JP2007064076A - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の燃料噴射装置において、構造の複雑化や装置の大型化を抑制する一方で冷却性能の向上を図る。
【解決手段】デリバリパイプ14にインジェクタ13の基端部を連結し、このインジェクタ13に、デリバリパイプ14の燃料をバルブボディ42の先端部に形成された噴射口45の近傍まで循環してからデリバリパイプ14に戻す燃料通路を設け、ニードル弁49によりこの燃料通路と噴射口45とを遮断して燃料を噴射口45の近傍まで常時循環可能とすると共に、この燃料通路と噴射口45とを連通して燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口45から燃焼室11に噴射可能とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、所定量の燃料を燃焼室や吸気ポートに噴射可能とした内燃機関の燃料噴射装置に関するものである。
燃料を吸気ポートではなく、燃焼室に直接噴射する筒内噴射式内燃機関が従来から知られている。この筒内噴射式内燃機関では、吸気弁の開放時に、空気が吸気ポートから燃焼室に吸入されてピストンにより圧縮され、この高圧空気に対してインジェクタから燃料が直接噴射され、燃焼室内の高圧空気と霧状の燃料とが混合し、この混合気が点火プラグに導かれて着火して爆発することで駆動力を得ることができ、排気弁の開放時に、燃焼後の排気ガスが排気ポートから排出される。
このような筒内噴射式内燃機関にて、インジェクタは、先端部に噴射口を有するハウジング内にニードル弁が移動自在に支持され、このニードル弁が燃料通路を閉塞するように付勢支持されると共に、ソレノイドへの通電時にその電磁力によりニードル弁を移動して燃料通路を開放可能となるように構成されている。そして、所定のタイミングで、このニードル弁を移動して燃料通路を開放することで、燃料通路の燃料を噴射口から燃焼室に向けて噴射することができる。
この筒内噴射式内燃機関に適用されるインジェクタでは、所定量の燃料が加圧された状態で維持され、ニードル弁により燃料通路が開放された期間に、所定圧の燃料が噴射口から噴射される。そのため、燃料噴射期間が経過してニードル弁が燃料通路を閉止しても、全ての燃料が燃焼室に噴射されずに一部の燃料が噴射口の周辺に付着して残量する。この場合、残留した燃料は燃焼室で発生した燃焼ガスにより蒸し焼きにされ、噴射口の内面やニードル弁の先端面などにデポジットとして堆積してしまう。すると、この堆積したデポジットが燃料通路の流路面積を狭めて燃料の流路抵抗となり、流量低下を引き起こして燃料噴射量がばらつき、燃焼悪化を招いてしまう。
また、噴射口の周辺に燃料が残留してしまうと、次の燃料噴射期間になってニードル弁により燃料通路を開放しても、残留している燃料により噴射された全ての燃料の霧化が不十分となり、噴射初期の微粒化レベルが良くなく、アイドル運転時などには、トルクが変動したり、排気ガス特性が悪化してしまうなどの問題が発生してしまう。
このような問題を解決するものとして、インジェクタの先端部を冷却してデポジットの堆積を抑制することが考えられており、例えば、下記特許文献1、2に記載された技術がある。特許文献1に記載された噴射ノズルの冷却装置は、針弁の外筒の弁座側を閉じると共に、外筒の内壁上部を内筒の外壁とを係合させて閉じ、得られた外筒と内筒との間隙と、円筒の軸穴とを針弁の内部を往復する冷却燃料通路として形成し、低圧燃料入口から摺動シール部側の外筒の外壁に設けた細孔を通して内筒の上方の軸穴に至る通路に低圧燃料を通過させて針弁の内部の冷却を行うようにしたものである。
また、特許文献2に記載された内燃機関の燃料噴射弁は、燃料を燃料高圧供給路から油溜り室へ供給可能とすると共に、この油溜り室の燃料を燃料油循環経路と燃料油通路を通して排出することで燃料噴射弁を冷却可能とし、燃料噴射時には、油溜り室と噴孔とを連通すると共に燃料油通路を閉鎖して油溜り室の燃料を噴孔から噴射するようにしたものである。
特開平7−301166号公報 特開平8−200183号公報
ところが、上述した特許文献1に記載された従来の噴射ノズルの冷却装置では、燃料を噴孔から噴射するための高圧燃料通路を設けると共に、この高圧燃料通路とは別に低圧燃料を循環させるための冷却燃料通路とを設けている。そのため、インジェクタ内に多数の燃料通路が必要となり、構造が複雑となるばかりでなく、インジェクタ自体が大型化してしまうという問題がある。また、特許文献2に記載された従来の内燃機関の燃料噴射弁では、通常時は、燃料噴射時には、油溜り室の燃料を燃料油循環経路と燃料油通路を通して排出することで燃料噴射弁を冷却し、燃料噴射時には、燃料油通路を閉鎖し、油溜り室の燃料を噴孔から噴射している。そのため、燃料噴射時には、燃料噴射弁を冷却することができず、冷却性能が低下してしまう。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、構造の複雑化や装置の大型化を抑制する一方で冷却性能の向上を図った内燃機関の燃料噴射装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の内燃機関の燃料噴射装置は、噴射装置本体と、該噴射装置本体の先端部に設けられた燃料噴射口と、外部から供給された燃料を前記燃料噴射口の近傍まで循環してから外部に排出する燃料通路と、該燃料通路と前記燃料噴射口とを連通して該燃料通路を流れる燃料の一部を該燃料噴射口から噴射可能な噴射弁とを具えたことを特徴とするものである。
また、本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記噴射装置本体は先端外周部がエンジン本体に取付シールを介して固定され、前記燃料通路は該取付シールより前記噴射装置本体の先端側まで延設されたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記噴射弁を中空形状に形成することで、該噴射弁の内側に内部通路が形成されると共に該噴射弁の外側に外部通路が形成され、前記噴射弁の先端部に前記内部通路と前記外部通路を連通する連通孔が形成され、前記内部通路と前記外部通路と前記連通孔により前記燃料通路が構成されたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記噴射弁は付勢部材により前記燃料通路と前記燃料噴射口との連通を阻止するように付勢支持される一方、噴射弁移動手段により前記噴射弁を移動することで前記燃料通路と前記燃料噴射口との連通可能であり、前記燃料通路は前記噴射弁移動手段を貫通して設けられたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記噴射弁移動手段は、磁性パイプと、該磁性パイプの内周面に固定されたコアと、該コアと直列をなすと共に前記噴射弁の基端部に連結されて前記磁性パイプの内周面に軸方向に移動自在に支持されたアーマチュアと、前記磁性パイプの外周側に配設されて通電可能なコイルとから構成され、前記燃料通路は前記コア及び前記アーマチュアの中心部及び外周部を貫通して形成されたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記噴射弁の外側に外部通路が形成されると共に前記噴射装置本体に貫通通路が形成され、前記噴射装置本体の先端部に前記外部通路と前記貫通通路を連通する連通孔が形成され、前記外部通路と前記貫通通路と前記連通孔により前記燃料通路が構成されたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、デリバリパイプの内部を隔壁により第1室と第2室に区画し、前記第1室に燃料を供給可能とする一方、前記第2室から燃料を排出可能とし、前記燃料通路の燃料供給側端部が前記第1室に連結され、前記燃料通路の燃料排出側端部が前記第2室に連結されたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記燃料通路の燃料供給側端部が前記第1室のフランジ部に軸シールを介して連結され、前記燃料通路の燃料排出側端部が前記第2室に面シールを介して連結されたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、デリバリパイプの一端部に燃料を供給可能とすると共に他端部から燃料を排出可能とし、前記燃料通路の燃料供給側端部と燃料排出側端部が前記デリバリパイプに連結され、前記燃料供給側端部は燃料流動方向上流側に向けて開口されたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記燃料通路は、前記コア及び前記アーマチュアの外周面が軸方向に沿って切欠かれて形成されたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記コアの切欠と前記アーマチュアの切欠とを連通する連通溝が前記コアまたは前記アーマチュアに形成されたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記アーマチュアの回動を規制する回動規制手段が設けられたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記噴射弁移動手段は、磁性パイプと、該磁性パイプの内周面に固定されたコアと、該コアと直列をなすと共に前記噴射弁の基端部に連結されて前記磁性パイプの内周面に軸方向に移動自在に支持されたアーマチュアと、前記磁性パイプの外周側に配設されて通電可能なコイルとから構成され、前記燃料通路は前記コア及び前記アーマチュアの中心部を貫通して形成されると共に、前記磁性パイプの内周面に沿って形成されたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記燃料通路は前記コイルの端子取出部に対応して形成されたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記燃料通路は周方向均等間隔で複数設けられたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記燃料通路は軸線方向に対して傾斜して設けられたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記コアと前記アーマチュアの間に燃料漏れを防止する燃料シールが設けられたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記燃料シールは少なくとも前記コアに支持された弾性部であることを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記連通孔は周方向均等間隔で複数設けられたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、燃料を給排可能なデリバリパイプに前記噴射装置本体の基端部を連結し、該噴射装置本体の外周面部または端面部のいずれか一方から前記燃料通路に燃料を供給可能とし、前記燃料通路の燃料を前記他方から排出可能とし、前記噴射装置本体の外周面部及び端面部にフィルタが設けられたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記フィルタは前記燃料通路の燃料供給側端部及び燃料排出側端部を被覆するように設けられたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記デリバリパイプに燃料を供給する燃料ポンプの吐出量または前記デリバリパイプから燃料排出するリリーフ弁の設定圧力により前記燃料通路における燃料循環量が調整されることを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記デリバリパイプから排出された燃料の排出通路に燃料冷却手段が設けられたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記デリバリパイプに燃料を供給する燃料供給ラインに燃料供給ポンプが設けられ、前記デリバリパイプから排出された燃料を該燃料供給ポンプの吸入口に戻す燃料排出ラインが設けられたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記デリバリパイプに燃料を供給する燃料供給ラインに燃料供給ポンプが設けられ、前記デリバリパイプから排出された燃料を燃料タンクに戻す第1燃料排出ラインと、燃料を前記燃料供給ポンプの吸入口に戻す燃料排出ラインが設けられ、内燃機関の運転状態に応じて前記デリバリパイプから排出された燃料を戻す燃料排出ラインを切換えることを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、燃料を燃焼室に噴射する高圧燃料噴射系を有し、該高圧燃料噴射系に低圧燃料ポンプ及び高圧燃料ポンプが設けられ、少なくとも内燃機関の始動時には、前記高圧燃料ポンプを停止して前記低圧燃料ポンプにより前記高圧燃料噴射系における前記燃料通路に燃料を循環させることを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、燃料を吸気ポートに噴射する低圧燃料噴射系と燃料を燃焼室に噴射する高圧燃料噴射系を有し、前記低圧燃料噴射系に低圧燃料を供給する低圧フィードポンプが設けられると共に、前記高圧燃料噴射系に高圧燃料を供給する高圧ポンプが設けられ、前記高圧燃料噴射系の休止時には、前記低圧フィードポンプにより前記低圧燃料噴射系及び前記高圧燃料噴射系における前記燃料通路に燃料を循環させることを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記低圧燃料噴射系及び前記高圧燃料噴射系から排出された燃料を前記低圧フィードポンプの吸入口に戻す燃料排出ラインが設けられたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、内燃機関の運転状態に応じて前記噴射装置本体の先端部における受熱量を推定し、推定された受熱量に基づいて前記燃料循環量を調整することを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置では、前記噴射装置本体の先端部の温度を推定し、この推定温度が予め設定された所定温度以下になるまで前記燃料通路に燃料を循環させることを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃料噴射装置によれば、噴射装置本体の先端部に燃料噴射口を設けると共に、外部から供給された燃料をこの燃料噴射口の近傍まで循環してから外部に排出する燃料通路を設け、噴射弁により燃料通路と燃料噴射口とを連通して燃料通路を流れる燃料の一部を燃料噴射口から噴射可能としたので、燃料を噴射するための通路と噴射装置本体の先端部を冷却するための通路を燃料通路として共用化することで、構造の複雑化や装置の大型化を抑制することができる一方で、常時燃料通路に燃料を流動して噴射装置本体の先端部を冷却することで、冷却性能を向上することができる。
以下に、本発明に係る内燃機関の燃料噴射装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの断面図、図2は、図1のII−II断面図、図3は、図1のIII−III断面図、図4は、実施例1の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの先端部の断面図、図5は、図4のV−V断面図、図6は、実施例1の内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図である。
実施例1の内燃機関の燃料噴射装置において、図6に示すように、内燃機関としてのエンジン10は、筒内噴射式の火花点火多気筒エンジンであって、4つの気筒に対応して燃焼室11が設けられており、シリンダヘッド12には各燃焼室11に直接燃料を噴射するインジェクタ13が装着されると共に、図示しない点火プラグが装着されている。この各インジェクタ13は、基端部がデリバリパイプ14に連結されており、デリバリパイプ14内の高圧燃料を燃焼室11に噴射することができる。
