二の取付金具14は、その軸方向一方の端部から一体加硫成形品40が同一中心軸上で挿入配置されて、軸方向一方の側の開口端縁部が金属スリーブ32の大径筒部36側の開口端縁部に対して位置決めされた状態で、第二の取付金具14が八方絞り加工等により縮径されることにより、一体加硫成形品40(金属スリーブ32)に対して第二の取付金具14が外嵌状態で取り付けられている。なお、第二の取付金具14と金属スリーブ32の嵌着面間には、シールゴム層54が圧縮状態で介在せしめられており、第二の取付金具14と金属スリーブ32が流体密に嵌着されている。
そして、このように第二の取付金具14が金属スリーブ32に対して外嵌固定されることにより、第一の取付金具12が第二の取付金具14の軸方向一方の側の開口部から入り込むようにして配設されており、第一の取付金具12と第二の取付金具14が同一中心軸上に軸直角方向で所定距離を隔てて離隔するように配設されて、本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。
また、このように第二の取付金具14が金属スリーブ32に対して外嵌固定されることにより、第二の取付金具14の保持筒部48側の開口部が本体ゴム弾性体16で流体密に閉塞されており、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム52の軸方向対向面間において、非圧縮性流体が封入された第一の流体室56が形成されている。なお、第一の流体室56に封入される非圧縮性流体としては、例えば、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油、或いは、それらを混合したものなどが好適に採用される。特に、封入流体としては、後述するオリフィス通路を通じての流体の共振作用に基づく防振効果を有利に得るために、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。
また、第一の流体室56には、全体として略円板形状を呈する仕切部材58が第一の流体室56内で軸直角方向に広がるように配設されている。この仕切部材58は、厚肉の略円板形状を呈する仕切部材本体60の軸方向上面に対して、薄肉の略円板形状を呈する蓋部材62が重ね合わせられて形成されている。また、仕切部材58の外周縁部が本体ゴム弾性体16の軸方向下端面と第二の取付金具14の支持段差46上面の対向面間で挟圧保持されることにより、仕切部材58が本体ゴム弾性体16とダイヤフラム52の対向面間で軸直角方向に広がるように収容配置されている。
そして、このように仕切部材58が本体ゴム弾性体16とダイヤフラム52の対向面間で軸直角方向に広がるように配設されることにより、第一の流体室56が仕切部材58を挟んで上下に二分されている。これにより、仕切部材58の軸方向上側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16によって構成されて、振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて圧力変動が惹起せしめられる受圧室64が形成されている一方、仕切部材58の軸方向下側には、壁部の一部がダイヤフラム52で構成されて、ダイヤフラム52の変形に基づく容積変化が容易に許容される平衡室66が形成されている。なお、本実施形態では、仕切部材本体60の下面中央部分に軸方向下方に向かって開口する下面凹所68が形成されており、仕切部材58がダイヤフラム52の変形に干渉することを有効に回避している。
また、仕切部材58には、外周面に開口して周方向に延びる凹溝70が一周弱の長さで形成されており、この凹溝70の開口が第二の取付金具14で流体密に閉塞されてトンネル状の流路が形成されている。また、このトンネル状の流路の両端部は、それぞれ受圧室64と平衡室66に接続されており、かかる流路によって、仕切部材58の外周部分を周方向に延びて、受圧室64と平衡室66を相互に連通する第一のオリフィス通路72が形成されている。これにより、第一のオリフィス通路72を通じて受圧室64と平衡室66が常時連通状態とされており、第一のオリフィス通路72を通じて受圧室64と平衡室66の間で封入流体の流動が生ぜしめられるようになっている。なお、特に本実施形態では、第一のオリフィス通路72の通路長や通路断面積を調節することによって、第一のオリフィス通路72を通じて流動せしめられる流体の共振作用などに基づく高減衰効果が、エンジンシェイクに相当する低周波数域の振動入力に対して発揮されるようにされている。
さらに、仕切部材本体60の軸直角方向中央部分には、軸方向上方に向かって開口する中央凹所74が形成されており、この中央凹所74に略円板形状を有する可動ゴム板76が収容配置されていると共に、中央凹所74の開口が蓋部材62で覆蓋されている。また、可動ゴム板76は、径方向中間部分の上面及び下面に所定の間隔で周方向に延びるように形成された複数条の凸条78を有しており、後述する可動ゴム板76の弾性変形時において、可動ゴム板76の他部材(仕切部材本体60及び蓋部材62)への打ち当たり等による損傷等を防いで、耐久性の向上を実現していると共に、打ち当たりによる打音の発生等を効果的に軽減乃至は回避せしめている。