一方、燃料タンク15は所定量のガソリン燃料(以下、燃料)を貯留可能であり、内部に低圧フィードポンプ16が装着されている。この低圧フィードポンプ16は、第1燃料供給管17を介して高圧ポンプ18が連結され、この高圧ポンプ18は第2燃料供給管19を介してデリバリパイプ14の一端部に連結されている。この高圧ポンプ18はカムシャフト20により駆動可能であり、第2燃料供給管19には逆止弁21が装着されている。なお、第1燃料供給管17には燃料を燃料タンク15に戻す返送管22が設けられ、この返送管22に逆止弁23が装着されている。また、デリバリパイプ14の他端部には、燃料排出管24の基端部が連結され、この燃料排出管24の先端部は燃料タンク15に連結されており、この燃料排出管24にはリリーフ弁25が装着されている。
車両には電子制御ユニット(ECU)26が搭載されており、このECU26は、インジェクタ13を制御可能となっている。即ち、ECU26には、エアフローセンサ27、スロットルポジションセンサ28、アクセルポジションセンサ29、エンジン回転数センサ30、水温センサ31などが接続されている。従って、ECU26は、各センサ26〜31が検出した吸入空気量、スロットル開度、アクセル開度、エンジン回転数、エンジン冷却水温などのエンジン運転状態に基づいて燃料噴射量や噴射時期などを決定している。また、デリバリパイプ14には、燃料圧力を検出する燃圧センサ32が設けられ、検出した燃料圧力をECU26に出力しており、このECU26は、デリバリパイプ14内の燃料圧力が所定圧力となるように、低圧フィードポンプ16及び高圧ポンプ18を駆動制御している。なお、デリバリパイプ14内の燃料圧力が所定圧力より大きくなると、リリーフ弁25が開放して燃料を開放することで、デリバリパイプ14内の燃料圧力を所定圧力に維持している。
ここで、上述した各インジェクタ13について説明する。インジェクタ13において、図1乃至図5に示すように、中空形状をなすホルダ41の先端部にバルブボディ42が固定されており、このバルブボディ42は内部に先細となる中空部43が形成されると共に、この中空部43の先端側に連続して球面形状をなすサック部44が形成され、このサック部44から外部に連通する噴射口45が形成されている。このホルダ41の後端部には中空形状をなす磁性パイプ46が固定されており、この磁性パイプ46内に円筒形状をなすコア47が嵌合して固定されると共に、このコア47の先端側に円筒形状をなすアーマチュア48が所定の隙間を開けて軸方向に移動自在に支持されている。この磁性パイプ46は、上下にそれぞれ位置する磁性部の間に非磁性部が位置して構成され、非磁性部は、上下の磁性部との間で磁性が短絡することを防止している。この場合、ホルダ41、バルブボディ42、磁性パイプ46などにより噴射装置本体が構成される。
噴射弁としてのニードル弁49は中空形状をなし、弁本体50と連結部51とが一体に連結されて構成されている。そして、このニードル弁49はホルダ41及びバルブボディ42内に軸心方向に沿って移動自在に配設され、連結部51の後端部がアーマチュア48の先端部に連結される一方、弁本体50の先端部がバルブボディ42の中空部43に周方向に所定間隔で隙間をもって嵌入している。また、ニードル弁49は先端部にシール部52が形成される一方、コア47内に装着されたアジャストパイプ53とアーマチュア48との間には、このアーマチュア48を介してニードル弁49を先端側に付勢する圧縮コイルスプリング54が介装されており、ニードル弁49はシール部52がバルブボディ42の弁座部55に当接するように付勢支持されている。
磁性パイプ46の外側にはボビン56を介してコイル57が巻回され、このコイル57の外側に樹脂モールドによりコネクタ58が形成され、このコネクタ58の外側に磁性材料からなるヨーク59が固定されている。この場合、圧縮コイルスプリング54、コア47、アーマチュア48、ボビン56、コイル57、コネクタ58、ヨーク59などにより噴射弁移動手段が構成される。従って、コイル57に通電すると、コア47に電磁吸引力が発生し、圧縮コイルスプリング54の付勢力に抗してアーマチュア48及びニードル弁49を後端側(図1及び図4にて上側)に移動し、シール部52をバルブボディ42の弁座部55から離間させることができる。この場合、ニードル弁49のシール部52がバルブボディ42の弁座部55に密着しているとき、コア47とアーマチュア48との間には隙間Sが設定されており、ニードル弁49はこの隙間Sだけ後端側へ移動することができ、この隙間Sがニードル弁49のリフト量となる。
また、磁性パイプ46の後端部には燃料導入管60が連結されると共に、コア47の後端部にはリリーフパイプ61が連結されており、燃料導入管60とリリーフパイプ61との間に燃料フィルタ62が取付けられている。
本実施例のインジェクタ13には、外部から供給された燃料を噴射口45の近傍まで循環してから外部に排出する燃料通路が設けられ、ニードル弁49によりこの燃料通路と噴射口45とを遮断可能であると共に、この燃料通路と噴射口45とを連通して燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口45から噴射可能としている。
即ち、ニードル弁49が中空形状をなすことで、このニードル弁49の内側に内部通路63が形成されると共に、ニードル弁49の外側に外部通路64が形成され、ニードル弁49の先端部に内部通路63と外部通路64を連通する2つの連通孔65が形成されている。この場合、2つの連通孔65は、ニードル弁49の先端部に周方向均等間隔で形成されている。また、噴射弁移動手段を構成するコア47とアーマチュア48が円筒形状をなすことで、その中心部には中央通路66、67が形成されると共に、コア47とアーマチュア48の外周部には軸方向に沿って切欠部68,69が形成されることで、貫通路70,71が形成されている。更に、燃料導入管60とリリーフパイプ61との間に燃料供給路72が形成されると共に、リリーフパイプ61内に燃料排出路73が形成されている。
一方、図6に示すように、デリバリパイプ14は、内部が隔壁74により第1室75と第2室76とに区画され、第1室75に第2燃料供給管19が連結される一方、第2室76に燃料排出管24が連結されている。この場合、燃圧センサ32は第1室75側の燃料圧力を検出する。そして、図1に示すように、デリバリパイプ14の第1室75にインジェクタ13の燃料供給路72が連通する一方、第2室76に燃料排出路73が連通している。
従って、デリバリパイプ14の第1室75からインジェクタ13の燃料供給路72に供給され、コア47及びアーマチュア48の貫通路70,71、ニードル弁49の外部通路64、連通孔65、内部通路63、コア47及びアーマチュア48の中央通路66,67、燃料排出路73を通ってデリバリパイプ14の第2室76に排出される燃料通路が構成されることとなる。
そして、噴射装置本体を構成するホルダ41は、先端外周部がシリンダヘッド12の取付孔12aにガスシール(取付シール)77を介して固定され、上述した燃料通路がガスシール77よりホルダ41の先端側まで延設されている。また、燃料通路の燃料供給側端部としての燃料導入管60の端部がデリバリパイプ14のフランジ部33にOリング(軸シール)78を介して連結され、燃料通路の燃料排出側端部としてのリリーフパイプ61の端部が隔壁74にOリング(面シール)79を介して連結されている。
このように構成された本実施例の内燃機関の燃料噴射装置において、以下に、その作動を説明する。図1及び図5に示すように、ECU26は、燃圧センサ32が検出したデリバリパイプ14内の燃料圧力に基づいて、この燃料圧力が所定圧力となるように低圧フィードポンプ16及び高圧ポンプ18を駆動制御しており、各センサ27〜31が検出した吸入空気量、スロットル開度、アクセル開度、エンジン回転数、エンジン冷却水温などのエンジン運転状態に基づいて燃料噴射量や噴射時期などを決定し、インジェクタ13を駆動制御している。
即ち、燃料噴射停止時には、インジェクタ13のコイル57に非通電状態であるため、ニードル弁49は、圧縮コイルスプリング54の付勢力により先端のシール部52がバルブボディ42の弁座部55に密着することで、燃料通路を構成する外部通路64と噴射口45は連通せずに遮断されている。従って、デリバリパイプ14の第1室75にある燃料が、燃料供給路72からインジェクタ13に供給され、貫通路70,71、外部通路64、連通孔65、内部通路63、中央通路66,67を通って燃料排出路73からデリバリパイプ14の第2室76に排出される。つまり、燃料がインジェクタ13の噴射口45の近傍まで循環することとなり、ホルダ41の先端部やバルブボディ42を確実に冷却することができる。
一方、燃料噴射時には、インジェクタ13のコイル57に通電するため、ニードル弁49は電磁吸引力により所定のリフト量Sだけ移動し、先端のシール部52がバルブボディ42の弁座部55から離間することで、燃料通路を構成する外部通路64と噴射口45が連通する。従って、デリバリパイプ14の第1室75にある燃料が、燃料供給路72からインジェクタ13に供給され、貫通路70,71、外部通路64、連通孔65、内部通路63、中央通路66,67を通って燃料排出路73からデリバリパイプ14の第2室76に排出されると共に、外部通路64まで循環した燃料の一部がサック部44に供給され、このサック部44の燃料が噴射口45から燃焼室11に噴射される。つまり、燃料がインジェクタ13の噴射口45の近傍まで循環し、所定量だけ所定圧力で噴射口45から燃焼室11に噴射することができると共に、余剰燃料をデリバリパイプ14に排出し、ホルダ41の先端部やバルブボディ42を確実に冷却することができる。
このように実施例1の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、デリバリパイプ14にインジェクタ13の基端部を連結し、このインジェクタ13に、デリバリパイプ14の燃料をバルブボディ42の先端部に形成された噴射口45の近傍まで循環してからデリバリパイプ14に戻す燃料通路を設け、ニードル弁49によりこの燃料通路と噴射口45とを遮断して燃料を噴射口45の近傍まで常時循環可能とすると共に、この燃料通路と噴射口45とを連通して燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口45から燃焼室11に噴射可能としている。
従って、燃料噴射停止時には、ニードル弁49により燃料通路と噴射口45とが遮断され、デリバリパイプ14の燃料が燃料通路を通って噴射口45の近傍まで循環してからデリバリパイプ14に戻ることとなり、循環する燃料により噴射口45の近傍を確実に冷却することができる。一方、燃料噴射時には、ニードル弁49により燃料通路と噴射口45とが連通され、デリバリパイプ14の燃料が燃料通路を通って噴射口45の近傍まで循環し、所定圧力の燃料を所定量だけ噴射口45から燃焼室11に噴射することができると共に、余剰燃料がデリバリパイプ14に戻ることとなり、循環する燃料により噴射口45の近傍を確実に冷却することができる。その結果、燃料を噴射するための通路と噴射口45の近傍を冷却するための通路を燃料通路として共用化することで、構造の簡素化を可能とすることができると共に、装置の小型化を可能とすることができる一方で、常時燃料通路に燃料を流動して噴射口45の近傍を冷却することができ、インジェクタ13の冷却性能を向上することができる。
また、常時燃料通路に燃料を流動して噴射口45の近傍を冷却することで、噴射口45の近傍に燃料が残留しても残留した燃料が蒸し焼きにされることはなく、噴射口45の内面などへのデポジットの堆積を確実に抑制することができる。その結果、燃料噴射量のばらつきや燃焼悪化を抑制することができる。また、燃料通路内を常時燃料が循環することで、内部で発生した燃料中の気泡を排出することで、始動性の悪化を防止することができると共に、アイドル運転の安定化を図ることができる。
そして、実施例1では、インジェクタ13を燃焼室11に直接燃料を噴射する筒内噴射式エンジン10に適用し、ホルダ41の先端外周部をシリンダヘッド12の取付孔12aにガスシール77を介して固定し、燃料通路をこのガスシール77より先端側まで延設している。従って、噴射口45の近傍に残留した燃料が燃焼室11で発生した燃焼ガスにより蒸し焼きにされても、燃料通路を循環する燃料により残留した燃料が冷却されるため、噴射口45の内面などへのデポジットの堆積を確実に抑制することができる。
また、実施例1の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、ニードル弁49を中空形状とすることで、このニードル弁49の内側に内部通路63を形成すると共に、ニードル弁49の外側に外部通路64を形成し、この内部通路63と外部通路64をニードル弁49の先端部に形成した連通孔65により連通し、この内部通路63と外部通路64と連通孔65を燃料通路として用いている。従って、ホルダ41やバルブボディ42などを大型化することなく燃料通路を構成することができ、装置の小型化を図ることができる。この場合、2つの連通孔65をニードル弁49の先端部に周方向均等間隔で形成することで、内部通路63から外部通路64に流れる燃料の偏流を防止することができ、循環する燃料により噴射口45の近傍を周方向均一して冷却することができる。
更に、実施例1の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、噴射弁移動手段を構成するコア47とアーマチュア48が円筒形状をなすことで、その中心部に中央通路66,67を形成すると共に、コア47とアーマチュア48の外周部に軸方向に沿った切欠部68,69を形成して貫通路70,71を設け、この中央通路66,67及び貫通路70,71を燃料通路として用いている。従って、噴射弁移動手段を構成するコア47やアーマチュア48などを大型化することなく燃料通路を構成することができ、装置の小型化を図ることができる。
この場合、デリバリパイプ14の燃料が燃料供給路72からインジェクタ13に供給され、コア47やアーマチュア48の外側の貫通路70,71、ニードル弁49の外部通路64を通って噴射口45の近傍に至り、連通孔65からニードル弁49の内部通路63、コア47やアーマチュア48の内側の中央通路66,67を通って燃料排出路73からデリバリパイプ14に排出される。従って、燃料は燃料通路の往路のホルダ41やバルブボディ42などで受熱し、復路のニードル弁49などで放熱することとなり、ホルダ41及びバルブボディ42とニードル弁49との温度差を低減して噴射口45の膨張やニードル弁49の収縮による燃料噴射量の変動を抑制することができる。
また、デリバリパイプ14の内部を隔壁74により第1室75と第2室76とに区画し、第1室75に高圧ポンプ18が連結される第2燃料供給管19を連結する一方、第2室76にリリーフ弁25を有する燃料排出管24を連結し、第1室75の燃料をインジェクタ13の燃料供給路72に供給し、燃料排出路73から第2室76に燃料を戻すようにしている。従って、高圧ポンプ18によりデリバリパイプ14の第1室75に燃料を供給する一方、第2室76からリリーフ弁25により燃料を排出することで、第1室75と第2室76との間で燃料圧力の高低差を確保し、燃料をインジェクタ13の燃料通路に確実に循環することができ、高い冷却性能を確保することができる。
また、インジェクタ13にて、燃料導入管60の端部をデリバリパイプ14のフランジ部33に軸シールとしてのOリング78を介して連結し、リリーフパイプ61の端部を隔壁74に面シールとしてのOリング79を介して連結している。従って、デリバリパイプ14の内部と大気との間に高いシール性を確保することができると共に、一方を軸シール、他方を面シールとすることで、インジェクタ13とデリバリパイプ14との間に取付誤差があっても、良好なシール性を確保することができる。
図7は、本発明の実施例2に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの断面図、図8は、実施例2の内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の内燃機関の燃料噴射装置において、図8に示すように、インジェクタ13は、基端部がデリバリパイプ81に連結されており、高圧ポンプ18が第2燃料供給管19を介してデリバリパイプ81の一端部に連結され、デリバリパイプ81の他端部には、燃料排出管24の基端部が連結されている。そして、デリバリパイプ81には、燃料圧力を検出する燃圧センサ32が設けられ、検出した燃料圧力をECU26に出力している。
以下、インジェクタ13について説明するが、基本的な構成は上述した実施例1と同様であるため、相違点についてのみ説明する。図7及び図8に示すように、本実施例のインジェクタ13には、外部から供給された燃料を噴射口45の近傍まで循環してから外部に排出する燃料通路が設けられ、ニードル弁49によりこの燃料通路と噴射口45とを遮断可能であると共に、この燃料通路と噴射口45とを連通して燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口45から噴射可能としている。
即ち、ニードル弁49の内側に内部通路63が形成されると共に、ニードル弁49の外側に外部通路64が形成され、ニードル弁49の先端部に内部通路63と外部通路64を連通する2つの連通孔65が形成されている。また、コア47及びアーマチュア48の中心部に中央通路66,67が形成されると共に、外周部に貫通路70,71が形成されている。更に、燃料導入管82内に燃料供給路72が形成されると共に、燃料導入管82とリリーフパイプ83との間に燃料排出路73が形成されている。
一方、デリバリパイプ81は、一端部に第2燃料供給管19が連結される一方、他端部に燃料排出管24が連結されており、このデリバリパイプ14内にインジェクタ13における燃料供給路72と燃料排出路73が連通している。この場合、燃料供給側端部としての燃料導入管82の燃料導入口84が屈曲し、燃料流動方向上流側に向けて開口している。
従って、デリバリパイプ81からインジェクタ13の燃料導入口84を通って燃料供給路72に供給され、コア47及びアーマチュア48の中央通路66,67、ニードル弁49の内部通路63、連通孔65、外部通路64、コア47及びアーマチュア48の貫通路70,71、燃料排出路73を通ってデリバリパイプ81に排出される燃料通路が構成されることとなる。
このように構成された本実施例の内燃機関の燃料噴射装置において、燃料噴射停止時には、インジェクタ13のコイル57に非通電状態であるため、ニードル弁49は、圧縮コイルスプリング54の付勢力により先端のシール部52がバルブボディ42の弁座部55に密着することで、燃料通路を構成する外部通路64と噴射口45は連通せずに遮断されている。従って、デリバリパイプ81の燃料が、燃料供給路72からインジェクタ13に供給され、中央通路66,67、内部通路63、連通孔65、外部通路64、貫通路70,71を通って燃料排出路73からデリバリパイプ81に排出される。つまり、燃料がインジェクタ13の噴射口45の近傍まで循環することとなり、ホルダ41の先端部やバルブボディ42を確実に冷却することができる。
一方、燃料噴射時には、インジェクタ13のコイル57に通電するため、ニードル弁49は電磁吸引力により所定のリフト量Sだけ移動し、先端のシール部52がバルブボディ42の弁座部55から離間することで、燃料通路を構成する外部通路64と噴射口45が連通する。従って、デリバリパイプ81の燃料が、燃料供給路72からインジェクタ13に供給され、中央通路66,67、内部通路63、連通孔65、外部通路64、貫通路70,71を通って燃料排出路73からデリバリパイプ81に排出されると共に、外部通路64まで循環した燃料の一部が噴射口45から燃焼室11に噴射される。つまり、燃料がインジェクタ13の噴射口45の近傍まで循環し、所定圧力の燃料を所定量だけ噴射口45から燃焼室11に噴射することができると共に、余剰燃料をデリバリパイプ81に排出し、ホルダ41の先端部やバルブボディ42を確実に冷却することができる。
このように実施例2の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、デリバリパイプ81にインジェクタ13の基端部を連結し、このインジェクタ13に、デリバリパイプ81の燃料をバルブボディ42の先端部に形成された噴射口45の近傍まで循環してからデリバリパイプ14に戻す燃料通路を設け、ニードル弁49によりこの燃料通路と噴射口45とを遮断して燃料を噴射口45の近傍まで常時循環可能とすると共に、この燃料通路と噴射口45とを連通して燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口45から燃焼室11に噴射可能としている。
従って、常時、デリバリパイプ81の燃料を燃料通路を通して噴射口45の近傍まで循環し、燃料噴射時には、燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口45から燃焼室11に噴射することができると共に、余剰燃料をデリバリパイプ81に戻ることができ、循環する燃料により噴射口45の近傍を確実に冷却することができる。その結果、燃料を噴射するための通路と噴射口45の近傍を冷却するための通路を燃料通路として共用化することで、構造の簡素化を可能とすることができると共に、装置の小型化を可能とすることができる一方で、常時燃料通路に燃料を流動して噴射口45の近傍を冷却することができ、インジェクタ13の冷却性能を向上することができる。
また、インジェクタ13における燃料導入管82の燃料導入口84を、デリバリパイプ81内にて燃料流動方向上流側に向けて開口している。従って、燃料供給路72にデリバリパイプ81内を流動する燃料の動圧を作用させ、燃料排出路73に静圧を作用させることで、デリバリパイプ81におけるインジェクタ13の上流側と下流側で圧力差を確保することができ、デリバリパイプ81を複雑な形状とすることなく、簡単構成で燃流通路に確実に燃料を循環することができる。
この場合、デリバリパイプ81の燃料が燃料供給路72からインジェクタ13に供給され、コア47及びアーマチュア48の内側の中央通路66,67、ニードル弁49の内部通路63を通って噴射口45の近傍に至り、連通孔65からニードル弁49の外部通路64、コア47及びアーマチュア48の外側の貫通路70,71を通って燃料排出路73からデリバリパイプ81に排出される。従って、低温の燃料を噴射口45の近傍に循環することができ、冷却性能を向上することができる。
図9は、本発明の実施例3に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3の内燃機関の燃料噴射装置において、図9に示すように、インジェクタ91は、基端部がデリバリパイプ92に連結されており、このデリバリパイプ92の一端部に図示しない燃料供給管が連結され、他端部に図示しない燃料排出管が連結されている。このインジェクタ91において、ホルダ93の先端部にバルブボディ94が固定されており、バルブボディ94の先端側にサック部95及び噴射口96が形成されている。ホルダ93の後端部には磁性パイプ97が固定されており、この磁性パイプ97内にコア98が固定されると共に、このコア98の先端側にアーマチュア99が軸方向に移動自在に支持されている。この場合、ホルダ93、バルブボディ94、磁性パイプ97などにより噴射装置本体が構成される。
噴射弁としてのニードル弁100はホルダ93及びバルブボディ94内に軸心方向に沿って移動自在に配設され、後端部がアーマチュア99の先端部に連結される一方、先端部がバルブボディ94内に周方向に所定間隔で隙間をもって嵌入している。また、ニードル弁100は先端部にシール部101が形成される一方、コア98内に装着されたアジャストパイプ102とアーマチュア99との間には圧縮コイルスプリング103が介装されており、ニードル弁100はシール部101がバルブボディ94の弁座部104に当接するように付勢支持されている。
磁性パイプ97の外側にはボビン105を介してコイル106が巻回され、このコイル106の外側にコネクタ107が形成され、このコネクタ107の外側に磁性材料からなるヨーク108が固定されている。この場合、圧縮コイルスプリング103、コア98、アーマチュア99、ボビン105、コイル106、コネクタ107、ヨーク108などにより噴射弁移動手段が構成される。従って、コイル106に通電すると、コア98に電磁吸引力が発生し、圧縮コイルスプリング103の付勢力に抗してアーマチュア99及びニードル弁100を後端側(図9にて上側)に移動し、シール部101をバルブボディ94の弁座部104から離間させることができる。
また、磁性パイプ97の後端部には燃料導入管109が連結され、この燃料導入管109の端部がOリング110を介してデリバリパイプ92のフランジ部92aに連結されており、燃料導入管109の内部に燃料フィルタ111が取付けられている。
本実施例のインジェクタ91には、外部から供給された燃料を噴射口96の近傍まで循環してから外部に排出する燃料通路が設けられ、ニードル弁100によりこの燃料通路と噴射口96とを遮断可能であると共に、この燃料通路と噴射口96とを連通して燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口96から噴射可能としている。
即ち、ニードル弁100の外側に外部通路112が形成され、ホルダ93に燃料排出路113が形成され、バルブボディ94の先端部に外部通路112と燃料排出路113を連通する連通孔114が形成されている。また、噴射弁移動手段を構成するコア98とアーマチュア99の中心部に中央通路115,116が形成されると共に、中央通路116と外部通路112とを連通する連通孔117が形成されている。更に、燃料導入管109内に貫通路としての燃料供給路118が形成されている。なお、燃料排出路113の先端部はデリバリパイプ92または燃料排出管に連結されている。
従って、デリバリパイプ92からインジェクタ91の燃料供給路118に供給され、コア98及びアーマチュア99の中央通路115,116、連通孔117、ニードル弁100の外部通路112、連通孔114、燃料排出路113を通ってデリバリパイプ92に排出される燃料通路が構成されることとなる。
このように構成された本実施例の内燃機関の燃料噴射装置において、燃料噴射停止時には、インジェクタ91のコイル106に非通電状態であるため、ニードル弁100は、圧縮コイルスプリング103の付勢力によりシール部101が弁座部104に密着することで、燃料通路を構成する外部通路112と噴射口96は連通せずに遮断されている。従って、デリバリパイプ92の燃料が、燃料供給路118からインジェクタ91に供給され、中央通路115、116、連通孔117、ニードル弁100の外部通路112、連通孔114を通って燃料排出路113からデリバリパイプ92に排出される。つまり、燃料がインジェクタ91の噴射口96の近傍まで循環することとなり、ホルダ93の先端部やバルブボディ94を確実に冷却することができる。
一方、燃料噴射時には、インジェクタ91のコイル106に通電するため、ニードル弁100は電磁吸引力により移動し、シール部101が弁座部104から離間することで、燃料通路を構成する外部通路112と噴射口96が連通する。従って、デリバリパイプ91の燃料が、燃料供給路118からインジェクタ91に供給され、中央通路115,116、連通孔117、ニードル弁100の外部通路112、連通孔114を通って燃料排出路113からデリバリパイプ92に排出されると共に、外部通路112まで循環した燃料の一部が噴射口96から燃焼室11に噴射される。つまり、燃料がインジェクタ91の噴射口96の近傍まで循環し、所定圧力の燃料を所定量だけ噴射口96から燃焼室11に噴射することができると共に、余剰燃料をデリバリパイプ92に排出し、ホルダ93の先端部やバルブボディ94を確実に冷却することができる。
このように実施例3の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、デリバリパイプ92にインジェクタ91の基端部を連結し、このインジェクタ91に、デリバリパイプ92の燃料をバルブボディ94の先端部に形成された噴射口96の近傍まで循環してからデリバリパイプ92に戻す燃料通路を設け、ニードル弁100によりこの燃料通路と噴射口96とを遮断して燃料を噴射口96の近傍まで常時循環可能とすると共に、この燃料通路と噴射口96とを連通して燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口96から燃焼室11に噴射可能としている。
従って、常時、デリバリパイプ92の燃料を燃料通路を通して噴射口96の近傍まで循環し、燃料噴射時には、燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口96から燃焼室11に噴射することができると共に、余剰燃料をデリバリパイプ92に戻ることができ、循環する燃料により噴射口96の近傍を確実に冷却することができる。その結果、燃料を噴射するための通路と噴射口96の近傍を冷却するための通路を燃料通路として共用化することで、構造の簡素化を可能とすることができると共に、装置の小型化を可能とすることができる一方で、常時燃料通路に燃料を流動して噴射口96の近傍を冷却することができ、インジェクタ91の冷却性能を向上することができる。
また、デリバリパイプ92の燃料が燃料供給路118からインジェクタ91に供給され、コア98及びアーマチュア99の中央通路115,116、ニードル弁100の外部通路112を通って噴射口96の近傍に至り、連通孔114からホルダ93の燃料排出路113を通してデリバリパイプ92に排出している。従って、噴射口96の近傍まで循環した燃料をインジェクタ91の側部から排出することとなり、燃料通路を簡素化してインジェクタ91の小型化を可能とすることができる。
なお、上述した実施例1、2、3では、ニードル弁を中空形状として内部通路及び外部通路を設けたり、バルブボディに燃料排出路を設けたりすることで、燃料通路の往路及び復路を構成したが、これらの構成に限定されるものではなく、ニードル弁の内部通路または外部通路を仕切板により2つ通路に区画してもよい。また、燃料供給側と燃料排出側を逆にしてもよい。
図10は、本発明の実施例4に係る内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図、図11は、実施例4の内燃機関の燃料噴射装置の変形例を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4の内燃機関の燃料噴射装置において、図10に示すように、各インジェクタ13は、基端部がデリバリパイプ14に連結されており、デリバリパイプ14内の燃料を噴射することができる。ここで、インジェクタ13及びデリバリパイプ14は、上述した実施例1で説明したものと同様のものとなっている。燃料タンク15は所定量の燃料を貯留可能であり、内部に低圧フィードポンプ16が装着されている。そして、この低圧フィードポンプ16は、燃料供給管17を介してデリバリパイプ14の第1室75に連結され、デリバリパイプ14の第2室76には燃料排出管24の基端部が連結され、この燃料排出管24には燃料を空冷により冷却する冷却する燃料クーラ(燃料冷却手段)121が装着されている。
従って、低圧フィードポンプ16を駆動することで、燃料タンク16内の燃料を燃料供給管17を介してデリバリパイプ14に供給し、デリバリパイプ14の燃料を各インジェクタ13の燃料通路を通して噴射口の近傍まで循環し、燃料噴射時には、燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口から燃焼室に噴射し、余剰燃料をデリバリパイプ14に戻すことで、常時循環する燃料により噴射口の近傍を冷却する。このとき、低圧フィードポンプ16の吐出量を制御することで、各インジェクタ13の燃料通路における燃料循環量が調整される。また、デリバリパイプ14から燃料排出路24を通って燃料タンク15に戻る燃料は、燃料クーラ121により冷却される。
また、実施例4の内燃機関の燃料噴射装置の変形例において、図11に示すように、各インジェクタ13は、基端部がデリバリパイプ81に連結されており、デリバリパイプ81内の燃料を噴射することができる。ここで、インジェクタ13及びデリバリパイプ81は、上述した実施例2で説明したものと同様のものとなっている。燃料タンク15は所定量の燃料を貯留可能であり、内部に低圧フィードポンプ16が装着されている。そして、この低圧フィードポンプ16は、燃料供給管17を介してデリバリパイプ81の一端部に連結され、デリバリパイプ14の他端部には燃料排出管24の基端部が連結され、この燃料排出管24には燃料を空冷により冷却する燃料クーラ121が装着されている。