更に、可動ゴム板76の外周縁部には、中央部分よりも厚肉とされた環状支持部80が形成されており、この環状支持部80が仕切部材本体60と蓋部材62で挟持されることにより、可動ゴム板76の中央部分が所定量の軸方向での弾性変形を許容される状態で、可動ゴム板76が中央凹所74に対して配設されている。また、仕切部材本体60と蓋部材62で構成された中央凹所74の上下両壁部には、複数の透孔82が軸方向で貫通形成されており、これらの透孔82を通じて、受圧室64と平衡室66の液圧が、中央凹所74に配設された可動ゴム板76の上下面に作用せしめられるようになっている。そして、可動ゴム板76の上下面に及ぼされる受圧室64と平衡室66の圧力差に基づいて、可動ゴム板76が弾性変形せしめられることにより、可動ゴム板76の弾性変形量に対応した量だけ、仕切部材本体60と蓋部材62にそれぞれ形成された透孔82と中央凹所74を通じての受圧室64と平衡室66の間での流体流動が、実質的に生ぜしめられることとなり、以って、振動入力時に惹起される受圧室64の圧力変動が軽減乃至は吸収されるようになっている。なお、特に本実施形態では、可動ゴム板76の弾性と可動ゴム板76の中央凹所74内面への当接によって、こもり音などの高周波小振幅振動入力時には、受圧室64の圧力変動が可動ゴム板76の弾性変形に基づいて有利に軽減乃至は吸収され得る一方、エンジンシェイク等の低周波大振幅振動の入力時には、可動ゴム板76の弾性変形が制限されることにより、受圧室64に有効な圧力変動が惹起されるようになっており、第一のオリフィス通路72による流体の流動量を十分に確保して、流体の流動作用に基づく防振効果を有効に発揮せしめることが可能とされている。
また一方、金属スリーブ32に対して第二の取付金具14が外嵌固定されることにより、金属スリーブ32に形成された一対の窓部38が第二の取付金具14によって流体密に覆蓋されている。これにより一対のポケット部44の開口が第二の取付金具14によって覆蓋されており、第一の取付金具12を軸直角方向一方向で挟む両側に、非圧縮性流体が封入された一対の作用流体室としての第二の流体室84が形成されている。なお、これらの第二の流体室84には、それぞれ第一の流体室56に封入されている非圧縮性流体と同様な非圧縮性流体が封入されている。
また、第二の取付金具14と金属スリーブ32との対向面間には、筒状オリフィス部材86が配設されている。筒状オリフィス部材86は、半周以上の周方向長さ(本実施形態では、略3/4周の周方向長さ)を有する略筒形状を呈しており、合成樹脂や金属等の硬質材によって形成される。また、本実施形態では、筒状オリフィス部材86の内径寸法が金属スリーブ32における小径筒部34の外径寸法と略同じか、僅かに大きくされていると共に、筒状オリフィス部材86の外径寸法が金属スリーブ32における大径筒部36の外径寸法と略同じとされている。また、筒状オリフィス部材86は、金属スリーブ32における小径筒部34側の軸方向端部から金属スリーブ32に対して外挿されて組み付けられており、筒状オリフィス部材86の軸方向一方の側(軸方向上側)の端部がポケット部44に対して外挿されていると共に、軸方向他方の側(軸方向下側)の端面が第二の取付金具14の支持段差46の上面に対して重ね合わせられて、軸方向で位置決め固定されている一方、筒状オリフィス部材86が第二の取付金具14における保持筒部48の内周面と金属スリーブ32における小径筒部34の外周面の間で全周に亘って挟圧保持されて、軸直角方向で位置決め固定されており、第二の取付金具14と金属スリーブ32に対して固定的に組み付けられている。
さらに、筒状オリフィス部材86には、往復乃至は蛇行等して周方向で延びる凹溝88が、外周面に開口するように形成されている。また、この凹溝88の開口が、筒状オリフィス部材86の外周面に重ね合わせられる第二の取付金具14の保持筒部48によって流体密に覆蓋されることにより、トンネル状の流路が形成されている。そして、このトンネル状の流路の両端が、凹溝88の両端部における底壁面に開口形成された図示しない貫通孔を通じて各第二の流体室84に接続されることにより、一対の第二の流体室84を相互に連通せしめるオリフィス通路としての第二のオリフィス通路90が形成されており、一対の第二の流体室84が第二のオリフィス通路90によって常時連通状態とされている。なお、本実施形態では、第二のオリフィス通路90を通じて一対の第二の流体室84間を流動せしめられる流体の共振作用等に基づいて、エンジンシェイク等の低周波振動に対して高減衰効果が得られるように、第二のオリフィス通路90の長さや断面積などが調節されている。
また、第二の取付金具14には、取付ブラケット92が外嵌固定されている。取付ブラケット92は、全体として略円筒形状であって、軸方向一方の側の端部には、軸直角方向内方に広がる内フランジ状の当接部としてのストッパ当接部94が一体形成されていると共に、軸方向他方の側の端部には、軸直角方向外方に広がるフランジ状の取付フランジ96が形成されている。なお、特に本実施形態では、ストッパ当接部94が軸直角方向一方向において大きく軸直角方向内方に延び出すように形成されている。また、本実施形態において、取付フランジ96は、略長円板形状とされていると共に、軸直角方向に対して所定量だけ傾斜せしめられて広がっている。更に、取付フランジ96には、取付フランジ96の長軸方向である軸直角方向一方向において一対のボルト孔98が形成されており、取付ブラケット92が図示しない車両ボデー側の部材にボルト固定されることにより、第二の取付金具14が車両ボデー側に固定されている。これにより、第一の取付金具12が図示しないパワーユニットに固定されていると共に、第二の取付金具14が取付ブラケット92を介して図示しない車両ボデーに固定されており、パワーユニットが車両ボデーに対してエンジンマウント10を介して弾性的に連結されている。