従って、低圧フィードポンプ16を駆動することで、燃料タンク16内の燃料を燃料供給管17を介してデリバリパイプ81に供給し、デリバリパイプ81の燃料をその動圧により燃料導入口84から各インジェクタ13に導入し、各燃料通路を通して噴射口の近傍まで循環し、燃料噴射時には、燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口から燃焼室に噴射し、余剰燃料をデリバリパイプ81に戻すことで、常時循環する燃料により噴射口の近傍を冷却する。このとき、低圧フィードポンプ16の吐出量を制御することで、各インジェクタ13の燃料通路における燃料循環量が調整される。また、デリバリパイプ81から燃料排出路24を通って燃料タンク15に戻る燃料は、燃料クーラ121により冷却される。
このように実施例4の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、インジェクタ13の基端部をデリバリパイプ14,81に連結し、低圧フィードポンプ16を燃料供給管17を介してデリバリパイプ14,81に連結すると共に、このデリバリパイプ14,81に燃料排出管24を連結し、この燃料排出管24に冷却する燃料クーラ121を装着している。
従って、低圧フィードポンプ16を駆動してデリバリパイプ14,81に燃料を供給することで、デリバリパイプ14,81の燃料を各インジェクタ13の燃料通路を通して噴射口の近傍まで常時循環し、噴射口の近傍を冷却することができ、インジェクタ13の冷却性能を向上することができる。また、低圧フィードポンプ16の吐出量を制御することで、各インジェクタ13の燃料通路を循環する燃料量を容易に調整することができる。更に、デリバリパイプ14,81から燃料排出路24を通って燃料タンク15に戻る燃料が燃料クーラ121により冷却されることで、燃料系を循環する燃料温度を低下させ、インジェクタ13の冷却性能を更に向上することができると共に、燃料揮発分の発生を抑制することができる。
図12は、本発明の実施例5に係る内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図、図13は、高圧ポンプの概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例5の内燃機関の燃料噴射装置において、図12に示すように、高圧インジェクタ13aは、基端部がデリバリパイプ14aに連結されており、デリバリパイプ14a内の高圧燃料を燃焼室に噴射することができる。低圧インジェクタ13bは、基端部がデリバリパイプ14bに連結されており、デリバリパイプ14b内の低圧燃料を吸気ポートに噴射することができる。
燃料タンク15は所定量の燃料を貯留可能であり、内部に低圧フィードポンプ16が装着されている。この低圧フィードポンプ16は、第1燃料供給管17aを介して高圧ポンプ18が連結され、この高圧ポンプ18は第2燃料供給管19を介してデリバリパイプ14aの一端部に連結されている。この高圧ポンプ18はカムシャフト20により駆動可能であり、第2燃料供給管19には逆止弁21が装着されている。なお、第1燃料供給管17aには燃料を燃料タンク15に戻す返送管22が設けられ、この返送管22に逆止弁23が装着されている。また、デリバリパイプ14aの他端部には、第1燃料排出管24aの基端部が連結され、この第1燃料排出管24aの先端部は燃料タンク16に連結されており、この燃料排出管24aにはリリーフ弁25aが装着されている。一方、第1燃料供給管17aから分岐した第3燃料供給管17bはデリバリパイプ14bの一端部に連結され、デリバリパイプ14bの他端部には、第2燃料排出管24bの基端部が連結され、この第2燃料排出管24bの先端部は第1燃料排出管24aに連結され、この第2燃料排出管24bにはリリーフ弁25bが装着されている。
なお、高圧ポンプ18において、図13に示すように、ケーシング131にはプランジャ132が移動自在に支持されており、燃料を加圧するための圧力室133が形成されている。このプランジャ132は、図示しないスプリングにより圧力室133が拡大する方向に付勢支持されると共に、カムシャフト20に形成されたカム134に押圧されることで、圧力室133を縮小することができる。ケーシング131の上部には、第1燃料供給管17aに連通して低圧燃料を吸入する吸入口135が形成されると共に、加圧燃料を第2燃料供給管19に吐出する吐出口136が形成されている。また、ケーシング131の上部には、吸入口135を開閉する調量弁137が設けられており、この調量弁137は電磁スピル弁であり、通電時に吸入口135を閉じることができる。
従って、カムシャフト20が回転してカム134によりプランジャ132が下降するとき、調量弁137により吸入口135を開放すると、低圧燃料を圧力室133内に吸入することができ、カムシャフト20が回転してカム134によりプランジャ132が上昇するとき、調量弁137により吸入口135を閉止すると、圧力室133内の低圧燃料が所定圧力まで加圧されて吐出口136から圧送することができる。
このように構成された本実施例の内燃機関の燃料噴射装置にて、低圧フィードポンプ16及び高圧ポンプ18を駆動することで、高圧燃料をデリバリパイプ14aに供給し、デリバリパイプ14aの燃料を各高圧インジェクタ13aの燃料通路を通して噴射口の近傍まで循環し、燃料噴射時には、燃料通路を流れる高圧燃料の一部を噴射口から燃焼室に噴射し、余剰燃料をデリバリパイプ14aに戻すことで、常時循環する燃料により噴射口の近傍を冷却する。また、低圧フィードポンプ16を駆動することで、低圧燃料をデリバリパイプ14bに供給し、デリバリパイプ14bの燃料を各低圧インジェクタ13bの燃料通路を通して噴射口の近傍まで循環し、燃料噴射時には、燃料通路を流れる低圧燃料の一部を噴射口から吸気ポートに噴射し、余剰燃料をデリバリパイプ14bに戻すことで、常時循環する燃料により噴射口の近傍を冷却する。
また、本実施例では、車両の運転状態により高圧インジェクタ13aにより燃焼室に燃料を噴射するか、低圧インジェクタ13bにより燃料を吸気ポートに噴射するか切換可能となっている。例えば、エンジンの高温始動時には、高圧ポンプ18を停止し、低圧フィードポンプ16を駆動することで、低圧燃料を各デリバリパイプ14a,14bに供給し、デリバリパイプ14a,14bの燃料を各インジェクタ13a,13bの燃料通路を通して噴射口の近傍まで循環することで、各インジェクタ13a,13bの先端部を冷却し、低圧インジェクタ14bの燃料通路を流れる低圧燃料の一部を噴射口から吸気ポートに噴射する。この場合、高圧ポンプ18が停止状態であっても、調量弁137を開放状態とすることで、低圧燃料を高圧インジェクタ13aに供給することができる。
また、エンジンの高負荷高回転時には、高圧インジェクタ13aによる燃焼室への燃料噴射を休止し、低圧インジェクタ13bによる吸気ポートへの燃料噴射を実行するため、この場合であっても、前述と同様に、高圧ポンプ18を停止し、低圧フィードポンプ16を駆動することで、低圧燃料を各デリバリパイプ14a,14bから各インジェクタ13a,13bの燃料通路を通して噴射口の近傍まで循環することで、各インジェクタ13a,13bの先端部を冷却する。この場合、低圧フィードポンプ16の吐出量を制御することで、各インジェクタ13a,13bの燃料通路における燃料循環量が調整される。
このように実施例5の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、高圧ポンプ18と高圧インジェクタ13aとデリバリパイプ14aにより構成される高圧燃料噴射系と、低圧フィードポンプ16と低圧インジェクタ13bとデリバリパイプ14bにより構成される低圧燃料噴射系とを設け、高圧燃料噴射系の休止時には、高圧ポンプ18を停止して低圧フィードポンプ16を駆動することで、低圧燃料を各デリバリパイプ14a,14bから各インジェクタ13a,13bの燃料通路を通して噴射口の近傍まで循環し、各インジェクタ13a,13bの先端部を冷却するようにしている。
従って、常時、燃料を全てのインジェクタ13a,13bの燃料通路を通して噴射口の近傍まで循環することで、噴射口の近傍を確実に冷却することができ、インジェクタ13a,13bの冷却性能を向上することができる。特に、高圧燃料噴射系の休止時には、高圧インジェクタ13aの先端部が燃焼室の燃焼ガスにより加熱されるため、この高圧インジェクタ13aの先端部を適正に冷却することができる。
また、低圧フィードポンプ16の吐出量を制御することで、各インジェクタ13a,13bの燃料通路を循環する燃料量を容易に調整することができる。
図14は、本発明の実施例6に係る内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図、図15は、実施例6の内燃機関の燃料噴射装置の変形例を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例6の内燃機関の燃料噴射装置において、図14に示すように、各インジェクタ13は、基端部がデリバリパイプ14に連結されており、デリバリパイプ14内の燃料を噴射することができる。ここで、インジェクタ13及びデリバリパイプ14は、上述した実施例1で説明したものと同様のものとなっている。燃料タンク15には低圧フィードポンプ16が装着され、第1燃料供給管17を介して高圧ポンプ18に連結され、高圧ポンプ18は第2燃料供給管19を介してデリバリパイプ14の第1室75に連結される一方、デリバリパイプ14の第2室76には燃料排出管24の基端部が連結され、この燃料排出管24に電磁リリーフ弁141が装着されている。
従って、低圧フィードポンプ16及び高圧ポンプ18を駆動することで、燃料タンク16内の燃料を燃料供給管17,19を介してデリバリパイプ14に供給し、デリバリパイプ14の燃料を各インジェクタ13の燃料通路を通して噴射口の近傍まで循環し、燃料噴射時には、燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口から燃焼室に噴射し、余剰燃料をデリバリパイプ14に戻すことで、常時循環する燃料により噴射口の近傍を冷却する。このとき、電磁リリーフ弁141のリリーフ圧を調整してデリバリパイプ14の燃料圧力を変更することで、各インジェクタ13の燃料通路における燃料循環量が調整される。
また、実施例6の内燃機関の燃料噴射装置の変形例において、図15に示すように、各インジェクタ13は、基端部がデリバリパイプ81に連結されており、デリバリパイプ81内の燃料を噴射することができる。ここで、インジェクタ13及びデリバリパイプ81は、上述した実施例2で説明したものと同様のものとなっている。燃料タンク15には低圧フィードポンプ16が装着され、第1燃料供給管17を介して高圧ポンプ18に連結され、高圧ポンプ18は第2燃料供給管19を介してデリバリパイプ81の一端部に連結される一方、デリバリパイプ81の他端部には燃料排出管24の基端部が連結され、この燃料排出管24に電磁リリーフ弁141が装着されている。
従って、低圧フィードポンプ16及び高圧ポンプ18を駆動することで、燃料タンク16内の燃料を燃料供給管17,19を介してデリバリパイプ81に供給し、デリバリパイプ81の燃料を各インジェクタ13の燃料通路を通して噴射口の近傍まで循環し、燃料噴射時には、燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口から燃焼室に噴射し、余剰燃料をデリバリパイプ81に戻すことで、常時循環する燃料により噴射口の近傍を冷却する。このとき、電磁リリーフ弁141のリリーフ圧を調整してデリバリパイプ81の燃料圧力を変更することで、各インジェクタ13の燃料通路における燃料循環量が調整される。
このように実施例6の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、インジェクタ13の基端部をデリバリパイプ14,81に連結し、低圧フィードポンプ16及び高圧ポンプ18を燃料供給管17,19を介してデリバリパイプ14,81に連結すると共に、このデリバリパイプ14,81に燃料排出管24を連結し、この燃料排出管24に電磁リリーフ弁141を装着している。
従って、低圧フィードポンプ16及び高圧ポンプ18を駆動してデリバリパイプ14,81に燃料を供給することで、デリバリパイプ14,81の燃料を各インジェクタ13の燃料通路を通して噴射口の近傍まで常時循環し、噴射口の近傍を冷却することができ、インジェクタ13の冷却性能を向上することができる。また、電磁リリーフ弁141のリリーフ圧を調整してデリバリパイプ14,81の燃料圧力を変更することで、各インジェクタ13の燃料通路を循環する燃料量を容易に調整することができる。
図16は、本発明の実施例7に係る内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図、図17は、実施例7の内燃機関の燃料噴射装置の変形例を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例7の内燃機関の燃料噴射装置において、図16に示すように、各インジェクタ13は、基端部がデリバリパイプ14に連結され、デリバリパイプ14内の燃料を噴射することができる。ここで、インジェクタ13及びデリバリパイプ14は、上述した実施例1で説明したものと同様のものとなっている。燃料タンク15には低圧フィードポンプ16が装着され、第1燃料供給管17を介して高圧ポンプ18に連結され、高圧ポンプ18は第2燃料供給管19を介してデリバリパイプ14の第1室75に連結されている。一方、デリバリパイプ14の第2室76には燃料排出管24の基端部が連結され、この燃料排出管24の先端部は高圧ポンプ18の吸入口側に連結されており、燃料排出管24には電磁リリーフ弁141が装着されている。
従って、低圧フィードポンプ16及び高圧ポンプ18を駆動すると、燃料タンク15内の燃料を燃料供給管17,19を介してデリバリパイプ14に供給し、デリバリパイプ14の燃料を各インジェクタ13の燃料通路を通して噴射口の近傍まで循環し、燃料噴射時には、燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口から燃焼室に噴射し、余剰燃料をデリバリパイプ14に戻すことで、常時循環する燃料により噴射口の近傍を冷却する。そして、デリバリパイプ14内の燃料は、電磁リリーフ弁141の開放時に燃料排出管24に排出され、この燃料排出管24を通って高圧ポンプ18の吸入口側に戻される。
実施例7の内燃機関の燃料噴射装置の変形例において、図17に示すように、デリバリパイプ14の第2室76には燃料排出管24の基端部が連結され、この燃料排出管24の先端部は低圧フィードポンプ16の吸入口側に連結されている。従って、デリバリパイプ14内の燃料は、電磁リリーフ弁141の開放時に燃料排出管24に排出され、この燃料排出管24を通って低圧フィードポンプ16の吸入口側に戻される。
このように実施例7の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、デリバリパイプ14に燃料排出管24を連結し、この燃料排出管24を高圧ポンプ18または低圧フィードポンプ16の吸入口側に連結している。従って、デリバリパイプ14の燃料は燃料排出管24に排出され、この燃料排出管24を通して各ポンプ18,16の吸入口側に戻されることとなり、燃料タンク15に戻す燃料量を減少することで燃料タンク15で発生する燃料揮発分を低減することができる。また、燃料排出管24を高圧ポンプ18の吸入口側に連結した場合には、燃料の戻し経路が短縮することで、循環される燃料の温度差が減少し、噴射口の近傍を適正に冷却することができる。
図18は、本発明の実施例8に係る内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図、図19は、実施例8の内燃機関の燃料噴射装置の変形例を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例8の内燃機関の燃料噴射装置において、図18に示すように、各インジェクタ13は、基端部がデリバリパイプ14に連結され、デリバリパイプ14内の燃料を噴射することができる。ここで、インジェクタ13及びデリバリパイプ14は、上述した実施例1で説明したものと同様のものとなっている。燃料タンク15には低圧フィードポンプ16が装着され、第1燃料供給管17を介して高圧ポンプ18に連結され、高圧ポンプ18は第2燃料供給管19を介してデリバリパイプ14の第1室75に連結されている。一方、デリバリパイプ14の第2室76には燃料排出管24の基端部が連結され、この燃料排出管24の先端部は切換弁151を介して2つの分岐通路152,153に分岐され、第1分岐通路152は燃料タンク15に連結され、第2分岐通路153は高圧ポンプ18の吸入口側に連結されている。
従って、低圧フィードポンプ16及び高圧ポンプ18を駆動すると、燃料タンク15内の燃料を燃料供給管17,19を介してデリバリパイプ14に供給し、デリバリパイプ14の燃料を各インジェクタ13の燃料通路を通して噴射口の近傍まで循環し、燃料噴射時には、燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口から燃焼室に噴射し、余剰燃料をデリバリパイプ14に戻ることで、常時循環する燃料により噴射口の近傍を冷却する。そして、デリバリパイプ14内の燃料は、電磁リリーフ弁141の開放時に燃料排出管24に排出され、この燃料排出管24を通って燃料タンク15または高圧ポンプ18の吸入口側に戻される。
この場合、エンジンの低温始動時などエンジン水温が低いときには、切換弁151により燃料排出管24と第1分岐通路152を連通し、燃料を燃料タンク15に戻して燃料温度を上昇させることで、燃焼効率を向上させる。一方、エンジンの高負荷運転などエンジン水温が高いときには、切換弁151により燃料排出管24と第2分岐通路153を連通し、燃料を高圧ポンプ18の吸入口側に戻して燃料タンク15に戻す燃料量を減少することで、燃料タンク15で発生する燃料揮発分を低減することができる。
実施例8の内燃機関の燃料噴射装置の変形例において、図19に示すように、燃料排出管24の先端部は流量調整弁154を介して2つの分岐通路152,153に分岐され、第1分岐通路152は燃料タンク15に連結され、第2分岐通路153は高圧ポンプ18の吸入口側に連結されている。従って、エンジン水温が低いときには、流量調整弁154の開度を調整し、燃料の多くを燃料タンク15に戻して燃料温度を上昇させることで、燃焼効率を向上させる。一方、エンジン水温が高いときには、流量調整弁154の開度を調整し、燃料の多くを高圧ポンプ18の吸入口側に戻して燃料タンク15に戻す燃料量を減少することで、燃料タンク15で発生する燃料揮発分を低減することができる。そして、デリバリパイプ14を流れる燃料の温度が一定となるように流量調整弁154の開度を調整することで、各種の制御を容易に行うことができる。
このように実施例8の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、デリバリパイプ14に燃料排出管24を連結し、この燃料排出管24を切換弁151または流量調整弁154により2つの分岐通路152,153に分岐し、第1分岐通路152を燃料タンク15に連結し、第2分岐通路153を高圧ポンプ18の吸入口側に連結している。従って、エンジンの運転状態に応じて切換弁151を切換えたり、流量調整弁154の開度を調整することで、燃料温度を適正に維持して燃焼効率を向上することができると共に、燃料タンク15で発生する燃料揮発分を低減することができる。
図20は、本発明の実施例9に係る内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例9の内燃機関の燃料噴射装置において、図20に示すように、高圧インジェクタ13aは、基端部がデリバリパイプ14aに連結されており、デリバリパイプ14a内の高圧燃料を燃焼室に噴射することができる。低圧インジェクタ13bは、基端部がデリバリパイプ14bに連結されており、デリバリパイプ14b内の低圧燃料を吸気ポートに噴射することができる。
そして、燃料タンク15内部に装着された低圧フィードポンプ16は、第1燃料供給管17aを介して高圧ポンプ18に連結され、高圧ポンプ18は第2燃料供給管19を介してデリバリパイプ14aに連結されている。そして、デリバリパイプ14aは、第1燃料排出管24aを介して低圧フィードポンプ16の吸入口側に連結されている。また、第1燃料供給管17aから分岐した第3燃料供給管17bはデリバリパイプ14bに連結され、デリバリパイプ14bは、第2燃料排出管24bを介して第1燃料排出管24aに連結されている。
従って、エンジンの高温始動時には、高圧ポンプ18を停止して低圧フィードポンプ16を駆動することで、低圧燃料を各デリバリパイプ14a,14bに供給し、デリバリパイプ14a,14bの燃料を各インジェクタ13a,13bの燃料通路を通して噴射口の近傍まで循環することで、各インジェクタ13a,13bの先端部を冷却し、低圧インジェクタ13bの燃料通路を流れる低圧燃料の一部を噴射口から吸気ポートに噴射する。この場合、低圧フィードポンプ16の吐出量を制御することで、各インジェクタ13a,13bの燃料通路における燃料循環量が調整される。また、デリバリパイプ14a,14b内の燃料は、リリーフ弁25a,25bから燃料排出管24a,24bに排出され、この燃料排出管24aを通って低圧フィードポンプ16の吸入口側に戻される。
このように実施例9の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、高圧ポンプ18と高圧インジェクタ13aとデリバリパイプ14aにより構成される高圧燃料噴射系と、低圧フィードポンプ16と低圧インジェクタ13bとデリバリパイプ14bにより構成される低圧燃料噴射系とを設け、高圧燃料噴射系の休止時には、高圧ポンプ18を停止して低圧フィードポンプ16を駆動することで、低圧燃料を各デリバリパイプ14a,14bから各インジェクタ13a,13bの燃料通路を通して噴射口の近傍まで循環し、各インジェクタ13a,13bの先端部を冷却するようにし、余剰燃料を燃料排出管24a,24bにより低圧フィードポンプ16の吸入口側に戻すようにしている。
従って、常時、燃料を全てのインジェクタ13a,13bの燃料通路を通して噴射口の近傍まで循環することで、噴射口の近傍を確実に冷却することができ、インジェクタ13a,13bの冷却性能を向上することができ、低圧フィードポンプ16の吐出量を制御することで、各インジェクタ13a,13bの燃料通路を循環する燃料量を容易に調整することができる。また、余剰燃料を低圧フィードポンプ16の吸入口側に戻すことで、燃料タンク15に戻す燃料量を減少して燃料タンク15で発生する燃料揮発分を低減することができる。
図21は、本発明の実施例10に係る内燃機関の燃料噴射装置における燃料循環制御のフローチャートである。なお、本実施例の内燃機関の燃料噴射装置における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1及び図6を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例10の内燃機関の燃料噴射装置における燃料循環制御において、図21に示すように、ステップS1では、インジェクタ13の先端部の受熱量を推定し、ステップS2では、推定したインジェクタ13の先端部の受熱量に基づいて燃料循環量を設定する。この場合、ステップS1では、インジェクタ13の先端部の受熱量は、エンジンからの受熱量と燃料噴射による放熱量の偏差から算出し、エンジンからの受熱量は、エンジン回転数と負荷に基づいて算出する。また、燃料噴射装置が、上述した実施例5のように、高圧燃料噴射系と低圧燃料噴射系を有している場合には、高圧燃料噴射系と低圧燃料噴射系との燃料噴射割合に応じてインジェクタ13の先端部の受熱量を補正するとよい。そして、ステップS2では、算出したインジェクタ13の先端部の受熱量に基づいて燃料循環量を設定するが、この場合、予めインジェクタ13の先端部の受熱量に対する燃料循環量のマップを記憶しており、このマップを用いて燃料循環量を設定すればよい。
続いて、ステップS3では、燃料循環量に基づいて低圧フィードポンプ16及び高圧ポンプ18を駆動制御し、燃料吐出量を調整する。これによってエンジン運転状態に応じた燃料量を燃料通路に供給してインジェクタ13の先端部を冷却することができる。
また、ステップS4では、エンジンが停止されたかどうかを判定し、エンジンが作動中であれば、この燃料循環量の制御を継続して行う。一方、ステップS4にて、エンジンが停止されと判定されたら、ステップS5にて、エンジン水温が予め設定された所定値よりも高いかどうかを判定する。ここで、エンジン水温が所定値以下であれば、何もしないでエンジンを停止する。一方、ステップS5にて、エンジン水温が所定値よりも高いと判定されたら、ステップS6にて、低圧フィードポンプ16を駆動し、ステップS7にて、タイマをスタートさせる。そして、ステップS8にて、エンジンが停止してから所定時間が経過したことが確認されたら、ステップS9にて、低圧フィードポンプ16を停止し、ステップS10にて、タイマをリセットする。
即ち、エンジンが停止したときに、エンジン水温が所定値よりも高いときには、インジェクタ13の先端部の温度が高く、デポジットが堆積しやすいと判断されるため、所定時間だけ低圧フィードポンプ16を駆動することで、インジェクタ13の燃料通路に燃料を循環させることで、インジェクタ13の先端部を冷却するようにしている。
なお、この実施例10では、エンジンが停止してから所定時間が経過したら低圧フィードポンプ16を停止するようにしたが、エンジン水温が所定値以下になってから低圧フィードポンプ16を停止するようにしてもよい。
このように実施例10の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、インジェクタ13の先端部の受熱量を推定し、推定したインジェクタ13の先端部の受熱量に基づいて燃料通路への燃料循環量を設定するようにしている。従って、所定量の燃料をインジェクタ13の燃料通路を通して噴射口の近傍まで循環させることで、噴射口の近傍を確実に冷却することができ、インジェクタ13の先端部の温度がデポジットの生成温度域となるのを事前に防止することができると共に、ニードル弁49や噴射口45の膨張や収縮による燃料噴射量の変動を抑制することができる。
図22は、本発明の実施例11に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの断面図、図23は、図22のXXIII−XXIII断面図、図24は、図22のXXIV−XXIV断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例11の内燃機関の燃料噴射装置のインジェクタ13において、図22乃至図24に示すように、ホルダ41の先端部にバルブボディ42が固定され、バルブボディ42の先端側に噴射口45が形成されている。このホルダ41の後端部には磁性パイプ161が固定され、磁性パイプ161内に円筒形状をなすコア162が嵌合して固定されると共に、このコア162の先端側に円筒形状をなすアーマチュア163が所定の隙間を開けて軸方向に移動自在に支持されている。そして、ニードル弁49がホルダ41及びバルブボディ42内に軸心方向に沿って移動自在に配設され、連結部51がアーマチュア163に連結される一方、弁本体50がバルブボディ42内に嵌入している。また、ニードル弁49は先端部にシール部52が形成されており、圧縮コイルスプリング54の付勢力によりシール部52がバルブボディ42の弁座部55に当接するように支持されている。
磁性パイプ161の外側にボビン56を介してコイル57が巻回され、コイル57の外側にコネクタ58が形成され、このコネクタ58の外側にヨーク59が固定されている。この場合、圧縮コイルスプリング54、コア162、アーマチュア163、ボビン56、コイル57、コネクタ58、ヨーク59などにより噴射弁移動手段が構成される。従って、コイル57に通電すると、コア162に電磁吸引力が発生し、圧縮コイルスプリング54の付勢力に抗してアーマチュア163及びニードル弁49を後端側に移動し、シール部52を弁座部55から離間させることができる。
本実施例のインジェクタ13には、外部から供給された燃料を噴射口45の近傍まで循環してから外部に排出する燃料通路が設けられ、ニードル弁49によりこの燃料通路と噴射口45とを遮断可能であると共に、この燃料通路と噴射口45とを連通して燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口45から噴射可能としている。
即ち、ニードル弁49が中空形状をなすことで、内部通路63と外部通路64が形成され、この内部通路63と外部通路64を連通する2つの連通孔65が形成されている。また、噴射弁移動手段を構成するコア162とアーマチュア163が円筒形状をなすことで、その中心部には中央通路164,165が形成されると共に、その外周部に軸方向に沿って切欠部166,167が形成されることで、貫通路168,169が形成されている。更に、燃料導入管60とリリーフパイプ61との間に燃料供給路72が形成されると共に、リリーフパイプ61内に燃料排出路73が形成されている。
この場合、コア162及びアーマチュア163の各貫通路168,169は、周方向均等間隔で複数(本実施例では、2つ)設けられている。また、磁性パイプ161の内周面には軸方向に沿って突起部170が形成される一方、アーマチュア163の外周面には軸方向に沿って溝部171が形成され、磁性パイプ161の突起部170がアーマチュア163の溝部171に係合している。従って、アーマチュア163は、磁性パイプ161に対して、軸方向には移動可能であるが、周方向には回動不能となっており、コア162の貫通路168とアーマチュア163の貫通路169が周方向において同位置に位置することとなる。この場合、磁性パイプ161の突起部170とアーマチュア163の溝部171により回動規制手段が構成される。
従って、デリバリパイプ14の第1室75からインジェクタ13の燃料供給路72に供給され、コア162及びアーマチュア163の貫通路168,169、ニードル弁49の外部通路64、連通孔65、内部通路63、コア162及びアーマチュア163の中央通路164,165、燃料排出路73を通ってデリバリパイプ14の第2室76に排出される燃料通路が構成されることとなる。
このように構成された本実施例の内燃機関の燃料噴射装置において、燃料噴射停止時には、インジェクタ13のコイル57に非通電状態であるため、ニードル弁49は、圧縮コイルスプリング54の付勢力によりシール部52が弁座部55に密着することで、燃料通路を構成する外部通路64と噴射口45は遮断されている。従って、デリバリパイプ14の燃料が、燃料供給路72からインジェクタ13に供給され、貫通路168,169、外部通路64、連通孔65、内部通路63、中央通路164,165を通って燃料排出路73からデリバリパイプ14に排出される。つまり、燃料がインジェクタ13の噴射口45の近傍まで循環することとなり、ホルダ41の先端部やバルブボディ42を確実に冷却することができる。
一方、燃料噴射時には、インジェクタ13のコイル57に通電するため、ニードル弁49は電磁吸引力により移動し、シール部52が弁座部55から離間することで、燃料通路を構成する外部通路64と噴射口45が連通する。従って、デリバリパイプ14の燃料が、燃料供給路72からインジェクタ13に供給され、貫通路168,169、外部通路64、連通孔65、内部通路63、中央通路164,165を通って燃料排出路73からデリバリパイプ14に排出されると共に、外部通路64まで循環した燃料の一部が噴射口45から燃焼室11に噴射される。つまり、燃料がインジェクタ13の噴射口45の近傍まで循環し、所定量だけ噴射口45から燃焼室11に噴射することができると共に、余剰燃料をデリバリパイプ14に排出し、ホルダ41の先端部やバルブボディ42を確実に冷却することができる。