さらに、本実施形態では、取付ブラケット92の軸方向上部を覆うようにバウンドストッパ部材100が設けられている。バウンドストッパ部材100は、逆向きの略有底円筒形状であって、その上底部の中央には、軸方向に貫通する挿通孔102が形成されている。また、上底部の外周部分には、全周に亘って延びる厚肉当接部104が下方に突出形成されている。この厚肉当接部104は、取付ブラケット92の上端部分に形成されたストッパ当接部94に対して所定距離だけ軸方向上方に離隔して軸方向で対向位置せしめられている。更に、上底部の内周縁部には、軸方向下方に向かって突出する筒状の位置決め当接部106が一体形成されている。そして、このようなバウンドストッパ部材100は、第一の取付金具12が上底部に形成された挿通孔102に挿し入れられて、第一の取付金具12に対して外嵌固定されることにより組み付けられている。かかる組付状態下では、第一の取付金具12に固定された後述するリバウンドストッパ部材108に対して、位置決め当接部106が当接状態で軸方向に重ね合わされることにより、バウンドストッパ部材100が、第一の取付金具12に対して軸方向に位置決めされている。
すなわち、第一の取付金具12には、ストッパ部材としてのリバウンドストッパ部材108が取り付けられている。より詳細には、リバウンドストッパ部材108は、ストッパ金具としての環状ストッパ金具110を含んで構成されている。環状ストッパ金具110は、図4〜図6に示されているように、第一の取付金具12における大径部26の外径寸法よりも大きな内径寸法を有する円環形状を有する本体部分を備えており、かかる本体部分は略矩形断面で全周に亘って延びている。この環状ストッパ金具110は、アルミニウム合金等の硬質の金属材料や樹脂材料等によって形成されている。
かかる環状ストッパ金具110の上面は、軸直角方向に広がる略平坦面とされている。そして、この上面によって、ストッパ当接部94に対して軸方向で対向位置する当接面112が形成されている。
また、環状ストッパ金具110の径方向一方向で対向する部分では、内周面の軸方向上部において、軸直角方向内方に向かって突出する当接支持部113が一体形成されている。これにより、環状ストッパ金具110の内周面は、その軸方向下部が円形とされているが、その軸方向上部が略長円形とされている。この環状ストッパ金具110における略長円形の上部内周面は、第一の取付金具12における取付部18の断面形状と対応する形状とされており、全体として、取付部18の外周面形状よりも一回り大きな内周面形状とされている。
また、環状ストッパ金具110の内周面には、上記当接支持部113が突設されていることにより、この当接支持部113の下面によって係合面114が形成されている。即ち、この係合面114は、環状ストッパ金具110の軸方向中間部分において、略軸直角方向に広がる平坦面形状とされている。特に本実施形態では、図示された縦断面図から明らかなように、この係合面114の内周縁部と外周縁部が、それぞれ、断面アール形状をもって滑らかに、環状ストッパ金具110の下部の内周面と上部の内周面(当接支持部113の突出先端面)に接続されている。更に、環状ストッパ金具110の内周面は、軸方向両端部分において、環状ストッパ金具110の軸方向両端面に対して、それぞれ、断面アール形状をもって滑らかに接続されている。そして、このように係合面114を含んで全体として滑らかな断面形状とされた環状ストッパ金具110の内周面の全体に対して、後述の介在ゴム117が略一定の厚さ寸法で広がって被着されている。
さらに、環状ストッパ金具110は、その表面が全面に亘って被着ゴム弾性体115によって覆われている。この被着ゴム弾性体115は、圧入ゴムとしての筒状嵌着ゴム116と介在ゴム117と緩衝ゴム118を含んで構成されている。
筒状嵌着ゴム116は、当接支持部113が形成された環状ストッパ金具110の軸方向上端面の内周縁部分から、軸方向上方に向かって突出形成されている。この筒状嵌着ゴム116は、第一の取付金具12に対して充分な嵌着固定力を発揮し得るように、肉厚寸法や内外径寸法が設定されている。具体的には、筒状嵌着ゴム116は、当接支持部113が形成された環状ストッパ金具110の内周面形状よりも一回り小さな内周面形状を備えている。
さらに、この筒状嵌着ゴム116の内周面形状は、それが嵌着固定される第一の取付金具12における取付部18の外周面形状よりも更に僅かに小さな内周面形状とされている。尤も、後述するように、有効な圧入固定力を得るために、筒状嵌着ゴム116の小径方向(図4中の左右方向)の内径寸法:Daと、取付部18の小径方向の外径寸法:Da′との差:Da−Da′の差の値に比して、筒状嵌着ゴム116の大径方向(図5中の左右方向)の内径寸法:Dbと、取付部18の大径方向の外径寸法:Db′との差:Db−Db′の差の値が、負の値として大きく設定されていることが望ましい。なお、Da−Da′の値は、0若しくは正の値であっても良い。