そして、このとき、貫通路168,169及び連通孔65が周方向均等間隔で形成されており、燃料通路を流れる燃料の偏流が防止される。また、アーマチュア163は、溝部171が磁性パイプ161の突起部170に係合して周方向に回動不能であり、コア162の貫通路168とアーマチュア163貫通路169と常時対応した位置にいるため、燃料が確実に循環される。
このように実施例11の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、デリバリパイプ14にインジェクタ13の基端部を連結し、このインジェクタ13に、デリバリパイプ14の燃料をバルブボディ42の先端部に形成された噴射口45の近傍まで循環してからデリバリパイプ14に戻す燃料通路を設け、ニードル弁49によりこの燃料通路と噴射口45とを遮断して燃料を噴射口45の近傍まで常時循環可能とすると共に、この燃料通路と噴射口45とを連通して燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口45から燃焼室11に噴射可能としている。
従って、デリバリパイプ14の燃料が常時燃料通路を通って噴射口45の近傍まで循環してからデリバリパイプ14に戻ることとなり、循環する燃料により噴射口45の近傍を確実に冷却することができる。その結果、噴射口45の近傍に燃料が残留しても、この燃料がデポジットとなって堆積することが抑制され、燃料噴射量のばらつきや燃焼悪化を抑制することができる。
また、実施例11の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、噴射弁移動手段を構成するコア162とアーマチュア163を円筒形状とすることで、その中心部に中央通路164,165を形成すると共に、外周部に軸方向に沿った切欠部166,167を形成して貫通路168,169を設け、この中央通路164,165及び貫通路168,169を燃料通路として用いている。従って、コア162やアーマチュア163などを大型化することなく燃料通路を構成することができ、装置の小型化を図ることができる。そして、この貫通路168,169を周方向均等間隔で形成しており、燃料通路を流れる燃料の偏流を防止することで、循環する燃料により噴射口45の近傍を周方向均一して冷却することができる。
更に、磁性パイプ161の内周面に突起部170を設ける一方、アーマチュア163の外周面に突起部170に係合する溝部171を設け、磁性パイプ161に対してアーマチュア163を周方向に回動不能としている。従って、コア162の貫通路168とアーマチュア163の貫通路169とを常時対応した位置に位置決めすることができ、燃料を確実に循環することができる。
図25は、本発明の実施例12に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコアを表す要部断面図、図26は、実施例12の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのアーマチュアを表す要部断面図、図27は、実施例12の内燃機関の燃料噴射装置の変形例であるインジェクタのアーマチュアを表す要部断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例12の内燃機関の燃料噴射装置のインジェクタにおいて、図25及び図26に示すように、噴射弁移動手段を構成するコア181とアーマチュア182が円筒形状をなすことで、その中心部に中央通路183,184が形成されると共に、外周部の両側部が切断されることで、貫通路185,186が形成されている。更に、磁性パイプ161の内周面に突起部170が形成される一方、アーマチュア182の外周面にはこの突起部170に係合する溝部187が形成されている。そのため、アーマチュア182は、磁性パイプ161に対して軸方向には移動可能であるが、周方向には回動不能となっている。
従って、コア181及びアーマチュア182の中央通路183,184及び貫通路185,186が燃料通路として構成されることとなる。
このように実施例12の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、噴射弁移動手段を構成するコア181とアーマチュア182を円筒形状とすることで、その中心部に中央通路183,184を形成すると共に、外周部を切断して貫通路185,186を設け、この中央通路183,184及び貫通路185,186を燃料通路として用いている。従って、コア181やアーマチュア182などを大型化することなく燃料通路を構成することができ、装置の小型化を図ることができる。
また、磁性パイプ161の内周面に突起部170を設ける一方、アーマチュア182の外周面に突起部170に係合する溝部187を設け、磁性パイプ161に対してアーマチュア182を周方向に回動不能としている。従って、コア181の貫通路185とアーマチュア182の貫通路186とを常時対応した位置に位置決めすることができ、燃料を確実に循環することができる。
なお、アーマチュアを周方向に回動不能とする回動規制手段は上述した構成に限るものではない。例えば、図27に示すように、円筒形状をなす磁性パイプ191の一部をつぶして平坦部192を形成すると共に、アーマチュア193を磁性パイプ191の内周形状と同形状に形成することで、アーマチュア193を、磁性パイプ191に対して軸方向には移動可能であるが、周方向には回動不能としている。
図28は、本発明の実施例13に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコア上面を表す要部断面図、図29は、実施例13の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコア下面を表す要部断面図、図30は、実施例13の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのアーマチュアを表す要部断面図、図31は、実施例13のインジェクタのコア及びアーマチュアを表す要部縦断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例13の内燃機関の燃料噴射装置のインジェクタにおいて、図28乃至図31に示すように、噴射弁移動手段を構成するコア201とアーマチュア202が円筒形状をなすことで、その中心部に中央通路203,204が形成されると共に、外周部の両側部が切断されることで、貫通路205,206が形成されている。更に、アーマチュア202の上面に対向するコア201の下面には、各貫通路205,206と連通する連通溝207,208が外周部に沿って形成されている。
従って、コア201に対してアーマチュア202が周方向に回動可能であるが、コア201の貫通路205とアーマチュア202の貫通路206は連通溝207,208により常時連通状態にあるため、コア201及びアーマチュア202の中央通路203,204と貫通路205,206と連通溝207,208が燃料通路として構成されることとなる。
このように実施例13の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、噴射弁移動手段を構成するコア201とアーマチュア202を円筒形状とすることで、その中心部に中央通路203,204を形成すると共に、外周部を切断して貫通路205,206を設け、コア201の下面に各貫通路205,206と連通する連通溝207,208を設け、この中央通路203,204と貫通路205,206と連通溝207,208を燃料通路として用いている。従って、コア201やアーマチュア202などを大型化することなく燃料通路を構成することができ、装置の小型化を図ることができる。
そして、アーマチュア202は周方向に回動可能であるが、コア201の貫通路205とアーマチュア202の貫通路206は連通溝207,208により常時連通状態にあるため、燃料通路としての貫通路205,206が閉塞することはなく、燃料を確実に循環することができる。
図32は、本発明の実施例14に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコアを表す要部断面図、図33は、実施例14の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのアーマチュアを表す要部断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例14の内燃機関の燃料噴射装置のインジェクタにおいて、図32及び図33に示すように、噴射弁移動手段を構成する磁性パイプ211内には円筒形状をなすコア212が嵌合して固定されると共に、このコア212の先端側に円筒形状をなすアーマチュア213が所定の隙間を開けて軸方向に移動自在に支持されている。そして、コア212とアーマチュア213が円筒形状をなすことで、その中心部には中央通路214,215が形成されている。また、磁性パイプ211の内周面には、軸方向に沿って2つの貫通溝216が周方向均等間隔で形成されている。
従って、コア212及びアーマチュア213の中央通路214,215及び磁性パイプ211の貫通溝216が燃料通路として構成されることとなる。
このように実施例14の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、噴射弁移動手段を構成するコア212とアーマチュア213を円筒形状とすることで、その中心部に中央通路214,215を形成すると共に、磁性パイプ211に内周面に軸方向に沿って貫通溝216を形成し、この中央通路214,215と貫通溝216を燃料通路として用いている。従って、コア212やアーマチュア213を切り欠くなどして燃料通路を構成することが不要となり、装置の小型化を図ることができる。
図34は、本発明の実施例15に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコアを表す要部断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例15の内燃機関の燃料噴射装置のインジェクタにおいて、図34に示すように、磁性パイプ211内にはコア212が固定されると共に、このコア212に隣接してアーマチュア213が軸方向に移動自在に支持されている。一方、磁性パイプ211の外側にはボビン56を介してコイル57が巻回され、このコイル57の外側にコネクタ58が形成され、このコネクタ58の外側にヨーク59が固定されている。このコイル57は、通電することでコア212に電磁吸引力を発生させ、アーマチュア213を介してニードル弁を移動可能とするものであり、端子取出部57aが設けられ、ヨーク59はこの端子取出部57aに対向する位置とその反対側に切欠部59a,59bが形成されており、ここに磁路が発生しない。
そのため、コア212とアーマチュア213が円筒形状をなすことで、その中心部に中央通路214,215が形成されると共に,磁性パイプ211の内周面に軸方向に沿って2つの貫通溝216が形成されているが、各貫通溝216は、端子取出部57a、つまり、ヨーク59の切欠部59a,59bに対応して位置している。
従って、コア212及びアーマチュア213の中央通路214,215及び磁性パイプ211の貫通溝216が燃料通路として構成されることとなる。
このように実施例15の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、コア212とアーマチュア213を円筒形状とすることで、その中心部に中央通路214,215を形成すると共に、磁性パイプ211に内周面に軸方向に沿って貫通溝216を形成し、この貫通溝216をコイル57の端子取出部57a、つまり、ヨーク59の切欠部59a,59bに対応して位置させ、中央通路214,215と貫通溝216を燃料通路として用いている。従って、コア212やアーマチュア213を切り欠くなどして燃料通路を構成することが不要となり、装置の小型化を図ることができる。また、磁路のないところに燃料通路としての貫通溝216を形成することで、吸引力の低下を防止することができる。
図35は、本発明の実施例16に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコア及びアーマチュアを表す概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例16の内燃機関の燃料噴射装置のインジェクタにおいて、図35に示すように、噴射弁移動手段を構成するコア221とアーマチュア222が円筒形状をなすことで、その中心部に中央通路223,224が形成されると共に、外周部に貫通路225,226が形成されている。そして、この貫通路225,226は、コア221及びアーマチュア222の軸線方向に対して傾斜または螺旋状をなして形成され、貫通路225,226は連続するように位置している。
従って、コア221及びアーマチュア222の中央通路223,224及び傾斜した貫通路225,226が燃料通路として構成されることとなり、貫通路225,226を流れる燃料は旋回流となって移動することとなる。
このように実施例16の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、噴射弁移動手段を構成するコア221及びアーマチュア222に中央通路223,224及び傾斜した貫通路225,226を設けて燃料通路として用いている。従って、コア221やアーマチュア222などを大型化することなく燃料通路を容易に構成することができると共に、貫通路225,226を流れる燃料は旋回流となることから、インジェクタ内の燃料温度分布を均一にすることができ、燃料を適正に循環してインジェクタの先端部を確実に冷却することができる。
図36は、本発明の実施例17に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコア及びアーマチュアを表す縦断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例17の内燃機関の燃料噴射装置のインジェクタにおいて、図36に示すように、磁性パイプ47内にはコア47が固定されると共に、このコア47と直列に所定間隔Sをもってアーマチュア48が軸方向に移動自在に支持されており、このアーマチュア48にニードル弁49の後端部が連結され、アジャストパイプ53とアーマチュア48との間に圧縮スプリング54が介装されている。そして、コア47及びアーマチュア48の中心部に中央通路66,67が形成されると共に、外周部に貫通路70,71が形成されている。
また、コア47及びアーマチュア48の内周部には非磁性体からなるシールパイプ(燃料シール)231が配設され、一端部がアーマチュア48に固定される一方、他端部がコア47と相対移動自在となっている。このシールパイプ231は、中央通路66,67と貫通路70,71との間で燃料が所定間隔Sを通して互いに漏洩を防止するものである。
このように実施例17の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、磁性パイプ47内にコア47及びアーマチュア48を設けることで、燃料通路を構成する中央通路66,67及び貫通路70,71を形成すると共に、コア47及びアーマチュア48の内周部にシールパイプ231を配設し、中央通路66,67と貫通路70,71との間での燃料の流通を防止している。
従って、コア47やアーマチュア48などを大型化することなく燃料通路を容易に構成することができ、装置の小型化を図ることができると共に、シールパイプ231により所定間隔Sを通した中央通路66,67と貫通路70,71での燃料の流通を抑制し、燃料通路を流れる燃料温度の変動を防止することができ、インジェクタの先端部を確実に冷却することができる。
なお、この実施例17にて、シールパイプ231の一端部をアーマチュア48に固定し、他端部をコア47と相対移動自在としたが、シールパイプ231の一端部をコア47に固定し、他端部をアーマチュア48に相対移動自在としてもよい。また、コア47またはアーマチュア48の一方にシールパイプを一体に形成し、非磁性体を介して他方に相対移動自在としてもよい。