なお、図5に示されているように、本実施形態において、筒状嵌着ゴム116の内周面は、環状ストッパ金具110の長径方向において後述する介装ゴム122の内周面よりも軸直角方向内方に向かって僅かに突出せしめられている。これにより、介装ゴム122においては、第一の取付金具12に対して有効な嵌着固定力が発揮されないように設定されていると共に、筒状嵌着ゴム116においては、第一の取付金具12に対して有効な嵌着固定力が発揮されるようになっている。また、上述の説明からも明らかなように、筒状嵌着ゴム116の内周面は、略長円筒形状とされている。
また、介在ゴム117は、支持ゴム120と介装ゴム122を含んで構成されている。支持ゴム120は、係合面114の表面を略全面に亘って覆うように形成されている。また、介装ゴム122は、環状ストッパ金具110の内周面に被着形成されている。これら支持ゴム120と介装ゴム122が一体的に形成されて、本実施形態における介在ゴム117が構成されていると共に、介在ゴム117が筒状嵌着ゴム116と一体的に形成されている。なお、支持ゴム120と介装ゴム122は、認識できる境界を持たないで全体として滑らかに接続されており、略同じ厚さ寸法で、環状ストッパ金具110に被着形成されている。
さらに、緩衝ゴム118は、環状ストッパ金具110の軸方向上面(当接面112)を覆うように被着形成されている。緩衝ゴム118は、適当な肉厚のゴム層であって、筒状嵌着ゴム116及び介在ゴム117と一体形成されて被着ゴム弾性体115を構成している。本実施形態では、全体に亘って略一定の厚さ寸法とされており、環状ストッパ金具110の軸方向上端面において、筒状嵌着ゴム116の外周側の全体に亘って広がっている。
そして、リバウンドストッパ部材108は、リバウンドストッパ部材108を構成する筒状嵌着ゴム116が第一の取付金具12の取付部18に対して圧入されることにより第一の取付金具12に対して外挿状態で取り付けられている。
より詳細には、取付部18の長径方向において、筒状嵌着ゴム116の内径寸法が取付部18の外径寸法に対して小さくされていると共に、取付部18の短径方向において、筒状嵌着ゴム116の内径寸法が取付部18の外径寸法に対して等しいか、或いは、大きくされている。これにより、本実施形態では、筒状嵌着ゴム116の長径方向において軸直角方向で第一の取付金具12に対する当接力が作用せしめられると共に、短径方向では軸直角方向で第一の取付金具12に対する当接力が実質的に零であるゼロタッチでの当接状態(密接重ね合わせ状態)とされている。なお、上述のように、筒状嵌着ゴム116の短径方向では、筒状嵌着ゴム116の内周面が第一の取付金具12の外周面との間に隙間を有する外挿状態とされていても良いし、筒状嵌着ゴム116の内周面が第一の取付金具12の外周面に対して圧接せしめられていても良い。
また、本実施形態では、リバウンドストッパ部材108の第一の取付金具12に対する組付け状態下において、環状ストッパ金具110は、当接支持部113の係合面114が、第一の取付金具12の段差面30の上に軸方向で重ね合わされて位置決めされている。そして、これら係合面114と段差面30の重ね合わせ面間には、支持ゴム120が介在せしめられている。
さらに、環状ストッパ金具110における係合面114の内周縁部と外周縁部では、断面アール面を介して下部内周面と上部内周面に滑らかに繋がる領域が、何れも第一の取付金具12において取付部18と固着部20の間に形成された滑らかに連続する段差状部に対して所定距離を隔てて対向位置せしめられている。そして、これら環状ストッパ金具110と第一の取付金具12との対向面間には、係合面114と段差面30との対向面間は勿論、かかる対向面間に対して軸方向両側で連続する領域にまで亘って、介在ゴム117が充填的に介在せしめられている。即ち、介在ゴム117は、環状ストッパ金具110と第一の取付金具12との軸方向の対向面間と、その内外周両側において連続する軸直角方向対向面間にまで跨がって、実質的に隙間を持たない密着状態で介在せしめられているのである。
このようにして、環状ストッパ金具110の係合面114と第一の取付金具12の段差面30における特定の滑らかな対向面形状と、かかる対向面間に介在せしめられた介在ゴム117によるゴム弾性体層とによって、後述するストッパ荷重の分散作用が発現され得ることとなる。
なお、環状ストッパ金具110の内周面に被着形成されて環状ストッパ金具110と第一の取付金具12の軸直角方向対向面間に介在される介装ゴム122は、第一の取付金具12に対する当接力が実質的に零であるゼロタッチでの当接状態とされている。なお、介装ゴム122は、第一の取付金具12の外周面との間に隙間を有する外挿状態とされていても良い。
さらに、当接支持部113の下面に形成された係合面114が、第一の取付金具12に形成される段差面30に対して、軸方向上方から支持ゴム120を介して重ね合わせられている。これにより、リバウンドストッパ部材108が第一の取付金具12に対して軸方向で位置決め固定されている。なお、本実施形態では、筒状嵌着ゴム116の上端面に対してバウンドストッパ部材100における位置決め当接部106の下端面が軸方向で重ね合わせられている。