図37は、本発明の実施例18に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコア及びアーマチュアを表す縦断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例18の内燃機関の燃料噴射装置のインジェクタにおいて、図37に示すように、コア47及びアーマチュア48の内周部には弾性部材からなる円筒形状の燃料シール232が配設され、一端部がアーマチュア48に固定される一方、他端部がコア47と一体のアジャストパイプ53と当接可能となっている。この燃料シール232は、中央通路66,67と貫通路70,71との間で燃料が所定間隔Sを通して互いに漏洩を防止すると共に、ニードル弁49のバウンスを低減可能となっている。
このように実施例18の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、磁性パイプ47内にコア47及びアーマチュア48を設けることで、燃料通路を構成する中央通路66,67及び貫通路70,71を形成すると共に、コア47及びアーマチュア48の内周部に燃料シール232を配設し、中央通路66,67と貫通路70,71との間での燃料の流通を防止している。
従って、コア47やアーマチュア48などを大型化することなく燃料通路を容易に構成することができ、装置の小型化を図ることができると共に、燃料シール232により所定間隔Sを通した中央通路66,67と貫通路70,71での燃料の流通を抑制し、燃料通路を流れる燃料温度の変動を防止することができ、インジェクタの先端部を確実に冷却することができる。また、ニードル弁49が移動するとき、燃料シール232の端部がコア47またはアジャストパイプ53に当接することで、ニードル弁49のバウンスを低減することができ、適正量の燃料を噴射することができる。
図38は、本発明の実施例19に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコア及びアーマチュアを表す縦断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例19の内燃機関の燃料噴射装置のインジェクタにおいて、図38に示すように、コア47及びアーマチュア48の内周部には弾性部材からなる円筒形状の燃料シール233が配設され、一端部がアーマチュア48に連結される一方、他端部がコア47に連結されており、この燃料シール233は中間部に弛み部234を有している。この燃料シール233は、中央通路66,67と貫通路70,71との間で燃料が所定間隔Sを通して互いに漏洩を防止すると共に、ニードル弁49のバウンスを低減可能となっている。
このように実施例19の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、磁性パイプ47内にコア47及びアーマチュア48を設けることで、燃料通路を構成する中央通路66,67及び貫通路70,71を形成すると共に、コア47及びアーマチュア48の内周部に燃料シール233を配設し、中央通路66,67と貫通路70,71との間での燃料の流通を防止している。
従って、コア47やアーマチュア48などを大型化することなく燃料通路を容易に構成することができ、装置の小型化を図ることができると共に、燃料シール233により所定間隔Sを通した中央通路66,67と貫通路70,71での燃料の流通を抑制し、燃料通路を流れる燃料温度の変動を防止することができ、インジェクタの先端部を確実に冷却することができる。また、ニードル弁49が移動するとき、燃料シール233が撓むことでニードル弁49のバウンスを低減することができ、適正量の燃料を噴射することができる。
図39は、本発明の実施例20に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの断面図、図40は、実施例20の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの燃料供給部を表す断面図、図41乃至図44は、実施例20の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの燃料供給部の変形例を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例20の内燃機関の燃料噴射装置において、図39及び図40に示すように、インジェクタ13の磁性パイプ46の後端部に燃料導入管60が連結されると共に、コア46の後端部にリリーフパイプ61が連結されることで、燃料導入管60とリリーフパイプ61との間に燃料供給路72が形成されると共に、リリーフパイプ61内に燃料排出路73が形成されている。そして、燃料供給路72は、デリバリパイプ14の第1室75にて燃料流動方向の上流側に開口する燃料導入口241を有し、この燃料導入口241に第1燃料フィルタ242が装着されている。一方、燃料排出路73は軸方向に延出してデリバリパイプ14の第2室76に連通し、ここに第2燃料フィルタ243が装着されている。
即ち、本実施例のインジェクタ13は、燃料供給側をサイドフィードとし、燃料排出側をトップフィードとし、デリバリパイプ14の第1室75からインジェクタ13の燃料供給路72に供給され、コア47及びアーマチュア48の貫通路70,71、ニードル弁49の外部通路64、連通孔65、内部通路63、コア47及びアーマチュア48の中央通路66,67、燃料排出路73を通ってデリバリパイプ14の第2室76に排出される燃料通路が構成されることとなり、燃料供給路72と燃料排出路73に燃料フィルタ242,243を装着する。この場合、燃料供給側(サイドフィード)の第1燃料フィルタ242は、リング形状をなす取付リング242aの内側にメッシュ状のフィルタ本体242bが装着されて構成され、燃料導入口241の嵌合部241aに嵌合して固定されている。
このように実施例20の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、インジェクタ13の燃料供給側をサイドフィードとし、燃料排出側をトップフィードとし、燃料供給路72及び燃料排出路73に燃料フィルタ242,243を装着している。従って、インジェクタ13の燃料供給側と燃料排出側にそれぞれ燃料フィルタ242,243を装着することで、十分な燃料の供給量及び排出量を確保することができると共に、インジェクタ13への異物の混入を確実に防止することができ、また、燃料供給側と燃料排出側とで別の燃料フィルタ242,243とすることで、燃料フィルタ242,243自体の構成を簡略化することができる共に、低コスト化を図ることができる。
なお、上述した実施例20では、燃料供給路72の燃料導入口241に第1燃料フィルタ242を嵌合して装着したが、その装着構造はこの実施例に限定されるものではない。例えば、図41に示すように、燃料導入口241の開口端部に係止部241bを形成し、第1燃料フィルタ242をこの係止部241bに固定したり、図42に示すように、燃料導入口241の嵌合部241a及び係止部241bに係止部材244により第1燃料フィルタ242を固定してもよい。また、図43に示すように、燃料導入口241の外側に係止部241cを形成し、第1燃料フィルタ242と一体のフック245によりこの係止部241cに固定してもよい。更に、図44に示すように、燃料導入口241に凹部241dを形成し、第1燃料フィルタ242を係止部材246によりこの凹部241d内に固定してもよい。
図45は、本発明の実施例21に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタとデリバリパイプとの連結部を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例21の内燃機関の燃料噴射装置において、図45に示すように、インジェクタ13の磁性パイプ46の後端部に燃料導入管60が連結されると共に、コア47の後端部にリリーフパイプ61が連結されることで、燃料導入管60とリリーフパイプ61との間に燃料供給路72が形成されると共に、リリーフパイプ61内に燃料排出路73が形成されている。そして、インジェクタ13の後端部がデリバリパイプ14に連結され、この連結部に燃料フィルタ251が装着されることで、第1室75と燃料供給路72との間、第2室76と燃料排出路73との間に燃料フィルタ251が位置することとなる。
即ち、燃料フィルタ251は、リング形状をなす上下の支持リング252,253の間に支持パイプ254が位置し、両者が図示しない連結部材により連結され、この上下の支持リング252,253の間であって、支持パイプ254の外側と内側にフィルタ本体255,256が装着されて構成されている。そして、この燃料フィルタ251がデリバリパイプ14の隔壁74及びフランジ部33に固定されることで、第1室75と燃料供給路72との間にフィルタ本体255が設けられ、第2室76と燃料排出路73との間にフィルタ本体256が設けられることとなる。
本実施例のインジェクタ13は、燃料がデリバリパイプ14の第1室75から燃料フィルタ251のフィルタ本体255を通ってインジェクタ13の燃料供給路72に供給され、図示しない噴射口の近傍まで循環され、燃料排出路73から燃料フィルタ251のフィルタ本体256を通ってデリバリパイプ14の第2室76に排出される燃料通路が構成されることとなる。
このように実施例21の内燃機関の燃料噴射装置にあっては、インジェクタ13の後端部とデリバリパイプ14との連結部に燃料フィルタ251を装着し、第1室75と燃料供給路72との間にフィルタ本体255を位置させ、第2室76と燃料排出路73との間にフィルタ本体256を位置させるようにしている。従って、インジェクタ13の燃料供給側と燃料排出側に2つのフィルタ本体255,256を有する一つの燃料フィルタ251を装着することで、組付性を向上させることができる一方で、十分な燃料の供給量及び排出量を確保することができると共に、インジェクタ13への異物の混入を確実に防止することができる。
なお、上述した各実施例にて、本発明の内燃機関の燃料噴射装置を各種の内燃機関に適用して説明したが、燃料を直接燃焼室に噴射する筒内噴射式の内燃機関、燃料を吸気ポートに噴射するポート噴射式の内燃機関のいずれに適用しても良く、また、燃料を直接燃焼室に噴射するインジェクタと燃料を吸気ポートに噴射するインジェクタの両方の噴射方式を有する内燃機関に適用することもでき、いずれの内燃機関に適用しても前述と同様の作用効果を奏することができる。
以上のように、本発明に係る内燃機関の燃料噴射装置は、燃料を燃料噴射口の近傍まで常時循環可能とすると共に燃料通路を流れる燃料の一部を噴射口から噴射可能とするものであり、いずれの種類の内燃機関に用いても好適である。
本発明の実施例1に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの断面図である。 図1のII−II断面図である。 図1のIII−III断面図である。 実施例1の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの先端部の断面図である。 図4のV−V断面図である。 実施例1の内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図である。 本発明の実施例2に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの断面図である。 実施例2の内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図である。 本発明の実施例3に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの断面図である。 本発明の実施例4に係る内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図である。 実施例4の内燃機関の燃料噴射装置の変形例を表す概略構成図である。 本発明の実施例5に係る内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図である。 高圧ポンプの概略図である。 本発明の実施例6に係る内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図である。 実施例6の内燃機関の燃料噴射装置の変形例を表す概略構成図である。 本発明の実施例7に係る内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図である。 実施例7の内燃機関の燃料噴射装置の変形例を表す概略構成図である。 本発明の実施例8に係る内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図である。 実施例8の内燃機関の燃料噴射装置の変形例を表す概略構成図である。 本発明の実施例9に係る内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図である。 本発明の実施例10に係る内燃機関の燃料噴射装置における燃料循環制御のフローチャートである。 本発明の実施例11に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの断面図である。 図22のXXIII−XXIII断面図である。 図22のXXIV−XXIV断面図である。 本発明の実施例12に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコアを表す要部断面図である。 実施例12の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのアーマチュアを表す要部断面図である。 実施例12の内燃機関の燃料噴射装置の変形例であるインジェクタのアーマチュアを表す要部断面図である。 本発明の実施例13に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコア上面を表す要部断面図である。 実施例13の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコア下面を表す要部断面図である。 実施例13の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのアーマチュアを表す要部断面図である。 実施例13のインジェクタのコア及びアーマチュアを表す要部縦断面図である。 本発明の実施例14に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコアを表す要部断面図である。 実施例14の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのアーマチュアを表す要部断面図である。 本発明の実施例15に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコアを表す要部断面図である。 本発明の実施例16に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコア及びアーマチュアを表す概略図である。 本発明の実施例17に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコア及びアーマチュアを表す縦断面図である。 本発明の実施例18に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコア及びアーマチュアを表す縦断面図である。 本発明の実施例19に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタのコア及びアーマチュアを表す縦断面図である。 本発明の実施例20に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの断面図である。 実施例20の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの燃料供給部を表す断面図である。 実施例20の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの燃料供給部の変形例を表す断面図である。 実施例20の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの燃料供給部の変形例を表す断面図である。 実施例20の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの燃料供給部の変形例を表す断面図である。 実施例20の内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタの燃料供給部の変形例を表す断面図である。 本発明の実施例21に係る内燃機関の燃料噴射装置におけるインジェクタとデリバリパイプとの連結部を表す断面図である。