また、特に本実施形態では、本体ゴム弾性体16が第一の取付金具12側(軸直角方向内側)から金属スリーブ32側(軸直角方向外側)に向かって次第に軸方向寸法が大きくなるようにされていると共に、本体ゴム弾性体16の軸方向上端面が軸直角方向外方に向かって次第に軸方向上方に傾斜せしめられた傾斜面とされていることにより、本体ゴム弾性体16の軸方向上方で金属スリーブ32の上端部分における軸直角方向内方の部分に凹所状の空所が形成されている。そして、本実施形態では、第一の取付金具12に外挿状態で取り付けられるリバウンドストッパ部材108の一部(下部)が、本体ゴム弾性体16の軸方向上方に形成された該凹所状の空所に位置せしめられている。
更にまた、リバウンドストッパ部材108の第一の取付金具12に対する組付け状態において、当接面112がストッパ当接部94の軸方向下面に対して軸方向で所定距離だけ離隔して対向位置せしめられている。
上述の如き構造とされた自動車用エンジンマウント10にあっては、車両への装着状態において、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に略鉛直方向(図1中、上下方向)で低周波大振幅振動が入力されると、受圧室64と平衡室66の間に相対的な圧力差が生ぜしめられることとなる。そして、かかる圧力差によって、第一のオリフィス通路72を通じて受圧室64と平衡室66の間で積極的な流体流動が生ぜしめられて、流動する流体の共振作用等に基づいて高減衰効果が発揮されるようになっている。
一方、エンジンマウント10の車両装着状態下において、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に略水平方向(図1中、左右方向)の低周波振動が入力せしめられると、一対の第二の流体室84,84の間に相対的な圧力差が生ぜしめられて、かかる圧力差に基づいて第二のオリフィス通路90を通じての流体流動が生ぜしめられ、流動する流体の共振作用等に基づく防振効果が有効に発揮される。
ここにおいて、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に大振幅振動の入力があって、第一の取付金具12と第二の取付金具14が軸方向で互いに接近する方向に相対変位せしめられると、バウンドストッパ部材100における厚肉当接部104の下面が取付ブラケット92におけるストッパ当接部94の上面に対して軸方向で接近変位せしめられる。そして、バウンドストッパ部材100と取付ブラケット92との相対的な軸方向変位量が、当接面112とストッパ当接部94の下面との対向面間のクリアランスよりも大きい場合には、厚肉当接部104の下面とストッパ当接部94の上面が相互に当接せしめられることとなる。これにより、第一の取付金具12に組み付けられたバウンドストッパ部材100と第二の取付金具14に組み付けられた取付ブラケット92との当接によって第一の取付金具12と第二の取付金具14の軸方向における接近方向での相対変位量を緩衝的に制限することが出来るようになっており、それらバウンドストッパ部材100と取付ブラケット92(ストッパ当接部94)を含んで本実施形態におけるバウンドストッパ機構が構成されている。
また一方、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に振動が入力されて、第一の取付金具12と第二の取付金具14が軸方向で互いに離隔する方向に相対変位せしめられると、リバウンドストッパ部材108における当接面112が取付ブラケット92におけるストッパ当接部94の下面に対して接近せしめられることとなる。そして、リバウンドストッパ部材108と取付ブラケット92との相対的な軸方向変位量が当接面112とストッパ当接部94の下面との対向面間のクリアランスよりも大きい場合には、当接面112とストッパ当接部94の下面が軸方向で当接せしめられることとなる。これにより、第一の取付金具12に組み付けられたリバウンドストッパ部材108と第二の取付金具14に組み付けられた取付ブラケット92との当接によって第一の取付金具12と第二の取付金具14との相対変位の緩衝的な制限を実現することが出来るようになっており、それらリバウンドストッパ部材108と取付ブラケット92(ストッパ当接部94)を含んで本実施形態におけるリバウンドストッパ機構が構成されている。
このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウント10においては、筒状嵌着ゴム116を取付部18に対して圧入することにより、リバウンドストッパ部材108が第一の取付金具12に装着されている。また、筒状嵌着ゴム116は、ゴム弾性体によって形成されていると共に、環状ストッパ金具110の軸方向上方の端面における内周縁部から軸方向上方に向かって突出せしめられていることから、圧入に伴う弾性的な拡径変形が許容されている。これにより、第一の取付金具12に対して環状ストッパ金具110を圧入する必要がなく、第一の取付金具12の外径寸法と環状ストッパ金具110内径寸法の間で生じる寸法誤差を問題とすることなく、リバウンドストッパ部材108を第一の取付金具12に対して安定して圧入固定することが出来る。
特に、圧入固定される部材(第一の取付金具12と環状ストッパ金具110)としてアルミニウム等の比較的柔らかい金属等で形成された圧入部材を採用して、かかる圧入部材を圧入する場合には、圧入部材の寸法誤差による変形や破損といった不具合が問題となり易い。しかしながら、エンジンマウント10においては、ゴム材料で形成されて弾性変形可能とされた筒状嵌着ゴム116を取付部18に対して圧入することでリバウンドストッパ部材108を第一の取付金具12に対して装着することから、第一の取付金具12や環状ストッパ金具110が外力の作用によって変形や破損を生じるおそれがある比較的柔らかい金属材料等によって形成されている場合であっても、圧入力の作用による破損や変形を有効に回避することが出来るのである。
さらに、本実施形態では、第一の取付金具12に対して圧入固定される筒状嵌着ゴム116が拡径変形を許容されるように環状ストッパ金具110から軸方向上方に向かって突設されている一方、環状ストッパ金具110の内周面に形成される介装ゴム122が第一の取付金具12に対して実質的に当接力が作用せしめられないゼロタッチ状態で環状ストッパ金具110の内周面と第一の取付金具12外周面との軸直角方向対向面間に介在されている。これにより、第一の取付金具12に対してリバウンドストッパ部材108を圧入固定するに際して、ゴム弾性体(筒状嵌着ゴム116,介装ゴム122)の弾性変形に起因するスプリングバックによるリバウンドストッパ部材108の脱落や装着位置のずれ等を有利に軽減乃至は回避することが出来て、リバウンドストッパ部材108が第一の取付金具12に対して、目的とする位置に高精度に位置設定されて組み付けられ得る。
また、第一の取付金具12の段差面30に対して、環状ストッパ金具110(当接支持部113)の係合面114が、緩衝ゴム118を介して軸方向で重ね合わせられて、当接せしめられている。これにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14が離隔する方向に相対変位せしめられて、リバウンドストッパ部材108の当接面112と取付ブラケット92のストッパ当接部94が軸方向で当接せしめられ、リバウンドストッパ部材108に対して当接に伴う軸方向下向きの荷重が作用せしめられた場合においても、緩衝ゴム118を介して第一の取付金具12における段差面30の広い範囲に荷重を分担せしめることが出来るため、優れた耐荷重性を実現することが出来る。特に本実施形態では、第一の取付金具12の段差面30と環状ストッパ金具110の係合面114との軸方向対向面間に緩衝ゴム118を介在せしめることによって、段差面30と取付部18の境界部分、或いは、段差面30と固着部20の境界部分に形成される湾曲状のアール部分にも軸方向荷重を分担支持せしめることが出来て、かかるストッパ荷重の分散作用によって有利に耐荷重性の向上を図ることが可能とされている。
しかも、本実施形態では、リバウンドストッパ部材108の第一の取付金具12に対する装着状態下において、係合面114と段差面30の軸方向での重ね合わせ部分が位置する第一の取付金具12の短径方向では、リバウンドストッパ部材108の当接面112と取付ブラケット92のストッパ当接部94の下面が軸方向で対向せしめられている一方、係合面114及び段差面30が形成されていない第一の取付金具12の長径方向では、リバウンドストッパ部材108の当接面112と取付ブラケット92のストッパ当接部94下面が軸方向の投影においてずれた位置に形成されており、軸方向で対向せしめられないようにされている。これにより、当接面112とストッパ当接部94下面の軸方向での当接による軸方向荷重を、耐荷重性に特に優れた短径方向両側において主に作用せしめて、係合面114と段差面30との緩衝ゴム118介しての重ね合わせによって得られる優れた耐荷重性能をより有効に発揮せしめることが出来る。
また、本実施形態では、第一の取付金具12における取付部18が略一定の長円形断面をもって軸方向に延びるように形成されていると共に、取付部18に外嵌される筒状嵌着ゴム116が取付部18の断面形状に略対応する長円環形状とされており、筒状嵌着ゴム116の長径方向において圧入代が設けられて筒状嵌着ゴム116の取付部18に対する当接力が作用せしめられている一方、筒状嵌着ゴム116の短径方向においては、取付部18に対する当接力が作用せしめられないようになっている。これにより、筒状嵌着ゴム116の弾性変形量を、第一の取付金具12に対する圧入によって筒状嵌着ゴム116が全周に亘って拡径せしめられる場合に比して小さく抑えることが出来て、筒状嵌着ゴム116の耐久性向上を図り得る。
次に、図7には、本発明の第二の実施形態としての自動車用エンジンマウント124が示されている。このエンジンマウント124においては、第一の取付部材としての第一の取付金具126が、略円柱形状の取付部128と、取付部128に比して大径とされた略円柱形状の固着部20を有している。なお、以下の説明において、前記第一の実施形態と実質的に同一の部材乃至は部位については、図中に同一の符号を付すことにより、詳細な説明を省略する。
より詳細には、本実施形態における取付部128は、略一定の円形断面を持って軸方向に延びる円形ロッド形状であって、軸方向上端部に取付ボルト130が形成されている。そして、この取付ボルト130が図示しない自動車のパワーユニット側の部材に固定されて、第一の取付金具126がパワーユニットに取り付けられる一方、第二の取付金具14が自動車のボデーに取り付けられることにより、パワーユニットが図示しないボデーに対して防振支持されるようになっている。
また、固着部20は、取付部128よりも大径の円柱形状とされており、それら取付部128と固着部20の境界において、段差面132が全周に亘って連続的に形成されている。