符号の説明
10 エンジン(内燃機関)
11 燃焼室
12 シリンダヘッド(エンジン本体)
13,13a,13b,91 インジェクタ
14,14a,14b,81,92 デリバリパイプ
16 低圧フィードポンプ
17,17a,17b,19 燃料供給管
18 高圧ポンプ
24,24a,24b 燃料排出管
25,25a,25b リリーフ弁
26 電子制御ユニット、ECU
32 燃圧センサ
41,93 ホルダ(噴射装置本体)
42,94 バルブボディ(噴射装置本体)
45,96 噴射口(燃料噴射口)
46,97,161,191,211 磁性パイプ(噴射弁移動手段)
47,98,162,181,201,212,221 コア(噴射弁移動手段)
48,99,163,182,193,202,213,222 アーマチュア(噴射弁移動手段)
49,100 ニードル弁(噴射弁)
52,101 シール部
54,103 圧縮コイルスプリング(噴射弁移動手段)
55,104 弁座部
57,106 コイル(噴射弁移動手段)
57a 端子取出部
59,108 ヨーク(噴射弁移動手段)
60,82,109 燃料導入管
61,83 リリーフパイプ
63 内部通路(燃料通路)
64,112 外部通路(燃料通路)
65,114,117 連通孔(燃料通路)
66,67,115,116,164,165,183,184,203,204,214,215,223,224 中央通路(燃料通路)
68,69,166,167 切欠部
70,71,168,169,185,186,205,206,225,226 貫通路(燃料通路)
72,118 燃料供給路(燃料通路)
73,113 燃料排出路(燃料通路)
74 隔壁
75 第1室
76 第2室
77 ガスシール(取付シール)
78 Oリング(軸シール)
79 Oリング(面シール)
121 燃料クーラ(燃料冷却手段)
141 電磁リリーフ弁
151 切換弁
152,153 分岐通路
154 流量調整弁
170 突起部(回動規制手段)
171,187 溝部(回動規制手段)
207,208 連通溝(燃料通路)
216 貫通溝
231 シールパイプ(燃料シール)
232,233 燃料シール
242,243,251 燃料フィルタ

Claims (30)

  1. 噴射装置本体と、該噴射装置本体の先端部に設けられた燃料噴射口と、外部から供給された燃料を前記燃料噴射口の近傍まで循環してから外部に排出する燃料通路と、該燃料通路と前記燃料噴射口とを連通して該燃料通路を流れる燃料の一部を該燃料噴射口から噴射可能な噴射弁とを具えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記噴射装置本体は先端外周部がエンジン本体に取付シールを介して固定され、前記燃料通路は該取付シールより前記噴射装置本体の先端側まで延設されたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記噴射弁を中空形状に形成することで、該噴射弁の内側に内部通路が形成されると共に該噴射弁の外側に外部通路が形成され、前記噴射弁の先端部に前記内部通路と前記外部通路を連通する連通孔が形成され、前記内部通路と前記外部通路と前記連通孔により前記燃料通路が構成されたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  4. 請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記噴射弁は付勢部材により前記燃料通路と前記燃料噴射口との連通を阻止するように付勢支持される一方、噴射弁移動手段により前記噴射弁を移動することで前記燃料通路と前記燃料噴射口との連通可能であり、前記燃料通路は前記噴射弁移動手段を貫通して設けられたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  5. 請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記噴射弁移動手段は、磁性パイプと、該磁性パイプの内周面に固定されたコアと、該コアと直列をなすと共に前記噴射弁の基端部に連結されて前記磁性パイプの内周面に軸方向に移動自在に支持されたアーマチュアと、前記磁性パイプの外周側に配設されて通電可能なコイルとから構成され、前記燃料通路は前記コア及び前記アーマチュアの中心部及び外周部を貫通して形成されたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  6. 請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記噴射弁の外側に外部通路が形成されると共に前記噴射装置本体に貫通通路が形成され、前記噴射装置本体の先端部に前記外部通路と前記貫通通路を連通する連通孔が形成され、前記外部通路と前記貫通通路と前記連通孔により前記燃料通路が構成されたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  7. 請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、デリバリパイプの内部を隔壁により第1室と第2室に区画し、前記第1室に燃料を供給可能とする一方、前記第2室から燃料を排出可能とし、前記燃料通路の燃料供給側端部が前記第1室に連結され、前記燃料通路の燃料排出側端部が前記第2室に連結されたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  8. 請求項7に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記燃料通路の燃料供給側端部が前記第1室のフランジ部に軸シールを介して連結され、前記燃料通路の燃料排出側端部が前記第2室に面シールを介して連結されたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  9. 請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、デリバリパイプの一端部に燃料を供給可能とすると共に他端部から燃料を排出可能とし、前記燃料通路の燃料供給側端部と燃料排出側端部が前記デリバリパイプに連結され、前記燃料供給側端部は燃料流動方向上流側に向けて開口されたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  10. 請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記燃料通路は、前記コア及び前記アーマチュアの外周面が軸方向に沿って切欠かれて形成されたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  11. 請求項10に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記コアの切欠と前記アーマチュアの切欠とを連通する連通溝が前記コアまたは前記アーマチュアに形成されたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  12. 請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記アーマチュアの回動を規制する回動規制手段が設けられたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  13. 請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記噴射弁移動手段は、磁性パイプと、該磁性パイプの内周面に固定されたコアと、該コアと直列をなすと共に前記噴射弁の基端部に連結されて前記磁性パイプの内周面に軸方向に移動自在に支持されたアーマチュアと、前記磁性パイプの外周側に配設されて通電可能なコイルとから構成され、前記燃料通路は前記コア及び前記アーマチュアの中心部を貫通して形成されると共に、前記磁性パイプの内周面に沿って形成されたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  14. 請求項5または13に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記燃料通路は前記コイルの端子取出部に対応して形成されたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  15. 請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記燃料通路は周方向均等間隔で複数設けられたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  16. 請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記燃料通路は軸線方向に対して傾斜して設けられたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  17. 請求項5または13に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記コアと前記アーマチュアの間に燃料漏れを防止する燃料シールが設けられたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  18. 請求項17に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記燃料シールは少なくとも前記コアに支持された弾性部であることを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  19. 請求項3または6に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記連通孔は周方向均等間隔で複数設けられたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  20. 請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、燃料を給排可能なデリバリパイプに前記噴射装置本体の基端部を連結し、該噴射装置本体の外周面部または端面部のいずれか一方から前記燃料通路に燃料を供給可能とし、前記燃料通路の燃料を前記他方から排出可能とし、前記噴射装置本体の外周面部及び端面部にフィルタが設けられたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  21. 請求項20に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記フィルタは前記燃料通路の燃料供給側端部及び燃料排出側端部を被覆するように設けられたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  22. 請求項7または9に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記デリバリパイプに燃料を供給する燃料ポンプの吐出量または前記デリバリパイプから燃料排出するリリーフ弁の設定圧力により前記燃料通路における燃料循環量が調整されることを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  23. 請求項7または9に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記デリバリパイプから排出された燃料の排出通路に燃料冷却手段が設けられたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  24. 請求項7または9に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記デリバリパイプに燃料を供給する燃料供給ラインに燃料供給ポンプが設けられ、前記デリバリパイプから排出された燃料を該燃料供給ポンプの吸入口に戻す燃料排出ラインが設けられたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  25. 請求項7または9に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記デリバリパイプに燃料を供給する燃料供給ラインに燃料供給ポンプが設けられ、前記デリバリパイプから排出された燃料を燃料タンクに戻す第1燃料排出ラインと、燃料を前記燃料供給ポンプの吸入口に戻す燃料排出ラインが設けられ、内燃機関の運転状態に応じて前記デリバリパイプから排出された燃料を戻す燃料排出ラインを切換えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  26. 請求項7または9に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、燃料を燃焼室に噴射する高圧燃料噴射系を有し、該高圧燃料噴射系に低圧燃料ポンプ及び高圧燃料ポンプが設けられ、少なくとも内燃機関の始動時には、前記高圧燃料ポンプを停止して前記低圧燃料ポンプにより前記高圧燃料噴射系における前記燃料通路に燃料を循環させることを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  27. 請求項7または9に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、燃料を吸気ポートに噴射する低圧燃料噴射系と燃料を燃焼室に噴射する高圧燃料噴射系を有し、前記低圧燃料噴射系に低圧燃料を供給する低圧フィードポンプが設けられると共に、前記高圧燃料噴射系に高圧燃料を供給する高圧ポンプが設けられ、前記高圧燃料噴射系の休止時には、前記低圧フィードポンプにより前記低圧燃料噴射系及び前記高圧燃料噴射系における前記燃料通路に燃料を循環させることを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  28. 請求項26または27に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記低圧燃料噴射系及び前記高圧燃料噴射系から排出された燃料を前記低圧フィードポンプの吸入口に戻す燃料排出ラインが設けられたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  29. 請求項22に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、内燃機関の運転状態に応じて前記噴射装置本体の先端部における受熱量を推定し、推定された受熱量に基づいて前記燃料循環量を調整することを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  30. 請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記噴射装置本体の先端部の温度を推定し、この推定温度が予め設定された所定温度以下になるまで前記燃料通路に燃料を循環させることを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
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