さらに、本実施形態では、上述の如く、第一の取付金具126における取付部128の形状が円柱形状とされていることから、取付部128に外挿されるリバウンドストッパ部材134が全体として略円環形状とされている。また、リバウンドストッパ部材134を構成する環状ストッパ金具136は、略全周に亘って一定の断面形状で延びる略円環形状とされている。即ち、本実施形態における環状ストッパ金具136においては、その上部において軸直角方向内方に向かって延び出す当接支持部138が全周に亘って連続的に形成されているのである。更に、当接支持部138の下面には、全周に亘って係合面140が形成されており、緩衝ゴム118を介して係合面140が段差面132に当接せしめられてリバウンドストッパ部材134が第一の取付金具126に対して軸方向で位置決め固定されている。また、環状ストッパ金具136の内周縁部上面から軸方向上方に向かって延び出すように形成されている筒状嵌着ゴム142は、その内径寸法が全周に亘って取付部128の外径寸法よりも小さくされており、リバウンドストッパ部材134の第一の取付金具126に対する組付け状態において、筒状嵌着ゴム142が第一の取付金具126の取付部128に対して全周に亘って圧接せしめられている。これにより、本実施形態におけるリバウンドストッパ部材134が第一の取付金具126に対して固定的に組み付けられている。
このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウント124においても、前記第一の実施形態に係るエンジンマウント10において発揮される効果と同様の効果を有効に得ることが出来る。
また、特に本実施形態では、第一の取付金具12における取付部128が略一定の円形断面形状で軸方向に延びるように形成されており、該取付部128と固着部20との境界には、全周に亘って連続的に段差面132が形成されている一方、リバウンドストッパ部材134における環状ストッパ金具136の内周面上部から軸直角方向内方に向かって突出する当接支持部138が全周に亘って連続的に形成されていると共に、当接支持部138の下面に係合面140が連続的に形成されており、かかる係合面140が段差面132に対して、全周に亘って軸方向で重ね合わせられている。それ故、係合面140の段差面132に対する重ね合わせ面積を大きく取ることが出来て、一層優れた軸方向での耐荷重性能を有するリバウンドストッパ機構を実現することが出来る。
しかも、本実施形態では、全周に亘ってリバウンドストッパ部材134の当接面112と取付ブラケット92のストッパ当接部94の下面が軸方向で対向位置せしめられている。これにより、リバウンドストッパ部材134の当接面112と取付ブラケット92のストッパ当接部94の下面との軸方向での投影における重ね合わせ面積を大きく得ることが出来ることから、当接面112とストッパ当接部94の下面との当接力を広い範囲で分担して支持することが出来て、応力の集中による当接面112(緩衝ゴム118)の破損等を回避することが出来る。
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記第一及び第二の実施形態では、本発明に従う構造とされた防振装置の一例として、流体封入式の自動車用エンジンマウント10,124が示されているが、本発明は、自動車用のエンジンマウントのみに採用されるものでは勿論なく、各種の防振装置に対して好適に採用され得る。また、本発明は、流体封入式の防振装置のみならず、第一の取付金具と第二の取付金具を本体ゴム弾性体で連結して、この本体ゴム弾性体の弾性変形によって防振効果が発揮されるソリッドタイプの防振装置に対しても適用可能である。
また、前記第一及び第二の実施形態では、第二の取付金具14に対して外嵌固定される取付ブラケット92の上端部分を利用してリバウンドストッパ機構を構成するストッパ当接部94が形成されているが、ストッパ当接部は、第二の取付金具14に設けられていれば良く、必ずしも取付ブラケット92の一部を利用する必要はない。具体的には、例えば、第二の取付金具の軸方向上端部分に、軸直角方向内方に向かって延び出すストッパ当接部を第二の取付金具と一体的に形成して、第一の取付金具に装着されるリバウンドストッパ部材に対して軸方向で離隔して対向位置するようにされていても良いし、第二の取付金具及び取付ブラケットの何れとも別体として形成された部材によってストッパ当接部を構成しても良い。
さらに、前記第一の実施形態では、軸方向での耐荷重性を高めるために、段差面30と係合面114との重ね合せが実現される軸直角方向において、リバウンドストッパ部材108の当接面112と取付ブラケット92のストッパ当接部94下面が軸方向で対向配置されてリバウンドストッパ機構が構成されていると共に、段差面30と係合面114との重ね合わせが実現されていない軸直角方向においては、リバウンドストッパ機構が構成されないようになっている。しかしながら、リバウンドストッパ部材108における係合面114と第一の取付金具12における段差面30との軸方向での重ね合わせが実現されていない軸直角方向においても、リバウンドストッパ機構を構成することは勿論可能である。
また、前記第一及び第二の実施形態では、リバウンドストッパ部材108(134)を構成する環状ストッパ金具110(136)の表面が、被着ゴム弾性体115によって略全面に亘って覆われていたが、必ずしも環状ストッパ金具110(136)の表面が全面に亘ってゴム弾性体で覆われている必要はなく、環状ストッパ金具110(136)の一部が外部に露出していても良い。
さらに、前記第一及び第二の実施形態では、バウンドストッパ機構及びリバウンドストッパ機構によって第一の取付金具12(126)と第二の取付金具14の軸方向での相対的な変位量が制限されている例を示したが、これに加えて、第一の取付金具12(126)と第二の取付金具14の軸直角方向での相対変位量を制限する軸直ストッパ機構を構成することも可能である。特に、リバウンドストッパ部材108(134)を巧く利用して、かかる軸直ストッパ機構を構成することも可能となり得る。具体的には、例えば、リバウンドストッパ部材の外周面に緩衝ゴムを被着形成し、外周面に当接面を形成すると共に、過大な軸直角方向での振動入力時に軸直角方向でリバウンドストッパ部材に当接せしめられるストッパ当接部を第二の取付金具に設けることにより、第一の取付金具12(126)と第二の取付金具14の軸直角方向での相対変位量を緩衝的に制限する軸直ストッパ機構を構成することも可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面図であって、図3におけるI−I断面に相当する図である。 図1に示された自動車用エンジンマウントを示す縦断面図であって、図3におけるII−II断面に相当する図である。 図1に示された自動車用エンジンマウントを示す横断面図であって、図1におけるIII−III断面に相当する図である。 図1に示された自動車用エンジンマウントの要部を示す縦断面拡大図であって、図6におけるIV−IV断面に相当する図である。 図1に示された自動車用エンジンマウントの要部を示す縦断面拡大図であって、図6におけるV−V断面に相当する図である。 図1に示された自動車用エンジンマウントの要部を示す平面拡大図である。 本発明の第二の実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面図である。
符号の説明
10 自動車用エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
94 ストッパ当接部
108 リバウンドストッパ部材
110 環状ストッパ金具
112 当接面
113 当接支持部
114 係合面
115 被着ゴム弾性体
116 筒状嵌着ゴム
117 介在ゴム
118 緩衝ゴム

Claims (4)

  1. 第一の取付部材を、円筒形状を有する第二の取付部材の軸方向一方の開口部から中心軸上で軸方向に入り込ませて軸直角方向に所定距離を隔てて配すると共に、該第一の取付部材と該第二の取付部材を本体ゴム弾性体で軸直角方向に連結する防振装置において、
    前記第一の取付部材における前記本体ゴム弾性体から突出した部分に段差状のストッパ受面を設ける一方、該第一の取付部材に外挿される環状のストッパ金具を採用して、該ストッパ金具の内周面には該ストッパ受面に軸方向で重ね合わされる段差状の係合面を形成すると共に、該ストッパ金具の表面に被着ゴム弾性体を固着して、(i)該ストッパ金具の内周縁部から軸方向一方の側に向かって突出する筒状の圧入ゴムと、(ii)該ストッパ金具の内周面を覆う介在ゴムと、(iii)該ストッパ金具の軸方向一方の端面を覆う緩衝ゴムとを、該被着ゴム弾性体で一体形成することによりストッパ部材を構成し、該ストッパ部材を前記第一の取付部材の軸方向突出端側から外挿して該圧入ゴムを該第一の取付部材に対して圧入固定することにより、該圧入ゴムが該ストッパ金具から該第一の取付部材の軸方向突出端側に向かって延び出すと共に、該ストッパ金具の該係合面が該第一の取付部材の該ストッパ受面に対して該介在ゴムを介して軸方向に重ね合わせられた状態で該ストッパ部材を装着せしめる一方、前記第二の取付部材から該第一の取付部材が突出する軸方向側に延び出して該ストッパ部材の軸方向外方に位置し、該ストッパ金具に対して該緩衝ゴムを介して当接せしめられる当接部を該第二の取付部材に設けることにより、該ストッパ部材の該当接部への当接によって該第一の取付部材と該第二の取付部材の軸方向一方の側への相対変位量を緩衝的に制限するリバウンドストッパ機構を構成したことを特徴とする防振装置。
  2. 前記本体ゴム弾性体の軸方向外側端面が、径方向中央から外方に向かって次第に軸方向外方に突出する傾斜面とされていることにより、該本体ゴム弾性体の軸方向端部には、前記第一の取付部材と前記第二の取付部材の径方向対向面間に開口する凹所が形成されている請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記第一の取付部材を軸直角方向一方向で挟んだ両側において、前記本体ゴム弾性体の外周面に開口する一対のポケット部を形成し、それら一対のポケット部の開口を前記第二の取付部材で流体密に覆蓋することにより、壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成されて非圧縮性流体が封入された一対の作用流体室を形成すると共に、それら一対の作用流体室を相互に連通するオリフィス通路を設けた請求項1又は2に記載の防振装置。
  4. 前記圧入ゴムの内周面が長円筒形状とされており、該圧入ゴムの前記第一の取付部材に対する圧入力が、その小径方向よりも大径方向において大きく設定されている請求項1乃至3の何れか一項に記載の防振装置。
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